JPWO2013180210A1 - ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、安定性の高いヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを提供することを目的とする。本発明に係るヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、ジアルキレングリコールの含有量が0.05質量%以下であることを特徴とする。
Description
本発明は、安定性の高いヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、および、不純物であるジアルキレングリコールの生成を抑制しつつ安定性の高いヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを効率的に製造する方法に関するものである。
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートや2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂を製造するためのモノマーなどとして利用され、一般的な(メタ)アクリル酸系モノマーの中でも、水酸基を有するという特徴を有する。よって、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを原料化合物の一つとして使用するポリ(メタ)アクリル酸系樹脂は、側鎖に水酸基を有することになる。
この水酸基は、アルキレン基を介して主鎖に結合していることから良好な反応性を示すので、側鎖に水酸基を有する上記ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂は、架橋やその他の官能基の導入が可能である。
例えば、側鎖に水酸基を有する上記ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂は、架橋などにより耐キズ性や耐酸性が向上するので、高機能塗料の成分として用いることができる。また、水酸基ゆえの高接着性や高親水性などにより、接着剤やコンタクトレンズの材料、また、セルロースを含む紙や布の加工剤としても利用可能である。
一般的に、ヒドロキシアルキルアクリレートとヒドロキシアルキルメタクリレートとを比べると、ヒドロキシアルキルアクリレートを含む樹脂の方がより低温、短時間で硬化する。
いずれにせよ、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは易重合性の化合物であり、その高い反応性故に、保管時に重合反応が進行するおそれがあるという問題がある。保管中にいったん重合反応が開始すると、その反応熱により重合反応が促進されるため、非常に危険である。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、一般的に、触媒の存在下、(メタ)アクリル酸と酸化アルキレンとを反応させることにより製造される(特許文献1)。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを工業的に製造する場合には不純物が生成する場合があり、不純物を抑制するための技術が開発されている。例えば特許文献2には、不純物であるジアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートの生成を抑制するために、触媒に対する(メタ)アクリル酸の量を調節しながら反応を行う方法が記載されている。
また、特許文献3には、反応所要時間や収率のばらつきを低減し、不純物であるアルキレングリコールの生成を抑制するために、所定の水分濃度を有するクロム化合物を触媒として使用してヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方法が開示されている。
上述したように、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは反応性の高い易重合性化合物であり、保管時に重合反応が進行するおそれがあり危険である。
そこで本発明は、安定性の高いヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、不純物として混入するジアルキレングリコールの含有量が所定値以下であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが極めて優れた安定性を有することを突き止めた。
また、本発明者らは、ジアルキレングリコールが混入すると、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの品質を著しく低下させることを見出した。詳しくは、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートはポリ(メタ)アクリル酸系樹脂を製造するためのモノマーの一つとして主に用いられ、その側鎖水酸基が架橋反応や官能基導入反応に有用である。よって、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートにジアルキレングリコールが混入していると、最終的に得られるポリ(メタ)アクリル酸系樹脂にも混入する。そのような場合、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの水酸基よりもジアルキレングリコールの水酸基の方が反応性が高いため、重合反応や架橋反応などの際、ジアルキレングリコールの水酸基が先に反応してしまい、所望の特性を有するポリ(メタ)アクリル酸系樹脂が得られなくなる。
また、不純物を抑制しながらヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方法としては様々なものが開発されているが、従来、酸化アルキレンから副生するジアルキレングリコールを不純物として認識し、これを低減する技術はなかった。
そこで本発明は、不純物であるジアルキレングリコールの生成を抑制しつつ効率的にヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方法を提供することも目的とする。
上記目的に関して、さらに本発明者らは、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造の際にジアルキレングリコールが副生する原因は、原料化合物に含まれる極僅かな水分であり、当該水分が所定量まで低減された原料化合物を用いることによりジアルキレングリコールの生成を顕著に低減できることを見出して、本発明を完成した。
本発明を以下に示す。
[1]ジアルキレングリコールの含有量が0.05質量%以下であることを特徴とするヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート。
[2]ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造するための方法であって、
触媒の存在下、(メタ)メタクリル酸と酸化アルキレンとを反応させる工程を含み、
反応液全体に含まれる水分割合を0.05質量%以下にすることを特徴とする製造方法。
触媒の存在下、(メタ)メタクリル酸と酸化アルキレンとを反応させる工程を含み、
反応液全体に含まれる水分割合を0.05質量%以下にすることを特徴とする製造方法。
[3](メタ)アクリル酸の初期仕込み量を総使用量の90質量%以下とし、酸化アルキレンの全部または一部の供給後、(メタ)アクリル酸の残部を供給する上記[2]に記載の製造方法。
[4]触媒の存在下、(メタ)アクリル酸と酸化アルキレンとを反応させた後、目的化合物であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを分離した反応液を、次の反応で用いる上記[2]または[3]に記載の製造方法。
本発明に係るヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、安定性に優れており、例えば保管中における重合反応の進行が抑制されることから安全なものである。
また、本発明方法によれば、適切な原料化合物を選択するか或いは原料化合物を事前処理することにより、不純物であるジアルキレングリコールの生成を抑制しつつヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを簡便に製造することができる。ジアルキレングリコールの水酸基は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの水酸基よりも反応性が高く副反応を起こすことから、これが低減されたヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂の原料化合物に適する。
従って本発明は、高品質なヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに関する技術として、産業上非常に優れている。
本発明に係るヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、不純物であるジアルキレングリコールの含有量が0.05質量%以下であることを特徴とする。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは易重合性化合物であって、保管中に重合反応が開始するおそれがあり危険なものである。それに対して本発明者らは、その理由は必ずしも明らかではないが、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの安定性を貶める原因物質が不純物として混入するジアルキレングリコールであり、その含有量を低減することによって、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの望まぬ重合反応を抑制し、安定性を向上させ得ることを見出した。
また、上述したように、ジアルキレングリコールの水酸基の反応性は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの側鎖水酸基よりも高いことから、ジアルキレングリコールが混入したヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを重合反応に付すと、所望の重合体が得られないという問題がある。本発明に係るヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、ジアルキレングリコールの含有量が低減されているため、かかる副反応が抑制されている。
さらに、ジアルキレングリコールが混入したヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートをモノマーの一つとして重合反応に付すと、ジアルキレングリコールが原料化合物や重合反応物と脱水縮合反応やエステル交換反応などを起こし、重合体の構造が変化するため、目的とする重合体の特性に影響が出るという問題がある。かかる問題も、ジアルキレングリコールの含有量が低減されている本発明に係るヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを用いることにより解決される。
なお、本発明において(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートのうち少なくとも一方、即ち、アクリレートまたはメタクリレート、またはアクリレートとメタクリレートとの混合物をいうものとする。
本発明に係るヒドロキシアルキルメタクリレートのジアルキレングリコールの含有量としては、0.02質量%以下が好ましく、0.015質量%以下がより好ましく、0.010質量%以下がさらに好ましい。また、本発明に係るヒドロキシアルキルアクリレートのジアルキレングリコールの含有量としては、0.05質量%以下が好ましく、0.03質量%以下がより好ましい。
本発明に係るヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート中のジアルキレングリコールの含有量が0.05質量%を超えると、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの安定性が不十分となり、保管中に重合反応が進行するおそれがあり、危険である。また、重合反応や架橋反応などの際にジアルキレングリコールの水酸基が先に反応したり、原料モノマーや重合物と脱水重合反応などを起こしてしまい、所望の特性を有するポリ(メタ)アクリル酸系樹脂が得られなくなるため好ましくない。
一方、本発明に係るヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのジアルキレングリコール含有量の下限量は特に制限されず、0質量%であることが理想であるが、例えば検出限界値とすることができる。ジアルキレングリコールの検出限界は測定装置などにより異なるが、例えば一般的なガスクロマトグラフィーの検出限界値は0.0001質量%である。また、当該含有量は0.0005質量%以上であってもよく、さらには0.001質量%以上であってもよい。
もちろん、本発明に係るヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの純度は、高いほど好ましい。具体的には、本発明に係るヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの純度としては、95.0質量%以上が好ましく、96.5質量%以上がより好ましく、97.5質量%以上、98.5質量%以上、99.5質量%以上がさらに好ましい。
本発明に係るヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、精製を十分に行うことによりジアルキレングリコールの含有量を所定値まで低減することによって製造することができる。しかし、かかる方法では収率が低下してしまい、特に工業的な大量生産には適さない。そこで、本発明に係るヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、ジアルキレングリコールの生成を抑制しつつ効率的にヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造できる方法、特に本発明方法で製造することが好ましい。
本発明に係るヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法は、触媒の存在下、(メタ)アクリル酸と酸化アルキレンとを反応させる工程を含む。以下、本発明方法を実施の順番に従って説明する。
本発明の製造方法において用いる触媒は、特に限定されないが、例えば、クロム化合物、鉄化合物、イットリウム化合物、ランタン化合物、セリウム化合物、タングステン化合物、ジルコニウム化合物、チタン化合物、バナジウム化合物、リン化合物、アルミニウム化合物、モリブデン化合物およびアミン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む触媒を挙げることができる。
触媒に用い得る化合物としては、例えば、上記金属の粉末;塩化物イオン塩などのハロゲンイオン塩;ギ酸塩、酢酸塩、(メタ)アクリル酸塩などの有機酸塩;硝酸塩、硫酸塩などの無機酸塩;アセチルアセトンなどの配位体;プロポキシドやブトキシドなどのアルコキシドなどを挙げることができる。また、リン化合物としては、例えば、トリメチルホスフィンやトリフェニルホスフィンなどのアルキルホスフィン類、およびその(メタ)アクリル酸塩などの4級ホスホニウム塩なども用いることができる。
金属を含む触媒に加えてアミン化合物を併用することにより、触媒活性に相乗効果が見られ、反応転化率が高くなる上に反応選択率も高くなるなどの効果が得られる。このようなアミン化合物は、アミン官能基を分子内に有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、トリアルキルアミン化合物;ピリジンなどの環状アミン化合物;それらの第4級アンモニウム塩;第3級アミノ基、第4級アンモニウム基およびピリジニウム基などの塩基性官能基を少なくとも1種含有する塩基性アニオン交換樹脂などを挙げることができる。
触媒としては、反応系に溶解する均一系触媒と、少なくとも一部が溶解しない不均一系触媒とがある。本発明においては、反応がより良好に進行することから、均一系触媒を用いることが好ましい。
(メタ)アクリル酸に対する触媒の使用量は特に制限されず、適宜調整すればよい。例えば、均一系触媒の場合、(メタ)アクリル酸の総使用量に対して0.001モル%以上、10モル%以下が好ましい。当該割合が0.001モル%未満では、反応速度が小さすぎて反応時間が長くなり生産性が低下するおそれがあり得、10モル%を超えると、副生成物の反応選択性が高くなるおそれがあり得る。当該割合としては、0.005モル%以上がより好ましく、0.01モル%以上がさらに好ましく、また、5モル%以下がより好ましく、3モル%以下がさらに好ましい。不均一系触媒の場合、均一系触媒と同様の理由から、(メタ)アクリル酸の総使用量に対して5質量%以上、80質量%以下とすることが好ましく、10質量%以上、70質量%以下がより好ましい。
本発明の製造方法においては、重合防止剤を用いることが好ましい。重合防止剤は特に限定されるわけではなく、(メタ)アクリル酸やその誘導体の製造で一般的に用いられるものであれば使用可能である。例えば、ヒドロキノンやヒドロキノンモノメチルエーテルなどのフェノール化合物;N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンなどのパラフェニレンジアミン類;チオジフェニルアミンやフェノチアジンなどのフェニルアミン化合物;ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸銅などのジアルキルジチオカルバミン酸銅塩類;2,2,4,4−テトラメチルアゼチジン−1−オキシルなどのN−オキシル化合物などを用いることができる。その他、分子状酸素を含む気体を用いてもよい。かかる気体としては、空気、酸素自体、酸素と不活性気体との混合気体などを用いることができる。分子状酸素を含む気体を用いる場合には、反応液中にバブリングするとよい。これら重合防止剤は1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合防止剤の使用量は、適宜調整すればよい。例えば、(メタ)アクリル酸の総使用量に対して、0.0001質量%以上、1質量%以下が好ましく、0.001質量%以上、0.5質量%以下がより好ましい。
本発明方法では、(メタ)アクリル酸と酸化アルキレンを反応させる。(メタ)アクリル酸の融点は比較的低いことから、反応時において、溶媒としての役目も果たす。
酸化アルキレンは、酸化エチレン、または酸化エチレンのメチレン基上の水素原子がアルキル基に置換されている化合物をいうものとする。酸化アルキレンの炭素数としては2以上、6以下が好ましく、2以上、4以下がさらに好ましく、2または3が特に好ましい。即ち、酸化アルキレンとしては、酸化エチレンまたは酸化プロピレンが特に好ましい。これらから製造される2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートは、塗料や接着剤の成分であるポリ(メタ)アクリル酸系樹脂の原料化合物として、特に有用性が高い。
(メタ)アクリル酸と酸化アルキレンの使用量は、適宜調整すればよい。例えば、(メタ)アクリル酸1モルに対して酸化アルキレンを1.0モル以上、10モル以下とすることが好ましい。当該割合が1.0モル未満の場合は、(メタ)アクリル酸と酸化アルキレンとの反応が進行し難くなるおそれがあり得る。また、当該割合が10モルを超えると、酸化アルキレンの回収工程などが必要となり経済的に不利益となるおそれがあり得る。当該割合としては、5.0モル以下がより好ましく、3.0モル以下がさらに好ましく、2.0モル以下が特に好ましい。
本発明方法においては、溶媒を用いてもよい。溶媒は適宜選択すればよく特に制限されないが、例えば、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素や、ベンゼンやトルエンなどの芳香族炭化水素を用いることができる。
本発明においては、水分含量が抑制された原料化合物を用いるか、或いは原料化合物を乾燥した上で用いることにより、上記工程、即ち触媒の存在下、(メタ)アクリル酸と酸化アルキレンとを反応させる工程の反応液全体における水分割合を所定濃度以下に調節する。より具体的には、反応液全体に対する水分割合を0.05質量%以下とする。ヒドロキシアルキルメタクリレートを製造する場合には、反応液全体に対する水分割合を0.025質量%以下とすることが好ましく、0.020質量%以下とすることがより好ましく、0.015質量%以下とすることがさらに好ましい。また、ヒドロキシアルキルアクリレートを製造する場合には、反応液全体に対する水分割合を0.04質量%以下とすることがより好ましく、0.035質量%以下とすることがさらに好ましい。本発明者らの知見によれば、反応液中にわずかに存在する水分が不純物であるジアルキレングリコールの生成の原因となるので、当該水分割合を所定値以下に低減する必要がある。なお、本発明においては、(メタ)アクリル酸と酸化アルキレンのみならず、触媒など、反応液に含まれる全ての化合物を原料化合物という場合がある。
一方、当該水分割合の下限は特に制限されず、0質量%であることが理想であるが、例えば、下記の水分含量測定において、検出限界値とすることができる。水分含量の検出限界は測定装置などにより異なるが、例えば、一般的なカールフィッシャー水分計での検出限界値は0.0001質量%である。即ち、当該水分割合は0.0001質量%以上であってもよく、さらには0.001質量%以上であってもよい。
各原料化合物の水分割合の測定方法は特に制限されず、常法を用いればよいが、例えば、カールフィッシャー水分計を用いたカールフィッシャー法を用いることができる。また、反応液全体に対する水分割合の測定は、反応開始直前または反応開始時における反応液で行ってもよいし、或いは、各原料化合物につき行って、得られた測定値から計算してもよい。
反応液全体における水分割合が所定値を超えている場合には、原料化合物を乾燥してその水分含量を下げることが好ましい。乾燥する原料化合物は、熱による分解や副反応が起こる可能性がより低いことから、触媒および重合防止剤が好ましく、特に触媒が好ましい。また、(メタ)アクリル酸に含まれる水分割合が高い場合には、(メタ)アクリル酸を加熱以外の方法で脱水したり、或いは水分割合の低い(メタ)アクリル酸を用いることが好ましい。
原料化合物の乾燥方法は特に制限されず、常法を用いればよいが、例えば、各原料化合物の沸点を超えない範囲で加熱すればよい。その際、減圧してもよい。なお、反応液を乾燥するよりも、特に水分割合の高い原料化合物や乾燥し易い原料化合物を予め乾燥することが好ましい。乾燥すべき原料化合物としては、通常の加熱条件では固体状態が維持される触媒など沸点の高いものや、重合防止剤などのうち水分割合が比較的高いものから選択すればよい。また、乾燥手段は特に制限されず、適宜選択すればよいが、例えば、乾燥機を用いることができる。但し、酸化アルキレンは一般的に沸点が低く、これを加熱により乾燥することは難しいので、酸化アルキレンに含まれる水分割合が高い場合には、特に高温での加熱以外の方法で脱水することが好ましい。
乾燥機としては、特に限定されないが、例えば、箱型乾燥機やスプレー式ドライヤーを挙げることができる。なお、原料化合物として有機物質を含む場合は、防爆型の乾燥機を使用するか、不活性ガスなどを流通させながら乾燥機内の気相部中の有機物質ガス濃度が爆発範囲とならないようにしながら乾燥することが好ましい。また、乾燥条件としては、乾燥させる原料化合物によって適宜設定すればよく、特に限定されないが、例えば、70℃以上、110℃以下で30分間以上、1時間以下とすることが好ましい。当該乾燥温度としては、90℃以上、110℃以下がより好ましい。
本発明方法では、触媒の存在下、(メタ)アクリル酸と酸化アルキレンとを反応させる。但し、これら原料化合物の総使用量全部を最初から反応させてもよく、或いは、反応当初は、その一部のみを用いてもよい。
例えば、均一系触媒は、一般的に、反応開始前に予め反応器へ全使用量を投入しておく。しかし、(メタ)アクリル酸に対する好適割合を満たすことができるなど、触媒活性が発揮される範囲であれば、初期の投入量は全使用量の一部であってもよい。その場合、残部は反応の進行途中で供給すればよい。また、均一系触媒の場合、(メタ)アクリル酸または酸化アルキレンのいずれかに予め溶解させておいてから反応器へ供給してもよい。例えば、反応器とは別の溶解槽で原料(メタ)アクリル酸に溶解し、原料(メタ)アクリル酸と共に反応器に供給してもよい。
不均一触媒の場合も同様であり、反応当初から全量を用いてもよいし、或いは反応当初は総使用量の一部のみ反応器に供給し、残部は少しずつ添加してもよい。
重合防止剤は、(メタ)アクリル酸や、目的化合物であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの重合を防止するためのものである。よって、総使用量の全部を反応開始前に反応器へ供給してもよいし、(メタ)アクリル酸の供給などに合わせ、一部ずつ供給してもよい。
(メタ)アクリル酸は、反応当初から全量を用いてもよいが、総使用量の一部を初期に反応器へ供給し、反応開始後、さらに残部を少量ずつ供給することが好ましい。本発明者らの知見によれば、(メタ)アクリル酸を反応当初から全量用いる場合よりも、少量ずつ用いる場合の方が、不純物であるジアルキレングリコールの生成をより一層抑制できる。
例えば、(メタ)アクリル酸の初期仕込み量を総使用量の90質量%以下とし、酸化アルキレンの全部または一部を供給して反応を開始させた後、(メタ)アクリル酸の残部を供給することが好ましい。即ち、反応当初には総使用量の90質量%以下を添加し、いったん酸化アルキレンと反応させた後、残部を一度に添加するか、或いは2回以上に分けて添加してもよい。初期の仕込み量としては、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましく、35質量%以下が特に好ましい。また、当該量の下限は特に制限されないが、当該量が過剰に小さいと添加回数が増えて製造効率が低下するおそれがあり得るので、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、5質量%以上が特に好ましい。このように、原料化合物の一部ずつを複数回に分けて添加することを逐次添加という。また、(メタ)アクリル酸を、一定の或いは不定の速度で、連続的に添加してもよい。さらに、一部の(メタ)アクリル酸を一時に供給し、残部を連続的に供給してもよい。なお、初期仕込み量とは、後述する反応の開始のときにおいて、反応器内に存在する原料化合物の量をいうものとする。また、少なくとも反応初期において(メタ)アクリル酸を連続的に供給する場合、「(メタ)アクリル酸の初期仕込み量を総使用量の90質量%以下とする」との要件を満たすためには、反応混合液の温度を上げて反応を開始する際における(メタ)アクリル酸の量が総使用量の90質量%以下になるようにすればよい。
上述したように、本発明方法においては、反応液全体に含まれる水分含量を低減することにより、不純物であるジアルキレングリコールの生成を抑制している。それに加え、後記の実施例のとおり、その理由は明らかではないが、(メタ)アクリル酸の総使用量を当初から全量添加するよりも、総使用量のうちの一部を初期に反応器へ供給し、さらに残部を少量ずつ加えることにより、ジアルキレングリコールの生成量はさらに低減される。その理由としては、(メタ)アクリル酸がジアルキレングリコールの生成を促進する原因の一つである可能性がある。そこで、上記のようにして、反応液に含まれる見かけ上の酸の量を抑制することにより、ジアルキレングリコールの生成をより一層抑制することができる。
原料化合物である触媒、(メタ)アクリル酸、酸化アルキレンの添加順序は特に問わないが、例えば酸化エチレンの沸点は10.7℃であり、室温で気体であることから、(メタ)アクリル酸に溶解するように添加することが好ましい。例えば、少なくとも総使用量の少なくとも一部の触媒および(メタ)アクリル酸の混合物へ、酸化アルキレンを供給することが好ましい。
酸化アルキレンは、総使用量の全部を一時に供給してもよいが、未反応の酸化アルキレンが大量に存在すると燃焼するおそれがあり得るので、逐次的または連続的に供給することが好ましく、連続的に供給することがより好ましい。
初めに添加する酸化アルキレンの全供給量の一部を(メタ)アクリル酸の初期仕込み分と共に仕込んでおいて反応させた場合は、反応を開始して0.01時間以上、5時間以下経過した時点で残りの原料(メタ)アクリル酸と残りの原料酸化アルキレンとを添加することが好ましい。当該時間としては0.1時間以上、5時間以下がより好ましい。上記範囲外の場合は、酸化アルキレンの二付加体であるジアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートが副生しやすく、蒸留収率または純度を低下させるおそれがあり得る。
(メタ)アクリル酸と残りの原料酸化アルキレンとの添加においては、添加時間は、0.1時間以上、5時間以下が好ましく、0.1時間以上、4時間以下がより好ましく、0.1時間以上、3時間以下がさらに好ましい。上記添加時間が0.1時間未満の場合は、時間当たりに発生する反応熱量が大きくなるため、冷却のための熱交換器を大きくしなければならないなど、経済的に不利益となるおそれがあり、5時間を超える場合は、生産性が低下するおそれがある。
反応は、総使用量の少なくとも一部の触媒、(メタ)アクリル酸および酸化アルキレンを含む混合物の温度を、40℃以上とすることにより開始する。より具体的には、当該混合物を昇温して40℃以上にしてもよいし、或いは、総使用量の少なくとも一部の触媒、(メタ)アクリル酸を含む混合物を昇温して40℃以上にした後、酸化アルキレンを添加してもよい。
反応温度は、通常40℃以上、120℃以下とする。反応温度が40℃未満の場合には、反応速度が小さすぎて未反応の酸化アルキレンの気相中のガス濃度が高くなり、爆発するおそれがあり得、安全を確保するために気相部を不活性ガスで希釈し、酸化アルキレンの気相中のガス濃度を下げる必要があり操作が煩雑になり得る。その場合、反応器の設計圧力を高くする必要があり、経済的にも不利益となるおそれがあり得る。或いは、酸化アルキレンの供給速度を遅くし、未反応の酸化アルキレンの濃度を下げる方法もあるが、反応時間が長くなり生産性が低下するおそれがあり得る。一方、反応温度が120℃を超えると、不純物の副生を抑制することが困難になるおそれがあり得る。反応温度としては、50℃以上がより好ましく、60℃以上がさらに好ましく、70℃以上がさらに好ましく、また、110℃以下がより好ましく、100℃以下がさらに好ましい。
反応時間も適宜調整すればよいが、例えば、各原料化合物の総使用量全てを反応器に供給した後、30分間以上、10時間以下反応させる。また、(メタ)アクリル酸などを反応器へ逐次的に供給する場合には、原料化合物の総使用量を反応器へ供給し終えた後、30分間以上、10時間以下反応させてもよい。
反応時の反応器内の圧力は使用する原料の種類やその使用割合にもよるが、一般には加圧下で反応を行うことが好ましい。しかしながら、反応圧の上昇に伴い燃焼範囲が拡大することでの危険性も存在する。初期仕込み量、初期圧とその後の原料供給に伴う反応器内部の気相の圧縮や末反応の酸化アルキレンの分圧によって反応が異なるが、圧力としては、例えばゲージ圧で0.1MPa以上、1.5MPa以下が好ましく、0.1MPa以上
、1.0MPa以下がより好ましい。
、1.0MPa以下がより好ましい。
反応は、反応液中に残存する(メタ)アクリル酸の量を測定し、当該量が反応液全体に対して所定量以下となった場合に終了させればよい。当該所定量としては、0.2質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましい。反応を終了させるには、反応液を60℃未満に冷却すればよい。
反応終了後においては、目的化合物であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを反応液から蒸留して回収する。具体的には、汎用の蒸留塔、充填塔や泡鐘塔、多孔板塔などの精留塔などを用いて蒸留する方法が採用できるが、これらに限定はされない。蒸留精製する際は、他の精製手段、例えば回転薄層式蒸発器を併用することもできる。蒸留精製する際の条件は適宜調整すればよいが、例えば、絶対圧力を1hPa以上、50hPa以下、温度を50℃以上120℃以下、蒸留時間を0.5時間以上、24時間以下とすることができる。絶対圧力としては、20hPa以下が好ましく、10hPa以下がより好ましい。蒸留温度としては、60℃以上、100℃以下が好ましい。蒸留時間としては、1時間以上が好ましく、また、12時間以下が好ましく、6時間以下がより好ましく、3時間以下がさらに好ましい。
気体バブリングは蒸留時に液の攪拌効果による突沸を防止する目的で行われる。このバブリングの量について特に制限というものはないが、例えばバブリング量が多い場合には高真空条件での蒸留の際に負荷となりうるため種々の条件にあったものが好ましい。例えば、バブリングのための気体投入量は蒸発体積量に対して10容積%以下が好ましく、0.1容積%以上が好ましい。バブリングする気体としては、例えば、窒素などの不活性気体と酸素との混合気体、空気、酸素など、重合防止作用を有する気体を用いることが好ましい。また、バブリングする気体は、予め水分を除去した乾燥ガスが好ましい。
生成したヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを全て蒸留しようとすると、不純物が混入する可能性が高くなる。よって、例えばヒドロキシアルキルメタクリレートをバッチ蒸留する場合、生成したヒドロキシアルキルメタクリレートの98質量%以下が得られた時点で、また、ヒドロキシアルキルアクリレートの場合、生成したヒドロキシアルキルアクリレートの95質量%以下が得られた時点で、蒸留を止めることが好ましい。当該割合としては、ヒドロキシアルキルメタクリレートの場合、95質量%以下がより好ましく、ヒドロキシアルキルアクリレートの場合、92質量%以下がより好ましい。当該割合の下限は特に制限されないが、当該割合が低過ぎると製造効率が低下するおそれがあり得るので、80質量%以上が好ましく、85質量%以上がより好ましく、88質量%以上がさらに好ましい。
目的化合物であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを蒸留した後の残部には触媒が含まれており、場合によっては重合防止剤が残留していることもある。本発明では、蒸留後の反応液の残部を、次回以降の反応において、触媒および重合防止剤の全部または一部として用いることが好ましい。かかる態様により、触媒などの使用量を低減して製造コストを抑えることができ、また、原料化合物由来の新たな水分が持ち込まれることを防止することもできる。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを蒸留した後の残部は、通常、液体である。しかし、熱履歴により粘度の上昇や副生物の増加など液性状の悪化が懸念される。よって、当該残部は、蒸留温度以下に維持することが好ましく、5日以上の長期保存を行う場合には50℃以下に維持することが好ましい。なお、蒸留の際にも、反応で用いた重合防止剤は有効に働く。
本願は、2012年5月31日に出願された日本国特許出願第2012−124981号に基づく優先権の利益を主張するものである。2012年5月31日に出願された日本国特許出願第2012−124981号の明細書の全内容が、本願に参考のため援用される。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」をいうものとする。
また、本発明において「留出率」とは、蒸留などにより目的化合物などある成分を分離した際に、元の反応液の質量に対する留出量の質量割合をいう。
試料に含まれるジアルキレングリコールの量を測定するためのガスクロマトグラフィーの測定条件は、以下のとおりである。
測定装置: ガスクロマトグラフ GC−17A(島津製作所社製)
カラム: DB−1701(J&W SCIENTIFIC製,内径0.53mm,長さ30m)
インジェクション温度: 250℃
測定装置: ガスクロマトグラフ GC−17A(島津製作所社製)
カラム: DB−1701(J&W SCIENTIFIC製,内径0.53mm,長さ30m)
インジェクション温度: 250℃
実施例1 ヒドロキシエチルメタクリレートの安定性の加速試験
各ヒドロキシエチルメタクリレート試料を予め上記のガスクロマトグラフィーで分析した後、重合防止剤であるヒドロキノンモノメチルエーテルの濃度を0.005質量%に調整した。次いで、ガスクロマトグラフィーの測定結果より、各試料に含まれるジエチレングリコールの含有量を算出した。
各ヒドロキシエチルメタクリレート試料を予め上記のガスクロマトグラフィーで分析した後、重合防止剤であるヒドロキノンモノメチルエーテルの濃度を0.005質量%に調整した。次いで、ガスクロマトグラフィーの測定結果より、各試料に含まれるジエチレングリコールの含有量を算出した。
上記試料10mLを、試験管(内径18mm×長さ180mm)に入れた。当該試験管を空気雰囲気下で100℃のオイルバスに浸漬し、定期的に混合物を目視し、一部にでも固化が生じた時点を重合開始とみなし、浸漬開始からの時間を記録した。結果を表1に示す。なお、実験No.1の試料は、実施例6で得られた試料にジエチレングリコールを添加することにより調製した。
上記条件での重合開始時間が11時間を超えていれば、通常の条件での保管時におけるヒドロキシアルキルメタクリレートの安定性としては十分であるといえる。また、ヒドロキシアルキルメタクリレートに含まれるジアルキレングリコールの含有量が少ないほど、重合開始時間は長くなり、ヒドロキシアルキルメタクリレートの安定性は高いといえる。
実施例2 ヒドロキシエチルアクリレートの安定性の加速試験
各ヒドロキシエチルアクリレート試料を予め上記のガスクロマトグラフィーで分析した後、重合防止剤であるヒドロキノンモノメチルエーテルの濃度を0.03質量%に調整した。次いで、ガスクロマトグラフィーの測定結果より、各試料に含まれるジエチレングリコールの含有量を算出した。
各ヒドロキシエチルアクリレート試料を予め上記のガスクロマトグラフィーで分析した後、重合防止剤であるヒドロキノンモノメチルエーテルの濃度を0.03質量%に調整した。次いで、ガスクロマトグラフィーの測定結果より、各試料に含まれるジエチレングリコールの含有量を算出した。
上記試料10mLを、試験管(内径18mm×長さ180mm)に入れた。当該試験管を空気雰囲気下で110℃のオイルバスに浸漬し、定期的に混合物を目視し、一部にでも固化が生じた時点を重合開始とみなし、浸漬開始からの時間を記録した。結果を表2に示す。なお、実験No.5,6の試料は、実施例9で得られた試料にジエチレングリコールを添加することにより調製した。
上記条件で重合開始時間が80時間を超えていれば、ヒドロキシアルキルアクリレートの安定性は高いといえる。特に、ジエチレングリコールの含有量が0.101%の場合に比べ、0.05%の場合には、重合開始時間は約2時間長いので、常温での安定性は非常に高いといえる。
上記結果のとおり、ジアルキレングリコールの含有量が0.05質量%以下であれば、ヒドロキシアルキルアクリレートの安定性は十分であることが実証された。
実施例3 ヒドロキシエチルメタクリレートの製造
(1) 原料等の水分割合
メタクリル酸、触媒である酢酸クロム、重合防止剤であるフェノチアジンの水分割合を、カールフィッシャー水分計を用いたカールフィッシャー法により求めた。なお、原料化合物である酸化エチレンに関しては、製法上、水が混入する可能性は少ないので、測定は行わなかった。酢酸クロムの水分割合は10.0質量%であった。
(1) 原料等の水分割合
メタクリル酸、触媒である酢酸クロム、重合防止剤であるフェノチアジンの水分割合を、カールフィッシャー水分計を用いたカールフィッシャー法により求めた。なお、原料化合物である酸化エチレンに関しては、製法上、水が混入する可能性は少ないので、測定は行わなかった。酢酸クロムの水分割合は10.0質量%であった。
(2) 原料等の乾燥
水分濃度を測定した上記化合物のうち最も水分割合の高かった酢酸クロムを、自然対流式乾燥機(ヤマト科学社製)を用い、105℃で30分間乾燥した上で、再度、その水分割合を上記(1)と同様の条件で測定した。各化合物の水分割合を表3に示す。なお、上記方法により水分が検出されなかった場合は、表中、0%と表す。
水分濃度を測定した上記化合物のうち最も水分割合の高かった酢酸クロムを、自然対流式乾燥機(ヤマト科学社製)を用い、105℃で30分間乾燥した上で、再度、その水分割合を上記(1)と同様の条件で測定した。各化合物の水分割合を表3に示す。なお、上記方法により水分が検出されなかった場合は、表中、0%と表す。
(3) 反応
上記メタクリル酸(700.0g)、上記酢酸クロム(2.8g,メタクリル酸に対して0.15モル%)および上記フェノチアジン(1.0g)を、容量2リットルの攪拌機付きSUS−316製オートクレーブに供給した。当該オートクレーブの気相を窒素ガスで置換した後、混合物の温度を80℃に上げ、内部をゲージ圧で0.1MPaに加圧した。次いで、混合物の温度を80℃に維持しつつ、上記酸化エチレン(379.7g,メタクリル酸に対してモル比1.06)を126.6g/hの速度で約3時間かけて供給した。酸化エチレンの供給終了後、反応温度を80℃に保ったまま1.5時間反応させることで、反応液全体に対する未反応メタクリル酸の濃度が0.10%になった。その後、反応液を40℃まで冷却した。
上記メタクリル酸(700.0g)、上記酢酸クロム(2.8g,メタクリル酸に対して0.15モル%)および上記フェノチアジン(1.0g)を、容量2リットルの攪拌機付きSUS−316製オートクレーブに供給した。当該オートクレーブの気相を窒素ガスで置換した後、混合物の温度を80℃に上げ、内部をゲージ圧で0.1MPaに加圧した。次いで、混合物の温度を80℃に維持しつつ、上記酸化エチレン(379.7g,メタクリル酸に対してモル比1.06)を126.6g/hの速度で約3時間かけて供給した。酸化エチレンの供給終了後、反応温度を80℃に保ったまま1.5時間反応させることで、反応液全体に対する未反応メタクリル酸の濃度が0.10%になった。その後、反応液を40℃まで冷却した。
反応後、反応液を容量2リットルのガラス製丸底フラスコに移して真空蒸留装置にセットし、空気を10mL/minでバブリングしながら、圧力2〜10hPa、内温60〜100℃で2時間かけて蒸留することにより、ヒドロキシエチルメタクリレートを留出率95%で得た。
得られたヒドロキシエチルメタクリレートをガスクロマトグラフィーにより分析したところ、不純物であるジエチレングリコールの含有量は0.012%であった。
実施例4 ヒドロキシエチルメタクリレートの製造
表4に示す原料化合物を用いた以外は実施例3(3)と同様の条件によりヒドロキシエチルメタクリレートを製造した。得られたヒドロキシエチルメタクリレートをガスクロマトグラフィーにより分析したところ、不純物であるジエチレングリコールの含有量は0.019質量%であった。
表4に示す原料化合物を用いた以外は実施例3(3)と同様の条件によりヒドロキシエチルメタクリレートを製造した。得られたヒドロキシエチルメタクリレートをガスクロマトグラフィーにより分析したところ、不純物であるジエチレングリコールの含有量は0.019質量%であった。
実施例5 ヒドロキシエチルメタクリレートの製造
表5のとおり、重合防止剤であるフェノチアジンとして水分濃度が0.050%のものを用いた以外、実施例3と同様の原料化合物を用いた。なお、フェノチアジンの使用量は他の化合物に比べ少ないので、反応混合物全体の水分含量は、計算上、実施例3と同様であった。
表5のとおり、重合防止剤であるフェノチアジンとして水分濃度が0.050%のものを用いた以外、実施例3と同様の原料化合物を用いた。なお、フェノチアジンの使用量は他の化合物に比べ少ないので、反応混合物全体の水分含量は、計算上、実施例3と同様であった。
上記メタクリル酸(700.0g)のうち233.3gと、上記酢酸クロム(2.8g,メタクリル酸の初期仕込み量に対して0.45モル%)および上記フェノチアジン(1.0g)を、容量2リットルの攪拌機付きSUS−316製オートクレーブに供給した。当該オートクレーブの気相を窒素ガスで置換した後、混合物の温度を80℃に上げ、内部をゲージ圧で0.1MPaに加圧した。次いで、混合物の温度を80℃に維持しつつ、上記酸化エチレン(376.1g,メタクリル酸総量に対してモル比1.05)のうち125.4gを125.4g/hの速度で1時間かけて供給した。酸化エチレンの供給完了時、未反応のメタクリル酸の濃度は4%であった。次に、混合液の温度を80℃に維持しながら、残りのメタクリル酸(466.7g)を233.4g/hで、酸化エチレン(250.7g)を125.4/hで共に約2時間かけて供給した。供給完了後、反応温度を80℃に保ったまま2時間反応させることで、未反応メタクリル酸の濃度が0.10%になった。その後、反応液を40℃まで冷却した。
反応後、反応液を容量2リットルのガラス製丸底フラスコに移して真空蒸留装置にセットし、空気を10mL/minでバブリングしながら、圧力2〜10hPa、内温60〜100℃で2時間かけて蒸留することにより、ヒドロキシエチルメタクリレートを留出率95%で得た。
得られたヒドロキシエチルメタクリレートをガスクロマトグラフィーにより分析したところ、不純物であるジエチレングリコールの含有量は0.003%であった。このように、その理由は必ずしも明らかではないが、(メタ)アクリル酸の反応当初から全使用量を用いるのではなく、逐次添加および/または連続添加することにより、ジエチレングリコールの生成をより一層抑制できることが明らかとなった。
実施例6 ヒドロキシエチルメタクリレートの製造
上記実施例5と同じく、表5の乾燥原料を用いた。
上記実施例5と同じく、表5の乾燥原料を用いた。
上記メタクリル酸(700.0g)のうち233.3gと、上記酢酸クロム(2.8g,メタクリル酸の初期仕込み量に対して0.45モル%)および上記フェノチアジン(1.0g)を、容量2リットルの攪拌機付きSUS−316製オートクレーブに供給した。当該オートクレーブの気相を窒素ガスで置換した後、混合物の温度を80℃に上げ、内部をゲージ圧で0.1MPaに加圧した。次いで、混合物の温度を80℃に維持しつつ、上記酸化エチレン(376.1g,メタクリル酸総量に対してモル比1.05)のうち125.4gを125.4g/hの速度で1時間かけて供給した。次に、反応液の温度を10分間かけて80℃から90℃へ上げた。当該温度を90℃に維持したまま、残りのメタクリル酸(466.7g)を233.4g/hの速度で、酸化エチレン(250.7g)を125.4/hで共に約2時間かけて供給した。供給完了後、反応温度を90℃に保ったまま1時間反応させることで、未反応メタクリル酸の濃度が0.10%になった。その後、反応液を40℃まで冷却した。
反応後、反応液を容量2リットルのガラス製丸底フラスコに移して真空蒸留装置にセットし、空気を10mL/minでバブリングしながら、圧力2〜10hPa、内温60〜100℃で2時間かけて蒸留することにより、ヒドロキシエチルメタクリレートを留出率95%で得た。
得られたヒドロキシエチルメタクリレートをガスクロマトグラフィーにより分析したところ、不純物であるジエチレングリコールの含有量は0.005%であった。
実施例7 ヒドロキシエチルメタクリレートの製造
表6のとおり、実施例3と同様の原料化合物を用いた。また、本実施例では実施例5の蒸留残部を再利用したため、当該蒸留残部の水分割合も、実施例3と同様に測定した。なお、蒸留残部の再利用に応じて、水分を比較的多く含む酢酸クロムの使用量を実施例5に比べて少なくしたため、含量化合物全体の水分割合は、計算上、実施例5よりも少なくなった。
表6のとおり、実施例3と同様の原料化合物を用いた。また、本実施例では実施例5の蒸留残部を再利用したため、当該蒸留残部の水分割合も、実施例3と同様に測定した。なお、蒸留残部の再利用に応じて、水分を比較的多く含む酢酸クロムの使用量を実施例5に比べて少なくしたため、含量化合物全体の水分割合は、計算上、実施例5よりも少なくなった。
上記メタクリル酸(700.0g)のうち233.3gと、上記酢酸クロム(0.9g)および上記フェノチアジン(0.3g)に加え、実施例5の蒸留残部のうち36g(酢酸クロムを1.9g含有)を、容量2リットルの攪拌機付きSUS−316製オートクレーブに供給した。それ以外は実施例5と同様の条件でヒドロキシエチルメタクリレートを製造した。
得られたヒドロキシエチルメタクリレートをガスクロマトグラフィーにより分析したところ、不純物であるジエチレングリコールの含有量は0.003%であった。このように、他反応の蒸留残部を再利用することにより、原料化合物の水分割合を抑制できるため、ジエチレングリコールの生成をより一層抑制できた。
実施例8 ヒドロキシエチルアクリレートの製造
実施例3(1)と同様の方法により、アクリル酸、酢酸クロムおよびフェノチアジンの水分割合を求めた。水分濃度を測定した上記化合物のうち最も水分割合の高かった酢酸クロムを実施例3(2)と同様の方法で105℃で30分間乾燥し、再度、その水分割合を同様の条件で測定した。各化合物の水分割合を表7に示す。
実施例3(1)と同様の方法により、アクリル酸、酢酸クロムおよびフェノチアジンの水分割合を求めた。水分濃度を測定した上記化合物のうち最も水分割合の高かった酢酸クロムを実施例3(2)と同様の方法で105℃で30分間乾燥し、再度、その水分割合を同様の条件で測定した。各化合物の水分割合を表7に示す。
上記アクリル酸(700.0g)のうち233.3gと、上記酢酸クロム(3.5g,アクリル酸の初期仕込み量に対して0.47モル%)および上記フェノチアジン(1.0g)を、容量2リットルの攪拌機付きSUS−316製オートクレーブに供給した。当該オートクレーブの気相を窒素ガスで置換した後、混合物の温度を80℃に上げ、内部をゲージ圧で0.1MPaに加圧した。次いで、混合物の温度を80℃に維持しつつ、上記酸化エチレン(449.3g,アクリル酸総量に対してモル比1.05)のうち157.2gを224.6g/hの速度で約0.7時間かけて供給した。反応温度を80℃に保ったまま残りのアクリル酸(466.7g)を359g/hの速度で、酸化エチレン(292.1g)を224.6g/hで共に約1.3時間かけて供給した。供給完了後、温度を80℃に維持したまま3時間反応させることで、未反応アクリル酸の濃度が0.05%になった。その後、反応液を40℃まで冷却した。
反応後、反応液を容量2リットルのガラス製丸底フラスコに移して真空蒸留装置にセットし、空気を10mL/minでバブリングしながら、圧力2〜10hPa、内温60〜100℃で2時間かけて蒸留することにより、ヒドロキシエチルアクリレートを留出率90%で得た。
得られたヒドロキシエチルアクリレートをガスクロマトグラフィーにより分析したところ、不純物であるジエチレングリコールの含有量は0.02%であった。
実施例9 ヒドロキシエチルアクリレートの製造
表8のとおり、実施例8と同様の乾燥原料を用いた。また、本実施例では実施例7の蒸留残部を再利用したため、当該蒸留残部の水分割合も、実施例3と同様に測定した。なお、蒸留残部の再利用に応じて、水分を比較的多く含む酢酸クロムの使用量を実施例7に比べて少なくしたため、含量化合物全体の水分割合は、計算上、実施例8よりも少なくなった。
表8のとおり、実施例8と同様の乾燥原料を用いた。また、本実施例では実施例7の蒸留残部を再利用したため、当該蒸留残部の水分割合も、実施例3と同様に測定した。なお、蒸留残部の再利用に応じて、水分を比較的多く含む酢酸クロムの使用量を実施例7に比べて少なくしたため、含量化合物全体の水分割合は、計算上、実施例8よりも少なくなった。
上記アクリル酸(700.0g)のうち233.3gと、上記酢酸クロム(0.4g)および上記フェノチアジン(0.1g)に加え、実施例8の蒸留残部のうち103.8g(酢酸クロムを3.1g含有)を、容量2リットルの攪拌機付きSUS−316製オートクレーブに供給した。それ以外は実施例8と同様の条件でヒドロキシエチルアクリレートを製造した。
得られたヒドロキシエチルアクリレートをガスクロマトグラフィーにより分析したところ、不純物であるジエチレングリコールの含有量は0.009%であった。このように、他反応の蒸留残部を再利用することにより、原料化合物の水分割合を抑制できるため、ジエチレングリコールの生成をより一層抑制できた。
比較例1 ヒドロキシエチルアクリレートの製造
表9に示す各原料を用いてヒドロキシエチルアクリレートを製造した。
表9に示す各原料を用いてヒドロキシエチルアクリレートを製造した。
上記アクリル酸(572.0g)、上記酢酸クロム(3.8g,アクリル酸に対して0.21モル%)および上記フェノチアジン(0.5g)を、容量2リットルの攪拌機付きSUS−316製オートクレーブに供給した。当該オートクレーブの気相を窒素ガスで置換した後、混合物の温度を50℃に上げ、内部をゲージ圧で0.1MPaに加圧した。次いで、混合物の温度を50℃に維持しつつ、上記酸化エチレン(367.0g,アクリル酸に対してモル比1.05)を91.8g/hの速度で約4時間かけて供給した。酸化エチレンの供給終了後、反応温度を70℃に昇温し、70℃に維持しつつ3時間反応させることで、反応液全体に対する未反応アクリル酸の濃度が0.10%になった。その後、反応液を40℃まで冷却した。
反応後、反応液を容量2リットルのガラス製丸底フラスコに移して真空蒸留装置にセットし、空気を10mL/minでバブリングしながら、圧力2〜10hPa、内温60〜80℃で2時間かけて蒸留することにより、ヒドロキシエチルアクリレートを留出率87%で得た。
得られたヒドロキシエチルアクリレートをガスクロマトグラフィーにより分析したところ、不純物であるジエチレングリコールの含有量は0.071質量%であった。このように、反応液全体に含まれる水分割合を0.05質量%超とすると、不純物であるジエチレングリコールの生成量が高まることが明らかとなった。
Claims (4)
- ジアルキレングリコールの含有量が0.05質量%以下であることを特徴とするヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート。
- ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造するための方法であって、
触媒の存在下、(メタ)メタクリル酸と酸化アルキレンとを反応させる工程を含み、
反応液全体に含まれる水分割合を0.05質量%以下にすることを特徴とする製造方法。 - (メタ)アクリル酸の初期仕込み量を総使用量の90質量%以下とし、酸化アルキレンの全部または一部の供給後、(メタ)アクリル酸の残部を供給する請求項2に記載の製造方法。
- 触媒の存在下、(メタ)アクリル酸と酸化アルキレンとを反応させた後、目的化合物であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを分離した反応液を、次の反応で用いる請求項2または3に記載の製造方法。
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