JP2007071963A - 現像装置、並びに、これを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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保雄 松村
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弘高 松岡
Tsutomu Kubo
久保  勉
Masaaki Yamaura
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Abstract

【課題】乳化重合凝集法により作製されたトナーを含む非磁性一成分現像剤を用い、ゴーストの発生およびハーフトーン画像のムラの発生が抑制できると共に高い画像濃度が得られる現像装置を提供すること。
【解決手段】一方向に回転する像担持体と当接しながら回転し、結着樹脂を含むトナーを有する非磁性一成分現像剤を前記像担持体に供給する現像ロールと、該現像ロールに圧接するトナーかき取り部材と、を少なくとも備え、前記トナーが、少なくとも樹脂粒子を含む原料粒子を分散させた原料分散液中で、前記原料粒子を凝集させて凝集粒子を形成する凝集工程と、前記凝集粒子を加熱して融合させる融合工程とを経て作製される現像装置であって、前記トナーの表面がフッ素原子および/または珪素原子を含む物質を有することを特徴とする現像装置。
【選択図】 なし

Description

本発明は、非磁性一成分現像剤を用いて静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置、並びに、これを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジに関するものである。
非磁性トナーからなる現像剤を用いた非磁性一成分現像においては、現像ロール上に層状に形成されたトナーが現像されずに何回も層規制部を通過し、その後、現像ロール表面の特定の領域内にのみ存在するトナーを現像した後に、この特定の領域内および特定の領域外の双方にまたがる領域に存在するトナーを現像してハーフトーン画像を出力すると、ハーフトーン画像中の特定の領域に対応する部分と、そうでない部分との間に濃度差を生じるいわゆるゴーストが発生する場合がある。
このゴースト現象は、現像ロール表面のトナーをかきとるかき取りロールやトナーの付着力に影響され、長期に使用するとトナーやかき取りロールの劣化によって悪化する。このゴーストの発生を防ぐためには、トナー表面を低表面エネルギー化することが効果的である。このような低表面エネルギー化したトナーとしては、例えば、分散重合や、懸濁重合のような湿式製法や粉砕法により得られたトナーの表面を、フッ素系処理を用いて低表面エネルギー化する方法が提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
しかしながら、懸濁重合のような湿式製法により得られたトナーや、粉砕法により得られたトナーでは、低温定着性に劣る、得られる画像の光沢度が低い、トナー製造時の環境への負荷が大きいなどのデメリットがある。これらのトナーに対して、乳化重合凝集法により得られたトナーは、低温定着性に優れ、得られる画像の光沢度が高く、トナー製造時の環境への負荷も小さくすることが容易であることが知られている(例えば、特許文献2等)。
一方、乳化重合法により作製されたトナーは、懸濁重合法や、粉砕法により得られた従来のトナーと比べると、現像ロールと像担持体とが接触するタイプの非磁性一成分現像装置(以下、「接触型非磁性一成分現像装置」と称す場合がある)ではゴーストがより発生しやすい。また、このトナーを接触型非磁性一成分現像装置で連続走行すると、ハーフトーン画像にムラを生じてしまう。しかし、現像ロールと像担持体とが接触しないタイプの非磁性一成分現像装置(以下、「非接触型非磁性一成分現像装置」と称す場合がある)であれば、乳化重合法により作製されたトナーを用いてもこのムラの発生を防止することができる。
但し、非接触型非磁性一成分現像装置は、接触型非磁性一成分現像装置と比べると、使用する現像ロールの寸法精度がより高くなければならない上に、現像ロールに接続されるバイアス電源としてDC電源の他にAC電源を用いる必要もあるため、コストが高い。また、AC電源を用いるため、トナークラウドによる画像形成装置内の汚染が発生しやすいという問題もあった。
特開平10−73958号公報 特開2001−083730号公報
このように、乳化重合凝集法により作製されたトナーは、懸濁重合法や粉砕 法等により作製された従来のトナーと比べると低温定着性や得られる画像が高光沢である点で優れた特性を有しているものの、非磁性一成分現像装置と組み合わせて利用するには、ゴーストやハーフトーン画像のムラが発生する。また、付加的な問題としては、コストの増加や画像形成装置内の汚染も挙げられる。
本発明は、上記問題点を解決することを課題とする。すなわち、本発明は、乳化重合凝集法により作製されたトナーを含む非磁性一成分現像剤を用い、ゴーストの発生および
ハーフトーン画像のムラの発生が抑制できると共に高い画像濃度が得られる現像装置、並びに、これを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために、乳化重合凝集法により作製されたトナーを含む非磁性一成分現像剤を用いて、接触型非磁性一成分現像装置を利用して画像を形成した場合にゴーストやハーフトーン画像のムラが発生する原因について、実際に画像を形成した際のトナーを調査することにより鋭意検討した。その結果、ゴーストやハーフトーン画像のムラが発生した場合には、トナー表面に添加されている外添剤がトナー表面に埋り込んでいるトナーが発生していることを確認した。このことから、本発明者らは、トナー表面に外添剤が埋まり込むことによって、トナーの流動性が低下して現像ロール上への1回のトナー層形成ではトナー層が不均一となり、ゴーストやハーフトーン画像のムラの発生を招くのみならず、トナーの流動性の低下によって画像濃度の低下も引き起こしているものと考えた。
それゆえ、ゴーストやハーフトーン画像のムラの発生を抑制するには、トナー表面に外添剤が埋まり込んだ場合でもトナーの流動性の低下を抑止できるようにすることが重要であると考え、以下の本発明を見出した。
すなわち、本発明は、
<1>
一方向に回転する像担持体と当接しながら回転し、結着樹脂を含むトナーを有する非磁性一成分現像剤を前記像担持体に供給する現像ロールと、該現像ロールに圧接するトナーかき取り部材と、を少なくとも備え、
前記トナーが、少なくとも樹脂粒子を含む原料粒子を分散させた原料分散液中で、前記原料粒子を凝集させて凝集粒子を形成する凝集工程と、前記凝集粒子を加熱して融合させる融合工程とを経て作製される現像装置であって、
前記トナーの表面がフッ素原子および/または珪素原子を含む物質を有することを特徴とする現像装置である。
<2>
前記トナーの表面を構成する結着樹脂が、フッ素原子および/または珪素原子を含むことを特徴とする<1>に記載の現像装置である。
<3>
前記トナー表面のXPS測定による前記結着樹脂等に起因する炭素原子に対する前記フッ素原子または前記珪素原子の比率が、0.01〜1.0の範囲内であることを特徴とする<1>または<2>に記載の現像装置である。
<4>
前記トナーの形状係数SF1が145以上であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1つに記載の現像装置である。
<5>
前記トナーの粒度分布が下式(1)を満たすことを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1つに記載の現像装置である。
・式(1) 1.30<GSDv≦1.45 〔ただし、式(1)に示すGSDvは(D84v/D16v)0.5を意味し、D16vは前記トナーの体積粒度分布の小粒径側から累積16%になったときの粒径を、D84vは前記トナーの体積粒度分布の小粒径側から累積84%になったときの粒径をそれぞれ示す。〕
<6>
前記トナーの体積平均粒径が5μm以下であることを特徴とする<1>〜<5>のいずれか1つに記載の現像装置である。
<7>
前記現像ロールの回転方向に対して前記像担持体の上流側且つ前記トナーかき取り部材の下流側に、前記現像ロールに圧接するトナー層規制部材を設けたことを特徴とする<1>〜<6>のいずれか1つに記載の現像装置である。
<8>
前記現像ロールの回転方向に対して前記像担持体の下流側且つ前記トナーかき取り部材の上流側に、前記現像ロールに当接する除電部材を設けたことを特徴とする<1>〜<7>のいずれか1つに記載の現像装置である。
<9>
一方向に回転する像担持体と、該像担持体に当接する現像ロールを含む<1>〜<8>のいずれか1つに記載の現像装置とを少なくとも備えたことを特徴とする画像形成装置である。
<10>
一方向に回転する像担持体と、該像担持体に当接する現像ロールを含む<1>〜<8>のいずれか1つに記載の現像装置とを少なくとも備え、
画像形成装置本体に対して脱着可能であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
以上に説明したように本発明によれば、乳化重合凝集法により作製されたトナーを含む非磁性一成分現像剤を用い、ゴーストの発生およびハーフトーン画像のムラの発生が抑制できると共に高い画像濃度が得られる現像装置、並びに、これを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することができる。
本発明の現像装置は、一方向に回転する像担持体と当接しながら回転し、結着樹脂を含むトナーを有する非磁性一成分現像剤を前記像担持体に供給する現像ロールと、該現像ロールに圧接するトナーかき取り部材と、を少なくとも備え、使用されるトナーとしては、少なくとも樹脂粒子を含む原料粒子を分散させた原料分散液中で、前記原料粒子を凝集させて凝集粒子を形成する凝集工程と、前記凝集粒子を加熱して融合させる融合工程とを経て作製されたものが利用される。
ここで、本発明の現像装置に用いられるトナーは、以下の(A)を満たすことを特徴とする。これに加えて以下の(B)及び/または(C)を満たすことが更に好ましい。
(A)トナーの表面がフッ素原子および/または珪素原子を含む物質を有する。
(B)トナーの形状係数SF1が145以上である。
(C)トナーの粒度分布が下式(1)を満たす。
・式(1) 1.30<GSDv≦1.45 〔ただし、式(1)に示すGSDvは(D84v/D16v)0.5を意味し、D16vは前記トナーの体積粒度分布の小粒径側から累積16%になったときの粒径を、D84vは前記トナーの体積粒度分布の小粒径側から累積84%になったときの粒径をそれぞれ示す。〕
本発明の現像装置は、像担持体と現像ロールとが接触する接触型非磁性一成分現像装置であるため、非接触型非磁性一成分現像装置と比べると、低コストである上に、トナークラウドによる画像形成装置内の汚染も抑制することができる。また、トナーとしては上述したような凝集工程と、融合工程とを経て作製されるいわゆる乳化重合凝集法により作製されたトナーを用いるため、低温定着性に優れると共に、高い光沢度の画像を得ることができる。
ここで、トナーの表面がフッ素原子および/または珪素原子を含む物質を有する場合には、トナー表面の表面エネルギーが小さくなる。このため、外添剤がトナー表面に埋まり込んでも、トナー同士の粘着性の増加(離型性の低下)を抑制して、流動性を維持できるため、ゴーストの発生やハーフトーン画像のムラの発生を抑制することができると共に高い画像濃度が得られる。
一方、本発明者らは、接触型非磁性一成分現像装置用のトナーとして懸濁重合法や、粉砕法などにより作製されたトナーは従来から利用可能であったのに対して、従来の乳化重合凝集法により作製されたトナーでは、ゴーストの発生が顕著で利用が困難であった理由についても鋭意検討した。その結果、懸濁重合法や、粉砕法などにより作製されたトナーと比べて、形状がより真球状に近く且つ粒度分布が狭いという乳化重合凝集法により作製されたトナーの一般的な特徴が、ゴーストの発生をより顕著にしているものと推定した。
すなわち、形状がより真球状に近く且つ粒度分布が狭いとトナーの充填密度が高いため、流動性が悪くなる傾向にあるが、外添剤がトナー表面に埋まり込むことによって、より一層流動性を悪化させ、結果的にゴーストの発生やハーフトーン画像のムラの発生をより顕著にすると共に、画像濃度の低下も招きやすくしているものと推定される。
従って、本発明者らは、乳化重合凝集法により作製されたトナーの形状や粒度分布を、懸濁重合法や、粉砕法などにより作製されたトナーに近づけてやれば、より一層、ゴーストの発生やハーフトーン画像のムラの発生を抑制すると共に、高い画像濃度も得ることができるものと考えた。
次に、本発明に用いられるトナーの特徴について、より詳細に説明する。
本発明に用いるトナーには、トナーの表面がフッ素原子および/または珪素原子を含む物質を有する。この物質は、トナーの表面を構成する結着樹脂であることが好ましいが、これに限定されるものではなく、フッ素原子および/または珪素原子を含むカップリング剤等の低分子量の物質であってもよい。
なお、トナーの表面を構成する結着樹脂が、フッ素原子および/または珪素原子を含む場合、トナー表面のXPS測定による結着樹脂等に起因する炭素原子に対するフッ素原子または珪素原子の比率(F/C比、または、F/Si比)が、0.01〜1.0の範囲内であることが好ましく、0.02〜0.08の範囲内であることがより好ましく、0.05〜0.6の範囲内であることが更に好ましい。
F/C比や、F/Si比が0.01未満の場合にはトナー表面を十分に低エネルギー化することができないため、外添剤がトナー表面に埋まりこんだ場合に、トナーの流動性が低下し、ゴーストやハーフトーン画像のムラが発生したり、画像濃度が低下してしまう場合がある。従って、ゴーストやハーフトーン画像のムラの抑制および高い画像濃度を得る観点からは、F/C比や、F/Si比は大きい方が好ましいが、大き過ぎる場合には結着樹脂の溶融粘度が高くなるだけでなく、トナー溶融時に粘着性が低下するため、用紙などの記録媒体への定着性が低下してしまう場合がある。
また、フッ素原子及び/または珪素原子を含む結着樹脂は、トナー表面から1μm未満の深さの範囲内に存在していることが好ましく、上述したF/C比や、F/Si比はトナー表面から1μm未満の深さの範囲内でのみ満たされていることが好ましい。トナー表面から1μm以上の深さの部分においてもフッ素原子及び/または珪素原子を含む結着樹脂が存在し、この部分でF/C比や、F/Si比が0.01を超えると、トナー中に含まれる結着樹脂全体の溶融粘度が高くなるだけでなく、トナー溶融時に粘着性が低下するため、用紙などの記録媒体への定着性が低下してしまう場合がある。
なお、F/C比及び/またはSi/C比が0.01〜1の範囲となるトナー表面からの深さは0.9μm以下の範囲がより好ましく、0.6μmの範囲がさらに好ましい。但し、トナー粒子表面におけるフッ素原子または珪素原子を含む樹脂成分の層厚が薄すぎる場合には、連続使用時におけるトナー表面の離型性の低下によって、流動性が低下してゴーストやハーフトーン画像のムラが発生したり、画像濃度の低下が起こりやすくなるため、F/C比及び/またはSi/C比が0.01〜1の範囲となるトナー表面からの深さは0.01μm以上であることが好ましい。
一方、定着性の観点から、トナー表面からの深さは1μm以上の部分では、F/C比及び/またはSi/C比は、0.01以下であることが好ましく、0.005以下であることがより好ましく、理想的には0である。
なお、F/C比、および、Si/C比の測定は、X線光電子分光法(XPS)においてトナー表面をArイオンにより深さ方向にスパッタリングすることにより行うことができる。
XPS測定装置としては、日本電子製 JPS−9000MXを使用し、X線源をMg Kα、加速電圧を10.0kV、エミッション電流を20mVとして行った。
測定は、あらかじめトナーを構成する結着樹脂の平坦膜を用いスパッタリング時間とスパッタリング厚みの関係を求めた上で、トナーサンプルを1cm×1cmのAl製箱状台座に敷き詰め圧密充填し、加速電圧400V、連続モードの条件でArイオンでトナー表面からスパッタリングすることにより実施し、トナー表面からの深さがスパッタリング時間相当で所定の深さとなった時点のF/C比、Si/C比を求めた。
本発明に用いるトナーは、その形状係数SF1が145以上であることが好ましく、150以上であることがより好ましい。
通常、トナーの形状や粒度分布制御性に優れた乳化重合凝集法を利用して作製されるトナーの形状係数SF1は、140未満のいわゆる球状トナーであるため、外添剤がトナー表面に埋まり込んだ時にトナーの充填密度がより高くなって、流動性が一層悪化し、ゴーストおよびハーフトーン画像のムラの発生や画像濃度の低下を招いてしてしまう。しかし形状係数SF1を145以上とすることにより、より一層ゴーストおよびハーフトーン画像のムラの発生を抑制し、高い画像濃度も得ることができる。
なお、形状係数SF1は大きければ大きい方がより好ましいが、大きすぎる場合には、トナーの製造自体が困難となったり、高精細な画像が得られにくくなる場合があるため、実用上は160以下であることが好ましい。
なお、本発明において、形状係数SF1とは、下式(2)で定義される値を意味する。
・式(2) SF1=((トナー径の絶対最大長)2/トナーの投影面積)×(π/4)×100
ここで、式(2)に示されるトナー径の絶対最大長、トナーの投影面積は光学顕微鏡(ニコン製、Microphoto−FXA)を用いて倍率500倍に拡大したトナー粒子像を撮影し、得られた画像情報をインターフェースを介して例えばニコレ社製画像解析装置(LuzexIII)に導入して画像解析を行うことにより求めた。
また、形状係数SF1の値は、無作為にサンプリングした1000個のトナー粒子を測定して得られたデータを元に、平均値として算出した。
また、本発明に用いられるトナーは式(1)に示される粒度分布指標値であるGSDvが1.30を越えることが好ましく、1.35以上であることがより好ましい。
通常、トナーの形状や粒度分布制御性に優れた乳化重合凝集法を利用して作製されるトナーの粒度分布は1.30未満のトナーであるため、微粉量は少ない。一般に外添剤を外添する場合には小粒径のトナーの方が重量が小さいため、外添剤の付着している強度は、大粒径に比較して小さいものである。一方で粒子の総数は小粒径の粒子の方が多いため、粒度分布の大きいトナーは粒子全体では外添剤の付着が小さいものとなる。
したがって、現像機内の攪拌等によっても外添剤は埋め込まれにくくなるために、より一層ゴーストやハーフトーン画像のムラの発生を抑制し、画像濃度の低下も抑制することができる。これに対し粒度分布が1.30以下のトナーでは小粒径トナーが少なく、攪拌等による外添剤の埋め込みは制御できないため、流動性が悪化し、ゴーストやハーフトーン画像のムラが発生したり、画像濃度が低下する場合がある。なおGSDvが1.45を越えると小粒径トナーの量が多すぎるため、逆にトナーの流動性は悪化し、ゴーストやハーフトーン画像のムラの発生を抑制したり、高い画像濃度を得ることができなくなる場合がある。
なお、上述した式(1)に示されるGSDvは(D84v/D16v)0.5を意味し、D16vはトナーの体積粒度分布の小粒径側から累積16%になったときの粒径を、D84vはトナーの体積粒度分布の小粒径側から累積84%になったときの粒径をそれぞれ示す。
D16v及びD84vは以下の方法により求める。すなわち、測定装置としてはコールターカウンターTA−II型(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用した。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に測定試料を0.5〜50mg加える。これを前記電解液100ml中に添加した。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて2〜60μmの粒子の粒度分布を粒子数は50,000で測定した。
これに測定された粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、粒度の小さいほうから体積累積分布を描き、累積16%となる累積体積粒径をD16vと定義し、累積84%となる累積体積粒径をD84vと定義した。
なお、本発明の現像装置に用いるトナーは、(A)トナーの表面がフッ素原子および/または珪素原子を含む物質を有するものであれば特に限定されないが、ゴーストおよびハーフトーン画像のムラの発生より一層抑制すると共に、更により高い画像濃度を得る観点からは、(B)形状係数SF1が145以上および/または(C)GSDvが式(1)を満たすことがより好ましい。
但し、非磁性一成分現像では、トナーの粒度分布において総帯電量が相対的に大きくなる大粒径側のトナーが選択的に現像されることによって、経時的な画像濃度の低下を招く現象(いわゆる選択現像)が発生しやすく、このような選択現像の発生の有無や程度や、粒度分布の広さに依存する。
従って、ゴーストの抑制、ハーフトーン画像のムラの抑制および画像濃度の低下防止に加えて、さらに選択現像も高いレベルで抑制したい場合には、本発明の現像装置に用いるトナーとしては、上記(A)のみ、あるいは、上記(A)及び(B)を満たすトナーを用いることが好ましい。
一方、従来の乳化重合凝集法を利用して作製されるトナーは、良好な低温定着性を得るために、一般的に重量平均分子量が6000〜40000程度、トナーを構成する結着樹脂が非晶性樹脂である場合にはガラス転移温度が45〜65℃程度、トナーを構成する結着樹脂が結晶性樹脂である場合には融点が50〜95℃程度の結着樹脂が用いられる。
このような物性を有する結着樹脂を利用して作製されたトナーは、低温定着性に優れるものの、トナーの表面が軟らかくなるために、長期の使用では、外添剤がトナーの表面に埋め込まれ、流動性の低下によるゴーストやハーフトーン画像のムラの発生や、画像濃度の低下を招いてしまう。
また、近年、省エネルギー化の観点から、従来よりも更に低い温度で定着できるトナーが求められているが、このようなニーズに対応するために、結着樹脂の重量平均分子量や、ガラス転移温度、融点をより低くすると、ゴーストやハーフトーン画像のムラや、画像濃度の低下がより一層起こりやすくなるという問題がある。
本発明に用いるトナーも、乳化重合凝集法を利用して作製されるためトナー表面の軟らかさという点では、上述した従来の乳化重合凝集法を利用して作製されたトナーと同様の特性を有する。
しかしながら、本発明に用いるトナーは、上述したように、表面を低エネルギー化したものであり、より好ましくは形状や粒度分布を従来の乳化重合凝集法を利用して作製されるトナーと逆の方向に制御する。それゆえ、外添剤がトナーの表面に埋め込まれても、流動性が低下し難いため、ゴーストおよびハーフトーン画像のムラの発生を抑制すると共に、高い画像濃度を得ることができる。
また、本発明に用いられるトナーは、その表面の軟らかさとは関係なく、トナーの表面エネルギーや、形状、粒度分布を別個に制御できるため、従来よりも低い温度で定着できるようにトナー表面近傍を構成する結着樹脂の重量平均分子量を40000以下、ガラス転移温度を65℃以下、融点を95℃以下としてもゴーストやハーフトーン画像のムラの発生を抑制し、且つ、高い画像濃度を得ることができる上に低温定着も実現可能である。
−トナー(非磁性一成分現像剤)−
次に、本発明に用いるトナーの構成材料やその製造方法についてより詳細に説明する。
本発明に用いられるトナーは、いわゆる乳化重合凝集法を利用して作製されるものであり、具体的には、少なくとも樹脂粒子を含む原料粒子を分散させた原料分散液中で、原料粒子を凝集させて凝集粒子を形成する凝集工程と、凝集粒子を加熱して融合させる融合工程とを経て作製されるものである。また、必要に応じて、凝集粒子の表面に樹脂粒子を付着させる付着工程を設けてもよい。
なお、原料分散液は、樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液の他に、着色剤粒子を分散させた着色剤粒子分散液が少なくとも用いられ、この他にも必要に応じて、離型剤を分散させた離型剤分散液等の他の分散液を用い、これら分散液を混合して調整される。
また、トナーは単層構造であってもよいが、コア層とこのコア層を被覆するシェル層とからなるコアシェル構造を有するものであってもよい。単層構造の場合には、結着樹脂として非晶性樹脂を用いることが好ましく、コアシェル構造の場合には、コア層を構成する結着樹脂として結晶性樹脂を、シェル層を構成する結着樹脂として非晶性樹脂を用いることが好ましい。
なお、本発明に用いられるトナーを作製する場合には、凝集工程、融合工程の他に、付着工程を実施し、通常の炭素原子および水素原子を主体とする結着樹脂を含むコア層と、フッ素原子および/または珪素原子を含む結着樹脂からなるシェル層とを有するコアシェル構造のトナーを作製することが好ましい。
−本発明に用いられるトナーの結着樹脂(第1の結着樹脂)−
本発明に用いられるトナーの結着樹脂(第1の結着樹脂)は、ビニル系樹脂を代表とする非晶性樹脂はもとより、非結晶性のポリエステル樹脂、結晶性樹脂など様々なものを必要に応じて用いることができる。
上記非晶性樹脂としての例としては、スチレン、パラクロルスチレンなどのスチレン類;ビニルナフタレン、塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのメチレン脂肪族カルボン酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリルロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;N―ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物;アクリルアミドなどの含N極性基を有する単量体やメタクリル酸;アクリル酸、桂皮酸、カルボキシエチルアクリレートなどのビニルカルボン酸類;などビニル系モノマーの単量体などの重合体、またはこれらを2種以上組み合せた共重合体、またはこれらの混合物、さらにはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、またはこれらと前記ビニル系樹脂との混合物、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等を挙げることができる。これらの樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、結晶性樹脂として結晶性樹脂を用いることが好ましい。結晶性樹脂を用いることにより、低温定着性に優れ、かつクリーニング性にも優れるトナーを得ることができる。
上記結晶性樹脂としては、結晶性ポリエステル樹脂が好ましく、また適度な融点をもつ脂肪族系の結晶性ポリエステル樹脂がより好ましい。以下、本発明に用いる結晶性樹脂として結晶性ポリエステル樹脂を例に説明する。
脂肪族系の結晶性ポリエステル樹脂には、ポリカプロラクトンのように開環重合的に進行するポリエステルもあるが、酸(ジカルボン酸)成分とアルコール(ジオール)成分とから合成されるものも多い。前記ポリエステル樹脂が結晶性であると、良好な低温定着性を確保しつつ、耐トナーブロッキング性、画像保存性を保つことができるため好ましい。
なお本発明において、「結晶性ポリエステル樹脂」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものを指す。また、前記結晶性ポリエステル主鎖に対して他成分を共重合したポリマーの場合、他成分が50重量%以下の場合、この共重合体も結晶性ポリエステル樹脂と呼ぶ。以下の説明において、「酸由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前には酸成分であった構成部位を指し、「アルコール由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前にはアルコール成分であった構成部位を指す。
前記酸由来構成成分は、脂肪族ジカルボン酸が望ましく特に直鎖型のカルボン酸が望ましい。例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸など、あるいはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられるが、この限りではない。
前記酸由来構成成分としては、前記脂肪族ジカルボン酸由来構成成分のほか、2重結合を持つジカルボン酸由来構成成分、スルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分等の構成成分が含まれているのが好ましい。
なお、前記2重結合を持つジカルボン酸由来構成成分には、2重結合を持つジカルボン酸に由来する構成成分のほか、2重結合を持つジカルボン酸の低級アルキルエステルまたは酸無水物等に由来する構成成分も含まれる。また、前記スルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分には、スルホン酸基を持つジカルボン酸に由来する構成成分のほか、スルホン酸基を持つジカルボン酸の低級アルキルエステルまたは酸無水物等に由来する構成成分も含まれる。
前記2重結合を持つジカルボン酸は、その2重結合を利用して樹脂全体を架橋させ得る点で、定着時のホットオフセットを防ぐために好適に用いることができる。このようなジカルボン酸としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、3−ヘキセンジオイック酸、3−オクテンジオイック酸等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でも、コストの点で、フマル酸、マレイン酸等が好ましい。
また、前記スルホン酸基を持つジカルボン酸は、顔料等の着色剤の分散を良好にできる点で有効である。
樹脂全体を水に乳化あるいは懸濁して樹脂粒子に作製する際に、スルホン酸基があれば、後述するように、界面活性剤を使用しないで乳化あるいは懸濁が可能である。このようなスルホン基を持つジカルボン酸としては、例えば、2−スルホテレフタル酸ナトリウム塩、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩、スルホコハク酸ナトリウム塩等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でも、コストの点で、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩等が好ましい。
前記脂肪族ジカルボン酸由来構成成分以外の酸由来構成成分(2重結合を持つジカルボン酸由来構成成分及び/またはスルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分)の、酸由来構成成分における含有量としては、1〜20構成モル%の範囲が好ましく、2〜10構成モル%の範囲がより好ましい。
前記含有量が、1構成モル%未満の場合には、顔料分散が良くなかったり、乳化粒子径が大きくなり、凝集によるトナー径の調整が困難となることがある。一方、20構成モル%を超えると、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下して、画像の保存性が悪くなったり、乳化粒子径が小さ過ぎて水に溶解し、ラテックスが生じないことがある。
なお、本発明において、上記「構成モル%」とは、ポリエステル樹脂における各構成成分(酸由来構成成分、アルコール由来構成成分)を1単位(モル)したときの百分率を指す。
前記アルコール由来構成成分としては、脂肪族ジオールが望ましく、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9―ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ドデカンジオール、1,12−ウンデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、などが挙げられるが、この限りではない。
前記アルコール由来構成成分が脂肪族ジオール由来構成成分の場合には、脂肪族ジオール由来構成成分の含有量が80構成モル%以上であって、必要に応じてその他の成分を含む。さらに前記アルコール由来構成成分が脂肪族ジオール由来構成成分の場合、前記脂肪族ジオール由来構成成分の含有量は90構成モル%以上であるのが好ましい。
前記脂肪族ジオール由来構成成分の含有量が、80構成モル%未満では、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下するため、耐トナーブロッキング性、画像保存性及び、低温定着性が悪化してしまう場合がある。
前記必要に応じて含まれるその他の成分としては、2重結合を持つジオール由来構成成分、スルホン酸基を持つジオール由来構成成分等の構成成分である。前記2重結合を持つジオールとしては、2−ブテン−1,4−ジオール、3−ブテン−1,6−ジオール、4−ブテン−1,8−ジオール等が挙げられる。前記スルホン酸基を持つジオールとしては、1,4−ジヒドロキシ−2−スルホン酸ベンゼンナトリウム塩、1,3−ジヒドロキシメチル−5−スルホン酸ベンゼンナトリウム塩、2−スルホ−1,4−ブタンジオールナトリウム塩等が挙げられる。
これらの、直鎖型の脂肪族ジオール由来構成成分以外のアルコール由来構成成分を加える場合、すなわち2重結合を持つジオール由来構成成分及び/またはスルホン酸基を持つジオール由来構成成分を加える場合、全アルコール由来構成成分における2重結合を持つジオール由来構成成分及び/またはスルホン酸基を持つジオール由来構成成分の含有量は、1〜20構成モル%の範囲が好ましく、2〜10構成モル%の範囲がより好ましい。
前記脂肪族ジオール由来構成成分以外のアルコール由来構成成分の含有量が、全アルコール由来構成成分に対して1構成モル%未満の場合には、顔料分散が良くなかったり、乳化粒子径が大きくなったり、凝集によるトナー径の調整が困難となることがある。一方、20構成モル%を超えると、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下して、画像の保存性が悪くなったり、乳化粒子径が小さ過ぎて水に溶解し、ラテックスが生じないことがある。
本発明に用い得る結晶性ポリエステル樹脂の融点は50〜120℃の範囲が好ましく、より好ましくは60〜110℃の範囲である。融点が50℃より低いとトナーの保存性や、定着後のトナー画像の保存性が問題となる。また、120℃より高いと、従来のトナーに比べて十分な低温定着が得られない。
なお、前記結晶性樹脂の融点の測定には、示差走査熱量計(DSC)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時のJIS K−7121:87に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めることができる。この場合、結晶性の樹脂には、複数の融解ピークを示す場合があるが、本発明においては、最大のピークをもって融点とみなす。
前記結晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができ、例えば、直接重縮合、エステル交換法等を、モノマーの種類によって使い分けて製造する。前記酸成分とアルコール成分とを反応させる際のモル比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概には言えないが、通常1/1程度である。
前記結晶性ポリエステル樹脂の製造は、重合温度が180〜230℃の間で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーとそのモノマーと重縮合予定の酸またはアルコールとを縮合させておいてから主成分と供に重縮合させるとよい。
前記結晶性ポリエステル樹脂の製造時に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物、亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物、亜リン酸化合物、リン酸化合物、及び、アミン化合物等が挙げられ、具体的には、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジt−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。
−本発明に用いられるトナーの結着樹脂(第2の結着樹脂)−
本発明に用いられるトナーの結着樹脂としては、フッ素原子および/または珪素原子を含む結着樹脂(第2の結着樹脂)を用いることが必要であり、トナーの作製に際しては、上述の第1の結着樹脂と併用することが好ましい。
第2の結着樹脂の作製方法としては、通常のスチレン、メタクリル酸メチルなどのビニル系単量体と、シリコンアクリレート、シリコンメタクリレート、フルオロシリコンアクリレート、フルオロシリコンメタクリレート、フルオロアクリレート、フルオロメタクリレートなどの含珪素、含フッ素系単量体とを乳化共重合したり、あらかじめ重合した含珪素、含フッ素系単量体を、通常のビニル系単量体にミニエマルション法などにより共存させて共存重合する方法などがある。なお、上記含フッ素系単量体、含珪素単量体は1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
第2の結着樹脂に含まれる低表面エネルギー基(フッ素原子、珪素原子を含む基)は、水中ではトナー粒子内部に内向きに埋没していると考えられるが、乾燥時に表面から水分がなくなることや加わる熱などによってトナー表面に露出し、低表面エネルギー作用を示すものと考えられる。
したがってトナー粒子乾燥時には、トナーの融点またがガラス転移点以下であり、30℃以上、好ましくは40℃以上で加熱することが、トナー粒子表面の表面エネルギーを低下させるためには有効である。
前記共重合により低表面エネルギー性を付与できる単量体あるいはコポリマーの例としては、以下のようなものが挙げられる。なお、下記構造式におけるMWは重量平均分子量を示す。
・パーフルオロアルキルエチルアクリレート(Cx2x+124OOCH=CH2、PFAA、xは1〜30の整数)
・シロキサニルメタクリレート(SiMA)
・シリルプロピルメタクリレート
・トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート(下記構造式(1))
・ペンタメチルジシロキサニルプロピルメタクリレート(下記構造式(2))
・トリフルオロエチルメタクリレート(FMA、下記構造式(3))
・ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート(下記構造式(4))
・パーフルオロオクチルエチルメタクリレート(下記構造式(5))
・SiMAとFMAとを主体とするコポリマー
Figure 2007071963
Figure 2007071963
第2の結着樹脂は、上記低表面エネルギー性を付与できる単量体等を単独、あるいは2種以上を用い、またはこれらと上述した第1の結着樹脂の作製に用いる単量体とを組合せて、後述する乳化重合法により得ることができる。得られた第2の結着樹脂における前記低表面性を付与できる単量体の含有量は、0.1〜30モル%の範囲であることが好ましく、0.2〜20モル%の範囲であることがより好ましい。
−樹脂粒子分散液−
次に、第1の結着樹脂および/または第2の結着樹脂を含む樹脂粒子を分散させてなる樹脂粒子分散液について説明する。
樹脂粒子分散液における分散媒としては、例えば水系媒体や有機溶剤などが挙げられる。
前記水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明においては、前記水系媒体に界面活性剤を添加混合しておくのが好ましい。界面活性剤としては特に限定されるものでは無いが、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤などが挙げられる。これらの中でもアニオン界面活性剤、カチオン系界面活性剤が好ましい。前記非イオン系界面活性剤は、前記アニオン界面活性剤またはカチオン系界面活性剤と併用されるのが好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記アニオン界面活性剤の具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどが挙げられる。また、前記カチオン界面活性剤の具体例としては、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。これらの中でもアニオン界面活性剤、カチオン系界面活性剤等のイオン性界面活性剤が好ましい。
前記有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、トルエンが挙げられ、前記結着樹脂に応じて適宜選択して用いる。
前記樹脂粒子が、前記ビニル基を有するエステル類、前記ビニルニトリル類、前記ビニルエーテル類、前記ビニルケトン類等のビニル系単量体の単独重合体または共重合体(ビニル系樹脂)である場合には、前記ビニル系単量体をイオン性界面活性剤中で乳化重合やシード重合等することにより、ビニル系単量体の単独重合体または共重合体(ビニル系樹脂)製の樹脂粒子をイオン性界面活性剤に分散させてなる分散液が調製される。
前記樹脂粒子が、前記ビニル系単量体の単独重合体または共重合体以外の樹脂である場合には、該樹脂が、水への溶解度が比較的低い油性溶剤に溶解するのであれば、該樹脂を該油性溶剤に溶解させ、この溶液を、ホモジナイザー等の分散機を用いてイオン性界面活性剤や高分子電解質と共に水中に微粒子分散し、その後、加熱または減圧して該油性溶剤を蒸散させることにより、ビニル系樹脂以外の樹脂粒子をイオン性界面活性剤に分散させてなる分散液が調製される。
一方、前記樹脂粒子が、前記結晶性ポリエステル及び無定形ポリエステル樹脂である場合、中和によりアニオン型となり得る官能基を含有した、自己水分散性をもっており、親水性となり得る官能基の一部または全部が塩基で中和された、水性媒体の作用下で安定した水分散体を形成できる。結晶性ポリエステル及び無定形ポリエステル樹脂において中和により親水性基と成り得る官能基はカルボキシル基やスルフォン基等の酸性基であるため、中和剤としては例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、アンモニア等の無機塩基や、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミンなどの有機塩基が挙げられる。
また、樹脂粒子としてそれ自体水に分散しない、すなわち自己水分散性を有しないポリエステル樹脂を用いる場合には、後述する離型剤と同様、樹脂溶液及びまたはそれと混合する水性媒体に、イオン性界面活性剤、高分子酸、高分子塩基等の高分子電解質と共に分散し、融点以上に加熱し、強い剪断力を印加可能なホモジナイザーや圧力吐出型分散機を用いて処理すると、容易に粒径が1μm以下の微粒子にされ得る。このイオン性界面活性剤や高分子電解質を用いる場合には、その水性媒体中における濃度は、0.5〜5重量%程度になるようにするのが適当である。
このようにして得られる樹脂粒子分散液中の樹脂粒子の体積平均粒径は、樹脂粒子が第1の結着樹脂あるいは第2の結着樹脂のいずれから構成される場合でも、1μm 以下であることが好ましく、好ましくは50〜400nmの範囲、より好ましくは70〜350nmの範囲である。
前記体積平均粒径が1μmを越えると、最終的に得られるトナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招き易い。一方、前記体積平均粒径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。
なお、前記樹脂粒子の体積平均粒径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定した。
−着色剤粒子分散液−
着色剤粒子分散液の作製に用いる着色剤としては、例えば、次のような着色剤を使用することができる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイト等を挙げることができる。黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、クロムイエロー、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G 、ベンジジンイエローG 、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーメネントイエローNCG等を挙げることができる。
橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR 、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG 、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダスレンブリリアントオレンジGK等を挙げることができる。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC 、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキ、ピグメントレッド−146、−147、−184、−185、−155、−238、−269などのナフトールレッド等を挙げることができる。
青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレートなどを挙げることができる。 紫色顔料としては、マンガン紫、ファストバイオレットB 、メチルバイオレットレーキ等を挙げることができる。
緑色顔料としては、酸化クロム、クロムグリーン、ピグメントグリーン、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等を挙げることができる。白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等をあげることができる。さらに、体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等を挙げることができる。
また、染料としては、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料、例えば、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等があげられる。
これらの着色剤は単独もしくは混合して使用される。これらの着色剤は、例えば、回転せん断型ホモジナイザーやボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等を用いて着色剤粒子の分散液として調製することができる。また、これらの着色剤粒子は極性を有する界面活性剤を用いて、ホモジナイザーによって水系に分散することもできる。
本発明に用いられる着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透過性、トナー中での分散性の観点から選択される。そして、着色剤は、トナー構成固体分総重量に対して、4〜15重量%の範囲で添加することができる。また、黒色着色剤として磁性体を用いる場合は、他の着色剤とは異なり、12〜240重量%の範囲で添加することができる。前記の着色剤の配合量は、定着時の発色性を確保するための必要量である。
前記着色剤粒子の体積平均粒径は100〜330nmの範囲にすることが好ましく、これにより、OHP透明性及び発色性を確保することができる。
なお、着色剤粒子の体積平均粒径は、前記同様レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定した。
−その他の成分−
本発明においては、必要によりトナー粒子に離型剤を含有させることができる。本発明で使用する離型剤の具体例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を示すシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類や、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのような動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物系・石油系ワックス、及びそれらの変性物などを挙げることができる。
これらのワックス類は、室温付近では、トルエンなど溶剤にはほとんど溶解しないか、溶解しても極めて微量である。
上記ワックス類は、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、融点以上に加熱するとともに、強い剪断付与能力を有するホモジナイザーや圧力吐出型分散機(ゴーリンホモジナイザー、ゴーリン社製)で微粒子状に分散させ、体積平均粒径が1μm以下の離型剤粒子を分散させた離型剤分散液とすることができる。
これらの離型剤は、トナー構成固体分総重量に対して5〜25重量%の範囲で添加することが、オイルレス定着システムにおける定着画像の剥離性を確保する上で望ましい。
なお、得られた離形剤粒子分散液の粒子径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定することができる。また、離型剤を使用するときには、樹脂粒子、着色剤粒子及び離型剤粒子を凝集した後に、さらに樹脂粒子分散液を追加して凝集粒子表面に樹脂粒子を付着することが帯電性、耐久性を確保する観点から望ましい。
また、必要に応じて、他の成分として画像の耐候性などを向上させるために重合性紫外線安定性単量体などを含有してもよい。
重合性紫外線安定性単量体の例としては、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのピペリジン系化合物が効果的である。これらは、1種また2種以上混合して用いることができる。
また、帯電制御剤として4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミ、鉄、クロムなどの錯体からなる染料やトリフェニルメタン系顔料など通常使用される種々の帯電制御剤を使用することができるが、凝集や合一時の安定性に影響するイオン強度の制御と廃水汚染減少の点から水に溶解しにくい材料が好適である。
なお、乳化重合、シード重合、着色剤の分散、樹脂粒子の分散、離型剤の分散、凝集、またはその安定化などに用いる界面活性剤の例としては、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤、アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン系界面活性剤、またポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤を併用することも効果的であり、分散のため手段としては、回転せん断型ホモジナイザーやメデイアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的なものが使用可能である。
次に、本発明に用いられるトナーの製造プロセスの詳細について、凝集工程、付着工程、融合工程、その他の工程の順に説明する。
−凝集工程−
凝集工程に用いる原料分散液は、樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液と、着色剤粒子を分散させた着色剤分散液と、この他、必要に応じて用いられる離型剤分散液等のその他の分散液を混合することによって調整される。
なお、本発明に用いるトナーを作製する場合には、原料分散液の調整に用いる樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子は第1の結着樹脂を含むものであることが好ましい。但し、後述する付着工程を実施しない場合には、樹脂粒子は第2の結着樹脂を含むことが必要である。
このようにして得られた原料分散液を、室温から結着樹脂のガラス転移温度の範囲において加熱することにより樹脂粒子や着色剤粒子等の各種原料粒子を凝集させて、凝集粒子を形成する。この凝集粒子の体積平均粒径は、3〜5μmの範囲にあることが好ましい。
前記樹脂粒子分散液と前記着色剤粒子分散液とを混合した場合における、前記樹脂粒子の含有量としては、40重量%以下であればよく、2〜20重量%の範囲程度であるのが好ましい。また、前記着色剤の含有量としては、50重量%以下であればよく、2〜40重量%の範囲程度であるのが好ましい。さらに、前記その他の成分(粒子)の含有量としては、本発明の目的を阻害しない程度であればよく、一般的には極く少量であり、具体的には0.01〜5重量%の範囲程度であり、0.5〜2重量%の範囲程度が好ましい。
−付着工程−
凝集工程を経た後は、必要に応じて付着工程を実施することができる。付着工程は、凝集粒子が形成された原料分散液中に、樹脂粒子分散液を添加混合して凝集粒子に樹脂粒子を付着させて、コア層となる凝集粒子の表面をシェル層となる樹脂粒子で被覆し、コアシェル構造を有する凝集粒子(以下、「付着凝集粒子」と称す場合がある)を形成する工程である。
このような付着工程を経て作製されるトナーは、コア層となる凝集粒子に含まれる着色剤や離型剤等の成分が、シェル層となる樹脂粒子によって被覆され、コアシェル構造を形成するため、トナーに内包される離型剤等の成分のトナー粒子表面への露出等が効果的に防止される。
なお、本発明に用いられるトナーを作製する場合には、第2の結着樹脂を含む樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液を用いて付着工程を実施する。
この場合、付着工程において分散液中に存在させる第2の結着樹脂を含む樹脂粒子と凝集粒子との混合比(第2の結着樹脂を含む樹脂粒子/凝集粒子)は、固形分重量比で、2/100〜50/100の範囲が好ましく、5/100〜40/100の範囲がより好ましい。上記混合比が2/100より少ないと、トナー表面の低表面エネルギー化が充分でなく高い離型性が得られない場合がある。また、50/100より多いと、トナー中に占めるフッ素原子や珪素原子を含む結着樹脂の割合が多くなりすぎて定着性等が悪化する場合がある。
凝集粒子の表面にシェル層となる樹脂粒子を付着させる条件は、以下の通りである。
すなわち、温度としては、コア層となる凝集粒子を構成する樹脂粒子中の樹脂のガラス転移点(あるいは融点)以下の温度であり、室温程度であるのが好ましい。ガラス転移点(あるいは融点)以下の温度で加熱すると、コア層となる凝集粒子とシェル層となる樹脂粒子とが付着し易くなり、その結果、形成される付着凝集粒子が安定し易くなる。
加熱処理時間としては、加熱温度に依存するので一概に規定することはできないが、通常5分〜2時間の範囲程度である。
なお、付着工程を実施する際、コア層となる凝集粒子とシェル層となる樹脂粒子とを含有する分散液は、静置されていてもよいし、ミキサー等により穏やかに攪拌されていてもよい。後者の場合の方が、均一な付着凝集粒子が形成され易い点で有利である。
−融合工程−
凝集工程、あるいは、付着工程の後には、融合工程を実施する。
融合工程は、凝集工程を経て得られた凝集粒子を含む原料分散液を凝集粒子を構成する結着樹脂のガラス転移点以上の温度に加熱、あるいは、付着工程を経て得られた付着凝集粒子を含む原料分散液をシェル層となる結着樹脂のガラス転移点以上の温度に加熱することにより行われる。これにより、凝集粒子あるいは付着凝集粒子が融合し、トナー粒子を含むトナースラリーを得ることができる。ここで、融合工程における加熱処理は、一般には70〜120℃の範囲で行われる。
−その他の工程−
融合工程を終了した後、任意の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て所望のトナー粒子を得るが、洗浄工程は帯電性を考慮すると、イオン交換水で十分に置換洗浄することが望ましい。また、固液分離工程には特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等が好適である。さらに、乾燥工程も特に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。 また、乾燥工程を経た後は、必要に応じて種々の外添剤を添加することができる。
−外添剤−
外添剤としては、動性付与やクリーニング性向上の目的で通常のトナーと同様に乾燥した後、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウムなどの無機微粒子やビニル系樹脂、ポリエステル、シリコーンなどの樹脂粒子を乾燥状態でせん断をかけながら前記トナー粒子表面に添加して使用することができる。
また、水中にてトナー表面に付着せしめる場合には、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど通常トナー表面の外添剤として使うすべてのものをイオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基で分散することにより使用することができる。
本発明のトナーの体積平均粒径は、2.0〜7.0μmの範囲内であることが好ましく、2.0〜5.0μmの範囲内であることがより好ましい。7.0μmを超えると画像の粒状性が悪化する場合がある。 また、2.0μmを下回ると、帯電性が不十分になり、現像性が低下することがある。
−現像装置、画像形成装置、プロセスカートリッジ−
次に、本発明の現像装置の構成や、この現像装置を用いた画像形成装置およびプロセスカートリッジの構成について以下に説明する。
本発明の現像装置は、一方向に回転する像担持体と当接しながら回転し、結着樹脂を含むトナーを有する非磁性一成分現像剤を前記像担持体に供給する現像ロールと、該現像ロールに圧接するトナーかき取り部材と、を少なくとも備えたものであれば特に限定されないが、前記現像ロールの回転方向に対して前記像担持体の上流側且つ前記トナーかき取り部材の下流側に、前記現像ロールに圧接するトナー層規制部材を備えたものであることが好ましい。
また、ゴーストをより一層抑制するためには、前記現像ロールの回転方向に対して前記像担持体の下流側且つ前記トナーかき取り部材の上流側に、前記現像ロールに当接する除電部材を設けられていることが好ましい。
次に、本発明の現像装置を図面を用いてより具体的に説明する。図1は本発明の現像装置の一構成例を示す概略模式図であり、図中、10は現像装置、12は現像ロール、14はバイアス電源(DC電源)、16はトナーかき取り部材、18はトナー層規制部材、20はアジテーター、22は筐体、24は現像剤(トナー)、26は像担持体(感光体)を表す。
現像装置10は、不図示の駆動源によって矢印A方向に回転可能な像担持体26と当接するように配置され、像担持体26の回転に伴い矢印B方向に従動回転可能な現像ロール12と、現像ロール12に接続されたバイアス電源14と、現像ロール12の回転方向において現像ロール12と像担持体26との当接部よりも下流側の位置に、現像ロール12に圧接するように配置され、現像ロール12の回転に対して逆行するように矢印C方向に回転可能なトナーかき取り部材16と、現像ロール12の回転方向において、現像ロール12とトナーかき取り部材16との圧接部よりも下流側且つ現像ロール12と像担持体26との当接部の上流側の位置に、現像ロール12に当接するように配置されたトナー層規制部材18と、現像ロール12の像担持体26が配置された側と反対側に位置し、現像ロール12が配置された側に開口部を有する筐体22と、筐体22内に配置されたアジテーター20とから構成される。
なお、トナー層規制部材18は、筐体22の開口部を閉鎖するように、その一旦が筐体22の開口部に固定されている。また、筐体22の開口部のトナー層規制部材18が取り付けられている側(開口部上側)と反対側(開口部下側)は、現像ロール12やトナーかき取り部材16の下側を覆うように構成されている。 ここで、トナー24は、筐体22の下側に堆積するように配置されており、現像ロール12の下側と筐体22の開口部下側との間の空間を隙間なく満たすと共に、トナーかき取り部材16を覆うように堆積している。また、トナー24は筐体22内に設けられたアジテーター20により、適宜、筐体22内部から、現像ロール12が配置された筐体22開口部側へと供給されるようになっている。
現像に際しては、まず、筐体22内のトナー24が、アジテーター20からトナーかき取り部材16により現像ロール12表面に供給される。次に、現像ロール12表面に付着したトナー24が、トナー層規制部材18によって、現像ロール12表面に均一な厚みのトナー層を形成するように付着する。続いて、静電潜像(不図示)が形成された像担持体26表面と、バイアス電源14によりバイアス電圧が印加された現像ロール12との間の電位差に応じて、現像ロール12表面に付着しているトナー24が、現像ロール12側に移着し、静電潜像が現像される。なお、現像を終えた後の現像ロール12表面に残留しているトナー24は、トナーかき取り部材16によってかき取られる。
次に、本発明の現像装置を備えた画像形成装置について説明する。本発明の画像形成装置は、一方向に回転する像担持体と、この像担持体に当接する現像ロールを含む本発明の現像装置とを少なくとも備えたものであれば特に限定されず、例えば、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各色に対応する像担持体と現像装置とを含む画像形成ユニットを4つ備えたようないわゆるタンデム型の画像形成装置であってもよい。また、像担持体と本発明の現像装置とを少なくとも備えた画像形成ユニットは、画像形成装置本体に対して脱着可能なプロセスカートリッジであってもよい。
図2は、本発明の画像形成装置の主要部の一構成例を示す概略模式図であり、図中、28は帯電装置(非接触型帯電器)、30は転写ロール、32はクリーニング装置、34は中間転写ベルト、40は画像形成ユニットを表し、その他の符号で示される部材は、図1中に示すものと同様である。
図2に示す画像形成ユニット40は、像担持体26と、帯電装置28と、クリーニング装置32とを含むものである。なお、像担持体26の周囲には、その回転方向に沿って、帯電装置28と、現像装置10と、転写ロール30と、クリーニング装置32とがこの順に配置されており、像担持体26と転写ロール30との間には、両者の間に挟持されるように中間転写ベルト34が配置され、転写部を構成している。
また、像担持体26の帯電装置28と現像装置10との間の表面には、画像情報に応じたレーザー光(図中矢印L)が、不図示の露光装置により照射されるようになっている。
ここで、画像の形成は、次のように行われる。まず、帯電装置28により像担持体26表面が帯電させられ、続いて、帯電された像担持体26表面に画像情報に応じたレーザー光が照射されることにより静電潜像が形成される。続いて、この静電潜像が既述したように現像装置10により現像され、像担持体26表面にトナー像が形成される。その後、像担持体26表面に形成されたトナー像は、転写部にて、中間転写ベルト34表面に転写され、不図示の転写・定着手段によって記録媒体表面に転写・定着されることにより画像が形成される。なお、転写後の像担持体26表面は、クリーニング装置26によりクリーニングされ、次の画像形成に備える。
なお、タンデム型の画像形成装置では、各色のトナーに応じた画像形成ユニット40が、中間転写ベルト34に沿って複数配置される。このような装置で、カラー画像を形成する場合には、各色のトナーに応じた画像形成ユニット40により形成された各色のトナー像が、中間転写ベルト34表面に、画像情報に対応するように順次重ね合わせて転写されて、この積層されたトナー像が記録媒体表面に一括して転写・定着される。
以下に本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<樹脂微粒子分散液の調製>
・スチレン・・・・・・・・・・・・・・・296部
・アクリル酸n−ブチル・・・・・・・・・104部
・アクリル酸・・・・・・・・・・・・・・・・6部
・ドデカンチオール・・・・・・・・・・・・10部
・アジピン酸ジビニル・・・・・・・・・・1.6部
・アクリル酸トリフルオロエチル・・・・・・10部
(以上、和光純薬(株)製)
以上の成分を混合し溶解した混合物を、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)8部をイオン交換水610部に溶解した溶液に加えて、フラスコ中で分散し、乳化し、10分ゆっくりと混合しながら、過硫酸アンモニウム(和光純薬(株)製)8部を溶解したイオン交換水50部を投入し、窒素置換を0.1リットル/分で20分行った。その後、フラスコ内を撹拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、体積平均粒径が200nm、固形分濃度が40%となる樹脂微粒子分散液を調製した。その分散液の一部を100℃のオーブン上に放置して水分を除去したものをDSC(示差走査型熱量計)測定を実施したところ、ガラス転移点は53℃、重量平均分子量は31,000であった。
<着色剤分散液の調整>
・カーボンブラック・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100部
(キャボット社製、BPL)
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬社製)・・・・・10部
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・490部
以上の成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックス)を用いて10分間分散し、着色剤分散剤を調製した。
<離型剤粒子分散液の調製>
・パラフィンワックス(日本精蝋社製:HNP−9)・・・・・・・・・100部
・アニオン界面活性剤(ライオン(株)社製:リパール860K)・・・・10部
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・390部
上記成分を混合して溶解した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックス)を用いて分散し、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理して、平均粒径が200nmである離型剤粒子(パラフィンワックス)を分散してなる離型剤粒子分散液を調製した。
<トナーA1の作製>
・樹脂粒子分散液・・・・・・・・・・・・・・・・320部
・着色剤分散液・・・・・・・・・・・・・・・・・・80部
・離型剤粒子分散液・・・・・・・・・・・・・・・・96部
・硫酸アルミニウム(和光純薬(株)製)・・・・・1.5部
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・1270部
以上の成分を温度調節用ジャケット付き丸型ステンレス製フラスコ中に収容し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて5,000rpmで5分間分散させた後、フラスコに移動し、25℃で20分間4枚パドルで撹拌しながら放置した。その後撹拌しながらマントルヒーターで加熱し1℃/分の昇温速度で内部が48℃になるまで加熱し、48℃で20分間保持した。次に追加で樹脂粒子分散液(1)80部を緩やかに投入し、48℃で30分間保持したのち、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを6.5に調整した。
その後1℃/分の昇温速度で95℃まで昇温し、30分間保持した。0.1N硝酸水溶液を添加してpHを4.8に調整し、95℃で2時間放置した。その後更に前記1N水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを6.5に調整し92℃で5時間放置した。その後5℃/分で30℃まで冷却した。
出来上がったトナー粒子分散液をろ過し、(A)得られたトナー粒子に35℃のイオン交換水2,000部を添加し、(B)20分撹拌放置し、(C)その後ろ過した。(A)から(C)までの操作を5回繰り返した後、ろ紙上のトナー粒子を真空乾燥機に移し、45℃、1,000Pa以下で10時間乾燥した。なお1,000Pa以下としたのは前述のトナー粒子は含水状態であるため、乾燥初期においては45℃でおいても水分が凍結し、その後該水分が昇華するため、減圧時の乾燥機の内部圧力が一定にならないためである。ただし乾燥終了時には100Paで安定した。乾燥機内部を常圧に戻した後、これを取り出して、トナー母粒子を得、このトナー母粒子100部に対してシリカ外添剤(日本アエロシル社製、R972)を1.0部添加して、ヘンシェルミキサーにて3,000rpm、5分間で混合し、トナーA1を得た。
得られたトナーA1は体積平均粒径D50vが5.6μm、GSDvが1.23、平均形状係数SF1が131、F/C比は0.025であった。
<トナーA2の作製>
トナーA1におけるアジピン酸ジビニル量を4部、アクリル酸トリフルオロエチル量を1.5部にした以外はトナーA1と同様の方法でトナーA2を作製した。
得られたトナーA2は体積平均粒径D50vが5.5μm、GSDvが1.25、平均形状係数SF1が149、F/C比は0.0038であった。
<トナーA3の作製>
トナーA1における硫酸アルミニウム量を0.8部、アクリル酸トリフルオロエチル量を1.6部にした以外はトナーA1と同様の方法でトナーA3を作製した。
得られたトナーA3は体積平均粒径D50vが5.8μm、GSDvが1.39、平均形状係数SF1が134、F/C比は0.0041であった。
<トナーA4の作製>
トナーA1におけるアジピン酸ジビニル量を4.2部にした以外はトナーA1と同様の方法でトナーA4を作製した。
得られたトナーA4は体積平均粒径D50vが5.0μm、GSDvが1.27、平均形状係数SF1が150、F/C比は0.026であった。
<トナーA5の作製>
トナーA1における硫酸アルミニウム量1.0部にした以外はトナーA1と同様の方法でトナーA5を作製した。
得られたトナーA5は体積平均粒径D50vが5.8μm、GSDvが1.35、平均形状係数SF1が132、F/C比は0.025であった。
<トナーA6の作製>
トナーA1におけるアジピン酸ジビニル量を4部、アクリル酸トリフルオロエチル量を1.5部、硫酸アルミニウム量1.0部にした以外はトナーA1と同様の方法でトナーA6を作製した。
得られたトナーA6は体積平均粒径D50vが4.9μm、GSDvが1.35、平均形状係数SF1が132、F/C比は0.0039であった。
<トナーA7の作製>
トナーA4における硫酸アルミニウム量0.5部にした以外はトナーA4と同様の方法でトナーA7を作製した。
得られたトナーA7は体積平均粒径D50vが4.4μm、GSDvが1.56、平均形状係数SF1が151、F/C比は0.025であった。
<トナーA8の作製>
トナーA1におけるアジピン酸ジビニル量を4部、48℃の凝集温度を40℃にした以外はトナーA1と同様の方法でトナーA8を作製した。
得られたトナーA8は体積平均粒径D50vが3.2μm、GSDvが1.25、平均形状係数SF1が145、F/C比は0.025であった。
<トナーA9の作製>
トナーA8における40℃の凝集温度を25℃にした以外はトナーA8と同様の方法でトナーA9を作製した。
得られたトナーA9は体積平均粒径D50vが1.5μm、GSDvが1.24、平均形状係数SF1が139、F/C比は0.025であった。
<トナーA10の作製>
トナーA8における40℃の凝集温度を54℃にした以外はトナーA8と同様の方法でトナーA10を作製した。
得られたトナーA10は体積平均粒径D50vが6.5μm、GSDvが1.26、平均形状係数SF1が152、F/C比は0.025であった。
<トナーA11の作製>
トナーA8における40℃の凝集温度を56℃にした以外はトナーA8と同様の方法でトナーA11を作製した。
得られたトナーA11は体積平均粒径D50vが7.5μm、GSDvが1.31、平均形状係数SF1が154、F/C比は0.025であった。
<トナーB1の作製>
トナーA1におけるアクリル酸トリフルオロエチル量を0部にした以外はトナーA1と同様の方法でトナーB1を作製した。
得られたトナーB1は体積平均粒径D50vが5.8μm、GSDvが1.22、平均形状係数SF1が127、F/C比は0であった。
<トナーB2の作製>
スチレン−アクリル酸n-ブチル共重合体(共重合比8:2、重量平均分子量40000、綜研化学社製)90部、カーボンブラック(キャボット社製:BPL)5部、離型剤(日本精蝋社製、HNP−9)5部をバンバリーミキサー(神戸製鋼社製)に入れ、内部の温度が110±5℃になるように圧力を加え、80rpmで混練を10分間行った。得られた混練物を冷却後、ハンマーミルにて粗粉砕し、これをジェットミルにて約7.5μmに微粉砕した後、エルボージェット分級機(松坂貿易社製)にて分級し、トナーB2を得た。
得られたトナーB2は体積平均粒径D50vが7.6μm、GSDvが1.36、平均形状係数SF1が155、F/C比は0であった。
<画像形成装置>
図2に示すような画像形成ユニットを備えた画像形成装置を用い、表1、2に示すようにトナー(非磁性一成分現像剤)の種類を変えて各種評価を実施した。なお、この画像形成装置の現像装置には、必要に応じて、現像ロールの回転方向に対して像担持体の下流側且つトナーかき取り部材の上流側に、現像ロールに当接する導電剤を分散させたポリイミドシートの除電部材を取り付けた。評価結果を表1,2に示す。
Figure 2007071963
Figure 2007071963
なお、表1,2中に示す各評価項目の評価方法および評価基準は以下の通りである。
−ゴースト−
ゴーストの評価は、富士ゼロックス社製Jコート紙上に画像面積率5%の文字画像を連続2000枚形成し、その後A4サイズの用紙の中央部分に1cm×20cmのベタ画像があるパターンA(図3中の左側のパターン)、直後にハーフトーン画像であるパターンB(図3中の右側のパターン)を出力し、ハーフトーン部分を、目視観察することにより評価した。評価基準は以下の通りである。
○:良い
○△:やや見える
△:やや悪い
×:悪い
−ハーフト−ン画像のムラ−
ハーフト−ン画像のムラは富士ゼロックス社製Jコート紙上に画像面積率5%の文字画像を連続2000枚形成し、図3中の右側に示すパターンBの画像を出力したときの出力画像表面を目視観察することにより評価した。評価基準は以下の通りである。
○:良い
△:やや不均一
×:不均一
−画像濃度−
画像濃度の評価は、富士ゼロックス社製Jコート紙上に画像面積率5%の文字画像を連続2000枚形成した後、5cm×5cm□のベタ画像を形成した際の光学濃度ODをX−rite社製の濃度測定器(X−rite404A)によって測定した。評価基準は以下の通りである。
○:OD>1.4
○△:1.3≦OD≦1.4
△:1.2≦OD<1.3
×:OD<1.2
−従来の乳化重合凝集法により作製されたトナーを用いた評価−
以下に、参考として従来の乳化重合凝集法により作製されたトナーを用いた評価結果について説明する。
ここでは、表1,2に示す評価に用いた場合と同様の画像形成装置と、従来の乳化重合凝集法により作製されたトナー(富士ゼロックス社製、Docu Centre Color 500用の体積平均粒径6.5μmの負に帯電型のYellow、Magenta、Cyan、Blackトナー)とを用いて層形成とプリント実験を行った。
なお、接触現像の現像ロールは一般的にアスカーC硬度が10〜60度のものが用いられるが、ここでは30度のものを使用した。また、掻き取り部材としてはウレタンスポンジロールを現像ロールとの接触部で表面が逆方向に移動するように当接させ、現像ロールに背後から100μm厚のりん青銅板で保持したウレタンゴムによる層形成部材を自由端部が現像ロールの進行方向上流側になるように当接させた。
次に、上記のトナーを用いた場合の層形成について評価した。まず、初期のトナーではトナー層が均一であるとともに、Yellow、Magenta、Cyan、Blackトナーの層形成後トナー搬送量は0.38〜0.52mg/cm2であった。
しかし、2000枚プリント後のトナー搬送量は0.83〜1.10mg/cm2となった。現像ロール上の感光体に向かって露出する部分のトナーをすべて吸引し、次に現像ロールを回転させて層形成を行う際、現像ロール1周ごとにトナー層を観察すると、初期では1周目から均一な層形成が行われるが、2000枚プリント後では、1周目はトナー層にムラがあり、2周目、3週目と徐々にムラが減少して50週程度で均一なトナー層となった。また、それぞれ接触現像で全面ハーフトーン画像を形成するプリントテストを行うと、初期では均一であるが、2000枚プリント後では全面にムラが発生した。
次に、同じ条件で現像ロールと感光体との間に200μmの間隙を設け、両者の間に1.5kV、3kHzのACバイアスを印加し、画像部では感光体側が150V正にシフトするようDCバイアスを重畳して非接触現像行った。このとき、初期のトナーと現像器のセットはもちろん、2000枚プリント後のトナーと現像器のセットを用いても全面ハーフトーンにムラは発生しなかった。
以上のことから、全面ハーフトーンのムラ現象の原因を次のように推定している。初期においてはトナーの流動性が良いために、層形成部材と現像ロールに挟まれて薄層化される際に、スリーブ法線方向に重なったトナーがスムーズに横にずれて均一なトナー層が形成される。
しかし、トナーの流動性が低下すると、層形成部材と現像ロールとに挟まれて薄層化される際に、スリーブ法線方向に重なったトナーが層形成部材と現像ロールとの間の圧力によってスムーズに横にずれて均一薄層とならず、1回の層形成ではトナーが重なった部分とトナーの存在しない部分とが生じてムラのある層となる。その後層形成を繰り返すと、トナーの空いた隙間にトナーが埋まってゆき、数十回の層形成を経てようやく厚めの均一層となる。
初期と2000枚プリント後のトナーをSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察したところ、初期にはトナー表面に多数の外添剤が見えているが、2000枚プリント後には表面に外添剤が付着しておらず、詳細に観察すると、外添剤がトナー表面に埋まりこんでいることがわかった。また、初期と2000枚プリント後のトナーの流動性評価を行ったところ、2000枚プリント後には流動性がかなり低下していることがわかった。
そこで、外添剤のうち流動性に関わる成分を減少させたものを用いてトナー層形成を行ったところ、トナー層が不均一になり、かなりの回数回転させて始めて均一なトナー層が得られた。
また、接触現像と非接触現像との違いを調べたところ、接触現像では2000枚プリント後にトナー搬送量が多くなったときにもほぼ100%に近い現像をしており、現像後の現像ロール表面はほとんどトナーが無い状態になっているのに対して、非接触現像ではトナー搬送量が多くなったときにもトナーの現像量が初期と大きく変わらず、現像後の現像ロール表面にはトナー層が残留していることが分かった。
したがって非接触現像では、ハーフトーンの後のトナー層形成はある程度トナーが現像ロール上に付着した状態にトナーを付着させることになり、全面ハーフトーンのムラが生じないものと考えられる。接触現像で、トナー層が厚い場合にもほとんどのトナーが現像されてしまう原因は、現像ロールが弾性を有しており、感光体との接触で表面にたわみなどを生じるためと考えられる。
すなわち、全面ハーフトーンのムラは接触現像でトナーの流動性が低下した場合に生じる現象であることがわかる。このため、従来であればコストアップとなっても非接触現像を選択する以外に解決方法が無かった。しかし、流動性が低下し難いトナーを用いる本発明では、接触現像でも解決することが可能である。
本発明の現像装置の一構成例を示す概略模式図である。 本発明の画像形成装置の主要部の一構成例を示す概略模式図である。 ゴーストおよびハーフトーンの画像ムラ評価に用いたコピー原稿のパターンを示す図である。
符号の説明
10 現像装置
12 現像ロール
14 バイアス電源(DC電源)
16 トナーかき取り部材
18 トナー層規制部材
20 アジテーター
22 筐体
24 現像剤(トナー)
26 像担持体(感光体)
28 帯電装置(非接触型帯電器)
30 転写ロール
32 クリーニング装置
34 中間転写ベルト
40 画像形成ユニット

Claims (10)

  1. 一方向に回転する像担持体と当接しながら回転し、結着樹脂を含むトナーを有する非磁性一成分現像剤を前記像担持体に供給する現像ロールと、該現像ロールに圧接するトナーかき取り部材と、を少なくとも備え、
    前記トナーが、少なくとも樹脂粒子を含む原料粒子を分散させた原料分散液中で、前記原料粒子を凝集させて凝集粒子を形成する凝集工程と、前記凝集粒子を加熱して融合させる融合工程とを経て作製される現像装置であって、
    前記トナーの表面がフッ素原子および/または珪素原子を含む物質を有することを特徴とする現像装置。
  2. 前記トナーの表面を構成する結着樹脂が、フッ素原子および/または珪素原子を含むことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記トナー表面のXPS測定による前記結着樹脂等に起因する炭素原子に対する前記フッ素原子または前記珪素原子の比率が、0.01〜1.0の範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
  4. 前記トナーの形状係数SF1が145以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の現像装置。
  5. 前記トナーの粒度分布が下式(1)を満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の現像装置。
    ・式(1) 1.30<GSDv≦1.45 〔ただし、式(1)に示すGSDvは(D84v/D16v)0.5を意味し、D16vは前記トナーの体積粒度分布の小粒径側から累積16%になったときの粒径を、D84vは前記トナーの体積粒度分布の小粒径側から累積84%になったときの粒径をそれぞれ示す。〕
  6. 前記トナーの体積平均粒径が5μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の現像装置。
  7. 前記現像ロールの回転方向に対して前記像担持体の上流側且つ前記トナーかき取り部材の下流側に、前記現像ロールに圧接するトナー層規制部材を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の現像装置。
  8. 前記現像ロールの回転方向に対して前記像担持体の下流側且つ前記トナーかき取り部材の上流側に、前記現像ロールに当接する除電部材を設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の現像装置。
  9. 一方向に回転する像担持体と、該像担持体に当接する現像ロールを含む請求項1〜8のいずれか1つに記載の現像装置とを少なくとも備えたことを特徴とする画像形成装置。
  10. 一方向に回転する像担持体と、該像担持体に当接する現像ロールを含む請求項1〜8のいずれか1つに記載の現像装置とを少なくとも備え、
    画像形成装置本体に対して脱着可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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