JP4053329B2 - 樹脂シートの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は樹脂シートの製造方法に関するものであり、特に、液状の光硬化性樹脂を活性エネルギーにより硬化させ、透明硬化シートを形成する光学用途に適した樹脂シートの製造方法に関するものである。
【従来の技術】
樹脂シート(プラスチック基板等とも呼ばれる)は、一般に、軽量で耐衝撃性や加工性に優れていることから種々の分野で用いられている。中でも、透明性を有する樹脂シートは、従来ガラスが使用されていた分野において、ガラス特有の割れ易さを解消したガラス代替材料として広く用いられている。樹脂材料やガラス材料等が用いられてきた分野において、透明性と耐熱性が要求される用途へは、透明な光硬化性樹脂が用いられることが多い。近年、透明な光硬化性樹脂は、レンズ、ディスプレイ基板、光導波路、太陽電池基板、光ディスク基板等の多様な用途に用いられている。
【0002】
従来、樹脂シートを製造する方法としては、熱可塑性樹脂においては、押出シート成形、射出成形、圧縮成形、キャスティング法等により行われ、熱硬化性シートにおいては、キャスティング法、注型成形等が行われている。そして、光ディスク等で知られる光学材料は、一定の容積を有する型へ液状の光硬化性樹脂を注入し、硬化させるいわゆる注型法によるものが知られている。具体的には、2枚の板を一定の間隔を空けて向かい合わせに配置して形成される空間内へ光硬化性樹脂を注入し、エネルギー線照射により光硬化性樹脂を硬化させ光ディスク用基板を製造する方法(特開昭60−202557号)、光硬化性樹脂を硬化させる際に、光硬化性樹脂が注入された一対の基板と光源との間に拡散フィルタを介在させる方法(特開平5−198018号)等が知られている。しかし、これらの注型法による場合、強度の低い光硬化性材料を成形しようとした場合、成形シートを回収する際に、成形物が割れ易いという欠点を有していた。
【0003】
そこで、特開平9−277277号公報や特開平9−278809号公報には、それぞれ、板状成形型内に剥離層を形成させる光硬化樹脂シートの成形方法や、成形型のキャビティ面側に金属や金属化合物からなる剥離し易い蒸着膜を有する成形型を用いる樹脂シートの製造方法が提案されている。しかし、これらの方法も注型法によるものであり、注型法による場合、上記したようにシート回収の際に成形物が割れ易いということの他に、多面(6面)に樹脂が接触されていることから、硬化物内に応力緩和されていない部分を有し、この部分が硬化物の特性低下の要因となるという欠点を有していた。更に、これら注型法の場合、型枠に粘性のある光硬化性樹脂を注入する際に時間がかかり、生産性が低いという欠点をも有していた。
【0004】
連続して樹脂シートを製造する方法としては圧延ロールを用いたカレンダー法や、Tダイ等による押し出し法などが上げられるが、かかる方法で光硬化性樹脂をシート状に成形した場合には、ロールやダイ等に付着して、シートを剥離する際に破損しやすい。また、特開平11−333872号公報のように支持体上に流延してシートを成形する場合には、平滑なシートを成形するためにはレベリング剤を樹脂中に含有する必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、光硬化性樹脂を注型法によらずに成形、硬化することにより、硬化物の欠損や割れを防止し、応力ひずみの少ない成形物を効率よく提供することができる、特に、透明性を有する樹脂シートを枚様式で連続的又は半連続的に製造する樹脂シートの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題を解決するために検討した結果、樹脂シートの製造において、2枚の支持体で挟持した光硬化性樹脂に活性エネルギー線を照射し、硬化シートを回収する製造方法において、支持体に活性エネルギーを透過しうるものを用い、光硬化性樹脂の成形をまず、1枚の支持体への液状光硬化性樹脂の配置を行った後に、他の1枚の支持体により挟持し、光硬化性樹脂が実質的に2枚の支持体面からの圧力のみにより成形されるようにして活性エネルギー線を照射し硬化させるという一連の工程を繰り返すことで複数の樹脂シートを良好な状態で効率よく回収し得ることを見出し本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、下記1)〜4)の工程を順次行い、これを繰り返すことにより複数の樹脂シートを製造する方法において、1対の支持体間の光硬化性樹脂は2枚の支持体とのみ接し、2枚の支持体の少なくとも1枚は活性エネルギー線を透過しうるものであることを特徴とする樹脂シートの製造方法。
1) 一支持体上に光硬化性樹脂を配置する工程
2) 第一支持体上に配置された光硬化性樹脂の上部に第二支持体を配置してその自重により1対の支持体間に所定厚みの光硬化性樹脂を挟持した挟持体とする工程
3) 静止状態下で前記狭持体の片面又は両面より活性エネルギー線を照射して光硬化性樹脂の硬化を 30 〜 95 %行う一次硬化工程と、この一次硬化工程を狭持体のまま又は一次硬化工程後の工程で支持体の1枚を取り外し、移動させながら、片面又は両面より活性エネルギー線を照射して光硬化性樹脂の硬化を進める二次硬化工程を有する硬化工程、
4) 硬化後の樹脂シートを支持体から分離する工程
ここで、 a) 活性エネルギー線の照射が、2枚の支持体の何れもが活性エネルギー線を透過しうる挟持体の両面から行われること、b) 挟持体の移動が、ローラーコンベア又は活性エネルギー線を透過しうるエンドレスベルトにより連続的にされるものであること、c) 光硬化性樹脂中に光硬化性を有する官能基を有するシルセスキオキサンオリゴマーが少なくとも3重量%以上含有されていること、又は、d) 樹脂シートの厚みが0.1〜1.2mmであることは、本発明の好ましい態様の1つである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、光硬化性樹脂は2枚の支持体で挟持され、活性エネルギー線が照射されて硬化樹脂シートとなるが、その形状は2枚の支持体の挟持面の表面形状により定まる。2枚の支持体は、その少なくとも一方、好ましくは両方が紫外線等の活性エネルギー線に対して透過性である。支持体の形状には格別の制限はないが、挟持面の表面形状が平面又は平面に近いものであることが望ましい。光硬化性樹脂を2枚の支持体で挟持する方法には制限はないが、光硬化性樹脂が液状である場合は、まず水平に置かれた第一支持体上に所定量の光硬化性樹脂を配置し光硬化性樹脂層を形成し、その後に第二支持体を光硬化性樹脂層に覆うようにかぶせ挟持させることが好ましい。この際、事前に公知の離型剤等を支持体の光硬化性樹脂支持面に予め施しておくことも有利である。
【0009】
2枚の支持体は、そのいずれか1枚は活性エネルギー線を透過しうる材質からなることが必要である。挟持体の両面から活性エネルギーを照射する場合には、2枚の支持体とも活性エネルギー線を透過しうる材質からなることが必要となる。活性エネルギー線としては、赤外線、紫外線、X線、電子線が挙げられ、紫外線が通常用いられる。活性エネルギー線を透過しうる材質としては、ガラス、プラスチック等が例示される。好ましい支持体としては、厚さ5〜10 mmのガラス板が挙げられる。また、支持体の形状は、目的とする樹脂シートの表面形状に応じて設計され表面が鏡面状に近い平滑な平板状のもの、表面が凸凹に加工されたくもりガラスのようなもの等から製造する樹脂シートの用途に応じて選定できる。板状の透明樹脂シートを得ようとする場合、表面が鏡面状に近い平滑な平板状のものが望ましい。
【0010】
本発明で使用される光硬化性樹脂は、光硬化性を有し、流動性又は可塑性を有するものが使用される。光硬化性樹脂は、活性エネルギー線を照射して硬化可能な樹脂であれば特に制限されない。本発明でいう光硬化性樹脂は、複数の樹脂又はモノマーを含む樹脂組成物を含む意味でも使用される。好ましい光硬化性樹脂としては、光硬化性を有するシリコーン系樹脂を3重量%以上、好ましくは5〜30重量%含有する光硬化性樹脂である。光硬化性を有するシリコーン系樹脂としては、二重結合等の官能基を有するシロキサン系樹脂が挙げられる。他の成分としては、例えば、(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート、エポキシ等が挙げられる。
【0011】
光硬化性樹脂には、通常、光重合開始剤が含有される。なお、本発明で使用される光硬化性樹脂は、適当な溶媒を希釈剤として用い粘度調整等して用いることもできるが、溶媒の揮発除去工程を考慮すると時間を要し生産効率が低下すること、成形体内部に残留溶媒等が存在し成形シートの特性低下につながることなどから、本発明の光硬化性樹脂には溶媒が含有されていないものを使用することが好ましい。また、硬化の際に揮発分を発生しないものであることが望ましい。
【0012】
以下、本発明の樹脂シートの製造方法の一例を、図面を参照して詳細に説明する。
図1及び図2は樹脂シートの製造方法を説明するための斜視図であり、下側に配置される第一支持体1の上に光硬化性樹脂層2を形成し、その上側に第二支持体3を配置することにより光硬化性樹脂を挟持する。有利には、光硬化性樹脂を液状状態で1度に又は分割して第一支持体1の上に配置した後、第二支持体3を光硬化性樹脂層2をおおうようにかぶせ挟持させる。この際、2枚の支持体間には、光硬化性樹脂層の厚みを調整し、目的の樹脂シート厚みにするためのスペーサ4を設けることがよい。このスペーサは、四角形の内部を打ち抜いたようなもの、ドーナツ形状のものからなる1の部品からなるものでもよく、また、図1に示したように、均等な厚みの数枚のスペーサ部材を用いてもよい。スペーサの配置位置は任意であるが、好ましくは、光硬化性樹脂層に接触しない周囲に配置することがよい。
【0013】
光硬化性樹脂を第一支持体1に配置する手段は、特に制限はないが、ダイコーターやブレードコーターを用いて塗工する方法、支持体の上部に置いた容器から支持体上に流し、自重により流延する方法、注射器のようなピストンシリンダーによりポッティングする方法などが挙げられる。
【0014】
光硬化性樹脂層2の上に、光硬化性樹脂を覆うように第二支持体3を配置して2枚の支持体で挟持して、支持体の自重又は支持体上から適度な圧力をかけることにより、所定厚みの樹脂層を間に有する挟持体とされる。この際、光硬化性樹脂は、2枚の支持体面から圧力を受けることになる。この場合、スペーサ4等との接触が考えられるが、本発明においては、内部応力緩和のため、実質的に2枚の支持体とのみ接触するようにすることが必要である。このように成形された光硬化性樹脂層は、ほぼスペーサと同等の厚さとなる。
【0015】
2枚の支持体の間には、スペーサの他に、硬化時の収縮応力を吸収する緩衝材を置くことができる。緩衝材としては適度な硬さを持ち、硬化時の収縮応力で収縮できるもならどのような材質でも良く、好ましくはゴム、ゴムチューブをスペーサの周囲に配置したり、金属製、又はプラスチック製のスプリングをスペーサの周囲に適度な間隔を空けて、数箇所に配置することができる。この緩衝材をスペーサの代わりとして用いることもできるが、厚みが均一なシートを製造したい場合には、厚みが均一なスペーサと併用することが好ましい。
【0016】
上記のように支持体に挟持された光硬化性樹脂は、活性エネルギー線を照射して硬化される。図3はこれを説明するための断面図であり、2つの活性エネルギー源(光源)6と、支持体1及び3に挟持された光硬化性樹脂層2からなる挟持体5の間に、拡散フィルター7を介在させた例を示す。ここで、拡散フィルター7は必要に応じて設置されるが、活性エネルギー線の強度が強く、硬化反応が速すぎたり、活性エネルギー線の照射範囲でその強度に分布が生じるような場合には、拡散フィルターを設けることが望ましい。また、活性エネルギー線8は、図示したように挟持体5の両面から照射してもよいが、片面からのみ照射してもよい。光硬化性樹脂の硬化を均一に行う観点からは、挟持体の両面から照射することが望ましく、また、目的とする樹脂シートの厚みが3mm以上となる場合には、挟持体の両面から照射することが有利である。
【0017】
本発明における光硬化性樹脂の硬化工程は、1対の支持体間に光硬化性樹脂を挟持した挟持体を移動させながら、1対の支持体の片面又は両面より活性エネルギー線を照射することを必須とするが、この工程の前に、静止状態下で支持体間の光硬化性樹脂の硬化を30〜95%進行させておくことが好ましい(以下、一次硬化という)。この硬化の割合は、体積収縮による体積収縮率で判別することができ、本発明の製造方法により回収された樹脂シートの全硬化収縮率を100%として算出する。硬化工程中の一次硬化を30〜95%の範囲とすることにより、樹脂シート表面に生じる硬化収縮に伴う模様の発生、シートの割れ安さ及びシートの光学特性等を改善することができる。一次硬化は、硬化させる光硬化性樹脂全面に略均等の活性エネルギー線が照射される条件下で行うことが望ましく、そのため、支持体を静止させた状態で行われる。また、この際の活性エネルギーの照射条件は、光硬化性樹脂の種類、他の条件によって左右されるが、波長が100〜5000nm、照射量0.1〜100 J/cm2、温度100℃以下の条件であることが望ましく、数十秒〜数分、好ましくは0.2〜2分間行われる。
【0018】
有利には、上記一次硬化工程を経た光硬化性樹脂を挟持した挟持体は、図4に例示した手段等で移動させながら片面又は両面より活性エネルギー線が照射され硬化工程が完結される。支持体を移動させる手段は、制限されないが、図4に示したローラーコンベア9又は活性エネルギー線を透過しうるエンドレスベルトを用いることがよい。ここでの活性エネルギーの照射は、通常複数の活性エネルギー源6を用いて行われ、紫外線照射の場合、多数の光源が用いられる。光源からのエネルギー量は、均等でも個別に調整することもできる。活性エネルギーの照射条件は、光硬化性樹脂の種類、他の条件によって左右されるが、波長が100〜5000nm、照射量0.1〜100J/cm2、温度100℃以下の条件であることが望ましく、60分以下、好ましくは0.5〜10分間行われる。
本発明において一次硬化工程を経由する場合、一次硬化工程は二次硬化工程に比べて小さい照度条件下で行うことが好ましい。具体的には、一次硬化における好ましい平均照度は1〜15mmW/cm2であり、この照度条件下で硬化を30〜95%進行させる。その後、一次硬化工程よりも大きな平均照度の条件下で、挟持体又は一次硬化物を移動させながら硬化工程を完結させる。二次硬化における好ましい平均照度は1〜100mmW/cm2である。
【0019】
また、本発明における硬化工程においては、一次硬化工程を経由する場合には、一次硬化工程を経た後硬化工程が完了されるまでのいずれかの時点で、挟持体の片面又は両面の支持体を除去することが好ましい。支持体を除去する時期は、簡便さの点からは、一次硬化工程から二次硬化工程に移行する際、すなわち静止状態による照射から移動を伴う連続照射への移行の際に前記支持体を除去することが好ましい。一方、樹脂硬化物の特性の点からは、光硬化性樹脂が挟持された挟持体に対して全照射エネルギーの約1/3が照射された後の時点で、片面又は両面の支持体を除去することが望ましい。このことで、支持体と樹脂シートの分離がより容易となるばかりでなく、樹脂シートの欠損や割れ等も防止することができる。なお、樹脂シートの製造方法における硬化工程が、前記一次硬化工程と二次硬化工程とからなる場合、一次硬化により全硬化の30〜95%が進行するが、ここでの硬化割合は、樹脂シートの全硬化収縮を100%とした場合の体積収縮率により、この値が95%に達しても全硬化工程での照射エネルギー量は1/3に満たない。照射エネルギー量の1/3を基準とした場合には、挟持体からの支持体の除去は、二次硬化工程の途中で行われることとなる。
【0020】
このようにして成形、硬化された硬化シートは、最終的には2枚の支持体から離型回収され、目的とする樹脂シートとすることができる。回収された樹脂シートの厚さは、前記したスペーサ又は緩衝材の厚さでほぼ決定される。光学用途に適した透明樹脂シートを得る場合には、0.1〜1.2 mmの範囲の樹脂シートとすることがよい。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の樹脂シートの製造方法を実施例により詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例中の部は重量部を表す。
【0022】
また、樹脂シート等の評価は下記の方法による。
[体積収縮率の測定]
液状樹脂の密度測定:20mlのメスシリンダーに光硬化性樹脂を15ml入れ、化学天秤1702型(SARTORIUS製)にて、室温で重量を測定し、次式により算出した。
ρ0=(W1-W2)/15
ρ0:液状樹脂の密度(g/cm3)
W1:樹脂+メスシリンダーの重量(g)
W2:メスシリンダーの重量(g)
シートの密度の測定:自動比重測定器 SGM-3型(日本シーベルヘグナー製)での測定値を密度として換算
ρ1:シートの密度(g/cm3)
体積収縮率X(%)は次式により算出した。
X=(1-ρ1/ρ0)×100
【0023】
[光線透過率の測定]
幅8mm×長さ80mmの試験片を作成し、分光光度計U-4000(日立製作所製)にて全線透過率を測定した。
【0024】
[曲げ弾性率の評価]
幅25mm×長さ50mmの試験片を作成し、試験速度0.3mm/min、四点間距離12mm、支点の半径0.5mm、圧子の半径1.5mmで材料試験機5582型(インストロン社製)で3点曲げ試験を実施し、変軽量を測定し、次式により弾性率を算出した。
E=P・l3/(48・I・δ)
I=b・h3/12
E:曲げ弾性率(kgf/mm)、P:荷重(kgf)、l:スパン(mm)
I:断面2次モーメント、δ:たわみ(mm)、b:試験片幅(mm)
h:試験片厚み(mm)
【0025】
実施例1
トリメチロールプロパントアクリレート(日本化薬社製KS-TMPA)80部、メタクリル基含有フェニルシルセスキオキサンオリゴマー20部、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製IRGACURE 184)2.5部を均一に攪拌混合した後、脱泡して光硬化性樹脂を得た。この光硬化性樹脂を図1に示すようなステンレス製のスペーサ(幅12mm、厚み0.7mm)を4辺に配したガラス板(580×650×10mm)の中央部に流し込み、図2に示すように同じ大きさのガラス板を上から被せ、狭持体を作成した。
この狭持体を4分間静置した後、ガラス面から距離70cmで上下にある出力5kwの高圧水銀ランプ(片側のガラス上で360nmのUV光の平均照度5.5mmW/cm2)で1.5分間紫外線を照射し一次硬化を行った。その後、上下に200mm間隔で各6本づつ出力2kwの高圧水銀ランプを配置(片側のガラス上で360nmのUV光の平均照度20mmW/cm2)し、その中央部にローラーコンベアを配置した紫外線照射装置の中を、搬送速度0.5m/minで狭持体を搬送してニ次硬化を行い樹脂を硬化し、ガラス板から剥離してシートを作成した。このシートの物性を測定したところ厚み0.7 mm、曲げ弾性率1800 Mpa、光線透過率85%以上(400nm)、体積収縮率11.7%であった。
また、同様の方法で1次硬化を行った後、ガラスからシートを剥離して、体積収縮率を測定したところ10.9%であった。
【0026】
実施例2
実施例1と同じ組成物を用いて同様な積層体を作り、実施例1と同じ条件で紫外線を照射して1次硬化を行った。次に、硬化工程における全照射エネルギーの1/3が照射された後(二次硬化工程の移動の途中で)、上部のガラスのみ剥離し、実施例1と同じ紫外線量を樹脂に照射するため、シートに接触しないようにガラスをシートの上に被せ、実施例1と同様に2次硬化を行い樹脂を硬化した。その後、下側のガラスも剥離してシートを作成した。このシートの物性を測定したところ厚み0.7 mm、曲げ弾性率1800 Mpa、光線透過率85%以上(400nm)であった。
【0027】
【発明の効果】
本発明の樹脂シートの製造方法によれば、液晶ディスプレイ、タッチパネル、透明電極、レンズシート等の光学シート、透明基板等に適して用いられる透明樹脂シートを効率よく得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 支持体上への樹脂配置の一例を示す斜視図
【図2】 挟持体製造工程の斜視図
【図3】 硬化工程の断面図
【図4】 連続硬化工程の断面図
【符号の説明】
1 第一支持体
2 光硬化性樹脂層
3 第二支持体
4 スペーサ
5 挟持体
6 活性エネルギー線源
7 拡散フィルター
8 活性エネルギー線
9 ローラーコンベア
Claims (5)
- 下記1)〜4)の工程を順次行い、これを繰り返すことにより複数の樹脂シートを製造する方法において、1対の支持体間の光硬化性樹脂は2枚の支持体とのみ接し、2枚の支持体の少なくとも1枚は活性エネルギー線を透過しうるものであることを特徴とする樹脂シートの製造方法。
1) 一支持体上に光硬化性樹脂を配置する工程
2) 第一支持体上に配置された光硬化性樹脂の上部に第二支持体を配置してその自重により1対の支持体間に所定厚みの光硬化性樹脂を挟持した挟持体とする工程
3) 静止状態下で前記狭持体の片面又は両面より活性エネルギー線を照射して光硬化性樹脂の硬化を 30 〜 95 %行う一次硬化工程と、この一次硬化工程を狭持体のまま又は一次硬化工程後の工程で支持体の1枚を取り外し、移動させながら、片面又は両面より活性エネルギー線を照射して光硬化性樹脂の硬化を進める二次硬化工程を有する硬化工程、
4) 硬化後の樹脂シートを支持体から分離する工程 - 硬化後の樹脂シートの厚みが 0.1 〜 1.2mm である請求項1に記載の樹脂シートの製造方法。
- 光硬化性樹脂中に光硬化性を有する官能基を有するシルセスキオキサンオリゴマーが少なくとも3重量%以上含有されている請求項1又は2に記載の樹脂シートの製造方法。
- 活性エネルギー線の照射が、2枚の支持体の何れもが活性エネルギー線を透過しうる狭持体の両面から行われる請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂シートの製造方法。
- 二次硬化工程における一次硬化物の移動が、ローラーコンベア又は活性エネルギー線を透過しうるエンドレスベルトにより連続的にされるものである請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂シートの製造方法。
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