本発明は、現像装置およびそれを備える画像形成装置に関する。
従来、複写機、プリンタなどの電子写真方式を用いる画像形成装置においては、静電潜像担持体に形成された静電潜像に現像装置からトナーを供給して現像が行なわれている。このような現像装置としては、現像剤にトナーだけを使用した一成分現像方式の現像装置、またトナーとキャリアとを含む現像剤を使用した二成分現像方式の現像装置が知られている。
図10はトナーとキャリアとを含む現像剤を用いる二成分現像方式の従来の現像装置1の構成を簡略化して示す側面から見た断面図であり、図11は図10に示す従来の現像装置1の構成を簡略化して示す上面図である。なお図11では、内部構成を判りやすくするために現像剤容器3の天板を除いて示す。
従来の現像装置1は、大略、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤2を収容する現像剤容器3と、現像剤容器3に収容される現像剤2を担持して搬送する現像剤担持体4と、現像剤容器3に収容される現像剤2を撹拌し、現像剤担持体4に供給する2つの第1および第2撹拌搬送部材5,6と、現像剤担持体4が搬送する現像剤量を規制する現像剤量規制部材7とを含んで構成される。
2成分現像剤が用いられる現像装置1に設けられる現像剤担持体4は、非磁性素材からなるスリーブ11と、スリーブ11に内包されるようにして設けられる複数の磁極を有する磁石部材12とを含む。現像剤担持体4は、画像形成装置に設けられて静電潜像を担持する静電潜像担持体8に対向し、静電潜像担持体8の回転軸線とその回転軸線が平行になるようにして、スリーブ11が回転自在に、磁石部材12が回転することなく固定的に現像剤容器3に設けられる。
現像剤容器3は、たとえば硬質樹脂などからなる容器部材であり、現像剤担持体4の回転軸線方向に細長く延びるように形成され、現像剤2を内部空間に収容するとともに、現像剤担持体4、第1および第2撹拌搬送部材5,6、現像剤量規制部材7が装着される。現像剤容器3は、現像剤担持体4に対向するように位置する現像領域部13と、現像剤担持体4の回転軸方向に現像領域部4に隣接し、現像剤担持体4の長さを超える位置に設けられる延出領域部14とを含む。
第1撹拌搬送部材5は、棒状の第1回転軸部材15の周囲に楕円板状の羽根部材16を装着したものであり、現像剤担持体4を臨み、その回転軸が現像剤担持体4の回転軸と平行になるようにして、かつ現像剤容器3の現像領域部13から延出領域部14にわたって、現像剤容器3に回転自在に装着される。この第1撹拌搬送部材5は、現像剤容器3内において、現像剤2を回転軸方向に平行な1方向である矢符X方向に撹拌搬送し、撹拌搬送の過程において現像剤担持体4に対して現像剤2を供給する。
第2撹拌搬送部材6は、第1撹拌搬送部材5と同様に、棒状の第2回転軸部材17の周囲に楕円板状の羽根部材18を装着したものであり、第1撹拌搬送部材5を臨み、その回転軸が現像剤担持体4の回転軸と平行になるようにして、かつ現像剤容器3の現像領域部13から延出領域部14にわたって、現像剤容器3に回転自在に装着される。この第2撹拌搬送部材6は、現像剤容器3内において、現像剤2を回転軸方向に平行な方向であって上記X方向と反対の矢符Y方向に撹拌搬送する。
第1撹拌搬送部材5と第2撹拌搬送部材6との間には、現像剤容器3の底板から立上がり、回転軸方向に平行に現像領域部13から延出領域部14まで延びて仕切板19が形成され、仕切板19によって、現像領域部13と延出領域部14とが、第1撹拌搬送部21と第2撹拌搬送部22とに区分される。仕切板19は、長手方向の長さが、現像剤容器3の細長く延びる方向の内寸法よりも短くなるように形成され、その両端部において、第1撹拌搬送部21と第2撹拌搬送部22とを連通させる連通部23a,23bがそれぞれ形成される。
この連通部23aを通して、第1撹拌搬送部21から第2撹拌搬送部22へと、矢符X1方向に現像剤2が送給され、連通部23bを通して、第2撹拌搬送部22から第1撹拌搬送部21へと、矢符Y1方向に現像剤2が送給されるので、現像剤容器3内に収容される現像剤2は、矢符X,X1,Y,Y1方向へと循環される。
なお、連通部23aにおいて、現像剤2が矢符X1方向へ搬送され易くするために、第1撹拌搬送部材5では、羽根部材16とは逆向きに2枚の羽根部材16aが第1回転軸部材15に装着され、同様に連通部23bにおいて、現像剤2が矢符Y1方向へ搬送され易くするために、第2撹拌搬送部材6では、羽根部材18とは逆向きに2枚の羽根部材18aが第2回転軸部材17に装着される。
現像装置1では、第1および第2撹拌搬送部21,22に設けられる第1および第2撹拌搬送部材5,6を回転させて現像剤2を混合撹拌しながら、上記の矢符X,X1,Y,Y1方向へと循環させるとともに、第1撹拌搬送部21において現像剤2を現像剤担持体4へ供給する。現像剤担持体4は、スリーブ11を回転させて磁石部材12の磁力によって保持される現像剤2を搬送するとともに、搬送される現像剤2の量を現像剤量規制部材7によって規制し、スリーブ11で所定量の現像剤2を静電潜像担持体8と対向するトナー供給領域に導き、現像剤2のトナーを静電潜像担持体8に形成された静電潜像に供給して現像を行う。
また、現像剤2のトナーを静電潜像に供給して現像を行うと、現像剤容器3に収容される現像剤2中のトナーの濃度が次第に低下するので、トナー濃度が所定の濃度以下になると、現像剤容器3に収容される現像剤2に新たなトナーが、不図示のトナー補給手段から補給される。
現像剤容器3に収容される現像剤2にトナーを補給するに際しては、通常、第1撹拌搬送部21の延出領域部14にトナーが補給される。第1撹拌搬送部21の延出領域部14にトナーを補給することによって、トナーの補給された現像剤2が、第1撹拌搬送部21の延出領域部14において矢符X方向に搬送され、仕切板19の一方の端部に形成される連通部23aを通って第2撹拌搬送部22の延出領域部14に搬送され、混合撹拌されながら第2撹拌搬送部22をY方向に搬送され、仕切板19の他方の端部に形成される連通部23bを通って、第2撹拌搬送部22から第1撹拌搬送部21に送られ、第1撹拌搬送部21において混合撹拌されながら搬送されるとともに、現像剤担持体4に供給されて現像に使用される。
しかしながら、上記のように、第1撹拌搬送部21の延出領域部14にトナーを補給し、トナーが補給された現像剤2を第2撹拌搬送部22および第1撹拌搬送部21に導いて搬送するようにした場合、トナーが補給された第1撹拌搬送部21の延出領域部14における現像剤2のトナー濃度だけが極端に高くなり、現像剤容器3内の現像剤2全体に補給トナーが分散されるのに長時間を要するので、現像剤容器3内における現像剤2のトナー濃度にバラツキが生じるという問題がある。
また、トナーが補給された状態のように現像剤2のトナー濃度が高いと、現像剤2のトナーが第2撹拌搬送部22において充分に混合撹拌されず、トナーが充分に帯電されていない状態で第1撹拌搬送部21に送られるので、この現像剤2が現像剤担持体4に供給されて現像に使用されると、帯電不良のトナーに起因して、形成される画像に地肌かぶりが生じたり、トナーが現像装置から飛散して画像形成装置内が汚れたりするという問題がある。
新たに補給されたトナーが充分に帯電されるようにするため、第1および第2撹拌搬送部21,22における第1および第2撹拌搬送部材5,6の混合撹拌する条件を強くすることが考えられる。しかしながら、現像剤2を混合撹拌させる条件を強くすると、現像剤2に対して負荷されるストレスが増大して現像剤2が劣化するという問題がある。また現像剤2を混合撹拌する条件を強くするため、第1および第2撹拌搬送部材5,6をバケットローラ等に変更することが考えられるけれども、このような変更を行うと、現像装置が大型化する等の問題がある。
このような問題に対処する従来技術として、現像剤容器の現像領域部と延出領域部とを区分する現像剤せき止め部材として現像剤せき止め板を設ける現像装置がある。図12は、現像剤容器に現像剤せき止め板が設けられる現像装置30の構成を簡略化して示す上面図である。この現像装置30は、図10および図11に示す従来の現像装置1に類似するので、共通部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
もう一つの従来技術である現像装置30は、現像剤容器3の現像領域部13と延出領域部14とを区分する現像剤せき止め板31が設けられることを特徴とする。現像剤せき止め板31が設けられることによって、仕切板が長手方向に2分され、現像領域部13に形成される第1仕切板32によって、現像領域部13が、第1撹拌搬送部34と第2撹拌搬送部35とに区分され、延出領域部14に形成される第2仕切板33によって、延出領域部14が、第1延出部36と第2延出部37とに区分される。
第1仕切板32は、その長手方向において、現像剤せき止め板31との間に間隙を有する寸法に形成され、上記間隙では、第1撹拌搬送部34と第2撹拌搬送部35とが連通される連通部38が形成され、連通部38において、第1撹拌搬送部34から第2撹拌搬送部35へと現像剤を撹拌搬送することが可能である。
第2仕切板33は、その長手方向において、現像剤せき止め板31との間に間隙を有する寸法に形成され、上記間隙では、第1延出部36と第2延出部37とが連通される連通部39が形成され、連通部39において、第2延出部37から第1延出部36へと現像剤を撹拌搬送することが可能である。
図13は、現像剤せき止め板31が装着される状態を現像剤容器3内における現像剤2の搬送方向から見た図である。現像剤せき止め板31は、第1および第2撹拌搬送部材5,6の羽根部材の16,18の現像剤せき止め板31に平行な仮想平面に対する投影形状が円となる部分の約半分を遮蔽するようにして設けられる。すなわち、隣接して設けられる第1および第2撹拌搬送部材5,6が相対向する部分の羽根部材16,18の約半分を遮蔽するように現像剤せき止め板31が設けられる。
現像剤せき止め板31は、第1および第2回転軸部材15,17に対応する部位に半円形状の切欠部41,42が形成され、水平方向の両端部43,44が、いずれも羽根部材16,18の上記投影形状の外周よりも第1および第2回転軸部材15,17の方向にくい込んだ位置になるように設けられる。現像剤せき止め板31の水平方向の両端部43,44と、現像剤容器3の現像剤2の搬送方向と平行な各側壁3a,3bとの間にはそれぞれ開口部が形成され、第1撹拌搬送部34と第1延出部36、また第2撹拌搬送部35と第2延出部37とが、上記開口部を介してそれぞれ連通される。
このことによって、矢符X,X2,Y,Y1にて示す現像剤容器3内全体における現像剤2の循環流れと、矢符X,X1,Y,Y1にて示す現像領域部13内における現像剤2の循環流れと、矢符X,X2,Y,Y2にて示す延出領域部14内における現像剤2の循環流れとが形成される。
このように現像剤せき止め板31を設けることによって、第1撹拌搬送部材5で第1撹拌搬送部34を搬送される現像剤2、また第2撹拌搬送部材6で第2延出部37を搬送される現像剤2は、現像剤せき止め板31まで搬送されてきた際、現像剤せき止め板31に衝突するので、現像剤2を一旦せき止めて撹拌する効果を得ることができる。このように搬送される現像剤2は、現像剤せき止め板31に衝突することによって、その部分で一旦せき止められて撹拌されるので、現像剤2の混合および撹拌効果が向上する。
現像装置30において、トナーが延出領域部14の第1延出部36に補給されると、延出領域部14内で形成される現像剤2の循環流れによってすばやく混合撹拌されて均一化し、現像剤せき止め板31と現像剤容器3の側壁3bとの間に形成される開口部を通って、第2延出部37から現像領域部13の第2撹拌搬送部35へ送給される現像剤2は、第2撹拌搬送部材6によってさらに混合撹拌された上で第1撹拌搬送部34へ送給されるので、トナー濃度の均一化された現像剤2を現像剤担持体4へ供給することができる。
なお、現像装置30では、第2撹拌搬送部35の現像剤搬送方向のほぼ中央部40において、その下方にあたる現像剤容器3の底板に、第2撹拌搬送部材6を臨むようにしてトナー濃度センサが設けられ、現像剤容器3全体の平均的なトナー濃度を検知する。
また、現像に使用された後現像剤担持体4から離脱する現像剤は、現像剤せき止め板31と現像剤容器3の側壁3aとの間に形成される開口部を通って、現像領域部13の第1撹拌搬送部34から延出領域部14の第1延出部36へ送給され、延出領域部14内で形成される現像剤2の循環流れによって補給トナーとすばやく混合撹拌され、適正トナー濃度の現像剤2となり、現像剤容器3内全体における現像剤2の循環流れで撹拌搬送されて再び現像に使用される。
このような現像装置30において、現像剤2に新たなトナーを補給した場合、補給されたトナーが速やかに現像剤容器3内の現像剤2中に均一に分散される。したがって、現像剤を混合攪拌する条件を強くしなくても、補給されたトナーを充分に混合撹拌し、適切に帯電された状態で現像に用いることができるので、現像される画像に地肌かぶりを生じたり、トナーが現像装置から飛散して画像形成装置内を汚染するということがなく、良好な現像を安定して行うことが可能になる。さらに、現像装置30は、延出領域部14における予備撹拌機能を有するので、撹拌搬送部材5,6の回転速度を低下させることができ、回転速度の低下によって現像剤2の劣化が抑制され、現像剤2の長寿命化が可能になる。
しかしながら、現像装置30には以下のような問題がある。現像剤担持体4と静電潜像担持体8との間で形成されるトナー供給領域(静電潜像を現像する領域)において現像に使用された現像剤が、現像剤担持体4から離脱して第1撹拌搬送部34に回収されると、第1撹拌搬送部34に存在する現像剤2と混合されて再び現像剤担持体4に再混合現像剤が供給されることが生じ得るけれども、現像剤2の劣化を抑制するために、第1撹拌搬送部34における第1撹拌搬送部材5の撹拌能力を低くしているので、現像剤担持体4が1回転する間に、回収現像剤と、現像剤容器3内にもとから在る現像剤とを再混合することが難しい。
第1撹拌搬送部材5の回転速度を上げることによって再混合能力を向上することができるけれども、無制限に回転速度を上げることはできず、おのずとその上限があるので充分な再混合能力を発揮する回転速度まで上げることは困難である。また、回転速度を上げることによって、現像剤の劣化を抑制して長寿命化するという利点が失われることになる。
さらに、現像剤担持体4の回転速度が速くなる高速印字機では、現像剤担持体4が1回転し、その次の回転の際に回収現像剤が既存の現像剤と混合されて現像に再使用されるという現象が起こりやすくなる。このようなとき、ベタ画像を現像すると、ベタ画像のスラスト方向にて画像濃度ムラおよび濃度差が発生するという問題がある。また、静電潜像を現像する領域にて使用された使用済み現像剤が、現像剤担持体4から円滑に離脱することなく、現像剤担持体4に付着したまま回転し、次の現像を行うことによって、静電潜像担持体8上で現像された前の画像が、現像剤担持体4の1回転後に発生する現像メモリという問題もある。
このような問題を解決する従来技術として、現像剤担持体から離脱する使用済み現像剤を回収するとともに、該使用済み現像剤と補給トナーとを混合搬送する第1の撹拌搬送部材と、現像剤担持体に現像剤を供給する第2の撹拌搬送部材との間に仕切板を設け、回収された使用済み現像剤が、いきなり現像に使用されることがないようにする現像装置が提案される(特許文献1参照)。特許文献1の現像装置によれば、回収された使用済み現像剤がいきなり現像に再使用されることがないので、画像濃度低下、画像濃度ムラの発生が防止されるとする。
特許文献1には、上記構成に加え、第1撹拌搬送部材から現像剤の送給を受け、現像剤を第2撹拌搬送部材へ送給する第3撹拌搬送部材を有し、第3撹拌搬送部材と第2撹拌搬送部材との間に仕切板が設けられる構成が開示される。特許文献1の現像装置では、回転軸方向の全長にわたって第1撹拌搬送部材から第3撹拌搬送部材へ回収現像剤が送給され、トナーの補給は、第1撹拌搬送部材の一方の端部側でしか行われない。したがって、充分に補給トナーの混合されていない回収現像剤が第1撹拌搬送部材から第3撹拌搬送部材へ送給され、第3撹拌搬送部材から仕切板を回って第2撹拌搬送部材に送られると即座に現像剤担持体へ供給されて現像に供せられることが起こり得る。すなわち、回収現像剤が補給トナーおよび既存現像剤と充分に混合撹拌されないうちに現像に供せられるというおそれがある。また、現像メモリの発生を防止するために、現像剤担持体から使用済み現像剤を円滑に離脱させて回収することについては全く言及していない。
本発明の目的は、現像剤担持体から使用済み現像剤を円滑に離脱させて回収し、回収された使用済み現像剤を、現像剤容器内の既存の現像剤と充分に混合撹拌して適切なトナー濃度にした状態で現像に用いることができる現像装置およびそれを備える画像形成装置を提供することである。
本発明は、トナーとキャリアとを含む現像剤を担持する現像剤担持体と、現像剤を収容し、現像剤担持体と対向する現像領域部と現像剤担持体の回転軸方向に現像領域部に隣接して設けられる延出領域部と現像領域部と延出領域部とを区分する現像剤せき止め部材とを有する現像剤容器と、現像剤担持体の回転軸方向に現像剤を混合撹拌しながら搬送する撹拌搬送部材とを備える現像装置であって、
画像形成装置に設けられて静電潜像を担持する静電潜像担持体に対して現像剤のトナーを供給した後、現像剤担持体から離脱する現像剤を回収する現像剤回収手段と、現像剤容器にトナーを補給するトナー補給手段とを含み、
現像剤担持体は、
現像剤担持体から静電潜像担持体に対してトナーを供給するトナー供給領域よりも現像剤担持体の回転方向下流側に、磁界を発生する第1磁界発生手段と、第1磁界発生手段よりも前記回転方向下流側で第1磁界発生手段に隣合って配置され第1磁界発生手段と同極の磁界を発生する第2磁界発生手段とを備え、現像剤担持体の表面において第1磁界発生手段と第2磁界発生手段との間で磁界の強さが10mT以下の低磁界域が形成され、
現像領域部は、第1仕切板によって区分される第1撹拌搬送部と第2撹拌搬送部とを有し、
延出領域部は、第2仕切板によって区分され、第1撹拌搬送部に隣接して設けられる第1延出部と第2撹拌搬送部に隣接して設けられる第2延出部とを有し、
第1撹拌搬送部では、現像剤を現像剤担持体へ供給するべく撹拌搬送し、また現像剤を第1延出部と第2撹拌搬送部へと送給するべく撹拌搬送し、
第2撹拌搬送部では、現像剤を第1撹拌搬送部へと送給するべく撹拌搬送し、
第1延出部では、現像剤を第2延出部へと送給するべく撹拌搬送し、
第2延出部では、現像剤を第1延出部および第2撹拌搬送部へと送給するべく撹拌搬送し、
現像剤回収手段は、低磁界域で現像剤担持体から離脱する現像剤を回収し、回収した現像剤を、現像領域部の現像剤せき止め部材よりも現像剤担持体寄りの位置であって、第1撹拌搬送部で第1延出部と第2撹拌搬送部とに向けて現像剤を撹拌搬送する位置へ供給し、
トナー補給手段は、第1延出部にトナーを補給し、
現像剤せき止め部材と撹拌搬送部材とによって、現像領域部内で現像剤が撹拌搬送される循環流と、延出領域部内で現像剤が撹拌搬送される循環流とが形成されることを特徴とする現像装置である。
また本発明は、現像剤回収手段と第1撹拌搬送部とを仕切るもう一つの仕切板を含み、もう一つの仕切板は、磁性を有する素材を含んでなることを特徴とする。
また本発明は、もう一つの仕切板は一方の先端部が現像剤担持体を臨むようにして設けられ、現像剤担持体と現像剤担持体を臨むもう一つの仕切板の一方の先端部との間隔が、3mm以下になるように設定され、
第1磁界発生手段によって現像剤担持体表面で穂立ちする現像剤の現像剤担持体の回転方向下流側での境界位置と現像剤担持体の回転中心とを結ぶ線分と、第2磁界発生手段によって現像剤担持体表面で穂立ちする現像剤の現像剤担持体の回転方向上流側での境界位置と現像剤担持体の回転中心とを結ぶ線分とがなす角度をαとし、
第1磁界発生手段によって現像剤担持体表面で穂立ちする現像剤の現像剤担持体の回転方向下流側での境界位置と現像剤担持体の回転中心とを結ぶ線分と、もう一つの仕切板の現像剤担持体を臨む一方の先端部と現像剤担持体の回転中心とを結ぶ線分とがなす角度をβとするとき、
角度αと角度βとの間に、0度<β<αの関係が成立つように設定されることを特徴とする。
また本発明は、現像剤容器内に収容される現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段を含み、トナー濃度検知手段は、現像剤回収手段が回収した現像剤を現像領域部へ供給する位置に設けられることを特徴とする。
また本発明は、前記いずれかに記載の現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、現像剤担持体には、その表面に第1磁界発生手段と第2磁界発生手段との間で磁界の強さが10mT以下の低磁界域が形成されるので、現像に使用された後の現像剤を現像剤担持体から容易かつ確実に離脱させることができる。また、現像剤回収手段は、低磁界域で現像剤担持体から離脱する現像剤を回収し、回収した現像剤を、現像領域部の現像剤せき止め部材よりも現像剤担持体寄りの位置であって、第1撹拌搬送部が第1延出部と第2撹拌搬送部とに向けて現像剤を撹拌搬送する位置へ供給するので、現像剤容器内のもとから在る(既存の)現像剤と充分に混合撹拌して適切なトナー濃度にした状態で現像に用いることができる。
また、本発明の現像装置は、現像剤容器にトナーを補給するトナー補給手段を含み、トナー補給手段は第1延出部にトナーを補給するので、補給されたトナーを速やかに現像剤中に均一に分散し、充分に混合撹拌して適切に帯電された状態で現像に用いることができる。
また本発明によれば、現像剤回収手段と第1撹拌搬送部とを仕切るもう一つの仕切板を含み、もう一つの仕切板は磁性を有する素材を含んでなる。現像剤回収手段と第1撹拌搬送部とを磁性を有するもう一つの仕切板で仕切ることによって、磁界発生手段である磁石部材を内蔵する現像剤担持体からもう一つの仕切板に対して磁界が発生し、現像剤担持体上の搬送現像剤の一部が、磁性を有するもう一つの仕切板に磁界キャリアカーテンを形成する。磁界キャリアカーテンが形成されることによって、現像剤回収手段に回収される現像剤が第1撹拌搬送部にこぼれ出ることを防止することができ、また使用済み現像剤が充分に離脱して現像剤担持体に付着したまま次の現像に使用されることがなくなるので、先に静電潜像担持体で現像された画像が現像剤担持体の1回転後に現像メモリとして現れることが防止される。
また本発明によれば、現像剤担持体と現像剤担持体を臨むもう一つの仕切板の先端部との間隔が3mm以下に設定され、第1磁界発生手段によって現像剤担持体表面で穂立ちする現像剤の現像剤担持体の回転方向下流側での境界位置と現像剤担持体の回転中心とを結ぶ線分と、第2磁界発生手段によって現像剤担持体表面で穂立ちする現像剤の現像剤担持体の回転方向上流側での境界位置と現像剤担持体の回転中心とを結ぶ線分とがなす角度αと、第1磁界発生手段によって現像剤担持体表面で穂立ちする現像剤の現像剤担持体の回転方向下流側での境界位置と現像剤担持体の回転中心とを結ぶ線分と、もう一つの仕切板の現像剤担持体を臨む先端部と現像剤担持体の回転中心とを結ぶ線分とがなす角度βとの間に、0度<β<αの関係が成立つように設定される。このことによって、上記磁界キャリアカーテンの作用をさらに積極的に利用することが可能となる。
また本発明によれば、現像剤容器内に収容される現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段を含み、トナー濃度検知手段は、現像剤回収手段が回収した現像剤を現像領域部へ供給する位置に設けられる。このことによって、現像される画像の印字率に応じたトナー補給制御を行うことができるので、常に安定したトナー濃度の現像剤を現像剤担持体に供給することが可能になる。
一般的な現像領域部の第1または第2撹拌搬送部材の下方にトナー濃度検知手段を設けるような構成では、使用済み現像剤のトナー濃度を検知するのでなく、現像剤容器に収容されるトナー全体の平均的な濃度を検知することになる。平均的なトナー濃度の検知では、実際に現像している画像の印字率に応じてリニアにレスポンス良く使用済み現像剤のトナー濃度を検知することができないので、画質に悪影響を与えることが起こり得る。たとえば、高印字率の画像を現像するとき、現像剤担持体の周辺ではトナー濃度が低くなるが、現像剤容器全体の平均的なトナー濃度の検知によれば、トナー濃度を検知している周辺では、所定のトナー濃度に維持されている状態にあるので、トナー補給タイミングが遅れてしまう。このような状態で、さらに高印字率の画像の現像が続くと、現像剤担持体上のトナー濃度が低くなり過ぎてベタ画像現像の追随性が悪くなる。逆に、高印字率の画像の現像が続く状態で、トナー濃度検知手段がトナー濃度の低下を検知すると、現像剤容器全体のトナー濃度を一定に保つため、連続してトナー補給が行われるので、急に低印字率の画像の現像に切換わると、トナー濃度検知が追随できず、現像した画像の濃度が高くなり過ぎたり、形成した画像へトナーがかぶったり、トナーが飛散する不具合が発生する。
しかしながら、本発明のようにトナー濃度検知手段を設けて使用済み現像剤が回収される位置でトナー濃度を検知することによって、使用済み現像剤のトナー濃度を直接検知することができるので、印字率に応じたトナー補給制御をすることができ、常に安定した画像を現像することが可能となる。
また本発明によれば、画像形成装置は、本発明の前記いずれかの現像装置を備えるので、現像剤担持体から使用済み現像剤を円滑に離脱させて回収することができ、現像メモリの発生を防止して良質な画像を形成することができる。また、回収された使用済み現像剤を、現像剤容器内の既存の現像剤と充分に混合撹拌して適切なトナー濃度にした状態で現像に用いることができるので、常に安定した濃度で画像を形成することのできる画像形成装置が実現される。
図1は本発明の実施の第1形態である現像装置50の構成を簡略化して示す側面から見た断面図であり、図2は図1に示す現像装置50の構成を簡略化して示す上面図である。なお、図2では、内部構成を判りやすくするために現像剤容器52の天板を除いて示す。本実施形態の現像装置50は、前述の図12に示す従来の現像装置30に類似し、現像装置30と共通する部分については同一の参照符号を付して説明を省略するか、または説明を簡略にする。
現像装置50は、非磁性トナーと磁性粒子であるキャリアとを含む現像剤2を担持する現像剤担持体51と、現像剤2を収容し、現像剤担持体51と対向する現像領域部13と現像剤担持体51の回転軸方向に現像領域部13に隣接して設けられる延出領域部14と現像領域部13と延出領域部14とを区分する現像剤せき止め部材である現像剤せき止め板31とを有する現像剤容器52と、現像剤担持体51の回転軸方向に現像剤2を混合撹拌しながら搬送する第1および第2撹拌搬送部材53,54と、画像形成装置に設けられて静電潜像を担持する静電潜像担持体8(以後、感光体8と呼ぶ)に対して現像剤2のトナーを供給した後、現像剤担持体51から離脱する現像剤を回収する現像剤回収手段55と、現像剤回収手段55と現像領域部13の第1撹拌搬送部34とを仕切るもう一つの仕切板56(この仕切板を以後第3仕切板56と呼ぶ)と、現像剤容器52にトナーを補給するトナー補給手段57と、現像剤2中のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段58とを含む。
2成分現像剤2は、特に限定されるものではないけれども、1例を示すと、トナーとしては、平均粒径(重量平均粒径)6.5μmのネガ帯電トナーが挙げられ、キャリアとしては、飽和磁化が150emu/cm3、平均粒径(体積平均粒径)40μmの磁性キャリアが挙げられる。
本実施形態における現像剤容器52には、現像剤担持体51の下方に膨らんで現像剤回収手段55を収容する現像剤回収室59が形成される。現像剤回収手段55の詳細については後述する。現像剤担持体51の軸方向における現像剤容器52の長さを例示すると、たとえば現像領域部13が350mmであり、延出領域部14が50mmである。
現像剤担持体51は、非磁性素材からなるスリーブ11と、スリーブ11に内包される磁界発生手段である磁石部材61とを含んで構成される、いわゆるマグネットローラである。以後、現像剤担持体51を現像ローラ51と呼ぶ。
図3は、現像ローラ51付近を拡大して示す図である。現像ローラ51のスリーブ11は、非磁性素材であれば良く、特に限定されるものではないけれども、アルミニウム、アルミニウム合金、またはJIS−G4305に規定されるステンレス鋼であるSUS304などが好適に用いられる。本実施形態では、スリーブ11として外径25mmのステンレス鋼(SUS304)製の管が用いられる。現像剤2の担持および搬送を良好に行うため、スリーブ11の表面には適度な凹凸が形成されることが好ましく、本実施形態では表面粗さ:Rz(JIS B 0601:十点平均粗さ)が、5〜10μm程度になるようにブラスト処理している。
本実施形態では、現像ローラ51の磁石部材61は、3つのN磁極と、2つのS磁極とを有し、N磁極とS磁極とが、周方向に略交互に配置される。現像ローラ51には、現像磁極であるS1磁極62が配せられる位置の現像ローラ51の外周面上に、現像ローラ51から感光体8に対してトナーを供給するトナー供給領域63(感光体8表面の静電潜像を現像する領域)が形成される。磁石部材61を構成する上記5つの磁極は、トナー供給領域63よりも現像ローラ51の回転方向64下流側に磁界を発生する第1磁界発生手段としてN1磁極65が配置され、N1磁極65よりも前記回転方向64下流側でN1磁極65に隣合って配置されN1磁極65と同極の磁界を発生する第2磁界発生手段としてN2磁極66が配置される。現像ローラ51の表面である外周面においてN1磁極65とN2磁極66との間で磁界の強さが10mT以下の低磁界域67(この低磁界域を反発極と呼ぶことがある)が形成される。このような現像ローラ51の外周面における磁界の強さは、たとえば測定器SI−2002H(中部電気株式会社製)などによって求めることができる。
N1磁極65とN2磁極66との現像ローラ51の円周方向の配置については、特定の条件を満足することが好ましいけれども、その条件については、第3仕切板56の配置条件も含めて後述する。
現像ローラ51は、磁石部材61の磁力によってトナーを担持したキャリアを保持し搬送することができる。現像ローラ51には、現像剤量規制部材7(現像ローラ51の外周面上に形成される現像剤層の層厚を規制することによって現像剤量を規制する)としてのドクターブレード7が所定間隙を有して対向配置されるので、現像ローラ51の矢符64方向の回転に伴って、現像剤の薄層が形成される。現像ローラ51に形成された現像剤薄層が、スリーブ11の回転に伴ってトナー供給領域63まで搬送されると、現像剤中のトナーが感光体8上の静電潜像へ移行してトナー像を形成する。
図1および図2に戻って、現像に使用された後の使用済み現像剤は、スリーブ11の回転に伴って低磁界域67まで搬送され、低磁界域67の磁界が低いことによって現像ローラ51の表面から離脱し、現像剤回収手段55に回収される。現像に用いられる新たな現像剤は、N2磁極66によって汲上げられ、ドクターブレード7によって層厚が規制されてトナー供給領域63で現像に供される。
現像剤容器52の現像剤回収室59は、現像ローラ51の下方において、現像ローラ51の回転軸線方向に延び、現像領域部13の第1撹拌搬送部34に隣接し、現像領域部13とほぼ同じ長さに形成される。
現像剤回収室59内に収容される現像剤回収手段55は、棒状の回収軸部材71と、回収軸部材71の外周に装着される回収スクリュー部材72とを含む。回収軸部材71は現像剤回収室59に回転自在に設けられ、回収スクリュー部材72は回転軸部材71とともに回転する。現像剤回収手段55は、矢符75方向にたとえば150rpmの回転速度で回転することによって、現像ローラ51から離脱して現像剤回収室59へ落下した使用済み現像剤を、矢符73で示す方向、すなわち第1撹拌搬送部34における現像剤の搬送方向であるX方向と同じ方向へ搬送する。
前述の現像装置30と同様に、本実施形態の現像装置50においても、第1撹拌搬送部34では、第1撹拌搬送部材53によって、現像剤2を現像ローラ51へ供給するべくX方向へ撹拌搬送し、また現像剤2を第1延出部36と第2撹拌搬送部35へと送給するべくX方向へ撹拌搬送する。第1撹拌搬送部34でX方向に搬送される現像剤2は、現像領域部13と延出領域部14とを区分する現像剤せき止め板31までくると、現像剤せき止め板31によって現像剤2の流れが一旦せき止められ、その一部が第1仕切板32と現像剤せき止め板31とで形成される連通部38を通ってX1方向に搬送されて第2撹拌搬送部35へと送給され、残部が現像剤せき止め板31と現像剤容器52の側壁とで形成される開口部を通って第1延出部36へと送給される。
この第1撹拌搬送部34において、搬送される現像剤2が、現像剤せき止め板31で一旦せき止められ、第2撹拌搬送部35と第1延出部36とへ分かれて送給される基点部分となる領域74(図2中の2点鎖線で囲む領域)を、ここでは便宜上現像剤分岐領域74と呼ぶ。
また、第2撹拌搬送部35では、第2撹拌搬送部材54によって、現像剤2をY方向へ搬送し、連通部23bを通って第1撹拌搬送部34へとY1方向に送給するべく撹拌搬送する。延出領域部14において、第1延出部36では、第1撹拌搬送部材53によって、現像剤2を第2延出部37へと送給するべく連通部23aを通ってX2方向へ撹拌搬送し、第2延出部37では、第2撹拌搬送部材54によって、現像剤2をY方向へ搬送し、連通部39を通って第1延出部36へとY2方向に送給するべく撹拌搬送するとともに、現像剤せき止め板31と現像剤容器52の側壁との開口部を通って第2撹拌搬送部35へと送給するべく撹拌搬送する。
現像剤容器52の中で上記のような現像剤2の循環流れが形成されている状態で、現像剤回収手段55は、低磁界域67で現像ローラ51から離脱する使用済み現像剤を回収し、回収した現像剤を、現像剤回収室59の延出領域部14寄りの端部において、現像剤回収室59から第1撹拌搬送部34へ向う矢符76方向へ搬送し、現像領域部13の現像剤せき止め板31よりも現像ローラ51寄りの位置であって、第1撹拌搬送部34で第1延出部36と第2撹拌搬送部35とに向けて撹拌搬送する位置、すなわち上記現像剤分岐領域74へ供給する。
第3仕切板56は、このような現像剤回収手段55を収容する現像剤回収室59と、第1撹拌搬送部34とを区分するように設けられる。第3仕切板56は、磁性を有する素材、たとえばJIS−G4305に規定されるステンレス鋼SUS430などからなる厚みが1mm程度の平板状部材である。なお、第3仕切板56の素材は、磁性ステンレス鋼に限定されるものではなく、他の磁性を有するニッケルプレートであってもよく、また硬質樹脂にたとえば粉末の磁性体を混合したものであってもよい。
図3を参照し、第3仕切板56は、平面形状が長方形であり、その長手方向の長さが、ほぼ現像ローラ51の回転軸方向の長さに等しく、短手方向の長さは、長手方向の一辺で現像剤容器52に装着されるとき、現像ローラ51を臨む側の一方の先端部56aと、現像ローラ51の外周面との間隔δ(図3に示す間隔δ)が、3mm以下になるように定められる。
さらに、N1磁極65によって現像ローラ51の表面で穂立ちする現像剤2aの現像ローラ51の回転方向64下流側での境界位置と現像ローラ51の回転中心とを結ぶ線分77と、第3仕切板56の現像ローラ51を臨む先端部56aと現像ローラの回転中心とを結ぶ線分78とがなす角度をβとし、上記線分77と、N2磁極66によって現像ローラ51の表面で穂立ちする現像剤2bの現像ローラ51の回転方向64上流側での境界位置と現像ローラ51の回転中心とを結ぶ線分79とがなす角度をαとするとき、角度αと角度βとの間に、角度αが角度βよりも大きく、角度βが0度よりも大きいという関係(0度<β<α)が成立つように、現像ローラ51の磁石部材61の配置および第3仕切板56の配置が設定される。角度α、βおよび間隔δについて、好適な1例を挙げると、たとえばα=50度、β=30度、δ=2mmである。
このように、現像剤回収手段55と第1撹拌搬送部34とを磁性を有する第3仕切板56で仕切ることによって、磁界発生手段である磁石部材61を内蔵する現像ローラ51から第3仕切板56に対して磁界が発生し、現像ローラ51上の搬送現像剤の一部が、磁性を有する第3仕切板56に磁界キャリアカーテンを形成する。磁界キャリアカーテンが形成されることによって、現像剤回収手段55に回収される現像剤が第1撹拌搬送部34にこぼれ出ることを防止することができ、また使用済み現像剤が充分に離脱して現像ローラ51に付着したまま次の現像に使用されることがなくなるので、先に感光体8で現像された画像が現像ローラ51の1回転後に現像メモリとして現れることが防止される。
再び図1および図2に戻って、第1撹拌搬送部34から第1延出部36まで延在して第1撹拌搬送部材53が設けられ、第2撹拌搬送部35から第2延出部37まで延在して第2撹拌搬送部材54が設けられる。第1および第2撹拌搬送部材53,54は、前述の第1および第2撹拌搬送部材5,6に類似するけれども、第1および第2撹拌搬送部材5,6では回転軸部材15,17の周囲に楕円形の羽根部材16,18が設けられていたのに対して、羽根部材16,18の代わりに第1および第2スクリュー部材83,84がそれぞれ設けられる点が異なる。本実施形態では、第1および第2スクリュー部材83,84は、回転軸部材15,17の軸線に対して垂直な仮想平面に投影したときの寸法が、直径20mmの円になるような大きさに形成され、ピッチ25mmで左巻きのスクリューを使用している。このような、第1および第2撹拌搬送部材53,54は、たとえば250rpmの回転速度で回転されて、現像剤容器52中の現像剤を、XおよびY方向へそれぞれ撹拌搬送する。
なお、連通部23aにおいて、現像剤2が矢符X2方向へ搬送され易くするために、第1撹拌搬送部材53では、第1スクリュー部材83とは逆向きに螺旋送給する第1逆スクリュー部材83aが第1回転軸部材15に装着され、同様に連通部23bにおいて、現像剤2が矢符Y1方向へ搬送され易くするために、第2撹拌搬送部材54では、第2スクリュー部材84とは逆向きに第2逆スクリュー部材84aが第2回転軸部材17に装着される。
現像装置50においても、先の現像装置30と同様、第1および第2撹拌搬送部材53,54によって、現像領域部13と延出領域部14とにわたって撹拌搬送される現像剤2の流れをせき止めて分岐させるために、現像領域部13と延出領域部14とを区分する現像剤せき止め板31が設けられる。現像剤せき止め板31は、特にその素材が限定されるものではないけれども、ポリスチレン(PS)、ABS、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド(PPS)などが好適に用いられる。本実施形態では、現像剤せき止め板31として、ポリスチレン(PS)をモールド成型した板形状のモールド部材が用いられる。
トナー補給手段57は、トナー85をその内部空間に収容する容器であるトナーホッパ86と、トナーホッパ86に連なって設けられトナーホッパ86から現像剤容器52へ補給されるトナー85の補給通路となるトナー補給管87とを含む。トナー補給管87のトナーホッパ86に接続される側と反対側は、現像剤容器52の第1延出部36の上方に該当する位置の天板を貫通して形成されるトナー補給口88に接続される。
トナー補給手段57は、後述するトナー濃度検知手段58による検知結果に応答し、不図示の制御部を介してトナーホッパ86内に設けられるたとえばトナー補給ローラを回転駆動させて、トナーホッパ86から現像剤容器52の第1延出部36へとトナーを補給する。第1延出部36に補給されたトナーは、延出領域部14内で形成される現像剤2の循環流れによって、現像剤容器52内の既存の現像剤および現像剤回収手段55で回収され現像剤分岐領域74に供給されて第1延出部36に送給されてくる現像剤と、迅速に混合撹拌されるので、速やかに現像剤中に均一に分散され、充分に混合撹拌されて適切に帯電された状態で現像に用いられる。このことによって、画像濃度ムラ、かぶりなどの発生を防止するとともに、トナー飛散を防止することができる。
トナー濃度検知手段58は、トナーが非磁性で、キャリアが磁性を有することを利用して、たとえば現像剤の透磁率を検知することによって現像剤中のトナー濃度を測定するトナー濃度センサである。現像装置50においては、トナー濃度センサ58は、第1撹拌搬送部34の現像剤分岐領域74下方にあたる位置の現像剤容器52の底板に、第1撹拌搬送部材53を臨むようにして設けられる。
現像剤分岐領域74下方にトナー濃度センサ58を設けることによって、現像に使用後回収された直後の現像剤のトナー濃度を検知することができるので、該検知結果をもとにして現に形成されている画像の印字率に応じたトナー補給制御をすることができ、常に安定した画像を現像することが可能となる。
以下、現像装置50による現像動作について簡単に説明する。まず、現像剤容器52には、2成分現像剤2が、第1および第2撹拌搬送部材53,54のスクリュー部材83,84の径が70%程度隠れるように、たとえば450g充填される。
現像剤容器52内の現像剤2は、現像領域部13の第1撹拌搬送部材53によって現像ローラ51へ供給される。現像ローラ51は、その磁石部材61の磁力によってトナーを担持するキャリアを保持し、スリーブ11の回転によって現像剤を矢符64方向に搬送する。この搬送の過程において、ドクターブレード7によって現像ローラ51上の現像剤の量が規制される。さらにスリーブ11で搬送される現像剤がトナー供給領域63に達するとき、たとえば現像バイアスが印加されて現像剤中のトナーが感光体8の表面の静電潜像へ移行し、現像が実行される。
現像に使用された後の使用済み現像剤は、そのままスリーブ11で矢符64方向に搬送され、低磁界域67に達すると、その低磁界のために現像ローラ51から離脱し、現像剤回収室59へ落下する。現像剤回収室59に落下した現像剤は、現像剤回収手段55によって回収され、矢符73方向に搬送されて、第1撹拌搬送部34の現像剤分岐領域74へと供給される。このとき、現像剤回収手段55と第1撹拌搬送部34とは、第3仕切板56で仕切られているので、回収された現像剤が第1撹拌搬送部34によって現像ローラ51へ供給されることが防止される。
現像剤分岐領域74へ供給された現像剤の一部は、連通部38を通って第2撹拌搬送部35に送給されるので、第2撹拌搬送部35で既存の現像剤と充分に撹拌された後、第1撹拌搬送部34から現像ローラ51に供給される。
一方、現像剤分岐領域74から第1延出部36へ送給される残部の使用済み現像剤は、延出領域部14内で既存の現像剤と撹拌混合されるとともに、トナー濃度センサ58の検知結果に応じてトナー補給手段57から第1延出部36に補給されるトナーとも撹拌混合され、その後現像剤せき止め板31と現像剤容器52の側壁とで形成される開口部を通って第2撹拌搬送部35に送給され、さらに第2撹拌搬送部35で撹拌搬送され、第1撹拌搬送部34から現像ローラ51に供給される。
図4は、本発明の実施の第2形態である現像装置90の構成を簡略化して示す側面から見た断面図である。本実施形態の現像装置90は、実施の第1形態の現像装置50に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
現像装置90においては、現像剤量規制部材であるドクターブレード7が、現像ローラ51の下方に配置され、現像剤回収室59および現像剤回収室59に収容される現像剤回収手段55が、現像領域部の第1撹拌搬送部34の上方に形成され、トナー補給手段57が延出領域部の第2延出部に接続されて、トナー85を第2延出部に補給することを特徴とする。
現像剤回収手段55が、第1撹拌搬送部34の上方に配置されるので、第3仕切板56は、裏L字状に形成される板状部材によって構成される。裏L字状の第3仕切板56で現像剤回収手段55を覆い、第1撹拌搬送部34との間を仕切ることによって、現像ローラ51の低磁界域67で離脱する使用済み現像剤を第1撹拌搬送部34へこぼすことなく、確実に現像剤回収室59内へ回収し、現像剤分岐領域74へと送給する。
トナー補給手段57によってトナー85が第2延出部37へ補給されるけれども、第1延出部36へ送給される使用済み現像剤は、そのまま第2延出部37へ搬送され、第2延出部37において補給トナーと混合撹拌されるので、第1延出部36へトナーが補給される場合と同等の撹拌混合効果を得ることができる。
したがって、各部の配置がこのように構成される現像装置90も、実施の第1形態の現像装置50と同様の効果を奏することができる。
図5は、本発明のもう一つの実施形態である画像形成装置100の構成を簡略化して示す系統図である。画像形成装置100は、たとえばパーソナルコンピュータ、デジタルカメラなどの外部機器から伝達される画像情報、または画像読取装置によって読取られて伝達される画像情報などに応じて、記録紙などの記録媒体上に単色の画像として記録出力するものであり、本発明の現像装置50を備えることを特徴とする。
画像形成装置100は、大略、画像形成部101と、記録媒体である記録紙を供給する記録紙供給部102と、画像定着部103と、不図示の制御部とを含んで構成される。
画像形成部101は、感光体8と、感光体8の外周に沿い感光体8の回転方向9の上流側から下流側に向って順次配置される帯電手段106、露光手段107、現像装置50、転写手段108、クリーニングユニット109を含む。
感光体8は、円筒状または円柱状の導電性支持体と、導電性支持体の表面に形成される感光層とを含むローラ部材であり、画像情報に応じた光で露光されることによって、その表面に静電潜像が形成される。感光体8は、画像形成装置100の装置本体に回転自在に設けられ、不図示の駆動手段によって矢符9方向にたとえば周速度300mm/sで回転される。
帯電手段106は、帯電ローラ、帯電チャージャなどの接触式または非接触式の帯電器によって構成され、感光体8の表面を一様な電位、たとえば−600Vに帯電させる。露光手段107である露光ユニットは、たとえば、半導体レーザなどのレーザユニット110と、ポリゴンミラーなどの反射光学系111とを含んで構成され、制御部から伝達される画像情報に応じ、帯電手段106によって帯電された状態にある感光体8の表面に光を照射し、静電潜像を形成する。このとき、レーザ光で露光された露光部の電位は、たとえば−200Vとされる。
現像装置50は、本発明の現像装置であり、現像ローラ51に、たとえばDC成分が−400V、AC成分が1800Vの矩形波である現像バイアスを印加し、現像ローラ51から現像剤中のトナーを感光体8に担持される静電潜像の露光部に反転現像を行い、可視像であるトナー像を形成する。
転写手段108は、たとえば、感光体8の外周面に圧接しかつ回転自在に設けられる転写ローラを有し、転写ローラ側から転写バイアス電圧を印加して記録紙を帯電させるとともに、転写ローラで記録紙を加圧することによって、感光体8の表面に形成されたトナー像を記録紙に転写する。
クリーニングユニット109は、たとえば、弾性材料からなり、感光体8の外周面に当接するように設けられる板状部材であるクリーニングブレード109aを含んで構成され、トナー像を記録紙に転写した後、感光体8の表面に残留するトナー、紙粉などを除去する。
画像定着部103は、加熱ローラ112と、加圧ローラ113と、加熱ローラ112の温度を検知する不図示の温度センサと、温度センサの検知出力に応じて加熱ローラ112を所望の温度になるようにする不図示の制御電源とを含む。画像定着部103では、画像形成部101の転写手段108によってトナー像が転写された記録紙が、加熱ローラ112と加圧ローラ113との圧接部(定着ニップ部)に送給されて加熱加圧を受け、トナー像が記録紙に定着され、画像が形成される。画像定着部103によってトナー像が定着された記録紙は、画像形成装置100外に排出される。
記録紙供給部102は、記録紙Pを収容する給紙カセット114と、給紙ローラ115と、レジストローラ116とを含んで構成される。給紙ローラ115は、給紙カセット114内の記録紙Pを1枚ずつ分離してレジストローラ116へ送給する。レジストローラ116は、露光ユニット107の露光によって感光体8の表面に形成される静電潜像の画像形成領域(特に、最下流側の形成開始位置)に同期して、記録紙Pを転写手段108の転写ニップ部に送給する。
以下、画像形成装置100における画像形成動作について簡単に説明する。まず感光体8の表面を帯電手段106で規定電位に帯電した後、感光体8を露光手段107によって画像情報に応じた光で露光し、感光体8上に静電潜像を形成する。感光体8上に形成された静電潜像は、次いで現像装置50により現像されてトナー像となる。
感光体8上に形成されたトナー像は、記録紙供給部102から画像形成にタイミングを同期させて供給される記録紙Pに、転写手段108によって転写される。その後、トナー像が転写された記録紙Pは、画像定着部103まで搬送され、ここで記録紙P上の未定着トナー像が熱および圧力によって記録紙Pに定着された後、画像形成装置外に排出される。
一方、転写後に感光体8上に残留する転写残トナーは、クリーニングブレード109aを有するクリーニングユニット109によって除去清掃され、感光体8は上記の画像形成動作に繰り返し供される。
画像形成装置100は、本発明の現像装置50を備えるので、現像ローラ51から使用済み現像剤を円滑に離脱させて回収することができ、現像メモリの発生を防止して良質な画像を形成することができる。また、現像装置50を備える画像形成装置100は、回収された使用済み現像剤を、現像剤容器52内の既存の現像剤2と充分に混合撹拌して適切なトナー濃度にした状態で現像に用いることができるので、常に安定した濃度で画像を形成することができる。
以下、本発明の実施例を説明する。
画像形成装置としてプリンタ(AR−450M改造型:シャープ株式会社製)を用い、各種の画像形成を行って、以下の3通りの試験1〜3を実施した。
(試験1)
試験1では、実施例として上記のプリンタに図1に示す現像装置50を搭載し、比較例として図12に示す従来の現像装置30を搭載して画像形成を行い、現像ローラの軸線方向(スラスト方向)における画像濃度ムラ発生の有無を試験した。
表1に示す条件にて連続印字を行い、現像ローラの現像剤供給下流側の端部から50mmの位置をA点とし、現像剤供給上流側の端部から50mmの位置をB点とし、AおよびB点における画像濃度(略称ID)を測定装置:X−Rite938(キヤノンアイテックス株式会社製)によって測定した。現像剤容器に対するトナーの補給は、実施例および比較例ともに延出領域部の第1延出部に対して行った。
画像形成の印字枚数(プリント枚数)を重ねるごとに、AおよびB点のIDを測定し、濃度ムラの有無について評価した。図6は実施例のID測定結果を示す図であり、図7は比較例のID測定結果を示す図である。
図6に示す実施例では、プリント枚数を重ねてもA点およびB点における濃度低下を生じておらず、またA点とB点との濃度差もほとんど認められず、スラスト方向の濃度ムラがない。
一方図7に示す比較例では、現像剤搬送方向の下流側であるA点にて濃度低下が著しいことが判る。これは使用済み現像剤が現像ローラから離脱し、第1撹拌搬送部材にて攪拌搬送されるが、撹拌効果が充分ではないので、トナー濃度の低下した現像剤が現像ローラに再供給されることによる。比較例では、B点における濃度低下に比べてA点における濃度低下が著しいので、プリント枚数を重ねると、A点とB点との濃度差が拡大し、スラスト方向に顕著な濃度ムラが発生した。
(試験2)
試験2では、上記のプリンタに図1に示す現像装置50を搭載し、現像ローラと第3仕切板との間隔δ、およびN1磁極で保持される現像剤の穂と第3仕切板との成す角度βを、変動させて画像形成を行った。なお、N1磁極で保持される現像剤の穂とN2磁極で保持される現像剤の穂との成す角度αは、50度一定とした。間隔δおよび角度βの変動値を表2に示す。
評価は、現像ローラによる現像剤の搬送量、A4サイズの記録紙に形成したベタ画像の濃度均一性および現像メモリの発生状況について行った。現像剤搬送量は、30g/m2程度であれば、良好と評価した。ベタ画像の濃度均一性および現像メモリの発生状況は、形成された画像を目視観察し、良好:◎、やや良好:○、やや不良:△、不良:×の4段階にて評価した。
特性の総合評価は、次のようにして行った。現像剤搬送量、ベタ画像の濃度均一性および現像メモリ発生状況の評価指標すべての項目において、やや良好以上の評価が得られた場合に総合評価を良好(○)とし、上記3つの評価指標のうち、いずれか1つでもやや不良以下の評価が含まれる場合に総合評価を不良(×)とした。
なお、現像剤搬送量は、現像ローラの表面上の一定面積(たとえばマスク等によって決めることができる)に形成された現像剤の穂を、現像磁極よりも磁力が強い磁石部材で強制的に剥離してその重量を測定し、測定重量を上記一定面積で除することによって求めることができる。
評価結果を合わせて表3に示す。表3の結果から、間隔δを3mm以下とし、角度βを0度超え、50度未満すなわち角度α未満とすることによって、現像剤搬送量、ベタ画像均一性および現像メモリ発生状況のすべてを、やや良好以上すなわち総合評価を良好とすることができた。
これは、間隔δを適正範囲に設定するとともに、磁石部材の磁極の配置を好適なものとすることによって、現像ローラから使用済み現像剤が離脱することを確実かつ容易にすることができ、また現像に使用する新たな現像剤の充分な量を搬送して現像に供給することができるので、良好な品質の画像を安定的に形成することが可能となるものである。また現像に使用された使用済み現像剤が現像ローラから確実かつ容易に離脱することによって、現像メモリの発生が防止されることが判る。
(試験3)
試験3では、実施例として上記のプリンタに図1に示す現像装置50を搭載し、比較例として図12に示す従来の現像装置30を搭載して画像形成を行い、トナー濃度センサを設ける位置が、現像剤のトナー濃度(T/Dで表す)と帯電量とに及ぼす影響を試験した。
画像形成は、次のようにして行った。A4サイズの記録紙に100%印字率の画像を3枚連続して形成する動作と、A4サイズの記録紙に5%印字率の画像を3枚連続して形成する動作とを交互に繰返し実施した。この画像形成の際、現像ローラ上の上記A点とB点とにおけるトナー濃度および帯電量の平均値をとり、その推移を求めた。
なお、トナー濃度およびトナーの帯電量は、吸引式の小型帯電量測定装置:Trec210HS−2A(トレックジャパン株式会社製)によって、現像ローラ上の現像剤を吸引して測定した。
図8は実施例のT/Dと帯電量の測定結果を示す図であり、図9は比較例のT/Dと帯電量の測定結果を示す図である。図8では、黒丸印を連ねる折れ線117がトナー濃度(T/D)の測定結果であり、白三角を連ねる折れ線118が帯電量の測定結果である。図9では、黒丸印を連ねる折れ線119がT/Dの測定結果であり、白三角を連ねる折れ線120が帯電量の測定結果である。
図8および図9から判るように、実施例では現像ローラ上のT/Dおよび帯電量が、印字率に関わらずほぼ一定であるのに対して、比較例では現像ローラ上のT/Dおよび帯電量がともに印字率の変動に伴うバラツキが大きい。
この結果から、トナー濃度センサを、現像領域部の現像剤せき止め板よりも現像ローラ寄りの位置であって、第1撹拌搬送部で第1延出部と第2撹拌搬送部とに向けて現像剤を撹拌搬送する位置、すなわち現像剤分岐領域にトナー濃度センサを設けることによって、画像の印字率に応じたトナー補給制御が可能になり、常に安定したトナー濃度の現像剤を現像ローラに供給して安定した画像の形成が可能になることが判る。
本発明の実施の第1形態である現像装置50の構成を簡略化して示す側面から見た断面図である。
図1に示す現像装置50の構成を簡略化して示す上面図である。
現像ローラ51付近を拡大して示す図である。
本発明の実施の第2形態である現像装置90の構成を簡略化して示す側面から見た断面図である。
本発明のもう一つの実施形態である画像形成装置100の構成を簡略化して示す系統図である。
実施例のID測定結果を示す図である。
比較例のID測定結果を示す図である。
実施例のT/Dと帯電量の測定結果を示す図である。
比較例のT/Dと帯電量の測定結果を示す図である。
トナーとキャリアとを含む現像剤を用いる二成分現像方式の従来の現像装置1の構成を簡略化して示す側面から見た断面図である。
図10に示す従来の現像装置1の構成を簡略化して示す上面図である。
現像剤容器に現像剤せき止め板が設けられる現像装置30の構成を簡略化して示す上面図である。
現像剤せき止め板31が装着される状態を現像剤容器3内における現像剤2の搬送方向から見た図である。
符号の説明
2 現像剤
7 現像剤量規制部材
8 感光体
13 現像領域部
14 延出領域部
32 第1仕切板
33 第2仕切板
50,90 現像装置
51 現像ローラ
52 現像剤容器
53,54 撹拌搬送部材
55 現像剤回収手段
56 第3仕切板
57 トナー補給手段
58 トナー濃度センサ
74 現像剤分岐領域
100 画像形成装置