JP3276412B2 - 食酢の製造法 - Google Patents

食酢の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食酢製品の香気を改良
すると共に、製造過程等にみられる色度の増加を抑制さ
せることを可能とした食酢の製造方法に関するものであ
り、さらに詳しくは、従来の純米酢等の食酢製品にみら
れる米酢製品特有の不快臭がほとんど無く、製品の透明
度が高く、しかも製品の香りや味がマイルドな食酢製品
を簡便に製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の米酢製品は、味は優れているが、
香気が重く、かつ色度の増色度合が速く、従って、その
用途範囲も限定され、消費量も拡大しないという問題点
があった。しかも、現況の食酢の製造法は、これらに対
する解決策は何らなされていないのが実情である。
【0003】一般に、食酢の製造方法は、原料モロミの
発酵を早めるために、発酵槽内の原料モロミを、通気、
攪拌操作により、発酵させる通気発酵法と、自然に静置
して発酵させる静置発酵法とがある。
【0004】このうち、前者の通気発酵法は、発酵期間
が短縮され、かつ大型タンクによる連続生産が可能であ
ることから、食酢の大量生産技術として、普及している
方法である。一方、後者の静置発酵法は、食酢の生産技
術として古くから定着しているものであり、発酵、熟成
期間が長くかかることから、一時期、減少傾向にあった
ものの、いわゆる手作りによる本格的な食酢製品が得ら
れることから、近年、見直される傾向にある。
【0005】ところで、食酢には、穀類を原料とした米
酢、穀物酢、麦芽酢や、果実を原料としたリンゴ酢、ブ
ドウ酢等多種多様の製品があるが、その製造法は、大別
して、原料をアルコール発酵させ、種酢を加えて変性
し、水を加えて調整した後、静置発酵又は通気発酵によ
り酢酸発酵させ、この酢酸発酵完了液を、セライト等を
ろ過助剤に用いて、菌体、おり等をろ過し、熟成し、当
該液を適当な酸度に調整した後、再度ろ過し、殺菌して
製品とする方法と、穀類の糖化液、酒粕を溶解した液又
は果汁等に、アルコールと種酢を加えて調整し、酢酸発
酵させた後、前記と同じ処理をして製品とする方法とが
ある。
【0006】このように、食酢は、原料の種類に応じて
様々な風味の製品が開発されており、また、原料の種類
と、製造方法の多様化から、食酢製品も多岐に及ぶに至
っているが、最近、原料を厳選し、静置発酵法を利用し
たいわゆる手作りによる本格的な食酢製品の需要が高ま
る傾向にある。
【0007】そこで、静置発酵法は、発酵、熟成の管理
に高度の熟練技術と多大の労力が必要とされるものの、
味や香りの優れた製品が得られることから、当該静置発
酵法が、食酢の中でも最もうまい部類に入るとされる高
級製品の純米酢の製造方法として利用されている。
【0008】しかしながら、これまでの製造方法による
と、発酵過程で産生される不快な臭い成分が製品中に残
るため、米酢特有の臭いが強く、また、発酵、熟成期間
が長くなるに従って特有の黄ばんだ色が増加する難点が
あり、これらのことが原因となり、食品保存剤等の食品
添加成分として優れた製品であるのにもかかわらず、そ
の需要が拡大されないという問題点を有していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このような技術的背景
を踏まえ、本発明者等は、従来の製品にみられる米酢特
有の不快臭が無く、また、発酵、熟成期間が長くなって
も特有の黄ばんだ色が増加することが無く、かつ製品の
香りや味がマイルドな新しいタイプの食酢製品を製造す
ることを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、食酢の
原料モロミを特定の低温度条件下で一次熟成貯蔵処理
し、かつ、特定の温度条件下で二次貯蔵処理することに
よって所期の目的を達成し得ることを見い出し、本発明
を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、従来の米酢製品にみ
られる特有の不快臭が無く、かつ香り及び味がマイルド
な米酢等の食酢製品を製造する方法を提供することを目
的とするものである。
【0011】また、本発明は、発酵、熟成期間が長期化
しても従来製品にみられるような製品の着色、及び色度
の増加がみられず、高い透明度を有する純米酢等の食酢
製品を製造する方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0012】さらに、本発明は、麺製品、パン製品等の
各種食品の食品添加物として使用するのに好適な、不快
臭が無く、かつ香り及び味のマイルドな純米酢等の食酢
製品を製造する方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0013】このような目的を達成するための本発明の
構成は、以下の(1)〜(4)の技術的手段からなるも
のである。 (1) 食酢原料モロミを常法により変性処置し、次い
で、低温操作、すなわち、温度−2〜−5℃の温度帯で
熟成貯蔵処理し、食酢原料モロミ中に存在する澱粉分解
酵素、蛋白分解酵素、繊維分解酵素等の酵素類の活性を
完全に抑制させることを特徴とする酵素活性の無い食酢
原料モロミの調製方法。
【0014】(2) 食酢原料モロミを常法により変性
処置し、次いで、低温操作、すなわち、温度−2〜−5
℃の温度帯で熟成貯蔵処理し、食酢原料モロミ中に存在
する澱粉分解酵素、蛋白分解酵素、繊維分解酵素等の酵
素類の活性を完全に抑制させることにより酵素活性の無
い食酢原料モロミを調製し、当該食酢原料モロミを使用
し、常法により静置発酵法で醸造することを特徴とする
食酢の製造方法。
【0015】(3) 食酢原料モロミを常法により変性
処置し、次いで、低温操作、すなわち、温度−2〜−5
℃の温度帯で熟成貯蔵処理し、当該低温貯蔵後の食酢原
料モロミを温度5〜10℃の温度下で貯蔵して、食酢原
料モロミ中に存在する蛋白質系成分等の食酢滓の原因物
質を十分に沈澱除去することを特徴とする食酢原料モロ
ミの調製方法。
【0016】(4) 食酢原料モロミを常法により変性
処置し、次いで、低温操作、すなわち、温度−2〜−5
℃の温度帯で熟成貯蔵処理し、当該低温貯蔵後の食酢原
料モロミを温度5〜10℃の温度下で貯蔵して、食酢原
料モロミ中に存在する蛋白質系成分等の食酢滓の原因物
質を十分に沈澱除去し、当該食酢原料モロミを使用し、
常法により静置発酵法で醸造することを特徴とする食酢
の製造方法。
【0017】続いて、本発明の構成について詳細に説明
する。一般に、米酢の不快臭の原因物質はダイアセチル
という成分が主体であり、この原因物質は乳酸菌等が生
産する酵素類による作用が主因と考えられている。従っ
て、これまで、熱処理により当該酵素の作用を失活させ
て、その原因物質の生成を抑制する方法等が種々試みら
れているが、熱処理により製品が着色化する等、熱処理
による製品の品質に与える影響は好ましくないことか
ら、熱処理によらない有効な方法の開発が強く望まれて
いた。
【0018】さらに、食酢の如く酸性調味料において
も、食酢の原料モロミをそのまま使用して、常法により
製造した場合は、アミノカルボニル反応による増色褐変
反応による食酢の色の濃化は避けることが出来ず、特
に、熟成、発酵期間が長くなると特有の黄ばんだ色に着
色する傾向があることから、これを簡便、かつ有効に抑
制する方法の開発が望まれていた。
【0019】そこで、本発明では、熱処理によらず低温
により食酢原料モロミに存在する酵素類を失活、すなわ
ち酵素類の活性を抑制することにより前記の問題を解決
することに第一の特徴がある。また、本発明では、前記
のように、食酢の原料モロミを特定の低温領域で熟成貯
蔵して食酢の原料モロミ中に存在する酵素類の活性を抑
制させ、当該低温領域での酵素活性抑制処理した食酢原
料モロミを、さらに、5〜10℃なる低温度条件下で貯
蔵し、食酢原料モロミ中に存在する蛋白質系成分等の食
酢滓を除去する低温処理を施すことにより、食酢の色度
の増加をかなり除去抑制することを可能とするものであ
り、当該処理によって従来技術で解決できなかった問題
点を簡便に解決するところに第二の特徴を有する。
【0020】本発明は、清酒製造法に準じて食酢原料モ
ロミを造るものであり、米を常法に従ってアルコール発
酵させ、得られた酒に種酢を加えて酸度約2容量%にな
るように変性を行い、この変性モロミを温度−2〜−5
℃の温度帯で約2〜3週間熟成貯蔵処理する。
【0021】当該アルコール発酵は、通常の醸造酵母を
使用し、常法に従って行うことができ、得られる食酢の
品質上、pH3.5〜4.5、及び15〜35℃にて、
常法により発酵させ、発酵上澄液のアルコール濃度が1
3〜15%程度になるようにすることが好ましいが、こ
れらの条件は、特に限定されるものではない。また、当
該アルコール発酵完了後、常法に従って発酵上澄液を固
形分と分離し、得られた上澄液に、例えば、酢酸濃度が
2.0〜2.5%程度になるように種酢を加え変性処置
を行う。
【0022】食酢原料モロミを当該低温度帯、すなわち
食酢原料モロミが完全に凍結しない−2〜−5℃の温度
条件下で熟成貯蔵させることにより、食酢原料モロミの
品質を劣化させることなく、製品の不快臭の原因物質の
生成を抑制させることができる。当該熟成貯蔵によっ
て、はじめて、マイルドな香りを有する最終製品、すな
わち、氷温純米酢等の氷温食品(登録商標)を得ること
が可能となったものであり、このような熟成貯蔵を経な
い食酢原料モロミを使用しても、従来製品に特有の不快
臭を抑制することはできない。
【0023】前記特定の低温度帯で熟成貯蔵させた原料
モロミを、次いで、温度5〜10℃の低温度条件下で約
25〜40日間貯蔵する。当該低温貯蔵により、従来製
品にみられる製品の着色化現象を確実に抑制することが
できるものであり、このような、低温貯蔵を経ない食酢
原料モロミを使用しても、従来製品に特有の黄ばんだ色
を抑制することはできない。
【0024】食酢原料モロミを、前記低温度条件下に貯
蔵した後、続いて、当該食酢原料モロミをアルコール濃
度約4.5容量%、酸度2.0容量%になるように水を
加えて調整し、次いで、常法により静置発酵法により酢
酸発酵を行い、発酵終了後、常法によりろ過処理するこ
とにより、米酢等の食酢製品、すなわち、氷温食品(登
録商標)製品を得ることができる。
【0025】本発明は、原料として米を使用した米酢製
品の場合に、特に効果的であるが、当該原料として、米
以外の通常の食酢原料として使用されている澱粉質原料
を使用することも、必要に応じて、適宜、可能であり、
例えば、白糖、中白糖、赤糖、玄米、精白米等を、少
量、例えば、10〜50%重量程度併用してもよい。ま
た、アルコール発酵、及び酢酸発酵の手段、設備も、従
来使用されているすべてのものを用いることができる。
【0026】低温貯蔵過程で生じる蛋白質系成分等の食
酢滓の除去及び、酢酸発酵後のろ過処理等には、通常の
おり下げ処理、セライトろ過、限外ろ過等適宜の手段を
使用することができる。酢酸発酵完了液を常法によりろ
過処理して得られた食酢は、適宜、熟成、調整等の処理
を施して最終製品とする。
【0027】本発明は、食酢の原料モロミを、−2〜−
5℃の低温度帯で約2週間熟成貯蔵させることにより、
従来の米酢製品に特有の不快臭を完全に除去し、抑制す
ることができるばかりでなく、さらに、当該食酢原料モ
ロミを、5〜10℃の低温度条件下で約25〜40日間
貯蔵することにより、従来の米酢製品に特有の黄ばんだ
色に着色することを確実に抑制することができるもので
あり、かくして、米酢独特の不快臭が無く、熟成期間が
長いにもかかわらず特有の着色化がほとんど無く、しか
も、香りや味がマイルドな高級品質の純米酢等の食酢製
品、すなわち、氷温食品(登録商標)が得られる。ま
た、製造過程中、熱処理を行う必要のないことから、加
熱による食酢製品の品質劣化の心配がない。
【0028】このように、本発明における食酢の原料モ
ロミを温度−2〜−5℃の温度帯で熟成貯蔵し、原料モ
ロミ中に存在する酵素を完全失活させ、酵素活性の抑制
された食酢原料モロミを調製し、当該食酢原料モロミを
使用して醸造することにより、従来の米酢特有の不快臭
を抑制できるという知見は、これまで報告された例はな
く、本発明者らがはじめて見い出した新たな知見であ
る。
【0029】また、前記低温貯蔵後の食酢原料モロミ
を、温度5〜10℃の温度下で貯蔵して、食酢原料モロ
ミ中に存在する蛋白質系成分等の食酢滓の原因物質を十
分に沈澱除去することにより食酢原料モロミを調製し、
当該食酢原料モロミを使用して醸造することにより、従
来の米酢製品にみられる製品の着色化を抑制し、透明度
の高い製品が得られるという知見は、これまで報告され
た例はなく、本発明者らがはじめて見い出した新たな知
見である。
【0030】次に、試験例を示して本発明の効果につい
て具体的に検証する。 試験例1 米を常法に従ってアルコール発酵させ、得られたモロミ
ないし酒に種酢を加えて酸度2.0容量%になるように
変性を行い、この変性モロミを温度−3.7℃の温度条
件下で2週間熟成貯蔵処理を行い、低温熟成貯蔵食酢原
料モロミを調製した。当該モロミをアルコール濃度4.
5容量%、酸度2.0容量%になるように水を加えて調
整し、次いで、常法により、静置発酵法により酢酸発酵
を行った後、直ちに発酵液をろ過して、米酢製品を得
た。
【0031】この米酢製品と、前記低温熟成貯蔵処理を
施さない通常の食酢原料モロミを使用して、従来の方法
により製造した米酢製品とを、常法により30℃で1ヶ
月間保存した後、製品の香りについて専門のパネラーに
よる製品の品質評価試験を行い、製品の香りに関する評
価を行った。その結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1の結果から明らかなように、本発明の
製造方法により得られた米酢製品は、従来製品のような
不快臭が無く、また、マイルドな香りを有するものであ
ることが分った。
【0034】試験例2 前記試験例1で調製した食酢モロミを、温度5〜10℃
の低温度条件下で30日間貯蔵処理して、食酢原料モロ
ミ中に存在する蛋白質系成分等の食酢滓の原因物質を十
分に沈澱させ、常法によりおり引きを行った後、アルコ
ール濃度4.5容量%、酸度2.0容量%に調整し、常
法により静置発酵法により醸造を行い、出来上がった米
酢製品の色度、色度変化について専門のパネラーによる
評価試験を行った。その結果を表2に示す。表2の結果
から明らかなように、色度、色度変化は従来の米酢製品
と比較して、極めて優れていることが分った。
【0035】
【表2】
【0036】試験例3 前記試験例2で得た本発明による米酢製品を食品添加物
として使用して、以下のように茹麺製品を製造した。す
なわち、常法により、小麦粉に食塩(3%w/w)及び
水を添加し、従来の合成麺質改良剤に代えて、本発明に
より製造した米酢を添加し、常法により混捏し、麺生地
熟成をなし、生地圧伸した後、麺線状に切断し、熱水で
麺線を茹で冷水で洗浄を施し米酢を添加した茹麺(うど
ん)を得た。同様に、本発明に代えて、従来の米酢製品
を添加して製造した茹麺製品を比較例として、専門のパ
ネラーによる食品添加剤としての有用性試験を試みた結
果を表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】表3の結果から明らかなように、本発明の
米酢を添加した製品は、米酢特有の不快臭が全く無く、
かつ麺質が優れているのに対して、従来の米酢を添加し
た製品は、米酢独特の不快臭が残存していてうどん
(麺)として食味が極めて悪いことが分った。
【0039】その他、パン製品、食肉製品、澱粉質食品
等に使用したところ、同様の結果が得られ、本発明の食
酢製品は食品添加成分として種々の食品に対して有用な
ものであることが分った。これらのことから、本発明に
より得られた食酢製品は、家庭用、業務用を含めて、食
酢の用途の拡大化に資するところ大なるものであること
が分った。
【0040】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明するが、本発明は、当該実施例のみに限定されるもの
ではない。 実施例1 清酒製造法に準じて食酢原料モロミを造り、常法により
アルコール発酵させて、アルコール濃度を14容量%に
したものを、食酢にて酸度2容量%になるように変性を
行い、この変性モロミを温度−3.7℃の条件下で2週
間熟成貯蔵処理を行い、食酢原料モロミ中に存在する酵
素類の活性を抑制させると共に、食酢原料モロミを熟成
させた。
【0041】次いで、温度6〜7℃の低温度条件下にて
30日間貯蔵し、食酢原料モロミ中に存在する蛋白質系
成分等の食酢滓の原因物質を十分に沈澱除去した食酢原
料モロミを調整し、これを、アルコール濃度4.5容量
%、酸度2.0容量%になるように水にて薄めて調整
し、次いで、常法により静置発酵法にて酢酸発酵を行
い、米酢を製造した。出来上がり米酢製品の品質を検討
したところ、色度並びに香気が従来の米酢製品と比較し
て極めて優れたものが得られた。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、食酢原
料モロミを温度−2〜−5℃の低温度条件下で約2週間
熟成貯蔵処理することによって、従来の米酢製品特有の
不快臭の原因物質であるダイアセチルの生成を抑制し、
出来上がり製品の香りをマイルドなものとする効果を有
する。
【0043】また、このような低温度条件下で熟成貯蔵
処理した食酢原料モロミを、5〜10℃の温度条件下で
約25〜40日間貯蔵することによって、従来の米酢製
品特有の黄ばんだ色がほとんど無く、かつ出来上がり製
品の香りや味をマイルドなものとする効果を有する。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12J 1/00 - 1/04 JICSTファイル(JOIS) JAFICファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食酢原料モロミを常法により変性処置
    し、次いで、低温操作、すなわち、温度−2〜−5℃の
    温度帯で熟成貯蔵処理し、食酢原料モロミ中に存在する
    澱粉分解酵素、蛋白分解酵素、繊維分解酵素等の酵素類
    の活性を完全に抑制させることを特徴とする酵素活性の
    無い食酢原料モロミの調製方法。
  2. 【請求項2】 食酢原料モロミを常法により変性処置
    し、次いで、低温操作、すなわち、温度−2〜−5℃の
    温度帯で熟成貯蔵処理し、食酢原料モロミ中に存在する
    澱粉分解酵素、蛋白分解酵素、繊維分解酵素等の酵素類
    の活性を完全に抑制させることにより酵素活性の無い食
    酢原料モロミを調製し、当該食酢原料モロミを使用し、
    常法により静置発酵法で醸造することを特徴とする食酢
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 食酢原料モロミを常法により変性処置
    し、次いで、低温操作、すなわち、温度−2〜−5℃の
    温度帯で熟成貯蔵処理し、当該低温貯蔵後の食酢原料モ
    ロミを温度5〜10℃の温度下で貯蔵して、食酢原料モ
    ロミ中に存在する蛋白質系成分等の食酢滓の原因物質を
    十分に沈澱除去することを特徴とする食酢原料モロミの
    調製方法。
  4. 【請求項4】 食酢原料モロミを常法により変性処置
    し、次いで、低温操作、すなわち、温度−2〜−5℃の
    温度帯で熟成貯蔵処理し、当該低温貯蔵後の食酢原料モ
    ロミを温度5〜10℃の温度下で貯蔵して、食酢原料モ
    ロミ中に存在する蛋白質系成分等の食酢滓の原因物質を
    十分に沈澱除去し、当該食酢原料モロミを使用し、常法
    により静置発酵法で醸造することを特徴とする食酢の製
    造方法。
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