JP4054148B2 - 耐食性部材の製造方法及び耐食性部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐食性部材の製造方法及び耐食性部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
超LSIのメモリ容量の拡大に伴って、微細加工化が益々進み、ケミカルな反応を必要とするプロセスが拡大してきている。特に、スーパークリーン状態を必要とする半導体製造装置では、デポジション用ガス、エッチング用ガス、及びクリーニング用ガスとして、塩素系ガス、及びフッ素系ガスなどのハロゲン系腐食性ガスが使用されている。
【0003】
例えば、熱CVD装置などの半導体製造装置においては、デポジション後にClF3 、NF3 、CF4 、HF、及びHClなどのハロゲン系腐食性ガスからなる半導体クリーニングガスを用いている。また、デポジションの段階でも、WF6 、SiH2 Cl2 などのハロゲン系腐食性ガスを成膜用ガスとして使用している。
【0004】
半導体製造装置を構成している部材は、例えば、アノーダイズド処理したアルミニウムや窒化アルミニウムなどから構成されている。
【0005】
また近年では、このようなハロゲン系腐食性ガスに対して、炭化珪素(SiC)が高温において比較的高い耐腐食性を示すことが見いだされ、上記半導体製造装置の部材として使用されるようになってきている。
【0006】
さらに、特開平2−263972号公報には、金属材料からなる部材の表面に化学量論比の金属フッ化物を主成分とするフッ化不動態膜を形成し、これによって前記部材のハロゲン系腐食性ガスに対する耐腐食性を向上させる試みがなされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アノーダイズド処理したアルミニウムは、表面酸化膜が300℃程度の温度で収縮してクラックを生じる。したがって、高温で上記のようなハロゲン系腐食性ガスに晒されて接触すると、そのクラック部分から下地のアルミニウムが腐食され、その腐食された部分の表面酸化膜が前記部材から剥離してパーティクルとなる。
【0008】
また、窒化アルミニウムの場合でも、近年、エッチング速度などを増加させる目的で、上記NF3 などの特に腐食性の高いガスを使用する傾向にある。このため、前記同様に高温でこれらのガスに晒されるとその表面が腐食され、パーティクルが発生するという問題がある。
このパーティクルが、上記のような半導体製造装置上に設置された基板上に堆積すると、絶縁不良や導通不良の現象が生じて、半導体不良の原因となる。
【0009】
さらに、上述したように、炭化珪素はハロゲン系腐食性ガスに対して比較的高い耐腐食性を示すが、難焼結性であるため大型化が困難であるという問題がある。
【0010】
そこで、炭化珪素からなる多孔質部材を形成した後、この孔の部分にアルミニウムなどを含浸させて大型の部材を製造する試みがなされている。しかしながら、含浸させたアルミニウムなどの耐腐食性が劣るために、得られる部材のハロゲン系腐食性ガスに対する耐腐食性が劣化し、適用範囲が限られてしまうという問題があった。
【0011】
さらに、特開平2−263972号公報に記載された方法では、ハロゲン系プラズマガス、特に塩素プラズマガスに対する耐腐食性が極めて低いという問題があった。
【0012】
本発明は、ハロゲン系腐食性ガスに対して高い耐腐食性を示す、新たな耐食性部材の製造方法及び耐食性部材を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
アルミニウム含有金属、アルミニウム元素を含有するセラミックス、またはアルミニウム含有金属とセラミックスとの複合材料からなる基体と、この基体上の耐食膜とを備えている耐食性部材を製造する方法であって、
基体を固体状のフッ素化合物を入れた容器中に設置し、容器をフッ素化合物の熱分解温度以上に加熱することによって、フッ素化合物の分解ガスを生成させ、基体をフッ素化合物の分解ガスとともに熱処理し、基体の表面にフッ化物からなる耐食膜を形成することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、アルミニウム含有金属、アルミニウム元素を含有するセラミックス、またはアルミニウム含有金属とセラミックスとの複合材料からなる基体と、この基体を固体状のフッ素化合物を入れた容器中に設置し、容器内を固体状のフッ素化合物の熱分解温度以上に加熱することにより基体の表面に生成したフッ化物からなる耐食膜を具えることを特徴とする、耐食性部材に係るものである。
【0015】
本発明者は、半導体製造装置などを構成する部材のハロゲン系腐食性ガス、特にハロゲン系プラズマガスに対する耐腐食性を向上させるために、新たな製造方法及び新たな耐食性部材を見いだすべく鋭意検討した。
【0016】
その結果、NaHF2 などの固体状のフッ素化合物を入れた密閉容器中に、アルミニウムからなる基体を設置し、このフッ素化合物の熱分解温度以上に加熱して一定時間熱処理を施すと、基体の表面に、好ましくはAlF3 を主結晶相とするフッ化物層が形成されることを見出した。そして、このようにして形成された耐食性部材は、ハロゲン系腐食性ガス、特に塩素プラズマガスなどのハロゲン系プラズマガスに対して高い耐腐食性を有することを見出した。
【0017】
前記基体は、アルミニウム金属、アルミニウム合金、アルミニウム元素を含有してなるセラミックス材料、複合材料から構成されている。したがって、鋳造や焼結などを簡易に行うことができ、大型部材の製造が容易となる。
【0018】
したがって、本発明の製造方法によって製造された耐食性部材は、ハロゲン系腐食性ガスに対する耐腐食性に優れるとともに、大型部材の製造などが容易である。さらに、複雑な製造設備を必要とせず、コスト高の問題を生じることもない。
【0019】
図1は、本発明の耐食性部材のX線回折パターンを示す図である。また、図2は、上記耐食性部材表面のSEM断面写真である。
【0020】
図1に示すX線回折パターンからは、基体を構成するアルミニウムからのピークの他に、AlF3 結晶からのピークが観察される。すなわち、本発明の製造方法によって得られた部材の表面には、AlF3 を主結晶相として含むフッ化物が形成されていることが分かる。
【0021】
また、図2に示すSEM断面写真では、厚さ約4μmの層状の膜が形成されていることが分かる。
【0022】
本発明の製造方法によって、基体の表面にフッ化物相が形成されるメカニズムについては、以下のように推察される。
【0023】
例えば、固体状のフッ素化合物としてNaHF2 を入れた容器を加熱し、このNaHF2 が所定温度以上に加熱されると、下記(1)式に示すように、NaHF2 が熱分解してフッ化水素(HF)を生成する。
NaHF2 →NaF+HF (1)
【0024】
一方、例えばアルミニウム金属からなる基体の表面には、アルミナ(Al2 O3 )不動態膜が形成されている。そして、このアルミナ不動態膜が前記HFと下記(2)式にしたがって反応して、アルミナが三フッ化アルミニウム(AlF3 )に転化することにより、基体の表面にフッ化物層が形成されるものである。
Al2 O3 +6HF→2AlF3 +3H2 O (2)
【0025】
なお、本発明のフッ化物層は、完全に連続な層として存在する必要はなく、粒子状のフッ化物が密に並んでいる場合などをも含む。
【0026】
本発明の耐食性部材の製造方法は、アルミニウム金属などからなる基体を、固体状のフッ素化合物の分解ガスとともに熱処理することが必要である。
【0027】
この熱処理は、開放系の容器を用いることによって大気圧下で行うこともできるが、密閉容器を用いることによって加圧下で行うことが好ましい。これによって、ハロゲン系腐食性ガス、特に塩素プラズマガスなどのハロゲン系プラズマガスに対して極めて高い耐腐食性を有する耐食性部材を製造することができる。
【0028】
加圧下で熱処理を行う場合、前記と同様の理由からその圧力は1.5気圧以上であることが好ましく、さらには5気圧以上であることが好ましい。
【0029】
また、加圧下で熱処理する場合、その圧力値の上限は、容器の耐圧性を考慮すると20気圧であることが好ましく、さらには10気圧であることが好ましい。
【0030】
熱処理温度は、固体状のフッ素化合物の熱分解温度以上であって、フッ素化合物を熱分解させ、分解ガスを生成することができれば特に限定されるものではない。
【0031】
しかしながら、上記のような圧力下で基体に対して熱処理を施し、ハロゲン系プラズマガスに対して高い耐腐食性を有する耐食性部材を得るには、固体状のフッ素化合物の熱分解温度よりも0〜200℃高い温度で熱処理することが好ましく、10℃以上高い温度で熱処理することが更に好ましく、また、最高150℃高い温度で熱処理することが更に好ましい。
【0032】
また、熱処理時間は、形成すべきフッ化物層の厚さ、容器内の圧力、フッ素系ガスの種類などに依存して変化するが、5〜40時間行うことが好ましい。
【0033】
また、本発明で使用することのできる固体状のフッ素化合物は、特定の熱分解温度を有し、この温度以上に加熱することによって分解ガスを生成することができれば特に限定されない。
【0034】
しかしながら、特に熱分解温度が100〜300℃の温度範囲にある固体状のフッ素化合物が好ましい。固体状のフッ素化合物が、このような比較的低い熱分解温度を有することによって、熱処理における容器加熱を簡易に行うことができる。そして、前記基体の加圧下での熱処理を簡易に行うことができる。
【0035】
固体状のフッ素化合物も限定はされないが、熱分解温度がそれぞれ140〜160℃、240℃、及び120〜160℃であるNaHF2 、KHF2 、及びNH4 HF2 を例示することができる。また、特に金属元素を含有しないフッ素化合物が好ましく、熱分解によってフッ化水素を発生させるフッ素化合物が特に好ましい。この中で最も好ましいのはNH4 HF2 である。
【0036】
固体状のフッ素化合物には、バルク状のもの、あるいは粒子状のもの、さらには粉末状のものが含まれる。粉末状のものは、表面積が大きいため、比較的短時間で粉末全体の温度を均一にすることができ、熱分解によって分解ガスを容易に生成する。
【0037】
本発明の製造方法において、耐食性部材を構成する基体は、次のものである。
(1)アルミニウム含有金属: アルミニウム純金属、またはアルミニウム合金である。アルミニウム合金は、アルミニウムの他に、珪素、鉄、チタン、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛などが含有されていてよい。特には、Al−Si、Al−Mg、Al−Cu−Mg、Al−Si−Mg合金を例示できる。特にマグネシウム含有合金が好ましい。
(2)アルミニウム元素を含有するセラミックス: 窒化アルミニウム、アルミナが特に好ましい。
(3)アルミニウム含有金属とセラミックスとの複合材料:前記したようなアルミニウム含有金属を使用できる。セラミックスは特に限定されないが、アルミニウム元素を含有するセラミックスが特に好ましい。
【0038】
特にアルミニウム含有金属や複合材料を使用すると、所定の大きさ及び形状の基体を容易に形成することができる。このため、大型の基体や特殊形状の基体に対して、本発明の製造方法を適用することができ、大型の耐食性部材や特殊形状の耐食性部材を簡易に形成することができる。その結果、本発明の製造方法は半導体製造装置などの広範な用途に対して適用することができる。
【0039】
本発明の耐食性部材は、フッ素系プラズマガスに加えて、塩素系プラズマガスに対して特に高い耐食性を有する点で画期的である。この耐食性部材は、13.56MHz、800Wの高周波で励起して得た塩素プラズマガスに460℃において5時間暴露した際の重量減少が15mg/cm2 以下であることが好ましく、さらには1mg/cm 2 以下であることが好ましい。
【0040】
したがって、このような特性を有する耐食性部材を、例えば半導体製造装置に使用した場合、通常の使用条件において、既存材料よりも十分に長い期間、使用することができる。
【0041】
また、本発明は、アルミニウム含有金属からなる基体と、この基体上の耐食膜とを備えている耐食性部材を製造する方法であって、
基体を固体状のフッ素化合物を入れた容器中に設置し、容器内をフッ素化合物の熱分解温度以上に加熱することによってフッ素化合物の分解ガスを生成させ、基体をフッ素化合物の分解ガスとともに熱処理し、基体の表面にフッ化物からなる中間体膜を生成させ、次いで基体および中間体膜を熱処理して互いに反応させることによって、フッ化物からなる耐食膜を生成させることを特徴とする。
【0042】
本発明者は、アルミニウム含有金属からなる基体を、前述のようにフッ化処理するのに際して、フッ素化合物、温度、圧力条件によっては、基体表面に、ハロゲン系腐食性ガスに対する耐食性を得るには至らないような、かつ基体表面から容易に剥落するようなフッ化物膜が生成することに気がついた。そして、このような膜を、更に高温で熱処理すると、フッ化物が基体表面と反応し、最終的に耐食性の高いフッ化物膜を生成することが分かった。このような耐食性のないフッ化物からなる中間体膜は、例えば図3に示すような外観をしており、この中間体膜の熱処理によって生成した膜は、図4に示すような外観をしている。
【0043】
本発明者が、この最終的に得られたフッ化物耐食膜の特性と耐蝕性とを検討したところ、次のような顕著な特徴を有することを見出した。
【0044】
即ち、耐食膜は、例えば図5、6、10、11に示すように、基体の表面を被覆するフッ化物の粒子からなっていた。この粒子の粒径は大きく、耐食膜の表面に直線を引いたときにこの直線が横断する粒界の個数が平均して直線の長さ10μm当たり100個以下、5個以上であった。これは、粒径としては0.1μm−2.0μmに相当する。
【0045】
アルミニウム含有金属に対してフッ化物ガスを接触させたり、あるいは前記した固体状のフッ素化合物の分解ガスを接触させたりすることで生成するフッ化物膜は、気相法の特徴として極めて微細であり、倍率5000倍程度の顕微鏡でははっきりした粒子は見えない。これに対して、こうして得られた耐食膜は、非常に粒径が大きく、各粒子が密に接触しており、粒界相が存在しないという特徴を有する。
【0046】
また、この粒子は、アルミニウムフッ化物相とマグネシウムフッ化物相との少なくとも一方を含有しており、好ましくは双方を含有している。アルミニウム元素、マグネシウム元素は、基体表面から膜に移行したものである。
【0047】
耐食膜の厚さは、走査型顕微鏡で倍率5000倍で確認できないことから、通常0.1−2.0μmと考えられる。
【0048】
基体および中間体膜を熱処理する際の雰囲気は、基体に影響を与えない限りは特に限定されないが、酸素と不活性ガスとを含有する雰囲気が特に好ましい。熱処理温度は、中間体膜と基体との反応を促進する上で、200℃以上が好ましく、300℃以上が更に好ましい。また、基体の劣化を防止するという観点からは、650℃以下が好ましく、600℃以下が更に好ましい。
【0049】
好ましくは、容器内に収容するための固体状のフッ素化合物が、金属元素を含有しないフッ化化合物である。このフッ素化合物は、熱分解可能であれば限定されないが、NH4 HF2 が特に好ましい。
【0050】
中間体膜は、基体とフッ素との反応によって生成するものであるが、フッ化アルミニウムアンモニウム膜であることが特に好ましい。
【0051】
また、本発明者は、一般的に、基体とフッ化アルミニウムアンモニウムとを熱処理して互いに反応させることによって、フッ化物からなる耐食膜を生成させ得ることを発見した。
【0052】
具体的には、まず前述したように、容器内で固体状のフッ素化合物と基体とを熱処理することでフッ化アルミニウムアンモニウム膜を、中間体膜として生成させることができる。次いで、更に容器内で、基体およびフッ化アルミニウムアンモニウム膜を、前述のように熱処理することで、耐食膜を生成させることができる。
【0053】
また、これとは別に、基体の表面にフッ化アルミニウムアンモニウムの粉末を接触させた状態で熱処理することができる。こうした粉末それ自体は、例えば水酸化アルミニウムとフッ化アンモニウム飽和溶液との化学反応によって生成させることができる。
【0054】
この実施形態においては、更に、容器内にフッ化アルミニウムアンモニウム粉末を収容し、この粉末の中に基体を埋設し、そのまま熱処理することができる。または、フッ化アルミニウムアンモニウム粉末を、適当な有機溶媒、バインダー等と混合し、塗布液を調製し、塗布液を基体上に塗布して成形膜を得る。この成形膜を基体と共に熱処理することができる。
【0055】
ここで、フッ化アルミニウムアンモニウムは、(NH4 )3 AlF6 結晶のみからなっていてよい。また、(NH4 )3 AlF6 結晶の結晶構造を保持している限りにおいて、アルミニウム元素が他の金属元素によって置換されていてよい。この金属元素としては、通常アルミニウム合金中に含有されている金属元素が好ましく、こうした金属元素としては、珪素、マグネシウム、マンガン、銅、鉄等が好ましい。特に半導体製造用途においては、珪素またはマグネシウムが好ましい。
【0056】
本発明の耐蝕性部材は、赤外線ランプ加熱によって発熱するサセプター、半導体加熱用ヒーター、半導体加熱用ヒーターの発熱面に設置されるサセプター、静電チャック用電極が埋設されているサセプター、静電チャック用電極および抵抗発熱体が埋設されているサセプター、高周波プラズマ発生用電極が埋設されているサセプター、高周波プラズマ発生用電極および抵抗発熱体が埋設されているサセプターに対して適用できる。また、本発明の耐蝕性部材は、ダミーウエハー、シャドーリング、高周波プラズマを発生させるためのチューブ、高周波プラズマを発生させるためのドーム、高周波透過窓、赤外線透過窓、半導体ウエハーを支持するためのリフトピン、シャワー板等の各半導体製造用装置の基体として、使用することができる。
【0057】
【実施例】
(実験A)
(実施例1)
80ccのテフロン容器中に、平均粒径10μmのNaHF2 (熱分解温度140〜160℃)粉末1gを設置した。次いで、テフロンメッシュをNaHF2 粉末上に載置した後、このテフロンメッシュ上に直径20mm、厚さ2mmのアルミニウム板(基体)を載置した。テフロンメッシュによって、アルミニウム板がNaHF2 粉末と直接接しないようにした。
【0058】
次いで、このテフロン容器をステンレス容器に入れ、このステンレス容器を密閉した後、乾燥機に入れて熱処理を実施した。
【0059】
熱処理は300℃で10時間行い、その後、室温放置によって内部温度が30℃以下になるまで冷却した。なお、熱処理中におけるテフロン容器内の圧力は約20気圧であった。その後、アルミニウム板を取り出して、その表面をX線によって調べた。
【0060】
図1に示すX線回折パターンからは、アルミニウム結晶からのピークと、AlF3 結晶からのピークとが観察される。したがって、アルミニウム板の表面には、AlF3 を主結晶相とするフッ化物が形成されている。
【0061】
次に、得られた部材の表面に無電解Niメッキを施した後、切断して断面をSEMで観察したところ、2〜5μmの層が形成されていた。したがって、図1及び2より、アルミニウム板の表面にはAlF3 主結晶相からなる、厚さ2〜5μmのフッ化物層が形成されていることが分かる。
【0062】
次いで,この耐食性部材について、腐食実験を行った。
具体的には、13.56MHz、1kWの誘導結合プラズマで、温度300℃、ガス流量300sccm、圧力0.1TorrのCl2 ガスを励起したものを用いた。
この励起ガス中に耐食性部材を5時間保持し、試験前後の重量変化によって耐腐食性を評価した。結果を表1に示す。
【0063】
(実施例2)
実施例1において、NaHF2 粉末の代わりにKHF2 (熱分解温度240℃)粉末を用いた。これ以外は実施例1と同様である。
【0064】
得られた耐食性部材の表面をX線及び走査型電子顕微鏡によって調べたところ、実施例1と同様に、AlF3 を主結晶相として含有した厚さ1〜3μmのフッ化物層が形成されていることが判明した。また、熱処理中におけるテフロン容器中の圧力は20気圧であった。腐食実験の結果を表1に示す。
【0065】
(実施例3)
熱処理温度を200℃とした以外は、実施例1と同様にして実施した。
得られた部材の表面をX線によって調べたところ、アルミニウム以外からのピークは観察されなかった。そこで、SEM/EDSによって表面の観察を行ったところ、アルミニウム板の表面にフッ化物が形成されていることが判明した。
【0066】
更に、走査型電子顕微鏡によって耐食性部材の断面を調べたところ、フッ化物の厚さは0.6〜0.8μmであることが判明した。また、熱処理中におけるテフロン容器中の圧力は16気圧であった。腐食実験の結果を表1に示す。
【0067】
(比較例1)
熱処理温度を130℃とした以外は、実施例1と同様にして実施した。
実施例1と同様に、得られた部材の表面をX線及び走査型電子顕微鏡によって観察したところ、フッ化物に起因したピークは観測されないとともに、何らの堆積物も観察されなかった。腐食実験の結果を表1に示す。
【0068】
(比較例2)
熱処理温度を100℃とした以外は、実施例2と同様にして実施した。
実施例1と同様に、得られた部材の表面をX線及び走査型電子顕微鏡によって観察したところ、フッ化物に起因したピークは観測されないとともに、何らの堆積物も観察されなかった。腐食実験の結果を表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
表1から分かるように、本発明の製造方法にしたがって固体状のフッ素化合物であるNaHF2 及びKHF2 の熱分解温度以上に容器を加熱し、これらフッ素化合物の分解ガスを用いて形成したフッ化物層を基体表面に有する部材は、Cl2 ガスなどのハロゲン系腐食性ガスに対する耐腐食性の高いことが分かる。
【0071】
一方、本発明の製造方法と異なり、基体表面にフッ化物層が形成されていない部材は、腐食性試験前後の重量変化が大きく、Cl2 ガスなどのハロゲン系腐食性ガスに対する耐腐食性の低いことが分かる。
【0072】
(実験B)
(実施例4)
内容積70ccのフッ素樹脂製一端開口円筒容器中の底面に、平均粒径10μmのNaHF2 粉末1gを設置した。次いで、フッ素樹脂メッシュをNaHF2粉末上に載置した後、このフッ素樹脂メッシュ上に縦10mm、横10mm、厚さ2mmのアルミニウム合金(JIS6061)板(基体)を載置した。アルミニウム合金板が、NaHF2 粉末と直接接しないようにした。次いで、このフッ素樹脂容器の開口部に蓋をし、開放ステンレス容器内に設置し、ステンレス容器を締め付けることにより、フッ素樹脂容器を密閉した。
【0073】
この密閉フッ素樹脂容器を乾燥機内に入れ、300℃、10時間の熱処理を実施し、その後、室温放置により、内部温度が30℃以下になるまで冷却した。なお、熱処理中のフッ素樹脂容器内圧は約20気圧であった。
【0074】
その後、アルミニウム合金板を取り出し、表面をX線回折によって調べたが基体以外のピークは見られなかった。また、表面及び断面のSEM観察を行ったが、基体以外の層は認められなかった。しかし、EDSにより表面組成を調べたところ、基体元素のAl、Mg、Si以外にFが強く検出された。このことから、前記基体の表面にはフッ化物層が形成されていることが分かった。
【0075】
次に、この耐食性部材について、以下の二種類の耐食性試験を行った。各耐蝕性試験の結果を表2に示す。
【0076】
一方の耐食性試験Aにおいては、NF3 とN2 との混合ガスを励起した。NF3 ガスとN2 ガスとは、それぞれ75sccm、100sccmの流量で、圧力0.1torrの状態にある。周波数13.56MHz、800Wの誘導結合プラズマで混合ガスを励起した。そして、このフッ素プラズマガス中に550℃で5時間保持した際の重量増によって評価した。試料は、直径120の励起コイルより300mm離れた位置に載置した。なお、この重量増が大きいほど耐腐食性の低いことを表す。
【0077】
他方の耐食性試験Bにおいては、Cl2 とN2 との混合ガスを励起した。Cl2 ガスとN2 ガスとは、それぞれ300sccm、100sccmの流量で、圧力0.1torrの状態にあった。周波数13.56MHz、800Wの誘導結合プラズマで混合ガスを励起した。そして、この塩素プラズマガス中に460℃で5時間保持した際の重量減によって評価した。試料は、直径120の励起コイルより300mm離れた位置に載置した。なお、この重量減が大きいほど耐腐食性の低いことを表す。
【0078】
(実施例5)
実施例4と同様のフッ化処理を行った後、容器中よりアルミニウム合金板を取り出し、熱処理炉に入れて、大気中550℃、2時間の熱処理を行った。
【0079】
実施例4と同様に、X線回折及びSEM観察によって調べたが、基体以外の層は認められなかった。しかし、EDSによって前記基体表面の組成分析を行ったところ、アルミニウム合金を構成するAl、Mg、Si元素以外にF元素が強く検出された。このことから、基体の表面にはフッ化物層が形成されていることが分かった。二種類の耐食性試験の結果を表2に示す。
【0080】
(実施例6)
NaHF2 粉末量を1gから0.5gに代え、熱処理温度を300℃から200℃に代えた以外は、実施例4と同様にして実施した。なお、熱処理中の容器内圧力は約9気圧であった。
【0081】
実施例4と同様に、EDSによる分析の結果、基体表面にフッ化物層の形成されていることが判明した。二種類の耐食性試験の結果を表2に示す。
【0082】
(実施例7)
NaHF2 粉末量を1gから0.3gに代え、熱処理温度を300℃から150℃に代えた以外は、実施例4と同様にして実施した。なお、熱処理中の容器内圧力は約5気圧であった。
【0083】
実施例4と同様に、EDSによる分析の結果、基体であるアルミニウム合金板の表面にフッ化物層が形成されていることが判明した。二種類の耐食性試験の結果を表2に示す。
【0084】
(実施例8)
NaHF2 粉末をKHF2 粉末に代えた以外は、実施例4と同様にして実施した。なお、熱処理中の容器内圧力は約20気圧であった。
【0085】
EDSによる組成分析の結果、アルミニウム合金板からなる基体表面にはフッ化物層が形成されていることが判明した。二種類の耐食性試験の結果を表2に示す。
【0086】
(実施例9)
NaHF2 粉末量を1gから0.2gに代え、基体をJIS6061アルミニウム合金からJIS5052アルミニウム合金に代え、熱処理温度を300℃から200℃に代えた以外は、実施例4と同様にして実施した。なお、熱処理中の容器内圧力は約3気圧であった。
【0087】
EDSによる組成分析の結果、基体表面にはフッ化物層が形成されていることが判明した。
【0088】
(実施例10)
基体をJIS6061アルミニウム合金からJIS1050合金に代えた以外は、実施例9と同様にして実施した。なお、熱処理中の容器内圧力は約3気圧であった。
【0089】
EDSによる組成分析の結果、基体表面にはフッ化物層が形成されていることが判明した。
【0090】
(比較例3)
Ni製チャンバー内に、縦10mm、横10mm、厚さ2mmのアルミニウム合金板(JIS 6061)を載置し、大気圧下においてN2 ガスを流通させた状態において、合金板を350℃で1時間ベーキングした。次いで、大気圧下において100%F2 ガスを流通させながら、合金板に対して350℃、10時間の熱処理を実施した。その後、窒素ガスを用いてチャンバー内を置換するとともに、このN2 雰囲気中において350℃、1時間の熱処理を実施した。次いで、チャンバー内の温度が30℃以下になるまで冷却し、アルミニウム合金板を取り出した。
【0091】
アルミニウム合金板の表面をX線回折によって調べたが、基体であるアルミニウム合金以外からのピークは見られなかった。また、表面及び断面のSEM観察を行ったが、アルミニウム合金板以外の層は認められなかった。しかし、EDSにより表面組成を調べたところ、アルミニウム合金板を構成するAl、Mg、Si元素以外にF元素が強く検出された。このことから、アルミニウム合金板の表面にはフッ化物層が形成されていることが分かった。二種類の耐食性試験の結果を表2に示す。
【0092】
(比較例4)
JIS 6061アルミニウム合金板からJIS 1050アルミニウム合金板に代えた以外は、比較例3と同様にして実施した。
【0093】
EDSによる組成分析によって前記アルミニウム合金板の表面にはフッ化物層が形成されていることが分かった。
【0094】
(比較例5)
縦10mm、横10mm、厚さ2mmのアルミニウム合金板(JIS 6061)を使用した。
【0095】
(比較例6)
縦10mm、横10mm、厚さ2mmのアルミニウム合金板(JIS 1050)を使用した。
【0096】
【表2】
【0097】
表2の実施例及び比較例から明らかなように、本発明にしたがって、固体状フッ素化合物であるNaHF2 、KHF2 の分解ガスを用いて基体を熱処理し、その表面にフッ化物層を形成してなる部材は、フッ素プラズマガス及び塩素プラズマガスに対して高い耐腐食性を示す。特に、塩素プラズマガスに対する耐腐食性において顕著な差が見られる。
【0098】
また、基体表面にフッ化物層を有する場合においても、固体状のフッ素化合物を用いず、F2 ガスを用いた場合においては、フッ素プラズマガス及び塩素プラズマガスに対する耐腐食性が低いことが分かる。
【0099】
(実験C)
(実施例11)
内容積80ccのフッ素樹脂製の一端が開口した円筒容器の底面に、平均粒径10μmのフッ化水素アンモニウム(NH4 F・HF)粉末0.6gを設置した。次いで、フッ素樹脂製のメッシュをこの粉末上に載置し、このメッシュ上に、縦10mm、横10mm、厚さ2mmのアルミニウム合金板(JIS 6061合金)を載置した。メッシュによって、アルミニウム合金が粉末と直接に接触しないようにした。次いで、この円筒容器の一端の開口に蓋をし、円筒容器を、開放されたステンレス容器中に収容し、ステンレス容器を埋め付けて密閉した。
【0100】
この密閉されたフッ素樹脂容器を乾燥機内に入れ、250℃で16時間熱処理した。次いで容器を室温で放置し、容器内の温度が30℃以下になるで冷却した。熱処理中のフッ素樹脂容器の内圧は約12気圧であった。
【0101】
次いで、容器からアルミニウム合金板を取り出したところ、板の表面が、図3の写真に示すように、やや赤みがかった粉状の析出物で覆われていた。この析出物をX線回折法で同定したところ、(NH4 )3 AlF6 と同一の結晶構造を有する化合物であることが判明した。
【0102】
次いで、アルミニウム合金板の表面が析出物で覆われた状態を保持したままで、合金板を、大気中で500℃で2時間熱処理した。熱処理後には、赤みがかった色は多少薄れていたものの、相変わらず合金板の表面にフッ化アルミニウムアンモニウムが付着していた。この試料をアセトン中で超音波洗浄すると、フッ化アルミニウムアンモニウムは簡単に剥離し、その内部からアルミニウム合金板が現れた。この合金板の表面は、図4の写真に示すように、合金の表面光沢が失われた状態になっており、何らかの薄膜が生成したものと思われる。
【0103】
得られた耐食性部材の表面の走査型電子顕微鏡写真を図5(倍率5000倍)、図6(倍率2000倍)に示す。粒径1μm程度の結晶粒子を有する薄膜が、基体の表面を被覆していることが分かる。この耐食膜の表面に直線を引いたときに、直線が横断する粒界の個数が、直線の長さ10μm当たり平均して10個であった。なお、この測定の際には、走査型電子顕微鏡によって、任意の表面領域を、各粒子と各粒界とが個々に識別できるような倍率(5000倍)で撮影する。そして、写真に任意の直線を引き、この直線が横切る粒界の個数をかぞえる。そして、500個の粒界を横切るのに要した直線の長さをL(μm単位)とする。(500/L)×10の計算式により、10μm当たりの粒界の個数を算出する。
【0104】
図7は、この耐食性部材の表面領域のX線回折の結果を示すチャートである。基体を構成するJIS 6061合金のピーク以外に、AlF3 (JCPDS 43−0435)と同一構造の結晶相、およびMgF2 (JCPDS41−1443)と同一構造の結晶相が同定された。
【0105】
図8は、耐食性部材の表面のEDS分析結果を示すチャートである。Fが表面に存在していることが分かる。
【0106】
この耐食性部材について、前述した耐食性試験A、Bを実施し、その結果を表3に示す。表3には、耐食性試験A(フッ素系ガスのプラズマに暴露したときの重量増)と、耐食性試験B(塩素系ガスのプラズマに暴露したときの重量減)とを示す。
【0107】
(実施例12)
実施例11と同様にして耐食性部材を製造した。ただし、実施例11において、密閉フッ素樹脂容器を乾燥機内に入れた後、100℃で16時間の熱処理を施した。熱処理時の容器の内圧は約2気圧であった。
【0108】
この耐食性部材を、実施例11と同様に、走査型電子顕微鏡、X線回折およびEDS分析に供した。図9は、X線回折の結果を示すチャートである。基体を構成するJIS 6061合金以外には、MgF2 (JCPDS 41−1443)と同一構造の結晶相のみが同定された。
【0109】
耐食性部材の表面のEDS分析からは、フッ素原子が表面に存在していることが確認された。また、走査型電子顕微鏡による観測では、粒径約0.3μmの結晶粒子を有する薄膜が基体の表面を被覆していることを確認した。また、この耐食性部材の耐食性試験A、Bの結果を、表3に示す。
【0110】
(実施例13)
実施例11と同様にして耐食性部材を製造した。ただし、実施例11において、JIS 6061合金の代わりに、縦10mm、横10mm、厚さ2mmのアルミニウム合金板(JIS 1050合金製)を使用した。
【0111】
フッ化処理後にアルミニウム合金板を密閉容器から取り出したところ、板の表面が白色粉状の析出物で被覆されていた。この析出物をX線回折によって同定したところ、(NH4 )3 AlF6 と同一の結晶構造を有する化合物であることが判明した。
【0112】
次いで、アルミニウム合金板の表面が前記析出物が覆われた状態を保持したままで、合金板を、大気中で500℃で2時間熱処理した。熱処理後後には、赤みがかった色は多少薄れていたものの、相変わらず合金板の表面にフッ化アルミニウムアンモニウムが付着していた。この試料をアセトン中で超音波洗浄すると、フッ化アルミニウムアンモニウムは簡単に剥離し、その内部からアルミニウム合金板が現れた。この合金板の表面は、合金の表面光沢が失われた状態になっており、何らかの薄膜が生成したものと思われる。
【0113】
得られた耐食性部材の表面の走査型電子顕微鏡写真を、図10(倍率5000倍)、図11(倍率2000倍)に示す。粒径0.5μm程度の結晶粒子を有する薄膜が、基体の表面を被覆していることが分かる。この耐食膜の表面に直線を引いたときに、直線が横断する粒界の個数が、直線の長さ10μm当たり平均して21個であった。
【0114】
図12は、この耐食性部材の表面領域のX線回折の結果を示すチャートである。基体を構成するJIS 1050のピーク以外に、AlF3 (JCPDS 43−0435)と同一構造の結晶相のみが同定された。図13は、耐食性部材の表面のEDS分析結果を示すチャートである。Fが表面に存在していることが分かる。この耐食性部材の耐食性試験A、Bの結果を、表3に示す。
【0115】
(実施例14)
水酸化アルミニウムとフッ化アンモニウム飽和溶液とを反応させることにより、(NH4 )3 AlF6 粉末を製造した。開放型のアルミナルツボにこの粉末を充填し、その中に、縦10mm、横10mm、厚さ2mmのアルミニウム合金板(JIS 6061)を埋設し、500℃で2時間、大気中で熱処理した。熱処理後にこの合金板を取り出したところ、板の表面の光沢が失われていた。
【0116】
得られた耐食性部材の表面の走査型電子顕微鏡写真を倍率5000倍、2000倍で観測したところ、実施例11と同様の微構造が観測された。直線が横断する粒界の個数は、直線の長さ10μm当たり平均して9個であった。
【0117】
耐食性部材の表面領域のX線回折から、基体を構成するJIS 6061のピーク以外に、AlF3 (JCPDS 43−0435)およびMgF2 (JCPDS 41−1443)と同一構造の結晶相が同定された。耐食性部材の表面のEDS分析結果から、Fが表面に存在していることが分かった。この耐食性部材の耐食性試験A、Bの結果を、表3に示す。
【0118】
(実施例15)
水酸化アルミニウムとフッ化アンモニウム飽和溶液とを反応させることにより、(NH4 )3 AlF6 粉末を製造した。この粉末をエタノール中に分散させ、この分散液に適量のポリビニルブチラールを添加し、スラリーを製造した。このスラリーを、縦10mm、横10mm、厚さ2mmのアルミニウム合金板(JIS 5083)に刷毛で塗布した。エタノールを乾燥させた後、この試料を450℃で10時間、大気下で熱処理した。熱処理後にこの合金板を取り出し、超音波洗浄したところ、合金板の表面の付着物が除去された。合金板の表面の光沢が失われていた。
【0119】
得られた耐食性部材の表面の走査型電子顕微鏡写真を倍率5000倍、2000倍で観測したところ、実施例11と同様の微構造が観測された。直線が横断する粒界の個数は、平均して直線の長さ10μm当たり11個であった。
【0120】
耐食性部材の表面領域のX線回折から、基体を構成するJIS 6061のピーク以外に、AlF3 (JCPDS 43−0435)およびMgF2 (JCPDS 41−1443)と同一構造の結晶相が同定された。耐食性部材の表面のEDS分析結果から、Fが表面に存在していることが分かった。この耐食性部材の耐食性試験A、Bの結果を、表3に示す。
【0121】
【表3】
【0122】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ハロゲン系腐食性ガスやそのプラズマ、特に塩素プラズマガスおよびそのプラズマに対して高い耐食性を示す耐食性部材が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法によって得られた耐食性部材の表面のX線回折パターンを示す図である。
【図2】本発明の製造方法によって得られた耐食性部材の表面領域における断面を示す、走査型電子顕微鏡による写真である。
【図3】実施例11において、アルミニウム合金板の表面を密閉容器内でフッ化処理した直後の外観を示す写真である。
【図4】実施例11において、図3のアルミニウム合金板を、更に大気中で熱処理した後の外観を示す写真である。
【図5】実施例11の耐食性部材の表面の耐食膜の走査型電子顕微鏡写真である(倍率5000倍)。
【図6】実施例11の耐食性部材の表面の耐食膜の走査型電子顕微鏡写真である(倍率2000倍)。
【図7】実施例11の耐食性部材の表面領域のX線回折の結果を示すチャートである。
【図8】実施例11の耐食性部材の表面領域のEDSによる分析結果を示すチャートである。
【図9】実施例12の耐食性部材の表面領域のX線回折の結果を示すチャートである。
【図10】実施例13の耐食性部材の表面の耐食膜の走査型電子顕微鏡写真である(倍率5000倍)。
【図11】実施例13の耐食性部材の表面の耐食膜の走査型電子顕微鏡写真である(倍率2000倍)。
【図12】実施例13の耐食性部材の表面領域のX線回折の結果を示すチャートである。
【図13】実施例13の耐食性部材の表面領域のEDSによる分析結果を示すチャートである。
Claims (16)
- アルミニウム含有金属、アルミニウム元素を含有するセラミックス、またはアルミニウム含有金属とセラミックスとの複合材料からなる基体と、この基体上の耐食膜とを備えている耐食性部材を製造する方法であって、
前記基体を固体状のフッ素化合物を入れた密閉容器中に設置し、前記密閉容器を前記フッ素化合物の熱分解温度以上に加熱することによって前記フッ素化合物の分解ガスを生成させ、前記基体を前記フッ素化合物の分解ガスとともに加圧下で熱処理し、前記基体の表面にフッ化物からなる耐食膜を形成し、
前記フッ素化合物の熱分解温度が100〜300℃であり、
前記フッ素化合物が、NaHF 2 、KHF 2 及びNH 4 HF 2 から選ばれることを特徴とする、耐食性部材の製造方法。 - 前記熱処理を前記フッ素化合物の熱分解温度よりも0〜200℃高い温度で行うことを特徴とする、請求項1記載の耐食性部材の製造方法。
- 前記フッ素化合物が、金属元素を含有しないフッ素化合物であることを特徴とする、請求項1または2記載の耐食性部材の製造方法。
- 前記フッ化物が、少なくともアルミニウムフッ化物の結晶相を含有していることを特徴とする、請求項1−3のいずれか一つの請求項に記載の耐食性部材の製造方法。
- アルミニウム含有金属、アルミニウム元素を含有するセラミックス、またはアルミニウム含有金属とセラミックスとの複合材料からなる基体、および前記基体の表面に生成したフッ化物からなる耐食膜を具えており、請求項1−4のいずれか一つの請求項に記載の耐食性部材の製造方法によって製造され、13.56MHz、800Wの高周波で励起して得た塩素プラズマガスに460℃において5時間暴露した際の重量減少が15mg/cm2以下であることを特徴とする、耐食性部材。
- アルミニウム含有金属からなる基体と、この基体上の耐食膜とを備えている耐食性部材を製造する方法であって、
前記基体を固体状のフッ素化合物を入れた密閉容器中に設置し、前記密閉容器を前記フッ素化合物の熱分解温度以上に加熱することによって前記フッ素化合物の分解ガスを生成させ、前記基体を前記フッ素化合物の分解ガスとともに加圧下で熱処理して前記基体の表面に中間体膜を生成させ、次いで前記基体および前記中間体膜を酸素と不活性ガスとを含有する雰囲気下で熱処理して互いに反応させることによって、フッ化物からなる耐食膜を生成させることを特徴とする、耐食性部材の製造方法。 - 前記フッ素化合物が、金属元素を含有しない室温で固体のフッ化化合物であることを特徴とする、請求項6に記載の耐食性部材の製造方法。
- 前記フッ素化合物がNH4 HF2 であることを特徴とする、請求項7記載の耐食性部材の製造方法。
- 前記中間体膜がフッ化アルミニウムアンモニウム(アルミニウムの一部が他の金属によって置換されていてよい)を含有することを特徴とする、請求項6−8のいずれか一つの請求項に記載の耐食性部材の製造方法。
- アルミニウム含有金属からなる基体と、この基体上の耐食膜とを備えている耐食性部材を製造する方法であって、
前記基体とフッ化アルミニウムアンモニウム(アルミニウムの一部が他の金属によって置換されていてよい)の粉末とを接触させた状態で熱処理することによって反応させ、フッ化物からなる耐食膜を生成させることを特徴とする、耐食性部材の製造方法。 - 前記基体を前記フッ化アルミニウムアンモニウムの粉末中に埋設した状態で熱処理することを特徴とする、請求項10記載の耐食性部材の製造方法。
- 前記フッ化アルミニウムアンモニウムの粉末を含有する成形膜を前記基体上に設け、次いで前記成形膜および前記基体を熱処理することを特徴とする、請求項10記載の耐食性部材の製造方法。
- 前記基体および前記フッ化アルミニウムアンモニウムを、酸素と不活性ガスとを含有する雰囲気下で熱処理することを特徴とする、請求項10−12のいずれか一つの請求項に記載の耐食性部材の製造方法。
- アルミニウム含有金属からなる基体と、この基体の表面に形成されたフッ化物からなる耐食膜を備えている耐食性部材であって、
請求項6−13のいずれか一つの請求項に記載の耐食性部材の製造方法によって製造され、
前記耐食膜が、前記基体の表面を被覆する前記フッ化物の粒子からなり、前記耐食膜の表面に直線を引いたときにこの直線が横断する粒界の個数が平均して直線の長さ10μm当たり100個以下、5個以上であり、前記粒子がアルミニウムフッ化物相とマグネシウムフッ化物相との少なくとも一方を含有していることを特徴とする、耐食性部材。 - 前記粒子が少なくともアルミニウムフッ化物相およびマグネシウムフッ化物相を含有していることを特徴とする、請求項14記載の耐食性部材。
- 前記耐食膜がフッ化アルミニウムアンモニウム(アルミニウムの一部が他の金属によって置換されていてよい)と前記基体との反応によって生じたものであることを特徴とする、請求項14または15記載の耐食性部材。
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