JPH09310062A - ゲル体 - Google Patents

ゲル体

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JPH09310062A
JPH09310062A JP12752796A JP12752796A JPH09310062A JP H09310062 A JPH09310062 A JP H09310062A JP 12752796 A JP12752796 A JP 12752796A JP 12752796 A JP12752796 A JP 12752796A JP H09310062 A JPH09310062 A JP H09310062A
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JP
Japan
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gel body
carboxylic acid
group
general formula
unsaturated monomer
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Application number
JP12752796A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Yamamoto
浩史 山本
Hisakazu Shindo
久和 進藤
Yoshiaki Hirano
喜章 平野
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キレート化能を備え、種々の用途に好適に利
用され得る新規なゲル体を提供する。 【解決手段】 例えば、カルボキシル基を含有する不飽
和単量体(A)と、アミノ基および/またはアミド基を
含有する不飽和単量体(B)とを共重合してなるカルボ
ン酸系樹脂を分散媒で膨潤させることによってゲル体を
得る。上記不飽和単量体(A)としては、(メタ)アク
リル酸が好ましく、不飽和単量体(B)としては、アリ
ルアミン類が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なゲル体に関
するものである。上記ゲル体はキレート化能を有し、例
えば、金属の回収や金属を含有する廃液の処理、触媒
等、種々の用途に好適に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】従来より、金属キレート化能の高い樹脂
としては、例えば、ローム&ハース社製のイオン交換樹
脂「デュオライトES466」(商品名)や、三菱化学
株式会社製のイオン交換樹脂「ダイヤイオンCR11」
(商品名)等の樹脂が知られている。これらの樹脂は、
イミノジ酢酸基を含有し、官能基主鎖にカルボキシル基
を含むと共に、電子供与性の高い窒素原子を含むことを
特徴としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の樹脂は、低pH条件下でプロトン交換を受け、金属
キレート化能が低下するという問題点を有している。さ
らに、上記従来の樹脂は、単位重量当りの金属イオンの
捕捉量が充分であるとは言い難い。そこで、より一層金
属イオン捕捉能に優れ、種々の用途に利用し得る樹脂が
切望されている。
【0004】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、上記能力を備え、種々の用
途に好適に利用され得る新規なゲル体を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記目
的を達成すべく鋭意検討した結果、特定の構造を有する
カルボン酸系重合体を分散媒で膨潤させてなるゲル体
が、キレート化能を有し、種々の用途に利用し得ること
を見いだして本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明の請求項1記載のゲル体は、
上記課題を解決するために、一般式(1)
【0007】
【化6】
【0008】、一般式(2)
【0009】
【化7】
【0010】、一般式(3)
【0011】
【化8】
【0012】、一般式(4)
【0013】
【化9】
【0014】、および、一般式(5)
【0015】
【化10】
【0016】からなる群より選ばれる少なくとも一種の
構造を備えた置換基を有するカルボン酸系樹脂を分散媒
で膨潤させてなることを特徴としている。
【0017】本発明の請求項2記載のゲル体は、上記課
題を解決するために、カルボキシル基を含有する不飽和
単量体(A)と、アミノ基および/またはアミド基を含
有する不飽和単量体(B)とを共重合してなるカルボン
酸系樹脂を分散媒で膨潤させてなることを特徴としてい
る。
【0018】本発明の請求項3記載のゲル体は、上記課
題を解決するために、請求項2記載のゲル体において、
上記不飽和単量体(B)が、ビニルピリジン類、N-ビニ
ルカルバゾール類、アリルアミン類、4-(N,N-ジアルキ
ルアミノ)アルキルスチレン類、6- (N-プロペニルアミ
ノ)-4-チアヘキサン酸、および、6- (N,N-ジプロペニル
アミノ)-4-チアヘキサン酸からなる群より選ばれる少な
くとも一種の含窒素不飽和化合物であることを特徴とし
ている。
【0019】本発明の請求項4記載のゲル体は、上記課
題を解決するために、請求項2記載のゲル体において、
上記不飽和単量体(A)が(メタ)アクリル酸であり、
不飽和単量体(B)がアリルアミン類であることを特徴
としている。
【0020】上記の構成によれば、金属イオン捕捉能に
優れると共に非プロトン性溶媒中での酸強度が非常に高
く、しかも、pH応答性や熱応答性がある新規なゲル体
を提供することができる。該ゲル体は、例えば、金属の
回収や、金属を含有する廃液の処理、触媒、分子ふる
い、糖の精製等の種々の用途に好適に用いることができ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の一形態につ
いて詳しく説明する。本発明にかかるゲル体は、特定の
構造を有するカルボン酸系重合体を分散媒で膨潤させて
なる構成である。本発明にかかるゲル体の原料として用
いられるカルボン酸系重合体は、一般式(1)
【0022】
【化11】
【0023】、一般式(2)
【0024】
【化12】
【0025】、および一般式(3)
【0026】
【化13】
【0027】の構造を備えたアミド基(置換基)を有す
るカルボン酸系樹脂、一般式(4)
【0028】
【化14】
【0029】および一般式(5)
【0030】
【化15】
【0031】の構造を備えたアミノ基(置換基)を有す
るカルボン酸系樹脂、カルボキシル基を含有する不飽和
単量体(A)と、アミノ基および/またはアミド基を含
有する不飽和単量体(B)とを共重合してなるカルボン
酸系樹脂であれば、特に限定されるものではない。
【0032】式中、炭素数1〜5の炭化水素基とは、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基で
ある。また、式中、Xで示される部分はカルボン酸系樹
脂本体であり、カルボン酸系樹脂とは、遊離のカルボキ
シル基を多数含有する重合体である。該カルボン酸系樹
脂本体は、カルボキシル基を含有するモノマーが単独重
合したものであってもよく、或いは、カルボキシル基を
含有するモノマーと、該カルボキシル基を含有するモノ
マーと共重合可能な他のモノマー(以下、説明の便宜
上、共重合モノマーと称する)とが共重合したものであ
ってもよい。
【0033】カルボキシル基を含有するモノマーとして
は、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイ
ン酸、フマル酸等のカルボン酸が挙げられるが、特に限
定されるものではない。これらカルボキシル基を含有す
るモノマーは、一種類のみを用いてもよく、また、二種
類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0034】上記の共重合モノマーは、特に限定される
ものではないが、オレフィン基を有するモノマーであ
る。共重合モノマーとしては、具体的には、例えば、上
記カルボキシル基を含有するモノマーのエステル、スチ
レン、ビニルピリジン等が挙げられる。尚、上記共重合
モノマーは、カルボキシル基以外の官能基、具体的に
は、例えば、リン酸基、スルホン酸基、ヒドロキシル基
等の官能基を含有していてもよい。これら共重合モノマ
ーは、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を
併用してもよい。
【0035】上記一般式(1)の構造を備えたアミド基
を有するカルボン酸系樹脂のうち、Y1 で示される二価
の置換基が窒素原子または硫黄原子を含むカルボン酸系
樹脂が好ましく、硫黄原子を含むカルボン酸系樹脂が特
に好ましい。また、前記一般式(2)の構造を備えたア
ミド基を有するカルボン酸系樹脂のうち、q1 で示され
る繰り返し単位が3であるアミド基を有するカルボン酸
系樹脂が好ましい。
【0036】さらに、前記一般式(4)の構造を備えた
アミノ基を有するカルボン酸系樹脂のうち、Y2 で示さ
れる二価の置換基が窒素原子または硫黄原子を含むカル
ボン酸系樹脂が好ましく、硫黄原子を含むカルボン酸系
樹脂が特に好ましい。また、一般式(4)におけるブレ
ーンステズ酸残基とは、カルボキシル基、リン酸基、亜
リン酸基、スルホン酸基、ヒドロキシル基等の、プロト
ンを遊離する基を示す。そして、本発明において、ブレ
ーンステズ酸残基には、水素原子の少なくとも一つが上
記プロトンを遊離する基で置換されてなる、炭素数1〜
5の炭化水素基も含まれることとする。
【0037】上記のカルボン酸系樹脂(本体)として
は、(メタ)アクリル酸系樹脂が好適である。そして、
(メタ)アクリル酸系樹脂がアミド基を有する場合に
は、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリルアミド類共
重合体、並びに、(メタ)アクリル酸−ビニルピロリド
ン類重合体がさらに好適である。(メタ)アクリル酸−
(メタ)アクリルアミド類共重合体としては、具体的に
は、例えば、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリルア
ミド共重合体、(メタ)アクリル酸−N,N-ジメチル(メ
タ)アクリルアミド共重合体、(メタ)アクリル酸−N-
イソプロピル(メタ)アクリルアミド共重合体、(メ
タ)アクリル酸−N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)
アクリルアミド共重合体等が挙げられるが、特に限定さ
れるものではない。(メタ)アクリル酸−ビニルピロリ
ドン類重合体としては、具体的には、例えば、アクリル
酸−N-ビニルピロリドン類共重合体が挙げられるが、特
に限定されるものではない。
【0038】また、アミノ基を有する(メタ)アクリル
酸系樹脂としては、具体的には、例えば、(メタ)アク
リル酸−2-ビニルピリジン類共重合体、(メタ)アクリ
ル酸−4-ビニルピリジン類共重合体、(メタ)アクリル
酸−N-ビニルカルバゾール類共重合体、(メタ)アクリ
ル酸−N-モノアリルアミン類共重合体、(メタ)アクリ
ル酸−N,N-ジアリルアミン類共重合体、(メタ)アクリ
ル酸−N,N,N-トリアリルアミン類共重合体、(メタ)ア
クリル酸−4-(N,N-ジアルキルアミノ)アルキルスチレ
ン類共重合体等が挙げられるが、特に限定されるもので
はない。
【0039】これらカルボン酸系樹脂の製造方法は、特
に限定されるものではなく、また、製造条件等も特に限
定されるものではない。
【0040】また、不飽和単量体(A)と、不飽和単量
体(B)とを共重合してなるカルボン酸系樹脂は、特に
限定されるものではない。不飽和単量体(A)として
は、例えば、前記カルボキシル基を含有するモノマーが
挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0041】不飽和単量体(B)のうち、アミノ基を含
有する不飽和単量体(B)としては、具体的には、例え
ば、ビニルピリジン類、N-ビニルカルバゾール類、アリ
ルアミン類、4-(N,N-ジアルキルアミノ)アルキルスチ
レン類、6- (N-プロペニルアミノ)-4-チアヘキサン酸、
および、6- (N,N-ジプロペニルアミノ)-4-チアヘキサン
酸等の含窒素不飽和化合物が挙げられるが、特に限定さ
れるものではない。
【0042】また、不飽和単量体(B)は、一般式
(6)
【0043】
【化16】
【0044】で表される置換基が、アミノ基および/ま
たはアミド基を構成する窒素原子に結合していてもよ
い。さらに、不飽和単量体(A)と、不飽和単量体
(B)と、前記共重合モノマーとを共重合させて、カル
ボン酸系樹脂を得てもよい。尚、一般式(6)における
ブレーンステズ酸残基とは、カルボキシル基、リン酸
基、亜リン酸基、スルホン酸基、ヒドロキシル基等の、
プロトンを遊離する基を示す。そして、本発明におい
て、ブレーンステズ酸残基には、水素原子の少なくとも
一つが上記プロトンを遊離する基で置換されてなる、炭
素数1〜5の炭化水素基も含まれることとする。
【0045】上記ビニルピリジン類としては、具体的に
は、例えば、2-ビニルピリジン類、4-ビニルピリジン類
等が挙げられるが、特に限定されるものではない。ま
た、アリルアミン類としては、N-モノアリルアミン類、
N,N-ジアリルアミン類、N,N,N-トリアリルアミン類等が
挙げられ、これらアリルアミン類のなかでも、N-モノア
リルアミン、N,N-ジアリルアミン、N,N,N-トリアリルア
ミンが好ましい。また、4-(N,N-ジアルキルアミノ)ア
ルキルスチレン類としては、具体的には、例えば、一般
式(7)
【0046】
【化17】
【0047】で表される化合物が挙げられる。尚、上記
炭素数1〜5の炭化水素基とは、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、アミル基である。上記一般式
(7)で表される4-(N,N-ジアルキルアミノ)アルキル
スチレン類のなかでも、jで示される繰り返し単位が1
〜3である4-(N,N-ジアルキルアミノ)アルキルスチレ
ン類が、上記不飽和単量体(A)との反応性や、カルボ
ン酸系樹脂とした後の例えば触媒としての反応性が良好
であることから、好ましい。上記一般式(7)で表され
る4-(N,N-ジアルキルアミノ)アルキルスチレン類とし
ては、具体的には、例えば、4-(N,N-ジメチルアミノ)
エチルスチレン等が挙げられる。
【0048】これら不飽和単量体(A)と不飽和単量体
(B)とを共重合してなるカルボン酸系樹脂のなかで
も、上記不飽和単量体(A)が(メタ)アクリル酸であ
り、不飽和単量体(B)がアリルアミン類であるカルボ
ン酸系樹脂が、キレート能に特に優れるゲル体を得るこ
とができるので、より好ましい。
【0049】該カルボン酸系重合体の製造方法、即ち、
上記不飽和単量体(A)および不飽和単量体(B)を含
む単量体成分の重合方法は、特に限定されるものではな
く、例えば、溶液重合法、懸濁重合法、逆相懸濁重合法
等、従来公知の種々の方法を採用することができる。上
記単量体成分を重合させる際に用いられる溶媒として
は、具体的には、例えば、水、トルエン、シクロヘキサ
ン等が挙げられるが、特に限定されるものではない。ま
た、上記溶媒の使用量も特に限定されるものではない。
さらに上記懸濁重合を行う際の懸濁剤としては、具体的
には、例えば、ゼラチン、デキストリン、ポリビニルア
ルコール等が挙げられるが、特に限定されるものではな
い。また、上記懸濁剤の使用量も特に限定されるもので
はない。
【0050】上記単量体成分を重合させる際には、重合
開始剤を用いることができる。該重合開始剤としては、
具体的には、例えば、過酸化水素、ベンゾイルパーオキ
サイド、クメンヒドロパーオキサイド等の過酸化物;
2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、 2,2'-アゾビス(2
-アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ化合物;過硫酸
アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の
過硫酸塩等のラジカル重合開始剤等が挙げられる。これ
ら重合開始剤は、単独で用いてもよく、また、二種類以
上を適宜混合して用いてもよい。尚、上記重合開始剤を
用いる代わりに、放射線や電子線、紫外線等を照射して
もよく、また、重合開始剤とこれら放射線や電子線、紫
外線等の照射とを併用してもよい。また、上記重合開始
剤の使用量は、特に限定されるものではない。
【0051】また、上記単量体成分を重合させる際に
は、必要に応じて架橋剤を用いてもよい。該架橋剤とし
ては、具体的には、例えば、トリメチロールプロパント
リアクリレート、ジビニルベンゼン等が挙げられるが、
特に限定されるものではない。これら架橋剤は、一種類
のみを用いてもよく、適宜、二種類以上を混合して用い
てもよい。上記重合反応に架橋剤を用いることにより、
得られるカルボン酸系重合体の架橋密度を制御すること
ができる。尚、架橋剤の使用量は、特に限定されるもの
ではなく、例えば、用いる単量体成分や架橋剤の種類、
所望する架橋密度等によって適宜設定すればよい。
【0052】上記重合反応を行う際の反応温度は、単量
体成分や溶媒の種類等に応じて適宜設定すればよく、特
に限定されるものではないが、50℃〜 120℃の範囲内が
好ましく、60℃〜 100℃の範囲内がさらに好ましい。
尚、反応時間は、上記重合反応が完結するように、反応
温度や、単量体成分、重合開始剤、および溶媒等の種類
や組み合わせ、使用量等に応じて適宜設定すればよく、
特に限定されるものではない。また、反応圧力は特に限
定されるものではなく、常圧(大気圧)、減圧、加圧の
何れであってもよい。
【0053】該カルボン酸系樹脂は、重合反応後、濾過
して溶媒で充分に洗浄した後、エバポレーター、減圧乾
燥等、常用の方法を用いて乾燥することによって容易に
得ることができる。
【0054】本発明にかかるゲル体は、上記のカルボン
酸系樹脂を分散媒に膨潤させることによって容易に得る
ことができる。つまり、本発明にかかるゲル体は、上記
のカルボン酸系樹脂が分散媒によって膨潤し、3次元網
目構造をとることによってジェリー状に固化してなる。
【0055】上記分散媒としては、特に限定されるもの
ではないが、好ましくは水、メタノール等が用いられ
る。また、本発明にかかるゲル体の製造方法は、特に限
定されるものではなく、上記カルボン酸系樹脂を、上記
分散媒に例えば浸漬することによって容易に得ることが
できる。尚、カルボン酸系樹脂を分散媒に浸漬する場合
の条件等は、特に限定されるものではない。該ゲル体の
膨潤率、言い換えれば、分散媒の含有量は、特に限定さ
れるものではないが、例えば、カルボン酸系樹脂1gあ
たり4g〜6gの水を吸収する。
【0056】本発明にかかるゲル体は低pH条件下でも
キレート能に優れると共に、単位容量当りの金属イオン
の捕捉量が、1cc当たり10mmolと非常に高い。しかも、
該ゲル体は、非プロトン性溶媒中では、プロトン性溶媒
を用いた場合と比較して酸強度が10〜 100倍も高くなる
という特性を有している。従って、該ゲル体は、例え
ば、金属の回収や金属を含有する廃液の処理の好適に用
いることができると共に、プロトン性、非プロトン性を
問わず、各種プロセス触媒としても好適に用いることが
できる。
【0057】本発明にかかるゲル体を触媒として用いる
場合には、上記カルボン酸系樹脂をそのまま、あるい
は、金属を担持させて用いることができる。
【0058】上記カルボン酸系樹脂をそのまま用いるこ
とで、本発明にかかるゲル体は、Knoevenagel 縮合反応
用触媒等に用いることができ、また、上記カルボン酸系
樹脂に金属を担持させることで、本発明にかかるゲル体
は、例えば、ヒドロキシアルカナールの合成反応等の反
応における触媒として特に好適に用いることができる。
上記の金属としては、具体的には、例えば、銅、鉛、ニ
ッケル、亜鉛、鉄、コバルト、クロム、マンガン、ビス
マス、錫、アンチモン、およびアルカリ土類金属等が挙
げられるが、特に限定されるものではない。また、金属
を担持させた上記カルボン酸系樹脂を用いることで、本
発明にかかるゲル体は、アクリル酸エステルの選択的合
成用触媒として特に好適に用いられる。
【0059】該カルボン酸系樹脂に金属を担持させる場
合における、カルボン酸系樹脂に対する金属の担持量
は、カルボン酸系樹脂の種類や、適用する合成反応の種
類等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されるもの
ではない。
【0060】例えば、上記のカルボン酸系樹脂を含むゲ
ル体をヒドロキシアルカナールの合成反応における触媒
として用いる場合には、上記金属の担持量は、カルボン
酸系樹脂に対して、0.001 重量%〜10重量%の範囲内が
好ましく、0.01重量%〜5重量%の範囲内がより好まし
く、0.01重量%〜1重量%の範囲内が特に好ましい。上
記金属の担持量が0.001 重量%よりも少ない場合には、
該カルボン酸系樹脂に金属を担持させる効果が充分に発
揮されない虞れがある。一方、上記金属の担持量が10重
量%よりも多い場合には、ヒドロキシアルカナールの収
率が低下する虞れがある。尚、ここでいう担持とは、キ
レート以外にも、塩、吸着、包接等が挙げられ、その形
態は特に限定されるものではない。また、担持される金
属はイオン、金属の何れであってもよい。また、イオン
の形態としては、酸化物、ハロゲン化物、硫化物等が挙
げられる。
【0061】該カルボン酸系樹脂に金属を担持させる方
法としては、特に限定されるものではなく、常用の方法
を用いることができる。金属、例えば、鉛のカルボン酸
系樹脂への担持は、具体的には、例えば、硝酸鉛、酢酸
鉛等の鉛化合物を所定量溶解させた水溶液に該カルボン
酸系樹脂を浸漬し、所定条件下で攪拌して陽イオン交換
を行わせた後、濾過等により該カルボン酸系樹脂を取り
出し、水洗することによって達成される。
【0062】また、本発明にかかるゲル体は、上記カル
ボン酸系重合体を分散媒で膨潤させてゲル体とすること
で、カルボン酸系重合体をそのまま用いる場合と比べ
て、さらに広い用途に用いることが可能である。例え
ば、該ゲル体は、3次元網目構造を有することで分子ふ
るい効果を有し、例えば、気体や液体の混合物を分離す
るための吸着剤や濾過剤、糖の精製等に好適に用いるこ
とができる。
【0063】さらに、該ゲル体は熱応答性に優れ、可逆
性熱膨張を示す。このため、該ゲル体は、高温域で体積
膨張することを利用し、例えばアクチュエーター等のよ
うに、体積変化を圧力に変換利用して用いることができ
る。また、該ゲル体は、pH応答性にも優れ、酸、また
はアルカリによってその形態(架橋密度)を変えること
ができることから、例えば、薬剤等、所望する化合物を
ゲル体内に内包させて、生体内を含めた特定のpH環境
下で内包していた化合物を放出する所謂ドラッグデリバ
リーシステム等の用途にも好適に用いることができる。
このように、本発明にかかるゲル体は、金属イオン捕捉
能に優れると共に非プロトン性溶媒中での酸強度が非常
に高く、しかも、pH応答性や熱応答性があり、種々の
用途に好適に用いることができる。
【0064】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるも
のではない。
【0065】〔実施例1〕温度計、攪拌機、滴下装置お
よび還流冷却器を備えた反応容器に、溶媒としてのシク
ロヘキサン8kgおよび所定の懸濁剤を仕込んで攪拌し
た。次いで、上記反応容器に、N,N-ジアリルアミンとア
クリル酸とからなる単量体成分 580g、架橋剤としての
トリメチロールプロパントリアクリレート28g、および
溶媒としての水2400gを添加し、70℃に昇温した。尚、
上記N,N-ジアリルアミンは、単量体成分中におけるN,N-
ジアリルアミンの使用量が5モル%となるように添加し
た。一方、重合開始剤としての2,2'- アゾビス(2-アミ
ジノプロパン)二塩酸塩(和光純薬工業株式会社製;商
品名 V−50)の所定濃度の水溶液を所定量、滴下装
置に仕込んだ。次いで、上記滴下装置内の重合開始剤
を、上記反応溶液に20分間かけて滴下し、その後、この
反応溶液をさらに3時間攪拌して攪拌を停止した。次い
で、上記の反応溶液を一晩所定温度で維持することによ
り反応を熟成させた。この結果、0.1mm 〜2mm程度のビ
ーズ状の反応生成物が得られた。
【0066】その後、得られたビーズ状の反応生成物を
ロータリーエバポレータに移し、シクロヘキサンを留去
した後、減圧下、80℃で所定時間乾燥して 600gの重合
体、即ち、本発明にかかるカルボン酸系樹脂を得た。得
られたカルボン酸系樹脂を室温で所定時間イオン交換水
に浸漬して膨潤させた。この結果、上記カルボン酸系樹
脂1gあたり4g〜6gの水を含むゲル体が得られた。
【0067】〔実施例2〕実施例1で得られたカルボン
酸系樹脂を、所定温度に保持した0.2 Mの硝酸銅水溶液
中に70時間浸漬した後、所定量のイオン交換水で充分に
洗浄した。この結果、青色に着色したゲル体が得られ
た。そして、得られたゲル体を、pH1の塩酸水溶液に
10日以上浸漬した。この操作を、塩酸水溶液のpHを1
〜7の範囲内で種々変更して同様に行った。この結果、
pH4以上の塩酸水溶液に浸漬したゲル体は、青色に呈
色したままであった。
【0068】〔実施例3〕実施例1で得られたゲル体の
プロトン性溶媒中での指示薬滴定による酸強度測定を行
った。つまり、水に膨潤させた上記ゲル体を水中で攪拌
し、指示薬滴定法を用いて滴定することにより、表面酸
強度を測定した。この結果、pK=+2.0〜+3.3
であった。これは、0.0003重量%〜0.005 重量%の硫
酸水溶液に相当する。
【0069】〔実施例4〕実施例1で得られたゲル体の
非プロトン性溶媒中での指示薬滴定による酸強度測定を
行った。つまり、水に膨潤させた上記ゲル体をジオキサ
ン中で攪拌し、指示薬滴定法を用いて滴定することによ
り、表面酸強度を測定した。この結果、pK=+0.8 〜
+1.7 であった。これは、0.02重量%〜 1.7重量%の硫
酸水溶液に相当する。
【0070】〔実施例5〕実施例1で得られたゲル体の
可逆性熱膨張率を測定した。先ず、実施例1で得られた
ゲル体の体積を測定した後、イオン交換水中に浸漬し、
90℃で所定時間加熱した。この結果、上記ゲル体は、室
温の1.48倍の体積膨張を示した。これは、90℃における
上記ゲル体の膨潤率が室温におけるそれの1.48倍である
ことを示す。その後、このゲル体を再び室温に冷却する
と、加熱前の体積に戻った。
【0071】〔実施例6〕実施例1で得られたゲル体を
アクロレインの水和反応における触媒として用いた。先
ず、温度計および攪拌装置等を備えた反応容器に所定量
の水を入れた後、水溶液中における濃度が28重量%とな
るようにアクロレインを所定量仕込んだ。次に、この水
溶液に触媒として上記のゲル体を所定量仕込んだ。その
後、上記の反応溶液を、攪拌しながら90℃で5時間反応
させることにより、アクロレインを水和した。
【0072】反応終了後、この反応溶液を濾過し、濾液
を所定の方法により分析した結果、アクロレインの転化
率は57%であり、水和反応生成物である3-ヒドロキシプ
ロパナールおよびその2量体の合計の選択率は89%であ
った。尚、上記アクロレインの転化率および3-ヒドロキ
シプロパナールおよびその2量体の選択率は、以下の定
義に従った。 アクロレインの転化率(%)=(消費されたアクロレイ
ンのモル数/供給したアクロレインのモル数)×100 3-ヒドロキシプロパナールの選択率(%)=(3-ヒドロ
キシプロパナールに転化したアクロレインのモル数/消
費されたアクロレインのモル数)×100 3-ヒドロキシプロパナール2量体の選択率(%)=(3-
ヒドロキシプロパナール2量体に転化したアクロレイン
のモル数/消費されたアクロレインのモル数)×100 尚、アクロレイン、3-ヒドロキシプロパナール、3-ヒド
ロキシプロパナール2量体は、ガスクロマトグラフィー
等、公知の方法で定量することができる。
【0073】上記実施例1〜6の結果から、本発明によ
れば、可逆性熱膨張を示すと共に、単位容量当りの金属
イオンの捕捉量が多く、しかも、低pH条件下でもキレ
ート能に優れるゲル体を得ることができることが判る。
また、該ゲル体は、例えば、アクロレインの水和反応に
おける触媒として好適に用いることができ、3-ヒドロキ
シプロパナールおよびその2量体を高い選択率で得るこ
とができることが判った。
【0074】
【発明の効果】本発明の請求項1記載のゲル体は、以上
のように、一般式(1)
【0075】
【化18】
【0076】、一般式(2)
【0077】
【化19】
【0078】、一般式(3)
【0079】
【化20】
【0080】、一般式(4)
【0081】
【化21】
【0082】、および、一般式(5)
【0083】
【化22】
【0084】からなる群より選ばれる少なくとも一種の
構造を備えた置換基を有するカルボン酸系樹脂を分散媒
で膨潤させてなる構成である。
【0085】本発明の請求項2記載のゲル体は、以上の
ように、カルボキシル基を含有する不飽和単量体(A)
と、アミノ基および/またはアミド基を含有する不飽和
単量体(B)とを共重合してなるカルボン酸系樹脂を分
散媒で膨潤させてなる構成である。
【0086】本発明の請求項3記載のゲル体は、以上の
ように、請求項2記載のゲル体において、上記不飽和単
量体(B)が、ビニルピリジン類、N-ビニルカルバゾー
ル類、アリルアミン類、4-(N,N-ジアルキルアミノ)ア
ルキルスチレン類、6- (N-プロペニルアミノ)-4-チアヘ
キサン酸、および、6- (N,N-ジプロペニルアミノ)-4-チ
アヘキサン酸からなる群より選ばれる少なくとも一種の
含窒素不飽和化合物である構成である。
【0087】本発明の請求項4記載のゲル体は、以上の
ように、請求項2記載のゲル体において、上記不飽和単
量体(A)が(メタ)アクリル酸であり、不飽和単量体
(B)がアリルアミン類である構成である。
【0088】上記の構成によれば、金属イオン捕捉能に
優れると共に非プロトン性溶媒中での酸強度が非常に高
く、しかも、pH応答性や熱応答性がある新規なゲル体
を提供することができる。該ゲル体は、例えば、金属の
回収や、金属を含有する廃液の処理、触媒、分子ふる
い、糖の精製等の種々の用途に好適に用いることができ
るという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 226/02 MNL C08F 226/02 MNL 226/06 226/06 226/12 MNP 226/12 MNP 299/02 MRR 299/02 MRR

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 、一般式(2) 【化2】 、一般式(3) 【化3】 、一般式(4) 【化4】 、および、一般式(5) 【化5】 からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造を備えた
    置換基を有するカルボン酸系樹脂を分散媒で膨潤させて
    なることを特徴とするゲル体。
  2. 【請求項2】カルボキシル基を含有する不飽和単量体
    (A)と、アミノ基および/またはアミド基を含有する
    不飽和単量体(B)とを共重合してなるカルボン酸系樹
    脂を分散媒で膨潤させてなることを特徴とするゲル体。
  3. 【請求項3】上記不飽和単量体(B)が、ビニルピリジ
    ン類、N-ビニルカルバゾール類、アリルアミン類、4-
    (N,N-ジアルキルアミノ)アルキルスチレン類、6- (N-
    プロペニルアミノ)-4-チアヘキサン酸、および、6- (N,
    N-ジプロペニルアミノ)-4-チアヘキサン酸からなる群よ
    り選ばれる少なくとも一種の含窒素不飽和化合物である
    ことを特徴とする請求項2記載のゲル体。
  4. 【請求項4】上記不飽和単量体(A)が(メタ)アクリ
    ル酸であり、不飽和単量体(B)がアリルアミン類であ
    ることを特徴とする請求項2記載のゲル体。
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EP97922090A EP0841350A4 (en) 1996-05-22 1997-05-16 CARBOXYLATED POLYMERS, METHOD FOR THE PRODUCTION THEREOF AND GELS MADE THEREOF
US08/983,481 US6139767A (en) 1996-05-22 1997-05-16 Carboxylated polymers, process for the production of the same, and gels thereof
PCT/JP1997/001669 WO1997044369A1 (fr) 1996-05-22 1997-05-16 Polymeres carboxyles, leur procede d'obtention et gels en etant faits

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999058242A1 (fr) * 1998-05-12 1999-11-18 Nippon Shokubai Co., Ltd. Procede permettant d'activer un hydrogene actif et catalyseur d'activation

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999058242A1 (fr) * 1998-05-12 1999-11-18 Nippon Shokubai Co., Ltd. Procede permettant d'activer un hydrogene actif et catalyseur d'activation

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