JP4634582B2 - ヒドロキシアルキルエステルの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カルボン酸とアルキレンオキシドを反応させてヒドロキシアルキルエステルを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カルボン酸とアルキレンオキシドを反応させてヒドロキシアルキルエステルを製造するプロセスにおいて、従来の方法では、例えば、アルキレングリコールジカルボキシレートやジアルキレングリコールモノカルボキシレートなどが副生する等、反応の転化率や選択率に問題があった。そこで、これら反応の転化率や選択率を高くするために種々の検討がなされてきた。
例えば、アルキレンオキシドを(メタ)アクリル酸よりも過剰モル量反応器に供給することにより、副生成物の生成を抑え、反応の転化率、選択率が高まることが知られている(特公昭41−13019号公報、特公昭43−18890号公報等)。また、特公昭64−6182号公報では、メタホウ酸をクロム触媒と共に用いることにより反応の選択率を向上させる方法が、また、特開昭51−133227号公報では所望のエステルよりも高い沸点を有するプロトン酸の存在下に反応を行うことが、特開昭61−27945号公報では、触媒として3価のクロム化合物を触媒として用い、反応終了時において反応液の可視吸収スペクトルで500nm以上の波長域における最大吸光度を示す波長が575nmよりも大きな波長となるようにして反応を実施することが開示されている。
【0003】
しかしながら、これら従来の方法では、反応の転化率や選択率の向上は十分なものとはいえなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明が解決しようとする課題は、カルボン酸とアルキレンオキシドを反応させてヒドロキシアルキルエステルを製造するプロセスにおいて、反応の転化率や選択率を十分に高めることができる方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、カルボン酸とアルキレンオキシドの原料としての仕込み比ではなく、実際の反応液中のカルボン酸とアルキレンオキシドのモル濃度を、反応を通じて一定の関係に制御することにより、反応の選択率が十分に高まり、且つ、反応の転化率も高まることを見つけた。本発明はこのようにして完成された。
すなわち、本発明に係るヒドロキシアルキルエステルの製造方法は、触媒の存在下でカルボン酸とアルキレンオキシドを反応させてヒドロキシアルキルエステルを製造する方法において、カルボン酸を2つ以上に分割して下記いずれかの形態で順次、反応器に供給することにより、カルボン酸の一部とアルキレンオキシドの反応液に残りのカルボン酸を順次導入しさらに反応を進めるようにすること、ならびに、当該反応液中のカルボン酸のモル濃度をaモル%、アルキレンオキシドのモル濃度をbモル%とした時に、反応を通じてa<bなる関係を維持するように反応を行うことを特徴とする。
(1)反応器が1つの場合であって、カルボン酸の一部をあらかじめ反応器に仕込み、アルキレンオキシドの全量を供給して反応を進めたのち、残りのカルボン酸を場合によってはさらに分割して導入するようにする。
(2)単一の管型反応器を用いて反応を連続的に行なわせる場合であって、分割したカルボン酸を反応器の入口側から出口側に向かう異なる位置で反応器に導入するようにする。
(3)複数の反応器を用いて反応を連続的に行なわせる場合であって、分割したカルボン酸を入口側から出口側に向かう異なる反応器に順次投入するようにする。
【0006】
【発明の実施の形態】
初めに、本発明に係る特徴的な製造方法を好ましく適用することができるヒドロキシアルキルエステルの製造プロセスの概略を説明する。
まず、カルボン酸とアルキレンオキシドとを、触媒の存在下で付加反応させる。この付加反応は反応率が100%に満たないことが多く、反応終了時の反応液中には未反応のカルボン酸やアルキレンオキシド等が残存する場合が一般的である。そこで、上記の反応液は、これら未反応原料等を反応液中から除去するための工程へと導かれる。そして、続く最終段階として、蒸留等による精製が行われて、目的のヒドロキシアルキルエステルが得られる。
【0007】
以下、本発明の特徴である、カルボン酸とアルキレンオキシドとの、触媒の存在下での付加反応工程について説明する。
本発明を実施するにあたり、上記カルボン酸とアルキレンオキシドとの反応における原料の仕込み量は、カルボン酸1モルに対して、アルキレンオキシドが1モル以上が好ましい範囲であり、より好ましくは1.0〜5.0モル、さらに好ましくは1.0〜3.0モル、さらにより好ましくは1.0〜2.0モルである。アルキレンオキシドの仕込み量が1.0モル未満の場合には、反応率が低下し、副生成物が増加するので好ましくない。また、アルキレンオキシドの仕込み量が多すぎると、特に、5モルを超えると、経済的に好ましくない。
【0008】
本発明において用いることが出来るカルボン酸は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、安息香酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられるが、特に好ましくは、アクリル酸とメタクリル酸(これらを併せて(メタ)アクリル酸と称す)である。また、本発明において用いることが出来るアルキレンオキシドは、好ましくは炭素数2〜6、より好ましくは炭素数2〜4のアルキレンオキシドであり、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドが挙げられ、好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシドであり、特に好ましくはエチレンオキシドである。
【0009】
本発明において、触媒の存在下におけるカルボン酸とアルキレンオキシドとの反応は、この種の反応に一般的に用いられている方法に従って行うことができる。
例えば、バッチ式で反応を行う場合、カルボン酸中に液状のアルキレンオキシドを導入して行われる。カルボン酸が固体の場合、溶媒中にカルボン酸を溶解させてからアルキレンオキシドを導入してもよい。この際、アルキレンオキシドは、一括して、あるいは連続的にまたは間欠的に添加してもよい。そして連続的または間欠的に添加する場合、この種の反応においてよく行われるように、アルキレンオキシド導入後も反応を継続させて、いわゆる熟成を行い、反応を完結させることもできる。また、カルボン酸も初期に一度に仕込む必要は必ずしもなく、いくつかに分割して投入することもできる。
【0010】
また、連続式で反応を行う場合には、カルボン酸と液状のアルキレンオキシドを管型、槽型などの反応器内に連続的に投入し、連続的に反応液を反応器から抜き出して行われる。この際、触媒は、原料とともに連続的に供給し、反応液とともに連続的に抜き出してもよいし、管型などの反応器の場合には、固体触媒を反応器内に充填して使用する、いわゆる固定床形式で使用してもよい。また、槽型の反応器の場合には、固体触媒を反応器内で反応液とともに流動させて使用する、いわゆる流動床形式で使用してもよい。また、これら連続反応の場合には、反応液の一部を循環させる形態をとってもよい。
【0011】
原料カルボン酸と原料アルキレンオキシドの反応器への投入については、それぞれ別々の投入ラインから投入してもよいし、反応器へ投入する前に、配管、又は、ラインミキサー、ミキシングタンクなどで予め混合してから投入してもよい。また、反応器出口液を反応器入口へ循環させる場合や、未反応のアルキレンオキシドや未反応のカルボン酸を回収再利用する場合には、これらの液を原料カルボン酸、原料アルキレンオキシドと混合してから反応器へ投入してもよい。しかし、カルボン酸とアルキレンオキシドを別々の投入ラインから反応液中に投入した場合、カルボン酸の投入口付近では反応液中のモル比がカルボン酸過剰になるので、好ましくは、反応器へ投入する前に、それぞれの原料を配管などで予め混合してから投入するのがよい。
【0012】
反応温度は、通常、40〜130℃の範囲で行うことが好ましく、より好ましくは50〜100℃の範囲である。反応温度が40℃よりも低ければ、反応の進行が遅くなって実用レベルから離れてしまい、一方、反応温度が130℃よりも高ければ、副生成物が多くなったり、原料であるカルボン酸が不飽和二重結合を有していると、そのカルボン酸や生成物であるヒドロキシアルキルエステルの重合等が起こるので好ましくない。
また、この反応において反応を温和に進行させることなどを目的として、溶媒中で反応を行ってもよい。溶媒としては、トルエン、キシレン、ヘプタン、オクタンなどの一般的なものを用いることができる。反応時の系内圧力は、使用する原料の種類や混合比にもよるが、一般には加圧下で行われる。
【0013】
また、反応の際には、一般に用いられている重合防止剤を使用することができる。重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、ハイドロキノンモノメチルエーテル等のフェノール化合物;N−イソプロピル−N’−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−パラ−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−パラ−フェニレンジアミン等のパラフェニレンジアミン類;チオジフェニルアミン、フェノチアジン等のアミン化合物;ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸銅等のジアルキルジチオカルバミン酸銅塩類;ニトロソジフェニルアミン、亜硝酸イソアミル、N−ニトロソ−シクロヘキシルヒドロキシルアミン、N−ニトロソ−N−フェニル−N−ヒドロキシルアミン又はその塩等のニトロソ化合物;2,2,4,4−テトラメチルアゼチジン−1−オキシル、2,2−ジメチル−4,4−ジプロピルアゼチジン−1−オキシル、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル、2,2,5,5−テトラメチル−3−オキソピロリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、6−アザ−7,7−ジメチル−スピロ(4,5)デカン−6−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−4−アセトキシピペリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−4−ベンゾイルオキシピペリジン−1−オキシル等のN−オキシル化合物などが例示される。重合防止剤の添加量は、カルボン酸に対して0.0001〜1重量%が好ましく、より好ましくは0.001〜0.5重量%である。
【0014】
本発明に係る製造方法においては、上記反応液中のカルボン酸のモル濃度をaモル%、アルキレンオキシドのモル濃度をbモル%とした時に、反応を通じてa<bなる関係を維持するように反応を行うことを特徴とする。このように反応を通じてa<bなる関係を維持するように反応を制御することにより、反応の選択率が十分に高まり、且つ、反応の転化率も高まる。反応を通じてa<bなる関係を維持するように反応を制御するための方法は特に限定されないが、例えば、後述するように、原料カルボン酸を分割して投入し、反応液中のモル濃度をa<bなる関係に維持する方法などが挙げられる。また、反応液中に水が存在すると、アルキレンオキシドがアルキレングリコールとなり消費されるため、反応液中のカルボン酸の消費に比べてアルキレンオキシドの消費が多くなるため、反応液中のモル濃度をa<bなる関係に維持することができなくなる。そこで、反応液中の水分濃度を低く抑えることで、例えば、5重量%以下に抑えることで、実質的にアルキレングリコールの生成は無視できる水準とし、反応液中のモル濃度をa<bなる関係に維持する方法が挙げられる。反応を通じてa<bなる関係が維持できない場合は、反応の副生成物が増加し、転化率や選択率が低下するので好ましくない。
【0015】
なお、単に原料アルキレンオキシドの仕込みモル量を原料カルボン酸の仕込みモル量より過剰としただけでは、反応を通じて上記a<bなる関係を必ずしも維持することはできない(特公平6−720号公報)。
また、上述のように、本発明に係る製造方法においては、上記反応液中のカルボン酸のモル濃度をaモル%、アルキレンオキシドのモル濃度をbモル%とした時に、反応を通じてa<bなる関係を維持するように反応を行うことを特徴とするが、バッチ式で反応を行う場合の前記「反応を通じて」とは、「設定のモル比まで原料が仕込まれた後の反応工程において」という意である。また、バッチ式で反応を行う場合は、反応液中のカルボン酸のモル濃度aモル%とアルキレンオキシドのモル濃度bモル%の関係をできるだけ早くa<bとするほうが好ましい形態であり、具体的には、全反応時間(アルキレンオキシドの投入開始から、アルキレンオキシド又はカルボン酸が設定の反応率に到達するまでの時間)に対する全アルキレンオキシドの投入時間の割合を70%以下とするのが好ましく、より好ましくは60%以下、さらに好ましくは50%以下である。
【0016】
本発明においては、上記のように、反応液中のカルボン酸のモル濃度をaモル%、アルキレンオキシドのモル濃度をbモル%とした時に、反応を通じてa<bなる関係を維持するように反応を行うことが好ましい形態であるが、この場合、アルキレンオキシドの転化率を10〜98モル%に維持し、かつ、カルボン酸の転化率を70〜99モル%に維持しながら連続的に反応を行うことがより好ましく、アルキレンオキシドの転化率を25〜98モル%に維持し、かつ、カルボン酸の転化率を70〜95モル%に維持しながら連続的に反応を行うことが特に好ましい。この時、原料は、連続的に投入してもよいし、間欠的に投入してもよい。アルキレンオキシドの転化率が10モル%未満、または、カルボン酸の転化率が70モル%未満の場合には、回収する原料が多くなり、経済的ではない。また、アルキレンオキシドの転化率が98モル%を超えると、または、カルボン酸の転化率が99モル%を超えると、アルキレングリコールジカルボキシレート(以下、ジエステルと略す)の生成が多くなるので好ましくない。
【0017】
本発明においては、さらに、未反応のアルキレンオキシド、および/または、未反応のカルボン酸を回収し、ヒドロキシアルキルエステルの反応原料として再利用してもよい。このように、未反応回収原料を反応原料に再利用することにより、製造コストの一層の低減化を図ることができる。なお、回収した未反応原料中にはヒドロキシアルキルエステルが含まれていてもよく、また、発生反応熱量の制御の面からヒドロキシアルキルエステルを回収原料と混合してから反応器へ投入してもよいが、反応器へ投入されるヒドロキシアルキルエステルの量が多くなると、ジエステルなどの副生物の生成量が多くなるため、回収原料中に含まれるヒドロキシアルキルエステルの量は、回収原料酸、および、フレッシュで投入される原料酸の総量に対して重量基準で4.0倍以下であることが好ましく、さらに好ましくは2.0倍以下である。より好ましくは1.0倍以下である。
【0018】
本発明に係る製造方法において、カルボン酸とアルキレンオキシドとの反応に用いる触媒については特に制限はなく、この種の反応に一般に用いられている触媒を使用することができる。具体的には、鉄粉、塩化第二鉄、ギ酸鉄、酢酸第二鉄、アクリル酸鉄、メタクリル酸鉄などの鉄化合物、重クロム酸ソーダ、塩化クロム、アセチルアセトンクロム、ギ酸クロム、酢酸クロム、アクリル酸クロム、メタクリル酸クロム、ジブチルジチオカルバミン酸クロムなどのクロム化合物、トリアルキルアミン類、4級アンモニウム基を持つイオン交換樹脂などのアミン類などから選ばれる1種または2種以上を挙げることができるが、中でも、塩基性樹脂を触媒として使用することが好ましい。この塩基性樹脂とは、塩基性官能基を有する、反応液に不溶の高分子化合物(例えば、分子量1000以上の化合物)であり、例えば、3級アミン化合物、4級アンモニウム塩、ピリジンなどの環状アミン化合物、スルフィド類などの塩基性官能基を有する高分子化合物であり、好ましくは塩基性アニオン交換樹脂、特に塩基性官能基としてアミノ基を有する塩基性アニオン交換樹脂が好ましい。また、前述の鉄化合物やクロム化合物などと併用してもよい。
【0019】
本発明において触媒として好ましく用いることができる塩基性樹脂は、耐熱温度が70℃以上であることが好ましい。ここで、耐熱温度とは、以下に説明する耐熱テストによる耐熱温度をいう。
すなわち、耐熱テストによる耐熱温度とは、カウンターアニオンがOH型の水膨潤状態の樹脂をステンレス製(SUS316)オートクレーブに入れ、樹脂体積の5倍量の酢酸を投入し、酸素5%、窒素95%の雰囲気下、試験温度にて6ヵ月間放置した場合の、樹脂の交換容量の低下が20%以上となる温度のことをいう。
【0020】
耐熱温度が70℃未満の場合は、反応の転化率や選択率を十分に高めるだけの反応温度条件を長期間実現することは難しい。また、塩基性樹脂として耐熱温度が70℃未満のトリメチルアンモニウム基を有する塩基性アニオン交換樹脂を使用して高温の反応条件下で反応を行った場合、反応の活性基として作用するトリメチルアンモニウム基の脱離が起こりやすく、反応時間の経過に伴って触媒活性が急激に低下してくる。しかも、反応生成物中に塩基性アニオン交換樹脂由来のトリメチルアミンが混入して汚染され、最終製品の色調悪化などの問題を引き起こす。
【0021】
本発明において塩基性樹脂を触媒として用いる場合は、用いる触媒の浸漬テストにより得られる水膨潤状態の触媒のうち、48mesh(タイラー呼称:櫛目の開きの大きさ297μm)のふるいを通過できない触媒が、テスト前の水膨潤状態の触媒の80vol%以上であることが好ましい。さらに好ましくは90vol%以上である。
言い換えれば、本発明において塩基性樹脂を触媒として用いる場合は、用いる触媒の浸漬テストにより得られる水膨潤状態の触媒のうち、48mesh(タイラー呼称:櫛目の開きの大きさ297μm)のふるいを通過できる触媒が、テスト前の水膨潤状態の触媒の20vol%未満であることが好ましく、10vol%未満であることがより好ましい。
【0022】
ここで浸漬テストとは以下のように行う。すなわち、まず、カウンターアニオンがOH型の水膨潤状態の樹脂を樹脂筒に詰め、樹脂筒の上部からヒドロキシエチルアクリレートを流し、樹脂に含浸している水をヒドロキシエチルアクリレートに置換する。次に、この樹脂をステンレス製のオートクレーブへ移し、この樹脂の2倍量のヒドロキシエチルアクリレートを投入する。そして、これらを、液の温度が均一になる程度に攪拌しながら90℃まで昇温した後、樹脂の5倍量の水を一度に投入する。溶液を冷却した後に樹脂を取り出し、これを樹脂筒に詰め、樹脂筒の上部から水を流し、含浸しているヒドロキシエチルアクリレートを水に置換する。これを48mesh(タイラー呼称:櫛目の開きの大きさ297μm)のふるいにかけ、これを通過しない割合(あるいは通過する割合)を測定することをいう。この際、ヒドロキシエチルアクリレートの重合を防止するために、適宜、重合防止剤を用いる。
【0023】
浸漬テストにより得られる水膨潤状態の触媒のうち、48mesh(タイラー呼称:櫛目の開きの大きさ297μm)のふるいを通過できない触媒が、テスト前の水膨潤状態の触媒の80vol%以上であれば、長期間の使用において、触媒の割れ、破砕といった問題が発生しないので、好ましい。48mesh(タイラー呼称:櫛目の開きの大きさ297μm)のふるいを通過できない触媒が、テスト前の水膨潤状態の触媒の80vol%より小さくなると、長期間の使用において、触媒の割れ、破砕といった問題が発生し、触媒のブロッキングが起こりやすくなり、反応活性の低下を招く。また、この触媒を反応管に充填して使用している場合、圧力損失が大きくなり、通液性が悪化する。一方、これらを攪拌機が設置された槽型の反応器で使用していると、反応釜壁面への触媒の付着が起こり、触媒のロスとなり、反応活性の低下を招く。
【0024】
本発明において塩基性樹脂を触媒として用いる場合は、用いる触媒の磨耗テストにより得られる水膨潤状態の触媒のうち、48mesh(タイラー呼称:櫛目の開きの大きさ297μm)のふるいを通過できない触媒が、テスト前の水膨潤状態の80vol%以上であることが好ましい。さらに好ましくは90vol%以上である。
ここで磨耗テストとは以下のように行う。すなわち、まず、カウンターアニオンがCl型の水膨潤状態の樹脂300mlを、攪拌器付きの2L(内径120mm)のSUS316製オートクレーブに、水300mlと共に投入する。攪拌羽根は平板6枚羽根(傾斜なし、SUS316製、羽根直径85mm、羽根高さ15mm)を使用し、室温下で900rpmで15時間攪拌する。この時、樹脂が壁面やフタの部分へ飛び散らないように、適当な内ブタを液面付近の上部に設置する。この樹脂を取り出し、これを48mesh(タイラー呼称:櫛目の開きの大きさ297μm)のふるいにかけ、これを通過しない割合を測定することをいう。
【0025】
磨耗テストにより得られる水膨潤状態の触媒のうち、48mesh(タイラー呼称:櫛目の開きの大きさ297μm)のふるいを通過できない触媒が、テスト前の水膨潤状態の80vol%以上であれば、長期間の使用において、触媒の磨耗、破砕といった問題が発生しないので、好ましい。48mesh(タイラー呼称:櫛目の開きの大きさ297μm)のふるいを通過できない触媒が、テスト前の水膨潤状態の80vol%より小さくなると、長期間の使用において、触媒の磨耗による反応活性の低下を招く。また、触媒の磨耗片が次工程に持ち込まれることにより配管を閉塞したり、精製工程において副生物を生成したりする。
【0026】
本発明において触媒として好ましく用いることができる塩基性樹脂は、平均粒子径が300μm以上5000μm以下であることが好ましい。
上記平均粒子径の範囲が300μm以上5000μm以下の範囲を外れると、具体的には、300μm未満の場合は、前述と同様に反応活性の低下を招き、5000μmを超えると樹脂の表面積の低下による反応活性の低下が起こるので、好ましくない。さらに好ましい平均粒子径の範囲は、400μm以上2000μm以下である。
なお、樹脂の平均粒子径、粒度の測定は、ダイヤイオンイオン交換樹脂、合成吸着剤マニュアル(三菱化学発行)に従った。
【0027】
本発明において触媒として好ましく用いることができる塩基性樹脂は、その溶媒置換テストにより得られる溶媒膨潤状態の触媒のうち、亀裂樹脂の割合が50%以下であることが好ましい。
ここで溶媒置換テストとは以下のように行う。すなわち、カウンターアニオンがOH型の水膨潤状態の樹脂を容器に取り、樹脂の5倍量のアクリル酸を投入し、攪拌棒により数分攪拌する。濾紙により液を分離した後、この樹脂を再度容器に投入し、樹脂の5倍量の水を投入し、攪拌棒により数分攪拌する。濾紙により液を分離した後、この樹脂を光学顕微鏡(倍率:25倍)にて500個の樹脂を観察し、その内の亀裂や傷がある樹脂(これを亀裂樹脂と称す)の数をカウントし、その割合を測定する。
【0028】
上記亀裂樹脂の割合が50%以下であれば、長期間の使用における樹脂の強度低下による樹脂の割れ、破砕といった問題が発生しないので好ましい。この割合が50%を超えると、長期間の使用による樹脂の割れ、破砕、あるいは粉化といった問題が発生し、前述の浸漬テストと同様に反応活性の低下を招く。また、通常、反応を開始する前に、触媒である樹脂の含浸液は原料酸又は生成物であるヒドロキシアルキルエステル、およびその混合物により置き換える(乾燥樹脂の場合には湿潤させる)が、その際、樹脂が膨潤または収縮し、この時、この溶媒置換テストにおける亀裂樹脂の割合が50%を超えていると、樹脂が破砕することがある。
【0029】
本発明において使用する触媒は、好ましくは、塩基性アニオン交換樹脂であり、イオン交換容量が2.0meq/g−dry以上(OH型)、かつ、含水率が40重量%以上(OH型)である。
イオン交換容量とは、乾燥樹脂の単位重量当たりの交換容量を示し、また、この交換容量は、ダイヤイオンイオン交換樹脂、合成吸着剤マニュアル(三菱化学発行)に従って測定した。
含水率とは、単位含水樹脂中に含まれる水分の重量割合を示したものであり、ダイヤイオンイオン交換樹脂、合成吸着剤マニュアル(三菱化学発行)に従って測定した。
【0030】
イオン交換容量が2.0meq/g−dry未満(OH型)の場合は、十分な触媒活性が得られない。さらに、含水率が40重量%未満(OH型)の場合は、樹脂が十分に膨らまないので、高活性が期待し難い。
上記の本発明の実施に用いる触媒の量は特に限定されないが、不均一触媒でバッチ反応の場合には、原料カルボン酸に対して5〜50重量%の範囲で用いることが普通である。特に好ましくは、10〜30重量%の範囲で用いる。また、連続反応の場合で、槽型反応器などで流動床形式で使用する場合は、反応液の体積に対して、通常30〜90vol%、好ましくは50〜80vol%の範囲で用いる。また、管型反応器などで固定床形式で使用する場合には、液空間速度(LHSV:h-1)で好ましくは0.05〜15、より好ましくは0.2〜8の範囲で反応原料を含んだ液を通液する。一方、均一触媒の場合には、原料カルボン酸に対して、0.05〜10重量%の範囲で用いることが普通であり、特に好ましくは0.1〜3重量%の範囲で用いる。
【0031】
次に、本発明の製造方法の具体的な実施態様について、図1〜5に基づいて説明する。ただし、本発明の製造方法はこれらの実施態様に限定されるものではない。
図1は、単一の槽型反応器を用いた本発明の一つの実施態様を示した説明図である。図2は、2つの槽型反応器を用いた本発明の他の実施態様を示した説明図である。図3は、単一の管型反応器を用いた本発明の他の実施態様を示した説明図である。図4は、2つの管型反応器を用いた本発明の他の実施態様を示した説明図である。また、図5は、図4に示す態様において、反応液の一部を循環する態様を示した説明図である。以下、図1〜5に基づいて、本発明を詳細に説明する。
【0032】
図1においては、槽型反応器1にライン3および4から、それぞれ、アルキレンオキシドおよびカルボン酸を導入し、反応終了後、目的生成物ヒドロキシアルキルエステルを含む反応液をライン8から抜き出す。
図1の槽型反応器を用いた反応は種々の態様にしたがって行うことができる。例えば、アルキレンオキシドの全量をあらかじめ反応器1に仕込み、カルボン酸を少量ずつ連続的にライン4から導入する(態様(1))。また、アルキレンオキシドの全量をあらかじめ反応器1に仕込み、カルボン酸を2つ以上に分割して逐次的にライン4から導入する(態様(2))。さらに、カルボン酸の一部をあらかじめ反応器1に仕込み、次いでアルキレンオキシドの全量を供給した後、残りのカルボン酸を、場合によっては更に分割して、ライン4から導入する(態様(3))。
【0033】
お、反応系中のカルボン酸の滞留時間をできるだけ短くするという点からは、態様(1)においては、カルボン酸をできるだけ少量ずつ供給するのが好ましい。また、態様(2)および(3)においては、カルボン酸の分割数をできるだけ多くするのが好ましいが、2〜10、好ましくは2〜4に分割して供給すれば十分である。
【0034】
上記態様(3)について詳しく説明すると次のとおりである。すなわち、攪拌機および加熱・除熱用のジャケットを備えた反応器1に触媒と全仕込み量の半分のカルボン酸を仕込む。次いで、攪拌機を回転させながら、全仕込み量のアルキレンオキシドを投入する。このとき、いくらかの反応が進行し、反応熱が発生するため、ジャケットにより除熱を行うか、あるいは投入量を調整し、液温を一定に保つ。アルキレンオキシドの投入終了後、徐々に液温を設定温度まで上げる。昇温完了後、この温度を維持するように除熱しながら反応を進める。仕込みのカルボン酸の、例えば80重量%が反応した時点で、残りのカルボン酸のうち2/3に相当する量のカルボン酸を投入する。そして、反応温度を維持するように除熱しながら反応を進める。次いで、すでに仕込まれたカルボン酸の、例えば80重量%が反応した時点で、残りのカルボン酸を投入し、カルボン酸の総転化率が設定値に達したところで反応を終了する。
【0035】
図1に示す実施態様において、カルボン酸を2分割する場合、1回目に導入するカルボン酸の量は、全カルボン酸量の1/2以上、好ましくは1/2〜9/10とし、残りを2回目に導入するのが好ましい。3分割の場合には、1回目には全カルボン酸量の1/3以上、好ましくは1/3〜9/10、2回目には残りのカルボン酸の1/2以上、好ましくは1/2〜9/10、かつ1回目で導入したカルボン酸量よりも少なくするのが好ましい。また、3回目に導入するカルボン酸量は2回目に導入するカルボン酸量よりも少なくするのが好ましい。4分割以上の場合も、上記2分割および3分割と同様に分割するのがよい。
【0036】
図2においては、2つの槽型反応器1および2を用いて連続的に反応を行う。先ず、反応器1では、ライン3からライン5を経てアルキレンオキシドを、またライン4からのカルボン酸の一部をライン5から導入して反応を行う。次に、反応液をライン7を経て反応器2に導入し、ここでライン6からの、残りのカルボン酸を導入して、さらに反応を進めて、目的生成物ヒドロキシアルキルエステルを含む反応液をライン8から抜き出す。
複数の槽型反応器を用いて連続的に反応を行う場合、反応器の数は、装置コストという観点から、2〜10とするのが好ましく、さらに好ましくは2〜4である。なお、カルボン酸の分割については、前記図1の実施態様について説明したと同様に分割して、各反応器に導入するのが好ましい。
【0037】
図2の2つの反応器を用いた連続反応は種々の態様にしたがって行うことができるが、その一つについて詳しく説明すると次のとおりである。すなわち、攪拌機および加熱・冷却用のジャケットを備えた2基の反応器1および2に反応液に不溶な触媒(例えば、四級アンモニウム基を有するイオン交換樹脂)を所定の濃度で充填する。反応器1に全仕込み量のアルキレンオキシド、および全仕込み量の75重量%のカルボン酸を連続的に供給して反応を行わせる。次いで、反応器1からの反応液を、触媒を分離した後、ライン7から反応器2に供給する。この際、ライン7には、残りの25重量%のカルボン酸を供給する。そして、反応器2のライン8から触媒を分離した後の目的生成物ヒドロキシアルキルエステルを含む反応液を抜き出す。
【0038】
図3においては、単一の管型反応器を用いて連続的に反応を行う。すなわち、管型反応器10にライン12からアルキレンオキシドを導入し、またライン13から供給したカルボン酸を2分割して、それぞれ、ライン14および15から反応器10に導入する。そして、目的生成物ヒドロキシアルキルエステルを含む反応液はライン17から抜き出す。
カルボン酸の分割については、図1および2の実施態様で説明したと同じである。なお、分割したカルボン酸の管型反応器への導入位置については特に制限はなく、適宜、決定することができる。
【0039】
図4においては、2つの管型反応器10および11を用いて連続的に反応を行う。すなわち、反応器10では、ライン12からアルキレンオキシドの全量を、またライン13から供給したカルボン酸は2つに分割して、その一部をライン14から反応器10に導入する。次いで、反応器10からの反応液を反応器11にライン16から導入する。この際、残りのカルボン酸をライン15から供給する。
カルボン酸の分割の方法については、図1および2の実施態様で説明したと同じである。管型反応器の数は、通常、2〜4である。
【0040】
図4の2つの反応器を用いた連続反応は種々の態様にしたがって行うことができるが、その一つについて詳しく説明すると次のとおりである。すなわち、加熱・冷却用のジャケットを備えた縦型管型反応器10および11(いずれも両端にはフィルターが設置されている)に反応液に不溶な触媒(例えば、四級アンモニウム基を有するイオン交換樹脂)を充填する。反応器10に全仕込み量のアルキレンオキシド、および全仕込み量の75重量%のカルボン酸をライン14で混合した後、アップフローで連続的に供給する。反応器10からの反応液はライン16により反応器11に供給する。この際、ライン15から残りの25重量%のカルボン酸を投入し、ライン16内で混合した後、反応器11に供給する。反応器11のライン17から目的生成物ヒドロキシアルキルエステルを含む反応液を抜き出す。
【0041】
図5は、ライン17からの反応液の一部をライン18および19により、それぞれ、反応器10および11に循環する態様を示したものである。このように、本発明においては、ライン17からの反応液の一部、または反応液から目的生成物ヒドロキシアルキルエステルを分離した残りを反応器10および/または反応器11に循環して、反応液中の未反応物を再反応させてもよい。例えば、反応液から未反応カルボン酸を分離し、これを循環して、反応器10、および/または反応器11に導入してもよいし、反応器10にはフレッシュ原料カルボン酸のみを導入し、反応器11には回収カルボン酸(未反応カルボン酸)のみを導入してもよく、さらに回収カルボン酸とフレッシュカルボン酸を一度混合してから、分割してそれぞれの反応器に投入してもよい。
【0042】
本発明においては、得られた粗ヒドロキシアルキルエステルについて、必要に応じ、さらに精製を行ってもよい。精製方法としては、特に限定されないが、例えば、蒸留による精製が挙げられる。より具体的には、例えば、汎用の蒸留塔、充填塔や泡鐘塔、多孔板塔などの精留塔などを用いる蒸留が挙げられるが、特にこれらに限定されない。また、蒸留精製に他の精製手段を併用してもよい。
以上述べたように、本発明においては、反応を通じてカルボン酸に対しアルキレンオキシドが過剰の状態となるようにして反応を行う。このアルキレンオキシド過剰の状態は反応を通じて、すなわち、全反応過程で維持されるのが好ましいが、本発明においては、アルキレンオキシド過剰の状態は実質的に全反応過程で維持されればよく、多数の反応器を使用する場合のように、実質的に反応が所定段階まで達した最終反応器においてまでアルキレンオキシド過剰の状態が維持される必要は必ずしもない。
【0043】
【実施例】
以下に本発明の実施例と比較例を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[製造例1:アニオン交換樹脂の合成]
(4−ブロモブトキシメチルスチレンの合成)
300mlの4ツ口フラスコに水酸化ナトリウム20g(0.5mol)、水20mlを加え、攪拌して均一溶液とした。溶液温度を室温に戻した後、ビニルベンジルアルコール(m体およびp体の混合物)13.42g(0.1mol)、1,4−ジブロモブタン32.39g(0.15mol)、テトラブチルアンモニウムブロマイド3.22g(0.01mol)をトルエン100mlに溶解し、添加した。この混合溶液を激しく攪拌しながら、40℃で6時間反応させた。反応後、溶液を分離し、水で十分洗浄した。この有機層に硫酸マグネシウムを加えて乾燥した後、トルエンを減圧下で留去して得た溶液をDPPH(ジフェニルピクリル−2−ヒドラジル)存在下で真空蒸留(沸点:125〜128℃/16Pa)して、4−ブロモブトキシメチルスチレンの無色透明液を得た。収量は15.0g、収率は56モル%であった。
【0044】
(アニオン交換樹脂の合成)
窒素ガス導入管、冷却管を備えた500mlの4ツ口フラスコに脱塩水200ml、2重量%ポリビニルアルコール水溶液50mlを加え、窒素を導入し、溶存酸素を除去した。一方、4−ブロモブトキシメチルスチレン46.4g、ジビニルベンゼン1.72g(工業用、純度56重量%)、および、AIBN0.4gを溶解したモノマー層を調製し、水層と同様、溶存酸素を除去した。モノマー溶液をフラスコに入れ、150rpmで攪拌し、モノマーの液滴を形成した。室温で30分攪拌後、70℃で18時間攪拌した。重合後、ポリマーを取り出し、樹脂を水洗後、メタノールで3回洗浄した。重合収率は93%で、仕込み架橋度4モル%の淡黄色透明球状の樹脂を得た。
【0045】
次に、冷却管を備えた500mlの4ツ口フラスコに、上記樹脂を入れ、メタノール500mlを加え、室温で攪拌した。この溶液に30重量%トリメチルアミン水溶液200mlを加え、50℃で10時間反応を行ってトリメチルアンモニウム基を導入した。反応後、ポリマーを取り出し、十分水洗した。このアニオン交換樹脂の対イオンを臭化物イオンから塩化物イオン(Cl形)に変換するため、樹脂量に対して10倍量の4重量%塩化ナトリウム水溶液を通液した。Cl形の樹脂の下記性能を測定した。なお、平均粒子径は750μmであった。
中性塩分解容量 3.42meq/g(0.832meq/ml)
水分含有率 57.0重量%
耐熱温度 80℃
なお、上記性能の測定にあたっては、「ダイヤイオンイオン交換樹脂、合成吸着剤マニュアル」(三菱化学発行)によった。但し、耐熱温度については、本明細書記載の方法によった。
【0046】
参考例1]
温度計、加熱冷却装置、安全弁、および、攪拌装置を備えた1Lオートクレーブに、触媒として製造例1で得られた水膨潤状態の塩基性アニオン交換樹脂(ふるいにより平均粒子径を590μmとした。また、浸漬テスト後、48mesh(タイラー呼称:櫛目の開きの大きさ297μm)のふるいを通過しない割合は98vol%(通過する割合は2vol%)であった。さらに、磨耗テスト後、48mesh(タイラー呼称:櫛目の開きの大きさ297μm)のふるいを通過しない割合は98vol%であった。)を400ml、重合防止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテルを5g、および、アクリル酸を投入して合計600mlとした。これを70℃に加熱した後、オートクレーブ内の空間部を窒素ガスで置換した。その後、エチレンオキシド101g/h、および、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.0重量%を含有したアクリル酸を109g/hの速度で連続的に投入した(エチレンオキシド/アクリル酸=1.5(モル比))。反応中はオートクレーブ内の液面が一定となるように、連続的に反応液を抜き出した。
【0047】
定常状態で得られた反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、
アクリル酸転化率 86モル%
エチレンオキシド転化率 58モル%
エチレンオキシド/アクリル酸のモル比 4.7
ジエチレングリコールモノアクリレート選択率
(アクリル酸の転化率を基準とする。以下同じ) 1.7モル%
ジエステル選択率
(アクリル酸の転化率を基準とする。以下同じ) 0.18モル%
であった。
【0048】
また、反応液に着色は見られなかった。
[実施例
参考例1で使用したのと同じ1Lオートクレーブ2基に、触媒として、参考例1で使用したのと同じ、製造例1で得られた水膨潤状態の塩基性アニオン交換樹脂を用いた。1基目は、樹脂を400ml、重合防止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテルを5g、および、アクリル酸を投入して合計600mlとした。また、2基目には、樹脂を320ml、重合防止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテルを5g、および、アクリル酸を投入して合計480mlとした。これを70℃に加熱した後、それぞれのオートクレーブ内の空間部を窒素ガスで置換した。1槽目には、参考例1と同様に、エチレンオキシド101g/h、および、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.0重量%を含有したアクリル酸を109g/hの速度で連続的に投入した(エチレンオキシド/アクリル酸=1.5(モル比))。反応中はオートクレーブ内の液面が一定となるように、連続的に反応液を抜き出した。2槽目には、この抜き出した反応液、および、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.0重量%を含有したアクリル酸(41g/h)を投入した。反応中はオートクレーブ内の液面が一定となるように、連続的に反応液を抜き出した。
【0049】
定常状態で得られた反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、
1槽目の出口液は、
アクリル酸転化率 86モル%
エチレンオキシド転化率 58モル%
エチレンオキシド/アクリル酸のモル比 4.7
ジエチレングリコールモノアクリレート選択率 1.7モル%
ジエステル選択率 0.18モル%
2槽目の出口液は、
アクリル酸転化率 83モル%
エチレンオキシド転化率 75モル%
エチレンオキシド/アクリル酸のモル比 1.6
ジエチレングリコールモノアクリレート選択率 1.7モル%
ジエステル選択率 0.21モル%
であった。
【0050】
また、反応液に着色は見られなかった。
[比較例1]
参考例1で使用したのと同じ1Lオートクレーブに、触媒として、参考例1で使用したのと同じ、製造例1で得られた水膨潤状態の塩基性アニオン交換樹脂を400ml、重合防止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテルを5g、および、アクリル酸を投入して合計600mlとした。これを70℃に加熱した後、オートクレーブ内の空間部を窒素ガスで置換した。その後、エチレンオキシド82g/h、および、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.0重量%を含有したアクリル酸を133g/hの速度で連続的に投入した(エチレンオキシド/アクリル酸=1.01(モル比))。反応中はオートクレーブ内の液面が一定となるように、連続的に反応液を抜き出した。
【0051】
定常状態で得られた反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、
アクリル酸転化率 63モル%
エチレンオキシド転化率 65モル%
エチレンオキシド/アクリル酸のモル比 0.95
ジエチレングリコールモノアクリレート選択率 3.7モル%
ジエステル選択率 0.56モル%
であった。
反応液に着色は見られなかったが、参考例1に比べて、原料の転化率が低下し、また、ジエチレングリコールモノアクリレート選択率とジエステルの選択率が増加していることがわかった。
【0052】
参考
参考例1で使用したのと同じ1Lオートクレーブに、触媒として、参考例1で使用したのと同じ、製造例1で得られた水膨潤状態の塩基性アニオン交換樹脂を400ml、重合防止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテルを5g、および、アクリル酸を投入して合計600mlとした。これを70℃に加熱した後、オートクレーブ内の空間部を窒素ガスで置換した。その後、エチレンオキシド187g/h、および、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.0重量%を含有したアクリル酸を236g/hの速度で連続的に投入した(エチレンオキシド/アクリル酸=1.3(モル比))。反応中はオートクレーブ内の液面が一定となるように、連続的に反応液を抜き出した。
【0053】
定常状態で得られた反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、
アクリル酸転化率 67モル%
エチレンオキシド転化率 52モル%
エチレンオキシド/アクリル酸のモル比 1.9
ジエチレングリコールモノアクリレート選択率 1.6モル%
ジエステル選択率 0.15モル%
であった。
また、反応液に着色は見られなかった。
【0054】
参考
参考例1で使用したのと同じ1Lオートクレーブに、触媒として、水膨潤状態の塩基性アニオン交換樹脂であるSA10A(三菱化学社製、耐熱温度60℃、平均粒子径490μm、浸漬テスト後、48mesh(タイラー呼称:櫛目の開きの大きさ297μm)のふるいを通過しない割合は98vol%(通過する割合は2vol%)であった。また、磨耗テスト後、48mesh(タイラー呼称:櫛目の開きの大きさ297μm)のふるいを通過しない割合は93vol%であった。)を400ml、重合防止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテルを5g、および、アクリル酸を投入して合計600mlとした。これを70℃に加熱した後、オートクレーブ内の空間部を窒素ガスで置換した。その後、エチレンオキシド101g/h、および、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.0重量%を含有したアクリル酸を109g/hの速度で連続的に投入した(エチレンオキシド/アクリル酸=1.5(モル比))。反応中はオートクレーブ内の液面が一定となるように、連続的に反応液を抜き出した。
【0055】
定常状態で得られた反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、
アクリル酸転化率 80モル%
エチレンオキシド転化率 53モル%
エチレンオキシド/アクリル酸のモル比 3.5
ジエチレングリコールモノアクリレート選択率 1.6モル%
ジエステル選択率 0.18モル%
であった。
反応液にごく若干の黄色着色が認められたものの、ジエチレングリコールモノアクリレート選択率、ジエステル選択率ともに低い結果が得られた。
【0056】
[実施例
SUS316製反応管(内径8mm、長さ10m)に水湿潤状態のアニオン交換樹脂PA316(三菱化学社製、耐熱温度60℃、平均粒子径750μm、浸漬テスト後、48mesh(タイラー呼称:櫛目の開きの大きさ297μm)のふるいを通過しない割合は98.5vol%(通過する割合は1.5vol%)であった。また、磨耗テスト後、48mesh(タイラー呼称:櫛目の開きの大きさ297μm)のふるいを通過しない割合は92vol%であった。)を充填し、反応管の両端には樹脂が系外へ流出しないようにSUS316製の金網を設置した。また、この反応管の上端(反応管出口側)には、反応管内の圧力を約0.7MPaに保つように背圧弁を設置し、この反応管を70℃のオイルバスに浸漬した。次に、定量ポンプを用いてエチレンオキシド、および、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.0重量%を含有したアクリル酸(エチレンオキシド/アクリル酸=1.05(モル比))を線速4m/hで反応管に供給したが、アクリル酸については2分割して、その75重量%を反応管入口に、また、残りの25重量%を反応管入口から2.5mのところに投入した。
【0057】
反応管の出口組成が一定となるまで通液を続けた後、この反応管の出口から流出する反応生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、
アクリル酸転化率 87モル%
エチレンオキシド転化率 82モル%
エチレンオキシド/アクリル酸のモル比 2.3
ジエチレングリコールモノアクリレート選択率 1.4モル%
ジエステル選択率 0.24モル%
であった。
【0058】
反応液にはごくわずかに着色が認められたものの、ジエチレングリコールモノアクリレート選択率、ジエステル選択率ともに低い結果が得られた。
[実施例
実施例において、アクリル酸を3分割し、その55重量%を反応管入口に、残りの30重量%および15重量%を、それぞれ、反応管入口から2.5mおよび5.0mのところで投入した以外は、実施例と同様に反応を行った。
反応管の出口組成が一定となるまで通液を続けた後、この反応管の出口から流出する反応生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、
アクリル酸転化率 89モル%
エチレンオキシド転化率 84モル%
エチレンオキシド/アクリル酸のモル比 2.4
ジエチレングリコールモノアクリレート選択率 1.3モル%
ジエステル選択率 0.20モル%
であった。
【0059】
反応液にはごくわずかに着色が認められたものの、ジエチレングリコールモノアクリレート選択率、ジエステル選択率ともに低い結果が得られた。
参考
実施例において、アクリル酸を分割することなく、その全量を反応管入口から導入した以外は、実施例と同様に反応を行った。
反応管の出口組成が一定となるまで通液を続けた後、この反応管の出口から流出する反応生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、
アクリル酸転化率 75モル%
エチレンオキシド転化率 72モル%
エチレンオキシド/アクリル酸のモル比 1.8
ジエチレングリコールモノアクリレート選択率 2.6モル%
ジエステル選択率 0.40モル%
であった。
【0060】
反応液にはごくわずかに着色が認められたものの、ジエチレングリコールモノアクリレート選択率、ジエステル選択率ともに低い結果が得られた。
[実施例
温度計、加熱冷却装置および攪拌装置を備えた2Lオートクレーブ2基を用いた。各反応器にそれぞれ、触媒として水湿潤状態のアニオン交換樹脂PA316(三菱化学(株)製DIAION)を370g、および、アクリル酸428g、ハイドロキノンモノメチルエーテル5gを仕込み、これを70℃に加熱した。各反応器内の空間部を窒素で置換した。エチレンオキシドと、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.0重量%を含有したアクリル酸とをモル比(エチレンオキシド/アクリル酸)1.1で供給するが、アクリル酸については、2分割し、その75重量%を第1反応器にエチレンオキシド全量(4モル/時間)とともに導入し、残りの25重量%を第2反応器に、定量ポンプを用いて連続的に供給した。各反応器ともに反応中は液面が一定となるように、連続的に反応液を抜き出した。
【0061】
第2反応器の出口組成が一定となるまでエチレンオキシドとアクリル酸を供給し続けた後、この第2反応器の出口から流出する反応生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、
アクリル酸転化率 88モル%
エチレンオキシド転化率 80モル%
エチレンオキシド/アクリル酸のモル比 2.8
ジエチレングリコールモノアクリレート選択率 1.6モル%
ジエステル選択率 0.23モル%
であった。
【0062】
反応液にはごくわずかに着色が認められたものの、ジエチレングリコールモノアクリレート選択率、ジエステル選択率ともに低い結果が得られた。
参考
実施例において、アクリル酸を分割することなく、その全量を第1反応器に導入した以外は、実施例と同様に反応を行った。
第2反応器の出口組成が一定となるまでエチレンオキシドとアクリル酸を供給し続けた後、この第2反応器の出口から流出する反応生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、
アクリル酸転化率 74モル%
エチレンオキシド転化率 69モル%
エチレンオキシド/アクリル酸のモル比 1.9
ジエチレングリコールモノアクリレート選択率 3.0モル%
ジエステル選択率 0.34モル%
であった。
【0063】
反応液にはごくわずかに着色が認められたものの、ジエチレングリコールモノアクリレート選択率、ジエステル選択率ともに低い結果が得られた。
【0064】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、カルボン酸とアルキレンオキシドを反応させてヒドロキシアルキルエステルを製造するプロセスにおいて、反応の転化率や選択率を十分に高めることができる。さらに、アルキレングリコールジエステル、ジアルキレングリコールモノエステルなどの副生を効果的に抑制することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 単一の槽型反応器を用いた本発明の一つの実施態様を示した説明図である。
【図2】 2つの槽型反応器を用いた本発明の他の実施態様を示した説明図である。
【図3】 単一の管型反応器を用いた本発明の他の実施態様を示した説明図である。
【図4】 2つの管型反応器を用いた本発明の他の実施態様を示した説明図である。
【図5】 反応液の一部を循環する本発明の他の実施態様を示した説明図である。
【符号の説明】
1、2 槽型反応器
3〜8 ライン
10、11 管型反応器
12〜19 ライン

Claims (9)

  1. 触媒の存在下でカルボン酸とアルキレンオキシドを反応させてヒドロキシアルキルエステルを製造する方法において、カルボン酸を2つ以上に分割して下記いずれかの形態で順次、反応器に供給することにより、カルボン酸の一部とアルキレンオキシドの反応液に残りのカルボン酸を順次導入しさらに反応を進めるようにすること、ならびに、当該反応液中のカルボン酸のモル濃度をaモル%、アルキレンオキシドのモル濃度をbモル%とした時に、反応を通じてa<bなる関係を維持するように反応を行うことを特徴とする、ヒドロキシアルキルエステルの製造方法。
    (1)反応器が1つの場合であって、カルボン酸の一部をあらかじめ反応器に仕込み、アルキレンオキシドの全量を供給して反応を進めたのち、残りのカルボン酸を場合によってはさらに分割して導入するようにする。
    (2)単一の管型反応器を用いて反応を連続的に行なわせる場合であって、分割したカルボン酸を反応器の入口側から出口側に向かう異なる位置で反応器に導入するようにする。
    (3)複数の反応器を用いて反応を連続的に行なわせる場合であって、分割したカルボン酸を入口側から出口側に向かう異なる反応器に順次投入するようにする。
  2. アルキレンオキシドの転化率を10〜98モル%に維持し、かつ、カルボン酸の転化率を70〜99モル%に維持しながら連続的に反応を行う、請求項1に記載のヒドロキシアルキルエステルの製造方法。
  3. 前記触媒が塩基性樹脂である、請求項1または2に記載のヒドロキシアルキルエステルの製造方法。
  4. 前記塩基性樹脂の耐熱温度が70℃以上である、請求項3に記載のヒドロキシアルキルエステルの製造方法。
  5. 前記塩基性樹脂の浸漬テストにより得られる水膨潤状態の触媒のうち、48mesh(タイラー呼称:櫛目の開きの大きさ297μm)のふるいを通過できない触媒が、テスト前の水膨潤状態の触媒の80vol%以上である、請求項3または4に記載のヒドロキシアルキルエステルの製造方法。
  6. 前記塩基性樹脂の磨耗テストにより得られる水膨潤状態の触媒のうち、48mesh(タイラー呼称:櫛目の開きの大きさ297μm)のふるいを通過できない触媒が、テスト前の水膨潤状態の触媒の80vol%以上である、請求項3から5までのいずれかに記載のヒドロキシアルキルエステルの製造方法。
  7. 前記塩基性樹脂の溶媒置換テストにより得られる溶媒膨潤状態の触媒のうち、亀裂樹脂の割合が50%以下である、請求項3から6までのいずれかに記載のヒドロキシアルキルエステルの製造方法。
  8. 出発原料としてのカルボン酸およびアルキレンオキシドを、カルボン酸1モルに対してアルキレンオキシドを1モル以上となる割合で用いる、請求項1からまでのいずれかに記載のヒドロキシアルキルエステルの製造方法。
  9. 前記カルボン酸が(メタ)アクリル酸である、請求項1からまでのいずれかに記載のヒドロキシアルキルエステルの製造方法。
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