JP2001040464A - 耐食性部材の製造方法及び耐食性部材 - Google Patents
耐食性部材の製造方法及び耐食性部材Info
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Abstract
などのハロゲン系プラズマガスに対して高い耐腐食性を
示す、新たな耐食性部材の製造方法及び耐食性部材を提
供する。 【解決手段】アルミニウム含有金属、アルミニウム元素
を含有するセラミックス、またはアルミニウム含有金属
とセラミックスとの複合材料からなる基体を、NaHF
2 などの固体状のフッ素化合物を入れた容器中に設置す
る。そして、容器内を前記固体状のフッ素化合物の熱分
解温度以上に加熱して、基体を、固体状のフッ素化合物
の分解ガスとともに熱処理し、基体の表面にフッ化物層
を形成する。
Description
方法及び耐食性部材に関する。
微細加工化が益々進み、ケミカルな反応を必要とするプ
ロセスが拡大してきている。特に、スーパークリーン状
態を必要とする半導体製造装置では、デポジション用ガ
ス、エッチング用ガス、及びクリーニング用ガスとし
て、塩素系ガス、及びフッ素系ガスなどのハロゲン系腐
食性ガスが使用されている。
置においては、デポジション後にClF3 、NF3 、C
F4 、HF、及びHClなどのハロゲン系腐食性ガスか
らなる半導体クリーニングガスを用いている。また、デ
ポジションの段階でも、WF6 、SiH2 Cl2 などの
ハロゲン系腐食性ガスを成膜用ガスとして使用してい
る。
えば、アノーダイズド処理したアルミニウムや窒化アル
ミニウムなどから構成されている。
性ガスに対して、炭化珪素(SiC)が高温において比
較的高い耐腐食性を示すことが見いだされ、上記半導体
製造装置の部材として使用されるようになってきてい
る。
は、金属材料からなる部材の表面に化学量論比の金属フ
ッ化物を主成分とするフッ化不動態膜を形成し、これに
よって前記部材のハロゲン系腐食性ガスに対する耐腐食
性を向上させる試みがなされている。
ダイズド処理したアルミニウムは、表面酸化膜が300
℃程度の温度で収縮してクラックを生じる。したがっ
て、高温で上記のようなハロゲン系腐食性ガスに晒され
て接触すると、そのクラック部分から下地のアルミニウ
ムが腐食され、その腐食された部分の表面酸化膜が前記
部材から剥離してパーティクルとなる。
年、エッチング速度などを増加させる目的で、上記NF
3 などの特に腐食性の高いガスを使用する傾向にある。
このため、前記同様に高温でこれらのガスに晒されると
その表面が腐食され、パーティクルが発生するという問
題がある。このパーティクルが、上記のような半導体製
造装置上に設置された基板上に堆積すると、絶縁不良や
導通不良の現象が生じて、半導体不良の原因となる。
ゲン系腐食性ガスに対して比較的高い耐腐食性を示す
が、難焼結性であるため大型化が困難であるという問題
がある。
成した後、この孔の部分にアルミニウムなどを含浸させ
て大型の部材を製造する試みがなされている。しかしな
がら、含浸させたアルミニウムなどの耐腐食性が劣るた
めに、得られる部材のハロゲン系腐食性ガスに対する耐
腐食性が劣化し、適用範囲が限られてしまうという問題
があった。
記載された方法では、ハロゲン系プラズマガス、特に塩
素プラズマガスに対する耐腐食性が極めて低いという問
題があった。
高い耐腐食性を示す、新たな耐食性部材の製造方法及び
耐食性部材を提供することを目的とする。
含有金属、アルミニウム元素を含有するセラミックス、
またはアルミニウム含有金属とセラミックスとの複合材
料からなる基体と、この基体上の耐食膜とを備えている
耐食性部材を製造する方法であって、基体を固体状のフ
ッ素化合物を入れた容器中に設置し、容器をフッ素化合
物の熱分解温度以上に加熱することによって、フッ素化
合物の分解ガスを生成させ、基体をフッ素化合物の分解
ガスとともに熱処理し、基体の表面にフッ化物からなる
耐食膜を形成することを特徴とする。
アルミニウム元素を含有するセラミックス、またはアル
ミニウム含有金属とセラミックスとの複合材料からなる
基体と、この基体を固体状のフッ素化合物を入れた容器
中に設置し、容器内を固体状のフッ素化合物の熱分解温
度以上に加熱することにより基体の表面に生成したフッ
化物からなる耐食膜を具えることを特徴とする、耐食性
部材に係るものである。
る部材のハロゲン系腐食性ガス、特にハロゲン系プラズ
マガスに対する耐腐食性を向上させるために、新たな製
造方法及び新たな耐食性部材を見いだすべく鋭意検討し
た。
素化合物を入れた密閉容器中に、アルミニウムからなる
基体を設置し、このフッ素化合物の熱分解温度以上に加
熱して一定時間熱処理を施すと、基体の表面に、好まし
くはAlF3 を主結晶相とするフッ化物層が形成される
ことを見出した。そして、このようにして形成された耐
食性部材は、ハロゲン系腐食性ガス、特に塩素プラズマ
ガスなどのハロゲン系プラズマガスに対して高い耐腐食
性を有することを見出した。
ウム合金、アルミニウム元素を含有してなるセラミック
ス材料、複合材料から構成されている。したがって、鋳
造や焼結などを簡易に行うことができ、大型部材の製造
が容易となる。
造された耐食性部材は、ハロゲン系腐食性ガスに対する
耐腐食性に優れるとともに、大型部材の製造などが容易
である。さらに、複雑な製造設備を必要とせず、コスト
高の問題を生じることもない。
ターンを示す図である。また、図2は、上記耐食性部材
表面のSEM断面写真である。
を構成するアルミニウムからのピークの他に、AlF3
結晶からのピークが観察される。すなわち、本発明の製
造方法によって得られた部材の表面には、AlF3 を主
結晶相として含むフッ化物が形成されていることが分か
る。
さ約4μmの層状の膜が形成されていることが分かる。
フッ化物相が形成されるメカニズムについては、以下の
ように推察される。
HF2 を入れた容器を加熱し、このNaHF2 が所定温
度以上に加熱されると、下記(1)式に示すように、N
aHF2 が熱分解してフッ化水素(HF)を生成する。 NaHF2 →NaF+HF (1)
体の表面には、アルミナ(Al2 O3 )不動態膜が形成
されている。そして、このアルミナ不動態膜が前記HF
と下記(2)式にしたがって反応して、アルミナが三フ
ッ化アルミニウム(AlF3 )に転化することにより、
基体の表面にフッ化物層が形成されるものである。 Al2 O3 +6HF→2AlF3 +3H2 O (2)
な層として存在する必要はなく、粒子状のフッ化物が密
に並んでいる場合などをも含む。
ニウム金属などからなる基体を、固体状のフッ素化合物
の分解ガスとともに熱処理することが必要である。
によって大気圧下で行うこともできるが、密閉容器を用
いることによって加圧下で行うことが好ましい。これに
よって、ハロゲン系腐食性ガス、特に塩素プラズマガス
などのハロゲン系プラズマガスに対して極めて高い腐食
性を有する耐食性部材を製造することができる。
理由からその圧力は1.5気圧以上であることが好まし
く、さらには5気圧以上であることが好ましい。
値の上限は、容器の耐圧性を考慮すると20気圧である
ことが好ましく、さらには10気圧であることが好まし
い。
分解温度以上であって、フッ素化合物を熱分解させ、分
解ガスを生成することができれば特に限定されるもので
はない。
に対して熱処理を施し、ハロゲン系プラズマガスに対し
て高い耐腐食性を有する耐食性部材を得るには、固体状
のフッ素化合物の熱分解温度よりも0〜200℃高い温
度で熱処理することが好ましく、10℃以上高い温度で
熱処理することが更に好ましく、また、最高150℃高
い温度で熱処理することが更に好ましい。
層の厚さ、容器内の圧力、フッ素系ガスの種類などに依
存して変化するが、5〜40時間行うことが好ましい。
状のフッ素化合物は、特定の熱分解温度を有し、この温
度以上に加熱することによって分解ガスを生成すること
ができれば特に限定されない。
300℃の温度範囲にある固体状のフッ素化合物が好ま
しい。固体状のフッ素化合物が、このような比較的低い
熱分解温度を有することによって、熱処理における容器
加熱を簡易に行うことができる。そして、前記基体の加
圧下での熱処理を簡易に行うことができる。
が、熱分解温度がそれぞれ140〜160℃、240
℃、及び120〜160℃であるNaHF2 、KHF
2 、及びNH4 HF2 を例示することができる。また、
特に金属元素を含有しないフッ素化合物が好ましく、熱
分解によってフッ化水素を発生させるフッ素化合物が特
に好ましい。この中で最も好ましいのはNH4 HF2 で
ある。
の、あるいは粒子状のもの、さらには粉末状のものが含
まれる。粉末状のものは、表面積が大きいため、比較的
短時間で粉末全体の温度を均一にすることができ、熱分
解によって分解ガスを容易に生成する。
構成する基体は、次のものである。 (1)アルミニウム含有金属: アルミニウム純金属、
またはアルミニウム合金である。アルミニウム合金は、
アルミニウムの他に、珪素、鉄、チタン、銅、マンガ
ン、マグネシウム、クロム、亜鉛などが含有されていて
よい。特には、Al−Si、Al−Mg、Al−Cu−
Mg、Al−Si−Mg合金を例示できる。特にマグネ
シウム含有合金が好ましい。 (2)アルミニウム元素を含有するセラミックス: 窒
化アルミニウム、アルミナが特に好ましい。 (3)アルミニウム含有金属とセラミックスとの複合材
料:前記したようなアルミニウム含有金属を使用でき
る。セラミックスは特に限定されないが、アルミニウム
元素を含有するセラミックスが特に好ましい。
用すると、所定の大きさ及び形状の基体を容易に形成す
ることができる。このため、大型の基体や特殊形状の基
体に対して、本発明の製造方法を適用することができ、
大型の耐食性部材や特殊形状の耐食性部材を簡易に形成
することができる。その結果、本発明の製造方法は半導
体製造装置などの広範な用途に対して適用することがで
きる。
ガスに加えて、塩素系プラズマガスに対して特に高い耐
食性を有する点で画期的である。この耐食性部材は、1
3.56MHz、800Wの高周波で励起して得た塩素
プラズマガスに460℃において5時間暴露した際の重
量減少が15mg/cm2 以下であることが好ましく、
さらには1mg/cm2 g以下であることが好ましい。
性部材を、例えば半導体製造装置に使用した場合、通常
の使用条件において、既存材料よりも十分に長い期間、
使用することができる。
らなる基体と、この基体上の耐食膜とを備えている耐食
性部材を製造する方法であって、基体を固体状のフッ素
化合物を入れた容器中に設置し、容器内をフッ素化合物
の熱分解温度以上に加熱することによってフッ素化合物
の分解ガスを生成させ、基体をフッ素化合物の分解ガス
とともに熱処理し、基体の表面にフッ化物からなる中間
体膜を生成させ、次いで基体および中間体膜を熱処理し
て互いに反応させることによって、フッ化物からなる耐
食膜を生成させることを特徴とする。
る基体を、前述のようにフッ化処理するのに際して、フ
ッ素化合物、温度、圧力条件によっては、基体表面に、
ハロゲン系腐食性ガスに対する耐食性を得るには至らな
いような、かつ基体表面から容易に剥落するようなフッ
化物膜が生成することに気がついた。そして、このよう
な膜を、更に高温で熱処理すると、フッ化物が基体表面
と反応し、最終的に耐食性の高いフッ化物膜を生成する
ことが分かった。このような耐食性のないフッ化物から
なる中間体膜は、例えば図3に示すような外観をしてお
り、この中間体膜の熱処理によって生成した膜は、図4
に示すような外観をしている。
物耐食膜の特性と耐蝕性とを検討したところ、次のよう
な顕著な特徴を有することを見出した。
11に示すように、基体の表面を被覆するフッ化物の粒
子からなっていた。この粒子の粒径は大きく、耐食膜の
表面に直線を引いたときにこの直線が横断する粒界の個
数が平均して直線の長さ10μm当たり100個以下、
5個以上であった。これは、粒径としては0.1μm−
2.0μmに相当する。
スを接触させたり、あるいは前記した固体状のフッ素化
合物の分解ガスを接触させたりすることで生成するフッ
化物膜は、気相法の特徴として極めて微細であり、倍率
5000倍程度の顕微鏡でははっきりした粒子は見えな
い。これに対して、こうして得られた耐食膜は、非常に
粒径が大きとく、各粒子が密に接触しており、粒界相が
存在しないという特徴を有する。
相とマグネシウムフッ化物相との少なくとも一方を含有
しており、好ましくは双方を含有している。アルミニウ
ム元素、マグネシウム元素は、基体表面から膜に移行し
たものである。
00倍で確認できないことから、通常0.1−2.0μ
mと考えられる。
気は、基体に影響を与えない限りは特に限定されない
が、酸素と不活性ガスとを含有する雰囲気が特に好まし
い。熱処理温度は、中間体膜と基体との反応を促進する
上で、200℃以上が好ましく、300℃以上が更に好
ましい。また、基体の劣化を防止するという観点から
は、650℃以下が好ましく、600℃以下が更に好ま
しい。
状のフッ素化合物が、金属元素を含有しないフッ化化合
物である。このフッ素化合物は、熱分解可能であれば限
定されないが、NH4 HF2 が特に好ましい。
て生成するものであるが、フッ化アルミニウムアンモニ
ウム膜であることが特に好ましい。
化アルミニウムアンモニウムとを熱処理して互いに反応
させることによって、フッ化物からなる耐食膜を生成さ
せ得ることを発見した。
で固体状のフッ素化合物と基体とを熱処理することでフ
ッ化アルミニウムアンモニウム膜を、中間体膜として生
成させることができる。次いで、更に容器内で、基体お
よびフッ化アルミニウムアンモニウム膜を、前述のよう
に熱処理することで、耐食膜を生成させることができ
る。
アルミニウムアンモニウムの粉末を接触させた状態で熱
処理することができる。こうした粉末それ自体は、例え
ば水酸化アルミニウムとフッ化アンモニウム飽和溶液と
の化学反応によって生成させることができる。
フッ化アルミニウムアンモニウム粉末を収容し、この粉
末の中に基体を埋設し、そのまま熱処理することができ
る。または、フッ化アルミニウムアンモニウム粉末を、
適当な有機溶媒、バインダー等と混合し、塗布液を調製
し、塗布液を基体上に塗布して成形膜を得る。この成形
膜を基体と共に熱処理することができる。
は、(NH4 )3 AlF 6 結晶のみからなっていてよ
い。また、(NH4 )3 AlF6 結晶の結晶構造を保持
している限りにおいて、アルミニウム元素が他の金属元
素によって置換されていてよい。この金属元素として
は、通常アルミニウム合金中に含有されている金属元素
が好ましく、こうした金属元素としては、珪素、マグネ
シウム、マンガン、銅、鉄等が好ましい。特に半導体製
造用途においては、珪素またはマグネシウムが好まし
い。
によって発熱するサセプター、半導体加熱用ヒーター、
半導体加熱用ヒーターの発熱面に設置されるサセプタ
ー、静電チャック用電極が埋設されているサセプター、
静電チャック用電極および抵抗発熱体が埋設されている
サセプター、高周波プラズマ発生用電極が埋設されてい
るサセプター、高周波プラズマ発生用電極および抵抗発
熱体が埋設されているサセプターに対して適用できる。
また、本発明の耐蝕性部材は、ダミーウエハー、シャド
ーリング、高周波プラズマを発生させるためのチュー
ブ、高周波プラズマを発生させるためのドーム、高周波
透過窓、赤外線透過窓、半導体ウエハーを支持するため
のリフトピン、シャワー板等の各半導体製造用装置の基
体として、使用することができる。
0μmのNaHF2 (熱分解温度140〜160℃)粉
末1gを設置した。次いで、テフロンメッシュをNaH
F 2 粉末上に載置した後、このテフロンメッシュ上に直
径20mm、厚さ2mmのアルミニウム板(基体)を載
置した。テフロンメッシュによって、アルミニウム板が
NaHF2 粉末と直接接しないようにした。
器に入れ、このステンレス容器を密閉した後、乾燥機に
入れて熱処理を実施した。
後、室温放置によって内部温度が30℃以下になるまで
冷却した。なお、熱処理中におけるテフロン容器内の圧
力は約20気圧であった。その後、アルミニウム板を取
り出して、その表面をX線によって調べた。
ミニウム結晶からのピークと、AlF3 結晶からのピー
クとが観察される。したがって、アルミニウム板の表面
には、AlF3 を主結晶相とするフッ化物が形成されて
いる。
ッキを施した後、切断して断面をSEMで観察したとこ
ろ、2〜5μmの層が形成されていた。したがって、図
1及び2より、アルミニウム板の表面にはAlF3 主結
晶相からなる、厚さ2〜5μmのフッ化物層が形成され
ていることが分かる。
験を行った。具体的には、13.56MHz、1kWの
誘導結合プラズマで、温度300℃、ガス流量300s
ccm、圧力0.1TorrのCl2 ガスを励起したも
のを用いた。この励起ガス中に耐食性部材を5時間保持
し、試験前後の重量変化によって耐腐食性を評価した。
結果を表1に示す。
2 粉末の代わりにKHF2 (熱分解温度240℃)粉末
を用いた。これ以外は実施例1と同様である。
型電子顕微鏡によって調べたところ、実施例1と同様
に、AlF3 を主結晶相として含有した厚さ1〜3μm
のフッ化物層が形成されていることが判明した。また、
熱処理中におけるテフロン容器中の圧力は20気圧であ
った。腐食実験の結果を表1に示す。
以外は、実施例1と同様にして実施した。得られた部材
の表面をX線によって調べたところ、アルミニウム以外
からのピークは観察されなかった。そこで、SEM/E
DSによって表面の観察を行ったところ、アルミニウム
板の表面にフッ化物が形成されていることが判明した。
材の断面を調べたところ、フッ化物の厚さは0.6〜
0.8μmであることが判明した。また、熱処理中にお
けるテフロン容器中の圧力は16気圧であった。腐食実
験の結果を表1に示す。
以外は、実施例1と同様にして実施した。実施例1と同
様に、得られた部材の表面をX線及び走査型電子顕微鏡
によって観察したところ、フッ化物に起因したピークは
観測されないとともに、何らの堆積物も観察されなかっ
た。腐食実験の結果を表1に示す。
以外は、実施例2と同様にして実施した。実施例1と同
様に、得られた部材の表面をX線及び走査型電子顕微鏡
によって観察したところ、フッ化物に起因したピークは
観測されないとともに、何らの堆積物も観察されなかっ
た。腐食実験の結果を表1に示す。
にしたがって固体状のフッ素化合物であるNaHF2 及
びKHF2 の熱分解温度以上に容器を加熱し、これらフ
ッ素化合物の分解ガスを用いて形成したフッ化物層を基
体表面に有する部材は、Cl2 ガスなどのハロゲン系腐
食性ガスに対する耐腐食性の高いことが分かる。
面にフッ化物層が形成されていない部材は、腐食性試験
前後の重量変化が大きく、Cl2 ガスなどのハロゲン系
腐食性ガスに対する耐腐食性の低いことが分かる。
筒容器中の底面に、平均粒径10μmのNaHF2 粉末
1gを設置した。次いで、フッ素樹脂メッシュをNaH
F2粉末上に載置した後、このフッ素樹脂メッシュ上に
縦10mm、横10mm、厚さ2mmのアルミニウム合
金(JIS6061)板(基体)を載置した。アルミニ
ウム合金板が、NaHF2 粉末と直接接しないようにし
た。次いで、このフッ素樹脂容器の開口部に蓋をし、開
放ステンレス容器内に設置し、ステンレス容器を締め付
けることにより、フッ素樹脂容器を密閉した。
れ、300℃、10時間の熱処理を実施し、その後、室
温放置により、内部温度が30℃以下になるまで冷却し
た。なお、熱処理中のフッ素樹脂容器内圧は約20気圧
であった。
表面をX線回折によって調べたが基体以外のピークは見
られなかった。また、表面及び断面のSEM観察を行っ
たが、基体以外の層は認められなかった。しかし、ED
Sにより表面組成を調べたところ、基体元素のAl、M
g、Si以外にFが強く検出された。このことから、前
記基体の表面にはフッ化物層が形成されていることが分
かった。
種類の耐食性試験を行った。各耐蝕性試験の結果を表2
に示す。
N2 との混合ガスを励起した。NF3 ガスとN2 ガスと
は、それぞれ75sccm、100sccmの流量で、
圧力0.1torrの状態にある。周波数13.56M
Hz、800Wの誘導結合プラズマで混合ガスを励起し
た。そして、このフッ素プラズマガス中に550℃で5
時間保持した際の重量増によって評価した。試料は、直
径120の励起コイルより300mm離れた位置に載置
した。なお、この重量増が大きいほど耐腐食性の低いこ
とを表す。
N2 との混合ガスを励起した。Cl2 ガスとN2 ガスと
は、それぞれ300sccm、100sccmの流量
で、圧力0.1torrの状態にあった。周波数13.
56MHz、800Wの誘導結合プラズマで混合ガスを
励起した。そして、この塩素プラズマガス中に460℃
で5時間保持した際の重量減によって評価した。試料
は、直径120の励起コイルより300mm離れた位置
に載置した。なお、この重量減が大きいほど耐腐食性の
低いことを表す。
を行った後、容器中よりアルミニウム合金板を取り出
し、熱処理炉に入れて、大気中550℃、2時間の熱処
理を行った。
察によって調べたが、基体以外の層は認められなかっ
た。しかし、EDSによって前記基体表面の組成分析を
行ったところ、アルミニウム合金を構成するAl、M
g、Si元素以外にF元素が強く検出された。このこと
から、基体の表面にはフッ化物層が形成されていること
が分かった。二種類の耐食性試験の結果を表2に示す。
0.5gに代え、熱処理温度を300℃から200℃に
代えた以外は、実施例4と同様にして実施した。なお、
熱処理中の容器内圧力は約9気圧であった。
果、基体表面にフッ化物層の形成されていることが判明
した。二種類の耐食性試験の結果を表2に示す。
0.3gに代え、熱処理温度を300℃から150℃に
代えた以外は、実施例4と同様にして実施した。なお、
熱処理中の容器内圧力は約5気圧であった。
果、基体であるアルミニウム合金板の表面にフッ化物層
が形成されていることが判明した。二種類の耐食性試験
の結果を表2に示す。
末に代えた以外は、実施例4と同様にして実施した。な
お、熱処理中の容器内圧力は約20気圧であった。
ム合金板からなる基体表面にはフッ化物層が形成されて
いることが判明した。二種類の耐食性試験の結果を表2
に示す。
0.2gに代え、基体をJIS6061アルミニウム合
金からJIS5052アルミニウム合金に代え、熱処理
温度を300℃から200℃に代えた以外は、実施例4
と同様にして実施した。なお、熱処理中の容器内圧力は
約3気圧であった。
はフッ化物層が形成されていることが判明した。
ミニウム合金からJIS1050合金に代えた以外は、
実施例9と同様にして実施した。なお、熱処理中の容器
内圧力は約3気圧であった。
はフッ化物層が形成されていることが判明した。
0mm、横10mm、厚さ2mmのアルミニウム合金板
(JIS 6061)を載置し、大気圧下においてN2
ガスを流通させた状態において、合金板を350℃で1
時間ベーキングした。次いで、大気圧下において100
%F2 ガスを流通させながら、合金板に対して350
℃、10時間の熱処理を実施した。その後、窒素ガスを
用いてチャンバー内を置換するとともに、このN2 雰囲
気中において350℃、1時間の熱処理を実施した。次
いで、チャンバー内の温度が30℃以下になるまで冷却
し、アルミニウム合金板を取り出した。
って調べたが、基体であるアルミニウム合金以外からの
ピークは見られなかった。また、表面及び断面のSEM
観察を行ったが、アルミニウム合金板以外の層は認めら
れなかった。しかし、EDSにより表面組成を調べたと
ころ、アルミニウム合金板を構成するAl、Mg、Si
元素以外にF元素が強く検出された。このことから、ア
ルミニウム合金板の表面にはフッ化物層が形成されてい
ることが分かった。二種類の耐食性試験の結果を表2に
示す。
ム合金板からJIS 1050アルミニウム合金板に代
えた以外は、比較例3と同様にして実施した。
ニウム合金板の表面にはフッ化物層が形成されているこ
とが分かった。
さ2mmのアルミニウム合金板(JIS 6061)を
使用した。
さ2mmのアルミニウム合金板(JIS 1050)を
使用した。
に、本発明にしたがって、固体状フッ素化合物であるN
aHF2 、KHF2 の分解ガスを用いて基体を熱処理
し、その表面にフッ化物層を形成してなる部材は、フッ
素プラズマガス及び塩素プラズマガスに対して高い耐腐
食性を示す。特に、塩素プラズマガスに対する耐腐食性
において顕著な差が見られる。
においても、固体状のフッ素化合物を用いず、F2 ガス
を用いた場合においては、フッ素プラズマガス及び塩素
プラズマガスに対する耐腐食性が低いことが分かる。
開口した円筒容器の底面に、平均粒径10μmのフッ化
水素アンモニウム(NH4 F・HF)粉末0.6gを設
置した。次いで、フッ素樹脂製のメッシュをこの粉末上
に載置し、このメッシュ上に、縦10mm、横10m
m、厚さ2mmのアルミニウム合金板(JIS 606
1合金)を載置した。メッシュによって、アルミニウム
合金が粉末と直接に接触しないようにした。次いで、こ
の円筒容器の一端の開口に蓋をし、円筒容器を、開放さ
れたステンレス容器中に収容し、ステンレス容器を埋め
付けて密閉した。
に入れ、250℃で16時間熱処理した。次いで容器を
室温で放置し、容器内の温度が30℃以下になるで冷却
した。熱処理中のフッ素樹脂容器の内圧は約12気圧で
あった。
り出したところ、板の表面が、図3の写真に示すよう
に、やや赤みがかった粉状の析出物で覆われていた。こ
の析出物をX線回折法で同定したところ、(NH4 )3
AlF6 と同一の結晶構造を有する化合物であることが
判明した。
物で覆われた状態を保持したままで、合金板を、大気中
で500℃で2時間熱処理した。熱処理後には、赤みが
かった色は多少薄れていたものの、相変わらず合金板の
表面にフッ化アルミニウムアンモニウムが付着してい
た。この試料をアセトン中で超音波洗浄すると、フッ化
アルミニウムアンモニウムは簡単に剥離し、その内部か
らアルミニウム合金板が現れた。この合金板の表面は、
図4の写真に示すように、合金の表面光沢が失われた状
態になっており、何らかの薄膜が生成したものと思われ
る。
微鏡写真を図5(倍率5000倍)、図6(倍率200
0倍)に示す。粒径1μm程度の結晶粒子を有する薄膜
が、基体の表面を被覆していることが分かる。この耐食
膜の表面に直線を引いたときに、直線が横断する粒界の
個数が、直線の長さ10μm当たり平均して10個であ
った。なお、この測定の際には、走査型電子顕微鏡によ
って、任意の表面領域を、各粒子と各粒界とが個々に識
別できるような倍率(5000倍)で撮影する。そし
て、写真に任意の直線を引き、この直線が横切る粒界の
個数をかぞえる。そして、500個の粒界を横切るのに
要した直線の長さをL(μm単位)とする。(500/
L)×10の計算式により、10μm当たりの粒界の個
数を算出する。
回折の結果を示すチャートである。基体を構成するJI
S 6061合金のピーク以外に、AlF3 (JCPD
S 43−0435)と同一構造の結晶相、およびMg
F2 (JCPDS41−1443)と同一構造の結晶相
が同定された。
果を示すチャートである。Fが表面に存在していること
が分かる。
試験A、Bを実施し、その結果を表3に示す。表3に
は、耐食性試験A(フッ素系ガスのプラズマに暴露した
ときの重量増)と、耐食性試験B(塩素系ガスのプラズ
マに暴露したときの重量減)とを示す。
食性部材を製造した。ただし、実施例11において、密
閉フッ素樹脂容器を乾燥機内に入れた後、100℃で1
6時間の熱処理を施した。熱処理時の容器の内圧は約2
気圧であった。
走査型電子顕微鏡、X線回折およびEDS分析に供し
た。図9は、X線回折の結果を示すチャートである。基
体を構成するJIS 6061合金以外には、MgF2
(JCPDS 41−1443)と同一構造の結晶相の
みが同定された。
ッ素原子が表面に存在していることが確認された。ま
た、走査型電子顕微鏡による観測では、粒径約0.3μ
mの結晶粒子を有する薄膜が基体の表面を被覆している
ことを確認した。また、この耐食性部材の耐食性試験
A、Bの結果を、表3に示す。
食性部材を製造した。ただし、実施例11において、J
IS 6061合金の代わりに、縦10mm、横10m
m、厚さ2mmのアルミニウム合金板(JIS 105
0合金製)を使用した。
容器から取り出したところ、板の表面が白色粉状の析出
物で被覆されていた。この析出物をX線回折によって同
定したところ、(NH4 )3 AlF6 と同一の結晶構造
を有する化合物であることが判明した。
析出物が覆われた状態を保持したままで、合金板を、大
気中で500℃で2時間熱処理した。熱処理後後には、
赤みがかった色は多少薄れていたものの、相変わらず合
金板の表面にフッ化アルミニウムアンモニウムが付着し
ていた。この試料をアセトン中で超音波洗浄すると、フ
ッ化アルミニウムアンモニウムは簡単に剥離し、その内
部からアルミニウム合金板が現れた。この合金板の表面
は、合金の表面光沢が失われた状態になっており、何ら
かの薄膜が生成したものと思われる。
微鏡写真を、図10(倍率5000倍)、図11(倍率
2000倍)に示す。粒径0.5μm程度の結晶粒子を
有する薄膜が、基体の表面を被覆していることが分か
る。この耐食膜の表面に直線を引いたときに、直線が横
断する粒界の個数が、直線の長さ10μm当たり平均し
て21個であった。
線回折の結果を示すチャートである。基体を構成するJ
IS 1050のピーク以外に、AlF3 (JCPDS
43−0435)と同一構造の結晶相のみが同定され
た。図13は、耐食性部材の表面のEDS分析結果を示
すチャートである。Fが表面に存在していることが分か
る。この耐食性部材の耐食性試験A、Bの結果を、表3
に示す。
化アンモニウム飽和溶液とを反応させることにより、
(NH4 )3 AlF6 粉末を製造した。開放型のアルミ
ナルツボにこの粉末を充填し、その中に、縦10mm、
横10mm、厚さ2mmのアルミニウム合金板(JIS
6061)を埋設し、500℃で2時間、大気中で熱
処理した。熱処理後にこの合金板を取り出したところ、
板の表面の光沢が失われていた。
微鏡写真を倍率5000倍、2000倍で観測したとこ
ろ、実施例11と同様の微構造が観測された。直線が横
断する粒界の個数は、直線の長さ10μm当たり平均し
て9個であった。
体を構成するJIS 6061のピーク以外に、AlF
3 (JCPDS 43−0435)およびMgF 2 (J
CPDS 41−1443)と同一構造の結晶相が同定
された。耐食性部材の表面のEDS分析結果から、Fが
表面に存在していることが分かった。この耐食性部材の
耐食性試験A、Bの結果を、表3に示す。
化アンモニウム飽和溶液とを反応させることにより、
(NH4 )3 AlF6 粉末を製造した。この粉末をエタ
ノール中に分散させ、この分散液に適量のポリビニルブ
チラールを添加し、スラリーを製造した。このスラリー
を、縦10mm、横10mm、厚さ2mmのアルミニウ
ム合金板(JIS 5083)に刷毛で塗布した。エタ
ノールを乾燥させた後、この試料を450℃で10時
間、大気下で熱処理した。熱処理後にこの合金板を取り
出し、超音波洗浄したところ、合金板の表面の付着物が
除去された。合金板の表面の光沢が失われていた。
微鏡写真を倍率5000倍、2000倍で観測したとこ
ろ、実施例11と同様の微構造が観測された。直線が横
断する粒界の個数は、平均して直線の長さ10μm当た
り11個であった。
体を構成するJIS 6061のピーク以外に、AlF
3 (JCPDS 43−0435)およびMgF 2 (J
CPDS 41−1443)と同一構造の結晶相が同定
された。耐食性部材の表面のEDS分析結果から、Fが
表面に存在していることが分かった。この耐食性部材の
耐食性試験A、Bの結果を、表3に示す。
ハロゲン系腐食性ガスやそのプラズマ、特に塩素プラズ
マガスおよびそのプラズマに対して高い耐食性を示す耐
食性部材が得られる。
の表面のX線回折パターンを示す図である。
の表面領域における断面を示す、走査型電子顕微鏡によ
る写真である。
面を密閉容器内でフッ化処理した直後の外観を示す写真
である。
板を、更に大気中で熱処理した後の外観を示す写真であ
る。
型電子顕微鏡写真である(倍率5000倍)。
型電子顕微鏡写真である(倍率2000倍)。
の結果を示すチャートである。
よる分析結果を示すチャートである。
の結果を示すチャートである。
査型電子顕微鏡写真である(倍率5000倍)。
査型電子顕微鏡写真である(倍率2000倍)。
折の結果を示すチャートである。
による分析結果を示すチャートである。
Claims (27)
- 【請求項1】アルミニウム含有金属、アルミニウム元素
を含有するセラミックス、またはアルミニウム含有金属
とセラミックスとの複合材料からなる基体と、この基体
上の耐食膜とを備えている耐食性部材を製造する方法で
あって、 前記基体を固体状のフッ素化合物を入れた容器中に設置
し、前記容器を前記フッ素化合物の熱分解温度以上に加
熱することによって前記フッ素化合物の分解ガスを生成
させ、前記基体を前記フッ素化合物の分解ガスとともに
熱処理し、前記基体の表面にフッ化物からなる耐食膜を
形成することを特徴とする、耐食性部材の製造方法。 - 【請求項2】前記容器が密閉容器であることを特徴とす
る、請求項1記載の耐食性部材の製造方法。 - 【請求項3】前記熱処理を前記フッ素化合物の熱分解温
度よりも0〜200℃高い温度で行うことを特徴とす
る、請求項1または2記載の耐食性部材の製造方法。 - 【請求項4】前記フッ素化合物の熱分解温度が100〜
300℃であることを特徴とする、請求項1〜3のいず
れか一つの請求項に記載の耐食性部材の製造方法。 - 【請求項5】前記フッ素化合物が、NaHF2 、KHF
2 及びNH4 HF2 から選ばれることを特徴とする、請
求項4記載の耐食性部材の製造方法。 - 【請求項6】前記フッ素化合物が、金属元素を含有しな
いフッ素化合物であることを特徴とする、請求項1−5
のいずれか一つの請求項に記載の耐食性部材の製造方
法。 - 【請求項7】前記フッ化物が、少なくともアルミニウム
フッ化物の結晶相を含有していることを特徴とする、請
求項1−6のいずれか一つの請求項に記載の耐食性部材
の製造方法。 - 【請求項8】アルミニウム含有金属、アルミニウム元素
を含有するセラミックス、またはアルミニウム含有金属
とセラミックスとの複合材料からなる基体、およびこの
基体を固体状のフッ素化合物を入れた容器中に設置し、
前記容器内を前記固体状のフッ素化合物の熱分解温度以
上に加熱することにより前記基体の表面に生成したフッ
化物からなる耐食膜を備えることを特徴とする、耐食性
部材。 - 【請求項9】前記フッ素化合物がNaHF2 、KHF2
及びNH4 HF2 から選ばれることを特徴とする、請求
項8記載の耐食性部材。 - 【請求項10】前記フッ化物が、少なくともアルミニウ
ムフッ化物の結晶相を含有していることを特徴とする、
請求項8または9記載の耐食性部材。 - 【請求項11】前記フッ化物が、少なくともマグネシウ
ムフッ化物の結晶相を含有していることを特徴とする、
請求項8−10のいずれか一つの請求項に記載の耐食性
部材。 - 【請求項12】アルミニウム含有金属、アルミニウム元
素を含有するセラミックス、またはアルミニウム含有金
属とセラミックスとの複合材料からなる基体の表面に、
フッ化物からなる耐食膜を具えた耐食性部材であって、
この耐食性部材を13.56MHz、800Wの高周波
で励起して得た塩素プラズマガスに460℃において5
時間暴露した際の重量減少が15mg/cm2 以下であ
ることを特徴とする、耐食性部材。 - 【請求項13】アルミニウム含有金属、アルミニウム元
素を含有するセラミックス、またはアルミニウム含有金
属とセラミックスとの複合材料からなる基体、およびこ
の基体を固体状のフッ素化合物を入れた容器中に設置
し、前記容器内を前記固体状のフッ素化合物の熱分解温
度以上に加熱することにより前記基体の表面に生成した
フッ化物からなる耐食膜を具えており、13.56MH
z、800Wの高周波で励起して得た塩素プラズマガス
に460℃において5時間暴露した際の重量減少が15
mg/cm2 以下であることを特徴とする、耐食性部
材。 - 【請求項14】アルミニウム含有金属からなる基体と、
この基体上の耐食膜とを備えている耐食性部材を製造す
る方法であって、 前記基体を固体状のフッ素化合物を入れた容器中に設置
し、前記容器を前記フッ素化合物の熱分解温度以上に加
熱することによって前記フッ素化合物の分解ガスを生成
させ、前記基体を前記フッ素化合物の分解ガスとともに
熱処理して前記基体の表面に中間体膜を生成させ、次い
で前記基体および前記中間体膜を熱処理して互いに反応
させることによって、フッ化物からなる耐食膜を生成さ
せることを特徴とする、耐食性部材の製造方法。 - 【請求項15】前記基体および前記中間体膜を、酸素と
不活性ガスとを含有する雰囲気下で熱処理することを特
徴とする、請求項14記載の耐食性部材の製造方法。 - 【請求項16】前記容器が密閉容器であることを特徴と
する、請求項14または15記載の耐食性部材の製造方
法。 - 【請求項17】前記フッ素化合物が、金属元素を含有し
ない室温で固体のフッ化化合物であることを特徴とす
る、請求項14−16のいずれか一つの請求項に記載の
耐食性部材の製造方法。 - 【請求項18】前記フッ素化合物がNH4 HF2 である
ことを特徴とする、請求項17記載の耐食性部材の製造
方法。 - 【請求項19】前記中間体膜がフッ化アルミニウムアン
モニウム(アルミニウムの一部が他の金属によって置換
されていてよい)を含有することを特徴とする、請求項
14−18のいずれか一つの請求項に記載の耐食性部材
の製造方法。 - 【請求項20】アルミニウム含有金属からなる基体と、
この基体上の耐食膜とを備えている耐食性部材を製造す
る方法であって、 前記基体とフッ化アルミニウムアンモニウム(アルミニ
ウムの一部が他の金属によって置換されていてよい)と
を接触させた状態で熱処理することによって反応させ、
フッ化物からなる耐食膜を生成させることを特徴とす
る、耐食性部材の製造方法。 - 【請求項21】前記基体の表面に前記フッ化アルミニウ
ムアンモニウムの粉末を接触させた状態で熱処理するこ
とを特徴とする、請求項20記載の耐食性部材の製造方
法。 - 【請求項22】前記基体を前記フッ化アルミニウムアン
モニウムの粉末中に埋設した状態で熱処理することを特
徴とする、請求項21記載の耐食性部材の製造方法。 - 【請求項23】前記フッ化アルミニウムアンモニウムの
粉末を含有する成形膜を前記基体上に設け、次いで前記
成形膜および前記基体を熱処理することを特徴とする、
請求項21記載の耐食性部材の製造方法。 - 【請求項24】前記基体および前記フッ化アルミニウム
アンモニウムを、酸素と不活性ガスとを含有する雰囲気
下で熱処理することを特徴とする、請求項20−23の
いずれか一つの請求項に記載の耐食性部材の製造方法。 - 【請求項25】アルミニウム含有金属からなる基体と、
この基体の表面に形成されたフッ化物からなる耐食膜を
備えている耐食性部材であって、 前記耐食膜が、前記基体の表面を被覆する前記フッ化物
の粒子からなり、前記耐食膜の表面に直線を引いたとき
にこの直線が横断する粒界の個数が平均して直線の長さ
10μm当たり100個以下、5個以上であり、前記粒
子がアルミニウムフッ化物相とマグネシウムフッ化物相
との少なくとも一方を含有していることを特徴とする、
耐食性部材。 - 【請求項26】前記粒子が少なくともアルミニウムフッ
化物相およびマグネシウムフッ化物相を含有しているこ
とを特徴とする、請求項25記載の耐食性部材。 - 【請求項27】前記耐食膜がフッ化アルミニウムアンモ
ニウム(アルミニウムの一部が他の金属によって置換さ
れていてよい)と前記基体との反応によって生じたもの
であることを特徴とする、請求項25または26記載の
耐食性部材。
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