JP2001240578A - 安定化されたヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート - Google Patents

安定化されたヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート

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JP2001240578A JP2000385868A JP2000385868A JP2001240578A JP 2001240578 A JP2001240578 A JP 2001240578A JP 2000385868 A JP2000385868 A JP 2000385868A JP 2000385868 A JP2000385868 A JP 2000385868A JP 2001240578 A JP2001240578 A JP 2001240578A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易に重合する性質を有するヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレ−トを十分に安定化する。 【解決手段】 ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
トにフェノール化合物とともに、飽和カルボン酸のヒド
ロキシアルキルエステルおよび/またはアルキレングリ
コールをさらに含ませる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安定化されたヒド
ロキシアルキル(メタ)アクリレートに関する。
【0002】
【従来の技術】ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ−
トは、反応性が非常に高く重合し易いために、その製造
プロセスあるいは貯蔵、輸送等の際には、重合防止剤を
添加してヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ−トの安
定化を図ることが一般的である。この重合防止剤として
は、従来は、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、
tert−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−ter
t−ブチルパラハイドロキノン、2,5−ジ−tert
−ブチルハイドロキノン、2,4−ジメチル−6−te
rt−ブチルフェノール、ハイドロキノンモノメチルエ
ーテル等のフェノール化合物や、N−イソプロピル−
N’−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、N−
(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−パラ−
フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−
N’−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、N,N’
−ジフェニル−パラ−フェニレンジアミン、N,N’−
ジ−2−ナフチル−パラ−フェニレンジアミン等のパラ
フェニレンジアミン類、チオジフェニルアミン等のアミ
ン化合物などが用いられてきた。
【0003】しかしながら、ヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレ−トは前述のように非常に重合し易い性質
を有している。また、通常、ヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートの製品中には不純物として水、アルキ
レンクロロヒドリン、アルキレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ジアルキレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート、ジアルキレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート、トリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、(メタ)アクリル酸ダイマー、ヒドロキシアルキ
ル−β−アクリロイロオキシプロピオネート、ジアルキ
レングリコール−β−アクリロイロオキシプロピオネー
ト、反応原料である(メタ)アクリル酸、アルキレンオ
キシドなどが、数ppmから数%の割合で含まれてお
り、これらはヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
の重合を促進する作用がある。これらの理由により、上
記従来の重合防止剤をヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレ−トの安定化に使用しても、重合防止効果は十分で
はなかった。このことは、貯蔵や輸送の際に問題となる
だけでなく、特に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レ−トの製造工程における操業中に重合が起こった場合
には、配管等の閉塞により生産率が低減し、多大な経済
的損失を生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明が
解決しようとする課題は、容易に重合する性質を有する
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ−トを十分に安定
化することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意検討した。その結果、重合防止剤とし
て、従来使用されてきたフェノール化合物に、特定のエ
ステル化合物および/またはグリコール化合物を組み合
わせて用いることにより、易重合性のヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレ−トの安定化効果が従来に比べてか
なり高まることを見出した。本発明はこのようにして完
成された。すなわち、本発明に係る、安定化されたヒド
ロキシアルキル(メタ)アクリレートは、フェノール化
合物とともに、飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエ
ステルおよび/またはアルキレングリコールをさらに含
む。
【0006】
【発明の実施の形態】(安定化方法)本発明において
は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの安定化
は、フェノール化合物と飽和カルボン酸のヒドロキシア
ルキルエステルおよび/またはアルキレングリコールと
を併用することによって達成されていることが特徴であ
る。本発明で用いるフェノール化合物は、従来一般に重
合防止剤として使用されているフェノール化合物であ
り、好ましくは、ハイドロキノン、メチルハイドロキノ
ン、tert−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t
ert−ブチルパラハイドロキノン、2,5−ジ−te
rt−ブチルハイドロキノン、2,4−ジメチル−6−
tert−ブチルフェノール、ハイドロキノンモノメチ
ルエーテルが挙げられる。これらは1種で用いてもよい
し、2種以上を併用してもよい。
【0007】本発明でフェノール化合物と併用して用い
る飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび
/またはアルキレングリコールは、本発明の技術的思想
の特徴となる化合物である。飽和カルボン酸のヒドロキ
シアルキルエステルとしては、好ましくは、酢酸ヒドロ
キシエチル、プロピオン酸ヒドロキシエチル、イソ酪酸
ヒドロキシエチル、酢酸ヒドロキシプロピル、プロピオ
ン酸ヒドロキシプロピル、イソ酪酸ヒドロキシプロピル
が挙げられる。これらは1種で用いてもよいし、2種以
上を併用してもよい。また、アルキレングリコールとし
ては、好ましくは、エチレングリコール、プロピレング
リコールが挙げられる。これらも1種で用いてもよい
し、2種以上を併用してもよい。
【0008】本発明において、フェノール化合物を使用
する量は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに
対して0.001〜0.5重量%であることが好まし
く、より好ましくは0.005〜0.1重量%である。
0.001重量%未満では、重合防止効果が十分ではな
く、0.5重量%よりも多いと、経済的ではない。本発
明において、飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエス
テルおよび/またはアルキレングリコールを使用する量
は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに対して
0.0001〜2重量%であることが好ましく、より好
ましくは0.001〜2重量%、さらにより好ましくは
0.01〜1重量%である。0.0001重量%未満で
は、重合防止効果が十分ではなく、2重量%よりも多い
と、経済的ではない。
【0009】本発明において、フェノール化合物と飽和
カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/また
はアルキレングリコールとを併用する割合は特に限定さ
れず、それぞれがヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ートに対して上記の割合で使用されていればよいが、好
ましくは、飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステ
ルおよび/またはアルキレングリコールの、フェノール
化合物に対する配合割合が、重量比で0.1〜100倍
であり、より好ましくは1〜80倍である。0.1倍よ
り少ない、あるいは、100倍より多いと、本発明の特
徴である、フェノール化合物と飽和カルボン酸のヒドロ
キシアルキルエステルおよび/またはアルキレングリコ
ールとの併用による相乗効果が小さくなるので好ましく
ない。
【0010】本発明において、フェノール化合物と併用
する化合物は、飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエ
ステルおよび/またはアルキレングリコールであり、こ
れらいずれの化合物によっても本発明の安定化効果は十
分に発揮できるが、特に、飽和カルボン酸のヒドロキシ
アルキルエステルの方が、アルキレングリコールよりも
安定化効果が高い傾向にある。本発明においては、上述
のフェノール化合物と飽和カルボン酸のヒドロキシアル
キルエステルおよび/またはアルキレングリコールを共
存させるが、さらに、芳香族炭化水素および/または脂
肪族炭化水素をも共存させることにより、ヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレートの重合防止効果が向上す
る。前記芳香族炭化水素としては、特に限定されない
が、好ましくは、ベンゼン、トルエン、キシレンから選
ばれる少なくとも1種である。また、前記脂肪族炭化水
素としては、特に限定されないが、好ましくは、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタンから選ばれる少なくとも1種で
ある。芳香族炭化水素および/または脂肪族炭化水素を
も共存させる場合の添加量は、ヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートに対して、0.0001〜1重量%で
あることが好ましく、より好ましくは0.0001〜
0.1重量%である。0.0001重量%未満では、重
合防止効果が十分ではなく、1重量%よりも多いと、経
済的でないため、好ましくない。
【0011】本発明において、フェノール化合物、飽和
カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/また
はアルキレングリコール、そして、必要に応じて、芳香
族炭化水素および/または脂肪族炭化水素を、ヒドロキ
シアルキル(メタ)アクリレートの安定化のために添加
する方法については、特に限定されないが、例えば、ヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造工程にお
いて原料と共に添加したり、精製の際に蒸留塔内に添加
する形態などが挙げられる。また、飽和カルボン酸のヒ
ドロキシエステルに対応する飽和カルボン酸、例えば、
酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸などを反応時に添加する
などの方法により、反応液中に飽和カルボン酸のヒドロ
キシアルキルエステルを生成させたり、反応時に水を添
加することなどにより、アルキレングリコールを生成さ
せる方法をとってもよい。また、ヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレートの貯蔵や輸送の際に予め添加して
おく方法なども挙げられる。フェノール化合物と飽和カ
ルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/または
アルキレングリコール、さらに必要により芳香族炭化水
素および/または脂肪族炭化水素は、同時に添加しても
よいし、それぞれ独立して添加してもよい。
【0012】なお、本発明において、フェノール化合物
と飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび
/またはアルキレングリコールとを、ヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレートの製造工程において、反応の際
に原料と共に添加したり、精製の際に蒸留塔内に添加す
る形態などをとった場合には、反応や蒸留時の熱履歴な
どによって、飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエス
テルは加水分解などを起こすおそれがあり、アルキレン
グリコールは分子間の脱水などを起こすおそれがある。
この場合、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの
製造工程における工程液、例えば、反応液、蒸留ボトム
液、蒸留留出液、および製品などの、工程液中の飽和カ
ルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/または
アルキレングリコールの濃度が低下し、本発明の特徴で
ある飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよ
び/またはアルキレングリコールとフェノール化合物の
併用による相乗効果が発現できず、十分な安定効果が発
揮できない。そこで、熱履歴をうけたヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレートの反応液、蒸留ボトム液、蒸留
留出液、および製品中に残存する飽和カルボン酸のヒド
ロキシアルキルエステルおよび/またはアルキレングリ
コールの濃度を工程液の分析で確認し、この濃度が低下
していれば、飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエス
テルおよび/またはアルキレングリコールを本発明の規
定の範囲内で添加しておく必要がある。この場合、残存
する飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよ
び/またはアルキレングリコールの濃度の分析方法は、
例えば、GC(ガスクロマトグラフ)分析によることが
挙げられる。 (安定化剤)本発明を実施するにあたり、以下に説明す
る安定化剤を好適に用いることができる。この安定化剤
は、フェノール化合物と飽和カルボン酸のヒドロキシア
ルキルエステルおよび/またはアルキレングリコールと
を共に含む安定化剤であり、本発明に好適に用いられる
安定化剤である。
【0013】安定化剤に用いられるフェノール化合物
は、前述と同様、従来一般に重合防止剤として使用され
ているフェノール化合物であり、好ましくは、ハイドロ
キノン、メチルハイドロキノン、tert−ブチルハイ
ドロキノン、2,6−ジ−tert−ブチルパラハイド
ロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノ
ン、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノー
ル、ハイドロキノンモノメチルエーテルが挙げられる。
これらは1種で用いてもよいし、2種以上を併用しても
よい。また、安定化剤に用いることができる飽和カルボ
ン酸のヒドロキシアルキルエステルも、前述と同様、好
ましくは、酢酸ヒドロキシエチル、プロピオン酸ヒドロ
キシエチル、イソ酪酸ヒドロキシエチル、酢酸ヒドロキ
シプロピル、プロピオン酸ヒドロキシプロピル、イソ酪
酸ヒドロキシプロピルが挙げられる。これらは1種で用
いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、安定
化剤に用いることができるアルキレングリコールも、前
述と同様、好ましくは、エチレングリコール、プロピレ
ングリコールが挙げられる。これらも1種で用いてもよ
いし、2種以上を併用してもよい。
【0014】安定化剤は、フェノール化合物と飽和カル
ボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはア
ルキレングリコールとを含むヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートの安定化剤であって、前記飽和カルボ
ン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはアル
キレングリコールの、前記フェノール化合物に対する配
合割合は、重量比で好ましくは0.1〜100倍、より
好ましくは1〜80倍である。0.1倍よりも少ない、
あるいは、100倍より多いと、本発明の特徴である、
フェノール化合物と飽和カルボン酸のヒドロキシアルキ
ルエステルおよび/またはアルキレングリコールとの併
用による相乗効果が小さくなるので好ましくない。
【0015】安定化剤は、フェノール化合物と飽和カル
ボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはア
ルキレングリコールとの両方を含むものであり、フェノ
ール化合物と飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエス
テルおよび/またはアルキレングリコールとが上記の割
合で配合されていれば、安定化剤中の各成分の含有割合
は、特に限定されないが、好ましくは、フェノール化合
物0.1〜90.0重量%、飽和カルボン酸のヒドロキ
シアルキルエステルおよび/またはアルキレングリコー
ル1.0〜99.9重量%、その他の添加剤0〜90.
0重量%である。フェノール化合物と、飽和カルボン酸
のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはアルキレ
ングリコールとの割合が上記範囲を外れると、フェノー
ル化合物と飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステ
ルおよび/またはアルキレングリコールとの併用による
相乗効果が発現できず、十分な安定化効果が発揮できな
い。
【0016】安定化剤は、上述のように、フェノール化
合物と、飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル
および/またはアルキレングリコールとに加えて、必要
に応じて、その他の添加剤を含んでいてもよい。その他
の添加剤としては、例えば、フェノチアジンや、N−イ
ソプロピル−N’−フェニル−パラ−フェニレンジアミ
ン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル
−パラ−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチ
ル)−N’−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、
N,N’−ジフェニル−パラ−フェニレンジアミン、
N,N’−ジ−2−ナフチル−パラ−フェニレンジアミ
ン等のパラフェニレンジアミン類、チオジフェニルアミ
ン等のアミン化合物や、ジブチルジチオカルバミン酸
銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカ
ルバミン酸銅等のジアルキルジチオカルバミン酸銅塩類
や、ニトロソジフェニルアミン、亜硝酸イソアミル、N
−ニトロソ−シクロヘキシルヒドロキシアミン、N−ニ
トロソ−N−フェニル−N−ヒドロキシルアミン等のニ
トロソ化合物や、2,2,4,4−テトラメチルアゼチ
ジン−1−オキシル、2,2−ジメチル−4,4−ジプ
ロピルアゼチジン−1−オキシル、2,2,5,5−テ
トラメチルピロリジン−1−オキシル、2,2,5,5
−テトラメチル−3−オキソピロリジン−1−オキシ
ル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オ
キシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン−1−オキシル、6−アザ−7,7−ジメ
チル−スピロ(4,5)デカン−6−オキシル、2,
2,6,6−テトラメチル−4−アセトキシピペリジン
−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−4−
ベンゾイルオキシピペリジン−1−オキシル等のN−オ
キシル化合物などが挙げられるが、特にこれらに限定さ
れない。
【0017】また、安定化剤は、フェノール化合物と、
飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/
またはアルキレングリコールと、さらに、芳香族炭化水
素および/または脂肪族炭化水素を含んでいてもよい。
この共存により、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ートの重合防止効果が向上する。前記芳香族炭化水素と
しては、特に限定されないが、好ましくは、ベンゼン、
トルエン、キシレンから選ばれる少なくとも1種であ
る。また、前記脂肪族炭化水素としては、特に限定され
ないが、好ましくは、ヘキサン、ヘプタン、オクタンか
ら選ばれる少なくとも1種である。芳香族炭化水素およ
び/または脂肪族炭化水素を含んでいる場合、それらの
前記フェノール化合物に対する配合割合は、好ましくは
0.0001〜10倍であり、より好ましくは0.00
01〜1倍である。0.0001倍よりも少ない、ある
いは、10倍よりも多いと、芳香族炭化水素および/ま
たは脂肪族炭化水素の併用による相乗効果が小さくなる
ので、好ましくない。
【0018】
【実施例】以下に本発明をその実施例と比較例により具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるも
のではない。なお、実施例に用いたヒドロキシエチルア
クリレートは、精製し、安定剤を除去したものを使用し
た。 [実施例1]ガラス製容器にヒドロキシエチルアクリレ
ート100gを入れ、さらに、ハイドロキノンモノメチ
ルエーテル0.03g、酢酸ヒドロキシエチル0.1g
を添加した。添加後すぐに100℃に調整したオイルバ
スに浸し、重合が起こり始めるまでの時間を測定したと
ころ、130時間を経過しても重合は起こらなかった。
【0019】[実施例2]ガラス製容器にヒドロキシエ
チルアクリレート100gを入れ、さらに、ハイドロキ
ノンモノメチルエーテル0.03g、エチレングリコー
ル0.05gを添加した。添加後すぐに100℃に調整
したオイルバスに浸し、重合が起こり始めるまでの時間
を測定したところ、125時間経過後に、初めて、容器
中のヒドロキシエチルアクリレートがポップコーン重合
を起こした。 [実施例3]ガラス製容器にヒドロキシエチルアクリレ
ート100gを入れ、さらに、ハイドロキノンモノメチ
ルエーテル0.03g、酢酸ヒドロキシエチル0.01
gを添加した。添加後すぐに100℃に調整したオイル
バスに浸し、重合が起こり始めるまでの時間を測定した
ところ、100時間後に、初めて、容器中のヒドロキシ
エチルアクリレートがポップコーン重合を起こした。
【0020】[実施例4]ガラス製容器にヒドロキシエ
チルアクリレート100gを入れ、さらに、ハイドロキ
ノンモノメチルエーテル0.03g、酢酸ヒドロキシエ
チル0.01g、トルエン0.1gを添加した。添加後
すぐに100℃に調整したオイルバスに浸し、重合が起
こり始めるまでの時間を測定したところ、119時間後
に、初めて、容器中のヒドロキシエチルアクリレートが
ポップコーン重合を起こした。 [実施例5]ガラス製容器にヒドロキシエチルアクリレ
ート100gを入れ、さらに、ハイドロキノンモノメチ
ルエーテル0.03g、酢酸ヒドロキシエチル1.0g
を添加した。添加後すぐに90℃に調整したオイルバス
に浸し、重合が起こり始めるまでの時間を測定したとこ
ろ、500時間を経過しても重合は起こらなかった。
【0021】[実施例6]ガラス製容器にヒドロキシエ
チルアクリレート100gを入れ、さらに、ハイドロキ
ノンモノメチルエーテル0.03g、酢酸ヒドロキシエ
チル0.5gを添加した。添加後すぐに90℃に調整し
たオイルバスに浸し、重合が起こり始めるまでの時間を
測定したところ、402時間後に、初めて、容器中のヒ
ドロキシエチルアクリレートがポップコーン重合を起こ
した。 [比較例1]ガラス製容器にヒドロキシエチルアクリレ
ート100gを入れ、さらに、ハイドロキノンモノメチ
ルエーテル0.03gを添加した。添加後すぐに100
℃に調整したオイルバスに浸し、重合が起こり始めるま
での時間を測定したところ、僅か65時間後に、容器中
のヒドロキシエチルアクリレートがポップコーン重合を
起こした。
【0022】[比較例2]ガラス製容器にヒドロキシエ
チルアクリレート100gを入れ、さらに、酢酸ヒドロ
キシエチル0.1gを添加した。添加後すぐに100℃
に調整したオイルバスに浸し、重合が起こり始めるまで
の時間を測定したところ、僅か16時間後に、容器中の
ヒドロキシエチルアクリレートがポップコーン重合を起
こした。 [比較例3]ガラス製容器にヒドロキシエチルアクリレ
ート100gを入れ、さらに、フェノチアジン0.03
g、酢酸ヒドロキシエチル0.1gを添加した。添加後
すぐに100℃に調整したオイルバスに浸し、重合が起
こり始めるまでの時間を測定したところ、僅か73時間
後に、容器中のヒドロキシエチルアクリレートがポップ
コーン重合を起こした。
【0023】[比較例4]ガラス製容器にヒドロキシエ
チルアクリレート100gを入れ、ハイドロキノンモノ
メチルエーテル0.03gを添加した。添加後すぐに9
0℃に調整したオイルバスに浸し、重合が起こり始める
までの時間を測定したところ、235時間後に、容器中
のヒドロキシエチルアクリレートがポップコーン重合を
起こした。 [比較例5]ガラス製容器にヒドロキシエチルアクリレ
ート100gを入れ、さらに、酢酸ヒドロキシエチル
0.5gを添加した。添加後すぐに90℃に調整したオ
イルバスに浸し、重合が起こり始めるまでの時間を測定
したところ、僅か38時間後に、容器中のヒドロキシエ
チルアクリレートがポップコーン重合を起こした。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、容易に重合する性質を
有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ−トを十分
に安定化できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上岡 正敏 大阪市中央区高麗橋4丁目1番1号 株式 会社日本触媒内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AD41 BN10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェノール化合物とともに、飽和カルボン
    酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはアルキ
    レングリコールをさらに含む、安定化されたヒドロキシ
    アルキル(メタ)アクリレート。
  2. 【請求項2】前記飽和カルボン酸のヒドロキシアルキル
    エステルが、酢酸ヒドロキシエチル、プロピオン酸ヒド
    ロキシエチル、イソ酪酸ヒドロキシエチル、酢酸ヒドロ
    キシプロピル、プロピオン酸ヒドロキシプロピル、イソ
    酪酸ヒドロキシプロピルから選ばれる少なくとも1種で
    ある、請求項1に記載の安定化されたヒドロキシアルキ
    ル(メタ)アクリレート。
  3. 【請求項3】前記アルキレングリコールが、エチレング
    リコール、プロピレングリコールから選ばれる少なくと
    も1種である、請求項1または2に記載の安定化された
    ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート。
  4. 【請求項4】芳香族炭化水素および/または脂肪族炭化
    水素をさらに含む、請求項1から3までのいずれかに記
    載の安定化されたヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
    ート。
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