JP4071526B2 - 非線形歪補償装置および送信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はデジタル通信に用いられる技術であって、送信系手段の歪補償を行う非線形歪補正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル無線通信の技術の発展により、無線通信には高度な変調方式が適用されるようになってきた。このような中、例えばデジタルTV放送では通信サービスの地域を拡大するために、図18(a)のように送信局10から送信された信号が中継局11を通って受信局12、13に受信するようになっている。そして、送信局10からのRF信号を受信し、増幅し、同一(あるいは異なった)周波数のRF信号のまま再配送する中継局11を用いて、増幅器とアンテナだけの構成をとる。このような中継局(中継器)の特性としては、線形性や周波数特性の他に受信から再配送するまでの低遅延性が強く求められる。このうち線形性を高める手段として歪補償技術があり、その中でも前置歪補償手段は性能が高いために注目を集めている。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の前置歪補償技術は参照信号としてベースバンド信号を利用するため、遅延が大きくなる傾向にあり、中継器には適さないと言った課題がある。一方、遅延を抑えるためには参照信号としてIF帯の信号を用いることも可能であるが、中継器として求められる性能を達成できない可能性がある。
【0004】
そこで本発明は、入力信号を歪補償する補償増幅処理系と出力信号の歪成分を検出し、適応処理する環境適応処理系を分離することで、低遅延で装置の実現を可能にすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、中継器にも適用可能な前置歪補償技術を提供することになる。これらの問題を解決するため、入力した信号から素子の歪量を算出し、その前置歪演算を行い、増幅し出力する基幹信号系と、入力信号の一部と出力信号の一部を分岐し、基幹信号系で算出するための歪量の推定や更新するための信号系を別途設けることで、低遅延量で高精度な歪補償の性能を得ることができるものである。
【0006】
本発明の非線形歪補償装置は、第1に、デジタル無線通信に用いられ、キャリア周波数の入力信号と歪補償係数を入力し、位相と振幅の歪を補償した入力信号を出力する歪補償演算手段と、歪補償した入力信号を増幅する増幅手段と、入力信号を復調する復調手段と、復調した信号を再度変調する変調手段と、増幅した信号の一部を帰還し、その帰還信号と再変調した信号とから歪み量を推定し前記歪補償演算手段に記憶された歪補償係数を更新する歪推定更新手段とを具備したものであり、入力信号を歪補償する補償増幅処理系と出力信号の歪成分を検出して適応処理する環境適応処理系を分離することで、低遅延で装置の実現を可能にするといった作用を有する。
【0007】
第2に、入力信号と歪補償係数を入力し、位相と振幅の歪を補償した入力信号を出力する歪補償演算手段と、歪補償した入力信号を増幅する増幅手段と、入力信号から入力ベースバンド信号に変換する第1の直交復調手段と、増幅した信号の一部を帰還し、その帰還信号から帰還ベースバンド信号に変換する第2の直交復調手段と、入力ベースバンド信号と帰還ベースバンド信号とから歪み量を推定し前記歪補償演算手段に記憶された歪補償係数を更新する歪推定更新手段とを具備したものであり、ベースバンド信号で誤差成分を比較することでより高精度な歪補償効果を得ることができる。
【0008】
第3に、入力信号と歪補償係数を入力し、位相と振幅の歪を補償した入力信号を出力する歪補償演算手段と、歪補償した入力信号を増幅する増幅手段と、入力信号を復調する復調手段と、復調した信号から参照ベースバンド信号に再変調するベースバンド変調手段と、増幅した信号の一部を帰還し、その帰還信号から帰還ベースバンド信号に変換する直交復調手段と、参照ベースバンド信号と帰還ベースバンド信号とから歪み量を推定し前記歪補償演算手段に記憶された歪補償係数を更新する歪推定更新手段とを具備したものであり、入力信号を復調し再復調することにより、遅延分散などの誤差成分のない参照信号を生成しこれに基づいて歪補償動作を行うことで、より高精度な歪補償効果を得ることができる。
【0009】
第4に、入力信号と歪補償係数を入力し、位相と振幅の歪を補償した入力信号を出力する歪補償演算手段と、歪補償した入力信号を増幅する増幅手段と、入力信号を復調する復調手段と、復調した信号から参照ベースバンド信号に再変調するベースバンド変調手段と、増幅した信号の一部を帰還し、その帰還信号から帰還ベースバンド信号に変換する直交復調手段と、参照ベースバンド信号と帰還ベースバンド信号と周波数誤差情報とから歪み量を推定し前記歪補償演算手段に記憶された歪補償係数を更新する歪推定更新手段と、復調手段から周波数誤差を推定し、復調手段や直交復調手段の周波数を制御する周波数推定制御手段とを具備したものであり、入力信号と復調部の間で発生する周波数誤差などの誤差要因を除去し、より高精度な補償効果を得ることができる。
【0010】
第5に、入力信号から伝搬歪を推定しその伝搬歪を補償する伝搬歪補償手段と、出力信号を一部帰還した帰還信号と伝搬歪を補償した信号とから素子の歪を推定し歪を補償した素子歪補償信号を出力する素子歪補償手段と、素子歪補償信号を増幅する増幅手段とを具備したものであり、電波伝搬途中で発生する、フェージング歪やマルチパス歪などの伝搬歪成分を除去した後、歪補償動作を行うことで、より安定した補償効果を得ることができる。
【0011】
第6に、入力信号と出力信号の回り込み量を推定し回込成分を除去する回込除去手段と、出力信号を一部帰還した帰還信号と回込成分を除去した信号とから素子の歪を推定し歪を補償した素子歪補償信号を出力する素子歪補償手段と、素子歪補償信号を増幅する増幅手段とを具備したものであり、出力信号が入力部に漏れ込んでくる回り込み波成分を除去した後、歪補償動作を行うことで、同一周波数での出力を可能にする。
【0012】
第7に、入力信号から伝送歪を推定しその伝搬歪を補償する伝搬歪補償手段と、入力信号と出力信号の回り込み量を推定し回込成分を除去する回込除去手段とからなる入力歪補償手段と、出力信号を一部帰還した帰還信号と入力歪補償した信号とから素子の歪を推定し歪を補償した素子歪補償信号を出力する素子歪補償手段と、素子歪補償信号を増幅する増幅手段とを具備したものであり、回り込み波成分と、伝搬歪成分を除去した後に歪補償動作を行うことで、同一周波数で安定した歪補償動作を可能にする。
【0013】
第8に、入力信号を復調し復調信号を出力する復調手段と、出力信号から一部帰還した帰還信号を基準周波数に従って復調した帰還復調信号と復調信号と入力信号とから素子の歪を推定し歪を補償した素子歪補償信号を出力する素子歪補償手段と、前記復調手段で与えられた基準時間から素子歪の係数更新タイミングを制御するタイミング制御手段と、入力信号と復調手段との周波数誤差を推定し、復調手段や素子歪補償手段の基準周波数を制御する周波数制御手段と、素子歪補償信号を増幅する増幅手段とを具備したものであり、復調手段により、入力信号のシンボルタイミングなどの基準信号を検出し、それに同期させて歪補償係数を更新することで、高精度な歪補償動作を可能にする。
【0014】
第9に、振幅制限された入力信号と素子歪補償係数を入力し、素子歪補償信号を出力する歪補償演算手段と、歪補償した素子歪補償信号を増幅する増幅手段と、入力信号を復調する復調手段と、復調した信号から参照ベースバンド信号に再変調するベースバンド変調手段と、入力信号と参照ベースバンド信号との信号振幅を制限し振幅制限入力信号と振幅制限参照ベースバンド信号とを出力する信号振幅制限手段と、増幅した信号の一部を帰還し、その帰還信号から帰還ベースバンド信号に変換する直交復調手段と、振幅制限参照ベースバンド信号と帰還ベースバンド信号とから歪み量を推定し前記歪補償演算手段に記憶された素子歪補償係数を更新する歪推定更新手段とを具備したものであり、振幅制限を設けることで、電力効率の高い歪補償動作を可能にする。
【0015】
第10に、入力信号を周波数に応じて2以上の信号に分離する分離手段と、分離した信号から歪量を推定し補償する歪補償演算手段と、歪補償した信号を増幅する増幅手段と、前記歪補償演算手段と増幅手段とを前記分離手段で分離した信号数だけ具備し、各増幅手段から出力される信号を合成する合成手段とを具備したものであり、増幅手段に入力される信号帯域を制限することで、より電力効率の高い歪補償動作を可能にする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図1から図18を用いて説明する。
【0017】
図18(b)は、本発明の中継器の概略構成を示す。アンテナ21から放射された信号を受信部22に受信し、その信号の一部が空間を介して回り込み、入力信号として混入する場合がある。この回り込み成分を回り込み除去部23で除去してから、位相と振幅の歪を補償された信号を補償増幅処理24で増幅してアンテナ25を介して出力する。ここで送信装置26は、回り込み除去部23と補償増幅処理24で構成される。
【0018】
(実施の形態1)
入力信号に対して歪を補償し、増幅、出力する歪補償増幅処理と、入力信号と出力信号とから歪成分を推定し、これを最小にするよう動作する環境適応処理を分離することにより、高精度、高安定で入力から出力までの遅延を最小に抑えることができることを特長とする第1の発明について説明する。
【0019】
図1はRF信号と歪補償係数を入力し後段の増幅部102の歪成分に対応し補正した歪補償信号を出力する歪補償演算部101と、歪補償信号を入力しその電力を増幅した出力信号を出力する増幅部102と、RF信号を入力し復調信号を出力する復調部103と、復調信号を対応する変調信号に再度変調する変調部104と、変調信号と出力信号との差から歪成分を推定し、歪補償演算部101に対して歪補償係数を出力、更新する歪推定更新部105と、出力信号を放射するアンテナ106とからなる。
【0020】
まず、RF信号を受信し、その信号は歪補償演算部101へと入力される。歪補償演算部101には、信号に対応する増幅部102の歪成分を補正するための歪補償係数が記憶されており、これとRF信号やその信号から検出した振幅情報などを用いて歪補償信号を演算、出力する。歪補償信号は増幅部102に入力され、ここで所定の電力まで増幅して出力信号を出力する。出力信号はそのほとんどがアンテナ106から放射される。以上の動作を図1では補償増幅処理として表しており、ここで前置歪補償(プリディストーション)処理が行われる。
この補償増幅処理の入出力信号(RF信号および出力信号)はそれぞれ分岐されその一部が、環境適応処理の入力信号(参照RF信号および帰還信号)として与えられる。以下環境適応処理の動作について説明する。
【0021】
RF信号の一部が分岐された参照RF信号が復調部103へ入力される。復調部103はRF信号を復調され復調信号が出力される。この時、RF信号からシンボル同期情報やバースト同期情報などの時間同期情報が歪推定更新部105へ出力される。復調された復調信号は変調部104へ入力され、RF信号で適用されている変調方式に従い参照信号が再度変調される。この参照信号は歪推定更新部105に入力される。一方、出力信号から分岐した帰還信号は歪推定更新部105へと入力される。歪推定更新部105では、歪補償演算部101で検出された振幅情報や補償係数などを用いて増幅部102の歪成分と記憶部(図13の記憶部1308参照)からの歪補償係数との間の誤差を求め、復調部103から得られる時間同期情報に基づき歪補償動作の影響が最小のタイミングで歪補償演算部101の内容を更新する。このように環境適応処理が行われることにより、歪補償係数の内容が増幅部102の歪特性と不一致がある場合においてもそれを補正することが可能となる。
【0022】
図1の構成によると、出力信号の一部を分岐させた帰還信号が歪推定更新部105に入力される構成となっているが、帰還信号をキャリア周波数より低いIF周波数に変換して歪補償を実施する方式について、図16を用いて説明する。
図16において、歪補償部1601、増幅部1602、復調部1603、変換部1604、歪推定更新部1605は、アンテナ1607は図1の各処理部に相当するものである。また、周波数変換部1606は帰還信号を周波数変換してIF帯帰還信号を出力する。図16によると、補償増幅処理では、上述したとおりの処理が行われ、環境適応処理においては、帰還信号がキャリア周波数より低いIF周波数に周波数変換され、歪推定更新部1605に入力される。一方、変調部1604は周波数変換部1606が変換するIF帯帰還信号の周波数と同一の周波数で、復調した信号を再度変調する。
【0023】
このように構成することで、歪推定更新部1605が扱う信号周波数の自由度が高まり、さらにキャリア周波数とは異なる周波数を設定することが可能であるため、出力信号からの回り込みを防いだりする事が容易になる。また、推定対象となる周波数が下がることからその波長が長くなるため、素子精度が相対的に高くなり、遅延制御に用いる精度を相対的に高くすることが可能であるため、より精度の高いシステムを構成することが可能である。
【0024】
なお、歪特性がほぼ一定であり、且つ歪補償係数の内容がそれに十分一致していると仮定できる場合においては、この環境適応処理は不要である。
【0025】
以上の動作のうち、歪補償演算部101と歪推定更新部105について、図13を用いて更に詳細に説明する。図13の1350、1351は図1の歪補償演算部101および歪推定更新部105に相当している。
【0026】
歪補償演算部1350は、RF信号をIF信号に変換する周波数変換部1301と、IF信号を一旦保持しバッファ出力信号によりその信号を補償部1303へ出力するバッファ部1302と、バッファされた信号と歪補償係数とから歪補償の演算を行う補償部1303と、歪補償されたIF信号を再度RF信号へ変換する周波数変換部1306と、IF信号の信号振幅を検出する振幅検出部1307と、歪補償の補償係数を記憶し、振幅検出部1307の信号に応じて補償係数を出力する記憶部1308と、記憶部1308からの補償係数をアナログデータに変換するDA変換部1309と、歪補償演算部1350全体の時間制御を行う時間制御部1310とで構成されている。また、補償部1303は位相補償部1304、ゲイン補償部1305とから構成されている。
【0027】
歪推定更新部1351は、帰還信号をデジタルデータに変換するAD変換部1311と、デジタル化された帰還信号を一時保持し、帰還バッファ出力信号に応じて誤差検出部1314にそのデータを出力するバッファ部1312と、記憶部1308から出力される補償係数を一時保持し、補償係数バッファ出力信号に応じてそのデータを出力するバッファ部1313と、バッファされた帰還信号と補償係数と参照信号とから歪やシステム誤差により発生する誤差成分を検出する誤差検出部1314と、検出した誤差成分から歪成分に関して再帰演算を行い補償係数の更新値を生成する再帰演算部1315と、振幅情報を一時保持し、振幅情報バッファ出力信号に応じてデータを出力するバッファ部1316と、歪補償係数の更新値を一時保持し係数バッファ出力信号に応じてデータを出力するバッファ部1317と、歪推定更新部1350の時間制御を行う制御部1318とで構成されている。
【0028】
まず、RF信号が周波数変換部1301へ入力され、キャリア周波数より低い周波数のIF信号へと変換される。IF信号は振幅検出部1307とバッファ部1302へ入力され、振幅検出部1307はIF信号の振幅を検出しその振幅情報を出力する。記憶部1308は内部に情報を格納する領域が2ページ分用意されており、一方が補償演算実行用で、他方が補償係数更新用である。補償演算には補償演算実行用にある補償係数を用いるが、時間制御部1310からのページ切替信号に基づいてページ割当が切替えられる。この記憶部1308の両ページには位相補償係数とゲイン補償係数とが記憶されており、振幅検出部1307が出力した振幅情報を用いて、それに対応する位相、ゲインの各補償係数を出力する。この補償係数はDA変換部1309へ入力される。時間制御部1310はバッファ部1302のバッファ出力信号とDA変換部1309の変換信号のタイミングを制御する。バッファ出力信号ではIF信号から補償係数が出力されるまでの一連の時間に相当するだけ遅延させ、一方、変換信号では位相補償部1304、ゲイン補償部1305それぞれに対して各部で発生する遅延に相当する量を調整する。DA変換部1309は時間制御部1310からの変換信号に従って補償係数をアナログ補償信号に変換し、バッファ部1302は時間制御部1310のバッファ出力信号に従って遅延IF信号を出力する。遅延IF信号は位相補償部1304とゲイン補償部1305からなる補償部1303へ入力される。補償部1303はDA変換部1309から出力されるアナログ補償信号によりIF信号の位相とゲインを補償し、歪補償IF信号を出力する。歪補償IF信号は周波数変換部1306へ入力され再度キャリア周波数である歪補償信号を出力する。この歪補償信号は増幅部を通り、その一部が帰還信号として歪推定更新部1351に入力される。
【0029】
帰還信号はAD変換部1311でデジタル信号に変換され、デジタル帰還信号が出力される。デジタル帰還信号はバッファ部1312で一旦保持され、制御部1318からの帰還バッファ出力信号によって遅延帰還信号を出力する。同様に歪補償で参照された歪補償係数はバッファ部1303で一旦保持され、制御部1318からの係数バッファ出力信号によって遅延補償係数信号を出力する。誤差検出部1314はバッファ部1312が出力した遅延帰還信号と、バッファ部1313が出力した遅延補償係数信号と、RF信号を復調、再変調した参照信号とから、補償係数更新に用いる誤差成分を検出し誤差信号を出力する。IF信号から検出された振幅情報はバッファ部1316で一旦保持され、制御部1318からの振幅情報バッファ出力信号により振幅情報信号を出力する。再帰演算部1315では、振幅情報信号と、遅延補償係数信号と、誤差信号とから増幅部の歪特性に対応する補償係数を高速、高精度で求めるような演算を行う。この演算として、一般にはLMS(Least Mean Square)アルゴリズムやRLS(Recursive Least mean Square)アルゴリズムなどが知られている。このようにして得られた更新補償係数は、バッファ部1317で一旦保持され、制御部1318からの補償係数更新信号により、記憶部1308の一方のページに対して補償係数の更新を行う。制御部1318は、復調部から入力される同期情報を元にして、振幅情報信号や変調レート、増幅部の歪特性や、環境変化の影響などの情報を加味し補償係数を更新するタイミングを決定する。例えば、環境変化が急激に変化するような場合では、更新の間隔を短くしたり、安定した状態では更新間隔を長くしたりする事などを行う。さらに、補償係数を更新する直前に、補償係数全体をスムージングする操作を行うことにより不要成分を除去することが可能となり、遅延量や量子化などで発生する補償係数の誤差を低減することが可能である。このようにして補償係数の更新が終了した時点で、更新終了信号や同期情報を時間制御部1310へ出力する。時間制御部1310では、更新終了信号を受け取ったのち、同期情報で得られるシンボルの変わり目やバーストの切れ目など補償係数が急激に変化したとしてもシステムに悪影響を及ぼさないようなタイミングで、記憶部1308に対して出力しているページ切替信号を出力し、更新した結果が補償係数に反映されるように制御する。
【0030】
また、制御部1318は帰還信号に発生する遅延量と、参照信号を生成する遅延量の差を調整するように帰還バッファ出力信号を制御し、歪補償で用いた係数とそれに対応する参照信号が生成されるまでの遅延量の差を調整するように係数バッファ出力信号を制御し、同様に歪補償で用いた振幅情報とそれに対応する参照信号が生成されるまでの遅延量の差を調整するように振幅情報バッファ出力信号が制御される。
【0031】
以上説明したように、補償増幅処理と環境適応処理との信号系を完全に分離することで、歪補償処理を妨げることなく補償係数の更新を行うことが可能となる。さらにRF信号に対して直接歪補償を行うことで、歪補償処理で発生する遅延量を極めて少なく抑えられるため、従来プリディストーション技術として用いることのできなかった中継装置などへの応用も可能となる。
【0032】
この説明によると、歪補償をキャリア周波数より低い周波数に周波数変換したIF信号に対して行うこととしているが、キャリア周波数のまま行うことも可能である。この場合、周波数変換部1301や周波数変換部1306のうち一方(入力信号と出力信号のキャリア周波数が異なる場合)あるいは両方(入力信号と出力信号のキャリア周波数が同一の場合)の処理が不要となるため歪補償処理の処理段数が減り、遅延量が小さくなるなどの効果が見込める。逆にIF帯の信号で歪補償処理を行うことで、RF信号より波長が長くなる結果、相対的に細かい遅延制御や演算を行うことが可能である。その上、外来のノイズの少ない周波数で処理することも可能となる。そのため、IF信号で補償動作を行うことで、より高精度に動作させることができる。また、バッファ部1302での遅延量は、IF信号の中心周波数や、システムの動作クロック、振幅検出部1307、記憶部1308などの構成に依ってほぼ一意に求まるため、一定の遅延線などを用いることも可能である。
【0033】
なお、補償部1303は、位相補償部1304、ゲイン補償部1305で構成されると述べたが、複素情報による演算によっても位相とゲインを同時に調整することは可能である。こうすることで、位相補償部1304、ゲイン補償部1305では遅延量が異なっているものを同一にすることが可能となるため、遅延量の調整、制御が非常に容易になる。複素情報による演算を行う場合、記憶部1308に格納される情報は、補償係数が複素数で構成される事となり、位相、ゲインの区分けはなくなる。このように構成した歪補償演算部を図17に示す。補償部1704は複素積を行うように構成されており、デジタル処理するように構成したものである。この構成によると、遅延時間調整用のバッファ部1703がデジタル素子で実現可能であるため、簡易で精度の高い装置を構成できるといった特徴を有する。
【0034】
また、記憶部1308は2ページ構成である旨説明したが、2ページ構成である必要はなく、1ページ構成のうち、補償係数として適用されない箇所から順次更新するなどの方法も考えられる。こうすることで、必要なメモリ容量を低減する事も可能である。
【0035】
以上の説明では、環境適応処理をRF帯の周波数やIF帯の周波数で行うものとしてきたが、当然ベースバンド信号で歪推定を行うことも可能である。構成を図2に示すが、これは上述の説明で用いた図16の構成から変更したものであるため、相違点のみを述べる。図2に示す構成は、図16の復調部1603がRF信号をベースバンド信号に変換する直交復調部203に、周波数変換部1606が帰還信号をベースバンド信号に変換する直交復調部205に置き換わり、変調部1604が削除されたものである。
【0036】
このようにベースバンド信号に変換して歪推定更新部204が歪推定を行うことにより、参照信号と帰還信号との位相差や振幅差などを容易に算出でき、また信号の周波数が低いため高度な計算も適用可能であり、消費電力などの点においても有利であるといった特長がある。
【0037】
図13の周波数変換部1301は所定のRF帯からIF帯の信号への周波数変換を行い、周波数変換部1306はIF帯から所定のRF帯の信号へ変換するものであるが、入力信号と出力信号の周波数が同一であるような場合、その周波数差は同一であるため、同一の周波数源を用いることができる。周波数変換部1301と周波数変換部1306において同一の周波数源を用いることで、入力と出力の間で発生する周波数誤差をなくすことができる。
【0038】
(実施の形態2)
第1の発明に加え、入力信号を復調、検波まで行い、再変調した信号を参照信号とする事を特徴とする第2の発明について図1を用いて説明する。
【0039】
ここでは、実施の形態1に対する相違点のみを述べる。
【0040】
復調部103は入力信号を復調、検波しデジタルデータへと変換する。また、この復調/検波の結果は一部歪推定更新部105へと送出される。変調部104は変換されたデジタルデータを基に、入力信号と同一の変調方式、周波数に従って再変調し参照信号を出力する。歪推定更新部105は、復調/検波結果や参照信号、帰還信号を基に増幅部102で生成される歪成分を計算し、これを除去するような歪補償係数を算出する。
【0041】
このように、参照信号が一旦復調/検波された後に再変調されるような構成を採ることにより、シンボル同期情報やバースト同期情報の精度が向上する上、入力されたRF信号が、その伝搬経路や入力素子による歪や、ゲインの変動などに左右されない参照信号を生成することができるため、安定した歪補償を作動させることができるなど有利な特長が得られる。
【0042】
また、受信環境が劣悪になり、微弱な受信電力や、フェージングなどを伴う信号に対しては復調/検波において誤判定が発生する虞がある。このように誤判定が発生した場合、誤判定を含むデジタルデータを再変調した参照信号に基づいた歪補償動作を行うことは適当でない。そのような場合を回避するために、復調/検波の結果としてそれが正常に判定されたか否かを示す正常検波情報が歪推定更新部105に入力される。歪推定更新部105はこの正常検波情報に基づき、歪推定動作を行ったり停止したりする。この結果、復調/検波により発生しうる誤判定が存在しても、高い信頼性、安定性を確保できるといった大きな特長を有する。この正常検波情報は、デジタルデータのフォーマットに規定されている巡回剰余判定符号(CRC)などで知られるエラーチェック機構を用いても良いし、受信電力値などを用いても構わない。
【0043】
さらに、復調部103は単に復調/検波するだけでなく、入力信号に対して時間同期などを行い、調整することも可能である。復調部103が時間同期を行い、その時間同期情報を歪推定更新部105へと送出することで、歪推定更新部105が、各種切替タイミングを入力信号に同期して行うことが可能となり、切替により発生する歪やノイズなどを最低限に抑えることが可能となる。
【0044】
この切替タイミングとしては、歪補償係数の書き換えタイミング、補償係数を記憶する記憶部のページ切替タイミングなどが考えられる。
【0045】
以上説明した処理も第1の実施の形態と同様、ベースバンドやIF帯へ周波数変換した後に、動作させることも可能である。図3にその構成を示す。以下に、図1に対しての相違点のみを述べる。変調部104はデジタルデータに基づき再変調し参照ベースバンド信号を出力するベースバンド変調部304になり、帰還信号を帰還ベースバンド信号に変換する直交復調部306が追加されている。
【0046】
この様に構成することで、歪推定更新部305が対象とする信号がより低い周波数となるため、処理の高度化や高精度化、高機能化が可能となる。
【0047】
ちなみに、図3ではベースバンド帯で環境適応処理を行う構成について説明したが、IF帯の信号で処理を行う場合は、ベースバンド変調部304、直交復調部306が夫々出力する参照ベースバンド信号、帰還ベースバンド信号が、参照
IF信号、帰還IF信号に置き換わった構成となる。
【0048】
以上の構成について図12を用いて更に詳細に説明する。増幅部1204、アンテナ1205、歪補償演算部1250、復調部1251、ベースバンド変調部1252、歪推定更新部1253、直交復調部1254は図3中の各部に相当するものである。歪補償演算部1250,歪推定更新部1253が行う歪補償演算動作、歪補償係数推定・更新動作については上述した通りである。ここでは、重複する部分については省略し、相違点のみを説明する。
【0049】
復調部1251は、入力信号を直交復調しベースバンド信号を出力する直交復調部1206と、ベースバンド信号をアナログデジタル変換しデジタルベースバンド信号を出力するAD変換部1207と、デジタルベースバンド信号を検波し、データストリームを出力する1208とから構成されている。
ベースバンド変調部1252は、データストリームを入力し、入力信号と同一の変調方式に従って前記データストリームを変調し変調信号を出力する変調部1209と、変調信号を帯域制限し波形整形するフィルタ部1210とから構成されている。
【0050】
直交復調部1254は、帰還信号を直交復調しベースバンド信号を出力する直交復調部1214とベースバンド信号をアナログデジタル変換しデジタル化した帰還ベースバンド信号を出力するAD変換部1213とから構成されている。
【0051】
入力信号が、直交復調部1206、AD変換部1207で、夫々直交復調、量子化されてデジタルベースバンド信号が出力されると、検波部1208では変調方式のフォーマットに従い、時間同期、周波数同期、或いは位相、ゲイン調整を行いデジタルベースバンド信号の位相、振幅の状態からシンボルやデータ列を判定した後、CRCやBCHで知られるブロック符号や、畳み込み符号に代表される誤り検出・訂正処理を行ってデータストリームと検波情報を出力する。検波情報としては、時間同期情報、周波数情報、ゲイン情報などの他、誤り検出・訂正処理で生成される訂正情報、誤り情報などを含むものとする。
【0052】
また、検波部1208の検波処理は、変調方式やデータフォーマットによって異なるが、シングルキャリア変調であれば等化処理、OFDMであればフーリエ変換や、CDMAでは畳み込み演算なども含まれる。
【0053】
検波処理によって得られたデータストリームは、変調部1209によって定められたフォーマットに従って再度符号化が施されて、変調信号が出力される。さらに、フィルタ1210によって波形整形され参照信号となる。
【0054】
一方、帰還信号は直交復調部1214により直交復調され、AD変換部1213でデジタル化された帰還ベースバンド信号が誤差演算部に送出される。
【0055】
誤差演算部1212は参照信号と帰還ベースバンド信号と、記憶部1206が出力する補償係数とから誤差情報を抽出し、推定部1211へと出力する。推定部1211では、誤差情報と補償係数と、振幅検出部1201が出力する振幅情報と、検波情報とから誤差が小さくなるように新たな補償係数を推定し、記憶部1202に出力、更新する。補償係数の推定、更新の際、推定部1211は検波情報である時間同期情報、周波数情報、ゲイン情報に基づき、定められた値よりも条件が悪い場合は推定あるいは更新することを一時停止する。そしてこれらの条件が整った場合にのみ推定や更新を行う。また、マルチパスやフェージングの影響などが考えられる場合は、更に誤り訂正情報や検出情報などを用いたり、マルチパスやフェージングの検出情報(例えば、遅延分散や周波数や位相のゆらぎ具合)などを用いることで、より安定した動作が期待できる。
【0056】
本発明で構成するような非線形歪補償装置の場合、補償増幅処理において入力信号に歪補償処理を施した信号を出力信号としているため、出力信号に直接影響を与える補償係数の書き換え、或いはそれが格納されているテーブルの切替は、出力信号の波形を乱す原因となる。そのような悪影響を低減・除去するために、推定部1211は、検波情報に含まれる時間同期情報に基づき、入力信号に与える影響が最小のタイミングで、補償係数の書き換え、テーブルの切替を行うことで、より安定して精度の高い出力波形を得ることができる。
【0057】
次に、入力したRF信号の周波数と、復調部303、直交復調部306とで変換に用いる周波数源とに誤差がある場合について図4を用いて説明する。図4は図3に基づき構成されており、図3の構成に加えて、復調/検波で得られる周波数誤差情報を入力し、その周波数誤差情報に基づき、復調部403、ベースバンド変調部404、歪推定更新部405、直交復調部406に周波数制御情報を出力する周波数推定制御部407が備えられている。
【0058】
復調部403は、復調/検波してデジタルデータを出力すると共に、周波数誤差成分を検出し、周波数誤差情報として周波数推定制御部407へと出力する。周波数推定制御部407は周波数誤差情報に基づき、復調部403、ベースバンド変調部404、直交復調部406の各周波数源を調整する。同時に歪推定更新部405に周波数誤差情報を送出する。歪推定更新部405では、参照ベースバンド信号と帰還ベースバンド信号とから歪推定を行うが、周波数誤差情報に基づき参照ベースバンド信号や帰還ベースバンド信号の周波数調整を行い、周波数誤差をキャンセルする。また、周波数誤差が一定値以上になった場合、異常を検出したものとして歪推定動作を停止する。
【0059】
このように動作することで、装置で発生させている基準周波数に誤差があった場合でも、入力信号に基づいて周波数補正を行うことが可能となる。また、本発明では、たとえ基準周波数に誤差があっても、補償増幅処理では周波数変換を行っていない(行ったとしても、上述の通り同一の周波数源で周波数変換を行う)ために、出力波形に影響を及ぼすことがない。このことから、基準周波数がずれていても、補償増幅処理を停止する必要はなく、安定した動作を実現できる。一方、周波数誤差によって、環境適応処理においては歪推定更新部405がその動作を停止させたり、周波数推定制御部407が各部における周波数補正の制御を行ったりすることで、高い安定性と信頼性を確保できるといった特長を有する。
【0060】
(実施の形態3)
第1の発明からなる非線形歪補償装置において歪補償演算部の前段に、別途補償部を設けることでより高精度な歪補償装置を実現する第3の発明について図5を用いて説明する。
【0061】
図5に示す非線形歪補償装置は、入力信号を入力し伝搬路歪を補償した伝搬歪補償信号を出力する伝搬歪補償部550と伝搬歪補償信号を入力信号とし増幅部504の歪成分を推定、キャンセルするような素子歪補償信号を出力する素子歪補償部551と、素子歪補償信号を入力し出力信号を出力する増幅部504と、出力信号を空間に放射するアンテナ508とから構成されている。この図中の、素子歪補償部551、増幅部504、アンテナ508は図2で示される非線形歪補償装置と同様の構成である。ここでは、相違点についてのみ述べる。伝搬歪補償部550は入力信号を入力し、伝搬歪推定更新部502から入力される伝搬歪補償係数とから伝搬歪を補償した伝搬歪補償信号を出力する歪補償演算部501と、入力信号から伝搬歪成分を推定し、それをキャンセルするような伝搬歪補償係数を出力する伝搬歪推定更新部502とで構成されている。
【0062】
伝搬歪推定更新部502は、入力信号から伝搬歪を推定し、伝搬歪補償係数を歪補償演算部501へ出力する。歪補償演算部501は伝搬歪補償係数と入力信号とから、入力信号に内在する伝搬歪成分を除去するような演算を行い、伝搬歪除去信号を出力する。伝搬除去信号は後段の素子歪補償部551に入力され、上述した信号処理が施され素子歪補償信号が出力される。素子歪補償信号は増幅部504で増幅され、アンテナ508から出力される。
【0063】
以上の動作を更に詳しく説明する。
【0064】
伝搬歪推定更新部502は、まず初期値として1つの係数を1.0、その他の係数を0.0にするような伝搬歪補償係数を出力し、歪補償演算部501に設定する。次に、入力信号から伝搬歪除去係数を推定を行うが、具体的には、マルチパス成分は入力信号の相関信号などから求められることや、フェージング歪は信号に含まれるパイロット信号や同期信号などから求められることを応用して、入力信号とそれに含まれる既知信号との相関信号や位相差から推定することが可能である。このようにして得られた伝搬歪補償係数は、歪補償演算部501に入力、更新され、歪補償演算部501はこの伝搬歪補償係数と入力信号との畳み込み演算を行うFIR(Finite Impulse Response)フィルタで構成されており、上述の初期状態では入力信号を一定遅延させて、そのまま出力するような演算となる。入力信号から推定された伝搬歪補償係数が設定されると、マルチパス歪やフェージング歪に相当する成分が除去され、伝搬歪補償信号が出力される。
【0065】
このように構成することで、マルチパス歪やフェージング歪を伴った入力信号に対して、伝搬歪補償部550においてそれを推定、補償するため、アンテナ508に入力される出力信号は、マルチパス歪やフェージング歪のない、より高い品質の信号とすることが可能となるため、受信状況が悪い環境であっても本発明を用いた装置であれば大きな影響を受けることはないといった大きな特長を有する。また、伝搬歪補償部550と素子歪補償部551は独立した構成となっているため、運用環境に応じて伝搬歪補償部550の機能を追加することもできるといった特長を有する。
【0066】
さて、従来の中継装置では入力信号と出力信号を異なる周波数に設定することが多いが、周波数が同一の場合、アンテナから放射された出力信号の一部が空間を介して回り込み、入力信号として混入する場合がある。このような回り込み成分を除去する回込除去部を付加した、非線形歪補償装置について、図6を用いて説明する。
【0067】
図6に示す非線形歪補償装置は、図5で示す伝搬歪補償部550を回込除去部650に置換したもので、その他は同一の構成によってなっている。素子歪補償部651の構成および動作は、図5の素子歪補償部551と同一であり、ここでは相違点のみについて説明する。
【0068】
回込除去部650は入力信号と回込除去係数とから回り込み成分を除去し、回込除去信号を出力する回込除去演算部601と、回込除去信号とから入力信号中の回り込み成分を推定し、それを除去する回込除去係数を出力する回込推定更新部602とで構成されている。
【0069】
予め、回込推定更新部602は初期値として、1つの係数を1.0にその他を0.0にするようなタップ係数を出力し、これを回込除去演算部601に設定する。回込除去演算部601は、回込除去係数で与えられるタップ係数と、入力信号との畳み込み演算を行うFIRフィルタで構成されており、上述の初期状態では入力信号を一定遅延させて、そのまま出力するような演算となる。
【0070】
回込推定更新部602は、入力信号と回込除去信号とから回り込み成分を検出し、これを除去するような係数を導出する。具体的には、回り込み成分は入力信号の相関関数から求められることを利用して、入力信号を一定時間遅延した遅延入力信号と、回込除去信号との間で得られる相関信号を用いて回り込み成分を検出することができる。こうして得られた回り込み成分と、入力信号と除去信号とを用いて位相を調整して回込除去係数を推定し、回込除去演算部601に出力、係数を更新する。
【0071】
ここでは、歪補償演算部501、601についてFIRフィルタを例として挙げたが、この形式に限ることではなく、IIR(Infinite Impulse Response)フィルタなどの形式を適用することも可能である。
本方式も、伝搬歪補償部550と同様に、実施の形態1で説明される非線形歪補償装置に、回込除去部650を付加するのみで、回り込みが発生するような環境においても、回り込みによる性能劣化を招くことのない高い品質の信号を出力できるといった有利な特長を有する。
【0072】
以上、伝搬歪補償部550、回込除去部650をそれぞれ付加した非線形歪補償装置について説明を行った。当然、伝搬歪補償部550、回込除去部650は併用して用いることは可能であり、その場合の構成例を図7に示す。
【0073】
図7では、入力信号から伝搬歪を補償し伝搬歪補償信号を出力する伝搬歪補償部752と、伝搬歪補償信号から回り込み成分を除去し回込除去信号を出力する回込除去部753と、回込除去信号と出力信号とから増幅部706で発生する歪を推定し、それに対応した逆特性を回込除去信号に付加した歪補償信号を出力する素子歪補償部751と、歪補償信号を増幅し出力信号を出力する増幅部706と、出力信号を空間に放射するアンテナ710とで構成されている。
【0074】
伝搬歪補償部752と回込除去部753は両者ともに入力信号に含まれる歪成分(例えば伝搬歪成分や回り込み成分)を補償するという事から、入力歪補償部750としてまとめることも可能である。また、両者は構成要素が類似している関係から、歪補償演算部501、601で用いられている畳み込み演算処理や、伝搬歪推定更新部502、回込推定更新部602で用いられている相関処理などの一部構成要素は共有し、それらの共有した構成要素を時分割して処理したり、合成結果として等価な処理を行うことも可能である。
【0075】
以上で説明した構成は、実施の形態1の図2で説明した非線形歪補償装置に、入力歪補償部750を付加したものであり、また入力歪補償部750は、図5で説明した伝搬歪補償部550と図6で説明した回込除去部650とで構成されたものであり、動作も説明したことと同一である。
【0076】
このように構成することで、入力信号に内在するマルチパス歪やフェージング歪、回り込みによる影響などを除去することが可能となる。さらに、入力歪補償部750では、伝搬歪補償部752や回込除去部753の一部構成要素を共用することも可能であることから、高い効果を効率よく得ることができる。当然、装置を動作させる環境において、入力信号に含まれる歪成分が限定されているものであれば、入力歪補償部750の機能を限定することも可能である。
【0077】
なお、本説明では初期値としてタップ係数のうち1つを1.0、他を0.0とする事について説明したが、これに限定されるものではなく既知の環境であれば、それに対応するタップ係数を設定したり、環境変化が小さい場合はタップ係数を固定とすることで、各種推定更新部が不要となるためより簡易に実現できる。
【0078】
また、図7の説明において入力歪補償部750では、まず伝搬歪補償処理を行った後に回込除去処理を行うこととしているが、この順序は特に限定されるものではなく、回込除去処理を行った後に伝搬歪補償処理を行ってもよい。
【0079】
(実施の形態4)
第2の発明に加え、非線形歪補償装置の前段として入力歪補償部を設けたことを特徴とする第4の発明について図8を用いて説明する。
【0080】
本発明は、入力信号に含まれるマルチパス歪やフェージング歪、あるいは回込信号による歪を除去し入力歪補償信号を出力する入力歪補償部850と、入力歪補償信号を入力し、増幅部806で発生する歪成分に対応した逆特性を有する成分を付加した素子歪補償信号を出力する素子歪補償部851と、素子歪補償信号を入力し電力増幅した出力信号を出力する増幅部806と、出力信号を放射するアンテナ811とからなっている。
【0081】
図8の入力歪補償部850は実施の形態3で示した図7の入力歪補償部750に相当し、素子歪補償部851、増幅部806、アンテナ811は実施の形態1で示した図3の非線形歪補償装置に相当するものである。ここでは、重複をさけるため、実施の形態2、3での説明とは異なる点について述べる。
【0082】
入力歪補償部850は、入力信号と伝搬歪補償係数とから伝搬歪成分を補償した伝搬歪補償信号を出力する歪補償演算部801と、入力信号と復調部807の検波情報を入力し伝搬歪を推定し、これを補償するような伝搬歪補償係数を出力、更新する伝搬歪推定更新部802とからなる伝搬歪補償部852と、伝搬歪補償信号と回込除去係数とを入力し伝搬歪補償信号から回り込み成分を除去した回込除去信号を出力する回込除去演算部803と、伝搬歪補償信号と復調部807の検波情報を入力し回り込み成分を推定し、これを除去するような回込除去係数を出力、更新する回込推定更新部804とからなる回込除去部853とからなっている。また、素子歪補償部851中の復調部807は回込除去信号を入力し、その信号から復調・検波を行いその結果を検波信号として出力すると共に、復調・検波で得られる、受信状態を検波情報として出力する。ここで、受信状態としては例えば、周波数誤差情報、時間同期誤差情報、位相情報、振幅情報、電力情報、誤検出情報などが考えられる。その他の構成は図3の非線形歪補償装置と同様となっている。
【0083】
以上のように構成された装置の動作について以下に説明する。
【0084】
伝搬歪推定更新部802および回込推定更新部804は、まず初期値としてそれぞれタップ係数が1つ1.0で他は0.0であるような係数列を生成し、夫々歪補償演算部801、回込除去演算部803に対して伝搬歪補償係数、回込除去係数として出力、更新する。歪補償演算部801、回込除去演算部803は、各入力信号と各推定更新部で与えられる係数との畳み込み演算を行い、伝搬歪補償信号、回込除去信号を夫々出力する。初期状態においては、夫々の入力信号に一定時間の遅延が加わり出力されることになる。伝搬歪推定更新部802は入力信号から伝搬歪量を推定し、これを補償する伝搬歪補償係数を算出するが、演算結果は一旦保持され、復調部807からの検波情報の状態に応じて、歪補償演算部801へ出力、更新するかどうかを決定する。例えば、誤りが検出されていたり、周波数誤差や同期誤差などがずれている場合や、位相や振幅が理想的な値から大きくはずれていたり、ゲイン情報が小さい場合などは、受信状態や受信環境が悪いことが予想される。このような状態では入力信号から伝搬歪を高い精度で求めることは困難であり、それを考慮せずに伝搬歪補償係数を算出、更新すると誤差による影響や伝搬誤りによる影響が大きくなり、通信システムとして大きな障害になりうる。このような状態にならないよう、検波情報として含まれる各種情報から伝搬歪補償係数が規定した精度で得られる範囲にある時のみ、伝搬歪推定更新部802から伝搬歪補償係数を出力、更新する。同様に回込除去係数が規定した精度で得られる範囲にある時のみ、回込推定更新部804から回込除去係数を出力、更新する。このように、環境に応じて動作を制御することにより中継器のような安定度が求められる装置においても、高い精度を保ち、安定した動作を提供することが可能となる。
【0085】
また、伝搬歪推定更新部802や回込推定更新部804が係数を更新するタイミングを、復調部807の検波情報にふくまれる時間同期情報を用いて、シンボルやバーストの切り替わりタイミングのように、係数の変化が通信信号に影響を与えないタイミングを選ぶことで、高い品質を確保できるといった大きな特長を有する。
【0086】
また、ここで説明した方法によると、装置として入力歪補償部850と素子歪補償部851とに分離することが可能で、必要な機能だけを追加するといった構成も可能でコストを低く抑えることができる。さらに、復調部807に入力される入力信号は、前段の入力歪補償部850によって入力信号に含まれる歪成分が既に除去されており、伝搬環境や回り込み状況に影響されない安定した信号を復調することになる。このため、復調部807の復調性能はより安定し精度の高い結果が得られるという有利な特長を有する。
【0087】
また、伝搬歪推定更新部802は、入力信号に基づき伝搬歪補償係数を推定し、同様に回込推定更新部804は、伝搬歪補償信号に基づき回込除去係数を推定する事としたが、その結果として得られる回込除去信号には両者で求めた残留誤差が存在することになる。このため、復調部807で求めた検波結果からベースバンド変調部808が出力する参照ベースバンド信号を伝搬推定更新部802や回込推定更新部804に送出することで(図8中の点線で示した信号)、回込除去信号と参照ベースバンド信号の差からも伝搬歪補償係数や回込除去係数が推定することも可能となる。このようにすることで、入力信号から推定するだけではなく、補償後の信号から更に残留誤差を除去するように作動するため、より精度の高い処理が行える。
【0088】
次に、入力歪補償部850の推定更新部が、入力信号と、その検波情報と、検波結果から得られる複製信号とで行われる発明について、図9を用いて説明する。
【0089】
図9に示す非線形歪補償装置は、入力信号からその中に含まれる歪成分を補償し入力歪補償信号を出力する入力歪補償部950と、入力信号を検波し、検波情報と検波結果を出力する復調部905と、入力歪補償信号と検波結果と出力信号とから増幅部904の歪を推定しそれに対応する逆特性を入力歪補償信号に加えた素子歪補償信号を出力する素子歪補償部951と、素子歪補償信号を増幅し出力信号を出力する増幅部904と、出力信号を電磁波として放射するアンテナ909とからなる。
【0090】
図9に示す構成は、図8の伝搬歪補償部852と回込除去部853の2つの処理をまとめて入力歪補償部950に置換し、さらに復調部807の入力を回込除去信号から入力信号へ置換しているところが異なる。動作は図8で述べたものを基本としているため、ここでは相違点のみを説明する。
【0091】
復調部905は入力信号を復調、検波し、直交復調して得られる入力ベースバンド信号を出力し、検波時に検出される周波数情報、時間同期情報、位相情報、振幅情報、電力情報、誤検出情報などを検波情報として出力する。また同時に、検波した結果を検波結果としてそのデータストリームを出力する。ベースバンド変調部906は復調部905が出力するデータストリームを取り込み、その検波結果から入力信号に用いられている復調方式に従って再度変調を行い、入力信号の複製信号である参照ベースバンド信号を出力する。入力歪推定更新部902は入力ベースバンド信号(あるいは入力歪補償信号−図中点線で示す−)と、検波情報、参照ベースバンド信号とを入力し、入力信号に含まれるマルチパス歪やフェージング歪、あるいは回り込み成分などを主成分とする歪成分を除去する。具体的には、入力ベースバンド信号と参照ベースバンド信号との差から、入力信号の歪成分を推定する。あるいは、参照ベースバンド信号と入力信号から歪成分を除去した入力歪補償信号を用いて推定演算してもよい。入力信号を用いる場合と入力歪補償信号を用いる場合には、算術上の差はないため、装置の構成によって選択することができる。このようにして推定された入力歪成分から、それに対応する入力歪補償係数が導き出され、検波情報に基づき係数を歪補償演算部901に送出、更新する。
【0092】
歪補償演算部901は、入力歪補償係数と入力信号を畳み込み演算し、歪を補償した入力歪補償信号を出力する。以降は、上述した素子歪補償処理を行う。
このように構成することで、復調部905は入力信号を基にして復調、検波を行うために、入力歪補償部950とは独立して復調、検波を行うことができ、推定結果が変化しやすい初期状態や、環境が変化するような場合でも安定した復調動作が期待できる。同時に、図8では入力歪補償部950で発生する遅延分に加えて復調部807で発生する遅延分が加わった状態で推定処理が行われていたが、図9では、入力歪補償部950の遅延分はなくなるため更新速度の向上などが得られる。
【0093】
また、図10に示すように復調部1006の入力段に切替SW1005を設け、入力信号と入力歪補償信号とを切り換えて復調部1006へ入力し、初期状態や変動の激しい状態では入力信号を用い、安定したところで入力歪補償信号に切り換えることで、上述した2つの特長を有することも可能である。
【0094】
(実施の形態5)
実施の形態1から4で説明した非線形歪補償装置に、信号振幅部を付け加えたことを特徴とする第5の発明について説明する。
【0095】
図14は、入力信号と制御信号を入力し、その信号振幅を制限した振幅制限入力信号を低遅延で出力し、その振幅制限する特性を振幅制限特性情報として出力する低遅延信号振幅制限部1407と、振幅制限入力信号と素子歪補償係数を入力し増幅部1402で発生する歪成分を推定しそれに対応する逆特性を加えた素子歪補償信号を出力する歪補償演算部1401と、素子歪補償信号を入力しそれを電力増幅した出力信号を出力する増幅部1402と、入力信号を復調、検波し、検波した際の検波情報と検波結果を出力する復調部1403と、検波結果を入力信号で定められている変調方式に従って変調した参照ベースバンド信号を出力するベースバンド変調部1404と、参照ベースバンド信号と制御信号と振幅制限特性情報とを入力し参照ベースバンド信号の信号振幅を制限した振幅制限参照信号を出力する信号振幅制限部1408と、振幅制限参照信号と検波情報と帰還ベースバンド信号とから歪成分を推定し、それを補償する素子歪補償係数を出力、更新する歪推定更新部1405と、出力信号を入力し直交復調した帰還ベースバンド信号を出力する直交復調部1406とからなる。
【0096】
以上説明した構成で、図14は、図3で説明した非線形歪補償装置の歪補償演算部301と歪推定更新部305の前段に信号振幅制限部1407を設けたものであり、歪補償演算部1401、増幅部1402、復調部1403、ベースバンド変調部1404、歪推定更新部1405、直交復調部1406は図3中の夫々対応する構成要素と同一である。ここでは、相違点のみについて動作を説明する。入力信号はまず、低遅延振幅制限部1407に入力される。低遅延振幅制限部1407は、制御情報に基づき低遅延で入力信号の信号振幅を制限する。この時、処理の遅延を最小にするため、非線形なアナログ素子などを用いて信号振幅を制限したり、予め定められた振幅制限テーブルや振幅制限演算などを用いてデジタルで処理しても良い。また、振幅制限処理は入力信号に対してスペクトラム的に或いは変調精度として劣化する要因となるので、この劣化がシステムに対して影響のない程度小さくなるように設計しておく。制御情報には、出力電力情報や、入力電力情報などが含まれており、電力に応じて増幅部1402で生成される歪成分に応じて振幅制限する信号振幅の量を調整するなどするとより高精度で高効率な装置を構成できる。このようにして信号振幅を制限した振幅制限入力信号と、それに対応する振幅制限特性情報を出力する。歪補償演算部1401は振幅制限入力信号により増幅部1402で発生する歪成分を推定しその逆特性を加えた素子歪補償信号を出力する。この素子歪補償信号は増幅部1402により歪が加えられるが、事前に加えられた逆特性により相殺され、振幅制限入力信号が出力されることになる。この振幅制限入力信号は入力信号を振幅制限した(則ち、歪んだ)信号となっているが、上述の通り、システムに対しては影響がないように設定されているため問題はない。
【0097】
一方、入力信号は復調部1403に入力され、ここで復調、検波が行われる。これらの結果は、ベースバンド変調部1404に入力され参照ベースバンド信号となる。この参照ベースバンド信号は信号振幅制限部1408に入力される。信号振幅制限部1408では、制御情報と低遅延信号振幅制限部1407から与えられる振幅制限特性情報とに基づき、低遅延信号振幅制限部1407で施された振幅制限処理と同等の処理を行う。この処理は低遅延信号振幅制限部1407と同じ処理である必要はなく(特性上等価であればよく)、デジタル処理として行うことで、高い精度や柔軟性、安定性を確保できる。このように処理された信号は、振幅制限参照信号として歪推定更新部1405へ送出される。
【0098】
歪推定更新部1405では、検波情報や振幅制限参照信号、帰還ベースバンド信号とを用いて増幅部1402で発生している歪特性を推定し、これに対応する素子歪補償係数を歪補償演算部1401に出力する。この時、帰還ベースバンド信号は歪補償により、入力信号に振幅制限処理した振幅制限入力信号と等価になっており、振幅制限参照信号も入力信号に振幅制限処理したものであるため、正常な制御が行われることが分かる。
【0099】
一般に、多くの情報が重畳された変調信号は振幅変動が激しく、所定の出力電力を得るための線形増幅器へ与える負荷は非常に大きくなる。このような変調信号は、振幅の大きな信号の発生確率は非常に小さい。換言すれば、線形増幅器はほとんど発生しない信号のために、余分な電力を消費していることになり、振幅を制限することは電力効率を大きく向上させる。
【0100】
本実施の形態で説明した構成により、入力信号に振幅制限処理を行っても正常に動作する装置を提供することが可能であり、振幅制限処理は事前に設計可能でシステムに影響を及ぼさないように為されている。
【0101】
このため、単に振幅制限手段を加えるといった簡易な構成によって、高い精度と安定性を有し、且つ電力消費量の少ない装置を提供することができる。
【0102】
また、入力歪補償部と振幅制限処理と素子歪補償部とを組み合わせた構成について、図15を用いて説明する。図14の前段に入力歪補償部1509を設けた構成となっており、他は図14と同一である。以下、相違点のみを述べる。
入力歪補償部1509は入力信号と、それを復調した復調信号とから伝搬歪や回り込み成分などでなる入力歪成分を検出し、補償した入力歪補償信号を出力する。入力信号は、まず入力歪補償部1509に入力され、ここで入力信号と復調信号とから、その歪成分を検出し、補償を行う。この動作は実施の形態3で述べたものと同等の動作である。以降の処理は、図14で説明したものと同一である。このように非線形歪補償装置を構成することで、伝搬路や回り込みで発生する入力信号の歪成分を検出、補償することが可能となるため、それらの影響を受けることなく高効率で高精度な装置を提供することが可能となる。
【0103】
(実施の形態6)
歪補償演算部と増幅部とを2つ以上設けたことを特徴とする第6の発明について図11を用いて説明する。
【0104】
図11は図4の補償増幅処理系を複数化したものであり、ここでは相違点のみを述べる。図11は、入力信号を周波数に応じて分離した複数のチャネル信号を出力する分離部1101と、チャネル信号を入力し歪補償演算された後に増幅された出力チャネル信号を出力する補償増幅処理部1150と、出力チャネル信号を合成し出力信号を出力する合成部1104と、復調部1105からの検波情報やシステム外部からのタイミング情報を入力し、環境適応処理部1151、補償増幅処理部1150、周波数制御部1111、チャネル選択部1112に対してタイミング情報を出力するタイミング制御部1110と、システム外部からの周波数情報や復調部1105からの検波情報、タイミング制御部1110からのタイミング情報を入力し、周波数制御情報を出力する周波数制御部1111と、システム外部からのチャネル情報やタイミング情報を入力し、チャネル選択情報を出力するチャネル選択部1112と、タイミング情報、周波数制御情報、チャネル選択情報を基にして、入力信号と出力信号と補償係数とから歪推定を行い、チャネル選択情報に対応した歪補償演算部1102の推定値を更新する環境適応処理部1151とからなる。
【0105】
なお、補償増幅処理部1150は、歪補償演算部1102と増幅部1103とで構成されており、環境適応処理部は、復調部1105と、ベースバンド変調部1106と、歪推定更新部1107と直交復調部1108とで構成されており、基本構成は図3と同一である。
【0106】
また、分離部1101が入力信号をチャネル信号に分離するとしたが、このチャネルとは便宜上用いたものであり、歪補償を行う際に周波数帯域を分割した最小単位をチャネルとして用いている。ここでのチャネルは、通信システム構成で用いられる周波数的なチャネルとは異なっても構わない。
【0107】
次に、この様に構成された非線形歪補償装置の全体的な動作を説明する。分離部1101では、入力信号を周波数によって信号を複数チャネル信号に分離し、各補償増幅処理部1150へ送出する。補償増幅処理部1150はチャネル信号に対して1つ設けられており、各チャネル信号を線形増幅し出力チャネル信号を出力する。こうして出力された出力チャネル信号を出力信号に再度合成し、アンテナ部1109から出力される。
【0108】
このように構成することで、各補償増幅処理部1150で扱う信号帯域を制限することができるため、主な歪発生源である増幅部1103での帯域内周波数特性を均一にすることができる。この結果、歪補償された出力チャネル信号の品質を高く保つことができるようになる。
【0109】
各歪補償演算部1102での歪補償係数は、増幅部1103の歪特性の変化に応じて、環境適応処理部1151が適応処理を行いその結果を更新する必要があるが、この特性は時間的に緩やかに変化するため、時分割で補償増幅処理部1150の特性更新を行うことが可能である。このため本方式では、従来では各歪補償演算部1102に対して1つの環境適応処理部1151を設けていたのに比較して大幅に簡略化が可能となる。
【0110】
また、分離部1101は周波数によってチャネル分割を行っていたが、時間によってチャネル分割を行ったり、周波数・時間で分割を行うことも考えられる。時間によってチャネル分割を行うことで、増幅部1103の平均出力電力を抑えることも可能となり、その負担が小さくなるため寿命を長くすることなどが期待できる。
【0111】
また、1チャネルに対して1つの補償増幅処理部1150を設けるとしたが、より多くの補償増幅処理部1150を設けることで、その処理部に問題が発生した場合のバックアップとして用いることも可能である。このようにすることで、より安定したシステムを構築できる。
【0112】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、補償増幅処理部と環境適応処理部とを分離することで、低遅延・高性能な歪補償装置を提供する事ができるという効果を有する。
【0113】
第2に、ベースバンド信号で誤差成分を比較することでより高精度な歪補償効果を得ることができるという効果を有する。
【0114】
第3に、入力信号を復調し再復調することにより、遅延分散などの誤差成分のない参照信号を生成しこれに基づいて歪補償動作を行うことで、より高精度な歪補償効果を得ることができるという効果を有する。
【0115】
第4に、入力信号と復調部の間で発生する周波数誤差などの誤差要因を除去し、より高精度な補償効果を得ることができるという効果を有する。
【0116】
第5に、電波伝搬途中で発生する、フェージング歪やマルチパス歪などの伝搬歪成分を除去した後、歪補償動作を行うことで、より安定した補償効果を得ることができるという効果を有する。
【0117】
第6に、出力信号が入力部に漏れ込んでくる回り込み波成分を除去した後、歪補償動作を行うことで、同一周波数での出力を可能にするという効果を有する。
【0118】
第7に、回り込み波成分と、伝搬歪成分を除去した後に歪補償動作を行うことで、同一周波数で安定した歪補償動作を可能にするという効果を有する。
【0119】
第8に、復調手段により、入力信号のシンボルタイミングなどの基準信号を検出し、それに同期させて歪補償係数を更新することで、高精度な歪補償動作を可能にするという効果を有する。
【0120】
第9に、振幅制限を設けることで、電力効率の高い歪補償動作を可能にするという効果を有する。
【0121】
第10に、増幅手段に入力される信号帯域を制限することで、より電力効率の高い歪補償動作を可能にするという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施の形態1における非線形歪補償装置のブロック図
【図2】本発明実施の形態1における非線形歪補償装置のブロック図
【図3】本発明実施の形態2における非線形歪補償装置のブロック図
【図4】本発明実施の形態2における非線形歪補償装置のブロック図
【図5】本発明実施の形態3における非線形歪補償装置のブロック図
【図6】本発明実施の形態3における非線形歪補償装置のブロック図
【図7】本発明実施の形態3における非線形歪補償装置のブロック図
【図8】本発明実施の形態4における非線形歪補償装置のブロック図
【図9】本発明実施の形態4における非線形歪補償装置のブロック図
【図10】本発明実施の形態4における非線形歪補償装置のブロック図
【図11】本発明実施の形態6における非線形歪補償装置のブロック図
【図12】本発明実施の形態2における非線形歪補償装置のブロック説明図
【図13】本発明実施の形態1における歪補償演算部と歪推定更新部の詳細図
【図14】本発明実施の形態5における非線形歪補償装置のブロック図
【図15】本発明実施の形態5における非線形歪補償装置のブロック図
【図16】本発明実施の形態1における非線形歪補償装置のブロック図
【図17】本発明実施の形態1における歪補償演算部の詳細図
【図18】(a)本発明の放送形態の概念を説明した説明図
(b)本発明の中継器および送信装置の概略構成図
【符号の説明】
101、201、301、401、501、503、603 歪補償演算部
102、202、302、402、504、604 増幅部
103、303、403 復調部
104 変調部
105、204、305、405、506、606 歪推定更新部
106、206、307、408、508、608 アンテナ
203、205、306、406、505、507、605、607 直交復調部
304、404 ベースバンド変調部
407 周波数推定制御部
502 伝搬歪推定更新部
550 伝搬歪補償部
551 素子歪補償部
601 回込除去演算部
602 回込推定更新部
650 回込除去部
651 素子歪補償部

Claims (20)

  1. RF信号である入力信号と歪補償係数を入力し、位相と振幅の増幅手段における歪を補償した入力信号を出力する歪補償演算手段と、前記歪補償した入力信号を増幅する増幅手段と、前記入力信号を復調する復調手段と、前記復調した信号を再度変調する変調手段と、前記増幅した信号の一部を帰還し、前記帰還信号と前記再変調した信号とから増幅手段における歪み量を推定し、前記歪補償演算手段に記憶された歪補償係数を更新する歪推定更新手段と、を具備する非線形歪補償装置。
  2. 前記帰還信号をキャリア周波数より低いIF周波数に変換する周波数変換部を備え、前記周波数変換部により変換されたIF帯帰還信号を前記歪推定更新手段に入力する請求項1記載の非線形歪補償装置。
  3. 前記歪補償演算手段は、前記入力信号であるRF信号をIF信号に変換する第1の周波数変換手段と、前記IF信号を一時保持するバッファ手段と、前記バッファ手段より出力された信号と歪補償係数とから増幅手段における歪補償の演算を行う補償手段と、前記歪補償されたIF信号を再度RF信号に変換する第2の周波数変換手段と、前記バッファ手段より出力された信号に従って遅延IF信号を出力するタイミングを決定する時間制御手段と、を具備する請求項1記載の非線形歪補償装置。
  4. RF信号である入力信号と歪補償係数を入力し、位相と振幅の増幅手段における歪を補償した入力信号を出力する歪補償演算手段と、前記歪補償した入力信号を増幅する増幅手段と、前記入力信号を復調する復調手段と、前記復調した信号から参照ベースバンド信号に再変調するベースバンド変調手段と、前記増幅した信号の一部を帰還し、前記帰還信号から帰還ベースバンド信号に変換する直交復調手段と、前記再変調した参照ベースバンド信号と前記帰還ベースバンド信号とから増幅手段における歪み量を推定し前記歪補償演算手段に記憶された歪補償係数を更新する歪推定更新手段と、を具備した非線形歪補償装置。
  5. RF信号である入力信号と歪補償係数を入力し、位相と振幅の増幅手段における歪を補償した入力信号を出力する歪補償演算手段と、前記歪補償した入力信号を増幅する増幅手段と、前記入力信号を復調する復調手段と、前記復調した信号から参照ベースバンド信号に再変調するベースバンド変調手段と、前記増幅した信号の一部を帰還し、前記帰還信号から帰還ベースバンド信号に変換する直交復調手段と、前記再変調したベースバンド信号と前記帰還ベースバンド信号と周波数誤差情報とから増幅手段における歪み量を推定し、前記歪補償演算手段に記憶された歪補償係数を更新する歪推定更新手段と、前記復調手段から周波数誤差を推定し、前記復調手段又は前記直交復調手段の周波数を制御する周波数推定制御手段と、を具備した非線形歪補償装置。
  6. 前記復調手段が前記入力信号を復調した上検波し、前記変調手段が前記検波結果から前記入力信号の変調方法に従って変調を行う、請求項1、のいずれかに記載の非線形歪補償装置。
  7. 前記復調部は、復調結果を示す信号を前記歪推定更新部に出力する請求項1ないし6のいずれか記載の非線形歪補償装置。
  8. 前記RF信号である入力信号から伝搬歪を推定し、前記伝搬歪を補償し、前記歪補償演算手段及び前記復調手段に出力する伝搬歪補償手段を更に含む、請求項1ないし7のいずれか記載の非線形歪補償装置。
  9. 前記RF信号である入力信号と出力信号との回り込み量を推定し、回込成分を除去し、前記歪補償演算手段及び前記復調手段に出力する回込除去手段を更に含む、請求項1ないし7のいずれか記載の非線形歪補償装置。
  10. 前記参照ベースバンド信号は、入力信号を復調、検波、再度変調して得た信号である請求項4又は5記載の非線形歪補償装置。
  11. 前記復調手段には、前記RF信号である入力信号が入力され、前記復調手段の前記復調結果と前記入力信号とから伝搬歪を推定し、前記歪を補償した伝搬歪補償信号を前記歪補償演算手段に出力する伝搬歪補償手段を更に含む請求項1ないし7のいずれか記載の非線形歪補償装置。
  12. 前記復調手段には、前記RF信号である入力信号が入力され、前記復調手段の前記復調結果と前記入力信号とから出力信号の回り込み量を推定し、回込成分を除去した回込除去信号を前記歪補償演算手段に出力する回込除去手段を更に含む請求項1ないし7のいずれか記載の非線形歪補償装置。
  13. 前記復調手段には、前記RF信号である入力信号が入力され、前記復調手段の復調結果と入力信号とから伝搬歪、又は、出力信号の回り込み量を推定し、伝搬歪補償、又は、回込成分除去を行った入力歪補償信号を前記歪補償演算部に出力する入力歪補償手段を更に含み、請求項1ないし7のいずれか記載の非線形歪補償装置。
  14. 前記復調手段で与えられた基準時間から素子歪の係数更新タイミングを制御するタイミング制御手段と、前記入力信号と前記復調手段との周波数誤差を推定し、前記復調手段又は前記素子歪補償手段の基準周波数を制御する周波数制御手段と、を更に含む請求項1ないし7のいずれか記載の非線形歪補償装置。
  15. 前記復調手段には、前記RF信号である入力信号が入力され、前記入力信号と前記再変調した参照ベースバンド信号との信号振幅を制限し、振幅制限入力信号と振幅制限再変調参照ベースバンド信号とをそれぞれ、前記歪補償演算手段と前記歪推定更新手段とに出力する信号振幅制限手段を更に含む、請求項1ないし7のいずれか記載の非線形歪補償装置。
  16. 前記復調手段には、前記RF信号である入力信号が入力され前記復調手段の前記復調結果と前記入力信号とから、伝搬歪又は出力信号の回り込み量を推定し、伝搬歪補償又は回込成分除去をおこなった入力歪補償信号を出力する入力歪補償手段と、前記再変調信号の信号振幅又は入力歪補償信号の信号振幅を制限し、振幅制限再変調信号又は振幅制限入力歪補償信号を出力する振幅制限手段を更に含むと、請求項1ないし7のいずれか記載の非線形歪補償装置。
  17. 前記歪推定演算手段は、複数の歪補償演算部を含み、前記増幅手段は、前記複数の歪補償演算部に対応した複数の増幅部を含み、更に、前記入力信号を周波数または時間に応じて2以上の信号に分離し、前記複数の歪補償演算部に出力する分離手段と、前記複数の増幅から出力される信号を合成する合成手段と、を含む、請求項1乃至請求項16のいずれか記載の非線形歪補償装置。
  18. 前記入力信号のうち、指定したチャネルの信号に対して歪補償演算手段の更新を行うチャネル制御部を更に含む、請求項17記載の非線形歪補償装置。
  19. 前記入力信号のうち、指定したチャネルの信号に対して入力歪補償演算手段および歪補償演算手段に記憶された内容の更新を行うチャネル制御部を更に含む請求項17記載の非線形歪補償装置。
  20. 請求項1乃至請求項19のいずれかに記載の非線形歪補償装置を具備した送信装置。
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