JP6120741B2 - プラスチックシートの製造方法 - Google Patents
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Description
かかる問題点は、樹脂自体よりも製造法に依存するところが大きく、樹脂本来の性能を発揮するためにもプラスチックシートの製造方法の改良が非常に重要である。
の成膜性に優れ、特に、大面積化や高品質化においても平坦性や無機膜の成膜性に優れた
プラスチックシートの製造方法を提供することを目的とするものである。
硬化してなるプラスチックシートの製造方法において、光硬化後のプラスチックシートに
対して、特定条件下にて、荷重をかけながらアニールすることにより、平坦性や無機膜の成膜性に優れ、特に、大面積化や高品質化においても平坦性と無機膜の成膜性に優れたプラスチックシートが得られることを見出し、本発明を完成した。
(1)真空度が10〜10,000Paである。
(2)荷重が10〜1000kg/m 2 である。
(3)温度が100〜300℃である。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートの、「(メタ)アクリル」は、アクリルとメタクリルの総称である。また、ここでいう多官能とは、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有することを意味する。
なお、本発明において、「荷重をかけながらアニールを行うこと」を、「プレスアニール」と表現することがあり、プラスチックシート全面に一様な荷重をかけながら熱処理を行うことを意味する。
(A1)脂環構造を有する多官能ウレタン(メタ)アクリレート
(A2)脂環構造を有する多官能(メタ)アクリレート(但し、成分(A1)を除く。)
(A3)光重合開始剤
次に、かかる光硬化性組成物(A)を用いた本発明のプラスチックシートの製造方法について説明する。
なお、文中の硬化度とは、例えば(メタ)アクリレート系組成物の場合、(メタ)アクリロイル基の反応率を意味する。
かかる光硬化の反応率を制御する手法としては、(メタ)アクリレート成分や光重合開始剤の種類の選択、量の調整、照度や光量の制御、硬化温度の調整が挙げられる。
一般的に、アニール(熱処理)は、プラスチックシートの硬化度向上、応力ひずみ開放、あるいは脱ガスのために行われるが、本発明のプレスアニールは、これらの効果に加えて、プラスチックシートの平坦化を目的とするものである。
プレスアニールの温度は50〜300℃、より好ましくは100〜250℃、特に好ましくは150〜200℃である。温度が低すぎると硬化不十分でプラスチックシートの物性が不安定となる傾向にあり、逆に、高すぎるとプラスチックシートの色相が低下する傾向にある。プレスアニールの時間は10分〜100時間、より好ましくは30分〜50時間、特に好ましくは1〜20時間である。加熱時間が短すぎると硬化不十分でプラスチックシートの物性が不安定となる傾向にあり、逆に、長すぎるとプラスチックシートの色相が低下する傾向にある。
真空下で行う場合に使用される減圧オーブンとしては、オーブン内を減圧にできる装置
であれば特に限定されず、市販のものを用いることができる。例えば、一般的に、真空ア
ニール機、真空乾燥機、真空オーブンと呼ばれる装置が好適に用いられる。これらの中で
も、炉内温度の均一性の点から、外付けヒーターにより壁面の金属(SUSなど)を加熱
することにより、炉内の温度を制御するものが好ましく、特に、クリーン仕様のものが好
ましい。
この場合、棚は複数段用意してもよいし、プレス板を複数枚用いてもよい。合紙としては、耐熱性を有するクリーン紙が好ましい。処理するプラスチックシートの枚数は、厚さや大きさにもよるが、200枚以下が好ましい。より好ましくは、生産性の点から10〜150枚、特に好ましくは、プラスチックシートの面内均質化の点で、20〜100枚である。
(1)真空度が10〜10,000Paである。
(2)荷重が10〜1000kg/m2である。
(3)温度が100〜300℃である。
なお、条件(2)の荷重とは、処理されるプラスチックシート全体にかかる荷重であり、プラスチックシートの投入枚数に応じて調整することができる。
なお、条件(3)の温度とは、炉内の温度のことであり、プラスチックシートの投入枚数に応じて調整することができる。
即ち、プラスチックシートの中央部及び周辺部から数点の試験片を切り出し、例えば(メタ)アクリロイル基の場合は、固体NMRやIRなどの分析手法でそれぞれの反応率を測定して、反応率の最大値(Pmax)、最小値(Pmin)、及び平均値(Pave)から以下の式を用いて算出される。
反応率のふれ(%)=100×(Pmax―Pmin)/Pave
即ち、プラスチックシートを平坦な定盤上に置いて、端部のうき量が最も大きい部分の高さ(定盤とシート下部との距離)をノギスや隙間ゲージを用いて測定することにより求められる。
更に、位相差の面内ふれは±5nm以内であることが好ましく、より好ましくは±2nm以下、特に好ましくは±1nm以下であることが好ましい。位相差のふれが大きいと、ディスプレイ用に用いた際に精細性が低下する傾向にある。
即ち、プラスチックシートの中央部及び周辺部から数点の試験片を切り出し、それぞれの位相差を測定して、最大値(Rmax)、最小値(Rmin)、及び平均値(Rave)から以下の式を用いて算出される。
位相差のふれ(%)=100×(Rmax―Rmin)/Rave
得られる透明導電膜付き基板の導電性は、好ましくは500Ω/□以下、より好ましくは200Ω/□以下、更に好ましくは100Ω/□以下であり、高すぎるとディスプレイの表示性能が低下する傾向にある。
尚、例中「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
370mm×480mmのプラスチックシートの面中央部と周辺部(各辺の中央部から5cm離れた位置)から50mm×50mmの試験片を5枚切り出し(面中央部1から1枚、周辺部から4枚の計5枚)(下図参照)、凍結粉砕した後、BRUKER・BIOSPIN社製 「AVANCE DPX−400」で、固体NMRプローブを用いて測定した。観測核は13C、回転数は5000Hz、室温で測定した。重合していない(メタ)アクリロイル基中のカルボニル炭素は高磁場側(166ppm)に、重合したカルボニル炭素は低磁場側(176ppm)に検出される。これらのピーク面積比より反応率(%)を算出し、5点の平均値をもって反応率(%)とした。
上記同様に、50mm×50mmの試験片を5枚用意し、日本電色社ヘイズメーター「NDH−2000」で、全光線透過率(%)を測定した。
上記同様に、長さ50mm×幅50mmの試験片を5枚用意し、JIS K−5600に準じて、鉛筆硬度を測定した。
長さ20mm×幅5mmの試験片を用いて、レオロジー社製動的粘弾性装置「DVE−V4型 FTレオスペクトラー」の引っ張りモードを用いて、周波数10Hz、昇温速度3℃/分、歪0.025%で測定を行った。得られた複素弾性率の実数部(貯蔵弾性率)に対する虚数部(損失弾性率)の比(tanδ)を求め、このtanδの最大ピーク温度をガラス転移温度(℃)とした。
370mm×480mmのプラスチックシートを、平坦な定盤上に置いて、端部のうき量の最大値(mm)を測定した。また、透明導電膜を製膜した後のプラスチックシートについても同様に測定し、平坦性を評価した。
三菱化学社製の4端子法抵抗測定器(ロレスターMP)を用いて測定した。
400mm×500mm×8mmサイズの2枚の光学研磨ガラス板を対向させ、厚さ0.7mmのシリコン板をスペーサーとした成形型に、6官能ウレタンアクリレート(日本合成化学工業社製)30部、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジメタクリレート(新中村化学社製「DCP」)70部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバスペシャリティケミカルズ社製「Irgacure184」)1部よりなる光硬化性組成物(A)を23℃で注液した。かかる成形型を水平に設置し、コンベアで搬送しながら、メタルハライドランプを用いて、両面から光量20J/cm2で紫外線を照射した。得られたプラスチックシートを脱型した後、370mm×480mmにカットした。同様の手法で、370mm×480mm×0.7mmのプラスチックシートを101枚得た。その内の1枚で反応率の測定を行った。
真空アニール機の炉内を減圧にすると共に、200℃に加熱した。最終的な真空度は1,000Paである。6時間加熱した後、炉内を40℃まで冷却し、プラスチックシートを取り出した。得られたプラスチックシートの性能は表1に示されるとおりである。
実施例1において、重さ20kgのガラス板を載せる(荷重113kg/m2)以外は同様にして、プラスチックシート及び透明導電膜付き基板を得た。諸特性は表1に示されるとおりである。
実施例1において、加熱温度を250℃にする以外は同様にして、プラスチックシート及び透明導電膜付き基板を得た。諸特性は表1に示されるとおりである。
実施例1において、光量を10J/cm2にした以外は同様にして、プラスチックシート及び透明導電膜付き基板を得た。諸特性は表1に示されるとおりである。
実施例1において、厚さを0.2mmにした以外は同様にして、プラスチックシート及び透明導電膜付き基板を得た。諸特性は表1に示されるとおりである。
実施例1において、上からガラス板を載せず(荷重をかけず)にアニールを行った以外は同様にして、プラスチックシート及び透明導電膜付き基板を得た。諸特性は表1に示されるとおりである。得られた透明導電膜付き基板は導電性に劣り、透明導電膜に膜クラックも散見された。
Claims (7)
- 光硬化性組成物(A)を硬化してなるプラスチックシートに対して、減圧オーブン中、下記の条件(1)〜(3)にて、荷重をかけながらアニールすることを特徴とするプラスチックシートの製造方法。
(1)真空度が10〜10,000Paである。
(2)荷重が10〜1000kg/m 2 である。
(3)温度が100〜300℃である。 - 光硬化性組成物(A)が、多官能(メタ)アクリレートと光重合開始剤を含有してなることを特徴とする請求項1記載のプラスチックシートの製造方法。
- (メタ)アクリロイル基の反応率が、光硬化後のプラスチックシートで50〜90%であり、アニール後のプラスチックシートで80〜95%であることを特徴とする請求項2記載のプラスチックシートの製造方法。
- プラスチックシートの端部のうき量の最大値が5mm以下であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のプラスチックシートの製造方法。
- プラスチックシートの光線透過率が85%以上であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のプラスチックシートの製造方法。
- プラスチックシートのガラス転移温度が150℃以上であることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載のプラスチックシートの製造方法。
- プラスチックシートの厚さが0.05〜5mmであることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載のプラスチックシートの製造方法。
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