以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
図1は、画像形成装置1000の内部の構成を示すブロック図である。
図1を参照して、画像形成装置1000は、自動原稿送り装置(以下、ADFともいう)100と、画像読取ユニット200と、画像形成部400とを備える。
ADF100は、給紙トレイ110と、給紙ローラ120Aと、分離ローラ120Bと、読取り前ローラ120Cと、読取り後ローラ120Dと、駆動パルスモータ150と、白板130とを含む。
給紙トレイ110には、原稿群115がセットされる。原稿群115は、複数の原稿を含む。給紙トレイ110の表面には、原稿の副走査方向のサイズ(以下、原稿FD長ともいう)を検出するための原稿サイズ検出センサ118が設けられている。また、給紙ローラ120Aと分離ローラ120Bとの間には、原稿通過センサ119が設けられている。原稿通過センサ119は、原稿がセンサの前を通過中か否かを判定する。
駆動パルスモータ150は、給紙ローラ120A、分離ローラ120B、読取り前ローラ120Cおよび読取り後ローラ120Dの動作を、それぞれ、独立して制御する。給紙ローラ120A、分離ローラ120Bおよび読取り前ローラ120Cの各々は、駆動パルスモータ150の制御により、給紙トレイ110にセットされた原稿を1枚ずつ、ADF100の内部に取込み、原稿読取り位置L1まで搬送するように回転動作をする。
読取り後ローラ120Dは、駆動パルスモータ150の制御により、原稿読取り位置L1を通過した原稿を、図示されない排出積載トレイへ排出する処理、または、裏面を読取るための反転経路へ搬送する処理を行なう。
画像読取ユニット200は、コンタクトガラス210と、読取スライダーユニット220と、ミラー230A,230Bと、レンズ232と、画像処理部240と、駆動パルスモータ250Aと、駆動パルスモータ250Bとを含む。
読取スライダーユニット220は、露光部222と、ミラー224とを有する。駆動パルスモータ250Bは、読取スライダーユニット220を左右方向に移動させる制御を行なう。
駆動パルスモータ250Aは、コンタクトガラス210を左右方向に移動させる制御を行なう。
コンタクトガラス210は、ADF100からの原稿の搬送時に、駆動パルスモータ250Aの制御により、基準位置L0から位置L2の範囲内で、左右方向に移動する。
露光部222は、露光する機能を有する。ミラー230A,230Bは、ミラー224が受けた光を、レンズ232を介して、画像処理部240まで伝達するように配置される。画像処理部240は、入力された光を画像データに変換する機能を有する。
給紙トレイ110にセットされた原稿群115に含まれる複数の原稿は、給紙ローラ120Aで1枚ずつADF100内に取込まれ、分離ローラ120Bおよび読取り前ローラ120Cの回転動作により、原稿読取り位置L1へ搬送される。
露光部222は、原稿読取り位置L1に原稿が搬送された直後から、原稿が原稿読取り位置L1を通過するまでの間、原稿に対し露光する。露光された原稿からの反射光は、ミラー224,230A,230Bおよびレンズ232により、画像処理部240まで伝達される。画像処理部240は、伝達された光を画像データに変換することで、原稿を画像として読取る。以下においては、画像処理部240が原稿を画像として読取る処理を画像読取処理とも称する。
画像読取ユニット200は、さらに、基準位置検出センサ260を含む。
基準位置検出センサ260は、コンタクトガラス210が、基準位置L0にあるか否かを検出する。
コンタクトガラス210は、画像読取処理が行なわれない間は、コンタクトガラス210の左端部の位置が基準位置L0となる位置で静止している。画像読取処理では、コンタクトガラス210は、駆動パルスモータ250Aにより、ADF100から搬送される原稿の方向と逆方向に移動制御される。具体的には、ADF100から搬送される原稿の端部が、原稿読取り位置L1に到達する時刻と同期させて、コンタクトガラス210は、位置L2に向かって移動を開始するよう制御される。また、コンタクトガラス210は、1枚の原稿が原稿読取り位置L1を通過し終わる時刻に、コンタクトガラス210の右端部の位置が位置L2となるように、駆動パルスモータ250Aにより移動制御される。
1枚の原稿が原稿読取り位置L1を通過し終わると、コンタクトガラス210は、次の原稿の端部が、原稿読取り位置L1に到達する時刻の前に、コンタクトガラス210の左端部の位置が基準位置L0となる位置まで戻るよう制御される。コンタクトガラス210は、1枚の原稿に対する画像読取処理毎に、上記のように移動制御される。
したがって、上記のコンタクトガラス210の動作により、コンタクトガラス210上に紙粉や粘着物などの異物があっても、画像処理部240は、ノイズ(たとえば、筋ノイズ)の少ない画像データを得ることができる。
なお、ADF100に含まれる白板130は、コンタクトガラス210が移動可能な範囲の一部(たとえば、基準位置L0から位置L1および位置L2の間の位置の範囲)を覆うように配置される。
一般に、ADF100の原稿を搬送する速度(以下、原稿搬送速度ともいう)は、ユーザ所望の設定倍率に基づいて、画像処理部240の読取り速度に対して、相対的に変化するよう設定される。ここで、ユーザ所望の設定倍率は、たとえば、拡大率120%または縮小率75%であるとする。ユーザ所望の設定倍率および設定された原稿搬送速度に基づいて、画像処理部240は、原稿の搬送方向に対し、画像データの拡大や縮小といった画像処理を行なう。
画像読取処理では、速度変倍処理または電子変倍処理が行なわれる。
速度変倍処理は、画像処理部240の読取速度に対して、副走査方向の原稿搬送速度を、ユーザ所望の設定倍率に応じて、相対的に変更する処理である。
電子変倍処理は、副走査方向の原稿搬送速度を、画像処理部240の読取り速度と同一にし、画像処理部240により読取られる画像データを、ユーザ所望の設定倍率に基づいて、補間または間引きを行なうことで、画像データの拡大または縮小を行なう処理である。
画像形成部400は、画像読取ユニット200が読取った画像データを、たとえば、紙に印字する処理(以下、印字処理ともいう)を行なう機能を有する。そして、画像形成部400は、外部へ印字した紙を排紙する。画像形成部400は、たとえば、カラーレーザープリンタ、モノクロレーザープリンタ、インクジェットプリンタ等、与えられたデータに基づいて紙に画像を形成する装置であればどんな装置であってもよい。
図2は、画像形成装置1000の内部の制御構成を示すブロック図である。
図2を参照して、画像形成装置1000は、ADF100と、画像読取ユニット200と、操作パネルユニット300と、画像形成部400とを備える。
操作パネルユニット300は、図1においては、たとえば、画像読取ユニット200に取り付けられる。操作パネルユニット300は、パネル制御部370と、表示部310と、操作キー群320と、データ一時記憶部390とを含む。
パネル制御部370は、操作パネルユニット300内の各部に対する各種処理や演算処理等を行なう機能を有する。パネル制御部370は、マイクロプロセッサ(Microprocessor)、プログラミングすることができるLSI(Large Scale Integration)であるFPGA(Field Programmable Gate Array)、特定の用途のために設計、製造される集積回路であるASIC(Application Specific Integrated Circuit)、その他の演算機能を有する回路のいずれであってもよい。
表示部310は、ユーザに各種情報を、文字や画像等で表示する機能を有する。表示部310は、パネル制御部370から送信された制御指示に基づいた文字または画像を表示する。表示部310は、ユーザが、画面に直接触れることで、情報入力可能なタッチパネル機能を有するものである。表示部310は、液晶ディスプレイ(LCD(Liquid Crystal Display))、FED(Field Emission Display)、有機ELディスプレイ(Organic Electro luminescence Display)、ドットマトリクス等その他の画像表示方式の表示機器のいずれであってもよい。
操作キー群320は、ユーザの押下操作により、画像形成装置1000に指示を与えるためのものである。ユーザは、操作キー群320を押下操作することで、たとえば、前述の設定倍率を入力する。操作キー群320により入力された情報は、パネル制御部370に送信される。
データ一時記憶部390は、パネル制御部370によってデータアクセスされ、一時的にデータを記憶するワークメモリとして使用される。データ一時記憶部390は、データを一時的に記憶可能なRAM(Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SDRAM(Synchronous DRAM)、ダブルデータレートモードという高速なデータ転送機能を持ったSDRAMであるDDR−SDRAM(Double Data Rate SDRAM)、Rambus社が開発した高速インターフェース技術を採用したDRAMであるRDRAM(Rambus Dynamic Random Access Memory)、Direct−RDRAM(Direct Rambus Dynamic Random Access Memory)、その他、データを揮発的に記憶保持可能な構成を有する回路のいずれであってもよい。
ADF100は、ADF制御部170と、モータ駆動制御部175と、駆動パルスモータ150と、原稿サイズ検出センサ118と、原稿通過センサ119と、データ一時記憶部190とを含む。
原稿サイズ検出センサ118は、給紙トレイ110にセットされている原稿群115の原稿FD長を検出し、原稿FD長を示す原稿FD長信号をADF制御部170へ送信する。
原稿通過センサ119は、原稿がセンサの前を通過中であれば、通過中信号をADF制御部170へ送信し続ける。
ADF制御部170は、ADF100内の内の各部に対する各種処理や演算処理等を行なう機能を有する。ADF制御部170は、パネル制御部370と同様なものなので詳細な説明は繰り返さない。ADF制御部170は、原稿サイズ検出センサ118からの原稿FD長信号を受信することで、原稿FD長を取得する。ADF制御部170は、モータ駆動制御部175と、励磁信号PA0〜PA3を、それぞれ伝達する4本の信号線で接続されている。ADF制御部170は、励磁信号PA0〜PA3による制御指示(以下、モータ制御指示PAともいう)を、モータ駆動制御部175へ送る。
モータ駆動制御部175は、駆動パルスモータ150と接続されている。モータ駆動制御部175は、モータ制御指示PAに応じて、駆動パルスモータ150を駆動させる。
ADF制御部170は、ユーザ所望の設定倍率に応じて、原稿搬送速度を変化させる。具体的には、ADF制御部170は、ユーザ所望の設定倍率に応じた原稿搬送速度(以下、設定倍率対応速度ともいう)で、原稿を搬送するためのモータ制御指示PAを、モータ駆動制御部175へ送る。モータ制御指示PAは、設定倍率対応速度に応じた周波数に設定された励磁信号PA0〜PA3による制御指示である。
モータ駆動制御部175は、モータ制御指示PAに応じて、駆動パルスモータ150を駆動させる。
駆動パルスモータ150は、モータ駆動制御部175の制御に応じて、設定倍率対応速度で原稿を搬送させるよう、給紙ローラ120A、分離ローラ120Bおよび読取り前ローラ120Cを制御する。
データ一時記憶部190は、ADF制御部170によってデータアクセスされ、一時的にデータを記憶するワークメモリとして使用される。
データ一時記憶部190は、データ一時記憶部390と同様なものなので詳細な説明は繰り返さない。
画像読取ユニット200は、ユニット制御部270と、モータ駆動制御部275Aと、駆動パルスモータ250Aと、モータ駆動制御部275Bと、駆動パルスモータ250Bと、画像処理部240と、基準位置検出センサ260と、記憶部290とを含む。
ユニット制御部270は、画像読取ユニット200内の各部に対する各種処理や演算処理等を行なう機能を有する。ユニット制御部270は、パネル制御部370と同様なものなので詳細な説明は繰り返さない。ユニット制御部270は、ADF100内のADF制御部170と、信号線で接続されており、データ通信可能である。
ユニット制御部270は、画像読取処理時における、設定倍率対応速度の情報、片面/両面モードといった動作モードの情報および制御指示等を、ADF制御部170へ送信する。ADF制御部170は、設定倍率対応速度の情報、動作モードの情報および制御指示等を受信し、当該制御指示に応じた制御指示を、ADF100内の各部へ送る。
ユニット制御部270は、モータ駆動制御部275Aと、励磁信号U1A0〜U1A3を、それぞれ伝達する4本の信号線で接続されている。ユニット制御部270は、励磁信号U1A0〜U1A3によるによる制御指示(以下、モータ制御指示U1Aともいう)を、モータ駆動制御部275Aへ送る。当該モータ制御指示U1Aは、設定倍率対応速度に応じた周波数に設定された励磁信号U1A0〜U1A3による制御指示である。
モータ駆動制御部275Aは、駆動パルスモータ250Aと接続されている。モータ駆動制御部275Aは、モータ制御指示U1Aに応じて、駆動パルスモータ250Aを駆動させる。
駆動パルスモータ250Aは、モータ駆動制御部275Aの制御に応じて、コンタクトガラス210を左右方向に一定の速度で移動させる。
ユニット制御部270は、モータ駆動制御部275Bと、励磁信号U1B0〜U1B3を、それぞれ伝達する4本の信号線で接続されている。ユニット制御部270は、励磁信号U1B0〜U1B3によるによる制御指示(以下、モータ制御指示U1Bともいう)を、モータ駆動制御部275Bへ送る。
モータ駆動制御部275Bは、駆動パルスモータ250Bと接続されている。モータ駆動制御部275Bは、モータ制御指示U1Bに応じて、駆動パルスモータ250Bを駆動させる。
駆動パルスモータ250Bは、モータ駆動制御部275Bの制御に応じて、読取スライダーユニット220を左右方向に移動させる。なお、ADF100を利用した画像読取処理時には、読取スライダーユニット220は、原稿読取り位置L1に停止される。
ユニット制御部270は、画像処理部240と、基準位置検出センサ260と接続され、データ通信を行なう。
記憶部290には、ユニット制御部270および画像処理部240に後述する処理を行なわせるためのプログラム、画像処理部240の読取速度のデータ、その他各種プログラムおよびデータ等が記憶されている。記憶部290は、ユニット制御部270および画像処理部240によってデータアクセスされる。
記憶部290は、大容量のデータを記憶可能なハードディスクである。なお、記憶部290は、ハードディスクに限定されることなく、電源を供給されなくてもデータを保持可能な媒体(たとえば、フラッシュメモリ)であればよい。
すなわち、記憶部290は、記憶の消去・書き込みを何度でも行えるEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、電気的に内容を書き換えることができるEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)、紫外線を使って記憶内容の消去・再書き込みを何度でも行えるUV−EPROM(Ultra-Violet Erasable Programmable Read Only Memory)、その他、不揮発的にデータを記憶保持可能な構成を有する回路のいずれであってもよい。
ユニット制御部270は、画像形成部400と接続される。ユニット制御部270は、画像形成部400に印刷処理を行なわせるための制御指示および印刷処理に必要なデータを送信する。
画像形成部400は、当該制御指示を受信すると、受信したデータに応じた画像を紙に印字する。
なお、以下においては、ADF100と、画像読取ユニット200と、操作パネルユニット300とから構成される装置を画像読取装置とも称する。本発明において、ADF100、画像読取ユニット200および操作パネルユニット300の各々が行なう処理のうち、画像形成部400を使用しない処理は、画像読取装置のみでも実現できる。
図3は、画像処理部240の内部の構成を示すブロック図である。
図3を参照して、画像処理部240は、CCD(Charge Coupled Devices)242と、アンプ部243と、A/D変換部244と、シェーディング補正部246と、ノイズ除去処理部248とを有する。
CCD242は、レンズ232から入力された光を電気信号に変換し、電気信号をアンプ部243へ出力する。
アンプ部243は、入力された電気信号を増幅し、増幅した電気信号をA/D変換部244へ出力する。
A/D変換部244は、入力された電気信号をデジタルデータに変換し、後述のシェーディング補正処理が行なわれる期間は、当該デジタルデータを、シェーディング補正部246へ出力する。
シェーディング補正部246は、画像形成装置1000の使用開始時または所定時間毎に、入力されたデジタルデータに基づいて、CCD242の感度を補正するためのシェーディング補正処理をする。
A/D変換部244は、シェーディング補正処理が行なわれない期間は、変換したデジタルデータを、ノイズ除去処理部248へ出力する。
ノイズ除去処理部248は、入力されたデジタルデータに基づく画像が、異物等による所定サイズ以下のノイズがある画像(以下、ノイズ除去可能画像ともいう)である場合、ノイズ除去可能画像に対し、ノイズ除去処理によりノイズを除去する。ここで、ノイズ除去処理は、たとえば、ノイズ部分の周辺領域のデータを利用するフィルタ処理等による画像処理である。その後、ノイズ除去処理部248は、ノイズ除去された画像データを、記憶部290に記憶させる。
ノイズ除去処理部248は、入力されたデジタルデータに基づく画像が、異物等による所定サイズ以上のノイズがある画像またはノイズが全くない画像である場合、画像全体の劣化を避けるために、ノイズ除去処理を行なわず、画像データを記憶部290に記憶させる。また、ノイズ除去処理部248は、取得した画像データをユニット制御部270へ送信する。
上記所定サイズ以上のノイズの元となる異物(以下、大サイズ異物ともいう)の検出処理は、画像読取処理時でない期間、すなわち、コンタクトガラス210が、位置L2から基準位置L0に戻る期間に行なわれる。大サイズ異物の検出処理では、画像処理部240に、コンタクトガラス210を介した白板130内の原稿読取り位置L1の画像(以下、大サイズ異物検出画像ともいう)が入力される。画像処理部240は、入力された大サイズ異物検出画像のデータをユニット制御部270へ送信する。ユニット制御部270は、入力された大サイズ異物検出画像のデータを監視することにより、コンタクトガラス210上の大サイズ異物を検出することが可能となる。
なお、コンタクトガラス210上の大サイズ異物の位置は、たとえば、ユニット制御部270が、コンタクトガラス210を所望の速度で移動させるために設定した周波数の励磁信号U1A0〜U1A3のパルスを、カウントすることで算出できる。
ユニット制御部270は、コンタクトガラス210上の大サイズ異物の位置を算出することで、コンタクトガラス210の移動領域を、大サイズ異物の存在しない領域のみに設定する。これにより、画像ノイズの除去性能を上げることができるようになる。
次に、本発明のポイントであるコンタクトガラス210の移動速度の設定方法について説明する。
図4は、コンタクトガラス210の移動速度の設定方法を説明するための図である。
図4を参照して、図4(A)は、前述の大サイズ異物の検出処理により、コンタクトガラス210上に大サイズ異物が検出されていない場合を示す図である。ガラス移動有効長Lg0(mm)は、コンタクトガラス210を最大で移動させることが可能な幅である。なお、ガラス移動有効長Lg0のデータは、記憶部290に予め記憶されている。V0は、初期に設定されている原稿搬送速度を示す。
図4(A)の場合、画像読取処理は、コンタクトガラス210をガラス移動有効長Lg0内で移動させる間に行なわれる。コンタクトガラス210は、原稿の読取開始時刻から読取終了時刻までの期間(以下、原稿読取時間とも称する)、ガラス移動有効長Lg0移動させられる。副走査方向に対する原稿の長さをL0(mm)、画像処理部240の読取速度をV0(mm/s)とすると、原稿読取時間T0は、以下の式(1)により算出される。
T0(s)=L0(mm)/V0(mm/s) ・・・(1)
コンタクトガラス210の移動速度(以下、ガラス移動速度ともいう)Vg0(mm/s)は、以下の式(2)により算出される。
Vg0(mm/s)=Lg0(mm)/T0(s) ・・・(2)
図4(B)は、前述の大サイズ異物の検出処理により、コンタクトガラス210上に大サイズ異物400が検出された場合を示す図である。この場合、コンタクトガラス210上の大サイズ異物が存在しない部分を利用して、画像読取処理が行なわれる。したがって、コンタクトガラス210を最大で移動させることが可能な幅は、ユニット制御部270により、ガラス移動有効長Lg1(mm)に設定される。
コンタクトガラス210は、画像読取処理が開始される前に、ユニット制御部270の制御により、大サイズ異物が存在する幅g1だけ右に移動させられる。コンタクトガラス210は、原稿読取時間中、ガラス移動有効長Lg1移動させられる。この場合、ガラス移動速度Vg1(mm/s)は、以下の式(3)により算出される。
Vg1(mm/s)=Lg1(mm)/T0(s) ・・・(3)
なお、Lg1<Lg0より、Vg1<Vg0となる。
図4(C)は、前述の大サイズ異物の検出処理により、コンタクトガラス210上に複数の大サイズ異物が検出された場合を示す図である。この場合、コンタクトガラス210上の複数の大サイズ異物が存在しない部分を利用して、画像読取処理が行なわれる。したがって、コンタクトガラス210を最大で移動させることが可能な幅は、ユニット制御部270により、ガラス移動有効長Lg2(mm)に設定される。
コンタクトガラス210は、画像読取処理が開始される前に、ユニット制御部270の制御により、複数の大サイズ異物が存在する幅g2だけ右に移動させられる。コンタクトガラス210は、原稿読取時間中、ガラス移動有効長Lg2移動させられる。この場合、ガラス移動速度Vg2(mm/s)は、以下の式(4)により算出される。
Vg2(mm/s)=Lg2(mm)/T0(s) ・・・(4)
なお、Lg2<Lg0より、Vg2<Vg0となる。
すなわち、ガラス移動有効長Lgnが小さくなるに従い、ガラス移動速度Vgnは遅くなる。ガラス移動速度が、所定の速度より遅くなると、速度の安定性低下、コンタクトガラス210の振動、騒音などが顕著になる。
図5は、ガラス移動速度に対する速度変動率をグラフで示した図である。図5のガラス移動速度は、2相励磁方式により変化させたものとする。ここで、速度変動率が、たとえば、10%の場合、ガラス移動速度を10(mm/s)に設定したとしても、ガラス移動速度は、10%の誤差の範囲の速度(9〜11(mm/s))となる。
図5を参照して、ガラス移動速度が遅くなるに従って、速度変動率は大きくなっている。この場合、ノイズ除去処理のノイズ除去性能を所定レベル以上保つには、速度変動率は、一例として、60%以下にする必要があるとする。
したがって、ガラス移動有効長Lgnが、図4(A)の状態の約1/4となり(図4(C)の状態)、ガラス移動速度が、初期速度Vg0の約1/4の速度Vgs以下になると、速度変動率は60%より大きくなり、ノイズ除去処理のノイズ除去性能が所定レベルよりも低下する。以下においては、速度Vgsを、ガラス移動限界速度Vgsともいう。ガラス移動速度が、ガラス移動限界速度Vgsより遅くなると、速度の安定性低下、コンタクトガラス210の振動および騒音などが顕著になる。
なお、図5のグラフは、一例であり、グラフの特性は、画像処理部240の読取速度、コンタクトガラス210の駆動構成、コンタクトガラス210の駆動方式、ノイズ除去処理などの各種のパラメータによって変わる。しかしながら、ガラス移動速度が遅くなるにつれて、ノイズ除去処理のノイズ除去性能が低下することに変わりはない。
ノイズ除去処理のノイズ除去性能が低下すると、ガラス移動速度が低下する前では、ノイズ除去処理により除去可能であった、大サイズ異物より小さい異物に基づくノイズが、完全に除去できなくなる。したがって、画像処理部240が得る画像の品質が低下する。
そこで、上記問題を改善するために、本発明では、図4(D)に示すように、ガラス移動有効長Lgnが所定値Lsより小さくならないようにする。具体的には、ガラス移動速度Vgnが、ガラス移動限界速度Vgsより小さくならないようにする。これにより、ガラス移動速度の低下による、速度の安定性低下、コンタクトガラス210の振動および騒音、ノイズ除去処理のノイズ除去性能の低下等を防止できる。
ガラス移動有効長を所定値以上となるように制限すると、コンタクトガラス210のうち、大サイズ異物が付着している領域も使用する場合もあるので筋ノイズを完全に除去することはできない。しかしながら、大サイズ異物よりも小さい異物によるノイズに対するノイズ除去処理のノイズ除去性能は維持できるため、画像のノイズの軽減は可能となる。
なお、コンタクトガラス210のうち、大サイズ異物が付着してない領域を使用する手法としては、以下の手法が考えられる。ガラス移動速度Vgnが、ガラス移動限界速度Vgsより小さくなった場合、原稿搬送速度を速くする。すなわち、ガラス移動速度Vgnと原稿搬送速度とに基づく相対速度を所定速度以上に保つようにする。そして、画像読取処理において、変更された原稿搬送速度に応じた電子変倍処理を行なう。
しかしながら、上記手法では、原稿搬送速度を速くし、画像処理部240が電子変倍処理により取得する画像の品質と、原稿搬送速度を変更せずに、画像処理部240が取得する画像の品質とは、多少なりとも異なる可能性もある。したがって、たとえば、複数の原稿を、筋ノイズ等があっても、同じ品質で読取りを希望するユーザに対しては本発明が有効となる。
図6は、操作パネルユニット300の外観を示す図である。
図6を参照して、操作パネルユニット300は、表示部310と、操作キー群320とを含む。表示部310は、前述したようにタッチパネル機能を有するものである。
操作キー群320は、以下に説明する複数のキーを含む。複数のキーのうち、ユーザが押下操作したキーの情報(以下、押下操作キー情報ともいう)は、パネル制御部370に送信される。パネル制御部370は、受信した押下操作キー情報を、ユニット制御部270へ送信する。ユニット制御部270は、受信した押下操作キー情報に応じて、各種処理を行なう。
操作キー群320は、スキャンモードキー321Aと、コピーモードキー321Bと、テンキー322と、ユーティリティキー323Aと、設定確認キー323Bと、拡大表示キー323Cとを有する。
スキャンモードキー321Aは、画像形成装置1000を、スキャンモードに設定するためのキーである。コピーキー321Bは、画像形成装置1000を、コピーモードに設定するためのキーである。テンキー322は、コピー枚数の設定や各種数値の入力をするためのキーである。
ユーティリティキー323Aは、表示部310に、ユーザ設定モード、トータルチェックモード、管理者保守モード等の特殊モードに対応する画像を表示させるためのキーである。ユーザ設定モードは、ユーザの好みに応じて画像形成装置1000の各種設定を変更するためのモードである。トータルチェックモードは、各種カウンタ値の表示を行なうモードである。管理者保守モードは、特定のユーザのみに許可された更に詳細な画像形成装置1000の設定を行うためのモードである。
設定確認キー323Bは、設定されている各モードの一覧を表示部310に表示させるためのキーである。拡大表示キー323Cは、表示部310に表示される画像を拡大する処理または拡大しない処理とを切替えるためのキーである。
操作キー群320は、さらに、電源キー324と、スタートキー325と、ストップキー326と、リセットキー327と、クリアキー328と、割込みキー329とを有する。
電源キー324は、画像形成装置1000の電源のオン、オフの切替えを行なうためのキーである。スタートキー325は、原稿の読取処理またはプリント処理を開始するためのキーである。ストップキー326は、原稿の読取処理またはプリント処理等の処理中のJOB(ジョブ)を停止するためのキーである。リセットキー327は、画像形成装置1000が設定されているモードを、すべて解除したり、停止中のJOBを破棄したりするためのキーである。クリアキー328は、コピー枚数の初期化および各種設定された数値の初期化を行うためのキーである。割込みキー329は、割り込みモードをセットまたはリセットするためのキーである。
次に、1つのJOB(たとえば、100枚の原稿をコピーする処理)を開始する前に行なわれる初期設定処理について説明する。
図7は、初期設定処理のフローチャートである。
図7を参照して、ステップS100では、ユニット制御部270からの制御指示に応じて、パネル制御部370が、表示部310に、初期画像を表示させる。
初期画像は、画像形成装置1000の電源のオン時に、表示部310に通常表示される画像である。
図8は、表示部310に表示される画像を示す図である。
図8(A)は、一例としての初期画像600を示す図である。
再び、図7を参照して、ステップS100の処理の後、ステップS102に進む。
ステップS102では、ユニット制御部270が、ユーザによるユーティリティキー323Aの押下操作があるか否かを判定する。ステップS102において、YESならば、ステップS104に進む。一方、ステップS102において、NOならば、再度、ステップS102の処理が行なわれる。
ステップS104では、ユニット制御部270からの制御指示に応じて、パネル制御部370が、表示部310に、ユーティリティ画像を表示させる。
再び、図8を参照して、図8(B)は、一例としてのユーティリティ画像610を示す図である。ユーティリティ画像610には、複数のボタン画像が配置される。複数のボタン画像のいずれかが、ユーザにより押下(タッチ)操作されると、パネル制御部370は、押下操作されたボタン画像の情報(以下、押下操作ボタン情報ともいう)をユニット制御部270へ送信する。ユニット制御部270は、受信した押下操作ボタン情報に応じて、各種処理を行なう。なお、以下に説明する各種画像に配置されるボタン画像も同様であるとする。ユーティリティ画像610には、ユーザ設定ボタン画像611と、設定終了ボタン画像619とが配置される。設定終了ボタン画像619は、ユーティリティ画像610における設定処理を終了するためのボタン画像である。
再び、図7を参照して、ステップS104の処理の後、ステップS106に進む。
ステップS106では、ユニット制御部270が、ユーザによるユーザ設定ボタン画像611の押下操作があるか否かを判定する。ステップS106において、YESならば、ステップS107に進む。一方、ステップS106において、NOならば、再度、ステップS106の処理が行なわれる。
ステップS107では、ユニット制御部270からの制御指示に応じて、パネル制御部370が、表示部310に、ユーザ設定画像を表示させる。
図9は、表示部310に表示される画像を示す図である。
図9(A)は、一例としてのユーザ設定画像620を示す図である。ユーザ設定画像620には、複数のボタン画像が配置される。ユーザ設定画像620には、ユーザチョイスボタン画像621と、設定終了ボタン画像629とが配置される。設定終了ボタン画像629は、ユーザ設定画像620における設定処理を終了するためのボタン画像である。
再び、図7を参照して、ステップS107の処理の後、ステップS108に進む。
ステップS108では、ユニット制御部270が、ユーザによるユーザチョイスボタン画像621の押下操作があるか否かを判定する。ステップS108において、YESならば、ステップS109に進む。一方、ステップS108において、NOならば、再度、ステップS108の処理が行なわれる。
ステップS109では、ユニット制御部270からの制御指示に応じて、パネル制御部370が、表示部310に、ユーザチョイス画像を表示させる。ユーザチョイス画像は、本発明のガラス移動に関連する様々な設定を行うための画像である。
再び、図9を参照して、図9(B)は、一例としてのユーザチョイス画像630を示す図である。本実施の形態では、複数の階層毎に設定された画像が、表示部310に表示されることで、詳細な設定を可能としている。なお、本実施の形態では、一例として、表示部310に表示される画像が、ユーザ設定画像620からユーザチョイス画像630に切替わる例を挙げている。しかし、詳細に設定する項目が少なければ、ユーザ設定画像620内の空きスペースに当該項目の画像を配置した画像を表示部310に表示してもよい。
ユーザチョイス画像630には、ガラス移動有効長切替えボタン画像631と、移動速度限界時処理ボタン画像632と、ガラス移動速度設定ボタン画像633と、ガラス移動量切替え設定ボタン画像634と、警告設定ボタン画像635と、設定終了ボタン画像639とが配置される。各ボタン画像の詳細な説明は後述する。
再び、図7を参照して、ステップS109の処理の後、ステップS110に進む。
ステップS110では、ユニット制御部270が、ユーザによるガラス移動有効長切替えボタン画像631の押下操作があるか否かを判定する。ガラス移動有効長切替えボタン画像631は、ガラス移動速度が許容速度範囲外と設定された場合に、ガラス移動有効長を切替えるかどうかを設定する画像を表示させるためのボタン画像である。
ステップS110において、YESならば、ステップS120に進む。一方、ステップS110において、NOならば、後述するステップS120Bに進む。
ステップS120では、ガラス移動有効長切替え設定処理が行なわれる。
図10は、ガラス移動有効長切替え設定処理のフローチャートである。
図10を参照して、ステップS121では、ユニット制御部270からの制御指示に応じて、パネル制御部370が、表示部310に、ガラス移動有効長切替設定画像を表示させる。
図11は、表示部310に表示される画像を示す図である。
図11(A)は、一例としてのガラス移動有効長切替設定画像710を示す図である。ガラス移動有効長切替設定画像710には、ボタン画像711,712,718,719が配置される。
ボタン画像711は、ガラス移動有効長の切替えを許可するためのボタン画像である。ボタン画像712は、ガラス移動有効長の切替えを許可しないためのボタン画像である。ボタン画像719は、ボタン画像711またはボタン画像712に対応する処理を設定するためのボタン画像である。ボタン画像718は、ガラス移動有効長の切替え設定処理を終了するためのボタン画像である。
再び、図10を参照して、ステップS121の処理の後、ステップS122に進む。
ステップS122では、ガラス移動有効長の切替えの許可設定操作があるか否かが判定される。具体的には、ユニット制御部270が、ユーザによるボタン画像711の押下操作の後、ユーザによるボタン画像719の押下操作があったか否かを判定する。ステップS122において、YESならば、ステップS122Aに進む。一方、ステップS122において、NOならば、ステップS124に進む。
ステップS122Aでは、ガラス移動有効長の切替えの許可設定が行なわれる。具体的には、ユニット制御部270が、記憶部290に記憶されているガラス移動有効長切替え許可フラグをオンに設定する。ガラス移動有効長切替え許可フラグは、オンに設定された場合、ガラス移動有効長の切替えを許可するためのフラグである。なお、ガラス移動有効長切替え許可フラグは、初期状態ではオフに設定されている。その後、このガラス移動有効長切替え設定処理は終了し、図7のステップS120の次のステップS120Aに進む。
ステップS124では、ガラス移動有効長の切替えの許可解除設定操作があるか否かが判定される。具体的には、ユニット制御部270が、ユーザによるボタン画像712の押下操作の後、ユーザによるボタン画像719の押下操作があったか否かを判定する。ステップS124において、YESならば、ステップS124Aに進む。一方、ステップS124において、NOならば、ステップS126に進む。
ステップS124Aでは、ガラス移動有効長の切替えの許可設定の解除が行なわれる。具体的には、ユニット制御部270が、ガラス移動有効長切替え許可フラグをオフに設定する。ステップS124Aの処理が行われる場合の一例としては、ユーザが、複数の原稿を、筋ノイズ等があっても、同じ品質で読取りを希望する場合である。その後、このガラス移動有効長切替え設定処理は終了し、図7のステップS120の次のステップS120Aに進む。
ステップS126では、ガラス移動有効長の切替え設定の終了操作があるか否かが判定される。具体的には、ユニット制御部270が、ユーザによるボタン画像718の押下操作があったか否かを判定する。ステップS126において、YESならば、このガラス移動有効長切替え設定処理は終了し、図7のステップS120の次のステップS120Aに進む。一方、ステップS126において、NOならば、再度、ステップS122の処理が繰り返される。
再び、図7を参照して、ステップS120の処理の後、ステップS120Aに進む。
ステップS120Aでは、ステップS109と同様な処理により、表示部310に、ユーザチョイス画像が表示される。なお、ユーザチョイス画像には、ガラス移動有効長切替え設定処理により設定された内容が表示される。その後、ステップS120Bに進む。
ステップS120Bでは、ユニット制御部270が、ユーザによる移動速度限界時処理ボタン画像632の押下操作があるか否かを判定する。移動速度限界時処理ボタン画像632は、ガラス移動速度が許容範囲外であり、かつ、ガラス移動有効長の切替えをしない場合に原稿の読取りを継続するか中断するかを設定する画像を表示させるためのボタン画像である。以下においては、ガラス移動速度が許容範囲外であり、かつ、ガラス移動有効長の切替えをしない場合を、場合Aとも称する。
ステップS120Bにおいて、YESならば、ステップS130に進む。一方、ステップS120Bにおいて、NOならば、後述するステップS130Bに進む。
ステップS130では、移動速度限界時動作設定処理が行なわれる。
図12は、移動速度限界時動作設定処理のフローチャートである。
図12を参照して、ステップS131では、ユニット制御部270からの制御指示に応じて、パネル制御部370が、表示部310に、移動速度限界時動作設定画像を表示させる。
再び、図11を参照して、図11(B)は、一例としての移動速度限界時動作設定画像720を示す図である。移動速度限界時動作設定画像720には、ボタン画像721,722,728,729が配置される。
ボタン画像721は、場合Aにおいて原稿の読取りを継続するためのボタン画像である。ボタン画像722は、場合Aにおいて原稿の読取りを中断するためのボタン画像である。ボタン画像728は、移動速度限界時動作設定処理を終了するためのボタン画像である。ボタン画像729は、場合Aにおいて原稿の読取りを継続するか否かを設定するためのボタン画像である。
再び、図12を参照して、ステップS131の処理の後、ステップS132に進む。
ステップS132では、場合Aにおいて原稿の読取りの継続を許可する設定操作があるか否かが判定される。具体的には、ユニット制御部270が、ユーザによるボタン画像721の押下操作の後、ユーザによるボタン画像729の押下操作があったか否かを判定する。ステップS132において、YESならば、ステップS132Aに進む。一方、ステップS132において、NOならば、ステップS134に進む。
ステップS132Aでは、原稿の読取りの継続を許可する設定が行なわれる。具体的には、ユニット制御部270が、記憶部290に記憶されている原稿読取り継続許可フラグをオンに設定する。原稿読取り継続許可フラグは、オンに設定された場合、場合Aにおいて原稿の読取りの継続を許可するためのフラグである。なお、原稿読取り継続許可フラグは、初期状態ではオフに設定されている。その後、この移動速度限界時動作設定処理は終了し、図7のステップS130の次のステップS130Aに進む。
ステップS134では、場合Aにおいて原稿の読取りを中断する設定操作があるか否かが判定される。具体的には、ユニット制御部270が、ユーザによるボタン画像722の押下操作の後、ユーザによるボタン画像729の押下操作があったか否かを判定する。ステップS134において、YESならば、ステップS134Aに進む。一方、ステップS134において、NOならば、ステップS136に進む。
ステップS134Aでは、原稿の読取りの継続を許可する設定の解除が行なわれる。具体的には、ユニット制御部270が、原稿読取り継続許可フラグをオフに設定する。その後、この移動速度限界時動作設定処理は終了し、図7のステップS130の次のステップS130Aに進む。
ステップS136では、移動速度限界時動作設定処理の終了操作があるか否かが判定される。具体的には、ユニット制御部270が、ユーザによるボタン画像728の押下操作があったか否かを判定する。ステップS136において、YESならば、この移動速度限界時動作設定処理は終了し、図7のステップS130の次のステップS130Aに進む。一方、ステップS136において、NOならば、再度、ステップS132の処理が繰り返される。
再び、図7を参照して、ステップS130の処理の後、ステップS130Aに進む。
ステップS130Aでは、ステップS109と同様な処理により、表示部310に、ユーザチョイス画像が表示される。なお、ユーザチョイス画像には、移動速度限界時動作設定処理により設定された内容が表示される。その後、ステップS130Bに進む。
ステップS130Bでは、ユニット制御部270が、ユーザによるガラス移動速度設定ボタン画像633の押下操作があるか否かを判定する。ガラス移動速度設定ボタン画像633は、ガラス移動速度の許容値を設定する画像を表示させるためのボタン画像である。ステップS130Bにおいて、YESならば、ステップS140に進む。一方、ステップS130Bにおいて、NOならば、後述するステップS140Bに進む。
ステップS140では、ガラス移動速度設定処理が行なわれる。
図13は、ガラス移動速度設定処理のフローチャートである。
図13を参照して、ステップS141では、ユニット制御部270からの制御指示に応じて、パネル制御部370が、表示部310に、ガラス移動速度設定画像を表示させる。
図14は、表示部310に表示される画像を示す図である。
図14(A)は、一例としてのガラス移動速度設定画像730を示す図である。ガラス移動速度設定画像710には、ボタン画像731,732,738,739が配置される。
ボタン画像731は、ガラス移動速度の許容値(以下、許容速度ともいう)Vsを、ガラス移動限界速度Vgsに対し、10%の余裕(マージン)を見込んだ速度にするためのボタン画像である。すなわち、ボタン画像731は、許容速度Vsを、ガラス移動限界速度Vgsの110%の速度にするためのボタン画像である。
ボタン画像732は、許容速度Vsを、ガラス移動限界速度Vgsとするためのボタン画像である。ボタン画像738は、ガラス移動速度設定処理を終了するためのボタン画像である。ボタン画像739は、許容速度Vsを、ガラス移動限界速度Vgsの110%の速度またはガラス移動限界速度Vgsのいずれかに設定するためのボタン画像である。
再び、図13を参照して、ステップS141の処理の後、ステップS142に進む。
ステップS142では、許容速度Vsを、ガラス移動限界速度Vgsの110%の速度に設定する操作があるか否かが判定される。具体的には、ユニット制御部270が、ユーザによるボタン画像731の押下操作の後、ユーザによるボタン画像739の押下操作があったか否かを判定する。ステップS142において、YESならば、ステップS142Aに進む。一方、ステップS142において、NOならば、ステップS144に進む。
ステップS142Aでは、ユニット制御部270が、許容速度Vsを、ガラス移動限界速度Vgsの110%の速度に設定し、記憶部290に許容速度Vsの情報を記憶させる。その後、このガラス移動速度設定処理は終了し、図7のステップS140の次のステップS140Aに進む。
ステップS144では、許容速度Vsを、ガラス移動限界速度Vgsに設定する操作があるか否かが判定される。具体的には、ユニット制御部270が、ユーザによるボタン画像732の押下操作の後、ユーザによるボタン画像739の押下操作があったか否かを判定する。ステップS144において、YESならば、ステップS144Aに進む。一方、ステップS144において、NOならば、ステップS146に進む。
ステップS144Aでは、ユニット制御部270が、許容速度Vsを、ガラス移動限界速度Vgsに設定し、記憶部290に許容速度Vsの情報を記憶させる。
なお、本実施の形態では、許容速度Vsを、ガラス移動限界速度Vgsに対し、10%の余裕(マージン)を見込んだ速度およびガラス移動限界速度Vgsのいずれかに設定する処理を説明しているが、余裕(マージン)を複数種類にして、許容速度Vsに設定する速度の種類を増やしてもよい。
その後、このガラス移動速度設定処理は終了し、図7のステップS140の次のステップS140Aに進む。
ステップS146では、ガラス移動速度設定処理の終了操作があるか否かが判定される。具体的には、ユニット制御部270が、ユーザによるボタン画像738の押下操作があったか否かを判定する。ステップS146において、YESならば、このガラス移動速度設定処理は終了し、図7のステップS140の次のステップS140Aに進む。一方、ステップS146において、NOならば、再度、ステップS142の処理が繰り返される。
再び、図7を参照して、ステップS140の処理の後、ステップS140Aに進む。
ステップS140Aでは、ステップS109と同様な処理により、表示部310に、ユーザチョイス画像が表示される。なお、ユーザチョイス画像には、ガラス移動速度設定処理により設定された内容が表示される。その後、図15のステップS140Bに進む。
図15は、初期設定処理のフローチャートである。
図15を参照して、ステップS140Bでは、ユニット制御部270が、ユーザによるガラス移動量切替え設定ボタン画像634の押下操作があるか否かを判定する。ガラス移動量切替え設定ボタン画像634は、ガラス移動切替えを行なう場合のガラス移動有効長を設定する画像を表示させるためのボタン画像である。
ステップS140Bにおいて、YESならば、ステップS150に進む。一方、ステップS140Bにおいて、NOならば、後述するステップS150Bに進む。
ステップS150では、ガラス移動量切替え設定処理が行なわれる。
図16は、ガラス移動量切替え設定処理のフローチャートである。
図16を参照して、ステップS151では、ユニット制御部270からの制御指示に応じて、パネル制御部370が、表示部310に、ガラス移動量切替え設定画像を表示させる。
再び、図14を参照して、図14(B)は、一例としてのガラス移動量切替え設定画像740を示す図である。ガラス移動量切替え設定画像740には、ボタン画像741,742,748,749が配置される。
ボタン画像741は、大サイズ異物の存在にかかわらず、ガラス移動有効長Lgをコンタクトガラス210の全面とするためのボタン画像である。ボタン画像742は、大サイズ異物の位置に応じて、ガラス移動有効長Lgが自動的に決定される設定をするためのボタン画像である。
ボタン画像748は、ガラス移動量切替え設定処理を終了するためのボタン画像である。ボタン画像749は、ボタン画像741またはボタン画像742に対応する処理を設定するためのボタン画像である。
再び、図16を参照して、ステップS151の処理の後、ステップS152に進む。
ステップS152では、ガラス移動有効長Lgをコンタクトガラス210の全面に設定する操作があるか否かが判定される。具体的には、ユニット制御部270が、ユーザによるボタン画像741の押下操作の後、ユーザによるボタン画像749の押下操作があったか否かを判定する。ステップS152において、YESならば、ステップS152Aに進む。一方、ステップS152において、NOならば、ステップS154に進む。
ステップS152Aでは、ガラス移動有効長Lgをコンタクトガラス210の全面に設定する処理が行なわれる。具体的には、ユニット制御部270が、記憶部290に記憶されているガラス全面利用フラグをオンに設定する。ガラス全面利用フラグは、オンに設定された場合、ガラス移動有効長Lgをコンタクトガラス210の全面に設定するためのフラグである。また、ガラス全面利用フラグは、オフに設定された場合、大サイズ異物の位置に応じて、ガラス移動有効長Lgが自動的に決定される設定をするためのフラグでもある。
なお、ガラス全面利用フラグは、初期状態ではオフに設定されている。その後、このガラス移動量切替え設定処理は終了し、図15のステップS150の次のステップS150Aに進む。
ステップS154では、ガラス移動有効長Lgを自動的に決定される設定をする操作があるか否かが判定される。具体的には、ユニット制御部270が、ユーザによるボタン画像742の押下操作の後、ユーザによるボタン画像749の押下操作があったか否かを判定する。ステップS154において、YESならば、ステップS154Aに進む。一方、ステップS154において、NOならば、ステップS156に進む。
ステップS154Aでは、ガラス移動有効長Lgが自動的に決定される設定が行なわれる。具体的には、ユニット制御部270が、ガラス全面利用フラグをオフに設定する。
本実施の形態では、ガラス移動有効長Lgをコンタクトガラス210の全面に設定する場合と、大サイズ異物の位置に応じてガラス移動有効長Lgを自動的に決定される設定をする場合との2つの選択肢を説明した。しかしながら、ガラス移動有効長Lgをコンタクトガラス210の全面だけでなく、コンタクトガラス210の1/2または1/3と複数種類にして、更に選択肢を増やしてもよい。
その後、このガラス移動量切替え設定処理は終了し、図15のステップS150の次のステップS150Aに進む。
ステップS156では、ガラス移動量切替え設定処理の終了操作があるか否かが判定される。具体的には、ユニット制御部270が、ユーザによるボタン画像748の押下操作があったか否かを判定する。ステップS156において、YESならば、このガラス移動量切替え設定処理は終了し、図15のステップS150の次のステップS150Aに進む。一方、ステップS156において、NOならば、再度、ステップS152の処理が繰り返される。
再び、図15を参照して、ステップS150の処理の後、ステップS150Aに進む。
ステップS150Aでは、ステップS109と同様な処理により、表示部310に、ユーザチョイス画像が表示される。なお、ユーザチョイス画像には、ガラス移動量切替え設定処理により設定された内容が表示される。その後、ステップS150Bに進む。
ステップS150Bでは、ユニット制御部270が、ユーザによる警告設定ボタン画像635の押下操作があるか否かを判定する。警告設定ボタン画像635は、ガラス移動速度が許容範囲外となった時の警告タイミングを設定するための画像を表示させるためのボタン画像である。
ステップS150Bにおいて、YESならば、ステップS160に進む。一方、ステップS150Bにおいて、NOならば、後述するステップS160Bに進む。
ステップS160では、警告タイミング設定処理が行なわれる。
図17は、警告タイミング設定処理のフローチャートである。
図17を参照して、ステップS161では、ユニット制御部270からの制御指示に応じて、パネル制御部370が、表示部310に、警告タイミング設定画像を表示させる。
図18は、表示部310に表示される、一例としての警告タイミング設定画像750を示す図である。
図18を参照して、警告タイミング設定画像750には、ボタン画像751A,751B,752A,752B,758,759が配置される。
ボタン画像751Aは、警告を行なうタイミングを、所定条件成立後、即時と設定するためのボタン画像である。ボタン画像751Bは、警告を行なうタイミングを、所定条件成立後、即時としないように設定するためのボタン画像である。
ボタン画像752Aは、警告を行なうタイミングを、ジョブ終了時に設定するためのボタン画像である。ボタン画像752Bは、警告を行なうタイミングを、ジョブ終了時としないように設定するためのボタン画像である。
ボタン画像758は、警告タイミング設定処理を終了するためのボタン画像である。ボタン画像759は、警告を行なうタイミングを、ボタン画像751またはボタン画像752に対応するタイミングに設定するためのボタン画像である。
再び、図17を参照して、ステップS161の処理の後、ステップS162に進む。
ステップS162では、所定条件成立後即時に警告する/しないの切換え操作があるか否かが判定される。当該所定条件は、たとえば、検出された大サイズ異物が存在する領域が所定領域以上であるいう条件である。具体的には、パネル制御部370が、ユーザによるボタン画像751Aまたはボタン画像751Bの押下操作の後、ユーザによるボタン画像759の押下操作があったか否かを判定する。ステップS162において、YESならば、ステップS162Aに進む。一方、ステップS162において、NOならば、ステップS164に進む。
ステップS162Aでは、所定条件成立後即時に警告するか否かが判定される。具体的には、パネル制御部370が、ユーザによるボタン画像751Aの押下操作の後、ユーザによるボタン画像759の押下操作があったか否かを判定する。
ステップS162Aにおいて、YESならば、ステップS163Aに進む。一方、ステップS162Aにおいて、NO(ユーザによるボタン画像751Bの押下操作の後、ユーザによるボタン画像759の押下操作があった)ならば、ステップS163Bに進む。
ステップS163Aでは、パネル制御部370が、データ一時記憶部390に記憶されている即時警告許可フラグをオンに設定する。即時警告許可フラグは、オンに設定された場合、警告を行なうタイミングを、所定条件成立後即時と設定するためのフラグである。なお、即時警告許可フラグは、初期状態ではオフに設定されている。その後、ステップS164に進む。
ステップS163Bでは、パネル制御部370が、データ一時記憶部390に記憶されている即時警告許可フラグをオフに設定する。その後、ステップS164に進む。
ステップS164では、ジョブ終了時に警告する/しないの切換え操作があるか否かが判定される。具体的には、パネル制御部370が、ユーザによるボタン画像752Aまたはボタン画像752Bの押下操作の後、ユーザによるボタン画像759の押下操作があったか否かを判定する。ステップS164において、YESならば、ステップS164Aに進む。一方、ステップS164において、NOならば、ステップS166に進む。
ステップS164Aでは、ジョブ終了時に警告するか否かが判定される。具体的には、パネル制御部370が、ユーザによるボタン画像752Aの押下操作の後、ユーザによるボタン画像759の押下操作があったか否かを判定する。
ステップS164Aにおいて、YESならば、ステップS165Aに進む。一方、ステップS164Aにおいて、NO(ユーザによるボタン画像752Bの押下操作の後、ユーザによるボタン画像759の押下操作があった)ならば、ステップS165Bに進む。
ステップS165Aでは、パネル制御部370が、データ一時記憶部390に記憶されているJOB終了時警告フラグをオンに設定する。JOB終了時警告フラグは、オンに設定された場合、警告を行なうタイミングを、ジョブ終了時に設定するためのフラグである。なお、JOB終了時警告フラグは、初期状態ではオフに設定されている。その後、ステップS166に進む。
ステップS165Bでは、パネル制御部370が、データ一時記憶部390に記憶されているJOB終了時警告フラグをオフに設定する。その後、ステップS166に進む。
ステップS166では、警告タイミング設定処理の終了操作があるか否かが判定される。具体的には、ユニット制御部270が、ユーザによるボタン画像758の押下操作があったか否かを判定する。ステップS166において、YESならば、この警告タイミング設定処理は終了し、図15のステップS160の次のステップS160Aに進む。一方、ステップS166において、NOならば、再度、ステップS162の処理が繰り返される。
上記処理により、本実施の形態では、即時警告許可フラグおよびJOB終了時警告フラグの両方がオンになる場合もある。しかしながら、本実施の形態では、即時警告許可フラグおよびJOB終了時警告フラグのいずれか一方のみオンに設定されるように処理されてもよい。この場合、たとえば、即時警告許可フラグがオンに設定されたときに、JOB終了時警告フラグがオンに設定されていた場合、JOB終了時警告フラグはオフに設定される。
再び、図15を参照して、ステップS160の処理の後、ステップS160Aに進む。
ステップS160Aでは、ステップS109と同様な処理により、表示部310に、ユーザチョイス画像が表示される。なお、ユーザチョイス画像には、警告タイミング設定処理により設定された内容が表示される。その後、ステップS160Bに進む。
ステップS160Bでは、各種設定終了の操作があるか否かが判定される。具体的には、ユニット制御部270が、ユーザによる設定終了ボタン画像639等、他画面へ移行するいずれかのボタン画像の押下操作があるか否かを判定する。
ステップS160Bにおいて、YESならば、この初期設定処理は終了する。一方、ステップS160Bにおいて、NOならば、再度、ステップS110の処理が行なわれる。
次に、本実施の形態における、画像形成装置1000が行なう処理(以下、画像形成処理ともいう)について説明する。画像形成処理は、1つのJOB(たとえば、100枚の原稿をコピーする処理)に対して行なわれる処理である。画像形成処理は、ユーザのスタートキー325押下操作によるJOBの開始指示により行なわれる。なお、ユーザの操作キー群320による入力情報は、パネル制御部370が、データ一時記憶部390に記憶させる。なお、当該データ一時記憶部390に記憶されている入力情報は、前述の初期設定処理以外のユーザの操作キー群320による入力情報であるとする。
図19は、画像形成処理のフローチャートである。
図19を参照して、ステップS10では、ユニット制御部270が、原稿枚数カウント変数nに“0”を設定する。ここで、原稿枚数カウント変数nは、1つのJOBにおける、原稿枚数をカウントするための変数である。原稿枚数カウント変数nは、記憶部290に記憶されている。その後、ステップS20に進む。
ステップS20では、初期設定処理Aが行われる。初期設定処理Aでは、ユニット制御部270が、データ一時記憶部390に記憶されているユーザの操作キー群320の押下操作による入力情報を取得するための制御指示を、パネル制御部370へ送信する。以下においては、ユーザの操作キー群320の押下操作による入力情報をユーザ入力情報ともいう。ユーザ入力情報は、たとえば、コピー枚数、コピー濃度、原稿の設定倍率(コピー倍率)等である。
パネル制御部370は、受信した制御指示に基づいて、データ一時記憶部390に記憶されているユーザ入力情報を読出し、ユニット制御部270へ送信する。ユニット制御部270は、受信したユーザ入力情報を記憶部290に記憶させる。その後、ステップS22に進む。
ステップS22では、原稿搬送速度V0の算出処理が行われる。まず、ユニット制御部270が、記憶部290に記憶されたユーザ入力情報のうち、原稿の設定倍率(たとえば、拡大率120%)の情報を読出す。なお、以下においては、原稿の設定倍率の情報を原稿設定倍率情報ともいう。
その後、ユニット制御部270が、原稿設定倍率情報と、記憶部290に記憶されている画像処理部240の読取速度のデータとに基づき、原稿搬送速度V0を算出する。たとえば、原稿の設定倍率が、100%であれば、原稿搬送速度V0は、画像処理部240の読取速度と同じになる。ユニット制御部270は、算出した原稿搬送速度V0のデータを記憶部290に記憶させる。また、ユニット制御部270は、原稿搬送速度V0で、原稿を搬送させるための制御指示をADF制御部170へ送信する。ADF制御部170は、当該制御指示に基づいて、原稿搬送速度V0で、原稿を搬送させるため設定を行なう。その後、ステップS30に進む。
ステップS30では、ユニット制御部270が、原稿枚数カウント変数nを“1”インクリメントする。その後、ステップS32に進む。
ステップS32では、n枚目の原稿の取込み処理が行われる。具体的には、ユニット制御部270が、原稿群115に含まれる複数の原稿のうち、n枚目の原稿を取込むための制御指示を、ADF制御部170へ送信する。ADF制御部170は、n枚目の原稿を取込むための制御指示を、モータ駆動制御部175へ送信する。モータ駆動制御部175は、受信した制御指示により、給紙ローラ120Aを動作させて、n枚目の原稿の取込みを開始する。その後、ステップS34に進む。
ステップS34では、原稿FD長MLn取得処理が行なわれる。原稿FD長MLn取得処理では、ADF制御部170が、取込んだn枚目の原稿に基づく、原稿通過センサ119から通過中信号を連続して受信する時間の長さに基づいて、n枚目の原稿の原稿FD長MLnを判定(取得)する。なお、ステップS32で取込み開始されたn枚目の原稿は、読取り前ローラ120Cの部分で一旦停止する。n枚目の原稿は、n−1枚目の原稿の画像読取処理が終了した後、読取り前ローラ120Cの動作により、原稿読取り位置L1を通過するように搬送される。そして、ADF制御部170は、原稿FD長MLnのデータをデータ一時記憶部190に記憶させる。
この原稿FD長MLn取得処理は、原稿が1枚取込まれる毎に繰返し行なわれる。なお、前回の原稿FD長MLn取得処理により取得された原稿FD長は、ML(n−1)と表す。
なお、ステップS34の処理は、原稿が1枚取込まれる毎に繰り返し行なわれるので、既に、データ一時記憶部190に原稿FD長MLnが記憶されている場合、ADF制御部170は、古い原稿FD長ML(n−1)のデータを1つ残して、新たに取得した原稿FD長MLnを記憶させる。すなわち、データ一時記憶部190には、2つの原稿FD長のデータが記憶される。
なお、ADF制御部170は、既に、データ一時記憶部190に2つの原稿FD長のデータが記憶されている場合、古い方の原稿FD長のデータに、新たに取得した原稿FD長MLnのデータを上書き記憶させる。
次に、ユニット制御部270が、最新の原稿FD長MLnと、前回の原稿FD長MLn取得処理により取得された原稿FD長ML(n−1)とが異なっているかを判定する。ユニット制御部270は、原稿FD長MLnおよび原稿FD長ML(n−1)を取得するための制御指示を、ADF制御部170へ送信することで、原稿FD長MLnおよび原稿FD長ML(n−1)を取得する。
次に、ユニット制御部270が、最新の原稿FD長MLnと、前回の原稿FD長MLn取得処理により取得された原稿FD長ML(n−1)とが異なっているかを判定する。ユニット制御部270は、原稿FD長MLnと、原稿FD長ML(n−1)とが異なっている場合、記憶部290に記憶されている原稿長変更フラグをオンに設定する。原稿長変更フラグは、オンに設定された場合、原稿FD長MLnと、原稿FD長ML(n−1)とが異なっていることを示すためのフラグである。なお、原稿長変更フラグは、初期状態ではオフに設定されている。
原稿FD長MLnと、原稿FD長ML(n−1)とが異なっている場合は、原稿群115に含まれる複数の原稿の各々のサイズが全て同じでない場合である。
一方、ユニット制御部270は、原稿FD長MLnと、原稿FD長ML(n−1)とが同じの場合、記憶部290に記憶されている原稿長変更フラグをオフに設定する。その後、ステップS300に進む。
ステップS300では、本発明のポイントとなるガラス移動条件設定処理が行なわれる。ガラス移動条件設定処理は、コンタクトガラス210の移動条件を設定するための処理である。なお、ガラス移動条件設定処理の詳細な説明は後述する。ガラス移動条件設定処理が終了すると、ステップS400に進む。
ステップS400では、前述の画像読取処理が行なわれる。なお、画像読取処理の詳細な説明は後述する。画像読取処理が終了すると、ステップS420に進む。
ステップS420では、画像読取処理により得られた画像データをプリントアウトするプリントアウト処理が行われる。なお、プリントアウト処理の詳細な説明は後述する。プリントアウト処理が終了すると、ステップS440に進む。
ステップS440では、前述の大サイズ異物の検出処理が行なわれる。この大サイズ異物の検出処理は、原稿が1枚取込まれる毎に繰返し行なわれる。また、大サイズ異物の検出処理は、画像形成装置1000の電源投入時にも行なわれる。なお、コンタクトガラス210にゴミの付く頻度によっては、不必要にガラス移動速度の変更などを行なわないようにするため、大サイズ異物の検出処理は、画像読取処理が所定回数行なわれる毎に、1度行なわれてもよい。
大サイズ異物の検出処理では、前述したように、ユニット制御部270が、コンタクトガラス210上の大サイズ異物の位置を算出し、大サイズ異物の位置のデータを記憶部290に記憶させる。なお、大サイズ異物の検出処理では、複数の大サイズ異物が検出される場合もある。
なお、以下においては、前回の大サイズ異物の検出処理により、算出された大サイズ異物の位置のデータを、旧大サイズ異物位置データともいう。また、今回の大サイズ異物の検出処理により、算出された大サイズ異物の位置のデータを、新大サイズ異物位置データともいう。なお、大サイズ異物の検出処理により、複数の大サイズ異物が検出された場合、大サイズ異物位置データは、それぞれ、複数の大サイズ異物にそれぞれ対応した複数の位置データを含む。
また、ステップS440の処理は、原稿が1枚取込まれる毎に繰り返し行なわれるので、既に、記憶部290に旧大サイズ異物位置データが記憶されている場合、ユニット制御部270は、旧大サイズ異物位置データのデータを1つ残して、新たに算出した新大サイズ異物位置データを記憶させる。すなわち、記憶部290には、2つの大サイズ異物位置データが記憶される。
なお、ユニット制御部270は、既に、記憶部290に2つの大サイズ異物位置データが記憶されている場合、古い方の大サイズ異物位置データに、新たに算出した大サイズ異物位置データを上書き記憶させる。
また、ユニット制御部270は、記憶部290に2つの大サイズ異物位置データが記憶されている場合、以下のデータ比較処理を行なう。
データ比較処理では、ユニット制御部270が、旧大サイズ異物位置データと、新大サイズ異物位置データとが同じであるか否かを判定する。旧大サイズ異物位置データと、新大サイズ異物位置データとが同じでない場合、ユニット制御部270は、記憶部290に記憶されている異物位置変更フラグをオンに設定する。旧大サイズ異物位置データと、新大サイズ異物位置データとが同じである場合、ユニット制御部270は、記憶部290に記憶されている異物位置変更フラグをオフに設定する。異物位置変更フラグは、大サイズ異物の位置データが変更された旨を示すフラグである。その後、ステップS450に進む。
ステップS450では、取込む原稿がないか否かが判定される。具体的には、ユニット制御部270が、給紙トレイ110にセットされている原稿がないか確認するための制御指示をADF制御部170へ送信する。以下においては、給紙トレイ110にセットされている原稿がないか否かを示す情報を、原稿存在情報とも称する。ADF制御部170は、受信した制御指示に基づいて、原稿サイズ検出センサ118からの信号を判定することで、原稿存在情報を取得し、ユニット制御部270へ送信する。以上の処理により、ユニット制御部270は、給紙トレイ110にセットされている原稿がないか否かを判定する。
ステップS450において、YESならば、この画像形成処理は終了する。なお、画像形成処理の終了時には、ユニット制御部270が、JOBが終了した旨を報知するための報知信号を、パネル制御部370へ送信する。パネル制御部370は、受信した報知信号に基づいて、表示部310に表示する画像を変更する。一方,ステップS450において、NOならば、再度、ステップS30の処理が行なわれる。
次に、画像形成処理のステップS300で行なわれるガラス移動条件設定処理について詳細に説明する。
図20は、ガラス移動条件設定処理のフローチャートである。
図20を参照して、ステップS306では、大サイズ異物の位置データが変更されたか否かが判定される。具体的には、ユニット制御部270が、記憶部290に記憶されている異物位置変更フラグがオンであるか否かを判定する。
ステップS306において、YESならば、ステップS310に進む。一方、ステップS306において、NOならば、ステップS306Aに進む。
ステップS306Aでは、原稿FD長に変更があるか否かが判定される。具体的には、ユニット制御部270が、記憶部290に記憶されている前述の原稿長変更フラグがオンであるか否かを判定する。
ステップS306Aにおいて、YESならば、ステップS310に進む。一方、ステップS306Aにおいて、NOならば、このガラス移動条件設定処理は終了し、図19の画像形成処理に戻り、ステップS300の次のステップS400に進む。これにより、現在、設定されているガラス移動速度および原稿搬送速度および原稿設定倍率はそのままで、画像読取処理が行なわれる。
ステップS310では、原稿搬送速度V0、原稿FD長の取得が行なわれる。具体的には、ユニット制御部270が、記憶部290から原稿搬送速度V0のデータを読出す。また、ユニット制御部270は、原稿FD長MLnを取得するための制御指示をADF制御部170へ送信する。ADF制御部170は、受信した制御指示に基づいて、原稿FD長MLnのデータを、ユニット制御部270へ送信する。以上の処理により、ユニット制御部270は、原稿FD長MLnを取得する。その後、ステップS312に進む。
ステップS312では、初期の原稿搬送時間T0が算出される。具体的には、ユニット制御部270が、以下の式(5)に基づいて、原稿搬送時間T0を算出する。
T0=MLn/V0 ・・・(5)
その後、ステップS314に進む。
ステップS314では、ガラス移動有効長Lgnが算出または変更される。以下に説明するステップS314の処理が、初めて行なわれる場合は、ガラス移動有効長Lgnの算出となる。一方、以下に説明するステップS314の処理が、初めて行なわれるのでない場合は、ガラス移動有効長Lgnの変更となる。
以下に、処理の説明を行なう。ユニット制御部270が、記憶部290に記憶されているガラス全面利用フラグがオンである否かを判定する。ガラス全面利用フラグがオンである場合、ユニット制御部270が、ガラス移動有効長Lgnをコンタクトガラス210の全面に設定する。
一方、ガラス全面利用フラグがオフである場合、ユニット制御部270が、記憶部290に記憶されている最新の大サイズ異物位置データに基づいて、ガラス移動有効長Lgnを自動的に算出する。次に、ガラス移動有効長Lgnを自動的に算出する具体的な処理(以下、ガラス移動有効長自動算出処理ともいう)について説明する。
図21は、ガラス移動有効長自動算出処理のフローチャートである。
図21を参照して、ステップS600では、コンタクトガラス210上の大サイズ異物の数が“1”であるか否かが判定される。具体的には、ユニット制御部270が、最新の大サイズ異物位置データが、複数の大サイズ異物にそれぞれ対応した複数の位置データではなく、1つの位置データを含んでいるか否かを判定する。
図22は、大サイズ異物の検出処理により、コンタクトガラス210上に検出された大サイズ異物の状態を示す図である。
図22(A)は、コンタクトガラス210上に、大サイズ異物が1つ存在する状態を示す図である。
再び、図21を参照して、ステップS600において、YES(図22(A)参照)ならば、ステップS600Aに進む。一方、ステップS600において、NOならば、ステップS610に進む。
ステップS600Aでは、大サイズ異物が存在しない領域の長さが算出される。大サイズ異物の位置は、たとえば、図22(A)に示す位置であるとする。この場合、1つの大サイズ異物が存在する位置からコンタクトガラス210の一端までの領域LL1の長さと、1つの大サイズ異物が存在する位置からコンタクトガラス210の他端までの領域LL2の長さが算出される。
具体的には、ユニット制御部270が、コンタクトガラス210の長さのデータおよび大サイズ異物位置データに基づいて、領域LL1および領域LL2の長さを算出する。なお、コンタクトガラス210の長さのデータは、記憶部290に予め記憶されている。その後、ステップS600Bに進む。
ステップS600Bでは、ユニット制御部270が、算出した領域LL1および領域LL2の長さのうち、大きい方の値(領域LL2の長さ)をガラス移動有効長Lgnに設定する。そして、ユニット制御部270は、画像読取処理時、コンタクトガラス210の領域LL2を使用するように設定する。その後、このガラス移動有効長自動算出処理は終了する。
なお、以下においては、領域の長さが、ガラス移動有効長Lgnに設定された領域は、ユニット制御部270により、画像読取処理時、コンタクトガラス210において使用される領域(以下、ガラス移動領域ともいう)にも設定されるものとする。
再び、図22を参照して、図22(B)は、コンタクトガラス210上に、大サイズ異物が複数存在する状態を示す。図22(B)は、一例として、大サイズ異物の数が2つ場合の状態を示す。
再び、図21を参照して、前述のステップS600において、NO(最新の大サイズ異物位置データが、複数の大サイズ異物にそれぞれ対応した複数の位置データを含む)ならば、ステップS610に進む。
ステップS610では、大サイズ異物が存在しない領域の長さが算出される。大サイズ異物の位置は、たとえば、図22(B)に示す位置であるとする。この場合、領域LL11、領域LL12および領域LL13の長さが算出される。具体的には、ユニット制御部270が、コンタクトガラス210の長さのデータおよび大サイズ異物位置データに基づいて、領域LL11、領域LL12および領域LL13の長さを算出する。その後、ステップS612に進む。
ステップS612では、ユニット制御部270が、算出した領域LL11、領域LL12および領域LL13の長さのうち、最も大きい値(領域LL11の長さ)をガラス移動有効長Lgnに設定する。
その後、このガラス移動有効長自動算出処理は終了する。以上のガラス移動有効長自動算出処理により、ガラス移動有効長Lgnが算出され、画像読取処理時に使用されるコンタクトガラス210の領域も設定される。
なお、図21のガラス移動有効長自動算出処理で説明したガラス移動有効長Lgnの算出方法は一例であって、他の算出方法により、ガラス移動有効長Lgnを算出してもよい。
たとえば、コンタクトガラス210上に、複数の大サイズ異物が存在する状態が、図22(C)に示される状態であるとする。
この場合、他の算出方法の一例としては、大サイズ異物が存在しない領域LL11、領域LL12および領域LL13の長さのうち、最も大きい領域LL11の長さがガラス移動有効長Lgnに設定されたとする。そして、当該ガラス移動有効長Lgnを使用して、後述するステップS316で算出されるガラス移動速度Vgnが、前述の処理で設定した許容速度Vs以下となったとする。
この場合、各々が、大サイズ異物を1つ含む複数の領域(領域LL14および領域LL15)のうち、大サイズ異物の大きさが最も小さい方の領域の長さが、ガラス移動有効長Lgnに設定される。
また、他の算出方法の一例としては、大サイズ異物を含む数が1,2,3,4と、それぞれ異なる複数の領域のうち、領域に含まれる大サイズ異物の面積の累計面積が1番小さい領域の長さが、ガラス移動有効長Lgnに設定されるという算出方法である。
ガラス移動有効長Lgnは、当該ガラス移動有効長Lgnを使用して、後述するステップS316で算出されるガラス移動速度Vgnが、許容速度Vs以下とならず、かつ、当該ガラス移動有効長Lgnに対応する大サイズ異物による画像読取処理時の画像への影響が最も少ない領域の長さに設定されることが最も好ましい。
たとえば、図22(D)に示されるように、非常に大きな大サイズ異物を1つ含む領域LL22と、大サイズ異物を2つ含む領域LL21があるとする。この場合、領域LL22に含まれる大サイズ異物の面積が、領域LL21に含まれる2つの大サイズ異物のそれぞれの面積の合計よりも大きいならば、領域LL21の長さをガラス移動有効長Lgnに設定する方が、画像読取処理時の画像への影響は少なくなる。
ユニット制御部270は、算出したガラス移動有効長Lgnと、対応するガラス移動領域とを対応づけて記憶部290に記憶させる。なお、既に、前回のステップS314の処理により記憶部290にガラス移動有効長Lgnが記憶されている場合、ユニット制御部270は、古いガラス移動有効長Lg(n−1)のデータを1つ残して、新たに算出したガラス移動有効長Lgnを記憶させる。すなわち、記憶部290には、2つのガラス移動有効長のデータが記憶される。
なお、ユニット制御部270は、既に、記憶部290に2つのガラス移動有効長のデータが記憶されている場合、古い方のガラス移動有効長のデータに、ガラス移動有効長Lgnのデータを上書き記憶させる。その後、ステップS316に進む。
ステップS316では、ガラス移動速度Vgnの算出が行なわれる。具体的には、ユニット制御部270が、以下の式(6)に基づいて、ガラス移動速度Vgnを算出する。
Vgn=Lgn/T0 ・・・(6)
ユニット制御部270は、算出したガラス移動速度Vgnを、記憶部290に記憶させる。なお、既に、前回のステップS316の処理により記憶部290にガラス移動速度Vg(n−1)が記憶されている場合、ユニット制御部270は、古いガラス移動速度Vg(n−1)のデータを1つ残して、新たに算出したガラス移動速度Vgnを記憶させる。すなわち、記憶部290には、2つのガラス移動速度のデータが記憶される。
なお、ユニット制御部270は、既に、記憶部290に2つのガラス移動速度のデータが記憶されている場合、古い方のガラス移動速度のデータに、ガラス移動速度Vgnを上書き記憶させる。その後、ステップS317に進む。
ステップS317では、表示部310に警告のメッセージを表示するための設定を解除する。具体的には、ユニット制御部270が、データ一時記憶部390に設けられている警告フラグをオフにする制御指示を、パネル制御部370へ送信する。この処理により、パネル制御部370は、データ一時記憶部390に設けられている警告フラグをオフにする。警告フラグは、表示部310に警告のメッセージを表示するか否かを判定するためのフラグである。その後、ステップS320に進む。
ステップS320では、ユニット制御部270が、ステップS316で算出されたガラス移動速度Vgnが、前述の処理で設定した許容速度Vs以下であるか否かを判定する。ステップS320において、YESならば、ステップS322に進む。一方、ステップS320において、NOならば、ステップS320Aに進む。
ステップS320Aでは、ユニット制御部270が、コンタクトガラス210の移動速度をガラス移動速度Vgnとするための設定を行なう。この設定により、コンタクトガラス210は、ガラス移動速度Vgnで移動制御されることになる。
また、ユニット制御部270が、コンタクトガラス210のガラス移動有効長を、記憶部290に記憶されているガラス移動有効長Lgnとし、画像読取処理時に使用する領域を、当該ガラス移動有効長Lgnに対応づけられたガラス移動領域とするための設定を行なう。この設定により、コンタクトガラス210は、当該設定されたガラス移動領域を使用して、ガラス移動有効長Lgnで移動制御されることになる。その後、このガラス移動条件設定処理は終了し、図19の画像形成処理に戻り、ステップS300の次のステップS400に進む。
ステップS322では、表示部310に警告のメッセージを表示するための設定をする。具体的には、ユニット制御部270が、データ一時記憶部390に設けられている警告フラグをオンにする制御指示を、パネル制御部370へ送信する。この処理により、パネル制御部370は、データ一時記憶部390に設けられている警告フラグをオンにする。その後、ステップS330に進む。
ステップS320の条件を満たすガラス移動速度Vgnで、コンタクトガラス210を移動制御した場合、前述したような問題が発生する。したがって、前述の問題を改善するために、ステップS330以降の処理を行なう。
ステップS330では、ガラス移動有効長の切替えが許可されているか否かが判定される。具体的には、ユニット制御部270が、記憶部290に記憶されている前述のガラス移動有効長切替え許可フラグがオンであるか否かを判定する。
ステップS330において、YESならば、ステップS332に進む。一方、ステップS330において、NOならば、ステップS340に進む。
ステップS340では、原稿の読取りの継続が許可されているか否かが判定される。具体的には、ユニット制御部270が、記憶部290に記憶されている前述の原稿読取り継続許可フラグがオンであるか否かを判定する。ステップS340の処理が行われる場合の一例としては、ユーザが、複数の原稿を、筋ノイズ等があっても、同じ品質での読取りを希望する場合である。ステップS340において、YESならば、ステップS342に進む。一方、ステップS340において、NOならば、ステップS350に進む。
ステップS342では、ガラス移動設定処理が行なわれる。ガラス移動設定処理では、ユニット制御部270が、コンタクトガラス210の移動速度を、記憶部290に記憶されているガラス移動速度Vg(n−1)とするための設定を行なう。なお、ガラス移動速度Vg(n−1)は、許容速度Vs以上の速度であるとする。この設定により、コンタクトガラス210は、許容速度Vs以下でないと判定されたガラス移動速度Vgnの代わりに、許容速度Vs以上の速度であるガラス移動速度Vg(n−1)で移動制御されることになる。
また、ユニット制御部270が、コンタクトガラス210のガラス移動有効長を、記憶部290に記憶されているガラス移動有効長Lg(n−1)とするための設定を行なう。なお、ガラス移動有効長Lg(n−1)は、前述の所定値Ls以上であるとする。この設定により、コンタクトガラス210は、所定値Ls以上であるガラス移動有効長Lg(n−1)で移動制御されることになる。この場合、前回のステップS440の処理において、新たに検出された大サイズ異物については、ノイズ除去処理のみで可能なレベルのノイズ除去を行うこととなる。
その後、このガラス移動条件設定処理は終了し、図19の画像形成処理に戻り、ステップS300の次のステップS400に進む。
ステップS350では、JOB中断処理が行なわれる。JOB中断処理では、処理中のJOBを途中で中断するための処理が行なわれる。具体的には、ユニット制御部270が、新たに原稿を給紙する処理を中止させるための制御指示および給紙済み原稿を外部へ排出するための制御指示を、ADF100内のADF制御部170に対し行なう。
そして、ユニット制御部270が、データ一時記憶部390に設けられているJOB中断時警告フラグをオンにする制御指示を、パネル制御部370へ送信する。この処理により、パネル制御部370は、データ一時記憶部390に設けられているJOB中断時警告フラグをオンにする。JOB中断時警告フラグは、JOBを途中で中断した後、表示部310に警告のメッセージを表示するためのフラグである。なお、初期状態では、JOB中断時警告フラグはオフに設定されている。その後、このガラス移動条件設定処理は終了し、図19の画像形成処理に戻り、画像形成処理も終了する。
ステップS332では、ガラス移動速度Vgnが許容速度Vs以下となった場合、ガラス移動有効長の切替えをすぐに行なうことが許可されているか否かが判定される。この判定処理は、前述の初期設定処理以外で、ユーザが操作キー群320を使用して予め設定したガラス移動有効長の切替えのタイミングのデータ(以下、タイミングデータともいう)に基づいて判定される。
タイミングデータは、ガラス移動速度Vgnが許容速度Vs以下となった場合、ガラス移動有効長の切替えをすぐに行なうことを許可するか否かを示すデータである。すなわち、ユーザは、画像形成処理が行われる前に、ガラス移動速度Vgnが許容速度Vs以下となった場合、ガラス移動有効長の切替えをすぐに行なうことを許可するか否かを設定する。
タイミングデータは、記憶部290に記憶されている。ユニット制御部270は、記憶部290に記憶されているタイミングデータに基づいて、ガラス移動有効長の切替えをすぐに行なうことが許可されているか否か判定する。ステップS332において、YESならば、ステップS334に進む。一方ステップS332において、NOならば、前述のステップS342に進む。
ステップS334では、ユニット制御部270が、ガラス移動有効長Lgnを、前述の所定値Lsに変更する。すなわち、コンタクトガラス210の使用される領域が、予め設定された所定値Lsに対応する領域(たとえば、図4(D)参照)に変更される。なお、所定値Lsに対応する領域は、コンタクトガラス210の左端から右へ所定値Ls分だけ離れた距離までの領域に限定されることはない。所定値Lsに対応する部分は、設定されたガラス移動領域の場所によって様々に変化する。
ガラス移動有効長Lgnが、たとえば、図22(B)の領域LL13の長さに設定された場合、所定値Lsに対応する領域は、コンタクトガラス210の右端から左へ所定値Ls分だけ離れた距離までの領域となる。その後、ステップS336に進む。
ステップS336では、ユニット制御部270は、以下の式(7)に、前述の処理で取得または算出したガラス移動有効長Lsおよび原稿搬送時間T0を代入することで、ガラス移動速度Vgn1を算出する。
Vgn1=Ls/T0 ・・(7)
なお、算出されたガラス移動速度Vgn1は、許容速度Vs以上である。そして、ユニット制御部270が、コンタクトガラス210の移動速度をガラス移動速度Vgn1とするための設定を行なう。
この設定により、コンタクトガラス210は、ガラス移動速度Vgn1で移動制御されることになる。その後、このガラス移動条件設定処理は終了し、図19の画像形成処理に戻り、ステップS300の次のステップS400に進む。
ステップS400では、画像読取処理が行なわれる。画像読取処理では、ADF制御部170は、ステップS22の処理で設定された原稿搬送速度V0で、n枚目の原稿を搬送させるための制御指示をモータ駆動制御部175へ送信する。モータ駆動制御部175は、受信した制御指示に基づいて、n枚目の原稿を指定された原稿搬送速度で原稿読取り位置L1を通過させるように読取り前ローラ120Cを制御する。
n枚目の原稿が、原稿読取り位置L1を通過するのと同期して、ユニット制御部270は、ガラス移動条件設定処理で設定されたガラス移動速度およびガラス移動有効長でコンタクトガラス210を移動制御する。
ガラス移動速度およびガラス移動有効長は、たとえば、それぞれ、ガラス移動速度Vgn1およびガラス移動有効長Lsであるとする。
ユニット制御部270は、当該移動制御をするための制御指示をモータ駆動制御部275Aへ送る。モータ駆動制御部275Aは、受信した制御指示に基づいて、コンタクトガラス210を移動制御するように駆動パルスモータ250Aを動作させる。
また、n枚目の原稿が原稿読取り位置L1を、通過開始してから、通過し終わる間に、画像処理部240は、図3で説明した処理を行ない、n枚目の原稿を画像データとして読取り、記憶部290に記憶させる。
以上のように、コンタクトガラス210が移動制御される際、ガラス移動有効長Lsに対応するコンタクトガラス210上に大サイズ異物が存在する場合、筋ノイズが発生する。しかしながら、コンタクトガラス210は、許容速度Vs以上であるガラス移動速度Vgn1で移動制御される。したがって、画像処理部240は、複数の原稿を同じ品質で読取ることができ、大サイズ異物よりも小さい異物によるノイズに対するノイズ除去処理のノイズ除去性能を所定レベル以上で維持できるためノイズの少ない高品質な画像を得ることができるという効果を奏する。
また、コンタクトガラス210は、許容速度Vs以上であるガラス移動速度Vgn1で移動制御される。その結果、許容速度Vsよりさらに小さいガラス移動速度でコンタクトガラス210を移動制御した場合に発生する振動音等を防ぐことができるという効果を奏する。
その後、ステップS420に進む。
ステップS420では、プリントアウト処理が行われる。プリントアウト処理では、ユニット制御部270が、印刷処理を行なわせるための制御指示およびステップS400の処理で記憶部290に記憶された画像データを、画像形成部400へ送信する。
画像形成部400は、当該制御指示を受信すると、受信した画像データに応じた画像を紙に印字する。
以上の処理により、画像形成部400が受信した画像データはノイズの少ない高品質な画像であるため、紙に印字された画像もノイズの少ない高品質な画像とすることができるという効果を奏する。
次に、コンタクトガラス210に異物等が検出された場合に行なわれる警告処理について説明する。警告処理は、前述の画像形成処理が開始されたことを条件として、開始される。また、警告処理は、画像形成処理と並行して、操作パネルユニット300内で行なわれる。なお、警告処理の開始条件は、前述の画像形成処理が開始されたという条件に限定されることはない。
図23は、警告処理のフローチャートである。
図23を参照して、ステップS502では、JOB中断時の警告指示があるか否かが判定される。具体的には、パネル制御部370が、データ一時記憶部390に設けられているJOB中断時警告フラグが、オンであるか否かを判定する。ステップS502において、YESならば、ステップS502Aに進む。一方、ステップS502において、NOならば、ステップS510に進む。
ステップS502Aでは、JOB中断時警告画像表示処理が行なわれる。JOB中断時警告画像表示処理では、パネル制御部370が、表示部310に、JOB中断時警告画像を表示させる。
図24は、一例としてのJOB中断時警告画像810を示す図である。
図24を参照して、JOB中断時警告画像810は、ステップS350でJOB中断処理が行なわれた場合に、表示部310に表示される画像である。JOB中断時警告画像810は、ガラス汚れ検出によりJOBを中断したことを示すメッセージと、ガラス清掃をユーザに促すメッセージとが表示される。
再び、図23を参照して、ステップS502Aの処理の後、この警告処理は終了する。
ステップS510では、警告指示があるか否かが判定される。具体的には、パネル制御部370が、データ一時記憶部390に設けられている警告フラグが、オンであるか否かを判定する。ステップS510において、YESならば、ステップS512に進む。一方、ステップS510において、NOならば、ステップS520に進む。
ステップS512では、即時警告が許可されているか否かが判定される。具体的には、パネル制御部370が、データ一時記憶部390に設けられている即時警告許可フラグが、オンであるか否かを判定する。ステップS512において、YESならば、ステップS514に進む。一方、ステップS512において、NOならば、ステップS520に進む。
ステップS514では、即時警告画像表示処理が行なわれる。即時警告画像表示処理では、パネル制御部370が、表示部310に、即時警告画像を表示させる。
図25は、表示部310に表示される画像を示す図である。
図25(A)は、一例としての即時警告画像820を示す図である。即時警告画像820は、JOB中にコンタクトガラス210の汚れが検出された場合に、表示部310に即座に表示される画像である。即時警告画像820には、プリント中を示すメッセージと、ガラスの汚れをユーザに警告するメッセージとが表示される。
したがって、ユーザは、JOB中であっても、コンタクトガラス210の汚れを即座に知ることができる。その結果、ユーザが即時警告画像820を参照し、コンタクトガラス210の汚れを知った時点で、ユーザがJOBの中止操作を行なえば、低品質な画像読取処理または低品質なコピー処理といった無駄な処理を最小限に防ぐことができるという効果を奏する。
すなわち、高品質な画像読取処理を望むユーザに対し、余計な手間を最小限にすることができるという効果を奏する。当該余計な手間とは、画像読取処理の終了後、ユーザが、コンタクトガラス210を清掃等の作業を行なってから、再度、画像読取処理を行なうといった手間である。
再び、図23を参照して、表示部310に、即時警告画像を表示させた後、所定条件成立後、パネル制御部370は、表示部310に表示されている画像を、即時警告画像820から、JOB中画像に切替える。ここで、所定条件の一例としては、表示部310に即時警告画像820が表示されてから所定時間(たとえば、10秒間)が経過したという条件である。また、所定条件の一例としては、表示部310に即時警告画像820が表示されている途中、ユーザが表示部310の任意の位置をタッチしたという条件である。
再び、図25を参照して、図25(B)は、一例としてのJOB中画像820Aを示す図である。
再び、図23を参照して、ステップS514の処理の後、ステップS520に進む。
ステップS520では、JOB中止操作があるか否かが判定される。具体的には、パネル制御部370が、ユーザによるストップキー326の押下操作があったか否かを判定する。ステップS520において、YESならば、この警告処理は終了する。一方、ステップS520において、NOならば、ステップS522に進む。
ステップS522では、JOBが終了したか否かが判定される。具体的には、パネル制御部370が、JOBが終了した旨を報知するための報知信号を、ユニット制御部270から受信したか否かが判定される。ステップS522において、YESならば、ステップS524に進む。一方、ステップS522において、NOならば、再度、ステップS502の処理が行なわれる。
ステップS524では、JOB終了時に警告が許可されているか否かが判定される。具体的には、パネル制御部370が、データ一時記憶部390に設けられているJOB終了時警告フラグが、オンであるか否かを判定する。ステップS524において、YESならば、ステップS526に進む。一方、ステップS524において、NOならば、この警告処理は終了する。
ステップS526では、ジョブ終了時警告画像表示処理が行なわれる。ジョブ終了時警告画像表示処理では、パネル制御部370が、表示部310に、ジョブ終了時警告画像を表示させる。ジョブ終了時警告画像は、JOB終了時に、表示部310に表示される画像である。
図26は、一例としてのジョブ終了時警告画像830を示す図である。ジョブ終了時警告画像は、JOB(画像形成処理)中にコンタクトガラス210の汚れが検出され、ガラスの汚れがある旨のメッセージと、ガラス清掃をユーザに促すメッセージとが表示された画像である。
再び、図23を参照して、ステップS526の処理が終了すると、この警告処理は終了する。なお、JOB中に警告処理が行なわれる場合、表示部310に即時警告画像820が表示されていない期間は、JOB中画像820Aが表示される。また、警告処理において、表示部310に、即時警告画像820またはジョブ終了時警告画像830のいずれも表示されない場合、JOB終了後は、表示部310には、たとえば、初期画像600が表示される。
以上の処理により、高品質な画像読取処理を望むユーザは、表示部310に表示された警告画像に応じて、コンタクトガラス210の清掃等を行なうことで、低品質な画像読取処理、低品質でのコピー処理を最小限に防ぐことができるという効果を奏する。
すなわち、高品質な画像読取処理を望むユーザに対し、余計な手間を最小限にすることができるという効果を奏する。
なお、本実施の形態では、ADF100内のADF制御部170が、原稿を搬送させる制御を行ない、画像読取ユニット200内のユニット制御部270が、コンタクトガラス210の移動制御を行なう例を説明している。しかしながら、原稿を搬送させる制御およびコンタクトガラス210の移動制御は、1つの制御部で行なわれてもよい。たとえば、当該1つの制御部が設けられる場所は、ADF100内および画像読取ユニット200内のいずれであってもよい。すなわち、制御部の数および構成は任意である。
また、警告処理において、表示部310に表示される画像および画像内のメッセージは、本実施の形態の内容に限定されるものではない。また、ユーザに警告する方法は、本実施の形態の内容に限定されることなく、表示部310に画像を表示させる代わりに、たとえば、LEDなど他の警告手段を使用して警告してもよい。
上述した本発明の実施形態には、特許請求の範囲の請求項1〜9に記載した発明以外にも、以下の付記1〜28に示すような発明が含まれる。
[付記1] 前記所定透過部分に基づいた移動速度は、前記所定透過部分の長さを、所定時間で除算した速度である、請求項1に記載の画像読取装置。
[付記2] 前記使用部分設定手段は、設定可能部分情報に応じて、前記透明部材の透過部分のうち、所定サイズ以上の異物が存在しない部分に基づいて前記使用透過部分を設定する、請求項1に記載の画像読取装置。
[付記3] 前記設定可能部分情報は、前記透明部材の透過部分のうち、前記使用部分設定手段が前記使用透過部分として設定可能な部分を、定めた情報であり、
前記設定可能部分情報を変更するための設定可能部分変更手段をさらに備える、付記2に記載の画像読取装置。
[付記4] 前記所定の移動速度を変更するための移動速度変更手段をさらに備える、請求項1に記載の画像読取装置。
[付記5] 前記変更手段が、前記使用透過部分を、前記所定透過部分に変更するタイミングは、予め設定されたタイミング情報に基づいて変更される、請求項1に記載の画像読取装置。
[付記6] 前記変更手段が、前記使用透過部分を、前記所定透過部分に変更する条件を変更するための変更条件設定手段をさらに備える、請求項1に記載の画像読取装置。
[付記7] 前記報知手段が前記所定情報を報知するタイミングを設定するためのタイミング設定手段をさらに備える、請求項4に記載の画像読取装置。
[付記8] 前記報知手段は、前記タイミング設定手段により設定されたタイミングに応じて、報知する前記所定情報の内容を変更する、付記7に記載の画像読取装置。
[付記9] 前記透明部材上に異物が存在するか否かを検出する異物検出手段をさらに備え、
前記所定情報は、前記異物検出手段により検知された異物に基づく情報である、請求項7に記載の画像読取装置。
[付記10] 前記報知手段が、前記所定情報を報知する場合、前記原稿読取部による前記原稿の読取り処理を中断するか否かを設定するための読取中断条件設定手段をさらに備える、請求項7に記載の画像読取装置。
[付記11] 前記報知手段が前記所定情報を報知するタイミングを設定するためのタイミング設定手段をさらに備える、請求項7に記載の画像読取装置。
[付記12] 前記報知手段は、前記タイミング設定手段により設定されたタイミングに応じて、報知する前記所定情報の内容を変更する、付記11に記載の画像読取装置。
[付記13] 前記所定透過部分に基づいた移動速度は、前記所定透過部分の長さを、所定時間で除算した速度である、請求項8に記載の画像形成装置。
[付記14] 前記使用部分設定手段は、設定可能部分情報に応じて、前記透明部材の透過部分のうち、所定サイズ以上の異物が存在しない部分に基づいて前記使用透過部分を設定する、請求項8に記載の画像形成装置。
[付記15] 前記設定可能部分情報は、前記透明部材の透過部分のうち、前記使用部分設定手段が前記使用透過部分として設定可能な部分を、定めた情報であり、
前記設定可能部分情報を変更するための設定可能部分変更手段をさらに備える、付記14に記載の画像形成装置。
[付記16] 前記変更手段は、前記透明部材の移動速度が前記所定の移動速度以下であると判定された場合、設定指示に応じて、前記使用透過部分を、前記所定透過部分に変更し、
前記設定指示は、前記変更手段が、前記使用透過部分を、前記所定透過部分に変更することを許可する許可指示または許可しない不許可指示のいずれかであり、
前記設定指示を、前記許可指示または前記不許可指示のいずかに設定するための指示設定手段をさらに備える、請求項8に記載の画像形成装置。
[付記17] 前記所定の移動速度を変更するための移動速度変更手段をさらに備える、請求項8に記載の画像形成装置。
[付記18] 前記変更手段が、前記使用透過部分を、前記所定透過部分に変更するタイミングは、予め設定されたタイミング情報に基づいて変更される、請求項8に記載の画像形成装置。
[付記19] 前記変更手段が、前記使用透過部分を、前記所定透過部分に変更する条件を変更するための変更条件設定手段をさらに備える、請求項8に記載の画像形成装置。
[付記20] 前記透明部材の移動速度が前記所定の移動速度以下であると判定された場合、ユーザに所定情報を報知するための報知手段をさらに備える、請求項8に記載の画像形成装置。
[付記21] 前記透明部材上に異物が存在するか否かを検出する異物検出手段をさらに備え、
前記所定情報は、前記異物検出手段により検知された異物に基づく情報である、付記20に記載の画像形成装置。
[付記22] 前記報知手段が、前記所定情報を報知する場合、前記原稿読取部による前記原稿の読取り処理を中断するか否かを設定するための読取中断条件設定手段をさらに備える、付記20に記載の画像形成装置。
[付記23] 前記報知手段が前記所定情報を報知するタイミングを設定するためのタイミング設定手段をさらに備える、付記20に記載の画像形成装置。
[付記24] 前記報知手段は、前記タイミング設定手段により設定されたタイミングに応じて、報知する前記所定情報の内容を変更する、付記23に記載の画像形成装置。
[付記25] 前記透明部材上に異物が存在するか否かを検出する異物検出手段をさらに備え、
前記所定情報は、前記異物検出手段により検知された異物に基づく情報である、請求項9に記載の画像形成装置。
[付記26] 前記報知手段が、前記所定情報を報知する場合、前記原稿読取部による前記原稿の読取り処理を中断するか否かを設定するための読取中断条件設定手段をさらに備える、請求項9に記載の画像形成装置。
[付記27] 前記報知手段が前記所定情報を報知するタイミングを設定するためのタイミング設定手段をさらに備える、請求項9に記載の画像形成装置。
[付記28] 前記報知手段は、前記タイミング設定手段により設定されたタイミングに応じて、報知する前記所定情報の内容を変更する、付記27に記載の画像形成装置。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 ADF、200 画像読取ユニット、210 コンタクトガラス、240 画像処理部、270 ユニット制御部、300 操作パネルユニット、370 パネル制御部、400 画像形成部、1000 画像形成装置。