JP4160248B2 - ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの安定化方法 - Google Patents

ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの安定化方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの安定化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ−トは、反応性が非常に高く重合し易いために、その製造プロセスあるいは貯蔵、輸送等の際には、重合防止剤を添加してヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ−トの安定化を図ることが一般的である。この重合防止剤としては、従来は、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−tert−ブチルパラハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、ハイドロキノンモノメチルエーテル等のフェノール化合物や、N−イソプロピル−N’−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−パラ−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−パラ−フェニレンジアミン等のパラフェニレンジアミン類、チオジフェニルアミン等のアミン化合物などが用いられてきた。
【0003】
しかしながら、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ−トは前述のように非常に重合し易い性質を有している。また、通常、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製品中には不純物として水、アルキレンクロロヒドリン、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ダイマー、ヒドロキシアルキル−β−アクリロイロオキシプロピオネート、ジアルキレングリコール−β−アクリロイロオキシプロピオネート、反応原料である(メタ)アクリル酸、アルキレンオキシドなどが、数ppmから数%の割合で含まれており、これらはヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの重合を促進する作用がある。これらの理由により、上記従来の重合防止剤をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ−トの安定化に使用しても、重合防止効果は十分ではなかった。このことは、貯蔵や輸送の際に問題となるだけでなく、特に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ−トの製造工程における操業中に重合が起こった場合には、配管等の閉塞により生産率が低減し、多大な経済的損失を生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、容易に重合する性質を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ−トを十分に安定化することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、重合防止剤として、従来使用されてきたフェノール化合物に、特定のエステル化合物を組み合わせて用いることにより、易重合性のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ−トの安定化効果が従来に比べてかなり高まることを見出した。本発明はこのようにして完成された。
すなわち、本発明に係る、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの安定化方法は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの貯蔵に際し、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに対し、フェノール化合物とともに、飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルを含ませる方法である。
本発明に係る、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの安定化方法は、必要に応じ、アルキレングリコールを含ませても良く、芳香族炭化水素および/または脂肪族炭化水素をさらに含ませても良い。
【0006】
【発明の実施の形態】
(安定化方法)
本発明においては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの安定化は、フェノール化合物と飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはアルキレングリコールとを併用することによって達成されていることが特徴である。
本発明で用いるフェノール化合物は、従来一般に重合防止剤として使用されているフェノール化合物であり、好ましくは、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−tert−ブチルパラハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、ハイドロキノンモノメチルエーテルが挙げられる。これらは1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0007】
本発明でフェノール化合物と併用して用いる飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはアルキレングリコールは、本発明の技術的思想の特徴となる化合物である。飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルとしては、好ましくは、酢酸ヒドロキシエチル、プロピオン酸ヒドロキシエチル、イソ酪酸ヒドロキシエチル、酢酸ヒドロキシプロピル、プロピオン酸ヒドロキシプロピル、イソ酪酸ヒドロキシプロピルが挙げられる。これらは1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、アルキレングリコールとしては、好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコールが挙げられる。これらも1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0008】
本発明において、フェノール化合物を使用する量は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに対して0.001〜0.5重量%であることが好ましく、より好ましくは0.005〜0.1重量%である。0.001重量%未満では、重合防止効果が十分ではなく、0.5重量%よりも多いと、経済的ではない。
本発明において、飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはアルキレングリコールを使用する量は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに対して0.0001〜2重量%であることが好ましく、より好ましくは0.001〜2重量%、さらにより好ましくは0.01〜1重量%である。0.0001重量%未満では、重合防止効果が十分ではなく、2重量%よりも多いと、経済的ではない。
【0009】
本発明において、フェノール化合物と飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはアルキレングリコールとを併用する割合は特に限定されず、それぞれがヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに対して上記の割合で使用されていればよいが、好ましくは、飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはアルキレングリコールの、フェノール化合物に対する配合割合が、重量比で0.1〜100倍であり、より好ましくは1〜80倍である。0.1倍より少ない、あるいは、100倍より多いと、本発明の特徴である、フェノール化合物と飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはアルキレングリコールとの併用による相乗効果が小さくなるので好ましくない。
【0010】
本発明において、フェノール化合物と併用する化合物は、飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはアルキレングリコールであり、これらいずれの化合物によっても本発明の安定化効果は十分に発揮できるが、特に、飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルの方が、アルキレングリコールよりも安定化効果が高い傾向にある。
本発明においては、上述のフェノール化合物と飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはアルキレングリコールを共存させるが、さらに、芳香族炭化水素および/または脂肪族炭化水素をも共存させることにより、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの重合防止効果が向上する。前記芳香族炭化水素としては、特に限定されないが、好ましくは、ベンゼン、トルエン、キシレンから選ばれる少なくとも1種である。また、前記脂肪族炭化水素としては、特に限定されないが、好ましくは、ヘキサン、ヘプタン、オクタンから選ばれる少なくとも1種である。芳香族炭化水素および/または脂肪族炭化水素をも共存させる場合の添加量は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに対して、0.0001〜1重量%であることが好ましく、より好ましくは0.0001〜0.1重量%である。0.0001重量%未満では、重合防止効果が十分ではなく、1重量%よりも多いと、経済的でないため、好ましくない。
【0011】
本発明において、フェノール化合物、飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはアルキレングリコール、そして、必要に応じて、芳香族炭化水素および/または脂肪族炭化水素を、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの安定化のために添加する方法については、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造工程において原料と共に添加したり、精製の際に蒸留塔内に添加する形態などが挙げられる。また、飽和カルボン酸のヒドロキシエステルに対応する飽和カルボン酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸などを反応時に添加するなどの方法により、反応液中に飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルを生成させたり、反応時に水を添加することなどにより、アルキレングリコールを生成させる方法をとってもよい。また、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの貯蔵や輸送の際に予め添加しておく方法なども挙げられる。フェノール化合物と飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはアルキレングリコール、さらに必要により芳香族炭化水素および/または脂肪族炭化水素は、同時に添加してもよいし、それぞれ独立して添加してもよい。
【0012】
なお、本発明において、フェノール化合物と飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはアルキレングリコールとを、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造工程において、反応の際に原料と共に添加したり、精製の際に蒸留塔内に添加する形態などをとった場合には、反応や蒸留時の熱履歴などによって、飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルは加水分解などを起こすおそれがあり、アルキレングリコールは分子間の脱水などを起こすおそれがある。この場合、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造工程における工程液、例えば、反応液、蒸留ボトム液、蒸留留出液、および製品などの、工程液中の飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはアルキレングリコールの濃度が低下し、本発明の特徴である飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはアルキレングリコールとフェノール化合物の併用による相乗効果が発現できず、十分な安定効果が発揮できない。そこで、熱履歴をうけたヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの反応液、蒸留ボトム液、蒸留留出液、および製品中に残存する飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはアルキレングリコールの濃度を工程液の分析で確認し、この濃度が低下していれば、飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはアルキレングリコールを本発明の規定の範囲内で添加しておく必要がある。この場合、残存する飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはアルキレングリコールの濃度の分析方法は、例えば、GC(ガスクロマトグラフ)分析によることが挙げられる。
(安定化剤)
本発明を実施するにあたり、以下に説明する安定化剤を好適に用いることができる。この安定化剤は、フェノール化合物と飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはアルキレングリコールとを共に含む安定化剤であり、本発明に好適に用いられる安定化剤である。
【0013】
安定化剤に用いられるフェノール化合物は、前述と同様、従来一般に重合防止剤として使用されているフェノール化合物であり、好ましくは、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−tert−ブチルパラハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、ハイドロキノンモノメチルエーテルが挙げられる。これらは1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、安定化剤に用いることができる飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルも、前述と同様、好ましくは、酢酸ヒドロキシエチル、プロピオン酸ヒドロキシエチル、イソ酪酸ヒドロキシエチル、酢酸ヒドロキシプロピル、プロピオン酸ヒドロキシプロピル、イソ酪酸ヒドロキシプロピルが挙げられる。これらは1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、安定化剤に用いることができるアルキレングリコールも、前述と同様、好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコールが挙げられる。これらも1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0014】
安定化剤は、フェノール化合物と飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはアルキレングリコールとを含むヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの安定化剤であって、前記飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはアルキレングリコールの、前記フェノール化合物に対する配合割合は、重量比で好ましくは0.1〜100倍、より好ましくは1〜80倍である。0.1倍よりも少ない、あるいは、100倍より多いと、本発明の特徴である、フェノール化合物と飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはアルキレングリコールとの併用による相乗効果が小さくなるので好ましくない。
【0015】
安定化剤は、フェノール化合物と飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはアルキレングリコールとの両方を含むものであり、フェノール化合物と飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはアルキレングリコールとが上記の割合で配合されていれば、安定化剤中の各成分の含有割合は、特に限定されないが、好ましくは、フェノール化合物0.1〜90.0重量%、飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはアルキレングリコール1.0〜99.9重量%、その他の添加剤0〜90.0重量%である。フェノール化合物と、飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはアルキレングリコールとの割合が上記範囲を外れると、フェノール化合物と飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはアルキレングリコールとの併用による相乗効果が発現できず、十分な安定化効果が発揮できない。
【0016】
安定化剤は、上述のように、フェノール化合物と、飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはアルキレングリコールとに加えて、必要に応じて、その他の添加剤を含んでいてもよい。その他の添加剤としては、例えば、フェノチアジンや、N−イソプロピル−N’−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−パラ−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−パラ−フェニレンジアミン等のパラフェニレンジアミン類、チオジフェニルアミン等のアミン化合物や、ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸銅等のジアルキルジチオカルバミン酸銅塩類や、ニトロソジフェニルアミン、亜硝酸イソアミル、N−ニトロソ−シクロヘキシルヒドロキシアミン、N−ニトロソ−N−フェニル−N−ヒドロキシルアミン等のニトロソ化合物や、2,2,4,4−テトラメチルアゼチジン−1−オキシル、2,2−ジメチル−4,4−ジプロピルアゼチジン−1−オキシル、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル、2,2,5,5−テトラメチル−3−オキソピロリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、6−アザ−7,7−ジメチル−スピロ(4,5)デカン−6−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−4−アセトキシピペリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−4−ベンゾイルオキシピペリジン−1−オキシル等のN−オキシル化合物などが挙げられるが、特にこれらに限定されない。
【0017】
また、安定化剤は、フェノール化合物と、飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルおよび/またはアルキレングリコールと、さらに、芳香族炭化水素および/または脂肪族炭化水素を含んでいてもよい。この共存により、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの重合防止効果が向上する。前記芳香族炭化水素としては、特に限定されないが、好ましくは、ベンゼン、トルエン、キシレンから選ばれる少なくとも1種である。また、前記脂肪族炭化水素としては、特に限定されないが、好ましくは、ヘキサン、ヘプタン、オクタンから選ばれる少なくとも1種である。芳香族炭化水素および/または脂肪族炭化水素を含んでいる場合、それらの前記フェノール化合物に対する配合割合は、好ましくは0.0001〜10倍であり、より好ましくは0.0001〜1倍である。0.0001倍よりも少ない、あるいは、10倍よりも多いと、芳香族炭化水素および/または脂肪族炭化水素の併用による相乗効果が小さくなるので、好ましくない。
【0018】
【実施例】
以下に本発明をその実施例と比較例により具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
なお、実施例に用いたヒドロキシエチルアクリレートは、精製し、安定剤を除去したものを使用した。
[実施例1]
ガラス製容器にヒドロキシエチルアクリレート100gを入れ、さらに、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.03g、酢酸ヒドロキシエチル0.1gを添加した。添加後すぐに100℃に調整したオイルバスに浸し、重合が起こり始めるまでの時間を測定したところ、130時間を経過しても重合は起こらなかった。
【0019】
[実施例2]
ガラス製容器にヒドロキシエチルアクリレート100gを入れ、さらに、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.03g、エチレングリコール0.05gを添加した。添加後すぐに100℃に調整したオイルバスに浸し、重合が起こり始めるまでの時間を測定したところ、125時間経過後に、初めて、容器中のヒドロキシエチルアクリレートがポップコーン重合を起こした。
[実施例3]
ガラス製容器にヒドロキシエチルアクリレート100gを入れ、さらに、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.03g、酢酸ヒドロキシエチル0.01gを添加した。添加後すぐに100℃に調整したオイルバスに浸し、重合が起こり始めるまでの時間を測定したところ、100時間後に、初めて、容器中のヒドロキシエチルアクリレートがポップコーン重合を起こした。
【0020】
[実施例4]
ガラス製容器にヒドロキシエチルアクリレート100gを入れ、さらに、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.03g、酢酸ヒドロキシエチル0.01g、トルエン0.1gを添加した。添加後すぐに100℃に調整したオイルバスに浸し、重合が起こり始めるまでの時間を測定したところ、119時間後に、初めて、容器中のヒドロキシエチルアクリレートがポップコーン重合を起こした。
[実施例5]
ガラス製容器にヒドロキシエチルアクリレート100gを入れ、さらに、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.03g、酢酸ヒドロキシエチル1.0gを添加した。添加後すぐに90℃に調整したオイルバスに浸し、重合が起こり始めるまでの時間を測定したところ、500時間を経過しても重合は起こらなかった。
【0021】
[実施例6]
ガラス製容器にヒドロキシエチルアクリレート100gを入れ、さらに、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.03g、酢酸ヒドロキシエチル0.5gを添加した。添加後すぐに90℃に調整したオイルバスに浸し、重合が起こり始めるまでの時間を測定したところ、402時間後に、初めて、容器中のヒドロキシエチルアクリレートがポップコーン重合を起こした。
[比較例1]
ガラス製容器にヒドロキシエチルアクリレート100gを入れ、さらに、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.03gを添加した。添加後すぐに100℃に調整したオイルバスに浸し、重合が起こり始めるまでの時間を測定したところ、僅か65時間後に、容器中のヒドロキシエチルアクリレートがポップコーン重合を起こした。
【0022】
[比較例2]
ガラス製容器にヒドロキシエチルアクリレート100gを入れ、さらに、酢酸ヒドロキシエチル0.1gを添加した。添加後すぐに100℃に調整したオイルバスに浸し、重合が起こり始めるまでの時間を測定したところ、僅か16時間後に、容器中のヒドロキシエチルアクリレートがポップコーン重合を起こした。
[比較例3]
ガラス製容器にヒドロキシエチルアクリレート100gを入れ、さらに、フェノチアジン0.03g、酢酸ヒドロキシエチル0.1gを添加した。添加後すぐに100℃に調整したオイルバスに浸し、重合が起こり始めるまでの時間を測定したところ、僅か73時間後に、容器中のヒドロキシエチルアクリレートがポップコーン重合を起こした。
【0023】
[比較例4]
ガラス製容器にヒドロキシエチルアクリレート100gを入れ、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.03gを添加した。添加後すぐに90℃に調整したオイルバスに浸し、重合が起こり始めるまでの時間を測定したところ、235時間後に、容器中のヒドロキシエチルアクリレートがポップコーン重合を起こした。
[比較例5]
ガラス製容器にヒドロキシエチルアクリレート100gを入れ、さらに、酢酸ヒドロキシエチル0.5gを添加した。添加後すぐに90℃に調整したオイルバスに浸し、重合が起こり始めるまでの時間を測定したところ、僅か38時間後に、容器中のヒドロキシエチルアクリレートがポップコーン重合を起こした。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、容易に重合する性質を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ−トを十分に安定化できる。

Claims (4)

  1. ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの貯蔵に際し、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに対し、フェノール化合物とともに、飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルを含ませる、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの安定化方法
  2. 前記飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルが、酢酸ヒドロキシエチル、プロピオン酸ヒドロキシエチル、イソ酪酸ヒドロキシエチル、酢酸ヒドロキシプロピル、プロピオン酸ヒドロキシプロピル、イソ酪酸ヒドロキシプロピルから選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの安定化方法
  3. さらに、アルキレングリコールをませ、前記アルキレングリコールが、エチレングリコール、プロピレングリコールから選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2に記載のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの安定化方法
  4. 芳香族炭化水素および/または脂肪族炭化水素をさらに含ませる、請求項1から3までのいずれかに記載のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの安定化方法
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