JPH09316066A - L−アスコルビン酸誘導体の製造方法 - Google Patents

L−アスコルビン酸誘導体の製造方法

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JPH09316066A
JPH09316066A JP8160551A JP16055196A JPH09316066A JP H09316066 A JPH09316066 A JP H09316066A JP 8160551 A JP8160551 A JP 8160551A JP 16055196 A JP16055196 A JP 16055196A JP H09316066 A JPH09316066 A JP H09316066A
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JP
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ascorbic acid
meth
acid
oxygen
producing
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JP8160551A
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English (en)
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Masanobu Yoshinaga
雅信 吉永
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Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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  • Furan Compounds (AREA)
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 酵素や酸クロライドを利用することなく、酸
素還元性高分子を製造するために有用なモノマーである
L−アスコルビン酸誘導体を簡便に製造できるようにす
る。 【解決手段】 濃硫酸中に(メタ)アクリル酸を溶解さ
せ、その溶液にL−アスコルビン酸を添加してエステル
化を行う。あるいは、(メタ)アクリル酸又は(メタ)
アクリル酸メチルとL−アスコルビン酸とを、酸化防止
剤と酸触媒との存在下でエステル化する。あるいは、
(メタ)アクリル酸無水物とL−アスコルビン酸とを、
酸化防止剤と塩基性縮合剤との存在下でエステル化す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素還元性高分子
のモノマーとして有用なL−アスコルビン酸誘導体の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりL−アスコルビン酸は、酸素を
還元するその性質を利用して、酸化防止剤の主成分とし
て、あるいは脱酸素材料の主成分として使用されてい
る。
【0003】ところで、L−アスコルビン酸は、非常に
高い水溶性を有し、しかも酸化に対する安定性が著しく
低いために取扱い性が劣るという問題があった。
【0004】このため、L−アスコルビン酸をエチレン
−酢酸ビニル共重合体(EVA)に練り込んだ酸素吸収
性ポリマー材料を脱酸素材料として使用することが試み
られたが、酸素吸収能の点で十分でなく、また、L−ア
スコルビン酸が高分子鎖に結合していないので耐水性や
耐溶媒性が不十分という問題があった。また、練り込み
時の加熱により、L−アスコルビン酸が分解することも
懸念される。
【0005】そこで、L−アスコルビン酸の耐水性や酸
化安定性を改善する目的で、高分子鎖にL−アスコルビ
ン酸セグメントを導入することが試みられている。この
ようなL−アスコルビン酸セグメントが導入された酸素
還元性高分子を製造するために必要なモノマーとして
は、L−アスコルビン酸の6位の水酸基に重合性の官能
基が導入されたL−アスコルビン酸メタクリル酸エステ
ルモノマーを挙げることができ、これらは(a)メタク
リル酸エノールエステルとアスコルビン酸とをリパーゼ
の存在下で反応させる方法、(b)メタクリル酸クロラ
イドとL−アスコルビン酸とを塩基性化合物の存在下で
反応させる方法、(c)メタクリル酸無水物とL−アス
コルビン酸とを塩基性縮合剤の存在下で反応させる方法
により製造することが提案されている(特開平5−33
1157号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
方法(a)の場合、酵素反応を利用しているために大量
生産が困難であるという問題があった。また方法(b)
の場合、原料として使用する酸クロライドの皮膚や粘膜
に対する刺激性が高く、しかも加水分解しやすく取扱性
が低いという問題がある。また、方法(c)の場合、反
応系内の酸素の影響のために高い再現性でL−アスコル
ビン酸メタクリル酸エステルモノマーを製造することが
困難であるという問題があった。
【0007】本発明は、以上の従来技術の問題を解決し
ようとするものであり、酵素や酸クロライドを利用する
ことなく、酸素還元性高分子を製造するために有用なモ
ノマーであるL−アスコルビン酸誘導体を簡便に製造で
きるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、以下の
本発明の製造方法により解決される。
【0009】即ち、本発明の第1の態様によれば、濃硫
酸中にメタクリル酸及び/又はアクリル酸(以下、(メ
タ)アクリル酸と略する)を溶解させ、その溶液にL−
アスコルビン酸を添加することによりL−アスコルビン
酸の6位の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化す
ることを特徴とするL−アスコルビン酸誘導体の製造方
法が提供される。
【0010】また、本発明の第2の態様によれば、(メ
タ)アクリル酸とL−アスコルビン酸とを、酸化防止剤
と酸触媒との存在下で非プロトン性極性溶媒及び芳香族
炭化水素系溶媒との混合溶媒中で、生成する水を除去し
ながら加熱撹拌することによりL−アスコルビン酸の6
位の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化すること
を特徴とするL−アスコルビン酸誘導体の製造方法が提
供される。
【0011】また、本発明の第3の態様によれば、(メ
タ)アクリル酸メチルエステルとL−アスコルビン酸と
を、酸化防止剤と酸触媒との存在下で非プロトン性極性
溶媒中で、生成するメタノールを除去しながら加熱撹拌
することによりL−アスコルビン酸の6位の水酸基を
(メタ)アクリル酸でエステル化することを特徴とする
L−アスコルビン酸誘導体の製造方法が提供される。
【0012】また、本発明の第4の態様によれば、(メ
タ)アクリル酸無水物とL−アスコルビン酸とを、酸化
防止剤と塩基性縮合剤との存在下、非プロトン性極性溶
媒中で撹拌することによりL−アスコルビン酸の6位の
水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することを特
徴とするL−アスコルビン酸誘導体の製造方法が提供さ
れる。
【0013】また、本発明の第5の態様によれば、アリ
ルオキシエタノールに非プロトン性溶媒中でNaHを作
用させて、ソジウムアリルオキシエトキシドを調製し、
このソジウムアリルオキシエトキシドに、ピリジン中で
L−アスコルビン酸にp−トルエンスルホニルクロライ
ドを作用させることにより得られるL−アスコルビン酸
の6位の水酸基をp−トルエンスルホニル化したものを
反応させることにより、L−アスコルビン酸の6位の水
酸基をアリルオキシエトキシエーテル化することを特徴
とするL−アスコルビン酸誘導体の製造方法が提供され
る。
【0014】また、本発明によれば、以上の製造方法に
より得られるL−アスコルビン酸誘導体と(メタ)アク
リル酸メチルとを重合することにより、酸素還元性に優
れた高分子が提供される。また、この酸素還元性高分子
を含有する脱酸素材料が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の製造方法を詳細に
説明する。
【0016】(a)第1の態様の製造方法 まず、濃硫酸140ml中に(メタ)アクリル酸0.0
1〜0.1モルを、5〜30℃で0.5〜2時間撹拌し
ながら溶解させる。
【0017】次に、この溶液に、L−アスコルビン酸
0.01〜0.1モルを少量づつもしくは数回に分けて
添加し、添加後に5〜30℃の温度で6〜24時間反応
させる。
【0018】反応終了後、反応液を500〜1000g
の氷中に撹拌しながら注ぎ入れ、生じた油状物をエーテ
ル等で抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄した後に乾燥
硫酸ナトリウムなどで乾燥する。
【0019】硫酸ナトリウムを除去し、得られたエーテ
ル層を常法により濃縮することにより、L−アスコルビ
ン酸の6位の水酸基が(メタ)アクリル酸でエステル化
した式(1)のL−アスコルビン酸誘導体の粗生成物が
得られる。
【0020】
【化1】 この粗生成物の精製は、例えば、シリカゲルなどを担体
とするカラムクロマトグラフィー技術を利用することに
より行うことができる。この場合、L−アスコルビン酸
誘導体の重合を防止するためにカラムに、冷却装置を取
り付けることが好ましい。
【0021】(b)第2の態様の製造方法 (メタ)アクリル酸0.1モルに対し、L−アスコルビ
ン酸0.05〜0.5モルを、反応系の中での重合反応
を抑制するための酸化防止剤(例えばハイドロキノン
0.1〜1.0g)とエステル化反応を促進させるため
の酸触媒(例えばp−トルエンスルホン酸0.5〜2.
0g)との存在下で、親水性のL−アスコルビン酸を溶
解させるための非プロトン性極性溶媒とエステル化反応
で生成する水を反応系からの分離を容易にするための芳
香族炭化水素系溶媒との混合溶媒(非プロトン性極性溶
媒/芳香族炭化水素系溶媒=10/1〜1/1(容量比
率))50〜200ml中で、生成する水をDean-Stark
trapなどを用いて取り除きながら加熱撹拌して還流さ
せ、水が生成しなくなるまでエステル化反応を行う。反
応終了後、反応液を濃縮し、濃縮物をアセトン等に溶解
させる。このアセトン等の一部を減圧下で回収し、残渣
にベンゼンを添加することにより式(1)のL−アスコ
ルビン酸誘導体の粗生成物が沈殿物として得られる。こ
の粗生成物の精製は、第1の態様の製造方法の場合と同
様に行うことができる。
【0022】この第2の態様の製造方法において使用で
きる酸化防止剤としては、ハイドロキノンの他に、メト
キシハイドロキノン、BHF、BHA等を使用すること
ができ、また、酸触媒としては、p−トルエンスルホン
酸の他に、硫酸、塩酸等を使用することができる。
【0023】非プロトン性極性溶媒としては、ジメチル
ホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DM
A)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等を使用する
ことができ、また、芳香族炭化水素系溶媒としては、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等を使用することができ
る。
【0024】(c)第3の態様の製造方法 (メタ)アクリル酸メチル0.1モルに対し、L−アス
コルビン酸0.05〜0.5モルを、酸化防止剤(例え
ばハイドロキノン0.1〜1.0g)とエステル化反応
を促進させるための酸触媒(例えばp−トルエンスルホ
ン酸0.5〜2.0g)との存在下、非プロトン性極性
溶媒(例えば、DMF100〜250ml)中で生成す
るメタノールを除去しながら、メタノールが生成しなく
なるまで加熱撹拌してエステル化反応を行う。反応終了
後、反応液を濃縮し、濃縮物をアセトン等に溶解させ
る。このアセトン等の一部を減圧下で回収し、残渣にベ
ンゼンを添加することにより式(1)のL−アスコルビ
ン酸誘導体の粗生成物が沈殿物として得られる。この粗
生成物の精製は、第1の態様の製造方法の場合と同様に
行うことができる。
【0025】この第3の態様の製造方法において使用で
きる酸化防止剤としては、ハイドロキノンの他に、メト
キシハイドロキノン等を使用することができ、また、酸
触媒としては、p−トルエンスルホン酸の他にも、硫
酸、塩酸等を使用することができる。
【0026】非プロトン性極性溶媒としては、ジメチル
スルフォキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド
(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)を使用
することができる。必要に応じて、非プロトン性極性溶
媒に加えてベンゼンやトルエンやキシレンなどの芳香族
炭化水素系溶媒を併用してもよい。
【0027】(d)第4の態様の製造方法 まず、(メタ)アクリル酸無水物0.1モルに対し、L
−アスコルビン酸0.05〜0.5モルを、酸化防止剤
(例えばハイドロキノン0.1〜1.0g)とエステル
化反応を促進させるための塩基性縮合剤0.2〜4.0
モルとの存在下、非プロトン性極性溶媒50〜200m
l中で、20〜60℃で撹拌することによりエステル化
反応を行う。反応終了後、溶液全体を減圧下で濃縮し、
濃縮物をアセトン等に溶解させる。このアセトン等の一
部を減圧下で回収し、残渣にベンゼンを添加することに
より式(1)のL−アスコルビン酸誘導体の粗生成物が
沈殿物として得られる。この粗生成物の精製は、第1の
態様の製造方法の場合と同様に行うことができる。
【0028】この第4の態様の製造方法において使用で
きる酸化防止剤としては、ハイドロキノンの他に、メト
キシハイドロキノン等を使用することができ、また、塩
基性縮合剤としては、トリエチルアミン、ピリジン、イ
ミダゾール、4−ジメチルアミノピリジン等を使用する
ことができる。
【0029】非プロトン性極性溶媒としては、ジメチル
ホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DM
Ac)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等を使用す
ることができる。必要に応じて、非プロトン性極性溶媒
に加えてトルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素系溶
媒を併用してもよい。
【0030】(e)第5の態様の製造方法 アリルオキシエタノール0.1モルに対し、窒素雰囲気
中で非プロトン性溶媒100〜500ml中でNaH
0.1〜1.0モルを室温で1時間作用させ、反応液を
濾過して過剰のNaHを除去し、ソジウムアリルオキシ
エトキシド溶液を調製する。
【0031】これとは別に、L−アスコルビン酸0.0
1〜0.1モルを、ピリジン50〜200mlに溶解し
た0〜5℃の溶液に、p−トルエンスルホニルクロライ
ド0.01〜0.1モルをピリジン50〜200mlに
溶解した溶液を滴下し、滴下終了後0〜5℃で0.5〜
1.0時間撹拌を続け、必要に応じ更に室温で2〜6時
間撹拌を続けて反応を完了させる。反応液を氷中に注ぎ
入れ、析出する沈殿をpH4.0〜6.0の弱酸性水溶
液で十分に洗浄した後、エタノールなどの有機溶媒から
再結晶させることにより6位の水酸基がp−トルエンス
ルホニル化されたL−アスコルビン酸を合成する。
【0032】次に、先の調製したソジウムアリルオキシ
エトキシド溶液に、p−トルエンスルホニル化L−アス
コルビン酸の溶液(例えば、THF溶液)を5〜25℃
で滴下し、2〜6時間撹拌を続けて反応させる。反応終
了後に、沈殿物を濾別し、濾液を減圧濃縮することによ
りL−アスコルビン酸の6位の水酸基がアリルオキシエ
トキシエーテル化された式(2)
【0033】
【化2】 のL−アスコルビン酸誘導体の粗生成物が得られる。
【0034】なお、この粗生成物の精製は、第1の態様
の製造方法の場合と同様に行うことができる。
【0035】以上説明した本発明の製造方法により得ら
れるL−アスコルビン酸誘導体は、酸素還元能を有し且
つ重合性官能基も有する。従って、L−アスコルビン酸
誘導体単独のホモポリマーは、高分子でありながらもL
−アスコルビン酸に由来する酸素還元能を有し、良好な
酸素還元性高分子となる。この場合、L−アスコルビン
酸誘導体に、必要に応じてエチレン、イソブチレン、ス
チレンなどのビニル系モノマーを共重合させてもよく、
中でも、共重合性、反応性の点から、(メタ)アクリル
酸メチルモノマーを共重合させることが好ましい。
【0036】なお、L−アスコルビン酸誘導体をモノマ
ー成分として使用する酸素還元性高分子は、次のように
して調製することができる。まず、L−アスコルビン酸
誘導体と、必要に応じて更に(メタ)アクリル酸メチル
とをDMFなどの溶媒に溶解させ、更にN,N´−アゾ
ビスイソブチロニトリルなどの重合開始剤を溶解させ
る。得られた溶液を液体窒素により固化させた状態で脱
気を繰り返すことにより重合反応を阻害する酸素を除去
し、その後、反応系を40〜80℃に加熱撹拌すること
により2〜6時間重合させる。重合反応終了後に、反応
混合物を大量のエーテル中に注ぎ入れて沈殿させ、得ら
れた沈殿物をエーテルで洗浄し乾燥することにより、耐
水性、耐溶剤性、耐酸化性に優れた酸素還元性高分子を
得ることができる。この酸素還元性高分子も本発明の一
部となる。
【0037】本発明の酸素還元性高分子は、その良好な
酸素還元能(酸素吸収能)を利用して脱酸素材料の酸素
吸収成分として好ましく使用することができる。この脱
酸素材料を構成する他の成分としては、特に制限はな
く、酸素吸収成分として本発明の酸素還元性高分子を使
用する以外は、従来の脱酸素材料に配合組成に準じて構
成することができる。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0039】実施例1 フラスコ(200ml)に、濃硫酸を140ml投入
し、そこへメタクリル酸3.4gをゆっくりと添加し、
室温で撹拌して溶解させた。1時間撹拌した後に、この
溶液に、5分毎にL−アスコルビン酸1.4gを5回添
加した。添加後、室温で24時間反応させ、終了後反応
液を氷中に注ぎ入れた。
【0040】この水溶液を3回エーテルで抽出し、その
エーテル液を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウム
で乾燥した。
【0041】エーテル溶液から硫酸ナトリウムを除去し
た後、エーテル液を減圧濃縮し、得られた濃縮液を、1
0℃以下でシリカゲルクロマトグラフィー処理して精製
することにより式(1)のL−アスコルビン酸誘導体を
約20%の収率で得た。
【0042】実施例2 フラスコ(200ml)中で、メタクリル酸4.3gと
L−アスコルビン酸8.8gとをDMF/トルエン(5/1
(V/V))の混合溶媒 120mlに室温で溶解させ、その
溶液にハイドロキノン0.1gとp−トルエンスルホン
酸1.0gとを添加し、窒素雰囲気下で撹拌しながら徐
々に加熱し、生成する水をDean-Stark trapで取り除き
ながら12時間加熱撹拌してエステル化を行った。
【0043】反応終了後、反応液を減圧濃縮し、濃縮物
をアセトン50mlに溶解させた。この溶液からアセト
ンの一部を減圧下で回収し、残渣にベンゼン200ml
を添加して沈殿物を得た。
【0044】得られた沈殿物を、実施例1と同様に精製
することにより式(1)のL−アスコルビン酸誘導体を
約15%の収率で得た。
【0045】実施例3 フラスコ(200ml)中で、メタクリル酸メチル5.
0gとL−アスコルビン酸8.8gとを、DMF150
mlに室温で溶解させ、その溶液にメトキシハイドロキ
ノン0.1gとp−トルエンスルホン酸1.0gとを添
加し、窒素雰囲気下で撹拌しながら徐々に加熱し、生成
したメタノールをDean-Stark trapで取り除きながら1
2時間加熱撹拌してエステル化を行った。
【0046】反応終了後、反応液を減圧濃縮し、濃縮物
をアセトン50mlに溶解させた。この溶液からアセト
ンの一部を減圧下で回収し、残渣にベンゼン200ml
を添加して沈殿物を得た。
【0047】得られた沈殿物を、実施例1と同様に精製
することにより式(1)のL−アスコルビン酸誘導体を
約15%の収率で得た。
【0048】実施例4 フラスコ(200ml)中で、メタクリル酸無水物6.
2gとL−アスコルビン酸7.0gとを、DMF150
mlに室温で溶解させ、その溶液にハイドロキノン0.
1gとトリエチルアミン4.0gとを添加し、窒素雰囲
気下、40℃で8時間撹拌しながら反応させた。
【0049】反応終了後、反応液を減圧濃縮し、濃縮物
をアセトン50mlに溶解させた。この溶液からアセト
ンの一部を減圧下で回収し、残渣にベンゼン200ml
を添加して沈殿物を得た。
【0050】得られた沈殿物を、実施例1と同様に精製
することにより式(1)のL−アスコルビン酸誘導体を
約10%の収率で得た。
【0051】実施例5 フラスコ(500ml)にアリルオキシエタノール5.
1gとTHF200mlとを仕込み、更に窒素雰囲気下
で室温でNaH1.2gを添加し、一時間撹拌を続けた
後、不溶解物を濾別することにより、ソジウムアリルオ
キシエトキシド溶液を調製した。
【0052】これとは別に、p−トルエンスルホニルク
ロライド19.1gをピリジン200mlに溶解した溶
液を、L−アスコルビン酸17.6gをピリジン150
gに溶解した0〜5℃の溶液に滴下し、滴下終了後0〜
5℃で1時間撹拌し、更に室温で2時間撹拌した。次
に、この溶液を氷中に注ぎ入れ、析出した沈殿をpH
4.0〜6.0の弱酸性水溶液で十分に洗浄した後、エ
タノールから再結晶させることによりp−トルエンスル
ホニル化アスコルビン酸を収率80%で得た。
【0053】次に、先に調製したソジウムアリルオキシ
エトキシド溶液に、p−トルエンスルホニル化アスコル
ビン酸16.5gのTHF(150m)溶液を0〜5℃
で滴下し、6時間撹拌を続けて反応させた。反応終了後
に、沈殿物を濾別し、濾液を減圧濃縮し、濃縮物を10
℃以下でシリカゲルクロマトグラフィー処理して精製す
ることにより式(2)のL−アスコルビン酸誘導体を約
55%の収率で得た。
【0054】実施例6 重合管内に、脱水精製したDMF80mlに溶解したメ
タクリル酸メチル1.0gと、実施例1の式(1)のL
−アスコルビン酸誘導体2.4gとを入れ、更にN,N
´−アゾビスイソブチロニトリル0.5gを入れ、その
溶液を液体窒素で固化させた状態で脱気を5回繰り返す
ことにより溶存酸素を除去した。
【0055】酸素除去後に、重合管を水浴上で50〜6
0℃に加熱し、6時間重合させた。
【0056】反応終了後、重合管の内容物を大量のエー
テル中に注ぎ入れて、重合物を沈殿させ、更に、得られ
た沈殿物をエーテルで洗浄し乾燥することにより式
(3)
【0057】
【化3】 (式中、x:y=1:1である。)の酸素還元性高分子
(数平均分子量35000)を得た。
【0058】実施例7 重合管内に、脱水精製したDMF80mlに溶解したメ
タクリル酸メチル1.0gと、実施例5の式(2)のL
−アスコルビン酸誘導体2.6gとを入れ、更にN,N
´−アゾビスイソブチロニトリル0.5gを入れた後、
その溶液を液体窒素により固化させた状態で脱気を5回
繰り返すことにより溶存酸素を除去した。
【0059】酸素除去後に、重合管を水浴上で50〜6
0℃に加熱し、6時間重合させた。
【0060】反応終了後、重合管の内容物を大量のエー
テル中に注ぎ入れて、重合物を沈殿させ、更に、得られ
た沈殿物をエーテルで洗浄し乾燥することにより式
(4)
【0061】
【化4】 (式中、a:b=1:1である。)の酸素還元性高分子
(数平均分子量25000)を得た。
【0062】実施例8 実施例6で得られた式(3)の酸素還元性高分子1gを
フィルム状に成形することにより脱酸素材料を作製し、
それを旭化成社製の多孔質フィルム袋に入れ、更にそれ
を酸素バリヤー材料としてアルミニウムを使用した50
0mlの容器中に、2mlの水と200mlの空気と共
に密封し、密封時(0日)、1日後、3日後及び7日後
の密封容器中の酸素濃度(%)を測定した。その結果
(サンプル数n=3の平均)を表1に示す。
【0063】実施例9 実施例7で得られた式(4)の酸素還元性高分子を使用
する以外は実施例8と同様に脱酸素材料を作製し、それ
を密封容器に密封し、その中の酸素濃度を測定した。そ
の結果(n=3の平均)を表1に示す。
【0064】比較例1 式(3)の酸素還元性高分子に代えてL−アスコルビン
酸0.1モルをEVA17.6gに練り込みシート状に
成形したもの1gを使用する以外は実施例8と同様に脱
酸素材料を作製し、密封容器に密封し、その中の酸素濃
度を測定した。その結果(サンプル数n=3の平均)を
表1に示す。
【0065】
【表1】 密封容器中の酸素濃度(%) 0日 1日後 3日後 7日後 実施例8 20.9 12.72 9.36 7.46 (式(3)の高分子) 実施例9 20.9 12.51 9.09 7.10 (式(4)の高分子) 比較例1 20.9 13.61 10.59 8.31 (L-アスコルヒ゛ン 酸+EVA)
【0066】表1から、実施例8及び9の脱酸素材料は
比較例1の脱酸素材料に比べ、酸素吸収能が優れている
ことがわかる。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、酵素や酸クロライドを
利用することなく、酸素還元性高分子を製造するために
有用なモノマーであるL−アスコルビン酸誘導体を簡便
に製造できる。また、そのモノマーから耐水性、耐溶剤
性、耐酸化性に優れた酸素還元性高分子を得ることがで
きる。この酸素還元性高分子を使用することにより、良
好な脱酸素能を有する脱酸素材料が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 220:18)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濃硫酸中に(メタ)アクリル酸を溶解さ
    せ、その溶液にL−アスコルビン酸を添加することによ
    りL−アスコルビン酸の6位の水酸基を(メタ)アクリ
    ル酸でエステル化することを特徴とするL−アスコルビ
    ン酸誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 (メタ)アクリル酸とL−アスコルビン
    酸とを、酸化防止剤と酸触媒との存在下で非プロトン性
    極性溶媒及び芳香族炭化水素系溶媒との混合溶媒中で、
    生成する水を除去しながら加熱撹拌することによりL−
    アスコルビン酸の6位の水酸基を(メタ)アクリル酸で
    エステル化することを特徴とするL−アスコルビン酸誘
    導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 (メタ)アクリル酸メチルエステルとL
    −アスコルビン酸とを、酸化防止剤と酸触媒との存在下
    で非プロトン性極性溶媒中で、生成するメタノールを除
    去しながら加熱撹拌することによりL−アスコルビン酸
    の6位の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化する
    ことを特徴とするL−アスコルビン酸誘導体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 (メタ)アクリル酸無水物とL−アスコ
    ルビン酸とを、酸化防止剤と塩基性縮合剤との存在下、
    非プロトン性極性溶媒中で撹拌することによりL−アス
    コルビン酸の6位の水酸基を(メタ)アクリル酸でエス
    テル化することを特徴とするL−アスコルビン酸誘導体
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 アリルオキシエタノールに非プロトン性
    溶媒中でNaHを作用させて、ソジウムアリルオキシエ
    トキシドを調製し、このソジウムアリルオキシエトキシ
    ドに、ピリジン中でL−アスコルビン酸にp−トルエン
    スルホニルクロライドを作用させることにより得られる
    L−アスコルビン酸の6位の水酸基をp−トルエンスル
    ホニル化したものを反応させることにより、L−アスコ
    ルビン酸の6位の水酸基をアリルオキシエトキシエーテ
    ル化することを特徴とするL−アスコルビン酸誘導体の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかの製造方法によ
    り得られたL−アスコルビン酸誘導体と、(メタ)アク
    リル酸メチルとを重合することにより得られる酸素還元
    性高分子。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の酸素還元性高分子を含有
    する脱酸素材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000072959A1 (en) * 1999-05-26 2000-12-07 Eli Lilly And Company Resins with immobilized ascorbic acid
WO2021049472A1 (ja) * 2019-09-10 2021-03-18 学校法人 関西大学 化合物、樹脂、組成物、レジスト膜、パターン形成方法、下層膜、及び光学物品

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WO2021049472A1 (ja) * 2019-09-10 2021-03-18 学校法人 関西大学 化合物、樹脂、組成物、レジスト膜、パターン形成方法、下層膜、及び光学物品

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