JP2016206215A - 現像剤補給容器、該現像剤補給容器を備えた現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

現像剤補給容器、該現像剤補給容器を備えた現像装置及び画像形成装置 Download PDF

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【課題】現像剤補給容器の現像剤排出の際の撹拌搬送部材のシート部材への負荷を抑えつつ、現像剤を短時間で効率よく排出してトナー残量を少なくする。【解決手段】像担持体に形成された静電潜像を現像する現像剤6を現像容器1へ供給する現像剤補給容器10は、現像剤を収容するための円筒と、円筒の側線方向に沿って当該円筒に設けられた現像剤補給口12と、円筒の内部で回転可能に設けられた可撓性のシート部材11cを有する攪拌搬送部材11aと、現像剤補給口にシート部材の回転方向に沿って設けられた飛出し防止部13と、を有し、シート部材の回転半径方向の先端と飛出し防止部の内面との接触角θが0°<θ≦65°である。【選択図】 図5

Description

本発明は、電子写真方式等を採用した複写機やプリンタ、あるいはファクシミリ等の画像形成装置に使用される現像剤補給容器に関し、特に簡単な構成で現像剤を効率良く供給することが可能な現像剤補給容器、該現像剤補給容器を備えた現像装置及び画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真画像形成装置において、現像装置に収容されている現像剤が使用されて消費された場合に、新たに現像剤を補給する現像剤補給方式が用いられている。現像剤補給方式としては、電子写真画像形成装置に着脱自在なトナーボトルのような現像剤補給容器を交換することにより、現像剤を補給する方式が用いられている。
例えば、特許文献1には、低トルクで回転しながらも充分な現像剤搬送力を有し、使用後のトナーカートリッジ容器内の現像剤残量を少なくするために、容器円筒内で回転可能な攪拌部材の可撓性翼部の回転中心から回転先端までの距離を円筒内径より長く構成したトナーカートリッジが記載されている。
また、特許文献2には、トナー補給容器を回転駆動させる駆動トルクを上げることなく、トナー補給容器から排出されずに残るトナー残量を少なくするために、トナー補給容器の内壁面を摺動するトナー掻取部材に複数の磁性体を配列し、トナー補給容器の外周面に沿うように配設された磁石によりトナー掻取部材の磁性体を引き寄せることで内壁面に付着したトナーを掻き取って排出するトナー補給装置が記載されている。
特開平7−199621号公報 特開2009−276569号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたトナーカートリッジは、撹拌翼の回転半径が円筒の筒内径よりも若干長く、翼先端がトナー排出口から僅かに外へ飛び出させることでトナーを跳ね飛ばすようにして現像装置へ送り込む構成となっている。そのため、翼先端は回転の度にトナー排出口の開口通過後に開口端と衝突して再び円筒内面に当接することになり、撹拌翼への負荷が大きくなる。また、排出されずに残るトナー残量を少なくすることへの着目のみで、トナーカートリッジからトナーを短時間で効率良く排出しつつ、しかもトナー残量も少なくするという着目は無い。
特許文献2に記載されたトナー補給容器は、容器内のトナー掻取部材に磁性体を配列し、さらにトナー補給容器の外周面に沿って磁石を配設することによりコストがアップしてしまう。また、特許文献1と同様、排出されずに残るトナー残量を少なくことへの着目のみで、現像剤補給容器からトナーを短時間で効率良く排出しつつ、しかも排出されずに残るトナー残量も少なくするという着目は無い。
本発明は、上記課題を解決するため、現像剤排出の際の撹拌搬送部材のシート部材への負荷を抑えつつ、現像剤を短時間で効率よく排出してトナー残量を少なくできる現像剤補給容器、該現像剤補給容器を備えた現像装置及び画像形成装置を簡単な構成で提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、像担持体に形成された静電潜像を現像する現像剤を現像容器へ供給する現像剤補給容器において、現像剤を収容するための円筒と、前記円筒の側線方向に沿って当該円筒に設けられた現像剤補給口と、前記円筒の内部で回転可能に設けられた可撓性のシート部材を有する攪拌搬送部材と、前記現像剤補給口に前記シート部材の回転方向に沿って設けられた飛出し防止部と、を有し、前記シート部材の回転半径方向の先端と前記飛出し防止部の内面との接触角θが0°<θ≦65°であることを特徴とする。
本発明によれば、現像剤排出の際の撹拌搬送部材のシート部材への負荷を抑えつつ、現像剤を短時間で効率よく排出してトナー残量を少なくできる現像剤補給容器、該現像剤補給容器を備えた現像装置及び画像形成装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略図である。 本発明の実施形態に係る現像装置の側断面の概略図である。 本実施形態のトナーボトルの斜視図である。 本実施形態のボトル攪拌搬送部材のシート部材の模式図である。 図4の一部を拡大した模式図である。 本実施形態のトナーボトルの円筒の円形断面模式図である。 現像剤排出の際に、回転しているボトル攪拌搬送部材のシート部材上のトナーに働く力を示した模式図である。 トナーボトルの仕切り部のある位置での円筒の円形断面模式図である。 攪拌部材の接触角θを変えたときの経過時間とトナー排出量の関係を示す図である。 攪拌部材の接触角θを変えたときの経過時間とトナー排出量の関係を示すグラフである。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳しく説明する。
(画像形成装置の構成)
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置Aの構成図である。
この画像形成装置Aは、電子写真方式等を採用した複写機やプリンタ、あるいはファクシミリ等の画像形成部として用いられる。
帯電用高圧電源101から供給された電圧は、帯電ローラ102により像担持体(感光ドラム)103を一定電位に帯電させる。画像を形成する像担持体103上の所定領域を露光手段104により露光し、その領域の電位を低下させる。
現像装置105内の帯電したトナーは、現像ローラ2上に一様に載せられた後、像担持体103上の所定領域の低下した電位と現像ローラ2に印加する電位との差によって生じる電界の作用により、像担持体103上へ付着させられる。
像担持体103に付着したトナーは、転写前ガイド107に沿って所定の転写領域に搬送された記録シート等の記録材へ転写ローラ108により転写される。次いで、記録材は、定着ニップ入口ガイド111に沿って搬送され、定着ユニット112によって未定着トナーを定着させる加熱処理を受けた後、排出される。
像担持体103上に付着して記録材へ転写しきれなかったトナーは、クリーニングブレード109により回収トナー収容スペース110内に掻き落され、回収される。
(現像装置の構成)
図2は、本発明に係る現像装置の側断面の概略図である。
現像装置105の内部に設けられた現像容器1は、感光ドラム103の表面に形成された静電潜像を可視化するための現像剤を収容する容器である。現像容器1には、現像剤であるトナー6を吸着搬送するための磁石が内包された現像剤担持体としての現像ローラ2と、トナー6を帯電させるとともに現像ローラ2表面のトナー層を規制する現像剤規制部材3と、現像ローラ2にトナー6を攪拌搬送する第1攪拌搬送部材4b及び第2攪拌搬送部材5bと、現像容器1内のトナー6の量を検知するための現像剤検知部材7と、が配されている。
現像剤補給容器としてのトナーボトル10は、現像容器1に対して着脱可能に構成されたトナーカートリッジであって、充填されたトナー6を現像容器1へ補給するための現像剤補給口としてのトナー補給口12が設けられている。
現像容器1の内部は、隔壁8によって現像室4aと攪拌室5aとに区分けされている。そして、現像室4aには第1攪拌搬送部材4bが回転可能に配置され、攪拌室5aには第2攪拌搬送部材5bが回転可能に配置されている。第2攪拌搬送部材5bは、回転軸5cとシート部材5dとで形成されている。
本実施形態では、シート部材5dの材質としてPPS、また、第1攪拌搬送部材4bと第2攪拌搬送部材5bの回転速度は、それぞれ250.5rpmと100.57rpmに設定しているが、他の好適な材質及び回転速度に設定することによっても所要の効果を奏することができる。
トナーボトル10には磁性一成分トナー6が充填されており、現像容器1と水平になるように設けられたトナー補給口12から、ボトル攪拌搬送部材11aが回転することによりトナー6が現像容器1に補給される。ボトル攪拌搬送部材11aは、トナーボトル10の円筒と同じ中心位置に配された回転軸11bの回りを回転可能に設けられている。
トナー補給口12は、トナーボトル10の円筒軸線に対して水平方向を0°としたときに、トナー補給口12の下側縁が±10°の角度範囲に設定するのが好ましい。これは、下側縁が+10°を超えると、トナー補給口12が上を向いた状態となり、トナーボトル10からのトナー6の排出性が低下することになるからで、逆に−10°を下回った場合には、トナー補給口12が下を向いた状態となり、ボトル攪拌搬送部材11aを回転したときのトナーボトル10からの現像剤補給量の調整が容易でなくなるためである。本実施形態では、トナー補給口12の下側縁を−5.8°に設定している。現像容器1は、トナー補給口12を水平方向側方に受けて、トナーボトル10を着脱可能に保持するように構成されている。
ボトル攪拌搬送部材11aは回転軸11bとシート部材11cとからなり、本実施形態では、シート部材11cの材質にルミラーを使用している。また、ボトル攪拌搬送部材11aの回転速度は、26.38rpmである。なお、他の好適な材質及び回転速度に設定することによっても所要の効果を奏することができる。
現像容器1に補給されたトナー6は、攪拌室5aで第2攪拌搬送部材5bにより攪拌され、且つ搬送されて現像室4aに供給される。現像室4aに供給されたトナー6は、第1攪拌搬送部材4bにより攪拌搬送されて現像ローラ2に供給される。
現像ローラ2に供給されたトナー6は、現像ローラ2の回転により現像剤規制部材3でトナー層厚が規制されるとともに、感光ドラム103と対向する現像領域へと搬送される。現像ローラ2には、直流電圧と交流電圧を重畳した現像バイアスを印加することにより、感光ドラム103上にトナー6を飛翔させることによって、感光ドラム103上の静電潜像をトナー像として現像する。
また、現像容器1には常にトナーボトル10からトナー6が供給されており、攪拌室5aに設けられた現像剤検知部材7により、現像容器1内のトナー6量を検知している。本実施形態に使われる現像剤検知部材7は、透磁率センサを用いたトナー残量検知システムである。透磁率センサ7は、センサ検知可能領域内のトナー6中に含まれる磁性体の透磁率に応じたセンサ出力電圧を出力し、このセンサ出力電圧が基準電圧を越えたときをトナー「有」としてトナー量検知を行う。
トナーボトル10内のトナー6が無くなると、攪拌室5aにトナー6が供給されなくなる。この状態で画像形成を続行することによってトナー6が消費され、攪拌室5aのトナー6の量が所定量以下になると、透磁率センサ7によってトナー「無」と判断し、トナーボトル10の交換を通知する。本実施形態では、現像剤検知部材7に透磁率センサを用いているが、他の検知方法でトナー「無」を検知しても良い。
(トナーボトルの構成)
次に、本実施形態におけるボトル攪拌搬送部材11aの構成について、図3〜図6を用いて説明する。
図3は、本実施形態のトナーボトル10の斜視図である。
トナーボトル10には、トナーボトル10内のトナー6を現像容器1内へ供給するための現像剤補給口となるトナー補給口12が設けられている。このトナー補給口12は、円形状のトナーボトル10の側線に沿って側線両端を除く部位に長方形の形状を有している。また、トナー補給口12には、ボトル攪拌搬送部材11aのシート部材11cの先端がトナー補給口12から外へ飛び出すことを防止する飛出し防止部である仕切り部13が設けられている。
図4は、本実施形態のトナーボトル10に用いられるボトル攪拌搬送部材11aのシート部材11cの模式図であり、図5は、図4の一部を拡大した模式図である。
図6は、本実施形態のトナーボトル10の円筒の円形断面模式図である。
可撓性のシート部材11cの回転中心から回転方向先端11dの自由端までの長さは、トナーボトル10の円筒内面の半径よりも長い。このため、先端11dはトナーボトル10の内面に対して90°より小さい角度で接触する。トナー補給口12の開口部分の中心の接線方向L1に対するシート部材11cの先端11dの接触角の大きさをθとする。
本実施形態のトナーボトル10の円筒内径は68.8mmで、トナー補給口12は短手方向(円周方向)の長さが7mm、長手方向(円筒の側線方向)の長さが216mmである。
また、ボトル攪拌搬送部材11aのシート部材11cとして、材質がルミラーで、188μm厚のシートを使用している。
(飛出し防止部の構成)
シート部材11cは、回転半径方向に分離された先端11dを有する3つのシート片11eを備えており、それぞれのシート片11eの先端11dが他の先端11dとは独立して撓むことができる構成となっている。これにより、トナー6の分布が不均一で各シート片11eに当たるトナー6の量が異なる場合でも、それぞれのシート片11eが適切な量だけ撓むことができ、トナー6を効率良くトナー補給口12から現像容器1へ排出することができる。
ここで、トナー補給口12には、3つのシート片11eの各先端11dがトナー補給口12から外へ出ないようにするため、シート片11eの回転移動方向に沿って飛出し防止部としての仕切り部13が設けられている。
仕切り部13は、トナーボトル10の円筒内面に沿う内面を有してシート部材11cの回転方向に沿ってトナー補給口12に配置されている。例えば、仕切り部13の内面は、トナーボトル10の円筒内面の中心及び曲率半径と同じ中心及び曲率半径の曲面であって、円筒内面の曲面と連続して繋がっている。
また、仕切り部13は、1つの先端11dに少なくとも1つの仕切り部13が当接する位置に、それぞれ対応して配置されている。トナー補給口12は、これらの仕切り部13により、複数の開口14に隔てられている。
このような構成により、円筒内面に接触して回転している先端11dは、仕切り部13によって、トナー補給口12から外に飛び出すことなく、トナー補給口12をスムーズに通過できるようになっている。
これにより、回転するシート片11eがトナー補給口12通過の度にその開口縁に当たって傷むことを防止することができる。
(シート部材と飛出し防止部との接触角)
図7は、現像剤排出の際に、回転しているボトル攪拌搬送部材のシート部材上のトナーに働く力を示した模式図である。
ここで、トナー補給口12の仕切り部13の内面とシート部材11cの先端11dとが接触し、仕切り部13の内面と先端11dとの成す接触角をθとする。なお、シート部材11cの各寸法は、a=40.4mm、b=50.0mm、c=20.2mm、d=15.0mm、e=40.4mm、f=20mmに設定している。
トナー6の質量をm(kg)、トナーボトル10の内半径をr(m)、トナー6がシート部材11cの面上にある位置でのボトル攪拌搬送部材11aの回転速度をv(m/s)、重力加速度をg(m/s)、シート部材11cの摩擦係数をμとする。ここでは、μ=0.6のシート部材11cを用いている。
トナー6には、重力による垂直下方への力と、トナー6が載っているボトル攪拌搬送部材11a(シート部材11c)が回転することによって働く半径方向への遠心力と、シート部材11cの面からの垂直抗力による摩擦力fと、が作用する。ボトル攪拌搬送部材11aの先端11dがトナーボトル10のトナー補給口12に到達したとき、トナー6をボトル攪拌搬送部材11aから滑り落として排出させるには、式(1)を満たせばよい。
(mv/r)sinθ+mg・cosθ>μ{mg・sinθ−(mv/r)cosθ} ・・・(1)
このようにして、トナー6が、シート部材11cの摩擦力に打ち勝ち、ボトル攪拌搬送部材11aから滑り落ちて排出されるときの接触角θを求めることができる。
ここで、トナーボトル10内に充分な量のトナー6があるときは、ボトル攪拌搬送部材11aのシート部材11c上に多量のトナー6が載っているため、充分なトナー量が現像容器1に供給される。
一方、トナーボトル10内のトナー6が少なくなってきた場合においても、仕切り部13の内面とシート部材11cの先端11dとの接触角θを適切に選択することで、トナー6はシート部材11cの摩擦力に打ち勝って排出されるので、高いトナー排出量を発揮することができる。これにより、現像容器1内に設けられた透磁率センサ7がトナー「無」を検知する前に、トナーボトル10内のトナー6を使い切ることができる。
しかしながら、式(1)は、トナー6を理想的な剛体と仮定したときの釣り合い式として成立するものである。実際のトナーボトル10の内部では、非常に軽いトナーがそのときのトナー残量に応じて色々な状態で存在しており、さらに攪拌されることで摩擦帯電したトナーが回転する可撓性のシート部材11c上にランダムに存在することから、全てのトナー6に対して式(1)を満たすθを一義的に決定することはできない。
(好適なθの範囲を求める実験1)
そこで、上述の本実施形態のトナーボトル10とボトル攪拌搬送部材11aを用い、仕切り部13の内面とシート部材11cの先端11dとの接触角θを変化させながら好適なθを求めるため、実際に画出し実験を行った。
具体的には、トナーボトル10に一成分トナー6を690g充填し、A4サイズの4%原稿(紙面上のトナー着色領域の総面積がA4サイズの紙面面積の4%である原稿)を使用し、間欠耐久モードで画出しを行いながら、現像容器1内のトナー量とトナーボトル10内のトナー量(トナー残量)とを測定した。
図8は、トナーボトル10の仕切り部13のある位置での円筒の円形断面模式図である。
ここで、仕切り部13の内面は、トナーボトル10の円筒内面と同じ曲面を有しており、先端11dが仕切り部13の内面の曲面に接する位置における、曲面の接線L1と先端11dとが成す角がθとなる。
実験では、θを変化させるために、シート部材11cの回転中心から回転半径方向先端までの長さを変えたボトル攪拌搬送部材11aを用意した。具体的には、図4のシート部材11cの寸法a=eの長さを変えたボトル攪拌搬送部材11aを数種類用意した。a及びeを長くするとθは小さくなり、逆にa及びeを短くするとθは大きくなる。このようにして、θを50°から90°まで変化させて上述のような画出しテストを行った。
現像容器1は、現像室4aと攪拌室5aから構成されており、現像容器1内のトナー量は約200gが適正量である。画出しテストの初期は現像容器1内が空であるため、トナーボトル10からトナー6が大量に供給され、急激に現像容器1内のトナー量は増加するが、約200gに達すると飽和してほぼその量で安定するようになった。
画出しテストの進行とともにトナーボトル10内のトナー6はどんどん減少していくが、現像容器1内のトナー量は安定して200g前後を保っていた。トナーボトル10内のトナー6をほぼ使い切ると、現像容器1内のトナー6が減少し始めた。
現像容器1内のトナー量が約170g以下になると、現像容器1に設けられている透磁率センサ7によってトナーボトル10の交換通知が表示されるように設定されている。これは、仮に全面黒の画像であっても良好な画像を得られるのに十分な現像容器1内のトナー量が約170gであり、さらに、トナーボトル10を交換して新しいトナー6が供給された場合においてもコンタミによるかぶりや濃度低下の発生しない十分な量が同じく約170gであることによる。
画出しテストの進行とともに現像容器1内のトナー6は減少していき、約170gになったところでトナーボトル10の交換を促す表示が出た。このとき、θの値によって、以下のように印刷枚数に違いがあることが分かった。
θ=90°となるボトル攪拌搬送部材11aを備えたトナーボトル10をセットした現像容器1では、約10000枚の画出しが行われていた。
θ=80°となるボトル攪拌搬送部材11aを備えたトナーボトル10をセットした現像容器1では、約13000枚の画出しが行われていた。
θ=75°となるボトル攪拌搬送部材11aを備えたトナーボトル10をセットした現像容器1では、約1400枚の画出しが行われていた。
θ=70°となるボトル攪拌搬送部材11aを備えたトナーボトル10をセットした現像容器1では、約14500枚の画出しが行われていた。
θ=65°となるボトル攪拌搬送部材11aを備えたトナーボトル10をセットした現像容器1では、約17000枚の画出しが行われていた。
θ=60°となるボトル攪拌搬送部材11aを備えたトナーボトル10をセットした現像容器1では、約17000枚の画出しが行われていた。
θ=55°となるボトル攪拌搬送部材11aを備えたトナーボトル10をセットした現像容器1では、約17000枚の画出しが行われていた。
θ=50°となるボトル攪拌搬送部材11aを備えたトナーボトル10をセットした現像容器1では、約17000枚の画出しが行われていた。
このことから、θ=65°以下になると、トナーボトル10の交換を促す表示が出るまでの印刷枚数は約17000枚となり、θ=70°以上では、印刷枚数は減少していることが分かる。
また、画出しテストが終了したトナーボトル10のトナー残量を確認したところ、θの値によって、以下のようにトナーボトル10のトナー残量に違いがあることが分かった。
θ=90°となるボトル攪拌搬送部材11aを備えたトナーボトル10は、ボトル攪拌搬送部材11aによる排出力はほとんどなく、トナーボトル10の残量は200〜220gであった。
θ=80°となるボトル攪拌搬送部材11aを備えたトナーボトル10は、θ=90°のボトル攪拌搬送部材11aと比較すると排出性は向上するが、トナーボトル10の残量が少なくなると排出性が低下し、トナーボトル10の残量は110〜130gであった。
θ=75°となるボトル攪拌搬送部材11aを備えたトナーボトル10は、θ=80°のボトル攪拌搬送部材11aと比較すると更に排出性は向上するが、トナーボトル10の残量が少なくなると排出性が低下し、トナーボトル10の残量は90〜100gであった。
θ=70°となるボトル攪拌搬送部材11aを備えたトナーボトル10は、θ=80°や75°のボトル攪拌搬送部材11aと比較するとトナーボトル10の残量が少ないときの排出性は向上するが、残り100gあたりから排出性が低下し、トナーボトル10の残量は60〜80gであった。
θ=65°となるボトル攪拌搬送部材11aを備えたトナーボトル10は、θ=70°のボトル攪拌搬送部材11aと比較するとトナーボトル10の残量が多いときから少ないときまで安定して排出性が良く、トナーボトル10の残量は10〜20gであった。
θ=60°となるボトル攪拌搬送部材11aを備えたトナーボトル10は、トナーボトル10の残量は7〜12gであった。
θ=55°となるボトル攪拌搬送部材11a及びθ=50となるボトル攪拌搬送部材11aを備えたトナーボトル10の残量は共に5〜8gであった。
トナーボトル10交換時のトナー補給口12からのトナー漏れを無くすためには、トナーボトル10内の残量は20g以下であることが望ましい。上述の結果から、θ=65°以下になると、トナーボトル10の残量が交換時のトナー漏れの起きない残量20g以下になることが分かる。
以上の実験結果から、θは65°以下のときにトナーボトル10内のトナー6を効率良く排出でき、排出性能が良好であることが分かった。
実験1の結論として、トナー排出性の観点からシート部材11cの先端11dとトナーボトル10の内面(仕切り部13)との好適な接触角は、0°<θ≦65°であることが分かった。なお、θが0°のときは、シート片11eがトナーボトル10の内壁に密着した状態のときなので除外する。
また、θが小さくなると、その分、シート部材11cの寸法a及びeが長くなり、ボトル攪拌搬送部材11aを回転させるために要するトルクは大きくなってしまう。そこで、θを50°より小さくしても、排出性能はそれほど向上しないことも考慮すると、θのより好ましい範囲は50°≦θ≦65°となる。
(好適なθの範囲を求める実験2)
上述の実験1で用いたトナーボトル10とボトル攪拌搬送部材11aを用い、仕切り部13の内面とシート部材11cの先端11dとの接触角度θを変化させながら、トナーボトル10からトナー6を排出するのに要する時間を測定した。
具体的には、トナーボトル10に一成分トナー6を690g充填し、現像容器1の攪拌室5aの底面に穴を開け、10秒毎に排出されたトナー量を測定した。θは50°から80°まで変化させた。
θ=80°となるボトル攪拌搬送部材11aを備えたトナーボトル10は、トナーボトル10の残量が約150gあたりから排出性が低下し、トナー6を使い切るまでの時間は150〜160秒であった。
θ=75°となるボトル攪拌搬送部材11aを備えたトナーボトル10は、θ=80°のボトル攪拌搬送部材11aと比較すると初期から排出性は向上するが、残り100gあたりから排出性が低下し、トナー6を使い切るまでの時間は140〜150秒であった。
θ=70°となるボトル攪拌搬送部材11aを備えたトナーボトル10は、θ=80°やθ=75°のボトル攪拌搬送部材11aと比較すると初期から排出性は向上するが、やはり残り100gあたりから排出性が低下し、トナー6を使い切るまでの時間は110〜120秒であった。
θ=65°となるボトル攪拌搬送部材11aを備えたトナーボトル10は、θ=70°以上のボトル攪拌搬送部材11aと比較するとトナーボトル10の残量が多いときから少ないときまで安定して排出性が良く、残り50gあたりまで排出性が安定しており、トナー6を使い切るまでの時間は90〜100秒であった。
θ=60°となるボトル攪拌搬送部材11aを備えたトナーボトル10は、θ=70°以上のボトル攪拌搬送部材11aと比較するとトナーボトル10の残量が多いときから少ないときまで安定して排出性が良く、残り50gあたりまで排出性が安定しており、トナー6を使い切るまでの時間は80〜90秒であった。
θ=55°となるボトル攪拌搬送部材11a及びθ=50°となるボトル攪拌搬送部材11aを備えたトナーボトル10は、θ=70°以上のボトル攪拌搬送部材11aと比較すると、共にトナーボトル10の残量が多いときから少ないときまで安定して排出性が良く、残り50gあたりまで排出性が安定していた。θ=55°とθ=50°のときのトナー6を使い切るまでの時間は、共に60〜70秒であった。
図9は、θを変えたときの経過時間とトナー排出量の関係を示す図である。測定データは、θが50°、60°、70°及び80°のときのものである。
トナーボトル10からトナー6を排出するのに要する時間としては、現像ローラ2へのトナー供給遅れが生じないようにする等を考慮すると100秒以下であることが望ましい。
これが100秒を超えると、トナーボトル10から現像容器1へトナー6を供給する前に、画像形成等によるトナー6の消費によって現像容器1内のトナー6の量が減少してしまい、透磁率センサ7がトナー「無」と判断してしまうことになる。
図10はθとトナー6を使い切るまでの時間の関係を表すグラフである。上記のように、トナーボトル10からトナー6を排出するのに要する時間は100秒であることが望ましいが、100秒以下となるθは、65°以下である。
以上の実験結果から、θが65°以下のときにトナーボトル10内のトナー6を100秒以下の短時間で排出することができて、排出性能が良好であることが分かった。
実験2の結論として、トナー排出速度の観点からシート部材11cの先端11dとトナーボトル10の内面(仕切り部13の内面)との好適な接触角は、0°<θ≦65°であることが分かった。なお、θが0°のときは、シート片11eがトナーボトル10の内壁に密着した状態のときなので除外する。
また、θが小さくなると、その分、シート部材11cの寸法a及びeが長くなり、ボトル攪拌搬送部材11aを回転させるために要するトルクは大きくなってしまう。そこで、θを50°より小さくしても、排出速度の性能はそれほど向上しないことも考慮すると、θのより好ましい範囲は50°≦θ≦65°となる。
(2つの実験結果のまとめ)
上述した2つの実験より、トナーボトル10に残存するトナー量を少なくするとともに短時間でトナーボトル10内のトナー6を排出することができるθの範囲は、0°<θ≦65°であることが分かった。また、より好ましいθの範囲は、50°≦θ≦65°であるとした。
A・・・画像形成装置
1・・・現像容器
2・・・現像ローラ
3・・・現像剤規制部材
4a・・・現像室
4b・・・第1攪拌搬送部材
5a・・・攪拌室
5b・・・第2攪拌搬送部材
5c・・・回転軸
5d・・・シート部材
6・・・トナー
7・・・現像剤検知部材
8・・・・隔壁
10・・・トナーボトル
11a・・・ボトル攪拌搬送部材
11b・・・回転軸
11c・・・シート部材
11d・・・先端
11e・・・シート片
12・・・トナー補給口
13・・・仕切り部
14・・・開口
101・・・帯電用高圧電源
102・・・帯電ローラ
103・・・像担持体(感光ドラム)
104・・・露光手段
105・・・現像装置
107・・・転写前ガイド
108・・・転写ローラ
109・・・クリーニングブレード
110・・・回収トナー収容スペース
111・・・定着ニップ入口ガイド
112・・・定着ユニット

Claims (7)

  1. 像担持体に形成された静電潜像を現像する現像剤を現像容器へ供給する現像剤補給容器において、
    現像剤を収容するための円筒と、
    前記円筒の側線方向に沿って当該円筒に設けられた現像剤補給口と、
    前記円筒の内部で回転可能に設けられた可撓性のシート部材を有する攪拌搬送部材と、
    前記現像剤補給口に前記シート部材の回転方向に沿って設けられた飛出し防止部と、
    を有し、
    前記シート部材の回転半径方向の先端と前記飛出し防止部の内面との接触角θが0°<θ≦65°であることを特徴とする現像剤補給容器。
  2. 前記飛出し防止部は、前記シート部材の先端に対応して前記現像剤補給口を複数の開口に隔てるように配されていることを特徴とする請求項1に記載の現像剤補給容器。
  3. 前記飛出し防止部の前記内面は、前記円筒の内面と連続していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像剤補給容器。
  4. 前記シート部材の回転中心から前記先端までの長さは前記円筒の内面の半径よりも長く、前記長さを変えることで前記接触角を変えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の現像剤補給容器。
  5. 前記現像剤補給口を水平方向側方に受けて、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の現像剤補給容器を着脱可能に保持する現像容器を有することを特徴とする現像装置。
  6. 前記現像剤補給口の下側縁は、水平方向に対して±10°であることを特徴とする請求項5に記載の現像容器。
  7. 像担持体に形成した静電潜像を現像装置により現像して画像形成する画像形成装置であって、
    前記現像装置として請求項5又は請求項6に記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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