JP2719602B2 - アクリル酸系共重合体およびその製造方法 - Google Patents

アクリル酸系共重合体およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はアクリル酸系共重合体およびその製造方法に
関し、さらに詳しくは、接着剤、塗料、コーティング剤
等に有用なアクリル酸系共重合体およびその製造方法に
関する。
[従来の技術およびその問題点] 従来より、高いガラス転移点、低収縮性、低伸張性、
高い透明性、高い熱安定性および低吸水性を特長とす
る、1−アダマンチルアクリレートとアクリル酸エステ
ルとの共重合体およびその製造方法が知られている(特
公昭46−28419号公報参照)。上記方法によって得られ
た共重合体は、その有する前記特有の性質に応じて各種
用途に用いられている。
しかしながら、上記共重合体は、前記特長の故に、適
度な疎水性を要求される用途あるいは水溶性であること
を要求される用途には使用することができないから、そ
の用途にはおのずと限界がある。さらに、前記共重合体
は、基本的には二種のアクリレートを共重合させている
ので、その共重合組成比を変化させても、疎水性を低下
させて水溶性を高めていくという自由度がなく、また金
属酸化物により硬化しなかったり、機械的強度が低下し
たり、金属面等への付着力が小さい等の問題点があっ
た。さらに、前記共重合体は、エステル結合によりアダ
マンチル基を結合しているので、金属酸化物と硬化させ
た場合、マトリックス相が脆いという問題点もあった。
本発明は、上記従来技術の欠点を改良したアクリル酸
系重合体およびその製造方法を提供することを目的と
し、本発明の共重合体は、親水性、疎水性を単量体の組
成比を変えることによって、任意に制御することがで
き、金属等に対して強い接着力を示し、また、親水性で
ありながら、耐加水分解性があるものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明者等は上記目的を達成するために鋭意検討した
結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明は、式(1): (式中、R1は水素原子またはメチル基を表わす。) で表わされる繰返し単位と、 式(2): (式中、R2は水素原子またはメチル基を表わし、Adは炭
素数が1〜3である最大2個のアルキル基で置換してい
てもよいアダマンチル基を表わし、nは0〜4の整数で
ある。) で示される繰返し単位とを有するアクリル酸系共重合体
に関するものである。
また、本発明の第2の発明は、式(3): CH2=CR1−CO2H (3) (式中、R1は水素原子またはメチル基を表わす。) で表わされるアクリル酸および/またはメタクリル酸
と、 式(4): CH2=CR2CO2−(CH2)n−AdCO2R3 (4) (式中、R2は水素原子またはメチル基を表わし、R3は保
護基を表わし、Adは炭素数が1〜3である最大2個のア
ルキル基で置換していてもよいアダマンチル基を表わ
し、nは0〜4の整数である。) で示される化合物とを、重合開始剤により重合させて、 式(5): (式中、R1、R2、R3、Adおよびnは前記と同じ意味を有
する。) で示される重合体を得た後、前記重合体を還元剤により
還元することを特徴とするアクリル酸系共重合体に関す
るものである。
本発明のアクリル酸系共重合体は、前記式(1)およ
び(2)で示される繰返し単位を有する新規な共重合体
である。
また、このアクリル酸系共重合体は、通常3,000〜10
0,000、好ましくは5,000〜30,000である分子量を有して
いるのが好ましい。
本発明のアクリル酸系共重合体は、前記繰返し単位を
有すれば特に制限がなく、ランダム共重合体、ブロック
共重合体、交互共重合体のいずれであってもよい。
本発明のアクリル酸系共重合体は、前記式(2)で示
される繰返し単位を、0.2〜99モル%の範囲で含有して
いるのが好ましい。
本発明のアクリル酸系共重合体は、特筆すべき特長と
して、式(1)で示される繰返し単位が93モル%以上で
は水溶性であり、93モル%未満であると疎水性となる。
水に対するこのような性質は、製造条件を適宜に変える
ことにより可変とすることができる。
このアクリル酸系共重合体が水溶性ポリマーの場合に
は、たとえば、歯科用のポリカルボン酸セメントやグラ
スアイオノマーセメントに用いることができ、耐加水分
解性がよいので歯科用セメントの寿命を著しく向上させ
ることができる。また、歯科用セメントに使用する場
合、アクリル酸系共重合体の分子量は特に制限されない
が、数平均分子量が1,000以上であるものが好ましい。
また、疎水性ポリマーの場合には、たとえば、接着剤、
塗料およびコーティング材等に使用できる。
なお、本発明のアクリル酸系共重合体は、本発明の目
的を阻害しない限りにおいて前記式(1)および(2)
に示す繰返し単位以外の繰返し単位を有していてもよ
い。そのような他の繰返し単位として、たとえば、 (ただし、式中、R1は前記と同様の意味を表わし、R4
メチル基、エチル基、ブチル基のような低級アルキル基
を表わす。) (ただし、式中、R2は前記と同様の意味を表わす。) などが挙げられる。
本発明のアクリル酸系共重合体は次のようにして製造
できる。
まず、式(3): CH2=CR1−CO2H (3) (式中、R1は水素原子またはメチル基を表わす。)で示
されるアクリル酸またはメタクリル酸と、式(4): CH2=CR2CO2−(CH2−AdCO2R3 (4) (式中、R2は水素原子またはメチル基を表わし、R3は保
護基を表わし、Adは炭素数が1〜3である最大2個のア
ルキル基で置換していてもよいアダマンチル基を表わ
し、nは0〜4の整数である。)で示されるアクリル酸
系エステル誘導体とを重合開始剤により共重合させて、 (式中、R1、R2、R3、Adおよびnは前記と同じ意味を有
する。) の繰返し単位を有する共重合体を得た後、還元剤で還元
することによって得ることができる。
本発明の方法において、式(4)で表わされるアクリ
ル酸エステル誘導体は末端に保護基を有し、該保護基の
具体例としては、ベンジル基、メチルベンジル基等が挙
げられ、該保護基を有するアクリル酸エステル誘導体の
具体例としては、3−アクリロイルオキシ−1−アダマ
ンタンカルボン酸ベンジルエステル、3−メタクリロイ
ルオキシ−1−アダマンタンカルボン酸ベンジルエステ
ル、3−アクリロイルオキシ−1−アダマンタンカルボ
ン酸p−メチルベンジルエステル等が挙げられる。
前記式(3)および(4)で示されるモノマーの共重
合は、イオン重合、リビング重合も可能であるかも知れ
ないが、通常は、ラジカル重合である。
ラジカル重合の場合、使用される重合開始剤として
は、たとえば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、t
−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイ
ド、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロ
イル、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘ
キサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾ
ビスイソブチルアミジン塩酸塩、アゾビスシアノ吉草酸
等が挙げられる。
共重合反応は溶液重合、塊状重合、乳化重合などの形
式で行なうことができるが、通常は溶液重合である。
溶液重合の場合、使用される溶媒としては、メチルア
ルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール等
のアルコール類、エーテル、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン
等のケトン類が挙げられる。溶媒として無水アルコール
を使用すると、エステル化が進行することもあるので、
無水アルコールよりも含水アルコールのほうが好まし
く、その含水量は、通常、0.2〜5重量%であるが、場
合により5重量%を超えてもよい。
また、重合溶媒は、アルコール類と他の溶媒との混合
溶媒でもよく、用いることができる溶媒としては、反応
に不活性なものであればよく、たとえば脂肪族炭化水
素、芳香族炭化水素等が挙げられ、これらの中でも芳香
族炭化水素が好ましく、具体例としてはベンゼン、トル
エン、キシレン等が挙げられる。
重合温度は、通常、50〜100℃である。
アクリル酸の組成比が高い共重合体では、第一段階で
ある重合反応終了後、ポリマー溶液にベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素を加え、ポリマーを沈
殿させる。ポリマーを一旦濾別した後アルコールで溶解
し、再びベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素で再沈殿して精製する。
反対に、アクリル酸の組成比が低い共重合体では、反
応混合物を水とメチルアルコールの混合溶媒中に注ぎ込
みポリマーを沈殿させる。ポリマーを一旦濾別してから
トルエンで溶解し、再び水とメチルアルコールとの混合
溶媒中に注ぎ込みポリマーを再沈殿させて精製する。
本発明の方法の第二段階であるアクリル酸系共重合体
の還元に用いられる還元剤は、金属触媒−水素系であ
り、金属触媒としては、パラジウム、白金、ロジウム、
オスミウム等が挙げられ、特にパラジウムが好ましい。
パラジウムの中でもパラジウムブラックが好ましく、活
性炭素にパラジウムを担持したものは共重合体からの触
媒除去の困難なことがあるので好ましくない。触媒の添
加量は、アクリル酸系共重合体に対し、1〜30重量%、
好ましくは10〜20重量%である。また、水素は常圧で10
〜200ml/分の流量で用いられる。
水素還元時において用いることができる溶媒として
は、アルコール類、特に含水エチルアルコールが好まし
く、含水量は10〜50重量%、好ましくは10〜30重量%で
ある。含水量が50重量%を超えると、触媒が細かく分散
してしまってこれを濾過により除去するのが困難とな
り、10重量%よりも少ないと、水素還元により生成した
カルボン酸が反応溶媒のアルコールによってエステル化
するという不都合を生じることがある。
水素還元時における反応温度は、通常、5〜50℃であ
る。
かくして、水素還元により、本発明に係るアクリル酸
系共重合体が得られる。
[実施例] 次にこの発明の実施例を示す。
(調整例) アクリロイルオキシ−1−アダマンタンカルボン酸ベン
ジルエステルの合成 文献(Chem.Ber.95,667(1967))に記載されている
方法で合成した3−ヒドロキシ−アダマンタンカルボン
酸を水酸化カリウム水溶液で中和して3−ヒドロキシ−
1−アダマンタンカルボン酸カリウム塩の水溶液を得
た。この塩を150℃の真空乾燥機で一晩乾燥して水を除
去した。乾燥したカリウム塩10.2g(0.052mol)をジメ
チルホルムアミド(DMF)100mlに溶解し、臭化ベンジル
8.4g(0.050mol)を加え、アルゴンガス雰囲気下に110
℃で8時間かけて撹拌した。次に、反応液をロータリー
エバポレータにより大部分のDMFを留去した。その後反
応物を300mlのエーテルに溶解した後これを分液ロート
に移し、100mlの飽和食塩水で3回洗浄した。次いで、1
00mlの純水で5回洗浄後、無水硫酸マグネシウムを加え
て一晩乾燥させた。次に硫酸マグネシウムを濾過した
後、ロータリーエバポレータでエーテルを留去した。次
にアセトン/シクロヘキサン(容量比15/85)の混合溶
媒を用いて再結晶を行ない、11.4g(0.040mol)の精製
3−ヒドロキシ−1−アダマンタンカルボン酸ベンジル
エステルを得た。このようにして得られた3−ヒドロキ
シ−1−アダマンタンカルボン酸ベンジルエステル10.0
g(0.035mol)を、水素化カルシウムで脱水したトルエ
ン150mlに溶解し、さらに、酸化バリウムで脱水したト
リエチルアミン8.2g(0.081mol)を添加、混合した。次
いで反応容器内に乾燥アルゴンガスを流入させながら、
反応容器を氷水浴で冷却し、撹拌下、滴下ロートを用い
て6.5g(0.070mol)の塩化アクリルを30分間にわたって
滴下した。滴下終了後氷水浴を除去し、室温に戻して、
6時間撹拌した。その後、反応混合物中のアミンの塩酸
塩を濾別除去した後、濾液を分液ロートに移し、1Nの塩
酸水溶液100mlで3回洗浄した。次に3Nの水酸化ナトリ
ウム水溶液100mlで3回洗浄し、最後に純水で溶液が中
性になるまで洗浄した。洗浄液には無水硫酸マグネシウ
ムを入れ、一晩乾燥した。次に硫酸マグネシウムを濾過
し、ロータリーエバポレータでトルエンを留去し、6.8g
(0.019mol)の3−アクリロイルオキシ−1−アダマン
タンカルボン酸ベンジルエステルを得た。得られたコモ
ノマーの1H−NMRスペクトルを第1図に示した。
なお、スペクトルの帰属は以下の通りである。
5.85ppm 6.25ppm 6.05ppm 2.20ppm 2.05ppm 1.80ppm 1.60ppm 5.10ppm 7.35ppm なお、2.50ppmのピークはDMSO−d6中の不純物によっ
ている。
(実施例1) 前記調整例で得られた3.8g(0.011mol)の3−アクリ
ロイルオキシ−1−アダマンタンカルボン酸ベンジルエ
ステルと使用直前に蒸留したアクリル酸30.8g(0.43mo
l)を2%含水エチルアルコール130mlに溶解し、さらに
ベンゾイルパーオキサイド0.19gを添加した後撹拌し、
均一に溶解させた。次に反応液中にアルゴンガスを1時
間吹き込み、系内の空気をアルゴンガスで置換した。そ
の後、アルゴンガスを吹き込みながら反応溶液を加熱撹
拌することにより還流状態とし、その状態を5時間継続
させた。反応液を室温に冷却した後、反応液を600mlの
トルエン中に注いでアクリル酸系共重合体を沈殿させ
た。上澄液をデカンテーションで除去した後、沈殿した
アクリル酸系共重合体を150mlのエチルアルコールで溶
解して再度の600mlのトルエンに注いでアクリル酸系共
重合体を沈殿させた。この操作を5回繰り返してアクリ
ル酸系共重合体から未反応モノマーを除去した。次にこ
のアクリル酸系共重合体のエチルアルコール溶液に100m
lの蒸留水を加え、ロータリーエバポレータを用いて40
〜60℃の温水浴で減圧濃縮を行なった。共重合体を含む
水溶液が50ml程度に濃縮された時点で再び100mlの蒸留
水を加えて減圧濃縮を行なった。この操作を4回繰り返
してエチルアルコールを完全に除去した後、温水浴の温
度を80℃に上げて乾固した。得られたアクリル酸系共重
合体の収量は26.4gであった。第2図に得られた共重合
体の1H−NMRを示した。
なお、スペクトルの帰属は以下の通りである。
1.70ppm,1.90ppm 2.40ppm 5.45ppm 2.25ppm 2.10ppm 1.85ppm 1.60ppm 5.10ppm 7.35ppm なお、溶媒であるCD3CD中の不純物による吸収が3.3pp
mに、エチルエステルによる吸収が1.25ppm,4.1ppmに現
れている。
得られた15.0gのアクリル酸系共重合体を10%含水エ
タノール150mlで溶解した後、水素還元触媒であるパラ
ジウムブラック粉末3.0gを添加した。次いで常圧で水素
を反応溶液中に吹き込みながら激しく撹拌することによ
りベンジル基の脱離を行なった。なお、水素の流量は10
0ml/分、撹拌時間は10時間であった。その後パラジウム
ブラックを濾過して除き、濾液に100mlの蒸留水を加
え、40〜50℃の温水浴とロータリーエバポレータを用い
て濃縮した。液量が50ml程度に濃縮された時点で再び10
0mlの蒸留水を加えて減圧濃縮を行なった。以上の操作
を4回繰り返して完全にエチルアルコールを除去した
後、温水浴の温度を80℃に上げ、アクリル酸系共重合体
を乾固した。得られたアクリル酸系共重合体の収量は1
4.5gであった。第3図に水素還元後の1H−NMRを示す。
なお、スペクトルの帰属は以下の通りである。
1.70ppm,1.90ppm 2.40ppm 5.45ppm 2.25ppm 2.10ppm 1.85ppm 1.55ppm なお、溶媒であるCD3OD中の不純物による吸収が3.3pp
mに、エチルエステルによる吸収が1.25ppm、4.1ppmに現
れている。
なお、アクリル酸系共重合体は、アダマンタン基を含
む単位がアクリル酸系共重合体中に含有されていること
1H−NMRより判るが、その定量はベンジル基が存在す
る水素還元前のアクリル酸系共重合体の方が容易である
のでその1H−NMRより行なったところ2.4mol%であっ
た。
また、得られたアクリル酸系共重合体の分子量につい
ては、水素還元したアクリル酸系共重合体の分子量は通
常の方法では測定不可能なので、ジアゾメタンのエーテ
ル溶液を用いてアクリル酸系共重合体中のカルボキシル
基をすべてメチルエステル化した後ゲルパーミエーショ
ンクロマト法によって、測定した。なお、分離カラムと
しては、東洋曹達(株)製、TSK GH8P、GMH6およびG20
0H8を連結して用いた。また、展開溶媒としては、テト
ラヒドロフランを用い、標準物質としてはポリスチレン
を用いた。この様にして得られた分子量分布曲線を第4
図に示したが、数平均分子量および重量平均分子量の値
はそれぞれ1.4x104、3.7x104であった。
実施例で得られたアクリル酸系共重合体について剥離
強度試験を下記のごとく行なった。
寸法25mm x 100mm x 1mm(厚さ)の鋼板および寸法25
mm x100mm x60mm(厚さ)のアルミ箔を用いて合成した
アクリル酸系共重合体の剥離強度を測定した。トリクレ
ンで洗浄脱脂した鋼板に上記アクリル酸系共重合体を20
重量%メチルアルコールを含有する水溶液を該鋼板の片
側から25cmの高さまで塗布し、70℃の真空乾燥機内で20
分間乾燥した。次にトリクレンで脱脂したアルミ箔を鋼
板に重ねあわせ、ずれないように上から鉄板で抑えた
後、加熱プレスで180℃、60kg/cm2で5分間貼り合せ
た。その後、引張硬度200mm/分で180度剥離試験を行な
い、2.0kg/250mmの強度を得た。
[発明の効果] 本発明のアクリル酸系共重合体は、アクリル酸エステ
ル誘導体および/またはアクリル酸エステル誘導体の組
成を変化させることによって親水性あるいは疎水性とす
ることができるので、このアクリル酸系共重合体は、そ
の用途が飛躍的に拡大される。また、このアクリル酸系
共重合体は、フリーのカルボン酸を有しているのでキレ
ート構造形成能を有するに至り、これによって、金属ま
たは金属酸化物に対し優れた接着力を示す。しかもこの
アルカリ酸系共重合体は、アダマンタン構造を分子内に
有するため、ガラス転移点が高く、熱膨張係数が小さ
く、熱安定性が高く、耐水性がよいなどの長所を有す
る。したがって、接着剤、コーティング材、塗料、有機
ガラス、生体関連材料として有用である。さらに、樹脂
自体の強度をアイオノマー架橋構造により増加させるこ
とができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は3−アクリロイルオキシ−1−アダマンタンカ
ルボン酸ベンジルエステルモノマーの1H−NMRスペルト
ルであり、第2図は本発明の中間体であるアクリル酸系
共重合体の1H−NMRスペクトルであり、第3図は本発明
によって得られるアクリル酸系共重合体の1H−NMRスペ
クトルであり、第4図は本発明により得られたアクリル
酸系共重合体の分子量分布曲線である。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1): (式中、R1は水素原子またはメチル基を表わす。) で表わされる繰返し単位と、 式(2): (式中、R2は水素原子またはメチル基を表わし、Adは炭
    素数が1〜3である最大2個のアルキル基で置換してい
    てもよいアダマンチル基を表わし、nは0〜4の整数を
    表わす。) で示される繰返し単位とを有するアクリル酸系共重合
    体。
  2. 【請求項2】式(3): CH2=CR1−CO2H ……(3) (式中、R1は水素原子またはメチル基を表わす。) で表わされるアクリル酸および/またはメタクリル酸
    と、 式(4): CH2=CR2CO2−(CH2)n−AdCO2R3 ……(4) (式中、R2は水素原子またはメチル基を表わし、R3は保
    護基を表わし、Adは炭素数が1〜3である最大2個のア
    ルキル基を置換していてもよいアダマンチル基を表わ
    し、nは0〜4の整数を表わす。) で示される化合物とを、重合開始剤により共重合させ
    て、 式(5): (式中、R1、R2、R3、Adおよびnは前記と同じ意味を有
    する。) で示される繰返し単位を有する共重合体を得た後、前記
    共重合体を還元剤により還元することを特徴とするアク
    リル酸系共重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】前記共重合反応が、アルコール系溶媒ある
    いはこれらに芳香族炭化水素系溶媒を添加してなる溶媒
    中で行なわれる特許請求の範囲第2項に記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】前記アルコール系溶媒が、含水アルコール
    である特許請求の範囲第3項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】前記還元剤が、パラジウムー水素系である
    特許請求の範囲第2項に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】前記重合開始剤が、ラジカル開始剤である
    特許請求の範囲第2項に記載の製造方法。
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