JP2018169571A - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

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幸寛 添田
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良平 寺田
Ryohei Terada
良平 寺田
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雄志 貞光
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康裕 下井
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Abstract

【課題】現像剤の飛散を十分に抑制できる構成を提供する。
【解決手段】現像容器41は、外カバー47と内カバー48とを有する。外カバー47は、回転方向Rに関して対向領域Aよりも下流に配置され、隙間を介して現像スリーブ44を覆う。また、外カバー47には、対向領域Aよりも感光ドラム1の回転方向下流側の所定範囲において感光ドラム1と隙間を介して対向する第3対向部47dが形成されている。他方、内カバー48は、外カバー47との間及び現像スリーブ44との間にそれぞれ隙間を介するように、外カバー47と現像スリーブ44との間に配置され、現像スリーブ44を覆う。内カバー48は、一部が外カバー47の一部と回転方向Rに隙間を介して対向する。内カバー48の回転方向下流端48bは、剥離用磁極S3の磁束密度の分布の絶対値の回転方向Rに関する一対の極小値M1、M2のうちの上流側の極小値M1よりも下流側に位置する。
【選択図】図7

Description

本発明は、現像剤を担持して回転する現像剤担持体を備えた現像装置、及び、このような現像装置を備えた、複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの複数の機能を備えた複合機などの画像形成装置に関する。
電子写真方式や静電記録方式を用いた画像形成装置は、トナーなどの現像剤により像担持体としての感光ドラム上に形成された静電潜像を現像する現像装置を有する。現像装置は、現像剤を担持して回転する現像剤担持体としての現像スリーブを有し、現像スリーブに担持された現像剤を、現像スリーブと隙間(ギャップ)をあけて配置された感光ドラムに供給するようにしている。
このような現像装置の場合、感光ドラムとの隙間から現像スリーブの回転によって現像装置を構成する現像容器内に空気が流入することに伴い現像容器内の気圧が上昇し、現像容器内の現像剤が感光ドラムとの隙間から容器外に飛散する虞がある。そこで、現像容器の外側のカバーと現像スリーブとの間に内側のカバーを設け、現像スリーブと内側のカバーとの間を通って現像容器内に流入する空気を、内側のカバーと外側のカバーとの間を通して現像容器外に排出させる構成が提案されている(特許文献1)。
特開2015−72331号公報
しかし、特許文献1に記載の構成の場合、現像容器内に空気を流入させる現像スリーブと内側のカバーとの間の流入経路を流入方向と反対向きに現像剤を含んだ空気が通り、現像剤が現像スリーブと感光ドラムとのギャップから現像容器外に排出される虞がある。そのため、現像剤の飛散を十分に抑制できない可能性があった。
本発明は、現像容器外への現像剤の飛散を十分に抑制できる構成を提供することを目的とする。
本発明に係る現像装置は、現像剤が収容される現像容器と、前記現像容器内の現像剤を担持して回転し、回転する像担持体と対向する対向領域に現像剤を搬送可能な現像剤担持体と、前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記対向領域の下流に配置された第1磁極と、前記第1磁極の下流に隣接して配置された前記第1磁極と同極の第2磁極とを有し、前記現像剤担持体の内部に配置され、前記第1磁極で前記現像剤担持体に担持された現像剤を前記現像剤担持体から剥離させる磁束を発生させる磁束発生手段と、を備え、前記現像容器は、前記回転方向に関して前記対向領域よりも下流に配置され、隙間を介して前記現像剤担持体を覆う第1覆い部と、前記第1覆い部との間及び前記現像剤担持体との間にそれぞれ隙間を介するように、前記第1覆い部と前記現像剤担持体との間に配置され、一部が前記第1覆い部の一部と前記回転方向に隙間を介して対向し、前記回転方向下流端が、前記第1磁極の磁束密度の分布の絶対値の前記回転方向に関する一対の極小値のうちの上流側の極小値よりも下流側に位置するように、前記現像剤担持体を覆う第2覆い部とを有し、前記第1覆い部は、前記第2覆い部の前記回転方向上流端と対向する一部よりも前記回転方向上流側で前記現像剤担持体と対向する第1対向部と、前記回転方向に関して前記第2覆い部の上流端と下流端との間部分と対向する第2対向部と、前記第1対向部の上流端に設けられ、前記対向領域よりも前記像担持体の回転方向下流側で前記像担持体と隙間を介して対向する第3対向部とを有する、ことを特徴とする。
本発明によれば、現像容器外への現像剤の飛散を十分に抑制できる。
第1の実施形態に係る画像形成装置の概略構成断面図。 第1の実施形態に係る画像形成部の概略構成断面図。 第1の実施形態に係る現像装置の概略構成横断面図。 第1の実施形態に係る現像装置の概略構成縦断面図。 第1の実施形態に係る補給装置及び現像装置の概略構成断面図。 比較例に係る現像装置のエアフローを模式的に示す断面図。 第1の実施形態に係る現像装置の現像スリーブ周りの断面図。 第1の実施形態に係る現像装置の現像スリーブ周りのエアフローを模式的に示す断面図。 第1の実施形態に係る現像装置の合流路周りのエアフローを模式的に示す断面図。 比較実験の結果を示すグラフ。 第2の実施形態に係る現像装置の現像スリーブ周りの断面図。 第3の実施形態に係る現像装置の現像スリーブ周りの断面図。 第3の実施形態に係る現像装置の概略構成上面図。 現像スリーブ端部の磁気シール構成を示す断面図。 第4の実施形態に係る現像装置の現像スリーブ周りの断面図。
<第1の実施形態>
第1の実施形態について、図1乃至図10を用いて説明する。まず、本実施形態の画像形成装置の概略構成について、図1及び図2を用いて説明する。
[画像形成装置]
本実施形態の画像形成装置100は、それぞれ像担持体としての感光ドラム1を有する4つの画像形成部PY、PM、PC、PKを備えた電子写真方式のタンデム型のフルカラープリンタである。画像形成装置100は、装置本体100Aに接続された原稿読み取り装置(図示せず)又は装置本体100Aに対し通信可能に接続されたパーソナルコンピュータなどのホスト機器からの画像信号に応じてトナー像(画像)を記録材に形成する。記録材としては、用紙、プラスチックフィルム、布などのシート材が挙げられる。また、画像形成部PY、PM、PC、PKは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成する。
なお、画像形成装置100が備える4つの画像形成部PY、PM、PC、PKは、現像色が異なることを除いて実質的に同一の構成を有する。したがって、代表して画像形成部PYについて説明し、その他の画像形成部については説明を省略する。
図2に示すように、画像形成部PYには、像担持体として円筒型の感光体、即ち、感光ドラム1が配設されている。感光ドラム1は、図中矢印方向に回転駆動される。感光ドラム1の周囲には帯電手段としての帯電ローラ2と、現像装置4、転写手段としての一次転写ローラ52、クリーニング手段としてのクリーニング装置7が配置されている。感光ドラム1の図中下方には露光手段としての露光装置(本実施形態ではレーザースキャナ)3が配置されている。
各画像形成部の図1の上方には、転写装置5が配置されている。転写装置5は、中間転写体としての無端状の中間転写ベルト51が複数のローラに張設されて、矢印方向に周回移動(回転)するように構成されている。そして、中間転写ベルト51は、後述するように中間転写ベルト51に一次転写されたトナー像を担持して搬送する。中間転写ベルト51を張架するローラのうちの二次転写内ローラ53と中間転写ベルト51を挟んで対向する位置には、二次転写手段としての二次転写外ローラ54が配置され、中間転写ベルト51上のトナー像を記録材に転写する二次転写部T2を構成している。二次転写部T2の記録材搬送方向下流には、定着装置6が配置される。
画像形成装置100の下部には、記録材Sが収容されたカセット9が配置されている。カセット9から給送された記録材Sは、搬送ローラ91によりレジストレーションローラ92に向けて搬送される。そして、停止状態のレジストレーションローラ92に記録材Sの先端が突き当たり、ループを形成することで記録材Sの斜行を補正する。その後、中間転写ベルト51上のトナー像と同期してレジストレーションローラ92を回転開始させ、記録材Sを二次転写部T2に搬送する。
上述のように構成される画像形成装置100により、例えば4色フルカラーの画像を形成するプロセスについて説明する。まず、画像形成動作が開始すると、回転する感光ドラム1の表面が帯電ローラ2によって一様に帯電される。次いで、感光ドラム1は、露光装置3から発せられる画像信号に対応したレーザ光により露光される。これにより、感光ドラム1上に画像信号に応じた静電潜像が形成される。感光ドラム1上の静電潜像は、現像装置4内に収容された現像剤としてのトナーによって顕像化され、可視像となる。
感光ドラム1上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト51を挟んで配置される一次転写ローラ52との間で構成される一次転写部T1(図2)にて、中間転写ベルト51に一次転写される。この際、一次転写ローラ52には一次転写バイアスが印加される。一次転写後に感光ドラム1表面に残ったトナー(転写残トナー)は、クリーニング装置7によって除去される。
このような動作をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各画像形成部で順次行い、中間転写ベルト51上で4色のトナー像を重ね合わせる。その後、トナー像の形成タイミングに合わせてカセット9に収容された記録材Sが二次転写部T2に搬送される。そして、二次転写外ローラ54に二次転写バイアスを印加することにより、中間転写ベルト51上の4色のトナー像を、記録材S上に一括で二次転写する。二次転写部T2で転写しきれずに中間転写ベルト51に残留したトナーは、中間転写ベルトクリーナ55により除去される。
次いで、記録材Sは定着手段としての定着装置6に搬送される。定着装置6は、内部にハロゲンヒータなどの熱源を有する定着ローラ61及び加圧ローラ62を備え、定着ローラ61と加圧ローラ62とで定着ニップ部を形成する。この定着装置6の定着ニップ部にトナー像が転写された記録材Sを通過させることで、記録材Sが加熱、加圧される。そして、記録材S上のトナーは溶融、混合されて、フルカラーの画像として記録材Sに定着される。その後、記録材Sは排出ローラ101により排出トレイ102に排出される。これにより、一連の画像形成プロセスが終了する。
なお、本実施形態の画像形成装置100は、例えばブラック単色の画像など、所望の単色または4色のうちいくつかの色用の画像形成部を用いて、単色またはマルチカラーの画像を形成することも可能である。
[現像装置]
次に、現像装置4の詳しい構成について、図3及び図4を用いて説明する。現像装置4は、非磁性トナーと磁性キャリアを含む現像剤を収容する現像容器41と、現像容器内の現像剤を担持して回転する現像剤担持体としての現像スリーブ44とを有する。現像容器41内には、現像容器内の現像剤を攪拌・搬送しつつ現像容器内を循環させる現像剤搬送部材としての搬送スクリュー43a、43bが配置されている。また、現像スリーブ44の内部には、周方向に複数の磁極を有する磁束発生手段としてのマグネット44aが、回転不能に配置されている。更に、現像スリーブ44の表面に現像剤の薄層を形成する規制部材としての現像ブレード42が配置されている。
現像容器41の内部は、その略中央部が紙面に垂直方向に延在する隔壁41cによって現像室41aと攪拌室41bに水平方向の左右に区画されており、現像剤は現像室41a及び攪拌室41bに収容されている。現像室41a及び攪拌室41bには、搬送スクリュー43a、43bがそれぞれ配置されている。隔壁41cの長手方向両端部(現像スリーブ44の回転軸線方向両端部、図4の左側及び右側)には、現像室41aと攪拌室41bとの間での現像剤の通過を許す受渡し部41d、41eが設けられている。
搬送スクリュー43a、43bは、それぞれ、磁性体の軸(回転軸)の周りに、搬送部としての螺旋状の羽根を設けて形成されている。また、搬送スクリュー43bには、螺旋状の羽根に加えて、軸からその半径方向に突出し、現像剤の搬送方向に所定の幅を有する攪拌リブ43b1が設けられている。攪拌リブ43b1は、軸の回転に伴って現像剤を攪拌する。
搬送スクリュー43aは、現像室41aの底部に現像スリーブ44の回転軸線方向に沿って配置されており、不図示のモータによって回転軸を回すことで現像室41a内の現像剤を軸線方向に沿って搬送しつつ、現像スリーブ44に現像剤を供給する。現像スリーブ44に担持され、現像工程でトナーが消費された現像剤は、現像室41aに回収される。
また、搬送スクリュー43bは、攪拌室41b内の底部に現像スリーブ44の回転軸線方向に沿って配置され、攪拌室41b内の現像剤を搬送スクリュー43aとは反対に軸線方向に沿って搬送する。現像剤は、このようにして、搬送スクリュー43a、43bによって搬送され、受渡し部41d、41eを介して現像容器41内を循環する。
攪拌室41bの搬送スクリュー43bの搬送方向上流端部には、現像容器41内にトナーを含む現像剤を補給するための現像剤補給口46が設けられている。現像剤補給口46は、後述する図5に示す現像剤補給装置80の補給搬送部83に接続されている。したがって、補給用の現像剤は、現像剤補給装置80から補給搬送部83及び現像剤補給口46を介して攪拌室41b内に供給される。搬送スクリュー43bは、現像剤補給口46から補給された現像剤と、既に攪拌室41b内にある現像剤とを攪拌しつつ搬送し、トナー濃度を均一化する。
したがって、搬送スクリュー43a、43bの搬送力により、現像工程でトナーが消費されてトナー濃度が低下した現像室41a内の現像剤が、一方の受渡し部41d(図4の左側)を介して攪拌室41b内へ移動する。そして、攪拌室41b内に移動した現像剤は、補給された現像剤と攪拌されつつ搬送され、他方の受渡し部41e(図4の右側)を介して現像室41aへ移動する。
現像容器41の現像室41aには、感光ドラム1に対向した対向領域(現像領域)Aに相当する位置に開口部41hがあり、この開口部41hにおいて現像スリーブ44が感光ドラム1方向に一部露出するように回転自在に配設されている。一方、現像スリーブ44に内包されたマグネット44aは非回転に固定されている。このような現像スリーブ44は、不図示のモータにより回転させられて、現像剤を対向領域Aに搬送可能で、対向領域Aにおいて現像剤を感光ドラム1に供給する。本実施形態では、現像スリーブ44は、非磁性材料として例えばアルミニウムやステンレスにより円筒状に形成されている。また、現像スリーブ44は、対向領域Aにおいて重力方向下方から上方に向かって、即ち、図3の反時計回り方向に回転する。
開口部41hの現像スリーブ44の回転方向上流側には、現像スリーブ44に担持された現像剤量の量を規制する規制部材としての現像ブレード42が固定されている。本実施形態では、現像スリーブ44が対向領域Aにおいて重力方向下方から上方に向かって回転するため、現像ブレード42は、対向領域Aの重力方向下方に位置する。
マグネット44aは、図3に示すように、周方向に複数の磁極S1、S2、S3、N1、N2極の合計5極を有して、ローラ状に形成されている。現像室41a内の現像剤は、搬送スクリュー43aにより現像スリーブ44に供給され、現像スリーブ44に供給された現像剤は、マグネット44aの吸着用磁極S2が発生する磁界により、現像スリーブ44上に所定の量が担持され、現像剤溜まりを形成する。
現像スリーブ44上の現像剤は、現像スリーブ44が回転することによって、現像剤溜まりを通過し、規制用磁極N1にて穂立ちして、規制用磁極N1と対向する現像ブレード42によって層厚が規制される。そして、層厚が規制された現像剤は、感光ドラム1と対向する対向領域Aへと搬送され、現像用磁極S1にて穂立ちして磁気穂を形成する。この磁気穂が、対向領域Aにおいて現像スリーブ44と同方向に回転する感光ドラム1に接触し、帯電したトナーによって静電潜像をトナー像として現像する。
その後、現像スリーブ44上の現像剤は、搬送用磁極N2により、現像スリーブ44の表面に対する現像剤の吸着を維持されつつ、現像スリーブ44の回転により現像容器41内へと搬送される。そして、現像スリーブ44に担持された現像剤は、剥離用磁極S3により、現像スリーブ44の表面から剥離され、現像容器41の現像室41aに回収される。
なお、現像容器41には、図4に示すように、現像容器41内のトナー濃度を検知するトナー濃度センサとしてのインダクタンスセンサ45が設けられている。本実施形態では、インダクタンスセンサ45は、攪拌室41bの現像剤搬送方向下流側に設けられている。
[現像剤補給装置]
次に、現像剤補給装置80について、図5を用いて説明する。現像剤補給装置80は、補給用の現像剤を収容する収容容器8と、補給機構81と、補給搬送部83とを有する。収容容器8は、円筒状の容器の内壁に螺旋状の溝を掘った構成となっており、収容容器8自体が回転することで長手方向(回転軸線方向)へと現像剤の搬送力を発生させる。収容容器8の現像剤搬送方向下流端部には、補給機構81に接続されている。補給機構81は、収容容器8から現像剤が搬送される排出口82から排出するポンプ部81aを有する。ポンプ部81aは、蛇腹状に形成され、回転駆動されることで容積が変化して空気圧を発生し、収容容器8から搬送された現像剤を排出口82から排出する。
排出口82には、補給搬送部83の上端部が接続されており、補給搬送部83の下端部は、現像装置4の現像剤補給口46に接続されている。即ち、補給搬送部83は、排出口82と現像剤補給口46とを連通させている。したがって、ポンプ部81aにより排出口82から排出された現像剤は、補給搬送部83を通って現像装置4の現像容器41内に補給される。
なお、上述の現像装置4において、現像剤補給口46は、攪拌室41bの現像剤搬送方向上流端部で、且つ、現像室41aと攪拌室41bとで形成される現像剤の循環経路の外側に備えられている。具体的には、現像剤補給口46は、一方の受渡し部41dよりも攪拌室41bの現像剤搬送方向上流側に設けられている。したがって、現像剤補給口46の近傍は、現像剤の循環経路の現像剤は殆ど存在せず、補給用の現像剤が通過するのみである。
このような現像剤補給装置80による補給は、自動トナー補給制御(以下、ATR(Automatic Toner Replenisher)制御という)により行われる。このATR制御は、画像形成時の画像比率、インダクタンスセンサ45、トナー像の濃度を検知する濃度センサ103(図1)によるパッチ画像の濃度検知結果に応じて、現像剤補給装置80の動作を制御して、現像剤を現像装置4に補給するものである。
濃度センサ103は、図1に示すように、中間転写ベルト51の回転方向に関し、最下流の画像形成部PKの下流で、二次転写部T2の上流に、中間転写ベルト51の表面と対向して配置されている。濃度センサ103を用いる制御では、例えば、画像形成ジョブの開始時や所定枚数の画像形成毎などのタイミングで、制御用のトナー像(パッチ画像)を中間転写ベルト51上に転写し、濃度センサ103によりパッチ画像の濃度を検知する。そして、この検知結果に基づいて、現像剤補給装置80による現像剤の補給制御を行う。
なお、現像装置4に現像剤を補給する構成は、このような構成に限らず、従来から知られている構成を用いても良い。
[現像剤の飛散]
ここで、現像装置から発生する現像剤の飛散について説明する。まず、画像形成装置では、出力画像の高速化や高画質化を求められると共にメンテナンスの簡略化が求められている。このメンテナンス簡略化の中の一つとして画像形成装置内部の現像剤による汚染の低減が挙げられる。画像形成装置内部が現像剤で汚染されると、出力画像の汚れなどの画像不良が発生したり、現像装置や感光ドラムユニットなどの交換時などに清掃作業が発生したりする。また、現像剤がギアなどの各駆動系に付着した場合、駆動系に滑りなどが発生する虞がある。
このような画像形成装置内部の現像剤による汚染の原因の一つとして、現像剤が現像装置内から飛散してしまうことが挙げられる。例えば、二成分現像剤の場合、通常、現像装置内部では、トナーとキャリアとが摩擦帯電しているため、トナーとキャリアは静電気力で付着している。しかし、何らかの衝撃でこの付着が解放され、キャリアから遊離したトナーが現像装置内部から空気とともに排出されてしまう現像剤の飛散が発生する虞がある。
このような現像剤の飛散の具体例について、図6に示す比較例の現像装置400を用いて説明する。現像装置400は、現像容器401の構成が異なるだけで、その他の構成は上述の現像装置4と同じである。このため、同じ構成には同じ符号を付して説明する。また、現像装置400には、上述の現像装置4と同様に、現像剤補給装置80の補給搬送部83が接続されている。
現像容器401は、現像スリーブ44の上方を覆う上蓋402を備える。そして、上蓋402と現像スリーブ44との間には、現像スリーブ44の回転により空気が現像容器401内に流入する空気の流路が形成される。この流路は、感光ドラム1と対向した位置で開口しており、現像容器401内からの現像剤の飛散は、主としてこの流路から発生する。これは、この流路と反対側(図6の下側)は、現像ブレード42が現像スリーブ44と近接して対向しているためである。即ち、この位置では、現像スリーブ44に担持された現像剤が現像ブレード42に層厚が規制されている状態であり、現像スリーブ44と現像ブレード42との隙間からは空気が流出しにくいためである。
ここで、現像剤の飛散とは、現像剤の攪拌・搬送や現像剤の補給によって現像容器401内に生じる遊離トナーなどの現像剤が流路の開口を通って、現像容器401の外部に排出され、現像容器401内に回収しきれないもののことをさす。
まず、トナー遊離について説明する。現像容器401に収容されているトナー及びキャリアは、攪拌室41b及び現像室41aにおいて摩擦帯電され、摩擦帯電により生じる静電付着力及び表面性などにより生じる非静電付着力によって、互いに付着している。このキャリアに付着しているトナーに対し衝撃やせん断力を加えられると、トナーがキャリアから引き剥がされ現像容器401内で遊離する。この時の衝撃やせん断力として、現像スリーブ44による現像剤搬送の際の現像剤挙動がある。
現像剤は、現像スリーブ44上で、内部の磁極の磁力線に沿ったチェーン状の構造である磁気穂を形成する。この磁気穂は、現像スリーブ44の回転により、磁極直前に回転方向前方に立ち上がり、磁極上を通過すると回転方向前方に倒れる。このとき、磁気穂の回転方向は現像スリーブ44の回転方向と同一方向である。この磁気穂が倒れるときの衝撃や遠心力によって、トナーがキャリアから引き剥がされることがトナー遊離の原因となっている。
現像スリーブ44による現像剤搬送の際にトナー遊離への寄与の大きい磁極は、吸着用磁極S2との間で反発磁界を生成する剥離用磁極S3である。この剥離用磁極S3では、現像剤を現像スリーブ44から剥離するため、磁極によって現像スリーブ44の回転方向と逆方向の磁気力を加え、搬送される現像剤の速度を落とし、現像剤を滞留させる。このとき、磁気穂の長さが長くなるため、磁気穂が倒れるときの衝撃や遠心力が大きくなり、トナー遊離量が増加する傾向がある。
また、現像剤補給装置80からの現像剤補給口46に現像剤が補給される際に、十分に攪拌される前に舞い上がった現像剤も、現像容器401内で遊離トナーの要因となっている。現像剤補給口46に供給されたトナーは、既に攪拌室41b内にある現像剤と攪拌されつつ搬送される。このとき、補給現像剤と既にある現像剤の混合領域では、一時的にトナーと現像剤の混合比が高くなる。トナーと現像剤の混合比が高い場合、トナーの帯電量が低下し、トナーとキャリア間の静電付着力が低下する。現像剤と混合しきれなかったトナーはそのまま、若しくは、搬送スクリュー43a、43bによる現像剤の攪拌・搬送時の衝撃で遊離され、遊離トナーが現像容器401内で舞い上がる。
更に、ポンプ部81aによって発生する空気圧で排出される現像剤補給装置80を用いた場合、その空気圧が補給搬送部83を通じて伝搬し、現像剤補給口46から現像容器401に空気の流入を生じる場合がある。このとき流入した気流は、現像剤補給口46近傍のトナーと現像剤の混合比が高い部分での遊離トナーを現像容器401内に巻き上げる。また、この現像容器401への空気圧伝搬は、現像剤補給口46から攪拌室41bにかけて非定常な気圧の上昇を生じさせる。この気圧の上昇は、後述するように、遊離トナーを現像容器401の外部に流出させる要因になる。特に、このような現像剤補給による流入空気は、現像容器401の長手方向(現像スリーブ44の回転軸線方向)に関し、現像剤補給口46を含む側の端部における現像剤の飛散の原因の一つとなる。
次に、図6を用いて、現像装置400の内部及び近傍の気流について説明する。現像装置400の近傍において気流を生成するのは、現像スリーブ44及び感光ドラム1である。ここではそれぞれ説明する。まず、現像スリーブ44の回転及び磁極上の磁気穂挙動により、現像スリーブ44の回転方向と略同方向に気流が生成される。この現像スリーブ44の回転方向と略同方向に生成される気流は、現像容器401内部と現像容器401外部の連通口から現像容器401内部に空気を取り込む。また、現像容器401には現像剤の補給によっても空気が流入する。
現像容器401を略閉空間と仮定すると、空気は流体であるため連続の方程式が適用できる。空気の流速をv、密度をρとすると、現像容器401内で空気の湧き出しがないため、次の式(1)が成り立つ。
Figure 2018169571
更に、定常状態を考えると、現像容器401内の各領域において密度ρはおおよそ一定となっているため、式(1)は次の式(2)のように記述できる。
Figure 2018169571
この式(2)から、空気の流量ρvは保存される。現像装置400近傍の長手方向の断面では流量ρvの収支は0となり、現像スリーブ44と補給によって流入する空気流量と同一の量を、現像装置400外に排出することになる。ここで、現像容器401の上蓋402と現像スリーブ44とで構成される連通口を通して現像スリーブ44の回転に伴い現像容器401内に流入する空気流量をQa(スリーブ流入)とする。また、現像容器401内部と現像容器401外部の連通口から排出される空気流は、この連通口から取り込まれる流れに対向するように上蓋402側を通る。このように排出される空気流量をQb(スリーブ排出)とする。更に、現像装置400への補給に伴って流入する空気流量をQd(補給流入)とすると、次の式(3)の関係が成り立つ。
Qa(スリーブ流入)+Qd(補給流入)=Qb(スリーブ排出)・・・(3)
現像スリーブ44によって取り込まれ、現像スリーブ44に沿って流れる気流は、現像容器401内で折り返して排出される。この際、剥離用磁極S3の現像剤滞留部で、現像スリーブ44から剥離した現像剤を含んで、気流が折り返されると、その気流は、現像容器401内で発生した遊離トナーなどの現像剤を多く含んで排出方向に向かうことになる。
このスリーブ排出の空気(流量Qb)に含有した現像剤が現像容器401外へ排出される工程は主に二つである。第一として、連通口より現像装置400外に排出されたスリーブ排出の空気(流量Qb)が上蓋402と感光ドラム1の間隙より直接排出されるものである。第二としては、スリーブ排出の空気(流量Qb)が感光ドラム1近傍で現像スリーブ44に担持された現像剤と混合される、若しくは、現像剤が慣性力で感光ドラム1の回転により生成される気流gに移ることで、この気流gに乗って排出されるものである。
現像剤の飛散は、以上の二つのうち、少なくとも一つの要因により現像容器401外に排出される。そして、飛散した現像剤は、現像装置400の周囲、現像容器401の外壁や感光ドラム1、露光装置3や転写装置5を汚染してしまう。
[本実施形態の現像容器の構成]
そこで、本実施形態では、現像装置4の現像容器41の構成を次のようにしている。本実施形態の現像容器41の詳細構成について、図7を用いて説明する。なお、図中の角度θ1乃至θ6は、現像スリーブ44の中心Oを通る水平面Hを基準とし、中心Oと対象となる位置を結ぶ線分と、中心Oを通る水平面Hに対する垂直面(鉛直面)Pよりも感光ドラム1側の水平面Hとのなす角度である。
また、図7の現像スリーブ44の周囲に示す曲線Cは、マグネット44aの各磁極の磁束密度の分布を示している。また、現像スリーブ44の回転方向をRとする。また、マグネット44aの各磁極のうち、回転方向Rに関し、対向領域Aの下流に配置された剥離用磁極S3が第1磁極に、剥離用磁極S3の下流に隣接して配置された剥離用磁極S3と同極の吸着用磁極S2が第2磁極に、それぞれ相当する。図7では、磁束密度のピーク位置を示す線で各磁極の位置を表示している。
本実施形態の現像容器41は、対向領域Aよりも現像スリーブ44の回転方向Rの下流側で現像スリーブ44を覆う上蓋41fを有する。上蓋41fは、第1覆い部としての外カバー47と、第2覆い部としての内カバー48とを有する。外カバー47は、回転方向Rに関して対向領域Aよりも下流に配置され、隙間を介して現像スリーブ44を覆う。
内カバー48は、外カバー47との間及び現像スリーブ44との間にそれぞれ隙間を介するように、外カバー47と現像スリーブ44との間に配置され、現像スリーブ44を覆う。内カバー48の一部は、外カバー47の一部と回転方向Rに隙間を介して対向する。本実施形態では、内カバー48の現像スリーブ44の回転方向上流端48aを、外カバー47の一部と回転方向Rに隙間を介して対向させている。
また、内カバー48の回転方向上流端48aは、現像スリーブ44の上方で鉛直方向最上点を通る垂直面(鉛直面)Pよりも回転方向Rの下流側に位置する。即ち、内カバー48の上流端48aを、現像スリーブ44の頂点の鉛直上よりも回転方向Rの下流側に位置させている。言い換えれば、現像スリーブ44の中心Oを通る垂直面Pよりも現像容器41の内部側(回転方向Rの下流側)に、内カバー48の上流端48aを位置させている。
内カバー48の現像スリーブ44の回転方向下流端48bは、剥離用磁極S3の磁束密度の分布の絶対値の回転方向Rに関する一対の極小値M1、M2のうちの上流側の極小値M1よりも下流側に位置する。
なお、内カバー48の回転方向下流端48bは、剥離用磁極S3の磁束密度の分布の半値幅Wの現像スリーブ44の回転方向上流端W1又は半値幅Wの上流端W1よりも下流側に位置することが好ましい。また、より好ましくは、内カバー48の回転方向下流端48bを、剥離用磁極S3の磁束密度のピーク位置又はピーク位置よりも回転方向Rの下流側に位置させる。内カバー48の回転方向下流端48bの位置をこれらの条件を満たす位置に配置することで、内カバー48により剥離用磁極S3を覆う範囲をより広くできる。
但し、内カバー48の回転方向下流端48bは、現像スリーブ44の中心Oを通る水平面Hの位置、又は、水平面Hの位置よりも回転方向Rの上流側に位置することが好ましい。これは、内カバー48の回転方向下流端48bがこれよりも更に下流側に位置すると、現像スリーブ44から剥離された現像剤を現像室41a内に取り込みにくくなるためである。このため、本実施形態では、内カバー48の回転方向下流端48bを、剥離用磁極S3の磁束密度の分布の半値幅Wの範囲内に位置させている。
より具体的に説明する。外カバー47は、現像容器41の現像スリーブ44を挟んで感光ドラム1と反対側の側壁41gの上端から現像スリーブ44を覆うように、感光ドラム1側に向けて折れ曲がるように形成されている。そして、外カバー47は、感光ドラム1側の第1対向部47aと、側壁41g側の第2対向部47bと、第1対向部47aと第2対向部47bとを連続させる連続部47cと、第1対向部47aの先端に設けられた第3対向部47dとを有する。
第1対向部47aは、内カバー48の回転方向上流端48aと対向する一部(連続部47c)よりも現像スリーブ44の回転方向Rの上流側で、現像スリーブ44と対向する。第2対向部47bは、回転方向Rに関して内カバー48の上流端48aと下流端48bとの間部分と対向する。
第2対向部47bは、現像スリーブ44との間に内カバー48が配置されるため、第1対向部47aよりも現像スリーブ44の径方向に関して外側に配置される。このため、第2対向部47bの回転方向Rの上流端と第1対向部47aの回転方向Rの下流端とを連続させる連続部47cを設けている。連続部47cは、第2対向部47bの回転方向Rの上流端から現像スリーブ44側に折れ曲がるように形成されている。そして、連続部47cが、内カバー48の回転方向上流端48aと回転方向Rに隙間を介して対向する。
第3対向部47dは、第1対向部47aの回転方向Rの上流端から現像スリーブ44の径方向外方に向かって折り曲げられるように形成され、感光ドラム1の表面と対向する。第3対向部47dは、対向領域Aよりも感光ドラム1の回転方向下流側の所定範囲において感光ドラム1と隙間を介して対向している。本実施形態の場合、第3対向部47dは感光ドラム1の回転方向長さが3mm以上10mm以下に形成される。また、第3対向部47dと感光ドラムとの隙間は、感光ドラム1の回転方向、長手方向(現像スリーブ44の回転軸線方向)とも同じとした。
次に、角度θ1乃至θ6について説明する。角度θ1は、水平面Hから現像容器41の開口部41hまでの角度である。即ち、θ1は、現像スリーブ44の中心Oと外カバー47の第1対向部47aの回転方向Rの上流端とを結ぶ線分と、水平面Hとのなす角度である。角度θ2は、水平面Hから第1対向部47aの回転方向Rの下流端までの角度である。即ち、θ2は、現像スリーブ44の中心Oと第1対向部47aの回転方向Rの下流端とを結ぶ線分と、水平面Hとのなす角度である。したがって、角度θ1からθ2までの範囲が、第1対向部47aとなる。
角度θ3は、水平面Hから内カバー48の回転方向上流端48aまでの角度である。即ち、θ3は、現像スリーブ44の中心Oと上流端48aとを結ぶ線分と、水平面Hとのなす角度である。角度θ4は、水平面Hから内カバー48の回転方向下流端48bまでの角度である。即ち、θ4は、現像スリーブ44の中心Oと下流端48bとを結ぶ線分と、水平面Hとのなす角度である。したがって、角度θ3からθ4までの範囲が、内カバー48となる。
角度θ5は、水平面Hから剥離用磁極S3のピーク位置までの角度である。即ち、θ5は、現像スリーブ44の中心Oと剥離用磁極S3のピーク位置とを結ぶ線分と、水平面Hとのなす角度である。角度θ6は、水平面Hから剥離用磁極S3の回転方向Rの上流側に隣接する搬送用磁極N2のピーク位置までの角度である。即ち、θ6は、現像スリーブ44の中心Oと搬送用磁極N2のピーク位置とを結ぶ線分と、水平面Hとのなす角度である。
本実施形態の場合、θ1<θ6<θ2の関係を満たすようにしている。即ち、第1対向部47aは、少なくとも搬送用磁極N2のピーク位置を覆うように形成されている。本実施形態では、第1対向部47aの回転方向Rの上流端が、搬送用磁極N2の磁束密度の分布の絶対値の回転方向Rに関する一対の極小値のうちの上流側の極小値の近傍に位置している。
また、θ2<θ3の関係を満たし、この範囲に、上述の連続部47cと内カバー48の上流端48aとが対向する隙間を設けている。また、θ3<θ5<θ4の関係を満たすようにしている。即ち、内カバー48は、少なくとも剥離用磁極S3のピーク位置を覆うように形成されている。更に、θ3は、垂直面Pと水平面Hとのなす角度(90°)よりも大きくなるようにしている。現像スリーブ44は円筒状であり、垂直面Pは現像スリーブ44の頂点(上端位置)を通る。したがって、内カバー48の上流端48aは、現像スリーブ44の頂点よりも回転方向Rの下流側に位置する。
ここで、第1対向部47aと現像スリーブ44との隙間(角度θ1からθ2までの領域の隙間)を第1隙間(第1流路)F1とする。内カバー48と現像スリーブ44との隙間(角度θ3からθ4までの領域の隙間)を第2隙間(第2流路)F2とする。第2対向部47bと内カバー48との隙間を第3隙間(第3流路)F3とする。
そして、現像スリーブ44の回転方向Rに直交する断面(現像スリーブ44の中心軸を通る径方向断面)に関し、第1隙間F1の回転方向Rにおける最小隙間をL1、最小断面積をA1とする。同じく、第2隙間F2の回転方向Rにおける最小隙間をL2、最小断面積をA2、第3隙間F3の回転方向Rにおける最小隙間をL3、最小断面積をA3とする。
本実施形態では、第1対向部47aは、現像スリーブ44の周面に沿って形成されているため、第1隙間F1の隙間及び断面積は、回転方向Rに関してほぼ同じである。また、内カバー48も、現像スリーブ44の周面に沿って形成されているため、第2隙間F2の隙間及び断面積も、回転方向Rに関してほぼ同じである。一方、第3隙間F3の隙間及び断面積は、回転方向Rに関し、上流側から中央側に掛けて徐々に大きくなり、中央側から下流側に掛けて徐々に小さくなっている。
上述のように、第2対向部47bと第1対向部47aとを連続させる連続部47cを、内カバー48の回転方向上流端48aと回転方向Rに隙間を介して対向させている。本実施形態では、連続部47cと上流端48aとの間で、且つ、回転方向Rに関して第1隙間F1と第2隙間F2及び第3隙間F3との間(角度θ2からθ3の領域)の隙間を第4隙間(合流路)F4とする。即ち、第4隙間F4は、第2隙間F2と第3隙間F3とが第1隙間F1に連通する隙間である。このような第4隙間F4は、現像スリーブ44の回転方向Rに直交する断面に関する隙間L4が、回転方向Rの下流側に向かう程大きくなるように形成されている。
また、内カバー48の回転方向下流端48bの下流に、第5隙間(分岐路)F5を設けている。第5隙間F5は、第2隙間F2及び第3隙間F3の下流の、現像スリーブ44と外カバー47乃至側壁41gとの間の隙間である。
本実施形態では、上述の最小隙間L1、L2、L3及び最小断面積A1、A2、A3は、以下の関係を満たすようにしている。
A1≦A2+A3
A2≦A3
L1≦L2+L3
L2≦L3
[現像スリーブ周りのエアフロー]
次に、現像スリーブ44周りの気流(エアフロー)について、図8及び図9を用いて説明する。本実施形態では、上述のように、現像スリーブ44周りに第1隙間F1〜第5隙間F5を設けることで、図8に示すような気流が発生する。まず、第1隙間F1の現像スリーブ44近傍では、現像スリーブ44の回転に伴って巻き込まれるように気流aが発生し、現像容器41内に空気が流入する。空気が流入することで現像容器41内の内圧が高まり、現像容器41内から器外に向けて内圧を平衡状態に保つように、第1隙間F1の第1対向部47a側で気流bを生じる。
また、第2隙間F2の現像スリーブ44近傍では、剥離用磁極S3(図7参照)での磁気穂の移動に伴って気流cが発生し、気流cによって現像容器内部に取り込まれた空気は気流d及び気流eによって逆流する。即ち、第2隙間F2の下流側に流れた気流cは、第5隙間F5で分岐して第2隙間F2及び第3隙間F3に逆流し、第2隙間F2の内カバー48側で気流dが、第3隙間F3で気流eが発生する。
上述したように、剥離用磁極S3で磁気穂が倒れるときにトナーが多く遊離するため、第2隙間F2の気流dには、このように発生する遊離トナーが多く含まれる。このため、本実施形態では、内カバー48の下流端48bを剥離用磁極S3の磁束密度の分布の上流側の極小値M1よりも下流側に位置させることで、少なくとも剥離用磁極S3の一部を内カバー48により覆うようにしている(図7参照)。特に、本実施形態では、内カバー48の下流端48bを剥離用磁極S3のピーク位置よりも下流に位置させているため、剥離用磁極S3で磁気穂が倒れるときに遊離トナーが発生する領域の多くを内カバー48により覆うことができる。
また、内カバー48を現像スリーブ44と外カバー47との間に設け、内カバー48と現像スリーブ44との間に第2隙間F2を、内カバー48と外カバー47との間に第3隙間F3を設けている。したがって、気流cにより逆流する気流eを第3隙間F3に形成することができる。第3隙間F3は、内カバー48により第2隙間F2と隔離されているため、気流eは、上述のように遊離したトナーの量が少ない空気となる。
また、内カバー48の回転方向上流端48aが外カバー47の連続部47cと回転方向Rに第4隙間F4を介して対向している。このため、第3隙間F3を通る気流eは、第4隙間F4を介して第1隙間F1の気流bに合流する。このとき、図9に示すように、合流路としての第4隙間F4を流れる気流fがエアカーテンとなって、第2隙間F2の気流dが気流cの流れに戻され易くなる。この結果、遊離トナーを多く含む気流dが現像容器41から排出されにくくなり、現像剤の飛散を抑制できる。
特に、本実施形態では、第1隙間F1の最小断面積A1が、第2隙間F2の最小断面積A2と第3隙間F3の最小断面積A3の和以下(A1≦A2+A3)である。本実施形態では、第1隙間F1〜第5隙間F5は、現像スリーブ44の回転軸線方向に関してほぼ同じ形状に形成されている。このため、上述の関係は、第1隙間F1の最小隙間L1が、第2隙間F2の最小隙間L2と第3隙間F3の最小隙間L3の和以下(L1≦L2+L3)とも表せる。なお、仮に、各隙間の形状が、現像スリーブ44の回転軸線方向に関して異なっていても、その位置における現像スリーブ44の径方向の隙間の平均が回転方向Rにおいて最も小さくなる位置の隙間の平均を、最小隙間とすれば良い。
何れにしても、上述の条件を満たすことで、内カバー48の上流端48aと連続部47cとが対向する面積を確保でき、気流fによるエアカーテンの効果を高めることができる。なお、エアカーテンの効果を高めるためには、A1<A2+A3(L1<L2+L3)を満たすことが好ましい。但し、A1=A2+A3(L1=L2+L3)であっても、A1<A2+A3+(内カバー48の断面積)、或いは、L1<L2+L3+(内カバー48の厚さ)となるため、内カバー48の一部と連続部47cとが対向する面積を確保できる。
ここで、内カバー48の外カバー47の一部である連続部47cと対向する部分は、上流端48aに限らない。例えば、内カバー48の回転方向Rの上流端が外カバー47の一部と対向しない位置(例えば、外カバー47の一部よりも径方向内方の位置)にあっても、内カバー48の上流端の回転方向下流側の一部が外カバー47の一部と対向していれば良い。但し、この場合、内カバー48と現像スリーブ44との第2隙間F2の最小隙間が第1隙間F1の隙間よりも小さくなる可能性がある。現像スリーブ44による磁気穂の搬送を考慮した場合、第2隙間F2の隙間が極端に小さくなる部分が存在することは好ましくない。このため、内カバー48の上流端48aを外カバー47の一部に対向させる構成とすることが好ましい。
また、本実施形態では、第2隙間F2の最小断面積A2を第3隙間F3の最小断面積A3以下(A2≦A3)としている。これにより、第3隙間F3の流路の圧力損失を第2隙間F2の流路の圧力損失よりも小さくしている。そして、第3隙間F3を通る気流eの流量を増加させ、第2隙間F2を通る気流dの流量を減少させるようにしている。この結果、上述のエアカーテンの効果をより得やすくできると共に、遊離トナーが少ない空気である気流eを、遊離トナーが多い空気である気流dよりも多く排出経路に流すことができ、現像容器41からの現像剤の飛散を抑制できる。
なお、第3隙間F3の流路の圧力損失を第2隙間F2の流路の圧力損失よりも小さくするためには、A2<A3とすることが好ましい。但し、A2=A3であっても、第2隙間F2には、現像スリーブ44の回転に伴い気流dに対向する気流cが存在するため、第2隙間F2の流路の圧力損失が第3隙間F3の流路の圧力損失よりも大きくなる。
このような関係を満たすためには、第2隙間F2の最小隙間L2を第3隙間F3の最小隙間L3以下(L2≦L3)としても良い。理由は、上述のA2≦A3の説明と同じである。また、この場合でも、L2<L3の方が好ましいが、上述と同様に、気流cの存在により、L2=L3であっても良い。
但し、最小断面積A3又は最小隙間L3を小さくし過ぎると、飛散トナーを現像容器41内部に取り込む気流cの流れを阻害し、気流eの流量が極端に落ちてしまう虞がある。このため、最小隙間L2は1.5mm〜3.0mm、最小隙間L3は2.0mm〜3.5mmに設定することが好ましい。
また、本実施形態の場合、第4隙間F4が搬送用磁極N2のピーク位置(角度θ6)と重ならないように配置している。即ち、第2隙間F4は、搬送用磁極N2のピーク位置から回転方向Rに関して外れた位置に形成され、本実施形態では、ピーク位置よりも回転方向Rの下流側に配置されている。これは、第4隙間F4と搬送用磁極N2のピーク位置が重なってしまうと、搬送用磁極N2の磁気穂が倒れ始めるときに発生する飛散トナーが、気流fによって拡散してしまい、エアカーテンの効果を低減させてしまうからである。
また、本実施形態では、内カバー48の上流端48aを、現像スリーブ44の頂点の鉛直上よりも回転方向Rの下流側に位置させている。言い換えれば、現像スリーブ44の中心Oを通る垂直面Pよりも現像容器41の内部側に、内カバー48の上流端48aを位置させている。内カバー48の上面や上流端48aにはトナーが付着し易い。このため、何らかの原因で付着したトナーが上流端48aから落下する虞がある。ここで、付着したトナーが現像スリーブ44の頂点よりも上流側に落下した場合、落下したトナーが感光ドラム1に付着して、感光ドラム1上に形成された画像に影響を与える虞がある。
これに対して本実施形態では、内カバー48の上流端48aを、現像スリーブ44の頂点よりも回転方向Rの下流側に位置させているため、内カバー48に付着したトナーは、上流端48aから現像スリーブ44の頂点よりも下流側に落下する。したがって、落下したトナーは、現像スリーブ44の回転に伴って現像容器41の内部に取り込まれ、感光ドラム1上に形成された画像に影響を与えることを抑制できる。
また、本実施形態の場合、外カバー47の感光ドラム1側の先端に、感光ドラム1の回転方向の所定範囲において感光ドラム1と対向する第3対向部47dが設けられている。そして、第3対向部47dと感光ドラム1との間に、感光ドラム1の回転方向に沿う第6隙間(第6流路)F6を形成している。図8に示すように、第6隙間F6では、感光ドラム1の回転に伴って気流gが発生する。気流gは、第6隙間F6から排出される方向の流れである。一方、第6隙間F6には、第6隙間F6の空気の流出入を等価にすべく、外気からこの気流gと逆方向の気流hが流入する。気流hは、第3対向部47dにより整流され現像容器41内に流入する。
仮に第3対向部47dを設けなかった場合、気流hは第1隙間F1の気流bとの合流部付近で乱流を生じさせ得る。気流hと気流bとの合流部付近で乱流が生じると、現像スリーブ44に形成された現像剤の磁気穂を乱しトナーが遊離され得る。そうなると、遊離されたトナーが気流bや気流gに巻き込まれ、これら気流bや気流gに含まれる遊離トナーが増え得る。そして、気流bに含まれる遊離トナーのうち磁気穂により捕えられる量には限りがあり、また気流gに含まれる遊離トナーのうち感光ドラム1に付着する量には限りがある。それ故、気流bや気流gによって現像容器41外に現像剤が飛散しやすくなる。
この点に鑑み、本実施形態では第3対向部47dを設け、第3対向部47dにより気流hを整流させることで、気流bや気流gによる現像容器41外への現像剤の飛散を抑制している。即ち、気流hが整流されることにより気流hと気流bとの合流部付近で乱流が生じ難くなり、気流bや気流gに含まれる遊離トナーは増え難くなる。そして、整流された気流hは、気流hと気流bとの合流部付近でエアカーテンを形成する。気流hと気流bとの合流部付近でエアカーテンが形成された場合、気流bは第1隙間F1に戻されるようにして気流aと合流しやすくなる。言い換えれば、現像容器41内で気流の一部が循環し得る。気流bが気流aに合流することで、気流bは現像容器41外へ排出されにくくなる。また、循環されなかった気流bの一部は気流hに合流し、気流bに含まれていた遊離トナーは対向領域A近傍で現像スリーブ44に形成された磁気穂に捕えられやすくなる。更に、気流gの感光ドラム1近傍では遊離トナーが感光ドラム1に微量ずつ付着するため、気流gに含まれる遊離トナーが外部に漏れ難い。
上述のように、本実施形態の構成によれば、現像剤の飛散を十分に抑制できる。また、仮に現像剤が飛散しても飛散量が少ないため、現像剤が画像上に付着したとしても視認できない程度の付着量であり、画像品位を低下させることを抑制できる。
[比較実験]
次に、本実施形態の効果を確認するために、比較例の構成と本実施形態の構成とでトナーの飛散量を比較した実験について説明する。まず、この実験で採用したトナー飛散量の計測方法の概略について、図7を参照して説明する。なお、実験で使用した装置は、現像装置、感光ドラム及び感光ドラム周りの露光装置を除く構成を取り出して、組み付けたものである。そして、実験では、通常の画像形成時と同様に、感光ドラムの回転、帯電、現像の各駆動やバイアス印加も行った状態で、以下のようにトナーの飛散量を計測した。
現像装置4の長手方向の両端を除く領域では、装置内部のトナーは、外カバー47の感光ドラム1と対向する第3対向部47dと感光ドラム1との間である第6隙間F6を通過し外部へ飛散する。そこで、現像スリーブ44及び感光ドラム1と垂直になるように、第6隙間F6の長手方向(現像スリーブ44の回転軸線方向)略中央に対してラインレーザを照射する。ラインレーザとは、一定の線幅を持つライン状に照射され扇形の2次元平面の光路を形成するレーザであり、通常、ドットレーザをシリンドリカルレンズやロッドレンズによって一定方向に散乱させることによって作成する。ラインレーザの光路上を飛翔している飛散トナーは、レーザ光を散乱させる。そのため、ラインレーザの照射方向と略垂直な方向からハイスピードカメラなどで観察することにより、レーザを照射した範囲に存在する飛散トナーの個数や軌跡を計測することが可能である。
ラインレーザは、光源として株式会社日本レーザー製のYAGレーザ(DPGL−5W)を使用した。そして、シリンドリカルレンズ(製品に付属)を用いた光学系を、第6隙間F6でライン幅が0.5mmとなるように調整し、レーザを照射した。観察は、株式会社フォトロン製のハイスピードカメラSA−3を使用した。また、ラインレーザ上の飛散トナーが観察できるように、ハイスピードカメラの撮影条件(フレームレートや露光時間)や光学系(レンズなど)を選定した。
以上の方法で得られた第6隙間F6の長手方向略中央を通過する飛散トナー数を、ライン幅と観察時間からA4用紙(210mm×297mm)1枚当たりに相当する飛散トナー数に換算した。なお、実験装置が上述のように構成されるため、この換算では、画像領域端部の寄与やトナー補給の寄与、画像形成装置内部のエアフローによるトナー飛散への影響は考慮していない。
比較実験では、上述の実施形態と同様のL2≦L3となる構成(実施例1)、図6に示した構成(比較例1)、実施形態と異なりL2>L3となる構成(比較例2)の実験装置を作成し、上述の条件でそれぞれ実験を行った。実施例1ではL2=2mm、L3=2.5mmとし、比較例2はL2=2.5mm、L3=2mmとした。比較例1には内カバーはなく、現像スリーブ44と上蓋402との距離を2.5mmとした。また、比較例1では、第3対向部47dはないが、上蓋402の感光ドラム1と対向する部分に長手方向略中央部にレーザを照射した。その他の構成については、互いに共通する。
この実験結果を図10に示す。まず、比較例1と比較例2を比較した場合、比較例2は、比較例1よりも飛散トナー数が少なかった。但し、比較例1に対して飛散トナー数を多く低減できなかった。これは、第3隙間F3に気流eは発生しているものの、第2隙間F2と第3隙間F3の圧力損失の関係で気流dも発生しており、気流dがS3極近傍で生じる遊離トナーを気流gに直接運んでいる量が多いためと予測される。
次に、比較例1と実施例1を比較した場合、実施例1は、比較例1よりも飛散トナー数を大幅に低減できた。これは、第2隙間F2と第3隙間F3の圧力損失の関係で気流eが気流dよりも大きくなり、相対的に気流gに含まれる飛散トナーが減っているためと予測される。以上より、本実施形態の構成である実施例1は、比較例1、2と比較をして、トナー飛散を大きく低減できた。
<第2の実施形態>
第2の実施形態について、図11を用いて説明する。図11の各線の意味は、図7と同様である。上述の第1の実施形態では、内カバー48の上流端48aを現像スリーブ44の頂点よりも回転方向Rの下流側に位置させた。これに対して本実施形態の現像装置4Aの場合、内カバー48Aの上流端48Aaを現像スリーブ44の頂点よりも回転方向Rの上流側に位置させている。現像装置4Aの現像容器41Aの構成以外は、上述の第1の実施形態と同様である。以下、第1の実施形態と同様の構成については同じ符号を付して、説明を省略又は簡略にし、以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
現像容器41Aは、対向領域Aよりも現像スリーブ44の回転方向Rの下流側で現像スリーブ44を覆う上蓋41Afを有する。上蓋41Afは、第1覆い部としての外カバー47Aと、第2覆い部としての内カバー48Aとを有する。外カバー47Aは、回転方向Rに関して対向領域Aよりも下流に配置され、隙間を介して現像スリーブ44を覆う。内カバー48Aは、外カバー47Aとの間及び現像スリーブ44との間にそれぞれ隙間を介するように、外カバー47Aと現像スリーブ44との間に配置され、現像スリーブ44を覆う。
外カバー47Aは、感光ドラム1側の第1対向部47Aaと、側壁41g側の第2対向部47Abとを有する。第1対向部47Aaは、内カバー48Aの回転方向上流端48Aaと対向する一部よりも現像スリーブ44の回転方向Rの上流側で、現像スリーブ44と対向する。第2対向部47Abは、回転方向Rに関して内カバー48Aの上流端48Aaと下流端48Abとの間部分と対向する。
本実施形態の場合、第1対向部47Aaは、第2対向部47Abの感光ドラム1側の端部から現像スリーブ44側に折り曲げるように形成され、先端を現像スリーブ44と第1隙間F1を介して対向させている。また、第1対向部47Aaの側面は、感光ドラム1と感光ドラム1の回転方向の所定範囲で第6隙間F6を介して対向している。
内カバー48Aの上流端48Aaは、現像スリーブ44の頂点よりも回転方向Rの上流側に位置し、本実施形態の場合、搬送用磁極N2のピーク位置(角度θ6)よりも上流側に位置している。一方、内カバー48Aの下流端48Abは、剥離用磁極S3のピーク位置(角度θ5)とほぼ重なる位置としている。下流端48Abの位置は、第1の実施形態と同じであっても良い。
このような本実施形態の場合、内カバー48Aがピーク位置を超えて搬送用磁極N2を覆っているため、搬送用磁極N2で遊離したトナーによる飛散も低減できる。なお、その他の各構成の要件については、第1の実施形態と同様である。
なお、本実施形態でも、上述の第1の実施形態と同様に比較実験を行った。この結果を、上述の図10に示す。図11に示す本実施形態と同様の構成である実施例2では、実施例1と比べて、飛散トナー数は少なかった。これは、実施例1と同様のメカニズムで、搬送用磁極N2にて発生する遊離トナーを含む気流も、第3隙間F3を迂回して排出されるため、相対的に気流g(例えば図8参照)に含まれる飛散トナーが減っているためと予測される。
<第3の実施形態>
第3の実施形態について、図12及び図13を用いて説明する。上述の第1の実施形態では、外カバー47の第3対向部47dと感光ドラム1との隙間を長手方向(現像スリーブ44の回転軸線方向)で同じとした。これに対して本実施形態の現像装置4Bの場合、外カバー47Bの第3対向部47Bdと感光ドラム1との隙間を、長手方向端部領域の方が長手方向中央領域よりも小さくしている。現像装置4Bの現像容器41Bの構成以外は、上述の第1の実施形態と同様である。以下、第1の実施形態と同様の構成については同じ符号を付して、説明を省略又は簡略にし、以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図12に示すように、現像容器41Bは、対向領域Aよりも現像スリーブ44の回転方向Rの下流側で現像スリーブ44を覆う上蓋41Bfを有する。上蓋41Bfは、第1覆い部としての外カバー47Bと、第2覆い部としての内カバー48Bとを有する。外カバー47Bは、回転方向Rに関して対向領域Aよりも下流に配置され、隙間を介して現像スリーブ44を覆う。内カバー48Bは、外カバー47Bとの間及び現像スリーブ44との間にそれぞれ隙間を介するように、外カバー47Bと現像スリーブ44との間に配置され、現像スリーブ44を覆う。
外カバー47Bは、感光ドラム1側の第1対向部47Baと、第2対向部47Bbと、第1対向部47Baと第2対向部47Bbとを連続させる連続部47Bcと、第1対向部47Baの先端に設けられた第3対向部47Bdとを有する。第1対向部47Baは、内カバー48Bの回転方向上流端48Baと対向する一部(連続部47Bc)よりも現像スリーブ44の回転方向Rの上流側で、現像スリーブ44と対向する。第2対向部47Bbは、回転方向Rに関して内カバー48Bの上流端48Baと下流端48Bbとの間部分と対向する。
第3対向部47Bdは、第1対向部47Baの回転方向Rの上流端から現像スリーブ44の径方向外方に向かって折り曲げられるように形成され、感光ドラム1の表面と対向する。そして、第3対向部47Bdは、上述したように感光ドラム1の回転方向の所定範囲において感光ドラム1と対向している。
ここで、感光ドラム1及び現像スリーブ44の長手方向中央付近では、少量のトナーが浮遊しても感光ドラム1に、画像上視認できない程度で付着される。一方、感光ドラム1及び現像スリーブ44の長手方向端部である、画像可能領域の端部若しくはその外側においては、現像スリーブ44にトナーが付着する力が弱いため、外部にトナー飛散する可能性がある。そこで、本実施形態では、画像可能領域の端部付近でのトナー飛散の低減を図るようにしている。
図13に示すように、現像スリーブ44の画像可能領域(現像剤を担持可能に粗面化処理された現像剤担持領域)をB1とする。そして、第3対向部47Bdのうち、画像可能領域B1の長手方向中央を中心として、画像可能領域B1の長手方向の長さの半分以上の長手方向の長さを有する領域を中央領域B2とする。また、第3対向部47Bdのうち、中央領域B2の長手方向両端側の領域をそれぞれ端部領域B3とする。端部領域B3は、画像可能領域B1の一部を含む現像スリーブ44の両端部側に位置している領域である。
中央領域B2と端部領域B3とについて、具体例を用いて説明する。現像スリーブ44の両端部は封止されている。現像スリーブ44の両端部を封止するシール構成として、現像容器41(図2参照)の外部と内部とを磁気的に遮断する磁気シール構成が用いられている。図14に磁気シール構成の一例を示す。図14に示す磁気シール構成は、板状の磁性板11と磁石シート12とを粗面化処理を施していない現像スリーブ44の端部44bに、つまり画像可能領域B1よりも現像スリーブ44の回転軸線方向の外側(現像剤担持領域外)に配置した構成である。
磁石部材としての磁性板11は、現像スリーブ44の外周に沿う形で非接触に現像スリーブ44を覆って磁気穂を形成可能である。即ち、磁性板11と現像スリーブ44内のマグネット44a間には磁力が発生するので、磁性板11と現像スリーブ44との間に侵入した現像剤は磁気穂を形成する。この磁気穂が磁性板11と現像スリーブ44間の隙間を塞いで、スリーブ端部44bからの現像剤漏れを防止している。また、磁石シート12が磁性板11よりも現像スリーブ44の回転軸線方向の更に外側に設けられている。磁石シート12は、磁性板11と現像スリーブ44間から漏れた現像剤を磁力によって保持する。こうして磁性板11と磁石シート12とを設けることで、スリーブ端部44bからの現像剤漏れを抑制している。
中央領域B2は、両端部が例えば磁性板11の位置から中央側に10mm以上30mm以下の離れた位置に位置されるようにして形成される。こうすることで、端部領域B3が画像可能領域B1の両端部をカバーし得るようにしている。本実施形態では、中央領域B2の長手方向長さを290mm〜310mm、端部領域B3の長手方向長さをそれぞれ20〜40mmとした。こうした場合に、第3対向部47Bdの端部領域B3を中央領域B2よりも感光ドラム1に近づけている。即ち、端部領域B3と感光ドラム1との隙間をL5、中央領域B2と感光ドラム1との隙間をL6とした場合に、L5<L6を満たすように第3対向部47Bdを形成している。一例として端部領域B3での隙間L5は2mm〜4mmであり、中央領域B2での隙間L6は4mm〜8mmである。
これにより、第6隙間F6における中央領域B2での気流g、気流hの流入出が、端部領域B3での気流g2、気流h2の流入出よりも大きくなる。このため、端部領域B3でのトナー飛散が低減され、画像形成装置内でのトナー飛散による画像不良、機内汚れを低減することができる。その他の各構成の要件については、第1の実施形態と同様である。
<第4の実施形態>
第4の実施形態について、図15を用いて説明する。上述の第3の実施形態では、外カバー47Bの第3対向部47Bdと感光ドラム1との隙間を、長手方向端部領域の方が長手方向中央領域よりも小さくした。これに対して本実施形態の現像装置4Cの場合、外カバー47Cの第3対向部47Cdの感光ドラム1の回転方向長さを、長手方向端部領域の方が長手方向中央領域よりも長くしている。第3対向部47Cdの構成以外は、上述の第3の実施形態と同様である。以下、第3の実施形態と同様の構成については同じ符号を付して、説明を省略又は簡略にし、以下、第3の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
現像容器41Cは、対向領域Aよりも現像スリーブ44の回転方向Rの下流側で現像スリーブ44を覆う上蓋41Cfを有する。上蓋41Cfは、第1覆い部としての外カバー47Cと、第2覆い部としての内カバー48Bとを有する。外カバー47Cは、第1対向部47Baの先端に設けられた第3対向部47Cdを有する。第3対向部47Cdは、第1対向部47Baの回転方向Rの上流端から現像スリーブ44の径方向外方に向かって折り曲げられるように形成され、感光ドラム1の表面と対向する。
本実施形態の場合、第3対向部47Cdの端部領域B3(図12)に相当する部分を第1領域471とし、中央領域B2(図12)に相当する部分を第2領域472としている。そして、第1領域471の感光ドラム1の回転方向長さを、第2領域472の感光ドラム1の回転方向長さよりも長くしている。即ち、第1領域471の長さをL7、第2領域472の長さをL8とした場合に、L7>L8を満たすように第3対向部47Cdを形成している。一例として第2領域472の長さL8は3mm〜6mmであり、第1領域471の長さL7は7mm〜10mmである。
これにより、第6隙間F6における第2領域472での気流g、気流hの流入出が、第1領域471での気流g3、気流h3の流入出よりも大きくなる。このため、第1領域471が設けられた端部領域B3でのトナー飛散が低減され、画像形成装置内でのトナー飛散による画像不良、機内汚れを低減することができる。その他の各構成の要件については、第1の実施形態と同様である。
<他の実施形態>
上述の各実施形態では、現像装置として、トナーとキャリアを含む二成分現像剤を用いた構成について説明した。但し、本発明は、磁性を有するトナーを含む一成分現像剤を用いたものであっても、上述した剥離用磁極を有する構成であれば適用可能である。また、上述の各実施形態の構成は、適宜組み合わせて実施可能である。例えば、第3の実施形態の構成と第4の実施形態の構成を組み合わせても良い。即ち、第3の実施形態における第3対向部47Bdの端部領域B3の感光ドラム1の回転方向の長さを、中央領域B2の感光ドラム1の回転方向の長さよりも長くしても良い。また、これら第3、第4の実施形態の組み合わせ、或いは、第3の実施形態又は第4の実施形態を第2の実施形態の構成と組み合わせても良い。
また、本発明は、上述のように現像室で現像スリーブへの現像剤の供給及び現像スリーブからの現像剤の回収を行う構成以外に、現像剤の供給と回収の機能を分けた、所謂、機能分離型の現像装置にも適用可能である。例えば、図3を参照して説明すると、現像室41aから現像スリーブ44に現像剤を供給し、現像スリーブ44から剥離された現像剤を攪拌室41bにより回収するような構成であっても、本発明を適用可能である。
1・・・感光ドラム(像担持体)/4、4A、4B、4C・・・現像装置/11・・・磁性板(磁石部材)/41、41A、41B、41C・・・現像容器/42・・・現像ブレード(規制部材)/44・・・現像スリーブ(現像剤担持体)/44a・・・マグネット(磁束発生手段)/47、47A、47B、47C・・・外カバー(第1覆い部)/47a、47Aa、47Ba・・・第1対向部/47b、47Ab、47Bb・・・第2対向部/47d、47Bd、47Cd・・・第3対向部/48、48A、48B・・・内カバー(第2覆い部)/48a、48Aa、48Ba・・・上流端/48b、48Ab、48Bb・・・下流端/100・・・画像形成装置/B1・・・画像可能領域(現像剤担持領域)/B2・・・中央領域/B3・・・端部領域/S2・・・吸着用磁極(第2磁極)/S3・・・剥離用磁極(第1磁極)

Claims (7)

  1. 現像剤が収容される現像容器と、
    前記現像容器内の現像剤を担持して回転し、回転する像担持体と対向する対向領域に現像剤を搬送可能な現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記対向領域の下流に配置された第1磁極と、前記第1磁極の下流に隣接して配置された前記第1磁極と同極の第2磁極とを有し、前記現像剤担持体の内部に配置され、前記第1磁極で前記現像剤担持体に担持された現像剤を前記現像剤担持体から剥離させる磁束を発生させる磁束発生手段と、を備え、
    前記現像容器は、前記回転方向に関して前記対向領域よりも下流に配置され、隙間を介して前記現像剤担持体を覆う第1覆い部と、前記第1覆い部との間及び前記現像剤担持体との間にそれぞれ隙間を介するように、前記第1覆い部と前記現像剤担持体との間に配置され、一部が前記第1覆い部の一部と前記回転方向に隙間を介して対向し、前記回転方向下流端が、前記第1磁極の磁束密度の分布の絶対値の前記回転方向に関する一対の極小値のうちの上流側の極小値よりも下流側に位置するように、前記現像剤担持体を覆う第2覆い部とを有し、
    前記第1覆い部は、前記第2覆い部の前記回転方向上流端と対向する一部よりも前記回転方向上流側で前記現像剤担持体と対向する第1対向部と、前記回転方向に関して前記第2覆い部の上流端と下流端との間部分と対向する第2対向部と、前記第1対向部の上流端に設けられ、前記対向領域よりも前記像担持体の回転方向下流側で前記像担持体と隙間を介して対向する第3対向部とを有する、
    ことを特徴とする現像装置。
  2. 前記第3対向部は、前記像担持体に対向する領域の前記像担持体の回転方向長さが3mm以上に形成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記第3対向部は、前記像担持体に対向する領域の前記像担持体の回転方向長さが10mm以下に形成されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の現像装置。
  4. 前記第2覆い部は、前記回転方向上流端が前記第1覆い部の一部と前記回転方向に隙間を介して対向するように形成されている、
    ことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置。
  5. 前記現像剤担持体は、前記対向領域において重力方向下方から上方に向かって回転する、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の現像装置。
  6. 前記回転方向に関し、前記対向領域よりも上流側、且つ、前記第2磁極よりも下流側で、前記現像剤担持体に担持された現像剤の量を規制する規制部材を有する、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の現像装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の現像装置と、
    前記現像装置により現像される静電潜像を担持して、前記対向領域において前記現像剤担持体と同方向に回転する像担持体と、を備えた、
    ことを特徴とする画像形成装置。
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