JPH09323988A - L−アスコルビン酸誘導体及びその製造方法 - Google Patents
L−アスコルビン酸誘導体及びその製造方法Info
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- JPH09323988A JPH09323988A JP16062896A JP16062896A JPH09323988A JP H09323988 A JPH09323988 A JP H09323988A JP 16062896 A JP16062896 A JP 16062896A JP 16062896 A JP16062896 A JP 16062896A JP H09323988 A JPH09323988 A JP H09323988A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 酸素還元性高分子を製造するためのモノマー
として有用であって、酵素や酸クロライドを利用するこ
となく、簡便に製造可能なL−アスコルビン酸誘導体を
提供する。 【解決手段】 L−アスコルビン酸誘導体は、式(1)
又は式(2) 【化1】
として有用であって、酵素や酸クロライドを利用するこ
となく、簡便に製造可能なL−アスコルビン酸誘導体を
提供する。 【解決手段】 L−アスコルビン酸誘導体は、式(1)
又は式(2) 【化1】
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素還元性高分子
のモノマーとして有用なL−アスコルビン酸誘導体の製
造方法に関する。
のモノマーとして有用なL−アスコルビン酸誘導体の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりL−アスコルビン酸は、その酸
素を還元する性質を利用して、酸化防止剤の主成分とし
て、あるいは脱酸素材料の主成分として使用されてい
る。
素を還元する性質を利用して、酸化防止剤の主成分とし
て、あるいは脱酸素材料の主成分として使用されてい
る。
【0003】ところで、L−アスコルビン酸は、非常に
高い水溶性を有し、しかも酸化に対する安定性が著しく
低いために取扱性が劣るという問題があった。
高い水溶性を有し、しかも酸化に対する安定性が著しく
低いために取扱性が劣るという問題があった。
【0004】このため、L−アスコルビン酸をエチレン
−酢酸ビニル共重合体(EVA)に練り込んだ酸素吸収
性ポリマー材料を脱酸素材料として使用することが試み
られたが、酸素吸収能の点で十分でなく、また、L−ア
スコルビン酸が高分子鎖に結合していないので耐水性や
耐溶媒性が不十分であるという問題があった。
−酢酸ビニル共重合体(EVA)に練り込んだ酸素吸収
性ポリマー材料を脱酸素材料として使用することが試み
られたが、酸素吸収能の点で十分でなく、また、L−ア
スコルビン酸が高分子鎖に結合していないので耐水性や
耐溶媒性が不十分であるという問題があった。
【0005】そこで、L−アスコルビン酸の耐水性や酸
化安定性を改善する目的で、高分子鎖にL−アスコルビ
ン酸セグメントを導入することが試みられている。この
ようなL−アスコルビン酸セグメントが導入された酸素
還元性高分子を製造するために必要なモノマーとして
は、L−アスコルビン酸の6位の水酸基に重合性の官能
基が導入されたL−アスコルビン酸メタクリル酸エステ
ルモノマーを挙げることができ、これらは(a)メタク
リル酸エノールエステルとL−アスコルビン酸とをリパ
ーゼの存在下で反応させる方法、(b)メタクリル酸ク
ロライドとL−アスコルビン酸とを塩基性化合物の存在
下で反応させる方法、(c)メタクリル酸無水物とL−
アスコルビン酸とを塩基性縮合剤の存在下で反応させる
方法により製造することが提案されている(特開平5−
331157号公報)。
化安定性を改善する目的で、高分子鎖にL−アスコルビ
ン酸セグメントを導入することが試みられている。この
ようなL−アスコルビン酸セグメントが導入された酸素
還元性高分子を製造するために必要なモノマーとして
は、L−アスコルビン酸の6位の水酸基に重合性の官能
基が導入されたL−アスコルビン酸メタクリル酸エステ
ルモノマーを挙げることができ、これらは(a)メタク
リル酸エノールエステルとL−アスコルビン酸とをリパ
ーゼの存在下で反応させる方法、(b)メタクリル酸ク
ロライドとL−アスコルビン酸とを塩基性化合物の存在
下で反応させる方法、(c)メタクリル酸無水物とL−
アスコルビン酸とを塩基性縮合剤の存在下で反応させる
方法により製造することが提案されている(特開平5−
331157号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
方法(a)の場合、酵素反応を利用しているために大量
生産が困難であるという問題があった。また方法(b)
の場合、原料として使用する酸クロライドの皮膚や粘膜
に対する刺激性が高く、しかも加水分解しやすく取扱性
が低いという問題がある。また、方法(c)の場合、反
応系内の酸素の影響のために高い再現性でL−アスコル
ビン酸メタクリル酸エステルモノマーを製造することが
困難であるという問題があった。
方法(a)の場合、酵素反応を利用しているために大量
生産が困難であるという問題があった。また方法(b)
の場合、原料として使用する酸クロライドの皮膚や粘膜
に対する刺激性が高く、しかも加水分解しやすく取扱性
が低いという問題がある。また、方法(c)の場合、反
応系内の酸素の影響のために高い再現性でL−アスコル
ビン酸メタクリル酸エステルモノマーを製造することが
困難であるという問題があった。
【0007】本発明は、以上の従来技術の問題を解決し
ようとするものであり、酸素還元性高分子を製造するた
めのモノマーとして有用であって、酵素や酸クロライド
を利用することなく、簡便に製造可能なL−アスコルビ
ン酸誘導体を提供することを目的とする。
ようとするものであり、酸素還元性高分子を製造するた
めのモノマーとして有用であって、酵素や酸クロライド
を利用することなく、簡便に製造可能なL−アスコルビ
ン酸誘導体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、以下の
本発明により解決される。
本発明により解決される。
【0009】即ち、発明は、式(1)又は(2)
【0010】
【化4】 で表されるL−アスコルビン酸誘導体を提供する。
【0011】また、本発明は、式(1)のL−アスコル
ビン酸誘導体の製造方法であって、濃硫酸中に4−ビニ
ル安息香酸を溶解させ、その溶液にL−アスコルビン酸
を添加することによりL−アスコルビン酸の6位の水酸
基を4−ビニル安息香酸でエステル化することを特徴と
する製造方法を提供する。
ビン酸誘導体の製造方法であって、濃硫酸中に4−ビニ
ル安息香酸を溶解させ、その溶液にL−アスコルビン酸
を添加することによりL−アスコルビン酸の6位の水酸
基を4−ビニル安息香酸でエステル化することを特徴と
する製造方法を提供する。
【0012】また、本発明は、式(2)のL−アスコル
ビン酸誘導体の製造方法であって、塩基性溶媒にL−ア
スコルビン酸を溶解させ、その溶液に4−ビニルベンゼ
ンスルホニルクロライドを滴下し、L−アスコルビン酸
の6位の水酸基を、4−ビニルベンゼンスルホニル化す
ることを特徴とする製造方法を提供する。
ビン酸誘導体の製造方法であって、塩基性溶媒にL−ア
スコルビン酸を溶解させ、その溶液に4−ビニルベンゼ
ンスルホニルクロライドを滴下し、L−アスコルビン酸
の6位の水酸基を、4−ビニルベンゼンスルホニル化す
ることを特徴とする製造方法を提供する。
【0013】更に、本発明は、式(1)又は(2)のL
−アスコルビン酸誘導体を重合させることにより得られ
る酸素還元性高分子と、そのような酸素還元性高分子を
含有する脱酸素材料を提供する。
−アスコルビン酸誘導体を重合させることにより得られ
る酸素還元性高分子と、そのような酸素還元性高分子を
含有する脱酸素材料を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明の式(1)又は(2)のL−アスコ
ルビン酸誘導体は、その分子中に重合性の官能基として
二重結合を有する。しかも、酸素の還元に大きく寄与す
ると考えられているL−アスコルビン酸残基の2位と3
位との水酸基はそのまま保持されている。従って、この
L−アスコルビン酸誘導体の単独重合体、あるいはイソ
ブテン、スチレン、あるいはメタクリル酸メチルなどの
他のモノマー成分との共重合体は酸素還元性高分子とな
る。
ルビン酸誘導体は、その分子中に重合性の官能基として
二重結合を有する。しかも、酸素の還元に大きく寄与す
ると考えられているL−アスコルビン酸残基の2位と3
位との水酸基はそのまま保持されている。従って、この
L−アスコルビン酸誘導体の単独重合体、あるいはイソ
ブテン、スチレン、あるいはメタクリル酸メチルなどの
他のモノマー成分との共重合体は酸素還元性高分子とな
る。
【0016】式(1)のL−アスコルビン酸誘導体は、
次にようにして製造することができる。
次にようにして製造することができる。
【0017】まず、濃硫酸140mlに対して、4−ビ
ニル安息香酸0.01〜0.1モルを、5〜30℃で
0.5〜2時間撹拌しながら溶解させる。
ニル安息香酸0.01〜0.1モルを、5〜30℃で
0.5〜2時間撹拌しながら溶解させる。
【0018】次に、この溶液に、L−アスコルビン酸を
少量づつもしくは数回に分けて添加し、添加後に5〜3
0℃の温度で6〜24時間反応させる。
少量づつもしくは数回に分けて添加し、添加後に5〜3
0℃の温度で6〜24時間反応させる。
【0019】反応終了後、反応液を氷中に徐々に注ぎ入
れ、生じた油状物をエーテル等で抽出し、抽出液を飽和
食塩水で洗浄した後に乾燥硫酸ナトリウムなどで乾燥す
る。
れ、生じた油状物をエーテル等で抽出し、抽出液を飽和
食塩水で洗浄した後に乾燥硫酸ナトリウムなどで乾燥す
る。
【0020】硫酸ナトリウムを除去し、得られたエーテ
ル層を常法により濃縮することにより、L−アスコルビ
ン酸の6位の水酸基が4−ビニル安息香酸でエステル化
した式(1)のL−アスコルビン酸誘導体の粗生成物が
得られる。
ル層を常法により濃縮することにより、L−アスコルビ
ン酸の6位の水酸基が4−ビニル安息香酸でエステル化
した式(1)のL−アスコルビン酸誘導体の粗生成物が
得られる。
【0021】この粗生成物の精製は、例えば、シリカゲ
ルなどを担体とするカラムグロマトグラフィー技術を利
用することにより行うことができる。この場合、L−ア
スコルビン酸誘導体の重合を防止するためにカラムに、
冷却装置を取り付けることが好ましい。
ルなどを担体とするカラムグロマトグラフィー技術を利
用することにより行うことができる。この場合、L−ア
スコルビン酸誘導体の重合を防止するためにカラムに、
冷却装置を取り付けることが好ましい。
【0022】また、式(2)のアスコルビン酸誘導体は
次のようにして製造することができる。
次のようにして製造することができる。
【0023】L−アスコルビン酸0.05〜0.5モル
を、塩基性溶媒、例えばピリジン50〜200mlに溶
解し、0〜5℃の冷却する。次に、この溶液に窒素雰囲
気下、0〜5℃の温度でp−ビニルベンゼンスルホニル
クロライド0.05〜0.5モルをピリジン50〜50
0mlに溶解した溶液を滴下し、滴下終了後0〜5℃で
0.5〜2時間撹拌を続け、必要に応じ更に室温で1〜
6時間撹拌を続けて反応を完了させる。反応液を氷水中
に注ぎ入れ、析出する沈殿をpH4.0〜6.0の弱酸
性水溶液で十分に洗浄した後、必要に応じてエタノール
などの有機溶媒から再結晶させることにより6位の水酸
基がp−ビニルベンゼンスルホニル化された式(2)の
L−アスコルビン酸誘導体が得られる。
を、塩基性溶媒、例えばピリジン50〜200mlに溶
解し、0〜5℃の冷却する。次に、この溶液に窒素雰囲
気下、0〜5℃の温度でp−ビニルベンゼンスルホニル
クロライド0.05〜0.5モルをピリジン50〜50
0mlに溶解した溶液を滴下し、滴下終了後0〜5℃で
0.5〜2時間撹拌を続け、必要に応じ更に室温で1〜
6時間撹拌を続けて反応を完了させる。反応液を氷水中
に注ぎ入れ、析出する沈殿をpH4.0〜6.0の弱酸
性水溶液で十分に洗浄した後、必要に応じてエタノール
などの有機溶媒から再結晶させることにより6位の水酸
基がp−ビニルベンゼンスルホニル化された式(2)の
L−アスコルビン酸誘導体が得られる。
【0024】なお、この粗生成物の精製は、第1の態様
の製造方法の場合と同様に行うこともできる。
の製造方法の場合と同様に行うこともできる。
【0025】なお、本発明のL−アスコルビン酸誘導体
をモノマー成分として使用する酸素還元性高分子は、次
のようにして調製することができる。まず、L−アスコ
ルビン酸誘導体と必要に応じて更にメタクリル酸メチル
とをDMFなどの溶媒に溶解し、更にN,N´−アゾビ
スイソブチロニトリルなどの重合開始剤を添加した後、
その溶液を液体窒素により固化させた状態で脱気を繰り
返すことにより重合反応を阻害する酸素を除去した後、
反応系を40〜80℃に加熱撹拌することにより2〜8
時間重合させる。重合反応終了後に、反応混合物を大量
のエーテル中に注ぎ入れて沈殿させ、得られた沈殿物を
エーテルで洗浄し乾燥することにより、耐水性、耐溶剤
性、耐酸化性に優れた酸素還元性高分子を得ることがで
きる。この酸素還元性高分子も本発明の一部となる。
をモノマー成分として使用する酸素還元性高分子は、次
のようにして調製することができる。まず、L−アスコ
ルビン酸誘導体と必要に応じて更にメタクリル酸メチル
とをDMFなどの溶媒に溶解し、更にN,N´−アゾビ
スイソブチロニトリルなどの重合開始剤を添加した後、
その溶液を液体窒素により固化させた状態で脱気を繰り
返すことにより重合反応を阻害する酸素を除去した後、
反応系を40〜80℃に加熱撹拌することにより2〜8
時間重合させる。重合反応終了後に、反応混合物を大量
のエーテル中に注ぎ入れて沈殿させ、得られた沈殿物を
エーテルで洗浄し乾燥することにより、耐水性、耐溶剤
性、耐酸化性に優れた酸素還元性高分子を得ることがで
きる。この酸素還元性高分子も本発明の一部となる。
【0026】本発明の酸素還元性高分子は、その良好な
酸素還元能(酸素吸収能)を利用して脱酸素材料の酸素
吸収成分として好ましく使用することができる。この脱
酸素材料を構成する他の成分としては、特に制限はな
く、酸素吸収成分として本発明の酸素還元性高分子を使
用する以外は、従来の脱酸素剤に配合組成に準じて構成
することができる。
酸素還元能(酸素吸収能)を利用して脱酸素材料の酸素
吸収成分として好ましく使用することができる。この脱
酸素材料を構成する他の成分としては、特に制限はな
く、酸素吸収成分として本発明の酸素還元性高分子を使
用する以外は、従来の脱酸素剤に配合組成に準じて構成
することができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
る。
【0028】実施例1 フラスコ(200ml)に、濃硫酸を140ml投入
し、そこへ4−ビニル安息香酸5.9gをゆっくりと添
加し、室温で撹拌して溶解させた。1時間撹拌した後
に、この溶液に、5分毎にL−アスコルビン酸1.4g
を5回添加した。添加後、室温で24時間反応させ、終
了後反応液を氷中に注ぎ入れた。
し、そこへ4−ビニル安息香酸5.9gをゆっくりと添
加し、室温で撹拌して溶解させた。1時間撹拌した後
に、この溶液に、5分毎にL−アスコルビン酸1.4g
を5回添加した。添加後、室温で24時間反応させ、終
了後反応液を氷中に注ぎ入れた。
【0029】この反応液を3回エーテルで抽出し、その
エーテル液を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウム
で乾燥した。
エーテル液を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウム
で乾燥した。
【0030】エーテル溶液から硫酸ナトリウムを除去し
た後、エーテル液を減圧濃縮し、得られた濃縮液を、1
0℃以下でシリカゲルクロマトグラフィ処理して精製す
ることにより式(1)のL−アスコルビン酸誘導体を約
30%の収率で得た。
た後、エーテル液を減圧濃縮し、得られた濃縮液を、1
0℃以下でシリカゲルクロマトグラフィ処理して精製す
ることにより式(1)のL−アスコルビン酸誘導体を約
30%の収率で得た。
【0031】実施例2 フラスコ(500ml)に、L−アスコルビン酸17.
6gとピリジン150mlとを入れ、窒素雰囲気下、室
温で溶解した。この溶液に、0〜5℃でp−ビニルベン
ゼンスルホニルクロライド20.0gをピリジン200
mlに溶解した溶液を滴下し、滴下終了後0〜5℃で1
時間撹拌し、更に室温で2時間撹拌した。
6gとピリジン150mlとを入れ、窒素雰囲気下、室
温で溶解した。この溶液に、0〜5℃でp−ビニルベン
ゼンスルホニルクロライド20.0gをピリジン200
mlに溶解した溶液を滴下し、滴下終了後0〜5℃で1
時間撹拌し、更に室温で2時間撹拌した。
【0032】次に、この溶液を氷水中に注ぎ入れ、析出
した沈殿をpH4.0〜6.0の弱酸性水溶液で十分に
洗浄した後、エタノールから再結晶させることによりp
−ビニルベンゼンスルホニル化アスコルビン酸を収率約
70%で得た。
した沈殿をpH4.0〜6.0の弱酸性水溶液で十分に
洗浄した後、エタノールから再結晶させることによりp
−ビニルベンゼンスルホニル化アスコルビン酸を収率約
70%で得た。
【0033】実施例3 重合管内に、脱水精製したDMF80mlに溶解した実
施例1の式(1)のL−アスコルビン酸誘導体3.4g
を入れ、更にN,N´−アゾビスイソブチロニトリル
0.5gを入れた後、その溶液を液体窒素により固化さ
せた状態で脱気を5回繰り返すことにより溶存酸素を除
去した。
施例1の式(1)のL−アスコルビン酸誘導体3.4g
を入れ、更にN,N´−アゾビスイソブチロニトリル
0.5gを入れた後、その溶液を液体窒素により固化さ
せた状態で脱気を5回繰り返すことにより溶存酸素を除
去した。
【0034】酸素除去後に、重合管を水浴上で50〜6
0℃に加熱し、6時間重合させた。
0℃に加熱し、6時間重合させた。
【0035】反応終了後、重合管の内容物を大量のエタ
ノール中に注ぎ入れて、重合物を沈殿させ、更に、得ら
れた沈殿物をエタノールで洗浄し乾燥することにより式
(3)
ノール中に注ぎ入れて、重合物を沈殿させ、更に、得ら
れた沈殿物をエタノールで洗浄し乾燥することにより式
(3)
【0036】
【化5】 (式中、nは重合度である。)の酸素還元性高分子(数
平均分子量30000)を得た。
平均分子量30000)を得た。
【0037】実施例4 実施例3で得られた式(3)の酸素還元性高分子1gを
フィルム状に成形することにより脱酸素材料を作製し、
それを旭化成(株)製の多孔質フィルム袋に入れ、更に
それを酸素バリヤー材料としてアルミニウムを使用した
500mlの容器中に、2mlの水と200mlの空気
と共に密封し、密封時(0日)、1日後、3日後及び7
日後の密封容器中の酸素濃度(%)を測定した。その結
果(サンプル数n=3の平均)を表1に示す。
フィルム状に成形することにより脱酸素材料を作製し、
それを旭化成(株)製の多孔質フィルム袋に入れ、更に
それを酸素バリヤー材料としてアルミニウムを使用した
500mlの容器中に、2mlの水と200mlの空気
と共に密封し、密封時(0日)、1日後、3日後及び7
日後の密封容器中の酸素濃度(%)を測定した。その結
果(サンプル数n=3の平均)を表1に示す。
【0038】比較例1 式(3)の酸素還元性高分子に代えてL−アスコルビン
酸0.1モルをEVA17.6gに練り込みシート状に
成形したもの1gを使用する以外は実施例4と同様に脱
酸素材料を作製し、密封容器に密封し、その中の酸素濃
度を測定した。その結果(サンプル数n=3の平均)を
表1に示す。
酸0.1モルをEVA17.6gに練り込みシート状に
成形したもの1gを使用する以外は実施例4と同様に脱
酸素材料を作製し、密封容器に密封し、その中の酸素濃
度を測定した。その結果(サンプル数n=3の平均)を
表1に示す。
【0039】
【表1】 密封容器中の酸素濃度(%) 0日 1日後 3日後 7日後 実施例4 20.9 4.88 2.21 1.50 (式(3)の高分子) 比較例1 20.9 13.61 10.59 8.31 (L-アスコルヒ゛ン酸+EVA)
【0040】表1から、実施例4の脱酸素材料は比較例
1の脱酸素材料に比べ、酸素吸収能が優れていることが
わかる。
1の脱酸素材料に比べ、酸素吸収能が優れていることが
わかる。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、酸素還元性高分子を製
造するためのモノマーとして有用であって、酵素や酸ク
ロライドを利用することなく、簡便に製造可能なL−ア
スコルビン酸誘導体が提供される。しかもそのL−アス
コルビン酸誘導体から耐水性、耐溶剤性、耐酸化性に優
れた酸素還元性高分子を得ることができる。この酸素還
元性高分子を使用することにより、良好な脱酸素能を有
する脱酸素材料が得られる。
造するためのモノマーとして有用であって、酵素や酸ク
ロライドを利用することなく、簡便に製造可能なL−ア
スコルビン酸誘導体が提供される。しかもそのL−アス
コルビン酸誘導体から耐水性、耐溶剤性、耐酸化性に優
れた酸素還元性高分子を得ることができる。この酸素還
元性高分子を使用することにより、良好な脱酸素能を有
する脱酸素材料が得られる。
Claims (5)
- 【請求項1】 式(1)又は式(2) 【化1】 で表されるL−アスコルビン酸誘導体。
- 【請求項2】 濃硫酸中に4−ビニル安息香酸を溶解さ
せ、その溶液にL−アスコルビン酸を添加することによ
りL−アスコルビン酸の6位の水酸基を4−ビニル安息
香酸でエステル化することを特徴とする式(1) 【化2】 のL−アスコルビン酸誘導体の製造方法。 - 【請求項3】 塩基性溶媒にL−アスコルビン酸を溶解
させ、その溶液に4−ビニルベンゼンスルホニルクロラ
イドを滴下し、L−アスコルビン酸の6位の水酸基を、
4−ビニルベンゼンスルホニル化することを特徴とする
式(2) 【化3】 のL−アスコルビン酸誘導体の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1のL−アスコルビン酸誘導体を
重合させることにより得られる酸素還元性高分子。 - 【請求項5】 請求項4記載の酸素還元性高分子を含有
する脱酸素材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16062896A JPH09323988A (ja) | 1996-06-01 | 1996-06-01 | L−アスコルビン酸誘導体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16062896A JPH09323988A (ja) | 1996-06-01 | 1996-06-01 | L−アスコルビン酸誘導体及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09323988A true JPH09323988A (ja) | 1997-12-16 |
Family
ID=15719050
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16062896A Pending JPH09323988A (ja) | 1996-06-01 | 1996-06-01 | L−アスコルビン酸誘導体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09323988A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000072959A1 (en) * | 1999-05-26 | 2000-12-07 | Eli Lilly And Company | Resins with immobilized ascorbic acid |
WO2021049472A1 (ja) * | 2019-09-10 | 2021-03-18 | 学校法人 関西大学 | 化合物、樹脂、組成物、レジスト膜、パターン形成方法、下層膜、及び光学物品 |
-
1996
- 1996-06-01 JP JP16062896A patent/JPH09323988A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2000072959A1 (en) * | 1999-05-26 | 2000-12-07 | Eli Lilly And Company | Resins with immobilized ascorbic acid |
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