JP4066336B2 - スイッチ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、自動車等車両のウィンドウ開閉用直流電動機又はそれに類する用途の直流電動機の回転及び停止を行うためのスイッチ装置に関し、特に高い電源電圧(たとえば、42V系の電気系統システム)で動作する直流電動機に適用して好適なスイッチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
(技術背景;42V系の電気系統システムについて)
現行の自動車では14V系の電気系統システムが採用されているが、搭載するエレクトロニクス機器が増加していることから、14V系では消費電力をまかないきれない状況になりつつある。これを解消すべく、産学合同のコンソーシアムなどでグローバルに議論を続けてきた結果、人体などへの安全性の面を考慮した3倍の高電圧系、すなわち「42V系」の電気系統システムを採択することでコンセンサスが得られた。
【0003】
(ベースとなる従来技術;第一の従来技術)
42V系の電気系統システムで動作する電装品としては、たとえば、ドアに内蔵されたウィンドウ開閉用直流電動機(いわゆるパワーウィンドウ駆動用の直流モータ)がある。
【0004】
図10は、ウィンドウ開閉用直流電動機の回転(正転・逆転)及び停止を行うための従来のスイッチ装置の構造図(a)及びその回路図(b)である(たとえば、非特許文献1参照)。
【0005】
このスイッチ装置100は、車両の前席や後席のドアの内側に設けられた肘掛けなどに取り付けられている。図示のスイッチ装置100の状態は、パワーウィンドウ駆動用の直流モータ(以下「直流電動機」という。)101が停止しているときの状態を示している。すなわち、車両の乗員によってノブ102が操作されていないときの状態を示している。以下、この状態のことを「中立状態」ということにする。
【0006】
ノブ102は、図面の時計回り方向と反時計回り方向にそれぞれ所定角度だけ揺動できるようにドア側のケース103に取り付けられている。ノブ102を時計回り方向に動かすとウィンドウが閉まり(以下「UP状態」という。)、反時計回り方向に動かすとウィンドウが開く(以下「DOWN状態」という。)。ノブ102に加えた操作力を解除する(指を離す)と、ノブ102の内部に埋め込まれたスプリング104とプランジャ105の働きによって中立状態に復帰し、以降、その中立状態を維持する。
【0007】
ケース103の内部に延在するノブ102の下部突起106は、ノブ102が中立状態にあるときは図示位置にあるが、ノブ102をUP状態にすると図面の左方向に揺動し(図12(a)参照)、ノブ102をDOWN状態にすると図面の右方向に揺動(図示略)する。
【0008】
ケース103の内部には、プリント基板107に実装されたスイッチユニット108が設けられている。このスイッチユニット108はモーメンタリー式の「2回路4接点型」のスイッチとして機能するものであり、その外観等は、図11に示される。スイッチユニット108は、筐体109の一側面から引き出された2個の共通端子110、111と、筐体109の他側面から引き出された1個の常開端子112と、筐体109の底面から引き出された2個の常閉端子113、114とを備え、それらの端子110〜114をプリント基板107に形成された所要の導体回路に半田付けして、電源線(以下「+B線」という。)115やグランド線116及び直流電動機101に接続することにより、図10(b)の回路図の構成を実現している。
【0009】
スイッチユニット108の内部には、図10(b)に示すように、2回路分のスイッチA、Bが実装されている。これらのスイッチA、Bは、スイッチユニット108の上面に取り付けられたスライダ117のスライド位置に応じて排他的にスイッチングされる。なお、ここでいう“排他的にスイッチング”とは、スイッチA又はスイッチBの一方のNC(常閉)接点だけがオープン状態になること(言い換えればそのスイッチのNO(常開)接点だけがクローズ状態になること)をいう。
【0010】
具体的には、スライダ117が図示位置にあるとき(「中立状態」にあるとき)は、スイッチAの可動接点118とNC接点122の間、及び、スイッチBの可動接点119とNC接点123の間がクローズ状態になっている。この位置では、二組のスイッチA、BのNO接点120、121及びNC接点122、123は、その名前のとおりの状態(NO→常開、NC→常閉)になるが、スライダ117が図11(a)の左向き矢印Lの方向(以下、単に「L方向」という。)に動いたとき(「UP状態」にあるとき)は、スイッチBの可動接点119とNC接点123の間のクローズ状態が維持されると共に、スイッチAのNC接点122のクローズ状態が解除されて可動接点118とNO接点120の間が新たにクローズ状態になり、また、スライダ117が図11(a)の右向き矢印Rの方向(以下、単に「R方向」という。)に動いたとき(「DOWN状態」にあるとき)は、スイッチAの可動接点118とNC接点122の間のクローズ状態が維持されると共に、スイッチBのNC接点123のクローズ状態が解除されて可動接点119とNO接点121の間が新たにクローズ状態になる。
【0011】
このようなスイッチング作用は、スライダ117の動きと、そのスライダ117の下面形状によって引き起こされる。図11(c)はスライダ117のX−X断面図、図11(d)はスライダ117のY−Y断面図である。スライダ117のX−X断面部分はその右半分にかけて肉厚に形成されており、スライダ117のY−Y断面部分はその左半分にかけて肉厚に形成されている。以下の説明からも明らかになるが、この肉厚部分の位置関係に応じて、スイッチA及びスイッチBが排他的にスイッチングされる。
【0012】
なお、図10(a)においては、たとえば、共通端子110、111の一方と常閉端子113、114の一方だけが描かれている。これは、図面に向かって各端子が前後に並んでいるからであり、後ろの端子が前の端子の陰に隠れて見えないからである。
【0013】
先にも説明したとおり、スイッチユニット108はモーメンタリー式の「2回路4接点型」のスイッチとして機能する。つまり、共通端子110、111、常開端子112及び常閉端子113、114のそれぞれに、可動接点118、119、NO接点120、121及びNC接点122、123がつながっており、二つの回路の接点切替(可動接点118とNO接点120及びNC接点122の間の切替と、可動接点119とNO接点121及びNC接点123の間の切替)を排他的に行うことができるものである。
【0014】
可動接点118、119は、金属製バネ板状可動片124、125の先端に取り付けられており、この金属製バネ板状可動片124、125は、押しボタン126A、126B(押しボタン126AはスイッチAのためのもの、押しボタン126BはスイッチBのためのもの)によって図面下方向に付勢される。
押しボタン126A、126Bは、図面横方向に移動可能なスライダ117(図11参照)の下面に当接しており、一方の押しボタン126Aは、図12(a)に示すように、スライダ117の図面左方向(L方向)への移動に伴い、スライダ117の下面形状(X−X断面肉厚部;図11(c)参照)に沿って下方に押し下げられる。また、他方の押しボタン126Bは、スライダ117の図面右方向(R方向)への移動に伴い、スライダ117の下面形状(Y−Y断面肉厚部;図11(d)参照)に沿って下方に押し下げられる。
スライダ117の上面突起127は、ノブ102の下部突起106の先端に係合しており、スライダ117は、ノブ102の下部突起106の左右方向への揺動(UP状態とDOWN状態)に追随して、図面左右方向(L−R方向)にスライドする。
【0015】
したがって、このスイッチ装置100は、ノブ102を引き上げてUP状態にすると、スライダ117がL方向にスライドして、スライダ117のX−X断面肉厚部に当接する押しボタン126Aが下方移動し、スイッチAの可動接点118とNC接点122との間がオープン状態になると共に、同スイッチAの可動接点118とNO接点120との間がクローズ状態になるという作用が得られる。また、ノブ102から指を離して中立状態にすると、スライダ117が元の位置に戻り、押しボタン126Aが上方移動し、スイッチAの可動接点118とNC接点122との間がクローズ状態になるという作用が得られる。
【0016】
さらに、ノブ102を押し下げてDOWN状態にすると、スライダ117がR方向にスライドして、スライダ117のY−Y断面肉厚部に当接する押しボタン126Bが下方移動し、スイッチBの可動接点119とNC接点123との間がオープン状態になると共に、同スイッチBの可動接点119とNO接点121との間がクローズ状態になるという作用が得られる。また、ノブ102から指を離して中立状態にすると、スライダ117が元の位置に戻り、押しボタン126Bが上方移動し、スイッチBの可動接点119とNC接点123との間がクローズ状態になるという作用が得られる。
【0017】
図10(b)の回路図において、ノブ102が中立状態にあるとき、スイッチA及びスイッチBの各接点は図示の状態にある。すなわち、スイッチAの可動接点118とNC接点122の間がクローズ状態になり、且つ、スイッチBの可動接点119とNC接点123の間がクローズ状態になっている。この状態では、直流電動機101と+B線115との間の接続が絶たれており、且つ、直流電動機101の二つの駆動入力には共にグランド線116の電位(負極側電源)が加えられているため、直流電動機101は回転停止状態にある。以下、この回転停止状態のことを「電動機停止態様」ということにする。
【0018】
一方、図12(b)の回路図において、ノブ102がUP状態にあるとき、スイッチA、Bの各接点は図示の状態にある。すなわち、スイッチAの可動接点118とNO接点120の間がクローズ状態になり、且つ、スイッチBの可動接点119とNC接点123の間がクローズ状態になっている。この状態では、+B線115→NO接点120→可動接点118→直流電動機101→可動接点119→NC接点123→グランド線116の閉回路が形成されるため、直流電動機101はウィンドウを閉める方向に回転する。以下、このときの回転方向を正回転とし、この回転状態のことを「電動機正回転態様」ということにする。
【0019】
また、図示は略すが、ノブ102がDOWN状態にあるとき、スイッチAの可動接点118とNC接点122の間がクローズ状態になり、且つ、スイッチBの可動接点119とNO接点121の間がクローズ状態になっている。この状態では、+B線115→NO接点121→可動接点119→直流電動機101→可動接点118→NC接点122→グランド線116の閉回路が形成されるため、直流電動機101はウィンドウを開ける方向に回転する。以下、このときの回転方向を逆回転とし、この回転状態のことを「電動機逆回転態様」ということにする。
【0020】
したがって、スイッチユニット108のスイッチA及びスイッチBは、直流電動機101の一方側駆動入力と他方側駆動入力の各々に負極側電源(グランド線116の電位)を共に印可して該直流電動機101を停止状態とする「電動機停止態様」と、前記直流電動機101の一方側駆動入力に正極側電源(+B線115の電位)を印可すると共に他方側駆動入力に負極側電源(グランド線116の電位)を印可して該直流電動機101を正回転状態とする「電動機正回転態様」と、前記直流電動機101の一方側駆動入力に負極側電源(グランド線116の電位)を印可すると共に他方側駆動入力に正極側電源(+B線115の電位)を印可して該直流電動機101を逆回転状態とする「電動機逆回転態様」とを取り得ることができるものである。
【0021】
なお、以上の説明では、一つのスイッチユニット108で直流電動機101の回転を制御する例を示したが、これに限らず、車両によっては運転席から他の席(助手席や後席等)のウィンドウを開閉できるようにしたタイプのスイッチ装置もある。
【0022】
図13は、その回路図である(たとえば、非特許文献1参照)。この回路は、運転席用のスイッチユニット108と他席用のスイッチユニット108′とを組み合わせて構成されており、他席はもちろんのこと運転席からも直流電動機101(他席のウィンドウ開閉用の直流電動機)の回転と停止を行うことができるようになっている。
【0023】
また、上記の説明では、可動接点118、119とNC接点122、123のそれぞれに一つの端子(共通端子110、111と常閉端子113、114)を割り当てると共に、NO接点120、121に一つの端子(常開端子112)を割り当てているが(つまり、全部で5個の端子を備えているが)、これに限らず、たとえば、図14に示すように、グランド線116に繋がる接点(スイッチA、BのNC接点122、123)同士をユニット内で結線し、それを一つの端子114aから引き出してグランド線116に接続するタイプのもの(全部で4個の端子を備えるもの)もある。あるいは、スイッチ機構として1回路分を備えた構成とし、それを二つ並べて使用することもある。この場合、全部で6個の端子となる。
【0024】
(第一の従来技術の不都合な点)
以上説明した従来のスイッチ装置(図10〜図14)は、本来の14V系の電気系統システムに適用する限りにおいては支障なく動作する。しかしながら、それよりも高電圧系の電気系統システム、たとえば、42V系の電気系統システムに適用した場合に、UP状態から中立状態への復帰時、又は、DOWN状態から中立状態への復帰時に、負極側電源に接続された接点に大電流が流れ、この電流により、当該接点にダメージを与えるという不都合な点がある。
【0025】
図15は、接点ダメージの説明図である。(a)は、たとえば、UP状態にあるときの図、(b)は中立状態に復帰する“直前”の図、(c)は中立状態に復帰したときの図である。前記従来の説明との相違は、+B線115に高い電圧(42V系電気系統システムの電源電圧。以下「42V」とする。)が印可されている点にある。
【0026】
さて、(a)に示すように、UP状態にあるときは、スイッチAのNO接点120と可動接点118がクローズ状態になっており、また、スイッチBの可動接点119とNC接点123がクローズ状態になっている。したがって、+B線115→NO接点120→可動接点118→直流電動機101→可動接点119→NC接点123→グランド線116の閉回路が形成され、直流電動機101はウィンドウを閉じる方向に回転する。次に、ノブ102から指を離すと、(b)に示すように、スイッチAのNO接点120と可動接点118のクローズ状態が解かれ、可動接点118は、NO接点120との間に許容範囲の小さなアーク放電128を生じさせながら、NC接点122の方に移動を開始する。そして、最終的には、(c)に示すように、スイッチAの可動接点118とNC接点122との間がクローズ状態になって直流電動機101への電源電圧が絶たれ、直流電動機101が停止状態となる。
【0027】
従来のスイッチユニット108を使うと、接点ギャップが0.5mm程度と小さく、42V分のアーク放電電圧を確保できないため、数Vの電圧が印可された状態の可動接点118がNC接点122に接続されることになる。本件発明者らの実験によれば、このとき、可動接点118からNC接点122を経てグランド線116へと大電流129(100A以上)が短時間(0.5ms程度)に流れようとするため、NO接点120とNC接点122の間に大きな放電現象(以下「デッドショート」という。)130が発生し、これにより、スイッチAの可動接点118とNC接点122にダメージ(接点損傷又は接点破壊)を与えるという障害を発見した。このデッドショート130は、特に普通の接点開閉速度(100〜400mm/s)よりも非常に早い接点開閉速度(1000mm/s以上)の領域において発生しやすい。
【0028】
なお、一般的なアーク放電対策としては、電源電圧の大きさに対応させて接点ギャップを広くすることが行われている。接点ギャップを広げる(たとえば、約4mm程度)と、アーク放電電圧を大きくすることができるため、可動接点118は、電圧がかかっていない状態でNC接点122に接続されることになり、接点ダメージを回避できるからである。しかしながら、この対策は一方で、スイッチユニットの大幅な大型化を招き、車載の妨げになるという不都合な点を有している。
【0029】
(改良された従来技術;第二の従来技術)
そこで、本件発明者らは、上記第一の従来技術を改良し、42V系電気系統システムなどの高い電源電圧に適用してもスイッチユニットの大幅な大型化を招くことがない「スイッチ装置」(特願2002−256392号/平成14年9月2日出願)を提案している。以下、この提案技術のことを「第二の従来技術」ということにする。
【0030】
図16は、第二の従来技術におけるスイッチ装置200の要部構成図である。スイッチ装置200は、大きく分けて、二つのスイッチ要素(以下「第一のスイッチ要素201及び第2のスイッチ要素202」という。)と、それら二つのスイッチ要素201、202のスイッチング操作を行うスイッチング操作要素203とからなる。
【0031】
各要素毎に説明する。まず、第一のスイッチ要素201は、不図示の成形ベースにインサートされた(又は薄膜形成された)平板状金属導体からなる6枚の固定電極201a〜201fと、2個の可動片201g、201hとを有している。6枚の固定電極201a〜201fは、良導電性で且つ摩耗に強い金属材料で作られており、3枚を一組にして各組を平行に並べて配置されている。第一の組は固定電極201a〜201cからなり、第二の組は残りの固定電極201d〜201fからなる。
【0032】
第一の組の固定電極201a〜201cは、仮想軸線204に沿って図面の右から左の方向に、固定電極201a、固定電極201b、固定電極201cの順に並べられており、第二の組の固定電極201d〜201fは、仮想軸線204に沿って図面の左から右の方向に、固定電極201d、固定電極201e、固定電極201fの順に並べられている。
【0033】
固定電極201bと固定電極201cの間隔L2aは、固定電極201aと固定電極201bの間隔L1aよりも小さく、同様に、固定電極201eと固定電極201fの間隔L2bは、固定電極201dと固定電極201eの間隔L1bよりも小さい。ここに、L1a=L1b、L2a=L2bである。
【0034】
2個の可動片201g、201hは、それぞれ、第一の組の固定電極201a〜201cと、第二の組の固定電極201d〜201fの上を仮想軸線204に沿って摺動可能な適切な形状を有している。たとえば、2個の可動片201g、201hは、それぞれ底面に二つの湾曲突起201g_1、201g_2(可動片201hにあっては201h_1、201h_2)を有する形状を有しており、全体が良導電性で且つ摩耗に強い金属材料で作られている。
【0035】
2個の可動片201g、201hは、それぞれバネ201i、201jによって下向きに付勢されている。そして、2個の可動片201g、201hの二つの湾曲突起201g_1、201g_2(可動片201hにあっては201h_1、201h_2)は、それぞれ、その付勢力により、第一の組の固定電極201a〜201cと、第二の組の固定電極201d〜201fの上に押し付けられている。
【0036】
また、2個の可動片201g、201hの二つの湾曲突起201g_1、201g_2(可動片201hにあっては201h_1、201h_2)の間隔は、前記のL1a(L1b)よりも大きく設定されており、具体的には、一方の可動片201gを例にすると、第一の組の固定電極201aと固定電極201bの双方のみに接してそれら二つの金属導体間をクローズ状態にすることができ、また、第一の組の固定電極201bと固定電極201cの双方のみに接してそれら二つの金属導体間をクローズ状態にすることができる適切な間隔に設定されている。
【0037】
2個の可動片201g、201hは、スイッチング操作要素203の働きにより、常に図示の並行状態を保ったまま、仮想軸線204に沿って図面の右方向や左方向に移動するようになっている。
【0038】
したがって、このような構成を有する第一のスイッチ要素201によれば、2個の可動片201g、201hが図示位置(以下「中立状態」という)にあるとき、一方の可動片201gの湾曲突起201g_1、201g_2は、第一の組の固定電極201bと固定電極201cの双方に接触するので、それらの導体間をクローズ状態とすることができると共に、他方の可動片201hの湾曲突起201h_1、201h_2は、第二の組の固定電極201eと固定電極201fの双方に接触するので、それらの導体間をクローズ状態とすることができる。言い換えれば、この場合、第一の組の固定電極201aと固定電極201bの間をオープン状態とすることができると共に、第二の組の固定電極201dと固定電極201eの間をオープン状態とすることができる。
【0039】
可動片201gが中立状態から図面の右方向に移動した場合、その可動片201gの湾曲突起201g_1、201g_2は、第一の組の固定電極201aと固定電極201bの双方に接触するので、それらの導体間をクローズ状態とすることができ、言い換えれば、第一の組の固定電極201bと固定電極201cの間をオープン状態とすることができる。このとき同時に、他方の可動片201hが中立状態から図面の右方向に移動するが、その可動片201hの湾曲突起201h_1、201h_2は、第二の組の固定電極201f、201eをクローズ状態のままにしている。
【0040】
また同様に、可動片201hが中立状態から図面の左方向に移動した場合、その可動片201hの湾曲突起201h_1、201h_2は、第二の組の固定電極201dと固定電極201eの双方に接触するので、それらの導体間をクローズ状態とすることができ、言い換えれば、第二の組の固定電極201eと固定電極201fの間をオープン状態とすることができる。このとき同時に、他方の可動片201gが中立状態から図面の左方向に移動するが、その可動片201gの湾曲突起201g_1、201g_2は、第一の組の固定電極201c、201bをクローズ状態のままにしている。
【0041】
図中左下のC部は、第一のスイッチ要素201を回路図で表したものである。この回路図において、可動片201g、201hと固定電極201b、201eは二つの可動接点を形成する。また、固定電極201a、201dはそれぞれNO接点を形成し、固定電極201c、201fはそれぞれNC接点を形成する。
【0042】
可動片201g、201hが図示の中立状態にあるとき、NC接点(201c、201f)はクローズ状態となっている。また、一方の可動片201gが中立状態から仮想軸線204に沿って右方向に移動すると、NC接点(201c)のクローズ状態が解かれてNO接点(201a)がクローズ状態となり、他方の可動片201hが中立状態から仮想軸線204に沿って左方向に移動すると、NC接点(201f)のクローズ状態が解かれてNO接点(201d)がクローズ状態となる。
【0043】
つまり、この第一のスイッチ要素201は、「2回路4接点型」のスイッチとして機能するものであり、スイッチング操作要素203の働きによって、可動片201g、201hのセンタリング位置を図示の中立状態にしておけば、この中立状態においては、その左右両サイドに位置する四つの固定電極201a、201c、201d、201fのうちの二つ(201c、201f)がNC(常閉)接点となり、残りの二つ(201a、201d)がNO(常開)接点となるのである。
【0044】
次に、第二のスイッチ要素202を説明する。この第二のスイッチ要素202は、上記の第一のスイッチ要素201と同じベース基板(不図示)上に、以下の部材からなる同一構造の二組のスイッチ機構を実装して構成されている。
【0045】
すなわち、第二のスイッチ要素202は、上記のベース基板上に立設されたU字状部材202a、202bと、U字状部材202a、202bに一端を保持された金属製バネ板状可動片202c、202dと、金属製バネ板状可動片202c、202dの他端に取り付けられた可動接点202e、202fと、上記のベース基板上に立設された逆L字状部材202g、202hと、逆L字状部材202g、202hの下向き端部に取り付けられた固定接点202i、202jとを含んで構成されている。
【0046】
金属製バネ板状可動片202c、202dは、その一部に形成された切り欠き部202k、202mを湾曲させてU字状部材202a、202bに突き当てており、この切り欠き部202k、202mの反発力を利用し、他端に取り付けられた可動接点202e、202fを固定接点202i、202jに常に接触させる(クローズ状態にする)ようになっている。したがって、固定接点202i、202jはNC(常閉)接点として機能する。
【0047】
また、金属製バネ板状可動片202c、202dに対し、各々個別に設けられた押しボタン202n、202pを介して下向きの外力(切り欠き部202k、202mの反発力を上回る力)を加えると、金属製バネ板状可動片202c、202dの先端が下がって、可動接点202e、202fと固定接点202i、202jとの間の接触(クローズ状態)が解除され、それらの接点間をオープン状態とするようになっている。
【0048】
図中右上のD部は、第二のスイッチ要素202を回路図で表したものである。この回路図において、二つの可動接点202e、202fは、それぞれ固定接点(NC接点)202i、202jとの間でクローズ状態にある。今、一方の金属製バネ板状可動片202cに下向きの外力を加えると、可動接点202eと固定接点(NC接点)202iとのクローズ状態が解除され、それらの接点はオープン状態になる。同様に、他方の金属製バネ板状可動片202dに下向きの外力を加えると、可動接点202fと固定接点(NC接点)202jとのクローズ状態が解除され、それらの接点はオープン状態になる。したがって、この第二のスイッチ要素202は、一対のNC接点(202i、202j)を有する「2回路2接点型」のスイッチとして機能するものである。
【0049】
次に、スイッチング操作要素203を説明する。図中便宜的に波線で示すスイッチング操作要素203は、以下の機能1〜4を有するものである。
【0050】
<機能1>
運転者等による操作入力(たとえば、冒頭で説明したノブ102のUP操作やDOWN操作)がない場合に、第一のスイッチ要素201と第二のスイッチ要素202を図示の中立状態に維持できること。
【0051】
<機能2>
運転者等による操作入力の解除後、直ちに、第一のスイッチ要素201と第二のスイッチ要素202を図示の中立状態に復帰できること。
【0052】
<機能3>
運転者等による一の操作入力(たとえば、UP操作)に応答して、第一のスイッチ要素201の両方の可動片201g、201hを図示の中立状態から仮想軸線204に沿って一方向(たとえば、図面の左方向)に移動できると同時に、第二のスイッチ要素202の一方のNC接点(たとえば、固定接点202j)をオープン状態にできること。
【0053】
<機能4>
運転者等による他の操作入力(たとえば、DOWN操作)に応答して、第一のスイッチ要素201の両方の可動片201g、201hを図示の中立状態から仮想軸線204に沿って他方向(たとえば、図面の右方向)に移動できると同時に、第二のスイッチ要素202の他方のNC接点(たとえば、固定接点202i)をオープン状態にできること。
【0054】
図17及び図18は、スイッチング操作要素203の機能説明図である。図17において、スイッチング操作要素203は、第一の従来技術のスイッチ装置におけるスライダ117と類似構造の操作手段203aを有する。この操作手段203aは、第一の従来技術のスイッチ装置におけるノブ102の動き(UP状態←→中立状態←→DOWN状態)に追随して仮想軸線204(図16の仮想軸線204と同じもの。)に沿いながら図面の左右方向(L−R方向)にスライドする。
【0055】
そして、この操作手段203aが仮想軸線204に沿って一方向(以下「L方向」とする。)に移動(スライド)すると、まず、第二のスイッチ要素202の固定接点202jと可動接点202fとの間がオープン状態になり、次いで、第一のスイッチ要素201の両方の可動片201g、201hが図示の中立状態から仮想軸線204に沿ってL方向に移動して固定電極201d−201e間がクローズ状態になり、さらに、第二のスイッチ要素202の固定接点202jと可動接点202fとの間がクローズ状態となって、ウィンドウ開閉用直流電動機の開方向回転駆動機能が実現される。したがって、これらの関与接点(201h、201d、201e、202f、202j)は、一体としてアップ側モータ駆動スイッチグループ(UPスイッチグループ)を構成する。
【0056】
また、この操作手段203aが仮想軸線204に沿って他方向(以下「R方向」とする。)に移動(スライド)すると、まず、第二のスイッチ要素202の固定接点202iと可動接点202eとの間がオープン状態になり、次いで、第一のスイッチ要素201の両方の可動片201g、201hが図示の中立状態から仮想軸線204に沿ってR方向に移動して固定電極201a−201b間がクローズ状態になり、さらに、第二のスイッチ要素202の固定接点202iと可動接点202eとの間がクローズ状態となって、ウィンドウ開閉用直流電動機の閉方向回転駆動機能が実現される。したがって、これらの関与接点(201g、201a、201b、202e、202i)は、一体としてダウン側モータ駆動スイッチグループ(DOWNスイッチグループ)を構成する。
【0057】
図18において、この図は、一方のスイッチグループ(説明の便宜上、UPスイッチグループとする。)の動作説明図である。X−X断面及びY−Y断面は、図17における破断面を示している。第一行程は初期位置の中立状態を表している。この中立状態では、第一スイッチ要素201の可動片201hは中央の固定電極201eと右端の固定電極201fの間に位置し、それら両電極間をクローズ状態にしている。また、第二のスイッチ要素202の押しボタン202pは操作手段203aの下面凹部203bに勘合して持ち上がった状態にあり、金属製バネ板状可動片202dは下方に反転しておらず、金属製バネ板状可動片202dの先端に取り付けられた可動接点202fと固定接点202jの間はクローズ状態にある。
【0058】
この状態からUP状態に移行(操作手段203aのL方向移動を開始)すると、まず、UP状態移行直後の第二行程においては、第一のスイッチ要素201の可動片201hは上記の第一の行程の位置を継続、つまり、中央の固定電極201eと右端の固定電極201fの間に位置してそれら両電極間をクローズ状態にしているが、第二のスイッチ要素202の押しボタン202pが操作手段203aの下面凹部203bから肉厚部に移行して押し下げられた状態になり、金属製バネ板状可動片202dが下方に曲げられるため、金属製バネ板状可動片202dの先端に取り付けられた可動接点202fと固定接点202jの間のクローズ状態が解除され、オープン状態になる。
【0059】
次いで、UP状態がさらに進んで第三行程に入ると、第一のスイッチ要素201の可動片201hは左端の固定電極201dと中央の固定電極201eの間に位置してそれら両電極間をクローズ状態にすると共に、中央の固定電極201eと右端の固定電極201fの間をオープン状態にする。このとき、第二のスイッチ要素202の押しボタン202pは、まだ、操作手段203aの肉厚部に位置しており、金属製バネ板状可動片202dが下方に反転した状態を保っているため、金属製バネ板状可動片202dの先端に取り付けられた可動接点202fと固定接点202jの間はオープン状態を維持している。
【0060】
そして、UP状態がさらに進んで最終行程(第四行程)に入ると、第一のスイッチ要素201の可動片201hは上記の第三の行程の位置を継続、つまり、左端の固定電極201dと中央の固定電極201eの間に位置してそれら両電極間をクローズ状態にしているが、第二のスイッチ要素202の押しボタン202pが操作手段203aの下面凹部203c(下面凹部203bの隣の凹部)に勘合して持ち上がった状態になり、金属製バネ板状可動片202dが水平に復帰し、金属製バネ板状可動片202dの先端に取り付けられた可動接点202fと固定接点202jの間がクローズ状態になる。
【0061】
図19は、本従来技術(第二の従来技術)のスイッチ装置200を適用して構成された、ウィンドウ開閉用直流電動機の回転(正転・逆転)、停止システムの回路図である。この図において、+B線115は正極側電源(車両用電気系統システムの+B線)であり、グランド線116は負極側電源(同システムのグランド線)であるが、+B線115の印加電圧は、14V系電気系統システムよりも高電圧の、たとえば、42V系電気系統システムのもの(電源電圧:42V)である。
【0062】
図19において、(a)は、たとえば、DOWN状態にあるときの図、(d)はDOWN状態から中立状態へ復帰したときの図、(b)及び(c)はその中間の過渡状態にあるときの図である。DOWN状態にあるとき、第一のスイッチ要素201と第二のスイッチ要素202の各接点は、図18の第四行程に対応した状態にある。つまり、第一のスイッチ要素201の可動片(201g)とNO接点(201a)の間、及び、可動片(201h)とNC接点(201f)の間がクローズ状態になっていると共に、第二のスイッチ要素202の二つのNC接点(202i、202j)がクローズ状態となっている。
【0063】
このため、+B線115の電位(+42V)が直流電動機101の一端側駆動入力に加えられると共に、グランド線116の電位(0V)が直流電動機101の他端側駆動入力に加えられるので、直流電動機101は一方向(ウィンドウを開く方向)に回転する。この状態で、DOWN状態を解除すると、つまり、冒頭で説明したノブ102から指を離すと、図19(b)の状態に移行する。この状態では、第一のスイッチ要素201の接点はそのままであるが、第二のスイッチ要素202の二つのNC接点(202i、202j)が共にオープン状態になり、直流電動機101の一端側駆動入力とグランド線116との接続が絶たれる。
【0064】
次に、図19(c)の状態に移行し、第二のスイッチ要素202の二つのNC接点(202i、202j)のオープン状態を維持したまま、第一のスイッチ要素201の可動片(201g)とNO接点(201a)の間のクローズ状態が解かれると共に、可動片(201g)とNC接点(201c)の間がクローズ状態になる。そして、最後に、図19(d)の状態に移行し、第二のスイッチ要素202の二つのNC接点(202i、202j)が共にクローズ状態になり、直流電動機101の一端側と他端側の駆動入力にグランド線116が接続され、直流電動機101の回転が停止する。
【0065】
このように、本第二の従来技術においては、第一のスイッチ要素201の接点を切り換える前もしくは切り換えと同時に、第二のスイッチ要素202をオープン状態にして当該大電流の経路を遮断するようにしたので、冒頭で説明した大電流(図15の大電流129)が流れ込むことがなく、第一のスイッチ要素201の接点ダメージを回避することができる。ちなみに、NC接点を2回路追加するため、横幅が若干広くなるものの、接点ギャップを広げる必要がないため、スイッチ装置200の大幅な大型化や応答性の悪化も招くこともない。さらに、第二のスイッチ要素202をNC接点としたため、NO接点があったスペースを接点ギャップの増加に活用することも可能である。
【0066】
【非特許文献1】
「トヨタ・VITZ・配線図集/SCP10系(1999−1〜)」トヨタ自動車株式会社サービス部、1999年1月13日発行、p.3−38〜3−39
【0067】
【発明が解決しようとする課題】
以上のとおり、本件発明者らによる先願技術(上記第二の従来技術)にあっては、42V系電気系統システムなどの高い電源電圧に適用してもスイッチユニットの大幅な大型化を招くことなく、接点ダメージを回避することができる点で有益であるが、次の点において改良すべき技術課題を有していた。
【0068】
図18において、操作手段203aの下面には凹部(下面凹部203b、203c)が形成されている。これらの下面凹部203b、203cは、第二のスイッチ要素202の一方の押しボタン202pのためのものである。なお、図示は略すが、第二のスイッチ要素202の他方の押しボタン202nのための凹部も同様に形成されている。
【0069】
二つの押しボタン202p、202nは、ノブ102が中立状態にあるとき、いずれも凹部(押しボタン202pにあっては下面凹部203b)に入り込んでいるが、ノブ102をUP状態にすると、一方の押しボタン202pが下面凹部203c(下面凹部203bの隣の凹部)に入り込むようになっている。同様に、ノブ102をDOWN状態にすると、他方の押しボタン202nが不図示の下面凹部に入り込むようになっている。
【0070】
さて、上記第二の従来技術における改良すべき点は、UP状態(またはDOWN状態)から中立状態への復帰フィーリングが悪いことにある。その理由は、ノブ102がUP状態やDOWN状態にあるとき、一方の押しボタン202pや他方の押しボタン102nが凹部(一方の押しボタン202pにあっては下面凹部203c)に入り込んでいるため、中立状態へ復帰する際に、その凹部を抜け出すための“力”が必要となり、ノブ102の操作に“引っかかり”を感じるからである。
【0071】
なお、この“引っかかり”をなくすためには、たとえば、ノブ102の内部に埋め込まれたスプリング104のバネ力を強くしたり、あるいは、第一のスイッチ要素201の可動片201g、201hを片側ずつ駆動(たとえば、UP状態時に固定電極201d−201e間がクローズした後に、第二のスイッチ要素202の固定接点202jと可動接点202fとの間のみオープンとなるようにスイッチング操作要素203の凹部形状を工夫するなど)したりすることが考えられるが、そうすると、今度は、ノブ102を中立状態からUP状態(またはDOWN状態)へ操作する際にスプリング104のバネ力を上回る大きな操作力が必要となってしまい、やはりノブ102の操作フィーリングを悪化させてしまうか、又は、引っかかり感の半減になるかであり、根本的な解決策とはなり得ない。
【0072】
そこで本発明は、(A)42V系電気系統システムなどの高い電源電圧に適用してもスイッチユニットの大幅な大型化を招くことなく、接点ダメージを回避することができ、(B)しかも、中立状態への復帰フィーリングを悪化させないスイッチ装置を提供することを目的とする。
【0073】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るスイッチ装置は、直流電動機の一方側駆動入力及び他方側駆動入力と正極側電源及び負極側電源との接続状態を切り替えることにより、前記直流電動機の停止、正回転及び逆回転を行うスイッチ装置において、前記直流電動機の一方側駆動入力と負極側電源との間の接続を断接するスイッチAと、前記直流電動機の他方側駆動入力と負極側電源との間の接続を断接するスイッチBと、前記直流電動機の一方側駆動入力と正極側電源との間の接続及び前記直流電動機の他方側駆動入力と正極側電源との間の接続を断接するスイッチCとを備え、前記スイッチA及びスイッチBは常閉タイプのスイッチ、前記スイッチCは常開タイプのスイッチであり、且つ、前記スイッチA又はスイッチBがクローズ状態となるとき、その所定時間前に前記スイッチCがオープン状態となることを特徴とするものである。
【0074】
ここで、スイッチA及びスイッチBを常開タイプのスイッチとする態様もあり得る。又は、前記スイッチCを二組のスイッチで構成するという態様もあり得る。
【0075】
この発明では、スイッチA又はスイッチBがクローズ状態となるとき、スイッチCが所定の時間前にオープン状態となり、電源経路を事前に遮断して、デッドショート問題の解消が図られる。また、前記スイッチCをスライド式の構造とすることにより、スイッチCのクローズからオープン状態への復帰フィーリングの改善が図られる。
【0076】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施の形態におけるスイッチ装置1の分解図である。スイッチ装置1は、図面の上から順に、スライダ2、スライドレール兼用上蓋(以下、単に「上蓋」という。)3、二つの押しボタン4、5、接点機構6、及び、筐体7から構成され、このスイッチ装置1は、サブアッセンブリ化された接点機構6を筐体7の内部に組み入れた後、筐体7の上面開口部を、二つの押しボタン4、5とスライダ2を組み付けた上蓋3で閉鎖して組み立てられる。
【0077】
上蓋3は、押しボタン4、5の挿入穴3a、3bと、スライダ2を図中のL方向とR方向にスライド可能に保持するスライドレール部3c、3dとを有している。スライダ2の上面には、従来技術(図10参照)におけるスライダ117の上部突起127に相当する突起2a、2bが設けられている。この突起2a、2bは、たとえば、図10(a)に示すノブ102の下部突起106の先端に係合可能であり、スライダ2は、ノブ102の下部突起106の左右方向への揺動(UP状態とDOWN状態)に追随して、図面左右方向(L方向/R方向)にスライドする。また、スライダ2の下面には、二つの傾斜面付突起部2c、2dと一つの柱状突起部2eとが設けられている。
【0078】
ここに、図中のX−X、Y−Y及びZ−Zは、スライダ2の三つの破断面方向を示している。これらの破断面はスライダ2の移動方向(L方向/R方向)と並行し、且つ、二つの傾斜面付突起部2c、2dと一つの柱状突起部2eとを破断する。つまり、一方の傾斜面付突起部2cはX−X破断面に位置し、他方の傾斜面付突起部2dはZ−Z破断面に位置し、柱状突起部2eは中間のY−Y破断面に位置している。
【0079】
図2は、スライダ2のX−X破断面とZ−Z破断面を示す図であり、(a)はスライダ2を中立状態にしたときのもの、(b)及び(c)はスライダ2をそれぞれL方向(UP状態)とR方向(DOWN状態)に移動させたときのものである。
【0080】
(a)において、一方の傾斜面付突起部(以下「第一の傾斜面付突起部」という。)2cは、押しボタン4を押し下げるための図面右下り方向の傾斜面2c_1とそれに続く平坦面2c_2とを有し、また、他方の傾斜面付突起部(以下「第二の傾斜面付突起部」という。)2dは、押しボタン5を押し下げるための図面左下り方向の傾斜面2d_1とそれに続く平坦面2d_2とを有している。
【0081】
スライダ2が中立状態にあるとき、押しボタン4、5はいずれもスライダ2の下面2fに当接して最上方位置にあるが、(b)に示すように、スライダ2をL方向にスライドさせると、一方の押しボタン4は、第一の傾斜面付突起部2cの傾斜面2c_1に当接しつつ徐々に図面下方に押し下げられながら最終的に平坦面2c_2との当接位置(最下方位置)に至り、他方の押しボタン5は、スライダ2の下面2fに当接したままその位置(最上方位置)を維持する。また、(c)に示すように、スライダ2をR方向にスライドさせると、他方の押しボタン5は、第二の傾斜面付突起部2dの傾斜面2d_1に当接しつつ徐々に図面下方に押し下げられながら最終的に平坦面2d_2との当接位置(最下方位置)に至り、一方の押しボタン4は、スライダ2の下面2fに当接したままその位置(最上方位置)を維持する。
【0082】
再び図1に戻って、接点機構6は、中央部分にU字状部8aを有する弾性部材8と、弾性部材8のU字状部8aを着座させる着座部9aを有する良導電性且つ剛性素材からなる平板状可動片9と、二つの金属製バネ板状可動片10、11と、各金属製バネ板状可動片10、11毎の共通端子部材12、13と、二つの常閉接点端子用部材14、15と、筐体7に組み込まれている金属配線7eとを含む。
【0083】
金属配線7eの中央部分は筐体7の底面から一段高くなっており、同中央部分に弾性部材8が載置されるようになっている。また、金属配線7eの一端は筐体7の一側面に設けられた端子7fに接続され、金属配線7eの他端は筐体7の他側面に設けられた端子7gに接続されている。端子7f、7gはいずれも金属配線7eの外部引き出し用であり、いずれか一方のみを設けるようにしてもよいが、図示のように筐体7の両側面から端子7f、7gを引き出しておくと、スイッチ装置1を車両に組み付ける際に、他部品との干渉や配線の引き回しなどを考慮して都合のよい端子(端子7f、7gのいずれか)を選択使用できるから好ましい。
【0084】
共通端子部材12、13は、金属等の良導電性素材で作られており、それぞれ金属製バネ板状可動片10、11を個別に保持するための保持部12a、13aと、それぞれ接点C2、C3を有する電極形成部12b、13bと、筐体7の端子係合部7a、7bに取り付けられる端子12c、13cとを有し、また、常閉接点端子用部材14、15は、それぞれ接点A1、B1を有する電極形成部14a、15aと、筐体7の端子係合部7c、7dに取り付けられる端子14b、15bとを有している。
【0085】
二つの金属製バネ板状可動片10、11は、金属等の良導電性且つバネ性素材で作られており、各々の先端には接点A2、接点B2が取り付けられている。これらの金属製バネ板状可動片10、11は、先に説明した押しボタン4、5の押し下げ操作によって弾性変形し、各接点の接続を切り替えるものである。
【0086】
図3は、二つの金属製バネ板状可動片10、11の接点切り替え状態図である。(a)において、金属製バネ板状可動片10は、通常、接点A1と接点A2との間をクローズしているが、押しボタン4の押し下げ操作に応答して弾性変形すると、接点A1と接点A2との間をオープンにするようになっており、また、(b)において、金属製バネ板状可動片11は、通常、接点B1と接点B2との間をクローズしているが、押しボタン5の押し下げ操作に応答して弾性変形すると、接点B1と接点B2との間をオープンにするようになっている。したがって、接点A1とA2及び接点B1とB2は、通常は閉じている常閉接点(NC接点)を構成する。以下、説明の便宜上、接点A1とA2で構成される常閉スイッチのことを「スイッチA」と呼ぶことにし、接点B1とB2で構成される常閉スイッチのことを「スイッチB」と呼ぶことにする。ただし、従来技術でも同じスイッチ呼称(スイッチA、B)を用いているが、本実施の形態におけるスイッチA、Bと従来技術のスイッチ呼称との間には何らの関連性もない。
【0087】
本実施の形態においては、上記のスイッチAやスイッチBに加えて、以下に説明する第三のスイッチ(スイッチCと呼ぶことにする。)を備える。
【0088】
図4は、スイッチCの構造を示す図である。スライダ2の下面には弾性部材8が当接しており、この弾性部材8は、U字状部8aを図中下方に押し付ける付勢力P発揮し、弾性部材8と金属配線7eの間に入れられた平板状可動片9の自由な動きを上記の付勢力Pで規制する。平板状可動片9の一方側(図面の左側)には電極形成部12bに設けられた接点C2が少し離れて位置し、平板状可動片9の他方側(図面の右側)には電極形成部13bに設けられた接点C3が少し離れて位置している。このような構成において、スライダ2が中立状態(図示の状態)にあるとき、平板状可動片9は金属配線7eに載置されたままであるが、スライダ2をL方向またはR方向に移動させると、図5に示すように、平板状可動片9は金属配線7eの左端(または右端)から滑り落ち、同端側に位置する接点(C2またはC3)と接触する。
【0089】
ここで、平板状可動片9及び金属配線7eを一体として接点C1と呼ぶことにし、また、スライダ2のL方向またはR方向移動開始時点から接点(C2またはC3)への接触時点までの時間を便宜的に「クローズ遅れ時間Td_Close」ということにし、さらに、平板状可動片9が接点(C2またはC3)から離反した時点とスライダ2の中立状態への復帰時点までの時間を便宜的に「オープン遅れ時間Td_Open」ということにすると、接点C1、C2及びC3は、
▲1▼スライダ2が中立状態にあるときにいずれの接点もオープン(常開)とし、
▲2▼スライダ2がL方向に移動したときときに上記のクローズ遅れ時間Td_Close後に接点C1とC2をクローズとし、
▲3▼スライダ2がR方向に移動したときときに上記のクローズ遅れ時間Td_Close後に接点C1とC3をクローズとし、且つ、
▲4▼スライダ2をL方向またはR方向への移動状態(UP状態またはDOWN状態)から中立状態へ復帰させる際にスイッチAやスイッチBの接点切り換えに先立って接点C1をオープンとする
「スイッチC」を構成する。
【0090】
図6は、以上の構成を有するスイッチ装置1の回路図であり、特に限定しないが、自動車等車両のウィンドウ開閉用直流電動機の回転及び停止を行うために用いられるものである。
【0091】
スイッチ装置1は、上記の各スイッチA〜Cを含む。スイッチAは接点A1、A2からなり、スイッチBは接点B1、B2からなり、スイッチCは接点C1、C2、C3からなる。
【0092】
図に示すように、スイッチAの接点A1は端子14bを介して負極側電源(グランド線116aの電位;0V)に接続され、スイッチBの接点B1は端子15bを介して負極側電源(グランド線116bの電位;0V)に接続されている。また、スイッチCの接点C1は端子7f(または端子7g)を介して正極側電源(+B線115の電位;+42V)に接続され、スイッチCの接点C2、C3はそれぞれスイッチAの接点A2とスイッチBの接点B2に電気的に接続されている。さらに、スイッチAの接点A2(及びスイッチCの接点C2)は端子12cを介して直流電動機101の一方駆動入力101aに接続され、スイッチBの接点B2(及びスイッチCの接点C3)は端子13cを介して直流電動機101の他方駆動入力101bに接続されている。
【0093】
図6において、図示のスイッチA、B、Cの接点位置は、押しボタン4、5が押し下げられていないとき(スライダ2が中立状態にあるとき:図2(a)参照)のものであり、この状態では、グランド線116a→端子14b→スイッチAの接点A1→スイッチAの接点A2→端子12cの経路で、直流電動機101の一方駆動入力101aに負極側電源が加えられると共に、グランド線116b→端子15b→スイッチBの接点B1→スイッチBの接点B2→端子13cの経路で、直流電動機101の他方駆動入力101bに負極側電源が加えられる。この場合、直流電動機101は停止状態にある。
【0094】
一方、スライダ2をL方向に動かした場合(図2(b)参照)、押しボタン4が下方移動し、それに伴って、スイッチAの接点A1と接点A2の間がオープンになる。このとき、押しボタン5は下方移動せず、スイッチBの接点B1と接点B2はクローズのままである。さて、このとき、スイッチCは、スライダ2のL方向移動に伴って平板状可動片9が滑り始め、所定のクローズ遅れ時間Td_Close後に接点C1とC2をクローズする(図5(a)参照)。したがって、この場合は、+B線115→端子7f→スイッチCの接点C1→スイッチCの接点C2→端子12cの経路で直流電動機101の一方駆動入力101aに正極側電源が加えられると共に、グランド線116b→端子15b→スイッチBの接点B1→スイッチBの接点B2→端子13cの経路で直流電動機101の他方駆動入力101bに負極側電源が加えられるため、直流電動機101は正回転し、ウィンドウが閉方向駆動される。
【0095】
他方、スライダ2をR方向に動かした場合(図2(c)参照)、押しボタン5が下方移動し、それに伴って、スイッチBの接点B1と接点B2の間がオープンになる。このとき、押しボタン4は下方移動せず、スイッチAの接点A1と接点A2はクローズのままである。さて、このとき、スイッチCは、スライダ2のR方向移動に伴って平板状可動片9が滑り始め、所定のクローズ遅れ時間Td_Close後に接点C1とC3をクローズする(図5(b)参照)。したがって、この場合は、+B線115→端子7f→スイッチCの接点C1→スイッチCの接点C3→端子13cの経路で直流電動機101の他方駆動入力101bに正極側電源が加えられると共に、グランド線116a→端子14b→スイッチAの接点A1→スイッチAの接点A2→端子12cの経路で直流電動機101の一方駆動入力101aに負極側電源が加えられるため、直流電動機101は逆回転し、ウィンドウが開方向駆動される。
【0096】
図7は、スイッチA、B、Cの接点切り替え動作と直流電動機101の停止/回転動作の状態対応図であり、詳しくは、(イ)はスライダ2を中立状態からL方向に動かし、再び中立状態に戻したときの状態図、(ロ)はスライダ2を中立状態からR方向に動かし、再び中立状態に戻したときの状態図である。
【0097】
(イ)において、スライダ2が中立状態にあるときは、スイッチAの接点A1と接点A2がクローズしており、また、スイッチBの接点B1と接点B2もクローズしており、さらに、スイッチCの接点C1がオープンになっているから、直流電動機101は停止(STOP)状態にある。
【0098】
この状態からスライダ2をL方向に移動させると、まず、押しボタン4が下方移動してスイッチAの接点A1と接点A2がオープン(スイッチBの接点B1と接点B2はクローズのまま)となり、次いで、所定のマージン時間(Td1)遅れてスイッチCの接点C1と接点C2がクローズし、直流電動機101は正方向(UP)回転する。
【0099】
そして、スライダ2を中立状態に復帰させると、まず、スイッチCの接点C1と接点C2がオープンとなり、次いで、所定のマージン時間(Td2)遅れて押しボタン4が上方移動してスイッチAの接点A1と接点A2がクローズし、直流電動機101は再び停止(STOP)する。
【0100】
(ロ)において、スライダ2が中立状態にあるときは、スイッチAの接点A1と接点A2がクローズしており、また、スイッチBの接点B1と接点B2もクローズしており、さらに、スイッチCの接点C1がオープンになっているから、直流電動機101は停止(STOP)状態にある。
【0101】
この状態からスライダ2をR方向に移動させると、まず、押しボタン5が下方移動してスイッチBの接点B1と接点B2がオープン(スイッチAの接点A1と接点A2はクローズのまま)となり、次いで、所定のマージン時間(Td3)遅れてスイッチCの接点C1と接点C3がクローズし、直流電動機101は逆方向(DOWN)回転する。
【0102】
そして、スライダ2を中立状態に復帰させると、まず、スイッチCの接点C1と接点C3がオープンとなり、次いで、所定のマージン時間(Td4)遅れて押しボタン5が上方移動してスイッチBの接点B1と接点B2がクローズし、直流電動機101は再び停止(STOP)する。
【0103】
ここで、図中のマージン時間Td1及びTd3は前述のクローズ遅れ時間Td_Closeに対応し、また、マージン時間Td2及びTd4は前述のオープン遅れ時間Td_Openに対応する。これらのマージン時間Td1〜Td4は、スイッチCの構造、とりわけ、平板状可動片9の滑り長(平板状可動片9と金属配線7eとの接触長、つまり、図5の左右方向の長さのこと。)に依存する。滑り長を大きくするほど、平板状可動片9の“滑り落ち”のタイミング(クローズ遅れ時間Td_Close)が遅れるため、それだけマージン時間Td1及びTd3を大きくすることができる。同様に、滑り長を大きくするほど、平板状可動片9が接点(C2またはC3)を離反する時点からスライダ2の中立状態への復帰時点までの時間(オープン遅れ時間Td_Open)も大きくなるので、それだけマージン時間Td2及びTd4を大きくすることができる。
【0104】
さて、本発明の課題は、先にも説明したとおり、(A)42V系電気系統システムなどの高い電源電圧に適用してもスイッチユニットの大幅な大型化を招くことなく、接点ダメージを回避することができること、(B)中立状態への復帰フィーリングを悪化させないことの二点にある。
【0105】
まず、課題(A)について説明すると、本実施の形態においては、図7の状態対応図(イ、ロ)からも明らかなように、スライダ2がL方向またはR方向移動状態(UP状態またはDOWN状態)から中立状態へと復帰する際(従来のものはこのときにデッドショートが発生していた)に、スイッチCの接点C1をまずオープンにし、その後、所定のマージン時間Td2またはTd4を経過してからスイッチAまたはスイッチBの接点をクローズしている。
【0106】
すなわち、デッドショートは、直流電動機101を正回転又は逆回転から停止状態に戻す際に、電源につながる接点間の放電現象として発生するが、本実施の形態では、上記のとおり、「スイッチCの接点C1をまずオープンにし、その後、所定のマージン時間Td2またはTd4を経過してからスイッチAまたはスイッチBの接点をクローズする」ようにしたから、スイッチCの接点C1の事前オープンにより、電源経路をあらかじめ遮断してマージン時間分に対応するアーク放電電圧を十分に確保することができる。このため、接点C2又はC3には、デッドショートを発生させるだけの電圧(5〜7V以上)が残っておらず、この状態下でスイッチAまたはスイッチBの接点をクローズすることにより、デッドショートの発生を防止することができる。
【0107】
なお、以上の説明からも理解されるように、デッドショートの防止に必要なマージン時間は「Td2、Td4」である。このマージン時間Td2、Td4の適正値は、接点ギャップや電源電圧の大きさに依存するものの、たとえば、1〜10ms程度とすることができる。
【0108】
次に、課題(B)について説明すると、本実施の形態におけるスイッチCは、図4の記載からも明らかなように、スライド式の構造となっている。この構造にあっては、スライダ2のL方向またはR方向への移動抵抗と中立状態への復帰抵抗は、平板状可動片9の滑り抵抗で与えられ、この滑り抵抗の大きさはもっぱら弾性部材8の付勢力Pによって決まるから、付勢力Pを適正値とすることにより、第二の従来技術よりも、軽いタッチでスライダ2を移動し、また、復帰させることができる。したがって、従来技術のように押しボタン202p、202nがスライダ203aの凹部(下面凹部203c)に入り込まないため、とりわけ、スライダ2の復帰フィーリングを改善することができる。
【0109】
なお、本発明は、上記実施の形態の例に限定されない。その思想の範囲内において様々な変形例を含むことはもちろんである。
【0110】
図8(a)は、第一の変形例を示す図である。上記実施の形態の構成との相違は、スイッチA及びスイッチBを常開タイプのものとした点にある。この例においても、「スイッチCの接点C1をまずオープンにし、その後、所定のマージン時間Td2またはTd4を経過してからスイッチAまたはスイッチBの接点をクローズする」ことにより、上記の実施の形態と同様に、電源経路をあらかじめ遮断しておき、その遮断状態下でスイッチAまたはスイッチBの接点をクローズしてデッドショートの発生を防止することができる。
【0111】
図8(b)は、第二の変形例を示す図である。上記実施の形態の構成との相違は、スイッチA及びスイッチBを+B線115a、115bに接続し、スイッチCをグランド線116に接続した点にある。この例においても、「スイッチCの接点C1をまずオープンにし、その後、所定のマージン時間Td2またはTd4を経過してからスイッチAまたはスイッチBの接点をクローズする」ことにより、電源経路をあらかじめ遮断しておき、その遮断状態下でスイッチAまたはスイッチBの接点をクローズしてデッドショートの発生を防止することができる。
【0112】
図9(a)〜(c)は、第三〜第五の変形例を示す図である。図9(a)及び(b)において、上記実施の形態の構成との相違は、スイッチA及びスイッチBを常開タイプのものとした点、スイッチCを二つのスイッチ(接点C1aと接点C2、接点C1bと接点C3)で構成した点にある。また、図9(c)において、上記実施の形態の構成との相違は、スイッチCを二つのスイッチ(接点C1aと接点C2、接点C1bと接点C3)で構成した点にある。いずれの変形例も、スイッチCは、上記の実施の形態のスイッチCまたは上記の第一の変形例や第二の変形例のスイッチCと同じ働きをする。
【0113】
【発明の効果】
本発明によれば、スイッチA又はスイッチBがクローズ状態となるとき、スイッチCが所定の時間前にオープン状態となるので、電源経路を事前に遮断して、デッドショート問題の解消を図ることができる。また、前記スイッチCをスライド式の構造とすることにより、スイッチCのクローズからオープン状態への復帰フィーリングの改善も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態におけるスイッチ装置1の分解図である。
【図2】スライダ2のX−X破断面とZ−Z破断面を示す図である。
【図3】二つの金属製バネ板状可動片10、11の接点切り替え状態図である。
【図4】スイッチCの構造を示す図である。
【図5】スイッチCの切り換え状態図である。
【図6】スイッチ装置1の回路図である。
【図7】スイッチA、B、Cの接点切り替え動作と直流電動機101の停止/回転動作の状態対応図である。
【図8】スイッチ装置1の第一及び第二の変形例を示す回路図である。
【図9】スイッチ装置1の第三〜第五の変形例を示す回路図である。
【図10】第一の従来技術におけるスイッチ装置の構造図及びその回路図(中立状態のときのもの)である。
【図11】第一の従来技術におけるスイッチユニット108の外観図、スライダ117の平面図及びスライダ117の断面図である。
【図12】第一の従来技術におけるスイッチ装置の構造図及びその回路図(UP状態のときのもの)である。
【図13】運転席から他の席のウィンドウを開閉できるようにしたタイプのスイッチ装置を示すその回路図である。
【図14】全部で4個の端子を備えるスイッチ装置の回路図である。
【図15】接点ダメージの説明図である。
【図16】第二の従来技術におけるスイッチ装置200の要部構成図である。
【図17】第二の従来技術におけるスライダ117の平面図である。
【図18】第二の従来技術におけるスイッチング操作要素203の機能説明図である。
【図19】第二の従来技術のスイッチ装置200を適用して構成されたウィンドウ開閉用直流電動機の回転(正転・逆転)、停止システムの回路図である。
【符号の説明】
A スイッチ(スイッチA)
B スイッチ(スイッチB)
C スイッチ(スイッチC)
1 スイッチ装置
101 直流電動機
101a 一方側駆動入力
101b 他方側駆動入力
115 +B線(正極側電源)
116a グランド線(負極側電源)
116b グランド線(負極側電源)

Claims (5)

  1. 直流電動機の一方側駆動入力及び他方側駆動入力と正極側電源及び負極側電源との接続状態を切り替えることにより、前記直流電動機の停止、正回転及び逆回転を行うスイッチ装置において、
    前記直流電動機の一方側駆動入力と負極側電源との間の接続を断接するスイッチAと、
    前記直流電動機の他方側駆動入力と負極側電源との間の接続を断接するスイッチBと、
    前記直流電動機の一方側駆動入力と正極側電源との間の接続及び前記直流電動機の他方側駆動入力と正極側電源との間の接続を断接するスイッチCとを備え、
    前記スイッチA及びスイッチBは常閉タイプのスイッチ、前記スイッチCは常開タイプのスイッチであり、且つ、前記スイッチA又はスイッチBがクローズ状態となるとき、その所定時間前に前記スイッチCがオープン状態となる
    ことを特徴とするスイッチ装置。
  2. 直流電動機の一方側駆動入力及び他方側駆動入力と正極側電源及び負極側電源との接続状態を切り替えることにより、前記直流電動機の停止、正回転及び逆回転を行うスイッチ装置において、
    前記直流電動機の一方側駆動入力と正極側電源との間の接続を断接するスイッチAと、
    前記直流電動機の他方側駆動入力と正極側電源との間の接続を断接するスイッチBと、
    前記直流電動機の一方側駆動入力と負極側電源との間の接続及び前記直流電動機の他方側駆動入力と負極側電源との間の接続を断接するスイッチCとを備え、
    前記スイッチA及びスイッチBは常閉タイプのスイッチ、前記スイッチCは常開タイプのスイッチであり、且つ、前記スイッチA又はスイッチBがクローズ状態となるとき、その所定時間前に前記スイッチCがオープン状態となる
    ことを特徴とするスイッチ装置。
  3. 前記スイッチCはスライド式の構造を有することを特徴とする請求項1又は請求項2いずれかに記載のスイッチ装置。
  4. 前記スイッチA及びスイッチBは常開タイプのスイッチであることを特徴とする請求項1又は請求項2いずれかに記載のスイッチ装置。
  5. 前記スイッチCは二組のスイッチで構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2いずれかに記載のスイッチ装置。
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