JP6436061B2 - 現像剤セット、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents

現像剤セット、画像形成装置、及び画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、現像剤セット、画像形成装置、及び画像形成方法に関する。
まず、第1の画像形成方法について説明する。第1の画像形成方法では、画像形成装置の現像部内に2成分現像剤(トナー及びキャリア)を投入して、現像部内で帯電させたトナーにより静電潜像(例えば、感光体ドラムの表面に形成された静電潜像)を現像する。現像部内で2成分現像剤を攪拌することで、摩擦帯電したトナーを得る。静電潜像を現像するたびにトナーは消費され、消費された分を補うだけの新しいトナー(補給用トナー)が現像部内へ補給される。一方、キャリアは、消費されずに現像部内に残る。現像部内のキャリアは、例えば、画像形成装置の定期メンテナンスの際に新品のキャリアに交換される。
上記第1の画像形成方法では、現像部内での攪拌によるストレスで、又は現像部内でトナーがキャリアの表面に付着することで、経時的にキャリアの性能低下(劣化)が生じる。しかし、劣化したキャリアを早期に交換することは難しい。現像部内のキャリアが劣化した状態で画像の形成が行われると、画像の品質が低下し易くなる。
次に、第2の画像形成方法について説明する。第2の画像形成方法は、いわゆるトリクル現像方式の画像形成方法である。トリクル現像方式の画像形成装置は、現像部内の初期現像剤(初期トナー及び初期キャリア)による静電潜像の現像を開始した後、現像部内の現像剤の排出と現像部内への現像剤(補給用トナー及び補給用キャリア)の補給とを行いつつ、現像部内の現像剤で静電潜像を現像する。画像形成中において、現像部内へトナーと一緒にキャリアも補給し、補給により過剰になった分だけ現像部内のキャリアを排出することで、現像部内のキャリアが過度に劣化することを抑制できる。また、キャリアの過度な劣化が抑制されることで、現像部内のキャリアの交換回数を低減することができる。
特許文献1には、補給用キャリアとして、初期キャリアよりも帯電付与能力が高いキャリアを使用する技術が開示されている。
特開2004−287073号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術だけでは、連続印刷において長期にわたって継続的にかぶりの発生を抑制して高画質の画像を形成し続けることは困難である。帯電付与能力の高いキャリアは、上述のトナー付着等により帯電付与能力が大きく低下し易い。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、連続印刷に用いられた場合に、初期におけるトナーの過剰な帯電(チャージアップ)を抑制するとともに、長期にわたって継続的にかぶりの発生を抑制して高画質の画像を形成し続けることができる現像剤セット、画像形成装置、及び画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明に係る現像剤セットは、現像部内の初期現像剤による静電潜像の現像を開始した後、前記現像部内の現像剤の排出と前記現像部内への現像剤の補給とを行いつつ、前記現像部内の現像剤で静電潜像を現像する画像形成装置で用いられる。前記現像剤セットは、前記初期現像剤として、第1トナー及び第1キャリアを含む第1現像剤を含む。前記現像剤セットは、前記補給用の現像剤として、第2トナー及び第2キャリアを含む第2現像剤を含む。前記第1キャリア及び前記第2キャリアはそれぞれ、キャリアコアと、前記キャリアコアの表面を覆うコート層とを備えるキャリア粒子を、複数含む。前記コート層は実質的に樹脂から構成される。前記第2キャリアの帯電付与性は、前記第1キャリアの帯電付与性よりも高い。前記第1キャリアの前記コート層を構成する前記樹脂の臨界表面張力は35.0mN/m以上である。前記第2キャリアの前記コート層を構成する前記樹脂の臨界表面張力は30.0mN/m以下である。
本発明に係る画像形成装置は、現像部及び現像剤補給部を備える。前記現像部は、第1トナー及び第1キャリアを含む第1現像剤を収容し、トナーで静電潜像を現像するように構成される。前記現像剤補給部は、第2トナー及び第2キャリアを含む第2現像剤を前記現像部内へ補給するように構成される。前記第1キャリア及び前記第2キャリアはそれぞれ、キャリアコアと、前記キャリアコアの表面を覆うコート層とを備えるキャリア粒子を、複数含む。前記コート層は実質的に樹脂から構成される。前記第2キャリアの帯電付与性は、前記第1キャリアの帯電付与性よりも高い。前記第1キャリアの前記コート層を構成する前記樹脂の臨界表面張力は35.0mN/m以上である。前記第2キャリアの前記コート層を構成する前記樹脂の臨界表面張力は30.0mN/m以下である。
本発明に係る画像形成方法は、第1現像及び第2現像を含む。前記第1現像では、現像部内の第1現像剤で静電潜像を現像する。前記第2現像では、前記第1現像の開始後、前記現像部内の現像剤の排出と前記現像部内への第2現像剤の補給とを行いつつ、前記現像部内の現像剤で静電潜像を現像する。前記第1現像剤は、第1トナー及び第1キャリアを含む。前記第2現像剤は、第2トナー及び第2キャリアを含む。前記第1キャリア及び前記第2キャリアはそれぞれ、キャリアコアと、前記キャリアコアの表面を覆うコート層とを備えるキャリア粒子を、複数含む。前記コート層は実質的に樹脂から構成される。前記第2キャリアの帯電付与性は、前記第1キャリアの帯電付与性よりも高い。前記第1キャリアの前記コート層を構成する前記樹脂の臨界表面張力は35.0mN/m以上である。前記第2キャリアの前記コート層を構成する前記樹脂の臨界表面張力は30.0mN/m以下である。
本発明によれば、連続印刷に用いられた場合に、初期におけるトナーの過剰な帯電(チャージアップ)を抑制するとともに、長期にわたって継続的にかぶりの発生を抑制して高画質の画像を形成し続けることができる現像剤セット、画像形成装置、及び画像形成方法を提供することが可能になる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。 図1に示す画像形成装置の現像部を示す図である。 図2中のIII−III断面図である。
本発明の実施形態について説明する。なお、粉体(より具体的には、トナー母粒子、外添剤、トナー、又はキャリア等)に関する評価結果(形状又は物性などを示す値)は、何ら規定していなければ、相当数の粒子について測定した値の個数平均である。また、粉体の個数平均粒子径は、何ら規定していなければ、顕微鏡を用いて測定された1次粒子の円相当径(粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。また、粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、ベックマン・コールター株式会社製の「コールターカウンターマルチサイザー3」を用いてコールター原理(細孔電気抵抗法)に基づき測定した値である。また、軟化点(Tm)は、何ら規定していなければ、高化式フローテスター(株式会社島津製作所製「CFT−500D」)を用いて測定した値である。以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。
本実施形態に係る現像剤セットは、トリクル現像方式の画像形成装置で用いられる。以下、図1〜図3を参照して、トリクル現像方式の画像形成装置の一例(画像形成装置100)について説明する。
画像形成装置100は、タンデム方式の電子写真装置である。図1に示すように、画像形成装置100は、現像装置11a〜11dと、感光体ドラム12a〜12dと、転写装置10と、定着装置17と、クリーニングローラー18とを備える。転写装置10は、転写ベルト13と、駆動ローラー14aと、従動ローラー14bと、テンションローラー14cと、1次転写ローラー15a〜15dと、2次転写ローラー16とを備える。転写ベルト13は、駆動ローラー14a、従動ローラー14b、及びテンションローラー14cに張架されている。転写ベルト13は、駆動ローラー14aにより駆動されて、図1中の矢印で示される方向に回転する。クリーニングローラー18は、転写ベルト13上に残留するトナーを除去する。画像形成装置100を用いて画像を形成する場合には、トナー及びキャリア(詳しくは、磁性キャリア)を含む現像剤を、現像装置11a〜11dの各々にセットする。現像装置11a〜11dはそれぞれ、画像形成装置100の現像部に相当する。なお、図示していないが、画像形成装置100は、各種センサーの出力に基づいて、画像形成装置100の動作を制御する制御部(例えば、CPU、メモリー、及びプログラム)と、ユーザーが画像形成装置100に指示を与えるための入力部(例えば、キーボード、マウス、又はタッチパネル)と、画像形成装置100が無線又は有線で他の装置と通信するための通信装置とを備える。
画像形成装置100は、画像データに基づいて感光体ドラム12a〜12dの各々の表層部(感光体層)に静電潜像を形成する。次に、形成された静電潜像を、現像装置11a〜11dの各々にセットされた現像剤(トナー及びキャリア)を用いて現像する。現像装置11a〜11dはそれぞれ、図2及び図3に示される構成を有する。以下、区別する必要がない場合(共通の性質などについて述べる場合)には、現像装置11a〜11dの各々を現像装置11と記載し、感光体ドラム12a〜12dの各々を感光体ドラム12と記載する。図2は、現像装置11の内部構成を示す断面図である。図3は、図2中のIII−III断面図である。
図2及び図3に示すように、現像装置11は、現像ローラー111と、磁気ローラー112と、第1攪拌シャフト113と、第2攪拌シャフト114とを備える。また、現像装置11は、搬送部R1と、収容部R2及びR3とを有する。搬送部R1は、現像ローラー111及び磁気ローラー112を収容する。また、収容部R2は第1攪拌シャフト113を収容し、収容部R3は第2攪拌シャフト114を収容する。現像ローラー111は、感光体ドラム12の近傍に配置される。図2に示す例では、現像ローラー111と感光体ドラム12との間に、隙間が設けられている。
現像装置11(現像部)は、トナーで静電潜像を現像するように構成される。初期(未使用状態)の画像形成装置100において、収容部R2及びR3はそれぞれ、初期トナー(第1トナー)及び初期キャリア(第1キャリア)を含む初期現像剤(第1現像剤)を収容している。現像ローラー111及び磁気ローラー112がそれぞれ、図2中に示される矢印の方向に回転することで、収容部R2にある現像剤が感光体ドラム12に搬送される。
現像装置11には、補給用現像剤コンテナ115が設けられている。補給用現像剤コンテナ115(現像剤補給部)は、補給用トナー(第2トナー)及び補給用キャリア(第2キャリア)を含む補給用現像剤(第2現像剤)を現像装置11内へ補給するように構成される。補給用現像剤コンテナ115は補給用現像剤を収容している。補給用現像剤コンテナ115内の補給用現像剤は、現像装置11(例えば、収容部R3)に供給される。補給用現像剤コンテナ115は、補給量調整部材115aを備える。現像剤の補給量(補給用現像剤コンテナ115から現像装置11へ供給される量)は、補給量調整部材115aによって制御できる。補給量調整部材115aは、例えば、制御部により回転動作を制御されるスクリューシャフトから構成される。例えば、スクリューシャフトの回転量に応じて現像剤の補給量が変わるようにしてもよい。補給用現像剤コンテナ115は、補給用現像剤コンテナ115内の補給用現像剤を攪拌するための攪拌装置を備えてもよい。
現像装置11(収容部R3)は、排出路116を介して、図示しない回収容器に連結されている。収容部R3にある現像剤は、排出路116を通って回収容器に移動できる。現像剤の排出量(回収容器へ排出される量)は、例えば、第2攪拌シャフト114の回転量に応じて変わるようにしてもよい。また、現像装置11(収容部R3)の排出口に排出量調整部材(例えば、排出口から排出路116へ流れ出る流量を調整するためのスクリューシャフト、又は排出口の開口面積を可変とする開閉装置)を設けてもよい。
第1攪拌シャフト113及び第2攪拌シャフト114はそれぞれ、螺旋状の攪拌羽根を有する。第1攪拌シャフト113及び第2攪拌シャフト114は、現像装置11内(詳しくは、収容部R2及びR3)の現像剤を攪拌しながら、互いに逆方向に現像剤を搬送する。現像剤が攪拌されることで、現像剤中のトナーは摩擦帯電し、現像剤中のキャリアはトナーを担持する。
磁気ローラー112は磁石を内蔵する。磁気ローラー112は、図2中の矢印の方向に回転しながら、収容部R2にあるキャリアを磁力により引き付けて、表面に現像剤(キャリア及びトナー)を担持する。また、現像ローラー111及び磁気ローラー112にそれぞれバイアス(電圧)が印加されることで、両者の表面電位の間に電位差が生じる。この電位差によって、磁気ローラー112に担持された現像剤中のトナーが現像ローラー111に移動し、現像ローラー111の表面に担持される。さらに、現像ローラー111及び感光体ドラム12にそれぞれバイアス(電圧)が印加されることで、両者の表面電位の間に電位差が生じる。この電位差によって、現像ローラー111に担持されたトナーが感光体ドラム12に移動し易くなる。現像ローラー111に担持されたトナーは、感光体ドラム12に形成された静電潜像における逆極性の部位に電気的に引き付けられて、感光体ドラム12に向かって飛翔する。その結果、感光体ドラム12の表面にトナー像が形成される。
図1を参照して説明を続ける。上記のように、画像形成装置100では、現像装置11a、11b、11c、11dがそれぞれ、感光体ドラム12a、12b、12c、12d(それぞれ静電潜像担持体)に形成された静電潜像を現像する。画像形成装置100は、各感光体ドラム12にトナー像を形成した後、1次転写ローラー15a〜15dの各々にバイアス(電圧)をかけて、感光体ドラム12a〜12dの各々に付着したトナー(トナー像)を転写ベルト13(中間転写体)に転写(1次転写)する。さらに、2次転写ローラー16にバイアス(電圧)をかけることにより、転写ベルト13上のトナー像を、搬送される記録媒体P(被転写体)に転写(2次転写)する。その後、定着装置17が、トナーを加熱して、記録媒体Pにトナーを定着させる。これにより、記録媒体Pに画像が形成される。
画像形成装置100は、複数の感光体ドラム12a〜12dを備える。このため、画像形成装置100は、1次転写工程において、複数の感光体ドラム12a〜12dの各々に形成されたトナー像を順次、転写ベルト13に転写することにより、転写ベルト13上に、複数種のトナー像(例えば、異なる色のトナー像)を重ねることができる。また、画像形成装置100では、2次転写工程において、転写ベルト13上に重ねたトナー像を記録媒体Pに一括転写することができる。例えば、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの4色のトナー像を重ね合わせることで、フルカラー画像を形成することができる。記録媒体Pとしては、例えば印刷用紙を用いることができる。
画像形成装置100による画像形成方法の好適な例について説明する。画像形成方法は、次に示すような第1現像及び第2現像を含むことが好ましい。第1現像では、現像装置11内の第1現像剤(初期現像剤)で静電潜像を現像する。第2現像では、第1現像の開始後、現像装置11内の現像剤の排出と現像装置11内への第2現像剤(補給用現像剤)の補給とを行いつつ、現像装置11内の現像剤で静電潜像を現像する。
画像形成装置100は、現像装置11内の初期現像剤による静電潜像の現像を開始した後、現像装置11内の現像剤の排出(排出路116への排出)と、補給用現像剤コンテナ115から現像装置11内への現像剤(補給用現像剤)の補給とを行いつつ、現像装置11内の現像剤で静電潜像を現像するように構成される。例えば、画像形成中(又は、画像形成後)において、現像装置11内へトナーと一緒にキャリアも補給し、補給により過剰になった分だけ現像装置11内のキャリアを排出してもよい。あるいは、画像形成中(又は、画像形成後)において、現像装置11内の現像剤を所定の量(例えば、トナー消費量に基づいて定まる量)ずつ排出し、排出した分を補うだけの新しい現像剤(補給用現像剤)を現像装置11内へ補給してもよい。画像形成中(又は、画像形成後)に現像装置11内のキャリアの交換が行われることで、現像装置11内のキャリアが過度に劣化することを抑制できる。また、キャリアの過度な劣化が抑制されることで、現像装置11内のキャリアの交換回数を低減することができる。初期トナーと補給用トナーとは、互いに同じトナーであってもよいし、異なるトナーであってもよい。ただし、特殊な画像形成装置を用いずに安定して好適な画像の形成を行うためには、初期トナーと補給用トナーとが互いに同じトナーであることが好ましい。なお、2以上のトナーが同じであることは、それらトナーが互換性を有するほどに、それらトナーの間に実質的に性質上の差異がないことを意味する。
本実施形態に係る現像剤セットは、次に示す構成(以下、基本構成と記載する)を有する。なお、本実施形態に係る現像剤セットの適用対象は、前述の画像形成装置100に限られない。本実施形態に係る現像剤セットは、任意のトリクル現像方式の画像形成装置に適用できる。例えば、画像形成装置100における磁気ローラー112(図2)がないタイプの画像形成装置に、本実施形態に係る現像剤セットを適用してもよい。
(現像剤セットの基本構成)
現像剤セットが、初期現像剤として、第1トナー及び第1キャリアを含む第1現像剤を含む。現像剤セットが、補給用現像剤として、第2トナー及び第2キャリアを含む第2現像剤を含む。第1キャリア及び第2キャリアはそれぞれ、キャリアコア及びコート層を備えるキャリア粒子を、複数含む。コート層は、キャリアコアの表面を覆っている。コート層は実質的に樹脂から構成される。第2キャリアの帯電付与性は、第1キャリアの帯電付与性よりも高い。第1キャリアのコート層を構成する樹脂の臨界表面張力は35.0mN/m以上である。第2キャリアのコート層を構成する樹脂の臨界表面張力は30.0mN/m以下である。なお、初期現像剤は、未使用状態(例えば、製品販売時)で現像部に収容されている現像剤である。補給用現像剤は、初期現像剤の使用開始後に現像部内へ補給される現像剤である。臨界表面張力は、ジスマン(Zisman)法によって算出される値である。コート層が2種以上の樹脂を含有する場合、コート層を構成する樹脂の臨界表面張力は、コート層を構成する全ての樹脂の総合的な臨界表面張力に相当する。
現像部内の現像剤に含まれるトナー及びキャリアのうち、トナーは、画像を形成するために消費される。したがって、画像形成装置の現像剤補給部(例えば、図1に示される補給用現像剤コンテナ115)においては、現像部内よりも、キャリアに対するトナーの比率が大きくなると考えられる。例えば、安定して高画質の画像を形成するためには、現像剤(トナー及びキャリア)におけるトナーの割合(=100×トナーの質量/現像剤全部の質量)が、初期現像剤では5質量%以上15質量%以下であり、補給用現像剤では80質量%以上97質量%以下であることが好ましいと考えられる。このため、現像剤補給部で補給用現像剤が攪拌されると、補給用キャリアに補給用トナーが付着し易い。キャリアにトナーが付着すると、キャリアの帯電付与性が低下する(キャリアがトナーを帯電させにくくなる)傾向がある。
上記基本構成を有する現像剤セットでは、第1キャリア(初期キャリア)のキャリア粒子と第2キャリア(補給用キャリア)のキャリア粒子とがそれぞれ、キャリアコア及びコート層を備える。コート層がキャリアコアの表面を覆うことで、キャリアの耐久性が向上すると考えられる。また、上記基本構成を有する現像剤セットでは、第1キャリア(初期キャリア)のコート層を構成する樹脂の臨界表面張力(以下、臨界表面張力STAと記載する場合がある)が、第2キャリア(補給用キャリア)のコート層を構成する樹脂の臨界表面張力(以下、臨界表面張力STBと記載する場合がある)よりも大きい。詳しくは、臨界表面張力STAは35.0mN/m以上であり、臨界表面張力STBは30.0mN/m以下である。コート層を構成する樹脂の臨界表面張力が小さいほど、コート層の付着性は弱くなる傾向がある。第2キャリア(補給用キャリア)のキャリアコアを十分付着性の弱いコート層で覆うことで、トナー付着によるキャリアの劣化(性能低下)を抑制できる。臨界表面張力STBが大き過ぎる場合には、連続印刷後(例えば、30万枚の連続印刷後)のトナーの帯電量が不十分になる傾向がある。初期現像剤に関しては、第1キャリア(初期キャリア)の帯電付与性を第2キャリアの帯電付与性よりも低くすることで、トナーが過剰に帯電されることを抑制することが可能になる。また、臨界表面張力STAが35.0mN/m以上であることで、第1キャリア(初期キャリア)の帯電付与性を適度な大きさに調整し易くなる。このため、上記基本構成を有する現像剤セットは、連続印刷に用いられた場合に、初期におけるトナーの過剰な帯電(チャージアップ)を抑制するとともに、長期にわたって継続的にかぶりの発生を抑制して高画質の画像を形成し続けることができる。なお、現像剤セットの製造容易性(詳しくは、コスト的又は技術的な製造容易性)の観点からは、臨界表面張力STAが50.0mN/m以下であることが好ましい。また、現像剤セットの製造容易性(詳しくは、コスト的又は技術的な製造容易性)の観点からは、臨界表面張力STBが10.0mN/m以上であることが好ましい。
長期にわたって継続的に高画質の画像を形成するためには、上記基本構成において、ボールミルを用いて第2キャリア(補給用キャリア)と評価用トナーとを30分間混合した場合の評価用トナーの帯電量(以下、帯電量QBと記載する場合がある)から、ボールミルを用いて第1キャリア(初期キャリア)と評価用トナーとを30分間混合した場合の評価用トナーの帯電量(以下、帯電量QAと記載する場合がある)を引いた帯電量差(以下、帯電量差QB−QAと記載する場合がある)が+3.5μC/g以上+15.0μC/g以下であることが好ましい。帯電量差QB−QAは、第1キャリアの帯電付与性と第2キャリアの帯電付与性との差を示す。帯電量差QB−QAが正の値であることは、第2キャリアの帯電付与性が第1キャリアの帯電付与性よりも高いことを示す。第1キャリアの帯電付与性と第2キャリアの帯電付与性との差を適切な大きさにすることで、初期においても、長期の印刷においても、高画質の画像を形成し易くなる。なお、帯電量差QB−QAの測定方法は、後述する実施例と同じ方法又はその代替方法である。
長期にわたって継続的に高画質の画像を形成するためには、上記基本構成において、臨界表面張力STAから臨界表面張力STBを引いた臨界表面張力差(以下、臨界表面張力差STA−STBと記載する場合がある)が+5.0mN/m以上+20.0mN/m以下であることが好ましい。臨界表面張力差STA−STBが大きくなるほど、第1キャリア(初期キャリア)と第2キャリア(補給用キャリア)との間でコート層の付着性が大きく異なる(第2キャリアのコート層よりも第1キャリアのコート層の方が付着し易くなる)傾向がある。臨界表面張力差STA−STBを適切な大きさにすることで、初期においても、長期の印刷においても、高画質の画像を形成し易くなる。
上記基本構成に規定される臨界表面張力の要件を満たすためには、第1キャリア(初期キャリア)のコート層に含有される樹脂のうち、5質量%以上50質量%未満の樹脂がフッ素含有樹脂であり、第2キャリア(補給用キャリア)のコート層に含有される樹脂のうち、50質量%以上95質量%以下の樹脂がフッ素含有樹脂であることが好ましい。
現像剤に含まれるトナーは、複数のトナー粒子を含む。トナー粒子は、外添剤を備えていてもよい。トナー粒子が外添剤を備える場合には、トナー粒子はトナー母粒子と外添剤とを備える。外添剤はトナー母粒子の表面に付着する。トナー母粒子は、結着樹脂を含有する。必要に応じて、トナー母粒子の結着樹脂中に内添剤(例えば、離型剤、着色剤、電荷制御剤、及び磁性粉の少なくとも1つ)を分散させてもよい。なお、必要がなければ外添剤を割愛してもよい。外添剤を割愛する場合には、トナー母粒子がトナー粒子に相当する。トナーに含まれるトナー粒子は、シェル層を備えないトナー粒子(以下、非カプセルトナー粒子と記載する)であってもよいし、シェル層を備えるトナー粒子(以下、カプセルトナー粒子と記載する)であってもよい。非カプセルトナー粒子のトナー母粒子(トナーコア)の表面にシェル層を形成することで、カプセルトナー粒子を製造することができる。シェル層は、実質的に熱硬化性樹脂(例えば、後述する好適な熱硬化性樹脂)のみからなってもよいし、実質的に熱可塑性樹脂(例えば、後述する好適な熱可塑性樹脂)のみからなってもよいし、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との両方を含有してもよい。
高画質の画像を形成するためには、トナーの体積中位径(D50)が6μm以上9μm以下であることが好ましい。
非カプセルトナー粒子は、例えば粉砕法又は凝集法により作製できる。これらの方法は、非カプセルトナー粒子の結着樹脂中に内添剤を良好に分散させ易い。
粉砕法の一例では、まず、結着樹脂、着色剤、電荷制御剤、及び離型剤を混合する。続けて、得られた混合物を、溶融混練装置(例えば、1軸又は2軸の押出機)を用いて溶融混練する。続けて、得られた溶融混練物を粉砕及び分級する。これにより、トナー母粒子が得られる。粉砕法を用いた場合には、凝集法を用いた場合よりも容易にトナー母粒子を作製できることが多い。
凝集法の一例では、まず、結着樹脂、離型剤、及び着色剤の各々の微粒子を含む水性媒体中で、これらの微粒子を所望の粒子径になるまで凝集させる。これにより、結着樹脂、離型剤、及び着色剤を含む凝集粒子が形成される。続けて、得られた凝集粒子を加熱して、凝集粒子に含まれる成分を合一化させる。これにより、所望の粒子径を有するトナー母粒子が得られる。
カプセルトナー粒子を製造する場合、シェル層の形成方法は任意である。例えば、in−situ重合法、液中硬化被膜法、及びコアセルベーション法のいずれの方法を用いて、シェル層を形成してもよい。
トナー粒子及びキャリア粒子の各々を構成する樹脂の好適な例を以下に示す。
<好適な熱可塑性樹脂>
トナー粒子(特に、トナーコア及びシェル層)及びキャリア粒子(特に、キャリアコア及びコート層)の各々を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル酸系樹脂(より具体的には、アクリル酸エステル重合体又はメタクリル酸エステル重合体等)、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂等)、ビニル樹脂(より具体的には、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、又はN−ビニル樹脂等)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、又はウレタン樹脂を好適に使用できる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち上記樹脂中に任意の繰返し単位が導入された共重合体(より具体的には、スチレン−アクリル酸系樹脂又はスチレン−ブタジエン系樹脂等)も、トナー粒子及びキャリア粒子の各々を構成する熱可塑性樹脂として好適に使用できる。
熱可塑性樹脂は、1種以上の熱可塑性モノマーを、付加重合、共重合、又は縮重合させることで得られる。なお、熱可塑性モノマーは、単独重合により熱可塑性樹脂になるモノマー(より具体的には、アクリル酸系モノマー又はスチレン系モノマー等)、又は縮重合により熱可塑性樹脂になるモノマー(例えば、縮重合によりポリエステル樹脂になるアルコール及びカルボン酸)である。ポリエステル樹脂は、1種以上のアルコールと1種以上のカルボン酸とを縮重合させることで得られる。スチレン−アクリル酸系樹脂は、1種以上のスチレン系モノマーと1種以上のアクリル酸系モノマーとの共重合体である。
<好適な熱硬化性樹脂>
トナー粒子(特に、シェル層)及びキャリア粒子(特に、キャリアコア及びコート層)の各々を構成する熱硬化性樹脂としては、例えば、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、スルホンアミド系樹脂、グリオキザール系樹脂、グアナミン系樹脂、アニリン系樹脂、ポリイミド樹脂(より具体的には、マレイミド重合体又はビスマレイミド重合体等)、キシレン系樹脂、又はエポキシ樹脂を好適に使用できる。
熱硬化性樹脂は、1種以上の熱硬化性モノマーを架橋反応(重合)させることで得られる。また、架橋剤を用いることで、熱可塑性モノマーにより熱硬化性樹脂を合成することもできる。なお、熱硬化性モノマーは、架橋性を有するモノマーである。例えば、同種のモノマー同士が「−CH2−」を介して3次元的につながって熱硬化性樹脂になる場合、そのモノマーは「熱硬化性モノマー」に相当する。
熱硬化性モノマーの好適な例としては、メチロールメラミン、メラミン、メチロール化尿素(より具体的には、ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素等)、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、又はスピログアナミンが挙げられる。
次に、非カプセルトナー粒子(トナー母粒子及び外添剤)及びキャリア粒子(キャリアコア及びコート層)の各々の構成の好適な例について説明する。
[トナー母粒子]
トナー母粒子は、結着樹脂を含有する。また、トナー母粒子は、内添剤(例えば、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉)を含有してもよい。
(結着樹脂)
トナー母粒子では、一般的に、成分の大部分(例えば、85質量%以上)を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナー母粒子の全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。トナーの耐熱保存性及び低温定着性の両立を図るためには、トナー母粒子が、結着樹脂として、前述の好適な熱可塑性樹脂を含有することが好ましく、ポリエステル樹脂及びスチレン−アクリル酸系樹脂の少なくとも一方を含有することが特に好ましい。
(着色剤)
トナー母粒子は、着色剤を含有してもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。トナーを用いて高画質の画像を形成するためには、着色剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナー母粒子は、黒色着色剤を含有していてもよい。黒色着色剤の例としては、カーボンブラックが挙げられる。また、黒色着色剤は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色された着色剤であってもよい。
トナー母粒子は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、又はシアン着色剤のようなカラー着色剤を含有していてもよい。
イエロー着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、及びアリールアミド化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。イエロー着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、又は194)、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、又はC.I.バットイエローを好適に使用できる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及びペリレン化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。マゼンタ着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、又は254)を好適に使用できる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、アントラキノン化合物、及び塩基染料レーキ化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。シアン着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、又は66)、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、又はC.I.アシッドブルーを好適に使用できる。
(離型剤)
トナー母粒子は、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えば、トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させる目的で使用される。トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましい。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、又はフィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素ワックス;酸化ポリエチレンワックス又はそのブロック共重合体のような脂肪族炭化水素ワックスの酸化物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、又はライスワックスのような植物性ワックス;みつろう、ラノリン、又は鯨ろうのような動物性ワックス;オゾケライト、セレシン、又はペトロラタムのような鉱物ワックス;モンタン酸エステルワックス又はカスターワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような、脂肪酸エステルの一部又は全部が脱酸化したワックスを好適に使用できる。1種類の離型剤を単独で使用してもよいし、複数種の離型剤を併用してもよい。
結着樹脂と離型剤との相溶性を改善するために、相溶化剤をトナー母粒子に添加してもよい。
(電荷制御剤)
トナー母粒子は、電荷制御剤を含有していてもよい。電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電可能か否かの指標になる。
トナー母粒子に正帯電性の電荷制御剤を含有させることで、トナー母粒子のカチオン性を強めることができる。ただし、トナーにおいて十分な帯電性が確保される場合には、トナー母粒子に電荷制御剤を含有させる必要はない。
(磁性粉)
トナー母粒子は、磁性粉を含有していてもよい。磁性粉の材料としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、又はニッケル等)もしくはその合金、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、マグネタイト、又は二酸化クロム等)、又は強磁性化処理(より具体的には、熱処理等)が施された材料を好適に使用できる。1種類の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。
磁性粉からの金属イオン(例えば、鉄イオン)の溶出を抑制するためには、磁性粉を表面処理することが好ましい。酸性条件下でトナー母粒子の表面にシェル層を形成する場合に、トナー母粒子の表面に金属イオンが溶出すると、トナー母粒子同士が固着し易くなる。磁性粉からの金属イオンの溶出を抑制することで、トナー母粒子同士の固着を抑制することができると考えられる。
[外添剤]
トナー母粒子の表面に外添剤が付着していてもよい。外添剤としては、無機粒子が好ましく、シリカ粒子、又は金属酸化物(より具体的には、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、又はチタン酸バリウム等)の粒子が特に好ましい。無機粒子の表面を、疎水化剤を用いて疎水化処理してもよい。疎水化剤としては、例えば、シラン化合物(より具体的には、アミノシラン等)、シラザン化合物(より具体的には、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)等)、シリコーンオイル、チタンネートカップリング剤、又はシランカップリング剤を好適に使用できる。
[キャリア粒子]
本実施形態に係る現像剤セットは、前述の基本構成を有する。第1キャリア(初期キャリア)のキャリア粒子と第2キャリア(補給用キャリア)のキャリア粒子とはそれぞれ、キャリアコア及びコート層を備える。
キャリアの電気抵抗が低いほどキャリアの帯電付与性が低くなる傾向がある。キャリア粒子の電気抵抗を低くするために、コート層に導電性材料を添加してもよい。コート層に含有される導電性材料の量を変えることで、キャリア粒子の電気抵抗を調整できる。また、キャリアコアを覆うコート層の量(ひいては、コート層の厚さ又は被覆率等)を変えることによっても、キャリア粒子の電気抵抗を調整できる。
(キャリアコア)
キャリアコアは、磁性材料を含むことが好ましい。キャリアコアに含まれる磁性材料としては、例えば、マグネタイト、バリウムフェライト、マグヘマイト、Mn−Znフェライト、Ni−Znフェライト、Mn−Mgフェライト、Ca−Mgフェライト、Liフェライト、又はCu−Znフェライトのような金属酸化物が好ましく、マグネタイトが特に好ましい。個々のキャリアコアの材料として、1種類の磁性材料を単独で使用してもよいし、2種以上の磁性材料を併用してもよい。キャリアコアとしては、市販品を使用してもよい。また、磁性材料を粉砕及び焼成してキャリアコアを自作してもよい。
キャリアコアの結着樹脂中に、上記磁性材料の粒子を分散させてもよい。キャリアコアの結着樹脂としては、例えば、前述した好適な熱可塑性樹脂及び好適な熱硬化性樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂を使用できる。
(コート層)
コート層は、キャリアコアを被覆するように、キャリアコアの表面に形成される。コート層の形成方法の例としては、樹脂を含む液にキャリアコアを浸漬する方法、又は、樹脂を含む液を流動層中のキャリアコアに噴霧する方法が挙げられる。
コート層を構成する樹脂は、絶縁性樹脂であることが好ましい。コート層を構成する樹脂としては、熱可塑性樹脂(より具体的には、前述した好適な熱可塑性樹脂等)を使用してもよいし、熱硬化性樹脂(より具体的には、前述した好適な熱硬化性樹脂等)を使用してもよい。また、熱可塑性樹脂と硬化剤とを混合することにより、熱可塑性樹脂に架橋性を付与してもよい。
前述の基本構成に規定される臨界表面張力の要件を満たすためには、コート層が2種以上の樹脂を含有することが好ましい。異なる臨界表面張力を有する2種以上の樹脂でコート層が構成されることで、コート層を構成する樹脂の臨界表面張力(コート層を構成する全ての樹脂の総合的な臨界表面張力)を調整し易くなる。コート層は海島構造を有していてもよい。
前述の基本構成に規定される臨界表面張力の要件を満たすためには、第1キャリアのコート層が、ポリエチレンテレフタレート、ポリメタクリル酸メチル、及びエポキシ樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂を含有することが好ましい。これらの樹脂はそれぞれ、比較的大きい臨界表面張力を有する。
前述の基本構成に規定される臨界表面張力の要件を満たすためには、第2キャリアのコート層が、フッ素含有樹脂及びシリコーン樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂を含有することが好ましい。フッ素含有樹脂及びシリコーン樹脂はそれぞれ、比較的小さい臨界表面張力を有する。フッ素含有樹脂としては、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリトリフルオロエチレン(より具体的には、ポリクロロトリフルオロエチレン等)、ポリヘキサフルオロプロピレン、及びテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)からなる群より選択される1種以上の樹脂が特に好ましい。シリコーン樹脂としては、メチルシリコーン樹脂が特に好ましい。
本発明の実施例について説明する。表1に、実施例又は比較例に係る現像剤セットS−1〜S−7(それぞれ初期現像剤及び補給用現像剤を含む現像剤セット)を示す。表1中の「フッ素樹脂含有率(単位:質量%)」は、初期キャリア又は補給用キャリアのコート層を構成する樹脂中のフッ素含有樹脂の割合(=100×フッ素含有樹脂の質量/樹脂全部の質量)を示している。
Figure 0006436061
以下、現像剤セットS−1〜S−7の製造方法、評価方法、及び評価結果について、順に説明する。なお、誤差が生じる評価においては、誤差が十分小さくなる相当数の測定値を得て、得られた測定値の算術平均を評価値とした。
現像剤セットS−1〜S−7の各々について、コート層を構成する樹脂の臨界表面張力をジスマン(Zisman)法によって算出した。詳しくは、下記のようにして、樹脂の臨界表面張力を求めた。
<臨界表面張力の測定方法>
平板上に試料(樹脂)の膜を形成した。続けて、形成された樹脂の膜上で、既知の表面張力γLを有する各液体(純水、ジヨードメタン、1−ブロモナフタレン)の接触角θを測定し、測定された接触角θからcosθを求めた。純水、ジヨードメタン、及び1−ブロモナフタレンの各々の表面張力γL及びcosθをX−Y平面(X軸:表面張力γL、Y軸:cosθ)上にプロットして、プロットされたデータから最小二乗法により1次関数のグラフ(近似直線:Y=aX+b)を得た。そして、得られたグラフから樹脂の臨界表面張力を読み取った。詳しくは、cosθ(Y座標)が1になるときの表面張力γL(X座標)が試料(樹脂)の臨界表面張力に相当する。
[トナーの準備]
(トナー母粒子の作製)
ビスフェノールA−EO(エチレンオキサイド)付加物1モル部と、テレフタル酸4.5モル部と、無水トリメリット酸0.5モル部とを、反応容器に入れた。続けて、窒素雰囲気中、触媒(酸化ジブチル錫4g)の存在下、温度230℃で、容器内容物を8時間反応させた。続けて、減圧雰囲気(圧力8.3kPa)で未反応分を留去した後、洗浄工程及び乾燥工程を経て、軟化点(Tm)120℃のポリエステル樹脂を得た。
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて、結着樹脂(上記のようにして合成したポリエステル樹脂)100質量部と、カーボンブラック(キャボット社製「REGAL(登録商標)330R」)5質量部と、カルナバワックス(株式会社加藤洋行製「カルナウバワックス1号」)10質量部と、ポリマー型正帯電性電荷制御剤(藤倉化成株式会社製「アクリベ−ス(登録商標)FCA−201−PS」、成分:4級アンモニウム塩由来の繰返し単位を含むスチレン−アクリル酸系樹脂)3質量部とを混合した。
続けて、得られた混合物を、2軸押出機(東芝機械株式会社製「TEM−45」)を用いて150℃で溶融混練した。続けて、得られた混練物を冷却した後、衝撃型スクリーン式微粉砕機(ホソカワミクロン株式会社製「フェザーミル(登録商標)」350×600型)を用いて粗粉砕した。続けて、得られた粗粉砕物を、超音速ジェット粉砕機(日本ニューマチック工業株式会社製「ジェットミルIDS−2」)を用いて微粉砕した。続けて、得られた微粉砕物を、分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて分級した。その結果、体積中位径(D50)7μmのトナー母粒子が得られた。
(シリカ粒子の作製)
超音速ジェット粉砕機(日本ニューマチック工業株式会社製「ジェットミルIDS−2」)を用いて、シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)RA−200H」)を解砕した。解砕されたシリカ粒子を密閉型FMミキサー(日本コークス工業株式会社製)に入れて、シリカ粒子に向けてスプレーで疎水化処理剤(3−アミノプロピルトリエトキシシランとジメチルシリコーンオイルとを質量比1:1で含有する液)20質量部を均一に散布した。続けて、密閉型FMミキサーを用いて、シリカ粒子と疎水化処理剤とを混合しながら110℃で2時間反応させて、シリカ粒子の表面を疎水化処理した。続けて、減圧処理して副反応生成物を除去した後、さらに200℃の熱処理を1時間行って、疎水性シリカ粒子を得た。
(酸化チタン粒子の作製)
塩素法によって生成した四塩化チタンと酸素ガスとの混合物を気相酸化反応器に導入した。続けて、反応器内において、温度1000℃で混合物を気相酸化反応させることによって、酸化チタン(バルク)を得た。得られた酸化チタン(バルク)をハンマーミルを用いて粉砕した。続けて、得られた酸化チタンの粉砕物を、洗浄した後、温度110℃で乾燥させた。さらに、乾燥した酸化チタンの粉砕物を、ジェットミルを用いて解砕した。その結果、酸化チタン微粒子(気相法による酸化チタン)が得られた。
続けて、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて、得られた酸化チタン微粒子100質量部とイソプロピルトリイソステアロイルチタネート2.6質量部とを攪拌速度40m/秒で混合しながら温度130℃でカップリング反応させることにより、酸化チタン微粒子を表面処理した。続けて、表面処理された酸化チタン微粒子を、乾燥させた後、解砕した。その結果、電気抵抗率1.0×109Ω・cm、メタノール疎水化度35%の酸化チタン微粒子が得られた。なお、酸化チタン微粒子の電気抵抗率は製造条件によって変動し易いため、所望の電気抵抗率を有する酸化チタン微粒子が得られるまで繰り返し酸化チタン微粒子を作製した。
続けて、得られた酸化チタン微粒子にスズアンチモン処理を施した。詳しくは、得られた酸化チタン微粒子を水に分散させて、酸化チタン微粒子の100g/L懸濁液を調製した。続けて、得られた酸化チタン懸濁液を70℃に加熱した。さらに、塩化スズ(SnCl4・5H2O)2gと塩化アンチモン(SbCl2)0.1gとを2Nの塩酸水溶液50mLに溶解させた溶液と、濃度10質量%の水酸化ナトリウム水溶液とを、酸化チタン懸濁液のpHが2〜3に維持されるように、酸化チタン懸濁液に1時間かけて添加した。その結果、酸化チタン懸濁液中で、酸化スズ及び酸化アンチモンの各々の水和物から構成される導電層が、酸化チタン微粒子の表面に形成された。
その後、酸化チタン懸濁液をろ過(固液分離)し、得られた酸化チタン微粒子を洗浄した。続けて、洗浄された酸化チタン微粒子を温度600℃で焼成した。続けて、ジェットミル(日本ニューマチック工業株式会社製)を用いて、焼成された酸化チタン微粒子を解砕した。その結果、電気抵抗率50Ω・cm、かつ、親水性の酸化チタン粒子が得られた。
(外添)
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)を用いて、トナー母粒子(前述の手順で作製したトナー母粒子)100質量部と、シリカ粒子(前述の手順で作製したシリカ粒子)1.5質量部と、酸化チタン粒子(前述の手順で作製した酸化チタン粒子)1.0質量部とを、回転速度3500rpmで5分間混合することにより、トナー母粒子の表面に外添剤(シリカ粒子及び酸化チタン粒子)を付着させた。その後、得られたトナーを、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて篩別した。その結果、トナー粒子(非カプセルトナー粒子)を多数含むトナーが得られた。
[初期現像剤の準備]
初期トナー(上記のようにして得たトナー)10質量部と、初期キャリア(現像剤セットS−1〜S−7の各々に定められた、表1に示されるキャリアA−1〜A−3のいずれか)100質量部とを、ボールミルを用いて30分間混合して、初期現像剤(2成分現像剤)を調製した。
(キャリアA−1の作製)
エポキシ樹脂16質量部と、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)4質量部とを、それぞれトルエン200質量部に溶解させて、樹脂溶液220質量部を得た。続けて、流動層コーティング装置(フロイント産業株式会社製「スパイラフロー(登録商標)SFC−5」)を用いて、ノンコートフェライトコア(パウダーテック株式会社製「EF−35B」)1000質量部に対して上記樹脂溶液の全量(220質量部)を噴霧により塗布した後、200℃で60分間熱処理を行った。その結果、個数平均1次粒子径35μmのキャリアA−1が得られた。キャリアA−1に含まれるキャリア粒子はそれぞれ、キャリアコア(フェライトコア)と、キャリアコアの表面を覆うコート層(樹脂層)とを備えていた。キャリアA−1のコート層を構成する樹脂の臨界表面張力は39.5mN/mであった。
(キャリアA−2の作製)
キャリアA−2の作製方法は、エポキシ樹脂16質量部の代わりにポリエステル樹脂17質量部を使用し、FEP4質量部の代わりにPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)3質量部を使用した以外は、キャリアA−1の作製方法と同じであった。キャリアA−2のコート層を構成する樹脂の臨界表面張力は35.1mN/mであった。
(キャリアA−3の作製)
キャリアA−3の作製方法は、エポキシ樹脂16質量部の代わりにポリエステル樹脂17質量部を使用し、FEP4質量部の代わりにPTFE3質量部を使用した以外は、キャリアA−1の作製方法と同じであった。キャリアA−3のコート層を構成する樹脂の臨界表面張力は34.9mN/mであった。
[補給用現像剤の準備]
補給用トナー(前述の手順で作製したトナー)100質量部と、補給用キャリア(現像剤セットS−1〜S−7の各々に定められた、表1に示されるキャリアA−1及びB−1〜B−5のいずれか)10質量部とを、ボールミルを用いて30分間混合して、補給用現像剤(2成分現像剤)を調製した。
(キャリアB−1の作製)
エポキシ樹脂4質量部と、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)16質量部とを、それぞれトルエン200質量部に溶解させて、樹脂溶液220質量部を得た。続けて、流動層コーティング装置(フロイント産業株式会社製「スパイラフローSFC−5」)を用いて、ノンコートフェライトコア(パウダーテック株式会社製「EF−35B」)1000質量部に対して上記樹脂溶液の全量(220質量部)を噴霧により塗布した後、200℃で60分間熱処理を行った。その結果、個数平均1次粒子径35μmのキャリアB−1が得られた。キャリアB−1に含まれるキャリア粒子はそれぞれ、キャリアコア(フェライトコア)と、キャリアコアの表面を覆うコート層(樹脂層)とを備えていた。キャリアB−1のコート層を構成する樹脂の臨界表面張力は23.0mN/mであった。
(キャリアB−2の作製)
キャリアB−2の作製方法は、エポキシ樹脂の量を4質量部から8質量部に変更し、FEPの量を16質量部から12質量部に変更した以外は、キャリアB−1の作製方法と同じであった。キャリアB−2のコート層を構成する樹脂の臨界表面張力は29.1mN/mであった。
(キャリアB−3の作製)
キャリアB−3の作製方法は、エポキシ樹脂の量を4質量部から6.4質量部に変更し、FEPの量を16質量部から9.6質量部に変更した以外は、キャリアB−1の作製方法と同じであった。キャリアB−3のコート層を構成する樹脂の臨界表面張力は29.1mN/mであった。
(キャリアB−4の作製)
キャリアB−4の作製方法は、エポキシ樹脂4質量部の代わりにポリエステル樹脂16質量部を使用し、FEPの量を16質量部から4質量部に変更した以外は、キャリアB−1の作製方法と同じであった。キャリアB−4のコート層を構成する樹脂の臨界表面張力は30.7mN/mであった。
(キャリアB−5の作製)
キャリアB−5の作製方法は、エポキシ樹脂4質量部の代わりにポリエステル樹脂17.6質量部を使用し、FEPの量を16質量部から4.4質量部に変更した以外は、キャリアB−1の作製方法と同じであった。キャリアB−5のコート層を構成する樹脂の臨界表面張力は30.7mN/mであった。
上記のようにして得られたキャリアA−1〜A−3及びB−1〜B−5の各々に関して、帯電付与性(トナーの帯電量)の測定結果は、表1に示すとおりであった。各キャリアの帯電付与性の測定方法は、次に示すとおりであった。
<帯電付与性の測定方法>
試料(キャリア)100質量部と、評価用トナー(前述の手順で作製したトナー)10質量部とを、ボールミルを用いて30分間混合して、評価用現像剤を得た。その後、Q/mメーター(トレック社製「MODEL 210HS−2A」)を用いて、下記方法により評価用現像剤中のトナーの帯電量を測定した。
(現像剤中のトナーの帯電量の測定方法)
Q/mメーターの測定セルに現像剤(キャリア及びトナー)0.10gを投入し、投入された現像剤のうちトナーのみを篩(金網)を介して10秒間吸引した。そして、式「吸引されたトナーの総電気量(単位:μC)/吸引されたトナーの質量(単位:g)」に基づいて、現像剤中のトナーの帯電量(単位:μC/g)を算出した。
[評価方法]
各試料(現像剤セットS−1〜S−7)の評価方法は、以下の通りである。
(初期:画像濃度)
評価機としては、カラー複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa5551ci」、現像方式:非磁性2成分乾式タッチダウントリクル現像方式)を用いた。試料(現像剤セット)の初期現像剤を評価機の現像装置に投入し、試料(現像剤セット)の補給用現像剤を評価機の補給用現像剤コンテナに投入した。こうした評価機を用いて、ソリッド部と空白部とを含むサンプル画像を記録媒体(評価用紙)に形成した。1枚目の記録媒体に形成された画像のソリッド部の画像濃度(ID)を、反射濃度計(X−Rite社製「RD914」)を用いて測定した。画像濃度(ID)が1.2以上であれば○(良い)と判断し、画像濃度(ID)が1.2未満であれば×(良くない)と判断した。
(耐刷:かぶり濃度)
画像濃度の評価と同じ評価機を用いて、温度20℃かつ湿度65%RHの環境下において、印字率5%で30万枚連続印刷する耐刷試験を行った。耐刷試験後、評価機を用いて、ソリッド部と空白部とを含むサンプル画像を記録媒体(評価用紙)に形成した。そして、記録媒体に形成された画像の空白部の反射濃度を、反射濃度計(X−Rite社製「RD914」)を用いて測定し、かぶり濃度(FD)を算出した。なお、かぶり濃度(FD)は、印刷後の記録媒体の空白部の反射濃度からベースペーパー(未印刷紙)の反射濃度を引いた値に相当する。かぶり濃度(FD)が0.010未満であれば○(良い)と判断し、かぶり濃度(FD)が0.010以上であれば×(良くない)と判断した。
[評価結果]
現像剤セットS−1〜S−7の各々についての評価結果は以下のとおりである。
Figure 0006436061
現像剤セットS−1〜S−3(実施例1〜3に係る現像剤セット)はそれぞれ、前述の基本構成を有していた。詳しくは、実施例1〜3に係る現像剤セットではそれぞれ、表1及び表2に示されるように、補給用キャリア(第2キャリア)の帯電付与性は、初期キャリア(第1キャリア)の帯電付与性よりも高かった。実施例1〜3に係る現像剤セットではそれぞれ、表2に示されるように、帯電量差QB−QAが+4.0μC/g以上+12.0μC/g以下であった。また、実施例1〜3に係る現像剤セットではそれぞれ、表1に示されるように、初期キャリア(第1キャリア)のコート層の臨界表面張力STAが35.0mN/m以上であり、補給用キャリア(第2キャリア)のコート層の臨界表面張力STBが30.0mN/m以下であった。また、実施例1〜3に係る現像剤セットではそれぞれ、表2に示されるように、臨界表面張力差STA−STBが+6.0mN/m以上+17.0mN/m以下であった。
表2に示すように、実施例1〜3に係る現像剤セットはそれぞれ、連続印刷に用いられた場合に、初期におけるトナーの過剰な帯電(チャージアップ)を抑制するとともに、長期にわたって継続的にかぶりの発生を抑制して高画質の画像を形成し続けることができた。
本発明に係る現像剤セット、画像形成装置、及び画像形成方法は、例えば複写機、プリンター、又は複合機において画像を形成するために用いることができる。
10 転写装置
11、11a〜11d 現像装置
12、12a〜12d 感光体ドラム
13 転写ベルト
14a 駆動ローラー
14b 従動ローラー
14c テンションローラー
15a〜15d 1次転写ローラー
16 2次転写ローラー
17 定着装置
18 クリーニングローラー
100 画像形成装置
111 現像ローラー
112 磁気ローラー
113 第1攪拌シャフト
114 第2攪拌シャフト
115 補給用現像剤コンテナ
115a 補給量調整部材
116 排出路
P 記録媒体
R1 搬送部
R2、R3 収容部

Claims (6)

  1. 現像部内の初期現像剤による静電潜像の現像を開始した後、前記現像部内の現像剤の排出と前記現像部内への現像剤の補給とを行いつつ、前記現像部内の現像剤で静電潜像を現像する画像形成装置で用いられる現像剤セットであって、
    前記初期現像剤として、第1トナー及び第1キャリアを含む第1現像剤を含み、
    前記補給用現像剤として、第2トナー及び第2キャリアを含む第2現像剤を含み、
    前記第1キャリア及び前記第2キャリアはそれぞれ、キャリアコアと、前記キャリアコアの表面を覆うコート層とを備えるキャリア粒子を、複数含み、
    前記コート層は実質的に樹脂から構成され、
    前記第2キャリアの帯電付与性は、前記第1キャリアの帯電付与性よりも高く、
    前記第1トナーと前記第2トナーとは、ポリエステル樹脂からなる結着樹脂を含む同一の正帯電性トナーであり、
    前記第1キャリアの前記コート層を構成する前記樹脂の臨界表面張力は35.0mN/m以上であり、
    前記第2キャリアの前記コート層を構成する前記樹脂の臨界表面張力は30.0mN/m以下であり、
    前記第1キャリアの前記コート層に含有される前記樹脂のうち、5質量%以上50質量%未満の樹脂がフッ素含有樹脂であり、
    前記第2キャリアの前記コート層に含有される前記樹脂のうち、50質量%以上95質量%以下の樹脂がフッ素含有樹脂である、現像剤セット。
  2. 前記第1キャリアの前記コート層を構成する前記樹脂の前記臨界表面張力から、前記第2キャリアの前記コート層を構成する前記樹脂の前記臨界表面張力を引いた臨界表面張力差は、+5.0mN/m以上+20.0mN/m以下である、請求項1に記載の現像剤セット。
  3. 前記第2キャリアの前記コート層は、シリコーン樹脂をさらに含有する、請求項1又は2に記載の現像剤セット。
  4. 前記第1キャリアの前記コート層はさらにエポキシ樹脂又はポリエステル樹脂のみを含有し、前記第2キャリアの前記コート層はさらにエポキシ樹脂のみを含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の現像剤セット。
  5. 第1トナー及び第1キャリアを含む第1現像剤を収容し、トナーで静電潜像を現像するように構成される現像部と、
    第2トナー及び第2キャリアを含む第2現像剤を前記現像部内へ補給するように構成される現像剤補給部と、
    を備え、
    前記第1キャリア及び前記第2キャリアはそれぞれ、キャリアコアと、前記キャリアコアの表面を覆うコート層とを備えるキャリア粒子を、複数含み、
    前記コート層は実質的に樹脂から構成され、
    前記第2キャリアの帯電付与性は、前記第1キャリアの帯電付与性よりも高く、
    前記第1トナーと前記第2トナーとは、ポリエステル樹脂からなる結着樹脂を含む同一の正帯電性トナーであり、
    前記第1キャリアの前記コート層を構成する前記樹脂の臨界表面張力は35.0mN/m以上であり、
    前記第2キャリアの前記コート層を構成する前記樹脂の臨界表面張力は30.0mN/m以下であり、
    前記第1キャリアの前記コート層に含有される前記樹脂のうち、5質量%以上50質量%未満の樹脂がフッ素含有樹脂であり、
    前記第2キャリアの前記コート層に含有される前記樹脂のうち、50質量%以上95質量%以下の樹脂がフッ素含有樹脂である、画像形成装置。
  6. 現像部内の第1現像剤で静電潜像を現像する第1現像と、
    前記第1現像の開始後、前記現像部内の現像剤の排出と前記現像部内への第2現像剤の補給とを行いつつ、前記現像部内の現像剤で静電潜像を現像する第2現像と、
    を含み、
    前記第1現像剤は、第1トナー及び第1キャリアを含み、
    前記第2現像剤は、第2トナー及び第2キャリアを含み、
    前記第1キャリア及び前記第2キャリアはそれぞれ、キャリアコアと、前記キャリアコアの表面を覆うコート層とを備えるキャリア粒子を、複数含み、
    前記コート層は実質的に樹脂から構成され、
    前記第2キャリアの帯電付与性は、前記第1キャリアの帯電付与性よりも高く、
    前記第1トナーと前記第2トナーとは、ポリエステル樹脂からなる結着樹脂を含む同一の正帯電性トナーであり、
    前記第1キャリアの前記コート層を構成する前記樹脂の臨界表面張力は35.0mN/m以上であり、
    前記第2キャリアの前記コート層を構成する前記樹脂の臨界表面張力は30.0mN/m以下であり、
    前記第1キャリアの前記コート層に含有される前記樹脂のうち、5質量%以上50質量%未満の樹脂がフッ素含有樹脂であり、
    前記第2キャリアの前記コート層に含有される前記樹脂のうち、50質量%以上95質量%以下の樹脂がフッ素含有樹脂である、画像形成方法。
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