JP4052857B2 - 不揮発性半導体メモリアレイ及び該メモリアレイリード方法 - Google Patents

不揮発性半導体メモリアレイ及び該メモリアレイリード方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、消去又は書き込みが実施される不揮発性半導体メモリアレイに設けられた参照メモリに関する。特に、該メモリアレイにおける当該参照メモリを利用したメモリのリード方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電気的書き換え可能なEEPROMのメモリアレイ構成例を図1に示した。図1に示した通り、消去又は書換え単位のブロックからなり複数ブロックでメモリアレイが構成されている。図2には、そのブロックの中身を示した。ブロック内は、通常1バイト(8ビット)から複数バイトで構成されており、EEPROMの場合は、スイッチトランジスタとメモリトランジスタで1ビットを構成している。図2は、ブロックが1バイト構成になっている例である。
【0003】
電気的書換え可能なEEPROMの中で、MONOS(Metal Oxide Nitride Oxide Semiconductor)型のEEPROMの構造と消去動作及び書き込み動作の概念図を図3、図4に示した。図3に示した消去動作は、メモリトランジスタのゲートにマイナスの高電圧Vppを印加し、Pウェルから窒化膜(Nitride)にホールを注入し、メモリトランジスタのスレッシュホールド電圧値(Vth)を下げる。逆に図4に示した書き込み動作は、Pウェルにマイナスの高電圧Vppを印加し、窒化膜(Nitride)に電子を注入しメモリトランジスタのVthを上げることで、メモリトランジスタに2値を記憶させる。
【0004】
そのメモリトランジスタのVthの変化の様子を図5に示した。メモリトランジスタのVthは、消去・書換えを繰り返したり年数が経過すると、初期のVthに近づくことがわかっており、この為、電気的書換え可能なEEPROMは、書換え回数及び使用年数に制限ができてしまう。制限ができることをもう少し説明すると、図5の消去Vthが劣化し、初期Vthに近づくということは、メモリトランジスタのドレイン電流Idsが減少するということである。通常、読出しを行う時には、メモリのゲート電圧は初期Vthを印可する。
【0005】
一方、EEPROMの読出し方法は、図6、図7に示したように、ビット線にVccを通して電荷をチャージした後、スイッチ及びメモリトランジスタのゲートに電圧を印可し、メモリトランジスタをONさせる。メモリが消去“1”状態であれば、ビット線にチャージされた電荷を抜くことで、ビット線の下降電圧を検出する。メモリが書き込み“0”状態では、ビット線電圧の下降は生じない。
【0006】
消去Vthが劣化しメモリトランジスタのIdsが減少するということは、ビット線の電圧検出時間が延びることとなる。通常、読出し時間の仕様を決める場合は、このメモリトランジスタの消去Vth劣化を推定し決定している。この読出し時間の仕様で、外部コントローラ 等からリード信号をもらい読出しデータを確定している。
【0007】
このように読出し時間を決定すると、書換え回数や使用年数が少なくメモリトランジスタのVthがほとんど劣化していない場合においても、図7に示したようにリード時間がtRD≧y(ns)となり、Vthが劣化した場合の読出し時間で読み出すこととなっていた。つまり、リード信号によるリード時間の仕様が固定していた。さらに、Vthの劣化の程度と、読出し時間の制限により、EEPROM書換え回数及び使用年数に制限ができていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
電気的書換え可能なEEPROMで書換え回数及び使用年数が少ない場合に、高速に読出しできるにも拘わらず、メモリトランジスタのVth劣化を見込んだ固定した読出し時間の仕様により、低速読出しになってしまうという問題が生じていた。
【0009】
そこで本発明の目的は、書換え回数及び使用年数、読出し時間に制限ができてしまう上記問題を解決すると共に、読出しタイミングを制御可能なウェイト信号を生成し、メモリの読出しタイミングを当該メモリの書換え回数及び使用年数に応じて可変しうるリードタイミング生成回路を備えた不揮発性半導体メモリアレイを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する為に、消去又は書き込みが実施されるブロック毎にメモリのリードタイミングを作成する参照メモリを設けたものである。また、この参照メモリは、メモリが書換えられる毎に書換え及び消去が行われ、常に消去状態に保たれているようにしたものである。また、この参照メモリで作成されたリードタイミングをウェイト信号として外部に出力し、これらメモリをアクセスする外部コントローラ 等に読出しタイミングを通知することができるようにしたものである。
【0011】
また、この参照メモリの初期Vthは、メモリのVthよりも少し高めに設定して、読出し時間マージンをとったものである。または、参照メモリの初期Vthは通常メモリと同じで、参照メモリのセンスアンプのスレッシュホールドを変えて、読み出しマージンをとったものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
各実施例の図における同一符号は同一物または相当物を示す。
【0013】
本発明の第1実施例による半導体メモリアレイブロックを図8に示した。従来例図2と比較するとわかるように、ブロック内に参照メモリが配置されている。図8の例によるとXデコーダの最上位に配置されたDM0参照メモリは、ブロック内のメモリが書換え又は消去されるたびに、同時に書換え消去される。当該参照メモリを上記の通り、書き換え消去する為に参照メモリ専用のワード線、参照メモリトランジスタゲート制御線、参照メモリビット線、参照メモリソース線を制御する。そうして、参照メモリDM0は、常に消去“1”状態になるようにする。
【0014】
その様子を図9(a)、(b)の状態遷移図で説明する。図9(a)において、メモリは、外部コントローラ 等から出力される選択信号、リード信号、ライト信号、イレース信号によりその信号の状態に遷移する。しかし、図9(b)において、参照メモリは、当該外部コントローラから選択信号及びライト信号又はイレース信号がはいってくると、一旦ライト状態に遷移する。その後にイレース状態に遷移し、初期状態(即ち、消去状態)に戻るように設定されている。
【0015】
最上位の参照メモリの下に配置されるDM1〜DMxの参照メモリは、読出し時に重要なファクターになるメモリのビット線及びソース線の抵抗及び容量に合わせる為に、配置されている。又、DM1〜DMxの参照メモリのワード線及び参照メモリトランジスタゲート制御線は、常にGNDにされる。
【0016】
そうすることにより、ブロック内のメモリが書換えられると必ずDM0は、書換え消去が行われる為、DM0に対する書き換え回数はブロック内の最大書き換え回数になる。つまり、DM0メモリトランジスタのVthの劣化は、メモリの劣化より悪くなっている。また、使用年数は、メモリと参照メモリDM0は同じである。
【0017】
上記DM1〜DMxの参照メモリは参照メモリビット線寄生容量の役割を果たしている。当該DM1〜DMxを設けることにより、図11(a)、(b)に示すグラフの参照メモリのビット線下降電圧の下降する傾斜がメモリビット線下降電圧の下降する傾斜よりも緩やかに成り、常にメモリのリードタイミングより長い参照メモリのリードタイミングを設定出来る。
【0018】
さらに、読出しのマージンを考慮し、DM0の初期Vthをメモリよりも少し高く設定することとし、消去した時にメモリの消去Vthよりも少し高めに設定した。初期Vthを高めに設定する方法としては、参照メモリトランジスタのプロセス条件を変えること、又はチャネル長L或いはチャネル幅Wを変えて初期ドレイン電流Idsを減少させて、Vthが高くなったようにみせる方法がある。この際、どちらを使用しても良い。また、読出しマージンをとる方法としては、参照メモリのセンスアンプのスレッシュホールドを下げる方法がある。また、参照メモリとメモリでのVthのばらつきがほとんどないということであれば、参照メモリの初期Vthを高く設定する必要はない。
【0019】
図10に参照メモリとメモリのVthを表した。参照メモリのVthは、常にメモリのVthより高くなっている。実際には、参照メモリDM0は、読出し時には常に消去後Vthになっている。この状態で、メモリと参照メモリDM0を同時に読み出すと、DM0の消去後Vthがメモリ消去後Vthよりも高くなっている。従って、参照メモリドレイン電流Idsがメモリ電流Idsより少ないことにより、参照メモリリード時間は、メモリリード時間よりも少し長くなる。
【0020】
この参照メモリリードタイミングをメモリリードタイミングの制御用として使用することにより、正確にメモリのリードタイミングを作ることができる。また、メモリが書換え及び使用年数による劣化によりVthが高くなったとしても、同じように参照メモリDM0も劣化しているので、参照メモリのリードタイミングを使用することができる。
【0021】
その様子を図11に示した。図7のグラフに示す従来のリード信号による固定したリード時間の仕様と照らし合わせて、図11のグラフに示す本発明のリードタイミングの特徴を説明する。参照メモリを設けることにより、メモリの書換え及び使用年数による劣化が少ない場合、図11(a)に示すように参照メモリビット線の電圧下降が速く成りリードタイミングが早くなる。又、メモリの劣化が多い場合、図11(b)に示すように参照メモリビット線の電圧下降が遅くなりリードタイミングが遅くなる。つまり、メモリ劣化の度合いに応じたリードタイミングを作成出来る。
【0022】
さらに、従来例を示す図7のグラフと図11の本発明によるリードタイミングを示すグラフとの相違点はウェイト信号を追加したことにある。ウェイト信号の特徴は図12のリードタイミング生成回路の説明にて後述する。
【0023】
図12には、参照メモリのリードタイミングからメモリのリードタイミングを生成する回路を示した。このリードタイミング生成回路の機能を以下に説明する。
【0024】
参照メモリ側、メモリー側のプリチャージ制御信号を同時にONする。電源電圧VCCがビット線及び参照メモリビット線に印加され、ビット線及び参照メモリビット線電圧が上昇する。プリチャージ制御信号をOFFすると同時に、ワード線、参照メモリワード線、メモリTr.ゲート制御線、参照メモリTr.ゲート制御線をONする。その後、参照メモリビット線はチャージされた電荷が参照メモリスイッチと参照メモリに流れ、ビット線電圧が下降する。
【0025】
当該下降電圧を参照メモリ側に設けられている電圧比較器にて比較する。電圧比較器のプラスに接続されている参照電圧に対する下降電圧を電圧比較器にて検出し、下降電圧が参照電圧より高い時、ウェイト信号(LOW信号)が外部CPUに出力され、CPUからのリード信号の出力を待ち状態にする。
【0026】
ウェイト信号とリード信号のAND論理により、リード信号がLOWからHIGHに変わる時、メモリ側の下降電圧がセンスアンプにて検出され、データ(“0”又は“1”)がセンスされる。図12の回路から本発明の参照メモリをメモリアレイのブロック単位に設けた効果を以下に述べる。メモリに書かれている内容が“0”か“1”の何れか判断が困難な場合、参照メモリを必ず消去状態“1”に設定しておく。
【0027】
参照メモリビット線の下降電圧を図12に前述したように検出することにより、内部リード信号をONさせ、センスアンプを使用してメモリビット線のデータを読み取りうる。
【0028】
前述したリードタイミング生成回路(図12)によるメモリのリードタイミングを制御する方法は、以下に示す項目(1)〜(4)の特徴点を有するリード方法として提供することも可能である。
【0029】
(1)消去又は書き込みが実施されるメモリのブロック単位に参照メモリを配置し、前記ブロック毎に設けられた複数のビット線の一部が参照メモリビット線として前記参照メモリに接続されて成る不揮発性半導体メモリアレイ及び該メモリアレイに対し、読み出し、書き込み或いは消去信号を供給するCPUから構成される半導体集積装置において、前記参照メモリを消去状態に設定し、前記参照メモリビット線の電圧の下降を検出するステップと、前記検出の結果を保留信号として前記CPUに出力して前記読み出し信号の前記メモリアレイに対する供給を保留するステップと、前記保留信号の終了後に、前記メモリに格納されたデータを取得するステップとを含むことを特徴とするリード方法。
【0030】
(2)前記保留信号は前記CPUから前記メモリアレイに供給される前記読み出し信号の出力を待機させるウェイト信号であることを特徴とする、上記(1)に記載のリード方法。
【0031】
(3)前記メモリアレイは参照電圧を含む電圧比較器を備え、前記検出するステップにおいて、前記電圧比較器が前記参照電圧と前記下降する電圧を比較し、前記電圧の下降を検出することを特徴とする、上記(1)に記載のリード方法。
【0032】
(4)前記メモリアレイは、前記メモリ内部のデータを取得するセンスアンプを備え、前記取得するステップにおいて、前記保留信号の終了後に前記読み出し信号を内部読み出し信号として前記センスアンプに供給し、前記センスアンプにより前記メモリに格納されたデータを取得することを特徴とする、上記(1)に記載のリード方法。
【0033】
図11(a)、(b)に示す本発明のリードタイミングのグラフと図12のリードタイミング生成回路の関連を説明する。図11(a)、(b)のグラフに示されているウェイト信号(LOW信号)がメモリアレイからCPUに出力され、リード信号の出力を待ち状態にする。ウェイト信号がLOWからHIGHに変わると、図16のタイミングチャートに示す通り、リード信号もHIGHに切り替わる。そして、ウェイト信号とリード信号のAND論理により、内部リード信号がONし、センスアンプが動作し、メモリ側の下降電圧が検出され、データが読み込まれる。
【0034】
このように参照メモリのリードタイミングをメモリのリードタイミングとして使用することにより、メモリが劣化していった時にも確実なリードタイミングを作成できる。また、従来メモリでは劣化を考慮したリードタイミングを外部コントローラ等に要求しており、メモリ劣化がない時においても、劣化が起こっている時のリードタイミングと同じ仕様に設定していた。この従来の仕様と比較し、参照メモリから得られるリードタイミングは図12に示したウェイト信号の生成に基づいている。このウェイト信号を外部CPUに出力する構成とすることにより、外部コントローラ(CPU)等は、メモリ劣化がない場合は、そのウェイト信号を検出し、リード信号をすばやくONすることにより高速リードができることとなる。
【0035】
また、メモリが劣化している状態においては、外部コントローラ等がリード信号をONしようとしてもウェイト信号が、まだアクティブな状態になっているので、リードできていないことを検知できる。
【0036】
外部からみた本発明のメモリアレイ構成図を図13に示した。又、図15においてCPUを含めた図13のメモリアレイの構成図を示す。EEPROM(図15)は図13のメモリアレイ構成図におけるセンスアンプ及びデータラッチ、ブロック1からX、及びXデコーダ(ワード線、ビット線)に該当する。メモリアレイからのウェイト信号によりリード、ライト、及びイレース信号の出力が制御される。
【0037】
従来のメモリアレイ構成図である図1との違いは、前述したウェイト信号をメモリアレイより出力し、リード確定状態を通知している点である。
【0038】
図14に第2の実施例のメモリブロックを示した。図8に示す第1実施例と同様に参照メモリをブロック内に配置したのは同じである。図8の第1実施例との相違点を以下に説明する。図8ではブロック内のメモリが消去、書き込みされるたびに参照メモリDM0が書換え、消去された。さらにブロック内のメモリが読み出される場合に、DM0が読み出されていた。図14の第2実施例では、参照メモリ用のXデコーダを用意し、ブロック内のXデコーダと参照メモリ用のXデコーダを同期させて選択するようにした。
【0039】
例えば、消去、書き込みの為にXデコーダでM0が選択された場合、参照メモリ用Xデコーダで、DM0が選択され書き込み及び消去されるようにした。読出し時も同じく、M0が選択されると、DM0が選択されることとした。ここで、DM0に対する書き込み及び読み出しが選択されると、それ以外のDM1からDMxに対する読み出し、書き込み動作は実行されない。その際、読み出し、書き込み動作の対象外と成るDMについてはOFFの状態である為、浮遊容量を有するキャパシタCと等価回路に成る。
【0040】
従って、実質的には本発明の第1実施例を説明する図8の参照メモリDM0からDMxの回路構成と同一と見なせる。
【0041】
このように、Xデコーダ(ワード線)に応じて、参照メモリが選択されることにより、図8の構成よりもさらに正確にメモリ劣化に応じた参照メモリ劣化を作り出すことができ、参照メモリを使用したリードタイミングも、実際のメモリリードタイミングに、より近く設定することが可能となる。
【0042】
以上に本発明の第1及び第2実施例に基づく不揮発性半導体メモリアレイの特徴について述べたが、さらに上述した実施例に示すメモリアレイは、以下に示す項目(a)〜(g)の特徴点を有する不揮発性半導体メモリアレイとして提供することも可能である。
【0043】
(a)消去又は書き込みが実施されるブロック単位に参照メモリを配置した不揮発性半導体メモリアレイから構成され、前記参照メモリから得られるリードタイミングに関する情報を使用して、前記メモリアレイが有する複数のメモリに対するリードタイミングを制御することを特徴とする不揮発性半導体メモリアレイ。
【0044】
(b)前記リードタイミングに関する情報は、前記参照メモリの劣化に基づくリードタイミングの情報及び前記劣化に基づく前記参照メモリのメモリ電流の減少に関する情報であることを特徴とする、上記(a)に記載の不揮発性半導体メモリアレイ。
【0045】
(c)前記複数のメモリの一部が消去又は書き込みされるごとに、前記参照メモリに対し、書き込み及び消去が実行されることを特徴とする、上記(a)に記載の不揮発性半導体メモリアレイ。
【0046】
(d)前記メモリアレイはセンスアンプを備え、前記メモリアレイに隣接してCPUが設けられ、前記センスアンプに対し前記CPUから読出しが実行される場合、前記センスアンプが備える電圧比較器が読出しタイミングを制御するウェイト信号を前記CPUに対し出力することを特徴とする、上記(a)に記載の不揮発性半導体メモリアレイ。
【0047】
(e)前記参照メモリの初期スレッシュホールド値は、前記メモリの初期スレッシュホールド値よりも高く設定されることを特徴とする、上記(a)に記載の不揮発性半導体メモリアレイ。
【0048】
(f)前記ウェイト信号が制御する読出しタイミングを使用し、前記メモリの劣化の度合いに応じて動作タイミングが決まることを特徴とする、上記(d)に記載の不揮発性半導体メモリアレイ。
【0049】
(g)前記消去又は書き込みが実施されるブロックに含まれる前記複数のメモリに対し、前記複数のメモリの1バイト毎に前記参照メモリを設けることにより、前記メモリに対するリードタイミングにより近くに前記参照メモリから得られるリードタイミングを設定しうることを特徴とする、上記(a)に記載の不揮発性半導体メモリアレイ。
【0050】
さらに本発明は前述した第1及び第2実施例に基づく不揮発性半導体メモリアレイ並びに上述した項目(a)〜(g)の特徴を有する当該メモリアレイを提供するばかりでなく、以下に示す項目(i)〜(iii)の特徴を備えた不揮発性半導体メモリアレイを提供することも可能である。
【0051】
(i)読み出し、書き込み或いは消去が実施される複数のメモリを含むブロック毎に参照メモリが設けられた不揮発性半導体メモリアレイから構成され、該メモリアレイはさらにセンスアンプを備え、前記参照メモリから得られるリードタイミングの情報を前記センスアンプが有する検出回路により検出し、保留信号として外部コントローラに出力することにより、該コントローラからの前記読み出し信号の供給を保留し、前記メモリのリードタイミングを制御することを特徴とする不揮発性半導体メモリアレイ。
【0052】
(ii)前記センスアンプと、前記複数のメモリ及び前記参照メモリとの間は複数のビット線により接続され、前記リードタイミングの情報である前記参照メモリに接続されている前記ビット線の電圧の下降を前記検出回路により検出し、前記保留信号として前記コントローラに出力することを特徴とする、上記(i)に記載の不揮発性半導体メモリアレイ。
【0053】
(iii)前記センスアンプはデータラッチ回路を備え、前記保留信号の終了後に前記読み出し信号を内部リード信号として前記データラッチ回路に供給することにより前記メモリ内のデータを取り込むことを特徴とする、上記(ii)に記載の不揮発性半導体メモリアレイ。
【0054】
【発明の効果】
本発明の不揮発性半導体メモリアレイに参照メモリを設けることにより、当該参照メモリから読出しタイミングを作成し、メモリ劣化に応じた読出しタイミングが作成でき、結果としてメモリ劣化が無い時は、高速読出しができ、メモリ劣化がある時は、その劣化に応じた読出しタイミングを内部的に作成することが出来る。従って、信頼性の高い読出しを行う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】EEPROMメモリアレイ構成図である。
【図2】EEPROMメモリアレイ内ブロック構成図である。
【図3】消去動作 データ“1”を示す図である。
【図4】書き込み動作 データ“0” を示す図である。
【図5】メモリ素子のVthを示す図である。
【図6】従来のメモリリード回路図である。
【図7】従来のメモリリードタイミングを示す図である。
【図8】本発明の第1の実施例によるメモリアレイ構成図である。
【図9】図9(a)はメモリの状態遷移図であり、図9(b)は参照メモリの状態遷移図である。
【図10】メモリ素子のVth及び参照メモリ素子のVthを示す図である。
【図11】図11(a)は、メモリ劣化が少ない場合のリードタイミングを示す図であり、図11(b)は、メモリ劣化が多い場合のリードタイミングを示す図である。
【図12】本発明によるリードタイミング生成回路図である。
【図13】本発明によるメモリアレイ構成図である。
【図14】本発明の第2実施例によるメモリアレイ構成図である。
【図15】図13に示すメモリアレイ構成図とCPUとの間におけるリード、ライト、イレース信号とウェイト信号のアクセスを示す図である。
【図16】図15に示すメモリアレイ構成図とCPU間におけるリード信号、ウェイト信号及び内部リード信号のタイムチャートを示す図である。
【符号の説明】
DM0〜DMx:参照メモリ、RD:リード信号、WR:ライト信号、ER:イレース信号、WAIT:ウェイト信号、SEL:選択信号、SAP:センスアンプ。

Claims (6)

  1. 消去又は書き込みが実施されるブロック単位に参照メモリを配置した不揮発性半導体メモリアレイから構成され、前記参照メモリから得られるリードタイミングに関する情報を使用して、前記メモリアレイが有する複数のメモリに対するリードタイミングを制御し、前記複数のメモリの一部が消去又は書き込みされるごとに、前記参照メモリに対し、書き込み及び消去が実行されることを特徴とする不揮発性半導体メモリアレイ。
  2. 請求項1記載の不揮発性半導体メモリアレイにおいて、前記リードタイミングに関する情報は、前記メモリアレイが有するメモリの劣化を反映した劣化に基づくリードタイミングの情報及び前記劣化に基づく前記参照メモリのメモリ電流の減少に関する情報であることを特徴とする不揮発性半導体メモリアレイ。
  3. 請求項1記載の不揮発性半導体メモリアレイにおいて、前記メモリアレイはセンスアンプを備え、前記メモリアレイに隣接してCPUが設けられ、前記センスアンプに対し前記CPUから読出しが実行される場合、前記メモリアレイが備える電圧比較器が読出しタイミングを制御するウェイト信号を前記CPUに対し出力することを特徴とする不揮発性半導体メモリアレイ。
  4. 請求項1記載の不揮発性半導体メモリアレイにおいて、前記参照メモリの初期スレッシュホールド値は、前記メモリの初期スレッシュホールド値よりも高く設定されることを特徴とする不揮発性半導体メモリアレイ。
  5. 請求項3記載の不揮発性半導体メモリアレイにおいて、
    前記ウェイト信号が制御する読出しタイミングを使用し、前記メモリアレイが有するメモリの劣化を反映した劣化の度合いに応じて動作タイミングが決まることを特徴とする不揮発性半導体メモリアレイ。
  6. 請求項1記載の不揮発性半導体メモリアレイにおいて、
    前記消去又は書き込みが実施されるブロックに含まれる前記複数のメモリに対し、前記複数のメモリの1バイト毎に前記参照メモリを設けることにより、前記メモリに対するリードタイミングにより近くに前記参照メモリから得られるリードタイミングを設定しうることを特徴とする不揮発性半導体メモリアレイ。
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