JP2000094453A - 樹脂成形型およびその製造方法 - Google Patents

樹脂成形型およびその製造方法

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JP2000094453A
JP2000094453A JP10284761A JP28476198A JP2000094453A JP 2000094453 A JP2000094453 A JP 2000094453A JP 10284761 A JP10284761 A JP 10284761A JP 28476198 A JP28476198 A JP 28476198A JP 2000094453 A JP2000094453 A JP 2000094453A
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resin
mold
molding
resin material
resin mold
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English (en)
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Kunio Maeda
邦男 前田
Saneo Oda
実生 小田
Makoto Otake
信 大竹
Tsuneo Hagiwara
恒夫 萩原
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Nabtesco Corp
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Teijin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂成形型の型開き時および樹脂成形型から
の成形品の抜き取り時に破損が生じず、強度および耐久
性に優れる樹脂成形型の提供、並びに前記の樹脂成形型
を簡単な工程で寸法精度良く製造する方法の提供。 【解決手段】 樹脂材料を積層し硬化または固化させる
工程を繰り返して樹脂成形型を製造するに当たって樹脂
成形型における樹脂材料の積層方向が樹脂成形型からの
成形品の抜き方向に対して斜めまたは直角になるように
樹脂材料を順次積層して硬化または固化させる樹脂成形
型の製造法、並びに前記方法により得られる樹脂成形
型。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は樹脂成形型およびそ
の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、硬化ま
たは固化した樹脂層の上に再度樹脂材料を積層して硬化
または固化する工程を繰り返して製造した樹脂成形型の
改良技術に係るものであり、本発明の樹脂成形型は、従
来のこの種の樹脂成形型に比べて、強度および耐久性に
優れており、繰り返し使用しても破損が極めて生じにく
い。
【0002】
【従来の技術】樹脂製の成形型(以下「樹脂成形型」と
いう)は、金属型に比べて軽量で取り扱い易く、しかも
一般に安価であることから、プラスチック成形品の製造
用の型などとして従来から広く用いられている。従来、
樹脂成形型は、一般に、(1)機械加工や手加工によっ
てマスターモデルを作製し、(2)そのマスターモデル
の周りを包囲板で取り囲み、(3)マスターモデル表面
と包囲板の内表面に離型剤を塗布し、(4)マスターモ
デルと包囲板とによって形成された空間内に樹脂材料を
充填して硬化または固化させることによって製造されて
いる。そして、樹脂成形型が例えば雄型と雌型の複数の
型部材よりなる場合は、前記した(1)〜(4)の一連
の工程によって一方の型(通常は雌型)をつくり、さら
に同じマスターモデルを用いて前記(2)〜(4)の工
程を行ってもう一方の型(通常は雄型)を製造する方法
が採用されている。そのため、従来一般に採用されてい
る樹脂成形型の製造法では、マスターモデルの作製、型
成形空間の形成、離型剤の塗布、型成形空間への型成形
用樹脂材料の充填という多段工程を経るために、複雑で
手間および時間のかかるものとなっている。しかも、そ
こではマスターモデルを用いるために、マスターモデル
の製作時およびマスターモデルからの樹脂成形型の製造
時(転写時)に寸法の狂いが生じやすく、寸法精度に優
れる樹脂成形型が得られにくいという欠点がある。かか
る点から、寸法精度に優れる樹脂成形型を簡単な工程で
製造し得る技術の開発が求められてきた。
【0003】
【発明の内容】上記のような状況下に、本発明者らは、
簡単な工程で寸法精度に優れる樹脂成形型を得るべく鋭
意検討を重ねてきた。その結果、マスターモデルを用い
る上記した従来の樹脂成形型の製造法に代えて、光硬化
性樹脂を用いて光学的立体造形法により樹脂成形型を製
造すると、寸法精度に優れる樹脂成形型を簡単な工程で
製造できることを見出して先に出願した(特開平7−2
05157号)。
【0004】本発明者らは、本発明者らによる上記した
光学的立体造形法による樹脂成形型の発明を踏まえて、
より優れた樹脂成形型を得るべく更に研究を続けてき
た。その結果、光硬化性樹脂材料を積層して硬化させる
工程を繰り返して製造した樹脂成形型において、これま
では型造形時の光硬化性樹脂材料の前記積層方向を樹脂
成形型からの成形品の抜き方向(樹脂成形型からの成形
品の取り出し方向、離型方向)と同じ方向(平行方向)
にして樹脂成形型を製造していたのを、型造形時の樹脂
材料の前記積層方向を樹脂成形型からの成形品の抜き方
向に対して斜めまたは直角の方向、特に30°〜90°
になるようにして樹脂成形型を光学的立体造形法によっ
て製造すると、繰り返し使用しても、樹脂成形型からの
成形品の取り出し時に樹脂成形型の破損のない、強度お
よび耐久性に優れる樹脂成形型が得られることを見出し
た。
【0005】さらに、本発明者らは、型製造時の光硬化
性樹脂材料の前記積層方向を樹脂成形型からの成形品の
抜き方向に対して斜めまたは直角の方向になるようにす
る樹脂成形型の製造技術は、光硬化性樹脂を用いる光学
的立体造形法に限られず、樹脂材料を積層して硬化また
は固化させる工程を繰り返す樹脂成形型の製造法に共通
して適用できること、それによって同様に強度および耐
久性に優れる樹脂成形型が得られることを見出した。ま
た、本発明者らは、前記した樹脂成形型において、樹脂
成形型を製造するための樹脂材料中に充填材、特に粒状
充填材および/またはウィスカーなどのような面配向性
充填材を含有させておくと、樹脂成形型の強度および耐
久性が一層向上することを見出し、それらの種々の知見
に基づいて本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、樹脂材料を積層し硬
化または固化させる工程を繰り返して製造した樹脂成形
型であって、樹脂成形型における樹脂材料の積層方向
が、樹脂成形型からの成形品の抜き方向に対して斜めま
たは直角であることを特徴とする樹脂成形型である。
【0007】そして、本発明は、硬化または固化した樹
脂層の上に樹脂材料を更に積層して硬化または固化する
工程を繰り返して樹脂成形型を製造する方法であって、
樹脂成形型からの成形品の抜き方向に対して、樹脂材料
を斜めまたは直角の方向に積層して硬化または固化する
工程を繰り返すことを特徴とする樹脂成形型の製造方法
である。
【0008】そして、本発明は、樹脂成形型における樹
脂材料の前記積層方向と、樹脂成形型からの成形品の抜
き方向のなす角度が30°〜90°である前記した樹脂
成形型およびその製造方法を好ましい態様として包含す
る。また、本発明は、充填材を含有する樹脂材料、特に
粒状充填材およびウィスカーなどの面配向性充填材のう
ちの少なくとも1種を含有する樹脂材料を用いて製造し
た前記樹脂成形型およびその製造方法を好ましい態様と
して包含する。さらに、本発明は、樹脂成形型を形成す
る樹脂材料として光硬化性樹脂材料を用いて光学的立体
造形法によって得た前記樹脂成形型、およびその製造方
法を好ましい態様として包含する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明における「樹脂材料を積層して硬化または
固化させる工程を繰り返して製造した樹脂成形型」に
は、樹脂材料を積層して硬化または固化させる工程を繰
り返して多数の樹脂層を積層して一体化することによっ
て製造した樹脂成形型のいずれをも包含する。したがっ
て、本発明の樹脂成形型は、例えば、 (1) 製造しようとする三次元の樹脂成形型の断面を
表すコンピューターなどによるデーターに応答して、作
業面上の樹脂材料に光エネルギー(可視光線、レーザー
光線、紫外線、電子線、X線、高いエネルギー粒子線な
どの広義の光エネルギー)や熱エネルギーなどを制御下
に与えて樹脂材料を光硬化または熱硬化させ、その硬化
層上に更に樹脂材料を積層して前記した光エネルギーや
熱エネルギーの付与−硬化工程を、目的とする三次元の
樹脂成形型が得られるまで繰り返すことによって得られ
る樹脂成形型; (2) 上記したコンピューターなどによるデーターに
よらずにマスクを介して上記した光エネルギーまたは熱
エネルギーの付与−硬化−積層工程を同様に繰り返す、
いわゆるリソグラフィーの手法を用いて得られる樹脂成
形型; (3) 冷却固化性の樹脂材料(例えば加熱溶融状態に
あり冷却すると固化する熱可塑性樹脂材料など)、湿分
硬化性樹脂材料、化学反応硬化性樹脂材料(例えば混合
すると反応して硬化する多液型の硬化性材料など)など
の硬化性または固化性樹脂材料を、製造しようとする三
次元の樹脂成形型の断面を表すコンピューターのデータ
ーなどによって、順次層状に施して硬化または固化させ
る工程を繰り返して製造した樹脂成形型; などを包含する。そのうちでも、本発明は、上記した
(1)の樹脂成形型 すなわち光硬化性樹脂材料を用い
て光学的立体造形を行って得られる樹脂成形型において
より高い効果を発揮する。
【0010】そして、本発明の樹脂成形型では、上述の
ように、樹脂成形型における樹脂材料の積層方向が、樹
脂成形型からの成形品の抜き方向に対して斜めまたは直
角の方向になっている。ここで本明細書でいう「樹脂成
形型からの成形品の抜き方向」とは、樹脂成形型を用い
て成形または加工を行って得られた成形品(加工品)を
樹脂成形型から取り出す方向、すなわち成形品(加工
品)の離型方向をいう。何ら限定されるものではない
が、本発明の理解を容易にするために、前記した「樹脂
材料の積層方向」と「樹脂成形型からの成形品の抜き方
向」との関係について、光硬化性樹脂材料を用いて光学
的立体造形法によって雄型と雌型から構成される樹脂成
形型を製造する場合を例に挙げて、以下で図を参照して
説明する。
【0011】本発明者らによる上記した特開平7−20
5157号の光学的立体造形法による樹脂成形型の製造
技術では、作業面上に光硬化性樹脂を所定厚さに施し、
それにコンピューターなどによるデーターに応答して光
エネルギーを制御下に与えて樹脂を光硬化させた後、そ
の硬化層上に更に熱硬化性樹脂を積層して前記した光エ
ネルギの照射−硬化工程を繰り返して樹脂成形型を製造
するに当たって、造形時の光硬化性樹脂の積層方向を、
図3の(a)に示すように、樹脂成形型からの成形品の
抜き方向に対して平行にして樹脂成形型を製造してい
る。その結果、それにより得られる樹脂成形型では、図
3の(b)に示すように、多数の硬化した樹脂薄層
1、L2、L3、L4、・・・・が、樹脂成形型からの成
形品の抜き方向に対して直角方向に積層して接着した形
態となっている。そのため、そのような樹脂成形型を用
いてプラスチックの成形などを行うと、成形終了後に雄
型と雌型を成形品の抜き取り方向に開いて分離させた際
に、更には成形品を樹脂成形型から抜き取る際に、樹脂
成形型を構成している前記した樹脂薄層L1、L2
3、L4、・・・・の間に剥離応力が加わって層間剥離
を生じ、それによりて樹脂成形型が破損する場合があ
り、強度および耐久性の点で改良の余地があった。
【0012】これに対して、本発明では、作業面上に光
硬化性樹脂を所定厚さに施し、それにコンピューターな
どによるデーターに応答して光エネルギーを制御下に与
えて樹脂を光硬化させた後、その硬化層上に更に熱硬化
性樹脂を積層して前記した光エネルギの照射−硬化工程
を繰り返して樹脂成形型を製造する際に、造形時の光硬
化性樹脂の積層方向が、図1の(a)に示すように樹脂成
形型からの成形品の抜き方向に対して斜め方向になる
か、または図2の(a)に示すように樹脂成形型からの
成形品の抜き方向に対して直角になるようにして、コン
ピューターのデーターを予め設定しておき、そのデータ
ーに応じて光エネルギーを制御下に照射して樹脂を硬化
させて、樹脂成形型を製造する。その結果、得られる樹
脂成形型では、多数の硬化した樹脂薄層L1、L2
3、L4、・・・・が、図1の(b)に示すように樹脂
成形型からの成形品の抜き方向に対して斜めに積層して
接着した形態となっているか、または図2の(b)に示
すように樹脂成形型からの成形品の抜き方向に対して直
角に積層して接着した形態となっている。そのため、そ
のような本発明の樹脂成形型を用いて成形を行うと、成
形終了後に雄型と雌型を成形品の抜き取り方向に開いて
分離させた際に、更には成形品を樹脂成形型から抜き取
る際に、樹脂成形型に該抜き取り方向の外部応力が加わ
っても、樹脂成形型を構成している前記した薄層L1
2、L3、L4、・・・・が抜き方向に対して斜めにな
っているか[図1の(b)の樹脂成形型]または平行に
なっている[図2の(b)の樹脂成形型]ので、樹脂成
形型を構成している隣合う薄層L1、L2、L3、L4、・
・・・間に層間剥離が生じにくく、樹脂成形型の破損が
防止され、強度および耐久性に優れたものとなる。
【0013】本発明では、樹脂成形型の強度および耐久
性がより良好になる点から、樹脂成形型における樹脂材
料の積層方向と、樹脂成形型からの成形品の抜き方向の
なす角度が30°〜90°であることが好ましく、45
°〜90°であることがより好ましく、60°〜90°
であることが更に好ましい。なお、本明細書でいう「樹
脂材料の積層方向と樹脂成形型からの成形品の抜き方向
のなす角度」とは、図1の(a)および図2の(a)に
示すように、樹脂成形型の製造時に樹脂材料を順次積層
してゆく積層方向Aと、樹脂成形型を用いて成形品を製
造したときに樹脂成形型から成形品を抜きとる方向Bと
がなす角度θを意味する。
【0014】本発明では、樹脂成形型を構成する樹脂材
料は充填材を含有していてもまたは含有していなくても
よいが、充填材を含有していると、樹脂成形型の強度、
耐久性、剛性および耐熱性が一層向上し、しかも樹脂成
形型を製造する際の寸法精度が高くなるので好ましい。
樹脂成形型を構成する樹脂材料が充填材を含有している
と、充填材の配向分布の主軸方向が樹脂成形型を製造す
る際の積層方向(図1および図2に示す積層方向A)に
対して直角な方向(すなわち樹脂成形型からの成形品の
抜き方向に対して斜めまたは平行な方向)になるため
に、充填材の補強効果が一層良好に発揮されて、樹脂成
形型の強度および耐久性の向上に大きく寄与する。
【0015】樹脂成形型を形成する樹脂材料中に配合す
る充填材としては、粒状充填材および面配向性充填材の
うちの少なくとも1種が好ましく用いられる。そのうち
でも、面配向性充填材が、樹脂成形型に対する補強効
果、寸法精度の向上効果などが大きいために好ましく用
いられ、面配向性充填材と粒状充填材との併用がより好
ましい。なお、本明細書でいう面配向性充填材とは、樹
脂成形型の製造時に樹脂材料の上記した積層方向(図1
および図2に示す積層方向A)に対して直角の方向の樹
脂面内で配向する性質を有する充填材をいう。面配向性
充填材の代表例としては、ウィスカーを挙げることがで
きる。
【0016】粒状充填材は無機粒状充填材および有機粒
状充填材のいずれでもよい。粒状充填材を樹脂成形型を
構成する樹脂材料に配合する場合は、樹脂成形型を構成
する樹脂材料中への分散性、粒状充填材を配合した樹脂
材料の型製造時の取り扱い性、補強効果などの点から、
その平均粒径が3〜70μであることが好ましく、10
〜60μであることがより好ましく、15〜50μであ
ることが更に好ましい。粒状充填材の平均粒径が3μ未
満であると、樹脂材料の粘度が高くなり過ぎて、樹脂成
形型を製造する際の取り扱い性が不良になり易く、一方
70μを超えると樹脂成形型を製造する際の型の寸法精
度、特に光学的立体造形法の場合は造形精度が低下し易
くなる。
【0017】また、樹脂材料に粒状充填材を単独で配合
する場合は、樹脂材料の型製造時の取り扱い性、補強効
果などの点から、樹脂成形型の製造に用いる樹脂材料の
全容量(樹脂成分と粒状充填材の合計容量)に基づい
て、5〜70容量%であることが好ましく、20〜60
容量%であることがより好ましく、30〜60容量%で
あることがさらに好ましい。粒状充填材の含有量が70
容量%を超えると、樹脂材料の粘度が高くなり過ぎて、
樹脂成形型の製造が困難になる。
【0018】本発明で用い得る粒状充填材は、透明であ
ってもまたは不透明であってもよい。また、粒状充填材
は、滑らかな球形であってもなくてもよいが、滑らかな
球形であることが好ましく、特に真球状であることが好
ましい。粒状充填材が滑らか球形であると、それを樹脂
材料中に配合して本発明の樹脂成形型を製造したとき
に、照射したエネルギーの乱反射が防止されて、寸法精
度に優れる樹脂成形型を製造することができ、しかも樹
脂材料の粘度の増大が防止されて樹脂成形型製造時の取
り扱い性が良好になる。
【0019】無機粒状充填材の例としては、ガラスビー
ズ、タルク微粒子、酸化ケイ素微粒子、酸化アルミニウ
ム微粒子、水酸化アルミニウム微粒子、酸化マグネシウ
ム微粒子、酸化カルシウム微粒子、窒化アルミニウム微
粒子、炭酸カルシウム微粒子、カーボンブラック微粒子
などを挙げることができる。また、有機粒状充填材の例
としては、架橋ポリスチレン系粒子、架橋(メタ)アク
リレート系粒子、ポリエチレン系粒子、ポリプロピレン
系粒子、ポリテトラフルオロエチレン系粒子などの有機
高分子粒子を挙げることができる。樹脂成形型を構成す
る樹脂材料は、前記した無機粒状充填材および有機粒状
充填材の1種または2種以上を含有することができる。
【0020】また、本発明の樹脂成形型に好ましく用い
られるウイスカーは、径が0.3〜1μ、長さが10〜
70μおよびアスペクト比10〜100であることが好
ましく、径が0.3〜0.7μ、長さが20〜50μ、
アスペクト比が20〜70であることがより好ましい。
ウイスカーの径が0.3μ未満であると樹脂成形型の強
度および耐久性の向上効果が小さくなり、一方1μを超
えると樹脂材料の粘度増大を招き、取り扱い性、造形性
が低下し易い。また、ウイスカーの長さが10μ未満で
あると樹脂成形型の強度および耐久性の向上効果が小さ
くなり、一方70μを超えると樹脂材料の粘度増大を招
き、取り扱い性、造形性が低下し易い。また、ウィスカ
ーのアスペクト比が10未満であると、強度および寸法
精度の向上効果が得られにくい。なお、本明細書でいう
ウイスカーの寸法およびアスペクト比は、レーザー回析
/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した寸法および
アスペクト比である。
【0021】ウイスカーの種類は特に制限されず、例え
ば、ホウ酸アルミニウム系ウイスカー、酸化アルミニウ
ム系ウイスカー、窒化アルミニウム系ウイスカー水、酸
化硫酸マグネシウム系ウイスカー、酸化チタン系ウイス
カーなどを挙げることができ、前記したウイスカーの1
種または2種以上を用いることができる。
【0022】樹脂成形型を構成する樹脂材料が、充填材
としてウイスカーを単独で含む場合は、樹脂成形型の強
度、剛性、耐熱性、寸法精度の向上などの点から、樹脂
材料の全容量(樹脂成分とウィスカーの合計容量)に基
づいて、ウィスカーを5〜30容量%の割合で含有する
ことが好ましく、7〜20容量%の割合で含有すること
がより好ましい。
【0023】樹脂成形型を構成する樹脂材料が、粒状充
填材とウイスカーの両方を含有する場合は、粒状充填材
およびウィスカーの含有量は、樹脂材料の全容量(樹脂
成分と粒状充填材およびウィスカーの合計容量)に基づ
いて、粒状充填材含有量が5〜60容量%、ウィスカー
含有量が5〜30容量%、両者の合計含有量が10〜7
0容量%であることが好ましく、粒状充填材が10〜5
0容量%、ウィスカーが5〜20容量%、両者の合計含
有量が20〜60容量%であることがより好ましい。
【0024】樹脂材料中に配合し得る上記した粒状充填
材およびウィスカーの一方または両方はシランカップリ
ング剤で表面処理されていてもよく、両方がシランカッ
プリング剤で表面処理されていることが好ましい。粒状
充填材および/またはウイスカーがシランカップリング
剤で表面処理されている場合には、樹脂成形型の熱変形
温度、曲げ弾性率、機械的強度が一層良好になる。その
場合のシランカップリング剤としては、充填剤の表面処
理などに従来から用いられているシランカップリング剤
のいずれもが使用でき、好ましいシランカップリング剤
としては、アミノシラン、エポキシシラン、ビニルシラ
ンおよび(メタ)アクリルシランを挙げることができ
る。より具体的には、γ−アミノプロピルトリエトキシ
シラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ
−アミノプロピルメチルジメトキシシランなどのアミノ
シラン;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エ
チルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシランなどのエポキシシラン;ビニルトリク
ロロシラン、ビニルジエトキシシラン、ビニル−トリス
(β−メトキシエトキシシラン)などのビニルシラン;
トリメトキシシランメタクリレートなどの(メタ)アク
リルシランなどを挙げることができ、これらのシランカ
ップリング剤の1種または2種以上を用いることができ
る。しかしながら、樹脂成形型の製造に用いる樹脂材料
の種類によっては、シランカップリング剤の効果が異な
ることがあるので、各々の樹脂材料に適したシランカッ
プリング剤を選択して粒状充填材および/またはウイス
カーの表面処理を行うことが好ましい。例えば、樹脂成
形型を製造する樹脂材料として、ビニル系不飽和化合物
から主としてなる光硬化性樹脂を用いる場合は、ビニル
シランおよび/または(メタ)アクリルシランを用いる
ことが好ましく、またエポキシ系化合物から主としてな
る光硬化性樹脂を用いる場合はエポキシシランを用いる
ことが好ましい。
【0025】本発明では、樹脂成形型製造用の樹脂材料
として、積層工程と硬化または固化工程を繰り返するこ
とによって樹脂成形型を製造し得る樹脂材料であればい
ずれも使用でき、例えば、光硬化性樹脂材料、熱硬化性
樹脂材料、湿分硬化性樹脂材料、酸素硬化性樹脂材料、
混合により反応を生ずる多液型の化学反応性樹脂材料、
冷却により固化する熱溶融性樹脂材料などを挙げること
ができる。そのうちでも、本発明では樹脂成形型を形成
する樹脂材料としては液状の光硬化性樹脂材料を用い
て、光学的立体造形法によって樹脂成形型を製造する方
法が好ましく採用される。
【0026】樹脂成形型を形成するための液状の光硬化
性樹脂材料としては、光学的立体造形法などにおいて従
来から用いられている液状の光硬化性樹脂材料のいずれ
もが使用でき、各種オリゴマー、各種の単官能性ビニル
化合物、多官能性ビニル化合物、エポキシ系化合物など
の1種または2種以上と、光重合開始剤および必要に応
じて増感剤などを含有する液状の光硬化性樹脂材料が好
ましく用いられる。限定されるものではないが、本発明
で用い得るオリゴマー、単官能性ビニル化合物、多官能
性ビニル化合物、エポキシ系化合物の具体例としては、
以下のものを挙げることができる。
【0027】[オリゴマー]ウレタンアクリレートオリ
ゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、エステルア
クリレートオリゴマーなど。
【0028】[アクリル系化合物] ○単官能性化合物:イソボルニルアクリレート、イソボ
ルニルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレー
ト、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペン
テニロキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニロキ
シエチルメタクリレート、ジシクロペタニルアクリレー
ト、ジシクロペタニルメタクリレート、ボルニルアクリ
レート、ボルニルメタクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、フェノキシエチルアク
リレート、モルホリンアクリルアミド、モルホリンメタ
クリルアミド、アクリルアミドなど。 ○多官能性ビニル化合物:トリメチロールプロパントリ
アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロール
プロパントリアクリレート、エチレングリコールジアク
リレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、
ポリエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタ
ンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオール
ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、ジシクロペンタニルジアクリレート、ポリエステル
ジアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノー
ルAジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリ
レート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プ
ロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリア
クリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノール
Aジアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソ
シアヌレートなど。
【0029】[重合性ビニル化合物]N−ビニルピロリ
ドン、N−ビニルカプロラクタム、酢酸ビニル、スチレ
ンなど。 [エポキシ化合物]水素添加ビスフェノールAジグリシ
ジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル
−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピ
ロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキ
サン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)
アジペートなど。
【0030】上記したオリゴマー、単位官能性化合物お
よび多官能性化合物は、単独で使用してもまたは2種以
上の混合物の形で使用してもよい。
【0031】また、本発明の樹脂成形型を形成するため
の液状の光硬化性樹脂材料に用いる光重合開始剤は特に
制限されず、光硬化性樹脂材料で従来から用いられてい
る光重合開始剤のいずれもが使用できる。光重合開始剤
の代表例としては、2,2−ジメトキシ−2−フェニル
アセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニ
ルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、キサント
ン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、ア
ントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3
−メチルアセトフェノン、ミヒラーケトンなどを挙げる
ことができ、これらの1種または2種以上を用いること
ができる。また、必要に応じて、アミン系化合物などの
増感剤を併用してもよい。
【0032】また、上記したオリゴマー、単位官能性化
合物および多官能性化合物の多くは、加熱によっても重
合させることができるので、上記した光重合開始剤と共
に、熱重合開始剤を用いてよく、熱重合開始剤の代表例
としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパー
オキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、ジイソ
プロピルカーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオ
キサイド、アゾビスブチロニトリルなどを挙げることが
できる。
【0033】樹脂成形型の形成に用いる樹脂材料とし
て、エポキシ化合物を用いる場合は、トフェニルホスホ
ニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのエネルギー
活性カチオン開始剤を用いることができる。
【0034】樹脂成形を構成するる樹脂材料は、必要に
応じて、レベリング剤、界面活性剤、有機高分子改質
剤、有機可塑剤などの1種または2種以上を含有してい
てもよい。
【0035】本発明の樹脂成形型の製造に当たっては、
作業面上に樹脂材料を所定の形状、面積、厚さに施し、
それを樹脂材料の種類などに応じて、光重合、熱重合、
化学反応、湿分硬化反応、冷却などによって硬化または
固化させ、その層の上に更に該樹脂材料を積層して硬化
または固化させる工程を繰り返して造形物を製造し得る
方法であれば、いずれの方法を採用してもよい。そのう
ちでも、本発明では、上述のように光硬化性樹脂材料を
用いて光学的立体造形法によって樹脂成形型を製造する
方法が好ましく採用される。なお、造形物(樹脂成形
型)の製造過程で、造形物が不安定になり倒れる恐れが
ある場合には、造形物を支えるための支持体(一般的に
サポートと言う)を設置して造形を行うのが好ましい。
【0036】光硬化性樹脂材料を用いて光学的立体造形
法によって本発明の樹脂成形型を製造するに当たって
は、従来既知の光学的立体造形方法および装置のいずれ
もが使用できる。そのうちでも、本発明では、樹脂を硬
化させるための光エネルギーとして、Arレーザー、H
e−Ldレーザー、キセノンランプ、メタルハライドラ
ンプ、水銀灯、蛍光灯などからは発生される活性エネル
ギー光線を用いるのが好ましく、レーザー光線が特に好
ましく用いられる。活性エネルギー光線としてレーザー
光線を用いた場合には、エネルギーレベルを高めて造形
時間を短縮することが可能であり、しかもレーザー光線
の良好な集光性を利用して、造形精度の高い樹脂成形型
を得ることができる。
【0037】光硬化性樹脂材料を用いて光学的立体造形
法によって樹脂成形型を製造するに当たっては、樹脂成
形型における樹脂材料の積層方向が、樹脂成形型からの
成形品の抜き方向に対して斜めまたは直角の方向、この
好ましくは樹脂材料の積層方向と樹脂成形型からの成形
品の抜き方向のなす角度が30°〜90°になるように
して、コンピューターのデーターを予め設計しておき、
そのデーターにしたがって、1つの層に所定のパターン
を有する硬化層が得られるように活性エネルギー光線を
選択的に照射して硬化層を形成し、次いでその硬化層に
未硬化液状の光硬化性樹脂組成物を供給し、同様に活性
エネルギー光線を照射して前記の硬化層と連続した所定
のパターンの硬化層を新たに形成する積層する操作を繰
り返すことによって、本発明の樹脂成形型を製造する。
それによって得られる樹脂成形型はそのまま用いても、
また場合によっては更に光照射によるポストキュアや熱
によるポストキュアなどを行って、その力学的特性や形
状安定性などを一層高いものとしてから使用するように
してもよい。
【0038】本発明の樹脂成形型では、樹脂材料の積層
方向が樹脂成形型からの成形品の抜き方向に対して斜め
または直角の方向になっている限りは、その構造、形
状、サイズなどは特に制限されず、樹脂成形型の用途、
使用形態などに応じて決めることができる。
【0039】また、本発明の樹脂成形型では、その硬度
なども樹脂成形型の用途や使用形態などに応じて決める
ことができ、樹脂成形型を構成する樹脂材料は軟質、半
硬質または硬質のいずれであってもよい。一般的には、
樹脂成形型の表面硬度がロックウエル表面硬度での指数
がM−30以上で、曲げ弾性率が400kg/mm2
上であることが、樹脂成形型を用いて各種成形加工を行
う際の取り扱い性、成形加工精度、耐久性などの点から
好ましく、ロックウエル表面硬度での指数がM−50以
上で、曲げ弾性率が600kg/mm2以上であること
がより好ましい。前記した表面硬度および曲げ弾性率を
有する樹脂成形型は、樹脂成形型を形成する樹脂材料中
に前記した充填材を配合することによって容易に得るこ
とができる。さらに、本発明の樹脂成形型を、例えば射
出成形などのように型内の熱を外部に逃がす必要がある
成形加工に用いる場合は、樹脂成形型の熱伝導率を0.
3Kcal/m・hr・℃以上にすることが好ましく、
0.4Kcal/m・hr・℃以上にすることがより好
ましい。熱伝導率の高い樹脂成形型を用いて成形加工を
行う場合は、成形加工時の冷却時間が短縮されて生産性
を向上することができる。
【0040】本発明の樹脂成形型の用途は特に制限され
ず従来の樹脂成形型と同様の用途に使用することがで
き、特にプラスチックの射出成形用、発泡成形用、RI
M成形(Reaction Injection Molding)用、注型
用、真空注型用、真空成形用またはアルミ板のプレス用
の型として有効に使用できる。
【0041】
【実施例】以下に実施例などによって本発明について具
体的に説明するが、本発明は以下の例によって何ら限定
されない。
【0042】《参考例1》[光硬化性樹脂材料の製造] (1) 攪拌機、冷却管および側管付きの滴下ロートを
備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、イソホロ
ンジイソシアネート888g、モルホリンアクリルアミ
ド906gおよびジブチル錫ジラウレート1.0gを仕
込んで、オイルバスで内温が80〜90℃になるように
加熱した。 (2) 予め50℃に保温した上記の側管付きの滴下ロ
ートにグリセリンモノメタクリレートモノアクリレート
856gにメチルヒドロキノン0.7gを均一に混合溶
解させた液を仕込み、この滴下ロート内の液を、上記
(1)のフラスコ中の内容物に、窒素雰囲気下でフラス
コの内容物の温度を80〜90℃に保ちながら撹拌下に
滴下混合して、同温度で2時間撹拌反応させた。 (3) 次いで、フラスコの内容物の温度を60℃に冷
却した後、別の滴下ロートに仕込んだペンタエリスリト
ールのプロピレンオキサイド4モル付加物366gを素
早く滴下し、内容物の温度を80〜90℃に保って4時
間反応させ、得られたウレタンアクリレートオリゴマー
とモルホリンアクリルアミドを含む反応生成物を温かい
うちにフラスコから取り出した。
【0043】(4) 攪拌機、冷却管および側管付き滴
下ロートを備えた内容積5リットルの三つ口フラスコ
に、上記(3)で得られたウレタンアクリレートオリゴ
マーとモルホリンアクリルアミドを含む反応生成物20
20g、モルホリンアクリルアミド454gおよびジシ
クロペンタニルジアクリレート1060gを仕込んで減
圧脱気窒素置換した。次いで、紫外線を遮断した環境下
に、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン11
8gを添加し、完全に溶解するまで温度25℃で混合攪
拌して、無色透明な粘稠液体である光硬化性樹脂を得
た。この光硬化性樹脂の温度25℃における粘度を回転
式B型粘度計を用いて測定したところ、2100cps
であった。 (5) 上記(4)で得られた光硬化性樹脂の全量(3
652g)を万能撹拌機(ダルトン株式会社製;内容積
10リットル)に移し、レベリング剤として竹本油脂株
式会社製の「スーパーダインV201」27g、アクリ
ルシラン系カップリング剤で処理されたガラスビーズ
(平均粒径15μ)4169g(最終的に得られる光硬
化性樹脂材料の全容量に基づいて32容量%)、および
アクリルシラン系カップリング剤で処理したホウ酸アル
ミニウムウイスカー(径0.5〜0.7μ、アスペクト
比50〜70)1251g(最終的に得られる光硬化性
樹脂材料の全容量に基づいて8容量%)を添加して一日
撹拌し、脱泡処理して、光硬化性樹脂材料を製造した。
この光硬化性樹脂の温度25℃における粘度を回転式B
型粘度計を用いて測定したところ、40,000cps
であった。
【0044】《実施例1》 (1) 上記の参考例1で得られた光硬化性樹脂材料を
用いて、高高速光造形システム[帝人製機株式会社製
「SOLIFORM500」)を使用して、水冷Arレ
ーザー光(出力500mV、波長333、351、36
4mμ)を表面に対して垂直に照射して、照射エネルギ
ー20〜30mJ/cm2の条件下にスライスピッチ
(積層厚み)0.05mm、1層当たりの平均造形時間
2分で光造形を行い、樹脂成形型における光硬化性樹脂
材料の積層方向と樹脂成形型からの成形品の抜き方向の
なす角度が45°である、図1の(a)に示すような、
雄型1と雌型2よりなる樹脂成形型を製造した。なお、
図1の(a)には表示していないが、樹脂成形型を製造
する際、樹脂成形型が倒れないようにするために、傾斜
面を柱状の支持体で支持しながら製造した。得られた樹
脂成形型に付着している樹脂液をイソプロピルアルコー
ルで洗浄除去した後、3KWの紫外線を10分間照射し
て硬化し、さらに150℃で30分間ポストキュアし
た。 (2) 上記(1)で得られた樹脂成形型にゲート3お
よびピン穴4などを機械加工により形成して、図1の
(b)に例示する樹脂成形型とした後、その樹脂成形型
を型締圧力80トンの射出成形機にセットし、型の成形
面に離型剤(ダイキン工業株式会社製「ダイフリーGA
−6310」)を成形の都度スプレー塗布しながら、ポ
リブチレンテレフタレート樹脂を、射出温度260℃、
射出圧力400kgf/cm2の条件下に、90秒に1
個の成形間隔で射出成形したところ、成形品を74個製
造する時点まで樹脂成形型の破損が全く生じなかった。
【0045】《実施例2》 (1) 実施例1の(1)と同様の操作を行って、樹脂
成形型における光硬化性樹脂材料の積層方向と樹脂成形
型からの成形品の抜き方向のなす角度が90°である図
2の(a)に例示する雄型1と雌型2よりなる樹脂成形
型を製造した後、樹脂成形型にゲート3、ピン穴4など
を機械加工で形成して図2の(b)に例示する樹脂成形
型を作製した。 (2) 上記(1)で得られた樹脂成形型を用いて、実
施例1の(2)と同様にしてポリブチレンテレフタレー
ト樹脂を射出成形したところ、成形品を150個製造し
た後でも樹脂成形型の破損が全く生じなかった。
【0046】《比較例1》 (1) 実施例1の(1)と同様の操作を行って、樹脂
成形型における光硬化性樹脂材料の積層方向と樹脂成形
型からの成形品の抜き方向のなす角度が0°(光硬化性
樹脂の積層方向と樹脂成形型からの成形品の抜き方向が
平行)である図3の(a)に例示する雄型1と雌型2よ
りなる樹脂成形型を製造した後、樹脂成形型にゲート
3、ピン穴4などの機械加工で形成して、図3の(b)
に例示する樹脂成形型を作製した。 (2) 上記(1)で得られた樹脂成形型を用いて、実
施例1の(2)と同様にしてポリブチレンテレフタレー
ト樹脂を射出成形したところ、成形品を15個製造した
時点で樹脂成形型の一部の破損が観察され、成形品を3
0個製造した時点で、雄型に成形品が付着した状態で雄
型の突出部が根元からその積層面に沿って破損分離して
しまい、以後の成形の継続が不可能になった。
【0047】
【発明の効果】本発明の樹脂成形型は、樹脂成形型にお
ける樹脂材料の積層方向が樹脂成形型からの成形品の抜
き方向に対して斜めまたは直角になっているために、樹
脂成形型の型開き時および樹脂成形型からの成形品の抜
き取り時に、樹脂成形型を構成している多数の樹脂層間
に層間剥離が生じず、強度および耐久性に極めて優れて
おり、プラスチックの成形加工用やその他の加工用の型
として、多数回に亙って繰り返して使用することができ
る。充填材、特に粒状充填材および/または面配向性充
填材を含有する樹脂材料を用いて形成されている前記し
た本発明の樹脂成形型は、強度、耐久性、寸法安定性な
どの特性に一層優れている。本発明の方法による場合
は、前記した優れた特性を有する樹脂成形型を、マスタ
ーモデルの作製し、該マスターモデル表面と包囲板の内
表面への離型剤の塗布、マスターモデルと包囲板とによ
って形成された空間内への成形用プラスチック材料の充
填などの複雑で手間の係る多段工程を経ることなく、簡
単な工程で、寸法精度良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂成形型の製造法の一例およびそれ
により得られる樹脂成形型の例を示す図である。
【図2】本発明の樹脂成形型の製造法の別の例およびそ
れにより得られる樹脂成形型の例を示す図である。
【図3】従来の樹脂成形型の製造法およびそれにより得
られる樹脂成形型を示す図である。
【符号の説明】
A 樹脂成形型製造時の樹脂材料の積層方向 B 樹脂成形型からの成形品の抜き方向(離型方向) 1 雄型 2 雌型 3 ゲート 4 ピン穴
フロントページの続き (72)発明者 小田 実生 千葉県千葉市緑区大野台1−4−13 帝人 株式会社千葉研究センター内 (72)発明者 大竹 信 神奈川県川崎市高津区坂戸3−2−1 K SP,D棟4F 帝人製機株式会社内 (72)発明者 萩原 恒夫 神奈川県川崎市高津区坂戸3−2−1 K SP,D棟4F 帝人製機株式会社内 Fターム(参考) 4F202 AJ03 AJ08 AJ09 CA01 CA09 CA11 CA13 CA17 CB01 CD28 CD30 CK90 4F213 AJ03 AJ08 AJ09 WA25 WB01 WL02 WL32 WL67

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂材料を積層し硬化または固化させる
    工程を繰り返して製造した樹脂成形型であって、樹脂成
    形型における樹脂材料の積層方向が、樹脂成形型からの
    成形品の抜き方向に対して斜めまたは直角であることを
    特徴とする樹脂成形型。
  2. 【請求項2】 樹脂成形型における樹脂材料の積層方向
    と、樹脂成形型からの成形品の抜き方向のなす角度が3
    0°〜90°である請求項1に記載の樹脂成形型。
  3. 【請求項3】 充填材を含有する樹脂材料よりなる請求
    項1または2に記載の樹脂成形型。
  4. 【請求項4】 充填材が、粒状充填材および面配向性充
    填材から選ばれる少なくとも1種の充填材である請求項
    3に記載の樹脂成形型。
  5. 【請求項5】 面配向性充填材がウィスカーである請求
    項4に記載の樹脂成形型。
  6. 【請求項6】 光硬化性樹脂材料を用いて光学的立体造
    形法で製造した樹脂成形型である請求項1〜5のいずれ
    か1項に記載の樹脂成形型。
  7. 【請求項7】 プラスチックの射出成形、発泡成形、R
    IM成形、注型、真空注型、真空成形またはアルミ板の
    プレス加工に用いる型である、請求項1〜6のいずれか
    1項に記載の樹脂成形型。
  8. 【請求項8】 硬化または固化した樹脂層の上に樹脂材
    料を更に積層して硬化または固化する工程を繰り返して
    樹脂成形型を製造する方法であって、樹脂成形型からの
    成形品の抜き方向に対して、樹脂材料を斜めまたは直角
    の方向に積層して硬化または固化する工程を繰り返すこ
    とを特徴とする樹脂成形型の製造方法。
  9. 【請求項9】 樹脂成形型における樹脂材料の積層方向
    と、樹脂成形型からの成形品の抜き方向のなす角度が3
    0°〜90°になるようにして樹脂材料の積層と硬化ま
    たは固化を繰り返して行う請求項8に記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 充填材を含有する樹脂材料を用いる請
    求項8または9に記載の製造方法。
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