JP2024034101A - 現像剤セット及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温低湿環境下においても所望の画像濃度を有する画像を形成できると共に、高温高湿環境下においてもかぶりの少ない画像を形成できる現像剤を提供する。【解決手段】現像剤セットは、第1現像剤と、第2現像剤とを備える。前記第1現像剤は、第1トナー粒子を含む第1トナーと、第1キャリア粒子を含む第1キャリアとを含む。前記第2現像剤は、第2トナー粒子を含む第2トナーと、第2キャリア粒子を含む第2キャリアとを含む。前記第1トナー粒子及び前記第2トナー粒子は、それぞれ、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着する外添剤粒子とを有する。前記外添剤粒子は、スペーサー粒子を含む。前記スペーサー粒子の個数平均一次粒子径は、32nm以上145nm以下である。前記第1キャリア粒子は、第1キャリア母粒子と、前記第1キャリア母粒子の表面に付着するチタン酸ストロンチウム粒子とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、現像剤セット及び画像形成装置に関する。
トナーを用いて画像を形成する画像形成装置には、形成される画像の画像濃度が低下し易い低温低湿環境下(例えば、温度10℃且つ相対湿度15%RH)においても所望の画像濃度を有する画像を形成できることが求められる。また、画像形成装置には、形成される画像にかぶりが発生し易い高温高湿環境下(例えば、温度32.5℃且つ湿度80%RH)においてもかぶりの少ない画像を形成できることが求められる。用紙の非画像部へのトナーの付着を抑制するために、例えば、特許文献1に記載の電子写真用現像剤は、トナーとキャリアとを含む。このキャリアは、キャリア芯材が樹脂層により被覆されて形成される。トナーと混合する前の工程において、このキャリアには、トナーに使用される添加剤の少なくとも1種が、予め添加混合されている。
特開2005-91878号公報
しかし、特許文献1に記載の電子写真用現像剤は、低温低湿環境下において所望の画像濃度を有する画像を形成するという点、及び高温高湿環境下において形かぶりの少なく画像を形成するという点が不十分である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、低温低湿環境下においても所望の画像濃度を有する画像を形成できると共に、高温高湿環境下においてもかぶりの少ない画像を形成できる現像剤セット及び画像形成装置を提供することである。
本発明に係る現像剤セットは、第1現像剤と、第2現像剤とを備える。前記第1現像剤は、第1トナー粒子を含む第1トナーと、第1キャリア粒子を含む第1キャリアとを含む。前記第2現像剤は、第2トナー粒子を含む第2トナーと、第2キャリア粒子を含む第2キャリアとを含む。前記第1トナー粒子及び前記第2トナー粒子は、それぞれ、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着する外添剤粒子とを有する。前記外添剤粒子は、スペーサー粒子を含む。前記スペーサー粒子の個数平均一次粒子径は、32nm以上145nm以下である。前記第1キャリア粒子は、第1キャリア母粒子と、前記第1キャリア母粒子の表面に付着するチタン酸ストロンチウム粒子とを有する。前記スペーサー粒子の個数平均一次粒子径は、前記チタン酸ストロンチウム粒子の個数平均一次粒子径よりも大きい。前記第2キャリア粒子は、第2キャリア母粒子を有する。前記第2キャリア粒子は、前記第2キャリア母粒子の表面に、前記チタン酸ストロンチウム粒子を実質的に有しない。前記第1キャリア母粒子及び前記第2キャリア母粒子は、それぞれ、キャリアコアと、前記キャリアコアの表面を被覆するコート層とを有する。前記コート層は、コート樹脂とチタン酸バリウム粒子とを含有する。前記コート樹脂は、シリコーン樹脂を含む。前記チタン酸バリウム粒子の個数平均一次粒子径は、100nm以上500nm以下である。
本発明に係る画像形成装置は、上述の現像剤セットと、前記現像剤セットにより静電潜像を現像する現像装置とを備える。前記第1現像剤は、初期現像剤である。前記第2現像剤は、補給用現像剤である。前記現像装置は、前記初期現像剤を収容する収容部と、前記補給用現像剤を前記収容部に補給する補給部とを有する。
本発明に係る現像剤セット及び画像形成装置によれば、低温低湿環境下においても所望の画像濃度を有する画像を形成できると共に、高温高湿環境下においてもかぶりの少ない画像を形成できる。
本発明の第1実施形態に係る現像剤セットが含む第1トナー粒子、第1キャリア粒子、第2トナー粒子及び第2キャリア粒子の一例を示す断面図である。 第1トナー粒子及び第1キャリア粒子が近接している状態の一例を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の一例を示す図である。 図3に示す画像形成装置の現像装置及びその周辺部の一例を示す図である。
まず、本明細書で用いる用語の意味、及び測定方法について、説明する。トナーは、トナー粒子の集合体(例えば粉体)である。外添剤は、外添剤粒子の集合体(例えば粉体)である。キャリアは、キャリア粒子の集合体(例えば粉体)である。粉体(より具体的には、トナー粒子の粉体、外添剤粒子の粉体、キャリア粒子の粉体等)に関する形状、物性等を示す値は、何ら規定していなければ、粉体から粒子を相当数選び取って、それら粒子の各々について測定した値の個数平均である。材料の「主成分」は、何ら規定していなければ、質量基準で、その材料に最も多く含まれる成分を意味する。化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰り返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。本明細書に記載の各成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
飽和磁化は、何ら規定していなければ、高感度振動試料型磁力計(東英工業株式会社製「VSM-P7」)を用いて、外部磁場3000(単位:Oe)の条件で測定された値である。粉体の体積中位径(D50)は、何ら規定していなければ、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製「LA-950」)を用いて測定されたメディアン径である。個数平均一次粒子径は、何ら規定していなければ、走査型電子顕微鏡を用いて測定した一次粒子の円相当径(ヘイウッド径:一次粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。個数平均一次粒子径は、例えば100個の一次粒子の円相当径の個数平均値である。軟化点(Tm)は、何ら規定していなければ、高化式フローテスター(株式会社島津製作所製「CFT-500D」)を用いて測定した値である。高化式フローテスターで測定されたS字カーブ(横軸:温度、縦軸:ストローク)において、「(ベースラインストローク値+最大ストローク値)/2」となる温度が、軟化点に相当する。融点(Mp)は、何ら規定していなければ、示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC-6220」)を用いて測定される吸熱曲線(縦軸:熱流(DSC信号)、横軸:温度)中の最大吸熱ピークの温度である。この吸熱ピークは、結晶化部位の融解に起因して現れる。ガラス転移点(Tg)は、何ら規定していなければ、示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC-6220」)を用いて「JIS(日本産業規格)K7121-2012」に従って測定した値である。示差走査熱量計で測定された吸熱曲線(縦軸:熱流(DSC信号)、横軸:温度)において、ガラス転移に起因する変曲点の温度(詳しくは、ベースラインの外挿線と立ち下がりラインの外挿線との交点の温度)が、ガラス転移点に相当する。酸価及び水酸基価は、各々、何ら規定していなければ、「JIS(日本産業規格)K0070-1992」に従い測定した値である。質量平均分子量(Mw)は、何ら規定していなければ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した値である。帯電量(単位:μC/g)は、何ら規定していなければ、温度25℃且つ相対湿度50%RHの環境下で、吸引式小型帯電量測定装置(トレック社製「MODEL 212HS」)を用いて測定した値である。以上、本明細書で用いる用語の意味、及び測定方法について、説明した。
[第1実施形態:現像剤セット]
以下、本発明の第1実施形態に係る現像剤セットについて説明する。以下、「第1実施形態に係る現像剤セット」を、「本発明の現像剤セット」と記載することがある。本発明の現像剤セットは、二成分現像剤を備える現像剤セットである。
本発明の現像剤セットは、第1現像剤と、第2現像剤とを備える。第1現像剤は、第1トナー粒子を含む第1トナーと、第1キャリア粒子を含む第1キャリアとを含む。第2現像剤は、第2トナー粒子を含む第2トナーと、第2キャリア粒子を含む第2キャリアとを含む。第1トナー粒子及び第2トナー粒子は、それぞれ、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着する外添剤粒子とを有する。外添剤粒子は、スペーサー粒子を含む。スペーサー粒子の個数平均一次粒子径は、32nm以上145nm以下である。第1キャリア粒子は、第1キャリア母粒子と、第1キャリア母粒子の表面に付着するチタン酸ストロンチウム粒子とを有する。スペーサー粒子の個数平均一次粒子径は、チタン酸ストロンチウム粒子の個数平均一次粒子径よりも大きい。第2キャリア粒子は、第2キャリア母粒子を有する。第2キャリア粒子は、第2キャリア母粒子の表面に、チタン酸ストロンチウム粒子を実質的に有しない。第1キャリア母粒子及び第2キャリア母粒子は、それぞれ、キャリアコアと、キャリアコアの表面を被覆するコート層とを有する。コート層は、コート樹脂とチタン酸バリウム粒子とを含有する。コート樹脂は、シリコーン樹脂を含む。チタン酸バリウム粒子の個数平均一次粒子径は、100nm以上500nm以下である。
本発明の現像剤セットは、第2実施形態で後述するいわゆるトリクル現像方式の画像形成装置に好適である。トリクル現像方式の画像形成装置は、現像装置内の初期現像剤による静電潜像の現像を開始した後、現像装置内の現像剤の排出と現像装置内への補給用現像剤の補給とを行いつつ、現像装置内の現像剤で静電潜像を現像する。画像形成中において、現像装置内へトナーと一緒にキャリアも補給し、補給により過剰になった分だけ現像装置内のキャリアを排出することで、現像装置内のキャリアが劣化することを抑制できる。また、キャリアの劣化が抑制されることで、現像装置内のキャリアの交換回数を低減することができる。
本発明の現像剤セットにおいて、第1現像剤は、初期現像剤として好適である。また、第2現像剤は、補給用現像剤として好適である。
上記構成(以下、構成Xと記載することがある)を有することで、本発明の現像剤セットは、低温低湿環境下においても所望の画像濃度を有する画像を形成できると共に、高温高湿環境下においてもかぶりの少ない画像を形成できる。その理由は、以下のように推測される。
本発明の現像剤セットにおいて、第1キャリア粒子及び第2キャリア粒子が有する第1キャリア母粒子及び第2キャリア母粒子のコート層は、チタン酸バリウム粒子を含有する。強誘電体であるチタン酸バリウム粒子がコート層に含有されることで、第1キャリア粒子及び第2キャリア粒子の静電容量が大きくなる。静電容量が大きい第1キャリア粒子及び第2キャリア粒子は、所望の帯電量(第1トナー粒子及び第2トナー粒子とは逆極性の帯電量)に摩擦帯電され得る。これにより、第1キャリア粒子及び第2キャリア粒子の帯電付与能力が高くなり、第1トナー粒子及び第2トナー粒子の電荷受け入れ量に見合った量の電荷が、第1キャリア粒子及び第2キャリア粒子からそれぞれ第1トナー粒子及び第2トナー粒子に安定的に供給される。その結果、本発明の現像剤セットは、第1トナー及び第2トナーの帯電量の変動を小さくし、第1トナー及び第2トナーの帯電安定性を向上できる。
チタン酸バリウム粒子は、サイズが過度に小さくなると比誘電率が低下する。一方、チタン酸バリウム粒子は、サイズが過度に大きくなるとコート層から脱離し易くなる。そのため、本発明の現像剤セットにおいて、チタン酸バリウム粒子の個数平均一次粒子径は、100nm以上500nm以下である。なお、コート層は、硬度の高いチタン酸バリウム粒子を含有することで強度が高くなる。これにより、第1キャリア粒子及び第2キャリア粒子のコート層の摩耗が抑制され、第1キャリア粒子及び第2キャリア粒子が長寿命化する。
また、公知の現像剤セットは、使用開始直後にトナー粒子が過度に帯電する現象が発生する場合がある。この現象が発生すると、画像濃度が低下するおそれがある。この現象は、低温低湿環境下において発生し易い。これに対して、第1現像剤が含む第1キャリア粒子は、第1キャリア母粒子の表面に、チタン酸ストロンチウム粒子を有している。チタン酸ストロンチウム粒子は、第1現像剤に含まれる第1トナー粒子、及び補給された第2現像剤に含まれる第2トナー粒子から過剰な電荷を抜き、第1トナー粒子及び第2トナー粒子の帯電量を適度に調整する役割を果たす。このように、第1キャリア粒子がチタン酸ストロンチウム粒子を有することで、第1トナー粒子及び第2トナー粒子の過度な帯電を抑制できる。これらの結果、本発明の現像剤セットは、第1トナー及び第2トナーの帯電安定性を更に向上でき、低温低湿環境下においても所望の画像濃度を有する画像を形成できる。
一方、チタン酸ストロンチウム粒子は、吸湿性が高い成分である。そのため、公知の現像剤セットでは、キャリア粒子にチタン酸ストロンチウム粒子を添加すると、トナー粒子から電荷を抜き過ぎてしまう現象が発生する場合がある。この現象が発生すると、高温高湿環境下においてかぶりが発生するおそれがある。これに対して、本発明の現像剤セットは、第1キャリア粒子のみがチタン酸ストロンチウム粒子を有し、第2キャリア粒子はチタン酸ストロンチウム粒子を実質的に有しない。これにより、本発明の現像剤セットで長時間の連続印刷を行うと、現像装置内の第1キャリア粒子が徐々に第2キャリア粒子によって置換され、最終的には現像装置内のキャリア粒子の大部分が第2キャリア粒子となる。第2キャリア粒子は、チタン酸ストロンチウム粒子を実質的に有しないため、第1トナー粒子及び第2トナー粒子から電荷を抜きすぎることがない。その結果、本発明の現像剤セットは、第1トナー及び第2トナーの帯電安定性を更に向上でき、高温高湿環境下においてもかぶりの少ない画像を形成できる。
ここで、チタン酸ストロンチウム粒子は、硬度が高く、比重も大きいため、コート層に埋没し易い。チタン酸ストロンチウム粒子がコート層に埋没すると、上述の第1トナー及び第2トナーの帯電安定性を向上させる効果が低下する。これに対して、本発明の現像剤セットは、第1トナー粒子及び第2トナー粒子がトナー母粒子の表面にスペーサー粒子を有する。スペーサー粒子は、第1トナー粒子又は第2トナー粒子と、第1キャリア粒子との接触面積を低下させることにより、チタン酸ストロンチウム粒子がコート層に埋没することを抑制する。なお、スペーサー粒子は、本発明の現像剤セットの使用開始直後に、第1トナー粒子及び第1キャリア粒子が密着状態になって第1トナー粒子が過剰に帯電することを防ぐ役割もある。また、スペーサー粒子は、第1トナー粒子及び第2トナー粒子が有するその他のトナー外添剤粒子(例えば、シリカ粒子)がトナー母粒子に埋没することも抑制する。
スペーサー粒子がその機能を果たすためには、ある程度サイズが大きい必要がある。一方、スペーサー粒子が過度に大きい場合、又はスペーサー粒子の量が過剰である場合、スペーサー粒子がチタン酸ストロンチウム粒子と第1トナー粒子又は第2トナー粒子との接触を阻害する。その結果、チタン酸ストロンチウム粒子は、第1トナー粒子及び第2トナー粒子から電荷を抜くことが困難となる。これに対して、本発明の現像剤セットは、スペーサー粒子の個数平均一次粒子径が32nm以上145nm以下であると共に、スペーサー粒子がチタン酸ストロンチウム粒子よりも大径である。このように、本発明の現像剤セットは、スペーサー粒子のサイズが適切であることにより、長期に渡り、チタン酸ストロンチウム粒子のコート層への埋没を抑制できる。その結果、本発明の現像剤セットは、第1トナー及び第2トナーの帯電安定性を更に向上させることができる。
以上、本発明の現像剤セットが、低温低湿環境下においても所望の画像濃度を有する画像を形成できると共に、高温高湿環境下においてもかぶりの少ない画像を形成できる理由について、説明した。なお、第1トナー粒子及び第2トナー粒子の帯電性を高める観点から、スペーサー粒子は、第1トナー粒子及び第2トナー粒子と同極性の帯電性を有することが好ましい。しかし、公知の現像剤において、スペーサー粒子がトナー粒子と同極性に強く帯電すると、静電反発によってスペーサー粒子がトナー母粒子から脱離してキャリア母粒子に付着し易くなる。これに対して、本発明の現像剤セットは、チタン酸ストロンチウム粒子がスペーサー粒子からも過度な電荷を抜く役割を果たす。その結果、本発明の現像剤セットは、スペーサー粒子がトナー母粒子から脱離することを抑制し、スペーサー粒子の役割を確実に発揮させることができる。
以下、図1を参照して、第1現像剤が含む第1トナー粒子及び第1キャリア粒子、並びに第2現像剤が含む第2トナー粒子及び第2キャリア粒子の構造の一例について説明する。図1は、本発明の現像剤セットが含む第1トナー粒子10、第1キャリア粒子20、第2トナー粒子60及び第2キャリア粒子70の一例を示す断面図である。
図1に示す第1トナー粒子10は、トナー母粒子11と、外添剤粒子12とを有する。トナー母粒子11は、非カプセルトナー母粒子である。外添剤粒子12は、トナー母粒子11の表面に付着する(備えられる)。外添剤粒子12は、シリカ粒子14及びスペーサー粒子15を含む。外添剤粒子12は、必要に応じて、シリカ粒子14及びスペーサー粒子15以外の粒子(以下、その他のトナー外添剤粒子と記載することがある)を更に含んでいてもよい。
図1に示す第1キャリア粒子20は、第1キャリア母粒子26と、チタン酸ストロンチウム粒子27とを有する。チタン酸ストロンチウム粒子27は、第1キャリア母粒子26の表面に付着する(備えられる)。第1キャリア母粒子26は、キャリアコア21と、コート層25とを有する。コート層25は、キャリアコア21の表面を被覆する。例えば、コート層25は、キャリアコア21の表面全域を被覆している。コート層25は、コート樹脂領域22を構成するコート樹脂と、チタン酸バリウム粒子23とを含有する。コート層25は、必要に応じて、カーボンブラック粒子24を更に含有してもよい。
図1に示す第2トナー粒子60は、トナー母粒子61と、外添剤粒子62とを有する。トナー母粒子61は、非カプセルトナー母粒子である。外添剤粒子62は、トナー母粒子61の表面に付着する(備えられる)。外添剤粒子62は、シリカ粒子64及びスペーサー粒子65を含む。外添剤粒子62は、必要に応じて、その他のトナー外添剤粒子を更に含んでいてもよい。第2トナー粒子60は、第1トナー粒子10と基本的に同一である。
図1に示す第2キャリア粒子70は、第2キャリア母粒子76を有する。第2キャリア母粒子76は、キャリアコア71と、コート層75とを有する。コート層75は、キャリアコア71の表面を被覆する。例えば、コート層75は、キャリアコア71の表面全域を被覆している。コート層75は、コート樹脂領域72を構成するコート樹脂と、チタン酸バリウム粒子73とを含有する。コート層75は、必要に応じて、カーボンブラック粒子74を更に含有してもよい。第2キャリア粒子70の第2キャリア母粒子76は、第1キャリア粒子の第1キャリア母粒子26と基本的に同一である。一方、第2キャリア粒子70は、チタン酸ストロンチウム粒子を実質的に有しないという点で、第1キャリア粒子20と相違する。第1トナー粒子10のスペーサー粒子15は、チタン酸ストロンチウム粒子27よりも大きい。第2トナー粒子60のスペーサー粒子65は、チタン酸ストロンチウム粒子27よりも大きい。
以上、図1を参照して、本発明の現像剤セットが含む第1トナー粒子、第1キャリア粒子、第2トナー粒子及び第2キャリア粒子の構造の一例について説明した。但し、本発明の現像剤セットが含む第1トナー粒子、第1キャリア粒子、第2トナー粒子及び第2キャリア粒子の構造は、特に限定されず、図1に示す第1トナー粒子10、第1キャリア粒子20、第2トナー粒子60及び第2キャリア粒子70とは異なる構造であってもよい。例えば、外添剤粒子は、シリカ粒子を含まなくてもよい。また、外添剤粒子は、その他のトナー外添剤粒子として、酸化アルミニウム粒子を含んでもよい。トナー母粒子は、トナーコアと、トナーコアを被覆するシェル層とを含むカプセルトナー母粒子であってもよい。また、第1キャリア粒子及び第2キャリア粒子のコート層は、キャリアコアの少なくとも一部を被覆していればよい。即ち、キャリアコアの一部は、露出していてもよい。また、第1キャリア粒子及び第2キャリア粒子のコート層は、カーボンブラック粒子を含有していなくてもよい。更に、第1トナー粒子及び第2トナー粒子は、サイズや成分が異なっていてもよい。同様に、第1キャリア粒子の第1キャリア母粒子と第2キャリア粒子の第2キャリア母粒子とは、サイズや成分が異なっていてもよい。次に、第1トナー、第2キャリア、第2トナー及び第2キャリアについて、更に詳細に説明する。
<第1トナー>
第1トナーは、第1トナー粒子を含む。既に述べたように、第1トナー粒子は、外添剤粒子と、トナー母粒子とを有する。
<<第1トナー粒子が有する外添剤粒子>>
第1トナー粒子が有する外添剤粒子は、スペーサー粒子と、必要に応じてその他のトナー外添剤粒子とを含む。外添剤粒子は、その他のトナー外添剤粒子として、シリカ粒子(詳しくは、スペーサー粒子に該当しないシリカ粒子)を含むことが好ましい。
(シリカ粒子)
ここでは、スペーサー粒子に該当しないシリカ粒子(即ち、個数平均一次粒子径が32nm未満又は145nm超のシリカ粒子)を説明する。シリカ粒子は、第1トナー粒子の流動性及び帯電性を最適化させる任意成分である。シリカ粒子の個数平均一次粒子径は、10nm以上30nm以下であることが好ましく、15nm上25nm以下であることがより好ましい。シリカ粒子は、表面処理されていてもよい。例えば、表面処理剤により、シリカ粒子の表面に疎水性及び/又は正帯電性が付与されていてもよい。
第1トナー粒子におけるシリカ粒子の量は、100.0質量部のトナー母粒子に対して、0.1質量部以上10.0質量部以下であることが好ましく、0.4質量部以上3.0質量部以下であることがより好ましい。
(スペーサー粒子)
スペーサー粒子の個数平均一次粒子径は、既に述べたように、32nm以上145nm以下であり、32nm以上125nm以下であることが好ましく、45nm以上100nm以下であることがより好ましく、55nm以上70nm以下であることが更に好ましい。スペーサー粒子の個数平均一次粒子径は、チタン酸ストロンチウム粒子の個数平均一次粒子径よりも大きい。スペーサー粒子の個数平均一次粒子径とチタン酸ストロンチウム粒子の個数平均一次粒子径との差としては、5nm以上が好ましく、20nm以上がより好ましい。
第1トナー粒子におけるスペーサー粒子の量は、100.0質量部のトナー母粒子に対して、0.01質量部以上4.0質量部以下であることが好ましく、0.09質量部以上3.2質量部以下であることがより好ましく、0.3質量部以上1.2質量部以下であることが更に好ましい。
スペーサー粒子としては、特に限定されず、公知のトナーの外添剤粒子として一般的に用いられる粒子のうち、上述の個数平均一次粒子径を満たす粒子を用いることができる。スペーサー粒子としては、例えば、シリカ粒子(以下、スペーサー粒子として用いるシリカ粒子を「大粒径シリカ粒子」と記載することがある)、樹脂粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化マグネシウム粒子、酸化亜鉛粒子及びこれらを組み合わせた複合粒子が挙げられる。複合粒子としては、例えば、樹脂粒子と、樹脂粒子の表面に付着するシリカ粒子(以下、複合粒子に含まれるシリカ粒子を「小粒径シリカ粒子」と記載することがある)とを含む複合粒子が挙げられる。
スペーサー粒子としては、大粒径シリカ粒子、樹脂粒子、又は複合粒子が好ましい。但し、スペーサー粒子が大粒径シリカ粒子を含む場合、実用上は問題ないものの、形成される画像の定着性がやや低下する傾向がある。これは、大粒径シリカ粒子で被覆された第1トナー粒子は、記録媒体に定着する際の溶融性がやや低下するためである。そのため、スペーサー粒子としては、樹脂粒子、又は複合粒子がより好ましい。
スペーサー粒子が樹脂粒子を含む場合、樹脂粒子の個数平均一次粒子径は、32nm以上125nm以下であることが好ましく、45nm以上90nm以下であることがより好ましい。樹脂粒子は、架橋樹脂粒子及び非架橋樹脂粒子の何れであってもよい。架橋樹脂粒子としては、例えば、架橋性モノマーを含む原料モノマーの重合体を含む粒子が挙げられる。
記録媒体へ第1トナー粒子を良好に定着させるために、樹脂粒子は、熱可塑性樹脂粒子であることが好ましく、スチレンアクリル樹脂粒子であることがより好ましい。スチレンアクリル樹脂は、スチレン系モノマーの少なくとも1種と、アクリル酸系モノマーの少なくとも1種と、必要に応じて用いられる他のモノマーとの共重合体である。他のモノマーとしては、架橋性モノマー(例えば、ジビニルベンゼン)が好ましい。スチレンアクリル樹脂としては、スチレンと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体、又はスチレンと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとジビニルベンゼンとの共重合体が好ましく、スチレンと(メタ)アクリル酸ブチルとの共重合体、又はスチレンと(メタ)アクリル酸ブチルとジビニルベンゼンとの共重合体がより好ましい。
スチレンアクリル樹脂が有する全繰り返し単位に占める、スチレン由来の繰り返し単位の含有率は、1モル%以上30モル%以下であることが好ましく、5モル%以上25モル%以下であることがより好ましい。スチレンアクリル樹脂が有する全繰り返し単位に占める、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の繰り返し単位の含有率は、10モル%以上90モル%以下であることが好ましく、30モル%以上85モル%以下であることがより好ましい。スチレンアクリル樹脂が有する全繰り返し単位に占める、架橋性モノマー由来の繰り返し単位の含有率は、20モル%以上70モル%以下であることが好ましく、40モル%以上60モル%以下であることがより好ましい。
スペーサー粒子が大粒径シリカ粒子を含む場合、大粒径シリカ粒子の個数平均一次粒子径は、32nm以上145nm以下であることが好ましく、50nm以上90nm以下であることがより好ましい。
スペーサー粒子が複合粒子を含む場合、複合粒子の個数平均一次粒子径は、40nm以上130nm以下であることが好ましく、70nm以上100nm以下であることがより好ましい。複合粒子が含む樹脂粒子は、上述のスチレンアクリル樹脂粒子であることが好ましい。複合粒子が含む樹脂粒子の個数平均一次粒子径は、32nm以上110nm以下であることが好ましく、50nm以上90nm以下であることがより好ましい。複合粒子が含む小粒径シリカ粒子の個数平均一次粒子径は、10nm以上30nm以下であることが好ましく、15nm上25nm以下であることがより好ましい。なお、上述の複合粒子は、例えば、樹脂粒子の表面にシリコーンオイル等の接着成分を塗布した後、塗布後の樹脂粒子及び小粒径シリカ粒子を攪拌することにより得られる。
(その他のトナー外添剤粒子)
その他のトナー外添剤粒子としては、例えば、樹脂粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化マグネシウム粒子、及び酸化亜鉛粒子が挙げられる(但し、スペーサー粒子に該当するものを除く)。その他のトナー外添剤粒子は、酸化アルミニウム粒子であることが好ましい。酸化アルミニウム粒子は、感光体の表面を研磨する研磨剤として好適である。酸化アルミニウム粒子の個数平均一次粒子径は、200nm以上600nm以下であることが好ましく、300nm以上500nm以下であることがより好ましい。
その他のトナー外添剤粒子の量は、100.0質量部のトナー母粒子に対して、0.05質量部以上3.0質量部以下であることが好ましく、0.3質量部以上1.5質量部以下であることがより好ましい。
<<トナー母粒子>>
トナー母粒子は、例えば、結着樹脂を含有する。トナー母粒子は、着色剤、電荷制御剤、及び離型剤からなる群から選択される少なくとも1つを更に含有してもよい。以下、結着樹脂、着色剤、電荷制御剤、及び離型剤について、説明する。
(結着樹脂)
低温定着性に優れた第1トナーを得るために、トナー母粒子は、結着樹脂として熱可塑性樹脂を含有することが好ましく、結着樹脂全体の85質量%以上の割合で熱可塑性樹脂を含有することがより好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル酸系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂(より具体的には、アクリル酸エステル重合体、メタクリル酸エステル重合体等)、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、ビニル樹脂(より具体的には、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、N-ビニル樹脂等)、ポリアミド樹脂、及びウレタン樹脂が挙げられる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち上記樹脂中に任意の繰り返し単位が導入された共重合体(より具体的には、スチレンアクリル樹脂、スチレンブタジエン樹脂等)も、結着樹脂として使用できる。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂は、1種以上の多価アルコールモノマーと、1種以上の多価カルボン酸モノマーとの重合体である。なお、多価カルボン酸モノマーの代わりに、多価カルボン酸誘導体(より具体的には、多価カルボン酸の無水物、多価カルボン酸ハライド等)を使用してもよい。
多価アルコールモノマーの例としては、ジオールモノマー、ビスフェノールモノマー、及び3価以上のアルコールモノマーが挙げられる。
ジオールモノマーの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,4-ベンゼンジオール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
ビスフェノールモノマーの例としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、及びビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
3価以上のアルコールモノマーの例としては、ソルビトール、1,2,3,6-ヘキサンテトロール、1,4-ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、及び1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
多価カルボン酸モノマーの例としては、2価カルボン酸モノマー、及び3価以上のカルボン酸モノマーが挙げられる。
2価カルボン酸モノマーの例としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、5-スルホイソフタル酸、5-スルホイソフタル酸ナトリウム、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マロン酸、コハク酸、アルキルコハク酸、及びアルケニルコハク酸が挙げられる。アルキルコハク酸の例としては、n-ブチルコハク酸、イソブチルコハク酸、n-オクチルコハク酸、n-ドデシルコハク酸、及びイソドデシルコハク酸が挙げられる。アルケニルコハク酸の例としては、n-ブテニルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n-オクテニルコハク酸、n-ドデセニルコハク酸、及びイソドデセニルコハク酸が挙げられる。
3価以上のカルボン酸モノマーの例としては、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ブタントリカルボン酸、1,2,5-ヘキサントリカルボン酸、1,3-ジカルボキシル-2-メチル-2-メチレンカルボキシプロパン、1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8-オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、及びエンポール三量体酸が挙げられる。
ポリエステル樹脂は、ビスフェノールモノマーと、2価カルボン酸モノマーと、3価カルボン酸モノマーとの重合体であることが好ましい。ポリエステル樹脂は、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物と、炭素原子数3以上6以下のジカルボン酸と、アリールトリカルボン酸との重合体であることがより好ましい。ポリエステル樹脂は、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物と、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物と、フマル酸と、トリメリット酸との重合体であることが更に好ましい。
ポリエステル樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂であることが好ましい。非晶性ポリエステル樹脂については、明確な融点を測定できないことが多い。よって、示差走査熱量計を用いて測定される吸熱曲線において明確に吸熱ピークを判断できないポリエステル樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂と判断して差し支えない。
ポリエステル樹脂の軟化点は、50℃以上200℃以下であることが好ましく、80℃以上120℃以下であることがより好ましい。ポリエステル樹脂のガラス転移点は、40℃以上100℃以下であることが好ましく、40℃以上60℃以下であることがより好ましい。
ポリエステル樹脂の質量平均分子量は、10000以上50000以下であることが好ましく、20000以上40000以下であることがより好ましい。
ポリエステル樹脂の酸価は、1mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であることが好ましく、10mgKOH/g以上20mgKOH/g以下であることがより好ましい。ポリエステル樹脂の水酸基価は、1mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であることが好ましく、20mgKOH/g以上40mgKOH/g以下であることがより好ましい。
(着色剤)
着色剤としては、第1トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。着色剤としては、例えば、黒色着色剤、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤が挙げられる。
黒色着色剤の例としては、カーボンブラックが挙げられる。また、黒色着色剤は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色された着色剤であってもよい。
イエロー着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、及びアリールアミド化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。イエロー着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、及び194)、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、及びC.I.バットイエローが挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及びペリレン化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。マゼンタ着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、及び254)が挙げられる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、アントラキノン化合物、及び塩基染料レーキ化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。シアン着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、及び66)、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、及びC.I.アシッドブルーが挙げられる。
着色剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
(電荷制御剤)
電荷制御剤は、例えば、帯電安定性及び帯電立ち上がり特性に優れた第1トナーを得る目的で使用される。第1トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルに第1トナーを帯電可能か否かの指標になる。電荷制御剤としては、例えば、正電荷制御剤、及び負電荷制御剤が挙げられる。トナー母粒子に正電荷制御剤を含有させることで第1トナーのカチオン性(正帯電性)を強めることができ、トナー母粒子に負電荷制御剤を含有させることで第1トナーのアニオン性(負帯電性)を強めることができる。正電荷制御剤としては、例えば、ピリジン、ニグロシン、及び4級アンモニウム塩が挙げられる。負電荷制御剤としては、例えば、含金属アゾ染料、スルホ基含有樹脂、油溶性染料、ナフテン酸金属塩、アセチルアセトン金属錯体、サリチル酸系金属錯体、ホウ素化合物、脂肪酸石鹸、及び長鎖アルキルカルボン酸塩が挙げられる。但し、第1トナーにおいて十分な帯電性が確保される場合には、トナー母粒子に電荷制御剤を含有させる必要はない。電荷制御剤の量は、結着樹脂100.0質量部に対して、0.1質量部以上10.0質量部以下であることが好ましい。
(離型剤)
離型剤は、例えば、耐ホットオフセット性に優れた第1トナーを得る目的で使用される。離型剤としては、例えば、脂肪族炭化水素系ワックス、脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、植物由来ワックス、動物由来ワックス、鉱物由来ワックス、脂肪酸エステルを主成分とするエステルワックス、及び脂肪酸エステルの一部又は全部が脱酸化したワックスが挙げられる。脂肪族炭化水素系ワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス(例えば、低分子量ポリエチレン)、ポリプロピレンワックス(例えば、低分子量ポリプロピレン)、ポリオレフィン共重合体、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、及びフィッシャートロプシュワックスが挙げられる。脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物としては、例えば、酸化ポリエチレンワックス、及び酸化ポリエチレンワックスのブロック共重合体が挙げられる。植物由来ワックスとしては、例えば、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、及びライスワックスが挙げられる。動物由来ワックスとしては、例えば、みつろう、ラノリン、及び鯨ろうが挙げられる。鉱物由来ワックスとしては、例えば、オゾケライト、セレシン、及びペトロラタムが挙げられる。脂肪酸エステルを主成分とするエステルワックスとしては、例えば、モンタン酸エステルワックス、及びカスターワックスが挙げられる。脂肪酸エステルの一部又は全部が脱酸化したワックスとしては、例えば、脱酸カルナバワックスが挙げられる。離型剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
なお、第1トナー粒子は、必要に応じて、公知の添加剤を含有していてもよい。第1トナー粒子の体積中位径は、4μm以上12μm以下であることが好ましい。トナー母粒子の体積中位径は、4μm以上12μm以下であることが好ましく、5μm以上9μm以下であることがより好ましい。第1現像剤を初期現像剤として使用する場合、第1現像剤における第1トナーの含有率(トナー濃度)は、1質量%以上15質量%以下であることが好ましく、3質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。以上、第1トナーについて、説明した。
<第2トナー>
第2トナーは、第2トナー粒子を含む。既に述べたように、第2トナー粒子は、外添剤粒子と、トナー母粒子とを有する。第2トナー粒子の各成分の種類、サイズ(個数平均一次粒子径等)及び量は、第1トナー粒子の説明において例示した内容と同様とすることができる。そのため、第2トナー粒子の外添剤粒子及びトナー母粒子の説明は省略する。第1トナー粒子及び第2トナー粒子は、同一のトナー粒子であることが好ましい。なお、同一のトナー粒子とは、各成分の種類、サイズ及び量が全て同一であることを意味する。
第2現像剤を補給用現像剤として使用する場合、第2現像剤における第2トナーの含有率は、50質量%以上99質量%以下であることが好ましく、80質量%以上95質量%以下であることがより好ましい。以上、第2トナーについて、説明した。
<第1キャリア>
第1キャリアは、第1キャリア粒子を含む。既に述べたように、第1キャリア粒子は、チタン酸ストロンチウム粒子と、第1キャリア母粒子とを有する。
<<チタン酸ストロンチウム粒子>>
所望の画像濃度を有すると共にかぶりの少ない画像を形成する観点から、チタン酸ストロンチウム粒子の個数平均一次粒子径は、15nm以上85nm以下であることが好ましく、20nm以上80nm以下であることがより好ましく、20nm以上60nm以下であることが更に好ましく、25nm以上40nm以下であることが特に好ましい。
所望の画像濃度を有すると共にかぶりの少ない画像を形成する観点から、チタン酸ストロンチウム粒子の量は、100.00質量部の第1キャリア母粒子に対して、0.02質量部以上0.06質量部以下であることが好ましく、0.03質量部以上0.05質量部以下であることがより好ましい。
チタン酸ストロンチウム粒子は、ドープされていてもよい。チタン酸ストロンチウム粒子がドープされている場合、ドープされた元素の量は、チタン酸ストロンチウム粒子の全質量に対して、1.00質量%以下であってもよく、0.10質量%以下であってもよく、0.01質量%未満であってもよい。但し、チタン酸ストロンチウム粒子は、ドープされていなくてもよい。チタン酸ストロンチウム粒子は、非ドープチタン酸ストロンチウムから構成されていてもよい。例えば、チタン酸ストロンチウム粒子は、ランタンと周期表第5族元素(例えばニオブ、タンタル)とがドープされていないチタン酸ストロンチウムから構成されていてもよい。
<<第1キャリア母粒子>>
既に述べたように、第1キャリア母粒子は、キャリアコアと、コート層とを有する。所望の画像濃度を有すると共にかぶりの少ない画像を形成する観点から、キャリアコアの質量に対するコート層の質量比率(以下、コート層/コア率と記載することがある)は、0.5質量%以上5.0質量%以下であることが好ましく、1.2質量%以上2.5質量%以下であることがより好ましい。
(キャリアコア)
キャリアコアは、例えば、磁性材料を含有する。キャリアコアに含有される磁性材料としては、例えば、金属酸化物が挙げられ、より具体的には、マグネタイト、マグヘマイト、及びフェライトが挙げられる。フェライトは流動性が高く化学的に安定する傾向がある。このため、長期に渡って高画質な画像を形成するという観点から、キャリアコアは、フェライトを含有することが好ましい。フェライトとしては、例えば、バリウムフェライト、マンガンフェライト(Mn-フェライト)、Mn-Znフェライト、Ni-Znフェライト、Mn-Mgフェライト、Ca-Mgフェライト、Liフェライト、及びCu-Znフェライトが挙げられる。キャリアコアの形状は、特に限定されず、不定形状であってもよく、球形状であってもよい。キャリアコアとしては、市販品を使用してもよい。また、磁性材料を粉砕及び焼成してキャリアコアを自作してもよい。
キャリアコアの体積中位径は、15.0μm以上65.0μm以下であることが好ましく、30.0μm以上50.0μm未満であることが更に好ましい。キャリアコアの体積中位径が15.0μm以上であると、第1キャリア粒子が感光体に付着する不具合(キャリア現像)が発生し難い。これにより、感光体に付着した第1キャリア粒子が、感光体から転写ベルトに移行することを抑制でき、転写抜けのような画像不具合の発生を抑制できる。また、キャリア現像が発生し難くなるため、クリーニング不良の発生を抑制できる。一方、キャリアコアの体積中位径が65.0μm以下であると、画像形成時に現像剤担持体の周面に形成される本発明の現像剤セットの磁気ブラシが緻密になり、高画質の画像を形成できる。
キャリアコアの飽和磁化は、65emu/g以上90emu/g以下であることが好ましい。キャリアコアがMn-フェライトを含有する場合には、Mnの含有率が高くなる程、キャリアコアの飽和磁化が低くなる傾向がある。また、キャリアコアがMn-Mgフェライトを含有する場合には、Mgの含有率が高くなる程、キャリアコアの飽和磁化が低くなる傾向がある。
(コート層)
既に述べたように、コート層は、コート樹脂と、チタン酸バリウム粒子と、必要に応じてカーボンブラック粒子とを含有する。
以下、コート樹脂について、説明する。コート樹脂は、シリコーン樹脂を含む。コート樹脂がシリコーン樹脂を含むことで、第1トナー又は第2トナーを良好に摩擦帯電できる。シリコーン樹脂の好適な例としては、メチル基を有するシリコーン樹脂、及びエポキシ樹脂変性シリコーン樹脂が挙げられる。メチル基を有するシリコーン樹脂の一例は、メチル基を有しフェニル基を有していないシリコーン樹脂である。メチル基を有するシリコーン樹脂の別の例は、メチル基及びフェニル基を有するシリコーン樹脂(以下「メチルフェニルシリコーン樹脂」と記載することがある)である。コート層は、コート樹脂として、シリコーン樹脂のみを含有してもよく、シリコーン樹脂以外の樹脂を更に含有してもよい。シリコーン樹脂の含有率は、コート樹脂の質量に対して、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。以上、コート樹脂について、説明した。
次に、チタン酸バリウム粒子について、説明する。所望の画像濃度を有すると共にかぶりの少ない画像を形成するために、チタン酸バリウム粒子の含有量は、100質量部のコート樹脂に対して、2質量部以上47質量部以下であることが好ましく、3質量部以上35質量部以下であることがより好ましく、10質量部以上25質量部以下であることが更に好ましい。コート樹脂が2種以上の樹脂を含む場合には、コート樹脂の質量は2種以上の樹脂の質量の合計を意味する。
既に述べたように、チタン酸バリウム粒子の個数平均一次粒子径は、100nm以上500nm以下であり、150nm以上450nm以下であることが好ましく、250nm以上350nm以下であることがより好ましい。コート樹脂中で均一に分散し易いことから、チタン酸バリウム粒子は、水熱合成物であることが好ましい。以上、チタン酸バリウム粒子について、説明した。
次に、カーボンブラック粒子について、説明する。カーボンブラック粒子は導電体である。従って、コート層がカーボンブラック粒子を含有することで、第1キャリア粒子から第1トナー粒子又は第2トナー粒子へ電荷がスムーズに移動する。その結果、所望の帯電量に第1トナー粒子又は第2トナー粒子を帯電でき、所望の画像濃度を有すると共にかぶりの少ない画像を形成できる。
カーボンブラック粒子の個数平均一次粒子径は、10nm以上80nm以下であることが好ましく、30nm以上45nm以下であることがより好ましい。カーボンブラック粒子のDBP吸油量は、300cm3/100g以上700cm3/100g以下であることが好ましく、400cm3/100g以上600cm3/100g以下であることがより好ましい。カーボンブラック粒子のBET比表面積は、1000m2/g以上2000m2/g以下であることが好ましく、1200m2/g以上1500m2/g以下であることがより好ましい。カーボンブラック粒子の量は、コート樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、5質量部以上12質量部以下であることがより好ましい。以上、カーボンブラック粒子について、説明した。
なお、第1キャリア粒子は、必要に応じて、その他のキャリア外添剤粒子を有していてもよい。その他のキャリア外添剤粒子は、公知の外添剤から適宜選択される。また、第1キャリア粒子は、公知の添加剤を更に含有していてもよい。第1キャリア粒子の体積中位径は、25μm以上100μm以下であることが好ましい。以上、第1キャリアについて、説明した。
低温低湿環境下においても所望の画像濃度を有する画像を形成すると共に、高温高湿環境下においてもかぶりの少ない画像を形成する観点から、第1現像剤において、下記式が示す距離Lは、-15nm以上95nm以下であることが好ましく、5nm以上65nm以下であることがより好ましく、5nm以上25nm以下であることが更に好ましい。
距離L=第1トナー粒子のスペーサー粒子の個数平均一次粒子径-(チタン酸ストロンチウム粒子の個数平均一次粒子径+第1トナー粒子のシリカ粒子の個数平均一次粒子径)
以下、図2を参照して、距離Lを上述の範囲とすることが好ましい理由について説明する。図2は、図1の第1トナー粒子10及び第1キャリア粒子20が近接している状態を示す断面図である。第1トナー粒子10が正常に帯電するためには、第1トナー粒子10の帯電性に大きく寄与しているシリカ粒子14が、電荷の供給源である第1キャリア粒子20にある程度接近する必要がある。また、第1トナー粒子10が過剰に帯電しないようにするためには、電荷を抜く性質を有するチタン酸ストロンチウム粒子27が、シリカ粒子14にある程度接近する必要がある。しかし、スペーサー粒子15が過度に大きい場合、スペーサー粒子15がシリカ粒子14及び第1キャリア粒子20(特に、チタン酸ストロンチウム粒子27)の接近を阻害する。そのため、距離Lを一定以下(95nm以下)とし、シリカ粒子14及び第1キャリア粒子20がある程度接近できるようにすることで、第1トナー粒子10を適切に帯電させることができる。一方、スペーサー粒子15が過度に小さい場合、シリカ粒子14及び第1キャリア粒子20が過度に接触し、シリカ粒子14がトナー母粒子11へ埋没し易くなると共に、チタン酸ストロンチウム粒子27がコート層25へ埋没し易くなる。そのため、距離Lを一定以上(-15nm以上)とすることで、本発明の現像剤セットは、シリカ粒子14のトナー母粒子11への埋没、及びチタン酸ストロンチウム粒子27のコート層25への埋没を抑制し、第1トナー粒子10の帯電安定性を向上できる。以上、図2を参照して、距離Lについて説明した。
<第2キャリア>
第2キャリアは、第2キャリア粒子を含む。既に述べたように、第2キャリア粒子は、第2キャリア母粒子を有する。第2キャリア母粒子の各成分の種類、サイズ(個数平均一次粒子径等)及び量は、第1キャリア母粒子の説明において例示した内容と同様とすることができる。そのため、第2キャリア母粒子の説明は省略する。
第2キャリア粒子は、チタン酸ストロンチウム粒子を実質的に有していない。チタン酸ストロンチウム粒子を実質的に有していないとは、チタン酸ストロンチウム粒子を有していない、或いは、チタン酸ストロンチウム粒子の含有量が100.00質量部の第2キャリア母粒子に対して0.01質量部以下であることを意味する。なお、第2キャリア粒子は、その他のキャリア外添剤粒子を有していてもよく、その他のキャリア外添剤粒子を実質的に有していなくてもよく。以上、第2キャリアについて、説明した。
<第1現像剤の製造方法>
以下、第1現像剤の製造方法の一例について説明する。第1現像剤の製造方法は、例えば、第1トナー形成工程と、第1キャリア形成工程と、第1トナーと第1キャリアとの混合工程とを含む。
(第1トナー形成工程)
第1トナー形成工程において、例えば、結着樹脂、着色剤、電荷制御剤、及び離型剤を混合して混合物を得る。混合物を溶融混練して、溶融混練物を得る。溶融混練物を粉砕して、粉砕物を得る。粉砕物を分級して、トナー母粒子を得る。混合機を用いて、トナー母粒子と、外添剤粒子(シリカ粒子、スペーサー粒子、及び任意のその他のトナー外添剤粒子)とを混合する。混合により、トナー母粒子の表面に、外添剤粒子が付着して、第1トナー粒子を含む第1トナーが得られる。外添剤粒子との混合は、外添剤粒子がトナー母粒子に完全に埋没しない条件で実施されることが好ましい。
(第1キャリア形成工程)
第1キャリア形成工程は、第1キャリア母粒子の形成工程と、第1キャリア母粒子への外添工程とを含む。
第1キャリア母粒子の形成工程において、キャリアコアの表面にコート層を形成して、第1キャリア母粒子を得る。例えば、コート樹脂、チタン酸バリウム粒子、及び任意のカーボンブラック粒子を含むコート液を、流動層中のキャリアコアに噴霧する。次いで、コート液を噴霧したキャリアコアを、第1所定温度(以下、所定乾燥温度と記載することがある)で加熱して、キャリアコアの表面に付着したコート液を乾燥させ、乾燥物を得る。次いで、電気炉を用いて、乾燥物を第2所定温度(以下、所定焼き付け温度と記載することがある)で加熱して、コート液に含有されるコート樹脂をキャリアコアの表面で硬化させる。このようにして、キャリアコアの表面にコート層が形成される。所定乾燥温度は、70℃以上85℃以下であることが好ましい。所定焼き付け温度は、200℃以上300℃以下であることが好ましい。
第1キャリア母粒子への外添工程において、混合機を用いて、第1キャリア母粒子と、チタン酸ストロンチウム粒子とを混合する。混合により、第1キャリア母粒子の表面に、チタン酸ストロンチウム粒子が付着して、第1キャリア粒子を含む第1キャリアが得られる。チタン酸ストロンチウム粒子との混合は、チタン酸ストロンチウム粒子が第1キャリア母粒子に完全に埋没しない条件で実施されることが好ましい。
(第1トナーと第1キャリアとの混合工程)
第1トナーと第1キャリアとの混合工程において、混合機を用いて、第1トナーと第1キャリアとを混合することで、第1現像剤が得られる。
<第2現像剤の製造方法>
以下、第2現像剤の製造方法の一例について説明する。第2現像剤の製造方法は、例えば、第2トナー形成工程と、第2キャリア形成工程と、第2トナーと第2キャリアとの混合工程とを含む。第2トナー形成工程の詳細は、第1トナー形成工程で例示した内容と同様とすることができるため、重複説明を省略する。
(第2キャリア形成工程)
第2キャリア形成工程は、第2キャリア母粒子の形成工程を含む。第2キャリア形成工程は、外添工程を行わないという点で、第1キャリア形成工程と相違する。第2キャリア母粒子の形成工程の詳細は、第1キャリア母粒子の形成工程で例示した内容と同様とすることができるため、重複説明を省略する。
(第2トナーと第2キャリアとの混合工程)
第2トナーと第2キャリアとの混合工程において、混合機を用いて、第2トナーと第2キャリアとを混合することで、第2現像剤が得られる。
[第2実施形態:画像形成装置]
以下、第2実施形態に係る画像形成装置について説明する。第2実施形態に係る画像形成装置は、現像剤セットと、現像装置とを少なくとも備える。現像装置は、現像剤セットにより静電潜像を現像する。現像剤セットは、第1実施形態で述べた現像剤セットである。第1現像剤は、初期現像剤である。第2現像剤は、補給用現像剤である。現像装置は、初期現像剤を収容する収容部と、補給用現像剤を収容部に補給する補給部とを有する。第2実施形態に係る画像形成装置は、第1実施形態に係る現像剤セットを備えるため、第1実施形態で述べたのと同じ理由により、低温低湿環境下においても所望の画像濃度を有する画像を形成できると共に、高温高湿環境下においてもかぶりの少ない画像を形成できる。
以下、図3を参照して、第2実施形態に係る画像形成装置の一例である画像形成装置40について説明する。
図3に示す画像形成装置40は、現像剤(使用中現像剤D及び補給用現像剤E、図4参照)と、感光体41a~41dと、帯電装置42a~42dと、露光装置43と、現像装置44a~44dと、転写装置45と、定着装置46と、クリーニング装置47と、制御部48と、を備える。以下、区別する必要がない場合には、感光体41a~41dの各々を感光体41と記載し、帯電装置42a~42dの各々を帯電装置42と記載し、現像装置44a~44dの各々を現像装置44と記載する。
使用中現像剤Dは、初期現像剤と、補給用現像剤Eとを含む。初期現像剤は、第1実施形態で述べた第1現像剤である。補給用現像剤Eは、第1実施形態で述べた第2現像剤である。
感光体41は、円筒状である。感光体41は、芯材として金属製の筒体(例えば、筒状の導電性基体)を備える。その芯材の外側に、感光層を備える。感光体41は回転可能に支持されている。感光体41は、例えばモーター(不図示)によって駆動されて、回転する。
帯電装置42は、感光体41の周面を帯電する。
露光装置43は、帯電された感光体41の周面を露光して、感光体41の周面に静電潜像を形成する。例えば、画像データに基づいて感光体41の表層部(感光層)に静電潜像が形成される。
現像装置44は、使用中現像剤Dにより静電潜像を現像する。より具体的には、現像装置44は、感光体41の周面に形成された静電潜像を使用中現像剤Dにより現像し、静電潜像をトナー像に現像する。現像装置44の詳細については、後述する。
転写装置45は、転写ベルト51と、駆動ローラー52と、従動ローラー53と、テンションローラー54と、一次転写ローラー55a~55dと、二次転写ローラー56とを備える。以下、区別する必要がない場合には、一次転写ローラー55a~55dの各々を、一次転写ローラー55と記載する。転写ベルト51は、駆動ローラー52、従動ローラー53、及びテンションローラー54に張架された無端状のベルトである。駆動ローラー52の回転に伴って、転写ベルト51が、図3中の時計回り方向(図3中の矢符方向d1)に搬送される。転写ベルト51の搬送に伴って、従動ローラー53、及びテンションローラー54が従動回転する。
感光体41a~41dにトナー像が形成された後、一次転写ローラー55a~55dへバイアス(電圧)が印加されることにより、感光体41a~41dに付着したトナー(第1トナー又は第2トナーのトナー像)が転写ベルト51に順次一次転写される。このようにして、転写ベルト51上に、複数色のトナー像が重ねられる。一次転写後、二次転写ローラー56へバイアス(電圧)が印加されることにより、転写ベルト51上の複数色のトナー像が、搬送される記録媒体P(例えば、印刷用紙)に二次転写される。そして、転写ベルト51上に重ねられた複数色のトナー像が、記録媒体Pに一括して二次転写される。このようにして、記録媒体Pに未定着トナーで構成された画像が形成される。
二次転写後、定着装置46が、記録媒体P上のトナー(第1トナー又は第2トナー)を加熱及び加圧して、記録媒体Pにトナーを定着させる。このようにして、記録媒体Pに定着トナーで構成された画像が形成される。
クリーニング装置47は、二次転写後に転写ベルト51上に残留するトナー(第1トナー又は第2トナー)をクリーニングする。
制御部48は、各種センサーの出力に基づいて、画像形成装置40の動作を電子制御する。制御部48は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、プログラムとを記憶し、かつ、所定のデータを書換え可能に記憶する記憶装置とを備える。ユーザーは、入力部(不図示)を通じて、制御部48に指示(例えば、電気信号)を与える。入力部は、例えば、キーボード、マウス、又はタッチパネルである。
<現像装置>
次に、図4を参照しながら、現像装置44について更に詳細に説明する。図4は、図3に示す画像形成装置40の現像装置44及びその周辺部を示す。現像装置44は、収容部114を少なくとも有する。現像装置44は、現像剤担持体111と、規制ブレード112と、複数の攪拌シャフト113と、補給部115と、排出部116とを、更に有する。現像装置44は、収容部114と補給部115と排出部116とを有する、いわゆるトリクル現像方式の現像装置44である。
収容部114は、使用中現像剤Dと、複数の攪拌シャフト113とを収容する。収容部114に収容される使用中現像剤Dは、初期現像剤を含む。複数の攪拌シャフト113は、第1攪拌シャフト113aと、第2攪拌シャフト113bとを含む。第1攪拌シャフト113aは、螺旋状の攪拌羽根を有する。第2攪拌シャフト113bは、第1攪拌シャフト113aが有する螺旋羽根とは逆方向を向く(逆位相の)螺旋状の攪拌羽根を有する。第1攪拌シャフト113aは、収容部114内の使用中現像剤Dを攪拌しながら、現像剤担持体111の軸方向の一端側から他端側に向かう第1搬送方向(図4の紙面と直交する方向、且つ紙面の後ろから前に向かう方向)に、使用中現像剤Dを搬送する。第2攪拌シャフト113bは、収容部114内の使用中現像剤Dを攪拌しながら、第1搬送方向とは逆の第2搬送方向に、使用中現像剤Dを搬送する。トナー(第1トナー又は第2トナー)とキャリア(第1キャリア又は第2キャリア)とを含む使用中現像剤Dが攪拌されることで、キャリアとの摩擦によってトナーが帯電し、帯電したトナーがキャリアに担持される。第2攪拌シャフト113bは、使用中現像剤Dを第2搬送方向に搬送しながら、現像剤担持体111に使用中現像剤Dを供給する。
補給部115は、収容部114の上部に設けられる。補給部115は、補給用現像剤Eを、収容部114に補給する。補給部115は、補給量調整部材115aと、現像剤コンテナ115bとを有する。
補給量調整部材115aは、現像剤コンテナ115bから収容部114へ供給される補給用現像剤Eの補給量を制御する。補給量調整部材115aは、例えば、制御部48により回転動作を制御されるスクリューシャフトから構成される。例えば、スクリューシャフトの回転量に応じて補給用現像剤Eの補給量を変更できる。
現像剤コンテナ115bは、補給用現像剤Eを収容する。現像剤コンテナ115b内の補給用現像剤Eが、収容部114に供給される。
排出部116は、収容部114内の使用中現像剤Dを排出する。排出部116は、排出路116aと、回収容器116bとを備える。排出路116aは、収容部114と回収容器116bとを連結する。収容部114にある使用中現像剤Dの量が所定の量を超えると、過剰な使用中現像剤Dが、排出路116aの上端側の開口から排出路116a内に入る。所定の量は、例えば、排出路116aの上端位置によって決まる量である。過剰な使用中現像剤Dは、例えば、所定の量を超えた分の使用中現像剤Dである。過剰な使用中現像剤Dは、排出路116a内に入ると重力によって排出路116aの内側を下方に進み、回収容器116bに流れ込む。そして、回収容器116bが、過剰な使用中現像剤Dを収容する。以下、回収された現像剤を回収後現像剤Fとする。
画像形成開始前の画像形成装置40(例えば、未使用の画像形成装置40)において、収容部114に収容される使用中現像剤Dは、初期現像剤である。
画像形成を開始した後、補給部115が収容部114内に補給用現像剤Eを補給する前において、収容部114に収容される使用中現像剤Dは、初期現像剤である。収容部114内において、攪拌シャフト113によって、初期現像剤が攪拌され、初期現像剤に含まれる第1トナー粒子10が摩擦帯電される。そして、攪拌された初期現像剤が、現像剤担持体111に担持される。
画像形成装置40による印刷を続けると、収容部114内への補給用現像剤Eの補給と、収容部114からの使用中現像剤Dの排出とが行われる。このため、画像形成装置40による印刷を続けると、収容部114に収容される使用中現像剤Dは、補給部115から補給される補給用現像剤Eに、少しずつ入れ替わる。補給部115が収容部114内に補給用現像剤Eを補給した後、収容部114内において、攪拌シャフト113によって、初期現像剤と補給用現像剤Eとが攪拌され、初期現像剤に含まれる第1トナー粒子10、及び補給用現像剤Eに含まれる第2トナー粒子60が、摩擦帯電される。そして、攪拌された初期現像剤と補給用現像剤Eとが、現像剤担持体111に担持される。
現像剤担持体111は、感光体41の近傍に配置される。現像剤担持体111は、マグネットロールと、現像スリーブとを備える。マグネットロールは、少なくともその表層部に磁極を有する。磁極は、例えば、永久磁石に基づくN極及びS極である。現像スリーブは、非磁性の筒体(例えば、アルミニウムパイプ)である。マグネットロールは現像スリーブ内(筒内)に位置し、現像スリーブは現像剤担持体111の表層部に位置する。非回転のマグネットロールの周りを現像スリーブが回転できるように、マグネットロールのシャフトと現像スリーブとがフランジを介して接続されている。
既に述べたように、収容部114内において、帯電したトナー(第1トナー又は第2トナー)がキャリア(第1キャリア又は第2キャリア)に担持される。現像剤担持体111(具体的には、現像スリーブ)は、図4中の時計回り方向(図4中の矢符方向d2)に回転しながら収容部114にあるキャリアを磁力により引き付けて、トナーを担持したキャリア(即ち、使用中現像剤D)をその周面に担持する。そして、現像剤担持体111に担持された使用中現像剤Dにより、磁気ブラシが形成される。
規制ブレード112は、現像剤担持体111の周面に形成された使用中現像剤Dの磁気ブラシの厚さを、所定の厚さに規制する。
規制ブレード112により磁気ブラシの厚さが規制された後、現像剤担持体111(具体的には、現像スリーブ)が時計回り方向(図4中の矢符方向d2)に更に回転し、感光体41と現像剤担持体111との最近接部Nに、使用中現像剤Dが搬送される。感光体41は、図4中の反時計回り方向(図4中の矢符方向d3)に回転している。現像剤担持体111へのバイアス(電圧)の印加により、現像剤担持体111の表面電位と感光体41の表面電位との間に電位差が生じる。この電位差によって、現像剤担持体111に担持された使用中現像剤Dに含まれるトナー(第1トナー又は第2トナー)が、感光体41の周面に移動する。詳しくは、現像剤担持体111に担持された使用中現像剤Dに含まれる帯電したトナーが、感光体41に形成された静電潜像(例えば、露光によって非露光部位よりも電位の低下した露光部位)に電気的な力で引き付けられて、感光体41上の静電潜像に移動する。その結果、感光体41の表面にトナー像が形成される。
以上、図3及び図4を参照して、第2実施形態に係る画像形成装置40について、説明した。但し、第2実施形態に係る画像形成装置は、上記画像形成装置40に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変更して実施可能である。例えば、全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。また、各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。しかし、本発明は実施例の範囲に何ら限定されない。
[個数平均一次粒子径の測定]
本実施例に記載の各粒子(架橋樹脂粒子、非架橋樹脂粒子、シリカ粒子、複合粒子、チタン酸ストロンチウム粒子、チタン酸バリウム粒子、カーボンブラック粒子等)の個数平均一次粒子径は、走査型電子顕微鏡(電界放出形走査電子顕微鏡、日本電子株式会社製「JSM-7600F」)を用いて、測定した。個数平均一次粒子径の測定において、100個の一次粒子の円相当径(ヘイウッド径:一次粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)を測定し、その個数平均値を求めた。なお、本実施例では、個数平均一次粒子径を省略して「粒子径」又は「径」と記載することがある。
<材料>
トナー及びキャリアの外添剤粒子として、以下の粒子を調製した。
[樹脂粒子]
温度計(熱電対)、攪拌装置、還流冷却器及び窒素ガス導入管を備えたガラス製反応容器をウォーターバス(設定温度:80℃)にセットした。この反応容器に、イオン交換水300.0質量部と、ジ-t-ブチルペルオキサイド1.0質量部とを投入した。次に、反応容器の内部を窒素ガス雰囲気下とした。以降の操作では、反応容器の内容物の温度を80℃に保持し、かつ反応容器の内部を窒素ガス雰囲気下とした状態を維持した。次に、反応容器を攪拌しながら、過硫酸アンモニウム0.2質量部と、モノマー混合物60.0質量部とを1時間かけて反応容器に滴下した。モノマー混合物は、スチレン10モル%と、メタクリル酸ブチル40モル%と、ジビニルベンゼン50モル%との混合物であった。次いで、反応溶液を攪拌させながら内容物を反応させた。この反応においては、反応温度Xを100℃、反応時間Yを3時間、攪拌速度Zを1,250rpmとした。反応後の反応溶液(エマルション溶液)を乾燥させることで架橋樹脂粒子(個数平均一次粒子径:35nm)を得た。
モノマー混合物の組成をスチレン20モル%と、メタクリル酸ブチル80モル%との混合物に変更した以外は、上述の架橋樹脂粒子(個数平均一次粒子径:35nm)の調製と同様の方法により、非架橋樹脂粒子(個数平均一次粒子径:35nm)を調製した。
反応温度X、反応時間Y及び攪拌速度Zを下記表1に示す通りに変更した以外は、上述の架橋樹脂粒子(個数平均一次粒子径:35nm)及び非架橋樹脂粒子(個数平均一次粒子径:35nm)の調製と同様の方法により、個数平均一次粒子径50nm~150nmの架橋樹脂粒子及び非架橋樹脂粒子を調製した。
Figure 2024034101000002
[シリカ粒子]
微粉砕された珪石シリカと、還元剤としての炭素粉末と、適量の水とを容器内に投入して混合し、混合原料を得た。次いで、混合原料を焼却炉で約1800℃に加熱し、SiO2ガスを発生させた。次いで、発生したSiO2ガスを、冷却空気(流量X:80m3/時間)で強制冷却し、シリカ微粒子を析出させた。次いで、析出したシリカ微粒子をバグフィルターにて捕集した。次いで、回収したシリカ微粒子に対し、アミノプロピルエトキシシラン及びシリコーンオイルを添加した。次いで、添加後のシリカ微粒子に加熱処理を行い、固形物を得た。次いで、FMミキサーを用いて得られた固形物を解砕することにより、個数平均一次粒子径が100nmであるシリカ粒子Dを得た。
冷却空気の流量Xを下記表2に示す通りに変更した以外は、シリカ粒子Dの調製と同様の方法により、シリカ粒子A~C及びEを調製した。
Figure 2024034101000003
[複合粒子]
容器内に、溶媒としてのトルエン200gと、ジメチルポリシロキサン100gと、3-アミノプロピルトリメトキシシラン100gとを添加した。そして、溶媒に他の成分を溶解させることにより、トルエン溶液を得た。次に、トルエン溶液400gにトルエン3600gを添加(10倍希釈)し、希釈トルエン溶液を得た。次に、シリカ微粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)R 972」、ヒュームドシリカ)200gに、上述の希釈溶液を徐々に滴下しつつ、30分間超音波照射及び攪拌を行い、混合物を得た。次いで、得られた混合物を150℃の恒温槽で加熱しながらロータリーエバポレーターで減圧することにより、混合物中のトルエンを留去して固形物を得た。次に、減圧乾燥機を用いて設定温度50℃で固形物を乾燥させ、乾燥固形物を得た。乾燥は、固形物から揮発成分が十分に除去され、これ以上減量しなくなる状態まで続けた。次いで、電気炉を用いて、窒素気流下、200℃で3時間の加熱処理を乾燥固形物に行い、粉体を得た。次いで、得られた粉体をジェットミルを用いて解砕(風量:1m3/分)した後、バグフィルターで捕集し、個数平均一次粒子径が20nmのシリカ粒子(以下、小粒径シリカ粒子と記載することがある)を得た。
混合装置(プライミクス株式会社製「ハイビスミックス(登録商標)2P-1型」)の容器に、上述の架橋樹脂粒子(個数平均一次粒子径:35nm)700g、及びメチルハイドロジェンポリシロキサン15gを投入して60分間混合攪拌を行った。混合攪拌において、混合装置の攪拌速度は自転速度及び公転速度ともに20rpmとした。その後、上述の小粒径シリカ粒子(個数平均一次粒子径:20nm)707gを混合装置に更に投入した後、30分間混合攪拌した。混合攪拌において、混合装置の攪拌速度は自転速度及び公転速度ともに20rpmとした。これにより、メチルハイドロジェンポリシロキサンで被覆した架橋樹脂粒子(個数平均一次粒子径:35nm)の表面に、小粒径シリカ粒子(個数平均一次粒子径:20nm)を付着させた。その後、混合装置による混合攪拌を継続した状態で、混合装置の容器内をロータリーポンプで2時間減圧して内容物を乾燥させた。これにより、樹脂粒子と、樹脂粒子の表面に付着するシリカ粒子とを有する複合粒子Aを得た。得られた複合粒子Aの個数平均一次粒子径は、50nmであった。
架橋樹脂粒子の種類と、架橋樹脂粒子100質量部に対する小粒径シリカ粒子の使用量とを下記表3に示す通りに変更した以外は、複合粒子Aの調製と同様の方法により、複合粒子B~Dを調製した。
Figure 2024034101000004
[チタン酸バリウム粒子]
現像剤の調製に用いるチタン酸バリウム粒子として、下記表4に示すものを用意した。
Figure 2024034101000005
<検討1>
最初に、第1トナー粒子及び第2トナー粒子におけるスペーサー粒子の効果と、第1キャリア粒子及び第2キャリア粒子におけるチタン酸ストロンチウム粒子の効果とについて検討した。
<トナーの調製>
現像剤の調製に使用するトナー(T-2)を、以下の方法で調製した。
(非晶性ポリエステル樹脂(R1)の合成)
トナー母粒子の調製において結着樹脂として用いられる、非晶性ポリエステル樹脂(R1)を、以下の方法により合成した。まず、温度計(熱電対)、脱水管、窒素ガス導入管、及び攪拌装置(攪拌羽根)を備えた反応容器を油浴にセットした。この反応容器内に、1575gのBPA-PO(ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物)と、163gのBPA-EO(ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物)と、377gのフマル酸と、4gの触媒(酸化ジブチル錫)とを投入した。続けて、反応容器内を窒素雰囲気にした後、内容物を攪拌しながら、油浴を用いて反応容器内の温度を220℃に昇温させた。窒素雰囲気且つ温度220℃の条件で、副生水を留去しながら、反応容器の内容物を8時間重合反応させた。続けて、反応容器内を減圧した後、減圧雰囲気(圧力:7999Pa)且つ温度220℃の条件で、反応溶液の内容物を更に1時間重合反応させた。続けて、反応容器内の温度を210℃まで下げた後、反応容器内に336gの無水トリメリット酸を加えた。そして、減圧雰囲気(圧力:7999Pa)且つ温度210℃の条件で、反応容器の内容物を反応させた。反応時間は、反応生成物である非晶性ポリエステル樹脂(R1)が、以下の物性となるように調節した。その後、反応容器から反応生成物を取り出して冷却することで、以下の物性を有する非晶性ポリエステル樹脂(R1)を得た。なお、得られたポリエステル樹脂(R1)は、示差走査熱量計を用いて測定される吸熱曲線において明確に吸熱ピークが確認されず明確な融点を測定できなかったことから、非晶性であると判断した。
(非晶性ポリエステル樹脂(R1)の物性)
軟化点(Tm):100℃
ガラス転移点(Tg):50℃
質量平均分子量(Mw):30,000
酸価:15mgKOH/g
水酸基価:30mgKOH/g
(トナー母粒子の調製)
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM-10B」)を用いて、100質量部の結着樹脂と、4質量部の着色剤と、1質量部の電荷制御剤と、5質量部の離型剤とを混合し、混合物を得た。結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂(R1)を用いた。着色剤として、銅フタロシアニンブルー顔料(C.I.Pigment Blue 15:3)を用いた。電荷制御剤として、4級アンモニウム塩(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P-51」)を用いた。離型剤として、カルナバワックス(株式会社加藤洋行製「特製カルナウバワックス1号」)を用いた。得られた混合物を、2軸押出機(株式会社池貝製「PCM-30型」)を用いて溶融混練し、溶融混練物を得た。溶融混練物を、機械式粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミル」)を用いて粉砕し、粉砕物を得た。粉砕物を、分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェット」)を用いて分級した。これにより、体積中位径が6.8μmである粉体状のトナー母粒子を得た。
(トナー母粒子への外添)
上記で得られたトナー母粒子100.0質量部と、上述の架橋樹脂粒子(個数平均一次粒子径:60nm)0.5質量部と、上述の小粒径シリカ粒子(個数平均一次粒子径:20nm)1.0質量部と、酸化アルミニウム粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROXIDE(登録商標)Alu C805」、BET比表面積:75~105m2/g)0.75質量部とを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM-10B」)を用いて、4,000rpmの条件で5分間混合し、混合物を得た。得られた混合物を200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて篩別し、トナー(T-2)を得た。なお、上述の酸化アルミニウム粒子は、個数平均一次粒子径300nm超であり、スペーサー粒子には該当しない外添剤であった。
各成分の材料及びその使用量を下記表5に示す通りに変更した以外は、トナー(T-2)の調製と同様の方法により、トナー(T-1)及び(T-3)~(T-5)を調製した。
Figure 2024034101000006
<キャリアの調製>
現像剤の調製に使用するキャリア(C-2)を、以下の方法で調製した。
(コート液(L1)の調製)
キャリアのコート層を形成するために用いられる、コート液(L1)を調製した。361.2gのシリコーン樹脂溶液(固形分量:161.1g)と、36.2gのチタン酸バリウム粒子と、14.4gのカーボンブラックと、1444.8gのトルエンとを、ステンレス製容器に投入した。ホモジナイザーを用いて、容器内容物を混合して、コート液(L1)を得た。シリコーン樹脂溶液として、信越化学工業株式会社製「KR-255」(固形分:メチルフェニルシリコーン樹脂、固形分濃度:50質量%)を用いた。チタン酸バリウム粒子として、堺化学工業株式会社製「BT-01」(個数平均一次粒子径:304nm)を用いた。カーボンブラックとして、導電性カーボンブラックであるライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製「ケッチェンブラック(登録商標)EC300J」(個数平均一次粒子径:39.5nm)を用いた。
(キャリア母粒子の調製)
流動層コーティング装置(株式会社パウレック製「FD-MP-01 D型」)を用いて、5000gのキャリアコアを流動させながら、キャリアコアにコート液(L1)を噴霧した。キャリアコアとして、マンガンフェライトコア(DOWA IPクリエイション株式会社製、体積中位径:40μm、飽和磁化:67emu/g)を用いた。コーティング条件は、給気温度75℃、給気風量0.3m3/分、且つローター回転数400rpmの条件であった。コート層/コア率が1.5質量%となるように(即ち、1000gのキャリアコアに対して、加熱により形成されるコート層の質量が15gとなるように)、流動層コーティング装置に投入するコート液(L1)の量を調整した。上記噴霧により、コート液(L1)でコーティングされたキャリアコアを得た。次いで、電気炉を用いて200℃で1時間、コート液(L1)でコーティングされたキャリアコアを焼成し、キャリアコアの表面にコート層を形成した。このようにして、キャリア母粒子を得た。
(キャリア母粒子への外添)
上記で得られたキャリア母粒子100.00質量部と、0.04質量部のチタン酸ストロンチウム粒子とを、ロッキングミキサー(登録商標)(愛知電機株式会社「RM-10」)を用いて30分間混合し、キャリア母粒子の表面にチタン酸ストロンチウム粒子を付着させた。このようにして、キャリア粒子を含むキャリア(C-2)を得た。チタン酸ストロンチウム粒子として、個数平均一次粒子径30nmに粒度調整された非ドープチタン酸ストロンチウム(チタン工業株式会社製「SW-100」の粒度調整品)を用いた。
各成分の材料及びその使用量を下記表6及び7に示す通りに変更した以外は、キャリア(C-2)の調製と同様の方法により、キャリア(C-1)を調製した。チタン酸ストロンチウム粒子が「-」となっているキャリア(C-1)の調製では、外添の工程そのものを省略した。
Figure 2024034101000007
Figure 2024034101000008
表5~7における用語の意味は、以下のとおりである。また、表7のシリコーン樹脂の「部」は、固形分での質量部を示す。用語の説明は、以降の表においても同様である。
「径」:個数平均一次粒子径
「部」:質量部
「-」:該当する成分を使用しなかった
[現像剤(A-4)の調製]
以下、現像剤(A-4)の調製方法を説明した後、他の現像剤の調製方法を説明する。
<現像剤の調製>
ロッキングミキサー(登録商標)(愛知電機株式会社「RM-10」)を用い、92質量部のキャリア(C-2)と8質量部のトナー(T-2)とを、30分間混合した。このようにして、初期現像剤として用いる現像剤(A-4)を得た。現像剤(A-4)において、トナー濃度は8質量%であった。
現像剤(A-4)の距離Lは、以下の通り、10nmであった。
距離L=スペーサー粒子の個数平均一次粒子径(60nm)-(シリカ粒子(小粒径シリカ粒子)の個数平均一次粒子径(20nm)+チタン酸ストロンチウム粒子の個数平均一次粒子径(30nm))=10nm
トナー及びキャリアの組み合わせを下記表8に示す通りに変更した以外は、現像剤(A-4)の調製と同様の方法により、初期現像剤として用いる現像剤(A-1)~(A-3)及び(A-5)~(A-7)を調製した。
[現像剤(B-1)~(B-9)の調製]
以下の点を変更した以外は、現像剤(A-4)の調製と同様の方法により、補給用現像剤として用いる現像剤(B-1)~(B-9)を調製した。現像剤(B-1)~(B-9)の調製では、トナー及びキャリアの組み合わせを下記表8に示す通りに変更した。また、現像剤(B-1)~(B-9)の調製では、現像剤の調製において、ロッキングミキサー(登録商標)(愛知電機株式会社「RM-10」)を用い、10質量部のキャリアと90質量部のトナーとを、30分間混合した(トナー濃度は90質量%)。
[実施例1~4及び比較例1~5]
下記表8に示す通りに、初期現像剤(A-1)~(A-7)のうち何れかと、補給用現像剤(B-1)~(B-9)のうち何れかとを組み合わせることにより、実施例1~4及び比較例1~5の現像剤セットを得た。下記表8には、各現像剤の距離Lを併せて示す。
Figure 2024034101000009
[評価1]
実施例1~4及び比較例1~5の現像剤セットについて、以下の方法により、低温低湿環境下における画像濃度、及び高温高湿環境下におけるかぶりを評価した。評価結果を下記表9に示す。
<評価機>
評価機として、京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa 7054ci」を用いた。この評価機は、感光体であるアモルファスシリコンドラムと、二成分現像方式の現像装置とを備えていた。現像装置は、図4を参照しながら説明した構成を有していた。
表8の現像剤セットのうち、初期現像剤を現像装置の収容部に投入し、補給用現像剤を現像装置の補給部に投入した。
<画像の形成>
温度10℃且つ相対湿度15%RHの環境下(低温低湿環境下)において、印刷を行った。評価機を用い、1,000枚の用紙に、画像(印字率4%の文字パターン画像)を、間欠動作にて印刷した(第1連続印刷)。なお、間欠動作とは、7枚の用紙へ連続印刷し、その後で一時停止するという一連の動作の繰り返しであった。第1連続印刷後、温度10℃且つ相対湿度15%RHの環境下において、評価機を用い、1枚の用紙に、画像A(ソリッド画像部と空白部とを含む画像)を印刷した。次に、温度10℃且つ相対湿度15%RHの環境下において、99,000枚の用紙に、画像(印字率4%の文字パターン画像)を、間欠動作にて印刷した(第2連続印刷)。第2連続印刷後、温度10℃且つ相対湿度15%RHの環境下において、評価機を用い、1枚の用紙に、画像B(ソリッド画像部と空白部とを含む画像)を印刷した。
次に、別の評価機を用い、温度10℃且つ相対湿度15%RHの環境下(低温低湿環境下)において、印刷を行った。評価機を用い、1,000枚の用紙に、画像(印字率4%の文字パターン画像)を、間欠動作にて印刷した(第1連続印刷)。なお、間欠動作とは、7枚の用紙へ連続印刷し、その後で一時停止するという一連の動作の繰り返しであった。第1連続印刷後、温度32.5℃且つ相対湿度80%RHの環境下において評価機を24時間静置した。その後、同環境で、評価機を用い、1枚の用紙に、画像C(ソリッド画像部と空白部とを含む画像)を印刷した。次に、温度10℃且つ相対湿度15%RHの環境下において、99,000枚の用紙に、画像(印字率4%の文字パターン画像)を、間欠動作にて印刷した(第2連続印刷)。第2連続印刷後、温度32.5℃且つ相対湿度80%RHの環境下において評価機を24時間静置した。その後、同環境で、評価機を用い、1枚の用紙に、画像D(ソリッド画像部と空白部とを含む画像)を印刷した。
<画像濃度>
反射濃度計(X-Rite社製「SpectroEye(登録商標)」)を用いて、画像A及び画像Bのソリッド画像部の反射濃度(画像濃度)を測定した。画像A及び画像Bの画像濃度は、それぞれ、ID1k及びID100kとした。画像濃度は、下記基準に沿って判定した。
(画像濃度の基準)
A(特に良好):画像濃度が1.3以上である。
B(良好):画像濃度が1.0以上1.3未満である。
C(不良):画像濃度が1.0未満である。
<かぶり>
白色光度計(有限会社東京電色製「TC-6DS」)を用いて、画像C及び画像Dが印刷された用紙の空白部の反射濃度と、未印刷紙の反射濃度とを測定した。そして、式「かぶり濃度=空白部の反射濃度-未印刷紙の反射濃度」に基づいて、かぶり濃度を算出した。画像C及び画像Dのかぶり濃度は、それぞれ、FD1k及びFD100kとした。かぶり濃度は、下記基準に沿って判定した。
(かぶりの基準)
A(特に良好):かぶり濃度が0.002未満である。
B(良好):かぶり濃度が0.002以上0.005以下である。
C(不良):かぶり濃度が0.005超である。
Figure 2024034101000010
表1~9に示す通り、実施例1~4の現像剤セットは、構成Xを備えていた。その結果、実施例1~4の現像剤セットは、低温低湿環境下においても所望の画像濃度を有する画像を形成できると共に、高温高湿環境下においてもかぶりの少ない画像を形成できた。
一方、比較例1~2の現像剤セットに用いたトナー(T-1)は、第1トナー粒子及び第2トナー粒子の外添剤粒子がスペーサー粒子を含まなかった。比較例1及び3の現像剤セットにおいて、初期現像剤のキャリア(C-1)は、第1キャリア粒子がチタン酸ストロンチウム粒子を有しなかった。その結果、比較例1~3の現像剤セットは、1000枚の連続印刷後において、画像濃度が不十分であった。
比較例4及び5の現像剤セットにおいて、補給用現像剤のキャリア(C-2)は、第1キャリア粒子がチタン酸ストロンチウム粒子を有していた。その結果、比較例4及び5の現像剤セットは、10万枚の連続印刷後において、かぶりの発生を抑制できなかった。
以上から、低温低湿環境下においても所望の画像濃度を有する画像を形成すと共に、高温高湿環境下においてもかぶりの少ない画像を形成するためには、第1トナー粒子及び第2トナー粒子がスペーサー粒子を有すると共に、初期現像剤の第1キャリア粒子がチタン酸ストロンチウム粒子を有することが有効と判断される。一方、補給用現像剤については、第2キャリア粒子がチタン酸ストロンチウム粒子を実質的に有しないことが有効と判断される。
<検討2>
次に、諸条件を変更して更なる検討を行った。
[現像剤セットの調製]
各成分の材料及びその使用量を下記表10に示す通りに変更した以外は、トナー(T-1)~(T-5)の調製と同様の方法により、トナー(T-6)~(T-25)を調製した。トナー(T-10)の調製では、スペーサー粒子として、架橋樹脂粒子(個数平均一次粒子径:35nm)及び架橋樹脂粒子(個数平均一次粒子径:80nm)を1:2の比率で混合して得た混合物を用いた。現像剤(A-12)において、スペーサー粒子の個数平均一次粒子径は、「35nm×1/3+80nm×2/3=65nm」とした。
Figure 2024034101000011
各成分の材料及びその使用量を下記表11及び12に示す通りに変更した以外は、キャリア(C-1)~(C-2)の調製と同様の方法により、キャリア(C-3)~(C-25)を調製した。
下記表11及び12において、個数平均一次粒子径が20μmのキャリアコアは、マンガンフェライトコア(DOWA IPクリエイション株式会社製、体積中位径:20μm)であった。個数平均一次粒子径が60μmのキャリアコアは、マンガンフェライトコア(DOWA IPクリエイション株式会社製、体積中位径:60μm)であった。
下記表11及び12において、個数平均一次粒子径が20nm又は50nmのチタン酸ストロンチウム粒子は、それぞれ、非ドープチタン酸ストロンチウム粒子(チタン工業株式会社製「SW-100」)の粒度調整品であった。
下記表11及び12において、シリコーン樹脂「KR-301」は、信越化学工業株式会社製「KR-301」(固形分:メチルフェニルシリコーン樹脂、固形分濃度:40質量%)であった。シリコーン樹脂「ES-1001N」は、信越化学工業株式会社製「ES-1001N」(固形分:エポキシ樹脂変性シリコーン樹脂、固形分濃度:45質量%)であった。カーボンブラック「MA100」は、三菱化学株式会社製「MA100」(個数平均一次粒子径:24.0nm)であった。
Figure 2024034101000012
Figure 2024034101000013
外添の工程を省略した以外はキャリア(C-3)~(C-25)の調製と同様の方法により、キャリア(C-26)~(C-48)を調製した。即ち、キャリア(C-26)~(C-48)は、それぞれ、キャリア(C-3)~(C-25)の有するキャリア母粒子と同一のキャリア母粒子を有する。一方、キャリア(C-26)~(C-48)は、チタン酸ストロンチウム粒子を実質的に有しない。具体的には、キャリア(C-3)及びキャリア(C-26)のキャリア母粒子は同一である。キャリア(C-4)及びキャリア(C-27)のキャリア母粒子は同一である。以降のキャリア(C-5)~(C-25)及びキャリア(C-28)~(C-48)の関係についても同様である。
[現像剤(A-8)~(A-32)]
トナー及びキャリアの組み合わせを下記表13に示す通りに変更した以外は、現像剤(A-4)の調製と同様の方法により、初期現像剤として用いる現像剤(A-8)~(A-32)を調製した(トナー濃度は8質量%)。
[現像剤(B-10)~(B-36)の調製]
トナー及びキャリアの組み合わせを下記表13に示す通りに変更した以外は、現像剤(B-4)の調製と同様の方法により、補給用現像剤として用いる現像剤(B-10)~(B-36)を調製した(トナー濃度は90質量%)。
[実施例5~28及び比較例6~9]
下記表13に示す通りに、初期現像剤(A-8)~(A-32)のうち何れかと、補給用現像剤(B-10)~(B-36)のうち何れかとを組み合わせることにより、実施例5~28及び比較例6~9の現像剤セットを得た。下記表13には、各現像剤の距離Lを併せて示す。
Figure 2024034101000014
[評価2]
実施例5~28及び比較例6~8の現像剤セットの各々について、実施例1~4及び比較例1~5の現像剤セットと同様に、画像濃度及びかぶりを評価した。評価結果を下記表14に示す。
Figure 2024034101000015
表10~14に示す通り、実施例5~28の現像剤セットは、構成Xを備えていた。その結果、実施例5~28の現像剤セットは、低温低湿環境下においても所望の画像濃度を有する画像を形成できると共に、高温高湿環境下においてもかぶりの少ない画像を形成できた。
一方、比較例6の現像剤セットは、スペーサー粒子の個数平均一次粒子径が150nm超であった。スペーサー粒子の個数平均一次粒子径が150nm超であると、第1トナー粒子又は第2トナー粒子と第1キャリア粒子又は第2キャリア粒子との接触がスペーサー粒子によって妨げられると判断される。その結果、比較例6の現像剤セットは、1000枚の連続印刷後において、かぶりが発生した。
比較例7の現像剤セットは、第1トナー粒子及び第2トナー粒子の有するスペーサー粒子と第1キャリア粒子の有するチタン酸ストロンチウム粒子とが同径であった。スペーサー粒子とチタン酸ストロンチウム粒子とが同径であると、スペーサー粒子としての機能が十分に発揮されないと判断される。その結果、比較例7の現像剤セットは、1000枚の連続印刷後において、画像濃度が不十分であった。
比較例8の現像剤セットは、チタン酸バリウム粒子の個数平均一次粒子径が100nm未満であった。チタン酸バリウム粒子は、個数平均一次粒子径が100nm未満であると比誘電率が低下する。その結果、比較例8の現像剤セットは、10万枚の連続印刷後において、画像濃度が不十分であると共に、かぶりが発生した。
比較例9の現像剤セットは、チタン酸バリウム粒子の個数平均一次粒子径が500nm超であった。チタン酸バリウム粒子の個数平均一次粒子径が500nm超であると、コート層からチタン酸バリウム粒子が脱離し易くなる。その結果、比較例9の現像剤セットは、10万枚の連続印刷後において、かぶりが発生した。
実施例5~28の結果から、構成Xに加え、以下の条件を満たすことが好ましいと判断される。
チタン酸ストロンチウム粒子の個数平均一次粒子径:15nm以上85nm以下
キャリアコアの体積中位径:15.0μm以上65.0μm以下
キャリアコアの質量に対するコート層の質量比率:0.5質量%以上5.0質量%以下
チタン酸バリウム粒子の含有量:100質量部のコート樹脂に対して3質量部以上47質量部以下
チタン酸ストロンチウム粒子の含有量:100質量部のキャリア母粒子に対して、0.02質量部以上0.06質量部以下
距離L:-15nm以上95nm以下
本発明に係る現像剤セットは、例えば複写機、プリンター、又は複合機において画像を形成するために用いることができる。本発明に係る画像形成装置は、例えば記録媒体に画像を形成するために用いることができる。
10 :第1トナー粒子
11、61 :トナー母粒子
12、62 :外添剤
14、64 :シリカ粒子
15、65 :スペーサー粒子
20 :第1キャリア粒子
21、71 :キャリアコア
22、72 :コート樹脂領域
23、73 :チタン酸バリウム粒子
24、74 :カーボンブラック粒子
25、75 :コート層
26 :第1キャリア母粒子
27 :チタン酸ストロンチウム粒子
40 :画像形成装置
44 :現像装置
60 :第2トナー粒子
70 :第2キャリア粒子
76 :第2キャリア母粒子
114 :収容部
115 :補給部
D :使用中現像剤
E :補給用現像剤
F :回収後現像剤

Claims (8)

  1. 第1現像剤と、第2現像剤とを備え、
    前記第1現像剤は、第1トナー粒子を含む第1トナーと、第1キャリア粒子を含む第1キャリアとを含み、
    前記第2現像剤は、第2トナー粒子を含む第2トナーと、第2キャリア粒子を含む第2キャリアとを含み、
    前記第1トナー粒子及び前記第2トナー粒子は、それぞれ、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着する外添剤粒子とを有し、
    前記外添剤粒子は、スペーサー粒子を含み、
    前記スペーサー粒子の個数平均一次粒子径は、32nm以上145nm以下であり、
    前記第1キャリア粒子は、第1キャリア母粒子と、前記第1キャリア母粒子の表面に付着するチタン酸ストロンチウム粒子とを有し、
    前記スペーサー粒子の個数平均一次粒子径は、前記チタン酸ストロンチウム粒子の個数平均一次粒子径よりも大きく、
    前記第2キャリア粒子は、第2キャリア母粒子を有し、
    前記第2キャリア粒子は、前記第2キャリア母粒子の表面に、前記チタン酸ストロンチウム粒子を実質的に有さず、
    前記第1キャリア母粒子及び前記第2キャリア母粒子は、それぞれ、キャリアコアと、前記キャリアコアの表面を被覆するコート層とを有し、
    前記コート層は、コート樹脂とチタン酸バリウム粒子とを含有し、
    前記コート樹脂は、シリコーン樹脂を含み、
    前記チタン酸バリウム粒子の個数平均一次粒子径は、100nm以上500nm以下である、現像剤セット。
  2. 前記第1トナー粒子と、前記第2トナー粒子とは、同一のトナー粒子である、請求項1に記載の現像剤セット。
  3. 前記コート層は、カーボンブラック粒子を更に含有する、請求項1又は2に記載の現像剤セット。
  4. 前記チタン酸ストロンチウム粒子の個数平均一次粒子径は、15nm以上85nm以下である、請求項1又は2に記載の現像剤セット。
  5. 前記スペーサー粒子の量は、100.0質量部の前記トナー母粒子に対して、0.01質量部以上4.0質量部以下である、請求項1又は2に記載の現像剤セット。
  6. 前記外添剤粒子は、シリカ粒子を更に含み、
    前記シリカ粒子の個数平均一次粒子径は、10nm以上30nm以下である、請求項1又は2に記載の現像剤セット。
  7. 前記第1現像剤は、初期現像剤であり、
    前記第2現像剤は、補給用現像剤である、請求項1又は2に記載の現像剤セット。
  8. 請求項1又は2に記載の現像剤セットと、前記現像剤セットにより静電潜像を現像する現像装置とを備え、
    前記第1現像剤は、初期現像剤であり、
    前記第2現像剤は、補給用現像剤であり、
    前記現像装置は、前記初期現像剤を収容する収容部と、前記補給用現像剤を前記収容部に補給する補給部とを有する、画像形成装置。
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