JP4063416B2 - 日本酒の醸造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸し米および麹を原料として日本酒を醸造する日本酒の醸造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
日本酒を醸造する一方法として、玄米を精米した白米を洗米、浸漬、蒸し工程を経て生成される蒸し米を主原料として日本酒を醸造する、日本酒の醸造方法がある。当該醸造方法は、蒸し米に麹、水、酵母菌を加えて酒母を生成する工程(酒母生成工程)、酒母に麹、蒸し米、水を加えてもろみを仕込む工程(もろみの仕込み工程)、もろみを熟成する工程(もろみ熟成工程)等を主工程とするもので、所定量の麹と大量の仕込み水を使用する。
【0003】
ところで、一般に、日本酒の酒質は、水質、麹の酵素力価、蒸し米の硬軟、発酵温度等、種々の要素が絡み合って形成されるが、最終的には、杜氏の勘に頼っているのが実状である。
【0004】
日本酒を醸造する際の仕込み水に使用する水質に関しては、その硬度が酒質に大きく影響することが知られている。例えば、仕込み水として硬度が高い硬水を使用する場合には、酵素が活性化されて澱粉の液化および糖化が促進され、歩留まりが向上するとともに、蛋白質の加水分解が促進されてアミノ酸が生成されて、濃くのある酒質となる。また、仕込み水として硬度が低い軟水を使用する場合には、澱粉および蛋白質の分解が抑制されて、軽快な酒質となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、日本酒の酒質には、醸造する際に使用する仕込み水の水質が大きく影響することから、好みに応じた酒質の日本酒を醸造するには、その酒質に適した水質の水を使用することが必要であるが、醸造地がこのような好適な水質の水の産出地でない場合が往々にしてある。このような場合には、好適な水質の水を産出地から大量に取寄せる必要があるが、水の産出地から醸造地までの輸送には、水を大量に必要とすることからコストがかかり、結果として、日本酒のコストを増大させることになる。
【0006】
本発明者等は、これに対処すべく、日本酒の醸造に使用する仕込み水として、水を有隔膜電解して生成される電解生成水を使用することを提案しており、仕込み水に電解生成水を使用することにより、好みに応じた酒質の日本酒の醸造を試みている。しかしながら、この醸造方法を使用する場合には、仕込み水として大量の電解生成水を使用することになるため、大量の電解生成水を電解生成することが必要になる。
【0007】
従って、本発明の目的は、目的とする酒質の日本酒の醸造には必ずしも最適ではない水を使用して、目的とする酒質の日本酒を醸造し得るようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、玄米を精米して白米を生成する工程、白米を洗米、浸漬、蒸して蒸し米を生成する工程、蒸し米に酒母、麹、水を加えてもろみを仕込む初添え、仲添え、留添えの3段仕込み工程、もろみを熟成して熟成もろみを生成する工程、熟成もろみを圧搾して清酒を生成する工程により日本酒を醸造する醸造方法において、水を有隔膜電解して生成される電解生成水で処理した麹を使用することを特徴とする日本酒の醸造方法である。
【0009】
しかして、本発明に係る第1の醸造方法は、電解生成水であるアルカリ性水で処理した麹を使用して、蒸し米の仕込み水に対する溶解を抑制するようにしたことを特徴とするものである。また、本発明に係る第2の醸造方法は、電解生成水である酸性水で処理した麹を使用して、蒸し米の仕込み水に対する溶解を向上するようにしたことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の作用・効果】
本発明に係る第1の醸造方法においては、麹を処理するための電解生成水としてアルカリ性水を使用しているため、蒸し米の仕込み水への溶解を抑制し得て軽快な味の日本酒を醸造することができる。この場合、アルカリ性水は麹を処理するため使用するものであるから、仕込み水として使用する場合に比較して極めて少量ですみ、アルカリ性水を仕込み水とする日本酒の醸造に比較して醸造コストを低減することができる。
【0011】
当該醸造方法において、蒸し米の仕込み水への溶解が抑制される理由は必ずしも定かではないが、アルカリ性水で処理された麹の作用により、蒸し米の酵素反応による液化が抑制されて蛋白質の分解が抑制されるため、アミノ酸の含有量が少ない軽快な酒質の日本酒を醸造することができるものと推測される。
【0012】
また、本発明に係る第2の醸造方法においては、麹を処理するための電解生成水として酸性水を使用しているため、蒸し米の仕込み水への溶解を向上し得て濃くのある味の日本酒を醸造することができる。この場合、酸性水は麹を処理するために使用するものであるから、仕込み水として使用する場合に比較して極めて少量ですみ、酸性水を仕込み水とする日本酒の醸造に比較して醸造コストを低減することができる。
【0013】
当該醸造方法において、蒸し米の仕込み水への溶解を向上し得る理由は必ずしも定かではないが、酸性水で処理された麹の作用により、酵素が活性化されて澱粉の液化および糖化が促進され、蛋白質の加水分解が促進されてアミノ酸が生成されて濃くのある酒質の日本酒を醸造することができるものと推測される。また、当該醸造方法によれば、酵素が活性化されて澱粉の液化および糖化が促進されることから、歩留まりが向上するという利点がある。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係る醸造方法を使用した日本酒の製造方法の一例が、図1にフローチャートとして示されている。当該製造方法は、(1)玄米を精米して白米を生成する工程、(2)白米を洗米、浸漬、蒸して蒸し米を生成する工程、(3)蒸し米に酒母、麹、水を加えてもろみを仕込む初添え、仲添え、留添えの3段仕込み工程、(4)もろみを熟成して熟成もろみを生成する工程、(5)熟成もろみを圧搾して清酒を生成する工程、(6)清酒をおり引き、濾過、火入れ、貯蔵、規格調整等の処理をして製品化する工程にて構成されている。
【0015】
本発明においては、当該製造方法で使用する麹として、水を有隔膜電解して生成される電解生成水にて処理した麹を使用するものであり、麹を処理する電解生成水としてアルカリ性水と、酸性水を使用する2つの手段がある。従って、以下では、アルカリ性水で処理した麹を使用した場合の蒸し米の消化状態と、酸性水で処理した麹を使用した場合の蒸し米の消化状態を検討すべく、その実験を行った。
(蒸し米の消化実験1)
本消化実験は、白米を洗米、浸漬、蒸して調製した蒸し米の消化実験であり、麹の処理水として、水を有隔膜電解して生成されるアルカリ性水(pH11)、および、その源水である水道水(中性)の2種類の処理水を使用し、各処理水4mlを乾燥粉末状のそれぞれ2gの麹に加えて、12℃で1時間放置する処理を行った。処理された各麹と白米8gからなる蒸し米に、乳酸を0.13wt.%含む水道水12mlおよびトルエン1mlを加えて、12℃で14日間放置する消化実験を行った。その後、これらを、10,000rpmの回転速度で30分間遠心分離して上澄液と沈殿物に分離し、得られた上澄液の液量と還元糖量を測定した。以上の実験は、堀江修二、他(日本醸造協会誌、90,p51〜56,1995)にて提案されている方法に基づくものである。得られた結果を表1に示す。
【0016】
【表1】
Figure 0004063416
表1に示す結果から明らかなように、アルカリ性水で処理された麹を使用した場合には、蒸し米の溶解が抑制されることがわかる。蒸し米の溶解が抑制される理由を追求するため、各麹を各処理水で処理した場合の各処理水中に抽出される酵素の活性を測定した。その結果を表2に示す。
【0017】
【表2】
Figure 0004063416
表2に示す結果から明らかなように、アルカリ性水は麹の酵素活性を低下させる作用を有しており、このため、アルカリ性水で処理された麹は蒸し米の溶解を抑制しているものと推測される。
(蒸し米の消化実験2)
本消化実験は、白米を洗米、浸漬、蒸して調製した蒸し米の消化実験であり、麹の処理水として、水を有隔膜電解して生成される酸性水(pH4)、および、その源水である水道水(中性)の2種類の処理水を使用し、各処理水4mlを乾燥粉末状のそれぞれ2gの麹に加えて、12℃で1時間放置する処理を行った。処理された各麹と白米8gからなる蒸し米に、乳酸を0.13wt.%含む水道水12mlおよびトルエン1mlを加えて、12℃で14日間放置する消化実験を行った。その後、これらを、10,000rpmの回転速度で30分間遠心分離して上澄液と沈殿物に分離し、得られた上澄液の液量と還元糖量を測定した。以上の実験は、堀江修二、他(日本醸造協会誌、90,p51〜56,1995)にて提案されている方法に基づくものである。得られた結果を表3に示す。
【0018】
【表3】
Figure 0004063416
表3に示す結果から明らかなように、酸性水で処理された麹を使用した場合には、蒸し米の溶解が向上していることがわかる。蒸し米の溶解が向上される理由を追求するため、各麹を各処理水で処理した場合の各処理水中に抽出される酵素の活性を測定した。その結果を表4に示す。
【0019】
【表4】
Figure 0004063416
表4に示す結果から明らかなように、酸性水は麹のα−アミラーゼおよび酸性プロテアーゼの活性を上昇させる作用を有しており、このため、酸性水で処理された麹は蒸し米の溶解を向上させているものと推測される。
【図面の簡単な説明】
【図1】日本酒の製造工程の一例を示す工程図である。

Claims (2)

  1. 玄米を精米して白米を生成する工程、白米を洗米、浸漬、蒸して蒸し米を生成する工程、蒸し米に酒母、麹、水を加えてもろみを仕込む初添え、仲添え、留添えの3段仕込み工程、もろみを熟成して熟成もろみを生成する工程、熟成もろみを圧搾して清酒を生成する工程により日本酒を醸造する醸造方法において、水を有隔膜電解して生成されるアルカリ性水で処理した麹を使用して、蒸し米の仕込み水に対する溶解を抑制するようにしたことを特徴とする日本酒の醸造方法。
  2. 玄米を精米して白米を生成する工程、白米を洗米、浸漬、蒸して蒸し米を生成する工程、蒸し米に酒母、麹、水を加えてもろみを仕込む初添え、仲添え、留添えの3段仕込み工程、もろみを熟成して熟成もろみを生成する工程、熟成もろみを圧搾して清酒を生成する工程により日本酒を醸造する醸造方法において、水を有隔膜電解して生成される酸性水で処理した麹を使用して、蒸し米の仕込み水に対する溶解を向上させるようにしたことを特徴とする日本酒の醸造方法。
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