JP2001198470A - 化合物が有する活性水素の活性化方法 - Google Patents

化合物が有する活性水素の活性化方法

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JP2001198470A
JP2001198470A JP2000143408A JP2000143408A JP2001198470A JP 2001198470 A JP2001198470 A JP 2001198470A JP 2000143408 A JP2000143408 A JP 2000143408A JP 2000143408 A JP2000143408 A JP 2000143408A JP 2001198470 A JP2001198470 A JP 2001198470A
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Yoshiyuki Takahashi
由幸 高橋
Hiroshi Yamamoto
浩史 山本
Yoshiaki Hirano
喜章 平野
Takehiko Morita
武彦 森田
Takafumi Kubo
貴文 久保
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化合物が有する活性水素を活性化させる活性
化方法、並びに、化合物が有する活性水素の活性化を伴
う種々の反応における触媒として好適に用いることがで
きる活性化触媒を提供する。 【解決手段】 活性化触媒は、官能基として環状四級ア
ンモニウム基を有し、かつ該アンモニウム基を構成する
窒素原子のESPD電荷が、+0.4〜+1.3(elect
rons) の範囲内である。これにより、該触媒は、上記特
定の範囲内のESPD電荷を示す窒素原子を活性点とし
て、化合物が有する活性水素を効率的に活性化させるこ
とができる。つまり、該触媒は、該活性水素の活性化を
伴う種々の反応における活性化触媒として好適である。
また、該活性化触媒を用いることにより、選択性に優れ
た反応を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化合物が有する活
性水素を活性化させる活性化方法、および、該活性水素
を活性化させる活性化触媒、並びに、該活性化触媒とし
て供される強塩基性樹脂に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、オレフィンの水和反
応や重合反応等において、触媒を用いた反応プロセスは
数多く研究されている。該触媒には、溶液中における酸
触媒等のように、触媒相と反応相とが同相である均一系
触媒や、気相や液相の反応系に添加する固体触媒のよう
に、触媒相と反応相とが異なる不均一系触媒がある。
【0003】均一系触媒は、反応基質である化合物が有
する活性水素を活性化させる活性成分が反応相と同相に
あるので、反応は、例えば、溶液中に活性成分が均一に
分散された状態で進行する。このため、均一系触媒を用
いた場合には、反応速度が速く、反応基質の転化率が高
い。従って、均一系触媒を用いる場合には、触媒設計が
容易である。しかしながら、その反面、均一系触媒は、
触媒の分離操作が困難であり、また、反応後に触媒を含
んだ廃液が生じるため、該廃液を処理する必要があると
いう問題点を有している。
【0004】一方、不均一系触媒は、上記活性成分が反
応相と同相には無いので、触媒の分離操作が容易であ
り、また、反応後に触媒を含んだ廃液が生じない。従っ
て、均一系触媒と比較して、不均一系触媒は反応後の処
理面においては非常に有利である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、不均一
系触媒は、例えばイオン交換樹脂等のように、担体或い
は母体表面に固定化された官能基を活性点として反応が
進行するため、該反応は触媒表面で起こる。このため、
不均一系触媒を用いた場合には、反応速度が遅く、反応
基質の転化率が低い。従って、不均一系触媒を用いる場
合には、触媒設計が困難であるという問題点を有してい
る。
【0006】そこで、反応速度が速く、反応基質の転化
率が高い例えば不均一系触媒を開発すべく、該触媒の設
計を容易に行う方法が求められており、それゆえ、設計
した触媒の活性能を容易に評価することができる評価方
法が求められている。また、反応基質である化合物が有
する活性水素の活性化を伴う種々の反応における触媒と
して好適に用いることができる活性化触媒、並びに、化
合物が有する活性水素を活性化させる活性化方法が求め
られている。さらに、活性水素の活性化を伴う種々の反
応において、熱劣化(加熱による劣化)を受けることな
く活性化触媒として好適に用いることができる、耐熱性
に優れた強塩基性樹脂が求められている。
【0007】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、化合物が有する活性水素を
活性化させる活性化方法、並びに、該活性水素を活性化
させる触媒、即ち、化合物が有する活性水素の活性化を
伴う種々の反応における触媒として好適に用いることが
できる活性化触媒を提供することにある。また、本発明
の他の目的は、耐熱性を備え、該活性化触媒として好適
に用いることができる強塩基性樹脂を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記の
目的を達成すべく、化合物が有する活性水素の活性化方
法および活性化触媒について鋭意検討した。その結果、
触媒の活性能をESPD(静電ポテンシャル由来)電荷
によって容易に評価することができることを見い出し
た。そして、官能基として環状四級アンモニウム基を有
し、かつ該アンモニウム基を構成する窒素原子のESP
D電荷が特定の範囲内である触媒が、上記窒素原子を活
性点として、化合物が有する活性水素を効率的に活性化
させることができること、つまり、該活性水素の活性化
を伴う種々の反応における活性化触媒として好適である
ことを見い出して、本発明を完成させるに至った。ま
た、特定の強塩基性樹脂が耐熱性を備え(熱安定性に優
れ)、熱劣化を受けることなく活性化触媒として好適に
用いることができることを確認した。
【0009】尚、各種化合物におけるESP(静電ポテ
ンシャル)と塩基性(pKa)との相関性について記載
された文献(Journal of Molecular Structure (Theoch
em),201 (1989) 257-270 )は知られているが、該文献
には、ESPD電荷と酸性との関連性や、ESPD電荷
の大小が反応性に及ぼす影響等については、何ら記載さ
れていない。
【0010】請求項1記載の発明の活性水素の活性化触
媒は、上記の課題を解決するために、化合物が有する活
性水素を活性化させる触媒であって、官能基として環状
四級アンモニウム基を有し、かつ該アンモニウム基を構
成する窒素原子のESPD電荷が、+0.4〜+1.3
(electrons) の範囲内であることを特徴としている。
【0011】請求項2記載の発明の活性水素の活性化触
媒は、上記の課題を解決するために、請求項1記載の活
性化触媒において、上記環状四級アンモニウム基が5員
環または6員環であることを特徴としている。
【0012】請求項3記載の発明の活性水素の活性化触
媒は、上記の課題を解決するために、請求項1または2
記載の活性化触媒において、活性水素を有する化合物
が、−OH基、−NH−基および−COOH基からなる
群より選ばれる少なくとも一種の官能基を有する化合物
であることを特徴としている。
【0013】請求項4記載の発明の活性水素の活性化触
媒は、上記の課題を解決するために、請求項1、2また
は3記載の活性化触媒において、活性水素を有する化合
物が、不飽和カルボン酸、アルコールおよび水からなる
群より選ばれる少なくとも一種の化合物であることを特
徴としている。
【0014】また、請求項5記載の発明の活性水素の活
性化方法は、上記の課題を解決するために、請求項1な
いし4の何れか1項に記載の活性化触媒を用いて、化合
物が有する活性水素を活性化させることを特徴としてい
る。
【0015】請求項6記載の発明の触媒用強塩基性樹脂
は、上記の課題を解決するために、化合物が有する活性
水素を活性化させる触媒として供される強塩基性樹脂で
あって、耐熱温度が70℃以上であることを特徴として
いる。
【0016】請求項7記載の発明の触媒用強塩基性樹脂
は、上記の課題を解決するために、請求項6記載の触媒
用強塩基性樹脂において、含窒素環状構造を有している
ことを特徴としている。
【0017】請求項8記載の発明の触媒用強塩基性樹脂
は、上記の課題を解決するために、請求項6または7記
載の触媒用強塩基性樹脂において、官能基として環状四
級アンモニウム基を有していることを特徴としている。
【0018】請求項9記載の発明の触媒用強塩基性樹脂
は、上記の課題を解決するために、請求項8記載の触媒
用強塩基性樹脂において、上記環状四級アンモニウム基
が5員環または6員環であることを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明において、ESPD(静電
ポテンシャル由来)電荷とは、Wavefunction, Inc.社製
の総合分子設計支援システム Spartan (version 5.0)を
用いた半経験MO (molecular orbital)法計算によって
算出される数値を示す(Spartan は商品名)。尚、Spar
tan (version 5.0) には、ESPD電荷と酸性度との関
連性について記載された文献(Experiments in Computa
tional Organic Chemistry)が付属資料として添付され
ているが、該文献には、ESPD電荷の大小が反応性に
及ぼす影響等については、何ら記載されていない。
【0020】本発明にかかる活性水素の活性化触媒は、
化合物が有する活性水素を活性化させる触媒であって、
官能基として環状四級アンモニウム基を有し、かつ該ア
ンモニウム基を構成する窒素原子のESPD電荷が、+
0.4〜+1.3(electrons) の範囲内、より好ましく
は+0.50〜+1.2の範囲内、さらに好ましくは+
0.55〜+1.1の範囲内である構成である。また、
本発明にかかる活性水素の活性化方法は、上記構成の活
性化触媒を用いて、化合物が有する活性水素を活性化さ
せる方法である。
【0021】上記の活性化触媒は、該触媒が環状四級ア
ンモニウム基を官能基として有し、かつ該アンモニウム
基を構成する窒素原子のESPD電荷が上記の範囲内で
あればよく、従ってその構造は特に限定されるものでは
ない。しかしながら、活性化触媒は、触媒性能および強
度の面から、三次元網目構造を有する架橋性高分子であ
ることがより好ましく、該構造の内部および/または表
面に、化合物が有する活性水素を活性化させる活性点を
備えていることがさらに好ましい。これにより、反応基
質である上記化合物(以下、活性水素含有化合物と記
す)が有する活性水素をより効率的に活性化することが
できるので、反応速度を向上させることができ、活性水
素含有化合物の転化率を向上させることができる。ま
た、架橋性高分子は、反応後、反応系からの分離・除去
操作が容易である。
【0022】さらに、上記の活性化触媒は、活性水素の
活性化を伴う種々の反応において、熱劣化(加熱による
劣化)をより受け難いことが一層望ましい。即ち、活性
化触媒は、耐熱性に優れていることが一層望ましい。耐
熱性に優れた活性化触媒として好適に用いることができ
る架橋性高分子としては、耐熱温度が70℃以上である
強塩基性樹脂(触媒用強塩基性樹脂)が挙げられる。
尚、強塩基性樹脂については後段にて詳述する。
【0023】以下の説明においては、活性化触媒が架橋
性高分子である場合を例に挙げることとする。尚、該架
橋性高分子は、活性水素含有化合物および溶媒に対し
て、実質的に反応を起こさないことが望ましい。
【0024】上記の架橋性高分子は、環状四級アンモニ
ウム基を形成することができる環状アミン構造を備えた
一価基を官能基として有する単量体を、その重合単位と
していることが好ましい。従って、環状四級アンモニウ
ム基としては、具体的には、例えば、5員環であるピロ
リジン環や6員環であるピペリジン環等の含窒素複素環
構造を備えた一価基を四級化してなるアンモニウム基が
挙げられるが、特に限定されるものではない。上記の含
窒素複素環は、炭化水素基等の置換基をさらに有してい
てもよい。また、架橋性高分子は、数種類の環状四級ア
ンモニウム基を有していてもよく、環状四級アンモニウ
ム基に加えてさらに他の官能基を有していてもよい。つ
まり、重合単位である単量体は、互いに異なる環状アミ
ン構造を備えた数種類の一価基を有していてもよく、該
一価基に加えてさらに他の官能基を有していてもよい。
【0025】架橋性高分子は、環状四級アンモニウム基
を官能基として有しているので、選択性に優れた触媒性
能を発揮することができる。
【0026】架橋性高分子は、環状アミン構造を備えた
一価基を官能基として有する単量体を含む単量体成分を
重合させた後、四級化剤を用いて四級化反応させること
により、容易に得ることができる。或いは、架橋性高分
子は、重合後に環状四級アンモニウム基となるべき四級
アンモニウム塩を官能基として有するジビニル化合物、
および/または、重合後に環状四級アンモニウム基とな
るべきアミン構造を有するジアリル化合物若しくはトリ
アリル化合物を含む単量体成分を重合させることによ
り、容易に得ることができる。上記単量体成分は、該官
能基を有する単量体の他に、該単量体と共重合可能な共
重合性単量体を含んでいてもよい。環状アミン構造を備
えた一価基を有する単量体としては、具体的には、例え
ば、一般式(1)
【0027】
【化1】
【0028】で表される単量体が挙げられるが、特に限
定されるものではない。該単量体としては、具体的に
は、例えば、N−メチル−3−ビニルピロリジン、N−
(2−プロペニル)−3−ビニルピロリジン等のビニル
ピロリジン類;N−メチル−3−ビニルピペリジン、N
−(2−プロペニル)−3−ビニルピペリジン等のビニ
ルピペリジン類;等が挙げられるが、特に限定されるも
のではない。ジビニル化合物並びにジアリル化合物とし
ては、具体的には、例えば、一般式(2),(3)
【0029】
【化2】
【0030】で表される単量体が挙げられるが、特に限
定されるものではない。また、トリアリル化合物として
は、具体的には、例えば、前記一般式(2)における置
換基R' がアリル基である単量体、並びに、前記一般式
(3)における置換基R''または置換基R''' がアリル
基である単量体が挙げられるが、特に限定されるもので
はない。これら単量体は、一種類のみを用いてもよく、
また、二種類以上を併用してもよい。
【0031】共重合性単量体は、オレフィン基を有する
単量体であればよく、特に限定されるものではない。該
共重合性単量体としては、具体的には、例えば、スチレ
ン、エチレン、ビニルエーテル類等が挙げられる。これ
ら共重合性単量体は、必要に応じて、一種類のみを用い
てもよく、また、二種類以上を併用してもよい。尚、環
状アミン構造を備えた一価基や上記四級アンモニウム塩
並びにアミン構造を有する単量体と、共重合性単量体と
の使用割合は、特に限定されるものではない。
【0032】上記架橋性高分子の製造方法、即ち、単量
体成分の重合方法、並びに、得られた架橋重合体の四級
化方法は、特に限定されるものではない。
【0033】単量体成分の重合方法としては、例えば、
溶液重合法、懸濁重合法、逆相懸濁重合法等の公知の種
々の方法を採用することができる。上記単量体成分を重
合させる際に用いる溶媒としては、具体的には、例え
ば、水、トルエン、シクロヘキサン等が挙げられるが、
特に限定されるものではない。さらに、上記懸濁重合を
行う際に用いる懸濁剤としては、具体的には、例えば、
エチルセルロース、ゼラチン、デキストリン、ポリビニ
ルアルコール、ソルビタンエステル類等が挙げられる
が、特に限定されるものではない。尚、上記溶媒や懸濁
剤の使用量は、特に限定されるものではない。
【0034】上記単量体成分を重合させる際には、重合
開始剤を用いることができる。該重合開始剤としては、
具体的には、例えば、過酸化水素、ベンゾイルパーオキ
サイド、クメンヒドロパーオキサイド等の過酸化物;
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−ア
ゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ化
合物;過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸
カリウム等の過硫酸塩;等のラジカル重合開始剤等が挙
げられる。これら重合開始剤は、一種類のみを用いても
よく、また、二種類以上を併用してもよい。また、上記
重合開始剤を用いる代わりに、放射線や電子線、紫外線
等を照射してもよく、或いは、重合開始剤とこれら放射
線や電子線、紫外線等の照射とを併用してもよい。尚、
上記重合開始剤の使用量は、特に限定されるものではな
い。
【0035】上記重合反応を行う際の反応温度は、単量
体成分や溶媒、重合開始剤の種類・組み合わせ等に応じ
て適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
また、反応時間は、上記重合反応が完結するように、反
応温度、或いは、単量体成分や溶媒、重合開始剤の種類
・組み合わせ、使用量等に応じて適宜設定すればよい。
さらに、反応圧力も特に限定されるものではなく、常圧
(大気圧)、減圧、加圧の何れであってもよい。
【0036】上記重合反応を行う際には、架橋性単量体
(架橋剤)を用いることによって、得られる架橋重合体
(架橋性高分子)の架橋度を制御することができる。つ
まり、単量体成分は、架橋性単量体をさらに含んでいて
もよい。上記架橋性単量体としては、具体的には、例え
ば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエ
チレングリコールジアクリレート、メチレンビスアクリ
ルアミド、ジビニルベンゼン等が挙げられるが、特に限
定されるものではない。また、エピクロロヒドリン等の
エポキシ基含有化合物を用いて架橋させることもでき
る。
【0037】上記架橋重合体(架橋性高分子)の架橋度
は、例えば架橋性単量体を用いる場合においては、単量
体成分における架橋性単量体のモル分率で表され、通
常、0.1モル%〜30モル%の範囲内、好ましくは
0.1モル%〜10モル%の範囲内、さらに好ましくは
0.1モル%〜5モル%の範囲内とすればよい。
【0038】上記の重合反応により得られる架橋重合体
としては、例えば、一般式(4)
【0039】
【化3】
【0040】で表される構造を備えた官能基を有する架
橋重合体、或いは、例えば、一般式(5)
【0041】
【化4】
【0042】で表される構造を備えた官能基を有する架
橋重合体(この場合には架橋性高分子)が挙げられる。
しかしながら、該架橋重合体は、溶媒に対して不溶の三
次元網目構造を有するものであればよく、特に限定され
るものではない。また、架橋重合体が有する環状四級ア
ンモニウム基以外の官能基の種類は、特に限定されるも
のではない。
【0043】尚、上記一般式(4)において、架橋重合
体本体とは、該架橋重合体主鎖を示し、前記環状アミン
構造を備えた一価基を官能基として有する単量体が単独
重合したものであってもよく、或いは、該単量体と、該
単量体と共重合可能な他の単量体とが共重合したもので
あってもよい。
【0044】上記一般式(4)にかかる架橋重合体を四
級化剤を用いて四級化反応させることにより、架橋性高
分子を容易に得ることができる。上記の四級化剤として
は、具体的には、例えば、塩化メチルや臭化メチル、ヨ
ウ化メチル、ヨウ化エチル等のハロゲン化アルキル等が
挙げられるが、特に限定されるものではなく、公知の種
々の四級化剤を用いることができる。また、四級化反応
の反応条件は、特に限定されるものではなく、公知の種
々の反応条件を採用することができる。さらに、四級化
反応した後、イオン交換することによって、対アニオン
であるハロゲン化物イオンをOH- イオンやCH2 =C
HCOO- イオン、HCO3 - イオン、カルボン酸イオ
ン、モリブデン酸イオン、タングステン酸イオン、メタ
バナジン酸イオン、ピロバナジン酸イオン、水素ピロバ
ナジン酸イオン、亜硫酸水素イオン等の対アニオンに置
換することもできる。
【0045】或いは、前記一般式(2),(3)にかか
る単量体を含む単量体成分を重合させることにより、上
記一般式(5)にかかる架橋性高分子を容易に得ること
ができる。
【0046】上記架橋性高分子は、耐熱性(熱安定性)
に優れており、活性水素の活性化を伴う種々の反応にお
いて、熱劣化をより受け難い。つまり、該架橋性高分子
は、耐熱温度が70℃以上である強塩基性樹脂である。
該強塩基性樹脂は、含窒素環状構造を有しており、より
具体的には、官能基として5員環または6員環である環
状四級アンモニウム基を有している。そして、強塩基性
樹脂である例えば前記一般式(5)にかかる架橋性高分
子は、含窒素環状構造を有しているので窒素原子の脱離
が生じ難く、かつ該環状構造を構成する窒素原子のβ位
にメチレン基が存在しないため、熱分解温度が高くなり
熱劣化を受け難く、従って70℃以上の耐熱温度を示
す。また、耐薬品性にも優れている。
【0047】強塩基性樹脂は耐熱性に優れているので、
例えば70℃で所定時間、活性水素の活性化を伴う種々
の反応を行うことにより該強塩基性樹脂を加熱しても、
加熱の前後において樹脂の総イオン交換容量が殆ど変化
しない。つまり、強塩基性樹脂は高温での利用が可能で
あり、触媒活性を発揮する条件として温度に関する限定
を受けることが少ない。また、強塩基性樹脂は耐熱性に
優れているので、長時間にわたって安定した触媒活性を
発揮することができ、それゆえ繰り返して使用すること
ができる。さらに、該強塩基性樹脂は、触媒活性が高
く、反応の選択性に優れているため、コスト面で非常に
有利であり、工業的な利用価値が高い。上記樹脂の総イ
オン交換容量は、乾燥した状態の強塩基性樹脂(架橋性
高分子)の値であって、その具体的な測定方法は、後段
の実施例にて詳述する。
【0048】また、前記一般式(5)にかかる架橋性高
分子は、例えばポリスチレン主鎖に官能基(活性点)と
して環状四級アンモニウム基が設けられている高分子と
比較して、単位重量当たりの窒素原子数が多い。さら
に、環状四級アンモニウム基を有する架橋性高分子は、
環状三級アンモニウム基を有する架橋性高分子と比較し
て、塩基性が高いため、触媒活性がより高い。それゆ
え、樹脂の総イオン交換容量を5.0meq/g以上
(例えば対アニオンがCl- である場合)と大きくする
ことができるので、より少ない触媒使用量で以て、活性
水素を効率的に活性化させることができる。
【0049】架橋性高分子は、上記合成法により得られ
る重合体を濾過して溶媒で充分に洗浄した後、エバポレ
ーター、減圧乾燥等、常用の方法を用いて乾燥すること
により、容易に得ることができる。また、架橋性高分子
はゲルであってもよい。該架橋性高分子のゲル(以下、
高分子ゲルと記す)は、架橋性高分子に、該架橋性高分
子に対して親和性を有する溶媒を吸液、保持させること
により、容易に得ることができる。さらに、高分子ゲル
は、重合条件を適宜設定することにより、単量体成分か
ら重合反応等によって直接得ることもできる。
【0050】上記高分子ゲルが保持する溶媒は、特に限
定されるものではなく、例えば、高分子ゲルを用いる反
応に用いられる溶媒であってもよく、活性水素含有化合
物であってもよい。つまり、上記高分子ゲルは、予めゲ
ルを形成した状態で反応系に添加してもよく、ゲル形成
前の架橋性高分子を反応系に添加・混合し、その後、該
架橋性高分子に、反応に用いられる溶媒或いは活性水素
含有化合物を吸収させて膨潤させることで反応系内で形
成してもよい。何れの場合においても、上記高分子ゲル
を触媒として用いる際には、高分子ゲルが形成された時
点から爆発的に活性水素含有化合物が有する活性水素の
活性化が進む。従って、上記高分子ゲルを触媒として用
いる場合には、反応系に添加する時点で、高分子ゲルが
既に形成されていることがより望ましい。このように、
上記高分子ゲルは、活性水素含有化合物を含む反応系に
添加、混合することで、活性水素含有化合物が有する活
性化すべき活性水素を、容易に活性化させることができ
る。
【0051】高分子ゲルは、その内部に溶媒或いは活性
水素含有化合物を保持してゲルとなっているので、固体
と液体との中間の物質形態を有している。このため、高
分子ゲルは、反応後、反応系からの分離・除去操作が容
易である。また、高分子ゲルは、該ゲルを構成する支持
構造内部および/または表面の活性点にて活性水素を効
率的に活性化することができる。そして、例えば高分子
ゲルが三次元網目構造を有している場合には、該三次元
網目構造内部および/または表面の活性点にて活性水素
を活性化することができ、活性点の自由度が高いので、
反応速度をより速くすることができると共に、活性水素
含有化合物の転化率を一層向上させることができる。
【0052】上記の高分子ゲルは、そのままでも触媒と
して用いることができるが、必要に応じて、金属を担持
させて用いることもできる。上記の金属としては、具体
的には、例えば、銅、鉛、ニッケル、亜鉛、鉄、コバル
ト、クロム、マンガン、ビスマス、錫、アンチモン、お
よび、アルカリ土類金属等が挙げられるが、特に限定さ
れるものではない。
【0053】上記高分子ゲルに金属を担持させる場合に
おける、架橋性高分子に対する金属の担持量は、該架橋
性高分子の種類や、適用する合成反応の種類等に応じて
適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
尚、本発明における担持には、キレートの他に、塩や吸
着、包接等も含まれることとする。従って、その形態
は、特に限定されるものではない。また、担持される金
属は、イオン、金属(原子)の何れであってもよい。イ
オンの形態としては、具体的には、例えば、酸化物、ハ
ロゲン化物、硫化物等が挙げられる。
【0054】上記高分子ゲルに金属を担持させる方法
は、特に限定されるものではなく、常用の方法を用いる
ことができる。金属、例えば鉛の高分子ゲルへの担持
は、具体的には、例えば、硝酸鉛や酢酸鉛等の鉛化合物
を所定量溶解させた水溶液に上記高分子ゲルを浸漬し、
所定条件下で撹拌して陽イオン交換を行った後、濾過等
により該高分子ゲルを取り出し、水洗することによって
達成される。
【0055】本発明にかかる活性化触媒は、官能基とし
て環状四級アンモニウム基を有し、かつ該アンモニウム
基を構成する窒素原子のESPD電荷が、+0.4〜+
1.3(electrons) の範囲内、より好ましくは+0.5
0〜+1.2の範囲内、さらに好ましくは+0.55〜
+1.1の範囲内である構成である。該ESPD電荷が
+1.3よりも大きい窒素原子を有する活性化触媒は、
触媒活性がより高くなるものの、選択性が低下するので
好ましくない。一方、該ESPD電荷が+0.4よりも
小さい窒素原子を有する活性化触媒は、触媒活性が低下
するので好ましくない。
【0056】次に、Wavefunction, Inc.社製の総合分子
設計支援システム Spartan (version 5.0)を用いて算出
した上記ESPD電荷について説明する。以下の説明に
おいては、便宜上、活性化触媒が、ビニルピロリジン類
またはビニルピペリジン類に由来する構造を備えた官能
基を有する場合を例に挙げることとする。
【0057】
【化5】
【0058】対アニオンがハロゲン化物イオンである場
合には、Cl- ,Br- ,I- の順にESPD電荷が小
さくなると推定される。尚、比較のために、公知のイオ
ン交換樹脂の構造について算出したESPD電荷を以下
に示す。
【0059】
【化6】
【0060】以上のように、触媒が備える活性能を、E
SPD電荷を算出することによって評価することができ
る。即ち、触媒が備える、活性水素含有化合物が有する
活性水素を活性化させる活性能を、環状四級アンモニウ
ム基を構成する窒素原子のESPD電荷によって評価す
ることができる。
【0061】そして、官能基として環状四級アンモニウ
ム基を有し、かつ該アンモニウム基を構成する窒素原子
のESPD電荷が、+0.4〜+1.3(electrons) の
範囲内、より好ましくは+0.50〜+1.2の範囲
内、さらに好ましくは+0.55〜+1.1の範囲内で
ある触媒が、本発明にかかる活性化触媒として好適であ
る。本発明にかかる評価方法においては、上記窒素原子
のESPD電荷を算出することにより、該触媒が、化合
物が有する活性水素を効率的に活性化させることができ
る活性点を備えているか否かを容易に評価することがで
きる。即ち、触媒の活性能を容易に評価することができ
る。ESPD電荷が上記好ましい範囲内から逸脱してい
る触媒は、活性水素を効率的に活性化させることができ
る活性点を備えていないことになるので、本発明にかか
る活性化触媒として不適である。
【0062】また、上記環状四級アンモニウム基が5員
環または6員環である触媒が、本発明にかかる活性化触
媒としてより好適である。尚、活性化触媒が有する官能
基は、ビニルピロリジン類またはビニルピペリジン類に
由来する構造を備えた官能基にのみ限定されるものでは
ない。
【0063】本発明において、上記活性化触媒によって
活性化される活性水素とは、化合物が有する全水素原子
のうち、所望の反応に関与する水素原子を示す。従っ
て、活性水素は、特に限定されるものではないが、ヘテ
ロ原子を含まない有機化合物中の炭素原子に直接結合し
た水素原子の反応性よりも、反応性が高いことが好まし
い。上記活性水素としては、具体的には、例えば、ヘテ
ロ原子に直接結合した水素原子;電子吸引基に隣接する
炭素原子に結合した水素原子(α−水素原子);置換芳
香族を構成する水素原子;アルデヒドやカルボン酸等の
官能基を構成する水素原子;等が挙げられる。また、上
記ヘテロ原子に直接結合した水素原子としては、具体的
には、例えば、−NH2 基、−NH−基、−CONH−
基、−OH基、−SH基等の官能基を構成する水素原子
が挙げられる。また、電子吸引基に隣接する炭素原子に
結合した水素原子としては、例えば、カルボニル化合物
のα位の水素原子等が挙げられる。
【0064】従って、本発明にかかる活性水素含有化合
物とは、上記活性水素を有する化合物を示す。そして、
活性水素含有化合物のうち、−OH基、−NH−基およ
び−COOH基からなる群より選ばれる少なくとも一種
の官能基を有する化合物がより好適であり、不飽和カル
ボン酸、アルコールおよび水からなる群より選ばれる少
なくとも一種の化合物がさらに好適であり、不飽和カル
ボン酸のうち、(メタ)アクリル酸が最適である。尚、
活性水素含有化合物は、活性水素を複数有していてもよ
い。また、活性水素含有化合物が活性水素を複数有して
いる場合において、これら活性水素の種類は、互いに同
一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
【0065】そして、本発明において、活性水素含有化
合物が有する活性水素を活性化させるとは、該活性水素
含有化合物から活性水素を引き抜くこと、或いは、活性
水素をより解離し易くすることを示す。つまり、上記の
活性化触媒は、活性水素含有化合物から活性水素を引き
抜くか、或いは、活性水素をより解離し易くすることに
よって求核付加させる、種々の反応に好適に用いること
ができる。
【0066】次に、上記活性化触媒を用いた、活性水素
含有化合物が有する活性水素の活性化を伴う種々の反応
例、即ち、上記活性化触媒を好適に用いることができる
種々の反応例を以下に示す。但し、以下に示す反応例
は、上記活性化触媒を適用することができる反応の一例
である。従って、活性化触媒を用いることができる反応
は、下記例示の反応にのみ限定されるものではない。
尚、反応例(反応式)中のR、R1 、R2 、R3 はそれ
ぞれ独立してアルキル基または水素原子を表し、Arは
アリール基を表し、XはF、Cl、Br、I等のハロゲ
ン原子を表し、AはO、S、または、NHを表す。
【0067】ヘテロ原子に直接結合した水素原子が関与
する反応としては、具体的には、例えば、
【0068】
【化7】
【0069】等の反応例(反応式)で表される、アンモ
ニアまたはアミン類(第1アミン類または第2アミン
類)への環状ヘテロ化合物(例えば、エチレンオキサイ
ド、エチレンイミン、エチレンスルフィド等)の付加反
応;
【0070】
【化8】
【0071】等の反応例で表される、アミン類からアミ
ドへの変換反応;
【0072】
【化9】
【0073】等の反応例で表される、アミド類の加水分
解反応;
【0074】
【化10】
【0075】等の反応例で表される、アミド類への環状
ヘテロ化合物の付加反応;
【0076】
【化11】
【0077】等の反応例で表される、チオアミド類への
環状ヘテロ化合物の付加反応;
【0078】
【化12】
【0079】等の反応例で表される、水またはアルコー
ル類(第1アルコール類、第2アルコール類または第3
アルコール類)への環状ヘテロ化合物の付加反応;
【0080】
【化13】
【0081】等の反応例で表される、アルコール類とハ
ロゲン化水素との反応、より具体的には、例えば、イソ
プロピルアルコールと濃臭化水素とから臭化イソプロピ
ルを合成する上記の反応;
【0082】
【化14】
【0083】等の反応例で表される、アルコール類を用
いたエステルの合成反応;
【0084】
【化15】
【0085】等の反応例で表される、アルコール類の酸
化反応;
【0086】
【化16】
【0087】等の反応例で表される、フェノール類への
環状ヘテロ化合物の付加反応;
【0088】
【化17】
【0089】等の反応例で表される、フェノール類とハ
ロゲン化アルキルとからエーテル類を合成する反応(ウ
ィリアムソン (Williamson) 合成反応)、より具体的に
は、例えば、p−クレゾールと臭化p−ニトロベンジル
とからp−ニトロベンジル−p−トリルエーテルを合成
する上記の反応;
【0090】
【化18】
【0091】等の反応例で表される、フェノール類を用
いたエステルの合成反応、より具体的には、例えば、p
−ニトロフェノールと無水酢酸とから酢酸p−ニトロフ
ェニルを合成する上記の反応、或いは、o−ブロモフェ
ノールと塩化p−トルエンスルホニルとからo−ブロモ
フェニル−p−トルエンスルホン酸を合成する上記の反
応;
【0092】
【化19】
【0093】等の反応例で表される、チオール類(第1
チオール類、第2チオール類または第3チオール類)へ
の環状ヘテロ化合物の付加反応;
【0094】
【化20】
【0095】等の反応例で表される、チオフェノール類
への環状ヘテロ化合物の付加反応;等が挙げられる。
尚、ヘテロ原子に直接結合した水素原子が関与する反応
は、上記例示の反応にのみ限定されるものではない。
【0096】また、電子吸引基に隣接する炭素原子に結
合した水素原子が関与する反応としては、具体的には、
例えば、
【0097】
【化21】
【0098】等の反応例で表される、ケトン類のハロゲ
ン化反応、より具体的には、例えば、シクロヘキサノン
に臭素原子を導入する上記の反応;
【0099】
【化22】
【0100】等の反応例で表されるアルドール縮合反応
(より具体的には、例えば、アセトアルデヒドから3−
ヒドロキシブタナールを合成する上記の反応)や、
【0101】
【化23】
【0102】等の反応例で表されるパーキン (Perkin)
縮合反応、
【0103】
【化24】
【0104】等の反応例で表されるクネーベナーゲル
(Knoevenagel)縮合反応、
【0105】
【化25】
【0106】等の反応例で表されるコープ (Cope) 反
応、
【0107】
【化26】
【0108】等の反応例で表されるウィッティヒ (Witt
ig) 反応等の、カルボニル化合物(ケトン類)への各種
求核付加反応;
【0109】
【化27】
【0110】等の反応例で表されるクライゼン (Claise
n)縮合反応等の、ケトン類への求核アシル置換反応;
【0111】
【化28】
【0112】等の反応例で表される、α,β−不飽和カ
ルボニル化合物(ケトン類)への付加反応(マイケル
(Michael)付加反応);等が挙げられる。尚、電子吸引
基に隣接する炭素原子に結合した水素原子が関与する反
応は、上記例示の反応にのみ限定されるものではない。
【0113】さらに、置換芳香族を構成する水素原子が
関与する反応としては、具体的には、例えば、
【0114】
【化29】
【0115】等の反応例で表されるライマー・ティーマ
ン (Reimer-Tiemann) 反応;
【0116】
【化30】
【0117】等の反応例で表されるフリーデル・クラフ
ツ (Friedel-Crafts) アシル化反応;等が挙げられる。
尚、置換芳香族を構成する水素原子が関与する反応は、
上記例示の反応にのみ限定されるものではない。
【0118】また、アルデヒドやカルボン酸等の官能基
を構成する水素原子が関与する反応としては、具体的に
は、例えば、
【0119】
【化31】
【0120】等の反応例で表される、カルボン酸類への
環状ヘテロ化合物の付加反応;
【0121】
【化32】
【0122】等の反応例で表される、チオカルボン酸類
への環状ヘテロ化合物の付加反応;
【0123】
【化33】
【0124】等の反応例で表される、アルデヒド類への
アルコールの付加反応;
【0125】
【化34】
【0126】等の反応例で表されるカニッツァーロ (Ca
nnizzaro) 反応;等が挙げられる。尚、アルデヒドやカ
ルボン酸等の官能基を構成する水素原子が関与する反応
は、上記例示の反応にのみ限定されるものではない。
【0127】上記例示のように、本発明にかかる活性化
触媒は、活性水素含有化合物が有する活性水素の活性化
を伴う種々の反応における触媒として、好適に供するこ
とができる。尚、上記活性化触媒を反応系から分離・除
去する方法は、特に限定されるものではない。活性化触
媒は、例えば、濾過等の方法を採用することにより、反
応系から容易に分離・除去することができる。
【0128】以上のように、本発明にかかる活性化触媒
は、官能基として環状四級アンモニウム基を有し、かつ
該アンモニウム基を構成する窒素原子のESPD電荷
が、+0.4〜+1.3(electrons) の範囲内である構
成である。これにより、該触媒は、上記特定の範囲内の
ESPD電荷を示す窒素原子を活性点として、化合物が
有する活性水素を効率的に活性化させることができる。
つまり、該触媒は、該活性水素の活性化を伴う種々の反
応における活性化触媒として好適である。また、該活性
化触媒を用いることにより、選択性に優れた反応を行う
ことができる。具体的には、例えば、活性水素を有する
化合物が不飽和カルボン酸である場合には、該不飽和カ
ルボン酸から不飽和カルボン酸エステルを製造すること
ができる。また、例えば、不飽和カルボン酸が(メタ)
アクリル酸である場合には、(メタ)アクリル酸から
(メタ)アクリル酸エステルを製造することができる。
【0129】また、以上のように、本発明にかかる活性
水素の活性化方法は、上記活性化触媒を用いて、化合物
が有する活性水素を活性化させる方法である。これによ
り、該活性水素の活性化を伴う種々の反応を実施するこ
とができる。即ち、選択性に優れた反応を行うことがで
きる。
【0130】さらに、以上のように、本発明において
は、触媒が備える、化合物が有する活性水素を活性化さ
せる活性能を、環状四級アンモニウム基を構成する窒素
原子のESPD電荷によって評価する。これにより、上
記窒素原子のESPD電荷を算出することにより、該触
媒が、化合物が有する活性水素を効率的に活性化させる
ことができる活性点を備えているか否かを容易に評価す
ることができる。即ち、触媒の活性能を容易に評価する
ことができる。
【0131】また、以上のように、本発明にかかる強塩
基性樹脂は、活性化触媒として供される強塩基性樹脂で
あって、耐熱温度が70℃以上である構成であり、より
好ましくは含窒素環状構造を有している構成であり、さ
らに好ましくは官能基として環状四級アンモニウム基を
有している構成であり、特に好ましくは該環状四級アン
モニウム基が5員環または6員環である構成である。該
強塩基性樹脂は、耐熱性(熱安定性)に優れており、活
性水素の活性化を伴う種々の反応において、熱劣化をよ
り受け難い。つまり、強塩基性樹脂は高温での利用が可
能であり、触媒活性を発揮する条件として温度に関する
限定を受けることが少ない。また、強塩基性樹脂は耐熱
性に優れているので、長時間にわたって安定した触媒活
性を発揮することができ、それゆえ繰り返して使用する
ことができるので、コスト面で非常に有利であり、工業
的な利用価値が高い。また、前記一般式(5)にかかる
架橋性高分子は、単位重量当たりの窒素原子数が多く、
かつ塩基性が高いため、触媒活性がより高い。それゆ
え、より少ない触媒使用量で以て、活性水素を効率的に
活性化させることができる。
【0132】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら
限定されるものではない。尚、以下の説明におけるES
PD電荷は、Spartan (version 5.0) を用いて算出され
た数値を示す。また、反応基質である活性水素含有化合
物の転化率、および、反応生成物の選択率は、下記式 活性水素含有化合物の転化率(%)=(消費された活性
水素含有化合物のモル数/供給した活性水素含有化合物
のモル数)×100 反応生成物の選択率(%)=(反応生成物に転化した活
性水素含有化合物のモル数/消費された活性水素含有化
合物のモル数)×100 に従って算出した。
【0133】〔実施例1〕前記一般式(b)にて示さ
れ、対アニオンがI- であるピペリジン環に由来する構
造、または、前記一般式(d)にて示され、対アニオン
がI- であるピロリジン環に由来する構造を備えた官能
基を有する重合体(以下、重合体bd−I-と記す)
を、下記方法によって合成した。
【0134】即ち、先ず、N,N,N−トリアリルアミ
ンに、塩酸(36重量%水溶液)を等量加えて中和する
ことによって、単量体を含む水溶液として、N,N,N
−トリアリルアミン塩酸塩水溶液を調製した。次いで、
このN,N,N−トリアリルアミン塩酸塩水溶液100
0gに重合開始剤である2,2’−アゾビス−(2−ア
ミジノプロパン)二塩酸塩を該水溶液に対して0.8重
量%添加して水相を形成した。
【0135】一方、分散媒としてのトルエンと1,1,
1−トリクロロエタンとを各々4Lづつ混合した後、懸
濁剤であるソルビタンモノステアレートとポリビニルア
ルコールとを該混合液に対してそれぞれ0.8重量%添
加して、油相を形成した。
【0136】次いで、温度計、撹拌装置および還流冷却
器を備えた容量20Lの重合釜に、上記水相と油相とを
仕込んだ。そして、撹拌翼を回転数120rpmで回転
させることによって、反応液である両相を緩やかに混合
・撹拌しながら、55℃で4時間重合させた後、85℃
で2時間重合させた。
【0137】続いて、反応液を冷却し、生成したポリマ
ービーズ(固体)を濾過して取り出した。その後、該ポ
リマービーズを60℃で減圧乾燥させることにより、環
状アミン構造を備えた粒状樹脂(平均粒径0.6mm)
259gを得た。
【0138】次に、この重合体41gに、12重量%の
ジエチレングリコールジビニルエーテルのメチルアルコ
ール溶液118gと7重量%の2,2’−アゾビス−
(2−アミジノプロパン)二塩酸塩水溶液(重合開始
剤)14.7gとの混合物を含浸させた。次いで、上記
の混合物を含浸させた重合体を、トルエン690g中
で、窒素をバブリングしながら2.5時間加熱した。こ
のときのトルエン相の温度は67℃であった。冷却後、
得られた反応物をトルエンで洗浄し、引き続きメチルア
ルコールで洗浄後、60℃で減圧乾燥させることによ
り、上記重合体がジエチレングリコールジビニルエーテ
ルで処理されてなる樹脂を得た。
【0139】次いで、この乾燥した樹脂5gを、四級化
剤としてのヨウ化メチル15gと共にメチルアルコール
50gに添加した後、45℃で4時間、処理した。次
に、反応液から固形物を濾別し、この固形物をメチルア
ルコールで洗浄した。その後、該固形物を60℃で減圧
乾燥させることにより、球状の樹脂である重合体bd−
- を得た。
【0140】そして、上記方法によって合成した重合体
bd−I- を活性化触媒として用いて、カルボン酸類
(不飽和カルボン酸)への環状ヘテロ化合物の付加反応
である、アクリル酸のヒドロキシエチル化反応を行っ
た。重合体bd−I- のESPD電荷は、ピペリジン環
に由来する構造では+0.84(electrons) 、ピロリジ
ン環に由来する構造では+0.59であった。
【0141】即ち、温度計、ガス供給管および撹拌装置
等を備えた反応容器に、アクリル酸(活性水素含有化合
物)を所定量、仕込むと共に、上記の活性化触媒を、ア
クリル酸に対して70容量%添加した。次に、アクリル
酸を撹拌しながら70℃に加熱した後、反応容器内に、
エチレンオキサイドを、アクリル酸に対する仕込み量が
モル比で1.05倍となるように、ガス供給管を介して
1.5時間かけて連続的に導入した。その後、該反応溶
液を撹拌しながら、70℃でさらに3.5時間熟成させ
ることにより、アクリル酸のヒドロキシエチル化を行っ
た。
【0142】反応終了後、反応溶液を濾過し、濾液をG
Cにより分析した。その結果、アクリル酸の転化率は9
4.7%であり、ヒドロキシエチルアクリレート(反応
生成物)の選択率は88.5%であり、ジエチレングリ
コールモノアクリレート(副反応の反応生成物)の選択
率は3.5%であった。また、エチレングリコールジア
クリレート(副反応の反応生成物)の選択率は0.22
%であった。
【0143】〔実施例2〕実施例1の方法によって合成
した重合体bd−I- を活性化触媒として用いて、アク
リル酸のヒドロキシプロピル化反応を行った。即ち、温
度計および撹拌装置等を備えた反応容器に、アクリル酸
とプロピレンオキサイドとを、アクリル酸に対するプロ
ピレンオキサイドの仕込み量が、モル比で1.24倍と
なるように仕込んで反応溶液とした。次に、反応溶液
に、上記の活性化触媒を、アクリル酸に対して5重量%
添加した。その後、該反応溶液を撹拌しながら、70℃
で4時間反応させることにより、アクリル酸のヒドロキ
シプロピル化を行った。
【0144】反応終了後、反応溶液を濾過し、濾液をG
Cにより分析した。その結果、アクリル酸の転化率は5
9.7%であり、ヒドロキシプロピルアクリレート(反
応生成物)の選択率は81.9%であり、ジプロピレン
グリコールモノアクリレート(副反応の反応生成物)の
選択率は15.5%であった。また、プロピレングリコ
ールジアクリレート(副反応の反応生成物)の選択率は
0.07%であった。
【0145】〔実施例3〕前記一般式(a)にて示さ
れ、対アニオンがCl- であるピペリジン環に由来する
構造、または、前記一般式(c)にて示され、対アニオ
ンがCl- であるピロリジン環に由来する構造を備えた
官能基を有する重合体(以下、重合体ac−Cl- と記
す)を、下記方法によって合成した。
【0146】即ち、先ず、ジアリルジメチルアンモニウ
ムクロライドとジアリルアミンとの共重合体を所定の方
法で以て合成した。次に、該共重合体の30重量%水溶
液3331gを、エチルセルロース25gとソルビタン
モノパルミテート25gとを添加したトルエン10L中
に分散させた。該分散液に、エピクロロヒドリン91g
を1時間かけて滴下した。滴下終了後、反応液を90℃
で4時間、加熱処理した。冷却後、反応液から固形物を
濾別し、この固形物をメチルアルコールで洗浄した。そ
の後、該固形物を60℃で減圧乾燥させることにより、
球状の樹脂である重合体ac−Cl- を得た。
【0147】そして、上記方法によって合成した重合体
ac−Cl- を活性化触媒として用いて、実施例1の反
応および操作と同様の反応および操作を行った。重合体
ac−Cl- のESPD電荷は、ピペリジン環に由来す
る構造では+0.93(electrons) 、ピロリジン環に由
来する構造では+0.93であった。
【0148】その結果、アクリル酸の転化率は88.4
%であり、ヒドロキシエチルアクリレートの選択率は8
5.2%であり、ジエチレングリコールモノアクリレー
トの選択率は4.6%であった。また、エチレングリコ
ールジアクリレートの選択率は0.25%であった。
【0149】〔実施例4〕実施例3の方法によって合成
した重合体ac−Cl- を活性化触媒として用いて、実
施例2の反応および操作と同様の反応および操作を行っ
た。その結果、アクリル酸の転化率は73.6%であ
り、ヒドロキシプロピルアクリレートの選択率は85.
8%であり、ジプロピレングリコールモノアクリレート
の選択率は10.4%であった。また、プロピレングリ
コールジアクリレートの選択率は0.06%であった。
【0150】〔実施例5〕前記一般式(a)にて示さ
れ、対アニオンがOH- であるピペリジン環に由来する
構造、または、前記一般式(c)にて示され、対アニオ
ンがOH- であるピロリジン環に由来する構造を備えた
官能基を有する重合体(以下、重合体ac−OH- と記
す)を、下記方法によって合成した。
【0151】即ち、先ず、ジアリルジメチルアンモニウ
ムクロライドとジアリルアミンとの共重合体を所定の方
法で以て合成した。次に、該共重合体の30重量%水溶
液3331gを、エチルセルロース25gとソルビタン
モノパルミテート25gとを添加したトルエン10L中
に分散させた。該分散液に、エピクロロヒドリン91g
を1時間かけて滴下した。滴下終了後、反応液を90℃
で4時間、加熱処理した。冷却後、反応液から固形物を
濾別し、この固形物をメチルアルコールで洗浄した。そ
の後、該固形物を60℃で減圧乾燥させることにより、
球状の樹脂を得た。次いで、この乾燥した樹脂200g
を、0.5N水酸化ナトリウム水溶液8512mlに添
加した後、室温で2時間、撹拌した。さらに、固形物を
取り出し、該固形物を0.5N水酸化ナトリウム水溶液
8512mlに添加した後、室温で2時間、撹拌した。
次に、固形物を濾別し、この固形物をイオン交換水で、
洗浄液のpHが7になるまで洗浄した。その後、該固形
物をメチルアルコールで洗浄し、60℃で減圧乾燥させ
ることにより、球状の樹脂である重合体ac−OH-
得た。
【0152】そして、上記方法によって合成した重合体
ac−OH- を活性化触媒として用いて、実施例1の反
応および操作と同様の反応および操作を行った。重合体
ac−OH- のESPD電荷は、ピペリジン環に由来す
る構造では+0.96(electrons) 、ピロリジン環に由
来する構造では+0.85であった。
【0153】その結果、アクリル酸の転化率は92.0
%であり、ヒドロキシエチルアクリレートの選択率は8
4.1%であり、ジエチレングリコールモノアクリレー
トの選択率は4.3%であった。また、エチレングリコ
ールジアクリレートの選択率は0.32%であった。
【0154】〔実施例6〕実施例5の方法によって合成
した重合体ac−OH- を活性化触媒として用いて、実
施例2の反応および操作と同様の反応および操作を行っ
た。その結果、アクリル酸の転化率は77.2%であ
り、ヒドロキシプロピルアクリレートの選択率は87.
0%であり、ジプロピレングリコールモノアクリレート
の選択率は10.0%であった。また、プロピレングリ
コールジアクリレートの選択率は0.07%であった。
【0155】〔比較例1〕前記一般式(e)にて示さ
れ、対アニオンがOH- である構造を備えた官能基を有
する市販のイオン交換樹脂を比較用の活性化触媒として
用いて、実施例1の反応および操作と同様の反応および
操作を行った。該イオン交換樹脂のESPD電荷は、+
1.10(electrons) であった。
【0156】その結果、アクリル酸の転化率は77.4
%であり、ヒドロキシエチルアクリレートの選択率は8
2.5%であり、ジエチレングリコールモノアクリレー
トの選択率は6.2%であった。また、エチレングリコ
ールジアクリレートの選択率は0.40%であった。従
って、上記の比較用活性化触媒を用いた場合には、アク
リル酸の転化率が低下することが判る。
【0157】〔比較例2〕比較例1のイオン交換樹脂を
比較用の活性化触媒として用いて、実施例2の反応およ
び操作と同様の反応および操作を行った。その結果、ア
クリル酸の転化率は53.9%であり、ヒドロキシプロ
ピルアクリレートの選択率は82.4%であり、ジプロ
ピレングリコールモノアクリレートの選択率は15.2
%であった。また、プロピレングリコールジアクリレー
トの選択率は0.08%であった。従って、上記の比較
用活性化触媒を用いた場合には、アクリル酸の転化率が
低下することが判る。
【0158】〔実施例7〕実施例3の方法によって合成
した重合体ac−Cl- を活性化触媒として用いて、水
への環状ヘテロ化合物の付加反応である、エチレンオキ
サイドの水和反応を行った。
【0159】即ち、温度計、ガス供給管および撹拌装置
等を備えたオートクレーブに、イオン交換水40gと、
上記の活性化触媒0.7gとを仕込んだ。次に、オート
クレーブを密閉し、窒素ガスで加圧した後、内温を95
℃に昇温させた。次いで、内容物を撹拌しながら、反応
容器内に95℃で、エチレンオキサイド(活性水素含有
化合物)4.9gを、ガス供給管を介して導入した。そ
の後、該反応溶液を撹拌しながら、95℃でさらに1時
間熟成させることにより、エチレンオキサイドの水和反
応を行った。
【0160】反応終了後、オートクレーブを冷却し、反
応溶液を濾過し、濾液をGCにより分析した。その結
果、エチレンオキサイドの転化率は75%であり、エチ
レングリコールの選択率は92%であり、ジエチレング
リコールの選択率は8%であった。
【0161】〔実施例8〕実施例3の方法によって合成
した重合体ac−Cl- を、3重量%炭酸水素ナトリウ
ム水溶液を用いて炭酸塩(つまり、対アニオンがHCO
3 - )にした後、洗浄した。これにより、重合体ac−
HCO3 - を得た。この重合体を活性化触媒として用い
て、エチレンオキサイドの水和反応を行った。重合体a
c−HCO3 - のESPD電荷は、ピペリジン環に由来
する構造では+0.75(electrons) 、ピロリジン環に
由来する構造では+0.87であった。
【0162】即ち、温度計、ガス供給管および撹拌装置
等を備えた120mlオートクレーブに、イオン交換水
20gと、上記の活性化触媒2.6ml(但し、水で膨
潤した状態)とを仕込んだ。次に、オートクレーブを密
閉し、窒素ガスで加圧した後、内温を120℃に昇温さ
せた。次いで、内容物を撹拌しながら、反応容器内に1
20℃で、エチレンオキサイド4.9gを、ガス供給管
を介して導入した。その後、該反応溶液を撹拌しなが
ら、120℃でさらに1時間熟成させることにより、エ
チレンオキサイドの水和反応を行った。
【0163】反応終了後、オートクレーブを冷却し、反
応溶液を濾過し、濾液をGCにより分析した。その結
果、エチレンオキサイドの転化率は83.8%であり、
エチレングリコールの選択率は94.1%であり、ジエ
チレングリコールの選択率は5.7%であった。
【0164】〔実施例9〕実施例5の方法によって合成
した重合体ac−OH- を活性化触媒として用いて、メ
チルアルコールへのエチレンオキサイドの付加反応を行
った。即ち、所定の装置を備えたオートクレーブに、メ
チルアルコール30gと、上記の活性化触媒1.0gと
を仕込んだ後、オートクレーブを密閉し、窒素ガスで加
圧した後、内温を80℃に昇温させた。次いで、内容物
を撹拌しながら、反応容器内に同温度でエチレンオキサ
イド4.1gを導入した。その後、該反応溶液を撹拌し
ながら、80℃でさらに1時間反応させることにより、
メチルアルコールへのエチレンオキサイドの付加反応を
行った。
【0165】反応終了後、オートクレーブを冷却し、反
応溶液を濾過し、濾液をGCにより分析した。その結
果、メチルセロソルブの収率は86.7%であった。
【0166】〔実施例10〕実施例5の方法によって合
成した重合体ac−OH- を活性化触媒として用いて、
ビスフェノールAへのエチレンオキサイドの付加反応を
行った。即ち、所定の装置を備えたオートクレーブに、
ビスフェノールA20gと、上記の活性化触媒1.0g
と、希釈溶媒であるN,N−ジメチルアセトアミド20
gとを仕込んだ後、オートクレーブを密閉し、窒素ガス
で加圧した後、内温を120℃に昇温させた。次いで、
内容物を撹拌しながら、反応容器内に同温度でエチレン
オキサイド7.7gを30分間かけて導入した。その
後、該反応溶液を撹拌しながら、120℃でさらに3.
5時間反応させることにより、ビスフェノールAへのエ
チレンオキサイドの付加反応を行った。
【0167】反応終了後、オートクレーブを冷却し、反
応溶液を濾過し、濾液をGCにより分析した。その結
果、ビスフェノールAの転化率は94.9%であり、ヒ
ドロキシエチルビスフェノールAの選択率は39.5%
であり、ジヒドロキシエチルビスフェノールAの選択率
は60.5%であった。
【0168】〔実施例11〕実施例5の方法によって合
成した重合体ac−OH- を活性化触媒として用いて、
トリメチロールプロパンへのエチレンオキサイドの付加
反応を行った。即ち、所定の装置を備えたオートクレー
ブに、トリメチロールプロパン20gと、上記の活性化
触媒1.0gと、希釈溶媒であるメチルイソブチルケト
ン20gとを仕込んだ後、オートクレーブを密閉し、窒
素ガスで加圧した後、内温を120℃に昇温させた。次
いで、内容物を撹拌しながら、反応容器内に同温度でエ
チレンオキサイド19.7gを1時間かけて導入した。
その後、該反応溶液を撹拌しながら、120℃でさらに
3時間反応させることにより、トリメチロールプロパン
へのエチレンオキサイドの付加反応を行った。
【0169】反応終了後、オートクレーブを冷却し、反
応溶液を濾過し、濾液をGCにより分析した。その結
果、トリメチロールプロパンの転化率は98.1%であ
った。
【0170】〔実施例12〕実施例5の方法によって合
成した重合体ac−OH- を活性化触媒として用いて、
イソシアヌル酸へのエチレンオキサイドの付加反応を行
った。即ち、所定の装置を備えたオートクレーブに、イ
ソシアヌル酸20gと、上記の活性化触媒1.0gと、
希釈溶媒であるN,N−ジメチルホルムアミド20gと
を仕込んだ後、オートクレーブを密閉し、窒素ガスで加
圧した後、内温を120℃に昇温させた。次いで、内容
物を撹拌しながら、反応容器内に同温度でエチレンオキ
サイド20.5gを3.5時間かけて導入した。その
後、該反応溶液を撹拌しながら、120℃でさらに2.
5時間反応させることにより、イソシアヌル酸へのエチ
レンオキサイドの付加反応を行った。
【0171】反応終了後、オートクレーブを冷却し、反
応溶液を濾過し、濾液をGCにより分析した。その結
果、仕込んだイソシアヌル酸は消費されていた。
【0172】〔実施例13〕実施例3の方法によって合
成した重合体ac−Cl- を活性化触媒として用いて、
フェノールへのエチレンオキサイドの付加反応を行っ
た。即ち、所定の装置を備えたオートクレーブに、フェ
ノール20gと、上記の活性化触媒1.0g(乾燥した
状態)とを仕込んだ後、オートクレーブを密閉し、窒素
ガスで加圧した後、内温を70℃に昇温させた。次い
で、内容物を撹拌しながら、反応容器内に同温度でエチ
レンオキサイド9.4gを導入した。その後、該反応溶
液を撹拌しながら、70℃でさらに5時間反応させるこ
とにより、フェノールへのエチレンオキサイドの付加反
応を行った。
【0173】反応終了後、オートクレーブを冷却し、反
応溶液を濾過し、濾液をGCにより分析した。その結
果、フェノールの転化率は44.9%であり、ヒドロキ
シエチルフェノールの選択率は84.9%であった。
【0174】〔実施例14〕実施例3の方法によって合
成した重合体ac−Cl- を活性化触媒として用いて、
酢酸へのエチレンオキサイドの付加反応を行った。即
ち、所定の装置を備えたオートクレーブに、酢酸20g
と、上記の活性化触媒1.0g(乾燥した状態)とを仕
込んだ後、オートクレーブを密閉し、窒素ガスで加圧し
た後、内温を70℃に昇温させた。次いで、内容物を撹
拌しながら、反応容器内に同温度でエチレンオキサイド
14.7gを4時間かけて導入した。その後、該反応溶
液を撹拌しながら、70℃でさらに1時間反応させるこ
とにより、酢酸へのエチレンオキサイドの付加反応を行
った。
【0175】反応終了後、オートクレーブを冷却し、反
応溶液を濾過し、濾液をGCにより分析した。その結
果、酢酸の転化率は53.7%であり、ヒドロキシエチ
ルアセテートの選択率は80.1%であった。
【0176】〔実施例15〕実施例3の方法によって合
成した重合体ac−Cl- を活性化触媒として用いて、
メタクリル酸へのエチレンオキサイドの付加反応を行っ
た。即ち、所定の装置を備えたオートクレーブに、メタ
クリル酸20gと、上記の活性化触媒1.0g(乾燥し
た状態)とを仕込んだ後、オートクレーブを密閉し、窒
素ガスで加圧した後、内温を70℃に昇温させた。次い
で、内容物を撹拌しながら、反応容器内に同温度でエチ
レンオキサイド10.2gを1時間かけて導入した。そ
の後、該反応溶液を撹拌しながら、70℃でさらに3時
間反応させることにより、メタクリル酸へのエチレンオ
キサイドの付加反応を行った。
【0177】反応終了後、オートクレーブを冷却し、反
応溶液を濾過し、濾液をGCにより分析した。その結
果、メタクリル酸の転化率は64.1%であり、ヒドロ
キシエチルメタクリレートの選択率は87.1%であっ
た。
【0178】〔実施例16〕実施例3の方法によって合
成した重合体ac−Cl- を活性化触媒として用いて、
コハク酸イミド(スクシンイミド)へのエチレンオキサ
イドの付加反応を行った。即ち、所定の装置を備えたオ
ートクレーブに、コハク酸イミド7.5gと、上記の活
性化触媒1.0g(乾燥した状態)と、希釈溶媒である
1,4−ジオキサン12.5gとを仕込んだ後、オート
クレーブを密閉し、窒素ガスで加圧した後、内温を80
℃に昇温させた。次いで、内容物を撹拌しながら、反応
容器内に同温度でエチレンオキサイド3.3gを導入し
た。その後、該反応溶液を撹拌しながら、80℃でさら
に4時間反応させることにより、コハク酸イミドへのエ
チレンオキサイドの付加反応を行った。
【0179】反応終了後、オートクレーブを冷却し、反
応溶液を濾過し、濾液をGCにより分析した。その結
果、コハク酸イミドの転化率は95.9%であり、N−
ヒドロキシエチルコハク酸イミドの選択率は94.5%
であった。
【0180】〔実施例17〕実施例3の方法によって合
成した重合体ac−Cl- を活性化触媒として用いて、
2−ピロリドンへのエチレンオキサイドの付加反応を行
った。即ち、所定の装置を備えたオートクレーブに、2
−ピロリドン20gと、上記の活性化触媒1.0g(乾
燥した状態)とを仕込んだ後、オートクレーブを密閉
し、窒素ガスで加圧した後、内温を80℃に昇温させ
た。次いで、内容物を撹拌しながら、反応容器内に同温
度でエチレンオキサイド5.2gを導入した。その後、
該反応溶液を撹拌しながら、80℃でさらに4時間反応
させることにより、2−ピロリドンへのエチレンオキサ
イドの付加反応を行った。
【0181】反応終了後、オートクレーブを冷却し、反
応溶液を濾過し、濾液をGCにより分析した。その結
果、2−ピロリドンの転化率は28.7%であり、N−
ヒドロキシエチル−2−ピロリドンの選択率は80.3
%であった。
【0182】〔実施例18〕実施例5の方法によって合
成した強塩基性樹脂である重合体ac−OH- を活性化
触媒として用いて、エチレンオキサイドとアクリル酸と
の反応によるヒドロキシエチルアクリレートの連続合成
実験を行った。上記重合体ac−OH- の樹脂の総イオ
ン交換容量は、5.58meq/gであった。
【0183】温度計、原料供給管および撹拌装置等を備
えた500mlオートクレーブに、アクリル酸を所定
量、仕込むと共に、上記の活性化触媒を、アクリル酸に
対して60容量%添加した。次に、アクリル酸を撹拌し
て活性化触媒を懸濁しながら約60℃に加熱した後、オ
ートクレーブ内に、原料であるエチレンオキサイド/ア
クリル酸混合液(アクリル酸に対するエチレンオキサイ
ドのモル比は1.5)を、SVが0.55hr-1となる
ように原料供給管を介して連続的に供給(フィード)す
ると共に、同量の反応液を連続的に抜き出した。つま
り、オートクレーブ内の反応液量が常に一定量となるよ
うに調節すると共に、該オートクレーブ内が70℃とな
るように温度調節しながら、20時間にわたってヒドロ
キシエチルアクリレートの連続合成実験を行った。
【0184】抜き出した反応液をGCにより分析した。
その結果、アクリル酸の転化率は77.0%であり、ア
クリル酸を基準としたヒドロキシエチルアクリレートの
選択率は96.1%であり、従って、連続合成実験の
間、安定した値が得られた。
【0185】そして、反応終了後、重合体ac−OH-
をオートクレーブから取り出して、樹脂の総イオン交換
容量を測定した。その結果、総イオン交換容量は5.5
8meq/gであり、連続合成実験による熱劣化(加熱
による劣化)は認められなかった。つまり、重合体ac
−OH- を活性化触媒として用いて、連続合成実験を安
定的に実施することができること、即ち、重合体ac−
OH- は長時間にわたって安定した触媒活性を発揮する
ことが判った。
【0186】上記樹脂の総イオン交換容量は、以下の方
法で以て測定した。即ち、その重量を予め測定した重合
体ac−OH- 10mlをカラムに充填し、塩化ナトリ
ウム5重量%水溶液250mlを通液した後、この水溶
液に含まれる(溶出した)OH- 量を、0.1N−塩酸
水溶液で滴定した。これにより、中性塩分解容量を算出
した。該中性塩分解容量は4.52meq/gであっ
た。
【0187】引き続き、上記重合体ac−OH- に0.
1N−塩酸水溶液100mlを通液した後、さらにメチ
ルアルコール50mlを通液し、該重合体を洗浄した。
そして、上記水溶液およびメチルアルコールに含まれる
酸量を、1.0N−水酸化ナトリウム水溶液で滴定し
た。これにより、弱塩基交換容量を算出した。該弱塩基
交換容量は1.06meq/gであった。
【0188】樹脂の総イオン交換容量は、上記中性塩分
解容量と弱塩基交換容量との総和であり、従って5.5
8meq/gであった。また、連続合成実験に使用した
後の活性化触媒(強塩基性樹脂)は、その重量を予め測
定してカラムに充填し、2.0N−水酸化ナトリウム水
溶液を通液して、対アニオンをOH- にした後、即ち、
重合体ac−OH- にした後、上記各値を測定した。上
記中性塩分解容量、弱塩基交換容量、および、総イオン
交換容量は、何れも重合体ac−Cl- の重量当たりの
値として表示される。
【0189】
【発明の効果】本発明の活性化触媒は、特定の範囲内の
ESPD電荷を示す、環状四級アンモニウム基を構成す
る窒素原子を活性点として、化合物が有する活性水素を
効率的に活性化させることができる。つまり、該触媒
は、該活性水素の活性化を伴う種々の反応における活性
化触媒として好適である。また、該活性化触媒を用いる
ことにより、選択性に優れた反応を行うことができると
いう種々の効果を奏する。
【0190】特に、該活性化触媒を用いることによっ
て、不飽和カルボン酸から不飽和カルボン酸エステルを
選択性良くかつ効率的に製造することができるという効
果を奏する。さらには、該活性化触媒を用いることによ
って、(メタ)アクリル酸から(メタ)アクリル酸エス
テルを選択性良くかつ効率的に製造することができると
いう効果を奏する。
【0191】本発明の活性水素の活性化方法によれば、
活性化触媒における特定の範囲内のESPD電荷を示す
上記窒素原子を活性点として、化合物が有する活性水素
を効率的に活性化させることができる。従って、該活性
水素の活性化を伴う種々の反応を実施することができ
る。即ち、選択性に優れた反応を行うことができるとい
う効果を奏する。
【0192】本発明の触媒用強塩基性樹脂は活性化触媒
として供される。該触媒用強塩基性樹脂は、耐熱性(熱
安定性)に優れており、活性水素の活性化を伴う種々の
反応において、熱劣化をより受け難い。つまり、触媒用
強塩基性樹脂は高温での利用が可能であり、触媒活性を
発揮する条件として温度に関する限定を受けることが少
ない。また、触媒用強塩基性樹脂は耐熱性に優れている
ので、長時間にわたって安定した触媒活性を発揮するこ
とができ、それゆえ繰り返して使用することができるの
で、コスト面で非常に有利であり、工業的な利用価値が
高いという種々の効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 43/164 C07C 43/164 67/26 67/26 69/54 69/54 Z C08F 8/44 C08F 8/44 226/02 226/02 226/06 226/06 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 平野 喜章 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 (72)発明者 森田 武彦 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 (72)発明者 久保 貴文 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 BA23A BA23B BA47A BD01B BD02B BD12B BD14B BE17A BE17B CB25 DA06 FA01 4H006 AA02 AC41 AC43 AD17 BA29 BA37 BA51 BA72 BB16 BB31 BB61 BC10 BC11 BC19 BC31 BE60 BN10 DA66 FE11 FG24 GN20 GP03 GP10 KA19 4H039 CA61 CA66 CF90 4J100 AA02Q AB02Q AB16R AE01Q AL08R AL63R AM24R AN13P AN14P AQ06P BA08R BA32H CA04 CA05 CA23 CA31 DA22 DA28 EA03 HA61 HC05 JA15

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化合物が有する活性水素を活性化させる触
    媒であって、 官能基として環状四級アンモニウム基を有し、かつ該ア
    ンモニウム基を構成する窒素原子のESPD電荷が、+
    0.4〜+1.3(electrons) の範囲内であることを特
    徴とする活性水素の活性化触媒。
  2. 【請求項2】上記環状四級アンモニウム基が5員環また
    は6員環であることを特徴とする請求項1記載の活性水
    素の活性化触媒。
  3. 【請求項3】活性水素を有する化合物が、−OH基、−
    NH−基および−COOH基からなる群より選ばれる少
    なくとも一種の官能基を有する化合物であることを特徴
    とする請求項1または2記載の活性水素の活性化触媒。
  4. 【請求項4】活性水素を有する化合物が、不飽和カルボ
    ン酸、アルコールおよび水からなる群より選ばれる少な
    くとも一種の化合物であることを特徴とする請求項1、
    2または3記載の活性水素の活性化触媒。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4の何れか1項に記載の活
    性化触媒を用いて、化合物が有する活性水素を活性化さ
    せることを特徴とする活性水素の活性化方法。
  6. 【請求項6】化合物が有する活性水素を活性化させる触
    媒として供される強塩基性樹脂であって、 耐熱温度が70℃以上であることを特徴とする触媒用強
    塩基性樹脂。
  7. 【請求項7】含窒素環状構造を有していることを特徴と
    する請求項6記載の触媒用強塩基性樹脂。
  8. 【請求項8】官能基として環状四級アンモニウム基を有
    していることを特徴とする請求項6または7記載の触媒
    用強塩基性樹脂。
  9. 【請求項9】上記環状四級アンモニウム基が5員環また
    は6員環であることを特徴とする請求項8記載の触媒用
    強塩基性樹脂。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010070752A (ja) * 2008-08-19 2010-04-02 Kawamura Inst Of Chem Res 有機ポリマーゲル、及びその製造方法
JP2013194089A (ja) * 2012-03-16 2013-09-30 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 固定化された4級アンモニウム塩を含有したポリマー、およびその製造方法

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