JP3562285B2 - 現像方法及びその方法を用いた現像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャリアを含む二成分現像剤を補給するとともに過剰になる現像剤を回収しながら現像を行う、いわゆるトリクル現像方式を用いる現像方法と、この現像方法を適用した現像を行う、複写機、プリンタ等の画像形成装置に使用される現像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の複写機又はプリンタ等の画像形成装置に使用される二成分現像装置においては、その現像剤収容部に収容されている二成分現像剤のトナーとキャリアを攪拌して摩擦帯電させた後、現像ロール等の現像剤担持搬送体により感光体等の潜像担持体に供給することにより潜像担持体上の潜像を現像するようになっているが、この際、トナーは消費されて減るのに対し、キャリアは消費されず装置(現像剤収容部)内に残る。このため、キャリアはトナーに比べて現像剤収容部内での攪拌頻度が多くなり、それに伴って劣化しやすい。このようなキャリアの劣化は、例えばトナーの帯電量を不安定なものとし、画質の低下を誘発するという不具合がある。
【0003】
そこで、従来、このキャリアの劣化を抑制するため、トナーのみではなくキャリアも現像剤収容部に適宜補給するとともに、このキャリア補給により現像剤収容部内で徐々に過剰となる二成分現像剤を回収することにより、消費により減るトナーを補充するとと同時に、現像剤収容部内の劣化したキャリアを補給される新しいキャリアに置き換えるようにする方法、いわゆる「トリクル現像方式」が提案されている(特公平2−21591号公報など)。
【0004】
このトリクル現像方式によれば、キャリアを含む二成分現像剤の補給と回収が行われることにより、キャリアの劣化が抑制されて現像剤収容部内の二成分現像剤の現像特性が一定に維持されるようになり、もって現像剤の現像特性の変動による画質低下を抑えることが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このトリクル現像方式は、カラー画像形成装置の現像装置に適用した場合、過剰の現像剤を回収する回収容器を大きくしたり、あるいは、回収容器の交換回数を増やさなければならないという問題がある。
【0006】
すなわち、カラー画像形成装置では、複数色のトナー像を多重現像してカラー画像を得るために現像装置が複数となり、その各現像装置のサイズが設置スペースの制約等により限定されて現像剤収容部の容積が十分に確保できないため、二成分現像剤を十分に収容しておくことができない。しかし、このような事情にかかわらず、カラー画像を形成するための現像では、単色現像の場合に比べて画質に対する要求が高く、その要求に対処するためには、現像剤収容部内の二成分現像剤の現像特性を常に安定化させなければならず、結局、トリクル現像によるトナー及びキャリアの補給と回収を増やし、現像剤の交換率を高く設定する必要がある。この結果、現像剤収容部の容積も十分に確保できないカラー用の現像装置では、補給される現像剤の量が増えるにつれて回収する現像剤の量も増える。このため、そのように増える回収現像剤を回収し得る程度の大きい現像剤回収容器を用意するか、あるいは、現像剤回収容器を頻繁に交換することにより対処しなければならないのである。
【0007】
また、このトリクル現像方式としては、二成分現像剤の変化をなくして長期にわたって安定した画質を得る目的から、現像剤収容部内に収容されている二成分現像剤のキャリアに比べて高い抵抗値を有するキャリアをトナーに含有させ、それを補給用の二成分現像剤として補給する方式のものが提案されている(特開平3−145678号公報)。
【0008】
しかし、このトリクル現像方式のように補給する二成分現像剤の補給用キャリアの電気抵抗値を高く設定した場合には、長期の使用により現像剤収容部に既に収容されている二成分現像剤の初期収容キャリアの表面にトナーが付着して電気抵抗値が徐々に上昇してしまい、このような状態になったところへ電気抵抗値が高い新しい補給用キャリアを補給したとしても、その上昇した電気抵抗値は初期の状態に戻らず必要以上に高い電気抵抗値の状態のままで推移する結果、現像される画像の濃度が低下したり不均一になるという問題がある。
【0009】
ちなみに、このような電気抵抗値の高い補給用キャリアを補給するトリクル現像方式における問題を解消するため、特開平8−234550号公報には、キャリア抵抗値又は帯電量を徐々に高くした補給用キャリアを含む補給用の二成分現像剤を複数種用意し、その各現像剤を順次補給するようにした現像装置が示されている。
【0010】
しかし、この抵抗値又は帯電量を徐々に高くした補給用キャリアを含む二成分現像剤を順次補給するトリクル現像方式は、例えば、補給用の現像剤カートリッジが頻繁に交換使用されるカラー画像形成装置に適用した場合、その1本のカートリッジを使い終わって次の新しカートリッジを交換して使用すると、先のカートリッジから最も高い抵抗値又は帯電量のキャリアが補給された後に新しいカートリッジから最も低い抵抗値又は帯電量のキャリアが補給されることになり、この結果、現像剤収容部内における現像剤の抵抗値や帯電量が急激に変化して、画質が不安定になってしまうという不具合がある。そして、この現象は、そのカートリッジを交換する度に繰り返されることになる。
【0011】
また、特開平8−234550号公報に記載されているように、補給用キャリアの抵抗値を高めるため、そのキャリアコア材にコーティングするシリコンコート層のコート量を単に増やした場合には、抵抗値が高められる一方でキャリアの帯電量が低下してしまい、その結果、現像される画像の像再現性が低下したり背景部汚れが発生するという問題がある。
【0012】
従って、本発明の主な目的は、トリクル現像方式を用いた二成分現像方法及び現像装置として、比較的少量のキャリア補給であっても、長期の使用により現像剤収容部内における二成分現像剤の電気抵抗値及び帯電量の双方が大きく変化することなく適正な範囲内に維持され、長期にわたって安定した画質を得ることができる現像方法と現像装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成し得る本発明の現像方法は、現像装置の現像剤収容部に収容されているトナーとキャリアとからなる二成分現像剤を用いて潜像担持体上の潜像を現像し、かつ、その現像剤収容部に新たな二成分現像剤を補給するとともに、その補給により現像剤収容部内で過剰になる二成分現像剤を回収する現像方法において、前記補給する二成分現像剤の補給用キャリアとして、その帯電量が前記現像剤収容部に補給前から収容されている二成分現像剤の初期収容キャリアの帯電量に対して1.2倍以上になるように設定され、かつ、その電気抵抗値が初期収容キャリアの電気抵抗値と同等かあるいはそれよりも低くなるように設定されたものを使用するものである。
【0014】
ここで、補給用キャリアの帯電量は初期使用キャリアよりも高くなるように設定されるが、具体的には、初期使用キャリアの帯電量に対して1.2倍以上、より好ましくは1.5倍以上の帯電量になるように設定される。より詳しくは、少なくとも、トナーとの一定期間の攪拌により摩擦帯電されて得られる補給用キャリアの飽和帯電量が、初期使用キャリアの飽和帯電量の1.2倍以上(より好ましくは1.5倍以上)となる帯電量に設定される。この際、初期使用キャリアの帯電量は、通常の初期段階で使用される二成分現像剤におけるキャリア帯電量であればよいが、その飽和帯電量は画質上の問題が発生する上限帯電量を上回らないように設定することが望ましい。補給用キャリアの帯電量が初期使用キャリアの帯電量に対して1.2倍よりも低い値に設定した場合には、その補給用キャリアを、ひいてはそのキャリアを含む現像剤を多量に補給しなければならなくなり、また、1.2倍以上のものと同量補給しただけでは従来技術において既述したような画質不良が発生しやすくなり、結果的に、前記した目的を達成することができない。一方、補給用キャリアの電気抵抗値は、初期使用キャリアの電気抵抗値と同等か或いはそれよりも低いものであるが、低い場合には、初期使用キャリアの電気抵抗値に対して約1/2〜1/10倍の値であることが好ましい。
【0015】
また、この現像方法においては、初期使用キャリア及び補給用キャリアとして、2種以上の帯電制御材料からなる表面コート層を有する樹脂コートキャリアであって、その帯電制御材料のうち少なくとも1つの材料として他の材料よりもトナー帯電性能の高いものを使用する構成のキャリアを使用する。
【0016】
この場合、補給用キャリアの表面コート層におけるトナー帯電性能の高い帯電制御材料の混合比を、初期使用キャリアの同混合比よりも高く設定するとよい。
【0017】
さらに、上記現像方法においては、補給する二成分現像剤における補給用キャリアの含有率を5〜30%の範囲内に設定するとよい。
【0018】
一方、本発明の現像装置は、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤を収容する現像剤収容槽と、この現像剤収容槽内の二成分現像剤を潜像担持体に供給する現像剤担持搬送体と、現像剤収容槽に新たな二成分現像剤を補給する補給装置と、その補給により現像剤収容槽内で過剰になった二成分現像剤を回収する回収装置とを有し、かつ、上記したいずれかの現像方法により現像を行うものである。
【0019】
この現像装置は、1つの現像装置を装備する単色の画像形成装置、複数の現像装置を装備するカラー画像形成装置のいずれにも適用可能であるが、現像剤の交換頻度がより高い複数の現像装置が使用されるカラー画像形成装置に適用した場合により有益であり好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に係る現像装置の全体構成を示す概略断面図である。この現像装置は、例えば電子写真方式の複写機に使用されるものであり、大別すると、現像装置本体1と、現像剤補給装置2と、現像剤回収装置3とで構成されている。
【0022】
現像装置本体1は、トナーとキャリアとからなるスタート用の二成分現像剤G0を収容する現像剤収容槽4を有するハウジング5と、このハウジング5の開口部側に潜像担持体としての感光体6と近接した状態で回転するように配設される現像剤担持搬送体としての現像ロール7と、現像剤収容部4内で回転するように配設される現像剤攪拌搬送部材としての2つのオーガー8と、現像ロール7の表面に圧接又は近接した状態で配設される層厚規制部材9とでその主要部が構成されている。
【0023】
このうち、現像ロール7は、内部に固定されたマグネットロール10を備えた回転駆動する円筒状のスリーブ11である。また、現像剤収容槽4は、中央側の隔壁aにより2分され、両端側の連通部により連通された収容空間4b,4cからなり、その各収容空間4b,4c内で回転するオーガー8により現像剤G0が攪拌さながら収容空間4b,4cとの間を循環搬送されるようになっている。層厚規制部材9は、非磁性部材と磁性部材の二重構造からなり、その先端がマグネットロール10の所定の磁極に対向するように配設されている。
【0024】
現像剤補給装置2は、補給用の二成分現像剤G1を収容する現像剤カートリッジ20と、この現像剤カートリッジ20内の二成分現像剤G1を現像剤収容槽4に送り出して供給する供給用部材21とで構成されている。供給用部材21は、ハウジング5の所定箇所に開設される補給口5aの付近に設けられ、現像剤収容槽4に配設された図示しないトナー濃度センサ等の検知信号に応じて駆動し適量の現像剤G1を供給するようになっている。
【0025】
現像剤回収装置3は、現像剤収容部4内で過剰になった二成分現像剤G2を回収する回収容器30と、過剰になって現像剤収容部4から溢れ出る現像剤G2を回収容器30に送る回収パイプ31とで構成されている。回収パイプ31は、その上部開口31aが現像剤収容部4内の所定高さに位置するように配設されており、その所定高さにある上部開口31aを乗り越える分の現像剤を回収するようになっている。
【0026】
また、現像剤収容部4に予め収容されているスタート二成分現像剤G0のトナーT0 としては非磁性のトナーが使用され、そのキャリア(以下「初期使用キャリア」と称す)C0 としては、図2aに示すように、フェライト等のコア材15に所定の帯電制御材料からなる樹脂コート層16を形成した磁性のキャリアが使用される。一方、現像剤カートリッジ20に収容されている補給するための二成分現像剤G1のトナーT1 としては現像剤収容部4に予め収容されているトナーT0 と同じものが使用され、そのキャリア(以下「補給用キャリア」と称す)C1 としては、図2bに示すように、フェライト等のコア材15に所定の帯電制御材料からなる樹脂コート層17を形成した磁性のキャリアが使用される。
【0027】
特に、補給用キャリアC1 については、後述するように、その帯電量と電気抵抗値が初期使用キャリアC0 に対して特定の関係になるように設定されている。また、補給用キャリアC1 の二成分現像剤G1中における含有率は、少なくとも50%以下となるように設定されており、好ましくは後述するような範囲内に設定されている。
【0028】
この現像装置では以下のようにして現像が行われる。
【0029】
まず、現像剤収容部4内に予め収容されている二成分現像剤G0が、オーガー8より攪拌されて十分に混合されるとともに摩擦帯電された後、現像ロール7に供給されて、そのスリーブ11表面に層状に付着する。この現像ロール7に付着する層状の現像剤G00は、層厚規制部材9により所定の厚さに規制されて均一な層にされた後、スリーブ11の回転に伴って感光体7と対向する現像領域Dに搬送される。そして、この現像領域Dにおいて、図示しない複写機本体側で原稿の画像に応じて感光体7上に形成された潜像に二成分現像剤のトナーが静電吸着して現像が行われ、感光体7上にトナー像が形成される。この感光体7上のトナー像は、複写機本体側において記録用紙上に転写定着され、これにより原稿のコピーがなされるようになっている。
【0030】
この現像動作が繰り返されることにより、現像剤収容部4内の現像剤G0に含まれるトナーが消費されて徐々に減るが、このトナーの減量が前記したトナー濃度センサにより検知されると、現像剤補給装置2の供給用部材21が駆動し、これにより現像剤カートリッジ20に収容されている二成分現像剤G1が補給される。この補給された新たな二成分現像剤G1は、現像剤収容部4内でオーガー8により攪拌されるとともに補給前から収容されている二成分現像剤G0と十分に混合される。
【0031】
また、この二成分現像剤G1の補給により、トナーとともにキャリアも所定の割合で補給されるため、現像剤収容部4内の現像剤量は次第に過剰となる。この過剰になった二成分現像剤G2は、収容部4の規制高さを越えて溢れ出し回収装置3の回収パイプ31を通して回収容器30内に収容される。
【0032】
次に、この現像装置を用いて以下の各種試験を行った。
【0033】
試験▲1▼
はじめに、初期使用キャリアC0 と補給用キャリアC1 としてキャリア帯電量が共に高いものを使用して構成した二成分現像剤G0,G1をそれぞれ用いて同一条件の現像(ひいてはコピー)を繰り返して行い、そのときの現像剤収容部4内にある現像剤におけるキャリア帯電量について調べた。その結果を図3に示す。この試験は、補給用二成分現像剤G1としてキャリアC1 の含有率(%)が図3中に示すようにそれぞれ異なるものを使用して行った。
【0034】
また、初期使用キャリアC0 と補給用キャリアC1 としてキャリア帯電量が共に低いものを使用して構成した二成分現像剤G0,G1をそれぞれ用いて同一条件の現像を繰り返して行い、そのときの現像剤収容部4内にある現像剤におけるキャリア帯電量について調べた。その結果を図4に示す。この試験は、補給用二成分現像剤G1としてキャリアC1 の含有率が図4中に示すようにそれぞれ異なるものを使用して行った。
【0035】
図3の結果から、スタート用現像剤G0、補給用現像剤G1ともに高いキャリア帯電量のキャリアを用いた場合には、現像剤収容部4内の現像剤の帯電量が使用に伴って急激に上昇し、比較的初期の段階(使用開始から5万枚コピー程度段階までの間)において適正な範囲を外れてしまう。また、図4の結果から、スタート用現像剤G0、補給用現像剤G1ともに低いキャリア帯電量のキャリアを用いた場合には、現像剤収容部4内の現像剤の帯電量が使用に伴って急激に低下し、比較的早い段階(5万枚コピー程度以降)から適正な範囲を外れてしまう。なお、後者の場合、補給用現像剤G1の補給量を増加させることにより、帯電量の低下をある程度くい止めることが可能であるが、補給用現像剤G1が早く消費されてしまったり回収すべき現像剤G2の量が増えてしまうため適切ではない。
【0036】
そして、現像剤収容部4内の現像剤の帯電量が適正範囲を上回ると、現像剤の電気抵抗値が上昇し、その結果として現像画像の濃度(現像性)が低下したり濃度の均一性が悪化した。反対に、その帯電量が適正範囲を下回ると、現像画像の濃度再現性が低下したり背景部よごれ(かぶり)が発生した。
【0037】
ここで、高い帯電量のキャリアとは、一定時間攪拌後の飽和帯電量が240μC/gのような帯電量にあるものをいう。また、低い帯電量のキャリアとは、同じく飽和帯電量が150μC/gのような帯電量にあるものをいう。ちなみに、キャリアの帯電量は、キャリアの帯電能力を表す指標であり、以下のような式で表される。
キャリア帯電量(μC/g)=トナー帯電量(μC/g)×トナー含有率(%)
【0038】
試験▲2▼
次に、初期使用キャリアC0 としてキャリア帯電量が低いもの、補給用キャリアC1 としてキャリア帯電量が高いものをそれぞれ使用して構成した二成分現像剤G0,G1をそれぞれ用いて同一条件の現像を繰り返して行い、試験▲1▼と同様にキャリア帯電量について調べた。その結果を図5に示す。この試験は、補給用二成分現像剤G1としてキャリアC1 の含有率が図5中に示すようにそれぞれ異なるものを使用して行った。
【0039】
図5の結果から、キャリア含有率が0%(トナーのみ)の場合を除けば、現像剤収容部4内の現像剤の帯電量が安定し、長期にわたり適正な範囲内を推移することがわかる。
【0040】
そして、この試験▲2▼の結果から、初期使用キャリアC0 としては低いキャリア帯電量のものを使用し、補給用キャリアC1 としては高いキャリア帯電量のものを使用すると、長期の使用に対しても、現像剤収容部4内の現像剤の帯電量が安定し、長期にわたり適正な範囲内に維持されることが判明した。
【0041】
一方、補給用キャリアとして、その電気抵抗値が初期使用キャリアのそれよりも高いものを使用した場合には、従来技術において説明したように、長期の使用により、現像剤収容部4内の現像剤の電気抵抗が徐々に上昇し、結果的に、現像される画像の濃度が低下したり不均一になってしまう。
【0042】
そこで、補給用キャリアの電気抵抗値を初期使用キャリアのそれと同等かあるいはやや低く設定することを試みたところ、上記の電気抵抗の上昇を抑制できることを知見した。
【0043】
しかし、キャリアの電気抵抗値を調整するために、単にキャリアの樹脂コート層の厚さ等を変更したのみでは、従来技術において説明したように、キャリアの帯電量が低下してしまい、結果的に、現像される画像の像再現性が低下したり背景部汚れが発生する。
【0044】
そこで、初期収容キャリアC0 と補給用キャリアC1 の双方を、2種以上の帯電制御材料からなる表面コート層16,17(図2参照)を有する樹脂コートキャリアとし、その帯電制御材料のうち少なくとも1つの材料として他の材料よりもトナー帯電性能の高いものを使用して構成することを試みたところ、上記のキャリアの帯電量の低下を誘発することがないことを知見した。
【0045】
ここで、キャリアに使用する帯電制御材料は、通常の樹脂コートキャリアのコート剤に用いられる材料であってそのトナー帯電性能が異なるものであれば特に限定されないが、例えば、負帯電性のトナーに対して帯電性能の高い帯電制御材料としては、具体的には、メチルメタクリレート樹脂、含窒素系アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、アクリロニトリル樹脂等を使用することができる。一方、このトナー帯電性能の高い帯電制御材料よりも、負帯電性のトナーに対する帯電性能が相対的に低い帯電制御材料としては、具体的には、スチレン樹脂、スチレン・アクリル樹脂、含窒素系アクリル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂等を使用することができる。
【0046】
そして、この場合、補給用キャリアC1 の表面コート層17におけるトナー帯電性能の高い帯電制御材料の混合比を初期用キャリアC0 のその混合比よりも高く設定することを試みたところ、キィリアの電気抵抗値の上昇が発生せず、上記の帯電量の低下も確実に抑制できることを知見した。
【0047】
以上のような表面コート層16,17をそれぞれ有する初期収容キャリアC0 と補給用キャリアC1 は、例えば、キャリアのコア材と上記のトナー帯電性能の高い帯電制御材料及びトナー帯電性能の低い帯電制御材料とを加熱ヒータ付きニーダー等にて加熱混合した後、攪拌しながら冷却し、しかる後、所定のキャリア径になるように篩等にて分級することにより得ることができる。
【0048】
試験▲3▼
試験▲2▼で得られた知見にもとづいて所定の構成からなるスタート用現像剤G0及び補給用現像剤G1を作製した。まず、各現像剤における初期使用キャリアC0 と補給用キャリアC1 を下記条件下で作製した。
【0049】
<初期使用キャリアの組成>
・Cu−Znフェライト粒子(50μm): 1000重量部
・メタクリル酸メチル重合体: 5重量部
・フッ化ビニリデン重合体微粒子: 3重量部
<補給用キャリアの組成>
・Cu−Znフェライト粒子(50μm): 1000重量部
・メタクリル酸メチル重合体: 7重量部
・フッ化ビニリデン重合体微粒子: 1重量部
【0050】
上記初期使用キャリアの組成物を加熱ヒータを備えたニーダーに投入し、200℃の加熱下で混合した。その後、その各混合物を攪拌しながら冷却し、75μmの篩により篩分けして、初期使用キャリアC0 を得た。また、上記補給用キャリアの組成物を初期使用キャリアの場合と同じ製造工程にかけることにより、補給用キャリアC1 を得た。
【0051】
また、各現像剤G0,G1のトナーとしては、いずれもポリエステル樹脂とカーボンブラックからなる負帯電性のトナーを使用した。そして、このトナーと帯電させた場合の前記各キャリアの帯電量は、初期使用キャリアが180μC/g、補給用キャリアが270μC/gであった。また、キャリア単体での電気抵抗値は、初期使用キャリアと補給用キャリアのいずれも0.9×109 Ωcmであった。
【0052】
そして、上記トナーと初期使用キャリアC0 をトナー濃度が6%となるように混合してものを、スタート用現像剤G0とした。この現像剤G0の電気抵抗は、3.2×109 Ωcmであった。また、上記トナーと補給用キャリアC1 をキャリア含有率が5%、10%、15%(これらはトナー含有率ではそれぞれ95%,90%,85%)となるように混合したものを、補給用現像剤G1とした。比較のため、補給用キャリアC1 を混入しないでトナーのみからなる(キャリア含有率0%の)補給用現像剤G1を用意した。
【0053】
このようにして得られたスタート用現像剤G0を前記した現像装置の収容槽4に所定量充填するとともに、各キャリア含有率からなる補給用現像剤G1を別々の現像剤カートリッジ20に所定量それぞれ充填した。そして、この現像装置をカラー複写機(富士ゼロックス社製:A Color935の改造機)の現像装置として搭載し、同じ原稿について同じ条件でコピーを実行する、ランニングテストを行った。
【0054】
このテストでは、現像装置の現像剤収容槽4内にある現像剤のキャリア帯電量とその現像剤の電気抵抗値をそれぞれ測定し、その推移について調べた。その各結果を図6と図7にそれぞれ示す。
【0055】
また、このテストでは、得られたコピー画像の画質(画像濃度の濃淡、背景部かぶり、濃度の均一性)について調べ、以下の基準で評価した。その結果を表1に示す。○:実用上問題なし、×:実用上問題あり。
【0056】
【表1】
【0057】
図6の結果から、キャリア含有率0%を除く補給用現像剤G1では、キャリア帯電量は安定し、長期使用に対してもその適正範囲内を推移することが確認される。また、図7の結果から、キャリア含有率0%を除く補給用現像剤G1では、現像剤の電気抵抗は安定し、長期使用に対してもその適正範囲内を推移することが確認される。
【0058】
また、表1の結果から、キャリア含有率0%を除く補給用現像剤G1では、長期使用に対しても濃度、かぶり及び濃度均一性に関する画質が良好であることが確認された。
【0059】
試験▲4▼
試験▲2▼で得られた知見にもとづいて、さらに以下のごとき構成からなるスタート用現像剤G0及び補給用現像剤G1を作製した。まず、各現像剤における初期使用キャリアC0 と補給用キャリアC1 を以下の組成物をそれぞれ用い、試験▲3▼と同様の方法により作製した。また、各現像剤G0,G1のトナーとしては、試験▲3▼と同じ組成からなる負帯電性のトナーを使用した。
【0060】
<初期使用キャリアの組成>
・Cu−Znフェライト粒子(50μm): 1000重量部
・メタクリル酸メチル重合体: 12重量部
・フッ化ビニリデン重合体微粒子: 3重量部
<補給用キャリアの組成>
・Cu−Znフェライト粒子(50μm): 1000重量部
・メタクリル酸メチル重合体: 14重量部
・フッ化ビニリデン重合体微粒子: 1重量部
・導電性酸化チタン微粒子: 3重量部
【0061】
得られた各キャリアと前記トナーとを攪拌して帯電させた場合の各キャリアの帯電量は、初期使用キャリアが200μC/g、補給用キャリアの飽和帯電量が280μC/gであった。また、キャリア単体での電気抵抗値については、初期使用キャリアが1.5×109 Ωcm、補給用キャリアが0.5×109 Ωcmであった。
【0062】
そして、上記トナーと初期使用キャリアC0 をトナー濃度が6%となるように混合してものを、スタート用現像剤G0とした。この現像剤G0の電気抵抗は、2.0×1010Ωcmであった。また、上記トナーと補給用キャリアC1 をキャリア含有率が5%、10%、15%となるように混合したものを、補給用現像剤G1とした。比較のため、補給用キャリアC1 を混入しないでトナーのみからなる(キャリア含有率0%の)補給用現像剤G1を用意した。
【0063】
このようにして得られたスタート用現像剤G0を前記した現像装置の収容槽4に所定量充填するとともに、各キャリア含有率からなる補給用現像剤G1を別々の現像剤カートリッジ20に所定量それぞれ充填した。そして、この現像装置を用いて試験▲3▼と同じランニングテストを行った。そして、現像装置の現像剤収容槽4内にある現像剤のキャリア帯電量とその現像剤の電気抵抗値を試験▲3▼と同様にそれぞれ測定した各結果については、図8と図9にそれぞれ示す。また、コピー画像の画質について試験▲3▼と同様に調べて評価した結果については、表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】
図8の結果から、キャリア含有率0%を除く補給用現像剤G1では、キャリア帯電量は安定し、長期使用に対してもその適正範囲内を推移することが確認される。また、図9の結果から、キャリア含有率0%を除く補給用現像剤G1では、現像剤の電気抵抗は安定し、長期使用に対してもその適正範囲内を推移することが確認される。
【0066】
一方、表2の結果から、キャリア含有率0%を除く補給用現像剤G1では、長期使用に対しても濃度、かぶり及び濃度均一性に関する画質が良好であることが確認された。
【0067】
なお、前記した実施態様の現像装置をカラー画像形成装置に使用する場合には、その現像装置をカラー画像形成に必要なトナー色数分だけ用意する。この場合、それら複数の現像装置は、感光体の周囲に順次並べるように配置しても、あるいは、感光体と並んで回転し得る回転体の周囲に順次配置し、その回転体を回転させることにより現像に使用される現像装置のみを感光体と対向するように変位させるようにしても(いわゆるロータリー式現像装置)、あるいは、各色のトナー像を形成し、用紙搬送路上に並べた状態で配される複数の画像形成ユニットにおける各感光体に1台ずつ配置するようにしてもよい(いわゆるタンデム機用の現像装置)。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の現像方法及び現像装置によれば、補給用キャリアとして、その帯電量が初期収容キャリアの帯電量に対して1.2倍以上になるように設定し、かつ、その電気抵抗値が初期収容キャリアの電気抵抗値と同等かあるいはそれよりも低くなるように設定されたものを使用するため、比較的少量のキャリア補給であっても、長期の使用により現像剤収容部内における二成分現像剤の電気抵抗値及び帯電量の双方が大きく変化することなく適正な範囲内に維持される。この結果、長期にわたって安定した画質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る現像装置の全体構成を示す概略断面図である。
【図2】キャリアの構成例を示すもので、(a)は初期使用キャリアの断面図、(b)は補給用キャリアの断面図である。
【図3】スタート現像剤と補給用現像剤の双方に高帯電量のキャリアを使用した場合(試験▲1▼)のキャリア帯電量の測定結果を示すグラフ図である。
【図4】スタート現像剤と補給用現像剤の双方に低帯電量のキャリアを使用した場合(試験▲1▼)のキャリア帯電量の測定結果を示すグラフ図である。
【図5】スタート現像剤に低帯電量のキャリアを、補給用現像剤に高帯電量のキャリアをそれぞれ使用した場合(試験▲2▼)におけるキャリア帯電量の測定結果を示すグラフ図である。
【図6】実施例の試験▲3▼におけるキャリア帯電量の測定結果を示すグラフ図である。
【図7】実施例の試験▲3▼における現像剤の電気抵抗の測定結果を示すグラフ図である。
【図8】実施例の試験▲4▼におけるキャリア帯電量の測定結果を示すグラフ図である。
【図9】実施例の試験▲4▼における現像剤の電気抵抗の測定結果を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1…現像装置本体、2…現像剤補給装置、3…現像剤回収装置、4…現像剤収容槽、7…現像ロール(現像剤搬送体)、16,17…表面コート層、G0…スタート用の二成分現像剤、G1…補給用の二成分現像剤、G2…回収現像剤、C0 …初期使用キャリア、C1 …補給用キャリア。
Claims (1)
- 現像装置の現像剤収容部に収容されているトナーとキャリアとからなる二成分現像剤を用いて潜像担持体上の潜像を現像し、かつ、その現像剤収容部に新たな二成分現像剤を補給するとともに、その補給により現像剤収容部内で過剰になる二成分現像剤を回収する現像方法において、
前記補給する二成分現像剤の補給用キャリアとして、その帯電量が前記現像剤収容部に補給前から収容されている二成分現像剤の初期収容キャリアの帯電量に対して1.2倍以上になるように設定され、かつ、その電気抵抗値が初期収容キャリアの電気抵抗値よりも低くなるように設定されたものを使用することを特徴とする現像方法。
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