JP2007071963A - 現像装置、並びに、これを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一方向に回転する像担持体と当接しながら回転し、結着樹脂を含むトナーを有する非磁性一成分現像剤を前記像担持体に供給する現像ロールと、該現像ロールに圧接するトナーかき取り部材と、を少なくとも備え、前記トナーが、少なくとも樹脂粒子を含む原料粒子を分散させた原料分散液中で、前記原料粒子を凝集させて凝集粒子を形成する凝集工程と、前記凝集粒子を加熱して融合させる融合工程とを経て作製される現像装置であって、前記トナーの表面がフッ素原子および/または珪素原子を含む物質を有することを特徴とする現像装置。
【選択図】 なし
Description
但し、非接触型非磁性一成分現像装置は、接触型非磁性一成分現像装置と比べると、使用する現像ロールの寸法精度がより高くなければならない上に、現像ロールに接続されるバイアス電源としてDC電源の他にAC電源を用いる必要もあるため、コストが高い。また、AC電源を用いるため、トナークラウドによる画像形成装置内の汚染が発生しやすいという問題もあった。
本発明は、上記問題点を解決することを課題とする。すなわち、本発明は、乳化重合凝集法により作製されたトナーを含む非磁性一成分現像剤を用い、ゴーストの発生および
ハーフトーン画像のムラの発生が抑制できると共に高い画像濃度が得られる現像装置、並びに、これを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することを課題とする。
それゆえ、ゴーストやハーフトーン画像のムラの発生を抑制するには、トナー表面に外添剤が埋まり込んだ場合でもトナーの流動性の低下を抑止できるようにすることが重要であると考え、以下の本発明を見出した。
<1>
一方向に回転する像担持体と当接しながら回転し、結着樹脂を含むトナーを有する非磁性一成分現像剤を前記像担持体に供給する現像ロールと、該現像ロールに圧接するトナーかき取り部材と、を少なくとも備え、
前記トナーが、少なくとも樹脂粒子を含む原料粒子を分散させた原料分散液中で、前記原料粒子を凝集させて凝集粒子を形成する凝集工程と、前記凝集粒子を加熱して融合させる融合工程とを経て作製される現像装置であって、
前記トナーの表面がフッ素原子および/または珪素原子を含む物質を有することを特徴とする現像装置である。
前記トナーの表面を構成する結着樹脂が、フッ素原子および/または珪素原子を含むことを特徴とする<1>に記載の現像装置である。
前記トナー表面のXPS測定による前記結着樹脂等に起因する炭素原子に対する前記フッ素原子または前記珪素原子の比率が、0.01〜1.0の範囲内であることを特徴とする<1>または<2>に記載の現像装置である。
前記トナーの形状係数SF1が145以上であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1つに記載の現像装置である。
前記トナーの粒度分布が下式(1)を満たすことを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1つに記載の現像装置である。
・式(1) 1.30<GSDv≦1.45 〔ただし、式(1)に示すGSDvは(D84v/D16v)0.5を意味し、D16vは前記トナーの体積粒度分布の小粒径側から累積16%になったときの粒径を、D84vは前記トナーの体積粒度分布の小粒径側から累積84%になったときの粒径をそれぞれ示す。〕
前記トナーの体積平均粒径が5μm以下であることを特徴とする<1>〜<5>のいずれか1つに記載の現像装置である。
前記現像ロールの回転方向に対して前記像担持体の上流側且つ前記トナーかき取り部材の下流側に、前記現像ロールに圧接するトナー層規制部材を設けたことを特徴とする<1>〜<6>のいずれか1つに記載の現像装置である。
前記現像ロールの回転方向に対して前記像担持体の下流側且つ前記トナーかき取り部材の上流側に、前記現像ロールに当接する除電部材を設けたことを特徴とする<1>〜<7>のいずれか1つに記載の現像装置である。
一方向に回転する像担持体と、該像担持体に当接する現像ロールを含む<1>〜<8>のいずれか1つに記載の現像装置とを少なくとも備えたことを特徴とする画像形成装置である。
一方向に回転する像担持体と、該像担持体に当接する現像ロールを含む<1>〜<8>のいずれか1つに記載の現像装置とを少なくとも備え、
画像形成装置本体に対して脱着可能であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
ここで、本発明の現像装置に用いられるトナーは、以下の(A)を満たすことを特徴とする。これに加えて以下の(B)及び/または(C)を満たすことが更に好ましい。
(B)トナーの形状係数SF1が145以上である。
(C)トナーの粒度分布が下式(1)を満たす。
・式(1) 1.30<GSDv≦1.45 〔ただし、式(1)に示すGSDvは(D84v/D16v)0.5を意味し、D16vは前記トナーの体積粒度分布の小粒径側から累積16%になったときの粒径を、D84vは前記トナーの体積粒度分布の小粒径側から累積84%になったときの粒径をそれぞれ示す。〕
すなわち、形状がより真球状に近く且つ粒度分布が狭いとトナーの充填密度が高いため、流動性が悪くなる傾向にあるが、外添剤がトナー表面に埋まり込むことによって、より一層流動性を悪化させ、結果的にゴーストの発生やハーフトーン画像のムラの発生をより顕著にすると共に、画像濃度の低下も招きやすくしているものと推定される。
本発明に用いるトナーには、トナーの表面がフッ素原子および/または珪素原子を含む物質を有する。この物質は、トナーの表面を構成する結着樹脂であることが好ましいが、これに限定されるものではなく、フッ素原子および/または珪素原子を含むカップリング剤等の低分子量の物質であってもよい。
なお、トナーの表面を構成する結着樹脂が、フッ素原子および/または珪素原子を含む場合、トナー表面のXPS測定による結着樹脂等に起因する炭素原子に対するフッ素原子または珪素原子の比率(F/C比、または、F/Si比)が、0.01〜1.0の範囲内であることが好ましく、0.02〜0.08の範囲内であることがより好ましく、0.05〜0.6の範囲内であることが更に好ましい。
XPS測定装置としては、日本電子製 JPS−9000MXを使用し、X線源をMg Kα、加速電圧を10.0kV、エミッション電流を20mVとして行った。
通常、トナーの形状や粒度分布制御性に優れた乳化重合凝集法を利用して作製されるトナーの形状係数SF1は、140未満のいわゆる球状トナーであるため、外添剤がトナー表面に埋まり込んだ時にトナーの充填密度がより高くなって、流動性が一層悪化し、ゴーストおよびハーフトーン画像のムラの発生や画像濃度の低下を招いてしてしまう。しかし形状係数SF1を145以上とすることにより、より一層ゴーストおよびハーフトーン画像のムラの発生を抑制し、高い画像濃度も得ることができる。
なお、本発明において、形状係数SF1とは、下式(2)で定義される値を意味する。
・式(2) SF1=((トナー径の絶対最大長)2/トナーの投影面積)×(π/4)×100
ここで、式(2)に示されるトナー径の絶対最大長、トナーの投影面積は光学顕微鏡(ニコン製、Microphoto−FXA)を用いて倍率500倍に拡大したトナー粒子像を撮影し、得られた画像情報をインターフェースを介して例えばニコレ社製画像解析装置(LuzexIII)に導入して画像解析を行うことにより求めた。
また、形状係数SF1の値は、無作為にサンプリングした1000個のトナー粒子を測定して得られたデータを元に、平均値として算出した。
通常、トナーの形状や粒度分布制御性に優れた乳化重合凝集法を利用して作製されるトナーの粒度分布は1.30未満のトナーであるため、微粉量は少ない。一般に外添剤を外添する場合には小粒径のトナーの方が重量が小さいため、外添剤の付着している強度は、大粒径に比較して小さいものである。一方で粒子の総数は小粒径の粒子の方が多いため、粒度分布の大きいトナーは粒子全体では外添剤の付着が小さいものとなる。
したがって、現像機内の攪拌等によっても外添剤は埋め込まれにくくなるために、より一層ゴーストやハーフトーン画像のムラの発生を抑制し、画像濃度の低下も抑制することができる。これに対し粒度分布が1.30以下のトナーでは小粒径トナーが少なく、攪拌等による外添剤の埋め込みは制御できないため、流動性が悪化し、ゴーストやハーフトーン画像のムラが発生したり、画像濃度が低下する場合がある。なおGSDvが1.45を越えると小粒径トナーの量が多すぎるため、逆にトナーの流動性は悪化し、ゴーストやハーフトーン画像のムラの発生を抑制したり、高い画像濃度を得ることができなくなる場合がある。
D16v及びD84vは以下の方法により求める。すなわち、測定装置としてはコールターカウンターTA−II型(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用した。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて2〜60μmの粒子の粒度分布を粒子数は50,000で測定した。
これに測定された粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、粒度の小さいほうから体積累積分布を描き、累積16%となる累積体積粒径をD16vと定義し、累積84%となる累積体積粒径をD84vと定義した。
但し、非磁性一成分現像では、トナーの粒度分布において総帯電量が相対的に大きくなる大粒径側のトナーが選択的に現像されることによって、経時的な画像濃度の低下を招く現象(いわゆる選択現像)が発生しやすく、このような選択現像の発生の有無や程度や、粒度分布の広さに依存する。
従って、ゴーストの抑制、ハーフトーン画像のムラの抑制および画像濃度の低下防止に加えて、さらに選択現像も高いレベルで抑制したい場合には、本発明の現像装置に用いるトナーとしては、上記(A)のみ、あるいは、上記(A)及び(B)を満たすトナーを用いることが好ましい。
このような物性を有する結着樹脂を利用して作製されたトナーは、低温定着性に優れるものの、トナーの表面が軟らかくなるために、長期の使用では、外添剤がトナーの表面に埋め込まれ、流動性の低下によるゴーストやハーフトーン画像のムラの発生や、画像濃度の低下を招いてしまう。
また、近年、省エネルギー化の観点から、従来よりも更に低い温度で定着できるトナーが求められているが、このようなニーズに対応するために、結着樹脂の重量平均分子量や、ガラス転移温度、融点をより低くすると、ゴーストやハーフトーン画像のムラや、画像濃度の低下がより一層起こりやすくなるという問題がある。
しかしながら、本発明に用いるトナーは、上述したように、表面を低エネルギー化したものであり、より好ましくは形状や粒度分布を従来の乳化重合凝集法を利用して作製されるトナーと逆の方向に制御する。それゆえ、外添剤がトナーの表面に埋め込まれても、流動性が低下し難いため、ゴーストおよびハーフトーン画像のムラの発生を抑制すると共に、高い画像濃度を得ることができる。
また、本発明に用いられるトナーは、その表面の軟らかさとは関係なく、トナーの表面エネルギーや、形状、粒度分布を別個に制御できるため、従来よりも低い温度で定着できるようにトナー表面近傍を構成する結着樹脂の重量平均分子量を40000以下、ガラス転移温度を65℃以下、融点を95℃以下としてもゴーストやハーフトーン画像のムラの発生を抑制し、且つ、高い画像濃度を得ることができる上に低温定着も実現可能である。
次に、本発明に用いるトナーの構成材料やその製造方法についてより詳細に説明する。
本発明に用いられるトナーは、いわゆる乳化重合凝集法を利用して作製されるものであり、具体的には、少なくとも樹脂粒子を含む原料粒子を分散させた原料分散液中で、原料粒子を凝集させて凝集粒子を形成する凝集工程と、凝集粒子を加熱して融合させる融合工程とを経て作製されるものである。また、必要に応じて、凝集粒子の表面に樹脂粒子を付着させる付着工程を設けてもよい。
なお、原料分散液は、樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液の他に、着色剤粒子を分散させた着色剤粒子分散液が少なくとも用いられ、この他にも必要に応じて、離型剤を分散させた離型剤分散液等の他の分散液を用い、これら分散液を混合して調整される。
なお、本発明に用いられるトナーを作製する場合には、凝集工程、融合工程の他に、付着工程を実施し、通常の炭素原子および水素原子を主体とする結着樹脂を含むコア層と、フッ素原子および/または珪素原子を含む結着樹脂からなるシェル層とを有するコアシェル構造のトナーを作製することが好ましい。
本発明に用いられるトナーの結着樹脂(第1の結着樹脂)は、ビニル系樹脂を代表とする非晶性樹脂はもとより、非結晶性のポリエステル樹脂、結晶性樹脂など様々なものを必要に応じて用いることができる。
上記結晶性樹脂としては、結晶性ポリエステル樹脂が好ましく、また適度な融点をもつ脂肪族系の結晶性ポリエステル樹脂がより好ましい。以下、本発明に用いる結晶性樹脂として結晶性ポリエステル樹脂を例に説明する。
なお、前記2重結合を持つジカルボン酸由来構成成分には、2重結合を持つジカルボン酸に由来する構成成分のほか、2重結合を持つジカルボン酸の低級アルキルエステルまたは酸無水物等に由来する構成成分も含まれる。また、前記スルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分には、スルホン酸基を持つジカルボン酸に由来する構成成分のほか、スルホン酸基を持つジカルボン酸の低級アルキルエステルまたは酸無水物等に由来する構成成分も含まれる。
樹脂全体を水に乳化あるいは懸濁して樹脂粒子に作製する際に、スルホン酸基があれば、後述するように、界面活性剤を使用しないで乳化あるいは懸濁が可能である。このようなスルホン基を持つジカルボン酸としては、例えば、2−スルホテレフタル酸ナトリウム塩、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩、スルホコハク酸ナトリウム塩等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でも、コストの点で、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩等が好ましい。
前記含有量が、1構成モル%未満の場合には、顔料分散が良くなかったり、乳化粒子径が大きくなり、凝集によるトナー径の調整が困難となることがある。一方、20構成モル%を超えると、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下して、画像の保存性が悪くなったり、乳化粒子径が小さ過ぎて水に溶解し、ラテックスが生じないことがある。
前記脂肪族ジオール由来構成成分の含有量が、80構成モル%未満では、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下するため、耐トナーブロッキング性、画像保存性及び、低温定着性が悪化してしまう場合がある。
本発明に用いられるトナーの結着樹脂としては、フッ素原子および/または珪素原子を含む結着樹脂(第2の結着樹脂)を用いることが必要であり、トナーの作製に際しては、上述の第1の結着樹脂と併用することが好ましい。
第2の結着樹脂の作製方法としては、通常のスチレン、メタクリル酸メチルなどのビニル系単量体と、シリコンアクリレート、シリコンメタクリレート、フルオロシリコンアクリレート、フルオロシリコンメタクリレート、フルオロアクリレート、フルオロメタクリレートなどの含珪素、含フッ素系単量体とを乳化共重合したり、あらかじめ重合した含珪素、含フッ素系単量体を、通常のビニル系単量体にミニエマルション法などにより共存させて共存重合する方法などがある。なお、上記含フッ素系単量体、含珪素単量体は1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
したがってトナー粒子乾燥時には、トナーの融点またがガラス転移点以下であり、30℃以上、好ましくは40℃以上で加熱することが、トナー粒子表面の表面エネルギーを低下させるためには有効である。
・パーフルオロアルキルエチルアクリレート(CxF2x+1C2H4OOCH=CH2、PFAA、xは1〜30の整数)
・シロキサニルメタクリレート(SiMA)
・シリルプロピルメタクリレート
・トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート(下記構造式(1))
・ペンタメチルジシロキサニルプロピルメタクリレート(下記構造式(2))
・トリフルオロエチルメタクリレート(FMA、下記構造式(3))
・ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート(下記構造式(4))
・パーフルオロオクチルエチルメタクリレート(下記構造式(5))
・SiMAとFMAとを主体とするコポリマー
次に、第1の結着樹脂および/または第2の結着樹脂を含む樹脂粒子を分散させてなる樹脂粒子分散液について説明する。
前記水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明においては、前記水系媒体に界面活性剤を添加混合しておくのが好ましい。界面活性剤としては特に限定されるものでは無いが、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤などが挙げられる。これらの中でもアニオン界面活性剤、カチオン系界面活性剤が好ましい。前記非イオン系界面活性剤は、前記アニオン界面活性剤またはカチオン系界面活性剤と併用されるのが好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、トルエンが挙げられ、前記結着樹脂に応じて適宜選択して用いる。
なお、前記樹脂粒子の体積平均粒径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定した。
着色剤粒子分散液の作製に用いる着色剤としては、例えば、次のような着色剤を使用することができる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイト等を挙げることができる。黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、クロムイエロー、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G 、ベンジジンイエローG 、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーメネントイエローNCG等を挙げることができる。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC 、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキ、ピグメントレッド−146、−147、−184、−185、−155、−238、−269などのナフトールレッド等を挙げることができる。
緑色顔料としては、酸化クロム、クロムグリーン、ピグメントグリーン、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等を挙げることができる。白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等をあげることができる。さらに、体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等を挙げることができる。
なお、着色剤粒子の体積平均粒径は、前記同様レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定した。
本発明においては、必要によりトナー粒子に離型剤を含有させることができる。本発明で使用する離型剤の具体例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を示すシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類や、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのような動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物系・石油系ワックス、及びそれらの変性物などを挙げることができる。
これらのワックス類は、室温付近では、トルエンなど溶剤にはほとんど溶解しないか、溶解しても極めて微量である。
なお、得られた離形剤粒子分散液の粒子径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定することができる。また、離型剤を使用するときには、樹脂粒子、着色剤粒子及び離型剤粒子を凝集した後に、さらに樹脂粒子分散液を追加して凝集粒子表面に樹脂粒子を付着することが帯電性、耐久性を確保する観点から望ましい。
重合性紫外線安定性単量体の例としては、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのピペリジン系化合物が効果的である。これらは、1種また2種以上混合して用いることができる。
凝集工程に用いる原料分散液は、樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液と、着色剤粒子を分散させた着色剤分散液と、この他、必要に応じて用いられる離型剤分散液等のその他の分散液を混合することによって調整される。
なお、本発明に用いるトナーを作製する場合には、原料分散液の調整に用いる樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子は第1の結着樹脂を含むものであることが好ましい。但し、後述する付着工程を実施しない場合には、樹脂粒子は第2の結着樹脂を含むことが必要である。
このようにして得られた原料分散液を、室温から結着樹脂のガラス転移温度の範囲において加熱することにより樹脂粒子や着色剤粒子等の各種原料粒子を凝集させて、凝集粒子を形成する。この凝集粒子の体積平均粒径は、3〜5μmの範囲にあることが好ましい。
凝集工程を経た後は、必要に応じて付着工程を実施することができる。付着工程は、凝集粒子が形成された原料分散液中に、樹脂粒子分散液を添加混合して凝集粒子に樹脂粒子を付着させて、コア層となる凝集粒子の表面をシェル層となる樹脂粒子で被覆し、コアシェル構造を有する凝集粒子(以下、「付着凝集粒子」と称す場合がある)を形成する工程である。
このような付着工程を経て作製されるトナーは、コア層となる凝集粒子に含まれる着色剤や離型剤等の成分が、シェル層となる樹脂粒子によって被覆され、コアシェル構造を形成するため、トナーに内包される離型剤等の成分のトナー粒子表面への露出等が効果的に防止される。
この場合、付着工程において分散液中に存在させる第2の結着樹脂を含む樹脂粒子と凝集粒子との混合比(第2の結着樹脂を含む樹脂粒子/凝集粒子)は、固形分重量比で、2/100〜50/100の範囲が好ましく、5/100〜40/100の範囲がより好ましい。上記混合比が2/100より少ないと、トナー表面の低表面エネルギー化が充分でなく高い離型性が得られない場合がある。また、50/100より多いと、トナー中に占めるフッ素原子や珪素原子を含む結着樹脂の割合が多くなりすぎて定着性等が悪化する場合がある。
すなわち、温度としては、コア層となる凝集粒子を構成する樹脂粒子中の樹脂のガラス転移点(あるいは融点)以下の温度であり、室温程度であるのが好ましい。ガラス転移点(あるいは融点)以下の温度で加熱すると、コア層となる凝集粒子とシェル層となる樹脂粒子とが付着し易くなり、その結果、形成される付着凝集粒子が安定し易くなる。
なお、付着工程を実施する際、コア層となる凝集粒子とシェル層となる樹脂粒子とを含有する分散液は、静置されていてもよいし、ミキサー等により穏やかに攪拌されていてもよい。後者の場合の方が、均一な付着凝集粒子が形成され易い点で有利である。
凝集工程、あるいは、付着工程の後には、融合工程を実施する。
融合工程は、凝集工程を経て得られた凝集粒子を含む原料分散液を凝集粒子を構成する結着樹脂のガラス転移点以上の温度に加熱、あるいは、付着工程を経て得られた付着凝集粒子を含む原料分散液をシェル層となる結着樹脂のガラス転移点以上の温度に加熱することにより行われる。これにより、凝集粒子あるいは付着凝集粒子が融合し、トナー粒子を含むトナースラリーを得ることができる。ここで、融合工程における加熱処理は、一般には70〜120℃の範囲で行われる。
融合工程を終了した後、任意の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て所望のトナー粒子を得るが、洗浄工程は帯電性を考慮すると、イオン交換水で十分に置換洗浄することが望ましい。また、固液分離工程には特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等が好適である。さらに、乾燥工程も特に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。 また、乾燥工程を経た後は、必要に応じて種々の外添剤を添加することができる。
外添剤としては、動性付与やクリーニング性向上の目的で通常のトナーと同様に乾燥した後、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウムなどの無機微粒子やビニル系樹脂、ポリエステル、シリコーンなどの樹脂粒子を乾燥状態でせん断をかけながら前記トナー粒子表面に添加して使用することができる。
また、水中にてトナー表面に付着せしめる場合には、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど通常トナー表面の外添剤として使うすべてのものをイオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基で分散することにより使用することができる。
次に、本発明の現像装置の構成や、この現像装置を用いた画像形成装置およびプロセスカートリッジの構成について以下に説明する。
本発明の現像装置は、一方向に回転する像担持体と当接しながら回転し、結着樹脂を含むトナーを有する非磁性一成分現像剤を前記像担持体に供給する現像ロールと、該現像ロールに圧接するトナーかき取り部材と、を少なくとも備えたものであれば特に限定されないが、前記現像ロールの回転方向に対して前記像担持体の上流側且つ前記トナーかき取り部材の下流側に、前記現像ロールに圧接するトナー層規制部材を備えたものであることが好ましい。
また、ゴーストをより一層抑制するためには、前記現像ロールの回転方向に対して前記像担持体の下流側且つ前記トナーかき取り部材の上流側に、前記現像ロールに当接する除電部材を設けられていることが好ましい。
また、像担持体26の帯電装置28と現像装置10との間の表面には、画像情報に応じたレーザー光(図中矢印L)が、不図示の露光装置により照射されるようになっている。
<樹脂微粒子分散液の調製>
・スチレン・・・・・・・・・・・・・・・296部
・アクリル酸n−ブチル・・・・・・・・・104部
・アクリル酸・・・・・・・・・・・・・・・・6部
・ドデカンチオール・・・・・・・・・・・・10部
・アジピン酸ジビニル・・・・・・・・・・1.6部
・アクリル酸トリフルオロエチル・・・・・・10部
(以上、和光純薬(株)製)
以上の成分を混合し溶解した混合物を、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)8部をイオン交換水610部に溶解した溶液に加えて、フラスコ中で分散し、乳化し、10分ゆっくりと混合しながら、過硫酸アンモニウム(和光純薬(株)製)8部を溶解したイオン交換水50部を投入し、窒素置換を0.1リットル/分で20分行った。その後、フラスコ内を撹拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、体積平均粒径が200nm、固形分濃度が40%となる樹脂微粒子分散液を調製した。その分散液の一部を100℃のオーブン上に放置して水分を除去したものをDSC(示差走査型熱量計)測定を実施したところ、ガラス転移点は53℃、重量平均分子量は31,000であった。
・カーボンブラック・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100部
(キャボット社製、BPL)
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬社製)・・・・・10部
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・490部
以上の成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックス)を用いて10分間分散し、着色剤分散剤を調製した。
・パラフィンワックス(日本精蝋社製:HNP−9)・・・・・・・・・100部
・アニオン界面活性剤(ライオン(株)社製:リパール860K)・・・・10部
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・390部
上記成分を混合して溶解した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックス)を用いて分散し、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理して、平均粒径が200nmである離型剤粒子(パラフィンワックス)を分散してなる離型剤粒子分散液を調製した。
・樹脂粒子分散液・・・・・・・・・・・・・・・・320部
・着色剤分散液・・・・・・・・・・・・・・・・・・80部
・離型剤粒子分散液・・・・・・・・・・・・・・・・96部
・硫酸アルミニウム(和光純薬(株)製)・・・・・1.5部
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・1270部
以上の成分を温度調節用ジャケット付き丸型ステンレス製フラスコ中に収容し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて5,000rpmで5分間分散させた後、フラスコに移動し、25℃で20分間4枚パドルで撹拌しながら放置した。その後撹拌しながらマントルヒーターで加熱し1℃/分の昇温速度で内部が48℃になるまで加熱し、48℃で20分間保持した。次に追加で樹脂粒子分散液(1)80部を緩やかに投入し、48℃で30分間保持したのち、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを6.5に調整した。
その後1℃/分の昇温速度で95℃まで昇温し、30分間保持した。0.1N硝酸水溶液を添加してpHを4.8に調整し、95℃で2時間放置した。その後更に前記1N水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを6.5に調整し92℃で5時間放置した。その後5℃/分で30℃まで冷却した。
得られたトナーA1は体積平均粒径D50vが5.6μm、GSDvが1.23、平均形状係数SF1が131、F/C比は0.025であった。
トナーA1におけるアジピン酸ジビニル量を4部、アクリル酸トリフルオロエチル量を1.5部にした以外はトナーA1と同様の方法でトナーA2を作製した。
得られたトナーA2は体積平均粒径D50vが5.5μm、GSDvが1.25、平均形状係数SF1が149、F/C比は0.0038であった。
トナーA1における硫酸アルミニウム量を0.8部、アクリル酸トリフルオロエチル量を1.6部にした以外はトナーA1と同様の方法でトナーA3を作製した。
得られたトナーA3は体積平均粒径D50vが5.8μm、GSDvが1.39、平均形状係数SF1が134、F/C比は0.0041であった。
トナーA1におけるアジピン酸ジビニル量を4.2部にした以外はトナーA1と同様の方法でトナーA4を作製した。
得られたトナーA4は体積平均粒径D50vが5.0μm、GSDvが1.27、平均形状係数SF1が150、F/C比は0.026であった。
トナーA1における硫酸アルミニウム量1.0部にした以外はトナーA1と同様の方法でトナーA5を作製した。
得られたトナーA5は体積平均粒径D50vが5.8μm、GSDvが1.35、平均形状係数SF1が132、F/C比は0.025であった。
トナーA1におけるアジピン酸ジビニル量を4部、アクリル酸トリフルオロエチル量を1.5部、硫酸アルミニウム量1.0部にした以外はトナーA1と同様の方法でトナーA6を作製した。
得られたトナーA6は体積平均粒径D50vが4.9μm、GSDvが1.35、平均形状係数SF1が132、F/C比は0.0039であった。
トナーA4における硫酸アルミニウム量0.5部にした以外はトナーA4と同様の方法でトナーA7を作製した。
得られたトナーA7は体積平均粒径D50vが4.4μm、GSDvが1.56、平均形状係数SF1が151、F/C比は0.025であった。
トナーA1におけるアジピン酸ジビニル量を4部、48℃の凝集温度を40℃にした以外はトナーA1と同様の方法でトナーA8を作製した。
得られたトナーA8は体積平均粒径D50vが3.2μm、GSDvが1.25、平均形状係数SF1が145、F/C比は0.025であった。
トナーA8における40℃の凝集温度を25℃にした以外はトナーA8と同様の方法でトナーA9を作製した。
得られたトナーA9は体積平均粒径D50vが1.5μm、GSDvが1.24、平均形状係数SF1が139、F/C比は0.025であった。
トナーA8における40℃の凝集温度を54℃にした以外はトナーA8と同様の方法でトナーA10を作製した。
得られたトナーA10は体積平均粒径D50vが6.5μm、GSDvが1.26、平均形状係数SF1が152、F/C比は0.025であった。
トナーA8における40℃の凝集温度を56℃にした以外はトナーA8と同様の方法でトナーA11を作製した。
得られたトナーA11は体積平均粒径D50vが7.5μm、GSDvが1.31、平均形状係数SF1が154、F/C比は0.025であった。
トナーA1におけるアクリル酸トリフルオロエチル量を0部にした以外はトナーA1と同様の方法でトナーB1を作製した。
得られたトナーB1は体積平均粒径D50vが5.8μm、GSDvが1.22、平均形状係数SF1が127、F/C比は0であった。
スチレン−アクリル酸n-ブチル共重合体(共重合比8:2、重量平均分子量40000、綜研化学社製)90部、カーボンブラック(キャボット社製:BPL)5部、離型剤(日本精蝋社製、HNP−9)5部をバンバリーミキサー(神戸製鋼社製)に入れ、内部の温度が110±5℃になるように圧力を加え、80rpmで混練を10分間行った。得られた混練物を冷却後、ハンマーミルにて粗粉砕し、これをジェットミルにて約7.5μmに微粉砕した後、エルボージェット分級機(松坂貿易社製)にて分級し、トナーB2を得た。
得られたトナーB2は体積平均粒径D50vが7.6μm、GSDvが1.36、平均形状係数SF1が155、F/C比は0であった。
図2に示すような画像形成ユニットを備えた画像形成装置を用い、表1、2に示すようにトナー(非磁性一成分現像剤)の種類を変えて各種評価を実施した。なお、この画像形成装置の現像装置には、必要に応じて、現像ロールの回転方向に対して像担持体の下流側且つトナーかき取り部材の上流側に、現像ロールに当接する導電剤を分散させたポリイミドシートの除電部材を取り付けた。評価結果を表1,2に示す。
−ゴースト−
ゴーストの評価は、富士ゼロックス社製Jコート紙上に画像面積率5%の文字画像を連続2000枚形成し、その後A4サイズの用紙の中央部分に1cm×20cmのベタ画像があるパターンA(図3中の左側のパターン)、直後にハーフトーン画像であるパターンB(図3中の右側のパターン)を出力し、ハーフトーン部分を、目視観察することにより評価した。評価基準は以下の通りである。
○:良い
○△:やや見える
△:やや悪い
×:悪い
ハーフト−ン画像のムラは富士ゼロックス社製Jコート紙上に画像面積率5%の文字画像を連続2000枚形成し、図3中の右側に示すパターンBの画像を出力したときの出力画像表面を目視観察することにより評価した。評価基準は以下の通りである。
○:良い
△:やや不均一
×:不均一
画像濃度の評価は、富士ゼロックス社製Jコート紙上に画像面積率5%の文字画像を連続2000枚形成した後、5cm×5cm□のベタ画像を形成した際の光学濃度ODをX−rite社製の濃度測定器(X−rite404A)によって測定した。評価基準は以下の通りである。
○:OD>1.4
○△:1.3≦OD≦1.4
△:1.2≦OD<1.3
×:OD<1.2
以下に、参考として従来の乳化重合凝集法により作製されたトナーを用いた評価結果について説明する。
ここでは、表1,2に示す評価に用いた場合と同様の画像形成装置と、従来の乳化重合凝集法により作製されたトナー(富士ゼロックス社製、Docu Centre Color 500用の体積平均粒径6.5μmの負に帯電型のYellow、Magenta、Cyan、Blackトナー)とを用いて層形成とプリント実験を行った。
なお、接触現像の現像ロールは一般的にアスカーC硬度が10〜60度のものが用いられるが、ここでは30度のものを使用した。また、掻き取り部材としてはウレタンスポンジロールを現像ロールとの接触部で表面が逆方向に移動するように当接させ、現像ロールに背後から100μm厚のりん青銅板で保持したウレタンゴムによる層形成部材を自由端部が現像ロールの進行方向上流側になるように当接させた。
しかし、2000枚プリント後のトナー搬送量は0.83〜1.10mg/cm2となった。現像ロール上の感光体に向かって露出する部分のトナーをすべて吸引し、次に現像ロールを回転させて層形成を行う際、現像ロール1周ごとにトナー層を観察すると、初期では1周目から均一な層形成が行われるが、2000枚プリント後では、1周目はトナー層にムラがあり、2周目、3週目と徐々にムラが減少して50週程度で均一なトナー層となった。また、それぞれ接触現像で全面ハーフトーン画像を形成するプリントテストを行うと、初期では均一であるが、2000枚プリント後では全面にムラが発生した。
しかし、トナーの流動性が低下すると、層形成部材と現像ロールとに挟まれて薄層化される際に、スリーブ法線方向に重なったトナーが層形成部材と現像ロールとの間の圧力によってスムーズに横にずれて均一薄層とならず、1回の層形成ではトナーが重なった部分とトナーの存在しない部分とが生じてムラのある層となる。その後層形成を繰り返すと、トナーの空いた隙間にトナーが埋まってゆき、数十回の層形成を経てようやく厚めの均一層となる。
そこで、外添剤のうち流動性に関わる成分を減少させたものを用いてトナー層形成を行ったところ、トナー層が不均一になり、かなりの回数回転させて始めて均一なトナー層が得られた。
したがって非接触現像では、ハーフトーンの後のトナー層形成はある程度トナーが現像ロール上に付着した状態にトナーを付着させることになり、全面ハーフトーンのムラが生じないものと考えられる。接触現像で、トナー層が厚い場合にもほとんどのトナーが現像されてしまう原因は、現像ロールが弾性を有しており、感光体との接触で表面にたわみなどを生じるためと考えられる。
すなわち、全面ハーフトーンのムラは接触現像でトナーの流動性が低下した場合に生じる現象であることがわかる。このため、従来であればコストアップとなっても非接触現像を選択する以外に解決方法が無かった。しかし、流動性が低下し難いトナーを用いる本発明では、接触現像でも解決することが可能である。
12 現像ロール
14 バイアス電源(DC電源)
16 トナーかき取り部材
18 トナー層規制部材
20 アジテーター
22 筐体
24 現像剤(トナー)
26 像担持体(感光体)
28 帯電装置(非接触型帯電器)
30 転写ロール
32 クリーニング装置
34 中間転写ベルト
40 画像形成ユニット
Claims (10)
- 一方向に回転する像担持体と当接しながら回転し、結着樹脂を含むトナーを有する非磁性一成分現像剤を前記像担持体に供給する現像ロールと、該現像ロールに圧接するトナーかき取り部材と、を少なくとも備え、
前記トナーが、少なくとも樹脂粒子を含む原料粒子を分散させた原料分散液中で、前記原料粒子を凝集させて凝集粒子を形成する凝集工程と、前記凝集粒子を加熱して融合させる融合工程とを経て作製される現像装置であって、
前記トナーの表面がフッ素原子および/または珪素原子を含む物質を有することを特徴とする現像装置。 - 前記トナーの表面を構成する結着樹脂が、フッ素原子および/または珪素原子を含むことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
- 前記トナー表面のXPS測定による前記結着樹脂等に起因する炭素原子に対する前記フッ素原子または前記珪素原子の比率が、0.01〜1.0の範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
- 前記トナーの形状係数SF1が145以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の現像装置。
- 前記トナーの粒度分布が下式(1)を満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の現像装置。
・式(1) 1.30<GSDv≦1.45 〔ただし、式(1)に示すGSDvは(D84v/D16v)0.5を意味し、D16vは前記トナーの体積粒度分布の小粒径側から累積16%になったときの粒径を、D84vは前記トナーの体積粒度分布の小粒径側から累積84%になったときの粒径をそれぞれ示す。〕 - 前記トナーの体積平均粒径が5μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の現像装置。
- 前記現像ロールの回転方向に対して前記像担持体の上流側且つ前記トナーかき取り部材の下流側に、前記現像ロールに圧接するトナー層規制部材を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の現像装置。
- 前記現像ロールの回転方向に対して前記像担持体の下流側且つ前記トナーかき取り部材の上流側に、前記現像ロールに当接する除電部材を設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の現像装置。
- 一方向に回転する像担持体と、該像担持体に当接する現像ロールを含む請求項1〜8のいずれか1つに記載の現像装置とを少なくとも備えたことを特徴とする画像形成装置。
- 一方向に回転する像担持体と、該像担持体に当接する現像ロールを含む請求項1〜8のいずれか1つに記載の現像装置とを少なくとも備え、
画像形成装置本体に対して脱着可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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