JP6683172B2 - 画像形成装置、画像形成方法及びコンピュータープログラム - Google Patents

画像形成装置、画像形成方法及びコンピュータープログラム Download PDF

Info

Publication number
JP6683172B2
JP6683172B2 JP2017095328A JP2017095328A JP6683172B2 JP 6683172 B2 JP6683172 B2 JP 6683172B2 JP 2017095328 A JP2017095328 A JP 2017095328A JP 2017095328 A JP2017095328 A JP 2017095328A JP 6683172 B2 JP6683172 B2 JP 6683172B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
toner
image forming
forming apparatus
heater
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2017095328A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018194574A (ja
Inventor
正之 藤島
正之 藤島
憲生 久保
憲生 久保
麻美 佐々木
麻美 佐々木
中川 純一
純一 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Document Solutions Inc
Original Assignee
Kyocera Document Solutions Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Document Solutions Inc filed Critical Kyocera Document Solutions Inc
Priority to JP2017095328A priority Critical patent/JP6683172B2/ja
Publication of JP2018194574A publication Critical patent/JP2018194574A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6683172B2 publication Critical patent/JP6683172B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、画像形成装置と、画像形成方法と、コンピュータープログラムとに関する。
画像形成に使用されるトナーは、複数のトナー粒子を含む(例えば特許文献1参照)。特許文献1には、次に示すことが記載されている。トナー粒子は、各々、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着する外添剤とを、有する。外添剤は、複数の樹脂粒子を含む。樹脂粒子は、各々、所定の硬度を有する。
特開平10−268554号公報
外添剤が複数の樹脂粒子を含むことで、トナーの帯電性を安定化させることができる。しかし、画像形成中に樹脂粒子がトナー母粒子の表面から脱離すると、トナーの帯電性が変動することがある。そのため、形成された画像において、かぶりが発生することがある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、画像形成中における外添剤の脱離を防止可能な画像形成装置、画像形成方法、及びコンピュータープログラムを提供することである。
本発明に係る画像形成装置は、印刷ジョブの要求に基づいて前記印刷ジョブを実行する。前記印刷ジョブは、現像剤を用いて記録媒体に画像を形成することである。前記画像形成装置は、前記現像剤を含む。前記現像剤は、トナーと、前記トナーを摩擦により正に帯電させるキャリアとを、含む。前記トナーは、複数のトナー粒子を含む。前記トナー粒子は、各々、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着する外添剤とを、含む。前記外添剤は、複数の樹脂粒子を含む。前記トナー母粒子と、前記樹脂粒子とは、各々、前記キャリアよりも強い正帯電性を有する。前記画像形成装置は、静電潜像を表面に保持する像担持体と、前記静電潜像を現像する現像装置と、前記画像形成装置内の温度を検知する機内温度検知部と、前記印刷ジョブの実行を制御する印刷ジョブ制御部とを、さらに備える。前記現像装置は、前記現像剤を収容する収容部と、前記像担持体と対向し、前記現像剤又は前記トナーを表面に担持する現像ローラーと、前記現像装置内の第1位置でのトナー温度を上昇させる加熱器と、前記第1位置でのトナー温度を検知する第1温度検知部と、前記現像装置内の第2位置での現像剤温度を検知する第2温度検知部とを、有する。前記第1位置は、前記現像ローラーの表面のうち、前記像担持体に対向する部位である。前記第2位置は、前記収容部内の部位である。前記印刷ジョブ制御部は、前記加熱器の電源の入切を制御する加熱制御部と、前記第1温度検知部で検知されたトナー温度に基づいて、前記加熱制御部が前記加熱器の電源をONにした後における前記第1位置でのトナー温度が第1温度超であるか否かを判定する第1判定部と、前記第1温度検知部で検知されたトナー温度と前記第2温度検知部で検知された現像剤温度とに基づいて、前記加熱制御部が前記加熱器の電源をONにした後における前記第1位置でのトナー温度と前記加熱制御部が前記加熱器の電源をONにした後における前記第2位置での現像剤温度との温度差が第2温度以上であるか否かを判定する第2判定部と、前記第1温度検知部で検知されたトナー温度が前記第1温度超であると前記第1判定部が判定した場合に、又は前記温度差が前記第2温度以上であると前記第2判定部が判定した場合に、前記現像ローラーから前記像担持体への前記トナーの供給を許可するトナー供給許可部と、前記機内温度検知部で検知された温度に基づいて、前記印刷ジョブの要求時における前記画像形成装置内の温度が第3温度以下であるか否かを判定する第3判定部とを、有する。前記加熱制御部は、前記機内温度検知部で検知された温度が前記第3温度以下であると前記第3判定部が判定した場合に、前記加熱器の電源をONにする。前記加熱制御部は、前記第1温度検知部で検知されたトナー温度が前記第1温度超であると前記第1判定部が判定した場合に、又は前記温度差が前記第2温度以上であると前記第2判定部が判定した場合に、前記加熱器の電源をONからOFFへ切り換える。前記印刷ジョブの要求時は、前記画像形成装置の電源をONにした時と前記画像形成装置が省電力モードから復帰した時とのうちの少なくとも1つである。前記第1温度は、20℃以上27℃以下の温度範囲から選ばれる温度である。前記第2温度は、3℃以上7℃以下の温度範囲から選ばれる温度である。前記第3温度は、5℃以上15℃以下の温度範囲から選ばれる温度である。
本発明に係る画像形成方法では、前述の構成を備える画像形成装置を用いて前記印刷ジョブを実行する。詳しくは、本発明に係る画像形成方法は、前記印刷ジョブの要求時における前記画像形成装置内の温度が前記第3温度以下であると判定された場合に、前記加熱器の電源をONにすることと、前記加熱器の電源をONにした後における前記第1位置でのトナー温度が前記第1温度超であるか否かを判定することと、前記温度差が前記第2温度以上であるか否かを判定することと、前記加熱器の電源をONにした後における前記第1位置でのトナー温度が前記第1温度超であると判定された場合に、又は前記温度差が前記第2温度以上であると判定された場合に、前記加熱器の電源をONからOFFへ切り換えるとともに、前記現像ローラーから前記像担持体への前記トナーの供給を許可することとを、含む。
本発明に係るコンピュータープログラムは、前述の構成を備える画像形成装置を構成するコンピューターに、前記印刷ジョブの要求時における前記画像形成装置内の温度が前記第3温度以下であると判定された場合に、前記加熱器の電源をONにすることと、前記加熱器の電源をONにした後における前記第1位置でのトナー温度が前記第1温度超であるか否かを判定することと、前記温度差が前記第2温度以上であるか否かを判定することと、前記加熱器の電源をONにした後における前記第1位置でのトナー温度が前記第1温度超であると判定された場合に、又は前記温度差が前記第2温度以上であると判定された場合に、前記加熱器の電源をONからOFFへ切り換えるとともに、前記現像ローラーから前記像担持体への前記トナーの供給を許可することとを、実行させる。
本発明によれば、画像形成中における外添剤の脱離を防止できる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置が備える現像装置の構成を示す図である。 画像形成中における現像装置の一部分を拡大して示す図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置の制御系を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置の制御系が備える印刷ジョブ制御部の機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置の制御系が備える第1判定部、第2判定部、及び第3判定部の機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置が行う処理の一部の手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置が備える現像装置の構成を示す図である。 画像形成中における現像装置の一部分を拡大して示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る画像形成装置、画像形成方法、及びコンピュータープログラムを順に説明する。なお、図面において、同一の参照符号は、同一部分又は相当部分を表すものである。また、長さ、幅、厚さ、深さなどの寸法関係は、図面の明瞭化及び簡略化のために適宜変更されており、実際の寸法関係を表すものではない。
《第1の実施形態》
本発明の第1の実施形態では、二成分現像方式が採用された画像形成装置を例に挙げて、画像形成装置、画像形成方法、及びコンピュータープログラムを順に説明する。
[画像形成装置]
図1を用いて、第1の実施形態に係る画像形成装置の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。画像形成装置10は、タンデム方式の電子写真装置である。詳しくは、画像形成装置10は、各色に対応した画像形成部10A〜10Dと、露光装置17と、転写ベルト21と、二次転写ローラー23と、定着装置25と、機内温度検知部29とを備える。画像形成部10A〜10Dは、各々、現像装置11と、像担持体13と、帯電装置15と、一次転写ローラー19と、クリーニング部材27とを備える。また、画像形成装置10は、制御部51を備える。制御部51については、後述する。
現像装置11は、現像剤を収容する。現像装置11は、現像剤に含まれる静電潜像現像用トナー(以下、単に「トナー」と記載する)を用いて、現像を行う。
像担持体13は、回転可能な態様で、画像形成装置10の筐体に支持されている。より具体的には、像担持体13は、例えばモーター(図示せず)によって駆動されて、回転方向R12に沿って回転する。
像担持体13は、表面(周面)に静電潜像を保持する。静電潜像には、現像剤に含まれるトナーが、電気的に引き付けられる。これにより、像担持体13の表面には、トナー像が形成される。像担持体13は、感光体ドラムに相当する。
帯電装置15は、像担持体13の周囲に設けられ、像担持体13の表面を一様に帯電する。帯電装置15は、像担持体13の表面を一様に帯電可能な装置であれば特に限定されない。
露光装置17は、一様に帯電している像担持体13の表面を露光させて、像担持体13の表面に静電潜像を形成する。露光装置17は、例えば、レーザー走査ユニットであることが好ましい。
一次転写ローラー19は、転写ベルト21を挟んで像担持体13と対向する。一次転写ローラー19は、トナー像(像担持体13の表面に形成されたトナー像)を転写ベルト21に転写する。転写ベルト21は、無端ベルトであることが好ましい。二次転写ローラー23は、転写ベルト21に転写されたトナー像を記録媒体M(例えば、印刷用紙)に転写する。
定着装置25は、記録媒体Mに転写されたトナー像を、記録媒体Mに定着させる。定着装置25は、例えば、ニップ定着方式の定着装置であることが好ましい。ニップ定着方式の定着装置は、通常、加熱ローラーと加圧ローラーとを有する。
クリーニング部材27は、像担持体13の周囲に設けられている。より具体的には、像担持体13のうち一次転写ローラー19が対向する部位を像担持体13の回転方向R12の基点としたとき、クリーニング部材27は、一次転写ローラー19よりも、像担持体13の回転方向R12の下流側に位置する。
クリーニング部材27は、像担持体13の長手方向に沿って配置され、像担持体13の表面に圧接される。クリーニング部材27は、像担持体13の表面に残留するトナー(より具体的には転写残トナー)を像担持体13の表面から除去する。ここで、「転写残トナー」とは、記録媒体Mへ転写されずに像担持体13の表面に残留するトナーを意味する。クリーニング部材27は、クリーニングブレードに相当し、好ましくはゴム製のクリーニングブレードである。
機内温度検知部29は、画像形成装置10内の温度(以下、「機内温度」と記載する)を検知する。機内温度検知部29は、画像形成装置10の筐体に固定されていることが好ましい。より好ましくは、機内温度検知部29は、現像装置11の周囲に設けられている。機内温度検知部29としては、サーミスターを使用できる。
画像形成装置10は、現像剤を含む。現像剤は、現像装置11に収容される。以下では、図面を参照することなく、現像装置11に収容される現像剤を説明する。本実施形態における現像剤は、トナーと、静電潜像現像用キャリア(以下、単に「キャリア」と記載する)とを、含む。トナーは、複数のトナー粒子を含む。トナー粒子は、各々、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着する外添剤とを含む。外添剤は、複数の樹脂粒子を含む。トナー母粒子と、樹脂粒子とは、何れも、キャリアよりも強い正帯電性を有する。このように、本実施形態では、トナー母粒子と樹脂粒子とが互いに同一の極性を有する。
ここで、帯電性の強さは、何ら規定していなければ、摩擦帯電し易さに相当する。例えばトナーは、日本画像学会から提供される標準キャリア(アニオン性:N−01、カチオン性:P−01)と混ぜて攪拌することで、摩擦帯電させることができる。摩擦帯電させる前と後とでそれぞれ、例えばKFM(ケルビンプローブフォース顕微鏡)でトナー粒子の表面電位を測定し、摩擦帯電の前後での電位の変化が大きい部位ほど帯電性が強いことになる。そして、現像剤が二成分現像剤である場合、現像剤に含まれるトナーは、現像装置内においてキャリアと摩擦することで、正又は負に帯電する。
本実施形態では、樹脂粒子の個数平均一次粒子径が50nm以上150nm以下であることが好ましい。樹脂粒子の個数平均一次粒子径が50nm以上であれば、樹脂粒子が像担持体13とクリーニング部材27との間を擦り抜けることを防止し易い。そのため、樹脂粒子がトナー母粒子の表面から脱離し易い場合であっても、トナー母粒子の表面から脱離した樹脂粒子をクリーニング部材27で回収し易い。よって、樹脂粒子が像担持体13の表面を汚染することを防止し易いため、画質に優れる画像が形成され易い。樹脂粒子の個数平均一次粒子径が150nm以下であれば、樹脂粒子がトナー母粒子の表面から脱離することを防止し易い。これにより、トナーの帯電性が安定化し易い。ここで、樹脂粒子の個数平均一次粒子径は、何ら規定していなければ、顕微鏡を用いて測定された一次粒子の円相当径(粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。
本実施形態では、樹脂粒子のブロッキング率が15質量%以上40質量%以下であることが好ましい。ここで、「樹脂粒子のブロッキング率が15質量%以上40質量%以下であること」とは、温度160℃且つ圧力0.1kgf/mm2での5分間加圧後における樹脂粒子のブロッキング率が、目開き75μmのメッシュによる測定で15質量%以上40質量%以下であることを意味する。樹脂粒子のブロッキング率は、後述する実験例に記載の方法、又はそれに準ずる方法で、測定される。
樹脂粒子のブロッキング率が高いことは、樹脂粒子が熱圧縮され易いことを意味するため、樹脂粒子の硬度が低いことを意味する。そのため、樹脂粒子のブロッキング率が高くなるにつれて、樹脂粒子が他の部材の表面に付着し易い傾向にある。他の部材としては、例えば、像担持体13、又はキャリア粒子(キャリアを構成するキャリア粒子)が挙げられる。しかし、樹脂粒子のブロッキング率が40質量%以下であれば、樹脂粒子のブロッキング率が高いことに起因して樹脂粒子が他の部材の表面に付着することを防止し易い。
樹脂粒子のブロッキング率を40質量%以下にするためには、樹脂粒子の硬度を非常に高める必要がある。例えば、高純度の架橋剤を使用して樹脂粒子を製造すれば、樹脂粒子のブロッキング率が40質量%以下になり易い。より具体的には、純度80%のジビニルベンゼン(架橋剤)を使用して樹脂粒子を製造すれば、樹脂粒子のブロッキング率が40質量%以下になり易い。架橋剤の配合量を変更して樹脂粒子を製造すれば、樹脂粒子のブロッキング率を変更できる。
樹脂粒子のブロッキング率が15質量%以上であれば、樹脂粒子の硬度が高くなり過ぎることを防止できる。そのため、樹脂粒子がトナー母粒子の表面から脱離することを防止し易い。よって、トナーの帯電性が安定化し易い。
図2及び図3を用いて、現像装置11の構成を詳しく説明する。図2は、現像装置11の構成を示す図である。図3は、画像形成中における現像装置11の一部分を拡大して示す図である。現像装置11は、筐体111と、現像剤搬送路113と、現像剤攪拌搬送部材115と、現像ローラー121と、現像剤規制部材131と、加熱器141と、第1温度検知部151と、第2温度検知部161とを有する。現像剤搬送路113と、現像剤攪拌搬送部材115と、現像ローラー121と、現像剤規制部材131とは、筐体111内に設けられている。
現像剤搬送路113は、現像剤を収容する。現像剤搬送路113は、第1搬送路113Aと第2搬送路113Bとを含む。第1搬送路113Aと第2搬送路113Bとは、仕切壁117で区画され、互いに平行に延びる。本実施形態では、第1搬送路113Aと第2搬送路113Bとが、現像剤を収容する収容部に相当する。
現像剤攪拌搬送部材115は、第1攪拌スクリュー115Aと第2攪拌スクリュー115Bとを含む。第1攪拌スクリュー115Aは、第1搬送路113A内に配置され、第1攪拌スクリュー115Aの軸方向は、第1搬送路113Aの長手方向に対して平行である。第2攪拌スクリュー115Bは、第2搬送路113B内に配置され、第2攪拌スクリュー115Bの軸方向は、第2搬送路113Bの長手方向に対して平行である。前述したように、第1搬送路113Aと、第2搬送路113Bとは、互いに平行に延びる。そのため、第1攪拌スクリュー115Aと、第2攪拌スクリュー115Bとは、互いに平行に延びる。
第1攪拌スクリュー115Aは、らせん状の攪拌羽根を有し、第1搬送路113A内の現像剤を攪拌しながら搬送する。第2攪拌スクリュー115Bは、らせん状の攪拌羽根を有し、第2搬送路113B内の現像剤を攪拌しながら搬送する。そのため、現像剤は、第1搬送路113Aと第2搬送路113Bとの間を循環しながら搬送される。そして、第2攪拌スクリュー115Bは、現像ローラー121に現像剤を供給する。
現像ローラー121は、回転可能な態様で筐体111に支持されている。より具体的には、現像ローラー121は、例えばモーター(図示せず)によって駆動されて、回転方向R11に沿って回転する。
現像ローラー121は、第2攪拌スクリュー115Bと対向する。現像ローラー121は、現像剤を、第2搬送路113Bから現像ローラー121の表面121sへ磁気的に汲み上げて、その表面121sに担持する。このように、現像ローラー121は、現像剤を表面121sに担持する現像剤担持体である。
現像ローラー121は、筐体111に形成された開口119を通して、像担持体13と対向する。現像ローラー121の表面121sと像担持体13の表面13sとの間には、ギャップG13が設けられている。現像ローラー121は、トナーを、現像ローラー121の表面121sから像担持体13の表面13sへ供給する。以下、現像ローラー121の構成をより詳細に説明する。
現像ローラー121は、シャフト123と、筒状のスリーブ125と、マグネットロール127とを有する。スリーブ125は、現像ローラー121の表層部に位置し、シャフト123の周りを回転可能な態様でシャフト123に支持されている。マグネットロール127は、シャフト123に固定され、回転不可能な態様でスリーブ125内(筒内)に設けられている。より具体的には、マグネットロール127の周りをスリーブ125が回転できるように、シャフト123とスリーブ125とが接続(より具体的には、フランジ接続)されている。こうした構造により、スリーブ125は、シャフト123の周方向に回転する。
マグネットロール127は、少なくともその表層部に、複数の磁極を有する。マグネットロール127が有する磁極としては、例えば、永久磁石に基づくN極及びS極が挙げられる。詳しくは、マグネットロール127は、少なくともその表層部に、汲上極127Aと、規制極127B(上流側磁極)と、現像主極127Cと、搬送極127D(下流側磁極)と、剥離極127Eとを有する。現像主極127Cを現像ローラー121の回転方向R11の基点としたとき、規制極127Bは、現像主極127Cよりも現像ローラー121の回転方向R11の上流側に位置し、汲上極127Aは、規制極127Bよりも現像ローラー121の回転方向R11の上流側に位置する。このように、規制極127Bは、現像主極127Cに対して現像ローラー121の回転方向R11の上流側隣に位置する。搬送極127Dは、現像主極127Cよりも現像ローラー121の回転方向R11の下流側に位置し、剥離極127Eは、搬送極127Dよりも現像ローラー121の回転方向R11の下流側に位置する。このように、搬送極127Dは、現像主極127Cに対して現像ローラー121の回転方向R11の下流側隣に位置する。
なお、以下において、現像ローラー121の回転方向R11における構成部品間の位置関係を説明するときには、現像主極127Cを現像ローラー121の回転方向R11の基点とする。また、「汲上極127Aに対応する部位」とは、現像ローラー121の表面121s(より具体的には、スリーブ125の表面)のうち、汲上極127Aの上方に位置する部位を意味する。「規制極127Bに対応する部位」とは、現像ローラー121の表面121sのうち、規制極127Bの上方に位置する部位を意味する。「現像主極127Cに対応する部位」とは、現像ローラー121の表面121sのうち、現像主極127Cの上方に位置する部位を意味する。「搬送極127Dに対応する部位」とは、現像ローラー121の表面121sのうち、搬送極127Dの上方に位置する部位を意味する。
まず、搬送極127Dを説明する。搬送極127Dは、現像ローラー121の周方向に磁界を生じさせる。搬送極127Dは、現像主極127Cとは異極であることが好ましい。搬送極127Dの磁力により、現像剤が、現像ローラー121の表面121sに保持される。これにより、現像ローラー121(より具体的には、スリーブ125)が現像ローラー121の回転方向R11に沿って回転すると、現像剤が、現像ローラー121の表面121sに保持された態様で、現像ローラー121の回転方向R11に沿って搬送される。
次に、汲上極127A、規制極127B、現像主極127C、及び剥離極127Eを順に説明する。汲上極127Aは、第2攪拌スクリュー115Bと対向する位置にピーク磁力を生じさせる。そのため、汲上極127Aは、その磁極面が第2攪拌スクリュー115Bと対向する態様で、マグネットロール127に取り付けられていることが好ましい。汲上極127Aの磁力により、現像剤が、第2搬送路113Bから汲上極127Aに対応する部位へ汲み上げられる。これにより、汲上極127Aに対応する部位には、現像剤からなる層(本実施形態では「磁気ブラシ層LD」と記載する)が形成される。
規制極127Bは、現像剤規制部材131と対向する位置にピーク磁力を生じさせる。そのため、規制極127Bは、その磁極面が現像剤規制部材131と対向する態様で、マグネットロール127に取り付けられていることが好ましい。規制極127Bの磁力により、現像剤規制部材131が磁化される。
現像主極127Cは、像担持体13と対向する位置にピーク磁力を生じさせる。そのため、現像主極127Cは、その磁極面が像担持体13と対向する態様で、マグネットロール127に取り付けられていることが好ましい。現像主極127Cの磁力は、磁気ブラシ層LDに含まれるトナーのみが像担持体13の表面13sへ供給されるように、作用する。よって、磁気ブラシ層LDと像担持体13の表面13sとが互いに接触した状態で現像ローラー121と像担持体13とが回転し、現像ローラー121の表面121sと像担持体13の表面13sとの間に所定の電位差が発生すると、磁気ブラシ層LDに含まれるトナーのみが像担持体13の表面13s(より具体的には、像担持体13の表面13sのうち露光装置17により露光された部位)へ供給される。
剥離極127Eは、実質的に磁束密度が零である領域(剥離領域)を形成する。剥離領域に現像剤が搬送されると、現像ローラー121の表面121sに現像剤を磁気吸着する力が失われる。そのため、剥離領域では、現像剤が現像ローラー121の表面121sから剥離される。剥離された現像剤は、第2搬送路113Bへ戻り、第2攪拌スクリュー115Bによって攪拌されながら搬送され、汲上極127Aの磁力により再び汲み上げられる。
現像剤規制部材131は、筐体111に固定され、現像ローラー121の長手方向(より具体的にはシャフト123の軸方向)に沿って延びる。前述したように、現像剤規制部材131は、規制極127Bにより磁化される。そのため、現像剤規制部材131は、磁性材料で構成されていることが好ましい。
現像剤規制部材131は、規制面133を有する。規制面133は、現像剤規制部材131の先端面に相当し、より具体的には現像ローラー121の表面121sに対向する。規制面133と現像ローラー121の表面121sとの間には、ギャップ(いわゆる規制ギャップ)G11が設けられている。これにより、磁気ブラシ層LDの厚さが現像剤規制部材131で規制される。現像剤規制部材131は、現像剤規制ブレードに相当する。
加熱器141は、現像装置11内の第1位置P1に存在するトナーの温度(以下、「第1位置P1でのトナー温度」と記載する)を上昇させる。ここで、第1位置P1は、現像ローラー121の表面121sのうち像担持体13に対向する部位であり、より具体的には現像主極127Cに対応する部位である。また、現像主極127Cの磁力は、磁気ブラシ層LDに含まれるトナーのみが像担持体13の表面13sへ供給されるように、作用する。これらのことから、第1位置P1に存在するトナーは、像担持体13の表面13sへ供給される直前のトナーに相当する。よって、加熱器141は、像担持体13の表面13sへ供給される直前におけるトナーの温度(以下、「像担持体13の表面13sへの供給直前におけるトナー温度」と記載する)を上昇させることとなる。好ましくは、加熱器141は、第1位置P1に存在するトナーのうち現像ローラー121の径方向外側端部に存在するトナー(以下、「最外周トナーTouter」と記載する)の温度を上昇させる。これにより、像担持体13の表面13sへの供給直前におけるトナー温度が上昇し易い。
加熱器141は、現像ローラー121の周囲に設けられていることが好ましい。より好ましくは、加熱器141は、筐体111に形成された開口119の近傍に設けられている。前述したように、現像ローラー121は、開口119を通して、像担持体13と対向する。そのため、加熱器141は、開口119の近傍に設けられていれば、像担持体13の表面13sへの供給直前におけるトナー温度を効率良く上昇させることができる。例えば、加熱器141は、開口119の内側面に設けられていることが好ましい。
加熱器141の配置位置は、例えば、下記第1配置位置であってもよいし、下記第2配置位置であってもよい。しかし、以下に示す理由から、加熱器141の配置位置は下記第1配置位置であることが好ましい。
第1配置位置:現像ローラー121の回転方向R11における規制極127Bと現像主極127Cとの間
第2配置位置:現像ローラー121の回転方向R11における現像主極127Cと搬送極127Dとの間
詳しくは、画像形成時には、現像ローラー121が回転方向R11に沿って回転することで、磁気ブラシ層LDは、汲上極127Aに対応する部位、規制極127Bに対応する部位、現像主極127Cに対応する部位、及び搬送極127Dに対応する部位の順に搬送される。また、画像形成時には、現像主極127Cに対応する部位において、トナーが、現像ローラー121の表面121sから像担持体13の表面13sへ供給される。これらのことから、加熱器141の配置位置が前述の第1配置位置であれば、加熱器141の配置位置が前述の第2配置位置である場合に比べ、像担持体13の表面13sへの供給直前におけるトナー温度が上昇し易い。加熱器141としては、抵抗発熱体を使用できる。
加熱器141の配置位置は、図2に示す位置(より具体的には、前述の第1配置位置)に限定されず、現像装置11内の任意の位置であってもよい。例えば、加熱器141の配置位置は、前述の第2配置位置であってもよい。しかし、加熱器141の配置位置が図2に示す位置とは異なる場合には、像担持体13の表面13sへの供給直前におけるトナー温度が上昇し難いことがある。また、加熱器141の配置位置が像担持体13の表面13sに近すぎる場合には、トナーが像担持体13の表面13sに融着することがある。これらを考慮して、加熱器141の配置位置を決定することが好ましい。
第1温度検知部151は、第1位置P1でのトナー温度を検知する。前述したように、第1位置P1に存在するトナーは、像担持体13の表面13sへ供給される直前のトナーに相当する。そのため、第1温度検知部151は、像担持体13の表面13sへの供給直前におけるトナー温度を検知することとなる。好ましくは、第1温度検知部151は、最外周トナーTouterの温度を検知する。これにより、第1温度検知部151は、像担持体13の表面13sへの供給直前におけるトナー温度をより正確に検知できる。よって、加熱器141の電源の入切の切り換え精度を高めることができる。
第1温度検知部151は、現像ローラー121の周囲に設けられていることが好ましい。より好ましくは、第1温度検知部151は、筐体111に形成された開口119の近傍に設けられている。前述したように、現像ローラー121は、開口119を通して、像担持体13と対向する。そのため、第1温度検知部151は、開口119の近傍に設けられていれば、像担持体13の表面13sへの供給直前におけるトナー温度をより正確に検知できる。例えば、第1温度検知部151は、開口119の内側面に設けられていることが好ましい。
加熱器141と第1温度検知部151とは、現像ローラー121の横断面における中心点と像担持体13の横断面における中心点とを通る仮想的な面に対し、互いに反対側に位置することが好ましい。例えば、加熱器141の配置位置が前述の第1配置位置である場合には、第1温度検知部151の配置位置は、前述の第2配置位置であることが好ましい。また、加熱器141の配置位置が前述の第2配置位置である場合には、第1温度検知部151の配置位置は、前述の第1配置位置であることが好ましい。これにより、加熱器141からの熱が第1温度検知部151で検知されることを防止できる。よって、第1温度検知部151は、像担持体13の表面13sへの供給直前におけるトナー温度をより正確に検知できる。第1温度検知部151としては、サーミスターを使用できる。
第1温度検知部151の配置位置は、図2に示す位置(より具体的には、前述の第2配置位置)に限定されず、現像装置11内の任意の位置であってもよい。例えば、第1温度検知部151の配置位置は、前述の第1配置位置であってもよいし、現像剤搬送路113と現像ローラー121との間であってもよいし、現像剤規制部材131の周囲であってもよい。第1温度検知部151の配置位置が図2に示す位置とは異なる場合には、第1温度検知部151が検知した温度を適切な手法で補正することで、第1位置P1でのトナー温度を算出することが好ましい。
第2温度検知部161は、現像装置11内の第2位置P2に存在する現像剤の温度(以下、「第2位置P2での現像剤温度」と記載する)を検知する。ここで、第2位置P2は、現像剤搬送路113内の部位である。例えば、第2温度検知部161は、第1搬送路113Aの外面に設けられていることが好ましい。これにより、第2温度検知部161は、第2位置P2での現像剤温度をより正確に検知できる。第2温度検知部161としては、サーミスターを使用できる。
第2温度検知部161の配置位置は、図2に示す位置(より具体的には、第1搬送路113Aの外面)に限定されず、現像装置11内の任意の位置であってもよい。例えば、第2温度検知部161の配置位置は、第2搬送路113Bの外面、現像ローラー121の周囲、又は現像剤規制部材131の周囲であってもよい。第2温度検知部161の配置位置が図2に示す位置とは異なる場合には、第2温度検知部161が検知した温度を適切な手法で補正することで、第2位置P2での現像剤温度を算出することが好ましい。なお、現像剤搬送路113におけるトナーの濃度を検知するセンサー(濃度センサー)が設けられている場合には、濃度センサーと第2温度検知部161とを同一の基板に設けることができる。
画像形成装置10は、印刷ジョブの要求に基づいて印刷ジョブを実行する。「印刷ジョブ」とは、現像剤を用いて画像形成を行うことを意味する。以下では、図4〜図6を用いて、画像形成装置10の制御系を説明する。
図4は、本実施形態に係る画像形成装置の制御系を示すブロック図である。なお、図4に記載の「攪拌スクリュー」は、現像剤攪拌搬送部材115を意味する。画像形成装置10の制御系は、記憶装置31と、入力表示部33と、インターフェイス41と、制御部51とを備える。
記憶装置31は、不揮発性メモリーで構成されている。例えば、記憶装置31は、ハードディスクであることが好ましい。記憶装置31には、例えば、印刷用の画像データと、各種制御に係る制御プログラムと、制御プログラムで使用されるデータとが、格納されていることが好ましい。制御プログラムとしては、例えば、印刷ジョブの実行を制御するプログラム(以下、「印刷ジョブ制御プログラム」と記載する)を挙げることができる。印刷ジョブ制御プログラムは、加熱制御プログラムと印刷ジョブ実行プログラムとを含むことが好ましい。「加熱制御プログラム」は、加熱器141の電源の入切を制御するためのプログラムを意味する。「印刷ジョブ実行プログラム」は、印刷ジョブを実行するためのプログラムを意味する。制御プログラムで使用されるデータとしては、例えば、後述する第1温度、第2温度又は第3温度を挙げることができる。
入力表示部33は、入力部35と表示部37とを有する。入力部35は、画像形成装置10のユーザー(以下、単に「ユーザー」と記載する)が入力する信号を、受信する。ユーザーが入力する信号としては、例えば、印刷ジョブを要求する信号(以下、「要求信号」と記載する)が挙げられる。表示部37は、各種の情報を表示する。
入力部35は、入力ボタンであってもよい。入力部35が入力ボタンである場合、表示部37は、カラー液晶ディスプレイであればよく、入力部35に隣接して配置されていることが好ましい。また、入力表示部33は、タッチパネルであってもよい。入力表示部33がタッチパネルである場合、入力部35と表示部37とは一体化される。
インターフェイス41は、記憶装置31、入力表示部33、一次転写ローラー19、二次転写ローラー23、定着装置25、クリーニング部材27、機内温度検知部29、加熱器141、第1温度検知部151、第2温度検知部161、現像装置11、像担持体13、帯電装置15、及び露光装置17の各々と、制御部51とを通信可能に接続する。また、インターフェイス41は、制御部51と外部装置とを通信可能に接続する。ここで、「外部装置」とは、通信ネットワークを介して制御部51に接続された装置を意味する。通信ネットワークとしては、例えば、インターネット、又はLANが挙げられる。
制御部51は、CPU(Central Processing Unit)52と、ROM(Read Only Memory)53と、RAM(Random Access Memory)54とを有する。CPU52は、各種の演算処理を行うプロセッサーである。ROM53は、不揮発性メモリーである。ROM53には、各種の演算処理をCPU52に実行させるための制御プログラムが、予め格納されている。印刷ジョブ制御プログラムは、記憶装置31ではなくROM53に格納されていてもよい。RAM54は、揮発性メモリーであり、より具体的にはCPU52が実行する各種の演算処理を一時的に記憶する。CPU52が制御プログラム(記憶装置31又はROM53に予め格納されている制御プログラム)を実行することで、制御部51が画像形成装置10の動作を制御する。
制御部51は、さらに、印刷ジョブ制御部を有する。印刷ジョブ制御部は、印刷ジョブの実行を制御するように構成されている。印刷ジョブ制御部は、印刷ジョブ制御プログラムを実行可能なCPU52によって、具現化されることが好ましい。また、印刷ジョブ制御部は、印刷ジョブの要求時に、印刷ジョブの実行を制御するために使用される各種のパラメーターを初期化することが好ましい。
ここで、「印刷ジョブの要求時」とは、ユーザーが、画像形成装置10に対して、印刷ジョブを要求したときを意味する。例えば、印刷ジョブの要求時は、要求信号が入力表示部33からインターフェイス41を介して制御部51へ入力されたときであってもよい。つまり、印刷ジョブの要求時は、ユーザーが入力表示部33を操作して印刷ジョブを要求したときであってもよい。また、印刷ジョブの要求時は、要求信号が外部装置(例えばパーソナルコンピューター)からインターフェイス41を介して制御部51へ入力されたときであってもよい。つまり、印刷ジョブの要求時は、ユーザーが外部装置を操作して画像形成装置10に対して印刷ジョブを要求したときであってもよい。さらに具体的には、印刷ジョブの要求時は、画像形成装置10の電源をONにした時と画像形成装置10が省電力モードから復帰した時とのうちの少なくとも1つであることが好ましい。
図5は、印刷ジョブ制御部の機能ブロック図である。印刷ジョブ制御部55は、加熱制御部551と、第1判定部553と、第2判定部555と、トナー供給許可部557と、第3判定部559とを有する。加熱制御部551と、第1判定部553と、第2判定部555と、トナー供給許可部557と、第3判定部559とは、各々が行う処理に対応する制御プログラムを実行可能なCPU52によって、具現化されることが好ましい。図6は、第1判定部553、第2判定部555、及び第3判定部559の機能ブロック図である。以下では、図5及び図6を参照しながら、印刷ジョブ制御部55を説明する。
加熱制御部551は、加熱器141の電源の入切を制御するように構成されている。加熱制御部551は、第1判定部553と第2判定部555とに対して加熱器141の電源状態に関する情報を出力するように構成されていることが好ましい。加熱器141の電源状態に関する情報には、加熱器141の電源がOFFからONへ切り換わったという情報が、含まれる。加熱制御部551は、要求信号が入力されるように構成されていることが好ましい。
第1判定部553は、第1温度検知部151で検知されたトナー温度(以下、「第1検知温度」と記載する)に基づいて加熱制御部551が加熱器141の電源をONにした後における第1位置P1でのトナー温度が第1温度超であるか否かを判定するように構成されている。ここで、第1温度は、20℃以上27℃以下の温度範囲から選ばれる温度であり、例えば25℃であることが好ましい。
より具体的には、第1判定部553は、加熱制御部551が加熱器141の電源をONにした後に、第1検知温度を第1温度検知部151から取得し、第1温度を記憶装置31から取得する。第1温度がROM53に格納されている場合には、第1判定部553は、ROM53から第1温度を取得すればよい。そして、第1判定部553は、第1検知温度が第1温度超であるか否かを判定する。
第1判定部553は、加熱制御部551とトナー供給許可部557とに対して判定結果(第1判定結果)を出力するように構成されていることが好ましい。第1判定結果には、例えば、第1検知温度が第1温度超であるという判定結果が、含まれる。
第2判定部555は、第1検知温度と第2温度検知部161で検知された現像剤温度(以下、「第2検知温度」と記載する)とに基づいて温度差が第2温度以上であるか否かを判定するように構成されている。ここで、「温度差」は、加熱制御部551が加熱器141の電源をONにした後における第1位置P1でのトナー温度と加熱制御部551が加熱器141の電源をONにした後における第2位置P2での現像剤温度との温度差を意味する。また、第2温度は、3℃以上7℃以下の温度範囲から選ばれる温度である。温度差が第2温度以上であれば、第1位置P1でのトナー温度が第1温度付近まで上昇したと推測される。第1温度と第2温度との組合せの一例としては、第1温度が25℃であり第2温度が4℃であるという組み合わせが挙げられる。
より具体的には、第2判定部555は、加熱制御部551が加熱器141の電源をONにした後に、第1検知温度を第1温度検知部151から取得し、第2検知温度を第2温度検知部161から取得する。第2判定部555は、第1検知温度と第2検知温度とに基づいて、温度差を算出する。第2判定部555は、第2温度を記憶装置31から取得する。第2温度がROM53に格納されている場合には、第2判定部555は、ROM53から第2温度を取得すればよい。そして、第2判定部555は、算出した温度差が第2温度以上であるか否かを判定する。
第2判定部555は、加熱制御部551とトナー供給許可部557とに対して判定結果(第2判定結果)を出力するように構成されていることが好ましい。第2判定結果には、例えば、温度差が第2温度以上であるという判定結果が、含まれる。
トナー供給許可部557は、下記場合Y11又はY12に該当するときにはトナーの供給を許可するように構成されている。トナー供給許可部557は、下記場合Y11及びY12の何れにも該当しないときにはトナーの供給を許可しないように構成されていることが好ましい。ここで、「トナーの供給」とは、トナーを現像ローラー121の表面121sから像担持体13の表面13sへ供給することを意味する。
場合Y11:第1検知温度が第1温度超であると第1判定部553が判定した場合
場合Y12:温度差が第2温度以上であると第2判定部555が判定した場合
第3判定部559は、機内温度検知部29で検知された温度(以下、「第3検知温度」と記載する)に基づいて印刷ジョブの要求時における機内温度が第3温度以下であるか否かを判定するように構成されている。ここで、第3温度は、5℃以上15℃以下の温度範囲から選ばれる温度であり、例えば10℃であることが好ましい。
より具体的には、第3判定部559は、印刷ジョブの要求時に、第3検知温度を機内温度検知部29から取得し、第3温度を記憶装置31から取得する。第3温度がROM53に格納されている場合には、第3判定部559は、ROM53から第3温度を取得すればよい。そして、第3判定部559は、第3検知温度が第3温度以下であるか否かを判定する。
第3判定部559は、加熱制御部551に対して判定結果(第3判定結果)を出力するように構成されていることが好ましい。第3判定結果には、例えば、第3検知温度が第3温度以下であるという判定結果が、含まれる。
加熱制御部551をさらに説明する。加熱制御部551は、第3検知温度が第3温度以下であると第3判定部559が判定した場合に加熱器141の電源をONにするように構成されている。また、加熱制御部551は、前述の場合Y11又はY12に該当するときには加熱器141の電源をONからOFFへ切り換えるように構成されている。
以上説明したように、本実施形態では、印刷ジョブの要求時における機内温度が第3温度以下である場合に、加熱器141の電源をONにする。そして、第1位置P1でのトナー温度が第1温度超となるまで、又は温度差が第2温度以上となるまで、加熱器141による加熱を行うとともに、トナーの供給を許可しない。前述したように、温度差が第2温度以上であれば、第1位置P1でのトナー温度が第1温度付近まで上昇したと推測される。また、第1温度は、20℃以上27℃以下の温度範囲から選ばれる温度であるため、比較的高温である。これらのことから、本実施形態では、第1位置P1でのトナー温度が比較的高温となるまで、トナーの供給を許可しない。
前述したように、第1位置P1に存在するトナーは、像担持体13の表面13sへ供給される直前のトナーに相当する。そのため、第1位置P1でのトナー温度が比較的高温であれば、像担持体13の表面13sへの供給直前におけるトナー温度が比較的高温となる。ここで、トナーは、外添剤として複数の樹脂粒子を含む。よって、像担持体13の表面13sへの供給直前におけるトナー温度が比較的高温であれば、トナー母粒子と樹脂粒子とが若干軟化した状態でトナーの供給を行うことができる。したがって、トナーの供給中に樹脂粒子がトナー母粒子の表面から脱離すること(以下、「トナーの供給中における樹脂粒子の脱離」と記載する)を効果的に防止できる。その結果、樹脂粒子の脱離が起こり易い状況で印刷ジョブを実行する場合であっても、トナーの供給中における樹脂粒子の脱離を防止できる。
例えば、本実施形態では、トナー母粒子と樹脂粒子とが互いに同一の極性を有する。一般的に、トナー母粒子と樹脂粒子とが互いに同一の極性を有する場合には、トナー母粒子と樹脂粒子とが静電的に反発し易いため、樹脂粒子がトナー母粒子の表面から脱離し易い。しかし、本実施形態では、トナー母粒子と樹脂粒子とが若干軟化した状態でトナーの供給を行うことができる。よって、トナー母粒子と樹脂粒子とが互いに同一の極性を有する場合であっても、トナーの供給中における樹脂粒子の脱離を防止できる。
また、本実施形態では、樹脂粒子の個数平均一次粒子径が、50nm以上150nm以下である。一般的に、樹脂粒子の個数平均一次粒子径が大きくなるにつれ、樹脂粒子の脱離が起こり易い傾向にある。しかし、本実施形態では、トナー母粒子と樹脂粒子とが若干軟化した状態でトナーの供給を行うことができる。そのため、樹脂粒子の個数平均一次粒子径が50nm以上150nm以下であっても、トナーの供給中における樹脂粒子の脱離を防止できる。
また、本実施形態では、樹脂粒子のブロッキング率が、15質量%以上40質量%以下である。そのため、本実施形態では、トナー粒子は、硬度の比較的高い樹脂粒子を有する。一般的に、硬度の高い樹脂粒子は、トナー母粒子の表面に固定され難い。よって、樹脂粒子の硬度が高くなるにつれ、樹脂粒子の脱離が起こり易い傾向にある。しかし、本実施形態では、トナー母粒子と樹脂粒子とが若干軟化した状態でトナーの供給を行うことができる。したがって、樹脂粒子のブロッキング率が15質量%以上40質量%以下であっても、トナーの供給中における樹脂粒子の脱離を防止できる。
また、画像形成装置には、10℃以上40℃以下の温度範囲での動作が求められている。一般的に、低温環境下で印刷ジョブを実行すると、現像剤搬送路内の現像剤の温度が低くなり易い。現像剤の温度が低くなるにつれ、樹脂粒子の硬度が高くなる傾向にあるため、樹脂粒子がトナー母粒子の表面に固定され難い傾向にある。しかし、本実施形態では、トナー母粒子と樹脂粒子とが若干軟化した状態でトナーの供給を行うことができる。そのため、低温環境下で印刷ジョブを実行する場合であっても、トナーの供給中における樹脂粒子の脱離を防止できる。
このように、本実施形態では、樹脂粒子の脱離が起こり易い状況で印刷ジョブを実行する場合であっても、トナーの供給中における樹脂粒子の脱離を防止できる。より具体的には、画像形成装置10を用いて低温環境下で印刷ジョブを実行する場合であっても、トナーの供給中における樹脂粒子の脱離を防止できる。これにより、印刷ジョブの実行中にトナーの帯電性が変動することを効果的に防止できる。よって、トナーが帯電不良を起こすことを効果的に防止できる。したがって、形成された画像において、かぶりが発生することを効果的に防止できる。
本実施形態では、加熱器141は、第1位置P1でのトナー温度を上昇させるため、像担持体13の表面13sへの供給直前におけるトナー温度を上昇させることができる。そのため、加熱器141が例えば第2位置P2に存在するトナーの温度を上昇させる場合に比べ、画像形成中におけるトナーの帯電量の低下を効果的に防止できる。
本実施形態では、印刷ジョブ制御部55は、第1判定部553だけでなく第2判定部555を有する。これにより、第1位置P1でのトナー温度が第1温度以下であっても第1温度付近まで上昇していれば、トナーの供給を許可できる。そして、第1位置P1でのトナー温度が第1温度付近まで上昇していれば、トナーの供給を行っても、トナーの供給中における樹脂粒子の脱離を防止できる。よって、印刷ジョブ制御部55が第1判定部553と第2判定部555との両方を有する場合には、印刷ジョブ制御部55が第1判定部553を有するが第2判定部555を有さない場合に比べ、加熱器141による加熱時間を短縮できる。
なお、印刷ジョブ制御部55の具現化方法は、前述の方法に限定されない。例えば、印刷ジョブ制御部55は、画像形成装置10の外部に設けられた電子回路及び/又はプログラムと協働して、具現化されてもよい。より具体的には、通信ネットワーク上の所定のサーバーに保持されている印刷ジョブ制御プログラムをユーザーが実行又はダウンロードすることで、印刷ジョブ制御部55が具現化されてもよい。
同様に、加熱制御部551、第1判定部553、第2判定部555、トナー供給許可部557、及び第3判定部559の各々の具現化方法は、前述の方法に限定されない。例えば、加熱制御部551と、第1判定部553と、第2判定部555と、トナー供給許可部557と、第3判定部559とは、各々、画像形成装置10の外部に設けられた電子回路及び/又はプログラムと協働して、具現化されてもよい。より具体的には、通信ネットワーク上の所定のサーバーに保持されている所定のプログラムをユーザーが実行又はダウンロードすることで、加熱制御部551、第1判定部553、第2判定部555、トナー供給許可部557、及び第3判定部559の各々が具現化されてもよい。
[画像形成方法]
画像形成装置10を用いた画像形成方法では、要求信号が入力されると、印刷ジョブを実行する。また、必要に応じて、図7に示す処理を行う。より具体的には、要求信号が入力されると、印刷ジョブ実行プログラムを実行する。要求信号が入力されたときに加熱制御プログラムを実行した場合には、トナー供給許可部557がトナーの供給を許可した後に、印刷ジョブ実行プログラムを実行する。まず、図7に示す処理を説明する。
図7は、画像形成装置10が行う処理の一部の手順を示すフローチャートである。CPU52が加熱制御プログラム(記憶装置31又はROM53に記憶されている加熱制御プログラム)を実行することで、図7に示す処理を行うことができる。
詳しくは、ステップS101において、印刷ジョブが要求される。その後、ステップS102へ進む。
ステップS102では、第3判定部559が、機内温度が第3温度以下であるか否かを判定する。詳しくは、まず、第3判定部559は、機内温度を機内温度検知部29に検知させる。次に、第3判定部559は、第3検知温度を機内温度検知部29から取得する。また、第3判定部559は、第3温度を記憶装置31又はROM53から取得する。そして、第3判定部559は、機内温度検知部29から取得した第3検知温度と、記憶装置31又はROM53から取得した第3温度とに基づき、機内温度が第3温度以下であるか否かを判定する。
機内温度が第3温度以下でないと判定された場合(NO)、この時点でトナーの供給を行っても、トナーの供給中における樹脂粒子の脱離を効果的に防止できる。そのため、図7に示す処理が終了する。つまり、機内温度が第3温度以下でないと判定された場合には、加熱制御プログラムを実行しない。機内温度が第3温度以下であると判定された場合(YES)、ステップS103へ進む。
ステップS103では、加熱制御部551が、加熱器141の電源をOFFからONへ切り換える。そして、ステップS104へ進む。
ステップS104では、第1判定部553が、第1位置P1でのトナー温度が第1温度超であるか否かを判定する。詳しくは、まず、第1判定部553は、第1位置P1でのトナー温度を第1温度検知部151に検知させる。次に、第1判定部553は、第1検知温度を第1温度検知部151から取得する。また、第1判定部553は、第1温度を記憶装置31又はROM53から取得する。そして、第1判定部553は、第1温度検知部151から取得した第1検知温度と、記憶装置31又はROM53から取得した第1温度とに基づき、第1位置P1でのトナー温度が第1温度超であるか否かを判定する。
第1位置P1でのトナー温度が第1温度超であると判定された場合(YES)、この時点でトナーの供給を行っても、トナーの供給中における樹脂粒子の脱離を効果的に防止できる。そのため、ステップS106へ進む。
第1位置P1でのトナー温度が第1温度超でないと判定された場合(NO)、ステップS105へ進む。
ステップS105では、第2判定部555が、温度差が第2温度以上であるか否かを判定する。詳しくは、まず、第2判定部555は、第1位置P1でのトナー温度を第1温度検知部151に検知させた後、第1検知温度を第1温度検知部151から取得する。また、第2判定部555は、第2位置P2での現像剤温度を第2温度検知部161に検知させた後、第2検知温度を第2温度検知部161から取得する。次に、第2判定部555は、第1温度検知部151から取得した第1検知温度と、第2温度検知部161から取得した第2検知温度とに基づき、温度差を算出する。続いて、第2判定部555は、第2温度を記憶装置31又はROM53から取得する。そして、第2判定部555は、算出した温度差と、記憶装置31又はROM53から取得した第2温度とに基づき、温度差が第2温度以上であるか否かを判定する。
温度差が第2温度以上でないと判定された場合(NO)、第1位置P1でのトナー温度が第1温度以下であり、温度差が第2温度未満である。そのため、この時点でトナーの供給を行うと、トナーの供給中における樹脂粒子の脱離を防止できないことがある。よって、トナーの供給を許可せず、加熱器141による加熱を継続する(ステップS104へ戻る)。
温度差が第2温度以上であると判定された場合(YES)、第1位置P1でのトナー温度が第1温度以下であるが、温度差が第2温度以上である。そのため、第1位置P1でのトナー温度が第1温度付近まで上昇していると推測される。よって、この時点でトナーの供給を行っても、トナーの供給中における樹脂粒子の脱離を防止できる。よって、ステップS106へ進む。
ステップS106では、加熱制御部551が、加熱器141の電源をONからOFFへ切り換える。また、トナー供給許可部557が、トナーの供給を許可する。このようにして、図7に示す処理が終了する。
図7に示す処理が終了したら、印刷ジョブ制御部55が、印刷ジョブを実行する。より具体的には、トナー供給許可部557がトナーの供給を許可したら、印刷ジョブ制御部55が、印刷ジョブを実行する。CPU52が印刷ジョブ実行プログラム(記憶装置31又はROM53に記憶されている印刷ジョブ実行プログラム)を実行することで、帯電工程と露光工程と現像工程と転写工程と定着工程とを行うことができる。以下、順に説明する。
まず、帯電工程では、印刷ジョブ制御部55が、帯電装置15を制御して、像担持体13の表面13sを一様に帯電させる。次に、露光工程では、印刷ジョブ制御部55が、露光装置17を制御して、一様に帯電した像担持体13の表面13sを露光させる。これにより、像担持体13の表面13sには、静電潜像が形成される。
続いて、現像工程では、印刷ジョブ制御部55が、現像装置11と像担持体13とを制御して、静電潜像をトナー像として現像させる。詳しくは、まず、印刷ジョブ制御部55が、第1攪拌スクリュー115Aに第1搬送路113A内の現像剤を攪拌させ、第2攪拌スクリュー115Bに第2搬送路113B内の現像剤を攪拌させる。これにより、現像剤は、攪拌されながら第1搬送路113A内を搬送された後、攪拌されながら第2搬送路113B内を搬送される。
同時に、印刷ジョブ制御部55が、現像剤を、第2搬送路113Bから現像ローラー121の表面121sへ磁気的に汲み上げる。これにより、現像ローラー121の表面121sには、磁気ブラシ層LDが形成される。
同時に、印刷ジョブ制御部55が、現像ローラー121を回転方向R11に沿って回転させる。これにより、磁気ブラシ層LDの厚さが、現像剤規制部材131によって、所定の厚さに規制される。また、磁気ブラシ層LDが、現像主極127Cに対応する部位へ搬送される。このとき、印刷ジョブ制御部55が、像担持体13を、磁気ブラシ層LDに接触させた状態で回転方向R12に沿って回転させる。また、現像ローラー121の表面121sと像担持体13の表面13sとの間に所定の電位差が発生するように、印刷ジョブ制御部55が、現像ローラー121にバイアスを印加する。これらにより、磁気ブラシ層LDに含まれるトナーが、像担持体13の表面13sのうち露光された部位へ供給される。
続いて、転写工程では、印刷ジョブ制御部55が、転写装置を制御して、トナー像を記録媒体Mへ転写させる。より具体的には、印刷ジョブ制御部55は、一次転写ローラー19と転写ベルト21と二次転写ローラー23とを制御して、トナー像を記録媒体Mへ転写させる。
続いて、定着工程では、印刷ジョブ制御部55が、定着装置25を制御して、未定着トナー像を加熱及び/又は加圧により記録媒体Mに定着させる。このようにして、記録媒体Mに画像が定着される。必要に応じて、転写工程の後にクリーニング工程を行う。クリーニング工程では、印刷ジョブ制御部55が、クリーニング部材27を制御して、転写残トナー(転写工程において記録媒体Mへ転写されずに像担持体13の表面13sに残留するトナー)を像担持体13の表面13sから除去する。
なお、図7に示す処理において、ステップS104とステップS105とについて、順序が入れ替わってもよい。より具体的には、加熱制御部551が加熱器141の電源をOFFからONへ切り換えた後には、第2判定部555が、温度差が第2温度以上であるか否かを判定してから、第1判定部553が、第1位置P1でのトナー温度が第1温度超であるか否かを判定してもよい。この場合、温度差が第2温度以上であると判定された場合に、又は温度差が第2温度未満であるが第1位置P1でのトナー温度が第1温度超であると判定された場合に、ステップS106へ進んでトナーの供給を許可することが好ましい。
[コンピュータープログラム]
画像形成装置10の制御に係る機能は、コンピュータープログラム(ソフトウェア)によって実現されてもよい。本実施形態に係るコンピュータープログラムは、画像形成装置10を構成するコンピューターに、印刷ジョブ制御プログラムを実行させる。
印刷ジョブ制御部55が実行するプログラム(印刷ジョブ制御プログラム)は、コンピューターに読み取り可能な記録媒体に格納されて、配布可能にされてもよい。また、印刷ジョブ制御プログラムを通信ネットワーク上の所定のサーバーに保持させ、ユーザーが印刷ジョブ制御プログラムを実行又はダウンロードできるようにしてもよい。
印刷ジョブ制御プログラムが加熱制御プログラムと印刷ジョブ実行プログラムとを含む場合、加熱制御プログラムと印刷ジョブ実行プログラムとの両方が、コンピューターに読み取り可能な記録媒体に格納されてもよいし、通信ネットワーク上の所定のサーバーに保持されてもよい。また、加熱制御プログラム及び印刷ジョブ実行プログラムのうち、一方が、コンピューターに読み取り可能な記録媒体に格納され、他方が、通信ネットワーク上の所定のサーバーに保持されてもよい。
《第2の実施形態》
前述の第1の実施形態では、二成分現像方式が採用された画像形成装置を例に挙げて、画像形成装置、画像形成方法、及びコンピュータープログラムを順に説明した。本発明の第2の実施形態では、タッチダウン現像法を採用した画像形成装置を例に挙げて、画像形成装置、画像形成方法、及びコンピュータープログラムを順に説明する。以下では、前述の第1の実施形態との相違点を主に説明する。
[画像形成装置]
図8は、本実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。画像形成装置60は、タンデム方式の電子写真装置である。詳しくは、画像形成装置60は、各色に対応した画像形成部60A〜60Dと、露光装置17と、転写ベルト21と、二次転写ローラー23と、定着装置25と、機内温度検知部29とを備える。画像形成部60A〜60Dは、各々、現像装置61と、像担持体13と、帯電装置15と、一次転写ローラー19と、クリーニング部材27とを備える。また、画像形成装置60は、制御部51を備える。
現像装置61は、現像剤を収容する。現像装置61は、トナーを用いて、現像を行う。
図9及び図10を用いて、現像装置61の構成を詳しく説明する。図9は、現像装置61の構成を示す図である。図10は、画像形成中における現像装置61の一部分を拡大して示す図である。現像装置61は、筐体111と、現像剤搬送路113と、現像剤攪拌搬送部材115と、磁気ローラー611と、現像剤規制部材131と、現像ローラー621と、加熱器141と、第1温度検知部151と、第2温度検知部161とを有する。現像剤搬送路113と、現像剤攪拌搬送部材115と、磁気ローラー611と、現像剤規制部材131と、現像ローラー621とは、筐体111内に設けられている。
磁気ローラー611は、回転可能な態様で筐体111に支持されている。より具体的には、磁気ローラー611は、例えばモーター(図示せず)によって駆動されて、回転方向R21に沿って回転する。
磁気ローラー611は、第2攪拌スクリュー115Bと対向する。磁気ローラー611は、現像剤を、第2搬送路113Bから磁気ローラー611の表面611sへ磁気的に汲み上げて、その表面611sに担持する。このように、磁気ローラー611は、現像剤を表面611sに担持する現像剤担持体である。
磁気ローラー611は、現像ローラー621と対向する。磁気ローラー611の表面611sと現像ローラー621の表面621sとの間には、ギャップG22が設けられている。磁気ローラー611は、トナーを、磁気ローラー611の表面611sから現像ローラー621の表面621sへ移動させる。以下、磁気ローラー611の構成をより詳細に説明する。
磁気ローラー611は、シャフト613と、筒状のスリーブ615と、マグネットロール617とを有する。スリーブ615は、磁気ローラー611の表層部に位置し、シャフト613の周りを回転可能な態様でシャフト613に支持されている。マグネットロール617は、シャフト613に固定され、回転不可能な態様でスリーブ615内(筒内)に設けられている。より具体的には、マグネットロール617の周りをスリーブ615が回転できるように、シャフト613とスリーブ615とが接続(より具体的には、フランジ接続)されている。こうした構造により、スリーブ615は、シャフト613の周方向に回転する。
マグネットロール617は、少なくともその表層部に、複数の磁極を有する。マグネットロール617が有する磁極としては、例えば、永久磁石に基づくN極及びS極が挙げられる。詳しくは、マグネットロール617は、少なくともその表層部に、汲上極617Aと、規制極617Bと、主極617Cとを有する。主極617Cを磁気ローラー611の回転方向R21の基点としたとき、規制極617Bは、主極617Cよりも磁気ローラー611の回転方向R21の上流側に位置し、汲上極617Aは、規制極617Bよりも磁気ローラー611の回転方向R21の上流側に位置する。マグネットロール617は、少なくともその表層部に、搬送極と剥離極とをさらに有していてもよい。
なお、以下において、「汲上極617Aに対応する部位」とは、磁気ローラー611の表面611s(より具体的には、スリーブ615の表面)のうち、汲上極617Aの上方に位置する部位を意味する。「規制極617Bに対応する部位」とは、磁気ローラー611の表面611sのうち、規制極617Bの上方に位置する部位を意味する。「主極617Cに対応する部位」とは、磁気ローラー611の表面611sのうち、主極617Cの上方に位置する部位を意味する。
汲上極617Aは、第2攪拌スクリュー115Bと対向する位置にピーク磁力を生じさせる。そのため、汲上極617Aは、その磁極面が第2攪拌スクリュー115Bと対向する態様で、マグネットロール617に取り付けられていることが好ましい。汲上極617Aの磁力により、現像剤が、第2搬送路113Bから汲上極617Aに対応する部位へ汲み上げられる。これにより、汲上極617Aに対応する部位には、現像剤からなる層(本実施形態では「磁気ブラシ層」と記載する)が形成される。
規制極617Bは、現像剤規制部材131と対向する位置にピーク磁力を生じさせる。そのため、規制極617Bは、その磁極面が現像剤規制部材131と対向する態様で、マグネットロール617に取り付けられていることが好ましい。規制極617Bの磁力により、現像剤規制部材131が磁化される。現像剤規制部材131の規制面133と磁気ローラー611の表面611sとの間には、ギャップG11が設けられている。これにより、磁気ブラシ層の厚さが現像剤規制部材131で規制される。
主極617Cは、現像ローラー621と対向する位置にピーク磁力を生じさせる。そのため、主極617Cは、その磁極面が現像ローラー621と対向する態様で、マグネットロール617に取り付けられていることが好ましい。主極617Cの磁力は、磁気ブラシ層に含まれるトナーのみが現像ローラー621の表面621sへ移動するように作用する。そのため、磁気ブラシ層と現像ローラー621の表面621sとが互いに接触した状態で磁気ローラー611と現像ローラー621とが回転し、磁気ローラー611の表面611sと現像ローラー621の表面621sとの間に所定の電位差が発生すると、磁気ブラシ層に含まれるトナーのみが現像ローラー621の表面621sへ移動する。これにより、現像ローラー621の表面621sには、トナーで構成された層(以下、「トナー層」と記載する)LTが形成される。
現像ローラー621は、回転可能な態様で筐体111に支持されている。より具体的には、現像ローラー621は、例えばモーター(図示せず)によって駆動されて、回転方向R11に沿って回転する。前述したように、現像ローラー621の表面621sには、トナー層LTが形成される。そのため、現像ローラー621は、トナーを表面621sに担持するトナー担持体である。
現像ローラー621は、筐体111に形成された開口119を通して、像担持体13と対向する。現像ローラー621の表面621sと像担持体13の表面13sとの間には、ギャップG13が設けられている。現像ローラー621は、トナーを、現像ローラー621の表面621sから像担持体13の表面13sへ供給する。以下、現像ローラー621の構成をより詳細に説明する。
現像ローラー621は、シャフト623と、筒状のスリーブ625と、マグネットロール627とを有する。スリーブ625は、現像ローラー621の表層部に位置し、シャフト623の周りを回転可能な態様でシャフト623に支持されている。マグネットロール627は、シャフト623に固定され、回転不可能な態様でスリーブ625内(筒内)に設けられている。より具体的には、マグネットロール627の周りをスリーブ625が回転できるように、シャフト623とスリーブ625とが接続(より具体的には、フランジ接続)されている。こうした構造により、スリーブ625は、シャフト623の周方向に回転する。
マグネットロール627は、少なくともその表層部に、複数の磁極を有する。マグネットロール627が有する磁極としては、例えば、永久磁石に基づくN極及びS極が挙げられる。詳しくは、マグネットロール627は、少なくともその表層部に、対向極627Aと、現像主極627Bとを有する。マグネットロール627は、少なくともその表層部に、搬送極と剥離極とをさらに有していてもよい。
なお、以下において、現像ローラー621の回転方向R11における構成部品間の位置関係を説明するときには、現像主極627Bを現像ローラー621の回転方向R11の基点とする。また、「対向極627Aに対応する部位」とは、現像ローラー621の表面621s(より具体的には、スリーブ625の表面)のうち、対向極627Aの上方に位置する部位を意味する。「現像主極627Bに対応する部位」とは、現像ローラー621の表面621sのうち、現像主極627Bの上方に位置する部位を意味する。
対向極627Aは、磁気ローラー611と対向する位置にピーク磁力を生じさせる。そのため、対向極627Aは、その磁極面が磁気ローラー611と対向する態様で、マグネットロール627に取り付けられていることが好ましい。対向極627Aの磁力は、磁気ブラシ層に含まれるトナーのみが対向極627Aに対応する部位へ移動するように、作用する。
現像主極627Bは、像担持体13と対向する位置にピーク磁力を生じさせる。そのため、現像主極627Bは、その磁極面が像担持体13と対向する態様で、マグネットロール627に取り付けられていることが好ましい。現像主極627Bの磁力は、トナー層LTを構成するトナーが像担持体13の表面13sへ供給されるように、作用する。よって、像担持体13が回転方向R12に沿って回転し、現像ローラー621の表面621sと像担持体13の表面13sとの間に所定の電位差が発生すると、トナー層LTを構成するトナーが像担持体13の表面13s(より具体的には、像担持体13の表面13sのうち露光装置17により露光された部位)へ供給される。
加熱器141の機能については、前述の第1の実施形態で説明したとおりである。詳しくは、加熱器141は、第1位置P1でのトナー温度を上昇させる。好ましくは、加熱器141は、最外周トナーTouterの温度を上昇させる。
前述の第1の実施形態で説明したように、加熱器141は、現像ローラー621の周囲に設けられていることが好ましく、より好ましくは筐体111に形成された開口119の近傍に設けられている。加熱器141の配置位置は、例えば、下記第3配置位置であってもよいし、下記第4配置位置であってもよい。しかし、以下に示す理由から、加熱器141の配置位置は下記第3配置位置であることが好ましい。
第3配置位置:現像ローラー621の回転方向R11において現像主極627Bよりも上流側
第4配置位置:現像ローラー621の回転方向R11において現像主極627Bよりも下流側
詳しくは、画像形成時には、現像ローラー621が回転方向R11に沿って回転することで、トナー層LTは、対向極627Aに対応する部位から現像主極627Bに対応する部位へ搬送される。また、画像形成時には、現像主極627Bに対応する部位において、トナーが、現像ローラー621の表面621sから像担持体13の表面13sへ供給される。これらのことから、加熱器141の配置位置が前述の第3配置位置であれば、加熱器141の配置位置が前述の第4配置位置である場合に比べ、像担持体13の表面13sへの供給直前におけるトナー温度が上昇し易い。
加熱器141の配置位置は、図9に示す位置(より具体的には、前述の第3配置位置)に限定されず、現像装置61内の任意の位置であってもよい。例えば、加熱器141の配置位置は、前述の第4配置位置であってもよい。しかし、加熱器141の配置位置が図9に示す位置とは異なる場合には、像担持体13の表面13sへの供給直前におけるトナー温度が上昇し難いことがある。また、加熱器141の配置位置が像担持体13の表面13sに近すぎる場合には、トナーが像担持体13の表面13sに融着することがある。これらを考慮して、加熱器141の配置位置を決定することが好ましい。
第1温度検知部151の機能については、前述の第1の実施形態で説明したとおりである。詳しくは、第1温度検知部151は、第1位置P1でのトナー温度を検知する。好ましくは、第1温度検知部151は、最外周トナーTouterの温度を検知する。
前述の第1の実施形態で説明したように、第1温度検知部151は、現像ローラー621の周囲に設けられていることが好ましく、より好ましくは筐体111に形成された開口119の近傍に設けられている。
加熱器141と第1温度検知部151との位置関係については、前述の第1の実施形態で説明したとおりである。詳しくは、加熱器141と第1温度検知部151とは、現像ローラー621の横断面における中心点と像担持体13の横断面における中心点とを通る仮想的な面に対し、互いに反対側に位置することが好ましい。例えば、加熱器141の配置位置が前述の第3配置位置である場合には、第1温度検知部151の配置位置は、前述の第4配置位置であることが好ましい。また、加熱器141の配置位置が前述の第4配置位置である場合には、第1温度検知部151の配置位置は、前述の第3配置位置であることが好ましい。これにより、加熱器141からの熱が第1温度検知部151で検知されることを防止できる。よって、像担持体13の表面13sへの供給直前におけるトナー温度をより正確に検知できる。
第1温度検知部151の配置位置は、図9に示す位置(より具体的には、前述の第4配置位置)に限定されず、現像装置61内の任意の位置であってもよい。例えば、第1温度検知部151の配置位置は、前述の第3配置位置であってもよいし、現像剤搬送路113と磁気ローラー611との間であってもよいし、現像剤規制部材131の周囲であってもよい。第1温度検知部151の配置位置が図9に示す位置とは異なる場合には、第1検知温度を適切な手法で補正することで、第1位置P1でのトナー温度を算出することが好ましい。
第2温度検知部161の機能については、前述の第1の実施形態で説明したとおりである。詳しくは、第2温度検知部161は、第2位置P2での現像剤温度を検知する。第2温度検知部161は、第2搬送路113Bの外面に設けられていることが好ましい。
画像形成装置60は、印刷ジョブの要求に基づいて印刷ジョブを実行する。画像形成装置60の制御系は、前述の第1の実施形態に係る画像形成装置10の制御系と同様の構成を備える。詳しくは、画像形成装置60の制御系は、記憶装置31と、入力表示部33と、インターフェイス41と、制御部51とを備える。制御部51は、CPU52と、ROM53と、RAM54と、印刷ジョブ制御部55とを有する。印刷ジョブ制御部55は、加熱制御部551と、第1判定部553と、第2判定部555と、トナー供給許可部557と、第3判定部559とを有する。
このように、画像形成装置60の制御系は、前述の第1の実施形態に係る画像形成装置10の制御系と同じく、CPU52と、ROM53と、RAM54と、印刷ジョブ制御部55とを有する。そのため、本実施形態においても、印刷ジョブの要求時における機内温度が第3温度以下である場合に、加熱器141の電源をONにする。そして、第1位置P1でのトナー温度が第1温度超となるまで、又は温度差が第2温度以上となるまで、加熱器141による加熱を行うとともに、トナーの供給を許可しない。つまり、第1位置P1でのトナー温度が比較的高温となるまで、トナーの供給を許可しない。これらのことから、樹脂粒子の脱離が起こり易い状況で印刷ジョブを実行する場合であっても、トナーの供給中における樹脂粒子の脱離を防止できる。
例えば、トナー母粒子と樹脂粒子とが互いに同一の極性を有する場合であっても、トナーの供給中における樹脂粒子の脱離を防止できる。また、樹脂粒子の個数平均一次粒子径が50nm以上150nm以下であっても、トナーの供給中における樹脂粒子の脱離を防止できる。また、樹脂粒子のブロッキング率が15質量%以上40質量%以下であっても、トナーの供給中における樹脂粒子の脱離を防止できる。また、低温環境下で印刷ジョブを実行する場合であっても、トナーの供給中における樹脂粒子の脱離を防止できる。
その上、本実施形態では、タッチダウン現像法を採用している。一般的に、タッチダウン現像法が採用された画像形成装置を用いて画像を形成すると、磁気ローラーと現像ローラーとの間には交流電界が形成される。この交流電界がトナー粒子に作用することで、樹脂粒子がトナー母粒子の表面から脱離し易くなる。しかし、本実施形態では、トナー母粒子と樹脂粒子とが若干軟化した状態でトナーの供給を行うことができる。よって、タッチダウン現像法が採用された画像形成装置において印刷ジョブを実行する場合であっても、トナーの供給中における樹脂粒子の脱離を防止できる。
このように、本実施形態では、樹脂粒子の脱離が起こり易い状況で印刷ジョブを実行する場合であっても、トナーの供給中における樹脂粒子の脱離を防止できる。より具体的には、画像形成装置60を用いて低温環境下で印刷ジョブを実行する場合であっても、トナーの供給中における樹脂粒子の脱離を防止できる。これにより、印刷ジョブの実行中にトナーの帯電性が変動することを効果的に防止できる。よって、トナーが帯電不良を起こすことを効果的に防止できる。したがって、形成された画像において、かぶりが発生することを効果的に防止できる。
[画像形成方法]
本実施形態に係る画像形成方法では、要求信号が入力されると、印刷ジョブを実行する。また、必要に応じて、図7に示す処理を行う。より具体的には、要求信号が入力されると、印刷ジョブ実行プログラムを実行する。要求信号が入力されたときに加熱制御プログラムを実行した場合には、トナー供給許可部557がトナーの供給を許可した後に、印刷ジョブ実行プログラムを実行する。以下では、現像工程を説明する。
詳しくは、現像工程では、前述の第1の実施形態で説明した方法に従い、印刷ジョブ制御部55が、第1搬送路113A内の現像剤を攪拌させ、第2搬送路113B内の現像剤を攪拌させる。
同時に、印刷ジョブ制御部55が、現像剤を、第2搬送路113Bから磁気ローラー611の表面611sへ磁気的に汲み上げる。これにより、磁気ローラー611の表面611sには、磁気ブラシ層が形成される。
同時に、印刷ジョブ制御部55が、磁気ローラー611を回転方向R21に沿って回転させる。これにより、磁気ブラシ層の厚さが、現像剤規制部材131によって、所定の厚さに規制される。
同時に、印刷ジョブ制御部55が、現像ローラー621を、磁気ブラシ層に接触させた状態で回転方向R11に沿って回転させる。また、磁気ローラー611の表面611sと現像ローラー621の表面621sとの間に所定の電位差が発生するように、印刷ジョブ制御部55が、磁気ローラー611及び現像ローラー621の各々にバイアスを印加する。これらにより、磁気ブラシ層に含まれるトナーが、現像ローラー621の表面621sへ移動する。
トナー層LTが現像主極627Bに対向する部位へ搬送されたとき、印刷ジョブ制御部55が、像担持体13を、回転方向R12に沿って回転させる。これにより、トナー層LTを構成するトナーが、像担持体13の表面13sのうち露光された部位へ飛翔する。このようにして、現像工程が終了する。
[コンピュータープログラム]
本実施形態では、画像形成装置60の制御に係る機能は、コンピュータープログラム(ソフトウェア)によって実現されてもよい。本実施形態に係るコンピュータープログラムは、画像形成装置60を構成するコンピューターに、印刷ジョブ制御プログラムを実行させる。本実施形態における印刷ジョブ制御プログラムについては、前述の第1の実施形態で説明したとおりである。
≪実験例≫
実験例では、前述の第1の実施形態に係る画像形成装置10の作用及び効果を検証し、前述の第2の実施形態に係る画像形成装置60の作用及び効果を検証した。
なお、実験例において、粉体に関する評価結果(形状又は物性などを示す値)は、何ら規定していなければ、粉体から平均的な粒子を相当数選び取って、それら平均的な粒子の各々について測定した値の個数平均である。粉体には、例えば、トナーコアと、トナー母粒子と、外添剤と、トナーとが含まれる。
また、粉体の個数平均粒子径は、何ら規定していなければ、顕微鏡を用いて測定された一次粒子の円相当径(粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、ベックマン・コールター株式会社製の「コールターカウンターマルチサイザー3」を用いてコールター原理(細孔電気抵抗法)に基づき測定した値である。酸価の測定値は、何ら規定していなければ、「JIS(日本工業規格)K0070−1992」に従い測定した値である。融点(Mp)は、何ら規定していなければ、示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いて測定した値である。
また、前述の第1の実施形態に係る画像形成装置10に相当する画像形成装置を「実験例1に係る画像形成装置」と記載する。前述の第2の実施形態に係る画像形成装置60に相当する画像形成装置を「実験例2に係る画像形成装置」と記載する。一方、加熱制御プログラムを実行しないことを除いては実験例1に係る画像形成装置とは同一の構成を有する画像形成装置を「比較例1に係る画像形成装置」と記載する。加熱制御プログラムを実行しないことを除いては実験例2に係る画像形成装置とは同一の構成を有する画像形成装置を「比較例2に係る画像形成装置」と記載する。
実験例1に係る画像形成装置と、実験例2に係る画像形成装置と、比較例1に係る画像形成装置と、比較例2に係る画像形成装置とは、何れも、同一の現像剤を含んでいた。まず、現像剤の製造方法を説明する。
<現像剤の製造方法>
以下では、外添剤粒子の製造方法、外添剤粒子の物性値の測定方法、及び現像剤の製造方法を順に説明する。
(外添剤粒子の製造方法)
攪拌機、冷却管、温度計、及び窒素導入管を備えた四つ口フラスコ(容量:1000mL)に、600gのイオン交換水と、100gのメタクリル酸ブチル(BMA)と、20gのスチレンと、35gのジビニルベンゼン(DVB、架橋剤)と、15gのベンゾイルパーオキサイド(BPO、重合開始剤)と、6gのカチオン界面活性剤(花王株式会社製「コータミン(登録商標)24P」、成分:ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド25質量%水溶液)とを、攪拌しながら、入れた。フラスコに窒素ガスを供給しながら、且つフラスコの内容物を攪拌しながら、フラスコ内の温度を90℃に昇温させた。窒素ガスの供給とフラスコの内容物の攪拌とを継続しながら、3時間にわたってフラスコ内の温度を90℃に保った。フラスコ内の温度を90℃に保っている間に、フラスコの内容物を反応(重合反応)させた。このようにして、樹脂粒子のエマルションを得た。得られたエマルションを乾燥して、樹脂粒子(粉体)を得た。
(外添剤粒子の物性値の測定方法)
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、得られた樹脂粒子の個数平均一次粒子径を測定した。測定された個数平均一次粒子径は、140nmであった。また、得られた樹脂粒子は、シャープな粒度分布を有していた。より具体的には、得られた樹脂粒子は、約140nmの粒子径を有する樹脂粒子のみを実質的に含んでいた。
また、次に示す方法で、樹脂粒子のブロッキング率を測定した。詳しくは、まず、測定用治具(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製)を準備した。測定用治具は、円柱状の穴(直径:10mm、深さ:10mm)が形成された台(材質:オーステナイトステンレス鋼)と、円柱状の圧子(直径:10mm、材質:オーステナイトステンレス鋼)と、ヒーターとを、備えていた。
次に、温度23℃及び湿度50%RHの環境下において、台に形成された穴(測定部位)に、10mgの樹脂粒子(測定対象)を入れた。ヒーターで測定部位を160℃に加熱し、圧子(荷重:約100N)で測定部位に0.1kgf/mm2の圧力を5分間加えた。その後、測定部位に存在する樹脂粒子を、全量回収し、質量既知の目開き75μmの篩(JIS Z8801−1で規定される200メッシュ)上にセットした。そして、樹脂粒子を含む篩の質量を測定した。このようにして、篩上の樹脂粒子の質量(吸引前の樹脂粒子の質量)を求めた。
続けて、吸引機(アマノ株式会社製「V−3SDR」)を用いて、篩の下方から篩上の樹脂粒子を吸引した。この吸引により、篩上の樹脂粒子のうちブロッキングしていない樹脂粒子のみが篩を通過した。吸引後、篩を通過しなかった樹脂粒子(篩上に残留した樹脂粒子)の質量を測定した。そして、吸引前の樹脂粒子の質量と、吸引後の樹脂粒子の質量(篩を通過しなかった樹脂粒子の質量)とに基づいて、次の式に従い樹脂粒子のブロッキング率[単位:質量%]を求めた。樹脂粒子のブロッキング率は40質量%と算出された。
ブロッキング率=100×吸引後の樹脂粒子の質量/吸引前の樹脂粒子の質量
(現像剤の製造方法)
まず、トナー母粒子を製造した。詳しくは、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて、100質量部のポリエステル樹脂(酸価:5.6mgKOH/g、融点:105℃)と、4質量部の着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3、成分:銅フタロシアニン顔料)と、5質量部の離型剤(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−3」、成分:エステルワックス、溶融温度:73℃)と、1質量部の電荷制御剤(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」、成分:4級アンモニウム塩)とを、混合した。得られた混合物を、2軸押出機(株式会社池貝「PCM−30型」)を用いて、溶融混練して溶融混練物を得た。得られた溶融混練物を、機械式粉砕機(フロイント・ターボ株式会社「ターボミル」)を用いて、粉砕し、粉砕物を得た。得られた粉砕物を、分級機(日鉄鉱業株式会社「エルボージェット」)を用いて、分級した。このようにして、体積中位径(D50)が6.8μmであるトナー母粒子を得た。
次に、外添剤をトナー母粒子の表面に外添させた。詳しくは、まず、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて、5分間にわたって、100質量部のトナー母粒子と、1質量部の疎水性シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)RA−200H」)とを混合した。次に、FMミキサーに1質量部の樹脂粒子(前述の方法で得られた樹脂粒子)をさらに加えた後、5分間にわたって混合した。このようにして、複数のトナー粒子を含むトナーを得た。
続いて、得られたトナーとキャリアとを混合した。詳しくは、粉体混合機(愛知電機株式会社製「ロッキングミキサー(登録商標)」)を用いて、30分間にわたって、7.9質量部のトナーと、100質量部のキャリアとを混合した。ここで、キャリアは、キャリアコアと、コート層とを備えていた。キャリアコアは、Mn−Mg−Srフェライトで構成されていた。コート層は、ポリアミドイミド樹脂とPFAとの混合樹脂で構成され、キャリアコアの表面を被覆していた。このようにして、現像剤を得た。
<画像形成装置の製造方法>
前述の方法で得られた現像剤を用いて、実験例1に係る画像形成装置と実験例2に係る画像形成装置と比較例1に係る画像形成装置と比較例2に係る画像形成装置とを、各々、製造した。
詳しくは、まず、複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製)を準備した。次に、トナーを複合機のトナーコンテナに入れた。トナーとしては、前述の方法で得られた現像剤に含まれるトナーを使用した。また、前述の方法で得られた現像剤を複合機の現像装置に入れた。続いて、インストール動作を行った。これにより、現像剤を現像装置の現像剤搬送路内に充填した。このようにして、画像形成装置を得た。
実験例1に係る画像形成装置を製造する場合、複合機として、京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の試作機を準備した。より具体的には、準備した複合機は、加熱器141と第1温度検知部151と第2温度検知部161とを有していた。また、準備した複合機の制御系は、印刷ジョブ制御部55を有していた。印刷ジョブ制御部55は、加熱制御部551と、第1判定部553と、第2判定部555と、トナー供給許可部557と、第3判定部559とを有していた。なお、準備した複合機では、現像ローラー121は、300μmのギャップを介して、像担持体13と対向していた。
比較例1に係る画像形成装置を製造する場合、複合機として、京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の別の試作機を準備した。より具体的には、準備した複合機は、加熱器141と第1温度検知部151と第2温度検知部161とを有していなかった。また、準備した複合機の制御系は、加熱制御部551、第1判定部553、第2判定部555、トナー供給許可部557、及び第3判定部559の何れも有していなかった。これらのことを除いては、比較例1に係る画像形成装置が有する複合機と、実験例1に係る画像形成装置が有する複合機とは、互いに同一の構成を有していた。
実験例2に係る画像形成装置を製造する場合、複合機として、京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の「Taskalfa6052ci」において加熱制御プログラムを実行可能なように改造したものを準備した。より具体的には、準備した複合機は、加熱器141と第1温度検知部151と第2温度検知部161とを有していた。また、準備した複合機の制御系は、印刷ジョブ制御部55を有していた。印刷ジョブ制御部55は、加熱制御部551と、第1判定部553と、第2判定部555と、トナー供給許可部557と、第3判定部559とを有していた。なお、準備した複合機では、現像ローラー621は、100μmのギャップを介して、像担持体13と対向していた。
比較例2に係る画像形成装置を製造する場合、複合機として、京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の「Taskalfa6052ci」を準備した。そのため、準備した複合機は、加熱器141と第1温度検知部151と第2温度検知部161とを有していなかった。また、準備した複合機の制御系は、加熱制御部551、第1判定部553、第2判定部555、トナー供給許可部557、及び第3判定部559の何れも有していなかった。これらのことを除いては、比較例2に係る画像形成装置が有する複合機と、実験例2に係る画像形成装置が有する複合機とは、互いに同一の構成を有していた。
<画像形成装置の評価方法>
実験例1に係る画像形成装置と実験例2に係る画像形成装置と比較例1に係る画像形成装置と比較例2に係る画像形成装置とを用いて、トナーの帯電量とかぶり濃度とを評価した。
実験例1に係る画像形成装置を用いて印刷を行う場合、現像ローラー121には、1200Vの交流電圧と180Vの直流電圧とを印加した。また、印刷ジョブが要求されると、加熱制御部551が加熱器141の電源をONにした。また、第1位置P1でのトナー温度が25℃超であると判定されるまで、又は温度差が4℃以上であると判定されるまで、トナー供給許可部557はトナーの供給を許可しなかった。
比較例1に係る画像形成装置を用いて印刷を行う場合、現像ローラー121には、1200Vの交流電圧と180Vの直流電圧とを印加した。比較例1に係る画像形成装置は、加熱制御プログラムを実行するように構成されていなかった。そのため、機内温度に依らず、第1位置P1でのトナー温度に依らず、且つ温度差に依らず、トナーの供給が行われた。
実験例2に係る画像形成装置を用いて印刷を行う場合、現像ローラー621には、1600Vの交流電圧と50Vの直流電圧とを印加した。また、磁気ローラー611には、2500Vの交流電圧と300Vの直流電圧とを印加した。また、印刷ジョブが要求されると、加熱制御部551が加熱器141の電源をONにした。また、第1位置P1でのトナー温度が25℃超であると判定されるまで、又は温度差が4℃以上であると判定されるまで、トナー供給許可部557はトナーの供給を許可しなかった。
比較例2に係る画像形成装置を用いて印刷を行う場合、現像ローラー621には、1600Vの交流電圧と50Vの直流電圧とを印加した。また、磁気ローラー611には、2500Vの交流電圧と300Vの直流電圧とを印加した。比較例2に係る画像形成装置は、加熱制御プログラムを実行するように構成されていなかった。そのため、機内温度に依らず、第1位置P1でのトナー温度に依らず、且つ温度差に依らず、トナーの供給が行われた。
(トナーの帯電量の評価方法)
まず、温度10℃且つ湿度10%RHの環境下において、画像形成装置の第2搬送路から現像剤を取り出した。その後、次に示す方法でトナーの帯電量を算出した。詳しくは、Q/mメーター(トレック社製「MODEL 210HS−1」)の測定セルに、0.10gの評価対象(第2搬送路から取り出した現像剤)を入れた。評価対象のうちトナーのみを、篩(金網)を介して、10秒間吸引した。下記式に基づいて、トナーの帯電量[単位:μC/g]を算出した。このようにして、初期のトナー帯電量を算出した。
トナーの帯電量[単位:μC/g]=吸引されたトナーの総電気量[単位:μC]/吸引されたトナーの質量[単位:g]
次に、耐刷試験を行った。詳しくは、温度10℃且つ湿度10%RHの環境下において、画像形成装置を用いて、A4サイズの普通紙に対し、印字率5%のパターン画像を10万枚連続印刷した。
耐刷試験の後、前述の方法に従いトナーの帯電量を算出した。このようにして、耐刷後のトナー帯電量を算出した。結果を表1に示す。
(かぶり濃度の評価方法)
まず、温度10℃且つ湿度10%RHの環境下において、画像形成装置を用いて、A4サイズの普通紙に対して、印字率100%の評価用画像を印刷した。その後、カラー反射濃度計(伊原電子工業株式会社製「R710」)を用いて、評価用画像の空白部の反射濃度を測定した。そして、下記式に基づいて、かぶり濃度(FD)を算出した。このようにして、初期のかぶり濃度(FD)を算出した。
FD=(空白部の反射濃度)−(未印刷紙の反射濃度)
次に、前述の方法に従い、耐刷試験を行った。その後、前述の方法に従い、かぶり濃度(FD)を算出した。このようにして、耐刷後のかぶり濃度(FD)を算出した。かぶり濃度(FD)が0.005以下であれば、形成された画像において、かぶりの発生が抑制された、と評価した。一方、かぶり濃度(FD)が0.005超であれば、形成された画像において、かぶりが発生した、と評価した。結果を表1に示す。
<画像形成装置の評価結果>
表1に、画像形成装置の評価結果を示す。表1において、ΔCには、下記式で算出された数値を記す。
ΔC=(耐刷後のトナー帯電量)−(初期のトナー帯電量)
Figure 0006683172
表1に示すように、実験例1及び2に係る画像形成装置を用いて印刷ジョブを実行すれば、耐刷試験を行っても、トナーの帯電量は殆ど低下しなかった。また、実験例1及び2に係る画像形成装置を用いて印刷ジョブを実行すれば、形成された画像において、かぶりの発生を効果的に防止できた。一方、比較例1及び2に係る画像形成装置を用いて印刷ジョブを実行すれば、耐刷試験を行うと、トナーの帯電量は低下した。また、実験例1及び2に係る画像形成装置を用いて印刷ジョブを実行すれば、形成された画像において、かぶりが発生した。これらのことから、前述の第1及び第2の実施形態に係る画像形成装置を用いて印刷ジョブを実行すれば、形成された画像において、かぶりの発生を効果的に防止できることを確認できた。
[現像剤の好ましい製造方法]
以下、図面を参照することなく、本実施形態における現像剤の好ましい製造方法を説明する。本実施形態における現像剤の製造方法は、好ましくはトナーの製造工程を含み、より好ましくは混合工程をさらに含む。
<トナーの製造工程>
トナーの製造工程は、トナー母粒子の製造工程と、樹脂粒子の製造工程と、外添工程とを含むことが好ましい。同時に製造された複数のトナー粒子は、互いに略同一の構成を有すると考えられる。
(トナー母粒子の製造工程)
トナー母粒子の製造工程は、好ましくはトナーコアの製造工程を含み、より好ましくはシェル層の形成工程をさらに含む。トナーコアの製造工程とシェル層の形成工程とを順に行えば、カプセルトナーを製造できる。トナーコアの製造工程を行った後、シェル層の形成工程を行わなければ、非カプセルトナーを製造できる。ここで、カプセルトナーは、トナーコアと、トナーコアの表面に形成されたシェル層とを備える。非カプセルトナーは、トナーコアを備えるが、シェル層を備えない。非カプセルトナーでは、トナーコアがトナー母粒子に相当する。
トナーコアの製造工程では、公知の凝集法又は公知の粉砕法でトナーコアを製造することが好ましい。シェル層の形成工程では、例えばin−situ重合法、液中硬化被膜法、又はコアセルベーション法でシェル層を形成することが好ましい。
(樹脂粒子の製造工程)
樹脂粒子の製造工程は、樹脂粒子の分散液の調製工程と、樹脂粒子の分散液の乾燥工程とを含むことが好ましい。
樹脂粒子の分散液の調製工程では、水性媒体中において、分子内に不飽和結合を有するモノマーを、乳化重合させることが好ましい。ここで、水性媒体は、水、又は水を主成分として含む分散媒であることが好ましい。水性媒体が水で構成される場合、水は、イオン交換水、又は純水であることが好ましい。また、水を主成分として含む分散媒は、界面活性剤と水との混合液、又は乳化剤と水との混合液であることが好ましい。界面活性剤は、例えば、カチオン界面活性剤であることが好ましい。
分子内に不飽和結合を有するモノマーの重合時間(以下、「モノマーの重合時間」と記載する)を調整すれば、所望の個数平均一次粒子径を有する樹脂粒子を得ることができる。詳しくは、モノマーの重合時間が長くなるにつれて、樹脂粒子の個数平均一次粒子径が大きくなる傾向にある。また、モノマーの重合時間が短くなるにつれて、樹脂粒子の個数平均一次粒子径が小さくなる傾向にある。
分子内に不飽和結合を有するモノマーは、架橋剤として機能するモノマーを含む。架橋剤として機能するモノマーとしては、例えば、純度80%以上のジビニルベンゼンが挙げられる。架橋剤の配合量を調整すれば、所望のブロッキング率を有する樹脂粒子を得ることができる。詳しくは、架橋剤の配合量が多くなるにつれて、樹脂粒子のブロッキング率が低くなる傾向にある。また、架橋剤の配合量が少なくなるにつれて、樹脂粒子のブロッキング率が高くなる傾向にある。
樹脂粒子の分散液の乾燥工程では、樹脂粒子の分散液を乾燥させる。樹脂粒子の分散液の乾燥前と樹脂粒子の分散液の乾燥後とにおいて樹脂粒子の材料及び物性が変化しない限りにおいて、樹脂粒子の分散液を乾燥させる方法は特に限定されない。樹脂粒子の分散液を乾燥させると、複数の樹脂粒子で構成された粉体が得られる。
(外添工程)
外添工程では、混合機(例えば、日本コークス工業株式会社製のFMミキサー)を用いて、得られた粉体(複数の樹脂粒子)とトナー母粒子とを混合することが好ましい。これにより、トナー母粒子の表面には、樹脂粒子が付着する。こうして、トナー粒子を多数含むトナーが得られる。
<混合工程>
混合工程では、得られたトナーとキャリアとを混合して攪拌することが好ましい。このとき、トナー粒子は、100質量部のキャリア粒子に対して、好ましくは1質量部以上20質量部以下添加され、より好ましくは3質量部以上15質量部以下添加される。また、混合機(例えば、ボールミル、ナウターミキサー又はロッキングミキサー等)を用いて、トナー粒子とキャリア粒子との混合及び攪拌を行うことができる。このようにして、現像剤が得られる。
[現像剤の好ましい材料の例示]
本実施形態における現像剤を構成する材料としては、例えば、以下に示す材料が挙げられる。以下では、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。また、アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。また、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを包括的に「(メタ)アクリロニトリル」と総称する場合がある。
<トナーコア>
(結着樹脂)
トナーコアでは、通常、成分の大部分(例えば、85質量%以上)を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナーコア全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。
また、結着樹脂として複数種の樹脂を組み合わせて使用することで、結着樹脂の性質(具体的には、水酸基価、酸価、ガラス転移点、又は軟化点)を調整できる。例えば、結着樹脂がアミノ基又はアミド基を有する場合、トナーコアはカチオン性になる傾向が強くなる。
結着樹脂は、熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル酸系樹脂、オレフィン系樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、又はウレタン樹脂を使用できる。アクリル酸系樹脂としては、例えば、アクリル酸エステル重合体又はメタクリル酸エステル重合体を使用できる。オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂を使用できる。ビニル樹脂としては、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、又はN−ビニル樹脂を使用できる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち前述の樹脂中に任意の繰返し単位が導入された共重合体も、トナー粒子を構成する熱可塑性樹脂として使用できる。例えば、スチレン−アクリル酸系樹脂又はスチレン−ブタジエン系樹脂も、結着樹脂を構成する熱可塑性樹脂として使用できる。以下では、結着樹脂の一例であるポリエステル樹脂について詳述する。
(結着樹脂:ポリエステル樹脂)
ポリエステル樹脂は、1種以上のアルコールと1種以上のカルボン酸との共重合体である。ポリエステル樹脂を合成するためのアルコールとしては、例えば以下に示す2価アルコール又は3価以上のアルコールを使用できる。2価アルコールとしては、例えば、ジオール類又はビスフェノール類を使用できる。ポリエステル樹脂を合成するためのカルボン酸としては、例えば以下に示す2価カルボン酸又は3価以上のカルボン酸を使用できる。
ジオール類の好適な例としては、脂肪族ジオールが挙げられる。脂肪族ジオールの好適な例としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、α,ω−アルカンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリテトラメチレングリコールが挙げられる。α,ω−アルカンジオールは、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、又は1,12−ドデカンジオールであることが好ましい。
ビスフェノール類の好適な例としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、又はビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
3価以上のアルコールの好適な例としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、又は1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
2価カルボン酸の好適な例としては、芳香族ジカルボン酸、α,ω−アルカンジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、又はシクロアルカンジカルボン酸が挙げられる。芳香族ジカルボン酸は、例えば、フタル酸、テレフタル酸、又はイソフタル酸であることが好ましい。α,ω−アルカンジカルボン酸は、例えば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、又は1,10−デカンジカルボン酸であることが好ましい。不飽和ジカルボン酸は、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、又はグルタコン酸であることが好ましい。シクロアルカンジカルボン酸は、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸であることが好ましい。
3価以上のカルボン酸の好適な例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、又はエンポール三量体酸が挙げられる。
(離型剤)
離型剤は、例えば、正帯電性トナーの定着性又は耐高温オフセット性を向上させる目的で使用される。トナーコアのカチオン性を強めるためには、カチオン性を有するワックスを用いてトナーコアを作製することが好ましい。
離型剤は、例えば、脂肪族炭化水素ワックス、植物性ワックス、動物性ワックス、鉱物ワックス、脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、又は脂肪酸エステルの一部又は全部が脱酸化したワックスであることが好ましい。脂肪族炭化水素ワックスは、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、又はフィッシャートロプシュワックスであることが好ましい。脂肪族炭化水素ワックスには、これらの酸化物も含まれる。植物性ワックスは、例えば、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、又はライスワックスであることが好ましい。動物性ワックスは、例えば、みつろう、ラノリン、又は鯨ろうであることが好ましい。鉱物ワックスは、例えば、オゾケライト、セレシン、又はペトロラタムであることが好ましい。脂肪酸エステルを主成分とするワックス類は、例えば、モンタン酸エステルワックス、又はカスターワックスであることが好ましい。1種類のワックスを単独で使用してもよいし、複数種のワックスを併用してもよい。
結着樹脂と離型剤との相溶性を改善するために、相溶化剤をトナーコアに添加してもよい。
(電荷制御剤)
電荷制御剤は、例えば、正帯電性トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。正帯電性トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルに正帯電性トナーを帯電可能か否かの指標になる。トナーコアに正帯電性の電荷制御剤を含有させることで、トナーコアのカチオン性を強めることができる。トナーコアに負帯電性の電荷制御剤を含有させることで、トナーコアのアニオン性を強めることができる。
(着色剤)
着色剤としては、正帯電性トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。正帯電性トナーを用いて高画質の画像を形成するためには、着色剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナーコアは、黒色着色剤を含有していてもよい。黒色着色剤の例としては、カーボンブラックが挙げられる。また、黒色着色剤は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色された着色剤であってもよい。
トナーコアは、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、又はシアン着色剤のようなカラー着色剤を含有していてもよい。
イエロー着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、及びアリールアミド化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。イエロー着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、又は194)、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、又はC.I.バットイエローを使用できる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及びペリレン化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。マゼンタ着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、又は254)を使用できる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、アントラキノン化合物、及び塩基染料レーキ化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。シアン着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、又は66)、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、又はC.I.アシッドブルーを使用できる。
<シェル層>
シェル層は、熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。シェル層が含有する熱可塑性樹脂としては、例えば、前述の(結着樹脂)に記載の熱可塑性樹脂を使用できる。
<樹脂粒子>
樹脂粒子を構成する樹脂は、架橋アクリル酸系樹脂と架橋スチレン−アクリル酸系樹脂とのうちの少なくとも1つであることが好ましい。架橋アクリル酸系樹脂と架橋スチレン−アクリル酸系樹脂とは、各々、帯電性に優れる。また、架橋アクリル酸系樹脂と架橋スチレン−アクリル酸系樹脂とは、各々、メラミン樹脂に比べ、微粒子を作製し易い。より好ましくは、樹脂粒子を構成する樹脂は、架橋スチレン−アクリル酸系樹脂である。
架橋アクリル酸系樹脂は、1種以上のアクリル酸系モノマーと1種以上の架橋剤との共重合体である。1種以上の架橋剤が純度80%以上のジビニルベンゼンを含んでいれば、樹脂粒子のブロッキング率が15質量%以上40質量%以下になり易い。架橋アクリル酸系樹脂を合成するために使用されるアクリル酸系モノマーとしては、以下に示すアクリル酸系モノマーを好適に使用できる。
架橋スチレン−アクリル酸系樹脂は、1種以上のスチレン系モノマーと1種以上のアクリル酸系モノマーと1種以上の架橋剤との共重合体である。1種以上の架橋剤が純度80%以上のジビニルベンゼンを含んでいれば、樹脂粒子のブロッキング率が15質量%以上40質量%以下になり易い。架橋スチレン−アクリル酸系樹脂を合成するために使用されるスチレン系モノマーとしては、以下に示すスチレン系モノマーを好適に使用できる。架橋スチレン−アクリル酸系樹脂を合成するために使用されるアクリル酸系モノマーとしては、以下に示すアクリル酸系モノマーを好適に使用できる。
スチレン系モノマーの好適な例としては、スチレン、アルキルスチレン、ヒドロキシスチレン、又はハロゲン化スチレンが挙げられる。アルキルスチレンは、例えば、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、又は4−tert−ブチルスチレンであることが好ましい。ヒドロキシスチレンは、例えば、p−ヒドロキシスチレン、又はm−ヒドロキシスチレンであることが好ましい。ハロゲン化スチレンは、例えば、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、又はp−クロロスチレンであることが好ましい。
アクリル酸系モノマーの好適な例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの好適な例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸iso−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、又は(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが挙げられる。(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルの好適な例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、又は(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルが挙げられる。
<キャリア>
キャリア粒子は、キャリアコアで構成されてもよいし、キャリアコアとコート層とを有してもよい。
キャリアコアは、磁性材料を含有することが好ましく、より好ましくは磁性材料で構成されている。キャリアコアに含有される磁性材料は、好ましくはフェライト又はマグネタイトであり、より好ましくはフェライトである。フェライトは、例えば、マグネタイト(スピネルフェライト)、バリウムフェライト、Mnフェライト、Mn−Znフェライト、Ni−Znフェライト、Mn−Mgフェライト、Ca−Mgフェライト、Liフェライト、Cu−Znフェライト、又はMn−Mg−Srフェライトであることが好ましい。
コート層は、キャリアコアの表面を被覆する。コート層は、樹脂を含有することが好ましく、より好ましくは樹脂で構成されている。コート層に含有される樹脂は、例えば、シリコーン系樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル酸系樹脂、ポリエステル樹脂及びフッ素樹脂からなる群より選択される1種であることが好ましい。
本発明に係る画像形成装置は、例えば複写機、プリンター、又は複合機として用いることができる。
10,60 画像形成装置
11,61 現像装置
13 像担持体
13s 像担持体の表面
29 機内温度検知部
55 印刷ジョブ制御部
121,621 現像ローラー
121s,621s 現像ローラーの表面
127,627 マグネットロール
127C 現像主極
141 加熱器
151 第1温度検知部
161 第2温度検知部
551 加熱制御部
553 第1判定部
555 第2判定部
557 トナー供給許可部
559 第3判定部
611 磁気ローラー
611s 磁気ローラーの表面
627B 現像主極
M 記録媒体
P1 第1位置
P2 第2位置

Claims (8)

  1. 印刷ジョブの要求に基づいて前記印刷ジョブを実行する画像形成装置であって、
    前記印刷ジョブは、現像剤を用いて記録媒体に画像を形成することであり、
    前記画像形成装置は、前記現像剤を含み、
    前記現像剤は、トナーと、前記トナーを摩擦により正に帯電させるキャリアとを、含み、
    前記トナーは、複数のトナー粒子を含み、
    前記トナー粒子は、各々、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着する外添剤とを、含み、
    前記外添剤は、複数の樹脂粒子を含み、
    前記トナー母粒子と、前記樹脂粒子とは、各々、前記キャリアよりも強い正帯電性を有し、
    前記画像形成装置は、
    静電潜像を表面に保持する像担持体と、
    前記静電潜像を現像する現像装置と、
    前記画像形成装置内の温度を検知する機内温度検知部と、
    前記印刷ジョブの実行を制御する印刷ジョブ制御部と、
    を、さらに備え、
    前記現像装置は、
    前記現像剤を収容する収容部と、
    前記像担持体と対向し、前記現像剤又は前記トナーを表面に担持する現像ローラーと、
    前記現像装置内の第1位置でのトナー温度を上昇させる加熱器と、
    前記第1位置でのトナー温度を検知する第1温度検知部と、
    前記現像装置内の第2位置での現像剤温度を検知する第2温度検知部と、
    を有し、
    前記第1位置は、前記現像ローラーの表面のうち、前記像担持体に対向する部位であり、
    前記第2位置は、前記収容部内の部位であり、
    前記印刷ジョブ制御部は、
    前記加熱器の電源の入切を制御する加熱制御部と、
    前記第1温度検知部で検知されたトナー温度に基づいて、前記加熱制御部が前記加熱器の電源をONにした後における前記第1位置でのトナー温度が第1温度超であるか否かを判定する第1判定部と、
    前記第1温度検知部で検知されたトナー温度と前記第2温度検知部で検知された現像剤温度とに基づいて、前記加熱制御部が前記加熱器の電源をONにした後における前記第1位置でのトナー温度と前記加熱制御部が前記加熱器の電源をONにした後における前記第2位置での現像剤温度との温度差が第2温度以上であるか否かを判定する第2判定部と、
    前記第1温度検知部で検知されたトナー温度が前記第1温度超であると前記第1判定部が判定した場合に、又は前記温度差が前記第2温度以上であると前記第2判定部が判定した場合に、前記現像ローラーから前記像担持体への前記トナーの供給を許可するトナー供給許可部と、
    前記機内温度検知部で検知された温度に基づいて、前記印刷ジョブの要求時における前記画像形成装置内の温度が第3温度以下であるか否かを判定する第3判定部と、
    を有し、
    前記加熱制御部は、
    前記機内温度検知部で検知された温度が前記第3温度以下であると前記第3判定部が判定した場合に、前記加熱器の電源をONにし、
    前記第1温度検知部で検知されたトナー温度が前記第1温度超であると前記第1判定部が判定した場合に、又は前記温度差が前記第2温度以上であると前記第2判定部が判定した場合に、前記加熱器の電源をONからOFFへ切り換え、
    前記印刷ジョブの要求時は、前記画像形成装置の電源をONにした時と前記画像形成装置が省電力モードから復帰した時とのうちの少なくとも1つであり、
    前記第1温度は、20℃以上27℃以下の温度範囲から選ばれる温度であり、
    前記第2温度は、3℃以上7℃以下の温度範囲から選ばれる温度であり、
    前記第3温度は、5℃以上15℃以下の温度範囲から選ばれる温度である、画像形成装置。
  2. 前記第1温度検知部は、前記第1位置に存在するトナーのうち前記現像ローラーの径方向外側端部に存在するトナーの温度を検知する、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記現像ローラーは、マグネットロールを有し、
    前記マグネットロールは、前記像担持体と対向する現像主極を有し、
    前記加熱器は、前記現像ローラーの周囲に設けられ、
    前記現像主極を前記現像ローラーの回転方向の基点としたとき、前記加熱器は、前記現像ローラーの回転方向において前記現像主極よりも上流側に設けられている、請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記第1温度検知部は、前記現像ローラーの回転方向において前記現像主極よりも下流側に設けられている、請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記第1温度は、25℃であり、
    前記第2温度は、4℃であり、
    前記第3温度は、10℃である、請求項1〜4の何れか一項に記載の画像形成装置。
  6. 温度160℃且つ圧力0.1kgf/mm2での5分間加圧後における前記樹脂粒子のブロッキング率が、目開き75μmのメッシュによる測定で15質量%以上40質量%以下であり、
    前記樹脂粒子の個数平均一次粒子径が、50nm以上150nm以下である、請求項1〜5の何れか一項に記載の画像形成装置。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の画像形成装置を用いて前記印刷ジョブを実行する画像形成方法であって、
    前記印刷ジョブの要求時における前記画像形成装置内の温度が前記第3温度以下であると判定された場合に、前記加熱器の電源をONにすることと、
    前記加熱器の電源をONにした後における前記第1位置でのトナー温度が前記第1温度超であるか否かを判定することと、
    前記温度差が前記第2温度以上であるか否かを判定することと、
    前記加熱器の電源をONにした後における前記第1位置でのトナー温度が前記第1温度超であると判定された場合に、又は前記温度差が前記第2温度以上であると判定された場合に、前記加熱器の電源をONからOFFへ切り換えるとともに、前記現像ローラーから前記像担持体への前記トナーの供給を許可することと、
    を含む、画像形成方法。
  8. 請求項1〜6の何れか一項に記載の画像形成装置を構成するコンピューターに、
    前記印刷ジョブの要求時における前記画像形成装置内の温度が前記第3温度以下であると判定された場合に、前記加熱器の電源をONにすることと、
    前記加熱器の電源をONにした後における前記第1位置でのトナー温度が前記第1温度超であるか否かを判定することと、
    前記温度差が前記第2温度以上であるか否かを判定することと、
    前記加熱器の電源をONにした後における前記第1位置でのトナー温度が前記第1温度超であると判定された場合に、又は前記温度差が前記第2温度以上であると判定された場合に、前記加熱器の電源をONからOFFへ切り換えるとともに、前記現像ローラーから前記像担持体への前記トナーの供給を許可することと、
    を実行させる、コンピュータープログラム。
JP2017095328A 2017-05-12 2017-05-12 画像形成装置、画像形成方法及びコンピュータープログラム Expired - Fee Related JP6683172B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017095328A JP6683172B2 (ja) 2017-05-12 2017-05-12 画像形成装置、画像形成方法及びコンピュータープログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017095328A JP6683172B2 (ja) 2017-05-12 2017-05-12 画像形成装置、画像形成方法及びコンピュータープログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018194574A JP2018194574A (ja) 2018-12-06
JP6683172B2 true JP6683172B2 (ja) 2020-04-15

Family

ID=64570600

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017095328A Expired - Fee Related JP6683172B2 (ja) 2017-05-12 2017-05-12 画像形成装置、画像形成方法及びコンピュータープログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6683172B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018194574A (ja) 2018-12-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20080279591A1 (en) One-component toner and image forming method
JP2009223275A (ja) トナー、トナーの製造方法、現像剤、現像装置および画像形成装置
JP3930873B2 (ja) 二成分現像剤およびそれを用いる二成分現像装置
US9829817B2 (en) Developer, image forming apparatus, and image forming method
JP2017219789A (ja) 静電潜像現像用キャリア及びその製造方法、2成分現像剤、並びに画像形成装置
JP2019040024A (ja) トナー及びその製造方法
JP5991138B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、並びに、画像形成方法
JP2008122884A (ja) 静電荷現像用トナー及びその製造方法、静電荷現像用現像剤、及び画像形成装置
JP6794967B2 (ja) 正帯電性トナー及び2成分現像剤
JP6683172B2 (ja) 画像形成装置、画像形成方法及びコンピュータープログラム
JP6904191B2 (ja) 正帯電性トナー及びその製造方法
JP2013190691A (ja) 静電荷現像用トナー、補給用二成分現像剤、それを用いた画像形成方法および画像形成装置
JP6369447B2 (ja) 画像形成装置
JP6536468B2 (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
US10921724B2 (en) Image forming apparatus and toner with temperature-viscosity relationship
JP6458773B2 (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP6525113B2 (ja) 2成分現像剤
JP6673284B2 (ja) 画像形成装置、及び画像形成方法
JP2018180243A (ja) 画像形成装置、画像形成方法及びコンピュータープログラム
JP2018194678A (ja) 画像形成装置、画像形成方法及びコンピュータープログラム
CN110412839B (zh) 带正电性调色剂、图像形成装置和图像形成方法
JP6822438B2 (ja) 現像剤セット、画像形成装置、及び画像形成方法
JP6528716B2 (ja) 画像形成装置、及び画像形成方法
JP2017181652A (ja) 現像剤セット、画像形成装置、及び画像形成方法
JP6436061B2 (ja) 現像剤セット、画像形成装置、及び画像形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190425

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200219

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200309

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6683172

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees