JPH06305785A - 合わせ硝子の製造方法 - Google Patents

合わせ硝子の製造方法

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JPH06305785A
JPH06305785A JP10303993A JP10303993A JPH06305785A JP H06305785 A JPH06305785 A JP H06305785A JP 10303993 A JP10303993 A JP 10303993A JP 10303993 A JP10303993 A JP 10303993A JP H06305785 A JPH06305785 A JP H06305785A
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JP
Japan
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irradiation
glass
laminated glass
alkyl group
carbon atoms
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JP10303993A
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English (en)
Inventor
Mina Oohayashi
美奈 大林
Yukishige Takamatsu
幸茂 高松
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 複数の硝子(1)の隙間内に下記化合物(a)
(b)(c) からなる光硬化性組成物(3)を注入し、波長
360nmでの光強度が10mW/cm2 〜1000m
W/cm2 、積算光量が1000mJ/cm2 〜500
0mJ/cm2 の紫外線を照射する第1の照射と、必要
に応じて波長360nmでの光強度が0.1mW/cm
2 〜10mW/cm2 の紫外線を照射する第2の照射を
行ない該光硬化性組成物を硬化させ、かつ第1の照射と
第2の照射の積算光量の総量が少なくとも3000mJ
/cm2 であることを特徴とする合わせ硝子の製造方
法。 (a) 特定構造のラジカル重合性化合物、(b) ポリアルキ
レングリコールのモノエーテル等の特定の非ラジカル重
合性化合物、(c) 光重合開始剤。 【効果】 合わせ硝子の中間層が数cmと厚くても硬化
時の硬化性組成物の対流や脈理が発生しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な合わせ硝子の製造
方法に関し、特に大型テレビの前面硝子に用いる合わせ
硝子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】複数枚の硝子板を重ね合わせ接着した合
わせ硝子は安全性の面から優れており、自動車の安全硝
子、大型テレビの爆縮防止用硝子などに利用されてい
る。この様な合わせ硝子の硝子間に介在する中間層(接
着剤硬化物層等)には、硝子が破壊しても破損しない強
靱性とともに、硝子との接着性にも優れ、かつ十分な透
明性を有していることが要求される。
【0003】合わせ硝子を製造する従来法の一つとし
て、硝子板の間に中間層となる樹脂膜体を挿入して予備
圧着させた後、オートクレーブ中で加温しながら最終的
な圧着を行う方法がある。しかし、この従来法は工程が
複雑であり、オートクレーブ処理を要するため連続的な
生産が難しく、製造コストも高くなる。
【0004】合わせ硝子を製造する他の従来法として、
スペーサーを介して硝子板を重ね、その端をポリエステ
ルテープ、ブチルゴム等のゴムシート、または光硬化型
樹脂等の樹脂シーラントでシールし、液状接着剤組成物
を注入し、熱または光によってこの接着剤組成物を硬化
させる方法がある。この従来法は、前述のオートクレー
ブを使用する方法に比べて生産性が優れているので、テ
レビの爆縮防止用硝子の製造などに実用化されつつあ
る。
【0005】また本願出願人は、特定成分から成る硝子
用接着剤について先に出願した(特開昭63−1000
45号)。この光硬化型接着剤を用いれば、接着剤の硬
化物層と硝子とが剥離せず、また硬化物の硬化ヒケの少
ない合わせ硝子製品を製造することができる。更には最
終製品として得られる硝子に不良品が生じた場合でも、
シーラント及び中間層の接着剤硬化物を安全に切断分離
することにより硝子を回収再使用することも可能とな
る。この光硬化型接着剤を硬化させる方法としては、硬
化収縮に伴う内部応力を小さくして硬化物と硝子との剥
離を防止するために、低出力のランプを用いてゆっくり
硬化させる方法がとられていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年に
おいては、合わせ硝子製品の大型化の要請が更に強ま
り、特にCRTディスプレイを用いるテレビの用途では
従来よりワイドな平面画面を有するテレビの要求が多
い。そして、これに用いる合わせ硝子製品においては、
重ね合わせる隙間部分を従来より厚くする、すなわち接
着剤硬化物層を数mmより最大数cmまで厚くする必要
が生じてきた。ところが、先述した硝子用接着剤を用
い、低出力のランプを用いてゆっくり硬化させた場合
は、接着剤硬化物層を厚くすると、硬化時に接着剤組成
物の対流が起こり、そのため「脈理」とよばれる光学ム
ラが発生し易くなる。この脈理が合わせ硝子内に少しで
も存在すると、合わせ硝子を通して像がゆがんで見える
ので、テレビの商品価値が大きく低下させることにな
る。
【0007】本発明は、この様な従来技術の課題を解決
すべくなされたものである。すなわち本発明の目的は、
合わせ硝子の中間層を厚くしても脈理が生じず、かつ物
性の優れた合わせ硝子の製造方法を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、複
数の硝子を互いに離して隙間を形成し、該隙間内に下記
化合物(a)、(b)および(c)を主成分とする光硬
化性組成物を注入し、波長360nmでの光強度が10
mW/cm2 〜1000mW/cm2 、積算光量が10
00mJ/cm2 〜5000mJ/cm2 の紫外線を照
射する第1の照射と、必要に応じて波長360nmでの
光強度が0.1mW/cm2 〜10mW/cm2 の紫外
線を照射する第2の照射を行ない該光硬化性組成物を硬
化させ、かつ該第1の照射の積算光量と必要に応じて行
なう該第2の照射の積算光量の総量が少なくとも300
0mJ/cm2 であることを特徴とする合わせ硝子の製
造方法により達成できる。
【0009】(a)下記一般式(I)、(II)または(I
II) で表わされる少なくとも1種のラジカル重合性化合
物。
【0010】
【化4】 (式I中、R1 、R2 、R3 は水素原子またはメチル
基、R4 は炭素数1〜12のアルキル基または炭素数1
〜12のアルキル基を有するアルキルフェニル基、l及
びmは0または1以上の整数(ただしl=m=0を除
く))
【0011】
【化5】 (式II中、R5 、R8 、R9 は水素原子またはメチル
基、R6 は水素原子または炭素数1〜12のアルキル
基、xは1以上の整数、R7 は炭素数1〜12のアルキ
ル基または炭素数1〜12のアルキル基を有するアルキ
ルフェニル基、l及びmは0または1以上の整数(ただ
しl=m=0を除く)、Aはポリイソシアネート残基で
ある。)
【0012】
【化6】 (式III 中、R10、R12は水素原子またはメチル基、R
11、R13は水素原子または炭素数1〜12のアルキル
基、x、yは1以上の整数、Aはポリイソシアネート残
基、Bはポリアルキレングリコール残基) (b)ポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリ
コールのモノエーテル又はモノエステル、及びポリアル
キレングリコールのジエーテル又はジエステルから選ば
れる少なくとも1種の非ラジカル重合性化合物。
【0013】(c) 光重合開始剤。
【0014】なお光硬化性組成物の注入は、前記隙間の
周囲を注入口を残してシーリング材でシールした後、注
入口より前記隙間内に注入することが望ましい。
【0015】
【作用】本発明において使用する光硬化性組成物は、特
定の成分 (a)〜(c) を主成分とするので、.粘度が低
く注入作業がし易い、.硬化物と硝子との接着力が大
きい、.硬化物が切断し易い、.硬化収縮量が小さ
い等、合わせ硝子の中間層として好適な特性を有してい
る。
【0016】ラジカル重合性化合物[(a) 成分]は、前
記一般式(I)、(II)または(III) で表わされる少な
くとも1種の化合物である。一般式(I)で表わされる
化合物は、ポリアルキレングリコールのモノエーテルと
(メタ)アクリル酸との縮合物として得ることができ
る。一般式(II)で表わされる化合物は、ポリアルキレ
ングリコールのモノエーテルとジイソシアネート及びモ
ノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとのモル比
1/1/1の反応物(ウレタンモノアクリレート)とし
て得ることができる。一般式(III) で表わされる化合物
は、ポリアルキレングリコールとジイソシアネートとモ
ノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとのモル比
1/2/2の反応物として得ることができる。
【0017】ラジカル重合性化合物[(a) 成分]の配合
量は5〜95重量%が好ましい。この配合量が5重量%
未満だと硬化不良となる傾向にある。一方、この配合量
が95重量%を越えると硬化時の収縮が大きくなり、こ
れに伴う硬化時の内部応力、および加熱、冷却時におけ
る硝子と中間層との熱膨張率の差に伴う内部応力によっ
て、中間層が硝子から剥離する傾向にある。
【0018】また、本発明の効果を損なわない範囲内
で、このラジカル重合性化合物[(a)成分]以外の種々
のラジカル重合性のモノマー、オリゴマー類等を、諸性
能の改良のため併用することができる。例えば、硬化物
と硝子との接着性向上のために、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有モノマ
ー、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有モノマ
ーなどを併用できる。また例えば、硬化物の凝集力向上
のために、架橋成分となる種々の多官能モノマー、オリ
ゴマー類を併用できる。更には、コストダウンのために
比較的低コストの汎用モノマー、例えば2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリ
レート類を併用できる。
【0019】非ラジカル重合性化合物[(b) 成分]は、
ポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール
のモノエーテル又はモノエステル、及びポリアルキレン
グリコールのジエーテル又はジエステルから選ばれる少
なくとも1種の化合物である。この非ラジカル重合性化
合物[(b) 成分]は、ラジカル重合性化合物[(a) 成
分]の硬化時の収縮に基づく光硬化性組成物の硬化収縮
を緩和する作用を奏する。合わせ硝子を、特に大型テレ
ビの爆縮防止用硝子に使用する場合、非ラジカル重合性
化合物[(b) 成分]としては、蒸発速度の低く、ラジカ
ル重合性化合物[(a) 成分]との相溶性が良く、さらに
ラジカル重合性化合物[(a) 成分]の硬化物中に均一分
散し透明性の良いものを用いることが好ましい。
【0020】非ラジカル重合性化合物[(b) 成分]の配
合量は5〜95重量%が好ましい。この配合量が95重
量%を越えると硬化不良となる傾向にある。一方、この
配合量が5重量%未満だと硬化収縮が大きくなり、中間
層が硝子から剥離が起き易い傾向にある。
【0021】また、本発明の効果を損なわない範囲内
で、この非ラジカル重合性化合物[(b) 成分]以外の種
々の非ラジカル重合性化合物、例えばアルコール類、エ
ステル類、エーテル類、ケトン類、炭化水素類等を併用
することもできる。
【0022】この様な特定の構造を有するラジカル重合
性化合物[(a) 成分]および非ラジカル重合性化合物
[(b) 成分]を含むことにより、光硬化性組成物は光硬
化性を奏するとともに、硬化時の収縮に伴う内部応力、
及び加熱時、冷却時に生ずる内部応力を有効に除去でき
る。
【0023】光重合開始剤[(c) 成分]は、光硬化性組
成物を硬化させるために必要な成分であり、単独または
組み合わせて用いられる。具体的には、ベンゾインプロ
ピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジ
メチルケタール、フェニルアセトフェノン、アセトフェ
ノン、チオキサントン、アントラキノン、2−エチルア
ントラキノン、カンファーキノン、2−ベンジル−2−
ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブ
タン−1−オン、2−メチル[4−(メチルチオ)フェ
ニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−メ
チル[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリ
ノブタン−1−オン、ベンゾフェノン、キサントフルオ
レノン、ベンズアルデヒド、3−メチルアセトフェノ
ン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベ
ンゾフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2
−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2,
4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィン
オキサイド、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニ
ルプロパン−1−オン等が挙げられる。また、分子中に
少なくとも1個のアクリロイル基又はメタクリロイル基
を有する光重合開始剤も用いることができる。
【0024】また、吸収波長が360nm以上にある光
重合開始剤を用いると、更に深部硬化性が良くなる。こ
れによって合わせ硝子の中間層(光硬化性組成物の硬化
物層)を更に厚くすることも可能となる。
【0025】光重合開始剤[(c) 成分]の配合量は0.
01〜10重量部が望ましく、更に0.01〜3重量部
が好ましい。この配合量が0.01重量部未満では硬化
速度が極端に遅くなる傾向にある。一方、この配合量が
10重量部を越えると、開始剤自身による着色のため外
観上問題となる傾向にある。
【0026】更に光硬化性組成物中には、硝子との接着
性を向上させるためシランカップリング剤を添加するこ
とが特に有効である。このシランカップリング剤として
は、従来より公知の種々のものを用いることができる。
ただし、耐水性及び接着剤の経時安定性の点から、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシランタイプのもの
が好適である。また、硝子の表面を予めシランカップリ
ング剤処理を施すことにより、中間硬化物と硝子との接
着性を向上させることもできる。
【0027】また光硬化性組成物中には、合わせ硝子に
意匠性を付与すべく種々の染料、顔料等を添加すること
も諸性能を損なわない範囲で、用途に応じて行なうこと
ができる。
【0028】次に、本発明の合わせ硝子の製造方法の態
様を、図1〜図3を参照しつつ詳細に説明する。
【0029】本発明においては、まず図1および図2に
示す様に、複数の硝子を互いに離して隙間を形成し、そ
の隙間内に光硬化性組成物を注入する。図1は2枚の硝
子板の隙間に光硬化性組成物を充填した状態を表す平面
図であり、図2は図1のA−A’線の断面図である。こ
の態様においては、まず一方の硝子板1の周端部(注入
口4となる部分は除く)にスペーサーを兼ねたシーリン
グ材2を施し、その上に他方の硝子板1’を重ね、この
2枚の硝子板1,1’をシーリング材2の接着力により
接合する。次に、注入口4から光硬化性組成物3を注入
し充填する。
【0030】この硝子1,1’は、無機硝子に限定され
ない。例えばポリメタクリレート板、ポリカーボネート
板など、従来より合わせ硝子に用いられる各種の公知材
料を使用し得る。
【0031】このシーリング材2は、光硬化性組成物を
隙間にシールし得る材料であればよく、例えばテープ、
ゴムシート、接着剤樹脂などが用い得る。特に、硝子と
の接着力が大きく、硝子との間で切断し易く、充填され
る光硬化性組成物の硬化による残存応力を吸収でき、光
硬化性組成物の硬化に伴う収縮に追随できる等の諸特性
を兼ね備えた材料を用いることが好ましい。とりわけ光
硬化性組成物の硬化物層の厚さが増すと、光硬化性組成
物の収縮に伴う体積変化の総量が大きくなるので、ポリ
エステルテープ等のテープでシールし、四隅のスペーサ
ーとしてブチルゴムなどのゴムシートや樹脂シーラント
などを用いることが望ましい。
【0032】光硬化性組成物3は、シーリング材2とし
て用いることもできる。特に、この光硬化性組成物をシ
ーリング材2として用いれば、中間層とシーリング材2
との界面での剥離が生じ難く好適である。
【0033】次に図3に示す様に、隙間に充填した光硬
化性組成物3に対して第1の紫外線照射および必要に応
じて第2の紫外線照射を施し硬化させ合せ硝子を得る。
図3は、合わせ硝子の光硬化処理の様子を示す模式図で
ある。この態様においては、光源5から第1および第2
の紫外線照射によって光硬化性組成物2を硬化させ、硝
子板1と接着剤組成物3の硬化物と硝子板1’とが一体
となった合わせ硝子を得る。
【0034】ここで照射する光は、一般に、波長領域2
50nm〜450nmに属する紫外線である。この光源
5としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、アーク灯、ガリ
ウムランプ等、放射波長200〜450nmのランプが
有効であるが、特に、硬化の開始には、高圧水銀灯やメ
タルハライドランプ、フュージョン社製無電極ランプな
どが出力が高く好適であり、硬化継続にはケミカルラン
プなどが低出力で好適である。
【0035】第1の照射は、波長360nmでの光強度
が10mW/cm2 〜1000mW/cm2 、積算光量
が1000mJ/cm2 〜5000mJ/cm2 の紫外
線を照射することにより行う。この第1の照射によって
光硬化性組成物の硬化が開始する。この第1の照射によ
れば硬化物層を厚くしても透過光の光強度が十分であ
り、光硬化性組成物中の光重合開始剤が接着剤硬化物層
の隅々まで一斉に励起することが可能となり一斉に硬化
反応が開始する。したがって、光硬化性組成物の硬化物
層の硬化反応ムラより発生する接着剤組成物の対流が起
こらない。なお、第1の照射は必要に応じて複数回行な
うこともできる。
【0036】第1の照射において、波長360nmでの
光強度が10mW/cm2 未満の場合は、硬化物層が数
cmの厚膜であると脈理が発生する。一方、これが10
00mW/cm2 を越えると無駄になるエネルギーが多
くなり、装置が必要以上に大きくなって製造コストが上
がる。また第1の紫外線照射において、積算光量が10
00mJ/cm2 未満の場合は、脈理が生じ易くなる。
一方、これが5000mJ/cm2 を越えると無駄にな
るエネルギーが多くなり、製造コストが上がる。
【0037】第1の照射の後、ただちに、必要に応じて
第2の紫外線照射を行う。この第2の紫外線照射は、波
長360nmにおける光強度が0.1mW/cm2 〜1
0mW/cm2 で、第1と第2の照射の積算光量の総量
が少なくとも3000mJ/cm2 になるように行う。
これを行うことによって、残存モノマーをエネルギー効
率よく低減させることができ、硬化物の物性を上昇させ
ることができる。
【0038】この第2の照射は必要に応じて行なうもの
である。これは第1の照射の積算光量が3000mJ/
cm2 未満の場合には必須であるが、第1照射が300
0mJ/cm2 以上の場合でも行っても良い。第2の照
射が0.1mW/cm2 未満の場合は脈理が発生しやす
くなり、また硬化に要する時間が長くなりすぎる傾向に
ある。また、第1照射から第2照射までの時間が数分間
に及ぶと、その間に脈理が発生し、商品として不適当に
なり易いので、第1の照射が終了したら速やかに第2の
照射を行うことが望ましい。
【0039】本発明における硝子用接着剤組成物の硬化
の際、照射する光の積算光量としては、360nmにお
いて、3000mJ/cm2 〜100,000mJ/c
2が好ましい。積算光量が3000mJ/cm2 未満
の場合、接着剤硬化物が硬化不足となったり、脈理が生
じたりする。また、100,000mJ/cm2 を越え
て照射すると、硬化反応には無駄になるエネルギーが多
くなるため、また照射時間が長くなって生産性が悪くな
る傾向にあるので好ましくない。
【0040】
【実施例】以下、実施例により更に本発明を詳細に説明
する。なお、以下の記載において「部」は特記しない限
り「重量部」を意味する。
【0041】<実施例1> (シーリング材用接着剤の調製)ポリプロピレングリコ
ールモノブチルエーテル(三洋化成工業株式会社製、商
品名ニューポールLB−385)とイソホロンジイソシ
アネートと2−ヒドロキシプロピルアクリレートとをモ
ル比1/1/1で反応させて得たウレタンアクリレート
30部、ポリエチレングリコールノニルフェニルアクリ
レート(東亜合成化学工業株式会社製、商品名アロニッ
クスM−111)100部、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート100部、ポリエチレングリコールメチルメ
タクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名NK
−エステルM−90G)10部、ポリプロピレングリコ
ールモノブチルエーテル(三洋化成工業株式会社製、商
品名ニューポールLB−65)30部、シランカップリ
ング剤(ユニオンカーバイド社製、商品名A−187)
1部、光重合開始剤(チバガイギー社製、商品名ダロキ
ュアー1173)1部、チクソ性付与剤(日本アエロジ
ル社製、商品名アエロジル#300)8部からなるシー
リング材用接着剤を調製した。
【0042】(光硬化性組成物の調製)ポリプロピレン
グリコールモノブチルエーテル(三洋化成工業株式会社
製、商品名ニューポールLB−385)とイソホロンジ
イソシアネートと2−ヒドロキシプロピルアクリレート
とをモル比1/1/1で反応させて得たウレタンアクリ
レート30部、ポリエチレングリコールノニルフェニル
アクリレート(東亜合成化学工業株式会社製、商品名ア
ロニックスM−111)50部、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート50部、ポリエチレングリコールメチル
メタクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名N
K−エステルM−90G)10部、ポリプロピレングリ
コールモノブチルエーテル(三洋化成工業株式会社製、
商品名ニューポールLB−65)60部、シランカップ
リング剤(ユニオンカーバイド社製、商品名A−18
7)1部、光重合開始剤(チバガイギー社製、商品名ダ
ロキュアー1173)1部からなる隙間充填用光硬化性
組成物を調製した。
【0043】(合わせ硝子の製造)図1〜図3に示した
様な合わせ硝子を次の様にして作製した。
【0044】まず無処理硝子(120×120×2m
m)の上にサランラップを敷き、高さ23mmになるよ
うに先に調製したシーリング材を塗布した。更に、その
上にサランラップをかぶせ、同じ大きさの無処理硝子
を、硝子間の厚みが20mmになるように圧着し、ケミ
カルランプ(三菱電機株式会社製、光化学用蛍光ラン
プ、商品名ネオルミスーパーFL40SBL−360)
で20分照射して、シーリング材を硬化させた。次にシ
ーリング材をはがし、縦20mm、横20mm、高さ2
0mmの小片に切り出した。これらの切片を、無処理硝
子(640×840×3mm)1の4隅に1つずつ置
き、同一の大きさの硝子1’を重ねて圧着した。そし
て、上部中央の注入口部を50mmあけて、幅40mm
のポリエステルテープで2枚の硝子をシーリングした。
同様にして厚さ3mmの合わせ硝子も作製した。
【0045】次いで上記2種類の試料を、注入口を上に
し硝子板を垂直に立て、それぞれの2枚の硝子板の間に
先に調製した光硬化性組成物を注入し、ポリエステルテ
ープで注入口を塞いだ。
【0046】これらの硝子板を水平保持したまま、80
W/cm×3灯の高圧水銀灯の下を、直角方向に2m/
分の速度で通過させた後、ただちにケミカルランプにて
40分間全面一括照射し光硬化性組成物を硬化させて合
わせ硝子を得た。
【0047】<実施例2>実施例1と全く同様にして硝
子板(積層体)を作製し、80W/cm×3灯の高圧水
銀灯の下を、直角方向に1m/分の速度で通過させた
後、ただちにケミカルランプにて30分間全面一括照射
し、光硬化性組成物を硬化させて合わせ硝子を得た。
【0048】<実施例3>実施例1と全く同様にして硝
子板(積層体)を作製し、80W/cm×3灯の高圧水
銀灯の下を、直角方向に1m/分の速度で2回通過させ
て光硬化性組成物を硬化させて合わせ硝子を得た。
【0049】<実施例4>実施例1と全く同様にして硝
子板(積層体)を作製し、50W/cm×3灯の高圧水
銀灯の下を、直角方向に1m/分の速度で通過させた
後、ただちにケミカルランプにて40分間全面一括照射
し光硬化性組成物を硬化させて合わせ硝子を得た。
【0050】<実施例5>実施例1と全く同様にして硝
子板(積層体)を作製し、50W/cm×3灯の高圧水
銀灯の下を、直角方向に1m/分の速度で3回通過させ
て光硬化性組成物を硬化させて合わせ硝子を得た。
【0051】<実施例6>無処理硝子の代わりにポリメ
チルメタクリレート板を用いた以外は実施例1と全く同
様にして硝子板(積層体)を作製し、50W/cm×3
灯の高圧水銀灯の下を、直角方向に1m/分の速度で3
回通過させ、光硬化性組成物を硬化させて合わせ硝子を
得た。
【0052】<実施例7>無処理硝子の代わりにポリカ
ーボネート板を用いた以外は実施例1と全く同様にして
硝子板(積層体)を作製し、50W/cm×3灯の高圧
水銀灯の下を、直角方向に1m/分の速度で3回通過さ
せ、光硬化性組成物を硬化させて合わせ硝子を得た。
【0053】<比較例1>実施例1と全く同様にして硝
子板を作製し、80W/cm×3灯の高圧水銀灯の下
を、直角方向に2m/分の速度で通過させ、光硬化性組
成物を硬化させて合わせ硝子を得た。
【0054】<比較例2>実施例1と全く同様にして硝
子板を作製し、ケミカルランプにて90分間一括照射
し、光硬化性組成物を硬化させて合わせ硝子を得た。
【0055】<参考例1>実施例1と全く同様にして硝
子板を作製し、80W/cm×3灯の高圧水銀灯の下
を、直角方向に2m/分の速度で通過させた後、5分後
にケミカルランプにて40分間全面一括照射し光硬化性
組成物を硬化させて合わせ硝子を得た。
【0056】<評価>上記各実施例、比較例、参考例の
脈理の状態、基材との密着性について評価した結果を表
1に示す。この表に示す様に、実施例1〜7は硬化物層
の厚さが3mmのものはもちろんのこと、20mmのも
のも脈理が現れず良好なものであった。一方、比較例お
よび参考例の接着剤硬化層の厚さが20mmのものには
脈理が生じ、本テストサイズのCRTの場合有効画面内
に脈理があるため、実用に耐えないものであった。ま
た、比較例1では基材との接着性も劣っていた。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】以上説明した様に本発明によれば、合わ
せ硝子の中間層(接着剤としての光硬化性組成物の硬化
層)が数cmと厚いものであっても、硬化時に光硬化性
組成物の対流が起こることなく、良好に硬化し、そのた
め「脈理」すなわち光学ムラが発生しなくなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】2枚の硝子板の隙間に光硬化性組成物を注入し
た状態を表す平面図である。
【図2】図1中のA−A’線の断面図である。
【図3】合わせ硝子の光硬化処理の様子を示す模式図で
ある。
【符号の説明】
1,1’ 硝子板 2 シーリング材 3 光硬化性組成物 4 光硬化性組成物の注入口 5 ランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 299/02 MRR 7442−4J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の硝子を互いに離して隙間を形成
    し、該隙間内に下記化合物(a)、(b)および(c)
    を主成分とする光硬化性組成物を注入し、波長360n
    mでの光強度が10mW/cm2 〜1000mW/cm
    2 、積算光量が1000mJ/cm2 〜5000mJ/
    cm2 の紫外線を照射する第1の照射と、必要に応じて
    波長360nmでの光強度が0.1mW/cm2 〜10
    mW/cm2 の紫外線を照射する第2の照射を行ない該
    光硬化性組成物を硬化させ、かつ該第1の照射の積算光
    量と必要に応じて行なう該第2の照射の積算光量の総量
    が少なくとも3000mJ/cm2 であることを特徴と
    する合わせ硝子の製造方法。 (a)下記一般式(I)、(II)または(III) で表わさ
    れる少なくとも1種のラジカル重合性化合物。 【化1】 (式I中、R1 、R2 、R3 は水素原子またはメチル
    基、R4 は炭素数1〜12のアルキル基または炭素数1
    〜12のアルキル基を有するアルキルフェニル基、l及
    びmは0または1以上の整数(ただしl=m=0を除
    く)) 【化2】 (式II中、R5 、R8 、R9 は水素原子またはメチル
    基、R6 は水素原子または炭素数1〜12のアルキル
    基、xは1以上の整数、R7 は炭素数1〜12のアルキ
    ル基または炭素数1〜12のアルキル基を有するアルキ
    ルフェニル基、l及びmは0または1以上の整数(ただ
    しl=m=0を除く)、Aはポリイソシアネート残基で
    ある。) 【化3】 (式III 中、R10、R12は水素原子またはメチル基、R
    11、R13は水素原子または炭素数1〜12のアルキル
    基、x、yは1以上の整数、Aはポリイソシアネート残
    基、Bはポリアルキレングリコール残基) (b)ポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリ
    コールのモノエーテル又はモノエステル、及びポリアル
    キレングリコールのジエーテル又はジエステルから選ば
    れる少なくとも1種の非ラジカル重合性化合物。 (c) 光重合開始剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7754337B2 (en) 2004-08-05 2010-07-13 Sekisui Chemical Co., Ltd. Method of reforming interlayer film for heat-insulating laminated glass
JP2011116948A (ja) * 2009-12-07 2011-06-16 Samgong Co Ltd 防火ガラス用有機・無機ハイブリッド透明ヒドロゲル複合体、これを用いた防火ガラス組立体、及びその製造方法
CN105110657A (zh) * 2015-07-21 2015-12-02 辽宁乐威科技发展有限公司 一种夹层玻璃加热热风循环装置

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