JP4060384B2 - 2つの分離領域を有するプラスティックボトルおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はヘッドとネックとの間に1つの分離領域およびネックとボトルボディーとの間にまたはそれに隣接して第二分離領域を有するプラスティックボトル、並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
医薬液体用ボトルは独国特許出願公開第3033821A1号に開示されている。ネックはボトルボディー上に作られており、そしてヘッドはネック上に作られている。ヘッドはシールでボトルを閉じている。ヘッドとネックとの間に提供された分離ポイントを開け、そしてネック中に挿入されているプラグを露出させるように、ヘッドをトグルによりネックからひねり開けるか、または捩じり開けることができる。ボトルから内容物を取り出すためにシリンジまたはインジェクターによりプラグを突き刺すことができる。しかし、内容物の取り出しのためのこれらの手法は全ての用途のために充分であるわけではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的はボトル内容物を取り出すために異なる手法が可能である改善されたボトルを提供すること、および、その製造方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、ボトルボディー、前記ボトルボディー上のネックおよび前記ネック上のヘッドを含むプラスティックボトルによって基本的に達成される。第一分離ポイントまたは領域はヘッドとネックとの間にある。第二分離ポイントまたは領域はネックおよびボトルボディー付近にある。
【0005】
上記の目的は、また、ボトルボディー、前記ボトルボディー上のネック、前記ネック上のヘッドを有するプラスティックボトルを形成するように、吹込成形装置または吸引成形装置中にプラスティックパリソンを押出する工程、ヘッドとネックとの間の第一分離領域を形成させる工程、および、ネックおよびボトル付近に第二分離領域を形成させる工程を含むプラスティックボトルを製造する方法により達成される。
【0006】
少なくとも1つの追加の分離ポイントまたは領域は、ネックにおいて、および/または、ネックとボトルボディーとの間またはその付近において提供されるので、幾つかの可能な手法は、好ましいことに、医薬液体のボトルからの取り出しに用いられることができる。ボトルが分離領域で異なる内径を有するときには、追加の分離領域は、例えば、液体を注ぎだすことにより、ボトルから液体を取り出すことができるような形状であることができる。本発明のボトルは、また、2つより多くの分離領域を有することもできる。
【0007】
有利には、分離領域は所定の破壊ポイントが薄くなった壁厚さを有するような形状である。独国特許出願公開第3823428A1号は、分離ポイントの領域においてボトル壁の特定のパターンまたは形状を開示しており、それは破壊の間にきれいな孔縁を維持するために有利である。本発明は分離領域のための所定の破壊ポイントの構造に制限されない。開放は、分離領域においてナイフ等により達成されることもできる。
【0008】
ボトルが手で開放されようとするならば、分離のために必要な力を手で加えるための手段は、好ましくはそれぞれの分離領域付近に提供される。このような手段は、例えば、トグルまたはグリップ用くぼみであることができる。もし、分離領域において、ボトルの内径が大きすぎて、分離に必要な力が作業者の手で直接的に加えられないならば、ボトルはツールを係合させる手段を含むことができる。このような手段は、例えば、多面領域であってもまたはトグルであってもよい。
【0009】
ボトル中の液体がシリンジで取り出されようとするならば、ボトルは取り出しプロセスの間およびその後に強固に機械的にシールされ、および/または防腐シールされたままである必要があることができる。この目的で、ネック中に好ましくはプラグを挿入し、そしてネックをシールする。もし、本発明に係る第二分離領域がプラグを取り囲んでいるネックの一部分とボトルボディーの間に提供されるならば、第二分離領域での緩みまたは取り外しは、プラグを取り囲んでいるネックの一部分とともにプラグ全体を取り外し、それにより、液体はボトルボディーから直接的に取り出されることができる。もし、第二分離領域がプラグ領域自体に提供されるならば、プラグを取り外し、そして再挿入して、次に異種材料の廃棄処分またはボトル残分の取り出しを行うことができる。
【0010】
本発明に係るプラスティックボトルの製造の1つの有利な方法は吹込成形法である。ボトルは、幾つかの加工工程において、押出されたプラスティックホースまたはパリソンの単一片から形成される。これらの加工工程の間に、液体が充填され、そしてプラグが挿入される。吹込成形の替わりに、吸引成形法も用いられてよい。
【0011】
本発明の他の目的、利点および顕著な特徴は次の詳細な説明から明らかになるであろう。ここでは、添付の図面との組み合わせで、本発明の好ましい態様を開示する。
【0012】
プラスティックボトル1はボトルボディー2を有し、その上にネック3が作られている。ネック上に、次に、ヘッド5が作られている。ボトル1の長手方向の中心、即ち、長手軸はボトルボディー2上のネック3の配置により決まる。全体のボトル1は好ましくは2つの鏡像の同一の長手方向の半分部分を含み、それらは対称長手平面に沿ってボトル1を画定する。
【0013】
ボトル1はヘッド5とネック3の間に分離ポイント、ラインまたは領域7を有する。分離ポイント7はボトル1の長手軸およびその対称平面に垂直な分離平面上にある。この分離平面において、ボトル1の壁は円状のデザインを有する。
【0014】
ネックおよびボトルボディーに隣接して(即ち、ボトルボディーからネックへの転移部で、または、ネック/ボトルボディー転移部と分離領域7の間のネックで)、もう一つの分離ポイント、ラインまたは領域9が提供される。この追加の分離ポイント9もボトル1の長手軸に垂直で且つ分離ポイント7の分離平面に平行な分離平面にある。分離ポイント9において、ボトル1の壁は同様に円状デザインである。ボトル直径で比較して、ボトル1は分離ポイント9より分離ポイント7で小さいな内径を有する。例示の態様の変更において、本発明に係るボトルはボトルの長手軸に垂直に広がっていない分離平面内に分離ポイントを含むこともできる。
【0015】
分離ポイント7および9の両方は、薄くなった壁厚さを有する所定の破壊ポイントとして形成される。各々は、くさび状断面プロファイルを有する環状の溝のベースにより形成される。ボトル1のこの壁はネック3およびヘッド5から、または、ボトルボディー2およびネック3から各分離ポイントに向かって延びており、そしてその分離ポイント7または8に向かって円錐状にテーパー型になっている。この分離平面に垂直な軸周囲に、分離されようとする部分同士を互いに回転させること、および/または、傾けることにより、所定の分離ポイント、即ち、分離ポイント7または分離ポイント9に沿って破壊される。
【0016】
分離ポイント7の破壊のために、ヘッド7は第一トグル11を含み、そしてネック3は第二トグル13を含む。分離ポイント7の破壊は、その後、トグル11および13を互いに手で捩じり、および/または傾けることにより起こる。図3は破壊された分離ポイント7を有するボトル1を示す。
【0017】
分離ポイント9においてボトルを開けるために、第二トグル13上にツールが挿入されてよい。このツールの援助で、ネック3はボトルボディー2に対して捩じられ、分離ポイント9で破壊を生じることができる。破壊された分離ポイント9を有するボトル1を図4に示す。
【0018】
ボトル1は、分離ポイント9の領域において、分離ポイント9がツールなしに手で開けることができるような形状であってもよい。例えば、より小さな内径は分離ポイント9に提供されてよい。
【0019】
プラグ15はネック内に挿入され、それはネック3を機械的にシールし、そして、同時に、ボトルボディー2内部の液体を防腐性をもって保持する。プラグ15は好ましくはエラストマーでできており、そしてシリンジまたは輸注セットの針で貫通されることができる。
【0020】
ネック3の反対末端では、ボトルボディー2はボトム17を有する。ボトム17上にくくり付け部材19が形成される。くくり付け部材19は輸注用途のためにボトル1を吊り下げることができる。ボトルボディー2のボトム17は、曲げまたは破壊によりくくり付け部材17を取り外した後に、平坦な表面上にボトル1をボトム17で安定的に置くことができるような形状である。
【0021】
ボトルボディー2の外側には、ボトル1の液体積の測定のための目盛りを形成する一連の測定線が提供されることができる。好ましくは、2つの別個の目盛りが付けられる。一つの目盛りはボトル1がボトム17上に静置されたときに用いられるであろう。もう一つの目盛りはボトルがくくり付け部材19で吊り下げられたときに用いられるであろう。
【0022】
吹込成形法または吸引成形法はボトルを製造するために用いられる。いずれの場合でも、ボトム17およびくくり付け部材19を有するボトルボディー2、並びに、追加の分離ポイント9を含むネックの一部分は押出されたプラスティックホースから形成される。その後、液体はボトルボディーに充填される。適切な量の液体がボトルボディーに受け入れられた後に、ネック3中にプラグ15が挿入される。最後に、ネック3の残りおよびヘッド5は造形され、そして成形されて分離ポイント7を作り、その時、ボトル1はシールされて閉止される。
【0023】
本発明を例示するために様々な態様が選ばれたが、様々な変更は請求項に規定した本発明の範囲から逸脱することなくなされうることが当業者に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のI−Iラインに沿ってとった、本発明に係るプラスティックボトルの正面図である。
【図2】図1のプラスティックボトルの側面図である。
【図3】第一分離領域でヘッドが分離されている図1のボトルの正面図である。
【図4】第二分離領域でネックが分離されている図1のボトルの正面図である。
【符号の説明】
1…プラスティックボトル
2…ボトルボディー
3…ネック
5…ヘッド
7…分離ポイント
11…第一トグル
13…第二トグル
15…プラグ
17…ボトム
19…くくり付け部材
Claims (6)
- ボトルボディー;
前記ボトルボディー上のネック;
前記ネック上のヘッド;
前記ヘッドおよび前記ネックの間の第一分離領域;
前記ネックおよび前記ボトルボディーの間の第二分離領域;および
前記第一分離領域および前記第二分離領域の間にある前記ネック内に配置されており、そして前記ネックをシールしかつ前記ネックの一部により包囲されているエラストマープラグ、
を含むプラスティックボトル。 - 前記第一および第二分離領域が異なる内径を有する請求項1記載のプラスティックボトル。
- 前記分離領域が薄くなった壁厚さのボトル壁セクションを含む請求項1記載のプラスティックボトル。
- 前記分離領域の片方が、それに隣接して、前記分離領域の片方を手で破壊するための手段を有する請求項3記載のプラスティックボトル。
- 前記分離領域の他の片方が、それに隣接して、前記分離領域の他の片方をツールで破壊するためのツールを取り付ける手段を有する請求項4記載のプラスティックボトル。
- 前記分離領域の片方が、それに隣接して、前記分離領域の片方をツールで破壊するためのツールを取り付ける手段を有する請求項3記載のプラスティックボトル。
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