JP2019109360A - 現像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】現像剤の飛散を抑制できる構成を提供する。【解決手段】現像容器41は、現像スリーブ44の剥離領域との間に隙間を有して対向する隔壁41cと、現像スリーブ44の表面のうち、剥離領域の少なくとも一部を含む領域で、且つ、現像スリーブ44が現像剤を担持可能なコート領域Ar3において、回転方向と交差する長手方向Xに関し、コート領域Ar3の両端からそれぞれコート領域のAr3長さの3%の長さを有する一対の端部領域Ar4同士の間の領域である中間領域Ar5に、少なくとも流通空間41sの一部を塞ぐように長手方向Xに複数設けられた突出部48と、を有する。【選択図】図9
Description
本発明は、非磁性のトナーと磁性を有するキャリアを含む二成分現像剤を用いた現像装置に関する。
電子写真方式や静電記録方式を用いた画像形成装置は、現像剤により像担持体としての感光ドラム上に形成された静電潜像を現像する現像装置を有する。現像装置は、現像剤を担持して回転する現像剤担持体としての現像スリーブを有し、現像スリーブに担持された現像剤を感光ドラムに供給するようにしている。
このような現像装置の場合、現像スリーブの回転により現像装置を構成する現像容器内に空気が流入し、現像容器内の気圧が上昇し、現像容器内の現像剤が現像スリーブを露出する開口部から容器外に飛散する虞がある。このため、現像容器の開口部よりも現像スリーブの回転方向に関して下流側において、現像容器と現像スリーブとの隙間を、現像スリーブの長手方向両端部で中央部よりも小さくした構成が提案されている(特許文献1)。
特許文献1記載の構成の場合、現像容器の開口部の現像スリーブの回転方向に関して下流側の縁部において、現像スリーブに担持された現像剤が、現像容器と現像スリーブとの隙間が小さい長手方向両端部で現像容器の内外に別れて、容器外に飛散する虞がある。
本発明は、現像剤の飛散を抑制できる構成を提供することを目的とする。
本発明は、非磁性のトナーと磁性を有するキャリアを含む二成分現像剤が収容される現像容器と、前記現像容器内の現像剤を担持して回転する現像剤担持体と、前記現像剤担持体の内部に非回転に配置され、前記現像剤担持体の回転方向に並んだ複数の磁極を有し、前記現像剤担持体に現像剤を担持させる磁界を発生させると共に、前記複数の磁極のうち、前記回転方向に順に配置された同極の第1磁極と第2磁極により形成された剥離領域で前記現像剤担持体から現像剤を剥離させる磁界を発生させる磁界発生手段と、を備え、前記現像容器は、前記現像剤担持体の前記剥離領域との間に隙間を有して対向する壁部と、前記現像剤担持体の表面のうち、前記剥離領域の少なくとも一部を含む領域で、且つ、前記現像剤担持体が現像剤を担持可能な担持領域において、前記回転方向と交差する長手方向に関し、前記担持領域の両端からそれぞれ前記担持領域の長さの3%の長さを有する一対の端部領域同士の間の領域である中間領域に、少なくとも前記隙間の一部を塞ぐように長手方向に複数設けられた塞ぎ部と、を有することを特徴とする現像装置にある。
また、本発明は、非磁性のトナーと磁性を有するキャリアを含む二成分現像剤が収容される現像容器と、前記現像容器内の現像剤を担持して回転する現像剤担持体と、前記現像剤担持体の内部に非回転に配置され、前記現像剤担持体の回転方向に並んだ複数の磁極を有し、前記現像剤担持体に現像剤を担持させる磁界を発生させると共に、前記複数の磁極のうち、前記回転方向に順に配置された同極の第1磁極と第2磁極により形成された剥離領域で前記現像剤担持体から現像剤を剥離させる磁界を発生させる磁界発生手段と、を備え、前記現像容器は、前記現像剤担持体の前記剥離領域との間に隙間を有して対向する壁部と、前記現像剤担持体の表面のうち、前記剥離領域の少なくとも一部を含む領域で、且つ、前記現像剤担持体が現像剤を担持可能な担持領域において、前記回転方向と交差する長手方向に関し、前記担持領域の両端からそれぞれ所定の長さを有する一対の端部領域同士の間の領域である中間領域に、少なくとも前記隙間の一部を塞ぐように長手方向に複数設けられた塞ぎ部と、を有し、前記一対の端部領域は、前記剥離領域において剥離した現像剤が前記長手方向に1mm移動する所定時間における平均速度を、重力方向成分と、前記長手方向に関して前記現像剤担持体の端部方向に向かう長手端部方向成分に分けた場合に、前記長手端部方向成分が前記重力方向成分に対して3%以上の割合を有する領域であることを特徴とする現像装置にある。
本発明によれば、現像剤の飛散を抑制できる。
<第1の実施形態>
第1の実施形態について、図1〜図10を用いて説明する。まず、本実施形態の画像形成装置の概略構成について、図1及び図2を用いて説明する。
第1の実施形態について、図1〜図10を用いて説明する。まず、本実施形態の画像形成装置の概略構成について、図1及び図2を用いて説明する。
[画像形成装置]
本実施形態の画像形成装置100は、それぞれ像担持体としての感光ドラム1を有する4つの画像形成部PY、PM、PC、PKを備えた電子写真方式のタンデム型のフルカラープリンタである。画像形成装置100は、装置本体100Aに接続された原稿読み取り装置(図示せず)又は装置本体100Aに対し通信可能に接続されたパーソナルコンピュータなどのホスト機器からの画像信号に応じてトナー像(画像)を記録材に形成する。記録材としては、用紙、プラスチックフィルム、布などのシート材が挙げられる。また、画像形成部PY、PM、PC、PKは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成する。
本実施形態の画像形成装置100は、それぞれ像担持体としての感光ドラム1を有する4つの画像形成部PY、PM、PC、PKを備えた電子写真方式のタンデム型のフルカラープリンタである。画像形成装置100は、装置本体100Aに接続された原稿読み取り装置(図示せず)又は装置本体100Aに対し通信可能に接続されたパーソナルコンピュータなどのホスト機器からの画像信号に応じてトナー像(画像)を記録材に形成する。記録材としては、用紙、プラスチックフィルム、布などのシート材が挙げられる。また、画像形成部PY、PM、PC、PKは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成する。
なお、画像形成装置100が備える4つの画像形成部PY、PM、PC、PKは、現像色が異なることを除いて実質的に同一の構成を有する。したがって、代表して画像形成部PYについて説明し、その他の画像形成部については説明を省略する。
図2に示すように、画像形成部PYには、像担持体として円筒型の感光体、即ち、感光ドラム1が配設されている。感光ドラム1は、図中矢印方向に回転駆動される。感光ドラム1の周囲には帯電手段としての帯電ローラ2と、現像装置4、転写手段としての一次転写ローラ52、クリーニング手段としてのクリーニング装置7が配置されている。感光ドラム1の図中下方には、露光手段としての露光装置(本実施形態ではレーザースキャナ)3が配置されている。
図1に示すように、各画像形成部PY、PM、PC、PKの上方には、転写装置5が配置されている。転写装置5は、中間転写体としての無端状の中間転写ベルト51が複数のローラに張設されて、矢印方向に周回移動(回転)するように構成されている。そして、中間転写ベルト51は、後述するように中間転写ベルト51に一次転写されたトナー像を担持して搬送する。中間転写ベルト51を張架するローラのうちの二次転写内ローラ53と中間転写ベルト51を挟んで対向する位置には、二次転写手段としての二次転写外ローラ54が配置され、中間転写ベルト51上のトナー像を記録材に転写する二次転写部T2を構成している。二次転写部T2の記録材搬送方向下流には定着装置6が配置される。
画像形成装置100の下部には、記録材Sが収容されたカセット9が配置されている。カセット9から給送された記録材Sは、搬送ローラ91によりレジストレーションローラ92に向けて搬送される。そして、停止状態のレジストレーションローラ92に記録材Sの先端が突き当たり、ループを形成することで記録材Sの斜行を補正する。その後、中間転写ベルト51上のトナー像と同期してレジストレーションローラ92の回転を開始させ、記録材Sを二次転写部T2に搬送する。
上述のように構成される画像形成装置100により、例えば4色フルカラーの画像を形成するプロセスについて、図1に基づいて説明する。まず、画像形成動作が開始すると、回転する感光ドラム1の表面が帯電ローラ2によって一様に帯電される。次いで、感光ドラム1は、露光装置3から発せられる画像信号に対応したレーザー光により露光される。これにより、感光ドラム1上に画像信号に応じた静電潜像が形成される。感光ドラム1上の静電潜像は、現像装置4内に収容された現像剤としてのトナーによって顕像化され、可視像となる。
感光ドラム1上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト51を挟んで配置される一次転写ローラ52との間で構成される一次転写部T1(図2参照)にて、中間転写ベルト51に一次転写される。この際、一次転写ローラ52には一次転写バイアスが印加される。一次転写後に感光ドラム1の表面に残った転写残トナーは、クリーニング装置7によって除去される。
このような動作をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各画像形成部で順次行い、中間転写ベルト51上で4色のトナー像を重ね合わせる。その後、トナー像の形成タイミングに合わせて、カセット9に収容された記録材Sが二次転写部T2に搬送される。そして、二次転写外ローラ54に二次転写バイアスを印加することにより、中間転写ベルト51上の4色のトナー像を、記録材S上に一括で二次転写する。二次転写部T2で転写しきれずに中間転写ベルト51に残留したトナーは、中間転写ベルトクリーナ55により除去される。
次いで、記録材Sは定着手段としての定着装置6に搬送される。定着装置6は、内部にハロゲンヒータなどの熱源を有する定着ローラ61及び加圧ローラ62を備え、定着ローラ61と加圧ローラ62とで定着ニップ部を形成する。この定着装置6の定着ニップ部にトナー像が転写された記録材Sを通過させることで、記録材Sが加熱及び加圧される。そして、記録材S上のトナーは溶融及び混合されて、フルカラーの画像として記録材Sに定着される。その後、記録材Sは、排出ローラ101により排出トレイ102に排出される。これにより、一連の画像形成プロセスが終了する。
なお、本実施形態の画像形成装置100は、例えばブラック単色の画像など、所望の単色または4色のうちいくつかの色用の画像形成部を用いて、単色またはマルチカラーの画像を形成することも可能である。
[現像装置]
次に、現像装置4の詳しい構成について、図3及び図4を用いて説明する。現像装置4は、非磁性トナーと磁性を有するキャリアを含む現像剤を収容する現像容器41と、現像容器内の現像剤を担持して回転する現像剤担持体としての円筒形状の現像スリーブ44とを有する。現像容器41内には、現像容器41内の現像剤を攪拌・搬送しつつ現像容器内を循環させる搬送部材としての搬送スクリュー43a、43bが配置されている。また、現像スリーブ44の内部には、回転方向に並んだ複数の磁極を有する磁界発生手段としてのマグネットローラ44aが非回転に配置されている。更に、現像スリーブ44の表面に現像剤の薄層を形成する規制部材としての現像ブレード42が配置されている。
次に、現像装置4の詳しい構成について、図3及び図4を用いて説明する。現像装置4は、非磁性トナーと磁性を有するキャリアを含む現像剤を収容する現像容器41と、現像容器内の現像剤を担持して回転する現像剤担持体としての円筒形状の現像スリーブ44とを有する。現像容器41内には、現像容器41内の現像剤を攪拌・搬送しつつ現像容器内を循環させる搬送部材としての搬送スクリュー43a、43bが配置されている。また、現像スリーブ44の内部には、回転方向に並んだ複数の磁極を有する磁界発生手段としてのマグネットローラ44aが非回転に配置されている。更に、現像スリーブ44の表面に現像剤の薄層を形成する規制部材としての現像ブレード42が配置されている。
現像容器41の内部は、その略中央部が現像スリーブ44の回転軸線方向に延在する隔壁(壁部)41cによって現像室41aと攪拌室41bに水平方向の左右に区画されており、現像剤は現像室41a及び攪拌室41bに収容されている。隔壁41cは、現像スリーブ44の後述する剥離領域Ar2との間に隙間を有して対向している。現像室41a及び攪拌室41bには、搬送スクリュー43a、43bがそれぞれ配置されている。隔壁41cの長手方向両端部(現像スリーブ44の回転軸線方向両端部、図4の左側部及び右側部)には、現像室41aと攪拌室41bとの間での現像剤の通過を許す受渡し部41d、41eが設けられている。尚、本明細書中では、現像スリーブ44の回転軸線方向を長手方向Xとして示す。
搬送スクリュー43a、43bは、それぞれ、軸(回転軸)の周りに、搬送部としての螺旋状の羽根を設けて形成されている。また、搬送スクリュー43bには、螺旋状の羽根に加えて、軸からその半径方向に突出し、現像剤の搬送方向に所定の幅を有する攪拌リブ43b1が設けられている。攪拌リブ43b1は、軸の回転に伴って現像剤を攪拌する。
搬送スクリュー43aは、現像室41aの底部に現像スリーブ44の長手方向X(図7参照)に沿って配置されており、不図示のモータによって回転軸を回すことで現像室41a内の現像剤を軸線方向に沿って搬送しつつ、現像スリーブ44に現像剤を供給する。現像スリーブ44に担持され、現像工程でトナーが消費された現像剤は、現像室41aに回収される。即ち、搬送スクリュー43aは、現像スリーブ44の下方において長手方向Xと略平行な方向に現像剤を搬送する。
また、搬送スクリュー43bは、攪拌室41b内の底部に現像スリーブ44の長手方向Xに沿って配置され、攪拌室41b内の現像剤を搬送スクリュー43aとは反対に軸線方向に沿って搬送する。現像剤は、このようにして、搬送スクリュー43a、43bによって搬送され、受渡し部41d、41eを介して現像容器41内を循環する。
攪拌室41bの搬送スクリュー43bの搬送方向上流端部には、現像容器41内にトナーを含む現像剤を補給するための現像剤補給口46が設けられている。現像剤補給口46は、後述する図5に示す現像剤補給装置80の補給搬送部83に接続されている。したがって、補給用の現像剤は、現像剤補給装置80から補給搬送部83及び現像剤補給口46を介して攪拌室41b内に供給される。搬送スクリュー43bは、現像剤補給口46から補給された現像剤と、既に攪拌室41b内にある現像剤とを攪拌しつつ搬送し、トナー濃度を均一化する。
したがって、搬送スクリュー43a、43bの搬送力により、現像工程でトナーが消費されてトナー濃度が低下した現像室41a内の現像剤が、一方の受渡し部41d(図4の左側)を介して攪拌室41b内へ移動する。そして、攪拌室41b内に移動した現像剤は、補給された現像剤と攪拌されつつ搬送され、他方の受渡し部41e(図4の右側)を介して現像室41aへ移動する。
現像容器41の現像室41aには、感光ドラム1に対向した対向領域(現像領域)Ar1に相当する位置に開口部41hがあり、この開口部41hにおいて現像スリーブ44が感光ドラム1の方向に一部露出するように回転自在に配設されている。一方、現像スリーブ44に内包されたマグネットローラ44aは、非回転に固定されている。このような現像スリーブ44は、不図示のモータにより回転させられて、現像剤を対向領域Ar1に搬送可能で、対向領域Ar1において現像剤を感光ドラム1に供給する。本実施形態では、現像スリーブ44は、非磁性材料として例えばアルミニウムやステンレスにより円筒状に形成されている。また、現像スリーブ44は、対向領域Ar1において重力方向下方から上方に向かって、即ち、図3の反時計回り方向に回転する。
開口部41hの現像スリーブ44の回転方向上流側には、現像スリーブ44に担持された現像剤の量(層厚)を規制する規制部材としての現像ブレード42が固定されている。本実施形態では、現像スリーブ44が対向領域Ar1において重力方向下方から上方に向かって回転するため、現像ブレード42は、対向領域Ar1の重力方向下方に位置する。
マグネットローラ44aは、図3に示すように、周方向に複数の磁極S1、S2、S3、N1、N2極の合計5極を有して、ローラ状に形成されている。このようなマグネットローラ44aは、現像スリーブ44に現像剤を担持させる磁界を発生させると共に、後述する剥離領域Ar2で現像スリーブ44から現像剤を剥離させる磁界を発生させる。即ち、現像室41a内の現像剤は、搬送スクリュー43aにより現像スリーブ44に供給される。そして、現像スリーブ44に供給された現像剤は、マグネットローラ44aの吸着用磁極S2(第2磁極)が発生する磁界により、現像スリーブ44上に所定の量が担持され、現像剤溜まりを形成する。
現像スリーブ44上の現像剤は、現像スリーブ44が回転することによって、現像剤溜まりを通過し、規制用磁極N1にて穂立ちして、規制用磁極N1と対向する現像ブレード42によって層厚が規制される。そして、層厚が規制された現像剤は、感光ドラム1と対向する対向領域Ar1へと搬送され、現像用磁極S1にて穂立ちして磁気穂を形成する。この磁気穂が、対向領域Ar1において現像スリーブ44と同方向に回転する感光ドラム1に接触し、帯電したトナーによって静電潜像をトナー像として現像する。
その後、現像スリーブ44上の現像剤は、搬送用磁極N2により、現像スリーブ44の表面に対する現像剤の吸着を維持されつつ、現像スリーブ44の回転により現像容器41内へと搬送される。そして、現像スリーブ44に担持された現像剤は、現像スリーブ44の回転方向に順に配置された同極の剥離用磁極S3(第1磁極)と吸着用磁極S2とにより形成された剥離領域Ar2で、現像スリーブ44の表面から剥離される。尚、本実施形態で、剥離領域Ar2とは、例えば、磁力の現像スリーブ44の回転中心方向成分が0N以下の領域としている。剥離された現像剤は、現像容器41の現像室41aに回収される。
なお、現像容器41には、図4に示すように、現像容器41内のトナー濃度を検知するトナー濃度センサとしてのインダクタンスセンサ45が設けられている。本実施形態では、インダクタンスセンサ45は、攪拌室41bの現像剤搬送方向下流側に設けられている。
[現像剤補給装置]
次に、現像剤補給装置80について、図5を用いて説明する。現像剤補給装置80は、補給用の現像剤を収容する収容容器8と、補給機構81と、補給搬送部83とを有する。収容容器8は、円筒状の容器の内壁に螺旋状の溝を掘った構成となっており、収容容器8自体が回転することで長手方向(回転軸線方向)へと現像剤の搬送力を発生させる。収容容器8の現像剤搬送方向下流端部には、補給機構81に接続されている。補給機構81は、収容容器8から現像剤が搬送される排出口82から現像剤を排出するポンプ部81aを有する。ポンプ部81aは、蛇腹状に形成され、回転駆動されることで容積が変化して空気圧を発生し、収容容器8から搬送された現像剤を排出口82から排出する。
次に、現像剤補給装置80について、図5を用いて説明する。現像剤補給装置80は、補給用の現像剤を収容する収容容器8と、補給機構81と、補給搬送部83とを有する。収容容器8は、円筒状の容器の内壁に螺旋状の溝を掘った構成となっており、収容容器8自体が回転することで長手方向(回転軸線方向)へと現像剤の搬送力を発生させる。収容容器8の現像剤搬送方向下流端部には、補給機構81に接続されている。補給機構81は、収容容器8から現像剤が搬送される排出口82から現像剤を排出するポンプ部81aを有する。ポンプ部81aは、蛇腹状に形成され、回転駆動されることで容積が変化して空気圧を発生し、収容容器8から搬送された現像剤を排出口82から排出する。
排出口82には、補給搬送部83の上端部が接続されており、補給搬送部83の下端部は、現像装置4の現像剤補給口46に接続されている。即ち、補給搬送部83は、排出口82と現像剤補給口46とを連通させている。したがって、ポンプ部81aにより排出口82から排出された現像剤は、補給搬送部83を通って現像装置4の現像容器41内に補給される。
なお、図4に示すように、上述の現像装置4において、現像剤補給口46は、攪拌室41bの現像剤搬送方向上流端部で、且つ、現像室41aと攪拌室41bとで形成される現像剤の循環経路の外側に備えられている。具体的には、現像剤補給口46は、一方の受渡し部41dよりも攪拌室41bの現像剤搬送方向上流側に設けられている。したがって、現像剤補給口46の近傍は、現像剤の循環経路の現像剤は殆ど存在せず、補給用の現像剤が通過するのみである。
このような図5に示す現像剤補給装置80による補給は、自動トナー補給制御(以下、「ATR(Automatic Toner Replenisher)制御」という)により行われる。このATR制御は、画像形成時の画像比率、インダクタンスセンサ45、トナー像の濃度を検知する濃度センサ103(図1参照)によるパッチ画像の濃度検知結果に応じて、現像剤補給装置80の動作を制御して、現像剤を現像装置4に補給するものである。
濃度センサ103は、図1に示すように、中間転写ベルト51の回転方向に関し、画像形成部PKの下流で、二次転写部T2の上流に、中間転写ベルト51の表面と対向して配置されている。濃度センサ103を用いる制御では、例えば、画像形成ジョブの開始時や所定枚数の画像形成毎などのタイミングで、制御用のトナー像(パッチ画像)を中間転写ベルト51上に転写し、濃度センサ103によりパッチ画像の濃度を検知する。そして、この検知結果に基づいて、現像剤補給装置80による現像剤の補給制御を行う。
なお、現像装置4に現像剤を補給する構成は、このような構成に限らず、従来から知られている構成を用いても良い。
[現像剤の飛散]
ここで、現像装置から発生する現像剤の飛散について説明する。まず、画像形成装置では、出力画像の高速化や高画質化を求められると共にメンテナンスの簡略化が求められている。このメンテナンス簡略化の中の一つとして画像形成装置内部の現像剤による汚染の低減が挙げられる。画像形成装置内部が現像剤で汚染されると、出力画像の汚れなどの画像不良が発生したり、現像装置や感光ドラムユニットなどの交換時などに清掃作業が発生したりする。また、現像剤がギアなどの各駆動系に付着した場合、駆動系に滑りなどが発生する虞がある。
ここで、現像装置から発生する現像剤の飛散について説明する。まず、画像形成装置では、出力画像の高速化や高画質化を求められると共にメンテナンスの簡略化が求められている。このメンテナンス簡略化の中の一つとして画像形成装置内部の現像剤による汚染の低減が挙げられる。画像形成装置内部が現像剤で汚染されると、出力画像の汚れなどの画像不良が発生したり、現像装置や感光ドラムユニットなどの交換時などに清掃作業が発生したりする。また、現像剤がギアなどの各駆動系に付着した場合、駆動系に滑りなどが発生する虞がある。
このような画像形成装置内部の現像剤による汚染の原因の一つとして、現像剤が現像装置内から飛散してしまうことが挙げられる。例えば、二成分現像剤の場合、通常、現像装置内部では、トナーとキャリアとが摩擦帯電しているため、トナーとキャリアは静電気力で付着している。しかし、何らかの衝撃でこの付着が解放され、キャリアから遊離したトナーが現像装置内部から気流とともに排出されてしまう現像剤の飛散が発生する虞がある。
このような現像剤の飛散について、図6を用いて説明する。なお、図6の矢印は気流の流れを、梨地部分は現像剤dを示す。現像容器41は、現像スリーブ44の上方を覆う上壁41kを備える。そして、上壁41kと現像スリーブ44とで構成される現像容器41内部と外部を連通する連通口47には、現像スリーブ44の回転により空気が現像容器41内に流入する空気の流路が形成される。この流路は、感光ドラム1と対向した位置で開口しており、現像容器41内からの現像剤の飛散は、主としてこの流路から発生する。これは、この流路と反対側(図6の下側)は、現像ブレード42が現像スリーブ44と近接して対向しているためである。即ち、この位置では、現像スリーブ44に担持された現像剤が現像ブレード42に層厚が規制されている状態であり、現像スリーブ44と現像ブレード42との隙間からは空気が流出しにくいためである。
ここで、現像剤の飛散とは、現像剤の攪拌・搬送や現像剤の補給によって現像容器41内に生じる遊離トナーなどの現像剤が流路の開口を通って、現像容器41の外部に排出され、現像容器41内に回収しきれないもののことをさす。
まず、トナー遊離について説明する。現像容器41に収容されているトナー及びキャリアは、攪拌室41b及び現像室41aにおいて摩擦帯電され、摩擦帯電により生じる静電付着力及び表面性などにより生じる非静電付着力によって、互いに付着している。このキャリアに付着しているトナーに対し衝撃やせん断力を加えられると、トナーがキャリアから引き剥がされ現像容器41内で遊離する。この時の衝撃やせん断力として、現像スリーブ44による現像剤搬送の際の現像剤挙動がある。
現像剤は、現像スリーブ44上で、内部の磁極の磁力線に沿ったチェーン状の構造である磁気穂を形成する。この磁気穂は、現像スリーブ44の回転により、磁極直前に回転方向前方に立ち上がり、磁極上を通過すると回転方向前方に倒れる。このとき、磁気穂の回転方向は現像スリーブ44の回転方向と同一方向である。この磁気穂が倒れるときの衝撃や遠心力あるいは慣性力によって、トナーがキャリアから引き剥がされることがトナー遊離の原因となっている。
現像スリーブ44による現像剤搬送の際にトナー遊離への寄与の大きい磁極は、吸着用磁極S2との間で反発磁界を生成する剥離用磁極S3である。この剥離用磁極S3では、現像剤を現像スリーブ44から剥離するため、磁極によって現像スリーブ44の回転方向と逆方向の磁気力を加え、搬送される現像剤の速度を落とし、現像剤を滞留させる。そして、現像スリーブ44の外周面のうち、剥離用磁極S3の磁界の大きさの現像スリーブ44の法線方向成分が極大(接線方向成分が極小)となる点を中心とした現像剤滞留部(現像剤溜り)αが形成される。このとき、現像スリーブ44の表面を搬送される現像剤流量は保存されるため、磁気穂の長さが長くなる。磁気穂が長くなると、磁気穂が倒れるときの衝撃や遠心力あるいは慣性力が大きくなり、トナー遊離量が増加する傾向がある。なお、磁気穂が倒れるときの衝撃は、現像用磁極S1や搬送用磁極N2でも発生するため、剥離用磁極S3よりは少ないものの現像用磁極S1や搬送用磁極N2でもトナー遊離は発生する。
また、現像剤補給装置80からの現像剤補給口46に現像剤が補給される際に、十分に攪拌される前に舞い上がった現像剤も、現像容器41内で遊離トナーの要因となっている。現像剤補給口46に供給されたトナーは、既に攪拌室41b内にある現像剤と攪拌されつつ搬送される。このとき、補給現像剤と既にある現像剤の混合領域では、一時的にトナーと現像剤の混合比が高くなる。トナーと現像剤の混合比が高い場合、トナーの帯電量が低下し、トナーとキャリア間の静電付着力が低下する。現像剤と混合しきれなかったトナーはそのまま、若しくは、搬送スクリュー43a、43bによる現像剤の攪拌・搬送時の衝撃で遊離され、遊離トナーが現像容器41内で舞い上がる。
更に、ポンプ部81aによって発生する空気圧で排出される現像剤補給装置80を用いた場合、その空気圧が補給搬送部83を通じて伝搬し、現像剤補給口46から現像容器41に空気の流入を生じる場合がある。このとき流入した気流は、現像剤補給口46近傍のトナーと現像剤の混合比が高い部分での遊離トナーを現像容器41内に巻き上げる。また、この現像容器41への空気圧伝搬は、現像剤補給口46から攪拌室41bにかけて非定常な気圧の上昇を生じさせる。この気圧の上昇は、後述するように、遊離トナーを現像容器41の外部に流出させる要因になる。特に、このような現像剤補給による流入空気は、現像容器41の長手方向(現像スリーブ44の回転方向と交差する方向、回転軸線方向)Xに関し、現像剤補給口46を含む側の端部における現像剤の飛散の原因の一つとなる。
次に、現像装置4の内部及び近傍の気流について説明する。現像装置4の近傍において気流を生成するのは、現像スリーブ44及び感光ドラム1である。ここでは、それぞれ説明する。まず、現像スリーブ44の回転及び磁極上の磁気穂の挙動により、現像スリーブ44の回転方向と略同方向に気流が生成される。この現像スリーブ44の回転方向と略同方向に生成される気流は、現像容器41の連通口47を介して現像容器41の内部に空気を取り込む。また、現像容器41には、現像剤の補給によっても空気が流入する。
現像容器41を略閉空間と仮定すると、空気は流体であるため連続の方程式を適用できる。空気の流速をv、密度をρとすると、次の数式(1)が成り立つ。
Ia(スリーブ流入)+Id(補給流入)=Ib(スリーブ排出)・・・(3)
現像スリーブ44によって取り込まれ、現像スリーブ44に沿って流れる気流は、現像容器41内で折り返して排出される。この際、剥離用磁極S3の現像剤滞留部αで、現像スリーブ44から剥離した現像剤を含んで、気流が折り返されると、その気流は、現像容器41内で発生した遊離トナーなどの現像剤を多く含んで排出方向に向かうことになる。
現像スリーブ44によって取り込まれ、現像スリーブ44に沿って流れる気流は、現像容器41内で折り返して排出される。この際、剥離用磁極S3の現像剤滞留部αで、現像スリーブ44から剥離した現像剤を含んで、気流が折り返されると、その気流は、現像容器41内で発生した遊離トナーなどの現像剤を多く含んで排出方向に向かうことになる。
このIb(スリーブ排出)に含有した遊離トナーが現像容器41の外部へ排出される工程としては、以下の3つが挙げられる。第1の工程は、連通口47より現像装置4の外部に排出されたIb(スリーブ排出)が上壁41kと感光ドラム1との間隙より直接排出されるものである。第2の工程は、Ib(スリーブ排出)が感光ドラム1の近傍で混合され、感光ドラム1が生成する気流に乗って排出されるものである。第3の工程は、Ib(スリーブ排出)に含有される遊離トナーが慣性力で感光ドラム1が生成する気流に移ることで現像容器41の外部に排出されるものである。飛散トナーは、上述した3つの工程のうちの少なくとも1つ以上の要因により現像容器41の外部に排出されて、現像装置4の周囲を汚染してしまう虞がある。
[現像装置の長手方向における気流]
次に、図7及び図8を用いて、現像装置4の近傍の長手方向Xにおける気流について説明する。図7の矢印は、現像装置4内における気流の流れを示している。上述のように現像容器41の内圧が上昇した状態で気流収支の均衡が保たれる。この気流収支の均衡において、現像容器41内の上壁41k側を通って排出される空気流量Ibに対して、反発磁界を生成する剥離用磁極S3の近傍で滞留している現像剤(図6の現像剤滞留部α)が気流の流路を制限し圧力損失を生じている。
次に、図7及び図8を用いて、現像装置4の近傍の長手方向Xにおける気流について説明する。図7の矢印は、現像装置4内における気流の流れを示している。上述のように現像容器41の内圧が上昇した状態で気流収支の均衡が保たれる。この気流収支の均衡において、現像容器41内の上壁41k側を通って排出される空気流量Ibに対して、反発磁界を生成する剥離用磁極S3の近傍で滞留している現像剤(図6の現像剤滞留部α)が気流の流路を制限し圧力損失を生じている。
この剥離用磁極S3の近傍の現像剤滞留部αの現像剤量は、現像容器41の長手方向Xの位置によって異なる。図7のL1で示す位置である現像容器41の長手方向Xの中央部においては、剥離用磁極S3の近傍の現像剤滞留部αの現像剤量が多い。観察用に用いた現像装置(後述する検証実験に用いたものと同様のもの)では、現像剤滞留部αと現像容器41との距離が約2mmとなっていた。一方、図7のL2、L3で示す位置である現像容器41の長手方向Xの両端部における剥離用磁極S3近傍の現像剤滞留部αの現像剤量は、長手方向Xの中央部に比べて少ない。そのため、現像剤滞留部αと現像容器41との距離が約3mmとなっていた。
なお、現像剤滞留部αと現像容器41の距離とは、次のように形成された現像剤滞留部αの先端と、この先端と対向する現像容器41の壁部41fとの最短距離である。壁部41fは、現像スリーブ44の感光ドラム1と反対側で、且つ、隔壁41c及び現像室41aの上方に配置され、上端部が上壁41kと連続する壁である。現像剤滞留部αと現像容器41の距離を測る際には、後述する検証実験と同様に、現像装置4を通常使用される角度(例えば、水平)で設置した状態で所定時間(例えば、A4用紙1枚以上)駆動して停止する。このとき、現像スリーブ44の周面に担持されている現像剤のうち、剥離用磁極S3近傍に、図6に示すように、現像剤滞留部αが現像スリーブ44に担持された状態で形成される。現像スリーブ44と現像容器41との距離は既知であるため、現像剤滞留部αの高さを計測することで、現像剤滞留部αと現像容器41との距離を測ることができる。
一般的には、図8に示すように、マグネットローラ44aの隣り合う同極の磁極(ここでは、剥離用磁極S3と吸着用磁極S2)の磁力線は交叉しないように伸びることが知られている。内部にマグネットローラ44aが配置される現像スリーブ44の長手方向Xの中央部においては、磁界が長手方向Xに均一であるので、剥離用磁極S3からの磁力線はマグネットローラ44aの中心線に直交する断面内に留まる。
しかし、現像スリーブ44の長手方向Xの両端部においては、マグネットローラ44aの端面の外側には磁極が存在しないため、剥離用磁極S3からの磁力線はマグネットローラ44aの中心線に直交する断面内に留まらない。そして、剥離用磁極S3からの磁力線は、3次元的に現像スリーブ44の端部方向に向けて伸びる。このため、剥離用磁極S3近傍の現像剤滞留部αの磁気穂は、磁力線の影響で現像スリーブ44の端部方向に流れる。
この結果、現像スリーブ44の長手方向Xの両端部における剥離用磁極S3の近傍の現像剤滞留部αの現像剤量が、長手方向Xの中央部における剥離用磁極S3の近傍の現像剤滞留部αの現像剤量より相対的に少なくなる。その結果、図8の白抜き矢印で示すように、長手端部における現像スリーブ44の断面方向の流路は中央部に比べて広くなる。現像剤滞留部αの現像剤量が少ない長手方向Xの両端部の領域は、現像スリーブ44が現像剤を担持可能なコート領域(担持領域)Ar3(図9参照)の両端から、それぞれ長くてもコート領域Ar3の長さの15%以下(例えば、50mm以下)の領域である。なお、コート領域Ar3は、現像スリーブ44の表面上に現像剤が担持される領域であり、例えば、現像スリーブ44の両端部に現像剤の担持領域を規制する規制板(例えば磁性板)がある場合には、この規制板の位置がコート領域Ar3の両端となる。また、本実施形態では、コート領域Ar3の長手方向Xの長さは、例えば、330mmとしている。
このように現像剤滞留部αの現像剤量が長手方向Xの両端部で中央部よりも少ないと、図7に矢印で示すように、長手方向Xの両端部における現像スリーブ44の長手方向Xに直交する断面の流路は中央部に比べて広くなる。したがって、長手方向Xの中央部では相対的に現像容器41の内圧の上昇に対して気流を排出しづらく、長手方向Xの両端部では気流を排出しやすい。そして、現像容器41内の現像スリーブ44の回転方向に関して剥離用磁極S3よりも下流の空間、即ち剥離領域Ar2あるいはその近傍において、長手方向Xの中央部から両端部に向かう横流れの気流が発生する。この結果、現像容器41の連通口47(図6参照)から排出される気流は、現像容器41の長手方向Xの両端部の方が中央部よりも大きくなり、長手方向Xの両端部におけるトナー飛散が増加する。
[現像容器の突出部の構成]
そこで、本実施形態では、現像容器41の内部における長手方向Xの中央部から両端部に向かう横流れの気流が発生する流通空間(隙間)41sの途中を塞いで、横流れの気流を堰き止めるようにしている。この点について、図9及び図10を用いて説明する。
そこで、本実施形態では、現像容器41の内部における長手方向Xの中央部から両端部に向かう横流れの気流が発生する流通空間(隙間)41sの途中を塞いで、横流れの気流を堰き止めるようにしている。この点について、図9及び図10を用いて説明する。
上述のように、現像装置4の長手方向Xの両端部では、剥離用磁極S3近傍の現像剤滞留部αの現像剤量が中央部よりも少なく、圧力損失が小さいため、排出気流が大きくなり、長手方向Xの中央部から両端部に向かう横流れの気流が発生する。そこで、本実施形態では、横流れの気流が発生する流通空間41sの途中を塞ぐことで、長手方向Xの中央部からの横流れの気流が長手方向Xの両端部まで達しないようにして、長手方向Xの両端部から飛散するトナーの量を低減するようにしている。即ち、現像容器41の一対の端部領域Ar4同士(端部領域同士)の間の領域である中間領域Ar5に複数の突出部48を設けることにより、少なくとも流通空間41sの一部を塞ぐようにしている。
具体的には、現像スリーブ44の表面のうち、剥離領域Ar2の少なくとも一部を含む領域で、且つ、コート領域Ar3において、長手方向Xに関して一対の端部領域Ar4を設けている。一対の端部領域Ar4は、コート領域Ar3の両端から、それぞれコート領域Ar3の長さの3%(例えば、10mm)の長さを有して設けられている。そして、現像スリーブ44の長手方向Xに関し、一対の端部領域Ar4同士の間の領域である中間領域Ar5に、少なくとも流通空間41sの一部を塞ぐように、突出部(塞ぎ部)48が複数設けられている。突出部48が中間領域Ar5に設けられていることにより、中間領域Ar5から端部領域Ar4への横流れの気流を抑えながらも、端部領域Ar4における排出気流を確保することができる。
本実施形態では、突出部48は中間領域Ar5の両端部の近傍に1つずつ設けられている。即ち、突出部48は、長手方向Xに関し、中間領域Ar5の中央を境界として両側に1つずつ設けられている。このため、長手方向Xの中央部から両方の端部領域Ar4に対する横流れの気流を抑えることができ、トナー飛散を効果的に抑えることができる。
突出部48は、隔壁41cから現像スリーブ44に向けて突出し、現像スリーブ44の長手方向Xを厚さ方向とし、現像容器41の縦方向を長手方向として設けられた平板形状である。突出部48は、現像スリーブ44に対向する平面状の対向面48aを有し、現像スリーブ44の剥離用磁極S3と吸着用磁極S2との間の剥離領域Ar2の少なくとも一部に対向した流通空間41sを塞ぐように配置されている。尚、本実施形態では、突出部48は、例えば、現像容器41とは別部材からなり、上壁41kに固着されて設けられている。突出部48は平板形状であるので、現像容器41への組付けを容易に行うことができる。但し、突出部48は上壁41kに固着されていることには限られず、例えば、隔壁41cに固着されていたり、あるいは上壁41k又は隔壁41cと一体形成されていてもよい。
ここで、本実施形態では、突出部48は平板形状で、剥離領域Ar2の少なくとも一部に対向した流通空間41sを塞ぐように配置されている。上述したように、現像剤溜まりαは剥離用磁極S3の近傍に形成されるが(図8(a)参照)、剥離用磁極S3よりも下流の空間である剥離領域Ar2あるいはその近傍において、長手方向Xの中央部から両端部に向かう横流れの気流が発生する。このため、突出部48は、特に剥離領域Ar2の少なくとも一部に対向した流通空間41sを塞ぐことで、長手方向Xの中央部から両端部に向かう横流れの気流を効果的に抑えるようにしている。
突出部48の下端部は、吸着用磁極S2の磁界の大きさの現像スリーブ44の法線方向成分が極大となる点(磁力最大点)よりも低い位置に位置するように設けられている。これにより、突出部48は剥離領域Ar2の少なくとも一部に対向した流通空間41sを十分に塞ぐことができる。また、突出部48の下端部は、搬送スクリュー43aの最上部より高い位置に位置するように設けられている。これにより、突出部48が現像室41aにおける現像剤の搬送を妨げてしまうことを防止できる。
次に、突出部48を形成する長手方向Xの位置について説明する。現像スリーブ44の長手方向Xにおいては、上述したように、横流れの気流が発生し、現像スリーブ44の長手方向Xの両端部における剥離用磁極S3近傍の現像剤滞留部αの現像剤量が少ない領域から内圧が抜ける傾向がある。これは、上述した通り、現像スリーブ44の長手方向Xの両端部では、磁力線が端部方向に流れ込み、現像剤の剥離方向が磁力線に引っ張られて端部側に流れるためである。そこで、現像スリーブ44の長手方向Xの両端部に対して長手方向Xの中央部から横流れに気流が入り込まないように、突出部48を設ける位置は、現像スリーブ44の長手方向Xの両端部よりも中央部側に設けることが好ましい。即ち、突出部48を設ける位置は、剥離領域Ar2において剥離された現像剤の落下方向が端部側に流れている領域に対応する領域よりも長手方向Xの中央部側とすることが好ましい。
ここで、現像スリーブ44から剥離された現像剤の落下方向が端部側に流れている領域とは、以下の通りである。まず、現像剤が剥離して落下する面に対して、剥離領域(磁力の現像スリーブ44回転中心方向成分が0N以下の領域)Ar2を投影した範囲の現像剤挙動を観察する。このとき、剥離した現像剤の移動速度の方向成分を重力方向とそれに垂直な長手方向Xとに分けた場合、長手方向1mm当たりの平均速度が重力方向成分に対し、長手方向Xの端部に向かう長手端部方向に3%以上の割合を持つ領域を指す。即ち、剥離領域Ar2において剥離した現像剤が長手方向Xに1mm移動する所定時間(例えば、5〜10秒)における平均速度を、重力方向成分と、長手方向Xに関して現像スリーブ44の端部方向に向かう長手端部方向成分とに分ける。この場合に、一対の端部領域Ar4は、長手端部方向成分が重力方向成分に対して3%以上の割合を有する領域である。また、公差などを含み十分な効果を発揮するには、この範囲から長手方向内側に5mm以上の領域を近接させることが好ましい。このために本実施形態では、一対の端部領域Ar4は、現像スリーブ44の長手方向Xに関し、コート領域Ar3の両端からそれぞれコート領域Ar3の長さの3%(例えば、10mm)の長さを有する領域としている。
突出部48は、端部領域Ar4同士の間の領域である中間領域Ar5に設けられている。このため、突出部48は、長手方向Xに関し、コート領域Ar3の両端から中央側に向かってそれぞれコート領域Ar3の長さの3%以上(例えば、10mm以上)の長さを有する領域に設けられている。
一方、長手方向Xにおいて一対の突出部48を設ける領域が中央側に寄りすぎる場合は、一対の突出部48よりも長手方向Xの端部側で中央側から端部側に横流れの気流が発生してしまい、上述のような対策を行っても端部からトナーが飛散する可能性がある。このため、突出部48は、長手方向Xに関し、コート領域Ar3の両端から中央側に向かってそれぞれコート領域Ar3の長さの15%以下(例えば、50mm以下)の長さを有する領域に設けられている。このように、突出部48を設ける位置としては、コート領域Ar3の両端から中央側に向かってそれぞれコート領域Ar3の長さの3%以上(例えば、10mm以上)、15%以下(例えば、50mm以下)であることが好ましい。また、より好ましくは、突出部48を設ける位置としては、コート領域Ar3の両端から中央側に向かってそれぞれコート領域Ar3の長さの4.5%以上(例えば、15mm以上)、10%以下(例えば、33mm以下)である。更に、より好ましくは、突出部48を設ける位置としては、コート領域Ar3の両端から中央側に向かってそれぞれコート領域Ar3の長さの6%(例えば、20mm)程度である。本実施形態では、突出部48は、突出部48の長手方向Xの外側の側面とコート領域Ar3の端部との距離がコート領域Ar3の長さの6%(例えば、20mm)になるように設けられている。これにより、長手方向Xの両端部への気流の集中がなくなり、両端部からの排出気流の増加を抑制し、飛散トナー量を低減できる。
突出部48は、現像スリーブ44が担持する現像剤、特に剥離用磁極S3の現像剤溜まりαと接触する。このため、突出部48の長手方向Xの幅が大きすぎる場合は、現像剤溜まりαとの接触部で詰まりを発生し、現像剤の劣化促進や離間不良による欠陥画像が発生してしまう虞がある。このため、突出部48の長手方向Xの幅は、小さい方が好ましく、約10mm以下が好ましく、5mm以下がより好ましい。本実施形態では、突出部48の長手方向Xの幅は、3mmとしている。尚、突出部48の対向面48aと現像スリーブ44との最近接距離は、流通空間41sを塞ぐ観点からは小さい方が好ましく、本実施形態では1mmとしている。
上述のように本実施形態では、中間領域Ar5の両端部の近傍にそれぞれ突出部48を設けている。このため、現像装置4の長手方向Xの横流れ気流の発生を抑えることができ、長手方向Xの両端部からの現像剤の飛散を抑制できる。
[検証実験]
次に、上述の実施形態の効果を確認するために行った検証実験について説明する。検証では、上述の第1の実施形態の構成の現像装置4を用いて、現像装置4の駆動時の現像容器41の開口部近傍からのトナー飛散量の測定を実施した。現像装置4の条件は、以下の通りである。
次に、上述の実施形態の効果を確認するために行った検証実験について説明する。検証では、上述の第1の実施形態の構成の現像装置4を用いて、現像装置4の駆動時の現像容器41の開口部近傍からのトナー飛散量の測定を実施した。現像装置4の条件は、以下の通りである。
現像スリーブ44の長手方向Xについて、現像容器41を外し、現像スリーブ44から剥離した現像剤を撮影し、PIV(粒子追跡法)を用いて速度成分を導出した。その結果、コート領域Ar3の両端より約4mmの部分で長手方向1mm当たりの現像剤の平均速度が、重力方向成分に対し長手端部方向成分が3%以上の割合を持っていた。このため、コート領域Ar3の両端からそれぞれ10mmの領域を端部領域Ar4とした。
次に、今回の検証実験で採用したトナー飛散量の計測方法の概略について述べる。現像装置4の飛散トナーは、上壁41kのドラム対向領域と感光ドラム1との間である気流を通過し外部へ飛散する。そこで、現像スリーブ44や感光ドラム1と垂直になるように気流の略中央に対してラインレーザーを照射した。ラインレーザーとは、一定の線幅を持つライン状に照射され扇形の2次元平面の光路を形成するレーザーであり、通常ドットレーザーをシリンドリカルレンズによって一定方向に散乱させることによって作成する。ラインレーザーの光路上を飛翔している飛散トナーは、レーザー光を散乱させる。そのためラインレーザーの照射方向と略垂直な方向からハイスピードカメラなどで観察することにより、レーザーを照射した範囲に存在する飛散トナーの個数や軌跡を計測することが可能である。
ラインレーザーは、光源として日本レーザー社製のYAGレーザーを使用し、シリンドリカルレンズをライン幅が0.5mmとなるように調整し照射した。観察は、フォトロン社製のハイスピードカメラSA−3を使用し、ラインレーザー上の飛散トナーが観察できるようにハイスピードカメラの設定値(フレームレートや露光時間)や光学系(レンズなど)を選定した。
以上の方法で、現像装置4からの飛散トナー数を測定し、ライン幅と観察時間からA4用紙1枚当たりに相当する飛散トナー数に換算した。
検証実験において、現像装置4は、Canon製imageRUNNER ADVANCE C3530の現像装置を改装し、第1の実施形態の構成(実施例1)とし、第1の実施形態のような突出部48がない構成を比較例とした。トナーは、ポリエステルを母体とした中心粒径6.6μmのものに外添剤としてシリカや酸化チタンを加え流動性や帯電量を調整したものを使用した。キャリアは、フェライトをアクリル樹脂でコートした中心粒径35μmのものを使用した。トナー濃度は、現像剤の総量に対してトナー重量が10%となるように調整した。
現像装置4と感光ドラム1をimageRUNNER ADVANCE C3530本体と同様な位置関係で保持・駆動できる切り出し実験機を製作し、感光ドラムを線速度264mm/sで駆動した。室温23度、湿度50%の環境のもと、画像濃度40%で100枚出力した後、上述の条件で検証実験を行った。
図11に検証実験の結果を示す。図11の横軸は現像スリーブ44のコート領域の長手方向位置で、縦軸がA4用紙1枚当たりに相当する飛散トナー数である。図11から明らかなように、比較例では、長手方向中央部に比べて両端部における飛散トナー数が極端に多かった。実施例1の構成では、長手方向両端部(片端部、他端部)での飛散トナー数が比較例に比べて減少し、中央部では微増した。以上より、実施例1の構成は、比較例の構成と比較して、汚れの主要因である長手方向両端部からのトナー飛散を抑制できることがわかった。
<第2の実施形態>
第2の実施形態について、図12を用いて説明する。上述の第1の実施形態では、突出部48の形状は、平面視において、長手方向Xの幅が現像スリーブ44との距離に関わらず一定な平板形状であった。これに対して第2の実施形態では、突出部48の形状は、平面視において、長手方向Xの幅が現像スリーブ44に近いほど細くなる略三角形状である点で、第1の実施形態と構成を異にしている。その他の構成及び作用は、上述の第1の実施形態と同様であるため、同じ構成については同じ符号を付して説明及び図示を省略又は簡略にし、以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
第2の実施形態について、図12を用いて説明する。上述の第1の実施形態では、突出部48の形状は、平面視において、長手方向Xの幅が現像スリーブ44との距離に関わらず一定な平板形状であった。これに対して第2の実施形態では、突出部48の形状は、平面視において、長手方向Xの幅が現像スリーブ44に近いほど細くなる略三角形状である点で、第1の実施形態と構成を異にしている。その他の構成及び作用は、上述の第1の実施形態と同様であるため、同じ構成については同じ符号を付して説明及び図示を省略又は簡略にし、以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態では、突出部48の設置位置は、第1の実施形態と同様にしている。突出部48は、隔壁41cから現像スリーブ44に向けて突出し、現像スリーブ44の長手方向Xを厚さ方向とし、現像容器41の縦方向を長手方向として設けられた略三角柱形状である。突出部48は、平面視において、長手方向Xの幅が隔壁41c側で約3mmであり、現像スリーブ44側に向けて細くなり、現像スリーブ44側の先端部には角部が形成されている。
本実施形態によっても、中間領域Ar5の両端部の近傍にそれぞれ突出部48を設けている。このため、現像装置4の長手方向Xの横流れ気流の発生を抑えることができ、長手方向Xの両端部からの現像剤の飛散を抑制できる。また、本実施形態によれば、突出部48の現像スリーブ44側が細くなっているので、現像スリーブ44との間における現像剤の劣化促進や離間不良による欠陥画像の発生を抑えることができる。本実施形態についても、上述した検証実験を行った結果、実施例1と同等のトナー飛散の抑制効果を確認できた。
<第3の実施形態>
第3の実施形態について、図13を用いて説明する。上述の第1の実施形態では、突出部48の対向面48aは、現像スリーブ44に対向する平面状であった。これに対して第3の実施形態では、突出部48の対向面48aは、現像スリーブ44に周方向に沿って湾曲した曲面状としている点で、第1の実施形態と構成を異にしている。その他の構成及び作用は、上述の第1の実施形態と同様であるため、同じ構成については同じ符号を付して説明及び図示を省略又は簡略にし、以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
第3の実施形態について、図13を用いて説明する。上述の第1の実施形態では、突出部48の対向面48aは、現像スリーブ44に対向する平面状であった。これに対して第3の実施形態では、突出部48の対向面48aは、現像スリーブ44に周方向に沿って湾曲した曲面状としている点で、第1の実施形態と構成を異にしている。その他の構成及び作用は、上述の第1の実施形態と同様であるため、同じ構成については同じ符号を付して説明及び図示を省略又は簡略にし、以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態では、突出部48の設置位置及び突出部48の長手方向Xの幅は、第1の実施形態と同様にしている。突出部48の対向面48aは、現像スリーブの円弧に沿って1mmの間隔を保った形状になっている。これにより、第1及び第2の実施形態に比べて、剥離領域Ar2の少なくとも一部に対向した流通空間41sをより大きく塞ぐことができ、横流れの気流の発生をより効果的に抑制することができる。
突出部48と現像スリーブ44との間隔は、小さい方が横流れの気流の発生の抑制効果は大きい。しかしながら、突出部48は、現像スリーブ44が担持する現像剤、特に剥離用磁極S3の現像剤溜まりαと接触する。このため、突出部48と現像スリーブ44との間隔が小さすぎる場合は、現像剤溜まりαとの接触部で詰まりを発生し、現像剤の劣化促進や離間不良による欠陥画像が発生してしまう虞がある。このため、突出部48と現像スリーブ44との間隔は、5mm以下、0.5mm以上が好ましい。本実施形態では、現像剤搬送に影響しない最適な構成として1mmを採用している。
本実施形態によっても、中間領域Ar5の両端部の近傍にそれぞれ突出部48を設けている。このため、現像装置4の長手方向Xの横流れ気流の発生を抑えることができ、長手方向Xの両端部からの現像剤の飛散を抑制できる。また、本実施形態によれば、突出部48の対向面48aは現像スリーブ44に周方向に沿って湾曲した曲面状であるので、流通空間41sをより大きく塞ぐことができ、横流れの気流の発生をより効果的に抑制することができる。
なお、本実施形態の構成(実施例2)についても、上述の実施例1と同様に検証実験を行った。検証実験の条件は、上述した場合と同じである。この検証実験の結果を、図14に示す。実施例2を実施例1と比較した場合、実施例2の方がコート領域Ar3の端部の飛散トナー数がより少なくなり、コート領域Ar3の端部の飛散抑止により適した構成であることが分かった。以上より、実施例2の構成も実施例1の構成と同様に、比較例の構成と比較して、汚れの主要因である長手方向両端部からのトナー飛散を抑止できることがわかった。
<第4の実施形態>
第4の実施形態について、図15を用いて説明する。上述の第1〜第3の実施形態では、突出部48は、長手方向Xに関し、中間領域Ar5の中央を境界として両側に1つずつ設けられていた。これに対して第4の実施形態では、突出部48は、長手方向Xに関し、中間領域Ar5の中央を境界として両側に複数個ずつ設けられている点で、第1〜第3の実施形態と構成を異にしている。その他の構成及び作用は、上述の第1〜第3の実施形態と同様であるため、同じ構成については同じ符号を付して説明及び図示を省略又は簡略にし、以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
第4の実施形態について、図15を用いて説明する。上述の第1〜第3の実施形態では、突出部48は、長手方向Xに関し、中間領域Ar5の中央を境界として両側に1つずつ設けられていた。これに対して第4の実施形態では、突出部48は、長手方向Xに関し、中間領域Ar5の中央を境界として両側に複数個ずつ設けられている点で、第1〜第3の実施形態と構成を異にしている。その他の構成及び作用は、上述の第1〜第3の実施形態と同様であるため、同じ構成については同じ符号を付して説明及び図示を省略又は簡略にし、以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
第1の実施形態では、剥離用磁極S3の現像剤溜まり量が長手方向Xの両端部で少なくなる境界に突出部48を1つずつ設置することで横流れ気流を抑制している。しかし、画像形成装置100の全体の稼働により発生する気流や搬送スクリュー43a、43bの回転駆動によって生じる気流によって、突出部48に気流が集中してトナー飛散を起こしてしまう虞がある。
そこで、第2の実施形態では、図15に示すように、中央部から両端部に掛けて一定間隔で突出部48を複数設けている。具体的には、第3の実施形態と同等の形状及び寸法を有する突出部48を、長手方向Xに30mm間隔で10個備えている。この実施形態では、突出部48によって区切られた各領域内で流入した気流と同じ量が排出され、長手方向Xの一部からの局所的な気流排出を抑制する。なお、突出部48の数や間隔は、上述したものには限られない。また、突出部48の設定間隔は等間隔でなくてもよい。
本実施形態によっても、中間領域Ar5の両端部の近傍を含んで長手方向Xに等間隔に突出部48を設けている。このため、現像装置4の長手方向Xの横流れ気流の発生を抑えることができ、長手方向Xの両端部からの現像剤の飛散を抑制できる。また、本実施形態によれば、突出部48は、中間領域Ar5の中央を境界として両側に複数個ずつ設けられているので、両端部の近傍に設けた突出部48に気流が集中してしまうことはなく、トナー飛散をより効果的に抑制することができる。
なお、本実施形態の構成(実施例3)についても、上述の実施例1,2と同様に検証実験を行った。検証実験の条件は、上述した場合と同じである。この検証実験の結果を、図16に示す。実施例3を実施例2と比較した場合、実施例3の方がコート領域Ar3の端部の飛散トナー数がより少なくなり、コート領域Ar3の端部の飛散抑止により適した構成であることが分かった。特に、実施例3の方が、長手方向Xの全域における飛散量が均一になり、局所的に大きいトナー飛散抑止に効果的であった。以上より、実施例3の構成も実施例1,2の構成と同様に、比較例の構成と比較して、汚れの主要因である長手方向両端部からのトナー飛散を抑止できることがわかった。
<他の実施形態>
上述の各実施形態では、画像形成装置としてプリンタを用いた場合について説明したが、本発明は、プリンタ以外に、複写機、ファクシミリ、複合機などの画像形成装置にも適用可能である。
上述の各実施形態では、画像形成装置としてプリンタを用いた場合について説明したが、本発明は、プリンタ以外に、複写機、ファクシミリ、複合機などの画像形成装置にも適用可能である。
また、上述の各実施形態では、現像装置として、現像室から現像スリーブに現像剤を供給し、現像スリーブから剥離された現像剤を現像室で回収する構成について説明した。但し、本発明は、現像スリーブに現像剤を供給する現像室と、現像スリーブから現像剤を回収する回収室とを分けた、所謂、機能分離型の構成にも適用可能である。
4…現像装置、41…現像容器、41c…隔壁(壁部)、41s…流通空間(隙間)、44…現像スリーブ(現像剤担持体)、44a…マグネットローラ(磁界発生手段)、48…突出部(塞ぎ部)、48a…対向面、Ar2…剥離領域、Ar3…コート領域(担持領域)、Ar4…端部領域、Ar5…中間領域、d…現像剤(二成分現像剤)、S2…吸着用磁極(第2磁極)、S3…剥離用磁極(第1磁極)、X…長手方向。
Claims (9)
- 非磁性のトナーと磁性を有するキャリアを含む二成分現像剤が収容される現像容器と、
前記現像容器内の現像剤を担持して回転する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の内部に非回転に配置され、前記現像剤担持体の回転方向に並んだ複数の磁極を有し、前記現像剤担持体に現像剤を担持させる磁界を発生させると共に、前記複数の磁極のうち、前記回転方向に順に配置された同極の第1磁極と第2磁極により形成された剥離領域で前記現像剤担持体から現像剤を剥離させる磁界を発生させる磁界発生手段と、を備え、
前記現像容器は、
前記現像剤担持体の前記剥離領域との間に隙間を有して対向する壁部と、
前記現像剤担持体の表面のうち、前記剥離領域の少なくとも一部を含む領域で、且つ、前記現像剤担持体が現像剤を担持可能な担持領域において、前記回転方向と交差する長手方向に関し、前記担持領域の両端からそれぞれ前記担持領域の長さの3%の長さを有する一対の端部領域同士の間の領域である中間領域に、少なくとも前記隙間の一部を塞ぐように長手方向に複数設けられた塞ぎ部と、を有する、
ことを特徴とする現像装置。 - 非磁性のトナーと磁性を有するキャリアを含む二成分現像剤が収容される現像容器と、
前記現像容器内の現像剤を担持して回転する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の内部に非回転に配置され、前記現像剤担持体の回転方向に並んだ複数の磁極を有し、前記現像剤担持体に現像剤を担持させる磁界を発生させると共に、前記複数の磁極のうち、前記回転方向に順に配置された同極の第1磁極と第2磁極により形成された剥離領域で前記現像剤担持体から現像剤を剥離させる磁界を発生させる磁界発生手段と、を備え、
前記現像容器は、
前記現像剤担持体の前記剥離領域との間に隙間を有して対向する壁部と、
前記現像剤担持体の表面のうち、前記剥離領域の少なくとも一部を含む領域で、且つ、前記現像剤担持体が現像剤を担持可能な担持領域において、前記回転方向と交差する長手方向に関し、前記担持領域の両端からそれぞれ所定の長さを有する一対の端部領域同士の間の領域である中間領域に、少なくとも前記隙間の一部を塞ぐように長手方向に複数設けられた塞ぎ部と、を有し、
前記一対の端部領域は、前記剥離領域において剥離した現像剤が前記長手方向に1mm移動する所定時間における平均速度を、重力方向成分と、前記長手方向に関して前記現像剤担持体の端部方向に向かう長手端部方向成分に分けた場合に、前記長手端部方向成分が前記重力方向成分に対して3%以上の割合を有する領域である、
ことを特徴とする現像装置。 - 前記複数の塞ぎ部は、前記長手方向に関し、前記担持領域の両端から中央側に向かってそれぞれ前記担持領域の長さの15%以下の長さを有する領域に、それぞれ少なくとも1つずつ設けられている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。 - 前記複数の塞ぎ部は、前記長手方向に関し、前記中間領域の中央を境界として両側に1つずつ設けられている、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置。 - 前記複数の塞ぎ部は、前記長手方向に関し、前記中間領域の中央を境界として両側に複数個ずつ設けられている、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置。 - 前記複数の塞ぎ部は、下端部が、前記第2磁極の磁界の大きさの前記現像剤担持体の法線方向成分が極大となる点よりも低い位置、且つ、前記現像剤担持体の下方において前記長手方向と略平行な方向に現像剤を搬送する搬送部材の最上部より高い位置に設けられている、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の現像装置。 - 前記複数の塞ぎ部は、前記現像剤担持体に対向する平面状の対向面を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の現像装置。 - 前記現像剤担持体は円筒形状であり、
前記複数の塞ぎ部は、前記現像剤担持体に周方向に沿って湾曲した曲面状の対向面を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の現像装置。 - 前記塞ぎ部は、前記壁部から前記現像剤担持体に向けて突出した突出部である、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の現像装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017242137A JP2019109360A (ja) | 2017-12-18 | 2017-12-18 | 現像装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2017242137A JP2019109360A (ja) | 2017-12-18 | 2017-12-18 | 現像装置 |
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ID=67179694
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JP2017242137A Pending JP2019109360A (ja) | 2017-12-18 | 2017-12-18 | 現像装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2019109360A (ja) |
-
2017
- 2017-12-18 JP JP2017242137A patent/JP2019109360A/ja active Pending
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