JP6822438B2 - 現像剤セット、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
以下、図1及び図2を参照して、本発明の第1実施形態に係る現像剤セットについて説明する。図1は、第1実施形態に係る現像剤セットに備えられる第1現像剤100(以下「初期現像剤」と記載することがある)を示す。図2は、第1実施形態に係る現像剤セットに備えられる第2現像剤200(以下「補給用現像剤」と記載することがある)を示す。
以下、初期トナーに含まれる第1キャリア粒子103、及び補給用トナーに含まれる第2キャリア粒子203について説明する。
第1キャリア粒子103及び第2キャリア粒子203の各々が有するキャリアコア40について説明する。キャリアコア40は、磁性材料を含有することが好ましい。キャリアコア40に含有される磁性材料としては、例えば、金属酸化物が挙げられ、より具体的には、マグネタイト、マグヘマイト、及びフェライトが挙げられる。キャリアコア40は、フェライトを含有することが好ましい。フェライトとしては、例えば、バリウムフェライト、Mn−Znフェライト、Ni−Znフェライト、Mn−Mgフェライト、Ca−Mgフェライト、Liフェライト、及びCu−Znフェライトが挙げられる。キャリアコア40は、1種類の磁性材料のみを含有してもよいし、2種以上の磁性材料を含有してもよい。キャリアコア40としては、市販品を使用してもよい。また、磁性材料を粉砕及び焼成してキャリアコア40を自作してもよい。第1キャリア粒子103が有するキャリアコア40は、第2キャリア粒子203が有するキャリアコア40と、同一であってもよく、異なっていてもよい。
次に、初期トナーに含まれる第1トナー粒子101、及び補給用トナーに含まれる第2トナー粒子201について説明する。
樹脂外添剤102は、樹脂を含有する。樹脂外添剤102は、実質的に樹脂により構成されることが好ましい。樹脂外添剤102が含有する樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、及びスチレン−アクリル樹脂が挙げられる。ポリエステル樹脂は、1種以上の多価アルコールモノマーと、1種以上の多価カルボン酸モノマーとの共重合体である。アクリル樹脂は、1種以上のアクリル酸系モノマーの重合体である。スチレン−アクリル樹脂は、1種以上のスチレン系モノマーと、1種以上のアクリル酸系モノマーとの共重合体である。樹脂外添剤102を構成する樹脂としては、スチレン−アクリル樹脂が好ましい。スチレン−アクリル樹脂を合成するためには、例えば以下に示すようなスチレン系モノマー及びアクリル酸系モノマーを好適に使用できる。
第1トナー粒子101及び第2トナー粒子201の各々が有するトナー母粒子30は、結着樹脂を含有する。トナー母粒子30は、必要に応じて、離型剤、着色剤、電荷制御剤のうちの少なくとも1つを更に含有していてもよい。
トナー母粒子30は、結着樹脂を含有する。低温定着性に優れた初期トナー及び補給用トナーを得るために、トナー母粒子30は、結着樹脂として熱可塑性樹脂を含有することが好ましく、結着樹脂全体の85質量%以上の割合で熱可塑性樹脂を含有することがより好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂(より具体的には、アクリル酸エステル重合体、メタクリル酸エステル重合体等)、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、ビニル樹脂(より具体的には、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、N−ビニル樹脂等)、ポリアミド樹脂、及びウレタン樹脂が挙げられる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち上記樹脂中に任意の繰返し単位が導入された共重合体(より具体的には、スチレン−アクリル樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂等)も、結着樹脂として使用できる。トナー母粒子30は、1種の結着樹脂のみを含有してもよく、2種以上の結着樹脂を含有してもよい。
トナー母粒子30は、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えば、耐ホットオフセット性に優れた初期トナー及び補給用トナーを得る目的で使用される。離型剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナー母粒子30は、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、初期トナー及び補給用トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。着色剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。トナー母粒子30は、1種の着色剤のみを含有してもよく、2種以上の着色剤を含有してもよい。
トナー母粒子30は、電荷制御剤を含有してもよい。電荷制御剤は、例えば、帯電安定性及び帯電立ち上がり特性に優れた初期トナー及び補給用トナーを得る目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電可能か否かの指標になる。電荷制御剤として好ましくは、正電荷制御剤が挙げられる。正電荷制御剤は、正帯電性の電荷制御剤である。トナー母粒子30に正電荷制御剤(より具体的には、ピリジン、ニグロシン、又は4級アンモニウム塩等)を含有させることで、トナーのカチオン性(正帯電性)を強めることができる。トナー母粒子30は、1種の電荷制御剤のみを含有してもよいし、2種以上の電荷制御剤を含有してもよい。ただし、初期トナー及び補給用トナーにおいて十分な正帯電性が確保される場合には、トナー母粒子30に電荷制御剤を含有させる必要はない。
トナー母粒子30の表面には、その他の外添剤が備えられていてもよい。その他の外添剤の量は、100質量部のトナー母粒子30に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。その他の外添剤としては、無機外添剤が好ましい。無機外添剤としては、例えば、シリカ、及び金属酸化物(より具体的には、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等)が挙げられる。トナー母粒子30の表面には、1種のその他の外添剤のみが備えられていてもよいし、2種以上のその他の外添剤が備えられていてもよい。
多数枚印刷した場合であっても高画質な画像を形成し、トナーの流動性を維持し、スペントを抑制するためには、樹脂外添剤102と、第1コート層104と、第2コート層204との各々に含有される材料が、以下の表1に示す組合せ例S−1〜S−4の何れかであることが好ましい。
次に、第1実施形態に係る現像剤セットの製造方法の一例について説明する。第1実施形態に係る現像剤セットの製造方法は、例えば、初期現像剤100の製造工程と、補給用現像剤200の製造工程とを含む。
初期トナーの製造方法は、粉砕法及び凝集法に大別される。初期トナーの製造方法は、粉砕法であることが好ましい。即ち、初期トナーは、粉砕トナーであることが好ましい。粉砕法を用いた場合には、凝集法を用いた場合よりも容易に初期トナーを製造できる。以下、粉砕法を用いた初期トナーの製造工程の一例を説明する。初期トナーの製造工程は、例えば、樹脂外添剤102の製造工程と、トナー母粒子30の製造工程と、外添工程とを含む。
樹脂外添剤102の製造工程において、樹脂外添剤102を形成する。樹脂外添剤102を形成するための方法の一例は、ホモジナイザーを用いて樹脂を有機溶媒中又は水中で細粒化する乳化分散法である。
トナー母粒子30の製造工程において、結着樹脂及び任意成分(例えば、着色剤、電荷制御剤及び離型剤)を混合して混合物を得る。混合物を溶融しながら混練して、混練物を得る。混練に使用される溶融混練機の例としては、一軸押出機、二軸押出機、ロールミル、及びオープンロール型混練機が挙げられる。得られた混練物を粉砕して、粉砕物を得る。粉砕物を分級して、トナー母粒子30を得る。
外添工程において、混合機を用いて、トナー母粒子30と、樹脂外添剤102と、任意のその他の外添剤とを混合する。混合条件は、樹脂外添剤102がトナー母粒子30に完全に埋没しない条件に設定されることが好ましい。混合により、トナー母粒子30の表面に樹脂外添剤102及び任意のその他の外添剤が付着して、第1トナー粒子101を含む初期トナーが得られる。なお、樹脂外添剤102及びその他の外添剤は、化学的結合ではなく物理的結合(物理的な力)で、トナー母粒子30の表面に付着している。
初期キャリアの製造工程は、例えば、第1コート工程を含む。
第1コート工程において、キャリアコア40の表面に第1コート層104を形成する。これにより、第1キャリア粒子103を含む初期キャリアを得る。第1コート層104を形成する方法の一例は、フッ素樹脂(又は、フッ素樹脂を形成するためのモノマー若しくはプレポリマー)を含む液を、流動層中のキャリアコア40に噴霧する方法である。第1コート層104を形成する方法の別の例は、フッ素樹脂(又は、フッ素樹脂を形成するためのモノマー若しくはプレポリマー)を含む液にキャリアコア40を浸漬する方法である。
初期トナーと初期キャリアとの混合工程において、混合機(例えば、ボールミル)を用いて、初期トナーと初期キャリアとを混合することで、初期現像剤100を得る。
補給用トナーの製造方法は、粉砕法及び凝集法に大別される。補給用トナーは、粉砕トナーであることが好ましい。以下、粉砕法を用いた補給用トナーの製造工程の一例を説明する。補給用トナーの製造工程は、例えば、トナー母粒子30の製造工程を含む。
補給用トナーのトナー母粒子30の製造工程は、初期トナーのトナー母粒子30の製造工程と同じ方法で行うことができる。必要に応じて、得られた補給用トナーのトナー母粒子30の表面に、任意のその他の外添剤を外添してもよい。例えば、混合機を用いて、トナー母粒子30と、任意のその他の外添剤とを混合する。混合により、トナー母粒子30の表面に任意のその他の外添剤が付着して、第2トナー粒子201が得られる。なお、外添処理を行わない場合には、トナー母粒子30が第2トナー粒子201に相当する。このようにして、第2トナー粒子201を含む補給用トナーが得られる。
補給用キャリアの製造工程は、例えば、第2コート工程を含む。
第2コート工程において、キャリアコア40の表面に第2コート層204を形成する。これにより、第2キャリア粒子203を含む補給用キャリアを得る。第2コート層204を形成する方法の一例は、シリコーン樹脂(又は、シリコーン樹脂を形成するためのモノマー若しくはプレポリマー)を含む液を、流動層中のキャリアコア40に噴霧する方法である。第2コート層204を形成する方法の別の例は、シリコーン樹脂(又は、シリコーン樹脂を形成するためのモノマー若しくはプレポリマー)を含む液にキャリアコア40を浸漬する方法である。
補給用トナーと補給用キャリアとの混合工程において、混合装置(例えば、ボールミル)を用いて、補給用トナーと補給用キャリアとを混合することで、補給用現像剤200を得る。以上、第1実施形態に係る現像剤セットの製造方法を説明した。
次に、図3及び図4を参照して、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置20について説明する。図3は、第2実施形態に係る画像形成装置20の構成を示す。図4は、図3に示す画像形成装置20の現像装置11a〜11d及びその周辺部を示す。以下、区別する必要がない場合には、現像装置11a〜11dの各々を現像装置11と記載する。画像形成装置20は、トリクル現像方式の画像形成装置の一例である。
次に、図4を参照しながら、現像装置11、第2現像剤補給部115、及び現像剤排出部116について説明する。現像装置11は、現像ローラー111と、規制ブレード112と、第1攪拌シャフト113と、第2攪拌シャフト114とを備える。また、現像装置11は、収容部Rを有する。収容部Rは、第1攪拌シャフト113及び第2攪拌シャフト114を収容する。現像ローラー111は、感光体ドラム12の近傍に配置される。
以下、図3及び図4を引き続き参照して、本発明の第3実施形態に係る画像形成方法について説明する。第3実施形態に係る画像形成方法は、現像装置11内の初期現像剤100による静電潜像の現像を開始した後、現像装置11内の現像剤Dの排出と現像装置11内への補給用現像剤200の補給とを行いつつ、現像装置11内の現像剤Dにより静電潜像を現像する現像工程を含む。現像装置11内への補給用現像剤200の補給前において、現像剤Dは、初期現像剤100である。現像装置11内への補給用現像剤200の補給後において、現像剤Dは、初期現像剤100及び補給用現像剤200(例えば、初期現像剤100及び補給用現像剤200の混合物)である。初期現像剤100及び補給用現像剤200は、各々、第1実施形態に係る現像剤セットに含まれる。
<トナー母粒子の作製>
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて、ポリエステル樹脂(酸価:5.6mgKOH/g、Mp:100℃)100質量部と、着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3、成分:銅フタロシアニン顔料)4質量部と、カルナバワックス(株式会社加藤洋行製「カルナウバワックス1号」)5質量部と、電荷制御剤(4級アンモニウム塩、オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」)1質量部とを混合した。得られた混合物を、2軸押出機(株式会社池貝製「PCM−30」)を用いて溶融しながら混練した。得られた混練物を冷却した後、粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミル」)を用いて粉砕した。得られた粉砕物を、分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて分級した。その結果、体積中位径(D50)6.8μmのトナー母粒子M−1が得られた。
攪拌機、冷却管、温度計、及び窒素導入管を備えた四つ口フラスコに、イオン交換水600g、乳化剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム6g、メタクリル酸ブチル100g、スチレン20g、ジビニルベンゼン(シグマアルドリッチ社製、CAS番号:105−06−6)80g、及び重合開始剤としてのベンゾイルパーオキサイド15gを入れた。窒素ガスを吹き込みながら、攪拌下で、フラスコ内容物を90℃まで昇温させた。窒素ガスを吹き込みながら、フラスコ内容物を90℃で3時間攪拌して、反応生成物を得た。反応生成物を冷却した後、洗浄及び脱水を行うことにより、樹脂粒子P−1を得た。樹脂粒子P−1は、メタクリル酸ブチルとスチレンとジビニルベンゼンとの共重合体の粒子であった。樹脂粒子P−1の数平均粒子径は、80nmであった。
(トナーT−1の作製)
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて、100.0質量部のトナー母粒子M−1と、0.5質量部の樹脂粒子P−1と、1.0質量部のシリカ粒子(トリメチルシリル基とアミノ基とで表面修飾した疎水性シリカ粒子:日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)RA−200」、BET比表面積:約150m2/g、数平均1次粒子径:約12nm、密度:約2.2g/cm3)と、0.2質量部の導電性酸化チタン粒子(チタン工業株式会社製「EC−100」、基材:TiO2、被覆層:SbドープSnO2膜、数平均1次粒子径:約0.35μm、密度:約3.9g/cm3)とを混合した。これにより、トナー母粒子M−1の表面に外添剤(樹脂粒子P−1、シリカ粒子、及び導電性酸化チタン粒子)を付着させて、粉体を得た。得られた粉体を、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて篩別した。その結果、トナーT−1が得られた。
0.5質量部の樹脂粒子P−1を添加しなかったこと以外は、トナーT−1の作製と同じ方法で、トナーT−2を作製した。
(キャリアC−1の作製)
2質量部のPFAを98質量部のトルエンに溶解させて、コート液を得た。流動層コーティング装置(フロイント産業株式会社製「スパイラフロー(登録商標)SFC−5」)を用いて、100質量部のノンコートフェライトコア(パウダーテック株式会社製「EF−35B」、粒子径:35μm)に対して、コート液の全量(100質量部)を噴霧により塗布した後、200℃で60分間熱処理を行った。これにより、キャリアC−1を得た。キャリアC−1は、キャリアコアと、キャリアコアを被覆し且つPFAを含有するコート層とを有していた。
2質量部のPFAを2質量部のFEPに変更したこと以外は、キャリアC−1の作製と同じ方法で、キャリアC−2を得た。キャリアC−2は、キャリアコアと、キャリアコアを被覆し且つFEPを含有するコート層とを有していた。
4質量部の加熱硬化型シリコーン樹脂溶液(東レダウコーニング株式会社製「SR2400」、樹脂:メチルシリコーン樹脂、溶剤:トルエン、不揮発分:50質量%)を96質量部のトルエンに溶解させて、コート液を得た。流動層コーティング装置(フロイント産業株式会社製「スパイラフロー(登録商標)SFC−5」)を用いて、100質量部のノンコートフェライトコア(パウダーテック株式会社製「EF−35B」、粒子径:35μm)に対して、コート液の全量(100質量部)を噴霧により塗布した後、200℃で60分間熱処理を行った。これにより、キャリアC−3を得た。キャリアC−3は、キャリアコアと、キャリアコアを被覆し且つメチルシリコーン樹脂を含有するコート層とを有していた。
2.9質量部の加熱硬化型シリコーン樹脂溶液(東レダウコーニング株式会社製「KR−212」、樹脂:メチルフェニルシリコーン樹脂、溶剤:キシレン、不揮発分:70質量%)を97.1質量部のトルエンに溶解させて、コート液を得た。流動層コーティング装置(フロイント産業株式会社製「スパイラフロー(登録商標)SFC−5」)を用いて、100質量部のノンコートフェライトコア(パウダーテック株式会社製「EF−35B」、粒子径:35μm)に対して、コート液の全量(100質量部)を噴霧により塗布した後、200℃で60分間熱処理を行った。これにより、キャリアC−4を得た。キャリアC−4は、キャリアコアと、キャリアコアを被覆し且つメチルフェニルシリコーン樹脂を含有するコート層とを有していた。
(初期現像剤の作製)
現像剤セットA−1〜A−4及びB−1〜B−8に用いるための初期現像剤の各々を調製した。詳しくは、表2の「初期トナー」欄に示す種類の初期トナー8質量部と、表2の「初期キャリア」欄に示す種類の初期キャリア100質量部とを、粉体混合機(愛知電機株式会社製「ロッキングミキサー(登録商標)」、混合方式:容器回転揺動方式)を用いて30分間混合して、各初期現像剤を得た。例えば、現像剤セットA−1に用いるための初期現像剤の作製では、トナーT−1とキャリアC−1とを混合した。
現像剤セットA−1〜A−4及びB−1〜B−8に用いるための補給用現像剤の各々を調製した。詳しくは、表2の「補給用トナー」欄に示す種類の補給用トナー100質量部と、表2の「補給用キャリア」欄に示す種類の補給用キャリア10質量部とを、粉体混合機(愛知電機株式会社製「ロッキングミキサー」、混合方式:容器回転揺動方式)を用いて1分間混合して、各補給用現像剤を得た。例えば、現像剤セットA−1に用いるための補給用現像剤の作製では、トナーT−2とキャリアC−3とを混合した。
現像剤セットA−1〜A−4及びB−1〜B−8について、画像濃度、かぶり濃度、トナーの流動性、及びスペント抑制を以下の方法で評価した。各現像剤セットの評価において、表2の各「現像剤セット」の行に記載の初期現像剤と補給用現像剤とを組み合わせて用いた。例えば、現像剤セットA−1の評価においては、表2の現像剤セット「A−1」の行に記載の初期現像剤(トナーT−1とキャリアC−1とを含む初期現像剤)と、補給用現像剤(トナーT−2とキャリアC−3とを含む補給用現像剤)とを組み合わせて用いた。
評価機として、カラー複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa5551ci」、現像方式:非磁性2成分乾式タッチダウントリクル現像方式、感光体ドラム:アモルファスシリコンドラム)を用いた。この評価機は、感光体に形成された静電潜像を現像剤(詳しくは、現像剤に含まれるトナー)により現像するように構成される現像装置と、現像装置内の現像剤を排出するように構成される現像剤排出部と、補給用現像剤を現像装置内へ補給するように構成される第2現像剤供給部とを備えていた。現像剤セットの初期現像剤を評価機のシアン用現像装置に投入した。現像剤セットの補給用現像剤を評価機のシアン用第2現像剤供給部の補給用現像剤コンテナに投入した。
良好:画像濃度が、1.300以上である。
不良:画像濃度が、1.300未満である。
良好:かぶり濃度が、0.005以下である。
不良:かぶり濃度が、0.005超である。
良好:IDばらつきが、10%以下である。
不良:IDばらつきが、10%超である。
3gの初期現像剤を500メッシュの篩いに載せた。篩の下から吸引することにより初期現像剤に含まれる初期トナーを除去して、初期キャリアを取り出した。固体炭素分析装置(株式会社堀場製作所製「EMIA−110」)を用いて、初期現像剤から取り出した初期キャリア2gに含まれるカーボン量(C1量)を測定した。次いで、固体炭素分析装置(株式会社堀場製作所製「EMIA−110」)を用いて、上記<初期現像剤の作製>で初期トナーと混合される前の初期キャリア2gに含まれるカーボン量(C0量)を測定した。そして、式「スペント率=100×(C1−C0)/C0」に基づいて、スペント率(単位:%)を算出した。スペント率が高いほど、初期キャリアの表面に初期トナーの成分が付着して、初期キャリアのスペントが発生していることを示す。スペント率の測定結果を、表3に示す。また、スペント率の測定結果から、以下の基準に従って、スペントが抑制されているか否かを評価した。
良好(スペントが抑制されている):スペント率が、0.05%以下である。
不良(スペントが抑制されていない):スペント率が、0.05%超である。
9 :露光装置
10 :転写装置
11a〜11d :現像装置
12a〜12d :感光体ドラム
13 :転写ベルト
14a :駆動ローラー
14b :従動ローラー
14c :テンションローラー
15a〜15d :1次転写ローラー
16 :2次転写ローラー
17 :定着装置
18 :クリーニング装置
19 :制御部
20 :画像形成装置
30 :トナー母粒子
40 :キャリアコア
100 :第1現像剤(初期現像剤)
101 :第1トナー粒子
102 :樹脂外添剤
103 :第1キャリア粒子
104 :第1コート層
111 :現像ローラー
112 :規制ブレード
113 :第1攪拌シャフト
114 :第2攪拌シャフト
115 :第2現像剤供給部
115a :補給量調整部材
115b :補給用現像剤コンテナ
116 :現像剤排出部
116a :排出路
116b :回収容器
200 :第2現像剤(補給用現像剤)
201 :第2トナー粒子
203 :第2キャリア粒子
204 :第2コート層
P :記録媒体
R :収容部
D :現像剤
Claims (8)
- 第1現像剤と、第2現像剤とを備え、
前記第1現像剤は、第1トナー粒子を含む第1正帯電性トナーと、第1キャリア粒子を含む第1キャリアとを含み、
前記第2現像剤は、第2トナー粒子を含む第2正帯電性トナーと、第2キャリア粒子を含む第2キャリアとを含み、
前記第1トナー粒子は樹脂外添剤を有し、前記第2トナー粒子は前記樹脂外添剤を有さず、
前記第1キャリア粒子はフッ素樹脂を含有する第1コート層を有し、前記第2キャリア粒子はシリコーン樹脂を含有する第2コート層を有する、現像剤セット。 - 前記第1現像剤は、現像装置内に収容されている初期現像剤であり、
前記第2現像剤は、前記初期現像剤の使用開始後に前記現像装置内へ補給される補給用現像剤である、請求項1に記載の現像剤セット。 - 前記フッ素樹脂は、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、又はテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体である、請求項1又は2に記載の現像剤セット。
- 前記シリコーン樹脂は、メチル基を有するシリコーン樹脂である、請求項1〜3の何れか一項に記載の現像剤セット。
- 前記樹脂外添剤は、アクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アルキルエステルと、スチレン又はその誘導体と、少なくとも2個のビニル基を有する化合物との共重合体を含有する、請求項1〜4の何れか一項に記載の現像剤セット。
- 前記第1コート層は、1種の前記フッ素樹脂のみを含有し、
前記第2コート層は、1種の前記シリコーン樹脂のみを含有する、請求項1〜5の何れか一項に記載の現像剤セット。 - 現像剤により静電潜像を現像する現像装置と、
前記現像装置内の前記現像剤を排出する現像剤排出部と、
第2現像剤を前記現像装置内へ補給する第2現像剤補給部と
を備え、
前記現像装置内への前記第2現像剤の補給前において、前記現像剤は、第1現像剤であり、
前記現像装置内への前記第2現像剤の補給後において、前記現像剤は、前記第1現像剤及び前記第2現像剤であり、
前記第1現像剤は、第1トナー粒子を含む第1正帯電性トナーと、第1キャリア粒子を含む第1キャリアとを含み、
前記第2現像剤は、第2トナー粒子を含む第2正帯電性トナーと、第2キャリア粒子を含む第2キャリアとを含み、
前記第1トナー粒子は樹脂外添剤を有し、前記第2トナー粒子は前記樹脂外添剤を有さず、
前記第1キャリア粒子はフッ素樹脂を含有する第1コート層を有し、前記第2キャリア粒子はシリコーン樹脂を含有する第2コート層を有する、画像形成装置。 - 現像装置内の第1現像剤による静電潜像の現像を開始した後、前記現像装置内の現像剤の排出と前記現像装置内への第2現像剤の補給とを行いつつ、前記現像装置内の前記現像剤により静電潜像を現像する現像工程を含み、
前記現像装置内への前記第2現像剤の補給前において、前記現像剤は、前記第1現像剤であり、
前記現像装置内への前記第2現像剤の補給後において、前記現像剤は、前記第1現像剤及び前記第2現像剤であり、
前記第1現像剤は、第1トナー粒子を含む第1正帯電性トナーと、第1キャリア粒子を含む第1キャリアとを含み、
前記第2現像剤は、第2トナー粒子を含む第2正帯電性トナーと、第2キャリア粒子を含む第2キャリアとを含み、
前記第1トナー粒子は樹脂外添剤を有し、前記第2トナー粒子は前記樹脂外添剤を有さず、
前記第1キャリア粒子はフッ素樹脂を含有する第1コート層を有し、前記第2キャリア粒子はシリコーン樹脂を含有する第2コート層を有する、画像形成方法。
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