JP2016107524A - プラスチックシートの製造方法およびそれにより得られるプラスチックシート並びにディスプレイ用プラスチック基板 - Google Patents

プラスチックシートの製造方法およびそれにより得られるプラスチックシート並びにディスプレイ用プラスチック基板 Download PDF

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久保田 哲哉
Tetsuya Kubota
哲哉 久保田
早川 誠一郎
Seiichiro Hayakawa
誠一郎 早川
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Abstract

【課題】表面特性や品質に優れ、大面積化や量産性に優れるプラスチックシートの製造方法およびそれにより得られるプラスチックシート並びにディスプレイ用プラスチック基板を提供する。【解決手段】成形型10を構成する2枚の透明な平板状型材(ガラス板1A,1B)を、それぞれの平板面が、水平状態(水平に対する傾斜角θ=0°)の基準面Zに対して平行な状態で、かつ、上から見下ろした平面視が互いに重ならない上下位置に分けて配置し、ガラス板1Aとガラス板1Bとが上下方向に所定の間隙(d1)を保った状態で、ガラス板1A,1Bを、それぞれ、互いが平面視重なり合う方向に基準面Zに沿って相対移動させるとともに、下側のガラス板1Bの上面に、幅広の塗布手段(ダイコーターT1)から吐出した光硬化性組成物(ペーストP)を塗布して、スライド移動する上側のガラス板1Aとの間に挟み込んで保持する。【選択図】図2

Description

本発明は、光硬化性組成物を硬化して得られるプラスチックシートの製造方法およびプ
ラスチックシートに関し、特に、厚み精度,平坦性,表面平滑性等に優れた大面積のディ
スプレイ用プラスチック基板を効率良く得ることができる製造方法に関するものである。
従来、ディスプレイ用の基板としては、ガラスを基板とするものが多く使われてきてい
る。例えば、カバーウィンドウ,タッチパネル,液晶ディスプレイおよび有機エレクトロ
ルミネッセンス(EL)ディスプレイでは、厚さ0.5〜1mm程度のガラス基板が汎用
されている。
近年、軽量薄型化や安全性向上の観点から、プラスチック製の基板も使用され始めてき
ており、カバーウィンドウ(保護板)に、ポリメチルメタクリレート(以下PMMA)や
ポリカーボネートの基板が使用されている。また、タッチパネルに用いられる、透明電極
付き基板として、ITOが積層されたポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチ
レンナフタレート(PEN)等のフィルム等が汎用されている。このようなプラスチック
基板には、光線透過率や複屈折(光学歪)などの光学性能はもとより、耐熱性や線膨張係
数などの熱特性,耐衝撃性,表面硬度,曲げ弾性率などの機械的特性と、吸水率,比重,
耐薬品性,耐溶剤性などの物性および無機膜の密着性などの高度な加工適性が要求される
これらの諸特性を満足するために、熱可塑性あるいは光/熱硬化性を問わず数多くの樹
脂が提案されているが、ガラス代替用途に用いるには、性能や品質がまだまだ不十分であ
る。特に、ガラス基板に比べて、表面硬度など性能に優れる樹脂を開発しても、製法の不
適切さから、樹脂製代替品は、うねりなどの表面平坦性や、傷などの表面平滑性は、大き
く劣っているのが現状である。これら樹脂製代替品(上記プラスチック基板)の表面特性
は、樹脂自体よりも製法(成形法)に依存するところが大きく、樹脂本来の性能を発揮す
るためにも、製造方法の改良が重要である。
かかるプラスチック基板における性能や品質の改良のために、近年の提案の中には、特
定の光硬化性組成物を光硬化して得られる成形体も見受けられる。例えば、2官能の(メ
タ)アクリレートと分子内に2個以上のチオール基を有するメルカプト化合物とを含有す
る重合性組成物は、複屈折が小さい樹脂成形体を与えることが開示されている(例えば、
特許文献1参照。)。
また、3官能以上の脂肪族(メタ)アクリレート化合物を75wt%以上含有する重合
性組成物は、耐熱性が高く、複屈折が小さい樹脂成形体を与えることが開示されている(
例えば、特許文献2参照。)。また、2官能の脂肪族(メタ)アクリレート化合物と3官
能以上の(メタ)アクリレート化合物とを含有する重合性組成物は、耐熱性が高く、線膨
張係数が小さい樹脂成形体を与えることが開示されている(例えば、特許文献3参照。)
また、特許文献4には、脂環構造を有する多官能ウレタン(メタ)アクリレートと脂環
構造を有する多官能(メタ)アクリレートよりなる光重合性組成物が、鉛筆硬度の高い樹
脂成形体を与えることが開示されており、特許文献5には、脂環構造を有する単官能(メ
タ)アクリレート、脂環構造を有する多官能ウレタン(メタ)アクリレートおよび脂環構
造を有する多官能(メタ)アクリレートよりなる光重合性組成物が、光学特性や熱機械特
性に優れる樹脂成形体を与えることが開示されている。
さらに、特許文献6には、特定の脂環骨格2官能(メタ)アクリレート系化合物、特定
の脂肪族4官能(メタ)アクリレート系化合物、および、脂環骨格を有する分子量200
〜2000の多官能ウレタン(メタ)アクリレート系化合物よりなる光重合性組成物が、
光学特性や熱機械特性に優れる樹脂成形体を与えることが開示されている。
かかる光硬化性組成物を硬化して得られるプラスチックシート(基板)は、確かに、光
学特性、熱機械特性、加工適性などに優れる。一方、前述した通り、樹脂本来の性能を発
揮するためには、適切な製造方法が必要である。光硬化樹脂の場合は、一般的に、光硬化
性組成物を成形型内に注入して光硬化を行う注型成形、もしくは、光硬化性組成物を、ス
テンレススチール(SUS)製や樹脂製の支持フィルム上または支持フィルム間に塗布し
、光硬化を行う連続成形で行われる。
注型成形としては、例えば、2段階の光硬化により表面欠陥を低減する製造方法(特許
文献7)、硬化性シーリング材を用いて硬化収縮に伴う剥離跡を低減する製造方法(特許
文献8)等が開示されており、連続成形としては、例えば、支持フィルムを用いた製造法
(特許文献9,10)、ドラム型ロールを用いた製造方法(特許文献6)等が開示されて
いる。
ここで、成形型を用いた従来のプラスチックシートの製造方法(注型成形)の概略を、
図7に示す。この製造方法は、図面上、左上を始点として右回り(時計回り)に循環する
もので、下記の工程順に行われるようになっている。
(A)平板状型材(ガラス板)を準備する工程、
(B)ガラス板上にスペーサを配置して成形型を準備する工程、
(C)成形型を垂直に起立させて成形空間に成形材料を注入(充填)する工程、
(D)紫外線(UV光)を照射して成形材料(樹脂)を硬化させる照射工程、
(E)2枚のガラス板を引き離しプラスチックシート(製品)を露出させる脱型工程、
(F)ガラス板からプラスチックシート(製品)を剥離する製品剥離工程、
(A’)使用済みの平板状型材(ガラス板)を洗浄して再度準備する工程。
また、上記(F)の製品剥離工程で得られたプラスチックシートは、
(G)所定形状にカット(打ち抜き等)した後、刻印,洗浄する工程、
(H)熱処理による養生(アニリング)工程、
(I)製品検査工程、
を経てプラスチックシート製品として完成する。なお、上記のような多様な工程を経るバ
ッチ式の光成形過程は、通常、自動化(機械化)するのが困難で、部分的に補助的な機械
を用いている例はあるものの、その作業のほとんどを人手に頼っているのが現状である。
特開平9−152510号公報 特開2002−302517号公報 特開2003−292545号公報 特開2006−193596号公報 特開2007−204736号公報 特開2007−056180号公報 特開平10−058465号公報 特開2002−361656号公報 特開2002−012682号公報 特開2007−290364号公報
ところで、先に述べたような先行技術をもってしても、表面特性や品質に優れるプラス
チックシートを製造するのは困難であり、さらに、これらの先行技術は、大面積化や量産
性を考慮すると、さらなる改良が必要となる。
すなわち、特許文献1〜6に開示の製造方法では、光硬化性組成物を成形型に注入して
光硬化する注型成形の手法が取られているが、注型に際して多大な時間を要するため、生
産性に優れるとは言いがたい。特に、特許文献6では、光硬化性組成物をロール型ドラム
上に流延して光硬化する記載もあるが、この製造方法では、得られるプラスチックシート
は、ロール形状を反映して反ってしまうという問題がある。
特許文献7および8においても、注型に際して多大な時間を要するため生産性に優れる
とは言いがたい。また、特許文献9および10では、支持フィルムとして柔らかいプラス
チックフィルムを用いるため、光硬化に際してうねりが生じたり、表面平滑性や厚み精度
に劣るという問題がある。
これらの特許文献の技術を俯瞰すると、支持フィルムやドラムを用いた連続式の光成形
は、大面積化や量産性に優れるが、表面特性や品質に劣る傾向にある。一方、ガラス型を
成形型として用いたバッチ式の注型成形(図7参照)は、表面特性や品質に優れるが、注
型に多大な時間を要するために量産性に劣る。さらに、従来の注型成形は、製造時におけ
る異物や気泡等の混入のおそれがあり、プラスチックシートの品質を、より低下させる原
因ともなっていた。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、表面特性や品質に優れ、大面積化や
量産性に優れるプラスチックシートの製造方法およびそれにより得られるプラスチックシ
ート並びにディスプレイ用プラスチック基板の提供をその目的とする。
しかるに、本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、対向する2枚
の平板状型材(例えば、平坦なガラス板等)の間の成形空間に、光硬化性組成物からなる
成形材料を充填し、光(紫外線)等の照射線を照射して硬化させるプラスチックシートの
製造方法において、成形型の成形空間に成形材料を充填する工程で、下記(1),(2)
の2つの工程を含む構成、さらに好ましくは、下記(1)〜(3)の3つの工程を含む構
成とすることによって、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。
(1)成形型における2枚の平板状型材の平行および移動の基準となる基準面が、水平に
対する傾斜角θが0°の水平面に設定されており、2枚の平板状型材を、それぞれの平板
面が、水平な基準面に平行な状態で、上から見下ろした平面視が互いに重ならない上下位
置に分けて配置し、上側の平板状型材と下側の平板状型材とが上下方向に所定の間隙を保
った状態で、これら平板状型材を、それぞれ、互いが平面視重なり合う位置まで基準面に
沿って相対移動させ、2枚の平板状型材が上下方向に所定の隙間をもって対向する成形型
とする工程。
(2)上下方向に重ならないように配置された2枚の平板状型材のうち、下側の平板状型
材の上面に、この面の塗布可能幅と同じ有効塗布幅を有する幅広の塗布手段を用いて、上
面の一端から他端に向かって液状の成形材料を塗布し、上側の平板状型材および下側の平
板状型材の少なくとも一方を、他方に対して所定の間隙を保った状態で成形材料の塗布方
向に沿って相対的にスライド移動させ、塗布された成形材料を、下側の平板状型材の上面
と上側の平板状型材の下面との間に形成される隙間に挟み込んで保持する工程。
(3)上側の平板状型材および下側の平板状型材の少なくとも一方を、他方に対して所定
の間隙を保った状態で相対的にスライド移動させる際、上側の平板状型材の下面に、塗布
手段を用いて成形材料を付着させるとともに、これら上下の平板状型材間の相対スライド
移動に伴って、この付着した成形材料を、下側の平板状型材の上面との間に挟み込み、こ
れら2枚の平板状型材の間に形成される隙間に展開させて保持する工程。
また、本発明は、上記プラスチックシートの製造方法により得られるプラスチックシー
トを、第2の要旨とする。
さらに、本発明は、上記プラスチックシートの製造方法により得られたプラスチックシ
ートを用いたディスプレイ用プラスチック基板を、第3の要旨とする。
すなわち、本発明の要旨は、硬化性組成物を充填して成形することによって、樹脂本来
の性能と、表面特性や品質等を確保するとともに、充填に際して、光硬化性組成物の塗布
と、平板状型材を構成する上下のガラス板をスライドさせて行う型組とを、同時に並行し
て行うことにより、充填時間を短縮して、大面積化や量産性を向上させるものである。
本発明のプラスチックシートの製造方法によれば、製造時における異物や気泡等の混入
のおそれが少なく、光学特性,熱機械特性,加工適性などの性能と、厚み精度,平坦性,
平滑性などの品質に優れるプラスチックシートを得ることができる。また、本発明によれ
ば、品質に優れる大面積のプラスチックシートを、短い充填時間で、効率良く量産するこ
とが可能になる。
また、かかる製造方法で成形されるプラスチックシートは、光学特性,熱機械特性,加
工適性,表面特性および品質に優れ、大面積化や量産性に優れるものとなる。そして、こ
のプラスチックシートは、ディスプレイ用プラスチック基板として好適である。
本発明のプラスチックシートの製造方法に用いる成形型の構成を説明する図である。 (a)から(e)は、本発明の第1実施形態のプラスチックシートの製造方法における、成形型への成形材料の充填方法を説明する図である。 成形型をプレスする工程を説明する図である。 (a)から(c)は、本発明の第2実施形態のプラスチックシートの製造方法における、成形型への成形材料の充填方法を説明する図である。 (a)から(d)は、本発明の第3実施形態のプラスチックシートの製造方法における、成形型への成形材料の充填方法を説明する図である。 (a)から(d)は、本発明の第4実施形態のプラスチックシートの製造方法における、成形型への成形材料の充填方法を説明する図である。 従来のバッチ式のプラスチックシートの製造方法を説明する図である。
つぎに、本発明の実施の形態を、図面にもとづいて詳しく説明する。ただし、本発明は
、この実施の形態に限定されるものではない。なお、本発明において、「水平」とは、鉛
直方向に直交する平面(水平面)との間の角度が0°である状態(すなわち、水平面に沿
った平行状態)を表し、「水平状態」とは、水平に近い(水平面に対する角度が±1°未
満の)状態も含めることとする。また、以下の実施の形態では、従来例の注型工程とは過
程が異なる「充填工程」(ペースト充填工程)を中心に説明する。
以下に説明する本発明の第1〜第4実施形態におけるプラスチックシートの製造方法も
、基本的な製造過程は、従来例(図7)に沿うものであり、成形型10に充填した光硬化
性組成物(液状のペーストP)を、硬化させ、これを脱型することにより、均一厚みのプ
ラスチックシートを得るものである。なお、下記の第1〜第4実施形態におけるペースト
充填工程は、従来例である図7の工程B「成形型を準備する工程」と工程C「注型工程」
を兼ねる(同時に行う)工程である。
すなわち、第1実施形態(図2)は、最も基本となる樹脂充填方法であり、成形材料の
塗布に、幅広のダイコーターT1(スリットコーター,T型コートハンガーダイまたは単
に「Tダイ」ともいう)を用いて、水平状態(水平面に対する基準面Zの傾斜角θが0°
)で、下側の平板状型材(ガラス板1B)の上に光硬化性組成物(液状のペーストP)を
塗布し、このペーストPを、基準面Zに沿ってスライドさせた上側の平板状型材(ガラス
板1A)で挟み込む方法をとる。
また、第2実施形態(図4)は、上記下側のガラス板1Bの上にペーストPを供給する
ダイコーターT1に加え、裏面側のダイコーターT2(第2の塗布手段)を用いて、上側
のガラス板1Aの下面にもペーストPを供給し、これら2箇所におけるペーストPの同時
供給により、充填時間の短縮を図るものである。
さらに、第3実施形態(図5)は、ペーストPを蓋する上側のガラス板1Aを、進行方
向の前端部(ガラス1B側)を持ち上げた状態(傾斜角α)でスライドさせることにより
、このガラス板1Aによるエア(気泡)の巻き込みを低減させるものであり、第4実施形
態(図6)は、上記第1実施形態における成形型10全体を傾けて(傾斜角θ=1〜60
°)充填を行うことにより、同様に、ペーストPへの気泡の巻き込みを低減するものであ
る。
なお、上記各実施形態においては、ガラス板の相対移動(スライド)は、下側のガラス
板1Bを固定し、上側のガラス板1Aを移動させることで行われるが、本発明におけるガ
ラス板(透明な平板状型材)の相対移動は、これに限定されるものではなく、上記方法の
他にも、上側のガラス板1Aを固定し、下側のガラス板1Bを移動させるか、あるいは、
上側のガラス板1Aと下側のガラス板1Bを、両者とも相対的にスライド移動させる方法
により行ってもよい。また、使用するダイコーターの数や位置も、後記の実施形態に限定
されるものではない。
各実施形態を詳しく説明すると、まず、第1実施形態のプラスチックシートの製造方法
は、成形型の成形空間に成形材料を充填する工程が、図1,図2に示すように、下記(1
)および(2)の過程を、連続して同時に(同時並行で)行う。
(1)2枚のガラス板1A,1Bを、それぞれの平板面が水平面に平行な基準面Zに対し
て平行な状態でかつ平面視が互いに重ならない上下位置(いわゆる「ねじれの位置」図1
参照)に分けて配置し、上側のガラス板1Aと下側のガラス板1Bとが上下方向に所定の
間隙d1を保った状態〔図2(a)〕で、これら各ガラス板1A,1Bを、それぞれ、互
いが平面視重なり合う方向(図では中央寄り)に基準面Zに沿って相対移動〔図2(b)
→図2(c)→図2(d)〕させ、2枚のガラス板1A,1Bが、上下方向に所定の隙間
d1をもって対向する成形型10〔塗布方向から見た図2(e)を参照〕とする。
(2)上下方向に重ならないように配置された2枚のガラス板1A,1B〔図2(a)〕
のうち、下側のガラス板1Bの上面に、この面の塗布可能幅と同じ有効吐出幅(幅方向の
スリット長さ)を有するダイコーターT1を用いて、ガラス板1Bの上面の一端から他端
(図では左から右)に向かってペーストPを塗布し、同時に、上側のガラス板1Aを、下
側のガラス板1Bに対して所定の間隙d1を保った状態でペーストPの塗布方向(ダイコ
ーターT1の進行方向)に沿ってスライド移動〔図2(b)→図2(c)→図2(d)〕
させ、塗布されたペーストPを、下側のガラス板1Bの上面と上側のガラス板1Aの下面
との間に形成される隙間に挟み込んで保持する。
すなわち、上記工程では、成形型10の組み立て完成と同時に、その内部の成形空間へ
の成形材料(ペーストP)の充填が完了するようになっている。これが、本実施形態のプ
ラスチックシートの製造方法の最大の特徴である。
上記プラスチックシートの製造方法(ペースト充填工程)について、具体的に説明する
と、この方法は、まず、図1に示す成形型10(各実施形態で共通)を用意する。本実施
形態で使用される成形型10は、対向配置された2枚のガラス板1A,1Bと、これらの
ガラス板の間に形成される成形空間(キャビティ)を縁部で液封するとともにプラスチッ
クシートの厚さを制御するスペーサ2,2’とで構成されている。かかるガラス板は、成
形型10の強度の点から、厚さ1mm以上が好ましく、より好ましくは、プラスチックシ
ートの表面平坦性や表面平滑性の点から、成形材料(ペーストP)が接するガラス表面が
、光学的研磨(光沢研磨)されていることが好ましい。さらに好ましくは、成形材料が接
するガラス表面の平坦性が20μm以下、特に好ましくは、表面平滑性Raが10nm以
下である。ガラス板の厚さが薄すぎると、成形材料が硬化する際に生じる収縮応力に耐え
られず、ガラス板に割れや反りが発生する傾向にある。ガラス板は、かかる強度の観点か
ら強化されていてもよい。
また、プラスチックシートの剥離を容易にするために、ガラス板の表面は剥離剤などの
手法で表面処理しておくことが好ましい。かかる場合、ガラス板の水に対する接触角は、
80°以上が好ましく、より好ましくは90°以上、さらに好ましくは100°以上、特
に好ましくは105°以上である。剥離剤としてはフッ素系のシランカップリング剤が、
ガラス板表面に強固な剥離膜を形成する観点から好ましい。さらに、片側のガラス板のみ
を除去しやすくするため、両側のガラス板の剥離剤濃度を違えることも可能である。
成形型10の液封に用いるスペーサ2、2’〔図2(a)〜(d)および図4,図5に
おいては、ペースト幅方向(左右方向)のスペーサ2,2の図示を省略〕は、プラスチッ
クシートの厚さを制御するものであるが、ゴム質やゲル状の材料であれば、目的とするプ
ラスチックシートと同じ厚さにする必要はなく、厚さが0.05〜10mmのものが好適
である。材料としては、樹脂など公知の材料が使用されるが、本実施形態においては、こ
のスペーサ2、2’を構成する材料を、上記プラスチックシートを構成する成形材料と同
一とすることが望ましい。これにより、スペーサ2、2’とプラスチックシートとが一体
化し、より大面積の成形体を得ることができる。
なお、スペーサ2、2’のうち、ペーストPの塗布前には、少なくとも、ペースト塗布
方向の左右側(塗布の幅方向端部)に位置するスペーサ2,2が設置されていることが望
ましい(図2(a)〜(d)および図4,図5においては図示省略)。これら左右のスペ
ーサ2,2は、ダイコーターT1の移動の邪魔になることなく配置することができ、ペー
ストPの左右方向への漏れを、効果的に防止することができる。また、ペースト塗布方向
の前後側(塗布の進行方向)に位置するスペーサ2’,2’は、液漏れ対策のためなどに
必要に応じて設置されるが、ペーストPの塗布後(成形型10の完成後)に設置すればよ
く、ダイコーターT1の移動の邪魔にならないようであれば、ペーストPの塗布前に設置
しておいてもよい。なお、図1中の各スペーサ2、2’どうしの間に設けられた隙間(2
a)は、ペーストPの塗布時または後記の成形型10のプレス時に、成形空間内の余分な
空気を型外に排出するための空気抜き穴2aである。
ペーストPの塗布に用いるダイコーターT1(Tダイ)は、その下端(断面台形状の下
端辺)に、塗布幅方向に連続する狭いスリット(吐出口)を有しており、図示しない圧送
ポンプ等のペースト供給源から供給されたペーストPを、塗布方向(進行方向)に移動し
ながら、塗布幅方向に均一に吐出できるようになっている。なお、後記する裏面側のダイ
コーターT2も、移動はしないものの、略同様の構成である。
また、本発明に用いるペースト塗布手段としては、吐出と塗布とを同時に行える、ダイ
コーターの使用が望ましいが、これに限定されるものではない。例えば、複数のノズル等
からガラス板上にペーストを吐出し、これを、ドクターブレード(スキージ)等を用いて
、ガラス板のスライドと同期して塗布してもよい。また、上側のガラス板1Aにおけるペ
ーストP接触側(当接側)端部を、このペーストPを押し広げて展開させる形状に加工し
てもよい。
上記成形型10およびダイコーターT1を用いた第1実施形態のペースト充填工程は、
まず、図2(a)のように、成形型10を構成する上側のガラス板1Aと下側のガラス板
1Bとを、基準面Zに対して平行でかつ平面視が互いに重ならない上下位置(「ねじれ」
の位置関係)に配置して、準備する。なお、移動しない下側のガラス板1Bは、位置固定
式の台(ステージ、図示省略)等の上に、載置・固定されている。また、上側のガラス板
1Aは、平行にスライド移動できる搬送装置(図示省略)等にその縁部が把持されており
、下側のガラス板1Bに対して、所定の間隔(間隙d1)を保った状態で、スライド移動
可能に配設されている。
つぎに、ダイコーターT1を、下側のガラス板1Bの塗布方向一端側〔図2(a)では
左端〕の塗布開始位置に移動させ、供給用ペーストPの準備が整ったら、図2(b)のよ
うに、ダイコーターT1先端のスリットからペーストPの供給(塗布)を開始する。
ついで、このダイコーターT1によるペーストPの供給(塗布)を続けながら、図2(
c)のように、ダイコーターT1および上側のガラス板1Aのスライドを開始し、ガラス
板1B上に塗布されたペーストPをガラス板1Aとの間に挟み込みながら、このペースト
Pを成形空間全体に展開させる。
なお、下側のガラス板1Bに対する上側のガラス板1Aのスライド速度(相対移動速度
)は、0.1〜10m/分であることが好ましい。より好ましくは0.5〜7m/分、さ
らに好ましくは1〜4m/分、特に好ましくは2〜3m/分である。相対移動速度が遅す
ぎると生産性に劣る傾向があり、速すぎると気泡が混入しやすくなる傾向がみられる。
つぎに、上下のガラス板1A,1B間に充分な量のペーストPが行き渡ったら、ペース
トPの供給を停止し〔図2(d)〕、ダイコーターT1を離脱させた後、上側のガラス板
1Aを、これら上下のガラス板1A,1Bが完全に対向する位置に移動させ、成形材料(
ペーストP)の充填を完了する〔図2(e)〕。
なお、先にも述べたように、ペースト塗布前に予め、ペースト塗布方向の前後(塗布の
進行方向)側に、ペーストPを液封するスペーサ2’,2’が配設されていない場合は、
この充填完了後に、上記位置(ペースト塗布方向の前後の縁部)に、これらスペーサ2’
,2’を装着してもよい。また、図2(e)におけるスペーサ2,2の外側の領域(空間
)は、後記するプレス工程で使用するシム3,3を配置するために利用される。
上記のペースト充填方法を用いたプラスチックシートの製造方法によれば、充填の際に
異物や気泡等の混入のおそれが少なく、成形型10の組み立て完成と同時に、成形空間へ
の成形材料の充填が完了する。したがって、本実施形態のプラスチックシートの製造方法
は、品質に優れる大面積のプラスチックシートを、短い充填時間で、効率良く生産するこ
とができる。
つぎに、上記ペースト充填工程についで実施されるプレス工程について説明する。
本実施形態のプラスチックシートの製造方法においては、上記ペースト充填工程の後に
、成形材料(ペーストP)が均一に充填され、所定の厚さになるように、ガラス板1A,
1Bを押圧するプレス工程を実施することが好ましい。
上記プレス工程について説明すると、ペースト充填工程の後に行われるプレス工程は、
図3に示すようなプレス機を用いて、成形型10をプレス機により水平方向上下から押圧
し、注入されたペーストPを、成形型10全体に万遍なく均一に充填する工程である。こ
のプレス工程を実施する際は、その前に予め、成形型10の上下のガラス板1A,1Bの
間で、かつ、スペーサ2,2’より外縁側の位置〔図2(e)参照〕に、プレス圧に耐え
ることのできる板状(所定厚さ)のシム3を差し込んだ状態で行う。なお、このシム3お
よび前記スペーサ2,2’どうしの間には、加圧時の成形空間内の余分なエア抜きを行う
、空気抜き穴(隙間)2aが設けられている。
また、プレスの手法は、上記方法に特に限定されないが、一般的なプレス機を用いて、
水平状態でなされることが好ましい。かかる場合のプレス圧は、ガラス板の変形回避の点
で10MPa以下が好ましく、より好ましくは、厚み精度の点で0.01〜1MPa、特
に好ましくは、充填状態の制御の点で0.05〜0.5MPaである。プレス時間は、生
産性の点で10分以下が好ましく、より好ましくは、厚み精度の点で10秒〜10分、特
に好ましくは、充填状態の制御の点で1分〜5分である。プレス時の温度は、液漏れ回避
の点から、100℃以下が好ましく、より好ましくは、充填速度の点で70℃以下、特に
好ましくは、光学歪の原因となる液体流を回避するため50℃以下である。
ガラス板へのプレスは、板全面に一様である必要はなく、部分的にプレスしてもよいし
、経時的にプレス位置を変えてもよい。例えば、型内に液を一様に充填できる点で、中央
部にプレスする方法や、成形型のある一辺からその対向する一辺に向けて、経時的にプレ
スしていく方法などがある。
かかるプレス工程においては、所定の厚さのシム3〔上記プレス圧に耐えることのでき
る板状のシム〕を、ガラス板1Aとガラス板1Bとの間に差し込んで空隙を確保したうえ
で、プレスを行い、プレス後に、上記シム3を取り外すことが、厚み精度確保の点で好ま
しい。
なお、プレス後の成形型10は、厚み精度を向上する観点から、水平状態で静置するこ
とが好ましい。かかる手法により、プレスにより変形したガラス板が元通りの平坦性を取
り戻すことが可能となる。静置時間は、生産性の点から1分以内が好ましい。より好まし
くは1秒〜30秒、特に好ましくは2秒〜10秒である。
つぎに、上記プレス後からプラスチックシート製品になるまで(図7におけるD工程〜
I工程)を簡単に説明すると、照射工程(D)は、光硬化性の組成物(成形材料であるペ
ーストP)が充填された成形型10に、紫外線を照射光量1〜100J/cm2の範囲で
光照射して、光硬化させることが好ましい。照射光量は、使用する樹脂の種類にも依るが
、好ましい範囲は5〜70J/cm2、より好ましい範囲は10〜50J/cm2である。
照射光量が少なすぎると硬化が不十分となる傾向があり、多すぎると生産性が低下する傾
向がある。紫外線の照度は、通常10〜5000mW/cm2、好ましくは100〜10
00mW/cm2である。照度が小さすぎると内部硬化が不十分となる傾向があり、照度
が大きすぎると重合が暴走し、プラスチックシートの複屈折が増大する傾向がみられる。
紫外線源としては、例えば、メタルハライドランプ,高圧水銀灯ランプ,無電極水銀ラ
ンプ等が挙げられる。光源から発生する赤外線により重合が暴走するのを防ぐため、ラン
プに赤外線を遮断するフィルターや赤外線を反射しない鏡等を用いることも可能である。
紫外線の照射に際しては、複数回に分割して照射すると、複屈折がより小さいプラスチッ
クシートが得られるので好ましい。例えば、1回目に全照射量の1/100〜1/10程
度を照射し、2回目以降に必要残量を照射する方法が挙げられる。
続く脱型−製品剥離工程(図7のE工程→F工程)は、硬化により得られたプラスチッ
クシートを、ガラス板から剥離する工程である。すなわち、上記成形材料(ペーストP)
の硬化(照射工程D)が終了した成形型10から、片側のガラス板(例えば、ガラス板1
A)を剥離して除去した後、もう一方のガラス板(例えば、ガラス板1B)に付着したプ
ラスチックシートを剥離する。剥離の手段としては、脱型刃をガラス板とプラスチックシ
ートの界面に差し込んで剥離する手法、成形型全体に熱衝撃を加えてガラス板とプラスチ
ックシートを剥がす手法などが挙げられる。
かかるプラスチックシートの剥離を容易にするためには、先にも述べたように、ガラス
板の表面は剥離剤などの手法で表面処理しておくことが好ましい。剥離剤としてはフッ素
系のシランカップリング剤が、ガラス板表面に強固な剥離膜を形成する観点から好ましい
なお、脱型−剥離工程後に、硬化度向上や応力歪除去のために、プラスチックシートを
熱処理することも可能である。熱処理は、大気圧下,不活性ガス下,真空下のいずれでも
よく、温度は50℃以上、より好ましくは100℃以上、特に好ましくは150℃以上で
ある。なお、上限としては、通常300℃である。熱処理時間は、通常0.1〜100時
間、好ましくは1〜10時間である。
さらに、本実施形態の製造方法により得られたプラスチックシートは、CN加工やレー
ザー加工など公知の技術で所望サイズにカットしたり、洗浄することも可能である(図7
−I工程)。
以上詳述した手法により、プラスチックシートが得られるが、かかるプラスチックシー
トの厚さは、用途により異なるが、0.05〜3mmであることが好ましい。厚さが薄す
ぎると、ディスプレイ用基板としての剛性が不足する傾向にあり、厚すぎるとディスプレ
イの軽量薄型化が困難となる傾向がある。厚さは、好ましくは0.1〜2mm、より好ま
しくは0.2〜1mmである。
また、本実施形態の製造方法により得られるプラスチックシートの厚み精度は、±10
%以内が好ましい。より好ましくは、±5%以内、さらに好ましくは±2%以内、特に好
ましくは±1%以内である。上限値を超えると、ディスプレイの製造が困難となる。なお
、ここで言う厚み精度とは、プラスチックシート面内の複数の位置を測定し、下記式(1
)で算出される値である。
厚み精度(%)=100×(最大値−最小値)/平均値 ・・・(1)
さらに、本実施形態の製造方法により得られるプラスチックシートの平坦性は、5mm
以内が好ましい。より好ましくは3mm以内、さらに好ましくは2mm以内、特に好まし
くは1mm以内である。上限値を超えると、ディスプレイの製造が困難となる。なお、こ
こで言う平坦性とは、プラスチックシートを平坦な定盤上に置いた場合の端部の最大うき
量(mm)である。
またさらに、本実施形態の製造方法により得られるプラスチックシートの表面粗さRa
は、1mm以上の長さを測定した場合、50nm以下が好ましい。より好ましくは30n
m以下、さらに好ましくは20nm以下、特に好ましくは10nm以下である。上限値を
超えると、ディスプレイの精細性が低下する傾向にある。なお、一般的にRaの最小値は
1nmである。
そして、本実施形態の製造方法により得られるプラスチックシート中の気泡は、例えば
、直径(最長径)0.3mmφ以上のものが、面積100cm2以上の範囲で無いことが
好ましい。より好ましくは直径0.2mmφ以上のものが、面積100cm2以上の範囲
で無いこと、特に好ましくは直径0.1mmφ以上のものが、面積100cm2以上の範
囲で無いことである。気泡のサイズが大きすぎると、ディスプレイの製造が困難となる。
また、本実施形態の製造方法により得られるプラスチックシートは、ガラス転移温度が
100℃以上であることが、耐熱性の点から好ましい。ガラス転移温度が低すぎると、う
ねりが生じたり、色相が低下する傾向がある。ガラス転移温度の好ましい範囲は100〜
500℃、より好ましくは150〜400℃、さらに好ましくは200〜300℃である
。かかるガラス転移温度を上記範囲に調整するにあたっては、後記する成形材料(光硬化
性組成物)の種類や成分の含有量を、適宜コントロールする手法が挙げられる。例えば、
多官能(メタ)アクリレートの官能基数を上げる等の手法が可能である。
さらに、本実施形態の製造方法により得られるプラスチックシートは、鉛筆硬度が3H
以上であることが、表面硬度の点から好ましい。鉛筆硬度は、より好ましくは3H〜10
H、特に好ましくは4H〜8Hである。かかる鉛筆硬度を上記範囲に調整するにあたって
は、上述と同様、後記する成形材料(光硬化性組成物)の種類や成分の含有量を、適宜コ
ントロールする手法が挙げられる。例えば、多官能ウレタン(メタ)アクリレート(A1
)として3〜6官能等のものを使用する等の手法が可能である。
さらにまた、本実施形態の製造方法により得られるプラスチックシートの曲げ弾性率は
、3GPa以上であることが好ましい。曲げ弾性率が低すぎると剛性が低下する傾向にあ
る。曲げ弾性率は3〜5GPaであることがより好ましく、より好ましくは3.5〜4G
Paである。かかる曲げ弾性率を上記範囲に調整するにあたっては、上述と同様、後記す
る成形材料(光硬化性組成物)の種類や成分の含有量を、適宜コントロールする手法が挙
げられる。例えば、多官能ウレタン(メタ)アクリレート(A1)として3〜6官能等の
ものを使用する等の手法が可能である。
またさらに、本実施形態の製造方法により得られるプラスチックシートは、通常、全光
線透過率が80%以上であることが好ましく、特には85%以上、さらには90%以上で
あることが好ましい。
そして、本実施形態の製造方法により得られるプラスチックシートは、通常、リタデー
ションが10nm以下であることが好ましく、さらには5nm以下、特には2nm以下で
あることが好ましい。
本実施形態の製造方法により得られるプラスチックシートには、種々の用途に応じて、
粘着剤層,ハードコート層,印刷層,ガスバリア膜,透明導電膜等を形成してもよい。
つぎに、2つのダイコーターT1,T2を用いて、より多くのペーストPを同時に供給
する第2実施形態について説明する。なお、以下の第2〜4実施形態においては、ペース
トPを成形型10に充填する工程以外の工程が、前記第1実施形態と同じであるため、上
記ペースト充填工程以外の工程の説明を省略する。
図4に示す第2実施形態のプラスチックシートの製造方法(ペースト充填工程)は、成
形型10の下側のガラス板1Bの上にペーストPを供給するダイコーターT1に加え、ス
ライドする上側のガラス板1Aの下面(裏面)にペーストPを供給する(付着させる)上
向きの第2のダイコーターT2を備えている。
そして、この第2実施形態では、成形型の成形空間に成形材料を充填する工程で、前記
第1実施形態における(1)および(2)の過程と、下記の工程とが、連続して同時に行
われる。
上側のガラス板1Aおよび下側のガラス板1Bの少なくとも一方を、他方に対して所定
の間隙を保った状態で相対的にスライド移動させる際、上側のガラス板1Aの下面に、塗
布手段(上向きのダイコーターT2)を用いて成形材料(ペーストP)を付着させるとと
もに、これら上下のガラス板1A,1B間の相対スライド移動に伴って、下側(第2)の
ダイコーターT2から供給されたペーストPと、上側(第1)のダイコーターT1から供
給されたペーストPとを、ガラス板1A,1B間に挟み込み、挟み込まれたペーストPを
、これら2枚のガラス板1A,1Bの間に形成される隙間(成形空間,間隙d1)に、一
体に展開させて保持する工程。
すなわち、上記工程では、第1実施形態と同様、成形型10の組み立て完成と同時に、
その内部の成形空間へのペーストPの充填が完了するようになっているとともに、上記第
1実施形態より早く、短時間でペーストPの充填が完了するようになっている。これが、
本実施形態のプラスチックシートの製造方法の特徴である。
より詳しく説明すると、上記成形型10およびダイコーターT1,T2を用いた第2実
施形態のペースト充填工程は、まず、第1実施形態と同様、成形型10を構成する上側の
ガラス板1Aと下側のガラス板1Bとを、基準面Zに対して平行でかつ平面視が互いに重
ならない上下位置(「ねじれ」の位置関係)に配置して、準備する〔図4(a)〕。
つぎに、下向きのダイコーターT1を、下側のガラス板1B上面に設定された塗布開始
位置に移動させ、供給用ペーストPの準備が整ったら、図4(a)のように、上側のガラ
ス板1Aを相対スライド移動させながら、ダイコーターT1先端のスリットからペースト
Pの供給(塗布)を開始する。同時に、上側のガラス板1Aの下側に設定された塗布(付
着)開始位置に設置された、上向きのダイコーターT2にもペーストPの供給を開始する
。そして、そのまま上側のガラス板1AとダイコーターT1の相対的なスライド移動を続
けることにより、下側のガラス板1B上面へのペーストP塗布と上側のガラス板1A下面
へのペーストP付着(結果的には、どちらも、ガラス板1A,1B間へのペーストPの挟
み込み)がスタートする。
ついで、これらダイコーターT1,T2によるペーストPの供給(塗布,付着)を続け
ながら、図4(b)のように、ダイコーターT1および上側のガラス板1Aのスライドを
継続することにより、各ダイコーターT1,T2から供給されたペーストPが合流し、一
体となって成形空間全体に展開する。
なお、上記ダイコーターT1,T2は、必ずしも両方のダイコーターを使用する必要は
なく、上向きのダイコーターT2のみを、ペーストPの供給に使用してもよい。また、こ
れらダイコーターT1,T2を配設する位置や、それぞれの供給開始タイミングは、ペー
ストPの供給量や粘度等に応じて、個別に設計・制御される。
また、下側のガラス板1Bに対する上側のガラス板1Aのスライド速度(相対移動速度
)は、この第2実施形態の場合、0.1〜10m/分であることが好ましい。より好まし
くは0.5〜7m/分、さらに好ましくは1〜4m/分、特に好ましくは2〜3m/分で
ある。相対移動速度が遅すぎると生産性に劣る傾向があり、速すぎると気泡が混入しやす
くなる傾向がみられる。
つぎに、上下のガラス板1A,1B間に充分な量のペーストPが行き渡ったら、ペース
トPの供給を停止し〔図4(c)〕、ダイコーターT1を離脱させた後、第1実施形態と
同様、上側のガラス板1Aを、これら上下のガラス板1A,1Bが完全に対向する位置に
移動させ、成形材料(ペーストP)の充填を完了する〔図2(e)を参照〕。
上記のペースト充填方法を用いた第2実施形態のプラスチックシートの製造方法によれ
ば、充填の際に異物や気泡等の混入のおそれが少なく、成形型10の組み立て完成と同時
に、成形空間への成形材料の充填が完了する。しかも、このプラスチックシートの製造方
法は、品質に優れる大面積のプラスチックシートを、より短い充填時間で、効率良く生産
することができる。
つぎに、上側のガラス板1Aの進行方向(塗布方向)前側を持ち上げ、上側のガラス板
1Aと下側のガラス板1Bの重なり始めにおける間隔(間隙)が、重なり後の間隙(d2
)より大きい状態(傾斜角α)で、この上側のガラス板1Aをスライド移動させる第3実
施形態について説明する。なお、先に述べたように、ペーストPを成形型10に充填する
工程以外の工程は、前記第1実施形態と同じであるため、上記ペースト充填工程以外の工
程の説明を省略する。
上記成形型10およびダイコーターT1を用いた第3実施形態のペースト充填工程も、
第1実施形態と同様、成形型10を構成する上側のガラス板1Aと下側のガラス板1Bと
を、基準面Zに対して平面視が互いに重ならない上下位置(「ねじれ」の位置関係)に配
置して、準備する〔図5(a)〕。ただし、ここで、上記第3実施形態では、上側のガラ
ス板1Aが、進行(塗布)方向の前端部(図示では右側で、かつ、ガラス1B側)を傾斜
角αで持ち上げた状態で、スライド可能に把持されている。そして、これら上下のガラス
板1A,1Bの間の間隙d2は、上記のようにガラス板1Aの前端部が上に上がっている
ことにより、前記第1,第2実施形態におけるこれらの間隙(d1)より小さくなってい
る。
つぎに、第1実施形態と同様、ダイコーターT1を、下側のガラス板1Bの塗布方向一
端側〔図5(a)では左端〕の塗布開始位置に移動させ、供給用ペーストPの準備が整っ
たら、図5(b)のように、ダイコーターT1先端のスリットからペーストPの供給(塗
布)を開始する。
ついで、このダイコーターT1によるペーストPの供給(塗布)を続けながら、図5(
c)のように、ダイコーターT1および上側のガラス板1Aのスライドを開始し、ガラス
板1B上に塗布されたペーストPをガラス板1Aとの間に挟み込みながら、このペースト
Pを成形空間全体に展開させる。この時、第3実施形態では、上記のように、上側のガラ
ス板1Aと下側のガラス板1Bの重なり始め(すなわち、ペーストPの挟み込み開始時)
における間隙が、ガラス板1A,1Bどうしが重なった後の間隙d2より大きくなってい
るため、エア(気泡)を巻き込むことがない。したがって、ペーストPへの気泡の巻き込
みが少ない状態で、このペーストPを、ガラス板1A,1Bとの間に素早く展開すること
ができる。
なお、上側のガラス板1Aの基準面Zに対する傾斜角αは、通常0.1〜10°、好ま
しくは1〜7°、さらに好ましくは3〜5°に設定されている。また、下側のガラス板1
Bに対する上側のガラス板1Aのスライド速度(相対移動速度)は、この第3実施形態の
場合、0.1〜10m/分であることが好ましい。より好ましくは0.5〜7m/分、さ
らに好ましくは1〜4m/分、特に好ましくは2〜3m/分である。
つぎに、上下のガラス板1A,1B間に充分な量のペーストPが挟み込まれたら、ペー
ストPの供給を停止し〔図5(d)〕、ダイコーターT1を離脱させた後、上側のガラス
板1Aを、これら上下のガラス板1A,1Bが完全に対向する位置に移動させ、その位置
で、上側のガラス板1Aの傾きを解除し、基準面Zおよび下側のガラス板1Bに平行な水
平状態に戻す。そして、成形材料(ペーストP)の充填を完了する〔図2(e)を参照〕
方法をとる。
上記のペースト充填方法を用いた第3実施形態のプラスチックシートの製造方法によれ
ば、上下のガラス板1A,1Bの間にペーストPを充填する際、より気泡の巻き込みが少
なく、得られるプラスチックシートの品質が向上する。また、上記第1,第2実施形態と
同様、成形型10の組み立て完成と同時に、成形空間への成形材料の充填が完了するため
、品質に優れる大面積のプラスチックシートを、より短い充填時間で、効率良く生産する
ことができる。
つぎに、上下のガラス板1A,1Bを含む成形型10全体を傾けた状態(傾斜角θ)で
成形材料の充填を行う第4実施形態について説明する。また、前記第1実施形態を同じで
あるため、上記ペースト充填工程以外の工程の説明を省略する。
第4実施形態のペースト充填工程も、第1実施形態と同様、成形型10を構成する上側
のガラス板1Aと下側のガラス板1Bとを、基準面Z’に対して平面視が互いに重ならな
い上下位置に配置して、ペーストPの塗布を開始する。ここで、第4実施形態では、上記
加工およびガラス板1Aのスライドの基準となる基準面Z’が、水平面に対して傾斜角θ
(この例では45°)で傾斜する傾斜面に設定されており、ペーストPの塗布が、この傾
斜面(ガラス板1Bの上面)に行われるようになっている〔図6(a)〕。ただし、ペー
ストPを供給するダイコーターT1は、ペーストPの吐出を考慮して、第1実施形態と同
様の下向き(鉛直下向き)に設定されている。また、この実施形態では、上下のガラス板
1A,1Bの間の間隙も、前記第1,第2実施形態と同じ間隙d1に設定されている。
つぎに、他の実施形態と同様、ダイコーターT1を、下側のガラス板1Bの塗布方向一
端側〔図6(a)では左端近傍〕の塗布開始位置に移動させ、供給用ペーストPの準備が
整ったら、図6(b)のように、ダイコーターT1先端のスリットからペーストPの供給
(塗布)を開始する。
ついで、このダイコーターT1によるペーストPの供給(塗布)を続けながら、図6(
c)のように、ダイコーターT1および上側のガラス板1Aのスライドを開始し、ガラス
板1B上に塗布されたペーストPをガラス板1Aとの間に挟み込みながら、このペースト
Pを成形空間全体に展開させる。
なお、上記基準面Z’の水平面に対する傾斜角θ(すなわち、成形型10全体の上向き
角度)は、通常1〜60°、好ましくは5〜55°、さらに好ましくは10〜50°に設
定されている。また、下側のガラス板1Bに対する上側のガラス板1Aのスライド速度(
相対移動速度)は、この第3実施形態の場合、0.1〜10m/分であることが好ましい
。より好ましくは0.5〜7m/分、さらに好ましくは1〜4m/分、特に好ましくは2
〜3m/分である。
つぎに、上下のガラス板1A,1B間に充分な量のペーストPが挟み込まれたら、ペー
ストPの供給を停止し〔図6(d)〕、ダイコーターT1を離脱させた後、第1実施形態
と同様、上側のガラス板1Aを、これら上下のガラス板1A,1Bが完全に対向する位置
に移動させ、成形材料(ペーストP)の充填を完了する。その後、成形型10全体の傾斜
を解除して水平状態に戻し、成形材料(ペーストP)の充填を完了する〔図2(e)を参
照〕。
上記のペースト充填方法を用いた第4実施形態のプラスチックシートの製造方法によっ
ても、上下のガラス板1A,1Bの間にペーストPを充填する際、より気泡の巻き込みが
少なく、得られるプラスチックシートの品質が向上する。また、上記第1〜第3実施形態
と同様、成形型10の組み立て完成と同時に、成形空間への成形材料の充填が完了するた
め、品質に優れる大面積のプラスチックシートを、より短い充填時間で、効率良く生産す
ることができる。
つぎに、本発明のプラスチックシートを構成する成形材料(光硬化性組成物)について
、詳細に説明する。成形材料は、光硬化性組成物からなるものであり、これが硬化され、
プラスチックシートとなる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレート
の総称であり、「(メタ)アクリル」は、アクリルとメタクリルの総称である。また、こ
こで言う「多官能」とは、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有することを意
味する。
本発明のプラスチックシートの製造方法で用いる光硬化性組成物は、例えば、(メタ)
アクリル系組成物,エポキシ系組成物,チオール・エン付加系等の光硬化性組成物などが
挙げられる。好ましくは、速硬化の点で(メタ)アクリル系組成物が、さらに好ましくは
、プラスチックシートの熱特性の点で、少なくとも下記成分(A1)および(A3)を含
有する(メタ)アクリル系組成物が、特に好ましくは、プラスチックシートの機械特性の
点で、下記成分(A1),(A2)および(A3)を含有してなる(メタ)アクリル系組
成物が使用される。
(A1)多官能ウレタン(メタ)アクリレート
(A2)脂環骨格含有多官能(メタ)アクリレート
(A3)光重合開始剤
多官能ウレタン(メタ)アクリレート(A1)は、多官能であるため、硬化により架橋
樹脂を形成し、表面硬度や耐熱性の高いプラスチックシートを得ることができる。また、
分子内にウレタン結合を有し、得られるプラスチックシートは水素結合により適度な靱性
を有するため、曲げ弾性率が高く、かつ高強度なプラスチックシートを得ることができる
。また、脂環骨格を有する、脂環骨格含有多官能ウレタン(メタ)アクリレートであるこ
とが好ましく、この場合には、プラスチックシートの吸水率を少なくできる。
多官能ウレタン(メタ)アクリレート(A1)は、ポリイソシアネート系化合物と水酸
基含有(メタ)アクリレートを反応させてなるものであり、ポリイソシアネートとしては
、例えば、芳香族系,脂肪族系,脂環式系等のポリイソシアネートが挙げられ、中でもト
リレンジイソシアネート,ジフェニルメタンジイソシアネート,水添化ジフェニルメタン
ジイソシアネート,ポリフェニルメタンポリイソシアネート,変性ジフェニルメタンジイ
ソシアネート,水添化キシリレンジイソシアネート,キシリレンジイソシアネート,ヘキ
サメチレンジイソシアネート,トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート,テトラメチ
ルキシリレンジイソシアネート,イソホロンジイソシアネート,ノルボルネンジイソシア
ネート,1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン,フェニレンジイソシアネ
ート,リジンジイソシアネート,リジントリイソシアネート,ナフタレンジイソシアネー
ト等のポリイソシアネート、あるいは、これらポリイソシアネートの3量体化合物または
多量体化合物、ビューレット型ポリイソシアネート、水分散型ポリイソシアネート(例え
ば、日本ポリウレタン工業社製の「アクアネート100」,「アクアネート110」,「
アクアネート200」,「アクアネート210」等)、または、これらポリイソシアネー
トとポリオールの反応生成物等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて
使用することができる。これらの中でも、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート,イ
ソホロンジイソシアネート,ノルボルネンジイソシアネート,1,3−ビス(イソシアナ
トメチル)シクロヘキサンなどの脂環式ポリイソシアネートが、プラスチックシートの吸
水率を少なくできる点で好ましい。
水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(
メタ)アクリレート,2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート,2−ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレート,4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート,2−ヒドロキ
シエチルアクリロイルホスフェート,2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロ
キシプロピルフタレート,2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メ
タ)アクリレート,カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート,ペ
ンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート,ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)
アクリレート,カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート
,カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート,エチレンオキサ
イド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート,エチレンオキサイド変性
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種または2
種以上組み合わせて使用することができる。これらの中でも、アクリレートが速硬化性の
点から好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート,ペンタエリスリトールト
リ(メタ)アクリレートなどの炭素鎖(水酸基と(メタ)アクリロイル間の炭素鎖)が比
較的短いものが、プラスチックシートの機械特性を向上できる点でより好ましい。
脂環骨格含有多官能(メタ)アクリレート(A2)は、多官能であるため、硬化により
架橋樹脂を形成し、表面硬度や耐熱性の高いプラスチックシートを得ることができる。ま
た、脂環骨格を有するためプラスチックシートの吸水率を低減することができる。
脂環骨格含有多官能(メタ)アクリレート(A2)としては、例えば、ビス(ヒドロキ
シ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジ(メタ)アクリレート,ビス(ヒドロキ
シ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=アクリレートメタクリレート,ビス(ヒド
ロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジ(メタ)アクリレート,ビス
(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=アクリレートメタクリレ
ート,ビス(ヒドロキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカ
ン=ジ(メタ)アクリレート,ビス(ヒドロキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.0
2,7.09,13]ペンタデカン=アクリレートメタクリレート,ビス(ヒドロキシメチル)ペ
ンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン=ジ(メタ)アクリレート
,ビス(ヒドロキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデ
カン=アクリレートメタクリレート,2,2−ビス[4−(β−(メタ)アクリロイルオ
キシエトキシ)シクロヘキシル]プロパン,1,3−ビス((メタ)アクリロイルオキシ
メチル)シクロヘキサン,1,3−ビス((メタ)アクリロイルオキシエチル)シクロヘ
キサン,1,4−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン,1,4−
ビス((メタ)アクリロイルオキシエチル)シクロヘキサンなどの2官能(メタ)アクリ
レート,トリス(ヒドロキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=トリ(メタ)ア
クリレート,トリス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=トリ
(メタ)アクリレート,トリス(ヒドロキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7
.09,13]ペンタデカン=トリ(メタ)アクリレート,トリス(ヒドロキシメチル)ペン
タシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン=トリ(メタ)アクリレート
,1,3,5−トリス((メタ)アクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン,1,3,
5−トリス((メタ)アクリロイルオキシエチル)シクロヘキサンなどの3官能(メタ)
アクリレートが挙げられる。これらの中では、基板の耐熱性の観点から、2官能(メタ)
アクリレートが好ましく、中でもビス(ヒドロキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デ
カン=ジ(メタ)アクリレート,ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02
,6]デカン=ジ(メタ)アクリレートが好ましい。上記脂環骨格含有多官能(メタ)アク
リレートは2種以上を併用することもできるし、アクリレートとメタクリレートとを併用
することもできる。
本発明において、多官能ウレタン(メタ)アクリレート(A1)の含有量は、成分(A
1)と成分(A2)の合計に対して、5〜50重量%であることが好ましく、特には8〜
40重量%、さらには10〜30重量%であることが好ましい。成分(A1)の含有量が
少なすぎるとプラスチックシートの表面硬度が低下する傾向にあり、逆に、多すぎるとプ
ラスチックシートの吸水率が増大する傾向がみられる。
また、脂環骨格含有多官能(メタ)アクリレート(A2)の含有量は、成分(A1)と
成分(A2)の合計に対して、50〜95重量%であることが好ましく、特には60〜9
2重量%、さらには70〜90重量%であることが好ましい。成分(A2)の含有量が少
なすぎるとプラスチックシートの吸水率が増大する傾向にあり、逆に、多すぎるとプラス
チックシートの強度が低下する傾向がみられる。
光重合開始剤(A3)としては、公知の化合物を用いることができ、例えば、ベンゾフ
ェノン,ベンゾインメチルエーテル,ベンゾインプロピルエーテル,ジエトキシアセトフ
ェノン,1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン,2,6−ジメチルベンゾイルジ
フェニルホスフィンオキシド,2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホシフィン
オキシド等が挙げられる。これらの中でも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドなどのラジカル開
裂型の光重合開始剤が好ましい。これらの光重合開始剤(A3)は単独で用いても、2種
以上を併用してもよい。
光重合開始剤(A3)の含有量は、成分(A1)と成分(A2)の合計100重量部に
対して、0.1〜5重量部、さらには0.2〜4重量部、特には0.3〜3重量部である
ことが好ましい。含有量が多すぎるとプラスチックシートのリタデーションが増大し、ま
た黄変が生じやすい傾向にあり、少なすぎると重合速度が低下し、重合が十分に進行しな
いおそれがある。
本発明で用いる光硬化性組成物は、プラスチックシートの光学特性や熱機械特性などを
阻害しない程度に、さらに少量の補助成分を含んでいてもよく、例えば、成分(A1)お
よび(A2)以外のエチレン性不飽和結合を有する単量体,連鎖移動剤,酸化防止剤,紫
外線吸収剤,熱重合開始剤,重合禁止剤,消泡剤,レべリング剤,ブルーイング剤,染顔
料,フィラーなどが挙げられる。
上記光硬化性組成物を用いた本発明のプラスチックシートの製造方法によれば、製造時
における異物や気泡等の混入のおそれが少なく、光学特性,熱機械特性,加工適性などの
性能と、厚み精度,平坦性,平滑性などの品質に優れるプラスチックシートを、効率良く
製造することができる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えな
い限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中「部」,「%」とあるのは、
重量基準を意味する。また、各物性については以下のとおり測定した。
(1)厚み精度(%)
550mm×650mmのプラスチックシートの中央部と4隅の5個所の厚みを測定し
、前出の下記式(1)に従い算出した。
厚み精度(%)=100×(最大値−最小値)/平均値 ・・・(1)
(2)平坦性(mm)
550mm×650mmのプラスチックシートを、平坦な定盤上に置いて、端部の浮き
量の最大値(mm)を測定した。
(3)表面粗さ(nm)
JIS B0601:2001に準じて、東京精密社製「サーフコム570A」を用い
て表面粗さRaを測定した(カットオフ:0.8μm、測定長:1mm)。
(4)気泡の有無
550mm×650mmのプラスチックシートを目視で検査し(700Lux)、気泡
が確認されないものを○、0.3mm以上の気泡がないものを△、0.3mm以上の気泡
があるものを×とした。
(5)光線透過率(%)
長さ50mm×幅50mmの試験片を5枚用意し、日本電色社製ヘイズメーター「ND
H−2000」で、全光線透過率を測定した。
(7)リタデーション(nm)
オーク社製、複屈折測定装置にて25℃で測定した。
(6)鉛筆硬度
長さ50mm×幅50mmの試験片を5枚用意し、JIS K−5600に準じて、鉛
筆硬度を測定した。
(7)ガラス転移温度(℃)
長さ20mm×幅5mmの試験片を用いて、レオロジ社製動的粘弾性装置「DVE−V
4型 FTレオスペクトラー」の引っ張りモードを用いて、周波数10Hz、昇温速度3
℃/分、歪0.025%で測定を行った。得られた複素弾性率実数部(貯蔵弾性率)に対
する虚数部(損失弾性率)の比(tanδ)を求め、このtanδの最大ピーク温度をガ
ラス転移温度Tgとした。
(8)曲げ弾性率(GPa)
長さ25mm×幅10mmの試験片を5枚用意し、島津製作所社製オートグラフ「AG
−5kNE」(支点間距離20mm、0.5mm/分)にて、25℃で曲げ弾性率を測定
し、平均値をとった。
<実施例1>
幅570mm×長さ670mm×厚さ8mmのガラス板を2枚用意し(上側ガラス板1
A,下側ガラス板1B)、下側のガラス板1Bを、その上面が基準面Zと同じ高さ(高さ
ゼロ)になるように水平状態で固定した後、上側のガラス板1Aを移動式架台に把持させ
、その下面が下側のガラス板1Bの上面(基準面Z)に対して高さ(間隙d1)が+0.
7mmになるよう水平状態で設置した〔図2(a)参照〕。なお、両ガラス板1A,1B
の表面(平板面)は、フッ素系のシランカップリング剤(剥離剤)を用いた表面処理によ
り、接触角(対水)が110°となる撥水撥油(離型容易)面となっている。
ついで、ガラス板1Bの上面の一辺より、ダイコーターT1から脂環骨格含有6官能ウ
レタンアクリレート(日本合成化学工業社製)30部,ビス(ヒドロキシメチル)トリシ
クロ[5.2.1.02,6]デカン=ジメタクリレート(新中村化学社製「DCP」)7
0部,1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバスペシャリティケミカルズ社
製「Irgacure184」)1部,よりなる光硬化性組成物(粘度1000mPa・
s)を、幅560mm,厚さ0.7mmとなるよう、吐出量0.45kg/分で吐出し〔
図2(b)参照〕、同時にガラス板1Aを移動式架台で水平方向に移動させて下面の一辺
を接液させた〔図2(c)参照〕。
さらに、ガラス板1AとダイコーターT1とを、ガラス板1Bの他端側に向けて、速度
1m/分で水平方向に移動させながら吐出を続け、吐出長さが660mmとなった時点で
吐出を止めた〔図2(d)参照〕。最終的に、2枚のガラス板が重なり合う位置までガラ
ス板1Aを搬送し、成形型内へのペーストPの充填を終えた〔図2(e)参照〕。充填に
要した時間は40秒である。
ついで、厚さ0.7mmのシム3を、ガラス板1Aとガラス板1Bの間に差し込み、プ
レス機を用いて、0.3MPaで1分間プレスした。かかるプレス工程の温度は室温であ
る。
プレスを解放後、成形型からシム3を取り外し、メタルハライドランプを用いて、ガラ
ス板を透して上下両面から、光量20J/cm2で紫外線を照射して、光硬化を完了した
脱型・剥離して得られた樹脂成形体を、200℃の真空オーブン中で2時間加熱した後
、レーザーで550×650mmサイズにカットして、厚さ0.7mmの「実施例1」の
プラスチックシートを得た。このプラスチックシートは、その物性を下記の「表1」に示
すとおり、厚み精度,平坦性,表面平滑性に優れ、気泡も見られなかった。また、光線透
過率,リタデーション,鉛筆硬度,ガラス転移温度,曲げ弾性率などの諸性能も良好であ
った。
<実施例2>
前記第2実施形態(図4)のように、ダイコーターT1に加え、下側のダイコーターT
2を用いてガラス板1Aの裏面側に光硬化性組成物(粘度1000mPa・s)を供給す
ること、および、速度2m/分でガラス板1AとダイコーターT1を移動させることの2
点以外は、実施例1と同様にしてペーストPを充填した。充填に要した時間は20秒であ
る。なお、下側のダイコーターT2からの光硬化性組成物の吐出量も、0.45kg/分
である。
また、実施例1と同様に、得られた樹脂成形体に、プレス−紫外線照射−加熱−レーザ
ーカットの各加工を順次施し、「実施例2」のプラスチックシートを得た。このプラスチ
ックシートは、下記の表1に示すとおり、品質も性能も良好であった。
<実施例3>
前記第3実施形態(図5)のように、上側のガラス板1Aを水平ではなく少し傾けた状
態(傾斜角α=1°)でスライドさせ、ガラス板どうしが対向した後に最後に水平とする
こと、および、速度2m/分でガラス板1AとダイコーターT1を移動させることの2点
以外は、実施例1と同様にしてペーストPを充填した。充填に要した時間は20秒である
また、実施例1と同様に、得られた樹脂成形体に、プレス−紫外線照射−加熱−レーザ
ーカットの各加工を順次施し、「実施例3」のプラスチックシートを得た。このプラスチ
ックシートは、下記の表1に示すとおり、品質も性能も良好であった。
<実施例4>
前記第4実施形態(図6)のように、ガラス板1A,1Bを含む成形型10全体を45
゜(傾斜角θ=45°)傾斜させてペーストPを充填し、その後成形型10を水平状態に
戻すこと、および、速度2m/分でガラス板1AとダイコーターT1を移動させることの
2点以外は、実施例1と同様にしてペーストPを充填した。充填に要した時間は20秒で
ある。
また、実施例1と同様に、得られた樹脂成形体に、プレス−紫外線照射−加熱−レーザ
ーカットの各加工を順次施し、「実施例4」のプラスチックシートを得た。このプラスチ
ックシートは、下記の表1に示すとおり、品質も性能も良好であった。
Figure 2016107524
このように、実施例1〜4のいずれのプラスチックシートも品質や性能に優れるもので
あった。また、実施例による製造方法を行うことにより、従来多くの時間を要していたの
に対して、非常に効率的でかつ量産性良くプラスチックシートを製造することができる。
本発明のプラスチックシートの製造方法により得られるプラスチックシートは、様々な
光学材料,電子材料に有利に利用できる。例えば、保護シート,タッチパネル,液晶基板
,有機/無機EL用基板,PDP用基板,電子ペーパー用基板,導光板,位相差板,光学
フィルター等,各種ディスプレイ用部材,光ディスク基板を初めとする記憶・記録用途,
薄膜電池基板,太陽電池基板などのエネルギー用途,光導波路などの光通信用途、さらに
は、機能性フィルム・シート、各種光学フィルム・シート用途に利用できる。また、光学
材料,電子材料の他にも、例えば、照明材料,自動車用材料,建材用材料,医療用材料,
文房具などにも利用できる。なかでも、ディスプレイ用プラスチック基板として最適であ
る。
1A,1B ガラス板
10 成形型
T1,T2 ダイコーター
P ペースト
Z 基準面

Claims (9)

  1. 所定の間隙を空けて対向する2枚の透明な平板状型材と、これらの平板状型材の間に形
    成される成形空間の縁部に配置されるスペーサとからなる成形型に、光硬化性組成物から
    なる成形材料を充填し、この平板状型材の平板面を透して成形空間内の成形材料に光を照
    射して硬化させるプラスチックシートの製造方法であって、
    成形型の成形空間に成形材料を充填する工程が、下記(1),(2)の工程を含むこと
    を特徴とするプラスチックシートの製造方法。
    (1)成形型における2枚の平板状型材の平行および移動の基準となる基準面が、水平に
    対する傾斜角θが0°の水平面に設定されており、2枚の平板状型材を、それぞれの平板
    面が、水平な基準面に平行な状態で、上から見下ろした平面視が互いに重ならない上下位
    置に分けて配置し、上側の平板状型材と下側の平板状型材とが上下方向に所定の間隙を保
    った状態で、これら平板状型材を、それぞれ、互いが平面視重なり合う位置まで基準面に
    沿って相対移動させ、2枚の平板状型材が上下方向に所定の隙間をもって対向する成形型
    とする工程。
    (2)上下方向に重ならないように配置された2枚の平板状型材のうち、下側の平板状型
    材の上面に、この面の塗布可能幅と同じ有効塗布幅を有する幅広の塗布手段を用いて、上
    面の一端から他端に向かって液状の成形材料を塗布し、上側の平板状型材および下側の平
    板状型材の少なくとも一方を、他方に対して所定の間隙を保った状態で成形材料の塗布方
    向に沿って相対的にスライド移動させ、塗布された成形材料を、下側の平板状型材の上面
    と上側の平板状型材の下面との間に形成される隙間に挟み込んで保持する工程。
  2. 成形型の成形空間に成形材料を充填する工程が、下記(3)の工程を含むことを特徴と
    する請求項1記載のプラスチックシートの製造方法。
    (3)上側の平板状型材および下側の平板状型材の少なくとも一方を、他方に対して所定
    の間隙を保った状態で相対的にスライド移動させる際、上側の平板状型材の下面に、塗布
    手段を用いて成形材料を付着させるとともに、これら上下の平板状型材間の相対スライド
    移動に伴って、この付着した成形材料を、下側の平板状型材の上面との間に挟み込み、こ
    れら2枚の平板状型材の間に形成される隙間に展開させて保持する工程。
  3. 上下方向に重ならないように配置された2枚の平板状型材のうち、上側の平板状型材が
    、下側の平板状型材に平面視互いに接近する方向に向かって、上記基準面に対して上向き
    傾斜角αで傾斜した状態で、この下側の平板状型材に対して上下方向に所定の間隙を保っ
    て配置されているとともに、成形材料を塗布して、相対的なスライド移動により2枚の平
    板状型材が平面視略重なり合う位置まで移動した後もしくは移動中に、上側の平板状型材
    の傾斜が上記基準面に沿うように戻され、2枚の平板状型材が、これらの間に成形材料を
    挟み込んで保持した状態で、均一の隙間をもって対向するようになっていることを特徴と
    する請求項1または2記載のプラスチックシートの製造方法。
  4. 成形型における2枚の平板状型材の平行および移動の基準となる上記基準面が、水平に
    対する上向き傾斜角θが1°以上60°以下の傾斜面に設定されており、この基準面に沿
    って斜めに傾けた状態で、これら2枚の平板状型材間に成形材料を充填・保持させた後、
    2枚の平板状型材を含む成形型全体を、傾斜角θが0°の水平に戻すことを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか一項に記載のプラスチックシートの製造方法。
  5. 下側の平板状型材の上面に対する成形材料の塗布の前に、この上面における少なくとも
    成形材料塗布方向左右の縁部にそれぞれ、成形材料の塗布幅方向への漏れを防止するスペ
    ーサが、予め配設されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のプラ
    スチックシートの製造方法。
  6. 成形材料を充填する工程の後に、下記工程(4)が行われることを特徴とする請求項1
    〜5のいずれか一項に記載のプラスチックシートの製造方法。
    (4)注入された成形材料を、プレス手段の押圧により平板状型材の縁部にまで広げ、成
    形空間全体に充填するプレス工程。
  7. プレス工程(4)が、成形型の2枚の平板状型材の間で、かつ、スペーサより外縁側の
    位置に、プレス圧に耐え得る板状のシムを挟み込んだ状態で行われることを特徴とする請
    求項6記載のプラスチックシートの製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法により得られるプラスチックシート。
  9. 請求項8記載のプラスチックシートよりなるディスプレイ用プラスチック基板。
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