JP6673284B2 - 画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置と、画像形成方法とに関する。
画像形成装置は、多くの場合、像担持体と、現像装置と、クリーニング部材とを備える。像担持体は、表面に静電潜像を保持する。現像装置は、トナーを用いて静電潜像を現像する。クリーニング部材は、像担持体の表面に圧接されて、転写残トナー(記録媒体へ転写されずに像担持体の表面に残留するトナー)を像担持体の表面から除去する。
トナーは、複数のトナー粒子を含む(例えば特許文献1参照)。特許文献1には、次に示すことが記載されている。トナー粒子は、各々、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着する外添剤とを、有する。外添剤は、複数の樹脂粒子を含む。樹脂粒子は、各々、所定の硬度を有する。
特開平10−268554号公報
外添剤が複数の樹脂粒子を含むことで、トナーの帯電性を安定化させることができる。しかし、画像形成中に樹脂粒子がトナー母粒子の表面から脱離すると、トナーの帯電性が変動することがある。そのため、形成された画像において、かぶりが発生することがある。以下、トナー母粒子の表面から脱離した樹脂粒子を「脱離粒子」と記載する。また、「形成された画像において、かぶりが発生すること」を単に「かぶりの発生」と記載する。
かぶりの発生を防止する方法として、例えば、粒子径の小さな樹脂粒子を使用することが考えられる。しかし、樹脂粒子の粒子径が小さくなるにつれて、樹脂粒子が像担持体とクリーニング部材との間を擦り抜け易い傾向にある。樹脂粒子が像担持体とクリーニング部材との間を擦り抜けると、樹脂粒子をクリーニング部材で回収することが難しくなる。そのため、クリーニング部材による像担持体の表面のクリーニング性能(以下、「クリーニング部材によるクリーニング性能」と記載する)が低下することがある。クリーニング部材によるクリーニング性能が低下すると、形成された画像に、縦筋状の画像欠陥が形成されることがある。
以上説明したように、かぶりの発生の防止と、クリーニング部材によるクリーニング性能の維持とは、トレードオフの関係にある。そのため、かぶりの発生の防止とクリーニング部材によるクリーニング性能の維持とを両立させることは難しい。しかし、かぶりの発生の防止とクリーニング部材によるクリーニング性能の維持とを両立させることが要求されている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、かぶりの発生の防止とクリーニング部材によるクリーニング性能の維持とを両立可能な画像形成装置及び画像形成方法を提供することである。
本発明に係る画像形成装置は、現像剤を用いて、画像を記録媒体に形成する。前記画像形成装置は、前記現像剤を含む。前記現像剤は、トナーと、前記トナーを摩擦により正に帯電させるキャリアとを、含む。前記トナーは、複数のトナー粒子を含む。前記トナー粒子は、各々、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着する外添剤とを、含む。前記外添剤は、複数の樹脂粒子を含む。前記トナー母粒子と、前記樹脂粒子とは、各々、前記キャリアよりも強い正帯電性を有する。温度160℃且つ圧力0.1kgf/mm2での5分間加圧後における前記樹脂粒子のブロッキング率が、目開き75μmのメッシュによる測定で15質量%以上40質量%以下である。前記樹脂粒子の個数平均一次粒子径が、50nm以上70nm以下である。前記画像形成装置は、さらに、静電潜像を表面に保持する像担持体と、前記トナーを用いて、前記静電潜像を現像する現像装置と、前記像担持体の表面に圧接され、前記像担持体の表面に残留する現像剤を前記像担持体の表面から除去するクリーニング部材とを、備える。前記像担持体は、粗面を有する導電性基体と、前記粗面の上に設けられた感光層とを、有する。前記像担持体の表面には、前記粗面に形成された凹凸に対応する凹凸が、形成されている。前記像担持体の表面の算術平均粗さRaが、40nm以上65nm以下である。
本発明に係る画像形成方法では、現像剤を用いて、画像を記録媒体に形成する。前記現像剤は、トナーと、前記トナーを摩擦により正に帯電させるキャリアとを、含む。前記トナーは、複数のトナー粒子を含む。前記トナー粒子は、各々、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着する外添剤とを、含む。前記外添剤は、複数の樹脂粒子を含む。前記トナー母粒子と、前記樹脂粒子とは、各々、前記キャリアよりも強い正帯電性を有する。温度160℃且つ圧力0.1kgf/mm2での5分間加圧後における前記樹脂粒子のブロッキング率が、目開き75μmのメッシュによる測定で15質量%以上40質量%以下である。前記樹脂粒子の個数平均一次粒子径が、50nm以上70nm以下である。前記画像形成方法は、静電潜像を像担持体の表面に形成することと、前記トナーを前記静電潜像に供給して、前記静電潜像をトナー像として現像することと、前記トナー像を前記記録媒体へ転写することと、前記トナー像を前記記録媒体へ転写した後に、前記像担持体の表面に残留する現像剤を前記像担持体の表面から除去することとを、含む。前記像担持体は、粗面を有する導電性基体と、前記粗面の上に設けられた感光層とを、有する。前記像担持体の表面には、前記粗面に形成された凹凸に対応する凹凸が、形成されている。前記像担持体の表面の算術平均粗さRaが、40nm以上65nm以下である。
本発明によれば、かぶりの発生の防止とクリーニング部材によるクリーニング性能の維持とを両立できる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置が備える現像装置の構成を示す図である。 図2に示す領域IIIを拡大した図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置が含む現像剤の構成を示す図である。
以下、図面を参照しながら、タッチダウン現像法を採用した画像形成装置を例に挙げて、本発明の実施形態に係る画像形成装置、及び画像形成方法を順に説明する。なお、図面において、同一の参照符号は、同一部分又は相当部分を表すものである。長さ、幅、厚さ、深さなどの寸法関係は、図面の明瞭化及び簡略化のために適宜変更されており、実際の寸法関係を表すものではない。また、本実施形態に係る画像形成装置は、二成分現像方式を採用した画像形成装置であってもよい。
[画像形成装置]
図1を用いて、本実施形態に係る画像形成装置の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。画像形成装置10は、タンデム方式の電子写真装置である。詳しくは、画像形成装置10は、各色に対応した画像形成部10A〜10Dと、露光装置17と、転写ベルト21と、二次転写ローラー23と、定着装置25と、制御部29とを備える。画像形成部10A〜10Dは、各々、現像装置11と、像担持体13と、帯電装置15と、一次転写ローラー19と、クリーニング部材27とを備える。
現像装置11は、現像剤を収容する。現像装置11は、現像剤に含まれる静電潜像現像用トナー(以下、単に「トナー」と記載する)を用いて、現像を行う。
像担持体13は、回転可能な態様で、画像形成装置10の筐体に支持されている。より具体的には、像担持体13は、例えばモーター(図示せず)によって駆動されて、回転方向R3に沿って回転する。
像担持体13は、表面(周面)に静電潜像を保持する。静電潜像には、トナーが、電気的に引き付けられる。これにより、像担持体13の表面には、トナー像が形成される。像担持体13は、感光体ドラムに相当する。
帯電装置15は、像担持体13の周囲に設けられ、像担持体13の表面を一様に帯電する。帯電装置15は、像担持体13の表面を一様に帯電可能な装置であれば特に限定されず、接触方式の帯電器であってもよいし、非接触方式の帯電器であってもよい。接触方式の帯電器は、例えば、帯電ローラー、又は帯電ブラシであることが好ましい。非接触方式の帯電器は、例えば、コロトロン帯電器、又はスコロトロン帯電器であることが好ましい。
露光装置17は、一様に帯電している像担持体13の表面を露光させて、像担持体13の表面に静電潜像を形成する。露光装置17は、例えば、レーザー走査ユニットであることが好ましい。
一次転写ローラー19は、転写ベルト21を挟んで像担持体13と対向する。一次転写ローラー19は、トナー像(像担持体13の表面に形成されたトナー像)を、転写ベルト21又は記録媒体Mに、転写する。転写ベルト21は、無端ベルトであることが好ましい。
二次転写ローラー23は、転写ベルト21に転写されたトナー像を記録媒体Mに転写する。そのため、一次転写ローラー19がトナー像を記録媒体Mに転写する場合には、二次転写ローラー23を割愛できる。
定着装置25は、記録媒体Mに転写されたトナー像を、記録媒体Mに定着させる。定着装置25は、例えば、ニップ定着方式の定着装置であることが好ましい。ニップ定着方式の定着装置は、通常、加熱ローラーと加圧ローラーとを有する。
クリーニング部材27は、像担持体13の周囲に設けられている。より具体的には、像担持体13のうち一次転写ローラー19が対向する部位を像担持体13の回転方向R3の基点としたとき、クリーニング部材27は、一次転写ローラー19よりも、像担持体13の回転方向R3の下流側に位置する。
クリーニング部材27は、像担持体13の長手方向に沿って配置され、像担持体13の表面に圧接される。クリーニング部材27において、像担持体13の表面に圧接される部位を「先端部」と記載し、先端部とは反対側に位置する部位を「基端部」と記載する。そして、クリーニング部材27の先端部と像担持体13の表面との接触点では、像担持体13の回転方向R3と、クリーニング部材27において基端部から先端部へ向かう方向とが、互いに逆である。これにより、クリーニング部材27は、転写残トナーを像担持体13の表面から除去できる。クリーニング部材27は、クリーニングブレードに相当し、好ましくはゴム製のクリーニングブレードである。
制御部29は、画像形成装置10を制御して、画像形成を実行する。制御部29がROMに記憶させた所定の制御プログラムをCPUで実行することによって、画像形成装置10が画像を記録媒体Mに形成する。なお、制御部29は、画像形成装置10の外部に設けられた電子回路及び/又はプログラムと協働して、具現化されてもよい。より具体的には、通信ネットワーク上の所定のサーバーに保持されているプログラムをユーザーが実行又はダウンロードすることで、制御部29が具現化されてもよい。
図2を用いて、現像装置11の構成を詳しく説明する。図2は、現像装置11の構成を示す図である。現像装置11は、筐体111と、現像剤搬送路113と、現像剤攪拌搬送部材115と、現像剤担持体121と、現像剤規制部材131と、トナー担持体141とを有する。現像剤搬送路113と、現像剤攪拌搬送部材115と、現像剤担持体121と、現像剤規制部材131と、トナー担持体141とは、筐体111内に、配置されている。
現像剤搬送路113は、現像剤を収容する。現像剤搬送路113は、第1搬送路113Aと第2搬送路113Bとを含む。第1搬送路113Aと第2搬送路113Bとは、仕切壁117で区画され、互いに平行に延びる。本実施形態では、第1搬送路113Aと第2搬送路113Bとが、現像剤を収容する収容部に相当する。
現像剤攪拌搬送部材115は、第1攪拌スクリュー115Aと第2攪拌スクリュー115Bとを含む。第1攪拌スクリュー115Aは、第1搬送路113A内に配置され、第1攪拌スクリュー115Aの軸方向は、第1搬送路113Aの長手方向に対して平行である。第2攪拌スクリュー115Bは、第2搬送路113B内に配置され、第2攪拌スクリュー115Bの軸方向は、第2搬送路113Bの長手方向に対して平行である。前述したように、第1搬送路113Aと、第2搬送路113Bとは、互いに平行に延びる。そのため、第1攪拌スクリュー115Aと、第2攪拌スクリュー115Bとは、互いに平行に延びる。
第1攪拌スクリュー115Aは、らせん状の攪拌羽根を有し、第1搬送路113A内の現像剤を攪拌しながら搬送する。第2攪拌スクリュー115Bは、らせん状の攪拌羽根を有し、第2搬送路113B内の現像剤を攪拌しながら搬送する。そして、第1攪拌スクリュー115Aと、第2攪拌スクリュー115Bとは、現像剤を互いに逆方向に搬送する。
現像剤担持体121は、現像剤攪拌搬送部材115と対向し、回転可能な態様で筐体111に支持されている。現像剤担持体121は、例えばモーター(図示せず)によって駆動されて、回転方向R1に沿って回転する。
現像剤担持体121は、回転不能のマグネットロールを有する。マグネットロールは、少なくともその表層部に、複数の磁極を有する。マグネットロールが有する磁極としては、例えば、永久磁石に基づくN極及びS極が挙げられる。以下では、マグネットロールが有する複数の磁極のうち、第2攪拌スクリュー115Bと対向する磁極を「汲上極123」と記載し、現像剤規制部材131と対向する磁極を「規制極125」と記載し、トナー担持体141と対向する磁極を「主極127」と記載する。汲上極123を現像剤担持体121の回転方向R1の基点としたとき、規制極125は、汲上極123よりも現像剤担持体121の回転方向R1の下流側に位置し、主極127は、規制極125よりも現像剤担持体121の回転方向R1の下流側に位置する。
現像剤担持体121は、汲上極123の磁力により、現像剤を、第2搬送路113Bから現像剤担持体121の表面121sへ磁気的に汲み上げる。これにより、現像剤担持体121の表面121sには、現像剤からなる層(以下、「磁気ブラシ層」と記載する)が形成される。現像剤担持体121は、磁気ローラーに相当する。
現像剤規制部材131は、現像剤担持体121の長手方向(より具体的にはマグネットロールの軸方向)に沿って延びる。現像剤規制部材131は、現像剤担持体121の規制極125と対向し、規制極125により磁化される。そのため、現像剤規制部材131は、磁性材料で構成されていることが好ましい。
現像剤規制部材131は、支持部材133と、規制面135とを有する。支持部材133は、筐体111に固定され、現像剤規制部材131を支持する。規制面135は、現像剤規制部材131の先端面に相当し、より具体的には現像剤担持体121の表面121sと対向する。規制面135と現像剤担持体121の表面121sとの間には、第1ギャップ(いわゆる規制ギャップ)G1が設けられている。
現像剤担持体121が回転方向R1に沿って回転すると、磁気ブラシ層が第1ギャップG1内に搬送される。これにより、磁気ブラシ層の厚さが現像剤規制部材131で規制される。現像剤規制部材131は、現像剤規制ブレードに相当する。
トナー担持体141は、現像剤担持体121の主極127と対向し、回転可能な態様で筐体111に支持されている。トナー担持体141は、例えばモーター(図示せず)によって駆動されて、回転方向R2に沿って回転する。トナー担持体141の表面141sと現像剤担持体121の表面121sとの間には、第2ギャップG2が設けられている。
トナー担持体141が回転方向R2に沿って回転するとともに、トナー担持体141の表面141sと現像剤担持体121の表面121sとの間に所定の電位差が発生すると、磁気ブラシ層に含まれるトナーが、現像剤担持体121の表面121sからトナー担持体141の表面141sへ移動する。これにより、トナー担持体141の表面141sには、トナーからなる層(トナー層)が形成される。
また、トナー担持体141は、筐体111に形成された開口を通して、像担持体13と対向する。トナー担持体141の表面141sと像担持体13の表面13sとの間には、第3ギャップG3が設けられている。
像担持体13が回転方向R3に沿って回転するとともに、トナー担持体141の表面141sと像担持体13の表面13sとの間に所定の電位差が発生すると、トナー層を構成するトナーが、トナー担持体141の表面141sから像担持体13の表面13s(より具体的には、像担持体13の表面13sのうち露光装置17により露光された部位)へ飛翔する。これにより、静電潜像がトナー像として現像される。トナー担持体141は、現像ローラーに相当する。
図3を用いて、像担持体13の構成を詳しく説明する。図3は、図2に示す領域IIIを拡大した図である。像担持体13は、導電性基体311と、感光層315とを有する。導電性基体311は、粗面313を有する。感光層315は、粗面313の上に設けられている。
像担持体13には、凸部P1と凹部P2とが形成されている。凸部P1は、導電性基体311の粗面313に形成された凸部に対応して、形成される。凹部P2は、導電性基体311の粗面313に形成された凹部に対応して、形成される。そして、像担持体13の表面13sの算術平均粗さRaが、40nm以上65nm以下である。ここで、像担持体13の表面13sの算術平均粗さRaは、JIS(日本工業規格) B 0601:1994で規定の方法に従い、測定される。
導電性基体311の粗面313は、ブラスト面であることが好ましい。ここで、ブラスト面とは、ブラスト加工により形成された面を意味する。粗面313がブラスト面であれば、粗面313において、凹凸は、導電性基体311の軸方向に不規則に形成され易く、導電性基体311の周方向に不規則に形成され易い。そのため、凸部P1及び凹部P2は、各々、像担持体13の表面13sにおいて、像担持体13の軸方向に不規則に形成され易く、像担持体13の周方向に不規則に形成され易い。ここで、導電性基体311の軸方向は、像担持体13の軸方向に相当する。また、導電性基体311の周方向は、像担持体13の周方向に相当する。
導電性基体311の粗面313がブラスト面であれば、粗面313の形成が容易となるため、凸部P1と凹部P2とが像担持体13の表面13sに形成され易い。これにより、像担持体13の表面13sの算術平均粗さRaが40nm以上65nm以下となり易い。
ブラスト加工には、例えば、サンドブラスト加工と、ショットブラスト加工と、グリットブラスト加工と、ビーズブラスト加工とが、含まれる。導電性基体311に吹き付ける研磨材の量(以下、「研磨材の吹き付け量」と記載する)が多くなるにつれて、粗面313の表面粗さが増加する傾向にあるため、像担持体13の表面13sの算術平均粗さRaが大きくなる傾向にある。研磨材の吹き付け速度が速くなる場合にも同様の傾向を示す、と考えられる。また、研磨材の吹き付け量が少なくなるにつれて、粗面313の表面粗さが減少する傾向にあるため、像担持体13の表面13sの算術平均粗さRaが小さくなる傾向にある。研磨材の吹き付け速度が遅くなる場合にも同様の傾向を示す、と考えられる。好ましくは、像担持体13の表面13sの算術平均粗さRaが40nm以上65nm以下となるようにブラスト加工での加工条件を設定して、粗面313を形成する。
導電性基体311は、金属で構成された円筒状の素管であることが好ましい。素管を構成する金属としては、例えば、アルミニウム、鉄、チタン、又はマグネシウムが挙げられる。
感光層315は、有機光伝導体を利用した有機感光層、又は無機光電体を利用した無機感光層であってもよいが、例えばシランガスの蒸着により形成されたアモルファスシリコン感光層であることが好ましい。感光層315がアモルファスシリコン感光層であれば、感光層315の耐久性が向上する。これにより、長期にわたって画像形成装置10を使用した場合であっても、像担持体13の表面形状が変化することを防止できる。よって、長期にわたって画像形成装置10を使用した場合であっても、像担持体13の表面13sの算術平均粗さRaを40nm以上65nm以下に維持し易い。
感光層315は、単層であってもよいし、二種以上の層が積層されて構成されてもよい。感光層315が単層である場合、感光層315は、電荷発生剤と電荷輸送剤とを含有することが好ましい。二種以上の層が積層されて感光層315が構成されている場合、感光層315は、下引き層と電荷発生層と電荷輸送層とを含むことが好ましい。感光層315の周面には、感光層315を保護する保護層が設けられていてもよい。
図4を用いて、画像形成装置10が収容する現像剤を説明する。図4は、現像剤の構成を示す図である。現像剤41は、トナー粒子51を複数含むトナーと、キャリア粒子61を複数含む静電潜像現像用キャリア(以下、単に「キャリア」と記載する)とを、含む。トナー粒子51は、各々、トナー母粒子53と、トナー母粒子53の表面に付着する外添剤とを、含む。外添剤は、複数の樹脂粒子55を含む。キャリア粒子61は、各々、キャリアコア63と、キャリアコア63の表面を被覆するコート層65とを、含む。そして、トナー母粒子53と、樹脂粒子55とは、各々、キャリアよりも強い正帯電性を有する。このように、本実施形態では、トナー母粒子53と樹脂粒子55とが互いに同一の極性を有する。
ここで、帯電性の強さは、何ら規定していなければ、摩擦帯電し易さに相当する。例えばトナーは、日本画像学会から提供される標準キャリア(アニオン性:N−01、カチオン性:P−01)と混ぜて攪拌することで、摩擦帯電させることができる。摩擦帯電させる前と後とでそれぞれ、例えばKFM(ケルビンプローブフォース顕微鏡)でトナー粒子の表面電位を測定し、摩擦帯電の前後での電位の変化が大きい部位ほど帯電性が強いことになる。そして、現像剤が二成分現像剤である場合、現像剤に含まれるトナーは、現像装置内においてキャリアと摩擦することで、正又は負に帯電する。
樹脂粒子55の個数平均一次粒子径が、50nm以上70nm以下である。樹脂粒子55の個数平均一次粒子径は、何ら規定していなければ、顕微鏡を用いて測定された一次粒子の円相当径(粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。
樹脂粒子55のブロッキング率が、15質量%以上40質量%以下である。ここで、「樹脂粒子55のブロッキング率が15質量%以上40質量%以下であること」とは、温度160℃且つ圧力0.1kgf/mm2での5分間加圧後における樹脂粒子55のブロッキング率が、目開き75μmのメッシュによる測定で15質量%以上40質量%以下であることを意味する。樹脂粒子55のブロッキング率は、後述する実施例に記載の方法、又はそれに準ずる方法で、測定される。
樹脂粒子のブロッキング率が低いことは、樹脂粒子が熱圧縮され難いことを意味するため、樹脂粒子の硬度が高いことを意味する。そのため、樹脂粒子55のブロッキング率が低くなるにつれて、樹脂粒子55がトナー母粒子53の表面から脱離し易い傾向にある。
樹脂粒子のブロッキング率が高いことは、樹脂粒子が熱圧縮され易いことを意味するため、樹脂粒子の硬度が低いことを意味する。そのため、樹脂粒子55のブロッキング率が高くなるにつれて、樹脂粒子55が他の部材の表面に付着し易い傾向にある。他の部材としては、例えば、像担持体13、又はキャリア粒子61が挙げられる。
樹脂粒子55のブロッキング率を40質量%以下にするためには、樹脂粒子55の硬度を非常に高める必要がある。例えば、高純度の架橋剤を使用して樹脂粒子55を製造すれば、樹脂粒子55のブロッキング率が40質量%以下になり易い。より具体的には、純度80%のジビニルベンゼン(架橋剤)を使用して樹脂粒子55を製造すれば、樹脂粒子55のブロッキング率が40質量%以下になり易い。架橋剤の配合量を変更して樹脂粒子55を製造すれば、樹脂粒子55のブロッキング率を変更できる。例えば、架橋剤の配合量を多くするにつれて、樹脂粒子55のブロッキング率が低くなる傾向にある。また、架橋剤の配合量を少なくするにつれて、樹脂粒子55のブロッキング率が高くなる傾向にある。
なお、現像剤41では、外添剤は、樹脂粒子55とは異なる外添剤粒子を、さらに含んでもよい。樹脂粒子55とは異なる外添剤粒子としては、例えば、シリカ粒子又は酸化チタン粒子が挙げられる。また、キャリア粒子61は、コート層65を含んでいなくてもよい。つまり、キャリア粒子61は、キャリアコアで構成されていてもよい。
以上、図1〜図4を用いて、画像形成装置10の構成を説明した。画像形成装置10では、かぶりの発生の防止とクリーニング部材27によるクリーニング性能の維持とを両立できる。以下、画像形成装置10が奏する効果を詳しく説明する。
画像形成装置10では、樹脂粒子55の個数平均一次粒子径が70nm以下である。これにより、樹脂粒子55の脱離が起こり易い状況で画像形成を行う場合であっても、樹脂粒子55がトナー母粒子53の表面から脱離することを防止できる。
また、画像形成装置10では、樹脂粒子55のブロッキング率が15質量%以上である。これにより、樹脂粒子55の硬度が高くなり過ぎることを防止できる。よって、樹脂粒子55の脱離が起こり易い状況で画像形成を行う場合であっても、樹脂粒子55がトナー母粒子53の表面から脱離することを防止できる。
例えば、本実施形態では、トナー母粒子53と樹脂粒子55とが互いに同一の極性を有する。そのため、トナー母粒子53と樹脂粒子55とが静電的に反発し易いため、樹脂粒子55がトナー母粒子53の表面から脱離し易い。しかし、本実施形態では、樹脂粒子55の個数平均一次粒子径が70nm以下であり、樹脂粒子55のブロッキング率が15質量%以上である。よって、トナー母粒子53と樹脂粒子55とが互いに同一の極性を有する場合であっても、画像形成中に樹脂粒子55がトナー母粒子53の表面から脱離すること(以下、「画像形成中における樹脂粒子55の脱離」と記載する)を防止できる。
また、画像形成装置には、10℃以上40℃以下の温度範囲での動作が求められている。一般的に、低温環境下で画像形成を行うと、現像剤の温度が低くなり易い。現像剤の温度が低くなるにつれて、樹脂粒子の硬度が高くなる傾向にあるため、樹脂粒子がトナー母粒子の表面に固定され難い傾向にある。しかし、本実施形態では、樹脂粒子55のブロッキング率が15質量%以上である。そのため、現像剤41の温度が低くなっても、樹脂粒子55の硬度が高くなり過ぎることを防止できる。さらに、本実施形態では、樹脂粒子55の個数平均一次粒子径が70nm以下である。これらのことから、低温環境下で画像形成を行う場合であっても、画像形成中における樹脂粒子55の脱離を防止できる。
また、本実施形態では、タッチダウン現像法を採用している。一般的に、タッチダウン現像法が採用された画像形成装置を用いて画像を形成すると、現像剤担持体とトナー担持体との間には交流電界が形成される。この交流電界がトナー粒子に作用することで、樹脂粒子がトナー母粒子の表面から脱離し易くなる。しかし、本実施形態では、樹脂粒子55の個数平均一次粒子径が70nm以下であり、樹脂粒子55のブロッキング率が15質量%以上である。そのため、タッチダウン現像法が採用された画像形成装置(より具体的には、画像形成装置10)において画像形成を行う場合であっても、画像形成中における樹脂粒子55の脱離を防止できる。
このように、本実施形態では、樹脂粒子55の脱離が起こり易い状況で画像形成を行う場合であっても、画像形成中における樹脂粒子55の脱離を防止できる。より具体的には、画像形成装置10を用いて低温環境下で画像形成を行う場合であっても、画像形成中における樹脂粒子55の脱離を防止できる。これにより、画像形成中にトナーの帯電性が変動することを効果的に防止できる。よって、トナーが帯電不良を起こすことを効果的に防止できる。したがって、かぶりの発生を効果的に防止できる。
画像形成装置10では、樹脂粒子55の個数平均一次粒子径が50nm以上である。これにより、画像形成中に樹脂粒子55がトナー母粒子53の表面から脱離した場合であっても、脱離粒子が像担持体13とクリーニング部材27との間を擦り抜けることを防止できる。よって、脱離粒子をクリーニング部材27で回収できる。したがって、クリーニング部材27によるクリーニング性能を維持できる。
また、画像形成装置10では、樹脂粒子55のブロッキング率が40質量%以下である。これにより、樹脂粒子55の硬度が低くなり過ぎることを防止できる。よって、画像形成中に樹脂粒子55がトナー母粒子53の表面から脱離した場合であっても、脱離粒子が像担持体13の表面13sに接着することを防止できる。したがって、脱離粒子をクリーニング部材27で回収し易いため、クリーニング部材27によるクリーニング性能を維持できる。
また、画像形成装置10では、像担持体13の表面13sの算術平均粗さRaが40nm以上65nm以下である。これにより、脱離粒子が像担持体13の表面13sに付着した場合であっても、像担持体13の表面13sと脱離粒子の表面との接触面積を小さく抑えることができる。よって、像担持体13の表面13sに対する脱離粒子の付着力を低く抑えることができる。このことによっても、脱離粒子が像担持体13の表面13sに接着することを防止できる。したがって、脱離粒子をクリーニング部材27で回収し易いため、クリーニング部材27によるクリーニング性能を維持できる。
脱離粒子がクリーニング部材27で回収されれば、脱離粒子が像担持体13の表面13sに固着することを防止できる。これにより、画像形成装置10を用いて画像を形成すれば、画質に優れる画像を形成できる。例えば、形成された画像に、縦筋状の画像欠陥が形成されることを防止できる。
なお、本発明者らは、画像形成装置が下記構成P及び構成Qを備えている場合であっても下記構成Rを備えていなければ、クリーニング部材によるクリーニング性能が低下することを確認している(後述の比較例5及び6参照)。
構成P:樹脂粒子55の個数平均一次粒子径が、50nm以上70nm以下である。
構成Q:樹脂粒子55のブロッキング率が、15質量%以上40質量%以下である。
構成R:像担持体13の表面13sの算術平均粗さRaが、40nm以上65nm以下である。
像担持体の表面の算術平均粗さRaが小さ過ぎる場合にクリーニング部材によるクリーニング性能が低下する理由としては、次に示すことが考えられる。
像担持体の表面の算術平均粗さRaが小さくなるにつれて、像担持体の表面とクリーニング部材の表面との接触面積が大きくなる傾向にある。そのため、像担持体の表面の算術平均粗さRaが小さ過ぎると、クリーニング時には、像担持体の表面とクリーニング部材の表面との間で発生する摩擦力を小さく抑えることが難しい。これにより、クリーニング部材が欠損することがある。クリーニング部材が欠損すると、脱離粒子が、クリーニング部材の欠損箇所を通って、像担持体とクリーニング部材との間を擦り抜けることがある。よって、クリーニング部材によるクリーニング性能が低下し易い。
像担持体の表面の算術平均粗さRaが大き過ぎる場合にクリーニング部材によるクリーニング性能が低下する理由としては、次に示すことが考えられる。
像担持体の表面の算術平均粗さRaが大きくなるにつれて、像担持体の表面に形成された凹部が大きくなる傾向にある。そして、像担持体の表面に形成された凹部が大きくなると、脱離粒子が、像担持体の表面に形成された凹部内を通って、像担持体とクリーニング部材との間を擦り抜け易い。よって、クリーニング部材によるクリーニング性能が低下し易い。
[画像形成方法]
画像形成装置10を用いた画像形成方法では、制御部29が、画像形成を実行する。CPUが所定の制御プログラムを実行することで、帯電工程と露光工程と現像工程と転写工程と定着工程とクリーニング工程とを行うことができる。以下では、帯電工程と露光工程と現像工程と転写工程と定着工程とクリーニング工程とを順に説明する。
まず、帯電工程では、制御部29が、帯電装置15を制御して、像担持体13の表面13sを一様に帯電させる。次に、露光工程では、制御部29が、露光装置17を制御して、一様に帯電した像担持体13の表面13sを露光させる。これにより、像担持体13の表面13sには、静電潜像が形成される。
続いて、現像工程では、制御部29が、現像装置11と像担持体13とを制御して、静電潜像をトナー像として現像させる。詳しくは、まず、制御部29が、第1攪拌スクリュー115Aに第1搬送路113A内の現像剤41を攪拌させ、第2攪拌スクリュー115Bに第2搬送路113B内の現像剤41を攪拌させる。これにより、現像剤41は、攪拌されながら第1搬送路113A内を搬送された後、攪拌されながら第2搬送路113B内を搬送される。
同時に、制御部29が、現像剤41を、第2搬送路113Bから現像剤担持体121の表面121sへ磁気的に汲み上げる。これにより、現像剤担持体121の表面121sには、磁気ブラシ層が形成される。
同時に、制御部29が、現像剤担持体121を回転方向R1に沿って回転させる。これにより、磁気ブラシ層の厚さが、現像剤規制部材131によって、所定の厚さに規制される。
同時に、制御部29が、トナー担持体141を、磁気ブラシ層に接触させながら、回転方向R2に沿って回転させる。そして、現像剤担持体121の表面121sとトナー担持体141の表面141sとの間に所定の電位差が生じるように、制御部29が、現像剤担持体121及びトナー担持体141の各々にバイアスを印加する。これにより、磁気ブラシ層に含まれるトナーが、現像剤担持体121の表面121sからトナー担持体141の表面141sへ移動する。このようにして、トナー担持体141の表面141sには、トナーからなる層(トナー層)が形成される。
同時に、制御部29が、像担持体13を、回転方向R3に沿って回転させる。これにより、トナー層を構成するトナーが、トナー担持体141の表面141sから像担持体13の表面13sのうち露光された部位へ飛翔する。このようにして、静電潜像がトナー像として現像される。
続いて、転写工程では、制御部29が、転写装置を制御して、トナー像を記録媒体Mへ転写させる。制御部29は、一次転写ローラー19と転写ベルト21と二次転写ローラー23とを制御してトナー像を記録媒体Mへ転写させてもよいし(中間転写方式)、一次転写ローラー19と転写ベルト21とを制御してトナー像を記録媒体Mへ転写させてもよい(直接転写方式)。
続いて、定着工程では、制御部29が、定着装置25を制御して、未定着トナー像を加熱及び/又は加圧により記録媒体Mに定着させる。このようにして、記録媒体Mに画像が定着される。
続いて、クリーニング工程では、制御部29が、クリーニング部材27を制御して、転写残トナーを像担持体13の表面13sから除去する。
[現像剤の好ましい製造方法]
以下、図面を参照することなく、本実施形態における現像剤の好ましい製造方法を説明する。本実施形態における現像剤の製造方法は、好ましくはトナーの製造工程を含み、より好ましくは混合工程をさらに含む。
<トナーの製造工程>
トナーの製造工程は、トナー母粒子の製造工程と、樹脂粒子の製造工程と、外添工程とを含むことが好ましい。同時に製造された複数のトナー粒子は、互いに略同一の構成を有すると考えられる。
(トナー母粒子の製造工程)
トナー母粒子の製造工程は、好ましくはトナーコアの製造工程を含み、より好ましくはシェル層の形成工程をさらに含む。トナーコアの製造工程とシェル層の形成工程とを順に行えば、カプセルトナーを製造できる。トナーコアの製造工程を行った後、シェル層の形成工程を行わなければ、非カプセルトナーを製造できる。ここで、カプセルトナーは、トナーコアと、トナーコアの表面に形成されたシェル層とを備える。非カプセルトナーは、トナーコアを備えるが、シェル層を備えない。非カプセルトナーでは、トナーコアがトナー母粒子に相当する。
トナーコアの製造工程では、公知の凝集法又は公知の粉砕法でトナーコアを製造することが好ましい。シェル層の形成工程では、例えばin−situ重合法、液中硬化被膜法、又はコアセルベーション法でシェル層を形成することが好ましい。
(樹脂粒子の製造工程)
樹脂粒子の製造工程は、樹脂粒子の分散液の調製工程と、樹脂粒子の分散液の乾燥工程とを含むことが好ましい。
樹脂粒子の分散液の調製工程では、水性媒体中において、分子内に不飽和結合を有するモノマーを、重合(例えば乳化重合)させることが好ましい。ここで、水性媒体は、水、又は水を主成分として含む分散媒であることが好ましい。水性媒体が水で構成される場合、水は、イオン交換水、又は純水であることが好ましい。また、水を主成分として含む分散媒は、界面活性剤と水との混合液、又は乳化剤と水との混合液であることが好ましい。界面活性剤は、例えば、カチオン界面活性剤であることが好ましい。
分子内に不飽和結合を有するモノマーは、架橋剤として機能するモノマーを含む。架橋剤として機能するモノマーとしては、例えば、純度80%以上のジビニルベンゼンが挙げられる。また、分子内に不飽和結合を有するモノマーの重合時間(以下、「モノマーの重合時間」と記載する)を調整すれば、所望の個数平均一次粒子径を有する樹脂粒子を得ることができる。詳しくは、モノマーの重合時間が長くなるにつれて、樹脂粒子の個数平均一次粒子径が大きくなる傾向にある。また、モノマーの重合時間が短くなるにつれて、樹脂粒子の個数平均一次粒子径が小さくなる傾向にある。
樹脂粒子の分散液の乾燥工程では、樹脂粒子の分散液を乾燥させる。樹脂粒子の分散液の乾燥前と樹脂粒子の分散液の乾燥後とにおいて樹脂粒子の材料及び物性が変化しない限りにおいて、樹脂粒子の分散液を乾燥させる方法は特に限定されない。樹脂粒子の分散液を乾燥させると、複数の樹脂粒子で構成された粉体が得られる。
(外添工程)
外添工程では、混合機(例えば、日本コークス工業株式会社製のFMミキサー)を用いて、得られた粉体(複数の樹脂粒子)とトナー母粒子とを混合することが好ましい。これにより、トナー母粒子の表面には、樹脂粒子が付着する。こうして、トナー粒子を多数含むトナーが得られる。
トナー母粒子の表面には、80個数%以上の樹脂粒子が、付着していることが好ましい。より好ましくは、90個数%以上の樹脂粒子がトナー母粒子の表面に付着している。100個数%の樹脂粒子がトナー母粒子の表面に付着していてもよいし、少数の樹脂粒子(例えば、5個数%未満の樹脂粒子)がトナー母粒子の表面から離れて存在していてもよい。
<混合工程>
混合工程では、得られたトナーとキャリアとを混合して攪拌することが好ましい。このとき、トナー粒子は、100質量部のキャリア粒子に対して、好ましくは1質量部以上20質量部以下添加され、より好ましくは3質量部以上15質量部以下添加される。また、混合機(例えば、ボールミル、ナウターミキサー又はロッキングミキサー等)を用いて、トナー粒子とキャリア粒子との混合及び攪拌を行うことができる。このようにして、現像剤が得られる。
[現像剤の好ましい材料の例示]
本実施形態における現像剤を構成する材料としては、例えば、以下に示す材料が挙げられる。以下では、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。また、アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。また、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを包括的に「(メタ)アクリロニトリル」と総称する場合がある。
<トナーコア>
(結着樹脂)
トナーコアでは、通常、成分の大部分(例えば、85質量%以上)を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナーコア全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。
また、結着樹脂として複数種の樹脂を組み合わせて使用することで、結着樹脂の性質(具体的には、水酸基価、酸価、ガラス転移点、又は軟化点)を調整できる。例えば、結着樹脂がアミノ基又はアミド基を有する場合、トナーコアはカチオン性になる傾向が強くなる。
結着樹脂は、熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル酸系樹脂、オレフィン系樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、又はウレタン樹脂を使用できる。アクリル酸系樹脂としては、例えば、アクリル酸エステル重合体又はメタクリル酸エステル重合体を使用できる。オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂を使用できる。ビニル樹脂としては、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、又はN−ビニル樹脂を使用できる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち前述の樹脂中に任意の繰返し単位が導入された共重合体も、トナー粒子を構成する熱可塑性樹脂として使用できる。例えば、スチレン−アクリル酸系樹脂又はスチレン−ブタジエン系樹脂も、結着樹脂を構成する熱可塑性樹脂として使用できる。以下では、結着樹脂の一例であるポリエステル樹脂について詳述する。
(結着樹脂:ポリエステル樹脂)
ポリエステル樹脂は、1種以上のアルコールと1種以上のカルボン酸との共重合体である。ポリエステル樹脂を合成するためのアルコールとしては、例えば以下に示す2価アルコール又は3価以上のアルコールを使用できる。2価アルコールとしては、例えば、ジオール類又はビスフェノール類を使用できる。ポリエステル樹脂を合成するためのカルボン酸としては、例えば以下に示す2価カルボン酸又は3価以上のカルボン酸を使用できる。
ジオール類の好適な例としては、脂肪族ジオールが挙げられる。脂肪族ジオールの好適な例としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、α,ω−アルカンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリテトラメチレングリコールが挙げられる。α,ω−アルカンジオールは、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、又は1,12−ドデカンジオールであることが好ましい。
ビスフェノール類の好適な例としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、又はビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
3価以上のアルコールの好適な例としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、又は1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
2価カルボン酸の好適な例としては、芳香族ジカルボン酸、α,ω−アルカンジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、又はシクロアルカンジカルボン酸が挙げられる。芳香族ジカルボン酸は、例えば、フタル酸、テレフタル酸、又はイソフタル酸であることが好ましい。α,ω−アルカンジカルボン酸は、例えば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、又は1,10−デカンジカルボン酸であることが好ましい。不飽和ジカルボン酸は、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、又はグルタコン酸であることが好ましい。シクロアルカンジカルボン酸は、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸であることが好ましい。
3価以上のカルボン酸の好適な例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、又はエンポール三量体酸が挙げられる。
(離型剤)
離型剤は、例えば、正帯電性トナーの定着性又は耐高温オフセット性を向上させる目的で使用される。トナーコアのカチオン性を強めるためには、カチオン性を有するワックスを用いてトナーコアを作製することが好ましい。
離型剤は、例えば、脂肪族炭化水素ワックス、植物性ワックス、動物性ワックス、鉱物ワックス、脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、又は脂肪酸エステルの一部又は全部が脱酸化したワックスであることが好ましい。脂肪族炭化水素ワックスは、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、又はフィッシャートロプシュワックスであることが好ましい。脂肪族炭化水素ワックスには、これらの酸化物も含まれる。植物性ワックスは、例えば、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、又はライスワックスであることが好ましい。動物性ワックスは、例えば、みつろう、ラノリン、又は鯨ろうであることが好ましい。鉱物ワックスは、例えば、オゾケライト、セレシン、又はペトロラタムであることが好ましい。脂肪酸エステルを主成分とするワックス類は、例えば、モンタン酸エステルワックス、又はカスターワックスであることが好ましい。1種類のワックスを単独で使用してもよいし、複数種のワックスを併用してもよい。
結着樹脂と離型剤との相溶性を改善するために、相溶化剤をトナーコアに添加してもよい。
(電荷制御剤)
電荷制御剤は、例えば、正帯電性トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。正帯電性トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルに正帯電性トナーを帯電可能か否かの指標になる。トナーコアに正帯電性の電荷制御剤を含有させることで、トナーコアのカチオン性を強めることができる。トナーコアに負帯電性の電荷制御剤を含有させることで、トナーコアのアニオン性を強めることができる。
(着色剤)
着色剤としては、正帯電性トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。正帯電性トナーを用いて高画質の画像を形成するためには、着色剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナーコアは、黒色着色剤を含有していてもよい。黒色着色剤の例としては、カーボンブラックが挙げられる。また、黒色着色剤は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色された着色剤であってもよい。
トナーコアは、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、又はシアン着色剤のようなカラー着色剤を含有していてもよい。
イエロー着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、及びアリールアミド化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。イエロー着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、又は194)、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、又はC.I.バットイエローを使用できる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及びペリレン化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。マゼンタ着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、又は254)を使用できる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、アントラキノン化合物、及び塩基染料レーキ化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。シアン着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、又は66)、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、又はC.I.アシッドブルーを使用できる。
<シェル層>
シェル層は、熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。シェル層が含有する熱可塑性樹脂としては、例えば、前述の(結着樹脂)に記載の熱可塑性樹脂を使用できる。
<樹脂粒子>
樹脂粒子を構成する樹脂は、架橋アクリル酸系樹脂と架橋スチレン−アクリル酸系樹脂とのうちの少なくとも1つであることが好ましい。架橋アクリル酸系樹脂と架橋スチレン−アクリル酸系樹脂とは、各々、帯電性に優れる。また、架橋アクリル酸系樹脂と架橋スチレン−アクリル酸系樹脂とは、各々、メラミン樹脂に比べ、微粒子を作製し易い。より好ましくは、樹脂粒子を構成する樹脂は、架橋スチレン−アクリル酸系樹脂である。
架橋アクリル酸系樹脂は、1種以上のアクリル酸系モノマーと1種以上の架橋剤との共重合体である。1種以上の架橋剤が純度80%以上のジビニルベンゼンを含んでいれば、樹脂粒子のブロッキング率が15質量%以上40質量%以下になり易い。架橋アクリル酸系樹脂を合成するために使用されるアクリル酸系モノマーとしては、以下に示すアクリル酸系モノマーを好適に使用できる。
架橋スチレン−アクリル酸系樹脂は、1種以上のスチレン系モノマーと1種以上のアクリル酸系モノマーと1種以上の架橋剤との共重合体である。1種以上の架橋剤が純度80%以上のジビニルベンゼンを含んでいれば、樹脂粒子のブロッキング率が15質量%以上40質量%以下になり易い。架橋スチレン−アクリル酸系樹脂を合成するために使用されるスチレン系モノマーとしては、以下に示すスチレン系モノマーを好適に使用できる。架橋スチレン−アクリル酸系樹脂を合成するために使用されるアクリル酸系モノマーとしては、以下に示すアクリル酸系モノマーを好適に使用できる。
スチレン系モノマーの好適な例としては、スチレン、アルキルスチレン、ヒドロキシスチレン、又はハロゲン化スチレンが挙げられる。アルキルスチレンは、例えば、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、又は4−tert−ブチルスチレンであることが好ましい。ヒドロキシスチレンは、例えば、p−ヒドロキシスチレン、又はm−ヒドロキシスチレンであることが好ましい。ハロゲン化スチレンは、例えば、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、又はp−クロロスチレンであることが好ましい。
アクリル酸系モノマーの好適な例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの好適な例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸iso−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、又は(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが挙げられる。(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルの好適な例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、又は(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルが挙げられる。
<キャリア>
キャリア粒子は、キャリアコアで構成されてもよいし、キャリアコアとコート層とを有してもよい。
キャリアコアは、磁性材料を含有することが好ましく、より好ましくは磁性材料で構成されている。キャリアコアに含有される磁性材料は、好ましくはフェライト又はマグネタイトであり、より好ましくはフェライトである。フェライトは、例えば、マグネタイト(スピネルフェライト)、バリウムフェライト、Mnフェライト、Mn−Znフェライト、Ni−Znフェライト、Mn−Mgフェライト、Ca−Mgフェライト、Liフェライト、Cu−Znフェライト、又はMn−Mg−Srフェライトであることが好ましい。
コート層は、キャリアコアの表面を被覆する。コート層は、樹脂を含有することが好ましく、より好ましくは樹脂で構成されている。コート層に含有される樹脂は、例えば、シリコーン系樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル酸系樹脂、ポリエステル樹脂及びフッ素樹脂からなる群より選択される1種であることが好ましい。
本発明の実施例を説明する。なお、実施例において、粉体に関する評価結果(形状又は物性などを示す値)は、何ら規定していなければ、粉体から平均的な粒子を相当数選び取って、それら平均的な粒子の各々について測定した値の個数平均である。粉体には、例えば、トナーコアと、トナー母粒子と、外添剤と、トナーとが含まれる。
また、粉体の個数平均粒子径は、何ら規定していなければ、顕微鏡を用いて測定された一次粒子の円相当径(粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、ベックマン・コールター株式会社製の「コールターカウンターマルチサイザー3」を用いてコールター原理(細孔電気抵抗法)に基づき測定した値である。酸価の測定値は、何ら規定していなければ、「JIS(日本工業規格)K0070−1992」に従い測定した値である。融点(Mp)は、何ら規定していなければ、示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いて測定した値である。
[評価1]
評価1では、個数平均一次粒子径が互いに異なる樹脂粒子(より具体的には、樹脂粒子B−11〜B−15の各々)を用いて、画像形成装置(より具体的には、装置A−11〜A−15の各々)を製造した。得られた画像形成装置を用いて、クリーニング部材によるクリーニング性能を評価し、かぶり濃度を評価した。表1には、評価1で製造した画像形成装置の構成を示す。表1において、「粒子径」には、樹脂粒子の個数平均一次粒子径を記す。「DVBの配合量」には、樹脂粒子の製造時におけるジビニルベンゼンの配合量を記す。「粗さRa」には、像担持体の表面の算術平均粗さRaを記す。
Figure 0006673284
以下では、まず、樹脂粒子B−11〜B−15の製造方法、及び物性値の測定方法を説明する。次に、装置A−11〜A−15の製造方法、評価方法、及び評価結果を順に説明する。なお、誤差が生じる評価においては、誤差が十分小さくなる相当数の測定値を得て、得られた測定値の算術平均を評価値とした。
[樹脂粒子B−11〜B−15の各々の製造方法]
攪拌機、冷却管、温度計、及び窒素導入管を備えた四つ口フラスコ(容量:1000mL)に、600gのイオン交換水と、100gのメタクリル酸ブチル(BMA)と、20gのスチレンと、60gのジビニルベンゼン(DVB、架橋剤)と、15gのベンゾイルパーオキサイド(BPO、重合開始剤)と、6gのカチオン界面活性剤(花王株式会社製「コータミン(登録商標)24P」、成分:ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド25質量%水溶液)とを、攪拌しながら、入れた。フラスコに窒素ガスを供給しながら、且つ攪拌速度90rpmでフラスコの内容物を攪拌しながら、フラスコ内の温度を90℃に昇温させた。窒素ガスの供給とフラスコの内容物の攪拌とを継続しながら、所定の時間にわたってフラスコ内の温度を90℃に保った。フラスコ内の温度を90℃に保っている間に、フラスコの内容物を反応(重合反応)させた。このようにして、樹脂粒子のエマルションを得た。得られたエマルションを乾燥して、樹脂粒子(粉体)を得た。
フラスコ内の温度を90℃に保つ時間(保持時間)を調整すれば、所望の個数平均一次粒子径を有する樹脂粒子を得ることができた。より具体的には、保持時間を長くするにつれて、樹脂粒子の個数平均一次粒子径が大きくなる傾向にあった。また、保持時間を短くするにつれて、樹脂粒子の個数平均一次粒子径が小さくなる傾向にあった。このようにして、樹脂粒子B−11〜B−15を得た。
[樹脂粒子B−11〜B−15の各々の物性値の測定方法]
<個数平均一次粒子径の測定方法>
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、得られた樹脂粒子(より具体的には、樹脂粒子B−11〜B−15の各々)の個数平均一次粒子径を測定した。結果を表1に示す。
なお、得られた樹脂粒子は、シャープな粒度分布を有していた。より具体的には、樹脂粒子B−11は、約40nmの粒子径を有する樹脂粒子のみを実質的に含んでいた。樹脂粒子B−12は、約50nmの粒子径を有する樹脂粒子のみを実質的に含んでいた。樹脂粒子B−13は、約60nmの粒子径を有する樹脂粒子のみを実質的に含んでいた。樹脂粒子B−14は、約70nmの粒子径を有する樹脂粒子のみを実質的に含んでいた。樹脂粒子B−15は、約80nmの粒子径を有する樹脂粒子のみを実質的に含んでいた。
<ブロッキング率の測定方法>
次に示す方法で、樹脂粒子(より具体的には、樹脂粒子B−11〜B−15の各々)のブロッキング率を測定した。詳しくは、まず、測定用治具(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製)を準備した。測定用治具は、円柱状の穴(直径:10mm、深さ:10mm)が形成された台(材質:オーステナイトステンレス鋼)と、円柱状の圧子(直径:10mm、材質:オーステナイトステンレス鋼)と、ヒーターとを、備えていた。
次に、温度23℃及び湿度50%RHの環境下において、台に形成された穴(測定部位)に、10mgの樹脂粒子(測定対象)を入れた。ヒーターで測定部位を160℃に加熱し、圧子(荷重:約100N)で測定部位に0.1kgf/mm2の圧力を5分間加えた。その後、測定部位に存在する樹脂粒子を、全量回収し、質量既知の目開き75μmの篩(JIS Z8801−1で規定される200メッシュ)上にセットした。そして、樹脂粒子を含む篩の質量を測定した。このようにして、篩上の樹脂粒子の質量(吸引前の樹脂粒子の質量)を求めた。
続けて、吸引機(アマノ株式会社製「V−3SDR」)を用いて、篩の下方から篩上の樹脂粒子を吸引した。この吸引により、篩上の樹脂粒子のうちブロッキングしていない樹脂粒子のみが篩を通過した。吸引後、篩を通過しなかった樹脂粒子(篩上に残留した樹脂粒子)の質量を測定した。そして、吸引前の樹脂粒子の質量と、吸引後の樹脂粒子の質量(篩を通過しなかった樹脂粒子の質量)とに基づいて、次の式に従い樹脂粒子のブロッキング率[単位:質量%]を求めた。樹脂粒子のブロッキング率は25質量%と算出された。
ブロッキング率=100×吸引後の樹脂粒子の質量/吸引前の樹脂粒子の質量
[装置A−11の製造方法]
<現像剤の製造方法>
まず、トナー母粒子を製造した。詳しくは、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて、100質量部のポリエステル樹脂(酸価:5.6mgKOH/g、融点:105℃)と、4質量部の着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3、成分:銅フタロシアニン顔料)と、5質量部の離型剤(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−3」、成分:エステルワックス、溶融温度:73℃)と、1質量部の電荷制御剤(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」、成分:4級アンモニウム塩)とを、混合した。得られた混合物を、2軸押出機(株式会社池貝「PCM−30型」)を用いて、溶融混練して溶融混練物を得た。得られた溶融混練物を、機械式粉砕機(フロイント・ターボ株式会社「ターボミル」)を用いて、粉砕し、粉砕物を得た。得られた粉砕物を、分級機(日鉄鉱業株式会社「エルボージェット」)を用いて、分級した。このようにして、体積中位径(D50)が6.8μmであるトナー母粒子を得た。
次に、外添剤をトナー母粒子の表面に外添させた。詳しくは、まず、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて、5分間にわたって、100質量部のトナー母粒子と、1質量部の疎水性シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)RA−200H」)とを混合した。次に、FMミキサーに1質量部の樹脂粒子B−11をさらに加えた後、5分間にわたって混合した。このようにして、複数のトナー粒子を含むトナーT−11を得た。
続いて、得られたトナーT−11とキャリアとを混合した。詳しくは、粉体混合機(愛知電機株式会社製「ロッキングミキサー(登録商標)」)を用いて、30分間にわたって、9質量部のトナーT−11と、100質量部のキャリアとを混合した。ここで、キャリアは、キャリアコアと、コート層とを備えていた。キャリアコアは、Mn−Mg−Srフェライトで構成されていた。コート層は、ポリアミドイミド樹脂とPFAとの混合樹脂で構成され、キャリアコアの表面を被覆していた。このようにして、現像剤TC−11を得た。
<現像剤の供給方法>
まず、複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の「Taskalfa6052ci」において像担持体として像担持体C−12を取り付けたもの)を準備した。詳しくは、準備した複合機は、像担持体C−12と現像装置とクリーニング部材とを備えていた。また、準備した複合機は、タッチダウン現像法で現像可能に構成されていた。より具体的には、現像装置は、現像剤担持体とトナー担持体とを有していた。現像剤担持体とトナー担持体とは、各々、現像剤担持体の表面に担持された現像剤がトナー担持体に接触した状態で、回転するように構成されていた。トナー担持体と像担持体C−12とは、各々、トナー担持体の表面に担持されたトナーが静電潜像へ向かって飛翔して、静電潜像をトナー像として現像するように、構成されていた。そして、像担持体C−12は、アルミ素管と、アモルファスシリコン感光層とを、有していた。アルミ素管の周面には、サンドブラスト加工が施されていた。アモルファスシリコン層は、アルミ素管の周面に設けられていた。JIS(日本工業規格) B 0601:1994で規定の方法に従い、アモルファスシリコン層の表面の算術平均粗さ(像担持体の表面の算術平均粗さに相当)Raを測定した。アモルファスシリコン層の表面の算術平均粗さRaは、40nmであった。
次に、トナーT−11を複合機のトナーコンテナに供給した。また、現像剤TC−11を複合機の現像装置に供給した。その後、インストール動作を行った。これにより、現像剤TC−11を現像装置の現像剤搬送路内に充填した。このようにして、装置A−11を得た。
[装置A−12〜A−15の各々の製造方法]
樹脂粒子B−11の代わりに樹脂粒子B−12〜B−15を用いたことを除いては装置A−11の製造方法に従い、各々、装置A−12〜A−15を製造した。
[装置A−11〜A−15の各々の評価方法]
<クリーニング部材によるクリーニング性能の評価方法:擦り抜け試験>
温度10℃且つ湿度10%RHの環境下において、画像形成装置(より具体的には、装置A−11〜A−15の各々)を用いて、A4サイズの普通紙に対し、印字率20%のパターン画像を10万枚連続印刷した。その後、A3サイズの印刷用紙全面にハーフトーン画像(解像度:300dpi)を印刷した。得られたハーフトーン画像において、縦筋状の画像欠陥がないか、目視で確認した。
クリーニング部材によるクリーニング性能の評価基準を以下に示す。また、評価結果を表2に示す。
(評価基準)
○(良い):ハーフトーン画像において、縦筋状の画像欠陥が確認されなかった。
×(悪い):ハーフトーン画像において、縦筋状の画像欠陥が確認された。
<かぶり濃度の評価方法>
温度10℃且つ湿度10%RHの環境下において、画像形成装置(より具体的には、装置A−11〜A−15の各々)を用いて、A4サイズの普通紙に対し、印字率5%のパターン画像を10万枚連続印刷した。その後、印字率100%の評価用画像をA4サイズの普通紙に形成した。その後、カラー反射濃度計(伊原電子工業株式会社製「R710」)を用いて、評価用画像の空白部の反射濃度を測定した。そして、下記式に基づいて、かぶり濃度(FD)を算出した。
FD=(空白部の反射濃度)−(未印刷紙の反射濃度)
算出結果を表2に示す。ここで、かぶり濃度(FD)が0.100以下であれば、かぶりの発生が抑制された、と評価した。一方、かぶり濃度(FD)が0.100超であれば、かぶりが発生した、と評価した。
[装置A−11〜A−15の各々の評価結果]
表2に、装置A−11〜A−15の各々の評価結果を示す。表2において、「粒子径」には、樹脂粒子の個数平均一次粒子径を記す。「クリーニング」には、クリーニング部材によるクリーニング性能の評価結果を記す。「かぶり濃度(FD)」には、かぶり濃度(FD)の算出結果を記す。
Figure 0006673284
実施例1〜3に係る画像形成装置(より具体的には、装置A−12〜A−14)は、各々、後述の基本構成を備えていた。実施例1〜3に係る画像形成装置が備えている基本構成は、以下に示すとおりであった。詳しくは、装置A−12〜A−14は、各々、像担持体と、現像装置と、クリーニング部材とを備えていた。像担持体の表面には、アルミ素管の周面(導電性基体の表面)に形成された凹凸に対応する凹凸が、形成されていた。像担持体の表面の算術平均粗さRaは、40nm以上65nm以下であった。装置A−12〜A−14は、各々、現像剤TC−12〜TC−14を含んでいた。現像剤TC−12〜TC−14は、各々、トナーとキャリアとを含んでいた。トナーは、複数のトナー粒子を含み、トナー粒子は、各々、トナー母粒子と外添剤とを含んでいた。トナー母粒子と外添剤とは、各々、キャリアよりも強い正帯電性を有していた。外添剤は、複数の樹脂粒子を含んでいた。樹脂粒子のブロッキング率が、15質量%以上40質量%以下であった。樹脂粒子の個数平均一次粒子径が、50nm以上70nm以下であった。
表2に示すように、装置A−12〜A−14は、各々、クリーニング部材によるクリーニング性能に優れた。また、装置A−12〜A−14の各々を用いて画像形成を行えば、形成された画像において、かぶりの発生を防止できた。
比較例1及び2に係る画像形成装置(より具体的には、装置A−11及びA−15)は、各々、前述の基本構成を備えていなかった。詳しくは、装置A−11では、樹脂粒子の個数平均一次粒子径が50nm未満であった。そして、装置A−11は、クリーニング部材によるクリーニング性能に劣った。また、装置A−15では、樹脂粒子の個数平均一次粒子径が70nm超であった。そして、装置A−15を用いて画像形成を行えば、形成された画像において、かぶりが発生した。
[評価2]
評価2では、ブロッキング率が互いに異なる樹脂粒子(より具体的には、樹脂粒子B−13及びB−21〜B−25の各々)を用いて、画像形成装置(より具体的には、装置A−13及びA−21〜A−25の各々)を製造した。得られた画像形成装置を用いて、クリーニング部材によるクリーニング性能を評価し、かぶり濃度を評価した。表3には、評価2で評価した画像形成装置の構成を示す。表3において、「粒子径」には、樹脂粒子の個数平均一次粒子径を記す。「DVBの配合量」には、樹脂粒子の製造時におけるジビニルベンゼンの配合量を記す。「粗さRa」には、像担持体の表面の算術平均粗さRaを記す。
Figure 0006673284
以下では、まず、装置A−21〜A−25の製造方法、及び評価方法を順に説明する。次に、装置A−13及びA−21〜A−25の評価結果を説明する。
[装置A−21〜A−25の各々の製造方法]
まず、樹脂粒子B−21〜B−25の各々を製造した。このとき、ジビニルベンゼンの配合量を表3に示す値に変更したことを除いては前述の評価1に記載の方法に従い、樹脂粒子B−21〜B−25の各々を製造した。次に、前述の評価1に記載の方法に従い、樹脂粒子B−21〜B−25を用いて、各々、現像剤TC−21〜TC−25を製造した。その後は、前述の評価1に記載の方法に従い、装置A−21〜A−25の各々を製造した。
[装置A−21〜A−25の各々の評価方法]
前述の評価1に記載の方法に従い、装置A−21〜A−25の各々を評価した。結果を表4に示す。
[装置A−13及びA−21〜A−25の各々の評価結果]
表4に、装置A−13及びA−21〜A−25の各々の評価結果を示す。表4において、「ブロッキング率」には、樹脂粒子のブロッキング率を記す。「クリーニング」には、クリーニング部材によるクリーニング性能の評価結果を記す。「かぶり濃度(FD)」には、かぶり濃度(FD)の算出結果を記す。
Figure 0006673284
実施例2及び4〜6に係る画像形成装置(より具体的には、装置A−13及びA−22〜A−24)は、各々、前述の基本構成を備えていた。そして、表4に示すように、装置A−13及びA−22〜A−24は、各々、クリーニング部材によるクリーニング性能に優れた。また、装置A−13及びA−22〜A−24の各々を用いて画像形成を行えば、形成された画像において、かぶりの発生を防止できた。
比較例3及び4に係る画像形成装置(より具体的には、装置A−21及びA−25)は、各々、前述の基本構成を備えていなかった。詳しくは、装置A−21では、樹脂粒子のブロッキング率が15質量%未満であった。そして、装置A−21を用いて画像形成を行えば、形成された画像において、かぶりが発生した。また、装置A−25では、樹脂粒子のブロッキング率が40質量%超であった。そして、装置A−25は、クリーニング部材によるクリーニング性能に劣った。
[評価3]
評価3では、表面の算術平均粗さRaが互いに異なる像担持体(より具体的には、像担持体C−11〜C−15の各々)を用いて、画像形成装置(より具体的には、装置A−31〜A−35の各々)を製造した。得られた画像形成装置を用いて、クリーニング部材によるクリーニング性能を評価し、かぶり濃度を評価した。表5には、評価3で製造した画像形成装置の構成を示す。表5において、「粒子径」には、樹脂粒子の個数平均一次粒子径を記す。「DVBの配合量」には、樹脂粒子の製造時におけるジビニルベンゼンの配合量を記す。「粗さRa」には、像担持体の表面の算術平均粗さRaを記す。
Figure 0006673284
以下では、装置A−31〜A−35の製造方法、評価方法、及び評価結果を順に説明する。
[装置A−31〜A−35の各々の製造方法]
まず、前述の評価1に記載の方法に従い、樹脂粒子B−13を用いて現像剤TC−13を製造した。
次に、像担持体C−11〜C−15を準備した。詳しくは、アルミ素管の周面に対してサンドブラスト加工を施した後、アルミ素管の周面にアモルファスシリコン感光層を形成した。このようにして、像担持体C−11〜C−15の各々を得た。JIS(日本工業規格) B 0601:1994で規定の方法に従い、像担持体C−11〜C−15の各々の表面の算術平均粗さRaを測定した。結果を表5に示す。
サンドブラスト加工では、アルミ素管に吹き付ける研磨材の量(研磨材の吹き付け量)、及び研磨材の吹き付け速度のうちの少なくとも1つを調整すれば、像担持体の表面の算術平均粗さRaを所望の値にすることができた。より具体的には、研磨材の吹き付け量が多くなるにつれて、像担持体の表面の算術平均粗さRaが大きくなる傾向にあった。研磨材の吹き付け速度が速くなった場合にも同様の傾向を示した。また、研磨材の吹き付け量が少なくなるにつれて、像担持体の表面の算術平均粗さRaが小さくなる傾向にあった。研磨材の吹き付け速度が遅くなった場合にも同様の傾向を示した。
得られた像担持体C−11〜C−15の各々を複合機に取り付けた。その後は、前述の評価1に記載の方法に従い、装置A−31〜A−35の各々を得た。
[装置A−31〜A−35の各々の評価方法]
前述の評価1に記載の方法に従い、装置A−31〜A−35の各々を評価した。結果を表6に示す。
[装置A−31〜A−35の各々の評価結果]
表6に、装置A−31〜A−35の各々の評価結果を示す。表6において、「粗さRa」には、像担持体の表面の算術平均粗さRaを記す。「クリーニング」には、クリーニング部材によるクリーニング性能の評価結果を記す。「かぶり濃度(FD)」には、かぶり濃度(FD)の算出結果を記す。
Figure 0006673284
実施例7〜9に係る画像形成装置(より具体的には、装置A−32〜A−34)は、各々、前述の基本構成を備えていた。そして、表6に示すように、装置A−32〜A−34は、各々、クリーニング部材によるクリーニング性能に優れた。また、装置A−32〜A−34の各々を用いて画像形成を行えば、形成された画像において、かぶりの発生を防止できた。
比較例5及び6に係る画像形成装置(より具体的には、装置A−31及びA−35)は、各々、前述の基本構成を備えていなかった。詳しくは、装置A−31では、像担持体の表面の算術平均粗さRaが40nm未満であった。そして、装置A−31は、クリーニング部材によるクリーニング性能に劣った。また、装置A−35では、像担持体の表面の算術平均粗さRaが65nm超であった。そして、装置A−35は、クリーニング部材によるクリーニング性能に劣った。
なお、本発明者らは、下記構成p〜sを備える画像形成装置がクリーニング部材によるクリーニング性能に優れることを、確認している。また、本発明者らは、下記構成p〜sを備える画像形成装置を用いて画像を形成すると、形成された画像において、かぶりの発生を防止できることを、確認している。
構成p:樹脂粒子の個数平均一次粒子径が、50nm以上70nm以下である。
構成q:樹脂粒子のブロッキング率が、15質量%以上40質量%以下である。
構成r:像担持体の表面の算術平均粗さRaが、40nm以上65nm以下である。
構成s:現像方式が、二成分現像方式である。
本発明に係る画像形成装置は、例えば複写機、プリンター、又は複合機として用いることができる。
10 画像形成装置
11 現像装置
13 像担持体
13s 像担持体の表面
27 クリーニング部材
41 現像剤
51 トナー粒子
53 トナー母粒子
55 樹脂粒子
121 現像剤担持体
121s 現像剤担持体の表面
141 トナー担持体
141s トナー担持体の表面
311 導電性基体
313 粗面
315 感光層
M 記録媒体


Claims (5)

  1. 現像剤を用いて、画像を記録媒体に形成する画像形成装置であって、
    前記画像形成装置は、前記現像剤を含み、
    前記現像剤は、トナーと、前記トナーを摩擦により正に帯電させるキャリアとを、含み、
    前記トナーは、複数のトナー粒子を含み、
    前記トナー粒子は、各々、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着する外添剤とを、含み、
    前記外添剤は、複数の樹脂粒子を含み、
    前記トナー母粒子と、前記樹脂粒子とは、各々、前記キャリアよりも強い正帯電性を有し、
    温度160℃且つ圧力0.1kgf/mm2での5分間加圧後における前記樹脂粒子のブロッキング率が、目開き75μmのメッシュによる測定で40質量%であり、
    前記樹脂粒子の個数平均一次粒子径が、50nm以上70nm以下であり、
    前記画像形成装置は、
    静電潜像を表面に保持する像担持体と、
    前記トナーを用いて、前記静電潜像を現像する現像装置と、
    前記像担持体の表面に圧接され、前記像担持体の表面に残留する現像剤を前記像担持体の表面から除去するクリーニング部材と、
    を、さらに備え、
    前記像担持体は、
    粗面を有する導電性基体と、
    前記粗面の上に設けられた感光層と、
    を有し、
    前記像担持体の表面には、前記粗面に形成された凹凸に対応する凹凸が、形成され、
    前記像担持体の表面の算術平均粗さRaが、40nm以上65nm以下である、画像形成装置。
  2. 前記現像装置は、
    前記現像剤を収容する収容部と、
    前記収容部から供給された現像剤を表面に担持する現像剤担持体と、
    前記トナーを前記現像剤担持体から受け取って表面に担持するトナー担持体と、
    を有し、
    前記現像剤担持体と、前記トナー担持体とは、各々、前記現像剤担持体の表面に担持された現像剤が前記トナー担持体に接触した状態で、回転するように構成され、
    前記トナー担持体と、前記像担持体とは、各々、前記トナー担持体の表面に担持されたトナーが前記静電潜像へ向かって飛翔して、前記静電潜像をトナー像として現像するように、構成されている、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記粗面は、ブラスト面である、請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 現像剤を用いて、画像を記録媒体に形成する画像形成方法であって、
    前記現像剤は、トナーと、前記トナーを摩擦により正に帯電させるキャリアとを、含み、
    前記トナーは、複数のトナー粒子を含み、
    前記トナー粒子は、各々、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着する外添剤とを、含み、
    前記外添剤は、複数の樹脂粒子を含み、
    前記トナー母粒子と、前記樹脂粒子とは、各々、前記キャリアよりも強い正帯電性を有し、
    温度160℃且つ圧力0.1kgf/mm2での5分間加圧後における前記樹脂粒子のブロッキング率が、目開き75μmのメッシュによる測定で40質量%であり、
    前記樹脂粒子の個数平均一次粒子径が、50nm以上70nm以下であり、
    前記画像形成方法は、
    静電潜像を像担持体の表面に形成することと、
    前記トナーを前記静電潜像に供給して、前記静電潜像をトナー像として現像することと、
    前記トナー像を前記記録媒体へ転写することと、
    前記トナー像を前記記録媒体へ転写した後に、前記像担持体の表面に残留する現像剤を前記像担持体の表面から除去することと、
    を含み、
    前記像担持体は、
    粗面を有する導電性基体と、
    前記粗面の上に設けられた感光層と、
    を有し、
    前記像担持体の表面には、前記粗面に形成された凹凸に対応する凹凸が、形成され、
    前記像担持体の表面の算術平均粗さRaが、40nm以上65nm以下である、画像形成方法。
  5. 前記静電潜像を前記トナー像として現像することは、
    前記現像剤を、現像剤担持体の表面に担持させることと、
    前記トナーを含むトナー層を、前記現像剤担持体と対向するトナー担持体の表面に形成することと、
    前記トナー層に含まれるトナーを、前記静電潜像へ向けて飛翔させることと、
    を含み、
    前記トナー層を前記トナー担持体の表面に形成するときには、前記トナー担持体の表面を、前記現像剤担持体の表面に担持された現像剤で擦りながら、前記トナーを、前記現像剤担持体の表面から前記トナー担持体の表面へ移動させる、請求項4に記載の画像形成方法。
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