JP4312356B2 - 金属アルミニウム含有基体の窒化処理方法および装置 - Google Patents

金属アルミニウム含有基体の窒化処理方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属アルミニウム含有基体の窒化処理方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体や液晶パネルなどの配線の微細化に伴い、ドライプロセスによる微細加工化が進みつつある。この微細加工の要求に伴って、半導体などの成膜ガス及びエッチングガスなどにはハロゲン系腐食性ガスが用いられている。一方、このようなハロゲン系腐食性ガスに対しては、窒化アルミニウムが高い耐腐食性を示すことが知られている。したがって、半導体製造装置や液晶パネル製造装置などには、窒化アルミニウムを表面に有する部材が用いられつつある。
具体的には、窒化アルミニウム粉末を焼結した材料、CVDなどの気相成長法を用いて基材に窒化アルミニウムを成膜した材料、及びアルミニウム表面を改質し、窒化アルミニウムを形成させた材料などがある。
【0003】
アルミニウムは、空気と接するとその表面が酸化されて薄い酸化膜を形成する。この酸化膜は極めて安定な不動態相であるため、簡易な窒化法ではそのアルミニウム表面を窒化することができないでいた。そこで、特にアルミニウム表面を改質して窒化アルミニウムを形成する方法としては、以下のような方法が開発されてきた。
【0004】
特開昭60−211061号公報には、チャンバー内を所定の圧力にまで減圧した後、水素ガスなどを導入して放電を行ってアルミニウムの表面を所定の温度にまで上昇させ、さらにアルゴンガスを導入して放電を行うことによりアルミニウムの表面を活性化させ、次いで、窒素原子を含有するガスを導入することによりアルミニウムの表面をイオン窒化する方法が開示されている。
【0005】
また、特開平7−166321号公報では、アルミニウム粉末からなる窒化処理用助剤をアルミニウムの表面に接触させ、窒素原子を含有するガス雰囲気中で加熱処理することによって、窒化アルミニウムを前記アルミニウムの表面に形成する方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開昭60−211061号公報に記載された方法は、放電を利用して窒化アルミニウムを形成するために装置全体が複雑となってコスト高を生じるという問題があった。さらには、複雑な形状のもの、及び大型のものへの窒化は困難であるという問題もあった。
【0007】
また、特開平7−166321号公報に記載された方法は、窒化処理用助剤を用いているため、得られた窒化アルミニウム表面層には気孔が存在し、緻密性が十分ではなかった。そのため、ハロゲン系腐食性ガスに対する耐腐食性が十分ではなく、実用上十分とは言えないのが現状であった。
【0008】
また、焼結窒化アルミニウムを使用する場合においても、窒化アルミニウム粉末を高温で焼結する必要があること、及び加工が困難であることなどからコスト高になるという問題があった。さらには、大型や複雑な形状の部材を形成することは極めて困難であった。
そして、CVD法によって窒化アルミニウムを形成する場合においても、装置及びプロセスが複雑かつ高価であるとともに、大型や複雑な形状の部材を形成することが困難であるという問題があった。
【0009】
本出願人は、特願平11−59011号明細書において、アルミニウムを真空下に加熱し、この直後に窒素雰囲気中で加熱することによって、アルミニウム表面に窒化膜を形成する技術を開示した。しかし、容器の形状、成膜回数といった各種条件によっては、窒化膜の品質が劣化したり、成膜速度が低下したり、場合によっては窒化膜が非常に生成しにくいような場合が生じた。このため、窒化膜の製造技術としてはバラツキが大きくなることがあった。
【0010】
本発明の課題は、金属アルミニウム含有基体上に窒化膜を形成するのに際して、安定した品質の窒化膜を製造するための方法を提供することである。
【0011】
また、本発明の課題は、金属アルミニウム含有基体上に窒化膜を形成するのに際して、窒化膜の成膜状態のバラツキを抑制することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも金属アルミニウムを含有している基体を10−3torr以下の真空中で加熱処理した後に、この加熱処理に続けて少なくとも窒素を含有する雰囲気中で加熱窒化処理する窒化処理方法であって、前記加熱窒化処理の際に、窒素原子を含有するガスが流通可能で一定形状を有し、気孔率が1−30%であり、黒鉛またはセラミックからなる多孔質体を前記雰囲気に対して接触させることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、少なくとも金属アルミニウムを含有している基体を10−3torr以下の真空中で加熱処理した後に、この加熱処理に続けて少なくとも窒素を含有する雰囲気中で加熱窒化処理するための窒化処理装置であって、前記加熱窒化処理の際に前記基体を収容し、前記雰囲気を包含する容器であって、少なくとも一部が窒素原子を含有するガスが流通可能な一定形状を有し、気孔率が1−30%であり、黒鉛またはセラミックからなる多孔質体からなる容器を備えていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、少なくとも金属アルミニウムを含有している基体を10−3torr以下の真空中で加熱処理した後に、この加熱処理に続けて少なくとも窒素を含有する雰囲気中で加熱窒化処理するための窒化処理装置であって、前記加熱窒化処理の際に前記基体を収容し、前記雰囲気を包含する容器と、前記容器内へと少なくとも窒素原子を含有するガスを供給する供給経路と、この供給経路に設置されている、窒素原子を含有するガスが流通可能な一定形状を有し、気孔率が1−30%であり、黒鉛またはセラミックからなる多孔質体とを備えていることを特徴とする。
【0015】
本発明者は、金属アルミニウム含有基体の表面に窒化物を簡易な方法で形成する新たな方法を見いだすべく鋭意検討を重ねた。その結果、窒化膜を形成する前に、例えば金属アルミニウムからなる基体を高真空度において加熱することで、アルミニウム基体の表面に窒化膜が形成されることを見いだした。この原因は明確ではないが、高真空度での加熱処理によってアルミニウム基材表面のアルミニウム不動態膜が除去されたためと考えられる。
【0016】
加熱窒化処理の際には、容器中の雰囲気には少なくとも窒素が含まれている。ここで、加熱窒化処理の間に、この雰囲気に対して多孔質体を接触させておくことによって、基体上に窒化膜が安定して生成しやすくなり、あるいは窒化膜の成膜速度が上昇することが判明した。あるいは、生成した窒化膜の品質が改善される傾向が見られた。
【0017】
本発明者は、この理由を突き止めるべく、種々の実験を行い、以下の推論に達した。
【0018】
即ち、前記の窒化反応に際しては、マグネシウム等の金属元素の蒸気が雰囲気内に存在すると、窒化反応を促進する効果があるものと思われる。この雰囲気中の金属蒸気は、金属アルミニウムの表面の不動態膜を還元する効果を有しており、あるいは雰囲気中の窒素と反応して中間化合物を生成するものと思われる。この金属−窒素中間化合物が、窒化反応を促進する作用を有するものと思われる。
【0019】
本発明者は、こうした金属元素の供給を促進するために、容器中に金属源、例えばマグネシウム金属や合金の塊を設置することを試み、これによって窒化膜の生成が促進されることを確認した。
【0020】
この一方、高温真空保持中に容器内の酸素、水蒸気分圧が所定値より高くなると、基体上に窒化膜が生成しにくくなったり、あるいは窒化膜の品質が低下する傾向が見られた。本発明者は、このような窒化膜の生成が阻害された場合に、容器中に共存していた金属の塊からなる設置物を観察してみた。この結果、設置物の表面に酸化膜が生成していることが判明した。このように設置物表面に酸化膜が生成することによって、その金属の蒸気が雰囲気中に十分に拡散せず、窒化膜の生成の不全が引き起こされたものと思われる。こうした金属酸化膜は、雰囲気中に存在する酸素、水蒸気の濃度の上昇によって引き起こされるものである。
【0021】
高温真空中で基体を保持する前工程を経ることなく、基体を大気中から直ちに直接窒素雰囲気中で加熱した場合には、やはり窒化膜が生成しない。この現象は、前記した金属酸化膜の生成による窒化膜の生成不全と似ていた。
【0022】
また、本発明者は、このような窒化膜の生成不全が引き起こされた場合に、加熱窒化処理後の雰囲気中に前記金属の酸化物や水酸化物が生成していることを発見した。こうした窒化阻害物質は例えばMgO 、Mg(OH)2 である。 Mg(OH)2は350 ℃付近で分解してH2O を発生し、MgO は常温で大気中の水分と反応してMg(OH)2 となることが知られている。従って、こうした金属酸化物、水酸化物から雰囲気中に供給される水分によって、前述の窒化膜の生成不全プロセスが引き起こされるものと思われる。
【0023】
本発明者は、こうした仮説に立ち、加熱窒化処理時の容器内の雰囲気に接触するように多孔質体を設置することを想到し、この結果、不動態膜の還元ならびに窒化膜の形成に有効であることを見出した。
【0024】
多孔質体の表面には活性な金属蒸気が吸着しやすく、金属を容器表面に濃縮する効果があると考えられる。
【0025】
また、前述の通り、窒化膜の生成反応には、アルミニウム以外の金属の中間化合物が介在している可能性がある。そして、加熱窒化処理時の容器内の雰囲気に接触するように多孔質体を設置することによって、多孔質体の表面上に吸着された金属と窒素との間で気相- 固相反応が生起するものと思われる。気相−固相反応は気相−気相反応と比較して反応断面積が大きいので、前記中間化合物の生成を促進させるものと考えられる。
【0026】
好適な実施形態においては、基体を多孔質体によって外部環境から遮蔽する。
【0027】
前述の通り、窒化反応の生起には所定以上の金属蒸気濃度が必要である。所定の多孔質体を用いて基体を外部環境から遮蔽することによって、多孔質体の気孔内表面に金属蒸気を保持可能であり、かつ外部雰囲気を窒素にすることで、多孔質体を通して基体へと窒素を導入することができる。この際、多孔質体内に保持されている金属蒸気と、多孔質体を通過する窒素とが前述のように気相−固相反応によって反応し、中間体を生成し、この中間体が、基体表面における窒化反応を促進するものと思われる。
【0028】
好適な実施形態においては、基体を、少なくとも多孔質体からなる蓋を備えた容器の内部に収容する。この場合には、容器の少なくとも蓋を窒素雰囲気に曝露し、容器の内部に蓋を通して窒素原子を含有するガスを導入する。
【0029】
好適な実施形態においては、基体を、多孔質体からなる容器内に収容する。これによって、窒化膜の生成の効率を向上させることができる。
【0030】
他の好適な実施形態においては、基体へと向かって少なくとも窒素原子を含有するガスを供給するのに際して、この窒素原子を含有するガスの供給経路に多孔質体を設置する。これによって、窒素原子を含有するガスの供給経路において多孔質体内で前述の気相−固相反応を促進できる。
【0031】
好適な実施形態においては、基体が接する雰囲気中に、周期律表第2A族、3A族、4A族及び4B族から選ばれる少なくとも一つの金属の蒸気を含有させる。これらの金属蒸気は、窒化膜の生成を特に促進する。
【0032】
雰囲気中に金属蒸気を含有させる方法は特に限定されない。一つの方法では、容器内に、周期律表第2A族、3A族、4A族、及び4B族から選ばれる少なくとも一つの金属元素を含む金属または合金を設置する。また、他の実施形態においては、窒素原子を含有するガスの供給経路に、周期律表第2A族、3A族、4A族及び4B族から選ばれる少なくとも一つの金属元素を含む金属または合金を設置する。
【0033】
これらの金属のうち特に好ましいのは、Mg、Sr、Ca、Ba、Be、Ce、Ti、Zr、B,Siである。特に好ましくは、金属が、マグネシウムまたは珪素を含む。
【0034】
これらの金属は、単体として前記雰囲気に接するように設置できる。あるいは、前記合金としては、前記した二種類以上の金属の合金が好ましく、あるいは前記金属とアルミニウムとの合金が好ましい。アルミニウム合金としては、A6061(Mg−Si系合金)、A7075(Zn−Mg系合金)、及びA5083(Mg系合金)などを例示できる。
【0035】
多孔質体の気孔率は、前述の作用効果を奏する上で1%以上とすることが好ましく、3%以上とすることが更に好ましい。また、多孔質体の気孔率は、前記金属、あるいは中間体の蒸気を容器内に一定量以上保つために、30%以下とすることが好ましい。
【0036】
多孔質体の細孔径は、金属蒸気を捕捉し、窒素原子を含有するガスを流通させる上で、1μm以上とすることが好ましく、3μm以上とすることが更に好ましい。また,多孔質体の細孔径は、前記金属、あるいは中間体の蒸気を容器内に一定量以上保ちつつ、かつ前記中間体が形成される反応表面面積を確保する上で、100μm以下とすることが好ましい。
【0037】
多孔質体の材質は特に限定されないが、窒化処理中に酸素その他の窒化阻害物質を放出する可能性がないことが必要である。
【0038】
多孔質体を形成する物質としては、不純物を含まない黒鉛が好ましく、その他多孔質体セラミックスとしてば、例えば、窒化珪素、窒化アルミニウム等の窒化物、炭化珪素等の炭化物も好ましい。
【0039】
また、黒鉛は酸素との反応性が高く、雰囲気中の酸素分圧を低減させる効果があると思われる。酸素及び水分子は、前述した機構から窒化反応を阻害する効果を持つと考えられるため、可能な限り低減させることが好ましい。実際に黒鉛製の容器を用いた場合は、多孔質炭化珪素容器を使用した場合と比較して、成膜速度において優位性を示した。
【0040】
本発明では、基体を真空中で加熱処理した後に、真空状態を維持した状態で窒素原子を含有するガスを供給し、加熱窒化処理を行う。
【0041】
本発明では、基体を10-3torr以下の真空中で加熱処理することが必要であり、好ましくは5×10-4torr以下である。
【0042】
加熱処理における真空中の圧力の下限は特に限定されるものではないが、10-6torrであることが好ましく、10-5torrであることが特に好ましい。これ以上の真空度を達成するためには、大型のポンプや高真空対応のチャンバーが必要となってコスト高になる。さらには、窒化物の形成速度などにも影響を及ぼさない。
【0043】
加熱処理の温度の下限は、基材表面の酸化皮膜を一部でも除去できれば特に限定されるものではない。しかし、前記金属あるいは中間体の蒸気を効率的に発生維持させ、酸化皮膜を効率的に破壊させるには、450℃であることが好ましく、さらには500℃であることが好ましい。
【0044】
加熱処理の温度の上限については、基材たるアルミニウム合金の融点に配慮し、650℃であることが好ましく、さらには600℃であることが好ましい。これによって、基体の加熱変形を防止できる。
【0045】
窒素原子を含有するガスとしては、N2 ガス、NH3 ガス、及びN2 /NH3 の混合ガスなどを例示できる。N2 ガスを含むことが特に好ましい。
【0046】
加熱処理した基体の表面に窒化膜を比較的短時間で厚く形成するためには、窒素原子を含有するガスの圧力を1kg/cm2 以上にすることが好ましく、さらには1〜2000kg/cm2 の範囲に設定することが好ましく、特には1.5〜9.5kg/cm2 の範囲に設定することが好ましい。
【0047】
加熱窒化処理における加熱温度は、基体の表面に窒化膜を形成できれば特に限定されるものではない。しかし、比較的厚い窒化膜を比較的短時間で形成するためには、加熱温度の下限が450℃であることが好ましく、さらには500℃であることが好ましい。
【0048】
さらに、加熱窒化処理の加熱温度の上限は、650℃であることが好ましく、さらには600℃であることが好ましい。これによって、基体の加熱変形を効果的に防止することができる。
【0049】
このようにして基体の表面に形成された窒化物は、必ずしも層状すなわち膜状に存在する必要はない。すなわち、基体自体に耐腐食性を付与することのできる状態に窒化物が形成されていればその形態については限定されない。したがって、微細な粒子が密に分散したような状態や窒化物と基材との界面が明確ではなく、窒化物の組成が基体に向かって傾斜しているような状態をも含むものである。
【0050】
基体、もしくは基体表面にコーティングを行ってから窒化膜形成処置を行う場合、当該表面は、少なくとも金属アルミニウムを含有していることが必要である。当該アルミニウムが窒化されることで、表面に窒化アルミニウムが生成するからである。
【0051】
好ましくは、基体は、以下から選ばれる少なくとも一種である。
少なくとも金属アルミニウムを含む金属
アルミニウム原子を含む金属間化合物
少なくとも金属アルミニウムを含む金属と、アルミニウム原子を含む金属間化合物との複合材料
少なくとも金属アルミニウムを含む金属と低熱膨張材料との複合材料
アルミニウム原子を含む金属間化合物と低熱膨張材料との複合材料
少なくとも金属アルミニウムを含む金属と、アルミニウム原子を含む金属間化合物と、低熱膨張材料との複合材料
【0052】
低熱膨脹材料としては、AlN、SiC、Si34 、Al23、Mo、W、及びカーボンなどを例示することができる。これらの材料は、複合材料の物理的特性、機械的特性を制御する際に有効である。低熱膨張材料の含有量は10〜70vol %が好ましい。
【0053】
少なくとも金属アルミニウムを含む金属は、純金属アルミニウムと、アルミニウムと他の金属との合金がある。アルミニウムと合金化される金属としては、酸化皮膜破壊に有効で、窒化膜の生成を促進するという観点から、Mg、Sr、Ca、Ba、Beなどの周期律表第2A族、Ceなどの周期律表第3A族、Ti、Zrなどの周期律表第4A族、及びB,Siなどの周期律表第4B族に属する元素から選ばれる少なくとも一つの元素からなる金属が好ましい。
【0054】
基体を構成するアルミニウム合金の具体例は、例えばA6061(Mg−Si系合金)、A7075(Zn−Mg系合金)、及びA5083(Mg系合金)である。
【0055】
アルミニウム原子を含む金属間化合物としては、Al3 Ni、Al3 Ni2 、AlNi、AlNi3 、AlTi3 、AlTi、Al3 Ti等が挙げられる。
【0056】
また、金属、セラミックス、及び金属とセラミックスとの複合材料などからなる部材の表面を、アルミニウム又はアルミニウム合金により被覆したものを、基体として用いることもできる。
【0057】
基体表面に形成される窒化物は、周期律表第2A族、3A族、4A族、及び4B族から選ばれる少なくとも一つの元素を、基体中の金属アルミニウムの金属部分の表面よりも高濃度に含有することが好ましい。
【0058】
窒化物中における周期律表第2A族、3A族、4A族、及び4B族から選ばれる少なくとも一つの元素の含有量は、基体の金属アルミニウム部分の含有量の1.1倍以上であることが好ましく、さらには1.5倍以上であることが好ましい。
【0059】
さらに、前記窒化物中における周期律表第2A族、3A族、4A族、及び4B族から選ばれる少なくとも一つの元素、並びに酸素濃度は窒化物の応力集中、熱疲労や機械的特性の安定の観点より、窒化物の厚さ方向において均一に分散していることが好ましい。
【0060】
上記のような酸素濃度分布および周期律表第2A族などの元素を含有する窒化物は、フッ素雰囲気にさらされた際に、これら元素が形成するフッ化物の蒸気圧が低いため、保護膜として優れた耐蝕性を有する。このため、前記のような腐食性ガスに前記窒化物を暴露した際の重量変化は極めて小さくなり、特に基材を腐食性ガスに暴露した場合に比べて著しく小さくなる。
【0061】
前記のような周期律表第2A族などの元素を含有する窒化物が、高硬度及び高靱性、並びに高耐腐食性を有するためには、その膜厚が2μm以上であることが好ましく、さらには5μm以上であることが好ましい。
【0062】
本発明を実施する際には、例えば、基体を、真空装置を具えたチャンバー内のサンプル台上に設置する。次いで、このチャンバー内を真空ポンプで所定の真空度になるまで排気する。次いで、チャンバー内に設置された抵抗発熱体や赤外線ランプなどの加熱装置により、基体を所定の温度にまで加熱する。そして、この温度において1〜10時間保持する。この加熱処理においては、基体の全体が所定の温度にまで達している必要はなく、不動態膜が形成されている基体の表面部分が所定の温度に達していればよい。
【0063】
加熱処理が終了した後、チャンバー内に窒素ガスなどを導入してチャンバー内を窒素雰囲気にする。そして、加熱装置の入力パワーを調節することによって、基体を所定の温度にまで加熱する。そして、この温度において1〜30時間保持する。この場合においても、基体の全体が所定の温度にまで達している必要はなく、窒化膜を形成すべき基体の表面部分が所定の温度にまで達していればよい。
【0064】
所定の時間が経過した後、制御冷却、もしくは炉冷して、加熱窒化処理を終了する。その後、基体を外部に取り出す。
【0065】
本発明の窒化処理後の部材は、耐食性が要求される半導体製造装置用部品、液晶製造装置用部品、及び自動車部品などに使用することができる。
【0066】
さらに、本発明の窒化処理後の部材は、放熱性に優れている。したがって、本発明の窒化処理後の部材は放熱性が要求される放熱部品においても好適に用いることができる。
【0067】
図1(a)の例においては、窒素原子を含有するガスを少なくとも含む雰囲気1内に、多孔質体からなる容器2が収容されている。容器2は、蓋3と、容器本体4とからなる。加熱窒化処理時には、容器内雰囲気5に対して、雰囲気1から少なくとも窒素原子を含有するガスが矢印A、Bのように供給される。容器4内には、基体6と、周期律表第2A族、3A族、4A族、及び4B族から選ばれる少なくとも一つの金属元素を含む金属または合金からなる設置物7とが収容されている。この状態で基体を加熱窒化処理する。
【0068】
図1(b)の例においては、容器12の本体8は緻密体からなっているが、蓋3は多孔質体からなっている。
【0069】
図2の例においては、容器22の本体8と蓋10とが共に緻密体からなっている。例えば蓋10に弁20を設ける。そして、容器8内には基体6、前記設置物7および多孔質体11が設置されている。この状態でまず真空中で加熱処理を行った後、弁20から窒素原子を含有するガスを供給し、加熱窒化処理を行う。
【0070】
図3の例においては、緻密体15からなる容器32内に、多孔質体からなる遮蔽板14を設置し、容器32内を例えば2つの空間5、17に区分する。雰囲気5内に基体6を設置する。雰囲気17内に前記設置物7を設置する。そして、雰囲気17に流通するように供給管16を接続し、例えば窒素ガスを供給管16から雰囲気17内に供給する。基体6は、遮蔽板14によって外部雰囲気から遮蔽されており、窒素ガスの供給経路21に設置物7が設置されている。
【0071】
【実施例】
(実験1)
表1に示す真空加熱処理条件および加熱窒化処理条件に応じて、アルミニウム基体の窒化処理を行った。具体的には、基体として、寸法20×20×2mmの純アルミニウム製(A1050 :Al含有量>99.5% )、Mg-Si 系Al合金製(A6061 :1Mg-0.6Si-0.2Cr-0.3Cu )の各基体を用いた。反応容器は以下のとおりとした。
【0072】
実施例1、5: 図1(a)に示す黒鉛(気孔率10%)製コップ型容器本体4と、黒鉛製蓋3(気孔率10%:ねじ込み式)との組み合わせ。
実施例2,6: 図1(b)に示すSUS (SUS-304 )製コップ型容器本体8と、黒鉛製蓋3との組み合わせ。
実施例3、7: 図2に示すSUS(SUS-304)製コップ型容器本体8と SUS製蓋10との組み合わせ。容器22内に気孔率10%の黒鉛製ブロック11(寸法20×20×5mm)を設置した。
実施例4、8: 図1(a)に示す再結晶炭化珪素多孔質体(気孔率20%、細孔径60μm)からなる蓋3と本体4との組み合わせ。
【0073】
容器寸法は、全て内径90mm、高さ7mm のコップ型とした。容器の前処理は以下のようにした。
容器の材質が黒鉛の場合: 2000℃、1 ×10-3Torr以下で2時間熱処理。
再結晶炭化珪素の場合: 1500℃、1 ×10-3Torr以下で2時間熱処理。
SUS の場合: 前処理なし
【0074】
基体としてA1050 、A6061 とも3 枚ずつ設置した。前述の各反応容器を黒鉛ヒーター製電気炉内に設置し、真空ポンプによって炉内の真空度が表1に示す値になるまで排気した。次いで、黒鉛ヒーターを通電加熱することで、表1に示す温度まで加熱した後、この加熱温度において表1に示す時間にわたって真空保持した(真空下での加熱処理)。
【0075】
次に、表1に示す設定圧力になるまで電気炉内に窒素ガスを導入した。設定圧力に到達した後、2リットル/分の割合で窒素ガスを導入し、炉内圧力が設定圧力の±0.05kg/cm2になるように制御した。その後、基体の温度及び保持時間を表1に示すように設定し、各基体の表面に窒化膜の形成を行った(加熱窒化処理)。
【0076】
窒化膜の形成された基体の温度が50℃以下になったところで、基体をチャンバーから取り出した。
【0077】
【表1】
Figure 0004312356
【0078】
得られた部材の表面は、何れも黒褐色または灰色を呈した。窒化部材の色調を表2、表3に示す。窒化部材の表面をX線回折によって調べたところ、何れの部材からも窒化アルミニウムのピークが観測された。
【0079】
また、部材表面をEDS 分析したところ、Alの他にN 、Mg、Siが検出された。EDS 分析の定量値を表2、表3に示す。EDS 分析装置は、フィリップス社製SEM (型式XL-30 )、EDAX社製EDS 検出器(型式CDU-SUTW)を組み合わせて使用した。分析条件は、加速電圧20kV、倍率1000倍で面分析を行った。表2、表3から明らかなように、N の定量値は反応容器及び窒化条件によって異なるが、概ね以下の順番であった。
多孔質黒鉛製容器本体+多孔質蓋>再結晶炭化珪素製容器本体+再結晶炭化珪素製蓋>SUS 製容器本体+多孔質黒鉛製蓋>SUS 製容器本体+SUS 製蓋+多孔質黒鉛製ブロック
【0080】
窒化膜の膜厚を窒化膜断面のSEM 観察によって調査した。得られた結果を表2、表3に示す。
【0081】
表2、3より明らかなように、窒化膜の膜厚は反応容器及び窒化条件によってことなるが、概ね以下の順番であった。
多孔質黒鉛製容器本体+多孔質蓋>再結晶炭化珪素製容器本体+再結晶炭化珪素製蓋>SUS 製容器本体+多孔質黒鉛製蓋>SUS 製容器本体+SUS 製蓋+多孔質黒鉛製ブロック
【0082】
以上の結果から、窒化反応に際して炉の雰囲気と基体とを多孔質体で遮蔽する方法が窒化を促進させることを示唆した。また、基体近傍に多孔質体が存在することでも、窒化反応が生起することを確認した。
【0083】
【表2】
Figure 0004312356
【0084】
【表3】
Figure 0004312356
【0085】
(実験2)
反応容器を除く全ての条件を、実施例1 〜4,5 〜8 と同様にして、成膜を実施した。使用した反応容器は、SUS304製容器本体と、SUS304製蓋(ねじ込み式)との組み合わせ(比較例1、3)、またはAlN 緻密焼結体製容器本体とAlN 緻密焼結体製蓋との組み合わせ(比較例2、4)であった。加熱処理条件、加熱窒化処理条件の詳細を表4に示す。
【0086】
【表4】
Figure 0004312356
【0087】
得られた各部材の表面をX線回折によって調べたところ、比較例1,3,4 ではA1050 ,A6061 共に僅かにAlN のピーク が得られたものの、実施例1 〜8と比較して微少なピークであった。比較例2では両基体ともAlN のピークは得られなかった。
【0088】
得られた部材の表面EDS 分析では、比較例1 〜4 の全てでN 、Mg、Siが検出されたが、定量値は実施例1 〜8 と比較してN 量が少ない結果となった。分析結果を表5に示す。
【0089】
また、窒化膜の膜厚を断面SEM 観察により調査したところ、比較例1,3,4 は同程度の膜厚が得られたが、実施例1 〜8 と比較して極めて膜厚が薄いことが判明した。また比較例2では基材にA6061 を用いた場合、窒化膜が確認できなかった。
【0090】
【表5】
Figure 0004312356
【0091】
実施例1 〜8 と比較例1 〜4 の結果から、窒化膜の成膜条件として多孔質材による雰囲気との遮蔽が窒化反応の促進にとって有効であることが確認された。
【0092】
(実験3)
(実施例9,10)
図3に示す形状の反応容器を作製し、表6の窒化条件に従い成膜を実施した。基体としては、寸法20×20×2mm の純アルミニウム(A1050 :Al含有量>99.5% )を用いた。図3において、遮蔽板14としては多孔質黒鉛(気孔率10% 、細孔径60μm)製の板を使用した。容器32としては、SUS304製円筒型反応容器を使用した。SUS304製の供給管16を使用し、窒素ガスを容器32内に供給する。容器の下側の室内5には基体を設置し、遮蔽板14上に純Mg(99.9% )製の設置物7を設置した(寸法 0 ×20×2mm 、1.4g) 。aは7mm、bは7mm、cは20mm、dは5mmである。
【0093】
得られた部材は黒色を呈していた。X線回折より窒化膜の形成が確認された。得られた部材の表面EDS 分析を行ったところ、N 、Mgが検出され、窒化膜膜厚を断面SEM 観察により調査した。表7に得られた結果を示す。
【0094】
【表6】
Figure 0004312356
【0095】
【表7】
Figure 0004312356
【0096】
(バブリング試験)
実施例1〜10、比較例1〜4の窒化膜の健全性を調べるため、36%HClを用いてバブリング試験を行った。
36%HClを50ccビーカーに40cc計りとり、その中に窒化部材を5分間5min浸責し、窒化部材の重量変化、発泡状況により、窒化膜の健全性を評価した。窒化アルミニウム膜の存在箇所では発泡しないため、HCl によりエッチングされない。しかし、窒化膜が薄い部分、あるいは窒化不良部分では、HCl がAl基材に浸透し、Alの溶解反応によりエッチング現象が起こる。評価は、エッチングレート(単位面積あたりの重量減少量)の比較により行う。
【0097】
実施例1〜10、比較例1 〜4 におけるエッチングレートを表2、3、5、7に示す。各表より明らかなとおり、実施例1 〜10に比べ比較例1 〜4 では、エッチングレートが極めて高くなる傾向がある。また、比較例2のA6061 基材の場合のように、SEM 観察において窒化膜が確認できないほどの薄い膜の場合、エッチングレートは極めて高い値を示した。
【0098】
以上の結果から、多孔質体で基体を外部から遮蔽することにより窒化膜の健全性を高めることが判った。
【0099】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、金属アルミニウム含有基体上に窒化膜を形成するのに際して、窒化膜の成膜状態のバラツキを抑制することができ、あるいは、窒化膜の生成を促進できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、多孔質の容器本体4および多孔質の蓋3内に基体6および設置物7を収容している状態を示し、(b)は、緻密質の容器本体8および多孔質の蓋4内に基体6および設置物7を収容している状態を示す。
【図2】緻密質の容器本体8および緻密質の蓋10内に、基体6、設置物7および多孔質体11を収容している状態を示す。
【図3】容器32内を多孔質の遮蔽板14によって区分し、窒素ガスの供給経路21に設置物7を設置した状態を示す。
【符号の説明】
1 窒素原子を含有するガスを少なくとも含む雰囲気 2多孔質体からなる容器 3 多孔質体からなる蓋 4 多孔質体からなる容器本体 5 容器内の雰囲気 6 基体 7 周期律表第2A族、3A族、4A族、及び4B族から選ばれる少なくとも一つの金属を含む設置物 8 緻密体からなる容器本体 10 緻密体からなる蓋 11 多孔質体 12、22 容器 14 多孔質体からなる遮蔽板 16 窒素原子を含有するガスの供給管 21窒素原子を含有するガスの供給経路

Claims (17)

  1. 少なくとも金属アルミニウムを含有している基体を10−3torr以下の真空中で加熱処理した後に、この加熱処理に続けて少なくとも窒素を含有する雰囲気中で加熱窒化処理する窒化処理方法であって、
    前記加熱窒化処理の際に、窒素原子を含有するガスが流通可能で一定形状を有し、気孔率が1−30%であり、黒鉛またはセラミックからなる多孔質体を前記雰囲気に対して接触させることを特徴とする、金属アルミニウム含有基体の窒化処理方法。
  2. 前記基体を前記多孔質体によって外部環境から遮蔽することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 前記基体を、少なくとも前記多孔質体からなる蓋を備えた容器の内部に収容することを特徴とする、請求項2記載の方法。
  4. 前記基体を、前記多孔質体からなる容器内に収容することを特徴とする、請求項3記載の方法。
  5. 前記基体へと向かって少なくとも窒素原子を含有するガスを供給するのに際して、この窒素原子を含有するガスの供給経路に前記多孔質体が設置されていることを特徴とする、請求項1−4のいずれか一つの請求項に記載の方法。
  6. 前記雰囲気中に、周期律表第2A族、3A族、4A族及び4B族から選ばれる少なくとも一つの金属の蒸気を含有させることを特徴とする、請求項1−5のいずれか一つの請求項に記載の方法。
  7. 前記容器内に、周期律表第2A族、3A族、4A族及び4B族から選ばれる少なくとも一つの金属元素を含む金属または合金が設置されていることを特徴とする、請求項6記載の方法。
  8. 前記窒素原子を含有するガスの供給経路に、周期律表第2A族、3A族、4A族及び4B族から選ばれる少なくとも一つの金属元素を含む金属または合金が設置されていることを特徴とする、請求項6記載の方法。
  9. 前記多孔質体の細孔径が1〜100μmであることを特徴とする、請求項1−8のいずれか一つの請求項に記載の方法
  10. 前記金属が、マグネシウムまたは珪素を含むことを特徴とする、請求項6−9のいずれか一つの請求項に記載の方法。
  11. 少なくとも金属アルミニウムを含有している基体を10 −3 torr以下の真空中で加熱処理した後に、この加熱処理に続けて少なくとも窒素を含有する雰囲気中で加熱窒化処理するための窒化処理装置であって、
    前記加熱窒化処理の際に前記基体を収容し、前記雰囲気を包含する容器であって、少なくとも一部が窒素原子を含有するガスが流通可能な一定形状を有し、気孔率が1−30%であり、黒鉛またはセラミックからなる多孔質体からなる容器を備えていることを特徴とする、金属アルミニウム含有基体の窒化処理装置
  12. 前記容器が、少なくとも前記多孔質体からなる蓋を備えていることを特徴とする、請求項11記載の装置
  13. 前記容器の全体が前記多孔質体からなることを特徴とする、請求項12記載の装置
  14. 前記容器内に、周期律表第2A族、3A族、4A族及び4B族から選ばれる少なくとも一つの金属元素を含む金属または合金が設置されていることを特徴とする、請求項11−13のいずれか一つの請求項に記載の装置
  15. 少なくとも金属アルミニウムを含有している基体を10 −3 torr以下の真空中で加熱処理した後に、この加熱処理に続けて少なくとも窒素を含有する雰囲気中で加熱窒化処理するための窒化処理装置であって、
    前記加熱窒化処理の際に前記基体を収容し、前記雰囲気を包含する容器と、前記容器内へと少なくとも窒素原子を含有するガスを供給する供給経路と、この供給経路に設置されている、窒素原子を含有するガスが流通可能な一定形状を有し、気孔率が1−30%であり、黒鉛またはセラミックからなる多孔質体とを備えていることを特徴とする、金属アルミニウム含有基体の窒化処理装置
  16. 前記供給経路に、周期律表第2A族、3A族、4A族及び4B族から選ばれる少なくとも一つの金属元素を含む金属または合金が設置されていることを特徴とする、請求項15記載の装置
  17. 前記多孔質体の細孔径が1〜100μmであることを特徴とする、請求項11−16のいずれか一つの請求項に記載の装置
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