JP4397249B2 - 熱可塑性架橋ポリマー及び熱解離性架橋モノマー - Google Patents

熱可塑性架橋ポリマー及び熱解離性架橋モノマー Download PDF

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本発明は、加熱により共有結合が切断され熱解離性架橋モノマー、及びそれを用いて得られる熱可塑性架橋ポリマーに関する。
プラスチゾル、熱可塑性エラストマー、粉体塗料等に用いられるポリマーに共通する特質は、常温では固体状態(粉体状、ビーズ状等)を維持していながら加熱時にはすみやかに溶融して流動性のある状態へと変化することである。こうした特質を発現させるためには、常温においてポリマー分子鎖間に働いている何らかの拘束力を、加熱によって無くすもしくは著しく低下させることが必要である。
こうしたポリマーの特性を発現するために通常よく用いられているのは、ポリマーの結晶性やイオン架橋を利用したものである。例えば、ポリオレフィン系ポリマーは結晶性ポリマーであるため、それ自体がすでに常温では固体で加熱により流動性を持つという特質を有する。また、アクリル系の熱可塑性エラストマー等の非結晶性ポリマーによる熱可塑性エラストマーとしては、ポリマーの側鎖として導入された酸基(カルボキシル基等)同士を多価のカチオン(例えば多価金属イオン)によりイオン架橋させるというものがある。イオン架橋は常温では強固な結合が形成されるが加熱によって結合が解離するという特性を有するため、熱可塑性エラストマー等の材料特性を満足するには適当である。
しかしながら、ポリマーに結晶性を導入すると、ポリマーの透明度が失われてしまうという欠点がある。また、イオン架橋では親水性が高く、得られたポリマー材料の耐水性(特に耐アルカリ水性)が低下するという欠点がある。特に、架橋密度を上げて強固な材料を得ようとするほど、耐水性が著しく低下するという矛盾がある。
一方、ポリマーに強度、弾性率、硬度、耐熱性、耐水性などの性能を付与するためには、一般的に共有結合による架橋を導入することが好ましい。一般的な共有結合による架橋は、通常、ポリマーの成型温度においては解離せず、ポリマーの流動性を得ることは出来ないが、近年、加熱により解離する共有結合が導入されたポリマーが提案されている。例えば、特許文献1、特許文献2には、加熱により共有結合による架橋が解離するポリマーを得ることの出来るモノマーが提案されている。しかしながら、これらのモノマーを用いて得られるポリマーの架橋の解離は不可逆的であり、加熱成型後、室温に戻した場合に強固な拘束力が失われてしまうという問題点がある。
特開2001−354731号公報 特開2002−121228号公報
本発明の目的は、常温ではポリマー分子鎖間に共有結合による強固な拘束力が作用し、加熱時にはその拘束力から解放されてポリマー鎖が自由に分子運動し、再び冷却することで共有結合による拘束力が回復する、という点を満足する新規なポリマー及びそのポリマーを得るために用いるモノマーを提供することにある。
発明は、下記式(1)又は(2)で表される構造であることを特徴とする熱解離性架橋モノマーである。
Figure 0004397249
Figure 0004397249
さらに本発明は、上記熱解離性架橋モノマーと、直鎖アルキルアルコールの(メタ)アクリレート類を共重合して得られる熱可塑性架橋ポリマーである。
本発明の熱解離性架橋モノマーを用いることで、常温では強固で安定な拘束力である共有結合による架橋を維持しながら、加熱時は熱可塑性を示し、また、冷却することで再架橋性を示し、熱可塑性エラストマーやプラスチゾル用ポリマーに利用できる新規なポリマーを与えることができ、工業上非常に有益である。
本発明の熱可塑性架橋ポリマーは、前記の式(1)又は(2)で表される熱解離性架橋モノマーによって架橋されていることを特徴とする。式(1)又は(2)中のビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン構造は、retro−Diels−Alder反応によりジエンとジエノフィルに解離し、その後冷却を行った際、架橋が復元するため、この構造で架橋されたポリマーは常温での共有結合による拘束力と、加熱時の架橋の解離による熱可塑性、冷却時の再架橋性を発現することができる。
本発明において、「架橋ポリマー」とは、そのポリマー骨格を、最も溶解性が高い溶剤で抽出した際に、抽出されないゲル分率が90%以上であるポリマーを示す。例えば、ポリマー骨格が(メタ)アクリロイル基を有するポリマーの場合には、前記溶剤としてはアセトンを用いる。このゲル分率は、ポリマーを一定量秤量し、ソックスレー抽出器に入れて溶剤還流を10時間行い、非架橋成分を抽出し、還流後のポリマーを充分に乾燥して質量を測定し、元の質量に対する質量比の百分率を計算して得た値(%)である。また、「熱可塑性」とは、そのポリマー骨格を可塑化することのできる可塑剤とともに加熱した際に、可塑剤を吸収して可塑化されることを示す。さらに、「架橋モノマー」とは、その重合によって架橋構造を形成可能なモノマーを示す。
本発明の熱可塑性架橋ポリマーは、式(1)又は(2)で表される熱解離性架橋モノマーによって架橋されている。式(1)又は(2)中の7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン構造は、例えば、フラン誘導体とマレイミド誘導体のDiels−Alder反応によって合成することが出来る。この構造で架橋されたポリマーは、常温における強固な拘束力を持ちながら、150℃程度の加熱により容易に架橋が解離し、熱可塑性を示すことができるため、成型性が良好となる。
本発明の熱解離性架橋モノマーは式(1)又は(2)で表される構造であることを特徴とする。式(1)又は(2)中のビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン構造は、retro−Diels−Alder反応によって、1〜4及び7位の原子と、5〜6位の原子に、可逆的に解離するため、これらの位置にそれぞれ1つずつのラジカル重合性不飽和基を導入することで、この架橋モノマーを用いて得られるポリマーに熱可逆的な架橋を導入することが出来る。式(1)又は(2)中のビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン構造は分子内に1つである。分子内に2つ以上存在する場合は、解離によって低分子量成分の脱離が起こる可能性や、モノマーの分子量が大きくなり乳化重合によるポリマーの生産を行いにくくなる傾向にある。
本発明の熱解離性架橋モノマーは、式(1)又は(2)中のビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン構造のretro−Diels−Alder反応における反応熱の計算値が、10kcal/mol以上であることが好ましい。この生成熱が10kcal/mol以上である場合、可逆反応であるDiels−Alder反応の平衡が、付加体側に傾き、モノマーの合成が容易となる。反応熱の計算値の上限は、熱解離性の点から、30kcal/mol以下であることが好ましい。この反応熱の計算は、富士通株式会社製、CACheソフトウェアを用い、MOPAC、PM3法で計算されるモノマー構造、及び、retro−Diels−Alder反応によって解離した構造それぞれの標準生成熱の差として求められる。また、分子内に2つ以上の式(1)で表される構造を持つ場合は、それぞれの構造において計算した値の中で、最も低いものを用いる。
本発明の熱解離性架橋モノマーを、直鎖アルキルアルコールの(メタ)アクリレート類と共重合させることにより、熱可塑性架橋ポリマーを得ることが出来る。の具体例として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート等の直鎖アルキルアルコールの(メタ)アクリレート類が挙げられる。
これらは、ポリマーの要求性能や用途に応じて、一種単独で又は二種以上を適宜選択して用いることができる。
本発明の熱可塑性架橋ポリマーは、例えば、本発明の熱解離性架橋モノマーと前記のような直鎖アルキルアルコールの(メタ)アクリレート類を任意の比率で共重合することにより得ることができる。共重合比率は特に限定されないが、熱解離性架橋モノマーの共重合比率の下限値は0.1mol%以上であることが好ましく、0.5mol%以上がより好ましい。また、上限値は20mol%以下であることが好ましく、10mol%以下であることがより好ましい。
本発明のポリマーは、熱可塑性エラストマー(TPE)やプラスチゾル、粉体塗料用ポリマー、トナー用ポリマー等の用途に用いることが非常に有効である。
本発明の熱可塑性架橋ポリマーの形態は、用途に応じて好適な形態とすればよい。ポリマーの固体形状には様々なものがあり、特に限定されるものではないが、例えば前記した用途に用いる場合には、ビーズ状又は粉体状であることが好ましい。
本発明の熱可塑性架橋ポリマーを得るための重合方法は、所望するポリマーの形態に応じて、公知の方法から適宜選択すればよく、限定されるものではない。例えばビーズ状又は粉体状の固体ポリマーを得る場合には、懸濁重合法、微細懸濁重合法又は乳化重合法を用いることが好ましい。これらの重合方法により得られる重合体分散液から重合体を回収する方法も、公知の方法を用いればよく、例えば噴霧乾燥法(スプレードライ法)、凝固法、凍結乾燥法、遠心分離法、濾過法などを広く利用することが可能である。
本発明の熱可塑性架橋ポリマーは、その内部モルフォロジーについて特に限定されるものではなく、そのポリマーを使用する用途における要求性能などに応じて適宜選択すればよい。例えば、乳化重合によりコア/シェル構造やグラディエント構造等の種々のモルフォロジーを有する粒子等を製造することができ、このようなモルフォロジーを利用してポリマー物性を適宜変更することも可能である。
本発明の熱可塑性架橋ポリマーは、単独で用いるだけでなく、種々の添加剤と配合してコンパウンド化して用いることも可能である。添加剤の具体例としては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の充填剤;フタル酸エステル、リン酸エステル、各種の脂肪酸エステル等の可塑剤;酸化チタン、カーボンブラック等の顔料;発泡剤;などが挙げられるが、これに制限されるものではない。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。以下の記載において「部」は質量基準である。また各評価は以下の方法に従い行なった。
[ポリマーの架橋性]
得られたポリマーを一定量秤量し、ソックスレー抽出器に入れてアセトン還流を10時間行い、非架橋成分を抽出した。還流後のポリマーを充分に乾燥して質量を測定し、元の質量に対する質量比の百分率を計算しゲル分率を求めた。このゲル分率をもとに、ポリマーの架橋性を下記基準に基づき評価した。
「○」:架橋(90%以上)。
「×」:非架橋(90%未満)。
[ポリマーの熱可塑性]
得られたポリマー100gに対し、可塑剤としてジオクチルフタレート100gを添加して混練した。この混合物をアルミ皿にのせ、180℃のオーブンにて30分間加熱処理を行った。これを室温まで冷却後、目視にて可塑化状態を観察し、下記基準に基づき評価した。
「○」:ポリマーは溶解し、均一な塗膜となっている。
「×」:ポリマーは架橋状態を保っており、成膜していない。
[ポリマーの再架橋性]
上記ポリマーの熱可塑性で均一な塗膜が得られた場合、この塗膜をアセトン中に25℃で24時間浸漬し、下記基準に基づき評価した。
「○」:塗膜は溶解せず、架橋されている。
「×」:塗膜の大部分が溶解し、元の形状を保っていない。
<実施例1>
[熱解離性架橋モノマー(M1)の調製]
無水マレイン酸49.0g(0.5mol)を無水THF(無水テトラヒドロフラン)500mLに溶解し、乾燥窒素気流下35℃で、2−アミノエタノール30.5g(0.5mol)/無水THF500mLを4時間かけて滴下した。滴下後1時間保持したのち、反応溶液を冷凍庫(−10℃)で24時間冷却した。析出した結晶を濾過、減圧乾燥し、中間体(A1)44.4gを得た。
この中間体(A1)15.9g(0.1mol)、無水メタクリル酸154g(1mol)、メタクリル酸ナトリウム64.8g、4−アセトアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル0.08g、ヒドロキノンモノメチルエーテル0.15gを反応容器に仕込み、乾燥窒素気流下60℃で10時間反応させた。反応後、減圧濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、N−メタクリロイルエチルマレイミド(A2)3.5gを得た[1H−NMR:δ1.90ppm(3H)、3.85ppm(2H)、4.29ppm(2H)、5.56ppm(1H)、6.06ppm(1H)、6.17ppm(2H)]。
以上のようにして得たN−メタクリロイルエチルマレイミド(A2)2.09gを無水THF5mLに溶解し、フルフリルメタクリレート(ALDRICH社製、純度97%)1.44gを加え、30℃で10日間反応させた。1H−NMRから、マレイミド構造由来のδ6.17ppmのピークが消失し、反応の進行を確認した。THFを室温で減圧留去し、熱解離性架橋モノマー(M1)を得た。生成物はexo体とendo体の混合物であった。また、熱解離性架橋モノマー(M1)のretro−Diels−Alder反応における反応熱の計算値は、18.2kcal/molであった。この熱解離性架橋モノマー(M1)の化学構造を以下に示す。
Figure 0004397249
<実施例2>
[熱解離性架橋モノマー(M2)の調製]
1,1’−(メチレンジ−4,1−フェニレン)ビスマレイミド(ALDRICH社製、純度95%)17.9gを無水THF100mLに溶解し、フルフリルメタクリレート20.0gを加え、30℃で10日間反応させた。1H−NMRから、マレイミド構造由来のδ6.81ppmのピークが消失し、反応の進行を確認した。THFを室温で減圧留去し、熱解離性架橋モノマー(M2)を得た。生成物はexo体とendo体の混合物であった。また、この熱解離性架橋モノマー(M2)のretro−Diels−Alder反応における反応熱の計算値は、11.6kcal/molであった。この熱解離性架橋モノマー(M2)の化学構造を以下に示す。
Figure 0004397249
<実施例3>
[熱可塑性架橋ポリマー(P1)の調製]
冷却管、温度計、攪拌機、窒素導入管を備えたフラスコに、純水1000部を仕込み、ポリビニルアルコール(けん化度88%、重合度1000)1部を溶解させた後、メチルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名アクリエステルM)250部、n−ブチルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名アクリエステルB)200部、熱解離性架橋モノマー(M1)2部からなる単量体混合物に、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル1部を溶解させた溶液を投入し、窒素雰囲気下、300rpmで攪拌しながら、1時間で80℃に昇温し、そのまま2時間加熱した。その後、90℃に昇温し2時間加熱した後、室温まで冷却して懸濁重合を終了した。得られたサスペンジョンを100メッシュの濾布濾過、洗浄した後、50℃の熱風乾燥機で乾燥し、体積平均粒子径が200μmの熱可塑性架橋ポリマー(P1)を得た。このポリマーについて評価したところ、ゲル分率は99%以上で充分に架橋しており、また熱解離性、再架橋性も良好であった。評価結果を表1に示す
<実施例4>
[熱可塑性架橋ポリマー(P2)の調製]
架橋モノマー(M1)の代わりに、実施例2で得た架橋モノマー(M2)を用いたこと以外は、実施例3と同様にして熱可塑性架橋ポリマー(P2)を得た。その評価結果を表1に示す。
<比較例1>
[架橋ポリマー(P3)の調製]
架橋モノマー(M1)の代わりに、2−メチル−2,4−ペンタンジオールジメタクリレートを架橋性モノマーとして用いたこと以外は、実施例3と同様にして架橋ポリマー(P3)を得た。その評価結果を表1に示す。
<比較例2>
[架橋ポリマー(P4)の調製]
架橋モノマー(M1)の代わりに、エチレングリコールジメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名アクリエステルED)を架橋モノマーとして用いたこと以外は、実施例3と同様にして架橋ポリマー(P4)を得た。その評価結果を表1に示す。
<比較例3>
[非架橋ポリマー(P5)の調製]
架橋モノマー(M1)を用いなかったこと以外は、実施例3と同様にして非架橋ポリマー(P5)を得た。その評価結果を表1に示す。
Figure 0004397249
表1中の略号は、以下の通りである。
MPDMA:2−メチル−2,4−ペンタンジオールジメタクリレート。
EDMA:エチレングリコールジメタクリレート。
[各例の考察]
実施例3及び4において、本発明の熱解離性架橋モノマー(M1)、(M2)を共重合して得たポリマー(P1)、(P2)は、常温では架橋ポリマーとなっており、アセトンで抽出される非架橋成分をほとんど含んでいなかった。また、このポリマーは加熱することで熱可塑性を示し、ジオクチルフタレートと混合して加熱することにより、均一に溶融し、良好な熱可塑性を示した。また、得られた塗膜を、室温でアセトンに浸漬した結果、膨潤するものの、溶解せず、再架橋が行われていることを確認できた。
比較例1において、2−メチル−2,4−ペンタンジオールジメタクリレートを共重合して得たポリマー(P3)は、常温で架橋ポリマーとなっており、アセトンに抽出される非架橋分をほとんど含んでいなかった。このポリマーは良好な熱可塑性を示したが、得られた塗膜をアセトンに浸漬すると殆どが溶解し、非架橋ポリマーとなっていることが確認された。
比較例2において、エチレングリコールジメタクリレートを共重合して得たポリマー(P4)は、常温で架橋ポリマーとなっており、アセトンに抽出される非架橋分をほとんど含んでいなかった。このポリマーは加熱処理を行っても架橋状態を保っており、熱可塑性を示さなかった。
比較例3において、架橋剤を用いずに得たポリマー(P7)は、ゲル分率が0%であり、分子間の拘束力が無いことが確認された。

Claims (2)

  1. 記式(1)又は(2)で表される構造であることを特徴とする熱解離性架橋モノマー。
    Figure 0004397249
    Figure 0004397249
  2. 請求項記載の架橋モノマーと、直鎖アルキルアルコールの(メタ)アクリレート類を共重合して得られる熱可塑性架橋ポリマー。
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