JP4066840B2 - トランス及びその組立方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、DC‐DCコンバータ等で使用されるトランス及びその組立方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
DC‐DCコンバータ(スイッチングレギュレータ)は、入力直流電圧を整流器で一旦交流電圧に変換し、トランスで変圧し、整流器で再び平滑な出力直流電圧を作るものである。例えば電気自動車において、高電圧の主バッテリから低圧補機バッテリに降圧するために使用される。主バッテリから走行モータを給電し、補機バッテリから補機に給電する。
【0003】
トランスはコア、1次コイル及び2次コイルを含む。図15に示す従来例(特許文献1参照)では、1次コイル200が2つの1次コイル部201、202から成り、2次コイル205が2つの2次コイル部206、207から成る。上下方向に離れた上方1次コイル部201及び下方1次コイル部202はともに渦巻状のコイル素材で形成され、上下方向に延びた連結部203で連結されている。
【0004】
上方2次コイル部206及び下方2次コイル部207はU字形状の金属板から成り、中間絶縁シート211を介して積み重ねられている。上方1次コイル部201と上方2次コイル部206との間には上方絶縁シート214が、下方1次コイル部202と下方2次コイル207部との間には下方絶縁シート217がそれぞれ介在されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−35730号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上方1次コイル部201が最上方に位置し、下方1次コイル部202が最下方に位置しているので、連結部203は上方絶縁シート214、上方2次コイル部206、中間絶縁シート211、下方2次コイル部207及び下方絶縁シート217を厚さ方向に貫通している。
【0007】
ここで、U字形状の上方2次コイル部206及び下方2次コイル部207は開口を持つので、連結部203を半径方向に挿入することができる。しかし、3つの絶縁シート211、214及び217には、連結部203の半径方向の挿入を許すためにスリット212、215及び218を形成しなければならない。また、2次側コイルのターン数が複数の場合には連結部203の挿入が困難である。
【0008】
トランスの組付け時は、上方絶縁シート214、上方2次コイル部206、中間絶縁シート211、下方2次コイル部207及び下方絶縁シート217を重ね合わせ、これらの相対位置を正しく決めなければらない。その後、1次コイル200を半径方向に挿入することになる。このように、構成部品相互間の位置あわせ及び1次コイルの組付けに時間及び手間が係ることから、トランスの製造コストが上昇していた。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、構成部品相互間の位置あわせが簡単かつ確実に行え、1次コイルの組付けに要する時間及び手間が少なくて済むトランス及びその組立方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願の発明者は、予め別工程で作製された1次コイルを2次コイルに組み込むのではなく、1次コイル用コイル素材を2次コイルに取り付ける際に1次コイルを形成することを思い付いて、本発明を完成した。
【0011】
本願の第1発明によるトランスは、請求項1に記載したように、一方ボビン及び他方ボビンを含み、厚さ方向に貫通した挿通孔を持つボビンと;ボビン内に収容された2次コイルと;一方ボビンの一端に巻かれた一方1次コイル、他方ボビンの他端に巻かれた他方1次コイル、及びボビンの挿通孔を貫通し前記一方1次コイルと他方1次コイルとを連結する連絡部を有する1次コイルと;から成り、一方ボビン及び他方ボビンの一方に挿通孔の一部を区画する外径がテーパ状の嵌合凸部が形成され、一方ボビン及び他方ボビンの他方に嵌合凸部が嵌合しかつ挿通孔の一部を区画する内径がテーパ状の嵌合凹部が形成されていることを特徴とする。
【0012】
このトランスは、2次コイル及び1次コイルの作用により、整流器で変換された交流電圧を変圧する。変圧された交流電圧は整流器で平滑な直流電圧に変換される。
【0013】
請求項2のトランスは、請求項1において、ボビンは、一方ボビンと他方ボビンを半径方向及び円周方向で位置決めする位置決め手段を有する。請求項3のトランスは、請求項1において、ボビンは、一方ボビンと他方ボビンとを結合する結合手段を有する。請求項4のトランスは、請求項1において、一方ボビンは、一方1次コイルを巻き付ける一方巻き隙間を有し、他方1次ボビンは他方1次コイルを巻き付ける他方巻き隙間を有する。
【0014】
請求項5のトランスは、請求項1において、一方ボビンの一方収容空間に収容された一方2次コイルと、他方ボビンの他方収容空間に収容された他方2次コイルとを含む。請求項6のトランスは、請求項1において、1次コイルの連結部は、一方1次コイルの内端と他方1次コイルの内端とを連結している。
【0015】
第2発明によるトランスの組立方法は、請求項7に記載したように、一方ボビン及び他方ボビンを含むボビン内に2次コイルを収容する収容工程と;一方ボビン及び他方ボビンの一方に形成された外径がテーパ状の嵌合凸部と、一方ボビン及び他方ボビンの他方に形成された嵌合凸部が嵌合する内径がテーパ状の嵌合凹部とが嵌合した部位にボビンの厚さ方向に形成された挿通孔に挿通した直線状のコイル素材の中間部に連結部を形成し、一端を一方ボビンに巻き付けて一方1次コイルを形成し、他端を他方ボビンに巻き付けて他方1次コイルを形成する形成工程と;から成ることを特徴とする。
【0016】
この組立方法において、2次コイルを収容したボビンの挿通孔に1次コイル用コイル素材の中間部を挿通させ、両端に一方1次コイル及び他方1次コイルを形成することにより、トランスの組立てが完成する。
【0017】
請求項8の組立方法は、請求項7において、収容工程では、その一方収容空間に一方2次コイルを収容した一方ボビンと、その他方収容空間に他方2次コイルを収容した他方ボビンとを結合する。請求項9の組立方法は、請求項7において、形成工程では、コイル素材の一端を一方ボビンのコイル巻き隙間に巻き付け、他端を他方ボビンのコイル巻き隙間に巻き付ける。
【0018】
【発明の実施の形態】
<トランス>
トランスはDC‐DCコンバータ等で使用され、ボビン、ボビン内に収容された2次コイル及びボビンに巻き付けられた1次コイルから成る。交流電圧を降圧するものでも良いし、昇圧するものでも良い。
▲1▼ボビン
ボビンは2次コイルを収容するとともに1次コイルが巻かれるもので、2次コイルの収容空間と、1次コイルのコイル巻き隙間とを持つ。また、1次コイルの連結部が挿通される厚さ方向に形成された挿通孔を持つ。
【0019】
ボビンは単一部材から成ることもできるが、互いに結合される一方ボビン及び他方ボビンから成ることが望ましい。後者の場合、一方ボビンと他方ボビンとの間に、両者の相対位置を決める位置決め手段と、両者を相互に結合する結合手段とを備えることが望ましい。
【0020】
また、ボビンは2次コイルを収容するための一方収容空間及び他方収容空間を備え、1次コイルを収容するための一方巻き隙間及び他方巻き隙間を備えることが望ましい。さらに、ボビンの挿通孔は両端開口の周縁(特に円周方向側)に、屈曲されるコイル素材に加わる応力を緩和する丸み部を持つことができる。ボビンは外面の一部に、1次コイルを巻き付ける際のボビンの回転を防止する回止めを持つことができる。
▲2▼2次コイル
2次コイルは単一部材から成ることもできるが、一方2次コイル及び他方2次コイルから成ることが望ましい。後者の場合、金属板から成りU字形やC字形を持つことができる。一方2次コイルが一方ボビン内に収容され、他方2字コイルが他方ボビンに収納されている。一方2次コイルの一対の腕部の一方と、他方2次コイルの一対の腕部の一方とが導通されている。
▲3▼1次コイル
1次コイルは一方1次コイル、他方1次コイル及び両者を連結する連結部から成る。一方1次コイルは一方ボビンの一方巻き隙間に巻かれ、他方1次コイルは他方ボビンの他方巻き隙間に巻かれている。連結部はボビンの挿通孔に挿通されている。
<組立方法>
トランスの組立方法は、ボビンに2次コイルを収容する収容工程と、ボビンに1次コイルを巻き付ける形成工程とから成る。
▲1▼収容工程
収容工程では、単一部材から成るボビンに単一のコイル又は2つのコイルから成る2次コイルを収容することもできる。但し、一方ボビン内に一方2次コイルを収容し、他方ボビン内に他方2次コイルを収容し、その後一方ボビンと他方ボビンとを結合し、一方2次コイルと他方2次コイルとを導通させることが望ましい。
▲2▼形成工程
形成工程では、直線状のコイル素材の長さ方向の中間部を挿通孔に挿通させた状態で、一端を一方ボビンの一方コイル隙間に巻き付けて一方1次コイルを形成し、他端を他方ボビンの他方コイル隙間に巻き付けて他方1次コイルを形成すれば良い。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の実施例を添付図面を参照しつつ説明する。
<第1実施例>
(構成)
(1) DC‐DCコンバータ
図1に示すように、電気自動車では高圧の主バッテリ171と、低圧の副バッテリ172との間に降圧型DC‐DCコンバータ174が配置されている。DC‐DCコンバータ174は、入力直流電圧を交流電圧に変換するインバータ175と、交流電圧を降圧する降圧トランス170と、降圧トランス170の出力電圧を整流する単相全波整流器176と、制御回路178及び179とから成る。
【0022】
更に、電磁波ノイズによるマイコンへの悪影響等を低減するため、入力側にチョークコイル181及び平滑コンデンサ182が配置され、出力側にチョークコイル184及び平滑コンデンサ185が配置されている。
(2) トランス
次に、上記トランス170を図2から図6を参照しつつ説明する。トランスはボビン95と、ボビン95内に収容された2次コイル97と、ボビン95に巻き付けた1次コイル99と、上下両側のコア101とに大別される。以下、各部品につき詳述する。
▲1▼ボビン
ボビン95は下方ボビン10及び上方ボビン30から成る。上記図2から図6と、図7、図8、図9、及び図10に基づき下方ボビン10を説明する。なお、図7は下面図であり、その断面図である図8は実際の状態とは上下反転して示している。下方ボビン10は樹脂から成り、円筒部11、大径部18、周壁部21、複数(4本)の係止爪22及び小径部25を備える。
【0023】
円筒部11は円周方向の一部に大径部18から小径部25にかけて延びた厚肉部12を持ち、この厚肉部12に軸方向に延びた挿通孔13が形成されている。挿通孔13の上端開口には、外径が一定で、内径が漸変した円筒状の嵌合凹部16が形成されている。
【0024】
円筒部11の軸方向中間部から放射状に延びた大径部18は比較的厚い中空円板形状を持ち、外周縁の四分の三程度に周壁部21が形成されている。このように、下方ボビン10は上方に開口している。
【0025】
大径部18の外周縁の特定の位置に4本の係止爪22が円周方向に離れて軸方向に形成され、内筒部11の上端よりもさらに上方まで突き出ている。円筒部11の上端と大径部18の上面と周壁部21とで環状のコイル収容空間24が区画されている。
【0026】
小径部25は円筒部11の下端から放射状に延び、比較的薄い中空円板形状を持つ。1次コイル99を貫通させた後、径方向に曲げるために、挿通孔13の下端開口から半径方向外向きに延びる切欠き26が形成されている。大径部18と小径部25との間に形成された環状の巻き隙間27に挿通孔13の下端開口が開口している。下端開口には円周方向側に丸み部15(図10参照)が形成されている。小径部25の表面には、一対の平行な直線部を含む段状の回止め部28が形成されている(図9参照)。
【0027】
次に、上記図から図6と、図11,図12、図13及び図14に基づき上方ボビン30を説明する。但し、図11は下面図であり、その断面図である図12は実際の状態とは上下反転している。上方ボビン30は円筒部31、大径部38、周壁部41、孔形成部43及び小径部45から成る。円筒部31の円周方向の一部に大径部38から小径部45にかけて形成された厚肉部32に挿通孔33が形成されている。
【0028】
挿通孔33の上端開口には円周方向側に丸み部46(図14参照)が形成されている。上記厚肉部33の下端開口には上記嵌合凹部16に対応する位置に、該嵌合凹部16に嵌合可能な嵌合凸部36が形成されている。嵌合凸部36は円筒形状で、その外径は一定で、内径は漸変している。
【0029】
円筒部31からの軸方向中間部から放射状に延びた厚い大径部38は中空円板形状を持つ。外周縁の四分の三程度に周壁部41が形成されている。このように、上方ボビン30は下方に開口している。
【0030】
また、外周縁の円周方向に離れた位置に、係止孔42を区画する複数(4つ)の孔形成部43が形成されている。各係止孔42の半径方向位置及び円周方向位置は上記下方ボビン10の4つの係止爪22のそれに一致している。円筒部31の下端と大径部38の下面と周壁部41とで環状のコイル収容空間44が区画されている。周壁部41の外周面には一対の1次コイル引掛け部48,49(図6参照)が形成されている。
【0031】
小径部45は円筒部31の上端側に形成され、放射状に延び中空円板形状を持つ。挿通孔33の上端開口から半径方向外向きに切欠き46が形成されている。大径部38と小径部45との間に環状の巻き隙間47が形成されている。
▲2▼2次コイル
図2、図3及び図4から明らかなように、2次コイル97は下方2次コイル50及び上方2次コイル55から成る。下方2次コイル50は所定厚さでU字形状の金属板から成り、本体51と一対の腕部52,53とを備え、上記下方ボビン10の収容空間24に配置されている。一方腕部52及び他方腕部53が周壁部21が形成されていない部分から半径方向外向きに突出している。
【0032】
上方2次コイル55も下方2次コイル50と同様、所定厚さでU字形状の金属板から成り、本体56と一対の腕部57,58とを備える。上方ボビン30の収容空間44に配置されている。上方ボビン30の周壁部41が形成されていない部分から一方腕部57及び他方腕部58が半径方向外向きに突出している。
【0033】
下方ボビン10に収容された下方2次コイル50と、上方ボビン30に収容された上方2次コイル55とは絶縁板60を介して重ねられ、下方ボビン10と上方ボビン30とが結合されている。下方ボビン10の嵌合凹部16に上方ボビン30の嵌合凸部36が嵌合し、下方ボビン10の係止爪22が上方ボビン30の孔形成部43の係止孔42に係止されている。下方2次コイル50の一方腕部52と上方2次コイル55の一方腕部57とが重なり、互いに導通している。
▲3▼1次コイル
1次コイルは、下方1次コイル65、上方1次コイル70及び連結部75を含む。下方1次コイル65はコイル素材を渦巻状に巻いたもので環状を呈し、下方ボビン10のコイル巻き隙間27内に収容されている。外端部67は下方2次コイル50の腕部52,53とは反対側で、上方ボビンの引掛け部48に引っ掛けられ、先端に下方端子68(図4等参照)が固定されている。
【0034】
下方1次コイル65から所定距離上方に離れた上方1次コイル70も線材を渦巻状に巻いたもので環状を呈し、上方ボビン30のコイル巻き隙間47内に収容されている。外端部72は上方ボビン30の引掛け部49に引っ掛けられ、先端に上方端子73が固定されている。
【0035】
下方ボビン10の挿通孔13の上端開口を通過した下方1次コイル65の内端66と、上方ボビン30の挿通孔33の下端開口を通過した上方1次コイル70の内端71とは、半径方向及び円周方向の位置がちょうど対応している(図2参照)。両内端が連結部75により相互に連結されている。連結部75は下方ボビン10の挿通孔13、下方2次コイル50の中空孔、絶縁板65の中空孔、上方2次コイル55の中空孔及び上方ボビン30の挿通孔33を貫通して、上下方向に延びている。
【0036】
1次コイル99は、1本の線材から成り、中間部をボビン95に挿通させた後、下端に下方1次コイル65を、上端に上方1次コイル70を、それぞれ形成したものである。これについては、後述する。
▲4▼コア、ケーシング
コア101は上方コア80及び下方コア85から成る。下方コア80は磁性体からなり、本体81と、その中心部に形成された円柱部82と、本体81の両端に形成された一対の側壁部83とを有する。磁性体から成る上方コア85は下方コア80とおおむね対称な形状とされ、本体86と、円柱部87と、一対の側壁部88とを有する。ケーシング77は絶縁体から成り、円形状の底部78と、そのまわりの外周壁79とを備えている。
(3) トランスの組立方法
次に、上記トランス170の組立方法について、図2を中心に説明する。組立て時は、始めにボビン95及び2次コイル97を作製し、その後1次コイル99を作製する。詳述すると、下方ボビン10のコイル収容空間24内に下方2次コイル50を収容し、一方腕部52及び他方腕部53を突出させる。同様に、上方ボビン30のコイル収容空間44内に上方2次コイル55を収容し、一方腕部57及び他方腕部58を突出させる。
【0037】
絶縁板60を間に挟んで下方2次コイル50の上に上方2次コイル55を置き、下方ボビン10と上方ボビン30を結合する。その際、上方ボビン30の嵌合凸部36を下方ボビン10の嵌合凹部16と一致させる。下方ボビン10と上方ボビン30とを接近させると、係止爪22が係止孔41に係止され、両ボビンが結合される。下方2次コイル50の一方腕部52と上方2次コイル55の一方腕部57とが重なり、他方腕部53と58とは所定角度を成す。
【0038】
次に、2次コイル97を収容したボビン95に1次コイル99を組み付ける。その際、直線状に長く延びたコイル素材の一端を下方ボビン10の挿通孔13及び上方ボビン30の挿通孔33に挿通させる。それ伴い、コイル素材の一端は下方ボビン10の挿通孔13、下方2次コイル50の中空孔、絶縁板60の中空孔、上方2次コイル55の中空孔及び上方ボビン30の挿通孔33を貫通する。コイル素材の中間部がボビン95に対応した状態で挿入をとめる。
【0039】
次いで、コイル素材の中間部の上下両端を上方ボビン30の切欠き部46、下方ボビン10の切欠き部26に沿い円周方向に屈曲させる。コイル素材の下端部を接線方向に引っ張りつつ円周方向に移動させ、下方ボビン10の巻き隙間27内に渦巻状の下方1次コイル65を形成する。外端67は引掛け部48に引っ掛ける。下方1次コイル65の成形と同時に又は形成後、コイル素材の上端部を接線方向に引っ張りつつ円周方向に移動させ、上方ボビン30の巻き隙間47内に渦巻状の上方1次コイル70を形成する。外端は引掛け部49に引っ掛ける。
【0040】
なお、下方1次コイル65及び上方1次コイル70は、中間部の下端及び上端を起点として順次外側コイルを形成する。すなわち、中間部の両端が内端66,71となるようにする。こうして、下方ボビン10の下端に下方1次コイル65が形成され、上方ボビン30の上端に上方1次コイル70が形成される。
【0041】
続いて、2次コイル97、ボビン95及び1次コイル99を絶縁性のケーシング77内に収納し、下方コア80と上方コア85とで挟む。これにより、トランス170の組立てが終了する。
(作用効果)
この実施例のトランスの作用自体は公知であり、しかも本発明と直接関係ないので、説明は割愛する。
【0042】
この実施例のトランス及びその組立方法によれば、以下の効果が得られる。
▲1▼ボビン95及び2次コイル97の作製に関して
第1に、下方ボビン10と上方ボビン30とを結合する際、両者間の位置決めが容易かつ確実である。下方ボビン10に形成した嵌合凹部16に、上方ボビン30に形成した嵌合凸部36を嵌合させるのみで、両者の相対位置が決まるからである。
【0043】
第2に、一旦結合された下方ボビン10と上方ボビン30とが、1次コイル99の作製時等に分離する心配がない。下方ボビン10の係止爪22が円周方向に離れた四カ所で上方ボビン30の係止孔42に係止しているからである。
【0044】
第3に、下方ボビン10には収容空間24が、上方ボビン30には収容空間44が形成されている。よって、下方2次コイル50の下方ボビン10への収容、及び上方2次コイル55の上方ボビン30への収容が容易かつ確実である。
【0045】
第4に、従来例と異なり、下方ボビン10、絶縁板65及び上方ボビン30に1次コイル99の連結部75を半径方向に挿入するスリットが不要である。
▲2▼1次コイル99の作製に関して
第1に、コイル素材の中間部の両端に下方1次コイル65の内端66及び上方1次コイル70の内端71を形成する際、コイル素材の損傷が防止できる。挿通孔13の上端開口の円周方向側に形成した丸み部15、及び挿通孔33の下端開口の円周方向側に形成した丸み部36が、接線方向(円周方向)に屈曲されるコイル素材に加わる応力を緩和させるからである。
【0046】
第2に、下方1次コイル65及び上方1次コイル70の形成が容易である。下方ボビン10の巻き隙間27及び上方ボビン30の巻き隙間47の高さ(厚さ)は、コイル素材の直径と同程度とされている。よって、コイル素材の両端部を引っ張りつつ円周方向に移動させるのみで、内側から外側に順次渦巻きが形成される。
【0047】
第3に、上方ボビンには回止め28が形成され、1次コイル99の巻き時にはこの回止め28に相手部材(不図示)が係合する。よって、下方1次コイル65及び上方1次コイル70の巻き時におけるボビン95の回転が防止される。
▲3▼トランス170に関して
第1に、2次コイル97と1次コイル99との間の絶縁が確実である。下方ボビン10では下方2次コイル50が収容された収容空間24と、下方1次コイル65が巻かれた巻き隙間27との間に大径部18が位置し、両者間に十分な絶縁距離が確保されている。同様に、上方ボビン30では上方2次コイル55が収容された収容空間44と、上方1次コイル70が巻かれた巻き隙間47との間に位置する大径部38が両者間に十分な絶縁距離を確保している。
【0048】
これに関連して、絶縁部としての大径部18及び38の形状、厚さ等が任意に選定できるので、2次コイル97の種類の選定に融通性が生ずる。
【0049】
また、1次コイルの99の連結部75と2次コイル97とが、上ボビン30の嵌合凸部36と下ボビン10の嵌合凹部16により十分な絶縁距離を確保されている。そのため、両者を物理的に引き離す必要がなく、投影面積を小さく実現できる。
【0050】
第2に、2次コイル97をボビン95に組み付けた後に1次コイル99を組み付けるため、図2の2次コイル97及び絶縁板60の代わりに、複数のターン数からなる2次コイルを挿入しても同様にトランス170を実現できる。
【0051】
【発明の効果】
以上述べてきたように、第1発明のトランスによれば、2次コイルはボビン内に所定状態で収容され、1次コイルの連結部がボビンの挿通孔を貫通し、両端の一方1次コイル及び他方1次コイルはボビンの一端及び他端に巻き付けられている。その結果、2次コイルと1次コイルとがボビンにより所定状態で対向しており、優れた変圧作用を発揮できる。
【0052】
請求項2のトランスによれば、一方ボビンと他方ボビンとの位置決めが容易かつ確実になる。請求項3のトランスによれば、一方ボビンと他方ボビンとの結合が確実になる。請求項4のトランスによれば、一方1次コイルの一方ボビンへの巻き付け、及び他方1次コイルの他方ボビンへの巻付けが容易かつ確実になる。
【0053】
請求項5のトランスによれば、一方2次コイル及び他方2次コイルから成る2次コイルが簡単に作製できる。請求項6のトランスによれば、連結部の両端の外周側に一方1次コイル及び他方1次コイルが形成される。
【0054】
また、第2発明のトランスの組立方法によれば、2次コイルを収容したボビンの軸方向の挿通孔にコイル線材を挿通するので、1次コイルの形成、及び2次コイルに対する1次コイルの位置決めが簡単になる。
【0055】
請求項8の組立方法によれば、一方2次コイル及び他方2次コイルから成る2次コイルが簡単に作製できる。請求項9の組立方法によれば、一方1次コイルの一方ボビンへの巻き付け、及び他方1次コイルの他方ボビンへの巻付けが容易かつ確実に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるDC−DCコンバータを説明する回路図である。
【図2】本発明の実施例の斜視図である。
【図3】同じく正面断面図である。
【図4】図3における4−4断面図である。
【図5】図3における5−5断面図である。
【図6】上記実施例の側面図である。
【図7】下方ボビンの下面図である。
【図8】図7における8−8断面図である。
【図9】下方ボビンの上面図である。
【図10】図8における10−10断面図である。
【図11】上方ボビンの上面図である。
【図12】図11における12−12断面図である。
【図13】上方ボビンの下面図である。
【図14】図12における14−14断面図である。
【図15】従来を示す斜視図である。
【符号の説明】
10:下方ボビン 13:挿通孔
16:嵌合凹部 22:係止爪
24:コイル収容空間 27:コイル巻き空間
30:上方ボビン 33:挿通孔
44:コイル収容空間 47:コイル巻き空間
36:嵌合凸部 42:係止孔
50:下方2次コイル 55:上方2次コイル
65:下方1次コイル 70:上方1次コイル
75:連結部 95:ボビン
97:2次コイル 99:1次コイル
170:トランス

Claims (9)

  1. 一方ボビン及び他方ボビンを含み、厚さ方向に貫通した挿通孔を持つボビンと、
    前記ボビン内に収容された2次コイルと、
    前記一方ボビンの一端に巻かれた一方1次コイル、前記他方ボビンの他端に巻かれた他方1次コイル、及び前記ボビンの挿通孔を貫通し前記一方1次コイルと前記他方1次コイルとを連結する連絡部を有する1次コイルと、
    から成り、
    前記一方ボビン及び前記他方ボビンの一方に前記挿通孔の一部を区画する外径がテーパ状の嵌合凸部が形成され、前記一方ボビン及び前記他方ボビンの他方に前記嵌合凸部が嵌合しかつ前記挿通孔の一部を区画する内径がテーパ状の嵌合凹部が形成されていることを特徴とするトランス。
  2. 前記ボビンは、前記一方ボビンと前記他方ボビンを半径方向及び円周方向で位置決めする位置決め手段を有する請求項1に記載のトランス。
  3. 前記ボビンは、前記一方ボビンと前記他方ボビンとを結合する結合手段を有する請求項1に記載のトランス。
  4. 前記一方ボビンは、前記一方1次コイルを巻き付ける一方巻き隙間を有し、前記他方1次ボビンは前記他方1次コイルを巻き付ける他方巻き隙間を有する請求項1に記載のコイル。
  5. 前記2次コイルは、前記一方ボビンの一方収容空間に収容された一方2次コイルと、前記他方ボビンの他方収容空間に収容された他方2次コイルとを含む請求項1に記載のトランス。
  6. 前記1次コイルの連結部は、前記一方1次コイルの内端と前記他方1次コイルの内端とを連結している請求項1に記載のトランス。
  7. 一方ボビン及び他方ボビンを含むボビン内に2次コイルを収容する収容工程と、
    前記一方ボビン及び前記他方ボビンの一方に形成された外径がテーパ状の嵌合凸部と、前記一方ボビン及び前記他方ボビンの他方に形成された前記嵌合凸部が嵌合する内径がテーパ状の嵌合凹部とが嵌合した部位に前記ボビンの厚さ方向に形成された挿通孔に挿通した直線状のコイル素材の中間部に連結部を形成し、一端を前記一方ボビンに巻き付けて一方1次コイルを形成し、他端を前記他方ボビンに巻き付けて他方1次コイルを形成する形成工程と、
    から成ることを特徴とするトランスの組立方法。
  8. 前記収容工程では、その一方収容空間に一方2次コイルを収容した前記一方ボビンと、その他方収容空間に他方2次コイルを収容した前記他方ボビンとを結合する請求項7に記載の組立方法。
  9. 前記形成工程では、コイル素材の一端を前記一方ボビンの一方巻き隙間に巻き付け、他端を前記他方ボビンの他方巻き隙間に巻き付ける請求項7に記載の組立方法。
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