JP2001348362A - ヒドロキシアルキルエステルの製造方法 - Google Patents

ヒドロキシアルキルエステルの製造方法

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徳政 石田
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文生 渋沢
Tetsuya Kajiwara
徹也 梶原
Hajime Matsumoto
初 松本
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幸弘 米田
Masatoshi Kamioka
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒の存在下でカルボン酸とアルキレンオキ
シドを反応させてヒドロキシアルキルエステルを製造す
るプロセスにおいて、反応の転化率や選択率を十分に高
める方法を提供する。 【解決手段】 反応液中のカルボン酸のモル濃度をaモ
ル%、アルキレンオキシドのモル濃度をbモル%とした
時に、反応を通じてa<bなる関係を維持するように反
応を行うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルボン酸とアル
キレンオキシドを反応させてヒドロキシアルキルエステ
ルを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カルボン酸とアルキレンオキシドを反応
させてヒドロキシアルキルエステルを製造するプロセス
において、従来の方法では、例えば、アルキレングリコ
ールジカルボキシレートやジアルキレングリコールモノ
カルボキシレートなどが副生する等、反応の転化率や選
択率に問題があった。そこで、これら反応の転化率や選
択率を高くするために種々の検討がなされてきた。例え
ば、アルキレンオキシドを(メタ)アクリル酸よりも過
剰モル量反応器に供給することにより、副生成物の生成
を抑え、反応の転化率、選択率が高まることが知られて
いる(特公昭41−13019号公報、特公昭43−1
8890号公報等)。また、特公昭64−6182号公
報では、メタホウ酸をクロム触媒と共に用いることによ
り反応の選択率を向上させる方法が、また、特開昭51
−133227号公報では所望のエステルよりも高い沸
点を有するプロトン酸の存在下に反応を行うことが、特
開昭61−27945号公報では、触媒として3価のク
ロム化合物を触媒として用い、反応終了時において反応
液の可視吸収スペクトルで500nm以上の波長域にお
ける最大吸光度を示す波長が575nmよりも大きな波
長となるようにして反応を実施することが開示されてい
る。
【0003】しかしながら、これら従来の方法では、反
応の転化率や選択率の向上は十分なものとはいえなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明が解
決しようとする課題は、カルボン酸とアルキレンオキシ
ドを反応させてヒドロキシアルキルエステルを製造する
プロセスにおいて、反応の転化率や選択率を十分に高め
ることができる方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決すべく鋭意検討した。その結果、カルボン酸とアルキ
レンオキシドの原料としての仕込み比ではなく、実際の
反応液中のカルボン酸とアルキレンオキシドのモル濃度
を、反応を通じて一定の関係に制御することにより、反
応の選択率が十分に高まり、且つ、反応の転化率も高ま
ることを見つけた。本発明はこのようにして完成され
た。すなわち本発明に係るヒドロキシアルキルエステル
の製造方法は、触媒の存在下でカルボン酸とアルキレン
オキシドを反応させてヒドロキシアルキルエステルを製
造する方法において、当該反応液中のカルボン酸のモル
濃度をaモル%、アルキレンオキシドのモル濃度をbモ
ル%とした時に、反応を通じてa<bなる関係を維持す
るように反応を行うことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】初めに、本発明に係る特徴的な製
造方法を好ましく適用することができるヒドロキシアル
キルエステルの製造プロセスの概略を説明する。まず、
カルボン酸とアルキレンオキシドとを、触媒の存在下で
付加反応させる。この付加反応は反応率が100%に満
たないことが多く、反応終了時の反応液中には未反応の
カルボン酸やアルキレンオキシド等が残存する場合が一
般的である。そこで、上記の反応液は、これら未反応原
料等を反応液中から除去するための工程へと導かれる。
そして、続く最終段階として、蒸留等による精製が行わ
れて、目的のヒドロキシアルキルエステルが得られる。
【0007】以下、本発明の特徴である、カルボン酸と
アルキレンオキシドとの、触媒の存在下での付加反応工
程について説明する。本発明を実施するにあたり、上記
カルボン酸とアルキレンオキシドとの反応における原料
の仕込み量は、カルボン酸1モルに対して、アルキレン
オキシドが1モル以上が好ましい範囲であり、より好ま
しくは1.0〜5.0モル、さらに好ましくは1.0〜
3.0モル、さらにより好ましくは1.0〜2.0モル
である。アルキレンオキシドの仕込み量が1.0モル未
満の場合には、反応率が低下し、副生成物が増加するの
で好ましくない。また、アルキレンオキシドの仕込み量
が多すぎると、特に、5モルを超えると、経済的に好ま
しくない。
【0008】本発明において用いることが出来るカルボ
ン酸は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸、プ
ロピオン酸、酪酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、
安息香酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリッ
ト酸などが挙げられるが、特に好ましくは、アクリル酸
とメタクリル酸(これらを併せて(メタ)アクリル酸と
称す)である。また、本発明において用いることが出来
るアルキレンオキシドは、好ましくは炭素数2〜6、よ
り好ましくは炭素数2〜4のアルキレンオキシドであ
り、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、
ブチレンオキシドが挙げられ、好ましくはエチレンオキ
シド、プロピレンオキシドであり、特に好ましくはエチ
レンオキシドである。
【0009】本発明において、触媒の存在下におけるカ
ルボン酸とアルキレンオキシドとの反応は、この種の反
応に一般的に用いられている方法に従って行うことがで
きる。例えば、バッチ式で反応を行う場合、カルボン酸
中に液状のアルキレンオキシドを導入して行われる。カ
ルボン酸が固体の場合、溶媒中にカルボン酸を溶解させ
てからアルキレンオキシドを導入してもよい。この際、
アルキレンオキシドは、一括して、あるいは連続的にま
たは間欠的に添加してもよい。そして連続的または間欠
的に添加する場合、この種の反応においてよく行われる
ように、アルキレンオキシド導入後も反応を継続させ
て、いわゆる熟成を行い、反応を完結させることもでき
る。また、カルボン酸も初期に一度に仕込む必要は必ず
しもなく、いくつかに分割して投入することもできる。
【0010】また、連続式で反応を行う場合には、カル
ボン酸と液状のアルキレンオキシドを管型、槽型などの
反応器内に連続的に投入し、連続的に反応液を反応器か
ら抜き出して行われる。この際、触媒は、原料とともに
連続的に供給し、反応液とともに連続的に抜き出しても
よいし、管型などの反応器の場合には、固体触媒を反応
器内に充填して使用する、いわゆる固定床形式で使用し
てもよい。また、槽型の反応器の場合には、固体触媒を
反応器内で反応液とともに流動させて使用する、いわゆ
る流動床形式で使用してもよい。また、これら連続反応
の場合には、反応液の一部を循環させる形態をとっても
よい。
【0011】原料カルボン酸と原料アルキレンオキシド
の反応器への投入については、それぞれ別々の投入ライ
ンから投入してもよいし、反応器へ投入する前に、配
管、又は、ラインミキサー、ミキシングタンクなどで予
め混合してから投入してもよい。また、反応器出口液を
反応器入口へ循環させる場合や、未反応のアルキレンオ
キシドや未反応のカルボン酸を回収再利用する場合に
は、これらの液を原料カルボン酸、原料アルキレンオキ
シドと混合してから反応器へ投入してもよい。しかし、
カルボン酸とアルキレンオキシドを別々の投入ラインか
ら反応液中に投入した場合、カルボン酸の投入口付近で
は反応液中のモル比がカルボン酸過剰になるので、好ま
しくは、反応器へ投入する前に、それぞれの原料を配管
などで予め混合してから投入するのがよい。
【0012】反応温度は、通常、40〜130℃の範囲
で行うことが好ましく、より好ましくは50〜100℃
の範囲である。反応温度が40℃よりも低ければ、反応
の進行が遅くなって実用レベルから離れてしまい、一
方、反応温度が130℃よりも高ければ、副生成物が多
くなったり、原料であるカルボン酸が不飽和二重結合を
有していると、そのカルボン酸や生成物であるヒドロキ
シアルキルエステルの重合等が起こるので好ましくな
い。また、この反応において反応を温和に進行させるこ
となどを目的として、溶媒中で反応を行ってもよい。溶
媒としては、トルエン、キシレン、ヘプタン、オクタン
などの一般的なものを用いることができる。反応時の系
内圧力は、使用する原料の種類や混合比にもよるが、一
般には加圧下で行われる。
【0013】また、反応の際には、一般に用いられてい
る重合防止剤を使用することができる。重合防止剤とし
ては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノ
ン、tert−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t
ert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert
−ブチルハイドロキノン、2,4−ジメチル−6−te
rt−ブチルフェノール、ハイドロキノンモノメチルエ
ーテル等のフェノール化合物;N−イソプロピル−N’
−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、N−(1,3
−ジメチルブチル)−N’−フェニル−パラ−フェニレ
ンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェ
ニル−パラ−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニ
ル−パラ−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナ
フチル−パラ−フェニレンジアミン等のパラフェニレン
ジアミン類;チオジフェニルアミン、フェノチアジン等
のアミン化合物;ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジエ
チルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン
酸銅等のジアルキルジチオカルバミン酸銅塩類;ニトロ
ソジフェニルアミン、亜硝酸イソアミル、N−ニトロソ
−シクロヘキシルヒドロキシルアミン、N−ニトロソ−
N−フェニル−N−ヒドロキシルアミン又はその塩等の
ニトロソ化合物;2,2,4,4−テトラメチルアゼチ
ジン−1−オキシル、2,2−ジメチル−4,4−ジプ
ロピルアゼチジン−1−オキシル、2,2,5,5−テ
トラメチルピロリジン−1−オキシル、2,2,5,5
−テトラメチル−3−オキソピロリジン−1−オキシ
ル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オ
キシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン−1−オキシル、6−アザ−7,7−ジメ
チル−スピロ(4,5)デカン−6−オキシル、2,
2,6,6−テトラメチル−4−アセトキシピペリジン
−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−4−
ベンゾイルオキシピペリジン−1−オキシル等のN−オ
キシル化合物などが例示される。重合防止剤の添加量
は、カルボン酸に対して0.0001〜1重量%が好ま
しく、より好ましくは0.001〜0.5重量%であ
る。
【0014】本発明に係る製造方法においては、上記反
応液中のカルボン酸のモル濃度をaモル%、アルキレン
オキシドのモル濃度をbモル%とした時に、反応を通じ
てa<bなる関係を維持するように反応を行うことを特
徴とする。このように反応を通じてa<bなる関係を維
持するように反応を制御することにより、反応の選択率
が十分に高まり、且つ、反応の転化率も高まる。反応を
通じてa<bなる関係を維持するように反応を制御する
ための方法は特に限定されないが、例えば、後述するよ
うに、原料カルボン酸を分割して投入し、反応液中のモ
ル濃度をa<bなる関係に維持する方法などが挙げられ
る。また、反応液中に水が存在すると、アルキレンオキ
シドがアルキレングリコールとなり消費されるため、反
応液中のカルボン酸の消費に比べてアルキレンオキシド
の消費が多くなるため、反応液中のモル濃度をa<bな
る関係に維持することができなくなる。そこで、反応液
中の水分濃度を低く抑えることで、例えば、5重量%以
下に抑えることで、実質的にアルキレングリコールの生
成は無視できる水準とし、反応液中のモル濃度をa<b
なる関係に維持する方法が挙げられる。反応を通じてa
<bなる関係が維持できない場合は、反応の副生成物が
増加し、転化率や選択率が低下するので好ましくない。
【0015】なお、単に原料アルキレンオキシドの仕込
みモル量を原料カルボン酸の仕込みモル量より過剰とし
ただけでは、反応を通じて上記a<bなる関係を必ずし
も維持することはできない(特公平6−720号公
報)。また、上述のように、本発明に係る製造方法にお
いては、上記反応液中のカルボン酸のモル濃度をaモル
%、アルキレンオキシドのモル濃度をbモル%とした時
に、反応を通じてa<bなる関係を維持するように反応
を行うことを特徴とするが、バッチ式で反応を行う場合
の前記「反応を通じて」とは、「設定のモル比まで原料
が仕込まれた後の反応工程において」という意である。
また、バッチ式で反応を行う場合は、反応液中のカルボ
ン酸のモル濃度aモル%とアルキレンオキシドのモル濃
度bモル%の関係をできるだけ早くa<bとするほうが
好ましい形態であり、具体的には、全反応時間(アルキ
レンオキシドの投入開始から、アルキレンオキシド又は
カルボン酸が設定の反応率に到達するまでの時間)に対
する全アルキレンオキシドの投入時間の割合を70%以
下とするのが好ましく、より好ましくは60%以下、さ
らに好ましくは50%以下である。
【0016】本発明においては、上記のように、反応液
中のカルボン酸のモル濃度をaモル%、アルキレンオキ
シドのモル濃度をbモル%とした時に、反応を通じてa
<bなる関係を維持するように反応を行うことが好まし
い形態であるが、この場合、アルキレンオキシドの転化
率を10〜98モル%に維持し、かつ、カルボン酸の転
化率を70〜99モル%に維持しながら連続的に反応を
行うことがより好ましく、アルキレンオキシドの転化率
を25〜98モル%に維持し、かつ、カルボン酸の転化
率を70〜95モル%に維持しながら連続的に反応を行
うことが特に好ましい。この時、原料は、連続的に投入
してもよいし、間欠的に投入してもよい。アルキレンオ
キシドの転化率が10モル%未満、または、カルボン酸
の転化率が70モル%未満の場合には、回収する原料が
多くなり、経済的ではない。また、アルキレンオキシド
の転化率が98モル%を超えると、または、カルボン酸
の転化率が99モル%を超えると、アルキレングリコー
ルジカルボキシレート(以下、ジエステルと略す)の生
成が多くなるので好ましくない。
【0017】本発明においては、さらに、未反応のアル
キレンオキシド、および/または、未反応のカルボン酸
を回収し、ヒドロキシアルキルエステルの反応原料とし
て再利用してもよい。このように、未反応回収原料を反
応原料に再利用することにより、製造コストの一層の低
減化を図ることができる。なお、回収した未反応原料中
にはヒドロキシアルキルエステルが含まれていてもよ
く、また、発生反応熱量の制御の面からヒドロキシアル
キルエステルを回収原料と混合してから反応器へ投入し
てもよいが、反応器へ投入されるヒドロキシアルキルエ
ステルの量が多くなると、ジエステルなどの副生物の生
成量が多くなるため、回収原料中に含まれるヒドロキシ
アルキルエステルの量は、回収原料酸、および、フレッ
シュで投入される原料酸の総量に対して重量基準で4.
0倍以下であることが好ましく、さらに好ましくは2.
0倍以下である。より好ましくは1.0倍以下である。
【0018】本発明に係る製造方法において、カルボン
酸とアルキレンオキシドとの反応に用いる触媒について
は特に制限はなく、この種の反応に一般に用いられてい
る触媒を使用することができる。具体的には、鉄粉、塩
化第二鉄、ギ酸鉄、酢酸第二鉄、アクリル酸鉄、メタク
リル酸鉄などの鉄化合物、重クロム酸ソーダ、塩化クロ
ム、アセチルアセトンクロム、ギ酸クロム、酢酸クロ
ム、アクリル酸クロム、メタクリル酸クロム、ジブチル
ジチオカルバミン酸クロムなどのクロム化合物、トリア
ルキルアミン類、4級アンモニウム基を持つイオン交換
樹脂などのアミン類などから選ばれる1種または2種以
上を挙げることができるが、中でも、塩基性樹脂を触媒
として使用することが好ましい。この塩基性樹脂とは、
塩基性官能基を有する、反応液に不溶の高分子化合物
(例えば、分子量1000以上の化合物)であり、例え
ば、3級アミン化合物、4級アンモニウム塩、ピリジン
などの環状アミン化合物、スルフィド類などの塩基性官
能基を有する高分子化合物であり、好ましくは塩基性ア
ニオン交換樹脂、特に塩基性官能基としてアミノ基を有
する塩基性アニオン交換樹脂が好ましい。また、前述の
鉄化合物やクロム化合物などと併用してもよい。
【0019】本発明において触媒として好ましく用いる
ことができる塩基性樹脂は、耐熱温度が70℃以上であ
ることが好ましい。ここで、耐熱温度とは、以下に説明
する耐熱テストによる耐熱温度をいう。すなわち、耐熱
テストによる耐熱温度とは、カウンターアニオンがOH
型の水膨潤状態の樹脂をステンレス製(SUS316)
オートクレーブに入れ、樹脂体積の5倍量の酢酸を投入
し、酸素5%、窒素95%の雰囲気下、試験温度にて6
ヵ月間放置した場合の、樹脂の交換容量の低下が20%
以上となる温度のことをいう。
【0020】耐熱温度が70℃未満の場合は、反応の転
化率や選択率を十分に高めるだけの反応温度条件を長期
間実現することは難しい。また、塩基性樹脂として耐熱
温度が70℃未満のトリメチルアンモニウム基を有する
塩基性アニオン交換樹脂を使用して高温の反応条件下で
反応を行った場合、反応の活性基として作用するトリメ
チルアンモニウム基の脱離が起こりやすく、反応時間の
経過に伴って触媒活性が急激に低下してくる。しかも、
反応生成物中に塩基性アニオン交換樹脂由来のトリメチ
ルアミンが混入して汚染され、最終製品の色調悪化など
の問題を引き起こす。
【0021】本発明において塩基性樹脂を触媒として用
いる場合は、用いる触媒の浸漬テストにより得られる水
膨潤状態の触媒のうち、48mesh(タイラー呼称:
櫛目の開きの大きさ297μm)のふるいを通過できな
い触媒が、テスト前の水膨潤状態の触媒の80vol%
以上であることが好ましい。さらに好ましくは90vo
l%以上である。言い換えれば、本発明において塩基性
樹脂を触媒として用いる場合は、用いる触媒の浸漬テス
トにより得られる水膨潤状態の触媒のうち、48mes
h(タイラー呼称:櫛目の開きの大きさ297μm)の
ふるいを通過できる触媒が、テスト前の水膨潤状態の触
媒の20vol%未満であることが好ましく、10vo
l%未満であることがより好ましい。
【0022】ここで浸漬テストとは以下のように行う。
すなわち、まず、カウンターアニオンがOH型の水膨潤
状態の樹脂を樹脂筒に詰め、樹脂筒の上部からヒドロキ
シエチルアクリレートを流し、樹脂に含浸している水を
ヒドロキシエチルアクリレートに置換する。次に、この
樹脂をステンレス製のオートクレーブへ移し、この樹脂
の2倍量のヒドロキシエチルアクリレートを投入する。
そして、これらを、液の温度が均一になる程度に攪拌し
ながら90℃まで昇温した後、樹脂の5倍量の水を一度
に投入する。溶液を冷却した後に樹脂を取り出し、これ
を樹脂筒に詰め、樹脂筒の上部から水を流し、含浸して
いるヒドロキシエチルアクリレートを水に置換する。こ
れを48mesh(タイラー呼称:櫛目の開きの大きさ
297μm)のふるいにかけ、これを通過しない割合
(あるいは通過する割合)を測定することをいう。この
際、ヒドロキシエチルアクリレートの重合を防止するた
めに、適宜、重合防止剤を用いる。
【0023】浸漬テストにより得られる水膨潤状態の触
媒のうち、48mesh(タイラー呼称:櫛目の開きの
大きさ297μm)のふるいを通過できない触媒が、テ
スト前の水膨潤状態の触媒の80vol%以上であれ
ば、長期間の使用において、触媒の割れ、破砕といった
問題が発生しないので、好ましい。48mesh(タイ
ラー呼称:櫛目の開きの大きさ297μm)のふるいを
通過できない触媒が、テスト前の水膨潤状態の触媒の8
0vol%より小さくなると、長期間の使用において、
触媒の割れ、破砕といった問題が発生し、触媒のブロッ
キングが起こりやすくなり、反応活性の低下を招く。ま
た、この触媒を反応管に充填して使用している場合、圧
力損失が大きくなり、通液性が悪化する。一方、これら
を攪拌機が設置された槽型の反応器で使用していると、
反応釜壁面への触媒の付着が起こり、触媒のロスとな
り、反応活性の低下を招く。
【0024】本発明において塩基性樹脂を触媒として用
いる場合は、用いる触媒の磨耗テストにより得られる水
膨潤状態の触媒のうち、48mesh(タイラー呼称:
櫛目の開きの大きさ297μm)のふるいを通過できな
い触媒が、テスト前の水膨潤状態の80vol%以上で
あることが好ましい。さらに好ましくは90vol%以
上である。ここで磨耗テストとは以下のように行う。す
なわち、まず、カウンターアニオンがCl型の水膨潤状
態の樹脂300mlを、攪拌器付きの2L(内径120
mm)のSUS316製オートクレーブに、水300m
lと共に投入する。攪拌羽根は平板6枚羽根(傾斜な
し、SUS316製、羽根直径85mm、羽根高さ15
mm)を使用し、室温下で900rpmで15時間攪拌
する。この時、樹脂が壁面やフタの部分へ飛び散らない
ように、適当な内ブタを液面付近の上部に設置する。こ
の樹脂を取り出し、これを48mesh(タイラー呼
称:櫛目の開きの大きさ297μm)のふるいにかけ、
これを通過しない割合を測定することをいう。
【0025】磨耗テストにより得られる水膨潤状態の触
媒のうち、48mesh(タイラー呼称:櫛目の開きの
大きさ297μm)のふるいを通過できない触媒が、テ
スト前の水膨潤状態の80vol%以上であれば、長期
間の使用において、触媒の磨耗、破砕といった問題が発
生しないので、好ましい。48mesh(タイラー呼
称:櫛目の開きの大きさ297μm)のふるいを通過で
きない触媒が、テスト前の水膨潤状態の80vol%よ
り小さくなると、長期間の使用において、触媒の磨耗に
よる反応活性の低下を招く。また、触媒の磨耗片が次工
程に持ち込まれることにより配管を閉塞したり、精製工
程において副生物を生成したりする。
【0026】本発明において触媒として好ましく用いる
ことができる塩基性樹脂は、平均粒子径が300μm以
上5000μm以下であることが好ましい。上記平均粒
子径の範囲が300μm以上5000μm以下の範囲を
外れると、具体的には、300μm未満の場合は、前述
と同様に反応活性の低下を招き、5000μmを超える
と樹脂の表面積の低下による反応活性の低下が起こるの
で、好ましくない。さらに好ましい平均粒子径の範囲
は、400μm以上2000μm以下である。なお、樹
脂の平均粒子径、粒度の測定は、ダイヤイオンイオン交
換樹脂、合成吸着剤マニュアル(三菱化学発行)に従っ
た。
【0027】本発明において触媒として好ましく用いる
ことができる塩基性樹脂は、その溶媒置換テストにより
得られる溶媒膨潤状態の触媒のうち、亀裂樹脂の割合が
50%以下であることが好ましい。ここで溶媒置換テス
トとは以下のように行う。すなわち、カウンターアニオ
ンがOH型の水膨潤状態の樹脂を容器に取り、樹脂の5
倍量のアクリル酸を投入し、攪拌棒により数分攪拌す
る。濾紙により液を分離した後、この樹脂を再度容器に
投入し、樹脂の5倍量の水を投入し、攪拌棒により数分
攪拌する。濾紙により液を分離した後、この樹脂を光学
顕微鏡(倍率:25倍)にて500個の樹脂を観察し、
その内の亀裂や傷がある樹脂(これを亀裂樹脂と称す)
の数をカウントし、その割合を測定する。
【0028】上記亀裂樹脂の割合が50%以下であれ
ば、長期間の使用における樹脂の強度低下による樹脂の
割れ、破砕といった問題が発生しないので好ましい。こ
の割合が50%を超えると、長期間の使用による樹脂の
割れ、破砕、あるいは粉化といった問題が発生し、前述
の浸漬テストと同様に反応活性の低下を招く。また、通
常、反応を開始する前に、触媒である樹脂の含浸液は原
料酸又は生成物であるヒドロキシアルキルエステル、お
よびその混合物により置き換える(乾燥樹脂の場合には
湿潤させる)が、その際、樹脂が膨潤または収縮し、こ
の時、この溶媒置換テストにおける亀裂樹脂の割合が5
0%を超えていると、樹脂が破砕することがある。
【0029】本発明において使用する触媒は、好ましく
は、塩基性アニオン交換樹脂であり、イオン交換容量が
2.0meq/g−dry以上(OH型)、かつ、含水
率が40重量%以上(OH型)である。イオン交換容量
とは、乾燥樹脂の単位重量当たりの交換容量を示し、ま
た、この交換容量は、ダイヤイオンイオン交換樹脂、合
成吸着剤マニュアル(三菱化学発行)に従って測定し
た。含水率とは、単位含水樹脂中に含まれる水分の重量
割合を示したものであり、ダイヤイオンイオン交換樹
脂、合成吸着剤マニュアル(三菱化学発行)に従って測
定した。
【0030】イオン交換容量が2.0meq/g−dr
y未満(OH型)の場合は、十分な触媒活性が得られな
い。さらに、含水率が40重量%未満(OH型)の場合
は、樹脂が十分に膨らまないので、高活性が期待し難
い。上記の本発明の実施に用いる触媒の量は特に限定さ
れないが、不均一触媒でバッチ反応の場合には、原料カ
ルボン酸に対して5〜50重量%の範囲で用いることが
普通である。特に好ましくは、10〜30重量%の範囲
で用いる。また、連続反応の場合で、槽型反応器などで
流動床形式で使用する場合は、反応液の体積に対して、
通常30〜90vol%、好ましくは50〜80vol
%の範囲で用いる。また、管型反応器などで固定床形式
で使用する場合には、液空間速度(LHSV:h-1)で
好ましくは0.05〜15、より好ましくは0.2〜8
の範囲で反応原料を含んだ液を通液する。一方、均一触
媒の場合には、原料カルボン酸に対して、0.05〜1
0重量%の範囲で用いることが普通であり、特に好まし
くは0.1〜3重量%の範囲で用いる。
【0031】次に、本発明の製造方法の具体的な実施態
様について、図1〜5に基づいて説明する。ただし、本
発明の製造方法はこれらの実施態様に限定されるもので
はない。図1は、単一の槽型反応器を用いた本発明の一
つの実施態様を示した説明図である。図2は、2つの槽
型反応器を用いた本発明の他の実施態様を示した説明図
である。図3は、単一の管型反応器を用いた本発明の他
の実施態様を示した説明図である。図4は、2つの管型
反応器を用いた本発明の他の実施態様を示した説明図で
ある。また、図5は、図4に示す態様において、反応液
の一部を循環する態様を示した説明図である。以下、図
1〜5に基づいて、本発明を詳細に説明する。
【0032】図1においては、槽型反応器1にライン3
および4から、それぞれ、アルキレンオキシドおよびカ
ルボン酸を導入し、反応終了後、目的生成物ヒドロキシ
アルキルエステルを含む反応液をライン8から抜き出
す。図1の槽型反応器を用いた反応は種々の態様にした
がって行うことができる。例えば、アルキレンオキシド
の全量をあらかじめ反応器1に仕込み、カルボン酸を少
量ずつ連続的にライン4から導入する(態様(1))。
また、アルキレンオキシドの全量をあらかじめ反応器1
に仕込み、カルボン酸を2つ以上に分割して逐次的にラ
イン4から導入する(態様(2))。さらに、カルボン
酸の一部をあらかじめ反応器1に仕込み、次いでアルキ
レンオキシドの全量を供給した後、残りのカルボン酸
を、場合によっては更に分割して、ライン4から導入す
る(態様(3))。
【0033】したがって、本発明の実施態様において
「カルボン酸を2つ以上に分割して供給する」とは単一
の槽型反応器を用いた場合の上記態様(1)を包含する
ものである。なお、反応系中のカルボン酸の滞留時間を
できるだけ短くするという点からは、態様(1)におい
ては、カルボン酸をできるだけ少量ずつ供給するのが好
ましい。また、態様(2)および(3)においては、カ
ルボン酸の分割数をできるだけ多くするのが好ましい
が、2〜10、好ましくは2〜4に分割して供給すれば
十分である。
【0034】上記態様(3)について詳しく説明すると
次のとおりである。すなわち、攪拌機および加熱・除熱
用のジャケットを備えた反応器1に触媒と全仕込み量の
半分のカルボン酸を仕込む。次いで、攪拌機を回転させ
ながら、全仕込み量のアルキレンオキシドを投入する。
このとき、いくらかの反応が進行し、反応熱が発生する
ため、ジャケットにより除熱を行うか、あるいは投入量
を調整し、液温を一定に保つ。アルキレンオキシドの投
入終了後、徐々に液温を設定温度まで上げる。昇温完了
後、この温度を維持するように除熱しながら反応を進め
る。仕込みのカルボン酸の、例えば80重量%が反応し
た時点で、残りのカルボン酸のうち2/3に相当する量
のカルボン酸を投入する。そして、反応温度を維持する
ように除熱しながら反応を進める。次いで、すでに仕込
まれたカルボン酸の、例えば80重量%が反応した時点
で、残りのカルボン酸を投入し、カルボン酸の総転化率
が設定値に達したところで反応を終了する。
【0035】図1に示す実施態様において、カルボン酸
を2分割する場合、1回目に導入するカルボン酸の量
は、全カルボン酸量の1/2以上、好ましくは1/2〜
9/10とし、残りを2回目に導入するのが好ましい。
3分割の場合には、1回目には全カルボン酸量の1/3
以上、好ましくは1/3〜9/10、2回目には残りの
カルボン酸の1/2以上、好ましくは1/2〜9/1
0、かつ1回目で導入したカルボン酸量よりも少なくす
るのが好ましい。また、3回目に導入するカルボン酸量
は2回目に導入するカルボン酸量よりも少なくするのが
好ましい。4分割以上の場合も、上記2分割および3分
割と同様に分割するのがよい。
【0036】図2においては、2つの槽型反応器1およ
び2を用いて連続的に反応を行う。先ず、反応器1で
は、ライン3からライン5を経てアルキレンオキシド
を、またライン4からのカルボン酸の一部をライン5か
ら導入して反応を行う。次に、反応液をライン7を経て
反応器2に導入し、ここでライン6からの、残りのカル
ボン酸を導入して、さらに反応を進めて、目的生成物ヒ
ドロキシアルキルエステルを含む反応液をライン8から
抜き出す。複数の槽型反応器を用いて連続的に反応を行
う場合、反応器の数は、装置コストという観点から、2
〜10とするのが好ましく、さらに好ましくは2〜4で
ある。なお、カルボン酸の分割については、前記図1の
実施態様について説明したと同様に分割して、各反応器
に導入するのが好ましい。
【0037】図2の2つの反応器を用いた連続反応は種
々の態様にしたがって行うことができるが、その一つに
ついて詳しく説明すると次のとおりである。すなわち、
攪拌機および加熱・冷却用のジャケットを備えた2基の
反応器1および2に反応液に不溶な触媒(例えば、四級
アンモニウム基を有するイオン交換樹脂)を所定の濃度
で充填する。反応器1に全仕込み量のアルキレンオキシ
ド、および全仕込み量の75重量%のカルボン酸を連続
的に供給して反応を行わせる。次いで、反応器1からの
反応液を、触媒を分離した後、ライン7から反応器2に
供給する。この際、ライン7には、残りの25重量%の
カルボン酸を供給する。そして、反応器2のライン8か
ら触媒を分離した後の目的生成物ヒドロキシアルキルエ
ステルを含む反応液を抜き出す。
【0038】図3においては、単一の管型反応器を用い
て連続的に反応を行う。すなわち、管型反応器10にラ
イン12からアルキレンオキシドを導入し、またライン
13から供給したカルボン酸を2分割して、それぞれ、
ライン14および15から反応器10に導入する。そし
て、目的生成物ヒドロキシアルキルエステルを含む反応
液はライン17から抜き出す。カルボン酸の分割につい
ては、図1および2の実施態様で説明したと同じであ
る。なお、分割したカルボン酸の管型反応器への導入位
置については特に制限はなく、適宜、決定することがで
きる。
【0039】図4においては、2つの管型反応器10お
よび11を用いて連続的に反応を行う。すなわち、反応
器10では、ライン12からアルキレンオキシドの全量
を、またライン13から供給したカルボン酸は2つに分
割して、その一部をライン14から反応器10に導入す
る。次いで、反応器10からの反応液を反応器11にラ
イン16から導入する。この際、残りのカルボン酸をラ
イン15から供給する。カルボン酸の分割の方法につい
ては、図1および2の実施態様で説明したと同じであ
る。管型反応器の数は、通常、2〜4である。
【0040】図4の2つの反応器を用いた連続反応は種
々の態様にしたがって行うことができるが、その一つに
ついて詳しく説明すると次のとおりである。すなわち、
加熱・冷却用のジャケットを備えた縦型管型反応器10
および11(いずれも両端にはフィルターが設置されて
いる)に反応液に不溶な触媒(例えば、四級アンモニウ
ム基を有するイオン交換樹脂)を充填する。反応器10
に全仕込み量のアルキレンオキシド、および全仕込み量
の75重量%のカルボン酸をライン14で混合した後、
アップフローで連続的に供給する。反応器10からの反
応液はライン16により反応器11に供給する。この
際、ライン15から残りの25重量%のカルボン酸を投
入し、ライン16内で混合した後、反応器11に供給す
る。反応器11のライン17から目的生成物ヒドロキシ
アルキルエステルを含む反応液を抜き出す。
【0041】図5は、ライン17からの反応液の一部を
ライン18および19により、それぞれ、反応器10お
よび11に循環する態様を示したものである。このよう
に、本発明においては、ライン17からの反応液の一
部、または反応液から目的生成物ヒドロキシアルキルエ
ステルを分離した残りを反応器10および/または反応
器11に循環して、反応液中の未反応物を再反応させて
もよい。例えば、反応液から未反応カルボン酸を分離
し、これを循環して、反応器10、および/または反応
器11に導入してもよいし、反応器10にはフレッシュ
原料カルボン酸のみを導入し、反応器11には回収カル
ボン酸(未反応カルボン酸)のみを導入してもよく、さ
らに回収カルボン酸とフレッシュカルボン酸を一度混合
してから、分割してそれぞれの反応器に投入してもよ
い。
【0042】本発明においては、得られた粗ヒドロキシ
アルキルエステルについて、必要に応じ、さらに精製を
行ってもよい。精製方法としては、特に限定されない
が、例えば、蒸留による精製が挙げられる。より具体的
には、例えば、汎用の蒸留塔、充填塔や泡鐘塔、多孔板
塔などの精留塔などを用いる蒸留が挙げられるが、特に
これらに限定されない。また、蒸留精製に他の精製手段
を併用してもよい。以上述べたように、本発明において
は、反応を通じてカルボン酸に対しアルキレンオキシド
が過剰の状態となるようにして反応を行う。このアルキ
レンオキシド過剰の状態は反応を通じて、すなわち、全
反応過程で維持されるのが好ましいが、本発明において
は、アルキレンオキシド過剰の状態は実質的に全反応過
程で維持されればよく、多数の反応器を使用する場合の
ように、実質的に反応が所定段階まで達した最終反応器
においてまでアルキレンオキシド過剰の状態が維持され
る必要は必ずしもない。
【0043】
【実施例】以下に本発明の実施例と比較例を具体的に説
明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではな
い。 [製造例1:アニオン交換樹脂の合成] (4−ブロモブトキシメチルスチレンの合成)300m
lの4ツ口フラスコに水酸化ナトリウム20g(0.5
mol)、水20mlを加え、攪拌して均一溶液とし
た。溶液温度を室温に戻した後、ビニルベンジルアルコ
ール(m体およびp体の混合物)13.42g(0.1
mol)、1,4−ジブロモブタン32.39g(0.
15mol)、テトラブチルアンモニウムブロマイド
3.22g(0.01mol)をトルエン100mlに
溶解し、添加した。この混合溶液を激しく攪拌しなが
ら、40℃で6時間反応させた。反応後、溶液を分離
し、水で十分洗浄した。この有機層に硫酸マグネシウム
を加えて乾燥した後、トルエンを減圧下で留去して得た
溶液をDPPH(ジフェニルピクリル−2−ヒドラジ
ル)存在下で真空蒸留(沸点:125〜128℃/16
Pa)して、4−ブロモブトキシメチルスチレンの無色
透明液を得た。収量は15.0g、収率は56モル%で
あった。
【0044】(アニオン交換樹脂の合成)窒素ガス導入
管、冷却管を備えた500mlの4ツ口フラスコに脱塩
水200ml、2重量%ポリビニルアルコール水溶液5
0mlを加え、窒素を導入し、溶存酸素を除去した。一
方、4−ブロモブトキシメチルスチレン46.4g、ジ
ビニルベンゼン1.72g(工業用、純度56重量
%)、および、AIBN0.4gを溶解したモノマー層
を調製し、水層と同様、溶存酸素を除去した。モノマー
溶液をフラスコに入れ、150rpmで攪拌し、モノマ
ーの液滴を形成した。室温で30分攪拌後、70℃で1
8時間攪拌した。重合後、ポリマーを取り出し、樹脂を
水洗後、メタノールで3回洗浄した。重合収率は93%
で、仕込み架橋度4モル%の淡黄色透明球状の樹脂を得
た。
【0045】次に、冷却管を備えた500mlの4ツ口
フラスコに、上記樹脂を入れ、メタノール500mlを
加え、室温で攪拌した。この溶液に30重量%トリメチ
ルアミン水溶液200mlを加え、50℃で10時間反
応を行ってトリメチルアンモニウム基を導入した。反応
後、ポリマーを取り出し、十分水洗した。このアニオン
交換樹脂の対イオンを臭化物イオンから塩化物イオン
(Cl形)に変換するため、樹脂量に対して10倍量の
4重量%塩化ナトリウム水溶液を通液した。Cl形の樹
脂の下記性能を測定した。なお、平均粒子径は750μ
mであった。 中性塩分解容量 3.42meq/g(0.832meq/ml) 水分含有率 57.0重量% 耐熱温度 80℃ なお、上記性能の測定にあたっては、「ダイヤイオンイ
オン交換樹脂、合成吸着剤マニュアル」(三菱化学発
行)によった。但し、耐熱温度については、本明細書記
載の方法によった。
【0046】[実施例1]温度計、加熱冷却装置、安全
弁、および、攪拌装置を備えた1Lオートクレーブに、
触媒として製造例1で得られた水膨潤状態の塩基性アニ
オン交換樹脂(ふるいにより平均粒子径を590μmと
した。また、浸漬テスト後、48mesh(タイラー呼
称:櫛目の開きの大きさ297μm)のふるいを通過し
ない割合は98vol%(通過する割合は2vol%)
であった。さらに、磨耗テスト後、48mesh(タイ
ラー呼称:櫛目の開きの大きさ297μm)のふるいを
通過しない割合は98vol%であった。)を400m
l、重合防止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテ
ルを5g、および、アクリル酸を投入して合計600m
lとした。これを70℃に加熱した後、オートクレーブ
内の空間部を窒素ガスで置換した。その後、エチレンオ
キシド101g/h、および、ハイドロキノンモノメチ
ルエーテル1.0重量%を含有したアクリル酸を109
g/hの速度で連続的に投入した(エチレンオキシド/
アクリル酸=1.5(モル比))。反応中はオートクレ
ーブ内の液面が一定となるように、連続的に反応液を抜
き出した。
【0047】定常状態で得られた反応液をガスクロマト
グラフィーで分析したところ、 アクリル酸転化率 86モル% エチレンオキシド転化率 58モル% エチレンオキシド/アクリル酸のモル比 4.7 ジエチレングリコールモノアクリレート選択率 (アクリル酸の転化率を基準とする。以下同じ) 1.7モル% ジエステル選択率 (アクリル酸の転化率を基準とする。以下同じ) 0.18モル% であった。
【0048】また、反応液に着色は見られなかった。 [実施例2]実施例1で使用したのと同じ1Lオートク
レーブ2基に、触媒として、実施例1で使用したのと同
じ、製造例1で得られた水膨潤状態の塩基性アニオン交
換樹脂を用いた。1基目は、樹脂を400ml、重合防
止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテルを5g、
および、アクリル酸を投入して合計600mlとした。
また、2基目には、樹脂を320ml、重合防止剤とし
てハイドロキノンモノメチルエーテルを5g、および、
アクリル酸を投入して合計480mlとした。これを7
0℃に加熱した後、それぞれのオートクレーブ内の空間
部を窒素ガスで置換した。1槽目には、実施例1と同様
に、エチレンオキシド101g/h、および、ハイドロ
キノンモノメチルエーテル1.0重量%を含有したアク
リル酸を109g/hの速度で連続的に投入した(エチ
レンオキシド/アクリル酸=1.5(モル比))。反応
中はオートクレーブ内の液面が一定となるように、連続
的に反応液を抜き出した。2槽目には、この抜き出した
反応液、および、ハイドロキノンモノメチルエーテル
1.0重量%を含有したアクリル酸(41g/h)を投
入した。反応中はオートクレーブ内の液面が一定となる
ように、連続的に反応液を抜き出した。
【0049】定常状態で得られた反応液をガスクロマト
グラフィーで分析したところ、 1槽目の出口液は、 アクリル酸転化率 86モル% エチレンオキシド転化率 58モル% エチレンオキシド/アクリル酸のモル比 4.7 ジエチレングリコールモノアクリレート選択率 1.7モル% ジエステル選択率 0.18モル% 2槽目の出口液は、 アクリル酸転化率 83モル% エチレンオキシド転化率 75モル% エチレンオキシド/アクリル酸のモル比 1.6 ジエチレングリコールモノアクリレート選択率 1.7モル% ジエステル選択率 0.21モル% であった。
【0050】また、反応液に着色は見られなかった。 [比較例1]実施例1で使用したのと同じ1Lオートク
レーブに、触媒として、実施例1で使用したのと同じ、
製造例1で得られた水膨潤状態の塩基性アニオン交換樹
脂を400ml、重合防止剤としてハイドロキノンモノ
メチルエーテルを5g、および、アクリル酸を投入して
合計600mlとした。これを70℃に加熱した後、オ
ートクレーブ内の空間部を窒素ガスで置換した。その
後、エチレンオキシド82g/h、および、ハイドロキ
ノンモノメチルエーテル1.0重量%を含有したアクリ
ル酸を133g/hの速度で連続的に投入した(エチレ
ンオキシド/アクリル酸=1.01(モル比))。反応
中はオートクレーブ内の液面が一定となるように、連続
的に反応液を抜き出した。
【0051】定常状態で得られた反応液をガスクロマト
グラフィーで分析したところ、 アクリル酸転化率 63モル% エチレンオキシド転化率 65モル% エチレンオキシド/アクリル酸のモル比 0.95 ジエチレングリコールモノアクリレート選択率 3.7モル% ジエステル選択率 0.56モル% であった。反応液に着色は見られなかったが、実施例1
に比べて、原料の添加率が低下し、また、ジエチレング
リコールモノアクリレート選択率とジエステルの選択率
が増加していることがわかった。
【0052】[実施例3]実施例1で使用したのと同じ
1Lオートクレーブに、触媒として、実施例1で使用し
たのと同じ、製造例1で得られた水膨潤状態の塩基性ア
ニオン交換樹脂を400ml、重合防止剤としてハイド
ロキノンモノメチルエーテルを5g、および、アクリル
酸を投入して合計600mlとした。これを70℃に加
熱した後、オートクレーブ内の空間部を窒素ガスで置換
した。その後、エチレンオキシド187g/h、およ
び、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.0重量%を
含有したアクリル酸を236g/hの速度で連続的に投
入した(エチレンオキシド/アクリル酸=1.3(モル
比))。反応中はオートクレーブ内の液面が一定となる
ように、連続的に反応液を抜き出した。
【0053】定常状態で得られた反応液をガスクロマト
グラフィーで分析したところ、 アクリル酸転化率 67モル% エチレンオキシド転化率 52モル% エチレンオキシド/アクリル酸のモル比 1.9 ジエチレングリコールモノアクリレート選択率 1.6モル% ジエステル選択率 0.15モル% であった。また、反応液に着色は見られなかった。
【0054】[実施例4]実施例1で使用したのと同じ
1Lオートクレーブに、触媒として、水膨潤状態の塩基
性アニオン交換樹脂であるSA10A(三菱化学社製、
耐熱温度60℃、平均粒子径490μm、浸漬テスト
後、48mesh(タイラー呼称:櫛目の開きの大きさ
297μm)のふるいを通過しない割合は98vol%
(通過する割合は2vol%)であった。また、磨耗テ
スト後、48mesh(タイラー呼称:櫛目の開きの大
きさ297μm)のふるいを通過しない割合は93vo
l%であった。)を400ml、重合防止剤としてハイ
ドロキノンモノメチルエーテルを5g、および、アクリ
ル酸を投入して合計600mlとした。これを70℃に
加熱した後、オートクレーブ内の空間部を窒素ガスで置
換した。その後、エチレンオキシド101g/h、およ
び、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.0重量%を
含有したアクリル酸を109g/hの速度で連続的に投
入した(エチレンオキシド/アクリル酸=1.5(モル
比))。反応中はオートクレーブ内の液面が一定となる
ように、連続的に反応液を抜き出した。
【0055】定常状態で得られた反応液をガスクロマト
グラフィーで分析したところ、 アクリル酸転化率 80モル% エチレンオキシド転化率 53モル% エチレンオキシド/アクリル酸のモル比 3.5 ジエチレングリコールモノアクリレート選択率 1.6モル% ジエステル選択率 0.18モル% であった。反応液にごく若干の黄色着色が認められたも
のの、ジエチレングリコールモノアクリレート選択率、
ジエステル選択率ともに低い結果が得られた。
【0056】[実施例5]SUS316製反応管(内径
8mm、長さ10m)に水湿潤状態のアニオン交換樹脂
PA316(三菱化学社製、耐熱温度60℃、平均粒子
径750μm、浸漬テスト後、48mesh(タイラー
呼称:櫛目の開きの大きさ297μm)のふるいを通過
しない割合は98.5vol%(通過する割合は1.5
vol%)であった。また、磨耗テスト後、48mes
h(タイラー呼称:櫛目の開きの大きさ297μm)の
ふるいを通過しない割合は92vol%であった。)を
充填し、反応管の両端には樹脂が系外へ流出しないよう
にSUS316製の金網を設置した。また、この反応管
の上端(反応管出口側)には、反応管内の圧力を約0.
7MPaに保つように背圧弁を設置し、この反応管を7
0℃のオイルバスに浸漬した。次に、定量ポンプを用い
てエチレンオキシド、および、ハイドロキノンモノメチ
ルエーテル1.0重量%を含有したアクリル酸(エチレ
ンオキシド/アクリル酸=1.05(モル比))を線速
4m/hで反応管に供給したが、アクリル酸については
2分割して、その75重量%を反応管入口に、また、残
りの25重量%を反応管入口から2.5mのところに投
入した。
【0057】反応管の出口組成が一定となるまで通液を
続けた後、この反応管の出口から流出する反応生成物を
ガスクロマトグラフィーで分析したところ、 アクリル酸転化率 87モル% エチレンオキシド転化率 82モル% エチレンオキシド/アクリル酸のモル比 2.3 ジエチレングリコールモノアクリレート選択率 1.4モル% ジエステル選択率 0.24モル% であった。
【0058】反応液にはごくわずかに着色が認められた
ものの、ジエチレングリコールモノアクリレート選択
率、ジエステル選択率ともに低い結果が得られた。 [実施例6]実施例5において、アクリル酸を3分割
し、その55重量%を反応管入口に、残りの30重量%
および15重量%を、それぞれ、反応管入口から2.5
mおよび5.0mのところで投入した以外は、実施例5
と同様に反応を行った。反応管の出口組成が一定となる
まで通液を続けた後、この反応管の出口から流出する反
応生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、 アクリル酸転化率 89モル% エチレンオキシド転化率 84モル% エチレンオキシド/アクリル酸のモル比 2.4 ジエチレングリコールモノアクリレート選択率 1.3モル% ジエステル選択率 0.20モル% であった。
【0059】反応液にはごくわずかに着色が認められた
ものの、ジエチレングリコールモノアクリレート選択
率、ジエステル選択率ともに低い結果が得られた。 [実施例7]実施例5において、アクリル酸を分割する
ことなく、その全量を反応管入口から導入した以外は、
実施例5と同様に反応を行った。反応管の出口組成が一
定となるまで通液を続けた後、この反応管の出口から流
出する反応生成物をガスクロマトグラフィーで分析した
ところ、 アクリル酸転化率 75モル% エチレンオキシド転化率 72モル% エチレンオキシド/アクリル酸のモル比 1.8 ジエチレングリコールモノアクリレート選択率 2.6モル% ジエステル選択率 0.40モル% であった。
【0060】反応液にはごくわずかに着色が認められた
ものの、ジエチレングリコールモノアクリレート選択
率、ジエステル選択率ともに低い結果が得られた。 [実施例8]温度計、加熱冷却装置および攪拌装置を備
えた2Lオートクレーブ2基を用いた。各反応器にそれ
ぞれ、触媒として水湿潤状態のアニオン交換樹脂PA3
16(三菱化学(株)製DIAION)を370g、お
よび、アクリル酸428g、ハイドロキノンモノメチル
エーテル5gを仕込み、これを70℃に加熱した。各反
応器内の空間部を窒素で置換した。エチレンオキシド
と、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.0重量%を
含有したアクリル酸とをモル比(エチレンオキシド/ア
クリル酸)1.1で供給するが、アクリル酸について
は、2分割し、その75重量%を第1反応器にエチレン
オキシド全量(4モル/時間)とともに導入し、残りの
25重量%を第2反応器に、定量ポンプを用いて連続的
に供給した。各反応器ともに反応中は液面が一定となる
ように、連続的に反応液を抜き出した。
【0061】第2反応器の出口組成が一定となるまでエ
チレンオキシドとアクリル酸を供給し続けた後、この第
2反応器の出口から流出する反応生成物をガスクロマト
グラフィーで分析したところ、 アクリル酸転化率 88モル% エチレンオキシド転化率 80モル% エチレンオキシド/アクリル酸のモル比 2.8 ジエチレングリコールモノアクリレート選択率 1.6モル% ジエステル選択率 0.23モル% であった。
【0062】反応液にはごくわずかに着色が認められた
ものの、ジエチレングリコールモノアクリレート選択
率、ジエステル選択率ともに低い結果が得られた。 [実施例9]実施例8において、アクリル酸を分割する
ことなく、その全量を第1反応器に導入した以外は、実
施例8と同様に反応を行った。第2反応器の出口組成が
一定となるまでエチレンオキシドとアクリル酸を供給し
続けた後、この第2反応器の出口から流出する反応生成
物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、 アクリル酸転化率 74モル% エチレンオキシド転化率 69モル% エチレンオキシド/アクリル酸のモル比 1.9 ジエチレングリコールモノアクリレート選択率 3.0モル% ジエステル選択率 0.34モル% であった。
【0063】反応液にはごくわずかに着色が認められた
ものの、ジエチレングリコールモノアクリレート選択
率、ジエステル選択率ともに低い結果が得られた。
【0064】
【発明の効果】本発明の方法によれば、カルボン酸とア
ルキレンオキシドを反応させてヒドロキシアルキルエス
テルを製造するプロセスにおいて、反応の転化率や選択
率を十分に高めることができる。さらに、アルキレング
リコールジエステル、ジアルキレングリコールモノエス
テルなどの副生を効果的に抑制することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 単一の槽型反応器を用いた本発明の一つの実
施態様を示した説明図である。
【図2】 2つの槽型反応器を用いた本発明の他の実施
態様を示した説明図である。
【図3】 単一の管型反応器を用いた本発明の他の実施
態様を示した説明図である。
【図4】 2つの管型反応器を用いた本発明の他の実施
態様を示した説明図である。
【図5】 反応液の一部を循環する本発明の他の実施態
様を示した説明図である。
【符号の説明】
1、2 槽型反応器 3〜8 ライン 10、11 管型反応器 12〜19 ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渋沢 文生 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 (72)発明者 梶原 徹也 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 (72)発明者 松本 初 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 (72)発明者 米田 幸弘 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 (72)発明者 上岡 正敏 大阪市中央区高麗橋4丁目1番1号 株式 会社日本触媒内 Fターム(参考) 4G069 AA02 BA23A BA23B BA47A CB25 CB70 CB75 EA02X EA02Y EB18X EB18Y EC27 ED03 ED06 4H006 AA02 AC41 AC48 BA14 BA19 BA32 BA37 BA45 BA94 BN10 KA19 4H039 CA60 CA66 CF90

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒の存在下でカルボン酸とアルキレンオ
    キシドを反応させてヒドロキシアルキルエステルを製造
    する方法において、当該反応液中のカルボン酸のモル濃
    度をaモル%、アルキレンオキシドのモル濃度をbモル
    %とした時に、反応を通じてa<bなる関係を維持する
    ように反応を行うことを特徴とする、ヒドロキシアルキ
    ルエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】アルキレンオキシドの転化率を10〜98
    モル%に維持し、かつ、カルボン酸の転化率を70〜9
    9モル%に維持しながら連続的に反応を行う、請求項1
    に記載のヒドロキシアルキルエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】未反応のアルキレンオキシド、および/ま
    たは、未反応のカルボン酸を回収し、ヒドロキシアルキ
    ルエステルの反応原料として再利用する、請求項2に記
    載のヒドロキシアルキルエステルの製造方法。
  4. 【請求項4】前記触媒が塩基性樹脂である、請求項1か
    ら3までのいずれかに記載のヒドロキシアルキルエステ
    ルの製造方法。
  5. 【請求項5】前記塩基性樹脂の耐熱温度が70℃以上で
    ある、請求項4に記載のヒドロキシアルキルエステルの
    製造方法。
  6. 【請求項6】前記塩基性樹脂の浸漬テストにより得られ
    る水膨潤状態の触媒のうち、48mesh(タイラー呼
    称:櫛目の開きの大きさ297μm)のふるいを通過で
    きない触媒が、テスト前の水膨潤状態の触媒の80vo
    l%以上である、請求項4または5に記載のヒドロキシ
    アルキルエステルの製造方法。
  7. 【請求項7】前記塩基性樹脂の磨耗テストにより得られ
    る水膨潤状態の触媒のうち、48mesh(タイラー呼
    称:櫛目の開きの大きさ297μm)のふるいを通過で
    きない触媒が、テスト前の水膨潤状態の触媒の80vo
    l%以上である、請求項4から6までのいずれかに記載
    のヒドロキシアルキルエステルの製造方法。
  8. 【請求項8】前記塩基性樹脂の溶媒置換テストにより得
    られる溶媒膨潤状態の触媒のうち、亀裂樹脂の割合が5
    0%以下である、請求項4から7までのいずれかに記載
    のヒドロキシアルキルエステルの製造方法。
  9. 【請求項9】カルボン酸を2つ以上に分割して反応器に
    供給する、請求項1から8までのいずれかに記載のヒド
    ロキシアルキルエステルの製造方法。
  10. 【請求項10】1つの反応器を用い、カルボン酸を2つ
    以上に分割して反応器に供給する、請求項9に記載のヒ
    ドロキシアルキルエステルの製造方法。
  11. 【請求項11】2つ以上の反応器を用い、各反応器にカ
    ルボン酸を分割して供給する、請求項9に記載のヒドロ
    キシアルキルエステルの製造方法。
  12. 【請求項12】出発原料としてのカルボン酸およびアル
    キレンオキシドを、カルボン酸1モルに対してアルキレ
    ンオキシドを1モル以上となる割合で用いる、請求項1
    から11までのいずれかに記載のヒドロキシアルキルエ
    ステルの製造方法。
  13. 【請求項13】前記カルボン酸が(メタ)アクリル酸で
    ある、請求項1から12までのいずれかに記載のヒドロ
    キシアルキルエステルの製造方法。
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