JP4057705B2 - 煙道ガスからｓｏ２ を除きそして価値ある物質に加工できる硫酸アンモニウム溶液を製造する装置 - Google Patents
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- C01C1/247—Preparation from compounds containing nitrogen and sulfur from sulfur-containing ammonium compounds by oxidation with free oxygen
Description
【０００１】
【発明の利用分野】
本発明は、煙道ガスからＳＯ2 を除きそして価値ある物質に加工できる硫酸アンモニウム溶液を製造する装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ドイツ特許第３、７３３、３１９号明細書から公知の装置は、ハロゲン化水素を分離するための予備洗浄器並びに該予備洗浄器に後続する、三つの洗浄領域を持つガス洗浄器を備えている。この洗浄器の中間洗浄領域には洗浄液循環系が接続されており、この循環系に吸収剤としてアンモニア水が供給される。洗浄液循環系から分流を引き出し、これを酸化装置に供給している。該装置では吸収液に含まれる亜硫酸アンモニウムおよび亜硫酸水素アンモニウムを硫酸アンモニウムとする酸化が行なわれる。予備洗浄器においては、予備洗浄器を組み込む洗浄液循環系において予備洗浄器の溜液から予備洗浄器の噴霧装置に戻される水が使用される。予備洗浄器の溜液から分流を引き出し、吸収液循環系から後に連結されるガス洗浄器の中間洗浄領域に供給する。予備洗浄器で析出する有害物質はガス洗浄器の吸収液循環系に至り、硫酸アンモニウム溶液と一緒に酸化装置から流し出される。蒸発および顆粒化により硫酸アンモニア溶液を加工する際に、肥料として未だ使用することができる汚れた生成物が生じる。
【０００３】
ヨーロッパ特許出願公開（Ａ）第６２０、１８７号明細書から、ハロゲン化水素を分離する予備洗浄器およびＳＯ2 を除くための後続のガス洗浄器を同様に装備する装置が公知である。ガス洗浄器の洗浄器溜液部には溜液送風用ファンが配備されている。ガス洗浄は、ガス洗浄器の溜液から引き出されそしてガス洗浄器の噴霧ノズルに供給される硫酸アンモニアを用いて行なわれる。一つの硫酸アンモニウム分流は、噴霧装置、並びに溜液部から噴霧装置に液体を戻すための装置を備えている予備洗浄器の溜液に導入されている。循環供給することによって硫酸アンモニウム溶液の濃縮が行なわれる。濃縮された硫酸アンモニウムの分流は予備洗浄器の溜液からスラッジ状物を除き、湿式サイクロンによって更に濃縮しそして硫酸アンモニウムを乾燥する。この最終生成物も同様に、予備洗浄器において沈殿する有害物質で汚染されている。
【０００４】
ハロゲン化水素を分離するための別の予備洗浄器および煙道ガスからＳＯ3 を除くための別のガス洗浄器を備えた公知の装置は多大な費用を必要とする。更に公知の装置では、どうにか肥料としても使用することができる汚染された硫酸アンモニウム最終生成物が製造される。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、異なる品質の二種類の硫酸アンモニウム溶液を製造することができる装置を提供することである。この装置はできるだけ簡単な構造を有しているべきである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明の対象およびこの課題の解決法は、
下方から上方に煙道ガスが貫流する少なくとも一つの洗浄領域、その洗浄領域の上方に配置された吸収液供給用の分配装置および洗浄領域の下方に配置されたガス透過性の液体収集トレイを備えている洗浄器、
アンモニア水を洗浄領域に供給するための装置、
吸収液中に含まれる亜硫酸アンモニウムおよび亜硫酸水素アンモニウムを酸化して硫酸アンモニウムとするための酸化装置、
上記収集底部を酸化装置に連結し並びに該酸化装置を洗浄領域の上方に配置された分配装置に連結する吸収液循環系、
煙道ガスを洗浄器中の洗浄器溜液部の上方に設けられている洗浄器に供給するための煙道ガス通路、
煙道ガス通路に配置されており、煙道ガス流を冷却しそして水蒸気で飽和されする急冷液を供給するための噴霧装置、ただし該急冷液は煙道ガス流中に小滴として運ばれそして洗浄器溜液部に到る、
洗浄器溜液物部から煙道ガス通路中に配置された噴霧装置に液体を戻すための装置、を配備しており、その際に洗浄器溜液部に供給導管を通して酸化装置からの硫酸アンモニアを供給することができそして洗浄器溜液部にスラリー状物用導管が連結されており、該導管から循環供給によって肥料の製造に適している濃厚化硫酸アンモニウム溶液を引き出すことができ、そして酸化装置に、純粋硫酸アンモニウムの製造に適する実質的に不純物不含の硫酸アンモニウム溶液を引き出すために引出し導管が連結されている
ことを特徴とする、煙道ガスからＳＯ2 を除きそして価値ある物質に加工できる硫酸アンモニウム溶液を製造する装置である。
【０００７】
本発明は予備洗浄のために並びに急冷液として使用する硫酸アンモニウム溶液のための収集容器として洗浄器溜液を利用することを教示している。洗浄器溜液は液体循環系に関連しており、急冷の際の熱い煙道ガス流中での物質変換によって硫酸アンモニウム溶液の濃縮が行なわれる。ＳＯ2 除去のために使用される吸収液は洗浄領域の下方に配置された収集底部に別に集められ、そして酸化装置に供給される。本発明の装置においては、濃厚化されているが汚染されてもいる硫酸アンモニウム溶液を洗浄器の溜液部から引き出すことができ、更に、酸化装置中で硫酸アンモニウム濃度が低い実質的に汚染物質不含の硫酸アンモニウム溶液が生じる。両方のこれらの異なる硫酸アンモニウム溶液の製法は量比に関して変更することができるので、実際の需要に細部まで適合した硫酸アンモニウムの製造が可能である。
【０００８】
本発明の特に有利な実施形態によれば、煙道ガス通路の噴霧装置にＮａＯＨ−および／またはＫＯＨ溶液を供給するための追加的装置が連結される。ＫＯＨおよびＮａＯＨは、ハロゲンと結合しそして中和するのに役立つ。硫酸アンモニア肥料でカリウム成分としても受け入れられるＫＯＨを用いるのが特に有利である。
【０００９】
洗浄領域は、吸収液を注ぎ掛ける充填材域を有しているのが有利である。更に洗浄器にはエーロゾルを分離するための湿式エレクトリックフィルター(Nasselectrofilter) が設けられている。この濾過器は洗浄器の頂部の精製ガス出口の前に配置されている。
本発明の別の実施形態では、洗浄領域に第二の吸収液循環系を連結し、亜硫酸アンモニウム含有吸収液によって酸化装置を迂回して直接的に洗浄領域の上部に直接的に供給してもよい。二つの吸収液循環系を構成する装置は、洗浄領域の上側に供給される吸収液がアンモニア水、洗浄器の洗浄領域の下方から引き出されそして中間処理されずに戻される亜硫酸アンモニウム含有洗浄液、および酸化装置から戻される硫酸アンモニウム溶液より成り、その際に亜硫酸アンモニウムと硫酸アンモニウムとの混合比を１５：１〜３：１の範囲で調整する、方法も可能とする。亜硫酸アンモニウムと硫酸アンモニウムとの混合比は１０：１〜５：１の範囲であるのが有利である。この吸収液は、大きいＳＯ2 吸収能力に特徴がありそしてエーロゾルを形成する傾向がない。
【００１０】
以下に本発明を一つの実施例を示す図面によって更に詳細に説明する。この図面は煙道ガスからＳＯ2 を除きそして価値ある物質に加工することのできる硫酸アンモニウム溶液を製造する装置を図示している。
この装置の根本的な構成には、下方から上方に煙道ガスが貫流する少なくとも一つの洗浄領域（２）並びに該洗浄領域（２）の上方に配置された吸収液供給用の分配装置（３）、アンモニア水を洗浄領域（２）に供給するための装置（４）、吸収液中に含まれる亜硫酸アンモニウムおよび亜硫酸水素アンモニウムを硫酸アンモニウムに酸化するための酸化装置（５）、煙道ガスを洗浄器（１）に供給するための煙道ガス通路（６）、煙道ガス流を冷却しそして水蒸気で飽和される急冷液を供給するための、煙道ガス通路に配置された噴霧装置（７）が属している。
【００１１】
洗浄領域（２）の下方にはガス透過性の液体収集トレイ（８）が配置されている。洗浄領域（２）は吸収液循環系（９）に組み込まれており、該系は収集トレイ（８）を酸化装置（５）と結び付け並びに該酸化装置（５）を洗浄領域（２）の上方に配置された分配装置（３）と連結している。更に洗浄領域（２）は第二の吸収液循環系（１０）に組み込まれており、該系を通して、亜硫酸アンモニウム含有吸収液を酸化装置を迂回して洗浄領域（２）の上部に位置する分配装置（３）に直接的に供給することができる。
【００１２】
煙道ガスを洗浄器（１）に供給するための煙道ガス通路（６）は、洗浄器（１）中の洗浄器溜液部（１１）の上方に取り付けられている。煙道ガス通路（６）中に配備された噴霧装置（７）から供給される急冷用液は煙道ガス流中に小滴として運ばれ、洗浄器溜液部（１１）に至る。この液は、戻し装置（１２）を通して煙道ガス通路（６）中に配置された噴霧装置（７）に戻される。
【００１３】
供給導管（１３）を通して洗浄器溜液部（１１）に硫酸アンモニウムを酸化装置（５）から供給してもよい。洗浄器溜液部（１１）にスラリー状物排出導管（１４）が連結されており、該導管から、循環系で濃縮された肥料製造に適する硫酸アンモニウム溶液を引き出してもよい。十分に不純物が除かれた硫酸アンモニウム溶液は酸化装置（５）から取り出すことができる。この目的に、酸化装置（５）に連結された流出し用導管（１５）が設けられており、該導管を通して硫酸アンモニウム溶液が引き出される。この溶液は純粋な硫酸アンモニウムの製造に適している。
【００１４】
図面で説明した装置は、例えば塵芥焼却装置、クラウス装置(Clausanlage) 、発電所、汚泥燃焼装置または亜硫酸焙焼(Sulftroesteri) から発生し得る煙道ガスからＳＯ2 を除くのに利用される。煙道ガスは、煙道ガスに含まれる重金属含有不純物がＳＯ2 濃度に比例している場合に、肥料についての許容される基準から明らかな値にまで予め除塵する。予めの除塵は１６０〜３５０℃の温度範囲で行うので、硫酸小滴の凝集は生じない。煙道ガス通路（６）の入口温度は１１０〜１８０℃である。
【００１５】
装置に供給される煙道ガスは煙道ガス通路（６）において、導管（１６）を経て供給されるＮａＯＨ−またはＫＯＨ溶液が噴霧され、存在するハロゲン化水素が分離される。更に煙道ガスに噴霧装置（７）を経て硫酸アンモニウム溶液が供給され、その際に煙道ガスは冷却されそして水蒸気で飽和される。その液体温度は４５〜６０℃の範囲内に維持され、その際にガスの飽和温度は急冷用液の温度である。
【００１６】
急冷され、水蒸気で飽和されたハロゲン化水素不含煙道ガスを次いで洗浄器（１）の洗浄領域（２）に流す。洗浄領域（２）において、実質的にＳＯ2 で負荷された煙道ガスを、アンモニア水、硫酸アンモニウム水溶液および新たに生じた亜硫酸アンモニウム溶液より成る混合物より成る吸収液と接触させる。洗浄領域（２）の下方のガス透過性の液体収集トレイ（８）で引き出される吸収液の分流を吸収液循環系（９）を通して酸化装置に供給する。そこで酸素含有ガスの供給によって液体中に存在する亜硫酸アンモニウムおよび亜硫酸水素アンモニウムの硫酸アンモニウムへの酸化が行なわれる。吸収液の別の部分は導管（１０）を通して循環供給され、導管（４）からのアンモニア水並びに酸化装置（５）から供給される硫酸アンモニウム溶液と混合されそして洗浄領域（２）の上方の分配装置（３）に供給される。
【００１７】
洗浄領域（２）は煙道ガスと吸収液との間の接触面を増大させる充填材域を有しており、ＳＯ2 の吸収が改善される。充填材の使用によって洗浄領域（２）の高さおよび従って洗浄器（１）全体の構造高さを低くすることが可能である。この充填材域には、酸性ガスに対して不活性の材料で構成される市販の充填材を使用することができる。
【００１８】
ＳＯ2 の効果的な吸収を達成するためには、吸収液のｐＨ値を供給側でｐＨ５〜６．５に調整する。ｐＨのこの調整はアンモニア水の供給によって行なう。
送風器を備えた空気用導管（１７）が酸化装置（５）に連結されている。導管（１７）を通して供給される空気をＮＨ4 ＨＳＯ3 および（ＮＨ4 ）2 ＳＯ3 を含有する液体と激しく接触させる。生じる硫酸アンモニウム溶液収集は酸化装置（５）の溜液部に集まる。硫酸アンモニウム濃度は例えば比重測定によって測定される。２５〜３０重量％の硫酸アンモニウム濃度で、硫酸アンモニウム溶液を酸化装置（５）の溜液部から引き出す。導管（１５）を通して引き出される分流は硫酸アンモニウム生成装置に供給することができ、その装置中で水を除くことによって純粋な硫酸アンモニウムが製造される。導管（１３）から引き出される分流は洗浄器溜液部（１１）に供給され、洗浄器溜液部（１１）に連結された、戻し導管（１２）が関係する液循環系において急冷用液として煙道ガスの冷却に使用される。その際に硫酸アンモニウム溶液は４２重量％までの硫酸アンモニウム濃度に濃縮される。
【００１９】
酸化装置（５）の溜液中の液量は適当な導管を通して緩衝溶液用容器（１８）から水または洗浄液を供給することによって一定に調整できる。
図面に図示した実施例においては洗浄器（１）は場合によっては充填材域を備えている二番目の洗浄領域（２’）を有している。洗浄溶液はｐＨ４〜ｐＨ６のｐＨ値で、液体分配手段（３’）を通して二番目の洗浄領域（２’）の充填材域の上に供給されそして精製されたガスと接触する。
【００２０】
二番目の洗浄領域（２’）の負荷された洗浄液を、二番目の洗浄領域（２’）の下方に配置された液体収集トレイ（８’）から引き出し、緩衝溶液用容器（１８）に導入する。洗浄液のｐＨ値は導管（４）を通してアンモニア水を供給することによって調整する。緩衝溶液用容器（１８）の溜液部の液体の状態は導管（１９）を通して水を供給することによって調整する。
【００２１】
精製した煙道ガスを次いで煙突に導き、自然界に排気する。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は本発明の１実施例を実施するための装置の概略図である。
【符号の説明】
１・・・洗浄器
２・・・洗浄領域
３・・・分配装置
４・・・アンモニア供給用装置
５・・・酸化装置
６・・・煙道ガス通路
７・・・噴霧装置
８・・・液体収集トレイ
９・・・吸収液循環系
１０・・・吸収液循環系
１１・・・洗浄器溜液部
１２・・・循環用装置
１３・・・供給用導管
１４・・・スラリー状物除去用導管
１５・・・硫酸アンモニア溶液取り出し用導管
【発明の利用分野】
本発明は、煙道ガスからＳＯ2 を除きそして価値ある物質に加工できる硫酸アンモニウム溶液を製造する装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ドイツ特許第３、７３３、３１９号明細書から公知の装置は、ハロゲン化水素を分離するための予備洗浄器並びに該予備洗浄器に後続する、三つの洗浄領域を持つガス洗浄器を備えている。この洗浄器の中間洗浄領域には洗浄液循環系が接続されており、この循環系に吸収剤としてアンモニア水が供給される。洗浄液循環系から分流を引き出し、これを酸化装置に供給している。該装置では吸収液に含まれる亜硫酸アンモニウムおよび亜硫酸水素アンモニウムを硫酸アンモニウムとする酸化が行なわれる。予備洗浄器においては、予備洗浄器を組み込む洗浄液循環系において予備洗浄器の溜液から予備洗浄器の噴霧装置に戻される水が使用される。予備洗浄器の溜液から分流を引き出し、吸収液循環系から後に連結されるガス洗浄器の中間洗浄領域に供給する。予備洗浄器で析出する有害物質はガス洗浄器の吸収液循環系に至り、硫酸アンモニウム溶液と一緒に酸化装置から流し出される。蒸発および顆粒化により硫酸アンモニア溶液を加工する際に、肥料として未だ使用することができる汚れた生成物が生じる。
【０００３】
ヨーロッパ特許出願公開（Ａ）第６２０、１８７号明細書から、ハロゲン化水素を分離する予備洗浄器およびＳＯ2 を除くための後続のガス洗浄器を同様に装備する装置が公知である。ガス洗浄器の洗浄器溜液部には溜液送風用ファンが配備されている。ガス洗浄は、ガス洗浄器の溜液から引き出されそしてガス洗浄器の噴霧ノズルに供給される硫酸アンモニアを用いて行なわれる。一つの硫酸アンモニウム分流は、噴霧装置、並びに溜液部から噴霧装置に液体を戻すための装置を備えている予備洗浄器の溜液に導入されている。循環供給することによって硫酸アンモニウム溶液の濃縮が行なわれる。濃縮された硫酸アンモニウムの分流は予備洗浄器の溜液からスラッジ状物を除き、湿式サイクロンによって更に濃縮しそして硫酸アンモニウムを乾燥する。この最終生成物も同様に、予備洗浄器において沈殿する有害物質で汚染されている。
【０００４】
ハロゲン化水素を分離するための別の予備洗浄器および煙道ガスからＳＯ3 を除くための別のガス洗浄器を備えた公知の装置は多大な費用を必要とする。更に公知の装置では、どうにか肥料としても使用することができる汚染された硫酸アンモニウム最終生成物が製造される。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、異なる品質の二種類の硫酸アンモニウム溶液を製造することができる装置を提供することである。この装置はできるだけ簡単な構造を有しているべきである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明の対象およびこの課題の解決法は、
下方から上方に煙道ガスが貫流する少なくとも一つの洗浄領域、その洗浄領域の上方に配置された吸収液供給用の分配装置および洗浄領域の下方に配置されたガス透過性の液体収集トレイを備えている洗浄器、
アンモニア水を洗浄領域に供給するための装置、
吸収液中に含まれる亜硫酸アンモニウムおよび亜硫酸水素アンモニウムを酸化して硫酸アンモニウムとするための酸化装置、
上記収集底部を酸化装置に連結し並びに該酸化装置を洗浄領域の上方に配置された分配装置に連結する吸収液循環系、
煙道ガスを洗浄器中の洗浄器溜液部の上方に設けられている洗浄器に供給するための煙道ガス通路、
煙道ガス通路に配置されており、煙道ガス流を冷却しそして水蒸気で飽和されする急冷液を供給するための噴霧装置、ただし該急冷液は煙道ガス流中に小滴として運ばれそして洗浄器溜液部に到る、
洗浄器溜液物部から煙道ガス通路中に配置された噴霧装置に液体を戻すための装置、を配備しており、その際に洗浄器溜液部に供給導管を通して酸化装置からの硫酸アンモニアを供給することができそして洗浄器溜液部にスラリー状物用導管が連結されており、該導管から循環供給によって肥料の製造に適している濃厚化硫酸アンモニウム溶液を引き出すことができ、そして酸化装置に、純粋硫酸アンモニウムの製造に適する実質的に不純物不含の硫酸アンモニウム溶液を引き出すために引出し導管が連結されている
ことを特徴とする、煙道ガスからＳＯ2 を除きそして価値ある物質に加工できる硫酸アンモニウム溶液を製造する装置である。
【０００７】
本発明は予備洗浄のために並びに急冷液として使用する硫酸アンモニウム溶液のための収集容器として洗浄器溜液を利用することを教示している。洗浄器溜液は液体循環系に関連しており、急冷の際の熱い煙道ガス流中での物質変換によって硫酸アンモニウム溶液の濃縮が行なわれる。ＳＯ2 除去のために使用される吸収液は洗浄領域の下方に配置された収集底部に別に集められ、そして酸化装置に供給される。本発明の装置においては、濃厚化されているが汚染されてもいる硫酸アンモニウム溶液を洗浄器の溜液部から引き出すことができ、更に、酸化装置中で硫酸アンモニウム濃度が低い実質的に汚染物質不含の硫酸アンモニウム溶液が生じる。両方のこれらの異なる硫酸アンモニウム溶液の製法は量比に関して変更することができるので、実際の需要に細部まで適合した硫酸アンモニウムの製造が可能である。
【０００８】
本発明の特に有利な実施形態によれば、煙道ガス通路の噴霧装置にＮａＯＨ−および／またはＫＯＨ溶液を供給するための追加的装置が連結される。ＫＯＨおよびＮａＯＨは、ハロゲンと結合しそして中和するのに役立つ。硫酸アンモニア肥料でカリウム成分としても受け入れられるＫＯＨを用いるのが特に有利である。
【０００９】
洗浄領域は、吸収液を注ぎ掛ける充填材域を有しているのが有利である。更に洗浄器にはエーロゾルを分離するための湿式エレクトリックフィルター(Nasselectrofilter) が設けられている。この濾過器は洗浄器の頂部の精製ガス出口の前に配置されている。
本発明の別の実施形態では、洗浄領域に第二の吸収液循環系を連結し、亜硫酸アンモニウム含有吸収液によって酸化装置を迂回して直接的に洗浄領域の上部に直接的に供給してもよい。二つの吸収液循環系を構成する装置は、洗浄領域の上側に供給される吸収液がアンモニア水、洗浄器の洗浄領域の下方から引き出されそして中間処理されずに戻される亜硫酸アンモニウム含有洗浄液、および酸化装置から戻される硫酸アンモニウム溶液より成り、その際に亜硫酸アンモニウムと硫酸アンモニウムとの混合比を１５：１〜３：１の範囲で調整する、方法も可能とする。亜硫酸アンモニウムと硫酸アンモニウムとの混合比は１０：１〜５：１の範囲であるのが有利である。この吸収液は、大きいＳＯ2 吸収能力に特徴がありそしてエーロゾルを形成する傾向がない。
【００１０】
以下に本発明を一つの実施例を示す図面によって更に詳細に説明する。この図面は煙道ガスからＳＯ2 を除きそして価値ある物質に加工することのできる硫酸アンモニウム溶液を製造する装置を図示している。
この装置の根本的な構成には、下方から上方に煙道ガスが貫流する少なくとも一つの洗浄領域（２）並びに該洗浄領域（２）の上方に配置された吸収液供給用の分配装置（３）、アンモニア水を洗浄領域（２）に供給するための装置（４）、吸収液中に含まれる亜硫酸アンモニウムおよび亜硫酸水素アンモニウムを硫酸アンモニウムに酸化するための酸化装置（５）、煙道ガスを洗浄器（１）に供給するための煙道ガス通路（６）、煙道ガス流を冷却しそして水蒸気で飽和される急冷液を供給するための、煙道ガス通路に配置された噴霧装置（７）が属している。
【００１１】
洗浄領域（２）の下方にはガス透過性の液体収集トレイ（８）が配置されている。洗浄領域（２）は吸収液循環系（９）に組み込まれており、該系は収集トレイ（８）を酸化装置（５）と結び付け並びに該酸化装置（５）を洗浄領域（２）の上方に配置された分配装置（３）と連結している。更に洗浄領域（２）は第二の吸収液循環系（１０）に組み込まれており、該系を通して、亜硫酸アンモニウム含有吸収液を酸化装置を迂回して洗浄領域（２）の上部に位置する分配装置（３）に直接的に供給することができる。
【００１２】
煙道ガスを洗浄器（１）に供給するための煙道ガス通路（６）は、洗浄器（１）中の洗浄器溜液部（１１）の上方に取り付けられている。煙道ガス通路（６）中に配備された噴霧装置（７）から供給される急冷用液は煙道ガス流中に小滴として運ばれ、洗浄器溜液部（１１）に至る。この液は、戻し装置（１２）を通して煙道ガス通路（６）中に配置された噴霧装置（７）に戻される。
【００１３】
供給導管（１３）を通して洗浄器溜液部（１１）に硫酸アンモニウムを酸化装置（５）から供給してもよい。洗浄器溜液部（１１）にスラリー状物排出導管（１４）が連結されており、該導管から、循環系で濃縮された肥料製造に適する硫酸アンモニウム溶液を引き出してもよい。十分に不純物が除かれた硫酸アンモニウム溶液は酸化装置（５）から取り出すことができる。この目的に、酸化装置（５）に連結された流出し用導管（１５）が設けられており、該導管を通して硫酸アンモニウム溶液が引き出される。この溶液は純粋な硫酸アンモニウムの製造に適している。
【００１４】
図面で説明した装置は、例えば塵芥焼却装置、クラウス装置(Clausanlage) 、発電所、汚泥燃焼装置または亜硫酸焙焼(Sulftroesteri) から発生し得る煙道ガスからＳＯ2 を除くのに利用される。煙道ガスは、煙道ガスに含まれる重金属含有不純物がＳＯ2 濃度に比例している場合に、肥料についての許容される基準から明らかな値にまで予め除塵する。予めの除塵は１６０〜３５０℃の温度範囲で行うので、硫酸小滴の凝集は生じない。煙道ガス通路（６）の入口温度は１１０〜１８０℃である。
【００１５】
装置に供給される煙道ガスは煙道ガス通路（６）において、導管（１６）を経て供給されるＮａＯＨ−またはＫＯＨ溶液が噴霧され、存在するハロゲン化水素が分離される。更に煙道ガスに噴霧装置（７）を経て硫酸アンモニウム溶液が供給され、その際に煙道ガスは冷却されそして水蒸気で飽和される。その液体温度は４５〜６０℃の範囲内に維持され、その際にガスの飽和温度は急冷用液の温度である。
【００１６】
急冷され、水蒸気で飽和されたハロゲン化水素不含煙道ガスを次いで洗浄器（１）の洗浄領域（２）に流す。洗浄領域（２）において、実質的にＳＯ2 で負荷された煙道ガスを、アンモニア水、硫酸アンモニウム水溶液および新たに生じた亜硫酸アンモニウム溶液より成る混合物より成る吸収液と接触させる。洗浄領域（２）の下方のガス透過性の液体収集トレイ（８）で引き出される吸収液の分流を吸収液循環系（９）を通して酸化装置に供給する。そこで酸素含有ガスの供給によって液体中に存在する亜硫酸アンモニウムおよび亜硫酸水素アンモニウムの硫酸アンモニウムへの酸化が行なわれる。吸収液の別の部分は導管（１０）を通して循環供給され、導管（４）からのアンモニア水並びに酸化装置（５）から供給される硫酸アンモニウム溶液と混合されそして洗浄領域（２）の上方の分配装置（３）に供給される。
【００１７】
洗浄領域（２）は煙道ガスと吸収液との間の接触面を増大させる充填材域を有しており、ＳＯ2 の吸収が改善される。充填材の使用によって洗浄領域（２）の高さおよび従って洗浄器（１）全体の構造高さを低くすることが可能である。この充填材域には、酸性ガスに対して不活性の材料で構成される市販の充填材を使用することができる。
【００１８】
ＳＯ2 の効果的な吸収を達成するためには、吸収液のｐＨ値を供給側でｐＨ５〜６．５に調整する。ｐＨのこの調整はアンモニア水の供給によって行なう。
送風器を備えた空気用導管（１７）が酸化装置（５）に連結されている。導管（１７）を通して供給される空気をＮＨ4 ＨＳＯ3 および（ＮＨ4 ）2 ＳＯ3 を含有する液体と激しく接触させる。生じる硫酸アンモニウム溶液収集は酸化装置（５）の溜液部に集まる。硫酸アンモニウム濃度は例えば比重測定によって測定される。２５〜３０重量％の硫酸アンモニウム濃度で、硫酸アンモニウム溶液を酸化装置（５）の溜液部から引き出す。導管（１５）を通して引き出される分流は硫酸アンモニウム生成装置に供給することができ、その装置中で水を除くことによって純粋な硫酸アンモニウムが製造される。導管（１３）から引き出される分流は洗浄器溜液部（１１）に供給され、洗浄器溜液部（１１）に連結された、戻し導管（１２）が関係する液循環系において急冷用液として煙道ガスの冷却に使用される。その際に硫酸アンモニウム溶液は４２重量％までの硫酸アンモニウム濃度に濃縮される。
【００１９】
酸化装置（５）の溜液中の液量は適当な導管を通して緩衝溶液用容器（１８）から水または洗浄液を供給することによって一定に調整できる。
図面に図示した実施例においては洗浄器（１）は場合によっては充填材域を備えている二番目の洗浄領域（２’）を有している。洗浄溶液はｐＨ４〜ｐＨ６のｐＨ値で、液体分配手段（３’）を通して二番目の洗浄領域（２’）の充填材域の上に供給されそして精製されたガスと接触する。
【００２０】
二番目の洗浄領域（２’）の負荷された洗浄液を、二番目の洗浄領域（２’）の下方に配置された液体収集トレイ（８’）から引き出し、緩衝溶液用容器（１８）に導入する。洗浄液のｐＨ値は導管（４）を通してアンモニア水を供給することによって調整する。緩衝溶液用容器（１８）の溜液部の液体の状態は導管（１９）を通して水を供給することによって調整する。
【００２１】
精製した煙道ガスを次いで煙突に導き、自然界に排気する。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は本発明の１実施例を実施するための装置の概略図である。
【符号の説明】
１・・・洗浄器
２・・・洗浄領域
３・・・分配装置
４・・・アンモニア供給用装置
５・・・酸化装置
６・・・煙道ガス通路
７・・・噴霧装置
８・・・液体収集トレイ
９・・・吸収液循環系
１０・・・吸収液循環系
１１・・・洗浄器溜液部
１２・・・循環用装置
１３・・・供給用導管
１４・・・スラリー状物除去用導管
１５・・・硫酸アンモニア溶液取り出し用導管
Claims (5)
- 下方から上方に煙道ガスが貫流する少なくとも一つの洗浄領域（２）、その洗浄領域（２）の上方に配置された吸収液供給用の分配装置（３）および洗浄領域（２）の下方に配置されたガス透過性の液体収集トレイ（８）を備えている洗浄器（１）、
アンモニア水を洗浄領域（２）に供給するための装置（４）、
吸収液中に含まれる亜硫酸アンモニウムおよび亜硫酸水素アンモニウムを硫酸アンモニウムに酸化するための酸化装置（５）、
上記収集底部（８）を酸化装置（５）に連結し並びに該酸化装置（５）を洗浄領域（２）の上方に配置された分配装置（３）に連結する吸収液循環系（９）、
煙道ガスを洗浄器（１）中の洗浄器溜液部（１１）の上方に嵌合されている洗浄器（１）に供給するための煙道ガス通路（６）、
煙道ガス通路（６）に配置されており、煙道ガス流を冷却しそして水蒸気で飽和する急冷液を供給するための噴霧装置（７）、ただし該急冷液は煙道ガス流中に小滴として運ばれそして洗浄器溜液部（１１）に到る、
洗浄器溜液部（１１）から煙道ガス通路（６）中に配置された噴霧装置（７）に液体を戻すための装置（１２）
を配備しており、その際に洗浄器溜液部（１１）に供給導管（１３）を通して硫酸アンモニアを酸化装置（５）から供給することができそして洗浄器溜液部（１１）にスラリー除去用導管（１４）が連結されており、該導管から循環供給によって肥料の製造に適している濃厚な硫酸アンモニウム溶液を引き出すことができ、そして酸化装置（５）に、純粋硫酸アンモニウムの製造に適する実質的に不純物不含の硫酸アンモニウム溶液を引き出すために引出し導管（１５）が連結されている
ことを特徴とする、煙道ガスからＳＯ2 を除きそして硫酸アンモニウム溶液を製造する装置。 - 噴霧装置（７）にＮａＯＨ溶液および／またはＫＯＨ溶液を供給するための添加用装置が連結されている請求項１に記載の装置。
- 洗浄領域（２）に、吸収液が注ぎ掛けられる充填材域を有している請求項１または２に記載の装置。
- 洗浄領域（２）に第二の吸収液循環系（１０）が設けられており、それを通して亜硫酸アンモニウム含有吸収液が酸化装置（５）を迂回して直接的に洗浄領域（２）の上方に配置された分配装置（３）に直接的に供給され得る、請求項１〜３のいずれか一つに記載の装置。
- 洗浄器（１）中にエーロゾルを分離するための湿式エレクトリックフィルターが取り付けられており、このフィルターが洗浄器（１）の頂部の精製ガス出口の前に取り付けられている請求項１〜４のいずれか一つに記載の装置。
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