JP2007286207A - 2成分現像装置および2成分現像方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 現像ローラに上に均一な磁気ブラシが形成され、充分な現像剤搬送量を満たし、高画質な画像形成のための現像が可能な2成分現像装置および2成分現像方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 2成分現像装置1は、現像ローラ4と層厚規制部材7とを有する。現像ローラ4は、スリーブ17と複数の磁極を形成する磁石部材18とを有し、2成分現像剤2を担持して搬送する。層厚規制部材7は、現像ローラ4に対向し、非磁性ブレード19を現像ローラ4方向に突き出させて設けられ、現像ローラ4が搬送する2成分現像剤2の層厚を規制する。磁石部材18は、感光体12に対してトナーを供給するトナー供給領域にN1磁極を形成させ、N1磁極よりもスリーブ17の回転方向上流側にN2磁極を形成させる。N1磁極の中心線とスリーブ17の回転中心軸とを含む平面と、N2磁極の中心線とスリーブ17の回転中心軸とを含む平面とのなす角αが特定の好ましい関係が規定される。
【選択図】 図1
Description
トナーとキャリアとを含む2成分現像剤を用いて現像する2成分現像装置および2成分現像方法に関する。
複写機、プリンタおよび静電情報記録装置などの電子写真方式を利用した画像形成装置は、良好な画質品位の画像を容易に形成することができることから、広く利用されている。電子写真方式を利用した画像形成装置は、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程および定着工程などによって画像が形成される。帯電工程では、光導電性物質を含む感光体表面を一様に帯電する。露光工程では、帯電した感光体に原稿像を投射することにより、感光体表面に静電潜像を形成する。現像工程では、感光体表面に形成された静電潜像に現像剤を付着させることにより、現像剤に含まれるトナーからなるトナー像を形成する。転写工程では、感光体表面に形成されたトナー像に紙およびシートなどの記録媒体を接触させ、トナー像と接触している記録媒体の面とは反対側からコロナ放電などを行い、トナーとは逆の極性の電荷を記録媒体に与えることにより、トナー像を記録媒体に転写する。定着工程では、加熱および加圧などの手段により記録媒体に転写された可視像を定着する。クリーニング工程では、記録媒体に転写されずに感光体の表面に残ったトナーを回収する。以上の工程を繰り返すことによって、電子写真方式を利用した画像形成装置は、記録媒体上に所望の画像を形成する。
このような電子写真方式を利用した画像形成装置は、感光体上にトナー像を形成するために、たとえば、2成分現像装置が用いられる。2成分現像装置は、感光体表面に静電潜像を形成し、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤を現像ローラによって、現像ローラと感光体とが対向する現像領域に搬送し、現像領域において現像ローラから感光体表面の静電潜像に現像剤中のトナーを供給して現像が行われる。
現像領域における現像ローラから感光体へのトナーの移行は、次のように行われる。現像ローラ上に形成される現像剤の磁気ブラシを、感光体表面に接触させ、磁気ブラシ中のトナーを現像ローラから感光体へ移行させる。したがって、2成分現像装置は、良好な画質品位の画像を形成させるためには、現像剤層を均一な厚みにして、現像ローラ上に形成される磁気ブラシの高さおよび密度などを均一にする必要がある。
また、このような磁気ブラシを形成して行われる現像方式では、現像ローラとして、円筒状の非磁性スリーブ内に複数の磁石を固定配置した現像ローラ、いわゆるマグネットローラが使用される。このような現像ローラ上に現像剤の磁気ブラシを形成し、磁気ブラシの状態で感光体に接触させて現像を行う場合、感光体上に供給されたトナーが、現像ローラとともに移動する磁気ブラシによって掻き取られることがあり、感光体上に形成されるトナー像が乱れることがあった。このような場合、たとえば、現像剤のキャリアとして、磁力の低い低磁力キャリアを用い、感光体に接触する磁気ブラシを柔らかくすることによって、磁気ブラシの接触によるトナー像の乱れを抑制している。
均一な厚さの現像剤層を形成させる典型的な従来の技術は、特許文献1に記載されている。特許文献1の現像装置は、先端厚さ部分を現像ローラに近接させた非磁性ブレードと、非磁性ブレードを先端から現像ローラ方向に突出させて支持固定する磁性固定部材とを有する層厚規制部材を用い、磁性固定部材の非磁性ブレードを突出させた先端と非磁性ブレードの現像ローラ方向の最先端との距離が0.1mm〜1.0mmである。
特許文献1によると、この現像装置は、上記のような構成にすることによって、現像ローラ上に形成された磁気ブラシを層厚規制部材で穂切りして、高さおよび密度などが均一な磁気ブラシを現像ローラ上に形成することができる。そうすることによって、現像ローラ上に均一な厚さの現像剤層を形成させることができる。
しかしながら、現像ローラに形成される磁極の位置によっては、磁気ブラシの穂立ちが充分ではない場合がある。このような場合、層厚規制部材で磁気ブラシを穂切りしても、均一な磁気ブラシが形成されず、現像ローラ上に均一な厚さの現像剤層を形成させることができない。したがって、充分な現像剤搬送量を満たすことができないので、高画質な画像を形成させることができない。
本発明の目的は、現像ローラに上に均一な磁気ブラシが形成され、充分な現像剤搬送量を満たし、高画質な画像形成のための現像が可能な2成分現像装置および2成分現像方法を提供することである。
本発明は、静電潜像が形成される感光体を臨んで回転自在に設けられるスリーブとスリーブ内部に固定配置されて複数の磁極を形成する磁石部材とを有し、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤を担持して搬送する現像ローラと、
前記現像ローラに対向するように設けられ、前記現像ローラが搬送する2成分現像剤の層厚を規制する層厚規制部材とを有する2成分現像装置であって、
前記層厚規制部材は、先端部を前記現像ローラに近接させた非磁性ブレードと、前記非磁性ブレードを前記現像ローラ方向に突き出させて支持固定する磁性ブレードとを有し、
前記磁石部材は、前記感光体に対してトナーを供給するトナー供給領域に、磁極を形成する第1磁極形成手段と、前記第1磁極形成手段によって形成される磁極よりも前記スリーブの回転方向上流側に配置され、前記第1磁極形成手段によって形成される磁極と同極の磁極を形成する第2磁極形成手段とを有し、
前記第1磁極形成手段によって形成される磁極の中心線と前記スリーブの回転中心軸とを含む平面と、前記第2磁極形成手段によって形成される磁極の中心線と前記スリーブの回転中心軸とを含む平面とのなす角が90度以上95度以下であることを特徴とする2成分現像装置である。
前記現像ローラに対向するように設けられ、前記現像ローラが搬送する2成分現像剤の層厚を規制する層厚規制部材とを有する2成分現像装置であって、
前記層厚規制部材は、先端部を前記現像ローラに近接させた非磁性ブレードと、前記非磁性ブレードを前記現像ローラ方向に突き出させて支持固定する磁性ブレードとを有し、
前記磁石部材は、前記感光体に対してトナーを供給するトナー供給領域に、磁極を形成する第1磁極形成手段と、前記第1磁極形成手段によって形成される磁極よりも前記スリーブの回転方向上流側に配置され、前記第1磁極形成手段によって形成される磁極と同極の磁極を形成する第2磁極形成手段とを有し、
前記第1磁極形成手段によって形成される磁極の中心線と前記スリーブの回転中心軸とを含む平面と、前記第2磁極形成手段によって形成される磁極の中心線と前記スリーブの回転中心軸とを含む平面とのなす角が90度以上95度以下であることを特徴とする2成分現像装置である。
また本発明は、前記現像ローラと前記非磁性ブレードの先端部との距離をA[mm]とし、
前記現像ローラと前記磁性ブレードの先端部との距離をB[mm]とするとき、
距離Aおよび距離Bの間で以下の式の関係を満たすことを特徴とする。
0.15≦B−A≦0.45
前記現像ローラと前記磁性ブレードの先端部との距離をB[mm]とするとき、
距離Aおよび距離Bの間で以下の式の関係を満たすことを特徴とする。
0.15≦B−A≦0.45
また本発明は、前記磁石部材は、前記第2磁極形成手段によって形成される磁極よりも前記スリーブの回転方向上流側で前記第2磁極形成手段に隣合って配置され、前記第2磁極形成手段によって形成される磁極と異極の磁極を形成する第3磁極形成手段を有することを特徴とする。
また本発明は、前記第3磁極形成手段によって形成される磁極は、前記第2磁極形成手段によって形成される磁極よりも弱いことを特徴とする。
また本発明は、前記現像ローラ上に形成される前記2成分現像剤の磁気ブラシの穂の密度が20%以上60%以下であることを特徴とする。
また本発明は、前記現像ローラ上に形成される前記2成分現像剤の磁気ブラシの穂の高さが0.4mm以上1.0mm以下であることを特徴とする。
また本発明は、現像ローラの周面において、先端部を前記現像ローラに近接させた非磁性ブレードと、前記非磁性ブレードを先端から前記現像ローラ方向に突き出させて支持固定する磁性ブレードとを有する層厚規制部材によって層厚が規制された2成分現像剤を、前記現像ローラによって感光体表面に供給することによって静電潜像からトナー像に現像する2成分現像方法であって、
前記現像ローラは、静電潜像が形成される感光体を臨んで回転自在に設けられるスリーブとスリーブ内部に固定配置されて複数の磁極を形成する磁石部材とを有し、
前記磁石部材は、前記感光体に対してトナーを供給するトナー供給領域に、磁極を形成する第1磁極形成手段と、前記第1磁極形成手段によって形成される磁極よりも前記現像ローラの回転方向上流側に配置され、前記第1磁極形成手段によって形成される磁極と同極の磁極を形成する第2磁極形成手段とを有し、
前記第1磁極形成手段によって形成される磁極の中心線と前記スリーブの回転中心軸とを含む平面と、前記第2磁極形成手段によって形成される磁極の中心線と前記スリーブの回転中心軸とを含む平面とのなす角が90度以上95度以下であることを特徴とする2成分現像方法である。
前記現像ローラは、静電潜像が形成される感光体を臨んで回転自在に設けられるスリーブとスリーブ内部に固定配置されて複数の磁極を形成する磁石部材とを有し、
前記磁石部材は、前記感光体に対してトナーを供給するトナー供給領域に、磁極を形成する第1磁極形成手段と、前記第1磁極形成手段によって形成される磁極よりも前記現像ローラの回転方向上流側に配置され、前記第1磁極形成手段によって形成される磁極と同極の磁極を形成する第2磁極形成手段とを有し、
前記第1磁極形成手段によって形成される磁極の中心線と前記スリーブの回転中心軸とを含む平面と、前記第2磁極形成手段によって形成される磁極の中心線と前記スリーブの回転中心軸とを含む平面とのなす角が90度以上95度以下であることを特徴とする2成分現像方法である。
本発明によれば、2成分現像装置は、静電潜像が形成される感光体を臨んで回転自在に設けられるスリーブとスリーブ内部に固定配置されて複数の磁極を形成する磁石部材とを有し、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤を担持して搬送する現像ローラを有する。さらに、2成分現像装置は、現像ローラに対向するように設けられ、現像ローラが搬送する2成分現像剤の層厚を規制する層厚規制部材を有する。
層厚規制部材は、先端部を現像ローラに近接させた非磁性ブレードと、非磁性ブレードを現像ローラ方向に突き出させて支持固定する磁性ブレードとを有する。
磁石部材は、感光体に対してトナーを供給するトナー供給領域に、磁極を形成する第1磁極形成手段と、第1磁極形成手段によって形成される磁極よりもスリーブの回転方向上流側に配置され、第1磁極形成手段によって形成される磁極と同極の磁極を形成する第2磁極形成手段とを有し、第1磁極形成手段によって形成される磁極の中心線とスリーブの回転中心軸とを含む平面と、第2磁極形成手段によって形成される磁極の中心線とスリーブの回転中心軸とを含む平面とのなす角が特定の好ましい角度である。
このことによって、層厚規制部材によって磁気ブラシを穂切りする領域からトナー供給領域までの現像ローラ上に形成された磁気ブラシの穂立ちが充分である。このような充分に穂立ちした磁気ブラシを、層厚規制部材で穂切りすることによって、高さが均一な磁気ブラシを現像ローラ上に形成することができる。そうすることによって、現像ローラ上に均一な厚さの現像剤層を形成させることができ、充分な現像剤搬送量を満たすことができる。さらに、非磁性ブレードを現像ローラ方向に突き出させた層厚規制部材で、磁気ブラシを穂切りするので、密度が均一な磁気ブラシを現像ローラ上に形成することができる。したがって、高画質な画像形成のための現像を確保することが可能になる。
また本発明によれば、現像ローラと非磁性ブレードの先端部との距離と、現像ローラと磁性ブレードの先端部との距離との間に特定の好ましい関係が規定される。このような層厚規制部材によって穂切りすることによって、より適切な高さおよび密度の磁気ブラシを形成することができ、充分な現像剤搬送量を満たすことができる。したがって、より高画質な画像形成のための現像を確保することが可能になる。
また本発明によれば、磁石部材は、第2磁極形成手段によって形成される磁極よりもスリーブの回転方向上流側で第2磁極形成手段に隣合って配置され、第2磁極形成手段によって形成される磁極と異極の磁極を形成する第3磁極形成手段を有する。
このことによって、層厚規制部材によって磁気ブラシを穂切りする領域に搬送される現像剤量が増えるので、より適切な高さおよび密度の磁気ブラシを形成することができる。
また本発明によれば、第3磁極形成手段によって形成される磁極は、第2磁極形成手段によって形成される磁極よりも弱いので、スリーブの駆動トルクを減少することができるので、磁気ブラシによる感光体表面のトナーの掻取りを防止することができる。
また本発明によれば、現像ローラ上に形成される2成分現像剤の磁気ブラシの穂の密度が20%以上60%以下である。このような磁気ブラシは、柔らかい磁気ブラシであり、かつ弾力性がある磁気ブラシである。したがって、磁気ブラシによる感光体表面のトナーの掻取りが防止されるので、より高画質な画像形成のための現像を確保することが可能になる。さらに、磁気ブラシによる感光体表面のトナーの掻取りを防止することができるので、感光体と現像ローラとの周速比を大きくすることができ、高効率な現像が可能となる。
また本発明によれば、現像ローラ上に形成される2成分現像剤の磁気ブラシの穂の高さが0.4mm以上1.0mm以下であるので、充分な現像剤搬送量が実現され、より高画質な画像形成のための現像が可能である。
また本発明は、現像ローラの周面において、先端部を前記現像ローラに近接させた非磁性ブレードと、非磁性ブレードを先端から現像ローラ方向に突き出させて支持固定する磁性ブレードとを有する層厚規制部材によって層厚が規制された2成分現像剤を、現像ローラによって感光体表面に供給することによって静電潜像からトナー像に現像する2成分現像方法である。
現像ローラは、静電潜像が形成される感光体を臨んで回転自在に設けられるスリーブとスリーブ内部に固定配置されて複数の磁極を形成する磁石部材とを有する。また、磁石部材は、感光体に対してトナーを供給するトナー供給領域に、磁極を形成する第1磁極形成手段と、第1磁極形成手段によって形成される磁極よりも現像ローラの回転方向上流側に配置され、第1磁極形成手段によって形成される磁極と同極の磁極を形成する第2磁極形成手段とを有する。第1磁極形成手段によって形成される磁極の中心線と前記スリーブの回転中心軸とを含む平面と、第2磁極形成手段によって形成される磁極の中心線とスリーブの回転中心軸とを含む平面とのなす角が特定の好ましい角度である。
このことによって、層厚規制部材によって磁気ブラシを穂切りする領域からトナー供給領域までの現像ローラ上に形成された磁気ブラシの穂立ちが充分である。このような充分に穂立ちした磁気ブラシを、層厚規制部材で穂切りすることによって、高さが均一な磁気ブラシを現像ローラ上に形成することができる。そうすることによって、現像ローラ上に均一な厚さの現像剤層を形成させることができ、充分な現像剤搬送量を満たすことができる。さらに、非磁性ブレードを現像ローラ方向に突き出させた層厚規制部材で、磁気ブラシを穂切りするので、密度が均一な磁気ブラシを現像ローラ上に形成することができる。したがって、高画質な画像形成のための現像を確保することが可能になる。
図1は、本発明の実施形態である2成分現像装置1の構成を簡略化して示す図である。2成分現像装置1は、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤2を収容する現像剤収容室3と、現像剤収容室3に回転自在に設けられて現像剤収容室3に収容される2成分現像剤2を担持して搬送する現像ローラ4と、現像剤収容室3に収容される2成分現像剤2を撹拌し、現像ローラ4に供給する第1および第2撹拌搬送ローラ5,6と、現像ローラ4が搬送する2成分現像剤2の量を規制し、2成分現像剤2層の層厚を規制する層厚規制部材7と、現像ローラ4に現像バイアスを印加するバイアス印加手段8と、現像剤収容室3に収容される2成分現像剤2中のトナー濃度を検出するトナーセンサ9と、現像剤収容室3へトナーを補給するトナー補給手段10とを含む。
この現像装置1は、現像ローラ4の外周に形成される2成分現像剤2の磁気ブラシを、画像形成装置に設けられて静電潜像が担持される感光体12に接触させることによって形成される現像領域を通じて、静電潜像に2成分現像剤2に含まれるトナーを供給して、静電荷像からトナー像に現像することに用いられる。
画像形成装置に設けられて静電潜像が担持される感光体12は、たとえば円筒状の導電性支持体の外周に有機光導電体などを含む感光層が形成された電子写真感光体である。本実施形態では、外径80mmの感光体が用いられる。
本実施の形態で用いられる2成分現像剤2は、非磁性トナーと磁性キャリアとを含んで構成される。非磁性トナーとしては、樹脂中に着色顔料または染料などの着色剤を分散した粉砕または重合法により生成され、大きさが体積平均粒径で4μm以上10μm以下のものが挙げられる。磁性キャリアとしては、鉄粉末、フェライト粉末、ニッケル粉末またはそれらの表面を有機重合体で被覆したものであって、大きさが体積平均粒径で30μm以上100μm以下のものが挙げられる。トナーおよびキャリアの大きさが、それぞれ上記の下限未満になると、流動性が悪くなり撹拌性が低下する。またトナーおよびキャリアの大きさが、それぞれ上記の上限を超えると、高精細な画像が得られなくなる。
現像剤収容室3は、たとえば硬質の樹脂などからなり、一方向に細長く延びる容器状部材であり、感光体12の回転軸線方向に対して平行に細長く延びて配置される。現像剤収容室3には、感光体12を臨む位置に感光体12の回転軸線方向に延びて開口部13が形成される。現像ローラ4は、現像剤収容室3に形成される開口部13を介して感光体12を臨み、その回転軸線が感光体12の回転軸線に平行になるようにして、現像剤収容室3に回転自在に設けられる。
現像ローラ4は、非磁性素材からなるスリーブ17と、スリーブ17に内包される磁界を発生させる磁石部材18とを含んで構成される、いわゆるマグネットローラである。
現像ローラ4のスリーブ17は、非磁性素材であれば良く、特に限定されるものではないけれども、アルミニウム、アルミニウム合金、またはJIS−G4305に規定されるステンレス鋼であるSUS304などが好適に用いられる。本実施形態では、スリーブ17として外径25mmのステンレス鋼(SUS304)製の管が用いられる。2成分現像剤2の担持および搬送を良好に行うため、スリーブ17の表面には適度な凹凸が形成されることが好ましく、本実施形態では、表面粗さ:Rz(JIS B 0601:十点平均粗さ)が、たとえば5μm以上10μm以下になるようにブラスト処理している。
現像ローラ4の磁石部材18は、4つのN磁極と、3つのS磁極とが、周方向に略交互に形成されるように配置される。
図2は、磁石部材18によって形成されるスリーブ17の回転軸線に垂直な断面における法線方向の磁束密度分布の一例を示す図である。図2は、磁束密度の絶対値として表示する。磁石部材18は、現像ローラ4から感光体12に対してトナーを供給するトナー供給領域、感光体12表面の静電潜像からトナー像に現像する領域に、現像磁極(主極)であるN1磁極を形成する第1磁極形成手段を有し、さらに、磁石部材18は、N1磁極よりもスリーブ17の回転方向16上流側に向かって、S1磁極、N2磁極、S2磁極、N3磁極、N4磁極、S3磁極が順に形成する磁極形成手段をそれぞれ有する。たとえば、磁石部材18は、N1磁極よりもスリーブ17の回転方向上流側に配置され、N1磁極と同極のN2磁極を形成する第2磁極形成手段を有し、N2磁極よりもスリーブ17の回転方向上流側で第2磁極形成手段に隣合って配置され、N2磁極と異極のS2磁極を形成する第3磁極形成手段などを有する。N2磁極は、磁石部材18によって形成される磁極のうち、層厚規制部材7に最も近い位置に形成される。
このような磁束密度分布は、たとえば以下のようにして求めることができる。図3は、磁束密度分布測定の概要を示す図である。現像ローラ4の長手方向の一端部を回転自在なチャック33に装着し、現像ローラ4の長手方向の他端部をセンター支持部材34で支持する。磁束密度測定器、たとえばSI−2002H(中部電気株式会社製)の測定プローブ35を、現像ローラ4の外周面近くに配置し、チャック33を回転させることによって現像ローラ4を矢符36方向に1回転させ、磁束密度を測定し磁束密度分布を得る。測定プローブ35は、現像ローラ4の回転軸線方向に移動可能であり、磁束密度分布の測定は、現像ローラ4の回転軸線方向のほぼ中央部にて実施した。
現像ローラ4は、磁石部材18の磁力によってトナーを担持したキャリアを保持し搬送することができる。現像ローラ4には、層厚規制部材7が所定間隙を有して対向配置されるので、スリーブ17の矢符16方向の回転に伴って、2成分現像剤2の薄層が形成される。現像ローラ4に形成された2成分現像剤2の薄層が、スリーブ17の回転に伴って感光体12表面の静電潜像を現像する領域まで搬送されると、2成分現像剤2中のトナーが感光体12上の静電潜像へ移行してトナー像を形成する。
現像ローラ4の磁石部材18は、N1磁極の中心線30とスリーブ17の回転中心軸31とを含む平面と、N2磁極の中心線32とスリーブ17の回転中心軸31とを含む平面とのなす角αが、90度以上95度以下である。磁極の中心線とは、スリーブ17の回転中心軸31とそれぞれの磁極のピーク値を示す位置とを結ぶ線分である。
このことによって、層厚規制部材7によって磁気ブラシを穂切りする領域からトナー供給領域までの現像ローラ上に形成された磁気ブラシの穂立ちが充分である。このような充分に穂立ちした磁気ブラシを、非磁性ブレード19を現像ローラ4方向に突き出させた層厚規制部材7で穂切りすることによって、高さおよび密度などが均一な磁気ブラシを現像ローラ4上に形成することができる。そうすることによって、現像ローラ4上に均一な厚さの現像剤層を形成させることができるので、充分な現像剤搬送量を満たすことができる。したがって、高画質な画像形成のための現像を確保することが可能になる。
また、現像ローラ4の磁石部材18は、S2磁極を形成する第3磁極形成手段を有するので、層厚規制部材によって磁気ブラシを穂切りする領域に搬送される現像剤量が増えるので、より適切な密度の磁気ブラシを形成することができ、充分な現像剤搬送量を満たすことができる。
N1磁極の磁束密度のピーク値は、80mT以上120mT以下が好ましい。N2磁極の磁束密度のピーク値は、40mT以上80mT以下が好ましい。S2磁極の磁束密度のピーク値は、−70mT以上−30mT以下が好ましい。
S2磁極は、N2磁極よりも弱いことが好ましい。つまり、S2磁極の磁束密度のピーク値の絶対値が、N2磁極の磁束密度のピーク値の絶対値より小さいことが好ましい。S2磁極の磁束密度のピーク値の絶対値は、N2磁極の磁束密度のピーク値の絶対値より5mT以上20mT以下小さいことが好ましい。そうすることによって、スリーブ17の駆動トルクを減少することができるので、磁気ブラシによる感光体12表面のトナーの掻取りを防止することができる。
本実施の形態では、感光体12の回転方向61と、現像ローラ4のスリーブ17の回転方向16とが、順方向である場合について例示する。
層厚規制部材7は、本実施形態では、非磁性ブレード19と、非磁性ブレード19を現像ローラ4方向に突き出させて支持固定する磁性ブレード20とを有する。非磁性ブレード19は、たとえばSUS304などのステンレス鋼からなる板状の部材である。磁性ブレード20は、磁性体を含んで成る薄板状部材である。磁性ブレード20を構成する磁性体としては、たとえば、ニッケルプレートであってもよく、また磁性を有するステンレス鋼(JIS−G4305に規定されるSUS430など)であってもよく、また磁性部材を混入させた硬質樹脂などであってもよい。磁性ブレード20は、その磁束密度が0.3T以上1.5T以下(0.3V・s・m−2以上1.5V・s・m−2以下)のものが挙げられる。
層厚規制部材7は、平面形状が略長方形であり、その長手方向が現像ローラ4の軸線と平行方向に延びて設けられ、長手方向の長さは、現像ローラ4の軸線方向の長さと同等または若干長めに定められる。また、層厚規制部材7の磁性ブレード20は、長手方向の一方の辺側が現像剤収容容器3にねじ止め、接着などによって固定される。他方の辺側から非磁性ブレード19を現像ローラ4方向に、先端部が現像ローラ4に近接するように突き出させて支持固定する。
層厚規制部材7は、上記のように非磁性ブレード19と磁性ブレード20とからなるので、磁性ブレード20によって、2成分現像剤2の磁気ブラシの穂が立ち、非磁性ブレード19によって、その磁気ブラシの穂が均一な高さになるように、2成分現像剤2が掻き取って、磁気ブラシを穂切りする。したがって、磁性ブレード20によって、磁気ブラシの穂が形成された状態で、2成分現像剤2が掻き取られるので、現像ローラ4に、所定の層厚および帯電量の現像剤層を形成させ、現像ローラ上に、高さおよび密度などが適正な磁気ブラシが形成される。
第1および第2撹拌搬送ローラ5,6は、現像ローラ4に近い方から第2撹拌搬送ローラ6、第1撹拌搬送ローラ5の順に配置され、いずれも回転軸線がスリーブ17の回転軸線と平行になるようにして現像剤収容室3に回転自在に設けられる。本実施形態の第1および第2撹拌搬送ローラ5,6は、いずれも回転軸部材の外周にたとえばスクリュー部材が装着されるように構成され、第1撹拌搬送ローラ5は、図1の紙面において手前側から奥側に向って2成分現像剤2を撹拌搬送して第2撹拌搬送ローラ6へと2成分現像剤2を供給し、第2撹拌搬送ローラ6は図1の紙面の奥側から手前側に向って2成分現像剤2を撹拌搬送して現像ローラ4へと2成分現像剤2を供給する。
第1撹拌ローラ5と第2撹拌ローラ6との間には、第1および第2撹拌ローラ6が延びる方向に対して平行に延びるようにして仕切板23が設けられる。この仕切板23が設けられることによって、現像剤収容室3内の2成分現像剤2は、第1撹拌搬送ローラ5による撹拌搬送から第2撹拌搬送ローラ6による搬送というルートを確実に辿らざるを得なくなるので、充分に撹拌されてトナーとキャリアとが均一化された状態で現像ローラ4へと供給される。
第1撹拌搬送ローラ5の上方に位置する現像剤収容室3の部分には、現像剤収容室3の壁部材を貫通してトナー補給口24が形成される。このトナー補給口24に接続されるようにしてトナー補給手段10が設けられる。トナー補給手段10は、2成分現像剤2に含まれるトナー25を収容するトナー容器26と、トナー容器26に回転自在であって、かつトナー補給口24に対して摺動するように設けられるトナー補給ローラ27とを含んで構成される。トナー補給ローラ27は、少なくともその表面付近が多孔質素材によって構成され、孔部分に保持するトナーを、トナー補給口24との摺動時における擦過によって離脱させ、トナー補給口24から現像剤収容室3へと補給する。
トナーセンサ9は、たとえば透磁率センサなどから成り、トナーが非磁性でキャリアが磁性を有することを利用して、2成分現像剤2中のトナー濃度を検知する。トナーセンサ9のトナー濃度検知結果は、不図示の制御部へ与えられ、制御部は、トナー濃度検知結果に応じて、トナー補給手段10のトナー補給ローラ27を回転駆動させ、トナー25を現像剤収容室3へと補給する。現像剤収容室3へ補給されたトナー25は、第1撹拌搬送ローラ5の上に落下し、第1撹拌搬送ローラ5で撹拌搬送される過程において2成分現像剤2と混合撹拌され、前述のルートを経て現像ローラ4へと供給される。本実施形態では、トナー濃度が6.5重量%となるように、トナーを補給する。ここでトナー濃度とは、2成分現像剤2中のトナーの割合である。
現像ローラ4へと供給された2成分現像剤2の中からトナーを感光体12へ移行させるために、本実施形態ではバイアス印加手段8が設けられ、バイアス印加手段8は、現像ローラ4に対して、直流バイアスを印加する直流電圧印加手段14と、交流電圧を印加する交流電圧印加手段15とを含み、直流電圧に交流電圧を重畳して印加することができる。現像ローラ4に対して交流電圧を重畳印加することによって、現像ローラ4上に形成される磁気ブラシ内におけるトナーの運動が活発化し、トナーの感光体12への移行が円滑に行われるので、現像効率を高めることができる。
図4は、現像ローラ4付近を拡大して示す図である。2成分現像装置1は、現像ローラ4と非磁性ブレード19の先端部との距離をA[mm]とし、現像ローラ4と磁性ブレード19の先端部との距離をB[mm]とするとき、距離Aおよび距離Bの間で以下の式(
1)の関係を満たすように構成される。
0.15≦B−A≦0.45 …(1)
1)の関係を満たすように構成される。
0.15≦B−A≦0.45 …(1)
2成分現像装置1は、上記式(1)を満たすことによって、現像ローラ4上に、高さおよび密度などがより適正な磁気ブラシが形成されるので、より高画質な画像形成のための現像が可能である。
また、感光体12と現像ローラ4との距離をC[mm]とするとき、距離Aおよび距離Cの間で以下の式(2)の関係を満たすように構成される。
0<|C−A|<1.0 …(2)
0<|C−A|<1.0 …(2)
2成分現像装置1は、上記式(2)を満たすことによって、感光体12と現像ローラ4との距離に応じた適正な高さの磁気ブラシを層厚規制部材7によって形成させることできるので、より高画質な画像形成のための現像が可能である。
本実施形態では、距離Aが0.3μm以上0.8μm以下に設定することが好ましい。そうすることによって、層厚規制部材7によって、現像ローラに、所定の層厚および帯電量の現像剤層を形成させ、現像ローラ上に、高さおよび密度などがより適正な磁気ブラシが形成される。0.3μmより短いと、現像ローラ4によって搬送される2成分現像剤2に対する層厚規制部材7からの負荷が増加するので、2成分現像剤2が劣化してしまう。また、0.8μmより長いと、均一な層厚および帯電量の現像剤層を形成することが困難となる。
現像ローラ4上に形成される2成分現像剤の磁気ブラシの穂の密度が20%以上60%以下であることがこのましい。このような密度の磁気ブラシは、柔らかい磁気ブラシであり、かつ弾力性がある磁気ブラシである。したがって、磁気ブラシによる感光体表面のトナーの掻取りが防止されるので、より高画質な画像形成のための現像を確保することが可能になる。さらに、磁気ブラシによる感光体表面のトナーの掻取りを防止することができるので、感光体と現像ローラとの周速比を大きくすることができ、高効率な現像が可能となる。
現像ローラ4上に形成される2成分現像剤の磁気ブラシの穂の高さが0.4mm以上1.0mm以下であるので、充分な現像剤搬送量が実現され、より高画質な画像形成のための現像が可能である。
図5は、2成分現像装置1を備える画像形成装置50の構成を簡略化して示す側面方向から見た断面図である。図5に示す画像形成装置50は、現像装置1を備え、たとえばパーソナルコンピュータ、デジタルカメラなどの外部機器から伝達される画像情報、または画像読取装置によって読取られて伝達される画像情報などに応じて、記録紙などの記録媒体上に単色の画像として記録出力するものである。
画像形成装置50は、大略、画像形成部51と、記録媒体である記録紙を供給する記録紙供給部52と、画像定着部53と、制御部54とを含んで構成される。
画像形成部51は、感光体12と、感光体12の外周に沿い感光体12の回転方向61の上流側から下流側に向って順次配置される帯電手段56、露光手段57、現像装置1、転写手段58、クリーニングユニット59および除電手段60とを含む。
感光体12は、円筒状または円柱状の導電性基体と、導電性基体の表面に形成される光導電層とを含むローラ部材であり、画像情報に応じた光で露光されることによって、その表面に静電潜像が形成される。感光体12は、画像形成装置50の装置本体に回転自在に設けられ、不図示の駆動手段によって矢符61方向に回転される。
帯電手段56は、帯電ローラ、帯電チャージャなどの接触式または非接触式の帯電器によって構成され、感光体12の表面を一様な電位に帯電させる。露光手段57である露光ユニットは、たとえば、半導体レーザなどのレーザユニットによって構成され、後述する制御部54から伝達される画像情報に応じ、帯電手段56によって帯電された状態にある感光体12の表面に光を照射し、静電潜像を形成する。
2成分現像装置1は、感光体12の表面に成形されて担持される静電潜像に対して、適正な量の現像剤を供給し、かつ低密度で長く形成される柔らかい磁気ブラシを通じてトナーを供給して静電潜像からトナー像を現像する。
転写手段58は、たとえば、感光体12の外周面に圧接しかつ回転自在に設けられる転写ローラ62と、転写ローラ62に転写バイアス電圧を印加する図示しない電源とを含んで構成される。転写手段58は、転写ローラ62側から転写バイアス電圧を印加して記録紙を帯電させるとともに、転写ローラ62で記録紙を加圧することによって、感光体12の表面に形成されたトナー像を記録紙に転写する。
クリーニングユニット59は、たとえば、弾性材料からなり、感光体12の外周面に当接するように設けられる板状部材であるクリーニングブレードを含んで構成され、トナー像を記録紙に転写した後、感光体12の表面に残留するトナー、紙粉などを除去する。除電手段60は除電ランプなどによって構成され、クリーニング後の感光体12の表面電荷を除去する。
画像定着部53は、定着(加熱)ローラ63と、加圧ローラ64と、定着ローラ63の温度を検知する不図示の温度センサと、温度センサの検知出力に応じて定着ローラ63を所望の温度になるようにする不図示の制御電源とを含む。画像定着部53では、画像形成部51の転写手段58によってトナー像が転写された記録紙が、定着ローラ63と加圧ローラ64との圧接部(定着ニップ部)に送給されて加熱加圧を受け、トナー像が記録紙に定着され、画像が形成される。画像定着部53によってトナー像が定着された記録紙は、搬送ローラ65および排紙ローラ66の搬送動作によって装置本体の上部に設けられる排紙部67へ排出される。
記録紙供給部52は、記録紙トレイ68と、ピックアップローラ69と、レジストローラ70とを含んで構成される。記録紙トレイ68は、普通紙、カラーコピー用紙、オーバヘッドプロジェクタ(OHP)フィルムなどの記録媒体を収容することができるトレイである。ピックアップローラ69は、記録紙トレイ68内の記録紙を1枚ずつ分離してレジストローラ70へ送給する。レジストローラ70は、露光ユニット57の露光によって感光体12の表面に形成される静電潜像の画像形成領域(特に、最下流側の形成開始位置)に同期して、記録紙を転写手段58の転写ニップ部に送給する。搬送ローラ65は、記録紙トレイ68から供出される記録紙が搬送される経路の随所に設けられ、回転動作によって記録紙を所望の位置へ搬送する。
制御部54は、画像形成装置50の内部空間における露光ユニット57の上方に設けられ、中央処理装置(CPU)を備えるマイクロコンピュータなどによって実現される処理回路であり、後述するメモリから読出したプログラムに従って現像装置1を備える画像形成装置50の画像形成に係る全体動作を制御する。制御部54には記憶部であるメモリが付設され、メモリには、この分野で常用される、たとえばリードオンリィメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)などを用いることができる。制御部54は、前述の処理回路とともに電源を含み、電源は制御部54だけでなく、画像形成部51、記録紙供給部52および画像定着部53における各装置にも電力を供給する。
画像形成装置50における画像形成動作について簡単に説明する。まず制御部54のメモリには、外部機器から伝達され階調処理などの画像処理が施された画像情報が格納される。画像形成部51では、感光体12の表面が帯電手段56によってほぼ一様な電位に帯電され、これにメモリから読出した画像情報に応じた光が露光ユニット57によって照射され、静電潜像が形成される。
感光体12の表面に形成される静電潜像に対して、現像領域31で現像剤の磁気ブラシからトナーが供給され、トナー像が形成される。感光体12の表面に形成されたトナー像は、転写手段58によって記録紙に転写され、さらに画像定着部53によって定着されて、排紙部67に排紙される。一方、トナー像が転写された後の感光体12の表面は、クリーニングユニット59で残留トナーなどが除去され、除電手段60によって電荷除去を受け、次の画像形成に供される。この一連の操作が繰返し実行されることによって画像が形成される。画像形成装置50は、2成分現像装置1が備えられるので、高画質の画像を形成することができる。
以下、本発明の実施例を説明する。
2成分現像装置1を備える画像形成装置に該当するプリンタ(AR−450M改造型:シャープ株式会社製)を用いて、以下の2通りの試験1および試験2を実施した。
2成分現像装置1を備える画像形成装置に該当するプリンタ(AR−450M改造型:シャープ株式会社製)を用いて、以下の2通りの試験1および試験2を実施した。
(試験1)
試験1では、表1に示す磁極の位置の異なる4種類の磁性ローラ4を搭載した場合の現像剤搬送量を測定し、N1磁極の中心線30とスリーブ17の回転中心軸31とを含む平面と、N2磁極の中心線32とスリーブ17の回転中心軸31とを含む平面とのなす角αの現像剤搬送量に対する影響について検討した。実施例1は、αが90°である現像ローラを用い、実施例2および実施例3は、αが93°である現像ローラを用い、比較例1は、αが96°である現像ローラを用いた。
試験1では、表1に示す磁極の位置の異なる4種類の磁性ローラ4を搭載した場合の現像剤搬送量を測定し、N1磁極の中心線30とスリーブ17の回転中心軸31とを含む平面と、N2磁極の中心線32とスリーブ17の回転中心軸31とを含む平面とのなす角αの現像剤搬送量に対する影響について検討した。実施例1は、αが90°である現像ローラを用い、実施例2および実施例3は、αが93°である現像ローラを用い、比較例1は、αが96°である現像ローラを用いた。
現像剤搬送量を測定する際、以下の条件で行った。使用した2成分現像剤2は、トナー濃度が7重量%であるものを現像剤収容室3に1050g収容して使用した。トナーは、体積平均粒径6.2μmのポリエステル系トナーを用い、キャリアは、体積平均粒径40μmの樹脂コートフェライト系キャリアを用いた。画像形成装置は、距離Aが1.0mm、距離Bが1.3mm、B−A(非磁性ブレード19の突き出し量)が0.3mm、距離Cが0.525mm、感光体12の回転数615rpm、スリーブ17の回転数661rpmに設定した。また、実施例1,2および比較例1は、非磁性ブレード19および磁性ブレード20の板厚が1.5mmである層厚規制部材を用い、実施例3は、非磁性ブレード19および磁性ブレード20の板厚が0.5mmである層厚規制部材を用いた。
実施例1〜3および比較例1について、現像剤搬送量を測定した。その結果を図6に示す。
図6は、磁極の位置の現像剤搬送量に対する影響を示すグラフである。縦軸は、現像剤搬送量(g/cm2)を示し、横軸は、極位置(°)を示す。折れ線81は、実施例1の結果を示し、折れ線82は、実施例2の結果を示し、折れ線83は、実施例3の結果を示し、折れ線84は、比較例1の結果を示す。極位置は、N1磁極の中心線とスリーブ17の回転中心軸とを含む平面と、感光体12と現像ローラ4の最も近接する位置とスリーブ17の回転中心軸とを含む平面とのなす角を示す。
図6に示すように、αが90度以上95度以下である(実施例1〜3)と、極位置にかかわらず、現像剤搬送量が0.10g/cm2と高く、充分な現像剤搬送量が確保できた。これに対して、αが95度より大きい(比較例1)と、極位置によっては、現像剤搬送量が減少し、充分な現像剤搬送量が確保できない場合がある。
(試験2)
試験2では、極位置にかかわらず、充分な現像剤搬送量を確保できた実施例2である現像ローラ4を搭載した場合に、以下の条件でA4サイズの記録紙に画像形成を行い、画像形成を行った記録紙に付着されたトナー付着量を測定した。その際、非磁性ブレード19の突き出し量(B−A)を変化させて、トナー付着量を測定し、非磁性ブレード19の突き出し量のトナー付着量に対する影響を検討した。
試験2では、極位置にかかわらず、充分な現像剤搬送量を確保できた実施例2である現像ローラ4を搭載した場合に、以下の条件でA4サイズの記録紙に画像形成を行い、画像形成を行った記録紙に付着されたトナー付着量を測定した。その際、非磁性ブレード19の突き出し量(B−A)を変化させて、トナー付着量を測定し、非磁性ブレード19の突き出し量のトナー付着量に対する影響を検討した。
トナー付着量を測定する際、以下の条件で行った。使用した2成分現像剤2は、トナー濃度が12重量%であるものを現像剤収容室3に1050g収容して使用した。トナーは、体積平均粒径6.2μmのポリエステル系トナーを用い、キャリアは、体積平均粒径40μmの樹脂コートフェライト系キャリアを用いた。画像形成装置は、距離Cが0.525mm、感光体12の回転数615rpm、スリーブ17の回転数661rpmに設定した。層厚規制部材7として、非磁性ブレード19および磁性ブレード20の板厚が1.5mmである層厚規制部材を用いた。非磁性ブレード19の突き出し量とトナー付着量との関係を表2に示した。
表2に示すように、非磁性ブレード19の突き出し量(B−A)が、上記(1)式の関係を満たす(検討例2〜4)と、記録紙面上の画像濃度1.4を確保することができる感光体上のトナー付着量の下限値である0.5mg/cm2を確保することができ、さらに0.52mg/cm2以上のトナー付着量を確保することができるので、より画像濃度の高い高画質な画像形成のための現像が可能である。これに対して、非磁性ブレード19の突き出し量(B−A)が、上記(1)式の関係を満たさない(検討例1および検討例5)と、0.5mg/cm2のトナー付着量を確保することができず、高画質な画像を形成させることができない。
図7は、磁気ブラシの穂の高さと現像剤搬送量との関係を表すグラフを示す図である。グラフの縦軸は、現像剤搬送量[mg/cm2]を示し、横軸は、磁気ブラシの穂の高さ[mm]を示す。
図7に示すように、磁気ブラシの穂の高さを0.4mm以上とすることにより、紙面上の画像濃度1.4を確保することができる現像剤搬送量の下限値である10mg/cm2を確保することができる。また、磁気ブラシの穂の高さを、1.0mmを超えると現像剤搬送量が45mg/cm2を超え、感光体上に付着されるトナーの量が大きくなりすぎる。
1 2成分現像装置
2 2成分現像剤
3 現像剤収容室
4 現像ローラ
5 第1撹拌搬送ローラ
6 第2撹拌搬送ローラ
7 層厚規制部材
8 バイアス印加手段
9 トナーセンサ
10 トナー補給手段
12 感光体
14 直流電圧印加手段
15 交流電圧印加手段
17 スリーブ
18 磁石部材
19 非磁性ブレード
20 磁性ブレード
2 2成分現像剤
3 現像剤収容室
4 現像ローラ
5 第1撹拌搬送ローラ
6 第2撹拌搬送ローラ
7 層厚規制部材
8 バイアス印加手段
9 トナーセンサ
10 トナー補給手段
12 感光体
14 直流電圧印加手段
15 交流電圧印加手段
17 スリーブ
18 磁石部材
19 非磁性ブレード
20 磁性ブレード
Claims (7)
- 静電潜像が形成される感光体を臨んで回転自在に設けられるスリーブとスリーブ内部に固定配置されて複数の磁極を形成する磁石部材とを有し、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤を担持して搬送する現像ローラと、
前記現像ローラに対向するように設けられ、前記現像ローラが搬送する2成分現像剤の層厚を規制する層厚規制部材とを有する2成分現像装置であって、
前記層厚規制部材は、先端部を前記現像ローラに近接させた非磁性ブレードと、前記非磁性ブレードを前記現像ローラ方向に突き出させて支持固定する磁性ブレードとを有し、
前記磁石部材は、前記感光体に対してトナーを供給するトナー供給領域に、磁極を形成する第1磁極形成手段と、前記第1磁極形成手段によって形成される磁極よりも前記スリーブの回転方向上流側に配置され、前記第1磁極形成手段によって形成される磁極と同極の磁極を形成する第2磁極形成手段とを有し、
前記第1磁極形成手段によって形成される磁極の中心線と前記スリーブの回転中心軸とを含む平面と、前記第2磁極形成手段によって形成される磁極の中心線と前記スリーブの回転中心軸とを含む平面とのなす角が90度以上95度以下であることを特徴とする2成分現像装置。 - 前記現像ローラと前記非磁性ブレードの先端部との距離をA[mm]とし、
前記現像ローラと前記磁性ブレードの先端部との距離をB[mm]とするとき、
距離Aおよび距離Bの間で以下の式の関係を満たすことを特徴とする請求項1記載の2成分現像装置。
0.15≦B−A≦0.45 - 前記磁石部材は、前記第2磁極形成手段によって形成される磁極よりも前記スリーブの回転方向上流側で前記第2磁極形成手段に隣合って配置され、前記第2磁極形成手段によって形成される磁極と異極の磁極を形成する第3磁極形成手段を有することを特徴とする請求項1または2記載の2成分現像装置。
- 前記第3磁極形成手段によって形成される磁極は、前記第2磁極形成手段によって形成される磁極よりも弱いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の2成分現像装置。
- 前記現像ローラ上に形成される前記2成分現像剤の磁気ブラシの穂の密度が20%以上60%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の2成分現像装置。
- 前記現像ローラ上に形成される前記2成分現像剤の磁気ブラシの穂の高さが0.4mm以上1.0mm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の2成分現像装置。
- 現像ローラの周面において、先端部を前記現像ローラに近接させた非磁性ブレードと、前記非磁性ブレードを先端から前記現像ローラ方向に突き出させて支持固定する磁性ブレードとを有する層厚規制部材によって層厚が規制された2成分現像剤を、前記現像ローラによって感光体表面に供給することによって静電潜像からトナー像に現像する2成分現像方法であって、
前記現像ローラは、静電潜像が形成される感光体を臨んで回転自在に設けられるスリーブとスリーブ内部に固定配置されて複数の磁極を形成する磁石部材とを有し、
前記磁石部材は、前記感光体に対してトナーを供給するトナー供給領域に、磁極を形成する第1磁極形成手段と、前記第1磁極形成手段によって形成される磁極よりも前記現像ローラの回転方向上流側に配置され、前記第1磁極形成手段によって形成される磁極と同極の磁極を形成する第2磁極形成手段とを有し、
前記第1磁極形成手段によって形成される磁極の中心線と前記スリーブの回転中心軸とを含む平面と、前記第2磁極形成手段によって形成される磁極の中心線と前記スリーブの回転中心軸とを含む平面とのなす角が90度以上95度以下であることを特徴とする2成分現像方法。
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JP2006111405A JP2007286207A (ja) | 2006-04-13 | 2006-04-13 | 2成分現像装置および2成分現像方法 |
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ID=38758050
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JP2006111405A Withdrawn JP2007286207A (ja) | 2006-04-13 | 2006-04-13 | 2成分現像装置および2成分現像方法 |
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JP (1) | JP2007286207A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009186614A (ja) * | 2008-02-04 | 2009-08-20 | Ricoh Co Ltd | 現像装置及び画像形成装置 |
US10088772B2 (en) | 2017-01-20 | 2018-10-02 | Canon Kabushiki Kaisha | Developing device |
-
2006
- 2006-04-13 JP JP2006111405A patent/JP2007286207A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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