JPH1058465A - 光硬化性樹脂を用いた樹脂シートの製造法 - Google Patents

光硬化性樹脂を用いた樹脂シートの製造法

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JPH1058465A
JPH1058465A JP22236696A JP22236696A JPH1058465A JP H1058465 A JPH1058465 A JP H1058465A JP 22236696 A JP22236696 A JP 22236696A JP 22236696 A JP22236696 A JP 22236696A JP H1058465 A JPH1058465 A JP H1058465A
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JP
Japan
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resin
active energy
curing
plates
face plates
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JP22236696A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Kubota
哲哉 久保田
Akihiko Sakai
昭彦 坂井
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光硬化性樹脂を用いて表面性状の良好な樹脂
シートを製造する。 【解決手段】 2枚のガラス板を対向させ、その間にス
ペーサーを介在させてクリップで緊締した成形型に光硬
化性樹脂を注入し、ガラス板を通して硬化所要量の15
%以下の光を照射して光硬化性樹脂をゲル化させる。次
いでクリップを解放してスペーサーを取除き、再び光を
照射して硬化を完了させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光硬化性樹脂を用い
て表面性状の良好な樹脂シートを製造する方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】樹脂シートとしては、用途に応じて、ポ
リオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド
など種々のものが用いられているが、一部の用途、例え
ば液晶ディスプレイ、タッチパネル、透明導電膜などに
は、光硬化性樹脂から製造した樹脂シートを用いること
が検討されている。光硬化性樹脂から樹脂シートを製造
するには、偏平なキャビティを有する成形型に光硬化性
樹脂を注入し、これに活性エネルギー線を照射して光硬
化性樹脂を硬化させたのち、成形型から樹脂シートを取
外せばよい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法では、樹脂シートの表面に所謂ヒケのような欠陥を生
じ易い。この欠陥は樹脂シートの周辺部に多く発生する
傾向がある。この欠陥の発生は製品歩留りを低下させる
要因となるので、本発明はこのような欠陥の発生を阻止
することのできる樹脂シートの製造法を提供せんとする
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、相対す
る面板とこの面板間の間隔を一定に保持する手段とによ
り偏平なキャビティが形成されており、かつ少くとも一
方の面板が活性エネルギー線が透過可能な材料で形成さ
れていて受光面となっている成形型に、光硬化性樹脂を
注入し、該受光面を通して活性エネルギー線を照射して
光硬化性樹脂を硬化させる光硬化性樹脂を用いた樹脂シ
ートの製造方法において、硬化所要量の15%以下の活
性エネルギー線の照射によりキャビティ内の光硬化性樹
脂がゲル化して自己保形性を有するに至った段階で面板
間の間隔を一定に保持する手段を解放して面板間の間隔
が変化し得るようになし、次いで残りの活性エネルギー
線を照射して硬化を完了させることにより、表面欠陥の
無い樹脂シートを製造することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明について更に詳細に説明す
ると、本発明では偏平なキャビティを有する成形型に光
硬化性樹脂を注入し、活性エネルギー線を照射して硬化
させる常法による樹脂シートの製造において、光硬化性
樹脂が自己保形性を有する程度に硬化した段階で、成形
型の相対する面板間の間隔を一定に保持する手段、例え
ば面板間に介在するスペーサーとこれを挟んで面板を緊
締するクリップを除去して、キャビティ内の光硬化性樹
脂の硬化に伴う体積収縮に、成形型の面板が追随できる
ようにしようとするものである。すなわち本発明者らの
知見によると、光硬化性樹脂は硬化に際し収縮するの
で、樹脂はキャビティを形成する面板から部分的に剥離
し、この剥離痕が所謂ヒケ状の表面欠陥として残るもの
と考えられる。従って、硬化の初期段階で成形型のスペ
ーサーを取外して樹脂の収縮に面板が追随できるように
すれば、樹脂は常に面板と接触した状態で硬化し、この
ような表面欠陥を生じないものと考えられる。
【0006】本発明による樹脂シートの製造は、硬化の
初期段階で成形型の相対する面板間の間隔を一定に保持
する手段を解放して、樹脂の収縮に面板が追随できるよ
うにする以外は、常法に従って行なうことができる。
【0007】光硬化性樹脂としては、一般的なラジカル
重合開始剤の存在下に、活性エネルギー線により重合し
て硬化する任意のものを用いることができる。例えばラ
ジカル反応性の(メタ)アクリレートモノマーにラジカ
ル重合開始剤を配合した組成物、ウレタン(メタ)アク
リレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエ
ーテル(メタ)アクリレート等のオリゴマーを、多官能
(メタ)アクリレートモノマーに溶解したものにラジカ
ル重合開始剤を配合した組成物などが用いられる。好ま
しくは、ラジカル重合開始剤に加えて、チオール基を有
する化合物のような連鎖移動剤を含む組成物が用いられ
る。
【0008】成形型の材料も光硬化性樹脂の成形に常用
されているものを用いることができる。成形型のうち、
少くとも活性エネルギー線の照射を受ける面は、活性エ
ネルギー線に対して十分な透過性を有する材料で構成す
る必要がある。成形型はポリメチルメタクリレートのよ
うな透明性のよいプラスチックで構成するこもできる
が、通常は活性エネルギー線の照射を受けても劣化した
り熱変形したりしないようにガラスで構成するのが好ま
しい。成形型のキャビティの深さ(=生成する樹脂シー
トの厚さ)は通常3mm以下、好ましくは0.1〜3m
m、特に0.1〜1mmである。成形型のキャビティ面
には、特願平8−28796号に記載されているような
塗布形剥離層又は特願平8−93852号に記載されて
いるような蒸着形剥離層を形成しておくのが好ましい。
【0009】活性エネルギー線としては、重合開始剤に
応じて、紫外線、電子線などから適宜の波長のものを選
択して用いる。本発明では活性エネルギー線の照射は、
2段階で行なわれる。その第1段階では活性エネルギー
線の硬化所要量の15%以下を照射して、キャビティ内
の光硬化性樹脂を自己保形性を有するように、すなわち
スペーサーを取外しても樹脂が漏洩しないようにゲル化
させる。なお本明細書において活性エネルギー線の硬化
所要量とは、キャビティ内の樹脂組成物のエチレン性炭
素−炭素二重結合の80%を消失させるのに要する照射
量を指すものとする。なお、活性エネルギー線の照射に
よるエチレン性炭素−炭素二重結合の消失の割合は、下
記式により算出される。
【0010】消失量=(1−K/M)×100 (%) M=AM /BMM :活性エネルギー線照射前の赤外吸収における二重
結合のピーク面積 BM :活性エネルギー線照射前の赤外吸収におけるC−
H結合のピーク面積 K=AK /BKK :活性エネルギー線照射後の赤外吸収における二重
結合のピーク面積 BK :活性エネルギー線照射後の赤外吸収におけるC−
H結合のピーク面積 なお、二重結合のピークは1658.5〜1591cm
-1に出現し、C−H結合のピークは3210〜280
9.8cm-1に出現する。
【0011】この第1段階における活性エネルギー線照
射量が硬化所要量の15%を超えると、硬化収縮が起
り、キャビティ内の樹脂が面板から剥離して、生成する
樹脂シート表面に欠陥を生じ易い。また、ゲル化した樹
脂がスペーサーに強固に付着して、スペーサーが取外し
難くなるという問題もある。好ましくは照射量が硬化所
要量の10%以下の段階で面板間の間隔を一定に保持す
る手段を解放する。逆に活性エネルギー線照射量が少な
すぎると、ゲル化が不十分で、成形型の面板の緊締を解
放したときに、キャビティ内の樹脂が成形型の隙間から
漏れる事故が起こり易い。また、ゲル化した樹脂と面板
との付着力が弱く、成形型の面板の緊締を解放したとき
の衝撃で樹脂が面板から剥離するという事故が起ること
もある。従って第1段階における活性エネルギー線の照
射は、通常は硬化所要量の1%以上、特に2%以上であ
る。一般に、第1段階の最適照射量は硬化所要量の3〜
8%である。また照射は好ましくは数回に分けて行なわ
れる。
【0012】硬化所要量の15%以下の活性エネルギー
線の照射により、光硬化性樹脂が自己保形性を有するよ
うにゲル化したならば、成形型の面板間の間隔を一定に
保持している手段を解放して、キャビティ内の樹脂の硬
化収縮に面板が追随できるようにする。面板間にスペー
サーを挟んでクリップで緊締した構造の成形型の場合に
は、クリップを解除してスペーサーを取外せばよい。ス
ペーサーの取外しの際には面板が樹脂から剥離しないよ
うに注意する。
【0013】成形型の面板間の間隔を一定に保持してい
る手段を解放したならば、引続き活性エネルギー線を照
射して硬化を完了させる。好ましくはこの照射も数回に
分けて行ない、硬化に伴い樹脂シート内に生ずる歪みを
緩和するようにする。
【0014】
【実施例】以下に実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。
【0015】実施例1 2枚のガラス板(300×400×5mm)を対向さ
せ、その周囲に幅5mm、厚さ1mmのシリコンゴムを
スペーサーとして介在させて、クリップで緊締し成形型
とした。この成形型に、ビス(オキシメチル)トリシク
ロ〔5・2・1・02.6 〕デカンジメタクリレート94
重量部、ペンタエリスリトールテトラキス(β−チオプ
ロピオネート)6重量部、光重合開始剤として2,4,
6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシ
ド(ルシリンTPO、BASF社製品)0.06重量
部、ベンゾフェノン0.04重量部を混合し、均一にな
るように攪拌したのち脱泡した光重合性樹脂を注入し
た。この樹脂の活性エネルギー線の硬化所要量は40J
/cm2 であった。
【0016】成形型の上下に、ガラス面より400mm
離して、出力80w/cmのメタルハライドランプを設
置した。第1段階として紫外線を4J/cm2 照射した
のち、クリップを解放してスペーサーを取外した。次い
で紫外線を36J/cm2 、即ち全照射量が40J/c
2 となるように照射して重合を完了させた。得られた
樹脂シートを切断して100×100mmのシート6枚
を作成した。いずれのシートも表面状態は良好であっ
た。
【0017】実施例2 第1段階の紫外線の照射量を0.4J/cm2 、全照射
量を40J/cm2 とした以外は、実施例1と全く同様
にして樹脂シートを製造した。得られた樹脂シートから
100×100mmのシート6枚を作成したが、いずれ
のシートも表面状態は良好であった。
【0018】比較例1 途中でクリップを解放してスペーサーを除去しなかった
以外は、実施例1と同様にして、全照射量40J/cm
2 で重合を行わせた。得られた樹脂シートから100×
100mmのシート6枚を作成したが、表面状態の良好
なものは3枚であった。
【0019】比較例2 実施例1において、紫外線を10J/cm2 照射した時
点でクリップを解放してスペーサーを除去した以外は実
施例1と同様にして、全照射量40J/cm2で重合を
行わせた。得られた樹脂シートから100×100mm
のシート6枚を作成したが、表面状態の良好なものは2
枚であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対する面板と、この面板間の間隔を一
    定に保持する手段とにより偏平なキャビティが形成され
    ており、かつ少くとも一方の面板が活性エネルギー線が
    透過可能な材料で形成されていて受光面となっている成
    形型に、光硬化性樹脂を注入し、該受光面を通して活性
    エネルギー線を照射して光硬化性樹脂を硬化させる光硬
    化性樹脂を用いた樹脂シートの製造法において、硬化所
    要量の15%以下の活性エネルギー線の照射によりキャ
    ビティ内の光硬化性樹脂がゲル化して自己保形性を有す
    るに至った段階で面板間の間隔を一定に保持する手段を
    解放して面板間の間隔が変化し得るようになし、次いで
    残りの活性エネルギー線を照射して硬化を完了させるこ
    とを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 面板間の間隔を一定に保持する手段が、
    面板間に介在するスペーサーと、スペーサーを挟んで相
    対する面板を緊締するクリップとからなることを特徴と
    する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 樹脂シートの厚さが0.1〜3mmであ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
JP22236696A 1996-08-23 1996-08-23 光硬化性樹脂を用いた樹脂シートの製造法 Pending JPH1058465A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2015163684A (ja) * 2014-01-29 2015-09-10 日本合成化学工業株式会社 樹脂成形体、及びその用途

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Effective date: 20040330

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