JP3155686B2 - バイオセルロースの製造方法 - Google Patents

バイオセルロースの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アセトバクタ ザ
イリナム(Acetobacter xylinum)の培養により得られる
バイオセルロースの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、バイオセルロース食品として、例
えばナタ・デ・ココ(nata de coco)が知られている。
このナタ・デ・ココは、例えばフィリピンにおいて製造
される場合、ココナッツから削り採った果肉に水を加え
て圧搾濾過し、得られた濾液であるココナッツミルクに
砂糖やブドウ糖、酢および酢酸菌の一種であるアセトバ
クタ ザイリナム(Acetobacter xylinum)を含有する種
菌を混和し、プラスチック容器で約10日間培養し、ゼ
ラチン質状のナタ・デ・ココを形成する。
【0003】そして、このナタ・デ・ココをプラスチッ
ク容器から取り出し、所定の大きさに切断し、水洗後、
砂糖液で煮込んで食用に供したり、砂糖液漬けとして食
用に供している。
【0004】また、バイオセルロース食品としては、コ
コナッツを原料とするものの他、パイナップルを原料と
するナタ・デ・ピナ(nata de pina)やサントルなどを
原料とするナタ・デ・サントル(nata de santol)など
も知られている。
【0005】さらには、コーンスターチやじゃがいも澱
粉などにα−アミラーゼおよびグルコアミラーゼを添加
してブドウ糖を生成する方法が知られている一方、ブド
ウ糖を培地に用いてアセトバクタ ザイリナム(Acetoba
cter xylinum)を培養させ、アセトバクタ ザイリナム
(Acetobacter xylinum)の培養のための栄養源となるポ
リペプトンや酵母エキス、燐酸水素二ナトリウム、硫酸
アンモニウムなどを適宜添加してバイオセルロースを生
成する方法も知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ココナッツ
やパイナップル、サントルは、フィリピンなどの温暖な
気候の地区では比較的安価に入手できるが、わが国など
では、これら原料を安価に入手できず、バイオセルロー
ス食品を安価に提供できない問題がある。
【0007】一方、コーンスターチやじゃがいも澱粉な
どからブドウ糖を生成する方法に、この方法にて得られ
たブドウ糖を培地としてアセトバクタ ザイリナム(Ace
tobacter xylinum)を培養させ、バイオセルロースを生
成する方法を用いることも考えられるが、澱粉を得るた
めにトウモロコシやじゃがいもなどから澱粉を精製する
工程が必要となる一方、アセトバクタ ザイリナム(Ace
tobacter xylinum)を培養するために各種ミネラルや栄
養素などの添加が必要となり、効率よく安価にバイオセ
ルロースが得られない問題を有している。
【0008】本発明は、上記問題点に鑑みて、安価なバ
イオセルロースを製造する製造方法を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のバイオセ
ルロースの製造方法は、米糠および脱脂糠の少なくとも
いずれか一方と水との混合物にα−アミラーゼ、澱粉分
解酵素、繊維質分解酵素および蛋白質分解酵素を混和し
て培地溶液を形成し、この培地溶液にアセトバクタ ザ
イリナム(Acetobacter xylinum)を接種して静置培養し
溶液を分離除去するもので、安価な米糠および脱脂糠を
原料に用いて安価なバイオセルロースを容易に提供可能
となる。
【0010】請求項2記載のバイオセルロースの製造方
法は、請求項1記載のバイオセルロースの製造方法にお
いて、澱粉糖化酵素は、グルコアミラーゼで、繊維質分
解酵素および蛋白分解酵素は、セルラーゼ、ヘミセルラ
ーゼ、キシラナーゼ、ペントサン分解酵素およびプロテ
アーゼを含むトリコデルマ リーセイ(Trichoderma res
sei)にて生成された酵素であるもので、米糠や脱脂糠中
の澱粉、繊維質および蛋白質の分解が容易で、米糠およ
び脱脂糠中の各種ミネラルや栄養素によりアセトバクタ
ザイリナム(Acetobacter xylinum)の効率のよい培養
が容易で、米糠や脱脂糠から安価で容易にバイオセルロ
ースが生成される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態のバ
イオセルロース食品の製造方法の構成を説明する。
【0012】まず、あらかじめ玄米を搗精して得られた
米糠および脱脂糠の少なくともいずれか一方に水を加え
て混合し、例えば7重量%の米糠および脱脂糠と水との
混合物である糠懸濁液を形成する。なお、米糠や脱脂糠
は、単独でも混合してもよく、濃度が5重量%より薄い
とバイオセルロースの生成率が低下して製造効率が低下
するため、糠懸濁液の濃度は、5重量%以上好ましくは
7重量%以上に設定される。
【0013】そして、この糠懸濁液を90℃以上100
℃以下で1時間程度加熱した後、例えば30℃以上75
℃以下に冷却し、この温度範囲で澱粉液化酵素であるα
−アミラーゼを適宜、例えば0.001重量%以上0.
3重量%以下の割合で混合し、良好に酵素の働きが進行
する所定のpH例えばpH6.0〜9.0となるように
調整する。
【0014】なお、糠懸濁液を一旦90℃以上100℃
以下に加熱するのは、米糠や脱脂糠中の澱粉をアルファ
化し、後工程で添加するα−アミラーゼやグルコアミラ
ーゼが働きやすいようにするためである。また、30℃
以上75℃以下に冷却するのは、後工程で添加されるα
−アミラーゼの働きやすい温度帯とするためである。ま
た、α−アミラーゼは、0.001重量%より少ないと
添加量が米糠や脱脂糠の量に対して少なくなり澱粉液化
の程度が低く米糠および脱脂糠の分解率が低下して効率
よくバイオセルロースが生成できず、0.3重量%より
多く投入しても米糠および脱脂糠の分解率に変化はほと
んどなくコストが増大するのみであるため、0.001
重量%以上0.3重量%以下の割合、好ましくは0.1
重量%の割合で添加される。一方、温度が30℃より低
いと酵素活性が低下して澱粉液化に時間を要し、75℃
より高いと酵素が失活するため、温度は30℃以上75
℃以下に設定される。さらに、pHが4.0より酸性が
強くなると酵素活性が低下して澱粉液化に時間を要し、
pHが9.0よりアルカリ性が強くなると同様に酵素活
性が低下するため、pHは4.0〜9.0、好ましくは
残存活性が安定したpHが6.0〜9.0に設定され
る。
【0015】次に、このα−アミラーゼで処理した糠懸
濁液を温度およびpHを適宜調整、例えば45℃以上5
5℃以下に冷却するとともにpH3.5〜5.5となる
ように調整する。そして、この糠懸濁液に澱粉糖化酵素
であるグルコアミラーゼ(gluco amylase )を例えば
0.001重量%以上0.3重量%以下の割合で、繊維
質分解酵素および蛋白質分解酵素として、セルラーゼ
(cellulase )、ヘミセルラーゼ(hemicellulase )、
キシラナーゼ(xylanase)、ペントサン(pentosan)分
解酵素およびプロテアーゼ(protease)を含むトリコデ
ルマ リーセイ(Trichoderma ressei)にて生成された酵
素剤を0.001重量%以上0.3重量%以下の割合で
それぞれ混和する。
【0016】なお、温度およびpHを調整してα−アミ
ラーゼを添加した後の糠懸濁液を、再び45℃以上55
℃以下の温度に調整するのは、後工程で添加するグルコ
アミラーゼは50℃以上55℃以下好ましくは55℃で
効率よく良好に作用し、トリコデルマ リーセイ(Trich
oderma ressei)にて生成された酵素剤が45℃以上55
℃以下好ましくは50℃で効率よく良好に作用するた
め、両酵素が良好に作用する45℃以上55℃以下の温
度に調整する。また、同様にα−アミラーゼで処理した
後のpHを3.5〜5.5に調整するのは、グルコアミ
ラーゼが効果的に作用するpHが3.5〜5.5好まし
くは4.0〜5.0、トリコデルマ リーセイ(Trichod
erma ressei)にて生成された酵素剤が安定性を示すpH
が3.0〜6.0好ましくは5.0〜5.5であるた
め、両酵素が良好に作用する3.5〜5.5好ましくは
5.0前後に調整する。
【0017】さらに、グルコアミラーゼは、添加量が
0.001重量%より少ないと糠に対して少なくなり澱
粉糖化率が低下して効率よくバイオセルロースが生成で
きず、0.3重量%より多く添加しても澱粉糖化率に変
化はなくコストが増大するのみであるため、0.001
重量%以上0.3重量%以下、好ましくは0.1重量%
の割合で添加される。同様に、トリコデルマ リーセイ
(Trichoderma ressei)にて生成された酵素剤は、糠に対
して0.001重量%より少ないと糠中の澱粉、繊維質
および蛋白質などの分解性が低下し、0.3重量%より
多く投入しても分解率に変化はなくコストが増大するの
みであるため、0.001重量%以上0.3重量%以下
の割合、好ましくは0.1重量%の割合で混和される。
【0018】この後、これら澱粉液化酵素であるα−ア
ミラーゼ、澱粉糖化酵素であるグルコアミラーゼおよび
繊維質分解酵素および蛋白質分解酵素としてのセルラー
ゼ、ヘミセルラーゼ、キシラナーゼ、ペントサン分解酵
素およびプロテアーゼを含むトリコデルマ リーセイ(T
richoderma ressei)にて生成された酵素剤を糠懸濁液に
混和し分解された糠分解液を例えば吸引濾過して残渣を
分離除去し、培養容器に入れて滅菌し、培地溶液を形成
する。
【0019】次に、得られた培地溶液にアセトバクタ
ザイリナム(Acetobacter xylinum)を含有する種菌をこ
の培地溶液に対して0.2〜10容量%の割合で接種す
る。
【0020】この後、恒温器などを用いて、例えば約2
8℃以上30℃以下で1週間以上3週間以下の期間静置
培養する。なお、アセトバクタ ザイリナム(Acetobact
er xylinum)は、接種量が0.2容量%より少ないとバ
イオセルロースの合成に時間がかかり、10容量%より
多く接種しても合成率は変らないので、アセトバクタザ
イリナム(Acetobacter xylinum)は、0.2〜10容量
%の割合で接種される。
【0021】そして、アセトバクタ ザイリナム(Aceto
bacter xylinum)の静置培養により、培養容器内の上部
にゼラチン質状のバイオセルロースが形成される。この
バイオセルロースは、培養中のわずかな振動でも上部に
良好なセルロース膜を形成しない場合があるので、振動
や衝撃などを与えないように静置培養する。この得られ
たバイオセルロースを培養容器から取り出し、水洗後に
所定の形状に切断する。なお、バイオセルロースが分離
された培養容器内の溶液は、次に培地溶液に接種してバ
イオセルロースを形成する種菌として再利用される。
【0022】そして、切断したバイオセルロースを繰り
返し水洗した後、甘味料や、塩、醤油、香料などの調味
料で調味したり、色素やビタミン類などを添加、例えば
甘味料含有溶液である砂糖液などにて煮込んだり、砂糖
液とともに缶詰や瓶詰の状態に密閉して殺菌することに
より、ナタ・デ・ココとほぼ同品質のバイオセルロース
食品を形成する。
【0023】なお、バイオセルロースを直ちにバイオセ
ルロース食品に加工せず保管する場合は、酢酸水溶液な
どに浸して保存し、砂糖液で煮込んだり缶詰や瓶詰状態
に封入する前に酢酸水溶液などを水洗する。
【0024】上記実施の一形態は、米糠および脱脂糠の
少なくともいずれか一方を含有する糠懸濁液に澱粉液化
酵素としてのα−アミラーゼ、澱粉糖化酵素としてのグ
ルコアミラーゼ、繊維質分解酵素および蛋白質分解酵素
として、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、キシラナーゼ、
ペントサン分解酵素およびプロテアーゼを含むトリコデ
ルマ リーセイ(Trichoderma ressei)にて生成された酵
素剤を混和し分解した後に残渣を除去して培地溶液と
し、この培地溶液にアセトバクタ ザイリナム(Acetoba
cter xylinum)を含有する種菌を接種して静置培養し、
生成されたバイオセルロースを溶液から分離して形成す
る。このため、米糠や脱脂糠中の澱粉および、繊維質を
糖質であるブドウ糖に容易に分解でき、アセトバクタ
ザイリナム(Acetobacter xylinum)が効率よくバイオセ
ルロースを形成できる。そして、最近では産業廃棄物と
同様な扱いがなされる非常に安価な米糠および脱脂糠を
利用でき、これら非常に安価な原料を用いても従来のコ
コナッツなどから生成されるバイオセルロースであるナ
タ・デ・ココと同品質のバイオセルロースを安価に効率
よく形成できる。
【0025】さらに、米糠や脱脂糠には、アセトバクタ
ザイリナム(Acetobacter xylinum)の培養に必要な各
種ミネラルや栄養素が多く含まれており、また米糠や脱
脂糠中の蛋白質が例えばプロテアーゼなどの酵素にて分
解された蛋白質分解物が栄養源となり、アセトバクタ
ザイリナム(Acetobacter xylinum)を効率よく培養で
き、容易に効率よくバイオセルロースを生成できる。
【0026】また、この安価なバイオセルロースを、甘
味料含有溶液である砂糖液にて煮込んだり、砂糖液とと
もに缶詰や瓶詰などの状態に密封することにより、安価
なバイオセルロース食品を容易に形成できる。
【0027】なお、上記実施の一形態において、澱粉糖
化酵素はグルコアミラーゼに限らず、他の澱粉糖化酵素
を用いることも可能であるが、グルコアミラーゼが好ま
しい。さらに、繊維質分解酵素および蛋白質分解酵素と
して、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、キシラナーゼ、ペ
ントサン分解酵素およびプロテアーゼを含むトリコデル
マ リーセイ(Trichoderma ressei)にて生成された酵素
剤を用いたが、繊維質分解酵素および蛋白質分解酵素を
それぞれ別々に混和したり、セルラーゼ、ヘミセルラー
ゼ、キシラナーゼ、ペントサン分解酵素およびプロテア
ーゼをそれぞれ別々に混和してもできる。
【0028】一方、バイオセルロースをそのままバイオ
セルロース食品としてコンニャクなどの代替品に供した
り、適宜甘味料、塩、醤油、香料などの調味料や色素お
よびビタミン類などを添加して、ゼリーや味付きコンニ
ャクなどの嗜好食品や惣菜などとして用いることもで
き、汎用性を向上できる。
【0029】そして、酵素分解率を向上させるために米
糠を一旦粉砕したが、粉砕せずに水に混合するのみでで
きる。なお、粉砕により分解率が向上し、効率よくバイ
オセルロースを生成できる。
【0030】また、糠が高濃度となるように糠に水を加
えて混合した糠懸濁液、例えば10重量%以上30重量
%以下の高濃度の糠懸濁液を調整し、この糠懸濁液を各
種酵素で分解した後に、水で適宜希釈し、バイオセルロ
ースを形成することもできる。この構成によれば、生産
効率を向上でき、工業性の向上による安価なバイオセル
ロースが得られる。
【0031】さらに、糠分解液から残渣を吸引濾過にて
分離し滅菌して培地溶液を形成し、アセトバクタ ザイ
リナム(Acetobacter xylinum)を静置培養して説明した
が、糠分解液から残渣を分離せずに培地溶液としてアセ
トバクタ ザイリナム(Acetobacter xylinum)を静置培
養してバイオセルロースを形成することもできる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の一実施例のバイオセルロース
の製造方法を図1を参照して説明する。
【0033】上記実施の一形態のバイオセルロースの製
造方法に基づいて、米糠を原料としてバイオセルロース
を生成し、従来のココナッツから製造したバイオセルロ
ースであるナタ・デ・ココを比較試料として、これらバ
イオセルロースをそれぞれ同様に調味料としての甘味料
である砂糖液にて煮込んでバイオセルロース食品を形成
し、歯触りや舌触りなどの官能試験を行った。
【0034】すなわち、図1において、脱脂糠をブレン
ダを用いて粉砕し、この粉砕した脂肪糠50.0gに水
を加えながら攪拌して500mlとして糠懸濁液を調整す
る。この糠懸濁液を90〜100℃で1時間加熱した
後、60℃まで放冷してpHを6.0に調整し、α−ア
ミラーゼである協和ソルザイム株式会社製のクライスタ
ーゼを0.1重量%である50mg混和し、再び60℃、
pH6.0で3時間攪拌混合する。そして、クエン酸を
適宜添加してpHを5.0に調整する。次に、澱粉糖化
酵素であるグルコアミラーゼとしての協和ソルザイム株
式会社製の商品名Rhizopus Glucoamylase を0.1重量
%である50mg、繊維質分解酵素および蛋白質分解酵素
としてトリコデルマ リーセイ(Trichoderma ressei)
て生成された酵素剤である協和ソルザイム株式会社製の
商品名Sumizyme Xを0.1重量%である50mgを50℃
で14時間攪拌混合する。この後、水を加えて500ml
の糠分解液とし、この糠分解液を吸引濾過により残渣と
培地溶液とに濾過分離する。なお、50℃で14時間攪
拌混合により、pHは4.48となる。
【0035】そして、吸引濾過にて得られた残渣を水中
に分散して500mlとした後に吸引濾過する水洗を6回
繰り返し、17.94gの残渣を得る。
【0036】一方、pH4.48で430ml得られた培
地溶液を水酸化ナトリウムでpH6.0に調整して6
6.5mlを培養瓶に投入し、オートクレーブで121
℃、20分間滅菌する。そして、アセトバクタ ザイリ
ナム(Acetobacter xylinum)を培養した種菌を無菌室で
約5容量%である3.5ml接種し、恒温器で28〜30
℃で2週間静置培養する。なお、36時間経過後には表
面にセルロース膜ができ始め、2週間後には約1cmの厚
さのゼラチン状のセルロース膜が形成されていた。そし
て、2週間の静置培養後、固形分すなわちバイオセルロ
ースを取り出し、バイオセルロースは砂糖液にて煮込ん
で甘く味付けしてバイオセルロース食品とし、残液は別
の製造方法の種菌に用いた。
【0037】ところで、培地溶液を吸引濾過して分離し
水洗後の残渣が17.94gであったことから、高度に
米糠が酵素分解されたことが分かる。
【0038】すなわち、米糠の分解率は、 分解率={1−(分解後の固形分/最初の固形分}×100 ={1−(17.94/(50×(1−0.131)}×100 =58.7% で、未分解の澱粉、蛋白質、繊維質などが少なく高度に
米糠が分解されていることが分かる。
【0039】そして、上記方法にて形成したバイオセル
ロース食品と比較試料との官能試験の結果を表1に示
す。
【0040】
【表1】 この表1に示す官能試験の結果、従来のココナッツから
製造したバイオセルロースとほぼ同様の舌触りや歯触
り、味が得られた。
【0041】
【発明の効果】請求項1記載のバイオセルロースの製造
方法によれば、米糠および脱脂糠の少なくともいずれか
一方と水との混合物にα−アミラーゼ、澱粉糖化酵素、
繊維質分解酵素および蛋白質分解酵素を混和して得られ
た培地溶液に、アセトバクタザイリナム(Acetobacter x
ylinum)を接種して静置培養し溶液を分離除去するた
め、安価な米糠および脱脂糠を原料に用いて安価なバイ
オセルロースを容易に生成できる。
【0042】請求項2記載のバイオセルロースの製造方
法によれば、請求項1記載のバイオセルロースの製造方
法に加え、澱粉分解酵素にグルコアミラーゼを用い、繊
維質分解酵素および蛋白分解酵素として、セルラーゼ、
ヘミセルラーゼ、キシラナーゼ、ペントサン分解酵素お
よびプロテアーゼを含むトリコデルマ リーセイ(Trich
oderma ressei)にて生成された酵素を用いるため、米糠
や脱脂糠中の澱粉、繊維質および蛋白質を容易に分解で
き、米糠および脱脂糠中の各種ミネラルや栄養素により
アセトバクタ ザイリナム(Acetobacter xylinum)を効
率よく容易に培養でき、米糠や脱脂糠から安価で容易に
効率よくバイオセルロースを生成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示すバイオセルロース
食品の製造方法のフローチャートである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 米糠および脱脂糠の少なくともいずれか
    一方と水との混合物にα−アミラーゼ、澱粉糖化酵素、
    繊維質分解酵素および蛋白質分解酵素を混和して培地溶
    液を形成し、 この培地溶液にアセトバクタ ザイリナム(Acetobacter
    xylinum)を接種して静置培養し溶液を分離除去するこ
    とを特徴とするバイオセルロースの製造方法。
  2. 【請求項2】 澱粉糖化酵素は、グルコアミラーゼで、 繊維質分解酵素および蛋白分解酵素は、セルラーゼ、ヘ
    ミセルラーゼ、キシラナーゼ、ペントサン分解酵素およ
    びプロテアーゼを含むトリコデルマ リーセイ(Trichod
    erma ressei)にて生成された酵素であることを特徴とす
    る請求項1記載のバイオセルロースの製造方法。
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