JP4651145B2 - 耐食性セラミックス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フッ素系および塩素系腐食性ガス雰囲気、特にフッ素系や塩素系プラズマ、またはArなどの不活性プラズマや酸素プラズマに対して高い耐食性を有する耐食性セラミックスであって、特に半導体製造装置の中でプラズマプロセスで使用される部材、例えばシールドリング、ガスノズル、インシュレータ、サセプタ、ベルジャーおよびドームや、被処理物を支持する支持体などの治具として使用される部材に好適な耐食性セラミックスに関するものである。
【0002】
【従来技術】
半導体素子や液晶などの高集積回路素子の製造に使用されるドライプロセスやプラズマコーティング等プラズマの利用は、近年急速に進んでいる。半導体製造におけるプラズマプロセスとしては、フッ素系等のハロゲン系腐食ガスがその反応性の高さから、気相成長、エッチングやクリーニングに利用されている。
【0003】
これら腐食性ガスおよび/またはそのプラズマに曝される部材は、従来から高い耐食性とともにウエハなどの被処理物を汚染したり、パーティクルの原因となる不純物を極力含有しないことが要求される。そこで、これらの腐食性ガスおよび/またはプラズマに接触する部材として、従来から一般に、ガラスや石英などのSiO2を主成分とする材料や、ステンレス、モネルなどの金属、およびセラミック材料としてアルミナが広く使用されている。特に、アルミナは高純度の焼結体が比較的安価に製造でき、耐食性にも優れることから耐食性部材として半導体製造プロセスに用いられている。
【0004】
しかしながら、従来から使用されている石英ガラスなどを使用した部材では、プラズマ中での耐食性が低いため、消耗が激しく、分解で生じたガスがプラズマ中に混入し、ガス系の安定性を乱し、歩留まり低下を招いてしまう。
【0005】
そこで、近年、耐食性に優れるアルミナが99重量%以上含まれる純度の高い治具が提案されている。例えば、特開平8−81258号公報では、99.2重量%以上の酸化アルミニウムと残部がアルミニウム以外の金属の酸化物からなる焼結体、または、1000℃〜1550℃で熱処理をして歪みを除去した焼結体が提案されている。
【0006】
しかし、特開平8−81258号公報で開示されたアルミナは、ガラスや石英などのSiO2を主成分とする材料や、ステンレス、モネルなどの金属などの材料に比較してフッ素系ガスや塩素系ガスのプラズマに対して耐食性に優れるものの十分ではないため、これらのガスのプラズマに曝されると、徐々に腐食が進行する。この時、ガスプラズマに接触する部分は、フッ化物や塩化物などとして蒸発し、比較的プラズマ密度の低い他の部位や温度の低い他の部位の表面にAl化合物として析出する。
【0007】
このような析出物は、プロセスチャンバー内の壁面や治具表面に堆積して時間とともに厚さを増し、一定の厚みに達すると析出物内の内部応力が付着力を上回って、壁面または治具表面から剥離する。さらに、厚くなると膜が割れて、プロセスチャンバー内にパーティクルとして飛散する。
【0008】
現在、素子の集積度を上げるために高密度プラズマの利用が進み、特に絶縁膜の加工プロセスではこれら部材に対して更なる高純度化と同時に、パーティクル発生のないノンパーティクル化が求められているため、このような析出物の剥離によるパーティクル状の異物発生はセラミック部材から直接生じるパーティクル発生と同様の扱いを受け、半導体の高集積化、プロセスのさらなるクリーン化に伴い、メタル配線の断線、パターンの欠陥等により素子特性の劣化や歩留りの低下等の不具合を発生させる恐れがあった。
【0009】
また、析出物に対しては、一定の時間毎にチャンバー内のクリーニング処理を行ったり、治具の交換を行う必要があった。そのためには、通常の半導体製造プロセスを停止するので、スループットが悪くなり、半導体コストが割高となる原因の一つとなっていた。すなわち、従来材料に比べて、アルミナをチャンバー内壁や治具として使用したときは、ウエハ処理時間は短いものの、クリーニングの所要時間が長いため、スループットは、まだ満足のいくものではなかった。
【0010】
また、本発明者は、特開平10−67554号公報で示したように、Alと周期律表第3a族元素との複合酸化物を主結晶相とし、周期律表2a、3a族、Cr、CoまたはNiのうちの少なくとも1種を主体とする化合物からなる粒界相を具備するセラミック焼結体からなる耐食性セラミック部材を提案した。この部材は、アルミナに比べて耐食性が優れ、製品寿命を長くできた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平10−67554号公報で開示された耐食性セラミック部材では、周期律表第3a族元素が材料全体の耐腐食性を改善するものの、腐食性ガスに接触する部位のAlがプラズマ中のハロゲン、例えばフッ素と反応してAlF3が形成される。そして、AlF3(融点1040℃)は、比較的低温で昇華するため、蒸発・析出を繰り返し、プラズマ中でパーティクルが発生するという問題があった。
【0012】
また、プラズマ内部やプラズマの周囲に用いるチャンバーや治具に用いられた場合、昇華したAlがハロゲン化物を形成し、チャンバ内に付着する。特に、フッ素を含むガスを使用したときに顕著となる。そして、壁に付着した物質は徐々に厚みを増し、ついには剥離してパーティクルとしてウエハ上に堆積して、半導体素子に欠陥を形成する危険性があった。
【0013】
従って、本発明は、パーティクル発生の少ない高耐食性のセラミックスを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の耐食性セラミックスは、金属成分として珪素と、周期律表第3a族元素の内の少なくとも1種とを含み、主結晶相が珪素と周期律表第3a族元素とのダイシリケート型結晶からなる複合酸化物を主体とし、珪素および周期律表第3a族元素以外の各金属元素(以下単に金属不純物と言うことがある)の最大含有量が500ppm以下、かつその総量が1000ppm以下、相対密度が98%以上である焼結体からなり、かつ10容量%以下の酸化珪素粒子を含有する焼結体からなるとともに、焼結体の研磨された表面に、最大径20μm以上の前記酸化珪素粒子が100個/mm 2 以下の割合で分散していることを特徴とする。
【0015】
かかる本発明の構成によれば、耐食性の高い珪素と周期律表第3a族元素との複合酸化物を主体とし、また、耐食性の低い酸化珪素粒子の含有量を10容量%以下に抑制したため、高い耐食性を有することができる。また、金属不純物、例えばAlを最大含有量で500ppm以下に抑えることによって、AlF3の形成を抑制し、チャンバー壁面や治具表面に付着するAl化合物の析出物およびこの析出物が剥離して生じるパーティクルの量を大幅に減少することができる。さらに、上記に加えて金属不純物の総量が1000ppm以下、相対密度が98%以上であるため、エッチングの起点が減少する結果、表面の腐食を抑制し、寿命を延ばすことができる。
【0016】
また、上記複合酸化物がダイシリケート型結晶(RE2Si2O7;但しREは周期律表第3a族元素である)を主体としている。これにより、製造が比較的容易であるとともに原料価格の高い周期律表第3a族元素の含有量を比較的少なくし、製品コストを削減できる。
【0017】
さらに、酸化珪素粒子が存在する場合、最大径20μm以上の酸化珪素粒子が、100個/mm2以下の割合で焼結体の研磨された表面に分散している。これにより、酸化珪素粒子の選択的なエッチングによる耐食性の低下を抑制することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明は、複合材料系におけるパーティクルの発生は、異種材料間の腐食速度の違いによる材料自体のものと、析出物の剥離によるものとからなり、材料および組織を制御することによりパーティクル発生を抑制できるという知見に基づくものである。
【0020】
すなわち、本発明は、珪素と周期律表第3a族元素のうち少なくとも1種の元素とからなる耐食性の高い複合酸化物を主体とし、耐食性の低い酸化珪素粒子の含有量は10容量%以下であり、酸化珪素は粒界相としてではなく、結晶および/または非晶質として粒状で存在するため、酸化珪素が先にエッチングされても、粒子単体のみが腐食されるため、パーティクルの発生が抑制される。
【0021】
また、金属不純物は、酸化珪素と反応して低融点の液相を生じ、粒界相を形成してパーティクルの発生原因となったり、また、プラズマ腐食の基点となり、コンタミの原因となりデバイス特性に悪影響を及ぼすため、珪素および周期律表第3a族元素以外の金属元素は各元素それぞれの最大含有量が500ppm以下、好適には200ppm以下であり、かつその総量が1000ppm以下、好適には500ppm以下であることが必要である。なお、ここで金属不純物の総量とは、含有量の多い順に10元素を選び、それらの含有量を合計したものである。
【0022】
金属不純物の中でもAl、Fe、Ni、Co、Cr、Ti、アルカリ金属およびアルカリ土類金属などは特に悪影響を及ぼす危険が高いので、これらの元素の最大含有量を200ppm、好ましくは100ppm以下、総量を500ppm以下にすることが好ましい。
【0023】
さらに、セラミックス中の気孔は金属不純物同様エッチングの基点となり材料寿命を損なうと同時に、真空装置内で使用する場合はガス吸着の原因となるため、相対密度98%以上の緻密体であることが必要であり、特に99%以上が望ましい。また、焼結体中の酸化珪素は緻密化に寄与するがエッチング速度が大きく、プラズマに接するとセラミック表面に空孔を形成するため、結晶・非晶質を問わず酸化珪素粒子の含有量は10容量%以下であることが重要であり、特に5容量%以下が望ましい。
【0024】
ところで、珪素と周期律表第3a族元素による複合酸化物として、モノシリケート型結晶(例えばY2SiO5)、ダイシリケート型結晶(例えばY2Si2O7)、およびガラス相(例えば2Y2O3・3SiO2など)のうち少なくとも1種の形態が挙げられるが、これらの中でも、周期律表第3a族元素酸化物の原料が高価であることから、組成比で周期律表第3a族元素の少ないダイシリケート型結晶相がコスト低下に有効であり、特に大型部品を形成する場合には周期律表第3a族元素の比率が少なく密度の小さいことからも、ダイシリケート型結晶が主体とされている。
【0025】
なお、ダイシリケートは三斜晶のα型、単斜晶のβ、γ型、斜方晶のδ型に分類される。例えば、イットリウムダイシリケートは1225℃で三斜晶から単斜晶へ、さらに1535℃で斜方晶へと相転移する。焼結体の結晶相としては安定な単斜晶、斜方晶である事が望ましく、特に単斜晶のβおよびγ型は緻密体が得られやすいため、セラミックス中のダイシリケート型結晶相は、単斜晶であることが望ましい。
【0026】
また、本発明の耐食性セラミックス中に含まれる酸化珪素粒子は、細かく均一に分散する事で焼結性が向上し、より緻密性が高くなる。特に最大径が20μm以上の酸化珪素粒子は焼成時に内部に気孔が残留しやすく、ボイド、脱粒の原因となる。さらにはプラズマに接した場合に酸化珪素粒子はエッチング速度が高く空孔を形成し、部品の表面性状を著しく劣化させる。
【0027】
したがって、焼結体において少なくともプラズマが接する部位では最大径20μm以上の酸化珪素粒子は、100個/mm2以下、特に20個/mm2以下である事が望ましい。さらに、酸化珪素粒子を10μm以下、特に5μm以下とすることで、より緻密な高耐食性材料とする事が可能である。なお、酸化珪素粒子の最大径は、セラミックスの鏡面における酸化珪素粒子の鏡面での露出面における最大長さを言い、酸化珪素粒子の含有量は、最大径と最小径とを平均して直径と仮定し、球形近似から求めた体積比率を意味する。
【0028】
本発明の耐食性セラミックスは、珪素と周期律表第3a族元素とからなる複合酸化物を主体とし、酸化珪素粒子を分散させるため、パーティクルの発生が抑制され、耐食性が高められている。
【0029】
また、本発明の耐食性セラミックスは、酸化珪素40〜70モル%と周期律表第3a族酸化物30〜60モル%とを粉砕および/または混合し、これを用いた成形体を、1300〜1800℃の温度で焼成することにより作製することができる。
【0030】
すなわち、まず、出発原料である純度99%以上、好ましくは99.9%以上の酸化珪素粉末40〜70モル%に対し、純度99%以上、好ましくは99.5%以上のイットリウム(Y)、エルビウム(Er)、イッテルビウム(Yb)、ランタン(La)およびセリウム(Ce)等の周期律表第3a族元素の酸化物粉末を、30〜60モル%の範囲内の所定の比率で混合する。これらの粉末の平均粒径は、5μm以下、好ましくは2μm以下であることが焼結性の点で好ましい。
【0031】
これらの原料をそのまま利用しても構わないが、1100℃〜1400℃の温度で仮焼して珪素と周期律表第3a族元素との複合酸化物を合成し、5μm以下の粒径に粉砕した原料を利用することが望ましい。また焼結性向上のため、混合或いは仮焼粉末に、焼結体中に残留する酸化珪素粒子が全量中10容量%以下の割合となるようにで酸化珪素粉末を添加する事もできる。また、焼結体中に粗大な酸化珪素粒子の形成を抑えるため、振動ミルや回転ミルなどで混合または解砕し、所望によりメッシュパスなどにより20μm以上、好ましくは5μm以上の酸化珪素の凝集粒子を取り除くことが好ましい。
【0032】
上記混合粉末に所望により有機バインダを添加した後、所定形状に周知の成形手段、例えば、金型プレス、冷間静水圧プレス等のプレス成形法、スリップキャスティング法、或いはドクターブレード法、圧延法等のテープ成形法、押し出し成形等により成形する。
【0033】
その後、この成形体を所望により大気中、真空中または窒素中で脱脂した後、大気中またはAr等の非酸化雰囲気中で焼成する。焼成方法としては、常圧焼成、ホットプレス法あるいはガス圧焼成法等が用いることができ、特にホットプレス法が好ましいが、大型部品を作製する場合の実現の容易さからは常圧焼成法が好ましい。また、密度向上のため熱間静水圧加圧法(HIP)を行っても良い。
【0034】
この時、焼成温度は、1300〜1800℃、特に1450〜1700℃で1〜10時間焼成することにより98%以上の緻密体を作製することができる。1300℃未満では焼結が進行せず、緻密体が得られない。また、1800℃を越える温度では、特に非酸化雰囲気中において反応に起因する発泡・溶融の可能性がある。
【0035】
特に、焼成時には圧力を印加することが緻密化を促進する上で好ましい。すなわち、粉末または成形体をモールドに充填し、ホットプレス法により1300〜1650℃、特に1400〜1550℃の温度で10MPa以上の圧力を加え、1〜10時間加圧焼成することが好適であり、98%以上の緻密で耐食性に優れ、微細な酸化珪素粒子が均一に分散した緻密な焼結体を得ることが容易である。
【0036】
この時、特に混合粉末およびその成形体を焼成する場合には、昇温時に複合酸化物への反応を促進するため、1100〜1400℃で1〜5時間保持することが望ましい。
【0037】
【実施例】
純度99.9%、平均粒径1.0μmのY2O3、Yb2O3、Er2O3の原料と、純度99.9%、平均粒径1.0μmのSiO2(酸化珪素)を所定量調合した。これらの粉末を混合した後、1300℃の温度で仮焼して珪素とY、YbまたはErとの複合酸化物を合成し、振動ミルにより平均粒径を5μm以下になるように粉砕した。
【0038】
次に、この仮焼粉体にバインダーとしてパラフィンワックスを添加し、IPAを溶媒としてボールミルにて混合し、試料No.9以外は#200のナイロンメッシュを通して凝集粒子や20μm以上の粒子を除外した。次に、乾燥、造粒し、再度試料No.9以外はメッシュパスにより大きな粒子を除外した後加圧成形し、真空中にて脱脂した後に、離型剤としてBNを塗布したカーボン型に設置した。
【0039】
これをホットプレス装置内に設置し、Ar雰囲気中にて所定の温度でホットプレスした。ホットプレス圧力は、34MPaとした。
【0040】
このように得られた焼結体を以下のように評価した。まず、焼結体中の結晶相を、粉末X線回折法により同定し、焼結体中に含まれる結晶相を調べた。
【0041】
また、酸化珪素粒子の最大径は、走査型電子顕微鏡(SEM)において、鏡面研磨された表面の反射電子写真を200倍の倍率で撮影し、視野に存在する直径20μm以上の粒子数を測定した。そして、任意に10箇所を選定して測定を繰り返し、その合計から1mm2当たりの粒子数を算出した。そして、上記SEM写真から酸化珪素粒子の長径と短径を測定し、平均値を直径、形状を球と近似して各粒子の体積を算出し、全体積に対する全酸化珪素粒子の合計体積の割合を酸化珪素粒子の含有量とした。
【0042】
また、珪素と周期律表第3a族元素との組成は焼結体の蛍光X線分析から分析し、金属不純物の総量に加えて、金属不純物金属のうち最も多い元素量を求めた。さらに、相対密度は、まずアルキメデス法から嵩密度をもとめた後、焼結体を粉砕してJISR1620に基づいたヘリウム置換法によって得られた真密度と比較して算出した。
【0043】
エッチング率についてはフッ素系ガスプラズマおよび塩素系ガスプラズマに曝した場合のエッチング率について評価した。評価方法としては、各セラミックスについて20mm×20mmで厚みが1mmの試験片を作製し、表面を鏡面加工したものを試料とし、RIE(リアクティブ・イオン・エッチング)装置を用いてフッ素系はCF4、塩素系はCl2を、ガス流量100sccm、エッチング圧力5Pa、RF出力1.0W/cm2の条件で5時間エッチングを行った。エッチング率は、テスト前後の重量変化から算出した。
【0044】
パーティクル量は、各セラミックスを直径8インチ、厚さ2mmの円板に加工し、片面を鏡面研磨して上記と同様のプラズマエッチング処理を実施した後、エッチング面に8インチのSiバージンウェハの鏡面を接触させ、Siウェハの接触面の粒子をレーザー散乱によって検出し、パーティクルカウンタにて0.3μm以上のパーティクル個数を計数した。
【0045】
【表1】
【0046】
本発明の試料No.3〜6、10〜12、16、18〜21および23、26、29は、珪素と、周期律表第3a族元素のうち少なくとも1種との複合酸化物を主結晶相とし、最大金属不純物元素の量が500ppm以下、相対密度が98%以上、SiO2量が10容量%以下の焼結体であり、フッ素プラズマ、塩素プラズマいずれに対してもエッチング率が20nm/min以下と合成石英の3倍以上の耐食性を示した。また、パーティクルの発生も20個以下と低いレベルに抑えられた。なお、試料No.7、13、14、17、24、25、27、28は参考試料である。
【0047】
一方、焼成温度が1250℃、1290℃と低く本発明の範囲外の試料No.1および2は、相対密度が98%より低かった。特に、試料No.1は、密度が低すぎたため、評価できなかった。また、試料No.2は、SiO2量も13容量%と本発明の範囲外であり、エッチング率は28nm/min以上、パーティクルは38個以上であった。さらに、焼成温度が1850℃と高く本発明の範囲外の試料No.8は、溶融してしまい、評価ができなかった。
【0048】
また、酸化珪素が多すぎるか、または少なすぎる試料No9、15は、エッチング率またはパーティクル数のいずれかが悪い特性であった。すなわち、酸化珪素の多い試料No.9は、エッチング率が高く、周期律表第3a族酸化物の多い試料No.15は、パーティクルの発生量が多かった。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、高耐食性に加え、パーティクル発生の少ない緻密な焼結体を実現できる。
Claims (1)
- 金属成分として珪素と、周期律表第3a族元素のうち少なくとも1種とを含み、主結晶相が前記珪素と前記周期律表第3a族元素とのダイシリケート型結晶からなる複合酸化物を主体とし、前記珪素および前記周期律表第3a族元素以外の各金属元素の最大含有量が500ppm以下、かつその総量が1000ppm以下、相対密度が98%以上であり、かつ酸化珪素粒子の含有量が10容量%以下である焼結体からなるとともに、該焼結体の研磨された表面に、最大径20μm以上の前記酸化珪素粒子が100個/mm 2 以下の割合で分散していることを特徴とする耐食性セラミックス。
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