JP2022027494A - 現像装置 - Google Patents

現像装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2022027494A
JP2022027494A JP2021107354A JP2021107354A JP2022027494A JP 2022027494 A JP2022027494 A JP 2022027494A JP 2021107354 A JP2021107354 A JP 2021107354A JP 2021107354 A JP2021107354 A JP 2021107354A JP 2022027494 A JP2022027494 A JP 2022027494A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
developing
chamber
developer
toner
container
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021107354A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022027494A5 (ja
Inventor
昌志 脇坂
Masashi Wakisaka
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to US17/376,300 priority Critical patent/US20220035271A1/en
Publication of JP2022027494A publication Critical patent/JP2022027494A/ja
Publication of JP2022027494A5 publication Critical patent/JP2022027494A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Magnetic Brush Developing In Electrophotography (AREA)
  • Dry Development In Electrophotography (AREA)

Abstract

Figure 2022027494000001
【課題】空気が通過可能な開口部を介して現像容器内から現像容器外に排出する空気に含まれるトナーの量を低減させる。
【解決手段】第二室から第一室に現像剤が移動することを許容する第一連通部と、第一室から第二室に現像剤が移動することを許容する第二連通部と、第一方向に関して第一連通部よりも下流且つ第二連通部よりも上流に設けられ、第一搬送スクリューの回転軸線よりも鉛直方向上方且つ第二搬送スクリューの回転軸線よりも鉛直方向上方に配置され、第一室と第二室との間で現像容器の内部の空気が移動することを許容する第三連通部と、を備え、第二室の鉛直方向上方には、現像容器の内部の空気を現像容器の外部に排出するための開口部が設けられていることを特徴とする。
【選択図】図7

Description

本発明は、トナーとキャリアを含む現像剤を用いた現像装置に関する。
現像装置は、トナーとキャリアを含む現像剤を収容する現像容器と、像担持体に形成された静電潜像を現像するために現像剤を担持搬送する現像回転体と、を備える。現像容器は、隔壁と、現像回転体に現像剤を供給する第1室(供給室)と、第1室と隔壁により区画され且つ第1室との間で現像剤が循環する第2室(撹拌室)と、を有する。第1室の開口部には、現像回転体が配置されている。
現像装置では、第1室の開口部と現像回転体との隙間を介して、現像回転体の回転により現像容器内に気流が流入する。現像容器内に気流が流入して現像容器内の内圧が上昇した場合、第1室の開口部と現像回転体との隙間を介して、現像容器内の空気が現像容器外に排出されて、その際にトナーが飛散する虞がある。
特許文献1に記載の現像装置では、現像容器内の内圧を低減させるために空気が通過可能な開口部(以降、圧抜き用開口部と呼ぶ)が第1室の上方に設けられ、且つ、圧抜き用開口部にはフィルターが配設されている。
特開2007‐140288号公報
しかしながら、第1室(供給室)内の空気は、現像回転体から遊離したトナーを多く含んでいるためにトナー濃度が高くなっている。このため、特許文献1に記載の構成の場合、第1室の上方に設けられた圧抜き用開口部を介して現像容器内から現像容器外に排出される空気に含まれるトナーの量が多くなる傾向がある。そして、第1室の上方に設けられた圧抜き用開口部にフィルターを配設した場合、圧抜き用開口部に配設されたフィルターはトナーで目詰まりしやすくなるので、フィルターの寿命が短くなる虞がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、空気が通過可能な開口部を介して現像容器内から現像容器外に排出する空気に含まれるトナーの量を低減させることが可能な現像装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る現像装置は以下のような構成を備える。即ち、像担持体に形成された静電潜像を現像するためにトナーとキャリアを含む現像剤を担持搬送する現像回転体と、前記現像回転体に前記現像剤を供給する第一室と、前記第一室との間で前記現像剤が循環する第二室と、前記第一室と前記第二室とを区画する隔壁と、を有し、前記現像剤を収容する現像容器と、前記第二室から前記第一室に前記現像剤が移動することを許容する第一連通部と、前記第一室から前記第二室に前記現像剤が移動することを許容する第二連通部と、前記第一室に配置され、前記現像剤を前記第一連通部から前記第二連通部に向かう第一方向に搬送する第一搬送スクリューと、前記第二室に配置され、前記現像剤を前記第二連通部から前記第一連通部に向かう第二方向に搬送する第二搬送スクリューと、前記第一方向に関して前記第一連通部よりも下流且つ前記第二連通部よりも上流に設けられ、前記第一搬送スクリューの回転軸線よりも鉛直方向上方且つ前記第二搬送スクリューの回転軸線よりも鉛直方向上方に配置され、前記第一室と前記第二室との間で前記現像容器の内部の空気が移動することを許容する第三連通部と、を備え、前記第二室の鉛直方向上方には、前記現像容器の内部の空気を前記現像容器の外部に排出するための開口部が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、空気が通過可能な開口部を介して現像容器内から現像容器外に排出する空気に含まれるトナーの量を低減させることができる。
実施形態に係る画像形成装置の概略構成断面図。 実施形態に係る画像形成部の概略構成断面図。 実施形態に係る現像装置の基本構成を示す概略構成横断面図。 実施形態に係る現像装置の概略構成縦断面図。 現像スリーブ上の磁束密度と磁気穂角度との関係を示す模式図。 N2極付近における現像スリーブ上の磁気穂の挙動を説明する模式図。 実施形態に係る現像装置の気流の排出経路に関する概略構成断面図。 実施形態に係る現像装置の断面図。 実施形態に係る現像装置を斜め上方から見た斜視図。 実施形態に係る現像装置から初期現像剤封止シートを取り除く方法を示す図。 比較例と実施例の飛散トナー数を比較したグラフ。
実施形態について、図1ないし図11を用いて説明する。まず、本実施形態の画像形成装置の概略構成について、図1及び図2を用いて説明する。
[画像形成装置]
本実施形態の画像形成装置100は、それぞれ像担持体としての感光ドラム1を有する4つの画像形成部PY、PM、PC、PKを備えた電子写真方式のタンデム型のフルカラープリンタである。画像形成装置100は、装置本体100Aに接続された原稿読み取り装置(図示せず)又は装置本体100Aに対し通信可能に接続されたパーソナルコンピュータなどのホスト機器からの画像信号に応じてトナー像(画像)を記録材に形成する。記録材としては、用紙、プラスチックフィルム、布などのシート材が挙げられる。また、画像形成部PY、PM、PC、PKは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成する。
なお、画像形成装置100が備える4つの画像形成部PY、PM、PC、PKは、現像色が異なることを除いて実質的に同一の構成を有する。したがって、代表して画像形成部PYについて説明し、その他の画像形成部については説明を省略する。
図2に示すように、画像形成部PYには、像担持体として円筒型の感光体、即ち、感光ドラム1が配設されている。感光ドラム1は、図中矢印方向に回転駆動される。感光ドラム1の周囲には帯電手段としての帯電ローラ2、現像装置4、転写手段としての一次転写ローラ52、クリーニング手段としてのクリーニング装置7が配置されている。感光ドラム1の図中下方には露光手段としての露光装置(本実施形態ではレーザースキャナ)3が配置されている。
各画像形成部の図1の上方には、転写装置5が配置されている。転写装置5は、中間転写体としての無端状の中間転写ベルト51が複数のローラに張設されて、矢印方向に周回移動(回転)するように構成されている。そして、中間転写ベルト51は、後述するように中間転写ベルト51に一次転写されたトナー像を担持して搬送する。中間転写ベルト51を張架するローラのうちの二次転写内ローラ53と中間転写ベルト51を挟んで対向する位置には、二次転写手段としての二次転写外ローラ54が配置されている。そして、中間転写ベルト51上のトナー像を記録材に転写する二次転写部T2を構成している。二次転写部T2の記録材搬送方向下流には定着装置6が配置される。
画像形成装置100の下部には、記録材Sが収容されたカセット9が配置されている。カセット9から給送された記録材Sは、搬送ローラ91によりレジストレーションローラ92に向けて搬送される。そして、停止状態のレジストレーションローラ92に記録材Sの先端が突き当たり、ループを形成することで記録材Sの斜行を補正する。その後、中間転写ベルト51上のトナー像と同期してレジストレーションローラ92を回転開始させ、記録材Sを二次転写部T2に搬送する。
上述のように構成される画像形成装置100により、例えば4色フルカラーの画像を形成するプロセスについて説明する。まず、画像形成動作が開始すると、回転する感光ドラム1の表面が帯電ローラ2によって一様に帯電される。次いで、感光ドラム1は、露光装置3から発せられる画像信号に対応したレーザー光により露光される。これにより、感光ドラム1上に画像信号に応じた静電潜像が形成される。感光ドラム1上の静電潜像は、現像装置4内に収容された現像剤としてのトナーによって顕像化され、可視像となる。
感光ドラム1上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト51を挟んで配置される一次転写ローラ52との間で構成される一次転写部T1(図2)にて、中間転写ベルト51に一次転写される。この際、一次転写ローラ52には一次転写バイアスが印加される。一次転写後に感光ドラム1の表面に残ったトナー(転写残トナー)は、クリーニング装置7によって除去される。
このような動作をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各画像形成部で順次行い、中間転写ベルト51上で4色のトナー像を重ね合わせる。その後、トナー像の形成タイミングに合わせてカセット9に収容された記録材Sが二次転写部T2に搬送される。そして、二次転写外ローラ54に二次転写バイアスを印加することにより、中間転写ベルト51上の4色のトナー像を、記録材S上に一括で二次転写する。二次転写部T2で転写しきれずに中間転写ベルト51に残留したトナーは、中間転写ベルトクリーナ55により除去される。
次いで、記録材Sは定着手段としての定着装置6に搬送される。定着装置6は、内部にハロゲンヒータなどの熱源を有する定着ローラ61及び加圧ローラ62を備え、定着ローラ61と加圧ローラ62とで定着ニップ部を形成する。この定着装置6の定着ニップ部にトナー像が転写された記録材Sを通過させることで、記録材Sが加熱、加圧される。そして、記録材S上のトナーは溶融、混合されて、フルカラーの画像として記録材Sに定着される。その後、記録材Sは排出ローラ101により排出トレイ102に排出される。これにより、一連の画像形成プロセスが終了する。
なお、本実施形態の画像形成装置100は、例えばブラック単色の画像など、所望の単色または4色のうちいくつかの色用の画像形成部を用いて、単色またはマルチカラーの画像を形成することも可能である。
[現像装置]
次に、現像装置4の基本構成について、図3及び図4を用いて説明する。現像装置4は、非磁性トナーと磁性を有するキャリアを含む現像剤を収容する現像容器41と、現像容器内の現像剤を担持して回転する現像剤担持体としての現像スリーブ44とを有する。現像容器41内には、現像容器内の現像剤を攪拌・搬送しつつ現像容器内を循環させる第1搬送部材及び第2搬送部材としての第1搬送スクリュー43a及び第2搬送スクリュー43bが配置されている。また、現像スリーブ44の内部には、回転方向に並んだ複数の磁極を有する磁界発生手段としてのマグネットロール44aが非回転に配置されている。更に、現像スリーブ44の表面に現像剤の薄層を形成する規制部材としての現像ブレード42が配置されている。
現像容器41は、現像剤が収容される現像枠体41jと、現像枠体41jの上方を覆う覆い部材としての上蓋41kとを有する。現像枠体41jと上蓋41kとは別体であり、現像枠体41jに上蓋41kを設けることで現像容器41が形成される。現像容器41の内部は、その略中央部が紙面に垂直方向に延在する隔壁41cによって現像室(第1室)41aと攪拌室(第2室)41bに水平方向の左右に区画されており、現像剤は現像室41a及び攪拌室41bに収容されている。即ち、現像容器41は、第1搬送スクリュー43a及び第2搬送スクリュー43bが配置され且つ現像剤を収容する為の第一枠体(現像枠体41j)と、第一枠体に取り付けられ現像スリーブ44の外周面の一部を覆う為の第二枠体(上蓋41k)から構成される。
現像室41a及び攪拌室41bには、第1搬送スクリュー43a、第2搬送スクリュー43bがそれぞれ配置されている。即ち、第1搬送スクリュー43a及び第2搬送スクリュー43bは現像枠体41j内に配置され、第1搬送スクリュー43a及び第2搬送スクリュー43bの上方を上蓋41kにより覆っている。隔壁41cの長手方向両端部(現像スリーブ44の回転軸線方向両端部、図4の左側及び右側)には、現像室41aと攪拌室41bとの間で現像剤が通過することを許容する第1連通部41d、第2連通部41eが設けられている。
第1搬送スクリュー43a及び第2搬送スクリュー43bは、それぞれ、軸(回転軸)の周りに、搬送部としての螺旋状の羽根を設けて形成されている。また、第2搬送スクリュー43bには、螺旋状の羽根に加えて、軸からその半径方向に突出し、現像剤の搬送方向に所定の幅を有する攪拌リブ43b1が設けられている。攪拌リブ43b1は、軸の回転に伴って現像剤を攪拌する。
第1搬送部材としての第1搬送スクリュー43aは、現像室41aの底部に現像スリーブ44の回転軸線方向に沿って配置されている。そして、不図示のモータによって回転軸を回すことで現像室41a内の現像剤を軸線方向に沿って、第1方向(図4の矢印α方向)に搬送しつつ、現像スリーブ44に現像剤を供給する。現像スリーブ44に担持され、現像工程でトナーが消費された現像剤は、現像室41aに回収される。
また、第2搬送部材としての第2搬送スクリュー43bは、攪拌室41b内の底部に現像スリーブ44の回転軸線方向に沿って配置されている。本実施形態では、第1搬送スクリュー43a及び第2搬送スクリュー43bは、互いに略平行に配置されている。第2搬送スクリュー43bは、攪拌室41b内の現像剤を第1方向とは反対の第2方向(図4の矢印β方向)に軸線方向に沿って搬送する。現像剤は、このようにして、第1搬送スクリュー43a及び第2搬送スクリュー43bによって搬送され、第1連通部41d及び第2連通部41eを介して現像容器41内を循環する。
攪拌室41bの第2搬送スクリュー43bの搬送方向、即ち、第2方向上流端部には、現像容器41内にトナーを含む現像剤を補給するための現像剤補給口46が設けられている。現像剤補給口46は、補給用の現像剤が収容された現像剤収容容器8(図1、トナーボトル)に接続されている。補給用の現像剤は、現像剤収容容器8から直接、或いは、現像剤収容容器8の現像剤を一旦貯めてから現像装置4に供給する現像剤補給装置を介して攪拌室41b内に供給される。
現像剤収容容器8からのトナー補給は、自動トナー補給制御(以下、「ATR:Automatic Toner Replenisher」制御という)によって行われる。具体的には、画像形成時の画像比率、インダクタンスセンサ45、パッチ画像濃度センサ103(図1)によるパッチ画像の濃度検知結果に応じて補給用の現像剤収容容器8の動作、或いは、現像剤補給装置を制御し現像剤を現像剤補給口46に補給する。
現像容器41には、図4に示すように、現像容器41内のトナー濃度を検知するトナー濃度センサとしてのインダクタンスセンサ45が設けられている。本実施形態では、インダクタンスセンサ45は、攪拌室41bの現像剤搬送方向下流側に設けられている。
パッチ画像濃度センサ103は、図1に示すように、中間転写ベルト51の回転方向に関し、最下流の画像形成部PKの下流で、二次転写部T2の上流に、中間転写ベルト51の表面と対向して配置されている。パッチ画像濃度センサ103を用いる制御では、例えば、画像形成ジョブの開始時や所定枚数の画像形成毎などのタイミングで、制御用のトナー像(パッチ画像)を中間転写ベルト51上に転写する。そして、パッチ画像濃度センサ103によりパッチ画像の濃度を検知する。この検知結果に基づいて、現像剤収容容器8からの現像剤の補給制御を行う。
なお、現像装置4に現像剤を補給する構成は、このような構成に限らず、従来から知られている構成を用いても良い。
第2搬送スクリュー43bは、現像剤補給口46から補給された現像剤と、既に攪拌室41b内にある現像剤とを攪拌しつつ搬送し、トナー濃度を均一化する。第1搬送スクリュー43a及び第2搬送スクリュー43bの搬送力により、現像工程でトナーが消費されてトナー濃度が低下した現像室41a内の現像剤が、一方の受渡し部である第1連通部41d(図4の左側)を介して攪拌室41b内へ移動する。そして、攪拌室41b内に移動した現像剤は、補給された現像剤と攪拌されつつ搬送され、他方の受渡し部である第2連通部41e(図4の右側)を介して現像室41aへ移動する。
現像容器41の現像室41aには、感光ドラム1に対向した対向領域(現像領域)Aに相当する位置に開口部41hが形成されており、この開口部41hにおいて現像スリーブ44が感光ドラム1方向に一部が露出するように回転自在に配設されている。一方、現像スリーブ44に内包されたマグネットロール44aは非回転に固定されている。このような現像スリーブ44は、不図示のモータにより回転させられて、現像剤を対向領域Aに搬送可能で、対向領域Aにおいて現像剤を感光ドラム1に供給する。即ち、対向領域(現像領域)Aとは、マグネットロール44aにより磁化された現像スリーブ44上のキャリアによって形成された磁気穂が、感光ドラム1に形成された静電潜像に接触する領域のことである。本実施形態では、現像スリーブ44は、非磁性材料として例えばアルミニウムやステンレスにより円筒状に形成されている。また、現像スリーブ44は、対向領域Aにおいて重力方向下方から上方に向かって、即ち、図3の反時計回り方向(矢印γ方向)に回転する。また、感光ドラム1は、対向領域Aにおいて現像スリーブ44と同方向(矢印δ方向)に回転する。
開口部41hの現像スリーブ44の回転方向上流側には、現像スリーブ44に担持された現像剤の量(層厚)を規制する規制部材としての現像ブレード42が固定されている。本実施形態では、現像スリーブ44が対向領域Aにおいて重力方向下方から上方に向かって回転するため、現像ブレード42は、対向領域Aの重力方向下方に位置する。
マグネットロール44aは、図3に示すように、周方向に複数の磁極S1、S2、S3、N1、N2極の合計5極を有して、ローラ状に形成されている。このようなマグネットロール44aは、現像スリーブ44に現像剤を担持させる磁界を発生させると共に、後述する剥離領域で現像スリーブ44から現像剤を剥離させる磁界を発生させる。即ち、現像室41a内の現像剤は、現像室41aから現像スリーブ44に供給される。そして、現像スリーブ44に供給された現像剤は、マグネットロール44aの吸着用磁極S2が発生する磁界により、現像スリーブ44上(現像剤担持体上)に所定の量が担持され、現像剤溜まりを形成する。即ち、吸着用磁極S2が、現像容器内の現像剤を現像スリーブ44に担持させる第2磁極に相当する。
現像スリーブ44上の現像剤は、現像スリーブ44が回転することによって現像剤溜まりを通過し、規制用磁極N1にて穂立ちして、規制用磁極N1と対向する現像ブレード42によって層厚が規制される。そして、層厚が規制された現像剤は、感光ドラム1と対向する対向領域Aへと搬送され、現像用磁極S1にて穂立ちして磁気穂を形成する。この磁気穂が、対向領域Aにおいて現像スリーブ44と同方向に回転する感光ドラム1に接触し、帯電したトナーによって静電潜像をトナー像として現像する。即ち、現像用磁極S1が、現像スリーブ44が感光ドラム1に最近接する位置に配置された第1磁極に相当する。
その後、トナーが消費されてトナー濃度が低下した現像スリーブ44上の現像剤は、搬送用磁極N2により、現像スリーブ44の表面に対する現像剤の吸着を維持されつつ、現像スリーブ44の回転により現像容器41内へと搬送される。そして、現像スリーブ44に担持された現像剤は、現像スリーブ44の回転方向に順に配置された同極の剥離用磁極S3と吸着用磁極S2により形成された剥離領域で、現像スリーブ44の表面から剥離される。剥離された現像剤は、現像容器41の現像室41aに回収される。即ち、剥離用磁極S3が、第2磁極としての吸着用磁極S2の現像スリーブ44の回転方向上流に隣接して配置された吸着用磁極S2と同極の第3磁極に相当する。
[現像剤の飛散]
ここで、現像装置から発生する現像剤の飛散について説明する。まず、画像形成装置では、出力画像の高速化や高画質化を求められると共にメンテナンスの簡略化が求められている。このメンテナンス簡略化の中の一つとして画像形成装置内部の現像剤による汚染の低減が挙げられる。画像形成装置内部が現像剤で汚染されると、出力画像の汚れなどの画像不良が発生したり、現像装置や感光ドラムユニットなどの交換時などに清掃作業が発生したりする。また、現像剤がギアなどの各駆動系に付着した場合、駆動系に滑りなどが発生する虞がある。
このような画像形成装置内部の現像剤による汚染の原因の一つとして、現像剤が現像装置内から飛散してしまうことが挙げられる。例えば、二成分現像剤の場合、通常、現像装置内部では、トナーとキャリアとが摩擦帯電しているため、トナーとキャリアは静電気力で付着している。しかし、何らかの衝撃でこの付着が解放され、キャリアから遊離したトナーが現像装置内部から気流と共に排出されてしまう現像剤の飛散が発生する虞がある。
現像装置内部からのトナー飛散の代表的な経路として、現像容器41の開口部41hと現像スリーブ44との間で、現像スリーブ44の回転により現像スリーブ44上の現像剤が現像容器41に取り込まれる取り込み口47が挙げられる(図3参照)。取り込み口47(流入路)は、現像スリーブ44の回転方向に関して、開口部41hの両端のうちの現像領域Aよりも下流の開口端41iと現像スリーブ44との間の隙間である。一方、取り込み口47と反対側(図3の下側)は、現像ブレード42が現像スリーブ44と近接して対向している。このため、この位置では、現像スリーブ44に担持された現像剤が現像ブレード42に層厚が規制されている状態であり、現像スリーブ44と現像ブレード42との隙間からは空気が流出しにくい。したがって、現像容器外部へのトナー飛散は、取り込み口47で主として発生する。
まず、取り込み口47からのトナー飛散の概要について、図3を参照しつつ図5及び図6を用いて説明する。ここでのトナー飛散とは、現像剤の攪拌・搬送やトナー補給によって現像容器41内に生じる遊離トナーが、取り込み口47を通って現像容器41外部に排出され、現像容器41に回収しきれないもののことを指す。
トナー遊離について説明する。現像容器41に収容されているトナー及びキャリアは、攪拌室41b及び現像室41aにおいて摩擦帯電され、摩擦帯電により生じる静電付着力及び分子間力などにより生じる非静電付着力によって、互いに付着している。このキャリアに付着しているトナーに対し衝撃やせん断力を加えられると、トナーが慣性力などによってキャリアから引き剥がされ、現像容器41内で遊離する。この時の衝撃やせん断力として、現像スリーブ44による現像剤搬送の際の現像剤挙動がある。
図5に示すように、現像剤は、現像スリーブ44上で、内部の磁極の磁力線に沿ったチェーン状の構造である磁気穂を形成する。即ち、現像剤は現像スリーブ44の各磁極上でその点を通る磁束密度(磁束線)Bの角度Φに沿ったチェーン状の構造である磁気穂を形成する。磁束線の角度Φは磁束密度Bの法線成分の大きさBrと磁束密度Bの接線成分の大きさBθによって決まる。磁束密度(磁束線)の角度Φは、磁束密度が現像スリーブ44の接線となす角度である。
したがって、磁極N2近傍の点Paでは、磁束密度の法線方向の大きさBraが大きく、接線方向の大きさBθaが小さいため、磁束密度(磁束線)Baの角度Φaが90度(法線方向)に近づく。一方、磁極N2から離れた点Pbでは、点Paに対して、磁束密度の法線方向の大きさBrbが小さくなり、接線方向の大きさBθbが大きくなるため、磁束密度(磁束線)Bbの現像スリーブ44の接線方向に対する角度Φbが小さくなる。したがって、図6に示すように、マグネットロール44aの磁極が作る磁束密度Bによって磁極通過前において磁気穂が立ち上がり、磁極上を通過すると磁気穂は倒れる。即ち、磁気穂は、現像スリーブ44の回転により、磁極直前に回転方向前方に立ち上がり、磁極上を通過すると回転方向前方に倒れる。このとき、磁気穂の回転方向は現像スリーブ44の回転方向と同一方向である。特に、この磁気穂が倒れるときの衝撃や慣性力によって、トナーがキャリアから引き剥がされることがトナー遊離の原因となっている。
また、現像スリーブ44による現像剤搬送の際にトナー遊離への寄与の大きい磁極は、吸着用磁極S2との間で反発磁界を生成する剥離用磁極(剥ぎ取り極)S3である。この剥離用磁極S3では、現像剤を現像スリーブ44から剥離するため、磁極によって現像スリーブ44の回転方向と逆方向の磁気力を加え、搬送される現像剤の速度を落とし、現像剤を滞留させる。このとき、現像スリーブ44の表面を搬送される現像剤流量は保存されるため、磁気穂の長さが磁束線に沿って長くなる。磁気穂が長くなると、磁気穂が倒れるときの衝撃や慣性力が大きくなり、トナー遊離量が増加する傾向がある。
次に、現像装置4の内部及び近傍の気流について説明する。現像装置4の近傍において気流を生成するのは、現像スリーブ44及び感光ドラム1である。ここではそれぞれ説明する。まず、現像スリーブ44の回転及び磁極上の磁気穂挙動により、現像スリーブ44の回転方向と略同方向に気流が生成される。この現像スリーブ44の回転方向と略同方向に生成される気流は、現像容器41内部と現像容器41外部の連通口となる取り込み口47から現像容器41内部に空気を取り込む。
現像容器41を略閉空間と仮定すると、空気は流体であるため連続の方程式が適用できる。空気の流速をv、密度をρとすると、次の式(1)が成り立つ。
Figure 2022027494000002
更に、定常状態を考えると、内圧が大気圧より高い状態で一定で安定するため、現像容器41内の各領域において密度ρは時間変化がないとみなせ、式(1)は次の式(2)のように記述できる。
Figure 2022027494000003
この式(2)から、空気の流量ρvは保存される。現像装置4近傍の長手方向(現像スリーブ44の回転軸線方向)の断面では流量ρvの収支は0となり、現像スリーブ44と補給によって流入する空気流量と同一の量を、現像装置4外に排出することになる。ここで、現像容器41の上蓋41kと現像スリーブ44とで構成される取り込み口47を通して現像スリーブ44の回転に伴い現像容器41内に流入する空気流量をIa(スリーブ流入)とする。また、取り込み口47から排出される空気流は、この取り込み口47から取り込まれる流れに対向するように上蓋41k側を通る。このように排出される空気流量をIb(スリーブ排出)とする。その他、隙間や端部など現像容器41から排出される空気流をIc(その他リーク)とすると、次の式(3)の関係が成り立つ。
Ia(スリーブ流入)=Ib(スリーブ排出)+Ic(その他リーク)・・(3)
現像スリーブ44によって取り込まれ、現像スリーブ44に沿って流れる気流は、現像容器41内で折り返して排出される。この現像装置内で折り返す流れに上述の遊離トナーが巻き込まれ、現像装置外に持ち出されるのがトナー飛散である。特に、現像スリーブ44の回転により現像装置4内に取り込まれた空気流量と略同一の量を現像装置外に排出する際には、現像装置4内の空気が剥離用磁極S3近傍を通過する。このため、現像容器に内部の空気を十分に排出するための排出口がないと、現像スリーブ44と上蓋41kの間の取り込み口47から現像装置4内に取り込まれた空気流量と略同一の量が排出されることになる。即ち、現像装置4内から排出される気流が、剥離用磁極S3近傍の遊離トナー濃度が高い空気を巻き込み、現像スリーブ44と上蓋41kの間の取り込み口47から排出されることでトナー飛散が発生する。
[トナー飛散対策]
次に、本実施形態におけるトナー飛散対策について説明する。本実施形態では、トナー飛散を低減するために、剥離用磁極S3近傍を経由し、現像スリーブ44と上蓋41kの間の取り込み口47から抜ける空気流量Ibを低減させる。図7を用いて、空気流量Ibを低減させる現像装置4の構成について説明する。また、図8、図9、図10を用いて、本実施形態における現像装置4の構成の詳細について説明する。図8は、本実施形態に係る現像装置4の断面図である。図9は、本実施形態に係る現像装置4を斜め上方から見た斜視図である。図10は、本実施形態に係る現像装置4から初期現像剤封止シートを取り除く方法を示す図である。
現像容器41は、攪拌室41bと外部とを連通し、現像容器41内の空気を排出可能な排出口48が形成されている。排出口48は、後述する第3連通部1000よりも上方に、更には、現像スリーブ44よりも上方に形成されている。特に、本実施形態では、排出口48は、上蓋41k(攪拌室41bの上方)に形成されており、現像装置4の上方に開口している。排出口48には、空気を通過させると共にトナーを捕集する捕集部材としての不織布からなるエアフィルター49が設けられている。即ち、排出口48の開口部をエアフィルター49により覆っており、現像装置4外部との間で換気ができる構成となっている。
排出口48は、現像容器41の長手方向(現像スリーブ44の回転軸線方向)の略全域に亘って形成されており、且つ、現像容器41の長手方向の略全域に亘って現像容器41内の空気を排出可能である。
隔壁41cは、第1連通部41d及び第2連通部41e(図4)とは別に、現像室41aと攪拌室41bとを連通し且つ現像室41aと攪拌室41bとの間で現像容器41の内部の空気が移動することを許容する第3連通部1000が形成されている。第1連通部41d、第2連通部41e、第3連通部1000は、何れも現像室41aと攪拌室41bとを連通するように形成された開口部である。但し、第1連通部41d及び第2連通部41eが現像容器41内に収容された現像剤が通過できる位置に形成されているのに対し、第3連通部1000は、第1連通部41d及び第2連通部41eよりも上方に形成されている。また、第3連通部1000は、現像容器41の長手方向(現像スリーブ44の回転軸線方向)に亘って形成されており、且つ、現像室41aと攪拌室41bを長手方向の略全域で連通している。第3連通部1000が現像室41aと攪拌室41bを長手方向の略全域に亘って連通していることにより、部分的又は局所的に連通している場合と比べて、現像室41aと攪拌室41bとの間で現像容器41の内部の空気が移動する量を十分に確保する事ができる。
尚、本実施形態では、以下に説明するいずれかの条件を満たす場合に、第3連通部1000が、現像容器41の長手方向の略全域に亘って形成されているものとみなすこととする。例えば、第3連通部1000が、第2搬送スクリュー43bの搬送方向に関して第1連通部41dよりも下流且つ第2連通部41eよりも上流における領域のうちの90%以上の領域に亘って形成されている場合に、略全域に亘って形成されているものとみなす。また、例えば、第3連通部1000が、現像スリーブ44の現像剤搬送能力が在る領域(画像形成可能領域)のうちの90%以上の領域に亘って形成されている場合に、現像容器41の長手方向の略全域に亘って形成されているものとみなす。現像スリーブ44の現像剤搬送能力が在る領域とは、例えば、現像スリーブ44の外表面において、現像スリーブ44の回転軸線方向に沿って且つ現像スリーブ44の周方向に間隔を介して周期的に設けられた溝部が形成されている領域のことである。
即ち、第3連通部1000の一部がフィルターで覆われても、フィルムやスポンジで塞がれてもよく、フィルターで覆われた状態又はフィルムやスポンジで塞がれた状態で第3連通部1000が前述した領域の90%以上の領域に亘って形成されていればよい。同様にして、前述した領域に局所的にリブが設けられることで、第3連通部1000が断続的に形成されていたとしても、前述した領域に局所的にリブが設けられた状態で第3連通部1000が前述した領域の90%以上の領域に亘って形成されていればよい。
また、前述した領域に局所的にリブが設けられることで、排出口48が断続的に形成されていたとしても、前述した領域に局所的にリブが設けられた状態で排出口48が前述した領域の90%以上の領域に亘って形成されていればよい。
また、第3連通部1000は、現像スリーブ44の表面において剥離用磁極S3の磁界の大きさの現像スリーブ44の法線方向成分が極大となる位置よりも下方で、且つ、現像容器41に収容されている現像剤の剤面(現像装置4の定常状態における現像剤の剤面)よりも上方に開口している。尚、現像装置4の稼働が停止している状態から現像装置4を2分間空回転することにより、現像装置4の剤面の高さは定常状態となる。
現像スリーブ44の表面において剥離用磁極S3の磁界の大きさの現像スリーブ44の法線方向成分が極大となる位置を、以下、極大ピーク位置という。図7において、第3連通部1000は、鉛直方向に関し、剥離用磁極S3の極大ピーク位置の高さを示すAと、剤面の高さを示すDとの間に形成されている。なお、ここでいう剤面の高さとは、第1搬送スクリュー43a及び第2搬送スクリュー43bが画像形成時に回転している場合に、隔壁41cに接する現像剤の剤面の最大の高さである。また、第3連通部1000は、現像容器41の長手方向(現像スリーブ44の回転軸線方向)に沿って長い矩形状としている。
ここで、隔壁41cは、現像枠体41jに形成された第1壁部41c1と、上蓋41kに形成された第2壁部41c2とから構成されている。そして、第3連通部1000は、第1壁部41c1と第2壁部41c2との間に形成されている。即ち、第2壁部41c2は、上蓋41kの下方に突出するように形成され、第1搬送スクリュー43a及び第2搬送スクリュー43bの上方で、現像室41aと攪拌室41bとを区画している。一方、第1壁部41c1は、現像枠体41jのうち、第1搬送スクリュー43aと第2搬送スクリュー43bとの間に設けられ、現像室41aと攪拌室41bとを現像剤が存在する領域で区画している。また、第1壁部41c1には、第1連通部41d及び第2連通部41eが形成されている。そして、第1壁部41c1の先端と第2壁部41c2の先端との間を、第3連通部1000としている。
また、本実施形態の場合、現像装置4の新品状態(現像装置4の出荷時)において、攪拌室41b内の第2搬送スクリュー43bの上方の空間(攪拌室41bの上部空間、初期現像剤収容室50)に初期現像剤を封入するようにしている。また、本実施形態の場合、初期現像剤収容室50は、現像剤が収容される現像枠体41jと、現像枠体41jの上方を覆う覆い部材としての上蓋41kのうちの、上蓋41k側に設けられている。
初期現像剤を初期現像剤収容室50内に封止した状態で現像装置4を出荷することにより、現像装置4の使用開始までの間の物流期間において、現像剤が現像装置4の隙間から外部に漏れるなどして現像装置4自体を使用開始前から汚してしまうことを抑制できる。
初期現像剤の封入にあたっては、例えば、上蓋41kの第2壁部41c2と対向する側の端部を現像枠体41j側に延出し、この延出した部分(延出部41k2)と第2壁部41c2との間の空間(初期現像剤収容室50)に初期現像剤を封入する。このとき、上蓋41kの第2壁部41c2、及び、延出部41k2のそれぞれを、初期現像剤収容室に初期現像剤を封止するためのシート(初期現像剤封止シート60)の貼り付け部として用いる。本実施例では、初期現像剤封止シート60は厚さ0.5mmのPETシートが用いられているが、特にこの材質、形状に限定されるものではない。
また、この空間(初期現像剤収容室50)の現像枠体41j側の開口を初期現像剤封止シート60などにより封止した状態で、上蓋41kを現像枠体41jに組み付ける。これにより、第2搬送スクリュー43bの上方の空間(初期現像剤収容室50)に初期現像剤が封入された現像装置4が得られる。そして、この新品状態の現像装置4を画像形成装置100に設置して使用開始する前には、図10に示すように、初期現像剤封止シート60を現像装置4の背面方向にスライドさせる。そして、図10に示すように、初期現像剤封止シート60を引き抜くように取り除くことで、封入された初期現像剤を攪拌室41bの下部に落とす。その後、第1搬送スクリュー43a及び第2搬送スクリュー43bを駆動することで、現像剤を攪拌室41b及び現像室41aに行き渡らせる。
前述したように、初期現像剤収容室50の上部には図9に示すように、不織布からなるエアフィルター49が設置されて現像装置4外部との間で換気ができる構成となっている。図10で示したように、初期現像剤封止シート60を取り除いて初期現像剤を攪拌室41bに落下させた後は、攪拌室41bと初期現像剤収容室50は連通した状態となる。このため、攪拌室41b内の空気は空になった初期現像剤収容室50へと移動し、エアフィルター49を通じて現像装置4外へと流れていくことが可能な構成となっている。このような構成とすることで、現像装置4内の内圧上昇を抑制することができるため、現像装置4の隙間、例えば現像スリーブ44とその上部の現像容器41との間のギャップなどからトナーが飛散してしまうことを抑制することができる。
また、図9に示すように、更に、エアフィルター49の上に重ねるように厚さ0.1mmのPETシートからなるフィルターカバー70が設置されている。フィルターカバー70には複数の穴(穴径:5mm)が開いており、現像装置4内からエアフィルター49を通して現像装置4の外部へ空気が流れるのを妨げないようになっている。また、エアフィルター49の鉛直方向上方には、エアフィルター49とオーバーラップするようにエアフィルター49を覆うためのフィルターカバー70が設置されている。これにより、仮に、作業者(サービスマン)がフィルターカバー70を手で触れたとしても、エアフィルター49が破損する虞がないようにした構成となっている。
このように本実施形態では、攪拌室41bの上部(初期現像剤収容室50)に初期現像剤を封入しているため、第3連通部1000、更には、第1連通部41d及び第2連通部41eをシートなどにより封止しなくても、初期現像剤の封入が可能となる。なお、第1連通部41d及び第2連通部41e、第3連通部1000をシートにより封止して、第2搬送スクリュー43bが存在する空間を含む攪拌室41b内に初期現像剤を封入する構成であっても良い。
このような本実施形態の現像装置4の構成を、図7を用いてより具体的に説明する。まず、現像室41aと攪拌室41bを仕切る隔壁41cを長手方向全域で連通する第3連通部1000の鉛直方向の開口幅について説明する。剥離用磁極S3の極大ピーク位置の鉛直方向の高さをA、第3連通部1000の鉛直方向の上側開口端部の高さをB、第3連通部1000の鉛直方向の下側開口端部の高さをCとする。また、現像室41aおよび攪拌室41b内を循環する現像剤の剤面(現像装置4の定常状態における現像剤の剤面)と隔壁41cの接点のうち高い方の接点の高さをDとする。このとき、以下の式(4)の関係が成り立つように、第3連通部1000の鉛直方向の開口幅を構成する。
A>B>C>D ・・・(4)
つまり、第3連通部1000の鉛直方向の開口幅は、剥離用磁極S3の極大ピーク位置Aより下方で、現像装置4の定常状態における現像剤の剤面高さDより上方となるようにする。第3連通部1000が剥離用磁極S3の極大ピーク位置よりも下方にあることで、剥離用磁極S3で発生する遊離トナーが混合したトナー濃度の高い気流Iaが、第3連通部1000を介して攪拌室41bに流れやすくなる。また、第3連通部1000が現像室41aおよび攪拌室41b内を循環する現像剤の剤面(現像装置4の定常状態における現像剤の剤面)よりも上方にあることで、第3連通部1000を介して、現像室41aと攪拌室41bの現像剤が連通して循環してしまうのを防止できる。
排出口48は、攪拌室41bの鉛直方向上方の上蓋41k(初期現像剤収容室50)に開口を設けることで形成されている。即ち、現像装置4の新品状態において、初期現像剤収容室50の現像枠体41j側の開口が初期現像剤封止シート60により封止されて、且つ、初期現像剤収容室50に初期現像剤が封入されている。そして、現像装置4の新品状態において、現像容器41内から現像容器41外に空気が通過可能な排出口48が攪拌室41bの上方に設けられている。また、排出口48には飛散トナーの捕集部材としてエアフィルター49を設けている。
そして、エアフィルター49により気流Idに乗って機外に排出されようとするトナーを捕集する。本実施形態におけるエアフィルター49は、厚み0.20mmの不織布であり、ガーレー試験機法において5Paの圧力差における透気抵抗度は0.94secである。
透気抵抗度が大きすぎると、トナーの捕集能力は高いが目詰まりしやすく、現像容器41の内圧が上昇してしまう。そして、本来は、排出口48から排出する気流Idで現像容器41内の内圧を低減させたいところが、取り込み口47から排出される気流Ib´方向に内圧を低減させてしまい、取り込み口47からトナー濃度の高い空気を現像装置4外に排出させてしまう。即ち、飛散トナーを十分に抑制できない。
一方、透気抵抗度が小さすぎると、トナーを捕集量の力が低く、トナーが吹き出して記録材などを汚す可能性がある。本実施形態においては、エアフィルター49の透気抵抗度は、ガーレー試験機法において5Paの圧力差において、0.1~10sec(0.1sec以上10sec以下)の範囲が好ましい。但し、現像装置の構成やトナー粒径等の条件によって、現像容器41内のトナーが外部に飛散しないように、エアフィルター49の材質、目の粗さ、厚み、透気抵抗度などを考慮して適宜選択することが好ましく、これに限るものではない。また、エアフィルター49は、現像装置4の使用状況に応じて交換可能な構成にすることが好ましい。
このように本実施形態では、現像室41aと攪拌室41bを仕切る隔壁41cを長手方向全域で連通する第3連通部1000を形成すると共に、現像容器41内の空気を外に排出させる排出口48を現像容器41(攪拌室41bの上方)に形成している。このため、現像スリーブ44の回転により取り込み口47から現像容器41内に空気が流入することで上昇する現像室41aの内圧と攪拌室41bの内圧差により、一部の空気は第3連通部1000を通じて現像室41aから攪拌室41bへ流入する(Ie)。これにより、攪拌室41bの内圧が上昇し、攪拌室41bの空気が攪拌室41bの上方に設けられた排出口48を通じて、現像装置4外に排出される。
このとき、現像スリーブ44の回転によって取り込み口47から流入する空気の流量をIaとする。また、取り込み口47を通じて現像装置4外に排出される空気の流量をIb´、端部などからの気流のリーク量をIc、排出口48を通じて現像装置4外に排出される空気の流量をIdとする。すると、次の式(5)の関係が成り立つ。
Ia=Ib´+Ic+Id ・・・(5)
つまり、上述の式(3)と式(5)より、空気流量Idの分、剥離用磁極S3近傍を経由し、現像スリーブ44と上蓋41kの間の取り込み口47から排出される空気流量を低減させることができる(Ib´<Ib)。
ここで、気流Ibと気流Idに含まれる遊離トナー量について説明する。気流Ibに含まれる遊離トナー量は、前述した理由で、剥離用磁極S3で発生した遊離トナーを多く含んでいるため、遊離トナー濃度が高い。一方で、気流Idは、遊離トナー濃度の低い攪拌室41bを経由するため、排出される空気の遊離トナー濃度が下げられる。また、第3連通部1000及び攪拌室41bを通り排出口48に排出される空気が排出口48の入口48aに達するまでに、遊離トナーが重力方向に力を受け、循環している現像剤に再び取り込まれる。このため、排出口48から排出される空気の遊離トナー濃度が下げられる。即ち、空気が通過可能な排出口48を介して現像容器41内から現像容器41外に排出する空気に含まれるトナーの量を低減させることができる。また、排出口48を介して現像容器41内から現像容器41外に排出する空気に含まれるトナーの量が低減することにより、排出口48の開口部を覆うエアフィルター49はトナーで目詰まりしにくくなるので、エアフィルター49の寿命が延ばすことができる。
また、本実施形態では、上述のように攪拌室41bの上部に初期現像剤を封入しているため、第3連通部1000の上方に広い空間が存在し、第3連通部1000から排出口48までの気流の経路が長くなる。このため、第3連通部1000及び攪拌室41bを通り排出口48に排出される空気が排出口48の入口48aに達するまでに、遊離トナーが重力方向に力を受ける時間が長くなり、この空気中に含まれる遊離トナーがより落下し易い。この結果、排出口48から排出される空気の遊離トナー濃度をより下げることができる。
以上より、現像室41aと攪拌室41bを長手方向全域で連通する第3連通部1000と、攪拌室41bに現像装置4外へ空気を排出させる排出口48を設けることで、取り込み口47から飛散するトナーを低減させることができる。この結果、本実施形態によれば、トナー飛散を抑制できる現像装置を提供することができる。
なお、本実施形態では、初期現像剤収容室50に対して、できる限り多くの量の初期現像剤を封入するために、初期現像剤収容室50と攪拌室41bとが連通するための連通口が低い位置に在る。このため、本実施形態では、図8に示したように、第3連通部1000の最上端は、隔壁41c側に位置する初期現像剤封止シート60の貼り付け部よりも鉛直方向下方に配置されている。即ち、本実施形態では、図8に示したように、第3連通部1000の最上端は、上蓋41kの第2壁部41c2、及び、延出部41k2のうちの、上蓋41kの第2壁部41c2側の初期現像剤封止シート60の貼り付け部よりも鉛直方向下方に配置されている。
また、本実施形態では、図8に示したように、第3連通部1000の最下端が、第1搬送スクリュー43aの回転軸線よりも鉛直方向上方、且つ、第2搬送スクリュー43bの回転軸線よりも鉛直方向上方に配置されている。
[実験]
上述の本実施形態の効果を確認するために行った実験について説明する。実験では、図7に示したような本実施形態の構成(実施例)と、図7の構成から第3連通部1000、排出口48及びエアフィルター49を除いた構成(比較例)とを用意して、それぞれのトナー飛散量を調べた。
現像装置4の飛散トナーは、主として取り込み口47を通過し外部へ飛散する。そこで、現像スリーブ44と垂直になるように気流の略中央に対してラインレーザーを照射した。ラインレーザーとは一定の線幅を持つライン状に照射され扇形の2次元平面の光路を形成するレーザーである。ラインレーザーの光路上を飛翔している飛散トナーは、レーザー光を散乱させる。そのため、ラインレーザーの照射方向と略垂直な方向からハイスピードカメラなどで観察することにより、レーザーを照射した範囲に存在する飛散トナーの個数や軌跡を計測することが可能である。
ラインレーザーは、光源として日本レーザー社製のYAGレーザーを使用し、シリンドリカルレンズをライン幅が0.5mmとなるように調整し照射した。観察は、フォトロン社製のハイスピードカメラSA-3を使用し、ラインレーザー上の飛散トナーが観察できるようにハイスピードカメラの設定値(フレームレートや露光時間)や光学系(レンズなど)を選定した。
以上の方法で現像スリーブ44の長手方向(回転軸線方向)中央からの飛散トナー数を測定し、ライン幅と観察時間からA4用紙1枚当たりに相当する飛散トナー数に換算した。比較例と実施例で飛散個数を測定した結果を図11に示す。図11から明らかなように、本実施形態の構成である実施例の構成にすることで、飛散個数を低減させられることがわかった。
<他の実施形態>
上述の各実施形態では、画像形成装置としてプリンタを用いた場合について説明したが、本発明は、プリンタ以外に、複写機、ファクシミリ、複合機などの画像形成装置にも適用可能である。
4 現像装置
41 現像容器
41a 現像室
41b 攪拌室
41c 隔壁
41d 第1連通部
41e 第2連通部
43a 第1搬送スクリュー
43b 第2搬送スクリュー
44 現像スリーブ
48 排出口
1000 第3連通部

Claims (9)

  1. 像担持体に形成された静電潜像を現像するためにトナーとキャリアを含む現像剤を担持搬送する現像回転体と、
    前記現像回転体に前記現像剤を供給する第一室と、前記第一室との間で前記現像剤が循環する第二室と、前記第一室と前記第二室とを区画する隔壁と、を有し、前記現像剤を収容する現像容器と、
    前記第二室から前記第一室に前記現像剤が移動することを許容する第一連通部と、
    前記第一室から前記第二室に前記現像剤が移動することを許容する第二連通部と、
    前記第一室に配置され、前記現像剤を前記第一連通部から前記第二連通部に向かう第一方向に搬送する第一搬送スクリューと、
    前記第二室に配置され、前記現像剤を前記第二連通部から前記第一連通部に向かう第二方向に搬送する第二搬送スクリューと、
    前記第一方向に関して前記第一連通部よりも下流且つ前記第二連通部よりも上流に設けられ、前記第一搬送スクリューの回転軸線よりも鉛直方向上方且つ前記第二搬送スクリューの回転軸線よりも鉛直方向上方に配置され、前記第一室と前記第二室との間で前記現像容器の内部の空気が移動することを許容する第三連通部と、
    を備え、
    前記第二室の鉛直方向上方には、前記現像容器の内部の空気を前記現像容器の外部に排出するための開口部が設けられている
    ことを特徴とする現像装置。
  2. 前記現像容器は、前記第二室よりも鉛直方向上方に配置され且つ前記現像装置の新品状態において初期現像剤を収容する第三室を更に有し、
    前記開口部は、前記第三室の鉛直方向上方に設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記現像容器は、前記第一搬送スクリュー及び前記第二搬送スクリューが配置され且つ前記現像剤を収容するための第一枠体と、前記第一枠体に取り付けられ且つ前記現像回転体の外周面の一部を覆うための第二枠体と、から構成されており、
    前記第三室は、前記第二枠体に設けられている
    ことを特徴とする請求項2に記載の現像装置。
  4. 前記現像装置の新品状態において前記現像容器に貼り付けられ且つ前記第三室に前記初期現像剤を封止するための初期現像剤封止シートを更に有し、
    前記開口部は、前記現像容器に前記初期現像剤封止シートが貼り付けられた状態で、前記現像容器の内部の空気を前記現像容器の外部に排出することが可能である
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の現像装置。
  5. 前記第三連通部の最上端は、前記現像容器に前記初期現像剤封止シートを貼り付けるための前記隔壁側の貼り付け部よりも鉛直方向下方に在る
    ことを特徴とする請求項4に記載の現像装置。
  6. 前記現像回転体の内部に非回転に固定して配置され、第一磁極と、前記現像回転体の回転方向に関して前記第一磁極よりも下流であって前記第一磁極と隣り合って配置され且つ前記第一磁極と同極である第二磁極と、を有するマグネットを更に有し、
    前記第三連通部の最上端は、前記現像回転体の法線方向における前記第一磁極の磁束密度が極大となる位置よりも鉛直方向下方に在る
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の現像装置。
  7. 前記第三連通部は、前記第一方向に関して前記第一連通部よりも下流且つ前記第二連通部よりも上流における領域のうちの90%以上の領域に亘って形成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の現像装置。
  8. 前記開口部には、トナーを捕集するためのフィルターが設けられている
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の現像装置。
  9. 前記フィルターの鉛直方向上方には、前記フィルターとオーバーラップするように前記フィルターを覆うためのフィルターカバーが設けられている
    ことを特徴とする請求項8に記載の現像装置。
JP2021107354A 2020-07-29 2021-06-29 現像装置 Pending JP2022027494A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US17/376,300 US20220035271A1 (en) 2020-07-29 2021-07-15 Developing apparatus

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020128591 2020-07-29
JP2020128591 2020-07-29

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022027494A true JP2022027494A (ja) 2022-02-10
JP2022027494A5 JP2022027494A5 (ja) 2024-07-03

Family

ID=80264076

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021107354A Pending JP2022027494A (ja) 2020-07-29 2021-06-29 現像装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022027494A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108693742B (zh) 显影装置
US20220035271A1 (en) Developing apparatus
JP6407043B2 (ja) 画像形成装置
JP2006301463A (ja) 現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置、トナー
JP6866208B2 (ja) 現像装置及び画像形成装置
JP2022027494A (ja) 現像装置
US11754949B2 (en) Imaging system with a developing chamber having a developer roller and multiple air passages
CN112445103B (zh) 显影装置
JP2021103264A (ja) 現像装置
JP6477302B2 (ja) 現像装置及び画像形成装置
JP7073045B2 (ja) 現像装置
JP6827868B2 (ja) 現像装置及び画像形成装置
JP2013125148A (ja) 画像形成装置
JP2013037196A (ja) 現像装置及びそれを備えた画像形成装置
JP2018169571A (ja) 現像装置及び画像形成装置
JP2018169572A (ja) 現像装置及び画像形成装置
JP6971827B2 (ja) 現像装置
JP7358203B2 (ja) 現像装置
JP2019138958A (ja) 画像形成装置
JP2019109360A (ja) 現像装置
JP2021157017A (ja) 現像装置
JP3599935B2 (ja) 現像装置
JP2016206215A (ja) 現像剤補給容器、該現像剤補給容器を備えた現像装置及び画像形成装置
JP2018169569A (ja) 現像装置及び画像形成装置
JP2018169568A (ja) 現像装置及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240625

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240625