JP4376032B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
この種の現像装置は、現像剤が収容されている現像剤貯留部を備えている。現像剤貯留部内には、現像剤を攪拌しながら現像剤担持体に供給するよう搬送する現像剤攪拌搬送部材としてのスクリュウが広く用いられている。なかでも、現像剤担持体近傍に配置される第一搬送スクリュウと、現像剤担持体より離間したトナー補給口近傍に配置される第二搬送スクリュウとを備え、2本のスクリュウにより現像剤を攪拌しながら循環搬送して現像剤担持体に供給するダブルスクリュウ方式(例えば、特許文献1、特許文献2)は、撹拌性に優れている。
ダブルスクリュ方式においては、現像剤貯留部内に設けられた第二搬送スクリュウにおいて循環された現像剤に、必要に応じてトナー補給手段によりトナーが補給され、第一搬送スクリュウに向かって攪拌搬送される。そして、第一搬送スクリュウから現像剤担持体に、現像剤が担持され、像担持体と対向する領域に搬送されて現像に供される。その後、現像に用いられなかった未消費トナーとキャリアが現像剤担持体上から再び、第一搬送スクリュウに戻され、さらに、消費量に応じてトナーが第二搬送スクリュウに補給されて分散攪拌されることになる。このようなサイクルを繰り返すことにより、現像剤が感光体に供給される。
しかし、現像剤担持体上のトナー濃度は、第一搬送スクリュウの現像剤搬送方向上流側から下流側へ向かう方向に低下する傾向がある。これは、以下の理由による。第一搬送スクリュウの現像剤搬送方向上流側は、第二搬送スクリュウから十分量のトナー濃度の現像剤が循環搬送される。一方、第一搬送スクリュウの現像剤搬送方向下流側へ向かうにつれて、消費されたトナー分の補給が追いつかず十分量のトナー濃度にならない場合が生じ得る。第一搬送スクリュウの現像剤搬送方向下流へ向かうにつれてスクリュウ上のトナー濃度が低下した場合、現像剤担持体に担持されるトナー濃度も現像剤担持体の長手方向に偏差が発生する。その結果、出力される画像上に濃度偏差が生じてしまう。
とりわけ、画像面積が広い画像(A2サイズ以上)を出力する場合や、多数枚連続で出力する場合、大量にトナー消費する画像を形成する場合には、問題となる。
また、第一搬送スクリュウの搬送経路が長い場合(例えば、A2サイズ以上の用紙に画像形成可能な装置の場合)、第一搬送スクリュウ下流側へ向かうにつれて、現像剤の帯電量が上昇する傾向がある。これは、第一搬送スクリュウの現像剤搬送方向上流側に比して、下流側では現像剤の攪拌時間が長くなためである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記第一搬送スクリュウの現像剤搬送方向上流から下流へ向かう方向と同一方向に向かうにつれて、上記感光層の表面と上記現像剤担持体の表面との間隙が小さくなるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記第一搬送スクリュウの現像剤搬送方向上流から下流へ向かう方向と同一方向に向かうにつれて、上記感光層の表面と上記現像剤担持体の表面との間隙が小さくなるように、上記像担持体、又は上記現像剤担持体の軸心に偏差を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記第一搬送スクリュウの現像剤搬送方向上流から下流へ向かう方向と同一方向に向かうにつれて、上記感光層の表面と上記現像剤担持体の表面との間隙が小さくなるように、上記像担持体、又は該現像剤担持体の外径に偏差を持たせたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記第一搬送スクリュウの現像剤搬送方向上流から下流へ向かう方向と同一方向に向かうにつれて、上記像担持体上の帯電電位が小さくなるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記第一搬送スクリュウの現像剤搬送方向上流から下流へ向かう方向と同一方向に向かうにつれて、該像担持体上に照射する露光量が強くなるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記第一搬送スクリュウの現像剤搬送方向上流から下流へ向かう方向と同一方向に向かうにつれて、上記像担持体上と上記現像剤担持体とが対向する現像領域に搬送される現像剤量が多くなるように構成したことを特徴とするものである。
図1は複写機の構成を示す概略構成図である。同図において、像担持体たるドラム上の感光体1の周囲には、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6、除電装置7などから構成された可視像形成手段が配設されている。
一方、転写材たる転写紙51は、図示しない給紙装置により所定のタイミングで給紙され、一対の転写材ガイド部材53により感光体1と密着するように搬送される。そして、現像によって感光体1上に形成されたトナー像が、転写装置5によって転写紙51上に転写される。トナー像が転写された転写紙51は、図示しない分離チャージャにより分離され、図示しない定着装置に送られる。そして、熱と圧力によってトナーが融着され、コピー紙として機外に排出される。一方、転写後の感光体1上に残った転写残トナーは、クリーニング装置6によって掻き落とされる。そして、クリーニング後の感光体1は、除電装置7により残留電荷除去され、帯電装置2による次の帯電に備えられる。
これは、第一搬送スクリュウ12の現像剤搬送方向上流側においては、トナー濃度が十分に高いが、下流側へ向かうにつれて、現像に供されたトナー分の補填が追いつかず、第一搬送スクリュウの現像剤中のトナー濃度が低下するためである。
現像ローラ下流部に向かうにつれてトナー濃度が低下する結果、感光体に供給されるトナー量に偏差が現れ、画像濃度差が発生することになる。このような現象は、特にA2サイズ以上の大きな画像や、連続出力する場合、画像比の高い画像を出力する場合に問題となる。
一方、感光体下流部では、転写方向が転写方向後端部へ向かうにつれて、徐々にトナー付着量が減少していくことがわかる。これは、特にベタ画像を出力した場合や、A2サイズ以上の大きな画像を形成した場合などにおいて、消費されたトナー分のトナー補給が間に合わず、トナー濃度が低い現像剤が感光体に供給されたためである。
次に、転写方向先端部における感光体上流部と感光体下流部のトナー付着量を比較する。同図に示すように、感光体上流部と感光体下流部とではトナー付着量がほぼ同程度であることがわかる。これは、動作初期では、第一搬送スクリュウの現像剤搬送方向に対して、トナー濃度が均一となっているためである。
以上のようなトナー付着量の結果が、画像形成にどのような影響を及ぼすかについて以下に述べる。
ここで、表1に示すように用紙の転写方向先端部に印字される感光体上流部の感光体上のトナー付着量をa1、同先端部における感光体下流部のトナー付着量をa2とする。また、転写方向後端部に印字される感光体上流部のトナー付着量をb1、同後端部における感光体下流部のトナー付着量をb2とする。
第一の方法としては、現像装置4内のトナー濃度を上昇させることが挙げられる。すなわち、転写方向後端側の感光体下流部においてトナー付着量が減少した場合においても画像濃度偏差が現れないよう、図9中、Lのラインを超えるトナー付着量が得られるように現像装置4内全体のトナー濃度を上昇させる方法である。
図9を用いて具体的に説明する。前述した4つの各領域のトナー付着量a1、a2、b1、b2よりもそれぞれの領域でトナー付着量が多くなるように現像装置内のトナー濃度を上昇させる。転写方向先端部に印字される感光体上流部のトナー付着量a3、同先端部の感光体下流部のトナー付着量をa4とする。また、転写方向後端部に印字される感光体上流部のトナー付着量をb3、同後端部の感光体下流部のトナー付着量をb4とする。
これら4つの領域のトナー付着量a3、a4、b3、b4は、図9に示すように、トナー濃度を上昇させた結果、前述の4つの領域のトナー付着量a1、a2、a3、a4に比して図中右側にシフトすることになる。
先の例と同様に、転写方向後端部の感光体下流部のトナー付着量b4は、転写方向先端部の感光体上流部のトナー付着量a3等より図中Yで示される幅をもって、トナー付着量が少ない。しかし、現像装置内のトナー濃度を上昇させたために、転写方向後端部の感光体下流部のトナー付着量b4は、画像濃度差に影響を及ぼすトナー付着量がLラインよりも図中右側になる。その結果、転写紙上に画像濃度差が現れない。
しかしながら、この方法では、現像幅全体のトナー付着量を増加させる必要があり、感光体上流部においては必要以上のトナーを消費することになってしまう。
図10を用いて具体的に説明する。転写方向先端部に印字される感光体上流部のトナー付着量a5、同先端部の感光体下流部のトナー付着量をa6とする。また、転写方向後端部に印字される感光体上流部のトナー付着量をb5、同後端部の感光体下流部のトナー付着量をb6とする。
先の例と同様に、感光体上流部において、転写方向先端部のトナー付着量a5と転写方向後端部b5のトナー付着量とはほぼ同じである。
また、転写方向後端部の感光体下流部のトナー付着量b6は、転写方向先端部の感光体下流部のトナー付着量a6より図中Zで示される幅をもって、トナー付着量が低い。しかしながら、図中Zで示される幅のトナー付着量の低下を予め考慮に入れて、転写方向先端部の感光体下流側のトナー付着量a6を多く設定しておいたので、転写方向後端部の感光体下流部のトナー付着量b6は、画像濃度差に影響を及ぼすラインであるLラインより図中右側となる。この結果、現像装置内のトナー濃度を過剰に補給せずして、画像濃度偏差の発生を防止することができるのである。
感光体1の感光層表面と現像ローラ11表面の対向ギャップを一定とし、各領域におけるトナー付着量と、画像濃度偏差について評価した。スクリュウは、一般的に用いられる1条スクリュウを用いた。実験は、現像装置4内のトナー濃度、トナー帯電量が均一な動作初期に行った。
〔比較例2〕
本比較例2では、上記比較例1に比して現像装置内のトナー濃度を上昇させて、トナー付着量と画像濃度偏差について評価した。他の条件は、比較例1と同様である。
〔実施例1〕
以下の構成の下、トナー付着量と画像濃度偏差について評価した。図11は、本実施例の構成を示す説明図である。図中に示される矢印は、現像剤搬送方向を示している。本実験例では、感光体と現像ローラは、それぞれ長手方向に外径が均一なものを用いている。同図に示すように複写機本体における現像ローラ11の取付け位置を、感光体上流部から下流部へ向かうにつれて、感光体1の感光層表面と現像ローラ11表面の対向ギャップが狭くなるように配設した。具体的には、感光体1の感光層表面と現像ローラ11表面の対向ギャップの偏差量を0.05[mm]とした。スクリュウは、一般的に用いられる1条スクリュウを用いた。実験は、現像装置4内のトナー濃度、トナー帯電量が均一な動作初期に行った。
以下の構成の下、トナー付着量と画像濃度偏差について評価した。実施例2の基本的な構成及び動作は、上記実施例1のものと同様であるが、現像ローラの取付け位置およびドクタブレードの配設位置の構成が上記実施例とは異なっている。すなわち、上記実施例1の現像装置4では、現像ローラ11を複写機本体に対して偏差を持たせて感光体との対向ギャップに偏差を持たせるようにしているが、本実施例2では、現像ローラ11を複写機本体に対して偏差を持たせず感光体との対向ギャップが長手方向に一定となるようにしている。一方、上記実施例1の現像装置4では、ドクタブレードと現像ローラとの対向ギャップを一定としているが、本実施例2では、感光体上流部から下流部へ向かうにつれてこのギャップが大きくなるように構成している。具体的には、現像ローラ上流端部のドクタブレードとの対向ギャップより、感光体下流端部とドクタブレードとの対向ギャップが0.1[mm]大きくなるように構成した。
一方、比較例2、実施例1、実施例2については画像濃度偏差は発生しなかった。比較例2において、画像濃度偏差が生じなかったのは、現像装置内全体のトナー濃度を上昇させ、転写方向後端部における感光体下流部において、画像濃度差が生じるまでにはトナー付着量が減少しなかったためである。しかしながら、このような方法により画像偏差を防止する場合には、トナー供給を現像ローラ全域に渡って多くする必要があるためトナー消費量が増加してしまうという問題がある。
なお、上記特許文献3によれば、感光体上流部から下流部に向けて、保護層の膜厚を厚くする技術が開示されている。この発明によれば、現像ローラ表面と感光体の保護層表面との距離を狭小化することになるが、本件発明と同様の効果は得られない。これは、保護層を厚くするに従い、光感度が悪くなるためである。すなわち、膜厚を厚くした感光体下流部では、露光電位が高くなってしまい、現像ローラと感光体との電位差が小さくなる。その結果、トナー移転能力を向上させることはできず、本件発明の効果が得られないのである。
例えば、以下のような構成により感光体上流部から下流部へ向けて、現像ローラから感光体へのトナー移転能力が向上するように構成することができる。
また、図12に示すように、感光体上流部から下流部へ向かうにつれて、感光層の表面と現像ローラの表面との間隙が小さくなるように、感光体の長手方向の外径に偏差を持たせることができる。勿論、感光体ではなく現像剤担持体の長手方向外径に偏差を持たせてもよい。これらの構成により、上記実施例1と同様の理由により、トナーを過剰に用いることなく、画像濃度偏差の発生を防止することができる。
これらの構成により、トナーを過剰に用いることなく、画像濃度偏差の発生を防止することができる。
4 現像装置
11 現像ローラ
12 第一搬送スクリュウ
13 第二搬送スクリュウ
15 ドクタブレード
17 現像剤貯留部
Claims (7)
- 基体上に感光層を有し、静電潜像を形成する像担持体と、
該像担持体と対向してトナーとキャリアとからなる二成分現像剤を担持する現像剤担持体と、該二成分現像剤を貯留する現像剤貯留部と、該現像剤貯留部内の該現像剤担持体近傍に配置される第一搬送スクリュウと、該現像剤担持体より離間した位置に配置される第二搬送スクリュウとを有し、該第一搬送スクリュウと該第二搬送スクリュウとにより該現像剤貯留部の二成分現像剤を攪拌しながら循環搬送して該現像剤担持体に供給し、該像担持体上の該静電潜像を現像してトナー像として顕像化する手段を備える現像装置とを有した画像形成装置において、
上記像担持体上の上記静電潜像を現像してトナー像として顕像化する手段として反転現像方式を採用し、上記第一搬送スクリュウの現像剤搬送方向上流から下流へ向かう方向と同一方向に向かうにつれて、上記像担持体上で感光層の膜厚を厚くすることにより、露光電位が小さくなっていくようにし、上記像担持体と上記現像剤担持体との電位差に偏差を持たせ、上記現像剤担持体から上記像担持体へのトナー移転能力が向上するように構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記第一搬送スクリュウの現像剤搬送方向上流から下流へ向かう方向と同一方向に向かうにつれて、上記感光層の表面と上記現像剤担持体の表面との間隙が小さくなるように構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2の画像形成装置において、
上記第一搬送スクリュウの現像剤搬送方向上流から下流へ向かう方向と同一方向に向かうにつれて、上記感光層の表面と上記現像剤担持体の表面との間隙が小さくなるように、上記像担持体、又は上記現像剤担持体の軸心に偏差を設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2の画像形成装置において、
上記第一搬送スクリュウの現像剤搬送方向上流から下流へ向かう方向と同一方向に向かうにつれて、上記感光層の表面と上記現像剤担持体の表面との間隙が小さくなるように、上記像担持体、又は該現像剤担持体の外径に偏差を持たせたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記第一搬送スクリュウの現像剤搬送方向上流から下流へ向かう方向と同一方向に向かうにつれて、上記像担持体上の帯電電位が小さくなるように構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記第一搬送スクリュウの現像剤搬送方向上流から下流へ向かう方向と同一方向に向かうにつれて、該像担持体上に照射する露光量が強くなるように構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記第一搬送スクリュウの現像剤搬送方向上流から下流へ向かう方向と同一方向に向かうにつれて、上記像担持体上と上記現像剤担持体とが対向する現像領域に搬送される現像剤量が多くなるように構成したことを特徴とする画像形成装置。
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