JP4037177B2 - 現像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に備えられた現像装置であって、現像剤の漏出に関する改良を行った現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置において使用される現像装置は、その内部に多量の現像剤を収容しており、この現像剤を用いて感光体等の像担持体を現像するようになっている。現像剤としては、トナーとキャリアとを有する2成分現像剤がよく知られている。2成分現像剤を用いる現像装置においては、トナー補給部において現像剤をスクリュー、パドル等で攪拌混合したうえで、現像ローラ等の現像剤担持体へと供給される。現像剤担持体上に担持された現像剤は、像担持体に対向する位置まで搬送され、現像剤中のトナーが像担持体に飛翔することで現像が行われる。現像によりトナーを消費した現像剤は、再度トナー補給部においてトナーと攪拌混合されてトナーを補給され、再び現像剤担持体へ供給され、現像に供される。
【0003】
このように、現像剤の循環が繰り返される現像装置においては、現像剤が微粒子によって構成されていることから、現像装置を構成する各部品の嵌合部や接触部に現像剤が侵入し、やがては現像装置外部に漏出するという、現像剤漏出の問題が生じやすい。そのため、現像装置には一般に、現像剤の漏出を防止する目的で、発泡性弾性体や充填剤のようなシール部材を、かかる嵌合部や接触部との間隙に配設することが行われている。
【0004】
図5にかかるシール部材の従来例を示す。現像装置4は筐体109内にトナーとキャリアとを有する2成分現像剤を収容しているものであって、剤担持部114と剤収容部115とを有している。剤担持部114は、像担持体としての感光体ドラムである感光体1に対向配置され感光体1に形成された潜像に現像剤中のトナーを供給することで現像を行う剤担持体としての現像ローラ117と、現像ローラ117に対向して配置され感光体1への現像剤の供給量を制御するドクターブレードたる現像ドクタ118とを有している。
【0005】
剤収容部115は、現像剤の大部分を収容しているとともに、現像剤を攪拌する機能を有する部分であって、第1攪拌部119と第2攪拌部120とを有しており、第1攪拌部119内に備えられた第1攪拌部材121と、第2攪拌部120内に備えられた第2攪拌部材122とで互いに異なる向きに、現像剤を第1攪拌部119及び第2攪拌部120内にて搬送し循環させながら攪拌するものである。
【0006】
そして、第1攪拌部材121によって第1攪拌部119を搬送される現像剤が、現像ローラ117の内部に備えられた図示しない固定の磁極の磁力によって現像ローラ117に引き付けられて現像ローラ117表面上に担持され、汲み上げられる。現像ローラ117表面上の現像剤は現像ドクタ118によって規制され、現像ドクタ118を通過後の現像剤量が一定に保たれるとともに、現像剤の摩擦帯電が促される。
【0007】
その後、更なる現像ローラ117の回転により、現像ローラ117表面上の現像剤は感光体1に対向する位置まで搬送され、感光体1に近接したときに、感光体1表面上の静電電界に応じて、現像剤中のトナーが感光体1表面上に飛翔して現像が行われる。現像を終えた現像剤は剤収容部115内に戻り、第1攪拌部材121と第2攪拌部材122とで攪拌循環されトナーを供給されて再び現像に供される。
【0008】
このように、現像剤は現像装置4内を搬送されるが、この過程において現像剤が現像装置4の外部に漏れ出すことのないよう、現像装置4は、シール部材として、現像ローラ117と感光体1との間にトナー飛散防止のための入り口シール131を有している。また現像装置4は、シール部材として、現像ドクタ118によって規制された現像剤が押し寄せて現像装置4の外へ漏れ出すことのないよう、現像ドクタ118と筐体109との嵌合部に、発泡性弾性体のシール部材132を挟み込んでいる。
【0009】
以上シール部材の具体例を示したが、現像装置における現像剤漏出防止に関しては、例えば特開2000−75656号公報、特開2000−131940号公報、特開2000−181222号公報、特開平5−40402号公報、特開平9−6212号公報、特開平11−102119号公報等に記載されているように、現像ローラの両端部分からの現像剤の漏出防止のために、現像ローラの端部にシール部材を配設したものや、特開2000−075657号公報等に記載されているように、現像ドクタ周辺部のシール部材の構成を改良して現像剤の露出防止を図ったもの等が提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年、画像形成装置の高速化や、高画質化に伴う現像剤の小粒径化が進むに連れ、上記従来技術に示したような現像装置に備えられたシール部材によっては、現像剤の漏出を完全に防止することが困難となってきている。特に、上述した具体例を参照して、現像ドクタ118の近傍では、現像ローラ117によって汲み上げられる現像剤の大半がせき止められており、次々に連続的に汲み上げられる現像剤からの圧力を受け、せき止められた現像剤が、現像ドクタ118に沿って現像ローラ118から離れる方向へと移動する。
【0011】
さらに、現像剤搬送の高速化により、流れる現像剤の動的圧力が強くなると、発泡性弾性体であるシール部材132の内部や嵌合部に対して現像剤の侵入する力は非常に強いものとなり、現像装置4の外部への漏出が防ぎ切れない場合が生ずる。また、現像剤の小粒径化はシール部材132の内部や嵌合部等の間隙に対する現像剤の侵入を容易にしてしまうため、さらにシール性は悪化する。
【0012】
このような現像剤の漏出による問題に対し、通常はシール性の強化を図り、シール部材の材質を変更したり、新たにシールを追加する等の対策をとることが考えられる。しかしながら、これらの対策により現像剤漏出箇所のシール性を高めた場合、それによって現像剤の逃げ場が失われて流れが変わってしまう。その結果、次にシール性の弱い箇所への現像剤の圧力が強くなり、別の箇所から現像剤が漏出するといった二次的な副作用が発生する。これが繰り返されると、最終的にはシール構成全体を見直し、シール部材の材質変更や追加、さらには嵌合部の形状変更までをも検討することにもなりかねず、現像装置全体の設計変更をせざるを得なくなるという問題や、コストが上昇するという問題がある。
【0013】
本発明は、現像剤の漏出防止のためにはシール部材を用いるという従来の発想を転換し、現像剤の漏出を特定の部位で許容することによって、他の部分での意図しない漏出を防止する現像装置を提案するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、像担持体に対向配置された剤担持体と、上記剤担持体に対向して配置され像担持体への現像剤の供給量を制御する現像ドクタと、現像剤を収容する筐体と、この筐体に形成された、上記現像ドクタによって規制された現像剤を漏出させる開口と、この開口から漏出した現像剤を貯蔵する貯蔵部と、現像剤を上記筐体内にて搬送し循環させながら攪拌する第1攪拌部材及び第2攪拌部材と、上記剤担持体の内部に備えられた磁極とを有し、上記剤担持体は、第1撹拌部材を備えた第1撹拌部の上方の位置であって、像担持体の下方の位置に配設され、第1撹拌部材によって第1撹拌部を搬送される現像剤が、上記磁極によって上記剤担持体に引き付けられて同剤担持体表面上に担持され、上記剤担持体表面上に担持された現像剤が、上記現像ドクタによって規制され、同現像ドクタを通過して、像担持体の直下位置まで搬送され、像担持体の直下位置まで搬送された現像剤中のトナーが、像担持体表面上の静電電界に応じて同表面上に飛翔して現像が行われる現像装置であり、上記開口を、上記現像ドクタと上記筐体との嵌合部における、上記剤担持体と上記第1攪拌部材と上記第2攪拌部材との駆動を得るためのギヤ列が配設された側に形成したことを特徴とする。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の転写装置において、上記貯蔵部内の現像剤を上記筐体内に戻す経路を有することを特徴とする。
【0017】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の転写装置において、上記貯蔵部に漏出した現像剤を貯蔵したまま、新たな現像剤を別途上記筐体内に補給することを特徴とする。
【0018】
【実施例】
図1に本発明を適用した現像装置及びこれを有する画像形成装置の概略を示す。画像形成装置は複写機、ファクシミリ、プリンタ等周知のものであれば何れでもよいが、本実施例における画像形成装置はプリンタである。本実施例の画像形成装置は単色の画像を形成するものであるが、カラー画像を形成するものであっても良い。
【0019】
画像形成装置100は、一般にコピー等に用いられる普通紙と、OHPシートや、カード、ハガキといった90K紙、坪量約100g/m2相当以上の厚紙や、封筒等の、普通紙よりも熱容量が大きないわゆる特殊シートとの何れをもシート状の記録媒体として、トナー像を定着するものとして用いることが可能である。記録媒体の大きさは、A4サイズやA3サイズ等の一般的な規格をなす大きさが一般的であるが、規格外の大きさであっても良い。
【0020】
画像形成装置100は、矢印A方向に回転駆動される円筒状に形成された静電潜像担持体である像担持体としての有機半導体(OPC)を用いた感光体ドラム(以下、「感光体」という。)101と、感光体101を帯電する帯電手段としての帯電装置102と、帯電後の感光体101に潜像を形成するレーザー光103を発して光走査を行う露光手段としてのLDまたはLEDを用いた図示しない露光装置と、露光後の感光体101上の潜像を現像する現像手段としての現像装置104を有している。
【0021】
画像形成装置100はまた、感光体101に対向して配置され現像装置104による現像によって得られた感光体101上のトナー像を符号105で示す転写領域においてシート状の記録媒体としての用紙に転写する転写手段としての図示しない転写装置と、転写後の感光体101上に残留している現像剤を回収しクリーニングする回収手段であるクリーニング手段としてのクリーニング装置106とを有している。
【0022】
画像形成装置100はまた、用紙を積載している図示しない給紙トレイと、給紙トレイに積載した用紙を転写領域105に向けて送り出す給紙手段としての図示しない給紙ローラと、給紙ローラによって給紙トレイから送られてきた用紙を所定のタイミングで転写領域105に搬送する図示しないレジストローラと、転写装置により感光体101上のトナー像を転写された用紙に、かかるトナー像の定着を行う定着手段としての図示しない定着装置とを有している。
【0023】
画像形成装置100はまた、転写領域105においてトナー像を転写された用紙を感光体101から分離する分離手段としての図示しない分離装置を有している。分離装置は感光体101に静電的に付着した用紙を放電によって分離するものである。分離装置は周知の分離爪によって構成しても良い。図1に図示した上述の各構成によって、感光体ユニットたるPCU10が構成されている。
【0024】
クリーニング装置106は、感光体101に摺擦するクリーニングブレード11を備えた、ブレード方式によりクリーニングを行うものであって、回収した現像剤を現像装置104に導くための搬送スクリューであるスクリュー12を有している。帯電装置102は、感光体101に当接し、従動回転する帯電ローラ13を有している。帯電装置102は帯電ローラ13でなく、他の方式で感光体101を帯電するものであってもよい。
【0025】
スクリュー12は、回収した現像剤を図1における紙面手前側に搬送する。スクリュー12に搬送された、回収された現像剤は、PCU10の筐体9に形成された搬送路排出口である図示しない排出口から排出され落下し、落下経路としての図示しない傾斜路上を滑落しながら搬送され、筐体9に形成されたリサイクルトナー排出口としての図示しない補給口を通って、現像装置104の剤収容部15内に補給される。剤収容部15内に供給された、回収されたトナーは、剤収容部15内において現像剤と攪拌混合され、再び現像に供される。
【0026】
現像装置104は筐体9内にトナーとキャリアとを有する2成分現像剤を収容しているものであって、剤担持部14と剤収容部15とを有しており、未使用状態においては剤担持部14と剤収容部15との間に設けられたシール部材16により隔離され、使用時にはシール部材16を除去するようになっている。剤担持部14は、感光体101に対向配置され感光体101に形成された潜像に現像剤中のトナーを供給することで現像を行う剤担持体としての現像ローラ17と、現像ローラ17に対向して配置され感光体101への現像剤の供給量を制御する現像ドクタ18とを有している。
【0027】
剤収容部15は、現像剤の大部分を収容しているとともに、現像剤を攪拌する機能を有する部分であって、第1攪拌部19と第2攪拌部20とを有しており、第1攪拌部19内に備えられた第1攪拌部材21と、第2攪拌部20内に備えられた第2攪拌部材22とで互いに異なる向きに、現像剤を第1攪拌部19及び第2攪拌部20内にて搬送し循環させながら攪拌するものである。第2攪拌部20の下部には、現像剤中のトナーとキャリアとの混合比をその透磁率により検知する図示しないトナー濃度検知センサが配設されている。
【0028】
そして、第1攪拌部材21によって第1攪拌部19を搬送される現像剤が、現像ローラ17の内部に備えられた図示しない固定の磁極の磁力によって現像ローラ17に引き付けられて現像ローラ17表面上に担持され、汲み上げられる。現像ローラ17表面上の現像剤は現像ドクタ18によって規制され、現像ドクタ18を通過後の現像剤量が一定に保たれるとともに、現像剤の摩擦帯電が促される。
【0029】
その後、更なる現像ローラ17の回転により、現像ローラ17表面上の現像剤は感光体101に対向する位置まで搬送され、感光体101に近接したときに、感光体101表面上の静電電界に応じて、現像剤中のトナーが感光体101表面上に飛翔して現像が行われる。現像を終えた現像剤は剤収容部15内に戻り、第1攪拌部材21と第2攪拌部材22とで攪拌循環されトナーを供給されて再び現像に供される。
【0030】
このように、現像剤は現像装置104内を搬送されるが、この過程において現像剤が現像装置104の外部に漏れ出すことのないよう、現像装置104は、シール部材として、現像ローラ17と感光体101との間にトナー飛散防止のための入り口シール31を有している。また現像装置104は、従来、現像ドクタ18によって規制された現像剤が押し寄せて現像装置104の外へ漏れ出すことのないよう、現像ドクタ18と筐体9との嵌合部全体、具体的には図1における紙面垂直方向である長手方向全体に亘って、シール部材を挟み込んでいたが、すでに述べたように、この部分は特に現像剤の漏出防止が困難であり、また漏出防止による副作用が生じる部分である。
【0031】
そこで、本発明を適用した現像装置104においては、従来例におけるシール部材132と同様に、長手方向に図示しないシール部材を配設するとともに、長手方向における奥側、すなわち図1における紙面奥側部分には長手方向における幅10mmに亘ってシール部材を配設せず、現像ドクタ18と筐体9との嵌合部に開口35を設け、この開口35から意図的に現像剤を漏出させることで、他の不定な部分からの意図しない現像剤の漏れを防止することとしている。
【0032】
このように、開口35は、本例においては、シール部材を配設しない部分を設けることで形成されているが、筐体9に開口35を形成すると表現する。また、筐体9に開口35を形成するという表現には、実際に筐体9に開口を形成すること、現像ドクタ18に一部を切り欠いて開口を形成すること等、種々の態様を含むものとする。開口35の幅は10mmに限るものではなく、他の部分からの現像剤漏出を防止するに十分な範囲で、開口35からの現像剤の漏出が最小限となる大きさであれば良い。
【0033】
開口35を長手方向奥側に形成したのは、現像ローラ17、第1攪拌部材21、第2攪拌部材22等の駆動を得るための図示しないギア列が、現像装置104の、図1における紙面奥側に配設されており、現像ローラ17、第1攪拌部材21、第2攪拌部材22等の駆動中に、かかるギア列の振動を受けて、かかる奥側のシール性が弱くなる傾向にあるからである。
【0034】
開口35を設けることで現像剤の漏出を容認するのみでは、現像装置104の外部の画像形成装置100本体内部等の汚染が生じるため、筐体9には、一体に蓋部36を成形し、開口35から漏出した現像剤を覆い、貯蔵しておくためのスペースとしての貯蔵部である空間37を設け、漏出した現像剤による現像装置104外部の汚染を防止している。なお、漏出する現像剤の量が少ない場合等、現像剤による汚染が問題とならない場合には、開口35の下方に溝やくぼみを設けることも可能である。
【0035】
図2に示すように、開口35から漏出した現像剤は、筐体9と一体のカバー38により形成した搬送路39を経て、筐体9本体に対して着脱自在の貯蔵部としてのタンク40に導いて回収するようにしても良い。タンク40に回収するようにすれば、長時間の耐久を要求される現像装置104において、長期にわたり稼動させることによって多量の漏出現像剤が生じた場合にも対応できる。
【0036】
よって、空間37によっては貯蔵しきれない程の現像剤が漏出する場合や、現像装置104の構造上、空間37を大きく確保できない場合など、空間37が漏出現像剤で満たされ、現像装置104の他の部分から現像剤が漏れ出てしまうような場合であっても、現像剤空間37に代えてタンク40を配設することで、漏出現像剤を収容しておくことが可能となる。さらに、タンク40が筐体9本体に対して着脱自在であることから、タンク40が一杯になってしまった場合やタンク40内にある程度溜まった場合に、タンク40を筐体9本体から離脱させてタンク40内の現像剤を廃棄あるいは剤収容部15に戻すことができ、メンテナンス性も向上している。
【0037】
図3に示すように、空間37に漏出した現像剤は、筐体9内の剤収容部15内に戻すようにすることもできる。すなわち、空間37と、剤収容部15、本例では第2攪拌部20とを連通する経路としての孔41を形成し、空間37内の漏出現像剤を剤収容部15内に戻すことで、経時的に漏出現像剤の量が多量となっても、剤収容部15内の現像剤量が足りなくなって画像形成時において濃度ムラが生じる等現像に支障を来すような事態を生じることはない。
【0038】
剤収容部15内においては、第1攪拌部19から溢れた現像剤が第2攪拌部20に移動するようになっているため、第2攪拌部20が現像剤で満たされることはなく、したがって、開口35付近の現像剤の圧力は、開口35から漏出した現像剤が第2攪拌部20に移動することによって逃がされ、第2攪拌部20に移動した現像剤は剤収容部15内の現像剤が循環する流れに戻ることで、安定した現像剤の循環が維持されるようになっている。
【0039】
図4に示すように、現像剤の漏出により剤収容部15内の現像剤が不足する事態を防止するため、漏出現像剤を剤収容部15に戻すのではなく、新たな現像剤を筐体9内の剤収容部15に供給するようにしても良い。すなわち、未使用の現像剤を充填した供給タンクとしてのカートリッジ43を筐体9本体に取り付け、カートリッジ43内の空間と剤収容部15、本例では第2攪拌部20とを連通する連通孔42を形成し、空間37内の漏出現像剤をタンク40に回収して貯蔵したまま、その一方で、カートリッジ43内の現像剤を別途、剤収容部15内に補給することができる。
【0040】
現像剤は、現像装置104内で循環を繰り返すうちに次第に劣化し、また現像ローラ17の周辺部から紙粉等の不純物が混入して現像能力が低下するが、未使用の現像剤を補給することで、現像能力の低下を抑制して長期にわたって画像品質を維持することが可能となる。したがって、未使用の現像剤を補給する場合には、現像剤の交換を目的として現像剤を開口35から積極的に排出させるため、開口35を大きくする等して開口35からの漏出量をより多くすることもできる。
【0041】
カートリッジ43から新規現像剤を供給するタイミングとして、予め漏出する現像剤の量を実験等により見積もっておき、それに応じて連続的、あるいは断続的に一定量の現像剤を新規に供給すること、あるいは、漏出した現像剤量をタンク40等にてセンサ等で検知し、検知量に見合った量の現像剤を供給する装置を設けることが可能である。カートリッジ43及び連通孔42を適用する現像装置104は、漏出現像剤を、タンク40に回収するタイプでなく空間37に貯蔵するタイプであっても良い。新規現像剤を第2攪拌部20に補給することで安定した現像剤の循環が維持されることは上述と同様である。
【0042】
画像形成装置100は以上のような構成であるので、操作者による所定の操作により、画像形成装置100の電源が投入され、又は待機状態から動作状態に移行した後、操作者が画像形成を開始する周知の操作を行うと、帯電装置102による帯電工程によって均一に帯電された感光体101は、矢印A方向の回転により、外部から入力されるデータに応じて照射されるレーザ光103による露光工程における潜像形成、現像装置104による現像によって行われる現像工程、転写装置による転写工程、クリーニング装置106によるクリーニング工程を経て再び帯電工程に移る。
【0043】
転写工程によって用紙上に転写されたトナー像は、定着装置における定着工程によって用紙上に定着される。トナー像を定着された用紙は、画像形成装置100の外に排出される。このような画像形成工程において、クリーニング工程において回収された現像剤は、再び現像装置104に供給される。また、かかる現像工程において、現像装置104の不定の部分からの現像剤の漏出が防止され、画像形成装置100内等の汚染が生じることがない。なお、本発明は、2成分現像剤に限らず1成分現像剤を使用する現像装置に適用することも可能である。
【0044】
【発明の効果】
本発明は、像担持体に対向配置された剤担持体と、上記剤担持体に対向して配置され像担持体への現像剤の供給量を制御する現像ドクタと、現像剤を収容する筐体と、この筐体に形成された、上記現像ドクタによって規制された現像剤を漏出させる開口と、この開口から漏出した現像剤を貯蔵する貯蔵部と、現像剤を上記筐体内にて搬送し循環させながら攪拌する第1攪拌部材及び第2攪拌部材と、上記剤担持体の内部に備えられた磁極とを有し、上記剤担持体は、第1撹拌部材を備えた第1撹拌部の上方の位置であって、像担持体の下方の位置に配設され、第1撹拌部材によって第1撹拌部を搬送される現像剤が、上記磁極によって上記剤担持体に引き付けられて同剤担持体表面上に担持され、上記剤担持体表面上に担持された現像剤が、上記現像ドクタによって規制され、同現像ドクタを通過して、像担持体の直下位置まで搬送され、像担持体の直下位置まで搬送された現像剤中のトナーが、像担持体表面上の静電電界に応じて同表面上に飛翔して現像が行われる現像装置であり、上記開口を、上記現像ドクタと上記筐体との嵌合部における、上記剤担持体と上記第1攪拌部材と上記第2攪拌部材との駆動を得るためのギヤ列が配設された側に形成したので、現像剤の漏出を特定の部位すなわち開口によって許容することで、他の不特定の部分からの現像剤の漏出を防止することができる現像装置を提供することができる。
【0046】
貯蔵部内の現像剤を筐体内に戻す経路を有することとすれば、貯蔵部内の現像剤を筐体内に戻すことに関して手作業が要らずメンテナンス性が向上しているとともに、経時的に漏出現像剤の量が多量となっても、筐体内の現像剤量が足りなくなって画像形成時において濃度ムラが生じる等現像に支障を来すという不具合を防止できる現像装置を提供することができる。
【0047】
貯蔵部に漏出した現像剤を貯蔵したまま、新たな現像剤を別途上記筐体内に補給することとすれば、未使用の現像剤を補給することで、現像剤が経時的に劣化したり現像装置内に紙粉等の不純物が混入して現像能力が低下したりすることを防止して、現像性能を維持し、長期にわたる画像品質の維持に貢献できる現像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した現像装置及びこれを有する画像形成装置の側断面図である。
【図2】図1に示した画像形成装置に備えられた現像装置の別の例の側断面図である。
【図3】図1に示した画像形成装置に備えられた現像装置のまた別の例の側断面図である。
【図4】図1に示した画像形成装置に備えられた現像装置のさらに別の例の側断面図である。
【図5】従来の現像装置の側面図である。
【符号の説明】
9 筐体
35 開口
37 貯蔵部としての空間
40 貯蔵部としてのタンク
41 経路
104 現像手段
Claims (3)
- 像担持体に対向配置された剤担持体と、
上記剤担持体に対向して配置され像担持体への現像剤の供給量を制御する現像ドクタと、
現像剤を収容する筐体と、
この筐体に形成された、上記現像ドクタによって規制された現像剤を漏出させる開口と、
この開口から漏出した現像剤を貯蔵する貯蔵部と、
現像剤を上記筐体内にて搬送し循環させながら攪拌する第1攪拌部材及び第2攪拌部材と、
上記剤担持体の内部に備えられた磁極とを有し、
上記剤担持体は、第1撹拌部材を備えた第1撹拌部の上方の位置であって、像担持体の下方の位置に配設され、
第1撹拌部材によって第1撹拌部を搬送される現像剤が、上記磁極によって上記剤担持体に引き付けられて同剤担持体表面上に担持され、
上記剤担持体表面上に担持された現像剤が、上記現像ドクタによって規制され、同現像ドクタを通過して、像担持体の直下位置まで搬送され、
像担持体の直下位置まで搬送された現像剤中のトナーが、像担持体表面上の静電電界に応じて同表面上に飛翔して現像が行われる現像装置であり、
上記開口を、上記現像ドクタと上記筐体との嵌合部における、上記剤担持体と上記第1攪拌部材と上記第2攪拌部材との駆動を得るためのギヤ列が配設された側に形成したことを特徴とする現像装置。 - 請求項1記載の現像装置において、上記貯蔵部内の現像剤を上記筐体内に戻す経路を有することを特徴とする現像装置。
- 請求項1記載の現像装置において、上記貯蔵部に漏出した現像剤を貯蔵したまま、新たな現像剤を別途上記筐体内に補給することを特徴とする現像装置。
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