JP2007121465A - 現像装置、並びに、これを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】連続的に画像を形成しても画像濃度の低下やゴーストが抑制できると共に、ベタ画像を形成後の次の画像にムラが発生することを抑制できる現像装置を提供すること。
【解決手段】一方向に回転する像担持体に当接または近接して配置され、一方向に回転すると共に、結着樹脂を含むトナーを少なくとも有する現像剤を前記像担持体に供給する現像ロールと、該現像ロールに近接して配置され、前記像担持体に供給される前記現像剤の量を規制する規制部材と、を少なくとも備え、前記現像ロールの全周が前記現像剤で覆われた現像装置において、前記トナーの表面がフッ素原子および/または珪素原子を含む物質を有することを特徴とする現像装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、現像剤を用いて静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置、並びに、これを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジに関するものである。
一般に、電子写真方式等の画像形成装置で用いられる現像装置としては、感光体ドラム等の像担持体上に形成された静電潜像を現像剤にて可視像化するものが知られている。
この種の現像装置には、現像剤として、トナーおよびキャリアが含まれる二成分現像剤を用いる態様、あるいは、トナーのみが含まれる一成分現像剤を用いる態様があるが、二成分現像剤を使用する態様にあっては、トナーの消費量が進むにつれてトナー濃度が低下するため、トナー濃度を維持する上で定期的にトナー補給が行われる。
このようなトナー補給は、例えばADCセンサやTCセンサのようなトナー濃度検知センサによりトナー濃度を検知し、この検知情報に基づいてトナー濃度が低下したと判断したときに行われる。
ところが、この種の方式にあっては、トナー濃度検知センサによりトナー濃度を検知しなければならないため、トナー濃度検知センサやフィードバック機構が必要不可欠であるばかりか、検知対象の濃度パッチを作成する等、トナー濃度の検知システムが面倒であるという不具合がある。
そこで、このような不具合を解決するために、トナー濃度検知センサを用いずに、現像剤の動きによってトナーを取り込み、トナー濃度を自律的に制御するようにした現像装置が提案されている(例えば、特許文献1、2等)。
上述のトナーを自律的に取り込んで現像ロール上のトナー濃度を一定に保つ、いわゆる1.5成分現像を行う現像装置においては、小型化と低コスト化のためにスクリューオーガーを用いないことが多い。このようなケースにおいて全面ベタ画像などトナー消費量の多い画像を連続してプリントアウトすると、現像ロール上の現像を終了した現像剤と新しいトナーを含んだ現像剤の入れ替わり速度がトナーの消費に追いつかず、連続枚数が増加するにしたがって画像濃度の低下を引き起こしてしまう。また逆に、連続してベタ画像などをプリントすると一時期にトナーが補給されてトナーを多く含んだ現像剤が少し遅れて現像ロール上に現れるが、そこに至るまでの撹拌経路が短いために撹拌が不十分となり、その次の画像にもやもやした斑が生じてムラが生じてしまうことがある。この傾向はトナー粒径が小さいほど顕著である。さらに、縦に長いベタ画像の後にハーフトーン画像をプリントすると、ハーフトーン内に前記ベタ画像の形が現れる、いわゆるゴースト現象が発生する。
このようなゴースト現象について図面を用いて具体的に説明する。まず、コピー原稿として図4に示す用紙の中央に、給紙方向(後述する図5中の進行方向に相当)に平行な縦長のベタパターンが形成されたパターンAを用いて1枚目の画像を形成した後、用紙の周囲を除いたほぼ全面にハーフトーンパターンが形成されたパターンBを用いて2枚目の画像を形成する。この際、図5に示されるように1枚目に形成される画像は、図4に示すパターンAのコピー原稿に対応した縦長のベタ画像が形成されるものの、2枚目には、パターンB中にパターンAの履歴が残ったハーフトーン画像が形成される。
特開2004−37907号公報 特開2005−77490号公報
本発明は、上記問題点を解決することを課題とする。すなわち、本発明は、連続的に画像を形成しても画像濃度の低下が抑制できると共に、ベタ画像を形成後の次の画像にムラが発生することを抑制し、縦長のベタ画像によるゴーストも抑制できる現像装置、並びに、これを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成するために、1.5成分現像において上述したような画像濃度の低下やムラが発生する原因について鋭意検討した。その結果、これらの現象は、トナーを消費した現像ロール上の現像剤とトナーを十分に含んだ新しい現像剤の入れ替わりが遅いことや、撹拌経路が短いことによって、画像の形成に伴い新しいトナーが多量に現像ロールへと供給された際に、新たに供給されたトナーの攪拌が不十分で低帯電の現像剤が現像部(像担持体と現像ロールとが対向する領域)に供給されてしまうことによって引き起こされたものと推定した。
特にゴースト現象は、プロセス方向に長いベタ画像の後のハーフトーン内に現れる。これは、現像ロール上で長いベタ現像により連続的に(現像ロール何周分にもわたって)トナーを失った現像ロール上の現像剤とトナーを十分に含んだ現像剤の入れ替わりが遅いため、現像ロール上にトナー濃度の低い部分が残る。この長いベタ画像の濃度は徐々に低下しているが、連続的変化のために顕著な欠陥としては現れない。しかし、その後にハーフトーン画像をプリントすると、このトナー濃度が低下した部分では比較的帯電量の高いトナーが残留しているために周囲の濃度よりも低くなってしまう。
このように、画像濃度の低下やムラ、ゴーストは、1.5成分現像を行う現像装置に起因したものであるが、ムラの改善を目的として攪拌性を向上させるためにスクリューオーガー等を用いれば、小型化や低コスト化というメリットが失われてしまう。また、現像剤の入れ替わりがよくないのは、一般の2成分現像のように現像ロール上の現像剤を一旦現像ロール上から引き離して撹拌する機構が無いためである。このような機構が無いのは、基本的に現像剤の体積変化によってトナーの取り込みを行うため、2成分現像のように現像ロールの下方で同極の磁極を隣り合わせて磁束密度を0近くにし、重力の作用で現像剤を現像ロール上から引き離すということができないことによる。すなわち、体積変化を利用するためにはトナー取り込み口以外に空いた空間を作ることができない。同極が隣接した部分があっても、それより上方にある現像剤がその部分を埋めてしまうために空間ができず、結果的に現像ロール上の現像剤は周りの現像剤に押されて同極隣接部でも重力の力で下に落ちることができない。また、強制的な掻き取り機構を設けると、スペースが狭くなったりコストアップにつながるほか、掻き取りムラによる画質欠陥やスリーブ磨耗による現像剤搬送不良を引き起こしてしまう。このため、強制的な攪拌が無くとも、現像剤収容器内に供給されたトナー自体が、現像剤に取り込まれ易い特性を有していることが重要であると考え、以下の本発明を見出した。
すなわち、本発明は、
<1>
一方向に回転する像担持体に当接または近接して配置され、一方向に回転すると共に、結着樹脂を含むトナーを少なくとも有する現像剤を前記像担持体に供給する現像ロールと、該現像ロールに近接して配置され、前記像担持体に供給される前記現像剤の量を規制する規制部材と、を少なくとも備え、前記現像ロールの全周が前記現像剤で覆われた現像装置において、
前記トナーの表面がフッ素原子および/または珪素原子を含む物質を有することを特徴とする現像装置である。
<2>
前記トナーの表面を構成する結着樹脂が、フッ素原子および/または珪素原子を含むことを特徴とする<1>に記載の現像装置である。
<3>
前記トナー表面のXPS測定による前記結着樹脂等に起因する炭素原子に対する前記フッ素原子または前記珪素原子の比率が、0.01〜1.0の範囲内であることを特徴とする<1>または<2>に記載の現像装置である。
<4>
前記トナーが、少なくとも樹脂粒子を含む原料粒子を分散させた原料分散液中で、前記原料粒子を凝集させて凝集粒子を形成する凝集工程と、前記凝集粒子を加熱して融合させる融合工程とを経て作製されることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1つに記載の現像装置である。
<5>
一方向に回転する像担持体に当接または近接して配置され、一方向に回転すると共に、結着樹脂を含むトナーを少なくとも有する現像剤を前記像担持体に供給する現像ロールと、該現像ロールに近接して配置され、前記像担持体に供給される前記現像剤の量を規制する規制部材と、を少なくとも備え、前記現像ロールの全周が前記現像剤で覆われた現像装置において、
前記トナーが、少なくとも樹脂粒子を含む原料粒子を分散させた原料分散液中で、前記原料粒子を凝集させて凝集粒子を形成する凝集工程と、前記凝集粒子を加熱して融合させる融合工程とを経て作製され、且つ、
前記トナーの形状係数SF1が145以上であることを特徴とする現像装置である。
<6>
前記トナーの体積平均粒径が5μm以下であることを特徴とする<1>〜<5>のいずれか1つに記載の現像装置である。
<7>
一方向に回転する像担持体と、該像担持体に当接または近接する現像ロールを含む<1>〜<6>のいずれか1つに記載の現像装置とを少なくとも備えたことを特徴とする画像形成装置である。
<8>
一方向に回転する像担持体と、該像担持体に当接または近接する現像ロールを含む<1>〜<6>のいずれか1つに記載の現像装置とを少なくとも備え、
画像形成装置本体に対して脱着可能であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
以上に説明したように本発明によれば、連続的に画像を形成しても画像濃度の低下が抑制できると共に、ベタ画像を形成後の次の画像にムラが発生することを抑制し、縦長のベタ画像によるゴーストも抑制できる現像装置、並びに、これを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することができる。
本発明の現像装置は、一方向に回転する像担持体に当接または近接して配置され、一方向に回転すると共に、結着樹脂を含むトナーを少なくとも有する現像剤を前記像担持体に供給する現像ロールと、該現像ロールに近接して配置され、前記像担持体に供給される前記現像剤の量を規制する規制部材と、を少なくとも備え、前記現像ロールの全周が前記現像剤で覆われた構成を有するものである。
なお、トナーを十分に含む新しい現像剤が現像ロール表面の現像剤と入れ替わりにくい傾向にある1.5成分現像を行う現像装置では、現像ロール全周が現像剤で覆われている。このため、新たに供給されたトナーが現像ロール表面の現像剤と混じり難い傾向に起因して発生する画像濃度の低下やムラは、1.5成分現像を行うことができるタイプであるか否かを問わず、現像ロール全周が現像剤で覆われている現像装置で起こりえるものと考えられる。それゆえ、本発明の現像装置は、1.5成分現像を行うことができるタイプであるか否かを問わず、現像ロール全周が現像剤で覆われている現像装置であれば特に限定されない。
このような構成を有する本発明の現像装置に用いられるトナーは、以下の(A)または(B)に示す少なくともいずれかの特徴を有する。
(A)トナーの表面がフッ素原子および/または珪素原子を含む物質を有する(第1の発明)。
(B)トナーが、いわゆる乳化重合凝集法を利用して作製されるトナー、すなわち、少なくとも樹脂粒子を含む原料粒子を分散させた原料分散液中で、前記原料粒子を凝集させて凝集粒子を形成する凝集工程と、前記凝集粒子を加熱して融合させる融合工程とを経て作製されるものであり、且つ、トナーの形状係数SF1が145以上である(第2の発明)。
ここで、第1の発明に用いられるトナーのように、トナーの表面がフッ素原子および/または珪素原子を含む物質を有する場合には、トナー表面の表面エネルギーが小さくなる(離型性が高くなる)。
このため、新たに現像ロール側へと供給されたトナーが固まりになることなく十分に分散され易く、結果的に、トナーを取り込む現像剤の表面積が増加し、トナーが素早く現像剤に取り込まれて十分に混合される。従って、短い経路で搬送した現像剤を現像ロール上に供給しても、ムラの発生を抑制できる。
また、連続的にベタ画像を形成して、多量の新たなトナーが現像ロール側へと供給されても、現像剤自体(キャリアとトナーの混合物)の流動性が高くなり、その結果、現像ロール上で現像を終了した現像剤と、トナーを十分に含んだ新しい現像剤との入れ替わり性がよくなり、濃度低下が起こらない。したがって、ベタ画像を現像した場合にも同様に現像剤の入れ替わりが良いことによってトナーの不足が生じないため、ベタ画像を現像した現像ロール上の場所と、その周囲の現像ロール上の場所との現像剤中トナー濃度に大きな差が無く、その結果、場所による大きなトナー帯電量の差が生じないので、その後にハーフトーン画像を現像しても場所による濃度の差が無く、縦長のベタ画像によるゴーストを生じることが無い。
一方、粒度分布制御性に優れた乳化重合凝集法により作製されるトナーは、懸濁重合法により作製されたトナーや粉砕法により作製されたトナーと比べると、その粒度分布が狭いために選択的な現像が起こり難く、経時的な画像濃度の低下や、連続的にベタ画像を形成後の次の画像を形成した際にムラが発生し難いものと考えられる。しかしながら、本発明者らは、乳化重合凝集法により作製されるトナーでもこれらの問題が発生してしまうことを確認した。一方、これらの問題は、結局のところ、新たに供給されるトナーが十分に分散して現像剤と混じり難いところにあるが、このような分散・混合の悪さは、乳化重合凝集法により作製されるトナーでは、その形状が球状であるためにトナーの充填密度が高く、流動性が低いという特徴に起因しているものと推定される。
それゆえ、本発明者らは、乳化重合凝集法により作製されるトナーを用いる場合には、その形状を意図的に凹凸化してトナーの充填密度を小さくすることが重要であると考えた。すなわち、第2の発明に用いられるトナーのように、形状係数SF1を一定値以上とすることによって連続的に画像を形成しても画像濃度の低下が抑制できると共に、ベタ画像を形成後の次の画像にムラが発生することを抑制し、縦長のベタ画像によるゴーストも抑制できることを見出した。
次に、第1および第2の発明に用いられるトナーの特徴について、より詳細に説明する。
−第1の発明に用いられるトナー−
第1の発明に用いるトナーには、トナーの表面がフッ素原子および/または珪素原子を含む物質を有する。この物質は、トナーの表面を構成する結着樹脂であることが好ましいが、これに限定されるものではなく、フッ素原子および/または珪素原子を含むカップリング剤等の低分子量の物質であってもよい。
なお、トナーの表面を構成する結着樹脂が、フッ素原子および/または珪素原子を含む場合、トナー表面のXPS測定による結着樹脂等に起因する炭素原子に対するフッ素原子または珪素原子の比率(F/C比、または、F/Si比)が、0.01〜1.0の範囲内であることが好ましく、0.02〜0.08の範囲内であることがより好ましく、0.05〜0.6の範囲内であることが更に好ましい。
F/C比や、F/Si比が0.01未満の場合にはトナー表面を十分に低エネルギー化することができないため、流動性が低下し、連続的に画像を形成した場合に画像濃度が低下したり、ベタ画像を形成後の次の画像にムラが発生してしまう場合がある。従って、これらの問題の発生を抑制する観点からは、F/C比や、F/Si比は大きい方が好ましいが、大き過ぎる場合には結着樹脂の溶融粘度が高くなるだけでなく、トナー溶融時に粘着性が低下するため、用紙などの記録媒体への定着性が低下してしまう場合がある。
また、フッ素原子及び/または珪素原子を含む結着樹脂は、トナー表面から1μm未満の深さの範囲内に存在していることが好ましく、上述したF/C比や、F/Si比はトナー表面から1μm未満の深さの範囲内でのみ満たされていることが好ましい。トナー表面から1μm以上の深さの部分においてもフッ素原子及び/または珪素原子を含む結着樹脂が存在し、この部分でF/C比や、F/Si比が0.01を超えると、トナー中に含まれる結着樹脂全体の溶融粘度が高くなるだけでなく、トナー溶融時に粘着性が低下するため、用紙などの記録媒体への定着性が低下してしまう場合がある。
なお、F/C比及び/またはSi/C比が0.01〜1の範囲となるトナー表面からの深さは0.9μm以下の範囲がより好ましく、0.6μmの範囲がさらに好ましい。但し、トナー粒子表面におけるフッ素原子または珪素原子を含む樹脂成分の層厚が薄すぎる場合には、連続使用時におけるトナー表面の離型性の低下によって、流動性が低下し、上述したような画像濃度の低下やムラが発生しやすくなるため、F/C比及び/またはSi/C比が0.01〜1の範囲となるトナー表面からの深さは0.01μm以上であることが好ましい。
一方、定着性の観点から、トナー表面からの深さは1μm以上の部分では、F/C比及び/またはSi/C比は、0.01以下であることが好ましく、0.005以下であることがより好ましく、理想的には0である。
なお、F/C比、および、Si/C比の測定は、X線光電子分光法(XPS)においてトナー表面をArイオンにより深さ方向にスパッタリングすることにより行うことができる。
XPS測定装置としては、日本電子製 JPS−9000MXを使用し、X線源をMg Kα、加速電圧を10.0kV、エミッション電流を20mVとして行った。
測定は、あらかじめトナーを構成する結着樹脂の平坦膜を用いスパッタリング時間とスパッタリング厚みの関係を求めた上で、トナーサンプルを1cm×1cmのAl製箱状台座に敷き詰め圧密充填し、加速電圧400V、連続モードの条件でArイオンでトナー表面からスパッタリングすることにより実施し、トナー表面からの深さがスパッタリング時間相当で所定の深さとなった時点のF/C比、Si/C比を求めた。
−第2の発明に用いられるトナー−
第2の発明に用いるトナーは、その形状係数SF1が145以上であることが必要であり、150以上であることがより好ましい。
通常、トナーの形状や粒度分布制御性に優れた乳化重合凝集法を利用して作製されるトナーの形状係数SF1は、140未満のいわゆる球状トナーであるため、流動性が悪く、連続的に画像を形成した場合に画像濃度の低下が起こったり、ベタ画像を形成後の次の画像にムラが発生したり、あるいは、縦長のベタ画像によるゴーストが発生してしまう。しかし、第2の発明に用いるトナーは形状係数SF1が145以上であるためこのような問題の発生を抑制することができる。
なお、形状係数SF1は大きければ大きい方がより好ましいが、大きすぎる場合には、トナーの製造自体が困難となったり、高精細な画像が得られにくくなる場合があるため、実用上は160以下であることが好ましい。
なお、本発明において、形状係数SF1とは、下式(1)で定義される値を意味する。
・式(1) SF1=((トナー径の絶対最大長)2/トナーの投影面積)×(π/4)×100
ここで、式(1)に示されるトナー径の絶対最大長、トナーの投影面積は光学顕微鏡(ニコン製、Microphoto−FXA)を用いて倍率500倍に拡大したトナー粒子像を撮影し、得られた画像情報をインターフェースを介して例えばニコレ社製画像解析装置(LuzexIII)に導入して画像解析を行うことにより求めた。
また、形状係数SF1の値は、無作為にサンプリングした1000個のトナー粒子を測定して得られたデータを元に、平均値として算出した。
なお、第1の発明に用いられるトナーも、乳化重合凝集法により作製されたものであることが好ましく、さらに本発明の現像装置に用いるトナーは、第1の発明および第2の発明に用いるトナー双方の特徴を有するものであることがより好ましい。
−トナー−
次に、本発明に用いるトナーの構成材料やその製造方法についてより詳細に説明する。
第1の発明に用いられるトナーは、トナーの表面がフッ素原子および/または珪素原子を含む物質を有するものであれば特に限定されず、粉砕法や懸濁重合法等、公知の製法により作製したものが利用できるが、粒度分布が狭く選択的現像を抑制しやすい乳化重合凝集法により作製されたものであることが好ましい。また、第2の発明に用いられるトナーは乳化重合凝集法を利用して、形状係数SF1が上述した範囲となるように作製されるものであれば特に限定されない。
以下、本発明に用いられるトナーが乳化重合凝集法を利用して作製されることを前提として、その構成材料等について説明する。なお、第1の発明に用いられるトナーが乳化重合凝集法以外の製法で作製される場合においても、以下に説明する構成材料等については同様のものが利用ないし適用できる。
乳化重合凝集法を利用して本発明に用いられるトナーを作製する場合、トナーは、少なくとも樹脂粒子を含む原料粒子を分散させた原料分散液中で、原料粒子を凝集させて凝集粒子を形成する凝集工程と、凝集粒子を加熱して融合させる融合工程とを経て作製される。また、必要に応じて、凝集粒子の表面に樹脂粒子を付着させる付着工程を設けてもよい。
なお、原料分散液は、樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液の他に、着色剤粒子を分散させた着色剤粒子分散液が少なくとも用いられ、この他にも必要に応じて、離型剤を分散させた離型剤分散液等の他の分散液を用い、これら分散液を混合して調整される。
また、トナーは単層構造であってもよいが、コア層とこのコア層を被覆するシェル層とからなるコアシェル構造を有するものであってもよい。単層構造の場合には、結着樹脂として非晶質樹脂を用いることが好ましく、コアシェル構造の場合には、コア層を構成する結着樹脂として結晶性樹脂を、シェル層を構成する結着樹脂として非晶質樹脂を用いることが好ましい。
なお、第1の発明に用いられるトナーを作製する場合には、凝集工程、融合工程の他に、付着工程を実施し、通常の炭素原子および水素原子を主体とする結着樹脂を含むコア層と、フッ素原子および/または珪素原子を含む結着樹脂からなるシェル層とをコアシェル構造のトナーを作製することが好ましい。
−第1および第2の発明に用いられるトナーの結着樹脂(第1の結着樹脂)−
第1および第2の発明に用いられるトナーの結着樹脂(第1の結着樹脂)は、ビニル系樹脂を代表とする非晶性樹脂はもとより、非結晶性のポリエステル樹脂、結晶性樹脂など様々なものを用いることができる。
上記非晶性樹脂としての例としては、スチレン、パラクロルスチレンなどのスチレン類;ビニルナフタレン、塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのメチレン脂肪族カルボン酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリルロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;N―ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物;アクリルアミドなどの含N極性基を有する単量体やメタクリル酸;アクリル酸、桂皮酸、カルボキシエチルアクリレートなどのビニルカルボン酸類;などビニル系モノマーの単量体などの重合体、またはこれらを2種以上組み合せた共重合体、またはこれらの混合物、さらにはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、またはこれらと前記ビニル系樹脂との混合物、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等を挙げることができる。これらの樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、結晶性樹脂として結晶性樹脂を用いることが好ましい。結晶性樹脂を用いることにより、低温定着性に優れ、かつクリーニング性にも優れるトナーを得ることができる。
上記結晶性樹脂としては、結晶性ポリエステル樹脂が好ましく、また適度な融点をもつ脂肪族系の結晶性ポリエステル樹脂がより好ましい。以下、本発明に用いる結晶性樹脂として結晶性ポリエステル樹脂を例に説明する。
脂肪族系の結晶性ポリエステル樹脂には、ポリカプロラクトンのように開環重合的に進行するポリエステルもあるが、酸(ジカルボン酸)成分とアルコール(ジオール)成分とから合成されるものも多い。前記ポリエステル樹脂が結晶性であると、良好な低温定着性を確保しつつ、耐トナーブロッキング性、画像保存性を保つことができるため好ましい。
なお本発明において、「結晶性ポリエステル樹脂」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものを指す。また、前記結晶性ポリエステル主鎖に対して他成分を共重合したポリマーの場合、他成分が50重量%以下の場合、この共重合体も結晶性ポリエステル樹脂と呼ぶ。以下の説明において、「酸由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前には酸成分であった構成部位を指し、「アルコール由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前にはアルコール成分であった構成部位を指す。
前記酸由来構成成分は、脂肪族ジカルボン酸が望ましく特に直鎖型のカルボン酸が望ましい。例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸など、あるいはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられるが、この限りではない。
前記酸由来構成成分としては、前記脂肪族ジカルボン酸由来構成成分のほか、2重結合を持つジカルボン酸由来構成成分、スルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分等の構成成分が含まれているのが好ましい。
なお、前記2重結合を持つジカルボン酸由来構成成分には、2重結合を持つジカルボン酸に由来する構成成分のほか、2重結合を持つジカルボン酸の低級アルキルエステルまたは酸無水物等に由来する構成成分も含まれる。また、前記スルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分には、スルホン酸基を持つジカルボン酸に由来する構成成分のほか、スルホン酸基を持つジカルボン酸の低級アルキルエステルまたは酸無水物等に由来する構成成分も含まれる。
前記2重結合を持つジカルボン酸は、その2重結合を利用して樹脂全体を架橋させ得る点で、定着時のホットオフセットを防ぐために好適に用いることができる。このようなジカルボン酸としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、3−ヘキセンジオイック酸、3−オクテンジオイック酸等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でも、コストの点で、フマル酸、マレイン酸等が好ましい。
また、前記スルホン酸基を持つジカルボン酸は、顔料等の着色剤の分散を良好にできる点で有効である。
樹脂全体を水に乳化あるいは懸濁して樹脂粒子に作製する際に、スルホン酸基があれば、後述するように、界面活性剤を使用しないで乳化あるいは懸濁が可能である。このようなスルホン基を持つジカルボン酸としては、例えば、2−スルホテレフタル酸ナトリウム塩、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩、スルホコハク酸ナトリウム塩等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でも、コストの点で、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩等が好ましい。
前記脂肪族ジカルボン酸由来構成成分以外の酸由来構成成分(2重結合を持つジカルボン酸由来構成成分及び/またはスルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分)の、酸由来構成成分における含有量としては、1〜20構成モル%の範囲が好ましく、2〜10構成モル%の範囲がより好ましい。
前記含有量が、1構成モル%未満の場合には、顔料分散が良くなかったり、乳化粒子径が大きくなり、凝集によるトナー径の調整が困難となることがある。一方、20構成モル%を超えると、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下して、画像の保存性が悪くなったり、乳化粒子径が小さ過ぎて水に溶解し、ラテックスが生じないことがある。
なお、本発明において、上記「構成モル%」とは、ポリエステル樹脂における各構成成分(酸由来構成成分、アルコール由来構成成分)を1単位(モル)したときの百分率を指す。
前記アルコール由来構成成分としては、脂肪族ジオールが望ましく、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9―ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ドデカンジオール、1,12−ウンデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、などが挙げられるが、この限りではない。
前記アルコール由来構成成分が脂肪族ジオール由来構成成分の場合には、脂肪族ジオール由来構成成分の含有量が80構成モル%以上であって、必要に応じてその他の成分を含む。さらに前記アルコール由来構成成分が脂肪族ジオール由来構成成分の場合、前記脂肪族ジオール由来構成成分の含有量は90構成モル%以上であるのが好ましい。
前記脂肪族ジオール由来構成成分の含有量が、80構成モル%未満では、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下するため、耐トナーブロッキング性、画像保存性及び、低温定着性が悪化してしまう場合がある。
前記必要に応じて含まれるその他の成分としては、2重結合を持つジオール由来構成成分、スルホン酸基を持つジオール由来構成成分等の構成成分である。前記2重結合を持つジオールとしては、2−ブテン−1,4−ジオール、3−ブテン−1,6−ジオール、4−ブテン−1,8−ジオール等が挙げられる。前記スルホン酸基を持つジオールとしては、1,4−ジヒドロキシ−2−スルホン酸ベンゼンナトリウム塩、1,3−ジヒドロキシメチル−5−スルホン酸ベンゼンナトリウム塩、2−スルホ−1,4−ブタンジオールナトリウム塩等が挙げられる。
これらの、直鎖型の脂肪族ジオール由来構成成分以外のアルコール由来構成成分を加える場合、すなわち2重結合を持つジオール由来構成成分及び/またはスルホン酸基を持つジオール由来構成成分を加える場合、全アルコール由来構成成分における2重結合を持つジオール由来構成成分及び/またはスルホン酸基を持つジオール由来構成成分の含有量は、1〜20構成モル%の範囲が好ましく、2〜10構成モル%の範囲がより好ましい。
前記脂肪族ジオール由来構成成分以外のアルコール由来構成成分の含有量が、全アルコール由来構成成分に対して1構成モル%未満の場合には、顔料分散が良くなかったり、乳化粒子径が大きくなったり、凝集によるトナー径の調整が困難となることがある。一方、20構成モル%を超えると、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下して、画像の保存性が悪くなったり、乳化粒子径が小さ過ぎて水に溶解し、ラテックスが生じないことがある。
本発明に用い得る結晶性ポリエステル樹脂の融点は50〜120℃の範囲が好ましく、より好ましくは60〜110℃の範囲である。融点が50℃より低いとトナーの保存性や、定着後のトナー画像の保存性が問題となる。また、120℃より高いと、従来のトナーに比べて十分な低温定着が得られない。
なお、前記結晶性樹脂の融点の測定には、示差走査熱量計(DSC)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時のJIS K−7121に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めることができる。この場合、結晶性の樹脂には、複数の融解ピークを示す場合があるが、本発明においては、最大のピークをもって融点とみなす。
前記結晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができ、例えば、直接重縮合、エステル交換法等を、モノマーの種類によって使い分けて製造する。前記酸成分とアルコール成分とを反応させる際のモル比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概には言えないが、通常1/1程度である。
前記結晶性ポリエステル樹脂の製造は、重合温度が180〜230℃の間で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーとそのモノマーと重縮合予定の酸またはアルコールとを縮合させておいてから主成分と供に重縮合させるとよい。
前記結晶性ポリエステル樹脂の製造時に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物、亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物、亜リン酸化合物、リン酸化合物、及び、アミン化合物等が挙げられ、具体的には、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジt−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。
−第1の発明に用いられるトナーの結着樹脂(第2の結着樹脂)−
第1の発明に用いられるトナーの結着樹脂としては、フッ素原子および/または珪素原子を含む結着樹脂(第2の結着樹脂)を用いることが好ましく、トナーの作製に際しては、上述の第1の結着樹脂と併用することが好ましい。
第2の結着樹脂の作製方法としては、通常のスチレン、メタクリル酸メチルなどのビニル系単量体と、シリコンアクリレート、シリコンメタクリレート、フルオロシリコンアクリレート、フルオロシリコンメタクリレート、フルオロアクリレート、フルオロメタクリレートなどの含珪素、含フッ素系単量体とを乳化共重合したり、あらかじめ重合した含珪素、含フッ素系単量体を、通常のビニル系単量体にミニエマルション法などにより共存させて共存重合する方法などがある。なお、上記含フッ素系単量体、含珪素単量体は1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
第2の結着樹脂に含まれる低表面エネルギー基(フッ素原子、珪素原子を含む基)は、水中ではトナー粒子内部に内向きに埋没していると考えられるが、乾燥時に表面から水分がなくなることや加わる熱などによってトナー表面に露出し、低表面エネルギー作用を示すものと考えられる。
したがってトナー粒子乾燥時には、トナーの融点またがガラス転移点以下であり、30℃以上、好ましくは40℃以上で加熱することが、トナー粒子表面の表面エネルギーを低下させるためには有効である。
前記共重合により低表面エネルギー性を付与できる単量体あるいはコポリマーの例としては、以下のようなものが挙げられる。なお、下記構造式におけるMWは重量平均分子量を示す。
・パーフルオロアルキルエチルアクリレート(Cx2x+124OOCH=CH2、PFAA、xは1〜30の整数)
・シロキサニルメタクリレート(SiMA)
・シリルプロピルメタクリレート
・トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート(下記構造式(1))
・ペンタメチルジシロキサニルプロピルメタクリレート(下記構造式(2))
・トリフルオロエチルメタクリレート(FMA、下記構造式(3))
・ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート(下記構造式(4))
・パーフルオロオクチルエチルメタクリレート(下記構造式(5))
・SiMAとFMAとを主体とするコポリマー
Figure 2007121465
Figure 2007121465
第2の結着樹脂は、上記低表面エネルギー性を付与できる単量体等を単独、あるいは2種以上を用い、またはこれらと上述した第1の結着樹脂の作製に用いる単量体とを組合せて、後述する乳化重合法により得ることができる。得られた第2の結着樹脂における前記低表面性を付与できる単量体の含有量は、0.1〜30モル%の範囲であることが好ましく、0.2〜20モル%の範囲であることがより好ましい。
−樹脂粒子分散液−
次に、第1の結着樹脂および/または第2の結着樹脂を含む樹脂粒子を分散させてなる樹脂粒子分散液について説明する。
樹脂粒子分散液における分散媒としては、例えば水系媒体や有機溶剤などが挙げられる。
前記水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明においては、前記水系媒体に界面活性剤を添加混合しておくのが好ましい。界面活性剤としては特に限定されるものでは無いが、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤などが挙げられる。これらの中でもアニオン界面活性剤、カチオン系界面活性剤が好ましい。前記非イオン系界面活性剤は、前記アニオン界面活性剤またはカチオン系界面活性剤と併用されるのが好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記アニオン界面活性剤の具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどが挙げられる。また、前記カチオン界面活性剤の具体例としては、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。これらの中でもアニオン界面活性剤、カチオン系界面活性剤等のイオン性界面活性剤が好ましい。
前記有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、トルエンが挙げられ、前記結着樹脂に応じて適宜選択して用いる。
前記樹脂粒子が、前記ビニル基を有するエステル類、前記ビニルニトリル類、前記ビニルエーテル類、前記ビニルケトン類等のビニル系単量体の単独重合体または共重合体(ビニル系樹脂)である場合には、前記ビニル系単量体をイオン性界面活性剤中で乳化重合やシード重合等することにより、ビニル系単量体の単独重合体または共重合体(ビニル系樹脂)製の樹脂粒子をイオン性界面活性剤に分散させてなる分散液が調製される。
前記樹脂粒子が、前記ビニル系単量体の単独重合体または共重合体以外の樹脂である場合には、該樹脂が、水への溶解度が比較的低い油性溶剤に溶解するのであれば、該樹脂を該油性溶剤に溶解させ、この溶液を、ホモジナイザー等の分散機を用いてイオン性界面活性剤や高分子電解質と共に水中に微粒子分散し、その後、加熱または減圧して該油性溶剤を蒸散させることにより、ビニル系樹脂以外の樹脂粒子をイオン性界面活性剤に分散させてなる分散液が調製される。
一方、前記樹脂粒子が、前記結晶性ポリエステル及び無定形ポリエステル樹脂である場合、中和によりアニオン型となり得る官能基を含有した、自己水分散性をもっており、親水性となり得る官能基の一部または全部が塩基で中和された、水性媒体の作用下で安定した水分散体を形成できる。結晶性ポリエステル及び無定形ポリエステル樹脂において中和により親水性基と成り得る官能基はカルボキシル基やスルフォン基等の酸性基であるため、中和剤としては例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、アンモニア等の無機塩基や、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミンなどの有機塩基が挙げられる。
また、樹脂粒子としてそれ自体水に分散しない、すなわち自己水分散性を有しないポリエステル樹脂を用いる場合には、後述する離型剤と同様、樹脂溶液及びまたはそれと混合する水性媒体に、イオン性界面活性剤、高分子酸、高分子塩基等の高分子電解質と共に分散し、融点以上に加熱し、強い剪断力を印加可能なホモジナイザーや圧力吐出型分散機を用いて処理すると、容易に粒径が1μm以下の微粒子にされ得る。このイオン性界面活性剤や高分子電解質を用いる場合には、その水性媒体中における濃度は、0.5〜5重量%程度になるようにするのが適当である。
このようにして得られる樹脂粒子分散液中の樹脂粒子の体積平均粒径は、樹脂粒子が第1の結着樹脂あるいは第2の結着樹脂のいずれから構成される場合でも、1μm 以下であることが好ましく、好ましくは50〜400nmの範囲、より好ましくは70〜350nmの範囲である。
前記体積平均粒径が1μmを越えると、最終的に得られるトナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招き易い。一方、前記体積平均粒径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。
なお、前記樹脂粒子の体積平均粒径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定した。
−着色剤粒子分散液−
着色剤粒子分散液の作製に用いる着色剤としては、例えば、次のような着色剤を使用することができる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイト等を挙げることができる。黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、クロムイエロー、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G 、ベンジジンイエローG 、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーメネントイエローNCG等を挙げることができる。
橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR 、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG 、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダスレンブリリアントオレンジGK等を挙げることができる。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC 、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキ、ピグメントレッド−146、−147、−184、−185、−155、−238、−269などのナフトールレッド等を挙げることができる。
青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレートなどを挙げることができる。 紫色顔料としては、マンガン紫、ファストバイオレットB 、メチルバイオレットレーキ等を挙げることができる。
緑色顔料としては、酸化クロム、クロムグリーン、ピグメントグリーン、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等を挙げることができる。白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等をあげることができる。さらに、体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等を挙げることができる。
また、染料としては、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料、例えば、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等があげられる。
これらの着色剤は単独もしくは混合して使用される。これらの着色剤は、例えば、回転せん断型ホモジナイザーやボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等を用いて着色剤粒子の分散液として調製することができる。また、これらの着色剤粒子は極性を有する界面活性剤を用いて、ホモジナイザーによって水系に分散することもできる。
本発明に用いられる着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透過性、トナー中での分散性の観点から選択される。そして、着色剤は、トナー構成固体分総重量に対して、4〜15重量%の範囲で添加することができる。また、黒色着色剤として磁性体を用いる場合は、他の着色剤とは異なり、12〜240重量%の範囲で添加することができる。前記の着色剤の配合量は、定着時の発色性を確保するための必要量である。
前記着色剤粒子の体積平均粒径は100〜330nmの範囲にすることが好ましく、これにより、OHP透明性及び発色性を確保することができる。
なお、着色剤粒子の体積平均粒径は、前記同様レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定した。
−その他の成分−
本発明においては、必要によりトナー粒子に離型剤を含有させることができる。本発明で使用する離型剤の具体例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を示すシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類や、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのような動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物系・石油系ワックス、及びそれらの変性物などを挙げることができる。
これらのワックス類は、室温付近では、トルエンなど溶剤にはほとんど溶解しないか、溶解しても極めて微量である。
上記ワックス類は、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、融点以上に加熱するとともに、強い剪断付与能力を有するホモジナイザーや圧力吐出型分散機(ゴーリンホモジナイザー、ゴーリン社製)で微粒子状に分散させ、体積平均粒径が1μm以下の離型剤粒子を分散させた離型剤分散液とすることができる。
これらの離型剤は、トナー構成固体分総重量に対して5〜25重量%の範囲で添加することが、オイルレス定着システムにおける定着画像の剥離性を確保する上で望ましい。
なお、得られた離形剤粒子分散液の粒子径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定することができる。また、離型剤を使用するときには、樹脂粒子、着色剤粒子及び離型剤粒子を凝集した後に、さらに樹脂粒子分散液を追加して凝集粒子表面に樹脂粒子を付着することが帯電性、耐久性を確保する観点から望ましい。
また、必要に応じて、他の成分として画像の耐候性などを向上させるために重合性紫外線安定性単量体などを含有してもよい。
重合性紫外線安定性単量体の例としては、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのピペリジン系化合物が効果的である。これらは、1種また2種以上混合して用いることができる。
また、帯電制御剤として4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミ、鉄、クロムなどの錯体からなる染料やトリフェニルメタン系顔料など通常使用される種々の帯電制御剤を使用することができるが、凝集や合一時の安定性に影響するイオン強度の制御と廃水汚染減少の点から水に溶解しにくい材料が好適である。
なお、乳化重合、シード重合、着色剤の分散、樹脂粒子の分散、離型剤の分散、凝集、またはその安定化などに用いる界面活性剤の例としては、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤、アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン系界面活性剤、またポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤を併用することも効果的であり、分散のため手段としては、回転せん断型ホモジナイザーやメデイアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的なものが使用可能である。
次に、本発明に用いられるトナーの製造プロセスの詳細について、凝集工程、付着工程、融合工程、その他の工程の順に説明する。
−凝集工程−
凝集工程に用いる原料分散液は、樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液と、着色剤粒子を分散させた着色剤分散液と、この他、必要に応じて用いられる離型剤分散液等のその他の分散液を混合することによって調整される。
なお、第1の本発明に用いるトナーを作製する場合には、原料分散液の調整に用いる樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子は第1の結着樹脂を含むものであることが好ましい。
このようにして得られた原料分散液を、室温から結着樹脂のガラス転移温度の範囲において加熱することにより樹脂粒子や着色剤粒子等の各種原料粒子を凝集させて、凝集粒子を形成する。この凝集粒子の体積平均粒径は、3〜5μmの範囲にあることが好ましい。
前記樹脂粒子分散液と前記着色剤粒子分散液とを混合した場合における、前記樹脂粒子の含有量としては、40重量%以下であればよく、2〜20重量%の範囲程度であるのが好ましい。また、前記着色剤の含有量としては、50重量%以下であればよく、2〜40重量%の範囲程度であるのが好ましい。さらに、前記その他の成分(粒子)の含有量としては、本発明の目的を阻害しない程度であればよく、一般的には極く少量であり、具体的には0.01〜5重量%の範囲程度であり、0.5〜2重量%の範囲程度が好ましい。
−付着工程−
凝集工程を経た後は、必要に応じて付着工程を実施することができる。付着工程は、凝集粒子が形成された原料分散液中に、樹脂粒子分散液を添加混合して凝集粒子に樹脂粒子を付着させて、コア層となる凝集粒子の表面をシェル層となる樹脂粒子で被覆し、コアシェル構造を有する凝集粒子(以下、「付着凝集粒子」と称す場合がある)を形成する工程である。
このような付着工程を経て作製されるトナーは、コア層となる凝集粒子に含まれる着色剤や離型剤等の成分が、シェル層となる樹脂粒子によって被覆され、コアシェル構造を形成するため、トナーに内包される離型剤等の成分のトナー粒子表面への露出等が効果的に防止される。
なお、第1の発明に用いられるトナーを作製する場合には、第2の結着樹脂を含む樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液を用いて付着工程を実施することが好ましい。
この場合、付着工程において分散液中に存在させる第2の結着樹脂を含む樹脂粒子と凝集粒子との混合比(第2の結着樹脂を含む樹脂粒子/凝集粒子)は、固形分重量比で、2/100〜50/100の範囲が好ましく、5/100〜40/100の範囲がより好ましい。上記混合比が2/100より少ないと、トナー表面の低表面エネルギー化が充分でなく高い離型性が得られない場合がある。また、50/100より多いと、トナー中に占めるフッ素原子や珪素原子を含む結着樹脂の割合が多くなりすぎて定着性等が悪化する場合がある。
凝集粒子の表面にシェル層となる樹脂粒子を付着させる条件は、以下の通りである。
すなわち、温度としては、コア層となる凝集粒子を構成する樹脂粒子中の樹脂のガラス転移点(あるいは融点)以下の温度であり、室温程度であるのが好ましい。ガラス転移点(あるいは融点)以下の温度で加熱すると、コア層となる凝集粒子とシェル層となる樹脂粒子とが付着し易くなり、その結果、形成される付着凝集粒子が安定し易くなる。
加熱処理時間としては、加熱温度に依存するので一概に規定することはできないが、通常5分〜2時間の範囲程度である。
なお、付着工程を実施する際、コア層となる凝集粒子とシェル層となる樹脂粒子とを含有する分散液は、静置されていてもよいし、ミキサー等により穏やかに攪拌されていてもよい。後者の場合の方が、均一な付着凝集粒子が形成され易い点で有利である。
−融合工程−
凝集工程、あるいは、付着工程の後には、融合工程を実施する。
融合工程は、凝集工程を経て得られた凝集粒子を含む原料分散液を凝集粒子を構成する結着樹脂のガラス転移点以上の温度に加熱、あるいは、付着工程を経て得られた付着凝集粒子を含む原料分散液をシェル層となる結着樹脂のガラス転移点以上の温度に加熱することにより行われる。これにより、凝集粒子あるいは付着凝集粒子が融合し、トナー粒子を含むトナースラリーを得ることができる。ここで、融合工程における加熱処理は、一般には70〜120℃の範囲で行われる。
−その他の工程−
融合工程を終了した後、任意の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て所望のトナー粒子を得るが、洗浄工程は帯電性を考慮すると、イオン交換水で十分に置換洗浄することが望ましい。また、固液分離工程には特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等が好適である。さらに、乾燥工程も特に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。 また、乾燥工程を経た後は、必要に応じて種々の外添剤を添加することができる。
−外添剤−
外添剤としては、動性付与やクリーニング性向上の目的で通常のトナーと同様に乾燥した後、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウムなどの無機微粒子やビニル系樹脂、ポリエステル、シリコーンなどの樹脂粒子を乾燥状態でせん断をかけながら前記トナー粒子表面に添加して使用することができる。
また、水中にてトナー表面に付着せしめる場合には、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど通常トナー表面の外添剤として使うすべてのものをイオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基で分散することにより使用することができる。
本発明に用いられるトナーの体積平均粒径は、2.0〜5.0μmの範囲内であることが好ましく、2.0〜4.0μmの範囲内であることがより好ましい。5.0μmを超えると画像の均一性が低下する場合がある。なお、トナーの体積平均粒径が5.0μm以下では、高精細な画像を得ることが容易になる反面、トナーの流動性が低下する傾向にある。しかしながら、本発明に用いられるトナーは、上述したように離型性が高い、および/または、乳化重合凝集法により作製され且つ表面が凹凸を有するため、トナー粒径の小径化に伴う流動性の低下を抑制することができる。一方、2.0μmを下回ると、帯電性が不十分になり、現像性が低下することがある。
また、本発明に用いられるトナーの体積平均粒度分布指標GSDvは、1.25以下であることが好ましい。GSDvが1.25を超えると、解像性が著しく低下し、トナー飛散やカブリ等の画像欠陥の原因となる。
なお、体積平均粒径や体積平均粒度分布指標は、以下のようにして求めた。まず、コールターカウンターTAII(ベックマン−コールター社製)、マルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)等の測定器で測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積D16v、数D16p、累積50%となる粒径を体積D50v、数D50p、累積84%となる粒径を体積D84v、数D84pと定義する。ここで体積平均粒径はD50vとして求め、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2として求めた。
−現像剤−
本発明の現像装置には、上述したトナーを少なくとも含む現像剤が用いられるが、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤を用いることが好ましい。
二成分現像剤に使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いることができる。例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これら芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア等を挙げることができる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
キャリアに使用される被覆樹脂・マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
導電材料としては、金、銀、銅といった金属やカーボンブラック、更に酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
またキャリアの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、磁性材料であることが好ましい。
キャリアの芯材の体積平均粒径としては、一般的には10〜500μmであり、好ましくは30〜100μmである。
またキャリアの芯材の表面に樹脂被覆するには、前記被覆樹脂、および必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して適宜選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、キャリアの芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、キャリアの芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法が挙げられる。
前記二成分現像剤におけるトナーと上記キャリアとの混合比(重量比)としては、トナー:キャリア=1:100〜30:100程度の範囲であり、3:100〜20:100程度の範囲がより好ましい。
−現像装置、画像形成装置、プロセスカートリッジ−
次に、本発明の現像装置の構成や、この現像装置を用いた画像形成装置およびプロセスカートリッジの構成について以下に説明する。
本発明の現像装置は、一方向に回転する像担持体に当接または近接して配置され、一方向に回転すると共に、結着樹脂を含むトナーを少なくとも有する現像剤を前記像担持体に供給する現像ロールと、該現像ロールに近接して配置され、前記像担持体に供給される前記現像剤の量を規制する規制部材と、を少なくとも備え、前記現像ロールの全周が前記現像剤で覆われた構成を有するものであれば特に限定されないが、具体的には以下の構成を有していることが好ましい。
すなわち、現像ロールに隣接し且つ規制部材よりも現像ロール回転方向上流側にて現像剤を収容する現像剤収容部と、この現像剤収容部を介して現像ロールと連通して設けられ且つトナーを供給可能に収容するトナー収容部とを更に備えると共に、現像ロール上の現像剤または現像剤収容部現像剤のトナー濃度に応じて自律的にトナー収容部内のトナーを取り込む構成を有していることが好ましい。また、現像剤として、上述したトナーとキャリアとを含む二成分現像剤を用いる場合には、現像ロールがその内部に磁界発生手段を具備する。
次に、本発明の現像装置を、図面を用いてより具体的に説明する。
図1は、本発明の現像装置の一構成例を示す概略模式図である。図1中、20は感光体ドラム(像担持体)、30は現像装置、31は現像ハウジング、32は現像ロール、33は規制部材、34は現像剤収容部、35はトナー収容部、36は連通口、37はブロック、40は磁性ロール、50は補助規制部材、60はアジテータを表す。
図1に示す現像装置30は、矢印A方向に回転する感光体ドラム20に向かって開口する現像ハウジング31を有し、この現像ハウジング31の開口に面して、感光体ドラム20に当接して配置され、感光体ドラム20の回転に従って矢印B方向に回転すると共に、現像剤Gを感光体ドラム20に供給する現像ロール32を配設し、現像ハウジング31の開口上縁には現像ロール32表面の二成分系の現像剤Gの層厚を規制する規制部材33を現像ロール32に圧接して設け、現像ハウジング31のうち、現像ロール32に隣接した部位には現像剤Gが収容される現像剤収容部34と、この現像剤収容部34を介して現像ロール32に連通し且つトナーTが収容されるトナー収容部35とから主に構成されており、現像ロール32の全周は、現像剤Gによって覆われている。
なお、現像剤G中のトナーは、非磁性トナーを用いているが、キャリアと磁気特性が異なるものであれば、磁性トナーを用いても差し支えない。
また、現像ロール32は、回転可能な非磁性のスリーブ(不図示)と、このスリーブの内部に固定的に配設された磁極ロール(不図示)とを備えており、磁極ロールには現像ロール32本体の周囲に所定角度間隔で複数の磁極が配設されており、トナーおよびキャリア(磁性キャリア)が含まれる現像剤Gが現像ロール32の外周に磁気的に付着するようになっている。更に、スリーブには所定の現像バイアスを印加するためのバイアス電源(不図示)が接続されている。
規制部材33は、例えばSUS304製の板材からなり、現像ロール32との間が現像剤Gの層厚規制用ギャップg0(例えば300〜600μm)となるだけ離間して配置することができる。
また、現像剤収容部34は現像剤Gが収容されるスペースを有し、現像剤収容部34内のうち現像ロール32に近接(または接触)した部位に磁性ロール40が回転自在に配設されている。
そして、現像剤収容部34の底部形状は現像ロール32および磁性ロール40に沿った湾曲形状を有しており、現像ロール32、磁性ロール40との間に所定間隔の現像剤搬送路を確保している。
なお、磁性ロール40としては、例えば、軟磁性体のSUM製で径7mmφのロールであり、その表面粗さを例えば十点平均粗さRzで10〜30μm程度に粗面化した後、無電解Niメッキを施したものなどが利用できる。
そして、この磁性ロール40は、現像ロール32から所定のギャップg1(例えば0.8〜1.2mm)だけ離間して配設されており、この磁性ロール40の回転移動方向は、現像ロール32の対向部にて現像ロール32の回転移動方向と同一方向に設定されている。
更に、現像剤収容部34の底部のうち、磁性ロール40の近傍で現像ロール32の反対側には、例えばSUS304製の板材からなる補助規制部材50が取り付けられており、磁性ロール40と補助規制部材50との間のギャップg2(例えば0.4〜0.8mm)は前記ギャップg1よりも狭く設定されている。
更にまた、磁性ロール40には必要に応じて所定のバイアスを印加するためのバイアス電源(不図示)が接続される。ここでいうバイアス電源とはトナーTを現像ロール32側に転移させるような電界が形成されるようなバイアスを意味する。
トナー収容部35には、収容されたトナーTが攪拌搬送せしめられるアジテーター60を有しており、このアジテーター60は例えば回転体に弾性フィルムを付けたもので、トナー収容部35の底壁面に沿ってトナーTを掃き出すようにしたものである。
そして、このトナー収容部35の底部形状はアジテーター60の移動回転軌跡に沿う湾曲形状を有しており、現像剤収容部34とトナー収容部35との間の連結部には連通口36が設けられ、この連通口36の下端縁はアジテーター60の中心軸位置より僅かに低く設定されている。
一方、連通口36の上端縁付近には、現像剤収容部34の現像剤Gがトナー収容部35側へと混入することを防止するために塞き止めブロック37が設けられている。
更に、現像ロール32、磁性ロール40およびアジテーター60は、駆動モーター等からなる不図示の駆動系にて駆動されるようになっている。
図1に示す現像装置30では、現像に伴い、現像ロール32表面や現像剤収容部34内の現像剤G中のトナー濃度が低下することによって、これらの部分に位置する現像剤の体積が減少することによって、現像剤収容部34内に空きスペースができる。この際、この空きスペースにアジテーター60によってトナー収容部内のトナーが供給される。続いて、現像剤収容部34内へと供給されたトナーは、現像剤収容部34内の現像剤の動きによってある程度攪拌されながら現像剤G中に取り込まれつつ現像ロール32表面へと搬送される。
このようにして新たなトナーを取り込んだ現像ロール32上の現像剤Gは、規制部材33によって層状に形成され、現像部(現像ロール32と感光体ドラム20との当接部)に供給される。現像部では、感光体ドラム20と現像ロール32との間に印加されたバイアス電圧によって、不図示の帯電、露光手段によって感光体ドラム20表面に形成された静電潜像に応じたトナー像が形成(現像)される。
現像を終えた後の現像ロール32上の現像剤Gは、再び現像剤収容部34内に搬送され、現像剤収容部34内の現像剤との摩擦などにより、新しい現像剤Gと入れ替わっていく。
このような現像装置では、現像剤収容部34内に供給されたトナーが現像剤に取り込まれる力は、重力によるものが主であることに加えて、現像ロール32の全周が現像剤で覆われているため、現像剤(特に現像ロール32表面近傍の現像剤)と新たに供給されたトナーとは混合し難い。しかしながら、本発明では上述したような表面にフッ素原子等を含む離型性の高いトナーや、形状係数が大きく、表面が凹凸を有する乳化重合凝集法により作製されたトナーを用いるため、現像剤とトナーとの混合が速やか且つ十分に行われる。連続的に画像を形成しても画像濃度の低下が抑制できると共に、ベタ画像を形成後の次の画像にムラが発生することを抑制できる。
次に、本発明の現像装置の他の例を、図面を用いてより具体的に説明する。
図2は、本発明の現像装置の他の構成例を示す概略模式図である。
図2中、100は現像装置、101は第1天井、102は第2天井、110はハウジング、110aはハウジング内壁、111は現像ロール、111aはマグネット、112は現像剤撹拌部材、113は仕切板、114は規制部材、115はアジテータ、115aは本体部、115bはフラップ部、120は現像領域(現像部)、121は現像剤収容部、122はトナー収容部、130は感光体ドラム(像担持体)、140は第1開口、150は第2開口、160は第3開口を表し、図中の記号●は現像剤、△がトナー、×が磁性キャリアを意味する。
図2に示す現像装置100は、現像剤収容部にトナーを適宜供給してトナー帯電量を調整するタイプの現像装置であり、ハウジング110と、感光体ドラム130と近接して現像領域120を形成するようにハウジング110の開口部近傍に配置された現像ロール111とから主に構成される。
また、ハウジング110内は、内部にはマグネット111aが配設された現像ロール111上に担持される現像剤が主に収容される現像剤収容部121と、現像剤収容部121に隣接して設けられ、主にトナーが収容されるトナー収容部122と、現像剤収容部121とトナー収容部122とを仕切るように配置された仕切板113、現像剤収容部121内に配設され現像剤を撹拌する現像剤撹拌部材112と、トナー収容部122内に配設されトナー収容部122内のトナーを現像剤収容部121に供給するためにB方向に回転するアジテータ115と、および、現像ロール111に対向して間隙を介して配置された現像剤の層厚を制御する規制部材114とが備えられている。
仕切板113は、また、上端が現像ロール111と規制部材114との双方に近接して現像ロール111との間に第1開口140および規制部材114との間に第2開口150を形成すると共に、下端がハウジング内壁110aに近接してこのハウジング内壁110aとの間に第3開口160を形成しているほか、現像剤中のトナー濃度に応じて第1開口140を通過する現像剤の量を規制すると共に第1開口140を通過し規制部材114により堰き止められた現像剤を第2開口150を通過させて第3開口160に導いている。
ここで、現像剤は、現像ロール111の全周を覆うと共に、主に仕切板113の現像ロール111が配置された側の空間を隙間なく満たしている。
ハウジング110は、天井部と、天井部を除くその他の部分である本体部とで構成されており、天井部は、現像剤収容部121の上方にも位置する第1天井101とトナー収容部122の上方に位置する第2天井102とで構成されている。
トナー収容部122には、主にはトナーが収容されている他、上述したように第2開口150から仕切り板113によって第3開口160に導かれた現像剤や、現像剤収容部における磁性キャリアの自然減を補うための磁性キャリアも少量収容されている。
アジテータ115は、本体部115aとフラップ部115bとからなり、矢印B方向に回転することでトナーを第3開口160に供給している。
この現像装置100では、第2天井102が第2開口150よりも低い位置に備えられており、現像装置100の停止状態におけるトナー収容部122内のトナー上面が常に第2開口150よりも下方にあるようになされている。
この現像装置100では、画像形成によって、現像剤収容部121に収容されている現像剤のトナー濃度が低下し現像剤中の磁性キャリアの濃度が上昇すると、現像ロール111の現像剤を担持する力も上昇する。この場合には、現像剤中のトナー濃度が高い場合よりも、多量の現像剤が仕切板113をすり抜けて規制部材114側に搬送されるため、現像剤収容部121には空きスペースが生まれることとなり第3開口150を通じてトナー収容部122側のトナーを現像剤収容部121側に取り込めるようになる。
これにより、現像剤収容部121内の現像剤のトナー濃度の適正化が図られる。また、逆にトナー濃度が高い場合には、トナー濃度が低い場合と比べ仕切板113をすり抜けて規制部材114側に移動する現像剤の量が減るために、現像剤収容部121にできる空きスペースはトナー濃度が低い場合と比べ小さくなりトナー供給はあまり行なわれないこととなり、これにより、画像形成によるトナー消費だけが進むことでトナー濃度の適正化が図られる。
つまり、この現像装置100では、トナー収容部122から現像剤収容部121へのトナー供給に影響を及ぼす、トナー濃度が低い場合に規制部材114によって堰き止められた現像剤の第3開口160側への流れのスムーズさの確保が、現像剤中のトナー濃度を所定の濃度に保つ機能を正常に動作させる条件となる。
そこで、この現像装置100では、トナー濃度が低い場合に規制部材114によって堰き止められた現像剤の第3開口160側への流れをスムーズにするために、第2天井102を第2開口150よりも低い位置に備えることで、現像装置100の停止状態におけるトナー収容部122内のトナー上面が常に第2開口150よりも下方にあるようになされている。
このような現像装置では、現像剤収容部121内に供給されたトナーが現像剤に取り込まれる力は、重力によるものが主であることに加えて、現像ロール111の全周が現像剤で覆われているため、現像剤(特に現像ロール111表面近傍の現像剤)と新たに供給されたトナーとは混合し難い。しかしながら、本発明では上述したような表面にフッ素原子等を含む離型性の高いトナーや、形状係数が大きく、表面が凹凸を有する乳化重合凝集法により作製されたトナーを用いるため、現像剤とトナーとの混合が速やか且つ十分に行われる。それゆえ、連続的に画像を形成しても画像濃度の低下が抑制できると共に、ベタ画像を形成後の次の画像にムラが発生することを抑制できる。
次に、本発明の現像装置を備えた画像形成装置について説明する。本発明の画像形成装置は、一方向に回転する像担持体と、この像担持体に当接または近接する現像ロールを含む本発明の現像装置とを少なくとも備えたものであれば特に限定されず、例えば、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各色に対応する像担持体と現像装置とを含む画像形成ユニットを4つ備えたようないわゆるタンデム型の画像形成装置であってもよい。また、像担持体と本発明の現像装置とを少なくとも備えた画像形成ユニットは、画像形成装置本体に対して脱着可能なプロセスカートリッジであってもよい。
図3は、本発明の画像形成装置の主要部の一構成例を示す概略模式図であり、図中、200は画像形成ユニット、210は感光体ドラム(像担持体)、212は帯電装置(非接触型帯電器)、214は露光装置、216は現像装置、218は現像ロール、220はバイアス電源、222は転写ロール、224はバイアス電源、226はクリーニング装置、228は除電装置、230は中間転写ベルトを表す。
図3に示す画像形成ユニット200は、感光体ドラム210と、帯電装置212と、現像装置216と、クリーニング装置226と、除電装置228とを含むものである。なお、感光体ドラム210の周囲には、その矢印Aで示される回転方向に沿って、帯電装置212と、現像装置216と、転写ロール222と、クリーニング装置226と、除電装置228とがこの順に配置されており、感光体ドラム210と転写ロール222との間には、両者の間に挟持されるように中間転写ベルト230が配置され、転写部を構成している。また、転写ロール222には、バイアス電源224が接続されている。
感光体ドラム210の帯電装置212と現像装置216との間の表面には、画像情報に応じたレーザー光(図中矢印L)が、露光装置214により照射されるようになっている。
なお、現像装置216は、感光体ドラム210に近接(あるいは当接)するように配置され、バイアス電源220に接続された現像ロール218を備えており、その他の構成については省略してある。現像装置216としては、図1や図2に例示したような本発明の現像装置を用いることができる。
ここで、画像の形成は、次のように行われる。まず、帯電装置212により感光体ドラム210表面が帯電させられ、続いて、帯電された感光体ドラム210表面に画像情報に応じたレーザー光が照射されることにより静電潜像が形成される。続いて、この静電潜像が現像装置216により現像され、感光体ドラム210表面にトナー像が形成される。その後、感光体ドラム210表面に形成されたトナー像は、転写部にて、中間転写ベルト230表面に転写され、不図示の転写・定着手段によって記録媒体表面に転写・定着されることにより画像が形成される。なお、転写後の感光体ドラム210表面は、クリーニング装置226によりクリーニングされ、続いて、除電装置228により除電された後、次の画像形成に備える。
なお、タンデム型の画像形成装置では、各色のトナーに応じた画像形成ユニット200が、中間転写ベルト230に沿って複数配置される。このような装置で、カラー画像を形成する場合には、各色のトナーに応じた画像形成ユニット200により形成された各色のトナー像が、中間転写ベルト230表面に、画像情報に対応するように順次重ね合わせて転写されて、この積層されたトナー像が記録媒体表面に一括して転写・定着される。
以下に本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<樹脂微粒子分散液の調製>
・スチレン・・・・・・・・・・・・・・・296部
・アクリル酸n−ブチル・・・・・・・・・104部
・アクリル酸・・・・・・・・・・・・・・・・6部
・ドデカンチオール・・・・・・・・・・・・10部
・アジピン酸ジビニル・・・・・・・・・・1.6部
・アクリル酸トリフルオロエチル・・・・・・10部
(以上、和光純薬(株)製)
以上の成分を混合し溶解した混合物を、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)8部をイオン交換水610部に溶解した溶液に加えて、フラスコ中で分散し、乳化し、10分ゆっくりと混合しながら、過硫酸アンモニウム(和光純薬(株)製)8部を溶解したイオン交換水50部を投入し、窒素置換を0.1リットル/分で20分行った。その後、フラスコ内を撹拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、体積平均粒径が200nm、固形分濃度が40%となる樹脂微粒子分散液を調製した。その分散液の一部を100℃のオーブン上に放置して水分を除去したものをDSC(示差走査型熱量計)測定を実施したところ、ガラス転移点は53℃、重量平均分子量は31,000であった。
<着色剤分散液の調整>
・カーボンブラック・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100部
(キャボット社製、BPL)
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬社製)・・・・・10部
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・490部
以上の成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックス)を用いて10分間分散し、着色剤分散剤を調製した。
<離型剤粒子分散液の調製>
・パラフィンワックス(日本精蝋社製:HNP−9)・・・・・・・・・100部
・アニオン界面活性剤(ライオン(株)社製:リパール860K)・・・・10部
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・390部
上記成分を混合して溶解した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックス)を用いて分散し、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理して、平均粒径が200nmである離型剤粒子(パラフィンワックス)を分散してなる離型剤粒子分散液を調製した。
<トナーA1の作製>
・樹脂粒子分散液・・・・・・・・・・・・・・・・320部
・着色剤分散液・・・・・・・・・・・・・・・・・・80部
・離型剤粒子分散液・・・・・・・・・・・・・・・・96部
・硫酸アルミニウム(和光純薬(株)製)・・・・・1.5部
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・1270部
以上の成分を温度調節用ジャケット付き丸型ステンレス製フラスコ中に収容し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて5,000rpmで5分間分散させた後、フラスコに移動し、25℃で20分間4枚パドルで撹拌しながら放置した。その後撹拌しながらマントルヒーターで加熱し1℃/分の昇温速度で内部が48℃になるまで加熱し、48℃で20分間保持した。次に追加で樹脂粒子分散液80部を緩やかに投入し、48℃で30分間保持したのち、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを6.5に調整した。
その後1℃/分の昇温速度で95℃まで昇温し、30分間保持した。0.1N硝酸水溶液を添加してpHを4.8に調整し、95℃で2時間放置した。その後更に前記1N水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを6.5に調整し92℃で5時間放置した。その後5℃/分で30℃まで冷却した。
出来上がったトナー粒子分散液をろ過し、(A)得られたトナー粒子に35℃のイオン交換水2,000部を添加し、(B)20分撹拌放置し、(C)その後ろ過した。(A)から(C)までの操作を5回繰り返した後、ろ紙上のトナー粒子を真空乾燥機に移し、45℃、1,000Pa以下で10時間乾燥した。なお1,000Pa以下としたのは前述のトナー粒子は含水状態であるため、乾燥初期においては45℃でおいても水分が凍結し、その後該水分が昇華するため、減圧時の乾燥機の内部圧力が一定にならないためである。ただし乾燥終了時には100Paで安定した。乾燥機内部を常圧に戻した後、これを取り出して、トナー母粒子を得、このトナー母粒子100部に対してシリカ外添剤(日本アエロシル社製、R972)を1.0部添加して、ヘンシェルミキサーにて3,000rpm、5分間で混合し、トナーA1を得た。
得られたトナーA1は体積平均粒径D50vが5.6μm、GSDvが1.23、平均形状係数SF1が131、F/C比は0.025であった。
<トナーA2の作製>
トナーA1におけるアジピン酸ジビニル量を4部、アクリル酸トリフルオロエチル量を1.5部にした以外はトナーA1と同様の方法でトナーA2を作製した。
得られたトナーA2は体積平均粒径D50vが5.5μm、GSDvが1.25、平均形状係数SF1が149、F/C比は0.0038であった。
<トナーA3の作製>
トナーA1におけるアジピン酸ジビニル量を4部にした以外はトナーA1と同様の方法でトナーA3を作製した。
得られたトナーA2は体積平均粒径D50vが5.6μm、GSDvが1.24、平均形状係数SF1が151、F/C比は0.025であった。
<トナーA4の作製>
トナーA1におけるアジピン酸ジビニル量を4.2部にした以外はトナーA1と同様の方法でトナーA4を作製した。
得られたトナーA4は体積平均粒径D50vが5.2μm、GSDvが1.24、平均形状係数SF1が150、F/C比は0.027であった。
<トナーA5の作製>
スチレン−アクリル酸n-ブチル−アクリル酸トリフルオロエチル共重合体(共重合比72.5:25:2.5、重量平均分子量40000)90部、カーボンブラック(キャボット社製:BPL)5部、離型剤(日本精蝋社製、HNP−9)5部をバンバリーミキサー(神戸製鋼社製)に入れ、内部の温度が110±5℃になるように圧力を加え、80rpmで混練を10分間行った。得られた混練物を冷却後、ハンマーミルにて粗粉砕し、これをジェットミルにて約7.5μmに微粉砕した後、エルボージェット分級機(松坂貿易社製)にて分級し、トナーA5を得た。
得られたトナーA5は体積平均粒径D50vが7.6μm、GSDvが1.36、平均形状係数SF1が155、F/C比は0.031であった。
<トナーB1の作製>
トナーA1におけるアクリル酸トリフルオロエチル量を0部にした以外はトナーA1と同様の方法でトナーB1を作製した。
得られたトナーB1は体積平均粒径D50vが5.8μm、GSDvが1.22、平均形状係数SF1が127、F/C比は0であった。
<トナーB2の作製>
スチレン−アクリル酸n-ブチル共重合体(共重合比8:2、重量平均分子量40000、綜研化学社製)90部、カーボンブラック(キャボット社製:BPL)5部、離型剤(日本精蝋社製、HNP−9)5部をバンバリーミキサー(神戸製鋼社製)に入れ、内部の温度が110±5℃になるように圧力を加え、80rpmで混練を10分間行った。得られた混練物を冷却後、ハンマーミルにて粗粉砕し、これをジェットミルにて約7.5μmに微粉砕した後、エルボージェット分級機(松坂貿易社製)にて分級し、トナーB2を得た。
得られたトナーB2は体積平均粒径D50vが7.6μm、GSDvが1.36、平均形状係数SF1が155、F/C比は0であった。
<現像剤の作製>
ポリメチルメタアクリレート(綜研化学社製)を1%被覆した平均粒径50μmのフェライトキャリアを用い、トナー濃度が5重量%になるように得られたトナーA1〜A5、B1〜B2を各々秤量し、両者をボールミルで5分間攪拌・混合して現像剤A1〜A5、B1〜B2を調製した。
<画像形成装置>
図1に示す1.5成分現像を行うタイプの現像装置を有する図3に示すような画像形成ユニットを備えた画像形成装置を用い、表1、表2に示すように現像剤(トナー)の種類を変えて、低温低湿(10℃30RH%)および高温高湿(30℃80RH%)環境下で各種評価を実施した。なお、評価結果を表1、表2に示す。
Figure 2007121465
Figure 2007121465
なお、表1および表2中に示す各評価項目の評価方法および評価基準は以下の通りである。
−画像濃度−
画像濃度の評価は、富士ゼロックス社製Jコート紙上に、まず、5cm×5cm□のベタ画像(画像面積率70%)を連続して20枚形成した後、画像面積率5%の文字画像を連続1万枚形成し、更に5cm×5cm□のベタ画像(画像面積率70%)を連続して20枚形成し、文字画像を連続1万枚形成する前後に形成したベタ画像(画像面積率70%)の光学濃度ODをX−rite社製の濃度測定器(X−rite404A)によって測定した。評価基準は以下の通りである。
なお、表1中の評価欄のスラッシュ左側が、文字画像を連続1万枚形成する前(初期)の評価を、スラッシュ右側が、文字画像を連続1万枚形成した後(10000万枚プリント後)の評価を表す。
○:ベタパッチの画像濃度が1.35以上
△:ベタパッチの画像濃度が1.2以上1.35未満
×:ベタパッチの画像濃度が1.2未満
−ハーフト−ン画像のムラ−
ハーフト−ン画像のムラの評価は、富士ゼロックス社製Jコート紙上に、まず、全面ベタ画像を連続2枚プリント後に図4に示すパターンBの画像(画像密度30%の全面ハーフトーン画像)を連続10枚形成した後、画像面積率5%の文字画像を連続1万枚形成し、更に全面ベタ画像を連続2枚プリント後に図4に示すパターンBの画像(画像密度30%の全面ハーフトーン画像)を連続10枚形成し、文字画像を連続1万枚形成する前後に形成したパターンBに対応するハーフトーン画像表面を目視観察することにより評価した。評価基準は以下の通りである。
なお、表2中の評価欄のスラッシュ左側が、文字画像を連続1万枚形成する前(初期)のの評価を、スラッシュ右側が、文字画像を連続1万枚形成した後(10000万枚プリント後)の評価を表す。
○:ハーフトン画像10枚中、ムラなし
△:ハーフトン画像10枚中、ムラがかすかにあるが実用上問題あり
×:ハーフトン画像10枚中、ムラあり
次に、常温常湿(22℃50RH%)環境下で、現像装置の種類とトナー表面のF/C比とを組み合わせた際の初期および3万枚目のゴースト評価結果を表3に示す。
Figure 2007121465
−現像装置−
なお、表3に示す現像ゴーストの評価には、図1、7に示す現像装置を用いた。
なお、参考として示す図6は、現像装置の構成を示す概略模式図であり、図6に示す現像装置300は、現像ロール111と感光体ドラム130とが接触している以外は図2に示す現像装置と同様の構成を有するものである。
図7に示す現像装置は、表3に示す現像ゴーストの評価に用いた現像装置の構成を示す概略模式図であり、現像ロール全周が現像剤で覆われている場合について示したものである。
図7中、400Aは現像装置、402は筐体、404は現像ロール、406、408は攪拌搬送部材、410は層規制部材、412はトナー補給口、414はバイアス電源(直流および交流電源)、420は現像剤、430は感光体を表す。
図7に示す現像装置は400Aは、図中矢印A方向に回転可能な感光体430が配置された側に開口部を有する筐体402と、この筐体402内に、感光体430に対して非接触状態で対向配置された現像ロール404と、現像ロール404の略直上に一定の隙間を保って配置され筐体402上部の内壁に取り付けられた層規制部材410と、現像ロール404の感光体430が配置された側と反対側で筐体402内底部側に配置された攪拌搬送部材406と、攪拌搬送部材406の感光体430が配置された側と反対側で筐体402内底部側に配置された攪拌搬送部材408と、攪拌搬送部材408の略直上の筐体402上部に設けられたトナー補給口412と、現像ロール404に接続され、筐体402外に配置されたバイアス電源414とからなり、現像ロール404はその全周が現像剤420により覆われている。
−画像形成装置およびゴースト評価−
ゴースト評価に際しては、上述した各々の現像装置を備えた図3に示す構成を有する画像形成装置を用いて評価した。ゴースト評価は、調整直後の現像剤を現像装置に投入後、図4に示す用紙の中央に縦長のベタパターンが形成されたパターンAを用いて2枚目の画像を連続して形成した後、用紙の周囲を除いたほぼ全面にハーフトーンパターンが形成されたパターンBを用いて3枚目の画像を形成し、パターンBを出力した際の画像を目視で確認してゴースト評価(初期評価)を行った。
続いて、A4用紙を用いて3万枚の画像を連続して形成した。その後、上述と同様のゴースト評価(3万枚後ゴースト評価)を実施した。
なお、表3に示すゴーストの評価基準は以下の通りである。
◎:欠陥なし
○:欠陥があるものの実用上問題ない
△:欠陥は見えるももの許容範囲内である
×:欠陥がはっきりとわかる。
本発明の現像装置の一構成例を示す概略模式図である。 本発明の現像装置の他の構成例を示す概略模式図である。 本発明の画像形成装置の主要部の一構成例を示す概略模式図である。 ゴースト現象について説明する図(コピー原稿)である。 ゴースト現象について説明する図(画像)である。 現像装置の構成を示す概略模式図である。 表3に示す現像ゴーストの評価に用いた現像装置の構成を示す概略模式図である。
符号の説明
20 感光体ドラム(像担持体)
30 現像装置
31 現像ハウジング
32 現像ロール
33 規制部材
34 現像剤収容部
35 トナー収容部
36 連通口
37 ブロック
40 磁性ロール
50 補助規制部材
60 アジテータ
100 現像装置
101 第1天井
102 第2天井
110 ハウジング
110a ハウジング内壁
111 現像ロール
111a マグネット
112 現像剤撹拌部材
113 仕切板
114 規制部材
115 アジテータ
115a 本体部
115b フラップ部
120 現像領域(現像部)
121 現像剤収容部
122 トナー収容部
130 感光体ドラム(像担持体)
140 第1開口
150 第2開口
160 第3開口
200 画像形成ユニット
210 感光体ドラム(像担持体)
212 帯電装置(非接触型帯電器)
214 露光装置
216 現像装置
218 現像ロール
220 バイアス電源
222 転写ロール
224 バイアス電源
226 クリーニング装置
228 除電装置
230 中間転写ベルト
300 現像装置
400A 現像装置
402 筐体
404 現像ロール
406、408 攪拌搬送部材
410 層規制部材
412 トナー補給口
414 バイアス電源(直流および交流電源)
420 現像剤
430 感光体

Claims (8)

  1. 一方向に回転する像担持体に当接または近接して配置され、一方向に回転すると共に、結着樹脂を含むトナーを少なくとも有する現像剤を前記像担持体に供給する現像ロールと、該現像ロールに近接して配置され、前記像担持体に供給される前記現像剤の量を規制する規制部材と、を少なくとも備え、前記現像ロールの全周が前記現像剤で覆われた現像装置において、
    前記トナーの表面がフッ素原子および/または珪素原子を含む物質を有することを特徴とする現像装置。
  2. 前記トナーの表面を構成する結着樹脂が、フッ素原子および/または珪素原子を含むことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記トナー表面のXPS測定による前記結着樹脂等に起因する炭素原子に対する前記フッ素原子または前記珪素原子の比率が、0.01〜1.0の範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
  4. 前記トナーが、少なくとも樹脂粒子を含む原料粒子を分散させた原料分散液中で、前記原料粒子を凝集させて凝集粒子を形成する凝集工程と、前記凝集粒子を加熱して融合させる融合工程とを経て作製されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の現像装置。
  5. 一方向に回転する像担持体に当接または近接して配置され、一方向に回転すると共に、結着樹脂を含むトナーを少なくとも有する現像剤を前記像担持体に供給する現像ロールと、該現像ロールに近接して配置され、前記像担持体に供給される前記現像剤の量を規制する規制部材と、を少なくとも備え、前記現像ロールの全周が前記現像剤で覆われた現像装置において、
    前記トナーが、少なくとも樹脂粒子を含む原料粒子を分散させた原料分散液中で、前記原料粒子を凝集させて凝集粒子を形成する凝集工程と、前記凝集粒子を加熱して融合させる融合工程とを経て作製され、且つ、
    前記トナーの形状係数SF1が145以上であることを特徴とする現像装置。
  6. 前記トナーの体積平均粒径が5μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の現像装置。
  7. 一方向に回転する像担持体と、該像担持体に当接または近接する現像ロールを含む請求項1〜6のいずれか1つに記載の現像装置とを少なくとも備えたことを特徴とする画像形成装置。
  8. 一方向に回転する像担持体と、該像担持体に当接または近接する現像ロールを含む請求項1〜6のいずれか1つに記載の現像装置とを少なくとも備え、
    画像形成装置本体に対して脱着可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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