JP2003300932A - ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法 - Google Patents

ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法

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JP2003300932A JP2002104080A JP2002104080A JP2003300932A JP 2003300932 A JP2003300932 A JP 2003300932A JP 2002104080 A JP2002104080 A JP 2002104080A JP 2002104080 A JP2002104080 A JP 2002104080A JP 2003300932 A JP2003300932 A JP 2003300932A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒として均一系触媒であるクロム化合物を
用いることにより、反応速度が速く、反応転化率が高
く、触媒の分離操作が不要といった従来の利点を発揮さ
せつつ、反応所要時間および目的生成物の収率に関して
上述のようなばらつきを低減しかつ適度な範囲となるよ
うにする、新規なヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ートの製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明にかかるヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートの製造方法は、触媒の存在下で(メ
タ)アクリル酸とアルキレンオキシドとを反応させてヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方法
において、前記触媒として含有水分濃度が1〜20重量
%であるクロム化合物を用いるようにすることを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、触媒の存在下で
(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドを反応させて
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方
法に関する。 【0002】 【従来の技術】(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシ
ドを反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
トを製造する際には、通常、触媒が使用され、上記触媒
として均一系触媒であるクロム化合物、なかでも3価の
クロム化合物が好適に使用されることは従来からよく知
られている(特公昭46−37805号公報)。また、
3価のクロム化合物のなかでも、酢酸クロムは、反応速
度が大きく、反応転化率も高いという傾向を示し、非常
に優れた触媒である。しかしながら、複数のヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレートの製造反応系それぞれに
おいて同様にクロム化合物を触媒として用いたとして
も、反応系ごとに、反応終結までの時間や、目的生成物
であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの収率
などについて、かなり広範囲なばらつきがあり、経済
性、生産性等の面でも問題となっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の解決
しようとする課題は、触媒として均一系触媒であるクロ
ム化合物を用いることにより、反応速度が速く、反応転
化率が高く、触媒の分離操作が不要といった従来の利点
を発揮させつつ、反応所要時間および目的生成物の収率
に関して上述のようなばらつきを低減しかつ適度な範囲
となるようにする、新規なヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレートの製造方法を提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため、クロム化合物を触媒として用いた反応系
において、上述のように反応所要時間および目的生成物
の収率に関し、広範囲なばらつきが発生する要因につい
て、種々推測および検討を繰り返した。その結果、触媒
として使用するクロム化合物の物性の違いによって生じ
ているのではないかと推測し、他に比べ著しく差異の見
られた反応系において使用したクロム化合物について分
析等を行い検討した。すると、該反応系において使用し
たクロム化合物は、他の反応系に比べ、その含有水分濃
度について、非常に濃度が低い場合や、濃度がかなり高
い場合があることに気づいた。そして、この含有水分濃
度は、クロム化合物触媒の溶解性に大きく影響している
のではないかと考えた。つまり、含有水分濃度が非常に
低いものはほぼ無水のクロム化合物であり、このような
クロム化合物触媒は、反応選択率は高いものの、反応液
に対する溶解性を大きく欠くこととなり、反応時間を著
しく長時間化させてしまうと考え、一方、含有水分濃度
がかなり高いクロム化合物触媒は、反応液への溶解性は
高いものの、自己が有する水分により多くの原料アルキ
レンオキシドを加水分解させてしまい、製品純度の低下
の要因となるアルキレングリコールを多量に副生させる
こととなり、結果的に目的生成物の収率が著しく低下し
ていたのではないか、と考えたのである。 【0005】かかる知見に基づき、種々検討および実験
を繰り返した結果、触媒として用いるクロム化合物に関
しては、無水のものでもなく多く水分を含んでいるもの
でもなく、むしろ適度に水分を含有したものを用いるべ
きではないかと考えた。そして、特定範囲内の含有水分
濃度であるクロム化合物を反応触媒として用いるように
する、新規なヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
の製造方法であれば、上記課題を一挙に解決することを
確認し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
にかかるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製
造方法は、触媒の存在下で(メタ)アクリル酸とアルキ
レンオキシドとを反応させてヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートを製造する方法において、前記触媒と
して含有水分濃度が1〜20重量%であるクロム化合物
を用いるようにする、ことを特徴とする。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレートの製造方法(以下、本発
明の製造方法と称することがある。)について詳しく説
明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されるこ
とはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を
損なわない範囲で適宜実施し得る。本発明の製造方法に
おいて、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとの
反応における原料の仕込み量は、(メタ)アクリル酸1
モルに対して、アルキレンオキシドが1モル以上が好ま
しい範囲であり、より好ましくは1.0〜10モル、さ
らにより好ましくは1.0〜5.0モル、最も好ましく
は1.0〜3.0モル、特に好ましくは1.0〜2.0
モルである。アルキレンオキシドの仕込み量が1.0モ
ル未満の場合には、反応転化率が低下し、副生成物が増
加するので好ましくない。また、アルキレンオキシドの
仕込み量が多すぎると、特に、10モルを超えると、経
済的に好ましくない。 【0007】本発明の製造方法において用いることがで
きる(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および/また
はメタクリル酸を意味する。本発明の製造方法において
用いることができるアルキレンオキシドは、好ましくは
炭素数2〜6、より好ましくは炭素数2〜4のアルキレ
ンオキシドであり、例えば、エチレンオキシド、プロピ
レンオキシド、ブチレンオキシドが挙げられ、好ましく
はエチレンオキシド、プロピレンオキシドである。本発
明にかかるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの
製造方法は、触媒の存在下で(メタ)アクリル酸とアル
キレンオキシドとを反応させてヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートを製造する方法において、前記触媒と
して、前記触媒として含有水分濃度が1〜20重量%で
あるクロム化合物を用いるようにする、ことを特徴とす
る。 【0008】上記クロム化合物としては、特に限定はさ
れないが、例えば、3価のクロム化合物が好ましく、具
体的には、塩化クロム、アセチルアセトンクロム、蟻酸
クロム、アクリル酸クロム、メタクリル酸クロム、重ク
ロム酸ソーダ、ジブチルジチオカルバミン酸クロム、酢
酸クロムなどを挙げることができる。なかでも、酢酸ク
ロムがより好ましい。本発明の製造方法においては、上
記クロム化合物の含有水分濃度は、上述のように1〜2
0重量%となるように調製したものであるが、より好ま
しくは2〜15重量%、さらにより好ましくは3〜10
重量%である。上記含有水分濃度が、1重量%未満の場
合は、溶解性が低く反応液中に不溶解分が残り、(メ
タ)アクリル酸の反応転化率の低下することにより、反
応所要時間が著しく長くなるとともに目的生成物の収率
が著しく低下するおそれがある。また、20重量%を超
える場合は、原料化合物であるアルキレンオキシドと水
とが反応してなるアルキレングリコールが、製品純度の
著しい低下を招く程度の量で生成してしまうおそれがあ
る。 【0009】上記クロム化合物の含有水分とは、具体的
には、水和物あるいは三核錯塩等の分子状態における分
子中の水分子、あるいは、クロム化合物触媒の製造過程
において吸湿などにより有することとなった水分、また
はこれらを合わせて考慮した水分のことをいう。前者に
おいて、上記分子中の水分子に基づく含有水分濃度の測
定方法としては、具体的には、例えば、カールフィッシ
ャー水分計で測定する方法等を挙げることができる。後
者において、上記吸湿等により有することとなった水分
としては、詳しくは、特に限定されるわけではないが、
クロム化合物水溶液をスプレードライしてクロム化合物
触媒を得る場合にスプレードライ後でも残存しているク
ロム化合物触媒中の水分や、クロム化合物触媒の保存中
の吸湿、などを挙げることができる。 【0010】また、上記吸収した水分の量を測定し、ク
ロム化合物の含有水分濃度を求める方法としては、具体
的には、例えば、減圧下での重量減少で測定する方法等
を挙げることができる。本発明の製造方法で用いるクロ
ム化合物については、含有水分濃度を上記所望の範囲内
とするため、触媒を高湿度雰囲気下において吸湿させた
り、乾燥機や乾燥雰囲気下で乾燥させたりしておいても
よい。本発明の製造方法においては、クロム化合物の使
用量は、特に限定されるわけではないが、具体的には、
原料(メタ)アクリル酸に対して、0.01〜10モル
%の範囲で用いることが好ましく、より好ましくは0.
05〜5モル%、さらにより好ましくは0.1〜3モル
%である。0.01モル%未満では、反応速度が小さく
なるため反応時間が長くなり生産性が低下するおそれが
あり、10モル%を超えると、経済的でない上、廃棄物
中の(蒸留残渣中)のクロム濃度が高くなるため環境に
対する負荷(悪影響)が大きくなるおそれがある。 【0011】また、本発明の製造方法においては、特に
限定はされないが、触媒として、上記各種クロム化合物
以外の他の均一系触媒を併用してもよい。他の均一系触
媒としては、特に限定されないが、具体的には、例え
ば、鉄(Fe)化合物、イットリウム(Y)化合物、ラ
ンタン(La)化合物、セリウム(Ce)化合物、タン
グステン(W)化合物、ジルコニウム(Zr)化合物、
チタン(Ti)化合物、バナジウム(V)化合物、リン
(P)化合物、アルミニウム(Al)化合物、モリブデ
ン(Mo)化合物などを挙げることができる。これらは
1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。 【0012】鉄(Fe)化合物は、鉄(Fe)原子を分
子内に有する化合物で、かつ、前記反応液に可溶であれ
ば、特に限定されない。具体的には、例えば、鉄粉、塩
化鉄、蟻酸鉄、酢酸鉄、アクリル酸鉄、メタクリル酸鉄
などが挙げられる。イットリウム(Y)化合物は、イッ
トリウム(Y)原子を分子内に有する化合物で、かつ、
前記反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的
には、例えば、アセチルアセトンイットリウム、塩化イ
ットリウム、酢酸イットリウム、硝酸イットリウム、硫
酸イットリウム、アクリル酸イットリウムおよびメタク
リル酸イットリウムなどが挙げられる。 【0013】ランタン(La)化合物は、ランタン(L
a)原子を分子内に有する化合物で、かつ、前記反応液
に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例え
ば、アセチルアセトンランタン、塩化ランタン、酢酸ラ
ンタン、硝酸ランタン、硫酸ランタン、アクリル酸ラン
タンおよびメタクリル酸ランタンなどが挙げられる。セ
リウム(Ce)化合物は、セリウム(Ce)原子を分子
内に有する化合物で、かつ、前記反応液に可溶であれ
ば、特に限定されない。具体的には、例えば、アセチル
アセトンセリウム、塩化セリウム、酢酸セリウム、硝酸
セリウム、硫酸セリウム、アクリル酸セリウムおよびメ
タクリル酸セリウムなどが挙げられる。 【0014】タングステン(W)化合物は、タングステ
ン(W)原子を分子内に有する化合物で、かつ、前記反
応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、
例えば、塩化タングステン、アクリル酸タングステンお
よびメタクリル酸タングステンなどが挙げられる。ジル
コニウム(Zr)化合物は、ジルコニウム(Zr)原子
を分子内に有する化合物で、かつ、前記反応液に可溶で
あれば、特に限定されない。具体的には、例えば、アセ
チルアセトンジルコニウム、塩化ジルコニウム、酢酸ジ
ルコニウム、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、、
アクリル酸ジルコニウム、メタクリル酸ジルコニウム、
ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムプロポキシド、
塩化ジルコニル、酢酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、ア
クリル酸ジルコニルおよびメタクリル酸ジルコニルなど
が挙げられる。 【0015】チタン(Ti)化合物は、チタン(Ti)
原子を分子内に有する化合物で、かつ、前記反応液に可
溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、
塩化チタン、硝酸チタン、硫酸チタン、チタンメトキシ
ド、チタンエトキシド、チタンプロポキシド、チタンイ
ソプロポキシド、アクリル酸チタンおよびメタクリル酸
チタンなどが挙げられる。バナジウム(V)化合物は、
バナジウム(V)原子を分子内に有する化合物で、か
つ、前記反応液に可溶であれば、特に限定されない。具
体的には、例えば、アセチルアセトンバナジウム、塩化
バナジウム、ナフテン酸バナジウム、アクリル酸バナジ
ウムおよびメタクリル酸バナジウムなどが挙げられる。 【0016】リン(P)化合物は、リン(P)原子を分
子内に有する化合物で、かつ、前記反応液に可溶であれ
ば、特に限定されない。具体的には、例えば、トリメチ
ルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホ
スフィン、トリフェニルホスフィン、トリトルイルホス
フィンおよび1,2−ビス(ジフェニルホスフィン)エ
タンなどの、アルキルホスフィン類およびその(メタ)
アクリル酸塩等の4級ホスホニウム塩などが挙げられ
る。アルミニウム(Al)化合物は、アルミニウム(A
l)原子を分子内に有する化合物で、かつ、前記反応液
に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例え
ば、アセチルアセトンアルミニウム、塩化アルミニウ
ム、酢酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミ
ニウム、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプ
ロポキシド、アクリル酸アルミニウムおよびメタクリル
酸アルミニウムなどが挙げられる。 【0017】モリブデン(Mo)化合物は、モリブデン
(Mo)原子を分子内に有する化合物で、かつ、前記反
応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、
例えば、塩化モリブデン、酢酸モリブデン、アクリル酸
モリブデンおよびメタクリル酸モリブデンなどが挙げら
れる。本発明の製造方法において、上記各種クロム化合
物と上記その他の触媒とを併用する場合は、触媒全体中
の上記その他触媒の配合割合は、本発明の効果を損なわ
ない範囲で適宜設定すればよい。本発明の製造方法にお
いて、上記各種クロム化合物に、上記その他の触媒とを
併用する場合は、併用する触媒全量を、原料(メタ)ア
クリル酸に対して、0.01〜10モル%の範囲で用い
ることが好ましく、より好ましくは0.05〜5モル
%、さらにより好ましくは0.1〜3モル%である。
0.01モル%未満では、反応速度が小さくなるため反
応時間が長くなり生産性が低下することとなり、10モ
ル%を超えると、副生成物の反応選択性が高くなるので
好ましくない。 【0018】また、上記各種クロム化合物に、均一系触
媒であるアミン化合物を触媒として併用する場合には、
原料(メタ)アクリル酸に対して、0.01〜10モル
%の範囲で用いることが好ましく、より好ましくは0.
05〜5モル%、さらにより好ましくは0.1〜3モル
%である。0.01モル%未満では、反応速度が小さく
なるため反応時間が長くなり生産性が低下するおそれが
あり、10モル%を超えると、副生成物の反応選択性が
高くなるおそれがある。本発明の製造方法において、
(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとの反応形態
は、この種の反応に一般的に用いられている方法に従っ
て行うことができる。 【0019】例えば、バッチ式で反応を行う場合、(メ
タ)アクリル酸中に液状のアルキレンオキシドを導入し
て行われる。溶媒中に(メタ)アクリル酸を溶解させて
からアルキレンオキシドを導入してもよい。この際、ア
ルキレンオキシドは、一括して、あるいは連続的にまた
は間欠的に添加してもよい。そして連続的または間欠的
に添加する場合、この種の反応においてよく行われるよ
うに、アルキレンオキシド導入後も反応を継続させて、
いわゆる熟成を行い、反応を完結させることもできる。
また、(メタ)アクリル酸も初期に一度に仕込む必要は
必ずしもなく、いくつかに分割して投入することもでき
る。 【0020】なお、バッチ式で反応を行う場合、触媒
は、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレート、溶媒またはそれらの混合液中に予め溶解
しておき、その後にアルキレンオキシドを導入するのが
好ましい。また、(メタ)アクリル酸を分割投入する場
合には、分割投入する(メタ)アクリル酸に触媒の一部
を溶解し、(メタ)アクリル酸と共に投入してもよい。
また、連続式で反応を行う場合には、(メタ)アクリル
酸と液状のアルキレンオキシドを管型、槽型などの反応
器内に連続的に投入し、連続的に反応液を反応器から抜
き出して行われる。この際、触媒は、原料とともに連続
的に供給して反応液とともに連続的に抜き出してもよい
し、管型などの反応器の場合には、固体触媒を反応器内
に充填して使用する、いわゆる固定床形式で使用しても
よく、また、槽型の反応器の場合には、固体触媒を反応
器内で反応液とともに流動させて使用する、いわゆる流
動床形式で使用してもよい。また、これら連続反応の場
合には、反応液の一部を循環させる形態をとってもよ
い。 【0021】なお、連続式で反応を行う場合、触媒は、
(メタ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレート、溶媒またはそれらの混合液中に予め溶解して
おいてから、反応器へ投入するのが好ましい。原料(メ
タ)アクリル酸と原料アルキレンオキシドの反応器への
投入については、それぞれ別々の投入ラインから投入し
てもよいし、反応器へ投入する前に、配管、又は、ライ
ンミキサー、ミキシングタンクなどで予め混合してから
投入してもよい。また、反応器出口液を反応器入口へ循
環させる場合には、この液を原料(メタ)アクリル酸、
原料アルキレンオキシドと混合してから反応器へ投入し
てもよい。しかし、(メタ)アクリル酸とアルキレンオ
キシドを別々の投入ラインから反応液中に投入した場
合、(メタ)アクリル酸の投入口付近では反応液中のモ
ル比が(メタ)アクリル酸過剰になるので、好ましく
は、反応器へ投入する前に、それぞれの原料を配管など
で予め混合してから投入するのがよい。 【0022】反応温度は、通常、40〜130℃の範囲
で行うことが好ましく、より好ましくは50〜100℃
の範囲である。反応温度が40℃よりも低ければ、反応
の進行が遅くなって実用レベルから離れてしまい、一
方、反応温度が130℃よりも高ければ、副生成物が多
くなったり、原料である(メタ)アクリル酸や生成物で
あるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの重合等
が起こるので好ましくない。また、この反応において反
応を温和に進行させることなどを目的として、溶媒中で
反応を行ってもよい。溶媒としては、トルエン、キシレ
ン、ヘプタン、オクタンなどの一般的なものを用いるこ
とができる。反応時の系内圧力は、使用する原料の種類
や混合比にもよるが、一般には加圧下で行われる。 【0023】また、反応の際には、一般に用いられてい
る重合防止剤を使用することができる。重合防止剤とし
ては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノ
ン、tert−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t
ert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert
−ブチルハイドロキノン、2,4−ジメチル−6−te
rt−ブチルフェノール、ハイドロキノンモノメチルエ
ーテル等のフェノール化合物;N−イソプロピル−N’
−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、N−(1,3
−ジメチルブチル)−N’−フェニル−パラ−フェニレ
ンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェ
ニル−パラ−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニ
ル−パラ−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナ
フチル−パラ−フェニレンジアミン等のパラフェニレン
ジアミン類;チオジフェニルアミン、フェノチアジン等
のアミン化合物;ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジエ
チルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン
酸銅等のジアルキルジチオカルバミン酸銅塩類;ニトロ
ソジフェニルアミン、亜硝酸イソアミル、N−ニトロソ
−シクロヘキシルヒドロキシルアミン、N−ニトロソ−
N−フェニル−N−ヒドロキシルアミン又はその塩等の
ニトロソ化合物;2,2,4,4−テトラメチルアゼチ
ジン−1−オキシル、2,2−ジメチル−4,4−ジプ
ロピルアゼチジン−1−オキシル、2,2,5,5−テ
トラメチルピロリジン−1−オキシル、2,2,5,5
−テトラメチル−3−オキソピロリジン−1−オキシ
ル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オ
キシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン−1−オキシル、6−アザ−7,7−ジメ
チル−スピロ(4,5)デカン−6−オキシル、2,
2,6,6−テトラメチル−4−アセトキシピペリジン
−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−4−
ベンゾイルオキシピペリジン−1−オキシル、4,
4’,4’’−トリス(2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン−1−オキシル)フォスファイト等のN−オ
キシル化合物などが例示される。重合防止剤の添加量
は、カルボン酸に対して0.0001〜1重量%が好ま
しく、より好ましくは0.001〜0.5重量%であ
る。 【0024】本発明の製造方法においては、得られた粗
ヒドロキシアルキルエステルについて、必要に応じ、さ
らに精製を行ってもよい。精製方法としては、特に限定
されないが、例えば、蒸留による精製が挙げられる。よ
り具体的には、例えば、汎用の蒸留塔、充填塔や泡鐘
塔、多孔板塔などの精留塔などを用いる蒸留が挙げられ
るが、特にこれらに限定されない。また、蒸留精製に他
の精製手段を併用してもよい。また、精製時にも、前述
の重合防止剤を適宜使用できる。 【0025】 【実施例】以下に、実施例により、本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定される
ものではない。 −実施例1− メタクリル酸448g、触媒として含有水分量3重量%
の酢酸クロム0.90g、重合防止剤としてフェノチア
ジン0.45gを、容量1リットルの撹拌機付きSUS
−316製オートクレーブに仕込み、その内部を窒素ガ
スで置換した後、60℃に昇温し、内圧を1.0気圧と
した。252gの酸化エチレンを約4時間かけてほぼ等
速で供給し、この間60℃に維持して反応させた。酸化
エチレン供給後のメタクリル酸の反応転化率は75%で
あった。酸化エチレンの供給終了後、80℃に昇温して
未反応のメタクリル酸が0.10重量%になるまで反応
を継続した。2.1時間反応を継続することで、未反応
のメタクリル酸が0.10重量%になったので、反応液
を冷却した。得られた反応液中のヒドロキシエチルメタ
クリレート濃度は96.0重量%、ジエステル濃度は
0.08重量%、ジエチレングリコールモノメタクリレ
ート濃度は3.7重量%、エチレングリコール濃度は
0.02重量%であった。 【0026】−実施例2− 使用する触媒の含有水分量が5重量%のものを用いた以
外は、実施例1と同様の操作により反応を行った。酸化
エチレン供給後のメタクリル酸の反応転化率は75%で
あった。酸化エチレンの供給終了後、80℃に昇温して
未反応のメタクリル酸が0.10重量%になるまで反応
を継続した。2.0時間反応を継続することで、未反応
のメタクリル酸が0.1重量%になったので、反応液を
冷却した。得られた反応液中のヒドロキシエチルメタク
リレート濃度は96.0重量%、ジエステル濃度は0.
08重量%、ジエチレングリコールモノメタクリレート
濃度は3.7重量%、エチレングリコール濃度は0.0
3重量%であった。 【0027】−実施例3− 使用する触媒の含有水分量が10重量%のものを用いた
以外は、実施例1と同様の操作により反応を行った。酸
化エチレン供給後のメタクリル酸の反応転化率は75%
であった。酸化エチレンの供給終了後、80℃に昇温し
て未反応のメタクリル酸が0.10重量%になるまで反
応を継続した。2.25時間反応を継続することで、未
反応のメタクリル酸が0.1重量%になったので、反応
液を冷却した。得られた反応液中のヒドロキシエチルメ
タクリレート濃度は95.9重量%、ジエステル濃度は
0.08重量%、ジエチレングリコールモノメタクリレ
ート濃度は3.8重量%、エチレングリコール濃度は
0.05重量%であった。 【0028】−比較例1− 使用する触媒の含有水分量を0.5重量%のものを用い
た以外は、実施例1と同様の操作で反応を行った。酸化
エチレン供給後のメタクリル酸の反応転化率は60%で
あった。酸化エチレンの供給終了後、80℃に昇温して
5.0時間反応を継続したが未反応のメタクリル酸が
0.10重量%まで減少せず、反応液を観察したところ
未溶解の触媒が液中に見られた。 −比較例2− 使用する触媒の含有水分量が21.0重量%のものを用
いた以外は、実施例1と同様の操作により反応を行っ
た。酸化エチレン供給後のメタクリル酸の反応転化率は
68%であった。酸化エチレンの供給終了後、80℃に
昇温して5.0時間反応を継続したが、未反応のメタク
リル酸が0.10重量%まで減少しなかった。 【0029】 【発明の効果】本発明の製造方法によれば、触媒として
均一系触媒であるクロム化合物を用いることにより、反
応速度が速く、反応転化率が高く、触媒の分離操作が不
要といった従来の利点を発揮させつつ、反応所要時間お
よび目的生成物の収率に関して上述のようなばらつきを
低減しかつ適度な範囲となるようにする、新規なヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法を提供す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA02 AC48 BA14 BA32 BA37 BN10 4H039 CA66 CD10 CF90

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】触媒の存在下で(メタ)アクリル酸とアル
    キレンオキシドとを反応させてヒドロキシアルキル(メ
    タ)アクリレートを製造する方法において、 前記触媒として含有水分濃度が1〜20重量%であるク
    ロム化合物を用いるようにする、ことを特徴とする、ヒ
    ドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法。
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