JP3274618B2 - ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法 - Google Patents

ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法

Info

Publication number
JP3274618B2
JP3274618B2 JP04511097A JP4511097A JP3274618B2 JP 3274618 B2 JP3274618 B2 JP 3274618B2 JP 04511097 A JP04511097 A JP 04511097A JP 4511097 A JP4511097 A JP 4511097A JP 3274618 B2 JP3274618 B2 JP 3274618B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
diester
reaction
alkylene oxide
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP04511097A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10237022A (ja
Inventor
恭宏 新谷
忠義 川嶋
正敏 上岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP04511097A priority Critical patent/JP3274618B2/ja
Publication of JPH10237022A publication Critical patent/JPH10237022A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3274618B2 publication Critical patent/JP3274618B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレートの製造方法に関し、詳しくは(メ
タ)アクリル酸とアルキレンオキシドとを反応させて工
業的に有利にヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
トは、塩化第二鉄などの鉄化合物、塩化クロムなどのク
ロム化合物などの触媒の存在下に、(メタ)アクリル酸
とアルキレンオキシドとを反応させることによって得ら
れる。
【0003】なお、本発明において、(メタ)アクリル
酸とはアクリル酸およびメタクリル酸を、ヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレートとはヒドロキシアルキルア
クリレートおよびヒドロキシアルキルメタクリレート
を、またアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート
とはアルキレングリコールジアクリレートおよびアルキ
レングリコールジメタクリレートを意味する。
【0004】一般に、ヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレートを合成する場合、反応の副生物としてアルキレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート(以下、単に「ジ
エステル」という)が生成する。特に、反応終了時の近
くで未反応の(メタ)アクリル酸が少なくなった時点
(仕込み量の0.1重量%以下)で反応液に過剰のアル
キレンオキシドが溶存残留しているとヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレートの不均化反応が起こり易く、ア
ルキレングリコールとともにジエステルが副生する。
【0005】また、このジエステルは、合成したヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレートを蒸留精製する際に
も、その不均化反応によって生成する。特に、反応に使
用した触媒の共存下に比較的高温にさらされると、ヒド
ロキシアルキル(メタ)アクリレートの不均化反応が起
こり易くなる。
【0006】上記副生ジエステルの量が増大すると、ヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレートの合成および蒸
留工程において、重合が起こり、装置閉塞などのトラブ
ルが発生する。また、このジエステルは目的物としての
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと蒸気圧が近
似しているため、いったん生成すると以後の分離がほと
んど不可能となる。そして、ジエステルの含有量の大き
いヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製品とし
て使用し、これを単独重合または他の共重合可能なモノ
マーと共重合すると、得られる重合体に「にごり」が発
生したり、あるいは重合時にゲル化が起こる。
【0007】上記ジエステルの生成を抑制する手段とし
て種々の方法が提案されている。例えば、反応時におけ
るジエステルの生成を抑制するものとして、特開昭51
−133227号公報には、ヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートよりも沸点の高いプロトン酸を添加す
る方法が、また特開昭52−23019号公報には、触
媒として無水クロム酸を用い、水および低級飽和または
不飽和アルコールを添加して反応を行うことによりジエ
ステルの生成を抑制する方法が開示されている。しか
し、前者の方法は、ジエステルの生成抑制効果が十分で
ないばかりか、添加剤として硫酸などの鉱酸を用いると
ジエステルの生成量が増加するという現象が見られる。
また、後者の方法も、ジエステルの生成抑制効果が十分
でない。さらに、通常、ヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレートの精製には、それが易重合性であることか
ら、フラッシュ蒸留法が用いられるが、このフラッシュ
蒸留の場合、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
と易混和性の水およびメタノールをジエステル生成防止
剤として使用すると、後工程として、これらジエステル
生成防止剤をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
から分離する工程が別途必要となりプロセスが煩雑とな
る。
【0008】また、蒸留工程におけるジエステルの生成
を抑制する方法としては、例えば特開平5−19432
1号公報に、触媒として鉄を用いた際に触媒不活性化剤
である長鎖脂肪酸類またはジオール類を添加する方法
が、また特開平7−118203号公報には、反応終了
後、蒸留前に多価アルコールを添加する方法が開示され
ている。しかし、これらジエステル生成防止剤は、ジエ
ステルの生成を十分に抑制するためには、ある一定量以
上を添加する必要があり、そうした場合、蒸留工程にお
いて蒸留ボトム液の粘度が上昇したり、蒸留ボトム液中
に好ましくない重合物が生成するなど、蒸留ボトム液の
性状が悪化する。
【0009】要するに、反応工程でのジエステルの生成
を抑制するために、ジエステル生成防止剤を多量に使用
することは、経済的でないばかりか、その後の蒸留工程
で上記のような問題が生じて好ましくない。一方、添加
量を低減させれば蒸留ボトム液の性状は改善されるが、
反応および蒸留工程においてジエステルの生成を十分に
抑制できない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解決し、蒸留ボトム液中での好ましくない
重合物の発生などといった、蒸留ボトム液の性状の悪化
を招くことなく、反応および蒸留工程で副生するジエス
テル量を最小限とし、ジエステル含有量の少ない高品質
のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを効率よく
製造する方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、ジエステルの副生を抑制するために一般に用いられ
ているジエスエル生成防止剤は、反応に使用した触媒の
共存下で、しかも反応液中にアルキレンオキシドが多量
に含まれていると、その一部または全部がアルキレンオ
キシドと反応するなどして、ジエステルの副生を抑制す
る効力を失ってしまう(失活)こと、またこのジエステ
ル生成防止剤の失活を、反応液中のアルキレンオキシド
濃度を特定量以下に維持しながら反応を行うことによ
り、効果的に防止できることを見出した。
【0012】さらに、本発明者らは、ジエステル生成防
止剤の失活が効果的に防止され、その性能が十分に発揮
されることから、反応工程におけるジエステル生成防止
剤の使用量を低減することが可能となり、その結果、そ
の後の蒸留工程でのジエステル生成防止剤に起因する蒸
留ボトム液の性状の悪化などの問題も回避できることを
見出し、これら知見に基づいて、ジエステル含有量の少
ない高品質のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
の製造方法を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明は、(メタ)アクリル酸
とアルキレンオキシドとを触媒の存在下に反応させてヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造するに当
り、反応液中のアルキレンオキシド濃度が10重量%以
下の条件下にジエステル生成防止剤を添加し、その後は
該ジエステル生成防止剤の存在下に反応液中のアルキレ
ンオキシド濃度を10重量%以下に維持しながら反応を
行うことを特徴とするヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレートの製造方法である。
【0014】また、本発明は、(メタ)アクリル酸とア
ルキレンオキシドとを触媒の存在下に反応させてヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレートを製造するに当り、
触媒1モル当り0.1〜10モルの範囲のジエステル生
成防止剤を反応液中のアルキレンオキシド濃度が10重
量%以下の条件下に添加し、その後は該ジエステル生成
防止剤の存在下に反応液中のアルキレンオキシド濃度を
10重量%以下に維持しながら反応を行い、次いで反応
生成物を蒸留することを特徴とするヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレートの製造方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のアルキレンオキシドと
は、炭素数2〜6、好ましくは炭素数2〜4のアルキレ
ンオキシドを意味する。そして、その代表例としては、
エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチレン
オキシドを挙げることができる。
【0016】アルキレンオキシドは(メタ)アクリル酸
に対して等モル以上、好ましくは1.03〜1.2倍モ
ルの範囲で用いられる。反応温度は、通常、40〜13
0℃、好ましくは50〜100℃である。反応は、通
常、加圧下に液状で行われる。また、反応を行う際の雰
囲気については特に制限はないが、窒素などの不活性雰
囲気で行うのがよい。
【0017】反応の際に(メタ)アクリレートの重合を
防止する目的で使用する重合防止剤には特に制限はな
く、この種の反応に一般に用いられている重合防止剤を
使用することができる。その代表例としては、ハイドロ
キノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチ
アジン、ジブチルジチオカルバミン酸銅などを挙げるこ
とができる。重合防止剤の使用量は、通常、(メタ)ア
クリル酸の0.001〜1重量%、好ましくは0.01
〜0.5重量%である。
【0018】反応に使用する触媒についても特に制限は
なく、この種の反応に一般に用いられている触媒を使用
することができる。具体的には、塩化第二鉄、酢酸第二
鉄、鉄粉などの鉄化合物、重クロム酸ソーダ、塩化クロ
ム、不飽和酸のクロム塩などのクロム化合物などを用い
ることができる。その使用量については、通常、(メ
タ)アクリル酸の0.01〜10重量%、好ましくは
0.03〜3重量%である。
【0019】(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシド
との反応は、この種の反応に一般に用いられている方法
にしたがって行うことができる。通常、(メタ)アクリ
ル酸中に液状のアルキレンオキシドを導入して行われ
る。そして、この種の反応においてよく行われるよう
に、アルキレンオキシドの導入が終了した後も前記範囲
の温度で反応を継続させて反応を完結させることができ
る。
【0020】本発明の特徴は、ジエステル生成防止剤の
添加を反応液中のアルキレンオキシド濃度が10重量%
以下の条件下に行い、かつジエステル生成防止剤の添加
後は反応液中のアルキレンオキシド濃度を10重量%以
下に維持しながら反応を行う点にある。
【0021】上記のような条件下にジエステル生成防止
剤の添加および反応を行うことによりジエステル生成防
止剤の失活が効果的に防止され、かくして、ジエステル
の副生を効果的に防止ないしは抑制しながらヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレートを製造することができ
る。
【0022】また、ジエステル生成防止剤の使用量を低
減することが可能となり、本発明においては、前記反応
を、使用触媒1モル当り0.1〜10モル、好ましくは
0.5〜5モル、更に好ましくは1〜3モルの範囲の量
のジエステル生成防止剤の存在下に行うことにより効果
的にジエステルの副生を抑制することができる。使用量
が少なすぎると、ジエステルの副生を効果的に抑制でき
ず、また多すぎると、蒸留工程で蒸留ボトム液中の性状
の悪化が起こり易くなる。
【0023】上記ジエステル生成防止剤としては、(メ
タ)アクリル酸とアルキレンオキシドとからヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレートを合成する際、あるいは
この生成ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを蒸
留する際にジエステルが副生するのを防止ないしは抑制
できるものであればいずれも使用することができる。具
体的には次のようなジエステル生成防止剤を使用するこ
とができる。
【0024】カルボン酸およびその無水物 シュウ酸、無水シュウ酸、マロン酸、コハク酸、無水コ
ハク酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、オク
タン酸、アジピン酸、セバシン酸、テトラデカンジカル
ボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,3,
6−ヘキサントリカルボン酸、1,2,3,4−ブタン
テトラカルボン酸、1,2,3,4−ペンタンテトラカ
ルボン酸、1,6,7,12−ドデカンテトラカルボン
酸、安息香酸、オルソトルイル酸、メタトルイル酸、パ
ラトルイル酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、1,2,4−ベ
ンゼントリカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテ
トラカルボン酸、1,3,5,7−ナフタレンテトラカ
ルボン酸、ポリアクリル酸など多価アルコール類 グリセリン、ジエチレングリコール、トリメチロールプ
ロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリ
スリトール、ジペンタエリスリトール、2,3,4,5
−テトラヒドロキシヘキサン、キシリトール、マンニト
ール、カテコール、レゾルシン、2,6−ジヒドロキシ
トルエン、t−ブチルカテコール、ピロガロール、2,
4−ビス(ヒドロキシメチル)フェノール、1,2,4
−トリヒドロキシベンゼン、1,3,5−トリヒドロキ
シベンゼン、2,4,6−トリス(ヒドロキシメチル)
フェノール、1,2,4,5−テトラヒドロキシベンゼ
ンなど金属キレート剤 エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四プロピオ
ン酸、ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、1,2−ジアミ
ノシクロヘキサン四酢酸、アセチルアセトン、クペロ
ン、オキシン、ベンジジン、ジエチルジチオカルバミン
酸など これらジエステル生成防止剤は単独でも、あるいは2種
以上を適宜組み合わせて使用することもできる。
【0025】本発明にしたがって、ジエステル生成防止
剤を、反応液中のアルキレンオキシド濃度が10重量%
以下、好ましくは5重量%以下、特に好ましくは3重量
%以下の条件下に添加することは、例えば、次の方法に
より行うことができる。
【0026】(1)予め(メタ)アクリル酸にジエステ
ル生成防止剤を添加し、その後にアルキレンオキシドを
添加する。
【0027】(2)(メタ)アクリル酸に、反応液中の
アルキレンオキシド濃度がせいぜい20重量%程度とな
るような量のアルキレンオキシドを添加して、反応させ
た後、反応液中のアルキレンオキシド濃度が10重量%
以下に低下した時点でジエステル生成防止剤を添加す
る。
【0028】(3)上記方法(2)のように、(メタ)
アクリル酸とアルキレンオキシドとを反応させた後に、
反応に不活性な溶剤を添加して反応液中のアルキレンオ
キシド濃度を10重量%以下に低下させた後に、ジエス
テル生成防止剤を添加する。
【0029】ジエステル生成防止剤の添加方法は上記方
法に限定されるものではなく、ジエステル生成防止剤を
添加する際の、反応液中のアルキレンオキシド濃度が1
0重量%以下であるとの条件が満たされる限り、各種方
法にしたがってジエステル生成防止剤を添加することが
できる。
【0030】これら種々の方法のなかでも、上記方法
(1)のように予めジエステル生成防止剤を(メタ)ア
クリル酸に添加しておき、その後でアルキレンオキシド
を導入するのが、反応工程におけるジエステルの生成を
効果的に防止ないしは抑制できるので、好都合である。
【0031】上記方法(3)で使用する不活性な溶剤と
しては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ア
セトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、テトラ
ヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを挙
げることができる。
【0032】なお、ジエステル生成防止剤は、反応液中
のアルキレンオキシド濃度が10重量%以下の条件下で
添加するとの規定が満たされる限り、一括して添加して
も、あるいは反応工程および後記の蒸留工程を含めた任
意の箇所で、2以上に分割して添加してもよい。特に、
ジエステル生成防止剤の一部または全部を予め(メタ)
アクリル酸に添加しておくのがよい。
【0033】ジエステル生成防止剤の添加後には、前記
のとおり、反応液中のアルキレンオキシド濃度を10重
量%以下に維持しながら反応を行う。なお、アルキレン
オキシド濃度の下限は、アルキレンオキシドと(メタ)
アクリル酸との反応が許容し得る速度で進行する範囲内
で適宜決定できる。通常、反応液中のアルキレンオキシ
ド濃度を0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜3重
量%の範囲に維持しながら反応を行う。
【0034】本発明にしたがって、ジエステル生成防止
剤の存在下に反応液中のアルキレンオキシド濃度を10
重量%以下に維持しながら反応を行うことは、例えば、
次の方法により行うことができる。
【0035】(1)反応液中のアルキレンオキシド濃度
が10重量%以下となるようにして、液状のアルキレン
オキシドを少量づつ連続または間歇的に導入する。
【0036】(2)反応液中に不活性な溶剤を添加し
て、反応液中のアルキレンオキシド濃度を10重量%以
下に調整する。
【0037】反応液中のアルキレンオキシド濃度を10
重量%以下に維持しながら反応を行う方法は、上記方法
に限定されるものではなく、反応液中のアルキレンオキ
シド濃度が10重量%以下に維持される限り、その他各
種方法によって行うことができる。
【0038】上記方法(2)で使用する溶剤としては、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、アセトン、
メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、テトラヒドロフ
ラン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを挙げること
ができる。
【0039】また、前記のように、アルキレンオキシド
の導入が終了した後も反応を継続させて反応を完結させ
るのがよい。
【0040】さらに、本発明によれば、上記反応によっ
て得られる反応生成物を蒸留することにより高純度のヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造すること
ができる。
【0041】特に、触媒1モル当り0.1〜10モルの
ジエステル生成防止剤を反応液中のアルキレンオキシド
濃度が10重量%以下の条件下に添加し、その後は(メ
タ)アクリル酸とアルキレンオキシドとを触媒1モル当
り0.1〜10モルの範囲のジエステル生成防止剤の存
在下に、かつ反応液中のアルキレンオキシド濃度を10
重量%以下に維持しながら反応を行い、得られるヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレートを更に蒸留すること
により、ジエステルの含有量の少ない、高品質の製品ヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレートを得ることがで
きる。
【0042】この方法におけるジエステル生成防止剤の
添加および反応方法については、前記の反応工程で述べ
たような方法にしたがって行うことができる。
【0043】したがって、本発明の好ましい一つの態様
によれば、触媒1モル当り0.1〜10モルのジエステ
ル生成防止剤を予め(メタ)アクリル酸に添加し、これ
にアルキレンオキシドを反応液中のアルキレンオキシド
濃度が10重量%以下となるように添加して反応を行わ
せ、次いで未反応アルキレンオキシドを除去した後、反
応生成物を蒸留して製品ヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレートを製造する。
【0044】上記方法によれば、ジエステル生成防止剤
の使用量が少ないため、蒸留工程において蒸留ボトム液
の性状の悪化などの問題は起こらない。また、ジエステ
ル生成防止剤の失活を防止できるので、反応および蒸留
工程におけるジエステルの生成を効果的に防止ないしは
抑制することができる。
【0045】上記蒸留精製は、ヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートの蒸留に一般に用いられている条件下
に行うことができる。なお、通常、残存する未反応アル
キレンオキシドを減圧下に除去した後に蒸留に供するの
がよい。具体的には、1〜10mmHg、好ましくは2
〜7mmHgの圧力下、50〜120℃、好ましくは6
0〜100℃の温度で蒸留する。
【0046】なお、蒸留の際に、反応時に使用したジエ
ステル生成防止剤との合計量が触媒1モル当り0.1〜
10モル、好ましくは0.5〜5モルの範囲となる量の
ジエステル生成防止剤を添加してもよい。この場合、ジ
エステル生成防止剤は、反応工程で使用したのと同一で
も異なっていてもよい。
【0047】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明する。
【0048】実施例1 メタクリル酸288gをオートクレーブに仕込み、これ
に重合防止剤としてのフェノチアジン0.5gおよびハ
イドロキノンモノメチルエーテル0.2g、触媒として
の鉄粉1.2gおよびジエステル生成防止剤としてのペ
ンタエリスリトール8.2g(ペンタエリスリトール/
鉄粉(モル比)=2.8/1)を添加して溶解させた。
反応器内空間部を窒素ガスで置換した後、反応液を70
℃に加温した。次いで、エチレンオキシド177gを液
状で90分かけて撹拌しつつ注入し、注入後、70℃で
2時間反応を行った。得られた反応液中のジエステル濃
度は0.08重量%、メタクリル酸濃度は0.02重量
%であった。また、この反応液中のエチレンオキシド濃
度は7重量%以下で推移した。なお、反応液中のエチレ
ンオキサイド濃度は反応液を適宜取り出して測定した。
【0049】次に、未反応のエチレンオキシドを減圧下
で除去した後、5〜7mmHgの減圧下に蒸留を行っ
た。得られた製品中のジエステル濃度は0.07重量%
であった。また、蒸留ボトム液中に重合物の生成は全く
認められなかった。
【0050】実施例2 実施例1において、ペンタエリスリトールの代わりにア
セチルアセトン15.4g(アセチルアセトン/鉄粉
(モル比)=7.2/1)を使用した以外は実施例1と
同様にして反応を行った。得られた反応液中のジエステ
ル濃度は0.07重量%、メタクリル酸濃度は0.01
重量%であった。また、反応液中のエチレンオキシド濃
度は8重量%以下で推移した。
【0051】次に、実施例1と同様に、未反応のエチレ
ンオキシドを除去した後、蒸留を行った。得られた製品
中のジエステル濃度は0.08重量%であった。また、
蒸留ボトム液中に重合物の生成は全く認められなかっ
た。
【0052】実施例3 実施例1において、ペンタエリスリトールの添加量を1
2.8g(ペンタエリスリトール/鉄粉(モル比)=
4.4/1)とした以外は実施例1と同様にして反応を
行った。得られた反応液中のジエステル濃度は0.09
重量%、メタクリル酸濃度は0.01重量%であった。
また、反応液中のエチレンオキシド濃度は7重量%以下
で推移した。
【0053】次に、フマル酸3.2g(フマル酸/鉄粉
(モル比)=1.3/1)を添加し、その後は実施例1
と同様に、未反応のエチレンオキシドを除去し、蒸留を
行った。得られた製品中のジエステル濃度は0.08重
量%であった。また、蒸留ボトム液中に重合物の生成は
全く認められなかった。
【0054】比較例1 実施例1において、エチレンオキシド177gを液状で
30分かけて撹拌しながら注入し、注入後、70℃で1
時間反応を行った以外は実施例1と同様にして反応を行
った。
【0055】得られた反応液中のジエステル濃度は0.
21重量%、メタクリル酸濃度は0.02重量%であっ
た。また、この反応液中のエチレンオキシド濃度の最大
値は14重量%であった。
【0056】次に、実施例1と同様に、未反応のエチレ
ンオキシドを除去した後、蒸留を行った。得られた製品
中のジエステル濃度は0.37重量%であった。また、
蒸留ボトム液中に重合物の生成は全く認められなかっ
た。
【0057】比較例2 実施例1において、ペンタエリスリトールの代わりにト
リメチロールプロパンを57.4g(トリメチロールプ
ロパン/鉄粉(モル比)=19.9/1)使用した以外
は実施例1と同様にして反応を行った。得られた反応液
中のジエステル濃度は0.08重量%、メタクリル酸濃
度は0.02重量%であった。また、反応液中のエチレ
ンオキシド濃度は7重量%以下で推移した。
【0058】次に、実施例1と同様に、未反応のエチレ
ンオキシドを除去した後、蒸留を行ったところ、蒸留途
中で蒸留ボトム液がゲル化してしまい蒸留不能となっ
た。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、反応および蒸留工程で
のジエステルの副生を効果的に防止ないしは抑制してヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレートを効率よく製造
することができる。
【0060】また、反応工程でのジエステル生成防止剤
の使用量を低減することにより、蒸留工程での蒸留ボト
ム液の性状の悪化を効果的に防止できる。
【0061】さらに、本発明によれば、反応および蒸留
工程をへてジエステル含有量の少ない、高品質のヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレートを効率よく製造する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−118203(JP,A) 特開 平5−194321(JP,A) 特開 平4−66554(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 67/26 C07C 67/54 C07C 67/62 C07C 69/54

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (メタ)アクリル酸とアルキレンオキシ
    ドとを触媒の存在下に反応させてヒドロキシアルキル
    (メタ)アクリレートを製造するに当り、反応液中のア
    ルキレンオキシド濃度が10重量%以下の条件下にジエ
    ステル生成防止剤を添加し、その後は該ジエステル生成
    防止剤の存在下に反応液中のアルキレンオキシド濃度を
    10重量%以下に維持しながら反応を行うことを特徴と
    するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 ジエステル生成防止剤の添加量が触媒1
    モル当り0.1〜10モルの範囲にある請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 (メタ)アクリル酸とアルキレンオキシ
    ドとを触媒の存在下に反応させてヒドロキシアルキル
    (メタ)アクリレートを製造するに当り、触媒1モル当
    り0.1〜10モルの範囲のジエステル生成防止剤を反
    応液中のアルキレンオキシド濃度が10重量%以下の条
    件下に添加し、その後は該ジエステル生成防止剤の存在
    下に反応液中のアルキレンオキシド濃度を10重量%以
    下に維持しながら反応を行い、次いで反応生成物を蒸留
    することを特徴とするヒドロキシアルキル(メタ)アク
    リレートの製造方法。
JP04511097A 1997-02-28 1997-02-28 ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法 Expired - Fee Related JP3274618B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04511097A JP3274618B2 (ja) 1997-02-28 1997-02-28 ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04511097A JP3274618B2 (ja) 1997-02-28 1997-02-28 ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10237022A JPH10237022A (ja) 1998-09-08
JP3274618B2 true JP3274618B2 (ja) 2002-04-15

Family

ID=12710139

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04511097A Expired - Fee Related JP3274618B2 (ja) 1997-02-28 1997-02-28 ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3274618B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4634582B2 (ja) * 1999-08-16 2011-02-16 株式会社日本触媒 ヒドロキシアルキルエステルの製造方法
US6465681B2 (en) 2000-12-26 2002-10-15 Nippon Shokubai Co., Ltd. Production process for hydroxyalkyl (meth)acrylate
JP2002234861A (ja) * 2001-02-09 2002-08-23 Nippon Shokubai Co Ltd ヒドロキシアルキルエステルの製造方法
JP3990580B2 (ja) 2002-03-12 2007-10-17 株式会社日本触媒 (メタ)アクリル酸エステルの重合防止方法
JP2004010603A (ja) 2002-06-11 2004-01-15 Nippon Shokubai Co Ltd ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートおよびその製造方法
JP3907532B2 (ja) * 2002-06-11 2007-04-18 株式会社日本触媒 ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法
JP4564226B2 (ja) * 2002-09-30 2010-10-20 株式会社日本触媒 ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法
JP4767787B2 (ja) * 2006-08-04 2011-09-07 株式会社日本触媒 ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10237022A (ja) 1998-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3274618B2 (ja) ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法
JP5207219B2 (ja) モノエステルの製造方法
JP3299468B2 (ja) ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造法
JP6006801B2 (ja) ヒドロキシアルキルアクリレートの製造方法
JP3990580B2 (ja) (メタ)アクリル酸エステルの重合防止方法
TWI313263B (ja)
JP3907532B2 (ja) ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法
JP4860830B2 (ja) 高純度(メタ)アクリル酸エステルの製造方法
JPS6241662B2 (ja)
JP4767787B2 (ja) ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法
US6465681B2 (en) Production process for hydroxyalkyl (meth)acrylate
EP1219588B1 (en) Production process for hydroxyalkyl (meth)acrylate
JP5143325B2 (ja) ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法
JP4995645B2 (ja) 易重合性化合物含有液の蒸留方法
JPH05286896A (ja) アリルエステルの製造方法
JP3312638B2 (ja) (メタ)アクリル酸の重合防止剤組成物および該組成物を用いた(メタ)アクリル酸の重合防止方法
JP5875956B2 (ja) ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法
JP4564226B2 (ja) ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法
JPH0952861A (ja) (メタ)アクリル酸の重合防止法
JPS646182B2 (ja)
JPS6043055B2 (ja) 蒸留釜残液の安定化方法
JPH05238989A (ja) アルキル−β−(3,5−ジアルキル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートの製法
JP2001240578A (ja) 安定化されたヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
JPH07103085B2 (ja) 不飽和カルボン酸イソシアナトアルキルエステルを精製する方法
JP2006036735A (ja) 不飽和カルボン酸ポリフルオロアルキルエステルの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080201

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090201

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090201

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100201

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100201

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110201

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110201

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120201

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130201

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140201

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees