JP4087572B2 - カスタムlsiにおける遅延特性解析方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トランジスタレベルでの緻密な設計を行なうフルカスタムLSI設計技術において、カスタムLSIの遅延特性を精密に解析する遅延特性解析方法に関するものである。
必要な性能を確実に満足するカスタムLSIを設計するために、多種多様なトランジスタを自由に組み合わせて設計可能とするトランジスタレベルでの設計技術が必要とされている。
そして、トランジスタレベルで緻密に設計されたフルカスタムLSIが必要な性能を満足しているか否かを正当に評価するためには、その遅延特性を極めて精密に解析する遅延特性解析方法およびそのような遅延特性解析方法を用いた遅延特性解析システムが必要不可欠である。
【0002】
【従来の技術】
LSIの入力ノードと出力ノードとの間を結ぶ経路の中で、最も短い遅延時間で信号が到達する経路および最も長い遅延時間で信号が到達する経路は、クリティカルパスと呼ばれている。このクリティカルパスおよびその経路における遅延時間は、設計されたカスタムLSIが所期の性能を満足しているか否かを判断し、設計の変更が必要な箇所を特定するために、重要な指標の一つである。そして、タイミング解析技術は、このクリティカルパスを抽出するために、カスタムLSI設計において広く用いられている。
【0003】
トランジスタレベルの緻密な設計が必要とされる分野においては、考えられる全ての経路について、その経路における信号伝送の際の遅延時間を精密に推定するために、トランジスタ相互の接続関係を示すネットリスト全体について、回路シミュレーションによるダイナミックタイミング解析を行なっていた。
しかしながら、LSIの規模が大きくなってくると、ネットリスト全体を対象とするダイナミックタイミング解析は、現実的な手法とはいえなくなってしまっていた。
【0004】
なぜなら、LSIの大規模化に伴って入出力ノードの数が増大すると、当然ながら、回路シミュレーションのために用意する入力信号の組み合わせ(以下、テストパターンと称する)も、そして、LSIの出力ノードに接続されることを想定すべき負荷の組み合わせも増大し、また、LSIを構成するトランジスタの数が増大すれば、当然のごとく、各テストパターンについて行なわれる回路シミュレーションに要する時間も長くなるので、必要とされる全ての経路について遅延時間を推定するために、全体として膨大な時間を要するからである。
【0005】
一方、スタティックタイミング解析は、個々の単位セルの遅延特性と単位セル相互の接続関係とに基づいて各経路における遅延時間を推定することにより、上述したダイナミックタイミング解析に比べて非常に短い時間で大規模なネットリストを解析可能である。このため、スタティックタイミング解析は、従来、大規模なゲートアレイの設計分野などにおいて用いられていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、トランジスタレベルのカスタムLSI設計におけるタイミング解析手法として、スタティックタイミング解析をそのまま適用することは非常に困難である。
その理由の一つは、トランジスタレベルのカスタムLSI設計において必要とされる自由度を維持するためには、膨大な種類のトランジスタそれぞれについて、その遅延特性を登録したセルライブラリを構築する必要があるからである。
【0007】
また、たとえ、上述したような膨大なセルライブラリを準備できたとしても、トランジスタを線形抵抗として捉え、負荷容量とのRC積によって遅延時間を近似的に求める手法によっては、トランジスタレベルのカスタムLSI設計において必要とされる精度を期待することはできない。しかも、セルライブラリに登録されるデータは、いくつかの代表的な入力スルーレートおよび出力負荷相互の組み合わせについての遅延特性とならざるを得ないので、入力スルーレートおよび出力負荷が上述した代表的な値から外れたものであった場合には、スタティックタイミング解析によって得られる遅延特性の精度は更に悪化する。
【0008】
更に、スタティックタイミング解析では、入力ノードと出力ノードとを結ぶ各経路について、経路上の各セルの遅延時間を積算していくことによって、個々の経路における遅延時間を個別に推定しているため、他の経路における信号伝播によって注目している経路における信号の伝播が受ける影響を原理的に反映することができない。
【0009】
例えば、図25に示すような論理で表される回路において、入力ノードA1から出力ノードXに至る経路について遅延解析を行なう場合に、入力ノードA2と入力ノードB2とがともに真である場合や入力ノードA2が偽である場合のように、解析対象の経路を介して現実には信号が伝達されることがありえない場合についても、全く区別されずに、遅延時間の積算が行なわれる。
【0010】
このため、実際には信号が伝播されない無効な経路であるにもかかわらず、得られた遅延時間が最大あるいは最小であれば、この無効な経路がクリティカルパスとして検出されてしまう。
このように、無効な経路をクリティカルパスとして検出してしまうことを防ぐために、スタティックタイミング解析によって得られた各経路における遅延時間に基づいてクリティカルパスの候補を抽出し、これらの経路についてのテストパターンを作成して、回路シミュレーションを行なう手法が提案されている。
【0011】
しかしながら、この手法を用いてクリティカルパスの候補から真のクリティカルパスを求めるためには、やはり、多大な労力と処理時間が必要となってしまう。
なぜなら、一つのクリティカルパスの候補について、正確な遅延時間を求めるために必要なテストパターンの数は、単純計算では ( 外部入力端子数n−1 ) であり、しかも、その経路上にあるトランジスタの段数が多ければ多いほど、テストパターンそれぞれについての回路シミュレーションに時間を要するので、全体として必要な処理時間が非常に長くなるからである。もちろん、自動テストパターン生成(automatic test pattern generation) 法を利用すれば、テストパターンの数を削減することが可能ではあるが、対象となるLSIが、パストランジスタを多く含んだ複雑な回路構成であり、かつ、多数の外部入力端子を備えている場合には、自動テストパターン生成法によるメリットを十分に活かすことができない可能性がある。
【0012】
また、従来のダイナミックタイミング解析は、回路全体について回路シミュレーションを行なっており、また、従来のスタティックタイミング解析は、入力端子から出力端子までの経路を処理対象として遅延特性解析を行なっている。
したがって、どちらの遅延特性解析手法を利用した場合でも、カスタムLSIの設計に変更が加えられると、その変更が及ぶ範囲の大きさにかかわらず、新規のネットリストと同様に、回路全体についてのダイナミックタイミング解析あるいは、考えられるパスについてのスタティックタイミング解析が行なわれるため、ネットリストの部分的な修正に迅速に対応することができなかった。
【0013】
本発明は、トランジスタレベルのフルカスタムLSI設計において、LSI設計の自由度とともにクリティカルパスの推定精度を維持しつつ、処理時間の短縮を図ることが可能な遅延特性解析方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、フルカスタムLSI設計において、部分的に回路設計や信号伝達に関する条件が変更された際に、変更前の回路について行なった解析結果を活用して、迅速かつ精密な遅延特性解析を可能とする遅延特性解析方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
図1に、本発明にかかわる第1の遅延特性解析方法の原理を示す。
請求項1の発明は、コンピュータによって読取可能な記録媒体から読み込んだネットリストを単位ブロックに分割した後に、これらの単位ブロックをネットリストで示された接続関係と単位ブロックの数あるいは特徴にかかわる条件とに従って結合することによって所定の規模の回路ブロックを形成し、各回路ブロックについてコンピュータに備えられた処理手段によって、注目する回路ブロックに隣接する他の回路ブロックにおける信号伝播の特徴解析により選択される入力信号の組み合わせを入力して動的タイミング解析を行ない、得られた解析結果を含む遅延特性ライブラリを作成して静的タイミング解析処理に供することにより、ネットリストで表される解析対象の回路を、上述した回路ブロックの集合として扱い、所望の信号経路についての伝送遅延を解析することを特徴とする。
【0015】
請求項1の発明は、膨大な数のトランジスタを含んで構成されたカスタムLSIを表すネットリストを、適切な規模の回路ブロックに分解し、回路ブロックごとに動的タイミング解析し、この解析結果に基づいて、静的タイミング解析を行なうことにより、ネットリスト全体を一体のものとして回路シミュレーションにかけた場合に比べて、はるかに短い時間でカスタムLSI全体についての遅延特性を解析することができる。
【0016】
また、図1に示した各手順に対応する各手段、すなわち、読み込み手段と単位分割手段とブロック形成手段と動的解析手段とライブラリ作成手段と伝送遅延解析手段とにより、第1の遅延特性解析システムを構成することができる。
なお、上述した単位ブロックを結合して回路ブロックを形成する際に、電源端子あるいは接地端子に接続されたトランジスタを含むことを条件とすることにより、回路ブロックを全体のネットリストから切り離された独立な回路として回路シミュレーションを行なうことによる精度の低下を抑制することができる。また、回路ブロックを形成する際に、外部出力端子に接続されたインバータブロックを、一つの回路ブロックとして独立させることにより、外部出力端子に接続された回路ブロックについての回路シミュレーションを行なう際に特有の問題、すなわち、数種類の出力負荷を想定してシミュレーションを行なう必要性に伴うシミュレーション回数の増大を抑制し、回路シミュレーションに要する時間を短縮することができる。また、特徴的な接続にかかるインバータのように、同時変化入力ノードを発生させる要因となる単位ブロックを、前あるいは後ろに配置された回路ブロックと結合させ、同時変化入力ノードの消滅を図ることにより、正確な回路シミュレーション結果を得ることが可能となる。
【0017】
図2に、本発明にかかる第1の動的タイミング解析手順の原理を示す。
請求項2の発明は、動的タイミング解析手順において、外部入力端子に近い順に従って選択した解析対象の回路ブロックに同時変化入力ノードが存在すると判定された場合に、コンピュータに備えられた処理手段により静的タイミング解析を行ってその位相差を推定し、その推定値を反映したテストパターンを生成し、回路シミュレーション処理に供することを特徴とする。
【0018】
請求項2の発明は、同時変化入力ノードを持つ回路ブロックについて、その前段までの回路ブロックについて遅延特性ライブラリに登録された遅延特性を用いて静的タイミング解析を行なうことにより、同時変化入力ノードに入力信号が到達する際の位相差を非常に高い精度で推定することを可能とし、この推定値を利用して該当する回路ブロックにおける回路シミュレーションを行なうことにより、同時変化入力ノードを持つ回路ブロックについても、精度の高い解析結果を得ることができる。
【0019】
なお、上述したようにして、静的タイミング解析によって推定された位相差の代わりに、統計的な手法によって求められた位相差の平均値または期待値や利用者によって入力された値を位相差として回路シミュレーション処理に供することもできる。この場合は、静的タイミング解析による推定値ほどの精度を期待することはできない代わりに、位相差の推定に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0020】
図3に、本発明にかかる第2の動的タイミング解析手順の原理を示す。
請求項3の発明は、各回路ブロックの回路シミュレーションに先だって、解析対象の回路ブロックに接続された後段の回路ブロックについて、最大負荷パターンと最小負荷パターンとを求めておき、解析対象の回路ブロックとその後段の回路ブロックとを含む拡大された回路ブロックについて回路シミュレーションを行う際に、最大遅延を求めるか最小遅延を求めるかに応じて、後段の回路ブロックに最大負荷パターンあるいは最小負荷パターンを適用することを特徴とする。
【0021】
請求項3の発明は、解析対象の回路ブロックにその後段の回路ブロックを加えた拡大された回路ブロックについて回路シミュレーションを行なうことにより、後段の回路ブロックからの影響を考慮して、解析対象の回路ブロックの遅延特性を求めることができる。更に、この際に、後段の回路ブロックそれぞれについて、予め求めておいた最大負荷パターンと最小負荷パターンとをそれぞれ適用することにより、回路シミュレーションに要する時間を大幅に短縮することが可能である。
【0022】
図4に、本発明にかかる第3の動的タイミング解析手順の原理を示す。
請求項4の発明は、動的タイミング解析手順において、外部入力端子に近い順に解析対象とし、前段の回路ブロックについての動的タイミング解析過程において既に得られた近似波形を入力信号波形として用いて、解析対象の回路ブロックについての回路シミュレーションを行ない、得られた回路シミュレーション結果に基づいて、この回路ブロックの出力信号として得られるスルーレート最大の信号とスルーレート最小の信号とに対応する2つの波形を合成することによって近似波形を生成し、後段の回路ブロックについての回路シミュレーションに供することを特徴とする。
【0023】
請求項4の発明は、前段の回路ブロックから出力される出力信号波形の特徴が反映された入力信号波形を用いて、解析対象の回路ブロックについての回路シミュレーションを行なうことが可能である。したがって、各回路ブロックについての動的タイミング解析を、それぞれ独立でありながら、前段の回路ブロックに接続された環境に極めて近い条件の下で実行することができるので、各回路ブロックについて非常に精度の高い解析結果を得ることができる。
【0024】
図5に、本発明にかかる第2の遅延特性解析方法の主要な原理を示す。
図5に示すように、遅延特性解析方法において、遅延特性ライブラリが作成された後に、指定された回路ブロックについて、指定されたパターンを除外して回路シミュレーションを再試行し、その結果が以前の回路シミュレーション結果に比べて無視できない変化が生じた場合に、指定された回路ブロックの出力信号が影響を及ぼす範囲に含まれる各回路ブロックについて、動的タイミング解析の再試行を行ない、得られた解析結果に基づいて遅延特性ライブラリの再構成を行なうこともできる。
【0025】
このような第2の遅延特性解析方法においては、所望の回路ブロックについて、所望の入力信号パターンを除外した回路シミュレーションを行ない、その解析結果に基づいて、除外したパターンがその回路ブロックの動的な遅延特性を左右していたか否かを判断した上で、必要に応じて、遅延特性ライブラリの再構成を行なうことができる。ここで、指定された回路ブロックにおける動的な遅延特性が変化したことによって影響を受ける範囲は、指定された回路ブロックの出力信号が直接的あるいは間接的に入力されている回路ブロックに限られており、その数は、カスタムLSIを構成する回路ブロックの数に比べてはるかに少ない。
【0026】
また、上述した第1の遅延特性解析システムに加えて、図5に示した各手順に対応する各手段、すなわち、解析制御手段と起動制御手段と変化判定手段と特定手段と解析起動手段と作成起動手段とを備えることにより、第2の遅延特性解析システムを構成することができる。
図6に、本発明にかかる第3の遅延特性解析方法の主要な原理を示す。
【0027】
請求項5の発明は、新たに読み込んだネットリストにおいて形成された各回路ブロックについて、コンピュータによって読み出し可能な記録媒体に既に記録されている遅延解析済みのネットリストを構成する回路ブロックのいずれかについて得られた遅延特性を利用可能であるか否かを判定し、利用可能である場合は、既存の遅延特性を利用し、新規の回路ブロックである場合は、該当する回路ブロックについて動的タイミング解析を行ない、得られた解析結果で示される遅延特性を、新たなネットリストに対応する遅延特性ライブラリの要素として遅延特性ライブラリに登録することを特徴とする。
【0028】
請求項5の発明は、その構成要素もまた接続されている回路ブロックも既存の回路ブロックと同等である等価な回路ブロックについては、動的タイミング解析を省略して、既存の回路ブロックについて得られた遅延特性を再利用するので、遅延解析済みのネットリストの一部を変更して得られた新たなネットリストについて遅延特性解析を行なう場合には、ごく一部の回路ブロックのみが新規の回路ブロックとされ、これらの回路ブロックについてのみ動的タイミング解析が行なわれる。
【0029】
また、上述した第1の遅延特性解析システムに加えて、図6に示した新規の手順に対応する各手段、すなわち、データ入力手段とブロック判別手段と既存特性登録手段とを備えることにより、第3の遅延特性解析システムを構成することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0031】
図7に、本発明にかかる第1の遅延特性解析システムの第1実施形態を示す。
図7に示した第1の遅延特性解析システムにおいて、読み込み部201によって読み込まれたネットリストは、単位分割部202に渡され、この単位分割部202において、論理素子として動作可能な最小の単位ブロックに分割される。
このようにして得られた各単位ブロックおよびこれらの単位ブロック相互の接続関係に関するデータは、ブロック形成部203に備えられた単位データ格納部211に保存される。また、キーボードなどの入力装置204によって入力された指示は、入出力制御部200を介して結合制御部212に渡され、この指示と上述した単位データ格納部211に保持されたデータとに基づいて、結合制御部212により、結合処理部213によって上述した単位ブロックを結合していく処理を制御することにより、適切な回路ブロックを形成する処理が行なわれる。
【0032】
また、結合処理部213からの通知などに基づいて、結合制御部212によって適切なメッセージなどが作成され、入出力制御部200を介してディスプレイ装置(DISP)210に渡されて、このディスプレイ装置210によって表示される。
この結合処理部213によって形成された各回路ブロックおよびこれらの回路ブロック相互の接続に関するデータは、ブロックデータ格納部214を介して、解析制御部205および動的解析部206の処理に供される。
【0033】
この動的解析部206の役割は、解析制御部205によって指定された回路ブロックについて、ブロックデータ格納部214から取得したデータに基づいて回路シミュレーションを用いた動的タイミング解析を行なうことである。
そして、この動的解析部206によって得られた解析結果から、ライブラリ作成部207により、該当する回路ブロックの遅延特性が抽出され、遅延特性ライブラリ208の要素として登録される。
【0034】
このようにして、全ての回路ブロックについての遅延特性が遅延特性ライブラリ208に登録された後に、伝送遅延解析部209により、この遅延特性ライブラリ208を用いた静的タイミング解析を行なうことにより、所望の伝送経路についての伝送遅延を得ることができる。
次に、図7に示した第1の遅延特性解析システムの動作について説明する。
【0035】
図8に、第1の遅延特性解析システムの動作を表す流れ図を示す。
まず、他の単位ブロックとは区別して処理すべき単位ブロックを指定する指示が入力装置204を介して入力され、入出力制御部200を介して結合制御部212に渡されて、この結合制御部212によって受け付けられる(ステップ301)。
【0036】
このとき、結合制御部212は、例えば、その単位ブロックを含む回路ブロックの形成処理を優先的に行なうべき単位ブロックや、その単位ブロックの結合先を操作者に委ねるべき単位ブロックについての指定を受け付ければよい。
また、回路ブロックを形成する処理の際に適用すべき条件を指定する指示が入力装置204を介して入力され、入出力制御部200を介して結合制御部212に渡されて、この結合制御部212によって受け付けられる(ステップ302)。
【0037】
ここで、回路ブロックを形成する際に適用すべき条件としては、例えば、
条件1.回路ブロックに含まれるトランジスタの数を所定の閾値nth以下とする。
条件2.回路ブロックは、そのソースノードが電源端子あるいは接地端子に接続されているトランジスタを、少なくとも一つ含んでいる。
条件3.カスタムLSIに設けられる外部出力端子に接続されたインバータブロックは、このインバータブロックに直列に接続される一連のインバータブロックとのみ回路ブロックを形成する。
【0038】
条件4.インバータブロックの入力ノードと出力ノードとの双方が接続されている単位ブロックは、このインバータブロックを含む回路ブロックに結合して統合する。
条件5.同時に変化することが予想される入力ノードに接続されている単位ブロックを、この入力ノードを含む回路ブロックに結合して統合する。
【0039】
などが考えられる。
次に、結合制御部212からの指示に応じて、結合処理部213により、回路ブロックを形成する処理が行なわれる。
図9および図10に、回路ブロックを形成する動作を説明する図を示す。
図9(a)に示したトランジスタ回路において、単位ブロックA,BはNANDブロックであり、単位ブロックC、D、E、Gはインバータブロックであり、単位ブロックFはマルチプレクサブロックであって、2つのパストランジスタから形成されている。
【0040】
例えば、図9(a)に示した単位ブロックFについて優先して結合する旨が指示された場合は、結合制御部212からの指示に応じて、結合処理部213により、この単位ブロックFを含む回路ブロックの形成処理が他の単位ブロックについての処理に優先して開始される。ここで、この単位ブロックFにおいて、2つのトランジスタそれぞれのソースノードは、いずれも電源端子にも接地端子にも接続されていないので、まず、上述した条件2を満たすために、この単位ブロックFに隣接する2つの単位ブロックC、Dを結合する。また、この単位ブロックFに備えられたパストランジスタの相補ノードは、前段のインバータブロック(単位ブロックE)の入力ノードおよび出力ノードに接続されており、上述した条件4に適合する。したがって、結合処理部213により、更に、この単位ブロックEを上述した回路ブロックに結合して統合することにより、図9(b)に示すように、単位ブロックC、D、E、Fからなる回路ブロックが形成される。
【0041】
一方、単位ブロックGは、外部出力ノードに接続されたインバータブロックであり、このインバータブロックに直列に接続されているインバータブロックは存在しないので、結合処理部213により、単位ブロックGは、単独で一つの回路ブロックとされる。
上述したようにして、結合処理部213により、条件2を満たす回路ブロックを形成することにより、回路ブロックを形成する回路素子に、駆動電力を正確な条件で供給した状態を想定して、後述する回路シミュレーションを行なうことが可能となるので、正確なシミュレーション結果を期待することができる。
【0042】
また、結合処理部213により、条件3を満たす回路ブロックを形成することにより、インバータブロックの特徴、すなわち、1入力の論理で扱うことが可能であることを活かして、後述する動的タイミング解析における回路シミュレーションの手間を大幅に削減することができる。なぜなら、このような回路ブロックについて動的タイミング解析を行なう場合には、1入力についてのテストパターンを生成し、このテストパターンと数種類の外部負荷との組み合わせについて、回路シミュレーションを行なえば十分であるからである。
【0043】
更に、結合処理部213により、条件4あるいは条件5を適用し、図10(a)に示すような同時変化入力ノードS,XSを、これらのノードを挟んで配置された単位ブロック(図10において符号a、bで示す)を結合することによって消滅させることにより、後述する動的タイミング解析における回路シミュレーションの精度を大幅に向上することができる。なぜなら、回路シミュレーションにおいて、同時変化入力ノードの発生は厄介な要素の一つであり、このような要素を取り除くことにより、正確なシミュレーション結果を期待できるからである。
【0044】
また、結合処理部213による回路ブロック形成処理に、上述した条件1を課すことにより、カスタムLSIから形成される回路ブロックの規模を制限し、各回路ブロックの規模をほぼ均等化することができる。これにより、例えば、上述した条件5に従って、単位ブロックあるいは回路ブロックの統合を進めていくことにより、巨大な回路ブロックが形成されることを防ぎ、個々の回路ブロックについての回路シミュレーションに要する時間を現実的な時間に抑えることができる。
【0045】
なお、条件5の適用により同時変化入力ノードが消滅することが明らかであるにもかかわらず、上述した条件1(回路ブロックの数に関する制限)のために、回路ブロックの統合ができなかった場合に、結合処理部213は、形成された回路ブロックに関するデータに、この回路ブロックにおいて発生している同時変化入力ノードを示すデータを付加してブロックデータ格納部214に保存し、動的タイミング解析処理に供すればよい。
【0046】
また、上述したように、操作者によって指定された単位ブロックについて、結合処理部213により、回路ブロックを形成する処理を優先的に実行することにより、遅延特性解析システムの操作者、すなわち、設計者の経験および知識を有効に活用して、設計者の意向を反映した回路ブロックを形成することができる。
【0047】
更に、結合処理部213と結合制御部212との間で、形成中の回路ブロックに結合して統合しようとしている単位ブロックについてのデータをやり取りし、指定された単位ブロックについては、結合制御部212により、入出力制御部200を介してディスプレイ装置210に適切なメッセージを表示することにより、操作者からの指示を仰ぐことができる。このメッセージに応じて入力された指示に応じて、該当する単位ブロックについての結合を実行することにより、遅延特性解析システムの操作者、すなわち、設計者の経験および知識を、該当する単位ブロックの結合先を決定する場面において有効に活用することができる。
【0048】
このようにして、上述した条件を満たす回路ブロックを形成していき、全ての単位ブロックがいずれかの回路ブロックに含まれたときに、回路ブロックの形成処理(ステップ304)が完了し、ステップ305以降の処理が開始される。
図7に示した解析制御部205は、ブロックデータ格納部206を参照して、カスタムLSIに備えられた外部入力ノードに近い順に回路ブロックを順次に選択し(図8に示したステップ305)、また、該当する回路ブロックに対応するデータに基づいて、その回路ブロックにおいて、同時変化入力ノードが発生しているか否かを判定する(ステップ306)。
【0049】
例えば、図9に示した回路ブロックaが選択された場合は、解析制御部205により、同時変化入力ノードの発生はないと判定され(ステップ306の否定判定)、これに応じて、動的解析部206によって、この回路ブロックについての動的タイミング解析が行なわれる(ステップ307)。
図11に、動的解析部および伝送遅延解析部の詳細構成を示す。
【0050】
図11に示した動的解析部206において、シミュレーション制御部221は、解析制御部205からの指示に基づいて、該当する回路ブロックをシミュレーション対象としてスイッチレベルシミュレーション部222および構造解析部223に指定し、これらの各部による処理を起動する。
【0051】
スイッチレベルシミュレーション部222および構造解析部223は、指定された回路ブロックに関する情報をブロック形成部204(図7参照)に備えられたブロックデータ格納部214から取得し、得られたデータに基づいて、該当する回路ブロックについてのスイッチレベルシミュレーションおよび該当する回路ブロックに含まれる各トランジスタの構造解析処理を行ない、それぞれ得られた結果をパス抽出部224の処理に供する。
【0052】
上述したように、この段階において、スイッチレベルシミュレーション部222および構造解析部223による処理の対象となる回路ブロックは、カスタムLSI全体の回路規模に比べてはるかに小さいので、スイッチレベルシミュレーションおよびトランジスタ構造の解析処理に要する時間を抑えることができる。
これらの処理から得られた結果に基づいて、パス抽出部224により、該当する回路ブロックにおける入力ノードから出力ノードへと繋がるパスの中から、論理的に信号が伝達される可能性があるパス(以下、活性化パスと称する)が抽出され、パターン生成部225の処理に供される。
【0053】
これに応じて、パターン生成部225により、上述した各活性化パスについてテストパターンが生成され、このテストパターンを用いて、回路シミュレーション部226により、処理対象の回路ブロックについての回路シミュレーションが行なわれる。
もちろん、回路シミュレーション部226による処理対象である回路ブロックの規模が小さく抑えられていることにより、この回路シミュレーション処理に要する時間が短く抑えられていることはいうまでもない。更に、上述したようにして、抽出された活性化パスについてのみテストパターンを生成することにより、単純に自動パターン生成方などを用いて生成した場合に比べて、大幅に処理時間を短縮することができる。
【0054】
このようにして得られた回路シミュレーション結果に基づいて、タイミング解析部227により、該当する回路ブロックについて、動的特性に関する解析が行なわれ、得られた解析結果が、ライブラリ作成部207の処理に供される。
この動的解析部206によって得られた解析結果に基づいて、ライブラリ作成部207により、遅延特性ライブラリの作成処理が行なわれる(図8ステップ308)。
【0055】
このとき、ライブラリ作成部207により、対応する回路ブロックの遅延特性を、入力信号のスルーレート(tsin)および出力負荷(c)の関数として式(1)のように表す遅延モデルが作成される。
遅延時間d=固有遅延t0(tsin)+補正遅延f(c,tsin) ・・・式(1)
次いで、ライブラリ作成部207は、この遅延モデルに基づいて、代表的な入力信号のスルーレートおよび出力負荷の組み合わせについてそれぞれ遅延時間を算出し、入力信号のスルーレートおよび出力負荷の組み合わせと遅延時間との対応関係に基づいて、図12(a)に示すような2次元テーブルを作成し、これを該当する回路ブロックの遅延特性として、遅延特性ライブラリに登録すればよい。なお、図12(b)は、上述した2次元テーブルをグラフ化したものである。
【0056】
このような遅延特性ライブラリを作成する処理は、従来技術において、スタティックタイミング解析のための汎用のセルライブラリを作成する処理と基本的に同等であるので、詳細な説明は省略した。
ところで、上述したステップ304(図8参照)において選択された回路ブロックについて、同時変化入力が発生している旨が示されている場合に、図11に示したシミュレーション制御部221は、該当する2つの入力ノードに到達するパスそれぞれにおける伝送時間の差を推定する(ステップ306)。
【0057】
このとき、シミュレーション制御部221は、例えば、各パス上に存在するトランジスタの数や平均的なトランジスタの動作特性などに基づいて、カスタムLSIに備えられた外部入力ノードのいずれかから、各パスを介して信号が該当する入力ノードに到達するまでに要する時間の期待値をそれぞれ求め、これらの期待値の差を上述した2つの入力ノードに入力される信号の位相差として回路シミュレーション部226の処理(ステップ307)に供すればよい。
【0058】
なお、上述したステップ306において、統計的な手法を用いて同時変化入力信号の位相差を推定する代わりに、操作者によって入力された値を位相差として受け付けて、回路シミュレーション部226の処理に供してもよい。
このようにして推定された位相差を同時変化入力ノードに適用して、回路シミュレーションを実行することにより、統計的に確からしい位相差を同時変化入力信号に設定した状態で、該当する回路ブロックの動的タイミング特性を解析することができる。
【0059】
このようにして、ブロック形成部204によって形成された各回路ブロックについて、動的タイミング特性の解析処理および遅延特性ライブラリの作成処理を繰り返していき、全ての回路ブロックについての処理が完了したときに、ステップ309の肯定判定となり、解析制御部205からの指示に応じて、伝送遅延解析部209により、ステップ310の静的タイミング解析処理が開始される(図8、図11参照)。
【0060】
図11に示した伝送遅延解析部209において、遅延解析制御部231は、解析制御部205からの指示に応じて、パス解析部232の処理を起動し、カスタムLSIに設けられた外部入力ノードから外部出力ノードに至る経路についての解析を依頼する。これに応じて、パス解析部232により、ブロックデータ格納部214に格納された回路ブロックに関する情報に基づいて、外部入力ノードから外部出力ノードに至る各経路が活性パスであるか否かが判定され、活性パスのみが選択的に遅延算出部233の処理に供される。これらの活性パスそれぞれについて、遅延算出部233により、活性パス上の各回路ブロックに対応して遅延特性ライブラリ208に登録された遅延特性で示される遅延時間が積算され、この積算処理によって、各活性パスにおける伝送遅延の推定値が得られる。このようにして各活性パスについて得られた伝送遅延は、遅延解析制御部231を介して特性解析部234に渡され、この特性解析部234により、上述した各活性パスに対応する伝送遅延を解析することにより、カスタムLSI全体としての遅延特性が得られる。
【0061】
このように、上述したステップ301からステップ309を実行することにより、大規模なカスタムLSIを表す任意のネットリストについて、このネットリストを構成する多数の回路ブロックそれぞれの遅延特性を表す遅延特性ライブラリを自動的に生成し、これらの回路ブロックについて得られた遅延特性ライブラリを用いて、カスタムLSIを表すネットリストを上述した回路ブロックの集合として静的タイミング解析を行なうことができる。
【0062】
上述したように、遅延特性ライブラリ208に登録された遅延特性は、各回路ブロックについて回路シミュレーションを実行した結果に基づいて得られたものであり、トランジスタレベルの設計において必要とされる精度を十分に満足している。したがって、この遅延特性ライブラリを用いた静的タイミング解析によって、カスタムLSI全体としての遅延特性を極めて高い精度で解析することが可能である。
【0063】
しかも、各回路ブロックは、遅延特性解析の対象となるネットリストに応じて自動的に生成されるので、フルカスタムLSIのように非常に自由度の高い設計にも柔軟に対応することが可能である。もちろん、従来の静的タイミング解析のように、汎用のセルライブラリを用意する必要もない。
更に、上述したように、ブロック形成部204によって、上述した条件1〜条件5を満たす回路ブロックを形成することにより、カスタムLSIの一部の回路を独立して動的タイミング解析処理に供する際に直面する様々な課題、すなわち、動的タイミング解析における解析精度の向上と処理時間の短縮とを一挙に解決し、カスタムLSI全体についての遅延特性を迅速に、かつ、非常に高い精度で求めることが可能となる。特に、条件4あるいは条件5に従って単位ブロックあるいは回路ブロックを結合し、同時変化入力ノードを消滅させることにより、動的タイミング解析における誤差要因そのものを消去することができる。
【0064】
なお、回路ブロックの形成過程において消滅させることができなかった同時変化入力ノードによって、動的タイミング解析の精度が劣化することを防ぐ方法として、上述した統計的に求めた位相差を適用する方法や操作者によって入力された位相差を適用する方法の他に、静的タイミング解析を利用して、位相差を推定する方法が考えられる。
【0065】
例えば、図8に示したステップ306において、シミュレーション制御部221(図11参照)により、統計的な方法によって位相差を推定する代わりに、解析制御部205を介して伝送遅延解析部209を起動し、各同時変化入力ノードとカスタムLSIの外部入力ノードのいずれかとを結ぶそれぞれの経路について、静的タイミング解析処理の実行を依頼すればよい。そして、解析制御部205を介して各経路について得られた遅延時間を受け取ったときに、シミュレーション制御部221は、その差分を上述した同時変化入力ノードに適用すべき位相差として求め、回路シミュレーション部226の処理に供すればよい。
【0066】
これにより、前段までの動的タイミング解析結果を活用して、注目している回路ブロックに含まれる同時変化入力ノードに適合すべき位相差を高精度に求めることができる。
このようにして得られた位相差には、注目している回路ブロックの前段に位置する少なくとも一つの回路ブロックの遅延特性を反映した位相差を求めることができる。
【0067】
次に、動的タイミング解析を更に高精度化する方法について説明する。
上述したように、本発明にかかる遅延特性解析システムにおいては、ネットリストを複数の回路ブロックに分割し、各回路ブロックについて独立に動的タイミング解析を行なっている。
しかしながら、カスタムLSIを表すネットリストにおいては、各回路ブロックは、本来互いに接続されているので、各回路ブロックの遅延特性には、その出力ノードに接続されている回路ブロック(以下、後段の回路ブロックと称する)による影響を反映すべきである。
【0068】
以下、この後段の回路ブロックによる影響を各回路ブロックの遅延特性に反映する方法について説明する。
図13に、本発明にかかる動的解析部の第2実施形態を示す。また、図14に、動的タイミング解析動作を表す流れ図を示す。
図13において、動的解析部206は、図11に示した各部に加えて、ブロック探索部228と、パターン検出部229と、パターン合成部230とを備えて形成されている。
【0069】
このブロック探索部228は、ブロックデータ格納部214に格納されているデータを参照し、このデータに基づいて、シミュレーション制御部221によって指定された条件を満たす回路ブロックを探索するものであり、得られた探索結果は、シミュレーション制御部221を介して、スイッチレベルシミュレーション部222の処理に供される。
【0070】
また、パターン検出部229は、シミュレーション制御部221からの指示に応じて、スイッチレベルシミュレーション部222からシミュレーション結果を受け取り、このシミュレーション結果に基づいて、所定の特徴を有するパターンを検出するものであり、得られた検出結果は、シミュレーション制御部221を介してパターン合成部230の処理に供される。
【0071】
また、図13に示したパターン合成部230には、上述したパターン検出部229による検出結果とともに、パターン生成部225によって得られたテストパターンが入力されており、このパターン合成部230によって得られたパターンは、回路シミュレーション部226の処理に供されている。
次に、この動的解析部の動作について説明する。
【0072】
解析制御部205(図7参照)から、動的タイミング解析の対象となる回路ブロックを指定する指示が入力されると(ステップ311)、シミュレーション制御部221により、まず、スイッチレベルシミュレーション部222および構造解析部223の処理が起動され、これに応じて、これらの各部により、指定された回路ブロックについてのテストパターンを作成するための準備処理が行なわれる(ステップ312)。また、スイッチレベルシミュレーション222および構造解析部223によって得られた情報に基づいて、パス抽出部224およびパターン生成部225により、指定された回路ブロックへのテストパターンが生成される(ステップ313)。
【0073】
次に、シミュレーション制御部221により、解析対象の回路ブロックに備えられた出力ノードに接続されていることを条件として、ブロック探索部228の処理が起動され、これに応じて、後段の回路ブロックを探索する処理が行なわれる(ステップ314)。この探索で検出された回路ブロックを示すデータは、シミュレーション制御部221を介してスイッチレベルシミュレーション部222に渡され、これに応じて、後段の回路ブロックについて、それぞれスイッチレベルシミュレーションが行なわれる(ステップ315)。
【0074】
このスイッチレベルシミュレーションによって得られた解析結果に基づいて、パターン検出部229により、後段の回路ブロックとして検出された各回路ブロックにおいて、ソース・ドレイン間の電位変化が発生したトランジスタの数が最も多い入力信号の組み合わせと、電位変化が発生したトランジスタの数が最も少ない入力信号の組み合わせとが、解析対象の回路ブロックから見た負荷を最大化させる最大化パターンおよび最小化させる最小化パターンとして検出され(ステップ316)、シミュレーション制御部221を介してパターン合成部230の処理に供される。
【0075】
ここで、図15に示すように、解析対象の回路ブロック(図15において符号aを付して示す)とその後段の回路ブロック(図15において符号b、c、dを付して示す)とを結合させた状態で、解析対象の回路ブロックaについての回路シミュレーションを行なえば、後段の回路ブロックb、c、dの影響を考慮した遅延特性を求めることが可能である。
【0076】
このとき、パターン合成部230により、後段の回路ブロックb、c、dについて得られた最大化パターン(図15において、符号Pmaxb,Pmaxc,Pmaxdで示す)および最小化パターン(図15において、符号Pminb,Pminc,Pmindで示す)と、回路ブロックaについて生成したテストパターンと合成すれば(ステップ317)、後段の回路ブロックb、c、dそれぞれを、解析対象の回路ブロックaから見た出力負荷が最大あるいは最小に固定した状態で、解析対象の回路ブロックaについての回路シミュレーションを行なうことができる(ステップ318)。
【0077】
これにより、後段の回路ブロックについて、それぞれに備えられた入力ノードの数nb,nc,ndに応じたテストパターンを生成した場合に比べて、テストパターンの数を大幅に削減することが可能である。しかも、上述したようにして求められた最大化パターンおよび最小化パターンは、後段の回路ブロックそれぞれが、解析対象の回路ブロックに与える影響の最大値および最小値を与えるものである。したがって、上述したようにして、後段の回路ブロックを含めた回路シミュレーションを行ない、その結果に基づいて、動的タイミング解析を行なうことにより(ステップ319)、解析対象の回路ブロックについて、後段の回路ブロックによる影響が反映された遅延特性を、非常に高い精度で、しかも単純に後段の回路ブロックについてもテストパターンを生成した場合に比べてはるかに短い時間で求めることができる。
【0078】
次に、各回路ブロックについての動的タイミング解析に要する時間を短縮する方法について説明する。
図16に、本発明にかかる動的解析部の第3実施形態を示す。
図16に示した動的解析部は、図11に示した各部に加えて、上述したブロック探索部228と、波形近似部234と、波形再生部235とを備えて形成されている。
【0079】
波形近似部234は、回路シミュレーション部226によって得られたシミュレーション結果に基づいて、解析対象の回路ブロックに備えられた出力ノードそれぞれについて、出力信号の特徴を表す近似波形を生成する機能を果たしている。
この波形近似部234によって得られた近似波形を表す波形データは、近似波形ファイル236に随時に蓄積される。
【0080】
また、波形再生部235は、シミュレーション制御部221からの指示に応じて、近似波形ファイル236から所望の波形データを読み出し、この波形データから近似波形を再生して、回路シミュレーション部226の処理に供する機能を果たしている。
以下、図16に示した動的解析部による動的タイミング解析動作について説明する。
【0081】
図17に、動的タイミング解析動作を表す流れ図を示す。
まず、図14に示したステップ311からステップ313と同様にして、回路ブロックの指定に応じて、テストパターン生成の準備が行なわれ、パターン生成部225によってテストパターンが生成される。
次いで、シミュレーション制御部221により、解析対象のブロックが最前段のブロックであるか否かが判定される(ステップ321)。
【0082】
例えば、解析対象の回路ブロックに備えられた全ての入力ノードが、カスタムLSIの外部入力端子に接続されている場合は、シミュレーション制御部221により、該当する回路ブロックは最前段の回路ブロックであると判断される(ステップ321の肯定判定)。この場合に、このシミュレーション制御部221からの指示に応じて、回路シミュレーション部226により、外部入力信号についての条件を用いて、該当する回路ブロックについての回路シミュレーションが行なわれ(ステップ322)、得られたシミュレーション結果が、波形近似部234の処理に供される。
【0083】
図18に、近似波形を説明する図を示す。
ここで、回路シミュレーション部226によって得られるシミュレーション結果には、図18(a)に示すように、様々なテストパターンの入力に対応して、解析対象の回路ブロックに備えられた各出力ノードから出力される様々な出力信号波形が含まれている。
【0084】
波形近似部234は、図17に示したステップ323において、まず、各出力ノードについて得られた出力信号波形を解析し、それぞれ最大/最小のスルーレートを示す出力信号波形を抽出する。次いで、波形近似部234は、各出力ノードに対応して抽出された出力信号波形を、それぞれ振幅の50%の位置で分割し、図18(b)に示すように、最大のスルーレートが得られる出力信号波形における立ち上がりの前半部分と、最小のスルーレートが得られる出力信号波形における立ち上がりの後半部分とを合成する。更に、波形近似部234は、このようにして得られた合成波形を、図18(b)において、点線で示すような折れ線波形に変換し、この折れ線波形を特定する3点(図18において、符号a、b、cで示す)を示すデータを、波形データとして近似波形ファイル236に格納し、図17のステップ323を終了する。
【0085】
その後、タイミング解析部227により、ステップ319と同様にしてタイミング解析処理が行なわれ、この回路ブロックについての動的タイミング解析処理は終了される。
一方、ステップ321の否定判定の場合は、シミュレーション制御部221により、解析対象の回路ブロックに備えられた入力ノードに接続されていることを条件として、ブロック探索部228の処理が起動され、これに応じて、前段の回路ブロックを探索する処理が行なわれる(ステップ324)。
【0086】
この探索で検出された回路ブロックを示すデータは、シミュレーション制御部221を介して波形再生部235に渡される。これに応じて、この波形再生部235により、近似波形ファイル236に蓄積された波形データの中から、所定の条件を満たす波形データが読み出され、これらの波形データからそれぞれ近似波形が再生される(ステップ325)。
【0087】
このとき、波形再生部235により、前段の回路ブロックに備えられた出力ノードのうち、解析対象の回路ブロックに備えられた入力ノードに接続されている出力ノードに対応する波形データが読み出され、該当する波形データから、図18(b)に示したような近似波形が再生される。
このようにして再生された近似波形は、回路シミュレーション部226に渡され、この回路シミュレーション部226により、これらの近似波形を用いた回路シミュレーションが行なわれる(ステップ326)。
【0088】
ここで、上述したようにして得られた近似波形(図18(b)参照)は、最大のスルーレートを示す出力信号および最小のスルーレートを示す出力信号の特徴を双方とも反映しており、この最大/最小のスルーレートは、回路ブロックの遅延特性を評価するための重要な指標である。したがって、前段の回路ブロックについて得られた近似波形を入力信号波形として用いることにより、前段の回路ブロックに接続された状態とほぼ同等の条件の下で、解析対象の回路ブロックについての回路シミュレーションを行なうことができる。これにより、解析対象の回路ブロックがカスタムLSIにおいて占める位置を考慮したシミュレーション結果を得ることが可能となるので、各回路ブロックについての動的タイミング解析の精度を向上することができる。
【0089】
更に、上述した近似波形は、わずか3点によって特定される折れ線波形であるので、図18(b)に細い実線で示したような合成波形そのものを入力信号波形として用いた場合に比べて、データ量を大幅に削減することが可能であるから、回路シミュレーション処理の高速化に各段の効果を期待することができる。
【0090】
しかも、この近似波形は、図18(b)に示したように、合成波形にかなり忠実であるから、近似波形を用いたことによる精度の低下はごく軽微である。
したがって、上述した近似波形を入力信号波形として用いて、解析対象の回路ブロックについて回路シミュレーションを行なうことにより、高精度なシミュレーション結果を高速に得ることができる。
【0091】
次に、遅延特性ライブラリを構成した後に、例えば、図25に示した論理回路からなる回路ブロックについての回路シミュレーションにおいて、テストパターンの中に、無効な信号の組み合わせが含まれていたことが分かった場合の対策について説明する。
図19に、本発明にかかる第2の遅延特性解析システムの実施形態を示す。
【0092】
図19に示した第2の遅延特性解析システムは、図7に示した第1の遅延特性解析システムに、再試行制御部237および変分評価部238を付加して構成されている。また、図19において、動的解析部206は、図16に示した第3実施形態と同等の構成を備えており、解析済みの各回路ブロックに対応する波形データは、近似波形ファイル236に蓄積されている。
【0093】
図19において、入力装置204を介して入力された所定の指示は、入出力制御部200を介して再試行制御部237に渡され、この指示に応じて、この再試行制御部237により、動的解析部206の動作の制御が行なわれ、これにより、動的タイミング解析の再試行が起動される。
また、再試行された動的タイミング解析によって得られた解析結果の入力に応じて、変分評価部238により、この新たに得られた解析結果と、近似波形ファイル236に蓄積された波形データで示される以前の解析結果とに基づいて、その変分の大きさが評価される。
【0094】
この評価結果に応じて、再試行制御部237により、新たな解析結果を採用するか否かが判定され、この判定結果に応じて、後述する遅延特性ライブラリの再構成処理が起動される。
図20に、動的タイミング解析の再試行および遅延特性ライブラリの再構成動作を表す流れ図を示す。また、図21に、動的タイミング解析の再試行および遅延特性ライブラリの再構成動作を説明する図を示す。
【0095】
入力装置204を介して、無効な信号の組み合わせ(以下、無効パターンと称する)を用いて回路シミュレーションを行なってしまった回路ブロックと、上述した無効パターンとを指定する情報を含む再試行指示が入力されると、この再試行指示は、再試行制御部237によって受け付けられ(ステップ331)、まず、該当する回路ブロックについての動的タイミング解析処理が起動される。
【0096】
このとき、再試行制御部237により、指定された回路ブロックを特定するデータが解析対象のブロックを示す情報としてシミュレーション制御部221に渡され、これに応じて、この回路ブロックについての動的タイミング解析処理が再び開始される。
まず、シミュレーション制御部221からの指示に応じて、解析準備部239により、該当する回路ブロックについて回路シミュレーションを実行するための準備処理が行なわれる。ここで、解析準備部239は、図16に示したスイッチレベルシミュレーション部222、構造解析部223およびパス抽出部224とから形成されており、図16に示した動的解析部205において、これらの各部によって果たされた役割と同等の役割が、この解析準備部239によって果たされ、有効なパスを示す解析結果がパターン生成部225の処理に供される。
【0097】
一方、無効パターンを特定するデータは、再試行制御部237により、例えば、回路シミュレーション部226への出力を禁止する禁止パターンとしてパターン生成部225に渡され、これに応じて、パターン生成部225により、指定された無効パターンを含まないテストパターンが生成され、このテストパターンを用いて、回路シミュレーション部226による回路シミュレーションが実行される(ステップ332)。このとき、図17に示したステップ324〜ステップ326と同様にして、前段の回路ブロックについて得られた近似波形を用いた回路シミュレーションが行なわれる。
【0098】
このようにして得られたシミュレーション結果は、変分評価部238に渡され、この変分評価部238により、まず、出力ノードごとに、出力信号の解析が行なわれ、その最大スルーレートおよび最小スルーレートが抽出される(ステップ333)。
次いで、この変分評価部238により、出力ノードごとに抽出された最大/最小のスルーレートで示されるスルーレートの範囲と、該当する出力ノードに対応して近似波形ファイル236に蓄積された波形データで示されるスルーレートの範囲とを比較することにより、新たな解析結果と以前の解析結果との変分が許容範囲内であるか否かが判定される。
【0099】
変分評価部238により、全ての出力ノードについて、新たに抽出されたスルーレートの範囲が、対応する波形データで示される範囲内である旨の評価結果が得られた場合(ステップ334の肯定判定)は、再試行制御部237により、無効パターンが以前の動的タイミング解析結果に与えた影響は無視できると判断され、再試行処理は終了される。
【0100】
一方、ステップ334の否定判定の場合は、再試行制御部237により、無効パターンが以前の動的タイミング解析結果に与えた影響は無視できないと判断され、遅延特性ライブラリの再構成処理が起動される。
まず、再試行制御部237からの指示に応じて、近似波形ファイル236に、波形近似部234によって新たに得られた波形データが該当する回路ブロックに対応して書き込まれ、また、ライブラリ作成部207により、タイミング解析部227によって新たに得られた解析結果に基づいて、回路ブロックの遅延特性が評価され、新たに得られた遅延特性が、遅延特性ライブラリ208の該当する回路ブロックに対応する要素として登録される(ステップ335)。
【0101】
次に、再試行制御部237により、ブロック探索部228の動作が起動され、ステップ331で指定された回路ブロックの出力信号が直接あるいは間接的に入力されている回路ブロックを外部出力ノードに到達するまで探索することにより、指定された回路ブロックの遅延特性が変化したことによって影響を受ける範囲が特定される(ステップ336)。
【0102】
このようにして得られた探索結果に基づいて、再試行制御部237により、影響範囲に含まれる各回路ブロックが、順次に解析対象の回路ブロックとしてシミュレーション制御部221に指定され、これに応じて、上述したステップ332と同等の動的タイミング解析処理がこれらの各回路ブロックについて再度実行される(ステップ337)。
【0103】
そして、この動的タイミング解析によって得られた解析結果に基づいて、近似波形ファイル236および遅延特性ライブラリ208の内容の更新が行なわれる(ステップ338)。
上述したステップ337およびステップ338を繰り返し、影響範囲に含まれる全ての回路ブロックについて、動的タイミング解析の再実行および近似波形ファイル236と遅延特性ライブラリ208の更新が終了したときに、再試行制御部237により、全ての処理が終了したとされ(ステップ339の肯定判定)、動的タイミング解析処理および遅延特性ライブラリの再構成処理が終了される。
【0104】
このようにして、指定された回路ブロックとその影響を受ける範囲に含まれる回路ブロックとについて、所望の条件の下で動的タイミング解析をそれぞれ独立に再試行し、その結果に応じて、遅延特性ライブラリ208への登録内容を変更することができる。
この際に、動的タイミング解析を再試行する対象は、指定された回路ブロックとその出力信号が直接あるいは間接的に入力されている回路ブロックの集合に限られるので、動的タイミング解析の再試行および遅延特性ライブラリの再構成に要する時間を、現実的に許容できる範囲に抑えることができる。また、影響を受けない範囲に含まれる多数の回路ブロックに対応する遅延特性は、そのまま利用することができる。
【0105】
これにより、例えば、静的タイミング解析の過程において無効なパターンが発見された場合にも迅速に対応し、随時に、有効なパターンのみを用いた回路シミュレーションによって得られた遅延特性からなる正当な遅延特性ライブラリを再構成し、改めて、静的タイミング解析処理に供することができる。このような効果は、ネットリスト全体を一体のものとして扱う従来の技術では、到底得られない効果であり、カスタムLSIを表すネットリストを回路ブロックに分割し、この回路ブロックごとに独立して動的タイミング解析を行なった結果に基づいて、遅延特性ライブラリを構築するという本発明の基本構成によって、はじめて享受することができる。
【0106】
更に、上述したように、各回路ブロックについて初めて動的タイミング解析を行なう過程において、回路シミュレーションによって得られた出力信号波形から近似波形を生成して近似波形ファイル236に保存しているので、指定された回路ブロックがカスタムLSIにおいて占める位置にかかわらず、回路シミュレーションの再試行に当たって、前段の回路ブロックの近似波形を入力波形として用いることができる。これにより、動的タイミング解析の再試行においても、最初の解析と同等の精度の解析結果を得ることができる。
【0107】
また、近似波形ファイル236に保存された波形データは、以前の回路シミュレーションによって得られた出力信号の最大スルーレートおよび最小スルーレートを反映しているから、上述したようにして、この波形データで示されるスルーレートの範囲と新たに得られた出力信号におけるスルーレートの範囲とを比較することにより、無効パターンを除外したことによるシミュレーション結果の変分が、許容できる程度であるか否かを正当に評価することができる。
【0108】
カスタムLSIの開発設計においては、所望の性能を得るために、一旦遅延特性解析が完了したネットリストの一部を変更する場合が多々ある。以下、ネットリストの一部が変更された場合に、新たなネットリストについての遅延特性解析を高速に処理する方法について説明する。
図22に、本発明にかかる第3の遅延特性解析システムの実施形態を示す。
【0109】
図22に示した第3の遅延特性解析システムは、図7に示した第1の遅延特性解析システムに、差分抽出部241とデータ統合部246とを付加して構成されている。
また、図22において、解析済みリストファイル242には、既に遅延特性解析が完了している旧ネットリストが格納されており、ブロックデータファイル243には、上述した旧ネットリストについて遅延特性解析を実行した際に形成された回路ブロックに関するブロックデータが格納されている。上述した旧ネットリストおよびこの旧ネットリストに関するブロックデータは、差分抽出部241の処理に供されており、この差分抽出部241により、読み込み部201によって新たに読み込まれたネットリストと、上述した旧ネットリストとが比較され、旧ネットリストから変更された回路要素およびその影響を受ける回路の範囲が、ネットリストの差分として抽出され、このネットリストの差分が単位分割部202の処理に供される。一方、この差分抽出部241により、旧ネットリストと同等であるとされた範囲に関する情報は、データ統合部246に渡されている。
【0110】
また、波形データライブラリ244には、上述した旧ネットリストについて遅延特性解析を実行した際に形成された近似波形を表す波形データが格納されており、一方、特性データファイル245には、旧ネットリストを構成する各回路ブロックに対応して遅延特性ライブラリに登録された遅延特性が格納されている。この波形データライブラリ244に格納された波形データおよび特性データファイル245に格納された特性データは、上述したブロックデータとともにデータ統合部246の処理に供され、それぞれ近似波形ファイル236、遅延特性ライブラリ208およびブロックデータ格納部214(図7参照)に格納されるデータの作成に用いられる。
【0111】
以下、この第3の遅延特性解析システムの動作について説明する。
図23に、第3の遅延特性解析システムによる遅延特性解析動作を表す流れ図を示す。
遅延解析済みのネットリストの一部を変更して新たなネットリストが得られ、このネットリストが読み込み部201によって読み込まれると(ステップ341)、差分抽出部241により、このネットリストと解析済みリストファイル242に格納された旧ネットリストとが比較され、旧ネットリストからの変更部分のために、旧ネットリストにおける回路ブロックが適用できないネットリストの範囲が、ネットリストの差分として抽出される(ステップ342)。このネットリストの差分は、単位分割部202によって単位ブロックに分割された後に、ブロック形成部203の処理に供され、このブロック形成部203による処理によって、上述した条件に従う回路ブロックに変換される(ステップ343)。
【0112】
このようにして得られた変更部分を含む回路ブロックに関するブロックデータは、ブロックデータ格納部214(図7参照)に、解析対象である旨のフラグを付加して格納される。
次いで、データ統合部246により、旧ネットリストについて遅延特性解析を実行した過程において、各処理の結果として得られたデータの中から、再利用可能なデータを選択的に読みこむ処理が行なわれる(ステップ344)。
【0113】
例えば、差分抽出部241により、図24に示すように、ネットリストの差分が新規の回路ブロック2に変換された範囲であり、他の回路ブロックについては、旧ネットリストにおける回路ブロックが適用可能であると判断された場合は、データ統合部246により、回路ブロック1および回路ブロック3から回路ブロック10に対応してブロックデータファイル243に格納されたブロックデータが読み出され、ブロック生成部203の内部に備えられたブロックデータ格納部214(図7参照)に格納されて、再利用される。このとき、データ統合部246により、各回路ブロックについて、新規の回路ブロックからの出力信号を直接的あるいは間接的に受け取っているか否かが判定され、受け取っているとされた回路ブロック(図24において網掛けを付して示した)については、解析対象である旨のフラグを付加した上で、該当するブロックデータをブロックデータ格納部214に格納する処理が行なわれる。
【0114】
一方、新規の回路ブロックの影響を受けないとされた回路ブロックについては、データ統合部246により、波形データライブラリ244および特性データファイル245から、それぞれ該当する波形データおよび遅延特性データが読み出され、それぞれ近似波形ファイル236および遅延特性ライブラリ208に書き込まれ、対応する回路ブロックについての波形データおよび遅延特性データとして再利用される。
【0115】
このようにして、再利用可能なデータを統合する処理が終了した後に、解析制御部205は、上述したブロックデータ格納部214にブロックデータとともに格納されたフラグに基づいて、解析対象とされた回路ブロックを順次に動的解析部206に指定し、その回路ブロックについての動的タイミング解析を起動すればよい。
【0116】
これに応じて、動的解析部206により、解析対象とされた回路ブロックについての動的タイミング解析が行なわれ(ステップ345)、得られた解析結果に基づいて、ライブラリ作成部207により、該当する回路ブロックについて得られた遅延特性が遅延特性ライブラリ208に登録される(ステップ346)。
ここで、上述したデータ統合処理において、図24に示した回路ブロック1および回路ブロック3に対応する波形データが近似波形ファイル236に格納されているので、回路ブロック5、回路ブロック6および回路ブロック8の動的タイミング解析の際に、それぞれの前段の回路ブロックについて生成された波形データを用いて、回路シミュレーションを行なうことが可能である。これにより、新規に遅延特性解析を行なう場合と同様に、高い精度の回路シミュレーション結果を迅速に得ることができる。
【0117】
このようにして、ブロックデータ格納部214に解析対象である旨のフラグとともに格納された全ての回路ブロックについて、動的タイミング解析処理および遅延特性ライブラリの作成処理が終了したときに(ステップ347の肯定判定)、解析制御部205により、伝送遅延解析部209による静的タイミング解析処理が起動される。
【0118】
ここで、上述したように、データ統合部246により、旧ネットリストにおける遅延特性解析処理過程で得られた再利用可能な遅延特性は、既に遅延特性ライブラリ208に登録されているので、解析対象とされた回路ブロックに対応する遅延特性を遅延特性ライブラリ208に追加して登録することにより、新たなネットリストによって表されるカスタムLSIを構成する全ての回路ブロックについてそれぞれの遅延特性を含んだ遅延特性ライブラリ208が完成する。
【0119】
したがって、この遅延特性ライブラリ208を用いて、伝送遅延解析部209により静的タイミング解析処理を行なうことにより(ステップ348)、カスタムLSI全体についての遅延特性を評価することができる。
このようにして、旧ネットリストの一部の設計を変更することによって得られた新たなネットリストについて遅延特性解析を行なう際に、動的タイミング解析処理と遅延ライブラリの作成処理の対象となる回路ブロックを、旧ネットリストから変更された部分を含む回路ブロックおよびこの回路ブロックの遅延特性による影響を受ける範囲に含まれる回路ブロックに制限し、全体としての遅延特性解析に要する時間の短縮を図ることができる。
【0120】
以上の説明に関して、更に、以下の各項を開示する。
(付記1) トランジスタおよびこれと同等の回路要素の配置および接続関係を表すネットリストを読み込む手順と、
前記ネットリストで表された解析対象の回路をそれぞれ最小の論理回路として動作可能な単位ブロックに分割する手順と、
前記ネットリストで示された接続関係と所定の条件とに基づいて、前記単位ブロックを結合することによって、複数の回路ブロックを形成する手順と、
前記複数の回路ブロックそれぞれについて、適切な入力信号の組み合わせを入力して回路シミュレーションを実行することにより、動的タイミング解析を行なう手順と、
各回路ブロックに対応する前記回路シミュレーション結果に基づいて、前記複数の回路ブロックの遅延特性を含んだ遅延特性ライブラリを作成する手順と、
前記ネットリストで表された解析対象の回路を、前記複数の回路ブロック相互の接続によって形成された構造として捉え、前記遅延特性ライブラリとに基づいて静的タイミング解析を実行することにより、所望の信号経路についての伝送遅延解析を行なう手順と
を備えたことを特徴とする遅延特性解析方法。
【0121】
(付記2) 付記1に記載の遅延特性解析方法において、
複数の回路ブロックを形成する際に、各回路ブロックに含まれる単位ブロックの数が所定の閾値以下であることを条件として単位ブロックの結合を制御する
ことを特徴とする遅延特性解析方法。
(付記3) 付記1に記載の遅延特性解析方法において、
複数の回路ブロックを形成する際に、各回路ブロックが電源端子あるいは接地端子に接続されたトランジスタを少なくとも一つ含むことを条件として単位ブロックの結合を制御する
ことを特徴とする遅延特性解析方法。
【0122】
(付記4) 付記1に記載の遅延特性解析方法において、
複数の回路ブロックを形成する際に、
解析対象の回路に備えられた外部出力端子に接続されたインバータを検出し、
前記検出されたインバータに接続されるインバータあるいは直列に接続された複数のインバータを探索し、
前記検出されたインバータと前記探索によって得られた少なくとも一つのインバータとから新たな回路ブロックを形成する
ことを特徴とする遅延特性解析方法。
【0123】
(付記5) 付記1に記載の遅延特性解析方法において、
複数の回路ブロックを形成する際に、
インバータを含む単位ブロックであって、そのインバータの入力ノードと出力ノードとの双方が同一の後段単位ブロックに接続されている単位ブロックを検出し、
該当する単位ブロックと前記後段単位ブロックとを結合する
ことを特徴とする遅延特性解析方法。
【0124】
(付記6) 付記1に記載の遅延特性解析方法において、
複数の回路ブロックを形成する際に、
同時に変化することが予想される信号が入力される複数の入力ノードを備えた単位ブロックあるいは回路ブロックを検出し、
前記単位ブロックあるいは回路ブロックとその前段の単位ブロックあるいは回路ブロックとを結合して一つの回路ブロックを形成する
ことを特徴とする遅延特性解析方法。
【0125】
(付記7) 付記1に記載の遅延特性解析方法において、
複数の回路ブロックを形成する際に、
いずれかの単位ブロックに対する指定を受け取り、
指定された単位ブロックを含む回路ブロックを優先的に形成する
ことを特徴とする遅延特性解析方法。
【0126】
(付記8) 付記1に記載の遅延特性解析方法において、
複数の回路ブロックを形成する際に、
いずれかの単位ブロックに対する指定を受け取り、
指定された単位ブロックを除外して回路ブロックの形成を進め、
前記指定された単位ブロックを結合すべき結合先の回路ブロックに対する指定を受け取り、
前記指定された単位ブロックと、これに対応して指定された回路ブロックとを結合する
ことを特徴とする遅延特性解析方法。
【0127】
(付記9) 付記1に記載の遅延特性解析方法において、
各回路ブロックについて回路シミュレーションを実行する際に、
同時に変化することが予想される信号が入力される複数の入力ノードを備えた回路ブロックを検出し、
前記複数の入力ノードへの入力信号として、統計的に推定された位相差を与えた入力信号を含んだテストパターンを生成し、
前記テストパターンを用いて、検出された回路ブロックについての回路シミュレーションを行なう
ことを特徴とする遅延特性解析方法。
【0128】
(付記10) 付記1に記載の遅延特性解析方法において、
各回路ブロックについて回路シミュレーションを実行する際に、
同時に変化することが予想される信号が入力される複数の入力ノードを備えた回路ブロックを検出し、
前記複数の入力ノードへの入力信号に与えられるべき位相差の指定を受け取り、
指定された位相差を与えた入力信号を含んだテストパターンを生成し、
前記テストパターンを用いて、検出された回路ブロックについての回路シミュレーションを行なう
ことを特徴とする遅延特性解析方法。
【0129】
(付記11) 付記1に記載の遅延特性解析方法において、
ネットリストで表された解析対象の回路に備えられた外部入力端子に近い回路ブロックから順次に解析の対象として選択し、
選択された回路ブロックについて動的タイミング解析を行なう手順および得られた遅延特性を逐次に遅延特性ライブラリに登録する手順を実行し、
全ての回路ブロックについての遅延特性が遅延特性ライブラリに登録された後に、静的タイミング解析を行なう手順に進む方法であって、
動的タイミング解析を行なう手順は、
選択された回路ブロックに備えられた入力ノードに入力される入力信号が同時に変化することが予想されるか否かを判定する手順と、
該当する場合に、通常のテストパターン生成処理に代えて、
前記外部入力端子から前記選択された回路ブロックの入力ノードに至る信号経路について、前記選択された回路ブロックの前段に配置された回路ブロックまでの各回路ブロックについて得られた遅延特性に基づく静的タイミング解析を行なうことにより、前記同時変化する入力信号についての位相差を推定する手順と、
得られた位相差を与えたテストパターンを用いて、前記選択された回路ブロックについての回路シミュレーションを行なう手順とを実行する
ことを特徴とする遅延特性解析方法。
【0130】
(付記12) 付記1に記載の遅延特性解析方法において、
各回路ブロックについて回路シミュレーションを実行する際に、
動的タイミング解析対象の回路ブロックの出力ノードに接続されている他の回路ブロックを検出し、
解析対象の回路ブロックについての回路シミュレーションを、検出された回路ブロックと解析対象の回路ブロックとからなる拡大された回路を対象とする回路シミュレーションの一部として行なう
ことを特徴とする遅延特性解析方法。
【0131】
(付記13) 付記1に記載の遅延特性解析方法において、
動的タイミング解析手順において、
動的タイミング解析対象の回路ブロックの出力ノードに接続されている他の回路ブロックを検出し、
検出された回路ブロックそれぞれについて、適切なテストパターンを用いてスイッチレベルシミュレーションを行ない、
得られたシミュレーション結果に基づいて、前記検出された回路ブロックそれぞれにおいて状態変化が起こるトランジスタの数が最大および最小となる入力信号パターンを、前記検出された回路ブロックそれぞれに対応する最大負荷パターンおよび最小負荷パターンとして求め、
前記解析対象の回路ブロックについて最大遅延を求める場合には、前記検出された回路ブロックそれぞれに、対応する最大負荷パターンを入力信号群として入力し、
前記解析対象の回路ブロックについて最小遅延を求める場合には、前記検出された回路ブロックそれぞれに、対応する最小負荷パターンを入力信号群として入力し、
解析対象の回路ブロックについての回路シミュレーションを、検出された回路ブロックと解析対象の回路ブロックとからなる拡大された回路を対象とする回路シミュレーションの一部として行なう
ことを特徴とする遅延特性解析方法。
【0132】
(付記14) 付記1に記載の遅延特性解析方法において、
ネットリストで表された解析対象の回路に備えられた外部入力端子に近い回路ブロックから順次に解析の対象として選択し、
選択された回路ブロックについて動的タイミング解析を行なう手順および得られた遅延特性を逐次に遅延特性ライブラリに登録する手順を実行し、
全ての回路ブロックについての遅延特性が遅延特性ライブラリに登録された後に、伝送遅延解析を行なう手順に進む方法であって、
動的タイミング解析手順は、
解析対象の回路ブロックに備えられた入力ノードに接続されている前段の回路ブロックを検出し、
検出された前段の回路ブロックそれぞれに対応する近似波形を、前記解析対象の回路ブロックに備えられた各入力ノードへの入力信号波形として、前記解析対象の回路ブロックについての回路シミュレーションを実行し、
回路シミュレーションによって、前記解析対象の回路ブロックの出力ノードについてそれぞれ得られる出力波形の中から、スルーレートが最大である波形とスルーレートが最小である波形とをそれぞれ抽出し、
前記出力ノードからの出力信号それぞれに対応して、前記2つの波形の特徴を反映する近似波形を生成し、後段の回路ブロックを対象とする回路シミュレーションに供する
ことを特徴とする遅延特性解析方法。
【0133】
(付記15) 付記1に記載の遅延特性解析方法において、
ネットリストで表された解析対象の回路に備えられた外部入力端子に近い回路ブロックから順次に解析の対象として選択し、
選択された回路ブロックについて動的タイミング解析を行なう手順および得られた遅延特性を逐次に遅延特性ライブラリに登録する手順を実行し、
全ての回路ブロックについての遅延特性が遅延特性ライブラリに登録された後に、伝送遅延解析を行なう手順に進む方法であって、
入力される指示によって指定された回路ブロックについて、指定されたテストパターンを除外して動的タイミング解析を行なうために、動的解析手段による処理を再起動する手順と、
前記動的タイミング解析を行なう手順によって、前記指定された回路ブロックについての再起動に応じて得られた解析結果に基づいて、前記指定されたテストパターンを除外したことによって遅延特性に注目すべき変化が生じたか否か判定する手順と、
注目すべき変化がある旨の判定結果に応じて、前記指定された回路ブロックに対応する遅延特性の変化によって、その遅延特性が影響を受ける範囲に含まれる回路ブロックを特定する手順と、
前記特定された回路ブロックそれぞれについて、前記動的タイミング解析手順による処理を再起動する手順と、
前記指定された回路ブロックおよび前記特定された回路ブロックに対応して得られた解析結果を前記遅延特性ライブラリに登録する手順の処理に供し、これらの解析結果に基づく遅延特性ライブラリの作成処理を再起動する手順とを備え、
動的タイミング解析を行なう手順は、
適切な方法で前記解析対象の回路ブロックに備えられた各入力ノードに入力するテストパターンを生成する手順と、
前記解析対象の回路ブロックについて、その入力ノードに接続されている前段の回路ブロックを探索して検出する手順と、
前記前段の回路ブロックに備えられた適切な出力ノードに対応する出力信号波形を、前記解析対象の回路ブロックの対応する入力ノードへの入力信号波形として、前記解析対象の回路ブロックについての回路シミュレーションを行なう手順と、
前記回路ブロックの出力ノードそれぞれについて、前記回路シミュレーションによって得られた出力信号の波形に含まれる、スルーレートが最大である波形とスルーレートが最小である波形とに基づいて、これらの波形の特徴を反映する近似波形を生成する手順と、
前記各出力ノードに対応する前記近似波形を、後段の回路ブロックへの入力信号として利用するために、前記解析対象の回路ブロックに対応する出力信号波形として保存する手順とを備えており、
変化の有無を判定する手順は、前記指定された回路ブロックについて行なわれた動的タイミング解析処理によって得られた解析結果に含まれている全ての出力信号波形について、そのスルーレートが、前記指定された回路ブロックに対応して保存された出力信号波形で示されるスルーレートの範囲に含まれていない場合に、遅延特性に注目すべき変化が生じたと判定する構成である
ことを特徴とする遅延特性解析方法。
【0134】
(付記16) 付記1に記載の遅延特性解析方法において、
動的タイミング解析手順に先だって、
所定の遅延解析済みのネットリストについて、動的タイミング解析の対象となった各回路ブロックに関するデータとその回路ブロックついて得られた遅延特性とを示すデータとを受け取る手順と、
前記所定の遅延解析済みのネットリストについて受け取ったデータと、新たに読み込まれたネットリストにおいて形成された回路ブロックに関するデータとに基づいて、新たなネットリストにおける各回路ブロックについて、前記遅延解析済みのネットリストに関する遅延解析の過程で得られた遅延特性データを再利用可能であるか新規に動的タイミング解析を実行する必要があるかを判定する手順と、
動的タイミング解析処理対象とすべき新規の回路ブロックを動的解析手段およびライブラリ作成手段の処理に供する手順と、
前記既存の遅延特性を利用可能とされた回路ブロックについて、前記該当する回路ブロックに対応する遅延特性を、前記新たに読み込まれたネットリストに対応する遅延特性ライブラリの要素として登録する手順とを実行する構成である
ことを特徴とする遅延特性解析方法。
【0135】
(付記17) トランジスタおよびこれと同等の回路要素の配置および接続関係を表すネットリストを読み込む読み込み手段と、
前記ネットリストで表された解析対象の回路をそれぞれ最小の論理回路として動作可能な単位ブロックに分割する単位分割手段と、
前記ネットリストで示された接続関係と所定の条件とに基づいて、前記単位ブロックを結合することによって、複数の回路ブロックを形成するブロック形成手段と、
前記複数の回路ブロックそれぞれについて、適切な入力信号の組み合わせを入力して回路シミュレーションを実行することにより、その動特性を解析する動的解析手段と、
各回路ブロックに対応する前記回路シミュレーション結果から、前記各回路ブロックの遅延特性を抽出して登録することにより、遅延特性ライブラリを作成するライブラリ作成手段と、
前記ネットリストで表された解析対象の回路を、前記複数の回路ブロック相互の接続によって形成された構造として捉え、前記遅延特性ライブラリとに基づいてスタティックタイミング解析を実行することにより、所望の信号経路についての伝送遅延解析を行なう伝送遅延解析手段と
を備えたことを特徴とする遅延特性解析システム。
【0136】
(付記18) 付記17に記載の遅延特性解析システムにおいて、
ネットリストで表された解析対象の回路に備えられた外部入力端子に近い回路ブロックから順次に解析対象として選択して動的解析手段の処理に供し、得られた解析結果を逐次にライブラリ作成手段による処理に供していき、全ての回路ブロックについての遅延特性を含む遅延特性ライブラリが作成された後に、伝送遅延解析手段を起動することにより、遅延解析動作を制御する解析制御手段と、
入力される指示によって指定された回路ブロックについて、指定されたテストパターンを除外して動的タイミング解析を行なうために、動的解析手段による処理を起動する起動制御手段と、
前記動的解析手段によって、前記起動制御手段による起動に応じて得られた解析結果に基づいて、前記指定されたテストパターンを除外したことによって遅延特性に注目すべき変化が生じたか否か判定する変化判定手段と、
注目すべき変化がある旨の判定結果に応じて、前記指定された回路ブロックに対応する遅延特性の変化によって、その遅延特性が影響を受ける範囲に含まれる回路ブロックを特定する特定手段と、
前記特定された回路ブロックについて、動的解析手段による処理を起動する解析起動手段と、
前記指定された回路ブロックおよび前記特定された回路ブロックに対応して得られた解析結果を前記ライブラリ作成手段の処理に供し、これらの解析結果に基づく遅延特性ライブラリの作成処理を起動する作成起動手段とを備え、
動的解析手段は、
適切な方法で前記解析対象の回路ブロックに備えられた各入力ノードに入力するテストパターンを生成するパターン生成手段と、
前記解析対象の回路ブロックについて、その入力ノードに接続されている前段の回路ブロックを探索して検出するブロック探索手段と、
前記前段の回路ブロックに備えられた適切な出力ノードに対応する出力信号波形を、前記解析対象の回路ブロックの対応する入力ノードへの入力信号波形として、前記解析対象の回路ブロックについての回路シミュレーションを行なうシミュレーション手段と、
前記回路ブロックの出力ノードそれぞれについて、前記回路シミュレーションによって得られた出力信号の波形に含まれる、スルーレートが最大である波形とスルーレートが最小である波形とに基づいて、これらの波形の特徴を反映する近似波形を生成する波形近似手段と、
前記各出力ノードに対応する前記近似波形を、後段の回路ブロックへの入力信号として利用するために、前記解析対象の回路ブロックに対応する出力信号波形として保存する近似波形格納手段とを備えており、
変化判定手段は、前記指定された回路ブロックについて行なわれた動的タイミング解析処理によって得られた解析結果に含まれている全ての出力信号波形について、そのスルーレートが、前記指定された回路ブロックに対応して前記近似波形格納手段に保存された出力信号波形で示されるスルーレートの範囲に含まれていない場合に、遅延特性に注目すべき変化が生じたと判定する構成である
ことを特徴とする遅延特性解析システム。
【0137】
(付記19) 付記17に記載の遅延特性解析システムにおいて、
所定の遅延解析済みのネットリストについて、動的タイミング解析の対象となった各回路ブロックについて、少なくともそれぞれを形成している単位ブロックを示すデータとその回路ブロックに接続された他の回路ブロックを示すデータとその回路ブロックついて得られた遅延特性とを示すデータとを入力するデータ入力手段と、
前記データ入力手段から入力されたデータに基づいて、新たに読み込まれたネットリストからブロック形成手段によって形成された各回路ブロックの中から、前記所定の遅延解析済みのネットリストにおいて形成された回路ブロックのいずれかと同等であり、かつ、同等の回路ブロックに接続されている等価な回路ブロックを判別し、他の回路ブロックを新規の回路ブロックとして動的解析手段およびライブラリ作成手段の処理に供するブロック判別手段と、
前記ブロック判別手段によって判別された回路ブロックについて、前記該当する回路ブロックに対応して入力された遅延特性を、前記新たに読み込まれたネットリストに対応する遅延特性ライブラリの要素として登録する既存特性登録手段とを備えた構成である
ことを特徴とする遅延特性解析システム。
【0138】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明にかかる第1の遅延特性解析方法によれば、膨大な数のトランジスタからなるカスタムLSI回路を、適切な規模の回路ブロックごとにその動的遅延特性を解析し、この解析によって得られた遅延特性ライブラリを用いて、カスタムLSIをこれらの回路ブロックの集合として静的タイミング解析することにより、従来の単なる静的タイミング解析とは比べ物にならないほど高精度の解析結果を、極めて迅速に得ることができる。更に、この第1の遅延特性解析方法において、各回路ブロックに含まれる回路要素に制限はないので、フルカスタムLSIの開発設計に必要な設計の自由度を保証することができる。
【0139】
なお、上述した付記3において述べた条件に従って、回路ブロックを形成していくことにより、各回路ブロックに、電源あるいは接地端子に接続されたトランジスタが含まれていることを保証することが可能となるので、高精度な回路シミュレーション結果を得ることができる。また、付記4乃至付記6に述べた条件に従って、回路ブロックを形成していくことにより、同時変化入力ノードを持つ回路ブロックを可能な限り減らすことができるので、全体として、回路シミュレーションによって得られる動的な遅延特性について、その精度を向上することができる。
【0140】
更に、請求項2の発明を適用すれば、同時変化入力ノードについて、該当する回路ブロックの前段までについて静的タイミング解析を行なうことにより、その入力信号の位相差を極めて精密に推定することが可能であるので、同時変化入力ノードを持つ回路ブロックについて、動的タイミング解析によって得られる解析結果の精度を大幅に向上することができる。
【0141】
また、請求項3の発明を適用すれば、解析対象の回路ブロックに接続される後段の回路ブロックについて最大/最小パターンを予め求めておき、この最大/最小パターンを用いて、解析対象の回路ブロックと後段のブロックとからなる拡大された回路ブロックについて回路シミュレーションを行なうことにより、解析対象の回路ブロックの動的な遅延特性を、その後段の回路ブロックの影響をも考慮して、精密に、しかも、迅速に求めることができる。
【0142】
また、請求項4の発明を適用すれば、各回路ブロックについての動的タイミング解析の際に、その前段の回路ブロックから得られる出力信号の特徴を反映した近似波形を入力信号波形として用いることが可能であるので、高精度な回路シミュレーション結果を迅速に得ることができる。
また、本発明にかかる第2の遅延特性解析方法によれば、指定された回路ブロックについて、動的タイミング解析処理を再試行し、この解析結果に応じて、この回路ブロックおよびこの回路ブロックからの出力信号による影響を受ける回路ブロックについて、遅延特性ライブラリを再構成することができる。これにより、遅延特性ライブラリが構築された後に、一部の回路ブロックについての回路シミュレーションにおいて、無効パターンが用いられていたことが発見された場合などにも柔軟に対応し、無効パターンを排除したテストパターンを用いて得られた動的な遅延特性を再び登録することにより、遅延特性ライブラリの再構成を行ない、再構成された遅延特性ライブラリを静的タイミング解析処理に供することができる。
【0143】
また、本発明にかかる第3の遅延特性解析方法によれば、新たなネットリスト旧ネットリストとの差分について、新たに動的タイミング解析を行ない、この解析結果に基づいて得られた遅延特性と、旧ネットリストについての遅延特性解析過程で得られた遅延特性とを組み合わせることにより、新たなネットリストに対応する遅延特性ライブラリを構成することができる。これにより、旧ネットリストについての遅延特性解析過程で得られた膨大なデータを有効に利用し、必要最小限の処理によって、新たなネットリストの遅延特性解析を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる第1の遅延特性解析方法の原理を示す図である。
【図2】本発明にかかる第1の動的タイミング解析手順の原理を示す図である。
【図3】本発明にかかる第2の動的タイミング解析手順の原理を示す図である。
【図4】本発明にかかる第3の動的タイミング解析手順の原理を示す図である。
【図5】本発明にかかる第2の遅延特性解析方法の主要な原理を示す図である。
【図6】本発明にかかる第3の遅延特性解析方法の主要な原理を示す図である。
【図7】本発明にかかる第1の遅延特性解析システムの第1実施形態を示す図である。
【図8】第1の遅延特性解析システムの動作を表す流れ図である。
【図9】回路ブロックを形成する動作を表す流れ図である。
【図10】回路ブロックを形成する動作を説明する図である。
【図11】動的解析部および伝送遅延解析部の詳細構成を示す図である。
【図12】回路ブロックの遅延特性を説明する図である。
【図13】本発明にかかる動的解析部の第2実施形態を示す図である。
【図14】動的タイミング解析動作を表す流れ図である。
【図15】後段の回路ブロックを含めた回路シミュレーションを説明する図である。
【図16】本発明にかかる動的解析部の第3実施形態を示す図である。
【図17】動的タイミング解析動作を表す流れ図である。
【図18】近似波形を説明する図である。
【図19】本発明にかかる第2の遅延特性解析システムの実施形態を示す図である。
【図20】動的タイミング解析の再試行および遅延特性ライブラリの再構成動作を表す流れ図である。
【図21】動的タイミング解析の再試行および遅延特性ライブラリの再構成動作を説明する図である。
【図22】本発明にかかる第3の遅延特性解析システムの実施形態を示す図である。
【図23】第3の遅延特性解析システムによる遅延特性解析動作を表す流れ図である。
【図24】ネットリストの差分を説明する図である。
【図25】無効なパターンを説明する図である。
【符号の説明】
200 入出力制御部
201 読み込み部
202 単位分割部
203 ブロック形成部
204 入力装置
205 解析制御部
206 動的解析部
207 ライブラリ作成部
208 遅延特性ライブラリ
209 伝送遅延解析部
210 ディスプレイ装置
211 単位データ格納部
212 結合制御部
213 結合処理部
214 ブロックデータ格納部
215 結合制御部
221 シミュレーション制御部
222 スイッチレベルシミュレーション部
223 構造解析部
224 パス抽出部
225 パターン生成部
226 回路シミュレーション部
227 タイミング解析部
228 ブロック探索部
229 パターン検出部
230 パターン合成部
231 遅延解析制御部
232 パス解析部
233 遅延算出部
234 波形近似部
235 波形再生部
236 近似波形ファイル
237 再試行制御部
238 変分評価部
239 解析準備部
241 差分抽出部
242 解析済みリストファイル
243 ブロックデータファイル
244 波形データライブラリ
245 特性データファイル
246 データ統合部

Claims (5)

  1. コンピュータによって読取可能な記録媒体に記録された情報であって、トランジスタおよびこれと同等の回路要素の配置および接続関係を表すネットリストを前記コンピュータに読み込む手順と、
    前記コンピュータに備えられた処理手段により前記ネットリストを解釈することによって、前記ネットリストで表された解析対象の回路の構成単位であるそれぞれ最小の論理回路として動作可能な単位ブロックを示す情報を作成する手順と、
    前記ネットリストで示された接続関係と前記単位ブロックの数あるいは特徴にかかわる条件とに基づいて、前記コンピュータに備えられた処理手段により前記単位ブロックを結合して形成される複数の回路ブロックを示す情報を作成する手順と、
    前記複数の回路ブロックそれぞれについて、前記コンピュータに備えられた処理手段によって、注目する回路ブロックに隣接する他の回路ブロックにおける信号伝播の特徴解析により選択される入力信号の組み合わせを入力して回路シミュレーションを実行することにより、動的タイミング解析を行なう手順と、
    各回路ブロックに対応する前記回路シミュレーション結果に基づいて、前記コンピュータに備えられた処理手段により、前記複数の回路ブロックの遅延特性を含んだ遅延特性ライブラリを作成する手順と、
    前記ネットリストで表された解析対象の回路を、前記複数の回路ブロック相互の接続によって形成された構造として捉え、前記コンピュータに備えられた処理手段により、前記遅延特性ライブラリに基づく静的タイミング解析を実行することにより、所望の信号経路についての伝送遅延解析を行なう手順と
    を備えたことを特徴とする遅延特性解析方法。
  2. 請求項1に記載の遅延特性解析方法において、
    前記コンピュータに備えられた処理手段により、前記ネットリストで表された解析対象の回路に備えられた外部入力端子に近い回路ブロックから順次に解析の対象として選択し、
    選択された回路ブロックについて、前記コンピュータに備えられた処理手段により、動的タイミング解析を行なう手順および得られた遅延特性を逐次に遅延特性ライブラリに登録する手順を実行し、
    全ての回路ブロックについての遅延特性が遅延特性ライブラリに登録された後に、前記コンピュータに備えられた処理手段により、静的タイミング解析を行なう手順に進む方法であって、
    動的タイミング解析を行なう手順は、
    選択された回路ブロックに備えられた入力ノードに入力される入力信号が同時に変化することが予想されるか否かを前記コンピュータに備えられた処理手段によって判定する手順と、
    入力信号が同時に変化することが予想されると判定された場合に、
    前記外部入力端子から前記選択された回路ブロックの入力ノードに至る信号経路について、前記コンピュータに備えられた処理手段によって前記選択された回路ブロックの前段に配置された回路ブロックまでの各回路ブロックについて得られた遅延特性に基づく静的タイミング解析を行なうことにより、前記同時変化する入力信号についての位相差を推定する手順と、
    得られた位相差を与えたテストパターンを用いて、前記コンピュータに備えられた処理手段によって前記選択された回路ブロックについての回路シミュレーションを行なう手順とを実行する
    ことを特徴とする遅延特性解析方法。
  3. 請求項1に記載の遅延特性解析方法において、
    前記動的タイミング解析手順において、
    前記コンピュータに備えられた処理手段により前記ネットリストを解釈することによって、動的タイミング解析対象の回路ブロックの出力ノードに接続されている他の回路ブロックを検出し、
    検出された回路ブロックそれぞれについて、前記コンピュータに備えられた処理手段によって適切なテストパターンを用いてスイッチレベルシミュレーションを行ない、
    得られたシミュレーション結果に基づいて、前記コンピュータに備えられた処理手段により、前記検出された回路ブロックそれぞれにおいて状態変化が起こるトランジスタの数が最大および最小となる入力信号パターンを、前記検出された回路ブロックそれぞれに対応する最大負荷パターンおよび最小負荷パターンとして求め、
    前記解析対象の回路ブロックについて最大遅延を求める場合には、前記コンピュータに備えられた処理手段により、前記検出された回路ブロックそれぞれに、対応する最大負荷パターンを入力信号群として入力し、
    前記解析対象の回路ブロックについて最小遅延を求める場合には、前記コンピュータに備えられた処理手段により、前記検出された回路ブロックそれぞれに、対応する最小負荷パターンを入力信号群として入力し、
    解析対象の回路ブロックについての回路シミュレーションを、前記コンピュータに備えられた処理手段により、検出された回路ブロックと解析対象の回路ブロックとからなる拡大された回路を対象とする回路シミュレーションの一部として行なう
    ことを特徴とする遅延特性解析方法。
  4. 請求項1に記載の遅延特性解析方法において、
    前記コンピュータに備えられた処理手段により、前記ネットリストで表された解析対象の回路に備えられた外部入力端子に近い回路ブロックから順次に解析の対象として選択し、
    選択された回路ブロックについて、前記コンピュータに備えられた処理手段により、動的タイミング解析を行なう手順および得られた遅延特性を逐次に遅延特性ライブラリに登録する手順を実行し、
    全ての回路ブロックについての遅延特性が遅延特性ライブラリに登録された後に、前記コンピュータに備えられた処理手段により、伝送遅延解析を行なう手順に進む方法であって、
    前記動的タイミング解析手順は、
    前記コンピュータに備えられた処理手段により前記ネットリストを解釈することによって、解析対象の回路ブロックに備えられた入力ノードに接続されている前段の回路ブロックを検出し、
    検出された前段の回路ブロックそれぞれに対応する近似波形を前記解析対象の回路ブロックに備えられた各入力ノードへの入力信号波形として、前記解析対象の回路ブロックについての回路シミュレーションを前記コンピュータに備えられた処理手段によって実行し、
    前記回路シミュレーションによって前記解析対象の回路ブロックの出力ノードについてそれぞれ得られる出力波形の中から、スルーレートが最大である波形とスルーレートが最小である波形とを前記コンピュータに備えられた処理手段によってそれぞれ抽出し、
    前記出力ノードからの出力信号それぞれに対応して、前記コンピュータに備えられた処理手段により、前記2つの波形の一方の前半部と他方の後半部とを結合することによって近似波形を生成し、後段の回路ブロックを対象とする回路シミュレーションに供する
    ことを特徴とする遅延特性解析方法。
  5. 請求項1に記載の遅延特性解析方法において、
    前記動的タイミング解析手順に先だって、
    所定の遅延解析済みのネットリストについて前記コンピュータによって読み出し可能な記録媒体に記録された動的タイミング解析の対象となった各回路ブロックに関するデータとその回路ブロックついて得られた遅延特性とを示すデータとを、前記記録媒体から読み出して前記コンピュータ内部に受け取る手順と、
    前記所定の遅延解析済みのネットリストについて受け取ったデータと、新たに読み込まれたネットリストにおいて形成された回路ブロックに関するデータとを前記コンピュータに備えられた処理手段によって比較することにより、新たなネットリストにおける各回路ブロックについて、前記遅延解析済みのネットリストに関する遅延解析の過程で得られた遅延特性データを再利用可能であるか新規に動的タイミング解析を実行する必要があるかを判定する手順と、
    動的タイミング解析処理対象とすべき新規の回路ブロックを前記コンピュータに備えられた処理手段によって実現される動的解析手段およびライブラリ作成手段の処理に供する手順と、
    前記既存の遅延特性を利用可能とされた回路ブロックについて、前記該当する回路ブロックに対応する遅延特性を、前記コンピュータに備えられた処理手段により、前記新たに読み込まれたネットリストに対応する遅延特性ライブラリの要素として登録する手順とを実行する構成である
    ことを特徴とする遅延特性解析方法。
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